JP2002015686A - 電子線装置、画像形成装置及びその製造方法 - Google Patents

電子線装置、画像形成装置及びその製造方法

Info

Publication number
JP2002015686A
JP2002015686A JP2000199296A JP2000199296A JP2002015686A JP 2002015686 A JP2002015686 A JP 2002015686A JP 2000199296 A JP2000199296 A JP 2000199296A JP 2000199296 A JP2000199296 A JP 2000199296A JP 2002015686 A JP2002015686 A JP 2002015686A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electron
shape
image forming
forming apparatus
emitting devices
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000199296A
Other languages
English (en)
Inventor
Eisaku Tatsumi
栄作 巽
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2000199296A priority Critical patent/JP2002015686A/ja
Publication of JP2002015686A publication Critical patent/JP2002015686A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)
  • Cathode-Ray Tubes And Fluorescent Screens For Display (AREA)
  • Control Of Indicators Other Than Cathode Ray Tubes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子線照射領域近傍の電場を凸状にすること
で、電子放出素子から放出する電子の電子軌道の集束を
行ない、支持部材(スペーサ)が設けられた場合でもス
ペーサ近傍における電子の照射位置を好適に調節し、画
像の劣化を抑止する信頼性の高い電子線装置を実現す
る。 【解決手段】 リアプレート1015とフェースプレー
ト1017がスペーサ1020により所定間隔に保持固
定されてなる画像形成装置において、蛍光体2203及
び透明膜2201を、各冷陰極素子1012に相対する
部位で当該各冷陰極素子1012へ向かって突出した形
状の凸部2202に形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、本発明は、電子放
出素子から対向する電子照射領域へ電子線を照射する電
子線装置、電子線により画像形成を行なう画像形成装置
及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、電子放出素子として熱陰極素
子と冷陰極素子の2種類が知られている。このうち冷陰
極素子では、例えば表面伝導型放出素子や、電界放出型
素子(以下FE型と記す)や、金属/絶縁層/金属型放
出素子(以下MIM型と記す)などが知られている。
【0003】表面伝導型放出素子としては、例えば、M.
I.Elinson,Radio E-ng Electron Phys.,10,1290,(1965)
や、後述する他の例が知られている。
【0004】表面伝導型放出素子は、基板上に形成され
た小面積の薄膜に、膜面に平行に電流を流すことにより
電子放出が生ずる現象を利用するものである。この表面
伝導型放出素子としては、前述のM.I.Elinson等による
SnO2薄膜を用いたものの他に、Au薄膜によるもの
[G.Dittmer:"Thin Solid Films",9,317(1972)]や、I
23/SnO2薄膜によるもの[M.Hartwell and C.G.
Fonstad:"IEEE Trans.EDConf.",519(1975)]や、カーボ
ン薄膜によるもの[荒木久他:真空、第26巻、第1
号、22(1983)]等が報告されている。
【0005】これらの表面伝導型放出素子の素子構成の
典型的な例として、図25に前述のM.Hartwell等による
素子の平面図を示す。同図において、3001は基板
で、3004はスパッタで形成された金属酸化物よりな
る導電性薄膜である。導電性薄膜3004は図示のよう
にH字形の平面形状に形成されている。この導電性薄膜
3004に、後述の通電フォーミングと呼ばれる通電処
理を施すことにより、電子放出部3005が形成され
る。図中の間隔Lは、0.5〜1[mm]、幅Wは、
0.1[mm]に設定されている。なお、図示の便宜か
ら、電子放出部3005は導電性薄膜3004の中央に
矩形の形状で示したが、これは模式的なものであり、実
際の電子放出部の位置や形状を忠実に表現しているわけ
ではない。
【0006】M.Hartwell等による素子をはじめとして上
述の表面伝導型放出素子においては、電子放出を行う前
に導電性薄膜3004に通電フォーミングと呼ばれる通
電処理を施すことにより電子放出部3005を形成する
のが一般的であった。即ち、通電フォーミングとは、通
電により電子放出部を形成するものであり、例えば、前
記導電性薄膜3004の両端に一定の直流電圧、もしく
は、例えば1V/分程度の非常にゆっくりとしたレート
で昇圧する直流電圧を印加して通電し、導電性薄膜30
04を局所的に破壊もしくは変形もしくは変質せしめ、
電気的に高抵抗な状態の電子放出部3005を形成する
ことである。なお、局所的に破壊もしくは変形もしくは
変質した導電性薄膜3004の一部には亀裂が発生す
る。この通電フォーミング後に導電性薄膜3004に適
宜の電圧を印加した場合には、前記亀裂付近において電
子放出が行われる。
【0007】またFE型の例としては、例えば、W.P.Dy
ke&W.W.Dolan,"Field emission",Advance in Electron
Physics,8,89(1956)や、C.A.Spindt,"Physical propert
iesof thin-film field emission cathodes with molyb
denium cones",J.Appl.Phys.,47,5248(1976)などが知ら
れている。
【0008】FE型の素子構成の典型的な例として、図
26に前述のC.A.Spindt等による素子の断面図を示す。
同図において、3010は基板で、3011は導電材料
よりなるエミッタ配線、3012はエミッタコーン、3
013は絶縁層、3014はゲート電極である。この素
子は、エミッタコーン3012とゲート電極3014の
間に適宜の電圧を印加することにより、エミッタコーン
3012の先端部より電界放出を起こさせるものであ
る。またFE型の他の素子構成として、前述の図27の
ような積層構造でなく、基板上に基板平面とほぼ平行に
エミッタゲート電極を配置したものもある。
【0009】また、MIM型の例としては、例えば、C.
A.Mead,"Operation of tunnel-emission Devices,J.App
l.Phys.,32,646(1961)などが知られている。このMIM
型の素子構成の典型的な例を図27に示す。同図は断面
図であり、3020は基板で、3021は金属よりなる
下電極、3022は厚さ10nm程度の薄い絶縁層、3
023は厚さ8〜30nm程度の金属よりなる上電極で
ある。MIM型においては、上電極3023と下電極3
021との間に適宜の電圧を印加することにより、上電
極3023の表面より電子放出を起こさせるものであ
る。
【0010】上述の冷陰極素子は、熱陰極素子と比較し
て低温で電子放出を得ることができるため、加熱用ヒー
タを必要としない。従って、熱陰極素子よりも構造が単
純であり、微細な素子を作成可能である。また基板上に
多数の素子を高い密度で配置しても、基板の熱溶融など
の問題が発生し難い。また、熱陰極素子がヒータの加熱
により動作するため応答速度が遅いのとは異なり、冷陰
極素子の場合には応答速度が速いという利点もある。こ
のため、冷陰極素子を応用するための研究が盛んに行わ
れてきている。
【0011】例えば、表面伝導型放出素子は、冷陰極素
子の中でも特に構造が単純で製造も容易であることか
ら、大面積に亙り多数の素子を形成できる利点がある。
そこで例えば本願出願人による特開昭64−31332
号公報において開示されるように、多数の素子を配列し
て駆動するための方法が研究されている。
【0012】また、表面伝導型放出素子の応用について
は、例えば、画像表示装置、画像記録装置などの画像形
成装置や、荷電ビーム源、等が研究されている。
【0013】特に画像表示装置への応用としては、例え
ば本願出願人によるUSP5,066,883や特開平
2−257551号公報、特開平4−28137号公報
において開示されているように、表面伝導型放出素子と
電子ビームの照射により発光する蛍光体とを組み合わせ
て用いた画像表示装置が研究されている。このような表
面伝導型放出素子と蛍光体とを組み合わせて用いた画像
表示装置は、従来の他の方式の画像表示装置よりも優れ
た特性が期待されている。例えば、近年普及してきた液
晶表示装置と比較しても、自発光型であるためバックラ
イトを必要としない点や、視野角が広い点が優れている
と言える。
【0014】また、FE型を多数個ならべて駆動する方
法は、例えば本出願人によるUSP4,904,895
に開示されている。また、FE型を画像表示装置に応用
した例として、例えば、R.Meyer等により報告された平
板型表示装置が知られている(R.Meyer:"Recent Develo
pment on Microtips Display at LETI",Tech.Digestof
4th Int.Vacuum Micro electronics Conf.,Nagahama,p
p.6-9(1991))。また、MIM型を多数個並べて画像表
示装置に応用した例は、例えば本出願人による特開平3
−55738号公報に開示されている。
【0015】上記のような電子放出素子を用いた画像形
成装置のうちで、奥行きの薄い平面型表示装置は、省ス
ペースかつ軽量であることから、ブラウン管型の表示装
置に置き替わるものとして注目されている。
【0016】図28は、平面型の画像表示装置を形成す
る表示パネルの一例を示す斜視図であり、内部構造を示
すためにパネルの一部を切り欠いて示している。
【0017】図中、3115はリアプレート、3116
は側壁、3117はフェースプレートであり、リアプレ
ート3115、側壁3116及びフェースプレート31
17により表示パネルの内部を真空に維持するための外
囲器(気密容器)を形成している。
【0018】リアブレート3115には、基板3111
が固定されているが、この基板3111上には冷陰極素
子3112がN×M個形成されている(N,Mは2以上
の正の整数であり、目的とする表示画素数に応じて適宜
設定される。)。前記N×M個の冷陰極素子3112
