JP2001195982A - フェースプレートの製造方法及び画像形成装置の製造方法 - Google Patents
フェースプレートの製造方法及び画像形成装置の製造方法Info
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Abstract
定に形成することが可能なフェースプレートの製造方法
及び画像形成装置の製造方法を提供する。 【解決手段】 基板上に蛍光体粒子2を形成する工程
と、蛍光体粒子2による蛍光膜上に第1の導電膜3を形
成する工程と、第1の導電膜3と間隔をおいて電極を配
置し、第1の電極3と電極との間に電圧を印加する工程
と、電圧を印加した後に、第1の導電膜3上に第2の導
電膜4を形成する工程とを備える。
Description
ドエミッションディスプレイ(FED)や陰極線管(C
RT)などの電子線を利用した画像形成装置の製造方
法、及びこのような画像形成装置に適用されて好適なフ
ェースプレートの製造方法に関するものである。
置は、より一層の大型化が求められ研究が盛んに行なわ
れている。ここで、大型化に伴って、装置の薄型化・軽
量化・低コスト化が重要な課題となっている。
電子を偏向電極で偏向し、フェースプレート上の蛍光体
に照射することで励起する構造であるため、大型化を行
なうと原理的に奥行きが必要となり、薄型・軽量のもの
を提供する事が困難である。
成装置として、表面伝導型電子放出素子を用いた画像形
成装置について研究を行なってきた。
51,835、WO 00/44022号などには、図1
1に示されるような電気的配線方法による、電子放出素
子のマルチ電子ビーム源への応用が開示されている。
出素子を2次元的に多数個配列し、これらの素子を図示
のように単純マトリクス状に配線したマルチ電子ビーム
源である。図11に、表面伝導型電子放出素子をマトリ
クス配線接続した場合の回路図を示す。
を模式的に示したものであり、4002は列方向配線、
4003は行方向配線、4004は抵抗である。
示しているが、マトリクスの規模はむろんこれに限った
わけではなく、所望の画像表示を行うのに足りるだけの
素子を配列し配線するものである。
電子ビーム源を用いた平板型の陰極線管の構造を示す斜
視模式図である。
伝導型電子放出素子4012を備え、リアプレート40
05及び側壁4007と、蛍光体層4008を備えたフ
ェースプレート4006と、蛍光体層上に設けられた導
電膜としてのメタルバック4009とからなる構造をと
っている。
入端子4011を通じて、高電圧電源4010から高電
圧が印加される構成となっている。
トリクス配線したマルチ電子ビーム源においては、所望
の電子ビームを出力させるため、列方向配線4002及
び行方向配線4003に適宜の電気信号を印加する。
面伝導型電子放出素子を駆動するには、選択する行の行
方向配線4003には選択電圧Vsを印加し、同時に非
選択の行の行方向配線4003には非選択電圧Vnsを
印加する。
に電子ビームを出力するための駆動電圧Veを印加す
る。
型電子放出素子には、Ve−Vsの電圧が印加され、ま
た非選択行の表面伝導型電子放出素子にはVe−Vns
の電圧が印加される。
を適宜調整すれば、選択する行の表面伝導型電子放出素
子だけから所望の強度の電子ビームが出力され、また、
列方向配線の各々に異なる駆動電圧Veを印加すれば、
選択する行の素子の各々から異なる強度の電子ビームが
出力される。
は高速であるため、駆動電圧Veを印加する時間の長さ
を変えれば、電子ビームが出力される時間の長さも変え
ることができる。
電子放出素子により構成されるマルチ電子ビーム源から
出力された電子ビームは、高電圧Vaを印加されている
メタルバック4009に照射され、メタルバック400
9を通過し、ターゲットである蛍光体層4008の蛍光
体に衝突し、蛍光体を励起して発光させる。
置は、たとえば画像情報に応じた電圧信号を適宜印加す
るようにして画像形成装置となる。ここで、図12に示
される画像形成装置は、画像表示装置としても機能する
ものである。すなわち本明細書において、画像形成装置
には画像表示装置が含まれる。
バック4009に高電圧を印加し、リアプレート400
5とフェースプレート4006との間に電界を生じさせ
電子を加速し、蛍光体を励起させ発光させることにより
画像を表示する。
するためには、例えば図12に示されるリアプレート4
005とフェースプレート4006との間の距離を小さ
くしなければならない。
ースプレート4006との間にはCRTに比べて、かな
り高い電界強度が生じることになる。また、加速電圧が
