JP2001194623A - ファイバスタブ型光デバイス及びそれを用いた光モジュール - Google Patents

ファイバスタブ型光デバイス及びそれを用いた光モジュール

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JP2001194623A
JP2001194623A JP2000329632A JP2000329632A JP2001194623A JP 2001194623 A JP2001194623 A JP 2001194623A JP 2000329632 A JP2000329632 A JP 2000329632A JP 2000329632 A JP2000329632 A JP 2000329632A JP 2001194623 A JP2001194623 A JP 2001194623A
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optical
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groove
ferrule
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Yasushi Sato
恭史 佐藤
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Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型でアライメントが容易であり、LDとの
アライメントによって、光アイソレータ部の結合状態が
変化しない、優れたファイバスタブ型光デバイス及びそ
れを用いた光モジュールを提供すること。 【解決手段】 フェルール3に形成した溝7により分断
された2つの貫通孔3a,3aのそれぞれに光ファイバ
5,5を配設し、各光ファイバの一端部を溝7内に突出
させるとともに、各光ファイバの一端部側面を各光ファ
イバを構成するクラッド部より屈折率の高い保護部材1
1で覆い、且つ各光ファイバの一端部どうしを、溝7内
に配設した光アイソレータ2を介して光接続させるファ
イバスタブ型光デバイスS1とした。また、基板14上
に、ファイバスタブ型光デバイスSと、ファイバスタブ
型光デバイスSに光接続させるための受光または発光す
る光素子15を、それぞれ配設して成る光モジュールM
とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信機器,セン
サー等に好適に使用される光モジュールに関する。ま
た、この光モジュールに搭載され、光モジュール外部か
らの反射戻り光を遮断する光アイソレータを内蔵した、
ファイバスタブ型光デバイス及びそれを用いた光モジュ
ールに関する。
【0002】
【従来の技術】光通信の光源に用いられるレーザーダイ
オード(以下、LDともいう)は、出射した光がある箇
所で反射し、再びLDの活性層に戻ると発振状態が乱
れ、出射パワーの変動や波長ずれ等が生じ、これにより
信号が劣化する。
【0003】このような反射戻り光の問題を防止するた
めに、通常、LDは光を一方向のみに透過させる光アイ
ソレータと同じパッケージ内に搭載され、光モジュール
の一種であるLDモジュールを構成している。
【0004】特に、アナログ信号は上記反射戻り光によ
って劣化し易く、また、高密度な信号ほど反射戻り光の
影響を受け易いため、CATV等のアナログ伝送データ
の増加、大容量化、高速化に伴い、光アイソレータは不
可欠な構成要素となってきている。
【0005】以下に、光アイソレータの一般的な動作に
ついて簡単に説明する。図8に示すように、光アイソレ
ータ2は二つの偏光子19A、19Bでファラデー回転
子20を挟むようにして構成されている。このような構
成において、順方向光22はそのまま透過し、逆方向光
25は遮断される。なお、ファラデー回転子20は外部
から磁界を印加することでファラデー効果を得るもの
と、自発磁化により外部磁界なしでファラデー効果を持
つものがあるが、ここでは特に磁界を印加するための磁
石は図示しないものとする。
【0006】次に、従来のLDモジュールの一例につい
て説明する。図12に示すように、LDモジュールJ1
は、パッケージ18内に少なくともLD15、レンズ6
A,6B,光アイソレータ2、シングルモード光ファイ
バ4の一端部等が収納されている。なお、図中16は受
光素子(以下、PDともいう)、17はペルティエクー
ラー、32は光ファイバ余長部を保護するためのラバー
ブーツである。