は、M本の行方向配線3113とN本の列方向配線31
14により単純マトリクス配線されている。これら基板
3111、冷陰極素子3112、行方向配線3113及
び列方向配線3114によって構成される部分をマルチ
電子源と呼ぶ。また、行方向配線3113と列方向配線
3114の少なくとも交差する部分には、両配線間に絶
縁層(不図示)が形成されており、電気的な絶縁が保た
れている。
【0019】また、フェースプレート3117の一F面
には、蛍光体からなる蛍光膜3118が形成されてお
り、赤(R)、緑(G)、青(B)、の3原色の蛍光体
(不図示)が塗り分けられている。また蛍光膜3118
を構成する各色の蛍光体の間には黒色体(不図示)が設
けられてあり、更に蛍光膜3118のリアプレート31
15の側面にはアルミニウム等からなるメタルバック3
119が形成されている。また、Dx1〜DxMおよび
Dyl〜DyN及びHvは、当該表示パネルと不図示の
電気回路とを電気的に接続するために設けた気密構造の
電気接続用端子である。Dx1〜DxMはマルチ電子源
の行方向配線3113と、Dy1〜DyNはマルチ電子
源の列方向配線3114と、Hvはフェースプレートの
メタルバック3119と電気的に接続している。
【0020】また、上記気密容器の内部は10-4[P
a]程度の真空に保持されており、画像表示装置の表示
面積が大きくなるに従い、気密容器内部と外部の気圧差
によるリアプレート3115及びフェースプレート31
17の変形或は破壊を防止する手段が必要となる。リア
プレート3115及びフェースプレート3116を厚く
する方法は、画像表示装置の重量を増加させるのみなら
ず、表示画面を斜め方向から見た時に画像の歪みや視差
を生じる。これに対し図28においては、比較的薄いガ
ラス板からなり大気圧を支えるための構造支持体(スペ
ーサ或はリフと呼ばれる)3120が設けられている。
このようにして、マルチビーム電子源が形成された基板
3111と蛍光膜3118が形成されたフェースプレー
ト3116間は通常サブmmないし数mmに保たれ、前
述したように気密容器内部は高真空に保持されている。
【0021】以上説明した表示パネルを用いた画像表示
装置は、容器外端子DxlないしDxM,Dy1ないし
DyNを通じて各冷陰極素子3112に電圧を印加する
と、各冷陰極素子3112から電子が放出される。それ
と同時にメタルバック3119に容器外端子Hvを通じ
て数百[V]ないし数[kV]の高圧を印加して、上記
放出された電子を加速し、フェースプレート3117の
内面に衝突させる。これにより蛍光膜3118を形成し
ている各色の蛍光体が励起されて発光し、画像が表示さ
れる。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】以上述べた画像形成装
置等の電子線装置は、装置内部の真空雰囲気を維持する
ための外囲器、その外囲器内に配置された電子源、それ
ら電子源から放出された電子線が照射される蛍光体を有
するフェースプレート、それら電子線を蛍光体を有する
フェースプレートに向けて加速するための加速電極等を
有するが、さらに、外囲器に加わる大気圧を外囲器内部
から支持するための支持部材(スペーサ)が、その外囲
器の内部に配置されることがある。
【0023】このようにスペーサを配置した画像表示装
置のパネルにおいては、以下のような問題点があった。
この問題点について図29を用いて説明する。この図2
9は、図28のA−A’の断面形状を示す図で、前述の
図28と共通する部分は同じ番号で示し、その説明を省
略する。
【0024】3120はスペーサであり、基板3111
とフェースプレート3117との間に設けられている。
冷陰極素子3112から放出された電子は、4112で
示すような軌跡をたどって蛍光膜3118に衝突し、そ
の蛍光体を発光させて画像を形成する。ここでスペーサ
3120の近傍から放出された電子の一部がスペーサ3
120に衝突することにより、或いは放出電子の作用で
イオン化したイオンがスペーサ3120に付着し、スペ
ーサ3120に帯電を引き起こす可能性がある。更に
は、フェースプレート3117に到達した電子が一部反
射・散乱され、その一部がスペーサ3120に衝突する
ことによりスペーサ3120が帯電を引き起こす恐れが
ある。
【0025】一度スペーサに電子やイオンで付着してし
まうと、電子やイオンはさほど移動することなく、帯電
が安定してしまう。これと同様な現象に、イオン式空気
清浄器を使用すると、空気中の微粒子がイオン式空気清
浄器内に吸い込まれずに、近傍の壁などに付着してしま
う現象や、TVセットの裏側の壁が汚れてしまう現象な
どがある。
【0026】このようなスペーサ3120の帯電によ
り、そのスペーサ近傍の冷陰極素子3112から放出さ
れた電子は、スペーサ3120に近づく方向にその軌道
が曲げられる。そのため、冷陰極素子3112から放出
された電子は、蛍光体3118の正規位置とは異なる位
置に衝突し、これによりスペーサ3120近傍の画像に
歪みが発生したり、放出された電子がスペーサ4020
に衝突することにより蛍光体3118に到達しなくなる
ためスペーサ3120近傍で輝度低下を招く場合があ
る。
【0027】これを防ぐため、特開平10−28428
3号公報のように、スペーサに帯電防止膜を付加するも
のがあったが、帯電防止膜を付加することにより、コス
トアップになるし帯電防止膜上の放電を防ぐ必要があ
る。
【0028】また、アノード電極をストライプ状にし、
高電圧部位とそれよりも少し低い電圧部位に分け、高電
圧部位のみに電子を集束する従来例がある。この場合、
高電圧電源が2つ必要になるという欠点がある。また、
高電圧部位と低電圧部位間で沿面放電が起こることもあ
る。
【0029】そこで本発明は、前記課題に鑑みてなされ
たものであり、電子線照射領域近傍の電場を凸状にする
ことで、電子放出素子から放出する電子の電子軌道の集
束を行ない、支持部材(スペーサ)が設けられた場合で
もスペーサ近傍における電子の照射位置を好適に調節
し、画像の劣化を抑止する信頼性の高い電子線装置、画
像形成装置及びその製造方法を提供することを目的とす
る。
【0030】
【課題を解決するための手段】本発明の電子線装置は、
複数の電子放出素子を有する電子源を備えた第1の基板
と、前記電子放出素子から放出された電子が照射される
電子照射領域を備えた第2の基板とを、両者の基板間距
離を所定に保持固定する支持部材を介して対向させて配
置してなる電子線装置であって、前記電子照射領域は、
前記各電子放出素子に相対する部位で当該各電子放出素
子へ向かって突出した形状とされていることを特徴とす
る。
【0031】本発明の電子線装置の一態様は、前記電子
照射領域は、前記電子源と対向するように、前記各電子
放出素子から放出された電子により発光する発光体と、
前記電子を前記発光体方向に加速する加速手段とを有
し、前記発光体及び前記加速手段が、前記各電子放出素
子に相対する部位で当該各電子放出素子へ向かって突出
した形状とされている。
【0032】本発明の電子線装置の一態様において、前
記突出形状がライン形状とされている。
【0033】本発明の電子線装置の一態様において、前
記発光体が前記突出形状の先端部位に設けられている。
【0034】本発明の電子線装置の一態様において、前
記突出形状が個々の前記電子放出素子に対応した凸形状
とされている。
【0035】本発明の電子線装置の一態様において、前
記突出形状が半球形状とされている。
【0036】本発明の電子線装置の一態様において、前
記突出形状の中心部位に半球形状の透明の絶縁部材が設
けられている。
【0037】本発明の電子線装置の一態様において、画
像を前記第1の基板側で表示する構成とされている。
【0038】本発明の電子線装置の一態様において、前
記電子源は、複数の前記電子放出素子が、複数の行方向
配線と、複数の列方向配線とによりマトリクス状に結線
されている。
【0039】本発明の電子線装置の一態様において、前
記電子放出素子は冷陰極素子である。
【0040】本発明の電子線装置の一態様において、前
記冷陰極素子は、表面伝導型電子放出素子である。
【0041】本発明の画像形成装置は、複数の前記電子
放出素子が複数の行方向配線と複数の列方向配線とによ
りマトリクス状に結線されてなる電子源と、発光体を有
し、前記電子源より放出される電子に応じて画像を形成
する画像形成手段と、前記電子源と前記発光体との間に
電圧を印加して前記電子源から放出された電子を前記発
光体方向に加速する電子加速手段と、画像信号に応じて
前記列方向配線を介して前記冷陰極型放出素子を駆動す
る駆動手段と、前記駆動手段による駆動に応じて前記行
方向配線を順次駆動するライン走査手段とを備え、前記
発光体及び前記加速手段が、前記各電子放出素子に相対
する部位で当該各電子放出素子へ向かって突出した形状
とされていることを特徴とする。
【0042】本発明の画像形成装置の一態様において、
前記突出形状がライン形状とされている。
【0043】本発明の画像形成装置の一態様において、
前記発光体が前記突出形状の先端部位に設けられてい
る。
【0044】本発明の画像形成装置の一態様において、
前記突出形状が個々の前記電子放出素子に対応した凸形
状とされている。
【0045】本発明の画像形成装置の一態様において、
前記突出形状が半球形状とされている。
【0046】本発明の画像形成装置の一態様において、
前記突出形状の中心部位に半球形状の透明の絶縁部材が
設けられている。
【0047】本発明の画像形成装置の一態様において、
画像を前記リアプレート側で表示する構成とされてい
る。
【0048】本発明の画像形成装置の一態様は、前記リ
アプレートと前記フェースプレートとの間に設けられ、
前記電子源と前記画像形成領域とを所定距離に保持固定
する支持部材を備えている。
【0049】本発明の画像形成装置の製造方法は、複数
の電子放出素子を有する電子源を備えたリアプレート
と、前記各電子放出素子から放出された電子が照射され
画像を形成する画像形成領域を備えたフェースプレート
とを対向させて配置してなる画像形成装置の製造方法で
あって、前記画像形成領域を、前記各電子放出素子に相
対する部位で当該各電子放出素子へ向かって突出した形
状に形成することを特徴とする。
【0050】本発明の画像形成装置の製造方法の一態様
において、前記突出形状をライン形状する。
【0051】本発明の画像形成装置の製造方法の一態様
において、前記突出形状の先端部位に発光体を形成す
る。
【0052】本発明の画像形成装置の製造方法の一態様
において、前記突出形状を個々の前記電子放出素子に対
応した凸形状とする。
【0053】本発明の画像形成装置の製造方法の一態様
において、前記突出形状を半球形状とする。
【0054】本発明の画像形成装置の製造方法の一態様
において、前記突出形状の中心部位に半球形状の透明の
絶縁部材を設ける。
【0055】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の好適な諸実施形態を詳細に説明する。
【0056】始めに、各実施形態に共通する本発明の画
像表示装置の基本構成について述べる。
【0057】先ず、画像表示装置の表示パネルの構成と
製造方法について、具体的な例を示して説明する。
【0058】図1は、各実施形態の表示パネルの斜視図
であり、その内部構造を示すためにパネルの一部を切り