高いほど発光が強く輝度の高い画像形成装置が実現でき
る。
成されるものである。この理由は、蛍光体層全体に高電
圧を印加する目的のため、また、蛍光体が絶縁性である
ので、蛍光体の帯電をメタルバックによって除去する目
的のため、さらに蛍光体から後方(リアプレート方向)
に出た光を鏡面効果により前方に取り出す(反射する)
という目的を持つためである。そのため、メタルバック
は、ある程度の厚さをもつ連続膜である事が必要とな
る。
ック4009を透過して蛍光体を励起しなければならな
いので、メタルバックに印加する電位にもよるが、メタ
ルバック4009の厚みは制限される。
光体層4008はポーラスになり表面にはかなりの凹凸
が存在する。
多少ずれても色ずれを起こさないようにするためや、外
光を吸収し画像のコントラストを向上する、などの理由
で設けられる黒色部材(ブラックマトリクス等)の表面
にも、かなりの凹凸が存在する。
たのでは、所望厚みの連続膜にならないので、一般的に
メタルバック作製の工程としてフィルミング工程が用い
られている。
の表面にアクリルなどの樹脂フィルム(フィルミング膜
又は樹脂膜)を作製し、蛍光体層などの表面を平坦化す
る工程である。
グ膜)上に真空蒸着法などで金属膜を成膜し、その後、
フィルミング膜を焼成によって熱分解除去することによ
り、金属膜を蛍光体層と密着させ、メタルバックとす
る。
製した後に、焼成によって熱分解して除かれるために、
フィルミング膜がガスとなり、そのガスが抜ける穴がメ
タルバック(金属膜)に生じてしまう(図13参照)。
図13は、従来のフェースプレートの断面模式図であ
る。
ート、2は蛍光体粒子、3は金属膜(メタルバック)、
104は金属膜(メタルバック)に生じた孔の外周部に
形成される突起である。そして、この孔および突起10
4は、フィルミング膜上に形成する金属膜(メタルバッ
ク)の厚みが大きいほど、その形状が酷い場合が多い。
ような従来技術の場合には、リアプレートとフェースプ
レートとの間の電界強度が大きくなり両電極間に火花放
電が発生する場合があり、画像形成装置が表示する画像
の画質が劣化する場合があるという問題点を有してい
る。
説明する。図12に示されるように、リアプレート40
05とフェースプレート4006との間の電界強度が大
きくなった際に火花放電が発生する場合がある。
圧は高真空のギャップを介している時には電極の材料や
表面状態が影響する。
に孔や突起があると、フェースプレート4006とリア
プレート4005との間の放電を誘発する場合がある。
にある構造的に弱い突起などが、クーロン力などによっ
てリアプレート側に落下し、リアプレート側に高密度に
配置された配線間のショートなどを引き起こす場合があ
った。
たように、前述したフィルミング膜を用いるためにメタ
ルバック4009に形成される孔および孔の外周部に形
成される突起104にその一因がある。
属膜(メタルバック)の厚みを薄くし、ガス抜けによる
孔および突起104の軽減を図ることが考えられる。
薄くすると、メタルバック自体の導電性の低下や、蛍光
体からの発光をフェースプレート側に反射するというメ
タルバック本来の目的を満たすことができなくなる場合
があった。
際しては、メタルバックに印加する電圧をさげる必要が
あり、その結果輝度が暗くなるなど画像形成装置として
の画質を低下させるという問題があった。
輝度が高く、高い画質の画像を長期に渡り安定に形成す
ることが可能なフェースプレートの製造方法及び画像形
成装置の製造方法を提供することを目的とする。
め、本発明に係るフェースプレートの製造方法は、基板
上に蛍光体を形成する工程と、前記蛍光体上に第1の導
電膜を形成する工程と、前記第1の導電膜と間隔をおい
て電極を配置し、前記第1の導電膜と電極との間に電圧
を印加する工程と、前記電圧を印加した後に、前記第1
の導電膜上に第2の導電膜を形成する工程とを備える。
前記第1の導電膜を形成する前に、前記蛍光体上に樹脂
膜を形成する工程と、前記第1の導電膜を形成した後に
焼成を行う工程とを備える。
た電子が前記蛍光体に照射されることにより該蛍光体が
発光し、所望の画像が形成される画像形成装置に使用さ
れるフェースプレートである。
それぞれ赤、青、緑の蛍光を発する部分を有する蛍光体
である。
膜とが異なる材料である。
材料である。
る。
方法は、第1基板と、前記第1基板と間隔を置いて対向
して配置された第2基板と、前記第1基板の主面上に配
置された電子放出素子と、前記電子放出素子と対向する
ように前記第2基板の主面上に配置された、蛍光体膜お
よび該蛍光体膜を覆う導電膜と、を有する画像形成装置