【0007】LD15から出射された光は、レンズ6A
でコリメートされ光アイソレータ2を通過し、レンズ6
Bで集光されシングルモードファイバ4に入射される。
全体は外部の環境から遮断するためパッケージ18に内
蔵される。レンズ6A,6Bにはボールレンズ,両凸レ
ンズ,非球面レンズ,グレイデッドインデックスレンズ
(以下GRINレンズという)等が用いられる。
【0008】このような光モジュールJ1では、光アイ
ソレータ2,レンズ6A,6B等は独立した部品とし
て、それぞれが別々にホルダーに固定された後にアライ
メントされるので、部品点数が多く調整も煩雑で、大型
化するといった問題があった。
【0009】また、光モジュール全体を小型化し、アラ
イメントを容易にするために、図13に示すように、レ
ンズを用いずコア拡大ファイバを使ってファイバスタブ
に光アイソレータを実装した光デバイスJ2も提案され
ている(特開平10−68909号公報等を参照)。
【0010】光デバイスJ2は、光の結合を向上させる
ために光ファイバのコアを拡大したコア拡大ファイバ5
を用い、反射を防ぐために光軸に対し光アイソレータ2
を斜めに挿入している。また、先球9を中心に保持した
フェルール3に光アイソレータ2が配設され、全体がス
リーブ13内に固定されている。この光デバイスJ2で
は、フェルール3は同軸の精度が高いので軸ずれが生じ
ない。また、光アイソレータ付きのモジュールが光アイ
ソレータの無いモジュールと同等の工数で組み立てが可
能で簡便である。
【0011】このようなコア拡大ファイバは、一般的な
シングルモード光ファイバを局所的に加熱して作られ
る。シングルモード光ファイバを加熱し、コアにドープ
されているGe等のドーパントを拡散させ、ドーパント
の拡散領域を広くするとともに比屈折率差を小さくして
いる。
【0012】光ファイバのコアとクラッドの比屈折率差
が変らないままコア径が大きくなると、シングルモード
条件が崩れマルチモードが励振されてしまう。コア拡大
ファイバの場合は、熱によるドーパントの拡散のため、
コアの拡大と比屈折率差の低下が同時に起こり、自動的
にr×(D)1/2が一定に保たれる。ここで、rは光フ
ァイバのコアの半径、Dはコアとクラッドの比屈折率
差、r×(D)1/2は規格化周波数に比例する量であ
り、これが一定ならばシングルモード条件は保たれる。
【0013】図9にコア拡大ファイバを用いた光結合の
特性を示す。横軸にファイバ間の距離(=コア拡大部に
形成する溝の幅)、縦軸に光の結合損失(回折損失)を
示す。wはそれぞれのモードフィールド径を示し、各曲
線に対応する。なお、光の波長は光通信で一般に使われ
る1.31μmとし、溝(ファイバ間)は空気(屈折率
n=1)で満たされていることとした。
【0014】モードフィールド径が10μmのコアを拡
大していない場合は、ファイバ間距離が70μmで1d
B以上の損失があるのに対し、モードフィールド径が4
0μmの場合は、ファイバ間が800μmでも損失が1
dB以下であることがわかり、明らかに結合特性が改善
されることがわかる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のコア拡
大ファイバには以下のような問題がある。
【0016】・軸ずれに対しトレランスが緩和される利
点があるが、コア径を徐々に拡大していくテーパ部が必
要となる。このテーパ部を作製するためには大きな温度
差が必要で局所加熱しなければならない。
【0017】・テーパ部を含みながら長いコア拡大部を
作製するためには、急激な温度勾配が必要なテーパ部に
均一な温度が必要な長いコア拡大領域を隣接させること
になり、実際には作製が困難である。また、テーパ部の
長さ,角度は制御の難しい温度勾配で決定されてしまう
が、この長さ,角度で損失が変化する。すなわち、テー
パ部を含むコア拡大ファイバの形成は制御が非常に困難
となる。
【0018】・局所的に作製するため効率が悪い。コア
拡大部は数mmであるためデバイス1個につき必ず1回
はこの熱加工が必要になる。電気炉で加熱する場合数時
間から数十時間が必要となる。このように、局所的にひ
とつずつ、長時間かけて作製せざるを得ないことがコア
拡大ファイバの最大の問題点である。
【0019】・光学素子を挿入するための溝を形成する
場合、テーパ部に溝がかかると異なるモードフィールド
径どうしの結合になるため損失が大きくなる。
【0020】・図13に示す例では、フェルール3ごと
コア拡大ファイバ5を分断する溝7を形成している。こ
れは、コア拡大ファイバ5の軸が分断後もずれないとい
うメリットを有するが、以下のような問題がある。
【0021】・フェルールには、通常、耐摩耗性,強