欠いて示している。図中、1015はリアプレート、1
016は側壁、1017はフェースプレートであり、リ
アプレート1015及びフェースプレート1017によ
り表示パネルの内部を真空に維持するための気密容器を
形成している。この気密容器を組み立てるにあたって
は、各部材の接合部に十分な強度と気密性を保持させる
ため封着する必要があるが、例えばフリットガラスを接
合部に塗布し、大気中あるいは窒素雰囲気中で、400
〜500℃で10分以上焼成することにより封着を達成
する。気密容器内部を真空に排気する方法については後
述する。また、上記気密容器の内部は10-4[Pa]程
度の真空に保持されるので、大気圧や不意の衝撃などに
よる気密容器の破壊を防止する目的で、耐大気圧構造体
として、スペーサ1020が設けられている。
【0059】リアプレート1015には、基板1011
が固定されているが、この基板1011上には冷陰極素
子1012がN×M個形成されている(N,Mは2以上
の正の整数であり、目的とする表示画素数に応じて適宜
設定され、例えば、高品位テレビジョンの表示を目的と
した画像表示装置においては、N=3000,M=10
00以上の数を設定することが望ましい)。前記N×M
個の冷陰極素子は、M本の行方向配線1013とN本の
列方向配線1014により単純マトリクス配線されてい
る。前記1011〜1014によって構成される部分を
マルチ電子源と呼ぶ。
【0060】本発明の実施形態の画像表示装置に用いる
マルチ電子源は、冷陰極素子を単純マトリクス配線した
電子源であれば、冷陰極素子の材料や形状あるいは製法
に制限はない。従って、例えば表面伝導型放出素子やF
E型、あるいはMIM型などの冷陰極素子を用いること
ができる。
【0061】次に図2を参照して、画像形成装置の基本
原理を説明する。図2は、本実施形態の画像形成装置の
断面形状を示しており、図1のA−A’断面に相当して
いる。1017は蛍光体およびメタルバックを含むフェ
ースプレート、1015は電子源基板を含むリアプレー
ト、1020はスペーサ、1012は冷陰極素子、11
05は、その冷陰極素子の電子放出部を示している。こ
の素子1012に対して駆動電圧Vf(不図示)を印加
し、フェースプレート1017側にアノード電圧Vaを
印加した場合、冷陰極素子1012から放出される電子
の軌道は図2中矢印で示すようになる。
【0062】ここで、スペーサ1020と素子1012
とを図2のような位置に配置した場合、正に帯電したス
ペーサ1020による影響のため電界分布が変化し、電
子線の軌道11はスペーサ1020の方向に曲げられ
る。ここで、スペーサ1020と素子1012との距離
をL、素子の中心軸100とフェースプレート1017
上に電子が衝突する位置までのずれの距離をPxとす
る。
【0063】(画像表示装置の概要説明)冷陰極素子と
して表面伝導型放出素子(後述)を基板上に配列して単
純マトリクス配線したマルチ電子源の構造について述べ
る。
【0064】図3は、図1の表示パネルに用いたマルチ
電子源を示す平面図である。基板1011上には、後述
の図6を参照して説明する場合と同様な表面伝導型放出
素子が配列され、これらの素子は行方向配線1013と
列方向配線1014により単純マトリクス状に配線され
ている。行方向配線1013と列方向配線1014の交
差する部分には絶縁層(不図示)が形成されており、電
気的な絶縁が保たれている。
【0065】図3のB−B’に沿った断面を、図4に示
す。なお、このような構造のマルチ電子源は、予め基板
1011上に行方向配線1013、列方向配線101
4、電極間絶縁層(不図示)、及び表面伝導型放出素子
の素子電極1102,1103と導電性薄膜1104を
形成した後、行方向配線1013及び列方向配線101
4を介して、それぞれの導電性薄膜1104に給電して
通電フォーミング処理(後述)と通電活性化処理(後
述)を行うことにより製造する。
【0066】本実施形態においては、気密容器のリアプ
レート1015にマルチ電子源の基板1011を固定す
る構成としたが、マルチ電子源の基板1011が十分な
強度を有するものである場合には、気密容器のリアプレ
ートとしてマルチ電子源の基板1011自体を用いても
よい。
【0067】また、フェースプレート1017の下面に
は、蛍光膜1018が形成されている。本実施形態の画
像表示装置はカラー表示装置であるため、蛍光膜101
8の部分にはCRTの分野で用いられる赤、緑、青の3
原色の蛍光体が塗り分けられている。各色の蛍光体は、
例えば図5(a)に示すようにストライプ状に塗り分け
られ、蛍光体のストライプの間に黒色の導電体1010
が設けてある。この黒色の導電体1010を設ける目的
は、電子ビームの照射位置に多少のずれがあっても表示
色にずれが生じないようにするためや、外光の反射を防
止して表示コントラストの低下を防ぐため、更には電子
ビームによる蛍光膜のチャージアップを防止するためな
どである。この黒色の導電体1010には、黒鉛を主成
分として用いたが、上記の目的に適するものであればこ
れ以外の材料を用いても良い。
【0068】また、3原色の蛍光体の塗り分け方は図5
(a)に示したストライプ状の配列に限られるものでは
なく、例えば図5(b)に示すようなデルタ状配列や、
それ以外の配列であってもよい。尚、モノクロームの表
示パネルを作成する場合には、単色の蛍光体材料を蛍光
膜1018に用いればよく、また黒色導電材料は必ずし
も用いなくともよい。
【0069】また、蛍光膜1018のリアプレート側の
面には、CRTの分野では公知のメタルバック1019
を設けてある。このメタルバック1019を設けた目的
は、蛍光膜1018が発する光の一部を鏡面反射して光
利用率を向上させるためや、負イオンの衝突から蛍光膜
1018を保護するためや、電子ビーム加速電圧を印加
するための電極として作用させるためや、蛍光膜101
8を励起した電子の導電路として作用させるため等であ
る。このメタルバック1019は、蛍光膜1018をフ
ェースプレート基板1017上に形成した後、蛍光膜1
018の表面を平滑化処理し、その上にAl(アルミニ
ウム)を真空蒸着する方法により形成した。なお、蛍光
膜1018に低電圧用の蛍光体材料を用いた場合にはメ
タルバック1019は用いない。
【0070】また、後に述べる本実施例の詳細区では、
加速電圧の印加用や蛍光膜1018の導電性向上を目的
として、フェースプレート基板1017と蛍光膜101
8との間に、例えばITOを材料とする透明電極を設け
ている。
【0071】また、外部接続端子Dx1〜DxM,Dy
1〜DyN及びHvは、当該表示パネルと不図示の電気
回路とを電気的に接続するために設けた機密構造の電気
接続用端子である。ここで、Dx1〜DxMはマルチ電
子源の行方向配線1013と、Dy1〜DyNはマルチ
電子源の列方向配線1014と、Hvはフェースプレー
トのメタルバック1019と電気的に接続されている。
【0072】また、この気密容器内部を真空に排気する
には、気密容器を組立てた後、不図示の排気管と真空ポ
ンプとを接続し、気密容器内を10-5[Pa]程度の真
空度まで排気する。その後、排気管を封止するが、気密
容器内の真空度を維持するために、封止直前あるいは封
止後に気密容器内の所定の位置にゲッター膜(不図示)
を形成する。ゲッター膜とは、例えばBaを主成分とす
るゲッター材料をヒータもしくは高周波加熱により加熱
し蒸着して形成した膜であり、該ゲッター膜の吸着作用
により気密容器内は10-3〜10-5[Pa]の真空度に
維持される。
【0073】以上説明した表示パネルを用いた画像表示
装置は、容器外端子Dx1ないしDxM,Dy1ないし
DyNを通じて各冷陰極素子1012に電圧を印加する
と、各冷陰極素子1012から電子が放出される。それ
と同時にメタルバック1019に容器外端子をHvを通
じて数百[V]ないし数[kV]の高圧を印加して、上
記放出された電子をフェースプレート1017方向に加
速し、フェースプレート1017、実際には蛍光膜10
18に衝突させる。これにより、蛍光膜1018を形成
している各色の蛍光体が励起されて発光し、画像が表示
される。
【0074】通常、冷陰極素子である本実施の形態の表
面伝導型放出素子1012への印加電圧は12〜16
[V]程度、メタルバック1019と冷陰極素子101
2との距離dは0.1[mm]から8[mm]程度、メ
タルバック1019と冷陰極素子1012間の加速電圧
は、0.1[kV]から10[kV]程度である。
【0075】以上、本実施形態の表示パネルの基本構成
と製法、及びそれを用いた画像表示装置の概要を説明し
た。
【0076】(マルチ電子源の製造方法)次に、本実施
の形態の表示パネルに用いたマルチ電子源の製造方法に
ついて説明する。この画像表示装置に用いるマルチ電子
源は、冷陰極素子を単純マトリクス配線した電子源であ
れば、冷陰極素子の材料や形状或いは製法に制限はな
い。従って、例えば表面伝導型放出素子やFE型、或い
はMIM型などの冷陰極素子を用いることができる。但
し、表示画面が大きくてしかも安価な表示装置が求めら
れる状況下では、これらの冷陰極素子の中でも表面伝導
型放出素子が特に好ましい。即ち、FE型ではエミッタ
コーンとゲート電極の相対位置や形状が電子放出特性を
大きく左右するため、極めて高精度の製造技術を必用と
するが、これは大面積化や製造コストの低減を達成する
ためには不利な要因となる。また、MIM型では、絶縁
層と上電極の膜厚を薄くてしかも均一にする必要がある
が、これも大面積化や製造コストの低減を達成するには
不利な要因となる。その点、表面伝導型放出素子は、比
較的製造方法が単純なため、大面積化や製造コストの低
減が容易である。
【0077】また、本発明者らは、表面伝導型放出素子
の中でも、電子放出部もしくはその周辺部を微粒子膜か
ら形成したものがとりわけ電子放出特性に優れ、しかも
製造が容易に行えることを見出している。従って、高輝
度で大画面の画像表示装置のマルチ電子源に用いるに
は、最も好適であると言える。そこで、本実施形態の表
示パネルにおいては、電子放出部もしくはその周辺部を
微粒子膜から形成した表面伝導型放出素子を用いる。そ
こで、まず好適な表面伝導型放出素子について基本的な
構成と製法及び特性を説明し、その後で多数の素子を単
純マトリクス配線したマルチ電子源の構造について述べ
る。
【0078】(表面伝導型放出素子の好適な素子構成と
製法)電子放出部もしくはその周辺部を微粒子膜から形
成する表面伝導型放出素子の代表的な構成には、平面型
と垂直型の2種類があげられる。
【0079】(平面型の表面伝導型放出素子)まず最初
に、平面型の表面伝導型放出素子の素子構成と製法につ
いて説明する。図6は、平面型の表面伝導型放出素子の
構成を説明するための平面図(a)及び断面図(b)で
ある。図中、1101は基板、1102と1103は素
子電極、1104は導電性薄膜、1105は通電フォー
ミング処理により形成した電子放出部、1113は通電
活性化処理により形成した薄膜である。この基板110
1としては、例えば、石英ガラスや青板ガラスをはじめ
とする各種ガラス基板や、アルミナをはじめとする各種
セラミクス基板、あるいは上述の各種基板上に例えばS
i02を材料とする絶縁層を積層した基板などを用いる
ことができる。
【0080】また、基板1101上に基板面と平行に対
向して設けられた素子電極1102と1103は、導電
性を有する材料によって形成されている。例えば、N