の製造方法であって、前記第2基板上に蛍光体を形成す
る工程と、前記蛍光体上に第1の導電膜を形成する工程
と、前記第1の導電膜と間隔をおいて電極を配置し、前
記第1の導電膜と電極との間に電圧を印加する工程と、
前記電圧を印加した後に、前記第1の導電膜上に第2の
導電膜を形成する工程とを備えることを特徴とする。
て、前記第1の導電膜を形成する前に、前記蛍光体膜上
に樹脂膜を形成する工程と、前記第1の導電膜を形成し
た後に焼成を行うことで前記樹脂膜を除去する工程とを
備える。
膜とが異なる材料である。
材料である。
である。
に印加される電圧が、前記画像形成装置の駆動時に、前
記電子放出素子と前記第1の導電膜との間に印加される
電圧以上であることを特徴とする。
に電圧が印加される際に生じる電界強度が、前記画像形
成装置の駆動時に、前記電子放出素子と前記第1の導電
膜との間に印加される電界強度以上であることを特徴と
する。
膜と電極との間に電圧を印加することで、耐圧を上昇さ
せることができると共に、フェースプレートとリアプレ
ートとの間に印加させる電圧を上昇させることができ、
表示される画像の画質を向上させることができる。
の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただ
し、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、
材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載が
ない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣
旨のものではない。
術の説明で用いた図面に記載された部材、及び既述の図
面に記載された部材と同様の部材には同じ番号を付す。
また、以下に説明する本発明に係る画像形成装置の製造
方法の実施形態の説明は、本発明に係るフェースプレー
トの製造方法の実施形態の説明を兼ねる。
ず、本発明に係る画像形成装置の製造方法の一実施形態
について図1から図6を参照して以下に説明する。
方法の一実施形態により製造される画像形成装置の斜視
模式図である。1001はリアプレートであり、電子放
出素子1002、電子放出素子を駆動するための行方向
配線配線1003および列方向配線1004を有する。
1012はフェースプレートであり、画像形成部材12
を有する。
場合、画像形成部材12は、蛍光体膜1008と導電膜
(メタルバック)1009から構成される。
ト1012とリアプレート1001間の空間を減圧状態
に保持するための部材であり、また、フェースプレート
1012とリアプレート1001間の間隔を維持するた
めの部材でもある。
1001間の間隔は、500μm以上10mm以下であ
り、用いる電子放出素子の放出ビームの広がり角にもよ
るが、1mm以上5mm以下が好ましい。そして、前記
導電膜1009には、高圧端子Hvが接続されている。
ート1001間距離やメタルバック1009の厚み、放
電開始電圧などを考慮すると、リアプレート1001の
電位に対して、1kV以上20kV以下の電圧、好まし
くは6kV以上15kV以下の電圧が、上記画像形成装
置の駆動時に、メタルバック1009に印加される。
た蛍光体の帯電をメタルバック1009によって除去す
る目的、蛍光体から後方(リアプレート方向)に出た光
を鏡面効果により前方に取り出す(反射する)目的、さ
らに、電子放出素子から放出された電子を十分に透過さ
せる目的から、上記したメタルバックに印加される電圧
の範囲からは、30nm以上200nm以下、好ましく
は40nm以上150nm以下の膜厚に設定される。
方法の一実施形態により製造されたフェースプレート1
012を、図1に示すリアプレート1001側から見た
際の概略図として図5(b)を示す。
ンの例を図2(a)〜(c)を参照して説明する。図2
(a)〜(c)は、図1に示される画像形成装置に適用
される、蛍光体膜1008の3種類のパターンの例を、
前記リアプレート側から見た模式図である。
蛍光体であり、1010は黒色部材である。この蛍光体
(および黒色部材)により蛍光体膜1008が構成され
る。
止したり、発光時のコントラストを向上するために好ま
しく用いられる。しかし、上記黒色部材は必ずしも必要
ではない。ここでは、蛍光体1011として、R
(赤)、G(緑)、B(青)の3原色を発光する各色の
蛍光体を用いている。
トリクス構造であり、図2(c)は所謂ブラックストラ
イプ構造である。また、フェースプレート上には、さら
