JP2001196169A - 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法 - Google Patents
有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明は、転写方式による有機エレクトロル
ミネッセンス素子の製造方法に関する課題を解決し、歩
留まりが良好な有機エレクトロルミネッセンス素子の製
造方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 支持基板7上に少なくとも第一電極層8
を形成する工程と、エレクトロルミネッセンス層5及び
/又は第二電極層4を構成する材料を転写層6として転
写用基板1上に形成する工程と、支持基板7の第一電極
層8形成面と転写用基板1上の転写層6形成面とを、ゴ
ム硬度が50IRDH以下の圧着ローラー10で圧着す
る工程と、転写用基板1上に形成された転写層6を支持
基板7の第一電極層8形成面側に転写する工程とを有す
る有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
ミネッセンス素子の製造方法に関する課題を解決し、歩
留まりが良好な有機エレクトロルミネッセンス素子の製
造方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 支持基板7上に少なくとも第一電極層8
を形成する工程と、エレクトロルミネッセンス層5及び
/又は第二電極層4を構成する材料を転写層6として転
写用基板1上に形成する工程と、支持基板7の第一電極
層8形成面と転写用基板1上の転写層6形成面とを、ゴ
ム硬度が50IRDH以下の圧着ローラー10で圧着す
る工程と、転写用基板1上に形成された転写層6を支持
基板7の第一電極層8形成面側に転写する工程とを有す
る有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディスプレイ等に
用いられる有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方
法に関する。
用いられる有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ブラウン管(CRT)よりも薄
型,低消費電力,軽量の表示装置としてフラットパネル
ディスプレイへのニーズが高まっている。
型,低消費電力,軽量の表示装置としてフラットパネル
ディスプレイへのニーズが高まっている。
【0003】この、フラットパネルディスプレイとして
は、非発光型の液晶ディスプレイ(LCD),自発光型
のプラズマディスプレイ(PDP),エレクトロルミネ
ッセンス(EL)ディスプレイ等が知られている。
は、非発光型の液晶ディスプレイ(LCD),自発光型
のプラズマディスプレイ(PDP),エレクトロルミネ
ッセンス(EL)ディスプレイ等が知られている。
【0004】その中でもELディスプレイは、その発光
機構およびその構成材料の違いから、無機ELディスプ
レイと有機ELディスプレイの2つに分けられる。特
に、有機ELディスプレイは、自発光であること、低消
費電力化が図れること、発光色が多様であること等の特
徴を有するため、非常に注目を集めている。
機構およびその構成材料の違いから、無機ELディスプ
レイと有機ELディスプレイの2つに分けられる。特
に、有機ELディスプレイは、自発光であること、低消
費電力化が図れること、発光色が多様であること等の特
徴を有するため、非常に注目を集めている。
【0005】上記のような、有機ELディスプレイに用
いられる有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法
において、特にマトリクスディスプレイやカラーディス
プレイ等を製造する場合には、発光層や陰極を特定のパ
ターンに形成することが必要となる。しかしながら、有
機エレクトロルミネッセンス素子を構成する有機材料は
有機溶剤や水,酸素等により侵食や特性の低下等のダメ
ージを受けやすいため、一旦有機材料を層形成した後は
一般的なフォトリソグラフィー法によりパターンを形成
することが困難である。
いられる有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法
において、特にマトリクスディスプレイやカラーディス
プレイ等を製造する場合には、発光層や陰極を特定のパ
ターンに形成することが必要となる。しかしながら、有
機エレクトロルミネッセンス素子を構成する有機材料は
有機溶剤や水,酸素等により侵食や特性の低下等のダメ
ージを受けやすいため、一旦有機材料を層形成した後は
一般的なフォトリソグラフィー法によりパターンを形成
することが困難である。
【0006】このため、発光色の異なる発光層や陰極を
パターン形成する方法としては、マスク蒸着によりパタ
ーン形成する方法や、基板上にあらかじめ隔壁を形成し
ておいて蒸着によりパターン形成する方法等が、例えば
特開平11−135257号公報,特開平8−3159
81号公報,特開平8−227276号公報,特開平5
−275172号公報等に開示されている。しかしなが
らこれらの方法でも、パターンの高精細化が難しかった
り、蒸着時の回り込みを考慮したマスクの位置合わせが
困難である、また工程が複雑になる等の理由により、生
産上必ずしも十分なものとは言えなかった。
パターン形成する方法としては、マスク蒸着によりパタ
ーン形成する方法や、基板上にあらかじめ隔壁を形成し
ておいて蒸着によりパターン形成する方法等が、例えば
特開平11−135257号公報,特開平8−3159
81号公報,特開平8−227276号公報,特開平5
−275172号公報等に開示されている。しかしなが
らこれらの方法でも、パターンの高精細化が難しかった
り、蒸着時の回り込みを考慮したマスクの位置合わせが
困難である、また工程が複雑になる等の理由により、生
産上必ずしも十分なものとは言えなかった。
【0007】更に、上記マスクや隔壁を用いたパターン
形成に代わる方法として、例えば特開平11―2605
49号公報に開示されているようなレーザ照射を用いた
パターン形成方法が知られている。
形成に代わる方法として、例えば特開平11―2605
49号公報に開示されているようなレーザ照射を用いた
パターン形成方法が知られている。
【0008】従来のレーザ照射を用いたパターン形成方
法を説明した断面図を図2に示す。
法を説明した断面図を図2に示す。
【0009】図2は、従来の有機エレクトロルミネッセ
ンス素子の製造工程の一部を表しており、フィルム41
上に光−熱変換層42および熱伝播層43を形成し、次
に陰極層44を形成し、次に発光層45bを重ねて形成
し、次に正孔注入性接着層45cを重ねて形成した後、
フィルム41の成膜面側をストライプパターニングした
ITO陽極48付き基板47上に貼り付け、その後フィ
ルム41の裏面側から13WのYAGレーザー51を陰
極形状を形成するように選択的に照射することにより多
重に形成した層46を基板47上に転写する。その後、
フィルム41を取り除き、多重に形成した層46を転写
した基板47に駆動手段を接続し、封止処理を施して有
機ELディスプレイを得る。
ンス素子の製造工程の一部を表しており、フィルム41
上に光−熱変換層42および熱伝播層43を形成し、次
に陰極層44を形成し、次に発光層45bを重ねて形成
し、次に正孔注入性接着層45cを重ねて形成した後、
フィルム41の成膜面側をストライプパターニングした
ITO陽極48付き基板47上に貼り付け、その後フィ
ルム41の裏面側から13WのYAGレーザー51を陰
極形状を形成するように選択的に照射することにより多
重に形成した層46を基板47上に転写する。その後、
フィルム41を取り除き、多重に形成した層46を転写
した基板47に駆動手段を接続し、封止処理を施して有
機ELディスプレイを得る。
【0010】このレーザ照射を用いたパターン形成方法
は、乾式であるため有機エレクトロルミネッセンス素子
を構成する有機材料に有機溶剤や水等でダメージを与え
ることなく、且つ高精細なパターンを形成することが可
能になる。
は、乾式であるため有機エレクトロルミネッセンス素子
を構成する有機材料に有機溶剤や水等でダメージを与え
ることなく、且つ高精細なパターンを形成することが可
能になる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の技術では、以下のような問題点があった。
来の技術では、以下のような問題点があった。
【0012】従来の転写方式では、転写時に転写したい
部分で転写用基板と有機エレクトロルミネッセンス素子
の支持基板が密着していなければならず、基板間に気泡