i,Cr,Au,Mo,W,Pt,Ti,Cu,Pd,
Ag等をはじめとする金属、あるいはこれらの金属の合
金、あるいはIn23−SnO2をはじめとする金属酸
化物、ポリシリコンなどの半導体などの中から適宜材料
を選択して用いればよい。電極を形成するには、例えば
真空蒸着などの製膜技術とフォトリソグラフィー、エッ
チングなどのパターニング技術を組み合わせて用いれば
容易に形成できるが、それ以外の方法(例えば印刷技
術)を用いて形成しても差し支えない。
【0081】また、素子電極1102,1103の形状
は、当該電子放出素子の応用目的に合わせて適宜設計さ
れる。一般的には、電極間隔Lは通常は数十nm〜数百
μmの範囲から適当な数値を選んで設計されるが、なか
でも表示装置に応用するために好ましいのは数μmより
数十μmの範囲である。また、素子電極の厚さdについ
ては、通常は数十nm〜数μmの範囲から適当な数値が
選ばれる。
【0082】また、導電性薄膜1104の部分には、微
粒子膜を用いる。ここで述べた微粒子膜とは、構成要素
として多数の微粒子を含んだ膜(島状の集合体も含む)
のことをさす。微粒子膜を微視的に調べれば、通常は、
個々の微粒子が離間して配置された構造か、あるいは微
粒子が互いに隣接した構造か、あるいは微粒子が互いに
重なり合った構造が観測される。この微粒子膜に用いた
微粒子の粒径は、数nm〜数百nmの範囲に含まれるも
のであるが、中でも好ましいのは、1nm〜20nmの
範囲のものである。また、微粒子膜の膜厚は、以下に述
べるような諸条件を考慮して適宜設定される。即ち、素
子電極1102或は1103と電気的に良好に接続する
のに必要な条件、後述する通電フォーミングを良好に行
うのに必要な条件、微粒子膜自身の電気抵抗を後述する
適宜の値にするために必要な条件などである。
【0083】具体的には、数nm〜数百nmの範囲のな
かで設定するが、なかでも好ましいのは1nm〜50n
mの間である。
【0084】また、微粒子膜を形成するのに用いられう
る材料としては、例えば、Pd,Pt,Ru,Ag,A
u,Ti,In,Cu,Cr,Fe,Zn,Sn,T
a,W,Pbなどをはじめとする金属、PdO,SnO
2,In23,PbO,Sb2 3などをはじめとする酸
化物、HfB2,ZrB2,LaB6,CeB6,YB4
GdB4などをはじめとする硼化物、TiC,ZrC,
HfC,TaC,SiC,WC、などをはじめとする炭
化物、TiN,ZrN,HfNなどをはじめとする窒化
物、Si,Geなどをはじめとする半導体や、カーボン
などが挙げられ、これらの中から適宜選択される。
【0085】以上述べたように、導電性薄膜1104を
微粒子膜で形成したが、そのシート抵抗値については、
103〜107[オーム/m]の範囲に含まれるよう設定
する。
【0086】なお、導電性薄膜1104と素子電極11
02,1103とは、電気的に良好に接続されるのが望
ましいため、互いの一部が重なり合うような構造をとっ
ている。その重なり方は、図6の例においては、下か
ら、基板、素子電極、導電性薄膜の順序で積層したが、
場合によっては下から基板、導電性薄膜、素子電極の順
序で積層してもさしつかえない。
【0087】また、電子放出部1105は、導電性薄膜
1104の一部に形成された亀裂状の部分であり、電気
的には周囲の導電性薄膜よりも高抵抗な性質を有してい
る。この亀裂部分は、導電性薄膜1104に対して、後
述する通電フォーミングの処理を行うことにより形成さ
れる。この亀裂内には、数nmから数十nmの粒径の微
粒子を配置する場合がある。なお、実際の電子放出部の
位置や形状を精密かつ正確に図示するのは困難なため、
図6においては模式的に示した。
【0088】また、薄膜1113は、炭素もしくは炭素
化合物よりなる薄膜で、電子放出部1105およびその
近傍を被覆している。薄膜1113は、通電フォーミン
グ処理後に、後述する通電活性化の処理を行うことによ
り形成する。この薄膜1113は、単結晶グラファイ
ト、多結晶グラファイト、非晶質カーボン、のいずれか
か、もしくはその混合物であり、膜厚は50[nm]以
下とするが、30[nm]以下とするのがさらに好まし
い。
【0089】なお、実際の薄膜1113の位置や形状を
精密に図示するのは困難なため、図6においては模式的
に示した。また、平面図(a)においては、薄膜111
3の一部を除去した素子を図示した。
【0090】以上、好ましい素子の基本構成を述べた
が、本実施形態においては以下のような素子を用いた。
【0091】即ち、基板1101には音板ガラスを用
い、素子電極1102,1103にはNi薄膜を用い
た。素子電極の厚さdは100[nm]、電極間隔Lは
2[μm]とした。微粒子膜の主要材料としてPdもし
くはPdOを用い、微粒子膜の厚さは約10[nm]、
幅Wは10[μm]とした。
【0092】次に、好適な平面型の表面伝導型放出素子
の製造方法について説明する。図7(a)〜(e)は、
表面伝導型放出素子の製造工程を説明するための断面図
であり、各部材の符号は図6と同一である。まず、図7
(a)に示すように、基板1101上に素子電極110
2,1103を形成する。
【0093】これら素子電極を形成するにあたっては、
予め基板1101を洗剤、純水、有機溶剤を用いて十分
に洗浄後、素子電極の材料を堆積させる(堆積する方法
としては。例えば、蒸着法やスパッタ法などの真空威膜
技術を用ればよい。)。その後、堆積した電極材料を、
フォトリソグラフィー,エッチング技術を用いてパター
ニングし、(a)に示した一対の素子電極1102,と
1103を形成する。
【0094】次に、同図(b)に示すように、導電性薄
膜1104を形成する。この導電性薄膜を形成するにあ
たっては、まず前記(a)の基板に有機金属溶液を塗布
して乾燥し、加熱焼成処理して微粒子膜を成膜した後、
フォトリソグラフィー,エッチングにより所定の形状に
パターニングする。ここで、有機金属溶液とは、導電性
薄膜に用いる微粒子の材料を主要元素とする有機金属化
合物の溶液である。具体的には、本実施の形態では、主
要元素としてPdを用いた。また、本実施の形態では塗
布方法として、ディッピング法を用いたが、それ以外の
例えばスピンナー法やスプレー法を用いてもよい。ま
た、微粒子膜で作られる導電性薄膜の成腹方法として
は、本実施の形態で用いた有機金属溶液の塗布による方
法以外の、例えば真空蒸着法やスパッタ法、あるいは化
学的気相堆積法などを用いる場合もある。
【0095】次に、同図(c)に示すように、フォーミ
ング用電源1110から素子電極1102と1103の
問に適宜の電圧を印加し、通電フォーミング処理を行っ
て、電子放出部1105を形成する。この通電フォーミ
ング処理とは、微粒子膜で作られた導電性薄膜1104
に通電を行って、その一部を適宜に破壊、変形、もしく
は変質せしめ、電子放出を行うのに好適な構造に変化さ
せる処理のことである。微粒子膜で作られた導電性薄膜
のうち電子放出を行うのに好適な構造に変化した部分
(即ち電子放出部1105)においては、薄膜に適当な
亀裂が形成されている。なお、電子放出部1105が形
成される前と比較すると、形成された後は素子電極11
02と1103の間で計測される電気抵抗は大幅に増加
する。
【0096】この通電方法をより詳しく説明するため
に、図8に、フォーミング用電源1110から印加する
適宜の電圧波形の一例を示す。微粒子膜で作られた導電
性薄膜1104をフォーミングする場合には、パルス状
の電圧が好ましく、本実施の形態の場合には、同図に示
したようにパルス幅T1の三角波パルスをパルス間隔T
2で連続的に印加した。その際には、三角波パルスの波
高値Vpfを、順次昇圧した。また、電子放出部110
5の形成状況をモニタするためのモニタパルスPmを適
宜の間隔で三角波パルスの間に挿入し、その際に流れる
電流を電流計1111で計測した。
【0097】本実施形態においては、例えば10-3[P
a]程度の真空雰囲気下において、例えばパルス幅T1
を1[ミリ秒]、パルス間隔T2を10[ミリ秒]と
し、波高値Vpfを1パルス毎に0.1[V]ずつ昇圧
した。そして、三角波を5パルス印加するたびに1回の
割りで、モニタパルスPmを挿入した。この際、フォー
ミング処理に悪影響を及ぼすことがないように1、モニ
タパルスの電圧Vpmは0.1[V]に設定した。そし
て、素子電極1102と1103の間の電気抵抗が10
6[Ω]になった段階、即ちモニタパルスの印加時に電
流計1111で計測される電流が10-7[A]以下にな
った段階で、フォーミング処理に係わる通電を終了し
た。
【0098】なお、上記の方法は、本実施の形態の表面
伝導型放出素子に関する好ましい方法であり、例えば微
粒子膜の材料や膜厚、あるいは素子電極間隔Lなど表面
伝導型放出素子の設計を変更した場合には、それに応じ
て通電の条件を適宜変更するのが望ましい。
【0099】次に、図7(d)に示すように、活性化用
電源1112から素子電極1102と1103の間に適
宜の電圧を印加し、通電活性化処理を行って、電子放出
特性の改善を行う。この通電活性化処理とは、前記通電
フォーミング処理により形成された電子放出部1105
に適宜の条件で通電を行って、その近傍に炭素もしくは
炭素化合物を堆積せしめる処理のことである。図7にお
いては、炭素もしくは炭素化合物よりなる堆積物を部材
1113として模式的に示した。なお、このような通電
活性化処理を行うことにより、行う前と比較して、同じ
印加電圧における放出電流を典型的には100倍以上に
増加させることができる。
【0100】具体的には、10-2ないし10-3[Pa]
の範囲内の真空雰囲気中で、電圧パルスを定期的に印加
することにより、真空雰囲気中に存在する有機化合物を
起源とする炭素もしくは炭素化合物を堆積させる。堆積
物1113は、単結晶グラファイト、多結晶グラファイ
ト、非晶質カーボンのいずれか、もしくはその混合物で
あり、膜厚は50[nm]以下、より好ましくは30
[nm]以下である。
【0101】通電方法をより詳しく説明するために、図
9(a)に、活性化用電源1112から印加する適宜の
電圧波形の一例を示す。本実施形態においては、一定電
圧の矩形波を定期的に印加して通電活性化処理を行った
が、具体的には、矩形波の電圧Vacは14[V]、パ
ルス幅T3は1[ミリ秒]、パルス間隔T4は10[ミ
リ秒]とした。なお、上述の通電条件は、本実施の形態
の表面伝導型放出素子に関する好ましい条件であり、表
面伝導型放出素子の設計を変更した場合には、それに応
じて条件を適宜変更するのが望ましい。
【0102】図7(d)に示す1114は、表面伝導型
放出素子から放出される放出電流Ieを捕捉するための
アノード電極で、直流高電圧電源1115及び電流計1
116が接続されている。なお、基板1101を、表示
パネルの中に組み込んでから活性化処理を行う場合に
は、表示パネルの蛍光面をアノード電極1114として
用いる。この活性化処理において、活性化用電源111
2から電圧を印加する間、電流計1116で放出電流I
eを計測して通電活性化処理の進行状況をモニタし、活
性化用電源1112の動作を制御する。この時、電流計
1116で計測された放出電流Ieの一例を図9(b)
に示す。この図9(b)から明らかなように、活性化電
源1112からパルス電圧を印加しはじめると、時間の
経過とともに放出電流Ieは増加するが、やがて飽和し