に、蛍光体上に導電膜(所謂メタルバック)1009が
配置されるが、図2では、説明の都合上、省いている。
光体膜1008上に、図中の斜線の領域で示される多層
の導電膜(メタルバック)を被覆した状態のフェースプ
レートの模式図である。
1008の面積と同じ面積になるように形成している
が、蛍光体膜1008よりも導電膜の面積が大きい場合
や、蛍光体膜1008よりも導電膜の面積が小さい場合
もある。
法の工程について、図3〜図6を用いてさらに詳細に説
明する。ここでは、図2(a)に示したパターンの蛍光
体膜を作成した例で説明する。図3から図5は、本発明
に係る画像形成装置の製造方法の一実施形態の工程図で
あり、図6は、本発明に係る画像形成装置の製造方法の
一実施形態の各工程におけるフェースプレートの断面図
である。
とを有する基板1007を用意する。ここでは、基板と
してソーダライムガラスを用いた。しかし、基板の材料
は、これに限られるものではなく、その他、光学的に透
明(透光性)な種々の絶縁性材料を用いることができ
る。
洗浄、乾燥した後、その基板の表面(第1の主面)上
に、ガラスペースト及び黒色顔料を含んだ黒色顔料ペー
ストを例えばマトリクス状に開口部を有する様に形成す
る(図3(a))。
の形態の黒色部材1010を形成する場合には、縦方向
(Y方向)に延びる、幅100[μm]、ピッチ290
[μm]のストライプを240本、横方向(X方向)に
延びる、幅300[μm]、ピッチ650[μm]のス
トライプを720本有するパターンを、縦、横共に20
[μm]の厚さでスクリーン印刷法により作製する。こ
のように形成することで、所謂ブラックマトリクス構造
の黒色部材1010が形成される(図3(a))。
り、これらの値はそれぞれ任意に変更することができ
る。
色部材1010を作製したが、もちろんこれに限定され
るものではなく、たとえばフォトリソグラフィー法を用
いて作製してもよいが、膜厚が厚いこととコストの観点
から印刷法を用いることが好ましい。
ラスペーストと黒色顔料を含んだ黒色顔料ペーストを用
いたが、もちろんこれに限定されるものではない。そし
て、たとえばカーボンブラックなどを用いてもよいが、
ここでは、スクリーン印刷法を用い、膜厚20[μm]
と厚く形成したため上記黒色顔料ペーストを用いた。
の(a)のようにマトリクス状に作製したが、もちろん
これに限定される訳ではなく、図2の(b)に示される
ようにデルタ状配列や、図2(c)のようなストライプ
状配列等その他の配列であっても良い。
成する工程として、図3(b)に示すように、黒色部材
1011の開口部に、赤色、青色、緑色の各色蛍光体を
スクリーン印刷法により、充填する。
蛍光体を配置したが、もちろんこれに限定される訳では
なく、たとえばフォトリソグラフィー法などにより作製
しても良い。
野で用いられているP22の蛍光体とし、赤色(Y2O2
S:Eu3+)、青色(ZnS:Ag,Al)、緑色(Z
nS:Cu,Al)のもので平均粒径はメジアン径Dm
edで7[μm]のものを用いた。しかしながら、もち
ろんこれに限定される訳ではなく、その他の蛍光体を用
いても良い。
m]程度になるように作製した。ここで、蛍光体の膜厚
が十分平坦にならないような場合には、充分な平坦度を
もつ平板ガラスにイソプロピルアルコール(IPA)を
吸収させた不織布をもうけ、これによりフェースプレー
ト上の蛍光体1011及び黒色部材1010を加圧し平
坦度を増してもよい。
[℃]で4時間焼成する事により、ペースト中に含まれ
る樹脂分を熱分解除去し、対角画面サイズ10型、アス
ペクト比4:3、画素数720×240からなる蛍光体
膜1008を得た。本発明において、「蛍光体膜」と
は、フェースプレート1007の第1の主面上に配置さ
れた、前記蛍光体1011と黒色部材1010とからな
る膜を指す。
係る第1の導電膜を作製する方法の一例について説明す
る。
体膜1008を有するフェースプレート1007をスピ
ンコーター上に配置し、純水にコロイダルシリカを溶解
させた溶液を、基板を回転させながら塗布し、蛍光体膜
1008の凹凸部を湿潤させた。
て、ポリメタクリレートをトルエンに溶解した溶液を、
フェースプレートを回転させながら全面にスプレーによ
り塗布し、温風を基板に吹きかける事により乾燥させ、
蛍光体膜1008を構成する蛍光体1011および黒色
部材1010上に、樹脂膜(フィルミング膜)を作製す
ることによって、蛍光体膜1008の表面の平坦化を行
なった(図4(a))。
体膜1008を湿潤した後にポリメタクリレートをトル
エンに溶解した溶液を塗布したが、もちろんこれに限定