等に起因する隙間のできないよう、通常両基板を圧着さ
せる必要があるという問題点があった。
部分で転写用基板と有機エレクトロルミネッセンス素子
の支持基板が密着していなければならず、基板間に気泡
等に起因する隙間のできないよう、通常両基板を圧着さ
せる必要があるという問題点があった。
【0013】更に、支持基板上は平らではなくパターン
形成された電極層や有機材料層等による段差が存在する
ため、完全に圧着できない場合があり、このような場合
は気泡等に起因する隙間に応じた部分が転写できず、そ
の部分で電極−電極間の短絡が起こることにより表示欠
陥や歩留り低下等の原因となってしまうという問題点が
あった。
形成された電極層や有機材料層等による段差が存在する
ため、完全に圧着できない場合があり、このような場合
は気泡等に起因する隙間に応じた部分が転写できず、そ
の部分で電極−電極間の短絡が起こることにより表示欠
陥や歩留り低下等の原因となってしまうという問題点が
あった。
【0014】本発明は、上記のような課題を解決するた
めになされたものであって、転写方式による有機エレク
トロルミネッセンス素子の製造方法に関する上記課題を
解決し、歩留まりが良好な有機エレクトロルミネッセン
ス素子の製造方法を提供することを目的とする。
めになされたものであって、転写方式による有機エレク
トロルミネッセンス素子の製造方法に関する上記課題を
解決し、歩留まりが良好な有機エレクトロルミネッセン
ス素子の製造方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の有機エレクトロ
ルミネッセンス素子の製造方法は、支持基板上に第一電
極層、少なくとも有機発光材料を含有するエレクトロル
ミネッセンス層、第二電極層がこの順で形成されてなる
有機エレクトロルミネッセンス素子において、支持基板
上に少なくとも第一電極層を形成する工程と、エレクト
ロルミネッセンス層及び/又は第二電極層を構成する材
料を転写層として転写用基板上に形成する工程と、支持
基板の第一電極層形成面と転写用基板上の転写層形成面
とを、ゴム硬度が50IRDH以下の圧着ローラーで圧
着する工程と、転写用基板上に形成された転写層を支持
基板の第一電極層形成面側に転写する工程とを有するこ
とを特徴とする。
ルミネッセンス素子の製造方法は、支持基板上に第一電
極層、少なくとも有機発光材料を含有するエレクトロル
ミネッセンス層、第二電極層がこの順で形成されてなる
有機エレクトロルミネッセンス素子において、支持基板
上に少なくとも第一電極層を形成する工程と、エレクト
ロルミネッセンス層及び/又は第二電極層を構成する材
料を転写層として転写用基板上に形成する工程と、支持
基板の第一電極層形成面と転写用基板上の転写層形成面
とを、ゴム硬度が50IRDH以下の圧着ローラーで圧
着する工程と、転写用基板上に形成された転写層を支持
基板の第一電極層形成面側に転写する工程とを有するこ
とを特徴とする。
【0016】本発明により、転写用基板や支持基板上に
パターン形成された第一電極層、第二電極層やその他構
成材料層の段差等による凹凸があっても十分な圧着が可
能となり、支持基板と転写用基板との間の隙間が残らな
いので、転写抜けを防ぐことが可能になる。
パターン形成された第一電極層、第二電極層やその他構
成材料層の段差等による凹凸があっても十分な圧着が可
能となり、支持基板と転写用基板との間の隙間が残らな
いので、転写抜けを防ぐことが可能になる。
【0017】また、本発明の有機エレクトロルミネッセ
ンス素子の製造方法は、圧着ローラーは直径が12mm
以上であることを特徴とする。
ンス素子の製造方法は、圧着ローラーは直径が12mm
以上であることを特徴とする。
【0018】本発明により、圧着ローラーの表面性が良
好になり、圧着時に圧着ローラーの表面形状が支持基盤
の凹凸に追従するため、画素または画素エッジなど圧力
の集中し易い部分での転写層や下地層の微少な破壊や積
層不良の発生を防止することが可能になる。
好になり、圧着時に圧着ローラーの表面形状が支持基盤
の凹凸に追従するため、画素または画素エッジなど圧力
の集中し易い部分での転写層や下地層の微少な破壊や積
層不良の発生を防止することが可能になる。
【0019】また、本発明の有機エレクトロルミネッセ
ンス素子の製造方法は、第一電極層と第二電極層は少な
くともどちらか一方が透明電極層であることを特徴とす
る。
ンス素子の製造方法は、第一電極層と第二電極層は少な
くともどちらか一方が透明電極層であることを特徴とす
る。
【0020】本発明により、光を支持基板の任意の側に
取り出すことが可能になる。
取り出すことが可能になる。
【0021】また、本発明の有機エレクトロルミネッセ
ンス素子の製造方法は、エレクトロルミネッセンス層は
正孔注入層,正孔輸送層,電子注入層,電子輸送層のう
ち少なくとも一つの層を含むことを特徴とする。
ンス素子の製造方法は、エレクトロルミネッセンス層は
正孔注入層,正孔輸送層,電子注入層,電子輸送層のう
ち少なくとも一つの層を含むことを特徴とする。
【0022】本発明により、エレクトロルミネッセンス
層が複数の層により形成され、実質的な層厚が厚くなっ
ても、エレクトロルミネッセンス層の段差により転写用
基板と支持基板との間に生じる隙間に起因した転写不良
や層のひび割れを防ぐことが可能になる。
層が複数の層により形成され、実質的な層厚が厚くなっ
ても、エレクトロルミネッセンス層の段差により転写用
基板と支持基板との間に生じる隙間に起因した転写不良
や層のひび割れを防ぐことが可能になる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の有機
エレクトロルミネッセンス素子の製造方法について図面
を参照して詳しく説明する。
エレクトロルミネッセンス素子の製造方法について図面
を参照して詳しく説明する。
【0024】図1(a)乃至(c)は発明の実施の形態
の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法を示す
模式図である。
の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法を示す
模式図である。
【0025】図1に示すように、本発明の実施の形態の
有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法は、支持
基板7上に第一電極層8、少なくとも有機発光材料を含
有するエレクトロルミネッセンス層5、第二電極層4が
この順で形成されてなる有機エレクトロルミネッセンス
素子において、支持基板7上に少なくとも第一電極層8
を形成する工程と、エレクトロルミネッセンス層5及び
/又は第二電極層4を構成する材料を転写層6として転
写用基板1上に形成する工程と、支持基板7の第一電極
層8形成面と転写用基板1上の転写層6形成面とを、ゴ
ム硬度が50IRDH(国際ゴム硬度)以下の圧着ロー
ラー10で圧着する工程と、転写用基板1上に形成され
た転写層6を支持基板7の第一電極層8形成面側に転写
する工程とを有することを特徴とし、また圧着ローラー
10は直径が12mm以上であることを特徴とする。
有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法は、支持
基板7上に第一電極層8、少なくとも有機発光材料を含
有するエレクトロルミネッセンス層5、第二電極層4が
この順で形成されてなる有機エレクトロルミネッセンス
素子において、支持基板7上に少なくとも第一電極層8
を形成する工程と、エレクトロルミネッセンス層5及び
/又は第二電極層4を構成する材料を転写層6として転
写用基板1上に形成する工程と、支持基板7の第一電極
層8形成面と転写用基板1上の転写層6形成面とを、ゴ
ム硬度が50IRDH(国際ゴム硬度)以下の圧着ロー
ラー10で圧着する工程と、転写用基板1上に形成され
た転写層6を支持基板7の第一電極層8形成面側に転写
する工程とを有することを特徴とし、また圧着ローラー
10は直径が12mm以上であることを特徴とする。
【0026】移動ステージ9上に、ステージ移動方向A
と回転軸が直交するように圧着ローラー10を配置し、
第一電極層8を形成した例えばガラス等からなる支持基
板7を第一電極層8形成面が上向きとなるよう真空吸着
等により固定する。
と回転軸が直交するように圧着ローラー10を配置し、
第一電極層8を形成した例えばガラス等からなる支持基
板7を第一電極層8形成面が上向きとなるよう真空吸着
等により固定する。
【0027】次に、光−熱変換層2,熱伝播層兼剥離層
3(熱伝播層と剥離層は別々でもよい。)等を形成した
上に、例えば真空蒸着法等により、第二電極層4,電子
輸送層5a発光層5b正孔輸送層5c等を積層したポリ
エチレンテレフタレート等の高分子フィルムからなる転