てほとんど増加しなくなる。このように、放出電流Ie
がほぼ飽和した時点で活性化用電源1112からの電圧
印加を停止し、通電活性化処理を終了する。
【0103】なお、上述の通電条件は、本実施形態の表
面伝導型放出素子に関する好ましい条件であり、表面伝
導型放出素子の設計を変更した場合には、それに応じて
条件を適宜変更するのが望ましい。
【0104】以上のようにして、図7(e)に示す平面
型の表面伝導型放出素子を製造した。
【0105】(垂直型の表面伝導型放出素子)次に、電
子放出部もしくはその周辺を微粒子膜から形成した表面
伝導型放出素子のもうひとつの代表的な構成、即ち垂直
型の表面伝導型放出素子の構成について説明する。
【0106】図10は、本実施形態の垂直型表面伝導型
放出素子の基本構成を説明するための模式的な断面図で
あり、図中の1201は基板、1202と1203は素
子電極、1206は段差形成部材、1204は微粒子膜
を用いた導電性薄膜、1205は通電フォーミング処理
により形成した電子放出部、1213は通電活性化処理
により形成した薄膜である。
【0107】この垂直型が先に説明した平面型と異なる
点は、素子電極のうちの片方(1202)が段差形成部
材1206上に設けられており、導電性薄膜1204が
段差形成部材1206の側面を被覆している点にある。
従って、図6の平面型における素子電極間隔Lは、垂直
型においては段差形成部材1206の段差高Lsとして
設定される。なお、基板1201、素子電極1202お
よび1203、微粒子膜を用いた導電性薄膜1204、
については、前記平面型の説明中に列挙した材料を同様
に用いることが可能である。また、段差形成部材120
6には、例えばSiO2のような電気的に絶縁性の材料
を用いる。
【0108】次に、垂直型の表面伝導型放出素子の製法
について説明する。図11(a)〜(f)は、垂直型の
表面伝導型放出素子の製造工程を説明するための断面図
であり、各部材の符号は図10と同一である。
【0109】先ず、1(a)に示すように、基板120
1上に素子電極1203を形成する。
【0110】次に、同図(b)に示すように、段差形成
部材を形成するための絶縁層を積層する。絶縁層は、例
えばSiO2をスパッタ法で積層すればよいが、例えば
真空蒸着法や印刷法などの他の成腹方法を用いてもよ
い。
【0111】次に、同図(c)に示すように、絶縁層の
上に素子電極1202を形成する。
【0112】次に、同図(d)に示すように、絶縁層の
一部を、例えばエッチング法を用いて除去し、素子電極
1203を露出させる。
【0113】次に、同図(e)に示すように、微粒子膜
を用いた導電性薄膜1204を形成する。形成するに
は、前記平面型の場合と同じく、例えば塗布法などの成
膜技術を用いればよい。
【0114】次に、前記平面型の場合と同じく、通電フ
ォーミング処理を行い、電子放出部を形成する(図7
(c)を用いて説明した平面型の通電フォーミング処理
と同様の処理を行えばよい。)。
【0115】次に、前記平面型の場合と同じく、通電活
性化処理を行い、電子放出部近傍に炭素もしくは炭素化
合物を堆積させる(図7(d)を用いて説明した平面型
の通電活性化処理と同様の処理を行えばよい。)。以上
のようにして、図11(f)に示す垂直型の表面伝導型
放出素子を製造する。
【0116】(表示装置に用いた表面伝導型放出素子の
特性)以上、平面型と垂直型の表面伝導型放出素子につ
いて素子構成と製法を説明したが、次に表示装置に用い
た素子の特性について述べる。
【0117】図12に、画像表示装置に用いた素子の
(放出電流1e)対(素子印加電圧Vr)特性、及び
(素子電流Ir)対(素子印加電圧Vr)特性の典型的
な例を示す。なお、放出電流Ieは素子電流Ifに比べ
て著しく小さく、同一尺度で図示するのが困難であるう
え、これらの特性は素子の大きさや形状等の設計パラメ
ータを変更することにより変化するものであるため、2
本のグラフは各々任意単位で図示した。
【0118】本実施形態の画像表示装置に用いた表面伝
導型素子は、放出電流Ieに関して以下に述べる3つの
特性を有している。
【0119】第1に、ある電圧(これを閾値電圧Vth
と呼ぶ)以上の大きさの電圧を素子に印加すると急激に
放出電流Ieが増加するが、一方、閾値電圧Vth未満
の電圧では放出電流Ieはほとんど検出されない。即
ち、放出電流Ieに関して、明確な閾値電圧Vthを持
った非線形素子である。
【0120】第2に、放出電流Ieは素子に印加する電
圧Vfに依存して変化するため、電圧Vrで放出電流I
eの大きさを制御できる。
【0121】第3に、素子に印加する電圧Vfに対して
素子から放出される電流Ieの応答速度が速いため、電
圧Vfを印加する時間の長さによって素子から放出され
る電子の電荷量を制御できる。
【0122】以上のような特性を有するため、表面伝導
型放出素子を表示装置に好適に用いることができた。例
えば多数の素子を表示画面の画素に対応して設けた表示
装置において、第1の特性を利用すれば、表示画面を順
次走査して表示を行うことが可能である。即ち、駆動中
の素子には所望の発光輝度に応じて閾値電圧Vth以上
の電圧を適宜印加し、非選択状態の素子には閾値電圧V
th未満の電圧を印加する。駆動する素子を順次切り替
えてゆくことにより、表示画面を順次走査して表示を行
うことが可能である。
【0123】また、第2の特性か又は第3の特性を利用
することにより、発光輝度を制御することができるた
め、階調表示を行うことが可能である。
【0124】(多数素子を単純マトリクス配線したマル
チ電子源の構造)次に、上述の表面伝導型放出素子を基
板上に配列して単純マトリクス配線したマルチ電子源
は、前述の図3で示すような平面図で表される。
【0125】ここで、基板1011上には、前述の図6
で示したものと同様な表面伝導型放出素子が配列され、
これらの素子は行方向配線電極1013と列方向配線電
極1014により単純マトリクス状に配線されている。
行方向配線電極1013と列方向配線電極1014の交
差する部分には、電極間に絶縁層(不図示)が形成され
ており、電気的な絶縁が保たれている。
【0126】(駆動回路の構成(及び駆動方法))図1
3は、NTSC方式のテレビ信号に基づいてテレビジョ
ン表示を行う、本実施形態の表示パネル1701の駆動
回路の概略構成を示すブロック図である。図13におい
て、表示パネル1701は前述した図1の表示パネルに
相当するものであり、前述した様に製造され、動作す
る。また、走査回路1702は表示ラインを走査し、制
御回路1703は走査回路へ入力する信号等を生成す
る。シフトレジスタ1704は1ライン毎の画像データ
をシフトし、ラインメモリ1705は、シフトレジスタ
1704からの1ライン分のデータを変調信号発生器1
707に入力する。同期信号分離回路1706はNTS
C信号から同期信号を分離する。
【0127】以下、図13の各部の機能を詳しく説明す
る。先ず、表示パネル1701は、端子Dx1ないしD
xM及び端子Dy1ないしDyN、及び高圧端子Hvを
介して外部の電気回路と接続されている。このうち、端
子Dx1ないしDxMには、表示パネル1701内に設
けられているマルチ電子源、即ちM行N列の行列状にマ
トリクス配線された冷陰極素子を1行(n素子)ずつ順
次駆動するための走査信号が印加される。一方、端子D
y1ないしDyNには、前記走査信号により選択された
1行分のN個の各素子の出力電子ビームを、画像信号に
応じて制御するための変調信号が印加される。また、高
圧端子Hvには、直流電圧源Vaより、例えば5[k
V]の直流電圧が供給されるが、これはマルチ電子源よ
り出力される電子をフェースプレート方向に加速して蛍
光体を励起するのに十分なエネルギーを付与するための
加速電圧である。
【0128】次に、走査回路1702について説明す
る。同回路は、内部にM個のスイッチング素子(図中、
S1ないしSMで模式的に示されている)を備えるもの
であり、各スイッチング素子は、直流電圧源Vxの出力
電圧もしくは0[V](グランドレベル)のいずれか一
方を選択し、表示パネル1701の端子Dx1ないしD
xMと電気的に接続するものである。S1ないしSMの
各スイッチング素子は、制御回路1703が出力する制
御信号Tscanに基づいて動作するが、実際には例え
ばFETのようなスイッチング素子を組合わせる事によ
り容易に構成することが可能である。
【0129】なお、前記直流電圧源Vxは、図12に例
示した電子放出素子の特性に基づき走査されていない素
子に印加される駆動電圧が電子放出閾値電圧Vth以下
となるよう、一定電圧を出力するよう設定されている。
【0130】また、制御回路1703は、外部より入力
する画像信号に基づいて適切な表示が行なわれるように
各部の動作を整合させる働きをもつものである。次に説
明する同期信号分離回路1706より送られる同期信号
TSYNCに基づいて、各部に対してTSCAN、TS
FT及びTMRYの各制御信号を発生する。同期信号分
離回路1706は、外部から入力されるNTSC方式の
テレビ信号から、同期信号成分と輝度信号成分とを分離
する為の回路で、周知のように周波数分離(フィルタ)
回路を用いれば容易に構成できるものである。同期信号
分離回路1706により分離された同期信号は、周知の
ように垂直同期信号と水平同期信号より成るが、ここで
は説明の便宜上、TSYNC信号として図示した。一
方、前記テレビ信号から分離された画像の輝度信号成分
を便宜上DATA信号と表すが、同信号はシフトレジス
タ1704に入力される。
【0131】シフトレジスタ1704は、時系列的にシ
リアルに入力される前記DATA信号を、画像の1ライ
ン毎にシリアル/パラレル変換するためのもので、前記
制御回路1703より送られる制御信号TSFTに基づ
いて動作する。即ち、制御信号TSFTシフトレジスタ
1704のシフトクロックであると言い換えることもで
きる。シリアル/パラレル変換された画像1ライン分
(電子放出素子n素子分の駆動データに相当する)のデ
ータは、Id1ないしIdNのN個の信号として前記シ
フトレジスタ1704より出力される。
【0132】ラインメモリ1705は、画像1ライン分
のデータを必要時間の間だけ記憶する為の記憶装置であ
り、制御回路1703より送られる制御信号TMRYに
従って適宜Id1ないしIdNの内容を記憶する。記憶
された内容は、I’d1ないしI’dNとして出力さ
れ、変調信号発生器1707に入力される。
【0133】変調信号発生器1707は、前記画像デー
タピd1ないしI’dNの各々に応じて、電子放出素子
1012の各々を適切に駆動変調する為の信号源で、そ
の出力信号は、端子Dy1ないしDyNを通じて表示パ
ネル1701内の電子放出素子1012に印加される。
【0134】図12を用いて説明したように、本発明の
実施の形態に係わる表面伝導型放出素子は、放出電流I
eに対して以下の基本特性を有している。即ち、電子放
出には明確な閾値電圧Vth(後述する表面伝導型放出
素子では8[V])があり、閾値Vth以上の電圧を印
加された時のみ電子放出が生じる。また、電子放出閾値
Vth以上の電圧に対しては、図12のように電圧の変
化に応じて放出電流Ieも変化する。このことから、本
素子にパルス状の電圧を印加する場合、例えば電子放出
閾値Vth以下の電圧を印加しても電子放出は生じない
が、電子放出閾値Vth以上の電圧を印加する場合には
表面伝導型放出素子から電子ビームが出力される。その