度,精度の点で優れるアルミナやジルコニア等のセラミ
ックスを用いているが、光ファイバと硬度,弾性が著し
く異なるため、セラミックスを切削するブレードではフ
ァイバの切断面は荒れてしまう。端面が荒れると光が散
乱し損失となる。
【0022】・フェルール3内にコア拡大ファイバ5が
完全に埋め込まれているため、ファイバ端面が確認しに
くく組立が難しい。
【0023】・コア拡大ファイバ5の間に挿入する光ア
イソレータ2からの反射がLDに戻らないように、光ア
イソレータ2を傾けて設置している。最も高性能な反射
防止膜でも反射率は0.1%である。dBに換算すれば
反射減衰量30dBに相当する。ここで、反射減衰量と
は、入射した光がデバイス内部から反射光として戻って
くる光量と、入射光量の比の逆数をdBで表わし、この
値が大きいほど戻り光量が少ない。一般に光通信に用い
られ、特にLDに近いデバイスでは反射減衰量が55d
B程度以上要求されるため、反射防止膜のみでは対応で
きない。
【0024】従って、図13に示すように、光アイソレ
ータ2を斜めに設置することにより、僅かに反射した光
もコア拡大ファイバ5の光軸と異なった角度を持つこと
になり、再度、光ファイバのコアに結合して逆方向に伝
搬することを防止する設計となっている。しかし、反射
したあと、一部の光はクラッドに入りクラッド内を伝搬
してLDの方向へ向かうもの(クラッドモードという)
も生じてしまう。
【0025】また、図12に示すように、個々の部品を
大きな空間内で組み立てる場合は、レンズや光アイソレ
ータの間に十分な空間があるため、斜め方向に反射した
光はほとんどLDに戻らないが、小型の部品を集約しか
つファイバに密着したデバイスの場合は、クラッドモー
ドの影響が大きい。
【0026】そこで本発明は、上述の諸問題を解消し、
小型でアライメントが容易であり、LDとのアライメン
トによって、光アイソレータ部の結合状態が変化しな
い、優れたファイバスタブ型光デバイス及びそれを用い
た光モジュールを提供することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のファイバスタブ型光デバイスは、フェルー
ルに貫通孔と該貫通孔を横切る溝を形成し、溝により分
断された2つの貫通孔のそれぞれに光ファイバを配設
し、各光ファイバの一端部を溝内に突出させるととも
に、各光ファイバの一端部側面を各光ファイバを構成す
るクラッド部より屈折率の高い保護部材で覆い、且つ各
光ファイバの一端部どうしを、溝内に配設した光アイソ
レータを介して光接続させるようにした。
【0028】また特に、光ファイバのモードフィールド
径は、光ファイバに光接続させる伝送用シングルモード
ファイバのモードフィールド径より大きいものとする。
【0029】また、光ファイバの少なくとも一方が、シ
ングルモードファイバとモードフィールド径を変換する
ためのグレイデッドインデックスファイバとが縦列に接
続されていることを特徴とする。
【0030】また、少なくとも前記保護部材の周囲が光
吸収性部材で覆われていることを特徴とする。
【0031】また、前記光ファイバのモードフィールド
径は20μm以上とする。
【0032】また、溝内に配設した光アイソレータの光
入出射面は光軸を法線とする面に対して傾斜して設置さ
れているものとする。この傾斜は±4°以内であり、よ
り好適には1.5〜3.5°とする。
【0033】また、光ファイバとフェルールは光硬化性
樹脂で固定され、かつ、フェルールは光硬化性樹脂を硬
化させる波長の光を透過する材質からなるものとする。
すなわち、例えば、石英ガラス、ホウ珪酸ガラス、アル
ミノホウ珪酸ガラス、鉛ガラス等の石英系ガラスからな
る。
【0034】また、本発明の光モジュールは、基板上
に、上記のファイバスタブ型光デバイスと、該ファイバ
スタブ型光デバイスに光接続させるための受光または発
光する光素子を、それぞれ配設して成るものとする。
【0035】また、本発明のファイバスタブ型光デバイ
スは、光ファイバをフェルール内に挿入固定する際に、
少なくともフェルールに形成した溝内に露出した光ファ
イバの外周を光ファイバのクラッドより屈折率の大きい
接着剤で固定し、その後、光ファイバを分断する溝を形
成するとともに、溝内に光アイソレータを固定し、さら
に溝内に光吸収の大きい部材で被覆するようにしてもよ
い。
【0036】また、少なくとも片側のフェルール端部の
光ファイバが気密封止されているようにしてもよい。す
なわち、本発明のファイバスタブ型光デバイスをLDモ
ジュールに設ける場合、少なくとも光入射側か光出射側
のどちらかが気密封止されていれば、モジュール内を外