されるものではなく、他の溶剤系ラッカー液を用いても
良いし、その他の方法としてたとえばアクリルエマルジ
ョンを蛍光体に塗布し乾燥させるという工程を行なって
も良い。
発明に係る第1の導電膜として20ナノメートルの厚み
のアルミニウム膜を真空蒸着法により作製した(図4
(b))。
して、このフェースプレートを焼成炉内に搬入し、45
0[℃]まで加熱することにより樹脂フィルム(フィル
ミング膜)を熱分解除去し、蛍光体膜1008上に第1
の導電膜を配置した(図5(a))。上記焼成温度は、
用いるフィルミング膜の材料にも依存するので適宜設定
される。
によって作成したフェースプレートの一部の断面を観測
したところ、図6(a)のように第1の導電膜3の所々
に孔が開いていた。
フェースプレート、2は蛍光体粒子、3は第1の導電
膜、4は本発明の構成要素たる第2の導電膜である。こ
の孔は、上記フィルミング膜の焼成工程に伴って形成さ
れた孔と推測される。そして、この孔の外周は、図6
(a)に示す様に突起104を形成していた。
スプレートに、本発明の構成要素たる電圧を印加する工
程としての「電圧印加工程」を行なった。ここでは、真
空チャンバー中で、図7の様に、フェースプレートの第
1の主面より十分大きい面積を有する電極板に、前記第
1の主面を対向して配置する。図7は、本発明に係る画
像形成装置の製造方法の一実施形態における電圧印加工
程の模式図である。
と、前記電極板の表面とを一定のギャップをあけて固定
する。続いて、第1の導電膜に電圧(電界)を印加す
る。
板と第1の導電膜間に印加する電圧は、好ましくは、図
1で示した画像形成装置において、導電膜(メタルバッ
ク)1009とリアプレート(配線1003または10
04)との間に印加される電圧以上の電圧である。
に印加する電圧は、画像形成装置として駆動する際に、
導電膜(メタルバック)に印加される電位と,電子放出
素子に印加される実質的に印加される電位との差で定義
される電圧以上の電圧である。
前記電極板と第1の導電膜間に印加する電界強度は、好
ましくは、図1で示した画像形成装置において、導電膜
(メタルバック)1009とリアプレート(配線100
3または1004)との間に印加される電界以上の電界
強度に設定する。
に印加する電界強度は、好ましくは、画像形成装置とし
て駆動する際に導電膜(メタルバック)と、電子放出素
子との間に印加される電界強度以上に設定する。
に印加する電界強度」とは、前記電極板と第1の導電膜
(フェースプレートの第1の主面)間に印加する電圧値
を、単に、前記電極板と第1の導電膜間の距離で割った
値である。
成膜を行なうため、前記した電圧(電界強度)よりも低
い電圧(電界強度)であっても、上記「電圧印加工程」
を行なえば、本発明の効果を奏することができる。
って作成したフェースプレートの一部の断面を観測した
ところ、図6(b)のように第1の導電膜3の所々に孔
が開いていた。しかし、この孔の外周は、工程(H)に
おいて観測された突起104が除去または軽減された形
状となっていた。
が集中し易い構造である突起104に電界が集中し、そ
の結果、突起104を起点とした放電や、電界蒸発等に
よって、突起が除去された為と推測される。
去される際に、必要以上の規模で除去が行なわれない様
に、前記「電圧印加工程」でフェースプレートに対向し
て配置する電極板の抵抗値を設定する事も有効である。
上1メガオーム/□以下のシート抵抗値を有する膜を成
膜したガラスなどの絶縁性基板を、上記電極板として用
いる。この様にすることにより、必要以上の規模で除去
が行なわれない様にする事ができる。
に、第2の導電膜4としてアルミニウム膜を20ナノメ
ートルの厚みで配置した(図5(b))。もちろん、こ
こで作製される第2の導電膜4は、アルミニウム膜に限
定されるものではなく、その他適宜な厚さの任意の導電
膜を用いることができる。
って作成したフェースプレートの一部の断面を観測した
ところ、図6(c)のような形状であった。即ち、第1
の導電膜3の所々に形成されていた孔は、第2の導電膜
4の被覆によって、その数は減少していた。
は、第2の導電膜4によって被覆されているため、孔径
が縮小したことに加え、孔の外周部の形状がなだらかに
なっており、工程(I)を行なった後の第1の導電膜3
に観測された孔の外周に比べ、電界の集中が一層少ない
形状となっていた。
ェースプレート1012と、前記電子放出素子1002
0が配列形成されたリアプレート1001と、支持枠1
006との各接合部にフリットガラスなどの接合部材を
介して封着して気密容器1100を作成した後、不図示
