JP3821289B2 - 梁の接続隅部における気密構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、住宅等の建築物の気密構造、特に梁の接続隅部における気密構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、住宅には、計画的な換気による住宅の快適性の向上や、断熱性の向上による省エネルギー化を図るために、住宅の気密性が求められるようになってきている。一般に、気密住宅とは、気密性能を表す相当隙間面積が1平方メートル当たり5平方センチメートル以下のものをいい、これを達成するために、住宅の内部空間全体を気密面で囲うように気密工法が施工される。
【0003】
気密面の設定の方法として、1階と2階以上のそれぞれを、独自の気密面で囲う方法と、1階と2階以上の全体を気密面で囲う方法とがある。後者を採用した場合には、気密工法を施工する面積が少なくなるという利点があるが、1階と2階の間の梁部分、特に梁の接続隅部の気密を確保することが難しい。
【0004】
現在、住宅の1階と2階との間に設けられる梁の気密を確保する方法として、湿式気密工法と乾式気密工法とがある。
湿式気密工法は、梁の接続隅部等にウレタン等の樹脂を吹き付けることにより気密性を確保するものであるが、ウレタンを吹き付ける際に、有毒ガスの疑いがある塩素系ガスが発生するので、作業者の安全を確保するために、同時進行で内装工事等を施工することができない。また、ウレタンの吹付けは、大工等は行うことができず、専門工を必要とする。これらにより、湿式気密工法は、施工効率が悪いという問題があった。
【0005】
一方、乾式気密工法では、上記問題を解決することができるが、梁の接続隅部等は、その形状が複雑なものであるため、気密性を確保することが困難であった。
図7は、1階と2階(或いは2階と3階)との間に設けられた梁の配置を示した平面図であり、図中の斜線部は気密面を設けるべき気密ラインを示している。梁の接続隅部には、図示するように、気密ラインの出隅部A、入隅部B、入隅部であって梁つなぎが接続している入隅部Cがある。
出隅部Aは、図8に示すように、H型の梁1aを勝ち側として、該梁1aに、接続端部20を有するH型の梁1bを直交して当接し、該接続端部20に設けられた挿通孔と梁1aに設けられた挿通孔とを挿通するボルト21により固定したものである。
【0006】
上記出隅部Aにおける従来の乾式気密工法では、図9に示すように、厚さ約0.2ミリメートルのポリエチレンフィルムからなる気密シート4を、梁1a及び梁1bの形状に沿って折り曲げて密着し、気密シート4の接続部分にアルミテープ5を折り曲げて貼り付け、密封していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図9に示す工法では、気密シート4を梁の形状に沿って複雑な形状に折り曲げ、接続隅部に貼り付ける必要があるが、梁の接続隅部の形状は複雑であるので、その施工は容易でない。また、梁の接続隅部の形状に従い、適宜、現場において気密シート4の加工が必要となる。
また、アルミテープ5を複雑な形状に合わせて折り曲げながら貼り付けるので、アルミテープ5に歪みや隙間が生じやすく、これにより、気密性を十分に確保できないという問題がある。
【0008】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、住宅等の梁の接続隅部における気密性を確保し、かつ、施工が容易な、梁の接続隅部の気密構造を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためになされた本発明に係る発明は、一の梁の側面に他の梁の端部が接続されて梁同士が直交する接続隅部における気密構造であって、相互に直交する一の梁の側部を覆う面及び他の梁の側部を覆う面と、該2面の上端部に形成されて各梁の上面と密着する折曲がり部とを有する第1の気密部材が、前記接続隅部に覆設され、シート状の第2の気密部材が、各梁の側部を覆い、かつ、上記第1の気密部材とそれぞれ密接し重なり部分を持つように配設され、さらに断熱材を前記第1及び第2の気密部材と梁の屋内側の H 型溝との間に隙間なく配設するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき具体的に説明する。
図1は、本発明の実施例に係る梁の接続隅部における気密構造を示すものである。本気密構造は、図7に示す出隅部Aにおけるものであり、梁1aと梁1bとが接続した出隅部Aに、気密カバー10を配設し、梁1a、1bの屋内側に気密シート4を、該気密カバー10との重なり部分をもつように配設したものである。
【0011】
図1に示すように、本気密構造は、梁1aと梁1bとの接続隅部に、気密カバー10を、梁1a、1bの上面、及び断熱内壁枠8に密接するように設けてアルミテープ5で密着し、気密シート4を、梁1a及び梁1bの屋内側に、該気密カバー10と重なるように配設したものである。また、梁1a、1bは、軸組7上に設けられており、該軸組7の屋内側には断熱内壁枠8が配設されている。さらに、梁1a、1bが有するH型溝の屋内側の空間、及び梁1a、1bと断熱内壁枠8との間に形成される空間には断熱材9が配置されている。
【0012】
以下、本気密構造の詳細について、図2から図6に基づいて説明する。