気と遮断することが可能となり、LDの劣化を極力防止
できる。
【0037】また、光アイソレータは、偏光面が互いに
45度傾いた一対の偏光子の間に偏光面を45度回転さ
せるファラデー回転子を配し一体化して構成される。こ
の場合、ファラデー回転子が自発磁化を有するものであ
れば、ファラデー回転子に磁界を印加する磁石を省くこ
とができる。
【0038】これにより、ファイバスタブ内に光アイソ
レータ等の光素子をほぼアライメントフリーで実装した
コンパクトな構成とすることができ、光ファイバを分断
する際に滑らかな端面を形成するため、散乱損失を防
ぎ、且つ、光ファイバのクラッドを伝わるクラッドモー
ドを除去し、反射減衰量の大きな優れたファイバスタブ
型光デバイスが実現できる。さらに、光素子の結合状態
の安定した光モジュールを容易に構成できる。
【0039】
【発明の実施の形態】以下に本発明に係る実施形態につ
いて模式的にあらわした図面に基づき詳細に説明する。
なお、各図において同一部材については、同一符号を付
し説明を省略するものとする。
【0040】図1(a)に示すように、ファイバスタブ
型光デバイスS1は、フェルール3内に、モードフィー
ルド径を例えば40μm以上に拡大したコア拡大ファイ
バ(光ファイバ)5と、これより小さなモードフィール
ド径(例えば約10μm)を有する伝送用シングルモー
ドファイバ(不図示)に光接続するために、モードフィ
ールドを変換するGI(グレイデッドインデックス)フ
ァイバ8を一端部に収容して成る。
【0041】ここで、溝7により分断された2つの貫通
孔(貫通路)3aのそれぞれにコア拡大ファイバ5,5
を配設し、各コア拡大ファイバ5の一端部を溝7内に突
出させている。そして、各コア拡大ファイバ5の一端部
側面を各コア拡大ファイバ5を構成するクラッド部より
屈折率の高い保護部材11で覆い、各コア拡大ファイバ
5の一端部どうしを、溝7内に配設した光アイソレータ
2を介して光接続させるようにしている。なお、上記の
ようにモードフィールド径を40μm以上に拡大する理
由は、光ファイバ間(溝)に挿入する光学素子として最
も薄い光アイソレータを想定した場合、厚さは700μ
m程度になるため、溝幅は最低でも800〜850μm
は必要であり、1dB以下の損失で接合するためには、
モードフィールド径は40μm必要であるためである。
【0042】また、貫通孔3a内に収容されているコア
拡大ファイバ5の少なくとも一方が、シングルモードフ
ァイバとモードフィールド径を変換するためのGIファ
イバ8とが縦列に接続されているものとする。
【0043】上記コア拡大ファイバ5をフェルール3内
に挿入する前に、予め貫通孔3aを横切る溝7を形成し
た後に、貫通孔3aに挿入固定する。そして、コア拡大
ファイバ5の溝7内の露出部(ファイバ側面)をコア拡
大ファイバ5のクラッド部より屈折率の高い保護部材1
1で覆った後に、溝7の部分で一端部に上記保護部材1
1を設けたコア拡大ファイバ5を分断し、溝7内に形成
された溝10に光アイソレータ2を配設する。
【0044】具体的には、例えば直径1.25mm,長
さ12mm程度のフェルール3の中央部に、フェルール
3の先端面(=光軸を法線とする面にほぼ平行な面)3
bに対し2°の角度で、貫通孔3aを横切るように幅
1.5mm程度の溝7を形成する。
【0045】次に、モードフィールド径が例えば40μ
mで、モードフィールド径が変化しないコア拡大ファイ
バ5と、レンズ効果を持つGIファイバ8を放電により
融着接続し、GIファイバ8の長さが260μmになる
よう研磨して調整する。なお、GIファイバ8は長さ2
60μmで10μmのビームをほぼ40μmに拡大す
る。
【0046】次に、コア拡大ファイバ5とGIファイバ
8を融着したものを貫通孔3aから挿入し、GIファイ
バ8の端面とフェルール3の後端面3cが一致するよう
に固定する。さらに、コア拡大ファイバ5のフェルール
3の先端面3bから突出した部分を切断後、放電や研磨
により先球部9を形成する。さらに、先にフェルール3
に形成した溝7の部分で溝7と平行に(2°の角度)、
幅800μmでコア拡大ファイバ5を分断する溝10を
形成する。
【0047】そして、この溝10内に、偏光子19A,
19Bとファラデー回転子20を一体成形後、切断して
作製した光アイソレータ2を設置するとともに、光アイ
ソレータ2の偏光子19A,19Bの光入出射面とコア
拡大ファイバ5の一端部との間に透光性の接着材21を
設ける。なお、前述のようにここでは磁界印加手段は省
略する。
【0048】一方のコア拡大ファイバ5の先球部9から
入った光は、溝10で光アイソレータ2を通過し、他方