写用基板1の転写層6形成面が支持基板7の第一電極層
8形成面と対向するよう合わせ、移動ステージ9を定速
で移動させながら対向させた支持基板7と転写用基板1
とを両基板の端から圧着ローラー10で連続的に圧着
し、圧着直後の部分にYAGレーザー11を選択的に照
射することで、転写用基板1上の転写層6を支持基板7
上へ転写し、最後に転写用基板1を剥離して有機エレク
トロルミネッセンス素子を作成する。
3(熱伝播層と剥離層は別々でもよい。)等を形成した
上に、例えば真空蒸着法等により、第二電極層4,電子
輸送層5a発光層5b正孔輸送層5c等を積層したポリ
エチレンテレフタレート等の高分子フィルムからなる転
写用基板1の転写層6形成面が支持基板7の第一電極層
8形成面と対向するよう合わせ、移動ステージ9を定速
で移動させながら対向させた支持基板7と転写用基板1
とを両基板の端から圧着ローラー10で連続的に圧着
し、圧着直後の部分にYAGレーザー11を選択的に照
射することで、転写用基板1上の転写層6を支持基板7
上へ転写し、最後に転写用基板1を剥離して有機エレク
トロルミネッセンス素子を作成する。
【0028】上述した、転写の前処理としての圧着ロー
ラーは、例えば液晶ディスプレイ等に用いられるカラー
フィルターの製造において、支持基板上の凹凸にかかわ
らず良好に転写するためには、圧着ローラーのゴム硬度
が50IRHD以下が望ましいことが特開平8−136
712号公報に開示されている。
ラーは、例えば液晶ディスプレイ等に用いられるカラー
フィルターの製造において、支持基板上の凹凸にかかわ
らず良好に転写するためには、圧着ローラーのゴム硬度
が50IRHD以下が望ましいことが特開平8−136
712号公報に開示されている。
【0029】一方、これ迄有機エレクトロルミネッセン
ス素子の製造方法において、転写法を用いる場合の圧着
ローラーの硬度や直径に関する最適条件は規定されてい
なかったが、本発明において圧着ローラーの硬度が50
IRHDよりも大きい場合、カラーフィルターの製造の
際と同様の転写抜けが起こることに加え、電極間短絡が
原因と考えられる表示不良が起こることを見出した。
ス素子の製造方法において、転写法を用いる場合の圧着
ローラーの硬度や直径に関する最適条件は規定されてい
なかったが、本発明において圧着ローラーの硬度が50
IRHDよりも大きい場合、カラーフィルターの製造の
際と同様の転写抜けが起こることに加え、電極間短絡が
原因と考えられる表示不良が起こることを見出した。
【0030】また、同様に有機エレクトロルミネッセン
ス素子の製造方法において、圧着ローラーの直径が12
mm未満の場合にも、カラーフィルターの製造の際と同
様の転写抜けに加え、電極間短絡が原因と考えられる表
示不良が起こることを見出した。
ス素子の製造方法において、圧着ローラーの直径が12
mm未満の場合にも、カラーフィルターの製造の際と同
様の転写抜けに加え、電極間短絡が原因と考えられる表
示不良が起こることを見出した。
【0031】転写を意図する部位の一部に転写されない
いわゆる転写抜けは、例えば液晶ディスプレイ等に用い
られるカラーフィルターの製造の際と同じく、パターン
形成された電極層やその他構成材料層の段差等に起因す
る基板上の凹凸のために有機エレクトロルミネッセンス
素子支持基板側への転写用基板の圧着が不十分となり、
基板間に隙間が残ることが原因となる。圧着ローラーの
ゴム硬度が50IRHDより大きい場合には、圧着ロー
ラーの表面形状が基板の凹凸に追従せず凹部での十分な
密着が得られないため転写抜けとなると考えられる。ま
た、圧着ローラーの直径が小さくなると、圧着ローラー
表面の平面性が低下するため、やはり圧着ローラーの表
面形状が基板の凹凸に追従しにくくなり、特に圧着ロー
ラーの直径が12mm未満の場合には追従しきれず凹部
での十分な密着が得られないため転写抜けとなると考え
られる。
いわゆる転写抜けは、例えば液晶ディスプレイ等に用い
られるカラーフィルターの製造の際と同じく、パターン
形成された電極層やその他構成材料層の段差等に起因す
る基板上の凹凸のために有機エレクトロルミネッセンス
素子支持基板側への転写用基板の圧着が不十分となり、
基板間に隙間が残ることが原因となる。圧着ローラーの
ゴム硬度が50IRHDより大きい場合には、圧着ロー
ラーの表面形状が基板の凹凸に追従せず凹部での十分な
密着が得られないため転写抜けとなると考えられる。ま
た、圧着ローラーの直径が小さくなると、圧着ローラー
表面の平面性が低下するため、やはり圧着ローラーの表
面形状が基板の凹凸に追従しにくくなり、特に圧着ロー
ラーの直径が12mm未満の場合には追従しきれず凹部
での十分な密着が得られないため転写抜けとなると考え
られる。
【0032】これに対し、電極間短絡が原因と考えられ
る表示不良が起こるメカニズムは有機エレクトロルミネ
ッセンス素子の製造方法に特有な現象と考えられる。上
記の転写抜け発生の場合ように圧着ローラーの表面形状
が基板の凹凸に追従せず凹部での十分な密着が得られな
い場合、圧着ローラーによる圧着強度は一定であって
も、実際には基板表面の凹部には十分な圧力が印加され
ないため、主に凸部に圧力が集中すると考えられる。有
機エレクトロルミネッセンス層を構成する材料層はそれ
ぞれ膜厚が数十から数百nmと大変薄く、特に有機材料
からなる層は傷、ひび割れ、欠損といった微少な破壊や
積層不良が起こりやすい。このため局所的に大きな圧力
を印加することは、転写の際に転写層または下地層に微
少な破壊や積層不良を生じさせる原因となると考えられ
る。また、転写前の有機エレクトロルミネッセンス支持
基板上の凹凸等の段差は、例えば、ストライプパターン
状等にパターン形成された有機エレクトロルミネッセン
ス素子構成材料の層厚に起因し、特に電極層の層厚が大
きいことが多いことから、マトリクスディスプレイ等で
は画素となる部分が凸部となることが多い。また、画素
の周囲を絶縁膜で囲った場合等は画素のエッジ部分が凸
部となる。このような画素または画素エッジ部分へ圧着
時の圧力が集中し、この部分での転写層や下地層に微少
な破壊や積層不良が起こると電極間短絡の直接の原因に
なるものと考えられる。本発明の有機エレクトロルミネ
ッセンス素子の製造方法においては圧着ローラーのゴム
硬度を50IRHD以下、または圧着ローラーの直径が
12mm以上とすることにより、圧着ローラーの表面形
状が基板の凹凸に追従し、圧着時の圧力が基板全体に分
散されるため、画素または画素エッジ部分といった圧力
の集中しやすい部分での転写層や下地層の微少な破壊や
積層不良の発生を防止できる。
る表示不良が起こるメカニズムは有機エレクトロルミネ
ッセンス素子の製造方法に特有な現象と考えられる。上
記の転写抜け発生の場合ように圧着ローラーの表面形状
が基板の凹凸に追従せず凹部での十分な密着が得られな
い場合、圧着ローラーによる圧着強度は一定であって
も、実際には基板表面の凹部には十分な圧力が印加され
ないため、主に凸部に圧力が集中すると考えられる。有
機エレクトロルミネッセンス層を構成する材料層はそれ
ぞれ膜厚が数十から数百nmと大変薄く、特に有機材料
からなる層は傷、ひび割れ、欠損といった微少な破壊や
積層不良が起こりやすい。このため局所的に大きな圧力
を印加することは、転写の際に転写層または下地層に微
少な破壊や積層不良を生じさせる原因となると考えられ
る。また、転写前の有機エレクトロルミネッセンス支持
基板上の凹凸等の段差は、例えば、ストライプパターン
状等にパターン形成された有機エレクトロルミネッセン
ス素子構成材料の層厚に起因し、特に電極層の層厚が大
きいことが多いことから、マトリクスディスプレイ等で
は画素となる部分が凸部となることが多い。また、画素
の周囲を絶縁膜で囲った場合等は画素のエッジ部分が凸
部となる。このような画素または画素エッジ部分へ圧着
時の圧力が集中し、この部分での転写層や下地層に微少
な破壊や積層不良が起こると電極間短絡の直接の原因に
なるものと考えられる。本発明の有機エレクトロルミネ
ッセンス素子の製造方法においては圧着ローラーのゴム
硬度を50IRHD以下、または圧着ローラーの直径が
12mm以上とすることにより、圧着ローラーの表面形
状が基板の凹凸に追従し、圧着時の圧力が基板全体に分
散されるため、画素または画素エッジ部分といった圧力
の集中しやすい部分での転写層や下地層の微少な破壊や
積層不良の発生を防止できる。
【0033】本発明の実施の形態に用いられる転写用基
板は材質や形状,材料を特に限定するものではないが、
高分子フィルムのようにある程度の柔軟性を有する材料
で構成することが好ましく、転写する有機エレクトロル
ミネッセンス素子の構成材料を成膜することができ、且
つ転写処理が可能である限りにおいてどのような材料を
用いてもよい。
板は材質や形状,材料を特に限定するものではないが、
