JP2001199991A - 新規な有機リン化合物及びその製造方法 - Google Patents

新規な有機リン化合物及びその製造方法

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JP2001199991A
JP2001199991A JP2000013263A JP2000013263A JP2001199991A JP 2001199991 A JP2001199991 A JP 2001199991A JP 2000013263 A JP2000013263 A JP 2000013263A JP 2000013263 A JP2000013263 A JP 2000013263A JP 2001199991 A JP2001199991 A JP 2001199991A
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group
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Seiji Nakayama
誠治 中山
Tomohiro Aoyama
知裕 青山
Kazunori Sato
万紀 佐藤
Hiroaki Taguchi
裕朗 田口
Shoichi Gyobu
祥一 形舞
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】工業的に取り扱いが容易で、多量のグリコール
成分及びその多量体を含まない反応型の有機リン化合物
を得る。 【解決手段】特定構造の有機リン化合物と、特定構造の
α−ヒドロキシメチル基を有するビニル化合物を反応さ
せた式(1)の化合物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般式(1)
【化4】 [一般式(1)で、R1 、R2 及びR3 は同一又は異な
ってもよく水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シク
ロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を、R4
水素原子又はアルキル基を表す。]で表される新規な有
機リン化合物及びその製造方法に関する。さらに詳しく
は、本発明の新規な有機リン化合物は2官能性であるた
め種々の誘導体、特に高分子化合物の中間体として有用
である。得られる高分子化合物は繊維、フィルム、自動
車部品、工業部品材料、建築材料、医療用材料、塗料、
接着剤、コーティング材料、成形材料として好適に利用
できる。
【0002】
【従来の技術】従来、高分子化合物に用いられる反応型
の有機リン化合物としては、一般式(4)
【化5】 [一般式(4)で、R1 、R2 及びR3 は同一又は異な
ってもよく水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シク
ロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を、Aは−
CH2CH2−又は−CH2CH(CH3)−を表す。]で
示される有機リン系ジエステル化合物(特公昭55−4
1610号公報、特公昭62−23009号公報、特公
昭59−22717号公報)が公知である。この有機リ
ン系ジエステル化合物は例えば、一般式(2)で表され
る有機リン系化合物とイタコン酸から製造された場合、
カルボキシル基末端同士が脱炭酸反応を起こし、モノカ
ルボン酸化合物となってしまう。これを防ぐため、カル
ボキシル基両末端を一般式(5) HO−A−OH (5) [一般式(5)で、Aは一般式(4)における定義と同
じ]で示されるグリコール成分でエステル化反応させ、
脱炭酸反応を抑制する製造方法が用いられている。イタ
コン酸に対するグリコールのモル比が小さいと、グリコ
ールの2つのOH基にイタコン酸のカルボキシル基がエ
ステル化した2量体、3量体が生成しやすくなり、また
反応生成物の粘度が大きく、取り扱いにくくなるため、
過剰のグリコール成分が必要となる。しかしながら、グ
リコールのモル比が大きすぎると、反応生成物中の有効
成分である上記有機リン系ジエステル化合物濃度が低く
なる。また、この有機リン系ジエステル化合物をポリブ
チレンテレフタレート(以下PBTと称する)に代表さ
れるような一般式(5)のグリコール成分を構成成分と
しない樹脂組成物中に共重合する場合、有機リン系ジエ
ステル化合物両末端のグリコール成分及び過剰のグリコ
ール成分のエステル交換が起こり、系中にグリコール成
分がランダムに共重合されるため、融点降下などの物性
低下を引き起こす問題が生じる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の主たる目的は
工業的に取り扱いが容易で、有機リン化合物の原料とし