のコア拡大ファイバ5内を伝搬し、GIファイバ8によ
りビーム径を10μmに収束させられ出射する。このフ
ァイバスタブ型光デバイスS1は、後端面3cにおいて
フェルール3と同一形状で、中心部に伝送用のシングル
モード光ファイバを保持したフェルールをもつコネクタ
(図示せず)と接続される。
【0049】ところで、実際にコア拡大ファイバを切削
する場合、ジルコニアのフェルールと同時に加工する
と、例えばダイサーのブレードはDISCO製のSDC
320R10MB01(320番)を用いる必要があ
る。これは硬度が高くより加工が困難なジルコニアに合
わせるためである。
【0050】図9から、理論上はモードフィールド径が
40μmでファイバ間が800μmの場合は、0.7d
B以下の損失が予測されるが、このブレードでコア拡大
ファイバを切断すると、端面の粗さが著しく大きく5d
Bを超えてしまうことが判明した。
【0051】一方、同じくDISCO製のNBC−Z2
050(2000番)を用いれば、損失は1.5dB程
度に抑えることができる。最終的には、溝は屈折率を整
合させた接着材21で充填されるため1dB以下の損失
に抑えることが可能である。
【0052】また、クラッドの側面が空気とやクラッド
より屈折率の低い部材と接触していると、クラッドに漏
れた光はクラッドと外部との境界で反射し、クラッドを
伝搬してしまう。一方、クラッドより屈折率の高い部材
が接触していると光はクラッドの外部に逃げる。従っ
て、コア拡大ファイバ5をフェルール3に固定する場合
は慎重に接着材を選定する必要がある。
【0053】図1から明らかなように、フェルール3に
コア拡大ファイバ5を挿入する前に溝7を形成しようと
すれば、コア拡大ファイバ5の側部が一部露出する。従
って、溝7で露出したコア拡大ファイバ5の側部をクラ
ッドより屈折率の高い接着材の保護部材11で固定して
おき、コア拡大ファイバ5を分断する溝10を形成する
とクラッドモードを除去できる。
【0054】このように、クラッドモードを除去できる
ので、フェルール3とコア拡大ファイバ5の他の接触部
では、任意の特に屈折率よりは熱膨張や硬化後収縮等の
特性に考慮した接着材を選定することができる。
【0055】図10に、斜めに850μm幅の溝を形成
し、厚さ750μmの光アイソレータを挿入した場合
の、コア拡大ファイバの各モードフィールド径における
端面角度(溝角度:光軸を法線とする面に対する角度)
と結合損失の関係を示す。また、図11に、同様に斜め
に幅850μmの溝を形成し、厚さ750μmの光アイ
ソレータを挿入した場合の、コア拡大ファイバの各モー
ドフィールド径における端面角度(溝角度:光軸を法線
とする面に対する角度)と反射減衰量の関係を示す。た
だし、反射減衰量とは、反射後にコアに再結合するもの
をいい、クラッドを伝搬する光、所謂クラッドモードは
含まない。また、光アイソレータとコア拡大ファイバ間
は、屈折率をコア拡大ファイバのコアを整合させた接着
材で充填されているものとする。また、光アイソレータ
表面は反射量0.2%以下の反射防止膜が形成されてい
るものとする。
【0056】図10に示すように、20μm→30μm
→40μmとなるにしたがって結合損失が小さくなり、
溝を斜めに設けても、モードフィールド径が40μmで
角度が2°であれば、1dB以下の損失で結合できるこ
とがわかる。一方、図11からは、モードフィールド径
が大きく、角度が大きいほど反射減衰量が大きくなるこ
とがわかり、モードフィールド径が40μmならば、角
度が2°で70dBの反射減衰量が得られ、十分である
ことがわかる。
【0057】しかし、実際は斜めに設置した光アイソレ
ータ表面から僅かに反射した光がクラッドを伝わってL
Dの方へ戻る可能性があり、実用上は本発明のようにク
ラッドモードの対策をしなければ設計通りの特性は得ら
れない。
【0058】さらに、保護部材の周囲を光吸収部材(例
えばエポキシ樹脂に黒鉛微粒子を30重量%程度分散さ
せたものや、エポキシテクノロジー社製熱硬化型エポキ
シ接着剤エポテックH62等)で覆えば外部に導かれた
クラッドモードの光を吸収することで、完全に影響を除
去することができるため、反射減衰特性が向上する。
【0059】かくして本発明によれば、伝送路中に光学
素子を挿入する構成であっても、ほぼアライメントフリ
ーとなる。また、コア拡大ファイバを用いるが従来より
遥かに簡略な工程、時間で実現可能となる利点はそのま
まに、損失の増大しないファイバ切断加工と反射減衰量
の向上が可能となる。
【0060】また、本発明は光ファイバとフェルールは
光硬化性樹脂で固定され、かつ、フェルールは光硬化性