高分子フィルムのようにある程度の柔軟性を有する材料
で構成することが好ましく、転写する有機エレクトロル
ミネッセンス素子の構成材料を成膜することができ、且
つ転写処理が可能である限りにおいてどのような材料を
用いてもよい。
【0034】また、転写用基板と支持基板とを圧着した
のち転写処理を行う場合、圧着ローラーで圧着する際に
は支持基板への転写が起こらない温度であれば密着性向
上のために加熱してもよく、また転写前に転写用基板と
支持基板が剥離しないよう圧着後速やかに転写処理を行
うことが必要である。
のち転写処理を行う場合、圧着ローラーで圧着する際に
は支持基板への転写が起こらない温度であれば密着性向
上のために加熱してもよく、また転写前に転写用基板と
支持基板が剥離しないよう圧着後速やかに転写処理を行
うことが必要である。
【0035】本発明の実施の形態の有機エレクトロルミ
ネッセンス素子の製造方法において転写用基板から有機
エレクトロルミネッセンス素子の支持基板へ転写する方
法としては、転写用基板と支持基板とを密着させて転写
する方法であれば、特に限定されるものではないが、例
えば従来の技術に記載されているような、光−熱変換
層、熱伝播層および剥離層とパターン形成が必要な材料
層を全面に形成した転写用基板と、少なくとも電極層が
形成された有機エレクトロルミネッセンス素子の支持基
板とを圧着し、転写箇所に選択的にレーザー照射するこ
とにより転写用基板から有機エレクトロルミネッセンス
素子の支持基板上へ転写用基板上の材料層を所定のパタ
ーンで転写する方法に特に好適に用いることができる。
ネッセンス素子の製造方法において転写用基板から有機
エレクトロルミネッセンス素子の支持基板へ転写する方
法としては、転写用基板と支持基板とを密着させて転写
する方法であれば、特に限定されるものではないが、例
えば従来の技術に記載されているような、光−熱変換
層、熱伝播層および剥離層とパターン形成が必要な材料
層を全面に形成した転写用基板と、少なくとも電極層が
形成された有機エレクトロルミネッセンス素子の支持基
板とを圧着し、転写箇所に選択的にレーザー照射するこ
とにより転写用基板から有機エレクトロルミネッセンス
素子の支持基板上へ転写用基板上の材料層を所定のパタ
ーンで転写する方法に特に好適に用いることができる。
【0036】また、パターン形成が必要な材料層をマス
ク蒸着等によりパターン形成した転写用基板と、少なく
とも電極層が形成された有機エレクトロルミネッセンス
素子の支持基板とを圧着し、圧着時または圧着後に基板
全面を転写が起こる温度まで加熱して転写用基板上の形
成パターンをそのまま支持基板上に転写する方法等にも
好適に用いることができる。
ク蒸着等によりパターン形成した転写用基板と、少なく
とも電極層が形成された有機エレクトロルミネッセンス
素子の支持基板とを圧着し、圧着時または圧着後に基板
全面を転写が起こる温度まで加熱して転写用基板上の形
成パターンをそのまま支持基板上に転写する方法等にも
好適に用いることができる。
【0037】上記本発明の実施の形態有機エレクトロル
ミネッセンス素子の製造方法によって得られる有機エレ
クトロルミネッセンス素子は、支持基板上に少なくとも
第一電極層、発光層、第二電極層がこの順で形成されて
おり、第一電極層、発光層、第二電極層以外に、正孔注
入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層のうち少な
くとも一つの層を含んでもよく、また、透明電極層は第
一電極層、第二電極層のどちらでもよい。
ミネッセンス素子の製造方法によって得られる有機エレ
クトロルミネッセンス素子は、支持基板上に少なくとも
第一電極層、発光層、第二電極層がこの順で形成されて
おり、第一電極層、発光層、第二電極層以外に、正孔注
入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層のうち少な
くとも一つの層を含んでもよく、また、透明電極層は第
一電極層、第二電極層のどちらでもよい。
【0038】本発明の実施の形態の有機エレクトロルミ
ネッセンス素子の製造方法に用いる支持基板は、この基
板上に第一電極層を形成するため、電極形成面の電気絶
縁性を確保できるならば特に材料を限定するものではな
いが、第一電極層を透明電極層とし、光を支持基板側に
取り出す場合には透光性が必要となるため、液晶表示素
子等に使用されるガラス板やプラスチック板等の他、柔
軟性のある高分子フィルム等の透光性の材料を用いるこ
とができる。また、第二電極層を透明電極とし、発光を
第二電極層側に取り出す場合には、透光性を必要としな
いため駆動回路等の基板と兼用することや駆動回路のI
Cチップ等をそのまま支持基板とすることも可能であ
る。また、支持基板上に直接電極層を形成する場合には
基板表面の電気絶縁性を確保できる材料を用いなければ
ならないが、基板表面に絶縁膜を形成しその上に電極層
を形成すれば金属等導電性の材料を用いることも可能で
ある。更に、支持基板の主たる機能は、その上に積層さ
れる第一及び第二電極層とエレクトロルミネッセンス層
の支持基板としての機能であるが、カラーフィルター層
や色変換層,オーバーコート層,ブラックマトリクス
層,マイクロレンズ層,アクティブ素子層,偏光層等、
その他の機能を発現する構造を含む複数層からなる基板
を用いることも可能である。
ネッセンス素子の製造方法に用いる支持基板は、この基
板上に第一電極層を形成するため、電極形成面の電気絶
縁性を確保できるならば特に材料を限定するものではな
いが、第一電極層を透明電極層とし、光を支持基板側に
取り出す場合には透光性が必要となるため、液晶表示素
子等に使用されるガラス板やプラスチック板等の他、柔
軟性のある高分子フィルム等の透光性の材料を用いるこ
とができる。また、第二電極層を透明電極とし、発光を
第二電極層側に取り出す場合には、透光性を必要としな
いため駆動回路等の基板と兼用することや駆動回路のI
Cチップ等をそのまま支持基板とすることも可能であ
る。また、支持基板上に直接電極層を形成する場合には
基板表面の電気絶縁性を確保できる材料を用いなければ
ならないが、基板表面に絶縁膜を形成しその上に電極層
を形成すれば金属等導電性の材料を用いることも可能で
ある。更に、支持基板の主たる機能は、その上に積層さ
れる第一及び第二電極層とエレクトロルミネッセンス層
の支持基板としての機能であるが、カラーフィルター層
や色変換層,オーバーコート層,ブラックマトリクス
層,マイクロレンズ層,アクティブ素子層,偏光層等、
その他の機能を発現する構造を含む複数層からなる基板
を用いることも可能である。
【0039】本発明の実施の形態の有機エレクトロルミ
ネッセンス素子の製造方法に用いる有機発光材料を含有
するエレクトロルミネッセンス層は、実質的に1種また
は複数種の有機発光材料のみからなる有機発光層や、1
種または複数種の有機発光材料と正孔輸送材料及び/又
は電子輸送材料との混合物からなる有機発光層等有機発
光層のみからなる単一層、或いは、有機発光層以外に正
孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層、電子注入層等から
選ばれる層を含む複数層からなる層構造でも構わない。
又、このエレクトロルミネッセンス層を構成する材料も
特に限定されるものではなく、従来より有機エレクトロ
ルミネッセンス素子用の有機発光材料、正孔輸送材料、
正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料として利用
されている物質をそのまま利用することができる。尚、
有機エレクトロルミネッセンス素子用の正孔輸送材料、
正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料としては有
機材料のみではなく無機半導体も利用されており、本発
明の実施の形態の有機エレクトロルミネッセンス素子の
製造方法においても有機物、無機半導体のいずれでも利
用することが可能である。
ネッセンス素子の製造方法に用いる有機発光材料を含有
するエレクトロルミネッセンス層は、実質的に1種また
は複数種の有機発光材料のみからなる有機発光層や、1
種または複数種の有機発光材料と正孔輸送材料及び/又
は電子輸送材料との混合物からなる有機発光層等有機発
光層のみからなる単一層、或いは、有機発光層以外に正
孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層、電子注入層等から
選ばれる層を含む複数層からなる層構造でも構わない。
又、このエレクトロルミネッセンス層を構成する材料も
特に限定されるものではなく、従来より有機エレクトロ
ルミネッセンス素子用の有機発光材料、正孔輸送材料、