際、パルスの波高値Vmを変化させることにより、出力
電子ビームの強度を制御することが可能である。また、
パルスの幅Pwを変化させることにより、電子源から出
力される電子ビームの電荷の総量を制御することが可能
である。
【0135】従って、入力信号に応じて、電子放出素子
を変調する方式としては、電圧変調方式、パルス幅変調
方式等が採用できる。電圧変調方式を実施するに際して
は、変調信号発生器1707として、一定長さの電圧パ
ルスを発生し、入力されるデータに応じて適宜パルスの
波高値を変調するような電圧変調方式の回路を用いるこ
とができる。
【0136】また、パルス幅変調方式を実施するに際し
ては、変調信号発生器1707として、一定の波高値の
電圧パルスを発生し、入力されるデータに応じて適宜電
圧パルスの幅を変調するようなパルス幅変調方式の回路
を用いることができる。
【0137】シフトレジスタ1704やラインメモリ1
705は、デジタル信号式のものでもアナログ信号式の
ものでも採用できる。即ち、画像信号のシリアル/パラ
レル変換や記憶が所定の速度で行われればよいからであ
る。
【0138】デジタル信号式を用いる場合には、同期信
号分離回路1706の出力信号DATAをデジタル信号
化する必要があるが、これには同期信号分離回路170
6の出力部にA/D変換器を設ければよい。これに関し
てラインメモリ1705の出力信号がデジタル信号かア
ナログ信号かにより、変調信号発生器に用いられる回路
が若干異なったものとなる。即ち、デジタル信号を用い
た電圧変調方式の場合、変調信号発生器1707には、
例えばD/A変換回路を用い、必要に応じて増幅回路な
どを付加する。パルス幅変調方式の場合、変調信号発生
器1707には、例えば高速の発振器、発振器の出力す
る波数を計数する計数器(カウンタ)及び計数器の出力
値と前記メモリの出力値を比較する比較器(コンパレー
タ)を組み合わせた回路を用いる。必要に応じて、比較
器の出力するパルス幅変調された変調信号を電子放出素
子の駆動電圧にまで電圧増幅するための増幅器を付与す
ることもできる。
【0139】アナログ信号を用いた電圧変調方式の場
合、変調信号発生器1707には、例えばオペアンプな
どを用いた増幅回路を採用でき、必要に応じてシフトレ
ベル回路などを付加することもできる。パルス幅変調方
式の場合には、例えば、電圧制御型発信回路(VCO)
を採用でき、必要に応じて電子放出素子の駆動電圧まで
電圧増幅するための増幅器を付加することもできる。
【0140】このような構成をとりうる本実施の形態が
適用可能な画像表示装置においては、各電子放出素子
に、容器外端子Dx1乃至DxM,Dy1乃至DyNを
介して電圧を印加することにより、電子放出が生じる。
高圧端子Hvを介してメタルバック1019或いは透明
電極(不図示)に高圧を印加し、電子ビームを加速す
る。加速された電子は蛍光膜1018に衝突し、発光が
生じて画像が形成される。
【0141】ここで述べた画像表示装置の構成は、本発
明を適用可能な画像形成装置の一例であり、本発明の思
想に基づいて種々の変形が可能である。入力信号につい
てはNTSC方式を挙げたが、入力信号はこれに限るも
のではなく、PAL,SECAM方式など他、これらよ
り多数の走査線からなるTV信号(MUSE方式をはじ
めとする高品位TV)方式をも採用できる。
【0142】図14は、本発明の画像形成装置の基本的
な構成を示した断面図であり、図1のA−A’断面に相
当している。フェースプレート1017は蛍光体とメタ
ルバック(共に図示せず)を含んでいる。1011は電
子源基板を示し、1020はスペーサ、1012は冷陰
極素子、1105は電子放出部、211〜213は電子
の軌道を示している。
【0143】図14(a)は、スペーサ1020から十
分遠方にある冷陰極素子の電子軌道について示してい
る。この場合は、素子1012から放出された電子は、
スペーサ1020の帯電による影響を受けないため、素
子電極の正電極側に所定量だけ曲げられてフェースプレ
ート1017に到達する。
【0144】これに対し、図14(b)に示すように、
冷陰極素子がスペーサ1020の近傍にある場合は、ス
ペーサ1020が正に帯電しているためその影響を受
け、素子1012から放出された電子の軌道はスペーサ
1020に近づく方向に曲げられる。ここで、素子10
12からスペーサ1020までの距離をLとし、電子の
軌道のずれ量に相当するフェースプレート1017上へ
の電子のランディング位置までの距離をPxとすると、
スペーサ1020から素子1012までの距離Lが短く
なるほど距離Pxは増加し、素子1012からスペーサ
1020までの距離Lが長くなるほど距離Pxは減少す
る。
【0145】本発明を採用することにより、スペーサ1
020近傍の素子から放出された電子をスペーサ102
0が遮蔽してしまうことによって発生するスペーサ10
20周辺の輝度低下や、所望の蛍光体に電子が到達しな
いことによって発生するスペーサ近傍での画像歪みを防
止した画像形成装置を提供することが可能となる。
【0146】また、このようなスペーサ1020の形状
は、本実施の形態の直方体に限られるものでなく、例え
ば円柱や球形のスペーサであっても同様の効果を得るこ
とができる。
【0147】以下に、具体的な実施例を挙げて本発明の
諸実施形態を詳述する。以下に述べる各実施形態におい
ては、マルチ電子源として、前述した、電極間の導電性
微粒子膜に電子放出部を有するタイプのN×M個の表面
伝導型放出素子を、M本の行方向配線とN本の列方向配
線とによりマトリクス配線(図1及び図3参照)したマ
ルチ電子源を用いた。なお、スペーサは画像形成装置の
耐大気圧を得るための適当な枚数を配置している。
【0148】(第1の実施形態)第1の実施形態を図2
2〜24を参照して説明する。図15は、第1の実施形
態の画像形成装置を一部拡大して示す概略断面図であ
る。図中、1015はリアプレート、1017はフェー
スプレートであり、1020はリアプレート1015と
フェースプレート1017を所定間隔に保持固定するス
ペーサ、1012は冷陰極素子、2203は冷陰極素子
1012から放出された電子により発光する発光体であ
る蛍光体、2201は電子を蛍光体2203の方向に加
速する加速手段であり、ITOなどの透明膜、2204
は冷陰極素子1012から放出した電子、2205は蛍
光体2203に向かって加速された電子を表す。
【0149】本例では、蛍光体2203及び透明膜22
01が、各冷陰極素子1012に相対する部位で当該各
冷陰極素子1012へ向かって突出した形状の凸部22
02に形成されている。なお本例では、メタルバックを
用いない場合を図示した。メタルバックを用いる場合
は、蛍光体2203の上からアルミニウムを蒸着すれば
良い。
【0150】図16は、本例の画像形成装置の外観を示
す概略斜視図である。このように、蛍光体2203及び
透明膜2201がライン形状とされ、対向する冷陰極素
子1012に向かった凸部2202とされている。本図
では、スペーサ1020と突出形状2202の構造を1
対1の割合で配しているが、この比は任意であり、スペ
ーサ1020の割合を減らし、スペーサ1020間に複
数の凸部2202の構造を設けても良い。
【0151】図17は第1の実施形態の画像形成装置に
おける電位分布図であり、図15に等電位線を加えたも
のである。また、本例の比較例として、凸部2202を
有しない従来の画像形成装置の電位分布の様子を図18
に示す。
【0152】図18のように、凸部2202が存しない
場合、スペーサ1020が正イオンで帯電していると、
正イオンにより等電位線に湾曲が生じ、等電位線の垂直
方向即ちスペーサ1020の方向に電子が加速される。
また、電子放出時に電子が斜めに放出されると、電界分
布が平坦であったとしても、初期の横方向速度はそのま
ま保たれるので、蛍光体2203に衝突する地点は冷陰
極素子1012の真上ではなくなってしまう。なお、ス
ペーサ1020が電子で負に帯電している場合は、等電
位線の曲がり方が変わり、放出された電子はスペーサ1
020から離れる方向に加速される。
【0153】これに対して図17の本例の場合、蛍光体
2203及び透明膜2201が突出形状の凸部2202
として形成されているため、この凸部2202の周辺で
は電界分布が凸レンズ状に集束される。冷陰極素子10
12から放出された電子は、等電位線に直角の方向に加
速度を受けることにより加速される。即ち、凸レンズ状
の電界分布があると、その中心方向に向かって電子が加
速することになる。
【0154】従ってこの場合、放出電子が凸レンズ状に
集束された電界分布の中心方向に向かって加速されるた
め、スペーサ1020にイオンが衝突して正又は負に帯
電することが抑止される。更に、スペーサ1020に多
少の帯電が生じたり、電子が斜め方向に放出されたとし
ても、集束電界に沿って電子軌道が修正され、冷陰極素
子1012の真上に存する凸部2202に電子が到達す
ることになる。
【0155】このように、本例によれば、スペーサ10
20が設けられた場合でも、スペーサ1020の近傍に
おける電子の照射位置を好適に調節し、画像の劣化を抑
止する信頼性の高い画像形成装置が実現する。
【0156】(第2の実施形態)図19は、第2の実施
形態における画像形成装置の外観を示す概略斜視図であ
る。本例では、蛍光体2503及び透明膜2501を構
成する凸部2502が個々の冷陰極素子1012に対応
した凸形状とされている。本図の構成では、電子源の冷
陰極素子1012から放出した電子が、スペーサ102
0と垂直の方向だけでなく、スペーサ1020と並行し
た方向にも集束するので、冷陰極素子1012の真上の
凸部2502にのみ衝突する。従って、隣接する凸部2
502の蛍光体2503の色が異なる場合に、混色する
恐れがなく、鮮明な色彩を表示することが可能である。
また、ブラックマトリクスが不要となる。
【0157】本例によれば、第1の実施形態と同様に、
電場を凸状にすることで、冷陰極素子1012から放出
する電子の電子軌道の集束を行ない、スペーサ1020
が設けられた場合でもスペーサ1020近傍における電
子の照射位置を好適に調節し、画像の劣化を抑止する信
頼性の高い画像形成装置が実現する。
【0158】(第3の実施形態)図20は、第3の実施
形態の画像形成装置を一部拡大して示す概略断面図であ
る。本例では、蛍光体2603及び透明膜2601を構
成する凸部2602が個々の冷陰極素子1012に対応
して設けられるとともに、凸部2602が半球形状とさ
れている。ここで、凸部2602の表面にはメタルバッ
ク2604が設けられている。
【0159】本例によれば、第1の実施形態と同様に、
電場を凸状にすることで、冷陰極素子1012から放出
する電子の電子軌道の集束を行ない、スペーサ1020
が設けられた場合でもスペーサ1020近傍における電
子の照射位置を好適に調節し、画像の劣化を抑止する信
頼性の高い画像形成装置が実現する。
【0160】(第4の実施形態)図21は、第4の実施
形態の画像形成装置を一部拡大して示す概略断面図であ
る。本例では、第3の実施形態と同様に、蛍光体270
3及び透明膜2701を構成する凸部2702が個々の
冷陰極素子1012に対応して設けられるとともに、凸
部2702が半球形状とされている。ここで、凸部27
02の表面にはメタルバック2704が設けられてい