樹脂を硬化させる波長の光を透過する材質からなるもの
とするすることもできる。この場合具体的にはフェルー
ルは石英ガラス、ホウ珪酸ガラス、アルミノホウ珪酸ガ
ラス、鉛ガラス等の石英系ガラスや透光性アルミナ等を
用い、また光硬化性樹脂は例えば、NTTアドバンストテ
クノロジー社の紫外線硬化型エポキシ接h着剤#953
9、エポキシテクノロジー社の熱硬化型エポキシ接着
剤、エポテックOG125、住友スリーエム製のアクリ
ル系接着剤LIGHT−WELD425等からなること
とする。光硬化性樹脂は短時間に硬化できるため工数を
大幅に短縮させることが可能である。
【0061】なお、本実施形態ではファイバスタブ型光
デバイスとこれにに光接続させるための発光素子(L
D)を設けた光モジュールについて説明したが、発光素
子の代わりに受光素子を設けるようにしてもよく、ま
た、発光素子と受光素子とファイバスタブ型光デバイス
を同一基板上に配設するようにした光モジュールにも適
用可能であることはもちろんである。
【0062】また、ここでは光ファイバを分断する溝内
に特に光アイソレータを用いる例を示したが、波長板や
波長フィルターといった光学素子でも適用できるのは言
うまでもない。これらの光学素子の中には100μm程
度の厚さのものがあるが、その場合はファイバを分断す
る溝幅は150μm程度で良く、モードフィールド径は
20μmで十分である。モードフィールド径を20μm
以上とすることにより実用的に損失の少ないデバイスが
可能である。
【0063】また、アイソレータに限らず、波長板や波
長フィルターも光軸を法線とする面に対し斜めに設置す
る必要がある。図14に一定の反射減衰量(50dB、
および60dB)を得るための、モードフィールド径と
角度の関係を示す。必要十分である反射減衰量60dB
を確保するためにはモードフィールド径20μmでも
3.3°である。角度を大きくすればするほど反射減衰
量は大きくなるが、結合損失は低下し、光学素子も大型
化する必要が生じるため、上限値は光軸を法線とする面
を中心に±4°とするのが良い。図14から明らかなよ
うに、実用的な反射減衰量(50〜60dB)を確保す
る上でより好適な角度範囲は、光軸を法線とする面を中
心に±1.5〜±3.5°である。なお、一般の光ファ
イバの端面は反射を防ぐために斜め研磨されていること
が多いが6〜8°の角度を有している。
【0064】このように、モードフィールド径を20μ
m以上とすることにより上記±4°以内の角度で実用的
な反射減衰量を確保することが可能である。
【0065】
【実施例】以下に、本発明のより具体的な実施例につい
て説明する。
【0066】〔例1〕図2(a),(b)に示すよう
に、直径1.25mm,長さ12mmのジルコニアフェ
ルール3の中央部に、フェルール3の端面に対し2°の
角度で、貫通孔3aを横切るように幅1.5mmの溝7
を形成した。なお、この加工にはDISCO製ダイサー
ブレードSDC320R10MB01を用いた。
【0067】次に、図2(c)に示すように、モードフ
ィールド径が40μmでコアがストレートの(テーパ部
がない)コア拡大ファイバ5とレンズ効果を持つGIフ
ァイバ8を放電により融着接続し、GIファイバは長さ
が260μmになるよう研磨して調整した。なお、GI
ファイバは長さが260μmで10μmのビームをほぼ
40μmに拡大するものである。
【0068】次に、図2(d)に示すように、コア拡大
ファイバ5とGIファイバ8を融着したものを貫通孔3
aから挿入し、GIファイバ8の端面とフェルール3の
後端面3cが一致するように固定し、さらに、コア拡大
ファイバ5のフェルール3の先端面3bから突出した部
分を切断後、放電や研磨により先球部9を形成した。
【0069】さらに、図2(e)に示すように、コア拡
大ファイバ5の溝7内の露出部(光ファイバの露出側
面)にエポキシ系の紫外線硬化型光学接着剤などの接着
材である保護部材11で覆い、溝7の部分で溝7と平行
に(2°の角度)、幅800μmでコア拡大ファイバ5
を分断する溝10を形成した。ここではDISCO製の
ダイサーブレードNBC−Z2050を用いた。
【0070】そして、図2(f)に示すように、この溝
10内において、偏光子19A,19B,ファラデー回
転子20を一体成形後、切断して作製した光アイソレー
タ2を設置した。ここで、コア拡大ファイバ5と屈折率
を整合させた紫外線硬化型接着剤や熱硬化型の接着材2
1で固定した。
【0071】光アイソレータ2は、偏光子19A,19
B(厚さ200μm、屈折率1.5)、ファラデー回転
子20(磁性ガーネット、厚さ350μm、屈折率2.