正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料として利用
されている物質をそのまま利用することができる。尚、
有機エレクトロルミネッセンス素子用の正孔輸送材料、
正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料としては有
機材料のみではなく無機半導体も利用されており、本発
明の実施の形態の有機エレクトロルミネッセンス素子の
製造方法においても有機物、無機半導体のいずれでも利
用することが可能である。
【0040】本発明の実施の形態の有機エレクトロルミ
ネッセンス素子の製造方法における第一電極層や第二電
極層に用いる電極材料も特に限定されるものではない
が、従来より有機エレクトロルミネッセンス素子用の電
極材料として利用されているものをそのまま利用するこ
とができ、特にその仕事関数や透光性等により選択され
る。また、通常有機エレクトロルミネッセンス素子では
透明電極と背面電極を組み合わせて用いるが、本発明に
おいても第一電極層を透明電極、第二電極層を背面電極
とするか、或いは、第一電極層を背面電極、第二電極層
を透明電極とすることができる。
ネッセンス素子の製造方法における第一電極層や第二電
極層に用いる電極材料も特に限定されるものではない
が、従来より有機エレクトロルミネッセンス素子用の電
極材料として利用されているものをそのまま利用するこ
とができ、特にその仕事関数や透光性等により選択され
る。また、通常有機エレクトロルミネッセンス素子では
透明電極と背面電極を組み合わせて用いるが、本発明に
おいても第一電極層を透明電極、第二電極層を背面電極
とするか、或いは、第一電極層を背面電極、第二電極層
を透明電極とすることができる。
【0041】また、電極層間に電圧を印加もしくは電流
を注入して有機エレクトロルミネッセンス素子を発光さ
せる際に、相対的に高い電位とする側の電極を陽極、相
対的に低い電位とする側の電極を陰極と表現した場合、
陽極材料としては、4.5eV程度より仕事関数の大き
い金属、合金、電気伝導性化合物、またはこれらの混合
物等を利用することができ、例えばAu等の金属や、C
uI,ITO,SnO 2,ZnO等の透明電極材料等を
挙げることができる。また、陰極材料としては、4.5
eV程度より仕事関数の小さい金属,合金,電気伝導性
化合物、またはこれらの混合物等を利用することが可能
であり、例えばCa,Na,Na−K合金,Mg,Li
とAgとの合金または混合金属,Al/AlO2,I
n,希土類金属等を挙げることができる。尚、陽極用に
適した材料と陰極用に適した材料を分ける目安として仕
事関数4.5eVを挙げたが、実際には対向する電極の
材料やエレクトロルミネッセンス層の材料等により好適
な材料は異なるため、この数字に限定されるものではな
い。
を注入して有機エレクトロルミネッセンス素子を発光さ
せる際に、相対的に高い電位とする側の電極を陽極、相
対的に低い電位とする側の電極を陰極と表現した場合、
陽極材料としては、4.5eV程度より仕事関数の大き
い金属、合金、電気伝導性化合物、またはこれらの混合
物等を利用することができ、例えばAu等の金属や、C
uI,ITO,SnO 2,ZnO等の透明電極材料等を
挙げることができる。また、陰極材料としては、4.5
eV程度より仕事関数の小さい金属,合金,電気伝導性
化合物、またはこれらの混合物等を利用することが可能
であり、例えばCa,Na,Na−K合金,Mg,Li
とAgとの合金または混合金属,Al/AlO2,I
n,希土類金属等を挙げることができる。尚、陽極用に
適した材料と陰極用に適した材料を分ける目安として仕
事関数4.5eVを挙げたが、実際には対向する電極の
材料やエレクトロルミネッセンス層の材料等により好適
な材料は異なるため、この数字に限定されるものではな
い。
【0042】通常、透明電極には透光性を有する仕事関
数の大きい陽極材料が用いられ、背面電極には仕事関数
の小さな金属からなる陰極材料が用いられることが多
く、本発明の実施の形態の有機エレクトロルミネッセン
ス素子においても同様に使用することができる。また、
仕事関数や透光性により電極材料を選択した場合、その
導電性や層厚・画面サイズ等によっては電極線上で均一
な電極性能を得られないため、これらの電極層をより導
電性の高い補助電極を併設した構造とすることができ
る。更に非発光時等に、素子外部の光が背面電極で反射
するのを抑制するため、金属の不完全酸化膜等反射率の
調整機能を有する構造やさらにその他の機能を付加する
ための層を併設した構造とすることも可能である。
数の大きい陽極材料が用いられ、背面電極には仕事関数
の小さな金属からなる陰極材料が用いられることが多
く、本発明の実施の形態の有機エレクトロルミネッセン
ス素子においても同様に使用することができる。また、
仕事関数や透光性により電極材料を選択した場合、その
導電性や層厚・画面サイズ等によっては電極線上で均一
な電極性能を得られないため、これらの電極層をより導
電性の高い補助電極を併設した構造とすることができ
る。更に非発光時等に、素子外部の光が背面電極で反射
するのを抑制するため、金属の不完全酸化膜等反射率の
調整機能を有する構造やさらにその他の機能を付加する
ための層を併設した構造とすることも可能である。
【0043】本発明の実施の形態の有機エレクトロルミ
ネッセンス素子の製造方法では、上記第一電極層,第二
電極層をそれぞれ複数本からなるストライプパターン状
に形成し、かつ、両者が略直交となるように配置して、
両電極が交差する部位を画素とするマトリクス構造の表
示素子とすることができる。また、数字や任意の絵記号
等の形状に形成し、セグメント表示素子とすることも可
能である。
ネッセンス素子の製造方法では、上記第一電極層,第二
電極層をそれぞれ複数本からなるストライプパターン状
に形成し、かつ、両者が略直交となるように配置して、
両電極が交差する部位を画素とするマトリクス構造の表
示素子とすることができる。また、数字や任意の絵記号
等の形状に形成し、セグメント表示素子とすることも可
能である。
【0044】また、一般にこれら有機エレクトロルミネ
ッセンス素子を構成する材料の中には水や酸素により特
性が変化するものも含まれるので、発光特性を安定化さ
せるために、通常、上記素子の積層構造をさらに外気か
ら遮断する構造が設けられる。
ッセンス素子を構成する材料の中には水や酸素により特
性が変化するものも含まれるので、発光特性を安定化さ
せるために、通常、上記素子の積層構造をさらに外気か
ら遮断する構造が設けられる。
【0045】また、従来の技術に記載の方法のように、
光−熱変換層,熱伝播層および剥離層用いる場合も、こ
れらの材料は特に限定するものではなく、例えば光−熱
変換層にはカーボン粒子を混合した樹脂等光を熱に効率
よく変換可能な材料が、熱伝播層兼剥離層にはポリαメ
チルスチレン等比較的低融点の材料が使用できる。
光−熱変換層,熱伝播層および剥離層用いる場合も、こ
れらの材料は特に限定するものではなく、例えば光−熱
変換層にはカーボン粒子を混合した樹脂等光を熱に効率
よく変換可能な材料が、熱伝播層兼剥離層にはポリαメ
チルスチレン等比較的低融点の材料が使用できる。
【0046】次に、具体的な実施例により本発明をさら
に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなん
ら限定されるものではない。
に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなん
ら限定されるものではない。
【0047】以下、本発明の実施の形態の有機エレクト
ロルミネッセンス素子の具体的な製造方法について図面
を参照して詳しく説明する。
ロルミネッセンス素子の具体的な製造方法について図面
を参照して詳しく説明する。
【0048】(実施例1)図1(a)に示すように、大
きさ100×100mm厚さ20μmのポリエチレンテ
レフタレート製フィルムを転写用基板1とし、この全面
に、光−熱変換層2としてカーボン粒子を混合したエポ
キシ樹脂を5μm、熱伝播層兼剥離層3(熱伝播層と剥
離層は別々でもよい。)としてポリαメチルスチレンを
1μmの厚さで形成した後、真空蒸着法により、第二電
極層4として膜厚100nmのアルミニウム、エレクト
ロルミネッセンス層5を構成する材料のうち、電子輸送
層5aとして膜厚40nmのトリス(8−キノリノラ
ト)アルミニウム、発光層5bとして0.15重量%ペ
リレンを添加した膜厚25nmのビス(2−メチル−8
−キノリノラト)(4−フェニルフェノラト)アルミニ
ウム、正孔輸送層5cとして膜厚40nmのN,N’−
ジフェニル−N,N’−ビス(1−ナフチル)−1,
1’−ビフェニル−4,4’−ジアミンをこの順で積層
し転写層6を形成した。