て多量のグリコール成分及びその多量体を含まない新規
な有機リン化合物を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の目的
を実現すべく、鋭意研究の結果、本発明に到達した。
【0005】即ち、本発明は、 1.一般式(1)で表される有機リン化合物
【化6】 [一般式(1)で、R1 、R2 及びR3 は同一又は異な
ってもよく水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シク
ロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を、R4
水素原子又はアルキル基を表す。] 2.一般式(2)で表される有機リン化合物
【0006】
【化7】 [一般式(2)で、R1 、R2 及びR3 は同一又は異な
ってもよく水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シク
ロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す。]
と、一般式(3)で表されるα−ヒドロキシメチル基を
持ったビニル化合物
【0007】
【化8】 [一般式(3)で、R4は水素原子又はアルキル基を表
す。]を付加反応させる事を特徴とする上記1.記載の
リン化合物の製造方法であるに関する。
【0008】本発明の製造方法により、工業的に取り扱
いが容易で、多量のグリコール成分及びその多量体を含
まない反応型の有機リン化合物が得られる。また、本発
明により得られる化合物はリン原子を含有するために、
難燃性であり、これを共重合した高分子化合物に難燃性
を付与できる。
【0009】共重合できる高分子化合物としては、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタ
レート、ポリブチレンナフタレート、ポリシクロヘキサ
ンジメチレンテレフタレートおよびポリエチレン−1,
2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4'−ジカルボキ
シレートなどのほかポリエチレンイソフタレート/テレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレート/イソフタレ
ート、ポリブチレンテレフタレート/デカンジカルボキ
シレートおよびポリシクロヘキサンジメチレンテレフタ
レート/イソフタレートなどの共重合ポリエステル、ポ
リエステルポリエーテルエラストマー、ポリエステルポ
リエステルエラストマーなどのエラストマーから選ばれ
る1種または2種以上の混合物が挙げられる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の製造方法の具体的な実施
態様を一般式(2)で示される有機リン化合物(R1
2=R3=H)(以下DOPと称する)と、一般式
(3)で示されるα−ヒドロキシメチル基を持ったビニ
ル化合物(R4=−CH3)(以下HMV−Mと称する)
との場合について説明する。
【0011】DOPは、例えば特公昭49−45397
号及び特公昭50−17979号各公報に記載されるよ
うに、o−フェニルフェノールと三塩化リンとを触媒の
存在下に加熱反応させて生成する化合物を加水分解し、
さらに加熱脱水することにより得られる。また、DOP
は本発明の有機リン化合物を製造する際にアルコールな
どの極性溶媒に溶解もしくは分散させて反応系に添加す
るのが望ましい。アルコールとしては、例えば、メタノ
ール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブ
タノール、t−ブタノール、ペンタノール、イソペンタ
ノール、ヘキサノール、シクロヘキサノールなどの飽和
アルコールや、フェノール、ベンジルアルコールなどの
不飽和アルコールなどが挙げられるが、好ましくは、メ
タノール、エタノールである。
【0012】本発明の有機リン化合物は、必要に応じて
不活性ガス(窒素ガス)雰囲気中で、反応機にDOPと
HMV−M及び溶媒を仕込み、撹拌しながら付加反応さ
せることにより得られる。この際、触媒を少量添加する
と反応が速やかに進行する。触媒の特定はしないが、金
属アルコキシドなどの塩基触媒が好ましい。具体的に
は、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドなど
が挙げられる。触媒の添加量は、DOP100重量部に
対して、0.1〜5.0重量部が好ましい。また、触媒
は合成に用いられる溶媒に溶かして、溶液として添加す
るのが好ましい。
【0013】DOPとHMV−Mのモル比は1:1が好
ましいが、HMV−Mを僅かに過剰に使用した方が反応
速度的に好ましい。しかし過剰量が大きくなると、HM
V−Mがオリゴマー化するので好ましくなく、1:1.