2)から成り、各々の光透過面は反射防止膜を形成した
後に、エポキシ系の透光性の接着剤で接合されている。
なお、光アイソレータ2は10mm角以上の大型の素子
で一括アライメントを行い接着した後に、400μm角
に切断されている。厚さは750μmとなる。また、こ
こでは自発磁化型のガーネットを用いるため磁石は不要
である。
【0072】なお、本発明のファイバスタブ型光デバイ
スにおいては、LDモジュールに実装する際に、LD側
のコア拡大ファイバの端面は、反射を防ぎ結合効率も同
時に向上させるため先球部9としている。また、光モジ
ュールの設計によっては、図1(b)に示すように、L
D、コア拡大ファイバ結合用のレンズ6Cをレンズホル
ダー12に固定し、フェルール3の先端面3bに設けた
ファイバスタブ型光デバイスS2としてもよい。
【0073】なお、フェルール3内に、コア拡大ファイ
バ5、GIファイバ8を固定し、溝10を形成した後に
アイソレータ2を挿入、固定する工程については、前記
図1(a)と同一である。この場合、LD(図示せず)
とコア拡大ファイバ5の結合に最適なレンズを選択する
ことが可能なのでさらに効率が向上する。
【0074】〔例2〕上記例1のファイバスタブ型光デ
バイスにおいて、GIファイバ8の後端にさらに伝送用
のシングルモードファイバ4を接続し、フェルール3に
内蔵して成る構成のファイバスタブ型光デバイスS3と
した。
【0075】図3に示すように、コア拡大ファイバ5に
GIファイバ8を融着接続し、GIファイバ8の長さを
260μmに調整した後、伝送用シングルモードファイ
バ4を融着接続した。
【0076】このファイバは予め幅1.5mmでフェル
ール3の端面に対し2度の角度をもつ溝7が形成された
フェルール3に挿入固定し、上記例1と同様にして、さ
らにコア拡大ファイバ5を分断する溝10を幅800μ
mに形成し、偏光子19A,19B,ファラデー回転子
20を一体化した光アイソレータ2を溝10に例1と同
様にして設置固定し、ファイバスタブ型光デバイスS3
を構成した。なお、例1と同様にLDとの結合効率を高
めるため、コア拡大ファイバ5の端部は先球9に放電ま
たは研磨により形成した。
【0077】このファイバスタブ型光デバイスS3は、
後端面3cにおいてフェルール3と同一形状で、中心部
に伝送用のシングルモード光ファイバを保持したフェル
ールをもつコネクタ(図示せず)と接続される。GIフ
ァイバ8と伝送用シングルモードファイバ4が融着され
フェルール3の中に保持されているため、外部のコネク
タとの接続は同一の伝送用シングルモードファイバどう
しの結合になる。これにより、GIファイバと伝送用シ
ングルモードファイバが着脱の境界面になる例1よりも
接続特性は安定する。
【0078】〔例3〕例1,例2のファイバスタブ型光
デバイスにおいて、反射減衰量を向上させるため以下の
ようなファイバスタブ型光デバイスS4とした。
【0079】この作製方法について図2を用いて説明す
る。直径1.25mm,長さ12mmのジルコニアフェ
ルール3の中央部に、フェルール3の端面に対し2度の
角度で、貫通孔3aを横切るように幅1.5mmの溝7
を形成した。なお、加工にはDISCO製ダイサーブレ
ードSDC320R10MB01を用いた。
【0080】次に、モードフィールド径が40μmでコ
アがストレートのコア拡大ファイバ5とレンズ効果を持
つGIファイバ8を放電により融着接続し、GIファイ
バは長さが260μmに成るよう研磨して調整した。な
お、GIファイバは長さが260μmで10μmのビー
ムをほぼ40μmに拡大するものとした。
【0081】コア拡大ファイバ5とGIファイバ8を融
着したものを貫通孔3aから挿入し、GIファイバ8の
端面とフェルール3の後端面3cが一致するように固定
する場合に、溝7においてコア拡大ファイバ5が露出し
た部分に、屈折率がクラッドより大きな接着材、すなわ
ち、エポキシ系の紫外線硬化型接着剤などの保護部材1
1で被覆固定した。また、貫通孔3a内部は硬化収縮等
の少ない別の接着材を用いた。
【0082】さらに、コア拡大ファイバ5のフェルール
3の先端面3bから突出した部分を切断後、放電や研磨
により先球部9を形成した。先にフェルール3に形成し
た溝7の部分で溝7と平行に(2度の角度)、幅800
μmでコア拡大ファイバ5を分断する溝10を形成し
た。ここではDISCO製のダイサーブレードNBC−
Z2050を用いた。
【0083】そして、この溝10内に、偏光子19A,
19Bとファラデー回転子20を一体成形後、切断して
作製した光アイソレータ2を設置した。ここではコア拡
大ファイバ5と屈折率を整合させたエポキシ系の紫外線
硬化型接着剤等で固定した。
【0084】図4にこの溝7の近傍を拡大した図を示
す。コア拡大ファイバ5の外周はクラッド24より屈折
率の高い接着材の保護部材11で覆われているため、ク