の排気管を介して気密容器内部を10-7Paまで排気し
た。
より真空気密容器が完成する。尚、ここでは、排気管を
介して気密容器内部を排気する例を示したが、真空チャ
ンバー中で上記封着を行なえば、排気管や排気管の封止
工程を省くことができるので好ましい。
表面伝導型電子放出素子1002をN×M個形成した。
数であり、目的とする表示画素数に応じて適宜設定され
る。
002は、M本の行方向配線1003とN本の列方向配
線1004により単純マトリクス配線されている。基板
1001、表面伝導型電子放出素子1002、行方向配
線1003及び列方向配線1004によって構成される
部分を、マルチ電子ビーム源と呼ぶ。
D0y1〜D0yn及びHvは、当該表示パネル(真空気密
容器)と不図示の電気回路とを電気的に接続するために
設けた気密構造の電気接続用端子である。
方向配線1003と、D0y1〜D0ynはマルチ電子ビー
ム源の列方向配線1004と、Hvはフェースプレート
1012のメタルバック1009と、それぞれ電気的に
接続している。
マルチ電子ビーム源を構成する電子放出素子としては、
上記表面伝導型電子放出素子だけでなく、電界放出型電
子放出素子やMIM(金属層/絶縁層/金属層)型電子
放出素子などの冷陰極電子源や、熱陰極電子源などが好
ましく用いることができる。
らは、冷陰極が好ましく、さらには電界放出型電子放出
素子あるいは表面伝導型電子放出素子がより好ましい。
の製造方法の一実施形態により製造された画像形成装置
によれば、メタルバック1009に高電圧を印加した場
合であっても、メタルバック1009の剥離を防止し、
高画質、かつ高輝度の画像形成装置を提供することがで
きる。
よってメタルバックを構成したが、3層以上の導電膜に
よってメタルバックを構成しても良い。また、各層の導
電膜の材料が異なるものであっても良い。
を維持するために、前記第2の導電膜(最もリアプレー
ト側に位置する導電膜)としてゲッター材からなる膜を
用いることが好ましい。この場合には、ゲッター材から
なる膜としてはBa膜が好ましい。
の実施形態について説明する。
装置を図8に示す。図8は、本発明に係る画像形成装置
の製造方法の実施例1により製造された画像形成装置の
斜視模式図である。
放出素子1002が配置されたリアプレート、1003
および1004は各電子放出素子に接続された配線、1
006は支持枠、1012はフェースプレート、110
1はスペーサである。
6、リアプレート1001で内部が減圧状態に維持され
る気密容器1100が構成される。
によって押しつぶされないよう、スペーサが配置されて
いる。フェースプレートには、前述の蛍光体膜100
8、メタルバック1009からなる画像形成部材が配置
されている。
から、前記配線1003に電圧を印加するための端子で
ある。
00外部から、前記配線1004に電圧を印加するため
の端子である。メタルバックは、高圧端子Hvに接続さ
れ、10kVの電位が印加される。
の製造方法の実施例1に適用される電子放出素子の平面
模式図であり、図9(b)は、図9(a)の線B−Bに
おける断面模式図である。また、図10(a)〜(f)
は、図9に示される電子放出素子をリアプレートに形成
する際の作成工程の一部を示す模式図である。
す。まずリアプレートの作成工程を記す。
1001を十分に洗浄および乾燥した。その後、各電子
放出素子を構成する一対の電極42、43を列方向に1
000組、行方向に5000組形成した(図10
(a))。図10では、説明の都合上、列方向に3組、
行方向に3組で示している。
る列方向配線1003を、スクリーン印刷法により、5
000本形成した(図10(b))。
ように、絶縁層50を、スクリーン印刷法により、10
00本形成した(図10(c))。
配線1004を、スクリーン印刷法により、1000本
形成した(図10(d))。この時、絶縁層50に予め
形成した開口部を介して、前記行方向配線1004と電
極43とが接続する。
ように、有機金属錯体をインクジェット法により付与
し、焼成することにより導電性膜44を形成した(図1
0(e))。
記工程1〜5を終えたリアプレートを配置した。そし
て、配線1003、1004を介して各導電性膜44に
電流を流し、各導電性膜44に間隙48(図9)を形成
した。
合物ガスを導入した上で、配線1003、1004を介
して各導電性膜44に電流を流し、各間隙48部にカー
ボン膜10を形成し、電子放出部47を形成した(図1
0(f))。
れる。上記工程により、9個のリアプレートを作成し
た。
す。
ス板からなるフェースプレート1012を用意し、十分