図2に示すように、出隅部Aは、図8と同様に、H型の梁1aに、接続端部20を有するH型の梁1bを直交して当接し、該接続端部20に設けられた挿通孔と梁1aに設けられた挿通孔とを挿通するボルト21により固定したものであり、本気密構造においては、まず、気密カバー10を、当該出隅部Aに配設する。
【0013】
図3及び図4は、上記気密カバー10の構成を示すものであり、該気密カバー10の平面図及び視点Xからみた図である。図3及び図4に示すように、気密カバー10は、梁1aの側部を覆う面と、梁1bの側部を覆う面とが直交した板状体からなるものであり、ポリプロピレン製のものである。該気密カバー10の上端部には、該二面と直交する折曲がり部10aが設けられ、該折曲がり部10aの下面側には両面テープ10bが貼り付けられている。該両面テープ10bは、上記折曲がり部10aと梁1a、1bの上面とを密着させ、気密性を確保するためのものである。一方、気密カバー10の下端部は、断熱内壁枠8の表面と密接するように、適宜、折り曲げられている。
【0014】
図5は、上記気密カバー10を当該出隅部Aに配設した状態を示すものである。図示するように、気密カバー10の折曲がり部10aは、両面テープ10bにより、梁1a、1bの上面と密着している。
【0015】
つぎに、図6に示すように、断熱材9を、梁1a、1bの屋内側のH型溝、及び梁1a、1bと断熱内壁枠8との間に形成される空間に隙間なく配設する。該断熱材9は、グラスウール製のものであり、予め配設すべき空間に合致するように裁断し、繊維の飛散等を防止するために合成樹脂等の袋体に詰めておく。
また、気密カバー10の下端と断熱内壁枠8とをアルミテープ5を用いて密着する。
【0016】
最後に、図1に示すように、気密シート4を、梁1a、1bの屋内側に、気密カバー10と重なるように貼り付ける。気密シート4の上端側は、外周梁1a、1bの上方に載置される軽量気泡コンクリート板等(図示せず)に沿って折り曲げ、下端側は、断熱内壁枠8を覆うように貼り付ける。
【0017】
このように、本実施例による梁の接続隅部における気密構造によれば、梁1aと梁1bとの接続隅部に、気密カバー10を、梁1a、1bの上面、及び断熱内壁枠8に密接するように設けてアルミテープ5で密着し、気密シート4を、梁1a及び梁1bの屋内側に、該気密カバー10と重なるように配設したので、梁の接続隅部における気密性を確保でき、また、その施工を容易なものとできる。
【0018】
なお、上記実施例において、気密カバー10は、ポリプロピレン製のものとしたが、気密性を有するその他の樹脂や金属等の素材のものとしても、上記実施例と同様の効果を得ることができる。また、気密カバーと梁等との密着にはアルミテープを用いることとしたが、気密性を有するその他の樹脂等のテープを用いても、或いは、接着剤等を用いて密着することとしても、上記各実施例と同様の効果を得ることができる。
また、断熱材9は、グラスウールの他、ロックウールや発泡性樹脂等の素材のものを用いてもよい。なお、断熱材9は、屋内の保温性を確保するためのものであり、気密性を確保するためのものではないので、断熱材9を配置しなくとも、実施例の効果が損なわれることはない。
【0019】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、相互に直交する一の梁の側部を覆う面及び他の梁の側部を覆う面と、該2面の上端部に形成されて各梁の上面と密着する折曲がり部とを有する第1の気密部材が、前記接続隅部に覆設され、シート状の第2の気密部材が、各梁の側部を覆い、かつ、上記第1の気密部材とそれぞれ密接し重なり部分を持つように配設され、さらに断熱材を前記第1及び第2の気密部材と梁の屋内側の H 型溝との間に隙間なく配設するので、梁の接続隅部における気密性を確保することができる。また、現場で気密シート等を加工する必要も減るので、気密工法の施工を容易なものとできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る出隅部Aにおける気密構造の構成を示す概略斜視図である。
【図2】出隅部Aに気密カバー10を配設する位置を示す概略斜視図である。
【図3】気密カバー10の構成を示す平面図である。
【図4】視点Xからみた気密カバー10の構成を示す図である
【図5】出隅部Aに気密カバー10を配設した状態を示す概略斜視図である。
【図6】出隅部Aに気密カバー10及び断熱材9を配設した状態を示す概略斜視図である。
【図7】住宅の梁の配置を示す平面図である。
【図8】出隅部Aの構成を示す概略斜視図である。
【図9】出隅部Aにおける従来の気密構造の構成を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
1a、1b 梁
10 気密カバー(第1の気密部材)
10a 折曲がり部
20 接続端部
4 気密シート(第2の気密部材)
Claims (1)
- 一の梁の側面に他の梁の端部が接続されて梁同士が直交する接続隅部における気密構造であって、相互に直交する一の梁の側部を覆う面及び他の梁の側部を覆う面と、該2面の上端部に形成されて各梁の上面と密着する折曲がり部とを有する第1の気密部材が、前記接続隅部に覆設され、シート状の第2の気密部材が、各梁の側部を覆い、かつ、上記第1の気密部材とそれぞれ密接し重なり部分を持つように配設され、さらに断熱材を前記第1及び第2の気密部材と梁の屋内側の H 型溝との間に隙間なく配設するものであることを特徴とする梁の接続隅部における気密構造。
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