る。更に、凸部2702の中心部位に半球形状の透明の
ガラス等の絶縁部材2705が設けられている。
【0161】本例によれば、第1の実施形態と同様に、
電場を凸状にすることで、冷陰極素子1012から放出
する電子の電子軌道の集束を行ない、スペーサ1020
が設けられた場合でもスペーサ1020近傍における電
子の照射位置を好適に調節し、画像の劣化を抑止するこ
とができる。更に、絶縁部材2075を設け、そのまら
りに蛍光体2703を形成することにより、蛍光体27
03の厚みが均一となり、第3の実施形態に比してより
発光効率に優れ、信頼性の高い画像形成装置が実現す
る。
【0162】(第5の実施形態)図22は、第5の実施
形態の画像形成装置を一部拡大して示す概略断面図であ
る。本例では、図中でリアプレート1015が上側に、
フェースプレート1017が下側に設けられており、第
3の実施形態と同様に、蛍光体2803及び透明膜28
01を構成する凸部2802が個々の冷陰極素子101
2に対応して設けられるとともに、凸部2802が半球
形状とされている。ここで、凸部2802の表面にはメ
タルバック2804が設けられている。この画像形成装
置は、凸部2802の蛍光体2803からの反射光をリ
アプレート1015を通して画像表示する反射型のディ
スプレイである。
【0163】本例によれば、第1の実施形態と同様に、
電場を凸状にすることで、冷陰極素子1012から放出
する電子の電子軌道の集束を行ない、スペーサ1020
が設けられた場合でもスペーサ1020近傍における電
子の照射位置を好適に調節し、画像の劣化を抑止する信
頼性の高い画像形成装置が実現する。更に、透過式のデ
ィスプレイと異なり、蛍光体を厚く形成しても発光効率
に優れるため、蛍光体を十分厚くして、電子の集束効果
を強化することが可能である。
【0164】(第6の実施形態)図23は、第6の実施
形態の画像形成装置を一部拡大して示す概略断面図、図
24は、本例の画像形成装置の外観を示す概略斜視図で
ある。本例では、第5の実施形態と同様に、図中でリア
プレート1015が上側に、フェースプレート1017
が下側に設けられており、凸部2802の蛍光体280
3からの反射光をリアプレート1015を通して画像表
示する反射型のディスプレイである。更に、凸部290
2がAl電極2901から突出するライン形状に構成さ
れ、蛍光体2903が凸部2902の先端部位に形成さ
れている。
【0165】本例によれば、第1の実施形態と同様に、
電場を凸状にすることで、冷陰極素子1012から放出
する電子の電子軌道の集束を行ない、スペーサ1020
が設けられた場合でもスペーサ1020近傍における電
子の照射位置を好適に調節し、画像の劣化を抑止する信
頼性の高い画像形成装置が実現する。更に、透過式のデ
ィスプレイと異なり、蛍光体2903を厚く形成しても
発光効率に優れるため、蛍光体を十分厚くして、電子の
集束効果を強化することが可能である。更に、凸部29
02を任意の高さに形成できるため、冷陰極素子101
2と蛍光体2903との距離に関わらず、スペーサ10
20を高くすることができる。そのため、真空の空間が
広くなり、蛍光体2903に電子が衝突して発生する塵
芥等によって真空度が低下する割合を低くすることが可
能である。
【0166】なお、本例では凸部2902をライン形状
としたが、個々の冷陰極素子1012に対応するように
棒形状としても良い。
【0167】いま、フェースプレート1017の内面に
ある凸部2902及び蛍光体2903の先端部と、リア
プレート1015の内面間の距離dを4mmとし、加速
電圧Vaを3KV、行方向配線1013に−8V、列方
向配線1014に+8Vを印加し、冷陰極素子1012
−1〜1012−10の各素子に対して16Vの駆動電
圧(素子電圧)を印加した。この場合、スペーサ102
0近傍であっても、そのスペーサ1020の帯電による
画像歪みや輝度低下のない画像を形成することができ
る。
【0168】なお、本実施形態においてはスペーサの絶
縁性の基板材料として背板ガラスを用いたが、硼珪酸ガ
ラス等の他のガラス材料、アルミナ、窒化アルミ等の絶
縁性のセラミックス、テフロン(登録商標)等の樹脂を
用いても同様の効果を得ることが可能である。これらの
材料は、その表面シート抵抗が1011Ω/□もしくは1
12Ω/□以上であるものである。
【0169】(第7の実施形態)本例では、第6の実施
形態で素子電圧を16Vで一定としたのに対し、各素子
の駆動電圧(素子電圧)Vfを変化させている。
【0170】いま、駆動電圧Vfを12Vから19Vま
で変化させて駆動を行った。駆動電圧Vfを変化させた
場合でも、スペーサ1020に向かう方向であるy軸方
向への偏移量は変化がないため、フェースプレート10
17上の電子スポット間隔を一定とすることが可能であ
る。
【0171】このことから、スペーサ帯電による画像歪
みや輝度低下のない画像を得ることができる。即ち(ア
ノードに交流のバイアス電圧を印可することにより)、
素子(駆動)電圧Vfが12Vから19Vに変化する場
合においても好適に実施できる。
【0172】(第8の実施形態)本例では、電子源とし
てFED,MIMなどの冷陰極素子を用いる。この場合
も、冷陰極素子として表面伝導型素子を用いた場合と同
様に、(アノードに交流のバイアス電圧を印可すること
により、)スペーサ帯電の影響による画像の歪みや輝度
低下のない画像を得ることができる。
【0173】このようにスペーサ1020の帯電によ
る、そのスペーサ近傍の素子からの電子軌道への影響
を、交流のバイアス電圧を印可することにより、そのス
ペーサ近傍の素子からの電子軌道が曲がらないことを本
例の趣旨としている。これにより、スペーサ1020の
近傍であっても、フェースプレート1017上へ等間隔
に電子を照射してスポットを形成できる。
【0174】なお、各実施形態の電子源は、以下のよう
な形態を有するものであってもよい。
【0175】冷陰極素子は、電子放出部を含む導電性膜
を一対の電極間に有する冷陰極素子であり、特に好まし
くは表面伝導型放出素子である。複数の行方向配線と複
数の列方向配線とでマトリクス配線された複数の冷陰極
素子を有する単純マトリクス状配置の電子源をなす。
【0176】電子源は、並列に配置した複数の冷陰極素
子の個々を両端で接続した冷陰極素子の行を複数配し
(行方向と呼ぶ)、この配線と直交する方向(列方向と
呼ぶ)に沿って、冷陰極素子の上方に配した制御電極
(グリッドとも呼ぶ)により、冷陰極素子からの電子を
制御する梯子状配置の電子源をなす。
【0177】また、本発明の思想によれば、表示用とし
て好適な画像形成装置に限るものでなく、感光性ドラム
と発光ダイオード等で構成された光プリンタの発光ダイ
オード等の代替の発光源として、上述の画像形成装置を
用いることもできる。
【0178】またこの際、上述のM本の行方向配線とN
本の列方向配線を適宜選択することで、ライン状の発光
源としてだけでなく、2次元状の発光源としても応用で
きる(この場合、画像形成部材としては、各実施形態の
蛍光体のように、電子との衝突による発光する物質に限
りものではなく、電子の帯電により潜像画像が形成され
るような部材を用いることもできる。)。
【0179】なお、図15は、表面伝導型放出素子を電
子源とするディスプレイパネルを用いた表示装置の構成
の一例を示したに過ぎず、これのみに限定されるもので
はない事は言うまでもない。例えば、図15の構成要素
のうち使用目的上必要のない機能に関わる部分は省いて
も差し支えない。またこれとは逆に、使用目的によって
はさらに構成要素を追加しても良い。例えば、本画像表
示装置をテレビ電話機として応用する場合には、テレビ
カメラ、音声マイク、照明機、モデムを含む送受信回路
などを構成要素に追加するのが好適である。また、各実
施形態では、ディスプレイ装置に適用する例で説明した
が、本発明はこれに限定されるものでなく、画像信号に
応じて画像を形成する装置であれば、どのような装置に
も適用可能である。
【0180】本画像表示装置においては、とりわけ表面
伝導型放出素子を電子源とするディスプレイパネルが容
易に薄形化できるため、表示装置全体の奥行きを小さく
することが可能である。それに加えて、表面伝導型放出
素子を電子源とするディスプレイパネルは大画面化が容
易で輝度が高く視野角特性にも優れるため、本表示装置
は臨場感あふれ迫力に富んだ画像を視認性良く表示する
事が可能である。またこれにより、表示画面全体にわた
って原画像信号に対して極めて忠実な輝度の画像を表示
できる。
【0181】
【発明の効果】本発明によれば、支持部材に電子が衝突
するのを抑制したり、支持部材近傍での電子の照射点
と、当該支持部材による偏向を受けない時の電子の照射
点との位置のずれ量を抑制することができる。画像形成
装置とした時には、支持部材近傍での画素が形成されな
くなるのを抑制したり、支持部材近傍での画質の低下を
抑制することができる。
【0182】また、例え支持部材の無い構造において、
電子源から電子が斜めに飛び出しても、照射点の中心に
照射させることが可能であり、良好な画像形成が行なう
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の表示パネルを示す概略斜視図であ
る。
【図2】画像形成装置の基本原理を説明するための概略
断面図である。
【図3】図1の表示パネルに用いたマルチ電子源を示す
概略平面図である。
【図4】図3のB−B’に沿った概略断面図である。
【図5】蛍光体の配列を示す模式図である。
【図6】平面型の表面伝導型放出素子の構成を説明する
ための模式図である。
【図7】表面伝導型放出素子の製造工程を説明するため
の概略断面図である。
【図8】フォーミング用電源から印加する適宜の電圧波
形の一例を示す特性図である。
【図9】活性化用電源から印加する適宜の電圧波形の一
例を示す特性図である。
【図10】本実施形態の垂直型表面伝導型放出素子の基
本構成を説明するための概略断面図である。
【図11】垂直型の表面伝導型放出素子の製造工程を説
明するための概略断面図である。
【図12】画像表示装置に用いた素子の(放出電流1
e)対(素子印加電圧Vr)特性、及び(素子電流I
r)対(素子印加電圧Vr)特性の典型的な例を示す特
性図である。
【図13】本実施形態の表示パネルの駆動回路の概略構
成を示すブロック図である。
【図14】本発明の画像形成装置の基本的な構成を示し
た概略断面図である。
【図15】第1の実施形態の画像形成装置を一部拡大し
て示す概略断面図である。
【図16】第1の実施形態の画像形成装置の外観を示す
概略斜視図である。
【図17】第1の実施形態の画像形成装置における電位
分布図である。
【図18】凸部を有しない従来の画像形成装置の電位分
布の様子を示す電位分布図である。
【図19】第2の実施形態における画像形成装置の外観
を示す概略斜視図である。
【図20】第3の実施形態の画像形成装置を一部拡大し
て示す概略断面図である。
【図21】第4の実施形態の画像形成装置を一部拡大し
て示す概略断面図である。
【図22】第5の実施形態の画像形成装置を一部拡大し
て示す概略断面図である。
【図23】第6の実施形態の画像形成装置を一部拡大し
て示す概略断面図である。
【図24】第6の実施形態における画像形成装置の外観
を示す概略斜視図である。
【図25】表面伝導型放出素子の素子構成の典型的な例
を示す概略平面図である。