に洗浄および乾燥した。
上に、印刷法を用いて、黒色部材1010をマトリクス
状に形成した(図3(a))。
部に、印刷法を用いて、R(赤)、G(緑)、B(青)
の3原色の発光をする蛍光体を図3(b)に示す様な配
列で充填した。
る蛍光体膜1008が配置されたフェースプレートの第
1の主面上に、フィルミング工程を施す。本実施例で
は、フィルミング工程として、蛍光体膜1008を湿潤
した後に、ポリメタクリレートをトルエンに溶解した溶
液を、フェースプレートを回転させながらスピンコート
により塗布し、乾燥させた。
する蛍光体1011および黒色部材1010の表面の平
坦化を行なった(図4(a))。
1の導電膜としてアルミニウムを50ナノメートルの厚
みで蒸着した。ここで、第1の導電膜は、前記蛍光体膜
1008と実質的に同一のパターンになるように形成し
た(図5(a)、図6(a))。
し、除去し、蛍光体膜1008上に第2の導電膜を被覆
した(図5(c)、図6(c))。
0個のフェースプレートを作成した。
た、10個のフェースプレートの各々を図7に示す様
に、減圧雰囲気中で、電極板と間隔を置いて対向するよ
うに配置し、第1の導電膜と電極板との間に電圧を印加
する「電圧印加工程」を施した。
s]で、1[Hz]の矩形波を、10[V/s]のレー
トで、波高値25[kV]になるまで印加した。尚、本
実施例では、図7に示す真空チャンバー内の真空度を1
0-7Paとした。
を徐々に上昇させ、前記電極板と第1の導電膜との間で
放電を開始した電圧を測定し、この時のフェースプレー
トと電極板との間の電界強度(以後、「放電開始電界強
度」と呼ぶ事にする。)を求めた。
においては、10個のフェースプレート中、多数のフェ
ースプレートが25kVまでの電圧で放電現象を生じた
が、残る少数のフェースプレートについては、放電現象
が観測されなかった。
電膜と、フェースプレートに対向して配置した電極板と
の間に印加した電圧を、電極板とフェースプレートのギ
ャップ距離で割ったものとする。
た10個のフェースプレートうち、最も低い「放電開始
電界強度」は、10[kV/mm]であった。
「放電開始電界強度」を示したフェースプレートに対
し、前記「電圧印加工程」と同じ第2の電圧印加工程を
施したところ、「放電開始電界強度」(放電開始電圧)
は上昇していた。
よって生じた第1の導電膜に発生した突起や、第1の導
電膜の剥離寸前の箇所などが、上記「電圧印加工程」に
よって取り除かれたためと推測される。
程を施さなかった、残る9個のフェースプレートに対し
て、第2の導電膜形成工程を施した。具体的には、本実
施例では、前記第1の導電膜上に、第2の導電膜として
50ナノメートルのアルミニウム膜を真空蒸着法により
配置した(図5(b))。
定されるものではなく、その他、適宜な厚さの任意の導
電膜を用いることができる。
1007と、前記リアプレートとの間隔が1.5mmと
なるように、フェースプレートとリアプレートとの間に
スペーサ1101および支持枠1006を配置し接合部
材によって封着し気密容器1100を形成した(図
8)。
ドライバーを接続して画像形成装置とし、メタルバック
(第1および第2の導電膜)に、前記リアプレートに対
して10kVの電圧を印加して長期に渡って駆動した。
ても一切発光現象がみられず安定した表示画像が得られ
た。
側にアルミニウムが付着したところはなく、また、フェ
ースプレート側を観察しても新たな剥離が生じていると
思われる個所も見つからなかった。また、ビデオ画像を
表示したところ、高輝度で高精彩で安定な画像を長期に
渡って表示することができた。
程14)のみ行なわなかった画像形成装置を作成し、上
記実施例と同様に駆動したところ、電界強度は10[k
V/mm]以下の時でも全黒表示において肉眼では発光
は観察されなかったが、高感度のCCDを用いて長時間
観察したところ発光が数回/時間の割合で観察されるこ
とがあった。
て、第1の導電膜として、100nmのアルミニウム膜
を蒸着した後に、上記(工程13)と同様の工程のみを
行なったフェースプレートを用いて上記実施例と同様の
画像形成装置を作成し、同様に駆動したところ、放電と
見られる現象が目視で確認された。
リアプレート側にアルミニウムが付着しているところが
多々あることが分かった。
レート上に形成された蛍光体膜を覆う導電性膜(メタル
バック)として、第1の導電性膜を設け、この第1の導
電性膜を高電界下にさらした後に、さらに、第1の導電
性膜を第2の導電性膜で被覆した膜を用いているため、
メタルバックとリアプレートとの間に高電圧を印加して