きさ100×100mm厚さ20μmのポリエチレンテ
レフタレート製フィルムを転写用基板1とし、この全面
に、光−熱変換層2としてカーボン粒子を混合したエポ
キシ樹脂を5μm、熱伝播層兼剥離層3(熱伝播層と剥
離層は別々でもよい。)としてポリαメチルスチレンを
1μmの厚さで形成した後、真空蒸着法により、第二電
極層4として膜厚100nmのアルミニウム、エレクト
ロルミネッセンス層5を構成する材料のうち、電子輸送
層5aとして膜厚40nmのトリス(8−キノリノラ
ト)アルミニウム、発光層5bとして0.15重量%ペ
リレンを添加した膜厚25nmのビス(2−メチル−8
−キノリノラト)(4−フェニルフェノラト)アルミニ
ウム、正孔輸送層5cとして膜厚40nmのN,N’−
ジフェニル−N,N’−ビス(1−ナフチル)−1,
1’−ビフェニル−4,4’−ジアミンをこの順で積層
し転写層6を形成した。
【0049】次に、図1(b)に示すように、大きさ1
00×100mm厚さ1.1mmのガラス基板を支持基
板7とし、この全面に第一電極層8として膜厚200n
mのインジウム−スズ酸化物(以下ITOと略する)を
スパッタ法により形成した後、フォトリソグラフィー法
により、支持基板7上の中央60×60mmの領域に
0.45mm幅、0.5mmピッチ120本のストライ
プパターンとなるよう第一電極層8をエッチングした。
00×100mm厚さ1.1mmのガラス基板を支持基
板7とし、この全面に第一電極層8として膜厚200n
mのインジウム−スズ酸化物(以下ITOと略する)を
スパッタ法により形成した後、フォトリソグラフィー法
により、支持基板7上の中央60×60mmの領域に
0.45mm幅、0.5mmピッチ120本のストライ
プパターンとなるよう第一電極層8をエッチングした。
【0050】更に、図1(c)に示すように、移動ステ
ージ9上に、ステージ移動方向Aと回転軸が直交するよ
うに、ゴム硬度40IRHD、直径20mmの圧着ロー
ラー10を配置し、第一電極層8を形成した支持基板7
を第一電極層8形成面が上向きになるよう真空吸着によ
り固定した。次に、転写用基板1の転写層6形成面が支
持基板7の第一電極層8形成面と対向するよう合わせ、
移動ステージ9を定速で移動させながら対向させた転写
用基板1と支持基板7を両基板の端から圧着ローラー1
0で連続的に圧着し、圧着直後の部分に15WのYAG
レーザー11を選択的に照射することで、転写用基板1
上の転写層6を支持基板7上へ転写し、転写用基板1の
ポリエチレンテレフタレート製フィルムを剥離して有機
エレクトロルミネッセンス素子を作成した。
ージ9上に、ステージ移動方向Aと回転軸が直交するよ
うに、ゴム硬度40IRHD、直径20mmの圧着ロー
ラー10を配置し、第一電極層8を形成した支持基板7
を第一電極層8形成面が上向きになるよう真空吸着によ
り固定した。次に、転写用基板1の転写層6形成面が支
持基板7の第一電極層8形成面と対向するよう合わせ、
移動ステージ9を定速で移動させながら対向させた転写
用基板1と支持基板7を両基板の端から圧着ローラー1
0で連続的に圧着し、圧着直後の部分に15WのYAG
レーザー11を選択的に照射することで、転写用基板1
上の転写層6を支持基板7上へ転写し、転写用基板1の
ポリエチレンテレフタレート製フィルムを剥離して有機
エレクトロルミネッセンス素子を作成した。
【0051】このときの転写パターンは第一電極層8と
同じく基板中央60×60mmの領域に0.45mm
幅、0.5mmピッチ120本のストライプパターンと
したが、その具体的な形成方法は、転写用基板1と支持
基板7を圧着後に、例えばレーザ11を圧着ローラー1
0の回転軸と垂直に連続的に走査させて、転写層6のス
トライプパターンの長手方向が第一電極層8に対して垂
直方向に形成されるようにした。或いは、転写用基板1
と支持基板7を圧着直後の部分にレーザ11を圧着ロー
ラー10の回転軸と平行にパルス状に走査させて、転写
層6のストライプパターンの長手方向が第一電極層8に
対して垂直方向に形成されるようにしてもよい。
同じく基板中央60×60mmの領域に0.45mm
幅、0.5mmピッチ120本のストライプパターンと
したが、その具体的な形成方法は、転写用基板1と支持
基板7を圧着後に、例えばレーザ11を圧着ローラー1
0の回転軸と垂直に連続的に走査させて、転写層6のス
トライプパターンの長手方向が第一電極層8に対して垂
直方向に形成されるようにした。或いは、転写用基板1
と支持基板7を圧着直後の部分にレーザ11を圧着ロー
ラー10の回転軸と平行にパルス状に走査させて、転写
層6のストライプパターンの長手方向が第一電極層8に
対して垂直方向に形成されるようにしてもよい。
【0052】また、ゴム硬度50IRHD、直径20m
mの圧着ローラー,ゴム硬度60IRHD、直径20m
mの圧着ローラー,ゴム硬度70IRHD、直径20m
mの圧着ローラーに取り替えた以外は同じ方法で有機エ
レクトロルミネッセンス素子を作成し、上述の有機エレ
クトロルミネッセンス素子との比較を行った。
mの圧着ローラー,ゴム硬度60IRHD、直径20m
mの圧着ローラー,ゴム硬度70IRHD、直径20m
mの圧着ローラーに取り替えた以外は同じ方法で有機エ
レクトロルミネッセンス素子を作成し、上述の有機エレ
クトロルミネッセンス素子との比較を行った。
【0053】本実施例の有機エレクトロルミネッセンス
素子を顕微鏡で観察したところ、ゴム硬度40IRH
D、直径20mmの圧着ローラー,ゴム硬度50IRH
D、直径20mmの圧着ローラーにて作成した有機エレ
クトロルミネッセンス素子では転写抜けは確認されなか
ったが、ゴム硬度60IRHD、直径20mmの圧着ロ
ーラー,ゴム硬度70IRHD、直径20mmの圧着ロ
ーラーにて作成した有機エレクトロルミネッセンス素子
では転写抜けが確認された。また、駆動装置に接続し点
灯試験を行ったところ、ゴム硬度40IRHD、直径2
0mmの圧着ローラー,ゴム硬度50IRHD、直径2
0mmの圧着ローラーにて作成した有機エレクトロルミ
ネッセンス素子では良好な表示が得られたが、ゴム硬度
60IRHD、直径20mmの圧着ローラー,ゴム硬度
70IRHD、直径20mmの圧着ローラーにて作成し
た有機エレクトロルミネッセンス素子では電極間短絡が
原因と考えられる表示不良が確認された。
素子を顕微鏡で観察したところ、ゴム硬度40IRH
D、直径20mmの圧着ローラー,ゴム硬度50IRH
D、直径20mmの圧着ローラーにて作成した有機エレ
クトロルミネッセンス素子では転写抜けは確認されなか
ったが、ゴム硬度60IRHD、直径20mmの圧着ロ
ーラー,ゴム硬度70IRHD、直径20mmの圧着ロ
ーラーにて作成した有機エレクトロルミネッセンス素子
では転写抜けが確認された。また、駆動装置に接続し点
灯試験を行ったところ、ゴム硬度40IRHD、直径2
0mmの圧着ローラー,ゴム硬度50IRHD、直径2
0mmの圧着ローラーにて作成した有機エレクトロルミ
ネッセンス素子では良好な表示が得られたが、ゴム硬度
60IRHD、直径20mmの圧着ローラー,ゴム硬度
70IRHD、直径20mmの圧着ローラーにて作成し
た有機エレクトロルミネッセンス素子では電極間短絡が
原因と考えられる表示不良が確認された。
【0054】(実施例2)ゴム硬度50IRHD、直径
10mmの圧着ローラー,ゴム硬度50IRHD、直径
12mmの圧着ローラー,ゴム硬度50IRHD、直径
15mmの圧着ローラーに取り替えた以外は、実施例1
と同じ方法で有機エレクトロルミネッセンス素子を作成
し、上述の有機エレクトロルミネッセンス素子との比較
を行った。
10mmの圧着ローラー,ゴム硬度50IRHD、直径
12mmの圧着ローラー,ゴム硬度50IRHD、直径
15mmの圧着ローラーに取り替えた以外は、実施例1
と同じ方法で有機エレクトロルミネッセンス素子を作成
し、上述の有機エレクトロルミネッセンス素子との比較
を行った。
【0055】本実施例の有機エレクトロルミネッセンス
素子を顕微鏡で観察したところ、ゴム硬度50IRH
D、直径12mmの圧着ローラー,ゴム硬度50IRH
D、直径15mmの圧着ローラーにて作成した有機エレ
クトロルミネッセンス素子では転写抜けは確認されなか
ったが、ゴム硬度50IRHD、直径10mmの圧着ロ
ーラーにて作成した有機エレクトロルミネッセンス素子
では転写抜けが確認された。また、駆動装置に接続し点
灯試験を行ったところ、ゴム硬度50IRHD、直径1
2mmの圧着ローラー,ゴム硬度50IRHD、直径1
5mmの圧着ローラーにて作成した有機エレクトロルミ
ネッセンス素子では良好な表示が得られたが、ゴム硬度
50IRHD、直径10mmの圧着ローラーにて作成し
た有機エレクトロルミネッセンス素子では電極間短絡が
原因と考えられる表示不良が確認された。