【図26】FE型の素子構成の典型的な例を示す概略断
面図である。
【図27】MIM型の素子構成の典型的な例を示す概略
断面図である。
【図28】平面型の画像表示装置を形成する表示パネル
の一例を示す概略斜視図である。
【図29】図28のA−A’ に沿った概略断面図であ
る。
【符号の説明】
1011 基板 1012 冷陰極素子 1013 行方向配線 1014 列方向配線 1015 リアプレート 1017 フェースプレート 1020 スペーサ 2201,2501,2601,2701,2801
透明膜 2202,2502,2602,2702,2802,
2902 凸部 2203,2503,2603,2703,2803,
2903, 蛍光体 2204 冷陰極素子1012から放出した電子 2205 蛍光体2203に向かって加速された電子 2901 Al電極
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01J 29/32 H01J 29/32

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の電子放出素子を有する電子源を備
    えた第1の基板と、前記電子放出素子から放出された電
    子が照射される電子照射領域を備えた第2の基板とを、
    両者の基板間距離を所定に保持固定する支持部材を介し
    て対向させて配置してなる電子線装置であって、 前記電子照射領域は、前記各電子放出素子に相対する部
    位で当該各電子放出素子へ向かって突出した形状とされ
    ていることを特徴とする電子線装置。
  2. 【請求項2】 前記電子照射領域は、前記電子源と対向
    するように、前記各電子放出素子から放出された電子に
    より発光する発光体と、前記電子を前記発光体方向に加
    速する加速手段とを有し、 前記発光体及び前記加速手段が、前記各電子放出素子に
    相対する部位で当該各電子放出素子へ向かって突出した
    形状とされていることを特徴とする請求項1に記載の電
    子線装置。
  3. 【請求項3】 前記突出形状がライン形状とされている
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電子線装置。
  4. 【請求項4】 前記発光体が前記突出形状の先端部位に
    設けられていることを特徴とする請求項3に記載の電子
    線装置。
  5. 【請求項5】 前記突出形状が個々の前記電子放出素子
    に対応した凸形状とされていることを特徴とする請求項
    1又は2に記載の電子線装置。
  6. 【請求項6】 前記突出形状が半球形状とされているこ
    とを特徴とする請求項5に記載の電子線装置。
  7. 【請求項7】 前記突出形状の中心部位に半球形状の透
    明の絶縁部材が設けられていることを特徴とする請求項
    6に記載の電子線装置。
  8. 【請求項8】 画像を前記第1の基板側で表示する構成
    とされたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項
    に記載の電子線装置。
  9. 【請求項9】 前記電子源は、複数の前記電子放出素子
    が、複数の行方向配線と、複数の列方向配線とによりマ
    トリクス状に結線されていることを特徴とする請求項1
    〜8のいずれか1項に記載の電子線装置。
  10. 【請求項10】 前記電子放出素子は冷陰極素子である
    ことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の
    電子線装置。
  11. 【請求項11】 前記冷陰極素子は、表面伝導型電子放
    出素子であることを特徴とする請求項10に記載の電子
    線装置。
  12. 【請求項12】 複数の前記電子放出素子が複数の行方
    向配線と複数の列方向配線とによりマトリクス状に結線
    されてなる電子源と、 発光体を有し、前記電子源より放出される電子に応じて
    画像を形成する画像形成手段と、 前記電子源と前記発光体との間に電圧を印加して前記電
    子源から放出された電子を前記発光体方向に加速する電
    子加速手段と、 画像信号に応じて前記列方向配線を介して前記冷陰極型
    放出素子を駆動する駆動手段と、 前記駆動手段による駆動に応じて前記行方向配線を順次
    駆動するライン走査手段とを備え、 前記発光体及び前記加速手段が、前記各電子放出素子に
    相対する部位で当該各電子放出素子へ向かって突出した
    形状とされていることを特徴とする画像形成装置。
  13. 【請求項13】 前記突出形状がライン形状とされてい
    ることを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
  14. 【請求項14】 前記発光体が前記突出形状の先端部位
    に設けられていることを特徴とする請求項13に記載の
    画像形成装置。
  15. 【請求項15】 前記突出形状が個々の前記電子放出素
    子に対応した凸形状とされていることを特徴とする請求
    項12に記載の画像形成装置。
  16. 【請求項16】 前記突出形状が半球形状とされている
    ことを特徴とする請求項15に記載の画像形成装置。
  17. 【請求項17】 前記突出形状の中心部位に半球形状の
    透明の絶縁部材が設けられていることを特徴とする請求
    項16に記載の画像形成装置。
  18. 【請求項18】 画像を前記リアプレート側で表示する
    構成とされたことを特徴とする請求項12〜17のいず
    れか1項に記載の画像形成装置。
  19. 【請求項19】 前記リアプレートと前記フェースプレ
    ートとの間に設けられ、前記電子源と前記画像形成領域
    とを所定距離に保持固定する支持部材を備えたことを特
    徴とする請求項12〜18のいずれか1項に記載の画像
    形成装置。
  20. 【請求項20】 複数の電子放出素子を有する電子源を
    備えたリアプレートと、前記各電子放出素子から放出さ
    れた電子が照射され画像を形成する画像形成領域を備え
    たフェースプレートとを対向させて配置してなる画像形
    成装置の製造方法であって、 前記画像形成領域を、前記各電子放出素子に相対する部
    位で当該各電子放出素子へ向かって突出した形状に形成
    することを特徴とする画像形成装置の製造方法。
  21. 【請求項21】 前記突出形状をライン形状することを
    特徴とする請求項20に記載の画像形成装置の製造方
    法。
  22. 【請求項22】 前記突出形状の先端部位に発光体を形
    成することを特徴とする請求項21に記載の画像形成装
    置の製造方法。
  23. 【請求項23】 前記突出形状を個々の前記電子放出素
    子に対応した凸形状とすることを特徴とする請求項20
    に記載の画像形成装置の製造方法。
  24. 【請求項24】 前記突出形状を半球形状とすることを
    特徴とする請求項23に記載の画像形成装置の製造方
    法。
  25. 【請求項25】 前記突出形状の中心部位に半球形状の
    透明の絶縁部材を設けることを特徴とする請求項24に
    記載の画像形成装置の製造方法。
JP2000199296A 2000-06-30 2000-06-30 電子線装置、画像形成装置及びその製造方法 Pending JP2002015686A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000199296A JP2002015686A (ja) 2000-06-30 2000-06-30 電子線装置、画像形成装置及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000199296A JP2002015686A (ja) 2000-06-30 2000-06-30 電子線装置、画像形成装置及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002015686A true JP2002015686A (ja) 2002-01-18

Family

ID=18697335

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000199296A Pending JP2002015686A (ja) 2000-06-30 2000-06-30 電子線装置、画像形成装置及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002015686A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006024461A (ja) * 2004-07-08 2006-01-26 Hidetoshi Saito 高輝度発光装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006024461A (ja) * 2004-07-08 2006-01-26 Hidetoshi Saito 高輝度発光装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3548533B2 (ja) 電子線装置
JP3230735B2 (ja) 画像形成装置及びその駆動方法
JP3073491B2 (ja) 電子線装置とこれを用いた画像形成装置及び電子線装置で用いる部材の製造方法
JP3187367B2 (ja) 電子装置及びそれを用いた画像形成装置
JP3195290B2 (ja) 画像形成装置
JP3305252B2 (ja) 画像形成装置
JP2000311631A (ja) 電子線装置及びスペーサ
US6288485B1 (en) Electron apparatus using electron-emitting device and image forming apparatus
JP3703287B2 (ja) 画像形成装置
JP3466870B2 (ja) 画像形成装置の製造方法
JPH10326579A (ja) 画像形成装置とその製造方法
JP3728055B2 (ja) 画像形成装置及びその駆動方法
JP3302293B2 (ja) 画像形成装置
JP2000235831A (ja) 電子線発生装置および画像形成装置
JP2000311609A (ja) 電子線装置用スペーサ、その製造方法、およびそれを用いた電子線装置
JP2000251785A (ja) 電子線装置、および画像形成装置
JP2002015686A (ja) 電子線装置、画像形成装置及びその製造方法
JP3478706B2 (ja) 電子線装置および画像形成装置
JP2000113804A (ja) 画像表示装置及びそのスペーサの製造方法
JP3667138B2 (ja) 電子線装置
JP2000243319A (ja) 画像形成装置
JP3466848B2 (ja) 画像表示装置
JP2001282178A (ja) 画像形成装置
JP3524418B2 (ja) 電子線発生装置および、該電子線発生装置を用いた画像形成装置
JP2000251709A (ja) 画像形成装置