もメタルバックの剥離を防止し、画質の低下を防止する
ことができる。
第1の導電膜に十分高い電圧を印加することができ、薄
型で輝度が高く、高精彩で、画質が良好な画像形成装置
及びこのような画像形成装置に適用されるフェースプレ
ートを提供することができる。
形態により製造される画像形成装置の斜視模式図であ
る。
光体膜1008の3種類のパターンの例をリアプレート
側から見た模式図である。
形態の工程図である。
形態の工程図である。
形態の工程図である。
形態の各工程におけるフェースプレートの断面図であ
る。
形態における電圧印加工程の模式図である。
1により製造された画像形成装置の斜視模式図である。
1に適用される電子放出素子の模式図である。
に形成する際の作成工程の一部を示す模式図である。
の回路図である。
た平板型の陰極線管の構造を示す斜視模式図である。
る。
Claims (14)
- 【請求項1】 基板上に蛍光体を形成する工程と、 前記蛍光体上に第1の導電膜を形成する工程と、 前記第1の導電膜と間隔をおいて電極を配置し、前記第
1の導電膜と電極との間に電圧を印加する工程と、 前記電圧を印加した後に、前記第1の導電膜上に第2の
導電膜を形成する工程とを備えるフェースプレートの製
造方法。 - 【請求項2】 前記蛍光体を形成した後であって、前記
第1の導電膜を形成する前に、 前記蛍光体上に樹脂膜を形成する工程と、 前記第1の導電膜を形成した後に焼成を行う工程とを備
える請求項1に記載のフェースプレートの製造方法。 - 【請求項3】 前記フェースプレートは、 放出された電子が前記蛍光体に照射されることにより該
蛍光体が発光し、所望の画像が形成される画像形成装置
に使用されるフェースプレートである請求項1又は2に
記載のフェースプレートの製造方法。 - 【請求項4】 前記基板上に形成される蛍光体は、 それぞれ赤、青、緑の蛍光を発する部分を有する蛍光体
である請求項1から3のいずれか1項に記載のフェース
プレートの製造方法。 - 【請求項5】 前記第1の導電膜と前記第2の導電膜と
が異なる材料である請求項1から4のいずれか1項に記
載のフェースプレートの製造方法。 - 【請求項6】 前記第2の導電膜の材料がゲッター材料
である請求項1から5のいずれか1項に記載のフェース
プレートの製造方法。 - 【請求項7】 前記基板が透光性の絶縁性基板である請
求項1から6のいずれか1項に記載のフェースプレート
の製造方法。 - 【請求項8】 第1基板と、前記第1基板と間隔を置い
て対向して配置された第2基板と、前記第1基板の主面
上に配置された電子放出素子と、前記電子放出素子と対
向するように前記第2基板の主面上に配置された、蛍光
体膜および該蛍光体膜を覆う導電膜と、を有する画像形
成装置の製造方法であって、 前記第2基板上に蛍光体を形成する工程と、 前記蛍光体上に第1の導電膜を形成する工程と、 前記第1の導電膜と間隔をおいて電極を配置し、前記第
1の導電膜と電極との間に電圧を印加する工程と、 前記電圧を印加した後に、前記第1の導電膜上に第2の
導電膜を形成する工程とを備える事を特徴とする画像形
成装置の製造方法。 - 【請求項9】 前記蛍光体膜を形成した後であって、前
記第1の導電膜を形成する前に、前記蛍光体膜上に樹脂
膜を形成する工程と、 前記第1の導電膜を形成した後に焼成を行うことで前記
樹脂膜を除去する工程とを備える請求項8に記載の画像
形成装置の製造方法。 - 【請求項10】 前記第1の導電膜と前記第2の導電膜
とが異なる材料である請求項8または9に記載の画像形
成装置の製造方法。 - 【請求項11】 前記第2の導電膜の材料がゲッター材
料である請求項8から10のいずれか1項に記載の画像
形成装置の製造方法。 - 【請求項12】 前記第2基板が透光性の絶縁性基板で
ある請求項8から11のいずれか1項に記載の画像形成
装置の製造方法。 - 【請求項13】 前記第1の導電膜と前記電極との間に
印加される電圧が、前記画像形成装置の駆動時に、前記
電子放出素子と前記第1の導電膜との間に印加される電
圧以上であることを特徴とする請求項8から12のいず
れか1項に記載に記載の画像形成装置の製造方法。 - 【請求項14】 前記第1の導電膜と前記電極との間に
電圧が印加される際に生じる電界強度が、前記画像形成
装置の駆動時に、前記電子放出素子と前記第1の導電膜
との間に印加される電界強度以上であることを特徴とす
る請求項8から13のいずれか1項に記載の記載の画像
形成装置の製造方法。
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