素子を顕微鏡で観察したところ、ゴム硬度50IRH
D、直径12mmの圧着ローラー,ゴム硬度50IRH
D、直径15mmの圧着ローラーにて作成した有機エレ
クトロルミネッセンス素子では転写抜けは確認されなか
ったが、ゴム硬度50IRHD、直径10mmの圧着ロ
ーラーにて作成した有機エレクトロルミネッセンス素子
では転写抜けが確認された。また、駆動装置に接続し点
灯試験を行ったところ、ゴム硬度50IRHD、直径1
2mmの圧着ローラー,ゴム硬度50IRHD、直径1
5mmの圧着ローラーにて作成した有機エレクトロルミ
ネッセンス素子では良好な表示が得られたが、ゴム硬度
50IRHD、直径10mmの圧着ローラーにて作成し
た有機エレクトロルミネッセンス素子では電極間短絡が
原因と考えられる表示不良が確認された。
【0056】以上の実施例により、本発明の実施の形態
の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法によっ
て、転写不良なく有機エレクトロルミネッセンス素子が
作成可能であることを確認した。
の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法によっ
て、転写不良なく有機エレクトロルミネッセンス素子が
作成可能であることを確認した。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による有機
エレクトロルミネッセンス素子の製造方法においては、
転写時の転写用基板と有機エレクトロルミネッセンス素
子支持基板の密着性を著しく向上することができるの
で、従来の転写方式において発生していた支持基板上の
段差を原因とする転写用基板と支持基板の密着不良によ
って生ずる転写抜け等の転写不良の発生や、下地層の微
少な破壊や積層不良などの転写不良による表示不良が発
生を防止することが可能になり、その結果、有機エレク
トロルミネッセンス素子の製造工程における歩留りを著
しく向上することができる。
エレクトロルミネッセンス素子の製造方法においては、
転写時の転写用基板と有機エレクトロルミネッセンス素
子支持基板の密着性を著しく向上することができるの
で、従来の転写方式において発生していた支持基板上の
段差を原因とする転写用基板と支持基板の密着不良によ
って生ずる転写抜け等の転写不良の発生や、下地層の微
少な破壊や積層不良などの転写不良による表示不良が発
生を防止することが可能になり、その結果、有機エレク
トロルミネッセンス素子の製造工程における歩留りを著
しく向上することができる。
【0058】本発明の有機エレクトロルミネッセンス素
子の製造方法は、支持基板上に第一電極層、少なくとも
有機発光材料を含有するエレクトロルミネッセンス層、
第二電極層がこの順で形成されてなる有機エレクトロル
ミネッセンス素子において、支持基板上に少なくとも第
一電極層を形成する工程と、エレクトロルミネッセンス
層及び/又は第二電極層を構成する材料を転写層として
転写用基板上に形成する工程と、支持基板の第一電極層
形成面と転写用基板上の転写層形成面とを、ゴム硬度が
50IRDH以下の圧着ローラーで圧着する工程と、転
写用基板上に形成された転写層を支持基板の第一電極層
形成面側に転写する工程とを有することを特徴とし、本
発明により、転写用基板や支持基板上にパターン形成さ
れた第一電極層、第二電極層やその他構成材料層の段差
等による凹凸があっても十分な圧着が可能となり、支持
基板と転写用基板との間の隙間が残らないので、転写抜
けを防ぐことが可能になる。その結果、従来発生してい
た第1電極層と第2電極層との間のリークの原因や、非
点灯部分の発生による表示品位,信頼性等の低下がなく
なり、高品位で高信頼性、且つ高歩留まりの有機エレク
トロルミネッセンス素子が提供できる。
子の製造方法は、支持基板上に第一電極層、少なくとも
有機発光材料を含有するエレクトロルミネッセンス層、
第二電極層がこの順で形成されてなる有機エレクトロル
ミネッセンス素子において、支持基板上に少なくとも第
一電極層を形成する工程と、エレクトロルミネッセンス
層及び/又は第二電極層を構成する材料を転写層として
転写用基板上に形成する工程と、支持基板の第一電極層
形成面と転写用基板上の転写層形成面とを、ゴム硬度が
50IRDH以下の圧着ローラーで圧着する工程と、転
写用基板上に形成された転写層を支持基板の第一電極層
形成面側に転写する工程とを有することを特徴とし、本
発明により、転写用基板や支持基板上にパターン形成さ
れた第一電極層、第二電極層やその他構成材料層の段差
等による凹凸があっても十分な圧着が可能となり、支持
基板と転写用基板との間の隙間が残らないので、転写抜
けを防ぐことが可能になる。その結果、従来発生してい
た第1電極層と第2電極層との間のリークの原因や、非
点灯部分の発生による表示品位,信頼性等の低下がなく
なり、高品位で高信頼性、且つ高歩留まりの有機エレク
トロルミネッセンス素子が提供できる。
【0059】また、本発明の有機エレクトロルミネッセ
ンス素子の製造方法は、圧着ローラーは直径が12mm
以上であることを特徴とし、本発明により、圧着ローラ
ーの表面性が良好になり、圧着時に圧着ローラーの表面
形状が支持基盤の凹凸に追従するため、画素または画素
エッジなど圧力の集中し易い部分での転写層や下地層の
微少な破壊や積層不良の発生を防止することが可能にな
る。従って、高品位で高信頼性、且つ高歩留まりの有機
エレクトロルミネッセンス素子が提供できる。
ンス素子の製造方法は、圧着ローラーは直径が12mm
以上であることを特徴とし、本発明により、圧着ローラ
ーの表面性が良好になり、圧着時に圧着ローラーの表面
形状が支持基盤の凹凸に追従するため、画素または画素
エッジなど圧力の集中し易い部分での転写層や下地層の
微少な破壊や積層不良の発生を防止することが可能にな
る。従って、高品位で高信頼性、且つ高歩留まりの有機
エレクトロルミネッセンス素子が提供できる。
【0060】また、本発明の有機エレクトロルミネッセ
ンス素子の製造方法は、第一電極層と前記第二電極層は
少なくともどちらか一方が透明電極層であることを特徴
とし、本発明により、光を支持基板の任意の側に取り出
すことが可能になる。第一電極層を透明電極層とし光を
支持基板側に取り出す場合には、支持基板にも透光性が
必要であり、ガラス板やプラスチック板等の他、柔軟性
のある高分子フィルム等の透光性の材料を用いること
で、支持基板側或いは支持基板の両面から均一な発光を
取り出すことが可能になり、また第二電極層を透明電極
とし発光を第二電極層側に取り出す場合には、支持基板
には透光性を必要としないため例えばセラミック基板,
PWB,フレキシブル基板,多層配線基板等に駆動回路
や能動素子等を登載した基板と兼用することも可能にな
るので、高機能、高品位で高信頼性、且つ高歩留まりの
有機エレクトロルミネッセンス素子が提供できる。特
に、基板の選択幅が広がるため、セラミック基板、不透
明な高耐熱性プラスチック基板などにTFT素子を設け
たものを基板として用いていることも可能になるので、
従来のガラス、透明プラスチック基板(耐熱性が低い)
を用いた有機エレクトロルミネッセンス素子に比べ低消
費電力、薄型、軽量で安価な有機エレクトロルミネッセ
ンス素子が提供できる。
ンス素子の製造方法は、第一電極層と前記第二電極層は
少なくともどちらか一方が透明電極層であることを特徴
とし、本発明により、光を支持基板の任意の側に取り出
すことが可能になる。第一電極層を透明電極層とし光を
支持基板側に取り出す場合には、支持基板にも透光性が
必要であり、ガラス板やプラスチック板等の他、柔軟性
のある高分子フィルム等の透光性の材料を用いること
で、支持基板側或いは支持基板の両面から均一な発光を
取り出すことが可能になり、また第二電極層を透明電極
とし発光を第二電極層側に取り出す場合には、支持基板
には透光性を必要としないため例えばセラミック基板,
PWB,フレキシブル基板,多層配線基板等に駆動回路
や能動素子等を登載した基板と兼用することも可能にな
るので、高機能、高品位で高信頼性、且つ高歩留まりの
有機エレクトロルミネッセンス素子が提供できる。特
に、基板の選択幅が広がるため、セラミック基板、不透
明な高耐熱性プラスチック基板などにTFT素子を設け
たものを基板として用いていることも可能になるので、
従来のガラス、透明プラスチック基板(耐熱性が低い)
を用いた有機エレクトロルミネッセンス素子に比べ低消
費電力、薄型、軽量で安価な有機エレクトロルミネッセ
ンス素子が提供できる。
【0061】また、本発明の有機エレクトロルミネッセ
ンス素子の製造方法は、エレクトロルミネッセンス層は
正孔注入層,正孔輸送層,電子注入層,電子輸送層のう
ち少なくとも一つの層を含むことを特徴とし、本発明に
より、エレクトロルミネッセンス層が1種または複数種