01〜1.03程度が適当である。
【0014】製造方法としては、(1)反応機にDO
P、HMV−M及び溶媒を同時に仕込み、触媒溶液を添
加する方法、(2)反応機にまずDOPと溶媒を仕込
み、触媒溶液を滴下しながら撹拌した後、HMV−Mを
添加する方法、(3)反応機にまずHMV−Mと溶媒を
仕込み、触媒溶液を滴下しながら撹拌した後、溶媒に溶
解させたDOPを添加する方法がある。特に、製造方法
に関して限定はしないが、好ましくは(2)の方法であ
る。なぜなら、(1)の場合、DOP自身がビニルモノ
マーの重合開始剤の働きがあるため、DOPとHMV−
Mを同時に添加するとHMV−Mが多量体を形成するの
で、好ましくない。(3)の場合も同様にHMV−Mが
多量体を形成するので、好ましくない。(2)の場合、
塩基触媒によって、DOPの活性水素が引き抜かれ、H
MV−Mが付加反応しやすい状態にあるので、好まし
い。
【0015】添加終了後反応混合物をガスクロマトグラ
フ又は液体クロマトグラフなどで反応終了を確認した
後、反応混合物中の溶媒を留去し、減圧下で乾燥して目
的物を得る。
【0016】次に本発明の製造例について述べる。
【0017】
【実施例】(実施例1)撹拌機、温度計、窒素ガス導入
管、還流コンデンサー及び滴下漏斗を付設した100m
l四つ口フラスコに、窒素雰囲気中でDOP10.81
g、メタノール16.0gを仕込み、45℃に保った水
浴上で撹拌しながら滴下漏斗により1規定のナトリウム
メトキシドのメタノール溶液6mlを滴下した後、HM
V−M6.23gを添加した。反応系内の温度が65℃
を越えないように注意しながら撹拌した。添加後すぐ
に、系内温度の上昇が見られた。系内の温度を45℃に
保ったまま、2時間撹拌した。その後、エバポレーター
でこの反応混合物中の揮発成分を留去した。残留物は淡
黄色のやや粘重な液体であった。50℃、1mmHg以
下の真空下で24時間乾燥した後、16.30gの残留
物が得られた。この残留物を1H−NMR分析した結
果、
【化9】 δ=2.2〜2.6 (ppm)に上記の式(6)のa
に由来するピーク、δ=2.9〜3.2 (ppm)に
bに由来するピーク、 δ=3.5〜3.7(ppm)
にcに由来するピーク、δ=3.8〜4.1(ppm)
にdに由来するピーク、δ=7.2〜8.0(ppm)
にe〜lに由来するピークが見られた。また、この残留
物のマススペクトルの測定により検出された主ピークを
下記に示す。 m/z 332(親イオン) m/z 230 m/z 216 m/z 168 これらの結果から、得られた残留物が構造式(6)で表
される有機リン化合物であることがわかった。
【0018】(応用例1)次に、上記製造法で得られた
有機リン化合物をポリブチレンテレフタレート中に共重
合した応用例を示す。なお、得られたポリマーの還元粘
度、結晶融点は次の方法で測定した。 還元粘度:ポリマー0.05gを25mlの混合溶媒
(p-クロロフェノール/テトラクロロエタン=60/
40)に溶かして、オストワルド粘度計を用いて30℃
で測定した。 結晶融点:結晶融点はDSCにて室温から20℃/分で
昇温し測定した。
【0019】ジメチルテレフタレート(DMT)1530
g、1,4−ブタンジオール(BD)1420g、イルガ
ノックス-1330(日本チバガイギー社製)3.60g、テ
トラブチルチタネート(TBT)1.08g、及び上記
構造式(6)で表される有機リン化合物96.4gを5
Lのオートクレーブに仕込み、室温から220℃まで2
時間かけて昇温しエステル交換反応を行った。次いで缶
内を徐々に減圧すると共に更に昇温し、60分かけて2
45℃、1torr以下にして初期縮合反応を行った。さら
に245℃、1torr以下の状態で1時間重合反応を行
い、ポリマーをペレット状に取り出した。得られたポリ
マーの還元粘度は1.00、結晶融点は222℃であっ
た。
【0020】(比較応用例1)有機リン化合物として、
構造式(6)の化合物の代わりに構造式(7)で表され
る化合物を126.0g仕込んだ以外は全て応用例1と
同様にして、また反応温度を適宜適正化してポリマーを
得た。得られたポリマーの還元粘度は0.98、結晶融
点は213であった。
【化10】
【0021】
【発明の効果】以上に説明したように本発明によれば、
工業的に取り扱いが容易で、多量のグリコール成分及び
その多量体を含まない反応型の有機リン化合物が得られ
る。また、本発明の新規リン有機化合物を樹脂組成物中
に共重合した場合、融点降下などの物性低下を抑制でき
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田口 裕朗 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 (72)発明者 形舞 祥一 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 4H050 AA01 AA02 AB46 AB84 AC20 WA12 WA26

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1)で表される有機リン化合物 【化1】 [一般式(1)で、R1 、R2 及びR3 は同一又は異な
    ってもよく水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シク
    ロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を、R4
    水素原子又はアルキル基を表す。]
  2. 【請求項2】一般式(2)で表される有機リン化合物 【化2】 [一般式(2)で、R1 、R2 及びR3 は同一又は異な
    ってもよく水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シク
    ロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す。]
    と、一般式(3)で表されるα−ヒドロキシメチル基を
    持ったビニル化合物 【化3】 [一般式(3)で、R4は水素原子又はアルキル基を表
    す。]を付加反応させる事を特徴とする請求項1記載の
    有機リン化合物の製造方法。
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