の有機発光材料のみからなる有機発光層や、1種または
複数種の有機発光材料と正孔輸送材料及び/又は電子輸
送材料との混合物からなる有機発光層等有機発光層のみ
からなる単一層、或いは、有機発光層以外に正孔輸送
層、正孔注入層、電子輸送層、電子注入層等から選ばれ
る層を含む複数層からなる層により形成され、実質的な
層厚が厚くなっても、エレクトロルミネッセンス層の段
差により転写用基板と支持基板との間に生じる隙間に起
因した転写不良や層のひび割れを防ぐことが可能になる
ので、高機能、高品位で高信頼性、且つ高歩留まりの有
機エレクトロルミネッセンス素子が提供できる。
ンス素子の製造方法は、エレクトロルミネッセンス層は
正孔注入層,正孔輸送層,電子注入層,電子輸送層のう
ち少なくとも一つの層を含むことを特徴とし、本発明に
より、エレクトロルミネッセンス層が1種または複数種
の有機発光材料のみからなる有機発光層や、1種または
複数種の有機発光材料と正孔輸送材料及び/又は電子輸
送材料との混合物からなる有機発光層等有機発光層のみ
からなる単一層、或いは、有機発光層以外に正孔輸送
層、正孔注入層、電子輸送層、電子注入層等から選ばれ
る層を含む複数層からなる層により形成され、実質的な
層厚が厚くなっても、エレクトロルミネッセンス層の段
差により転写用基板と支持基板との間に生じる隙間に起
因した転写不良や層のひび割れを防ぐことが可能になる
ので、高機能、高品位で高信頼性、且つ高歩留まりの有
機エレクトロルミネッセンス素子が提供できる。
【図1】(a)乃至(c)は本発明の実施の形態の有機
エレクトロルミネッセンス素子の製造方法を示す模式図
である。
エレクトロルミネッセンス素子の製造方法を示す模式図
である。
【図2】従来の有機エレクトロルミネッセンス素子の製
造方法を示す断面図である。
造方法を示す断面図である。
1 転写用基板 4 第二電極層 5 エレクトロルミネッセンス層 6 転写層 7 支持基板 8 第一電極層 10 圧着ローラー
Claims (4)
- 【請求項1】 支持基板上に第一電極層、少なくとも有
機発光材料を含有するエレクトロルミネッセンス層、第
二電極層がこの順で形成されてなる有機エレクトロルミ
ネッセンス素子の製造方法において、 前記支持基板上に少なくとも前記第一電極層を形成する
工程と、 前記エレクトロルミネッセンス層及び/又は前記第二電
極層を構成する材料を転写層として転写用基板上に形成
する工程と、 前記支持基板の前記第一電極層形成面と前記転写用基板
上の前記転写層形成面とを、ゴム硬度が50IRDH以
下の圧着ローラーで圧着する工程と、 前記転写用基板上に形成された前記転写層を前記支持基
板の前記第一電極層形成面側に転写する工程と、を有す
ることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子
の製造方法。 - 【請求項2】 前記圧着ローラーは直径が12mm以上
であることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクト
ロルミネッセンス素子の製造方法。 - 【請求項3】 前記第一電極層と前記第二電極層は少な
くともどちらか一方が透明電極層であることを特徴とす
る請求項1または2に記載の有機エレクトロルミネッセ
ンス素子の製造方法。 - 【請求項4】 前記エレクトロルミネッセンス層は正孔
注入層,正孔輸送層,電子注入層,電子輸送層のうち少
なくとも一つの層を含むことを特徴とする請求項1乃至
3のいずれかひとつに記載の有機エレクトロルミネッセ
ンス素子の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000005384A JP2001196169A (ja) | 2000-01-14 | 2000-01-14 | 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000005384A JP2001196169A (ja) | 2000-01-14 | 2000-01-14 | 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001196169A true JP2001196169A (ja) | 2001-07-19 |
Family
ID=18534059
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000005384A Pending JP2001196169A (ja) | 2000-01-14 | 2000-01-14 | 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001196169A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003308974A (ja) * | 2002-03-13 | 2003-10-31 | Eastman Kodak Co | 有機発光ダイオードデバイスの層を形成するためにドナーから有機材料を転写する装置及び方法 |
WO2003100753A1 (fr) * | 2002-05-29 | 2003-12-04 | Seiko Epson Corporation | Dispositif electro-optique, son procede de production, dispositif de commande d'element, son procede de production, substrat d'element et equipement electronique |
JP2004063458A (ja) * | 2002-06-07 | 2004-02-26 | Fuji Photo Film Co Ltd | パターン膜形成方法 |
-
2000
- 2000-01-14 JP JP2000005384A patent/JP2001196169A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003308974A (ja) * | 2002-03-13 | 2003-10-31 | Eastman Kodak Co | 有機発光ダイオードデバイスの層を形成するためにドナーから有機材料を転写する装置及び方法 |
JP4554890B2 (ja) * | 2002-03-13 | 2010-09-29 | イーストマン コダック カンパニー | 有機発光ダイオードデバイスの層を形成するためにドナーから有機材料を転写する装置及び方法 |
WO2003100753A1 (fr) * | 2002-05-29 | 2003-12-04 | Seiko Epson Corporation | Dispositif electro-optique, son procede de production, dispositif de commande d'element, son procede de production, substrat d'element et equipement electronique |
US7183582B2 (en) | 2002-05-29 | 2007-02-27 | Seiko Epson Coporation | Electro-optical device and method of manufacturing the same, element driving device and method of manufacturing the same, element substrate, and electronic apparatus |
US7364928B2 (en) | 2002-05-29 | 2008-04-29 | Seiko Epson Corporation | Electro-optical device and method of manufacturing the same, element driving device and method of manufacturing the same, element substrate, and electronic apparatus |
CN100430784C (zh) * | 2002-05-29 | 2008-11-05 | 精工爱普生株式会社 | 电光学装置及其制造方法,元件驱动装置及其制造方法,元件基板和电子设备 |
JP2004063458A (ja) * | 2002-06-07 | 2004-02-26 | Fuji Photo Film Co Ltd | パターン膜形成方法 |
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