ラッド24に漏れた光は外部に向かって放射される。コ
ア拡大ファイバ5の間には光アイソレータ2が固定さ
れ、コア拡大ファイバ5との間隙には、コア拡大ファイ
バ5と屈折率を整合させた接着材21が充填されてい
る。なお、23はコアを示す。
【0085】〔例4〕例3において、光アイソレータ2
を固定した後に、溝7全体を光吸収性部材で覆えば、ク
ラッドから外部に向かって放射された光が予期しない箇
所で反射し迷光に成ることを防ぐことができる。それに
加え光結合部全体が覆われる構造になるために信頼性が
向上する。
【0086】図5はこのようにして構成したファイバス
タブ型光デバイスS5における溝7近傍の拡大図であ
る。コア拡大ファイバ5のクラッド24の外周は、例3
と同様にクラッド24より屈折率の高い紫外線硬化型接
着剤である保護部材11で覆われ、また、コア拡大ファ
イバ5の間には光アイソレータ2が固定され、コア拡大
ファイバ5との間隙には、コア拡大ファイバ5と屈折率
を整合させた接着材21が充填されている。さらに、光
アイソレータ2を含む全体が光吸収性部材27で覆われ
ている。
【0087】〔例5〕例1,例2のファイバスタブ型光
デバイスにおいて、作製工程を簡略化するためファイバ
スタブ型光デバイスS3とした。
【0088】この作製方法について図2を用いて説明す
る。直径1.25mm,長さ12mmの石英ガラス製フ
ェルール3の中央部に、フェルール3の端面に対し2度
の角度で、貫通孔3aを横切るように幅1.5mmの溝
7を形成した。なお、加工にはDISCO製ダイサーブ
レードNBC−Z2050を用いた。
【0089】次に、モードフィールド径が40μmでコ
アがストレートのコア拡大ファイバ5とレンズ効果を持
つGIファイバ8を放電により融着接続し、GIファイ
バは長さが260μmに成るよう研磨して調整した。な
お、GIファイバは長さが260μmで10μmのビー
ムをほぼ40μmに拡大するものとした。
【0090】フェルール3の貫通孔3a内に光硬化性樹
脂、例えばダイキン工業製、紫外線硬化接着剤オプトダ
イン(TM)を塗布し、コア拡大ファイバ5とGIファ
イバ8を融着したものに、同じくオプトダインを塗布し
貫通孔3aに挿入した。さらに、GIファイバ8の端面
とフェルール3の後端面3cが一致するように固定しU
V光を2分照射し硬化させた。またさらに、溝7におい
てもコア拡大ファイバ5が露出した部分に、屈折率がク
ラッドより大きな接着材、すなわち、エポキシ系の紫外
線硬化型接着剤などの保護部材11で被覆固定した。
【0091】そして、コア拡大ファイバ5のフェルール
3の先端面3bから突出した部分を切断後、放電や研磨
により先球部9を形成した。先にフェルール3に形成し
た溝7の部分で溝7と平行に(2°の角度)、幅800
μmでコア拡大ファイバ5を分断する溝10を形成し
た。ここではDISCO製のダイサーブレードNBC−
Z2050を用いた。
【0092】そして、この溝10内に、偏光子19A,
19Bとファラデー回転子20を一体成形後、切断して
作製した光アイソレータ2を設置した。ここではコア拡
大ファイバ5と屈折率を整合させたエポキシ系の紫外線
硬化型接着剤等で固定した。透光性の材質でフェルール
を形成したため、光硬化性樹脂にてフェルール、光ファ
イバの固定が可能になり、熱硬化型樹脂による固定に比
べ大幅に工数が短縮できる。
【0093】図4にこの溝7の近傍を拡大した図を示
す。コア拡大ファイバ5の外周はクラッド24より屈折
率の高い接着材の保護部材11で覆われているため、ク
ラッド24に漏れた光は外部に向かって放射される。コ
ア拡大ファイバ5の間には光アイソレータ2が固定さ
れ、コア拡大ファイバ5との間隙には、コア拡大ファイ
バ5と屈折率を整合させた接着材21が充填されてい
る。なお、23はコアを示す。また、石英ガラスをフェ
ルールに用いた場合、その機械的特性は光ファイバとほ
とんど同一のため、予め溝7を設けることなく、ファイ
バをフェルール3に接着後、フェルールごと分断しても
良い。この場合はDISCO製のダイサーブレードNB
C−Z2050を用いることが可能である。
【0094】〔例6〕図6に示すファイバスタブ型光デ
バイスS6は、例1〜4におけるファイバスタブ型光デ
バイスにおいて、フェルール3の先端面3bを気密封止
したものである。フェルール3の先端面3bに、接合剤
充填用の窪み26を形成し、コア拡大ファイバ5とGI
ファイバ8を融着接続した後、貫通孔3aに挿入して固
定する際、窪み26に低融点ガラス28(またはハン
ダ)を配設し加熱溶融させた。
【0095】なお、ハンダの場合は超音波ハンダ付けと
いう方法があり、表面に金属めっきが施されていない場
合でもガラス、セラミックスに直接ハンダ付けが可能で
ある。これにより、フェルール3の先端面3bは無機質
の接合材にて気密封止される。溝7においては気密接合
の後に、例3や例4のように紫外線硬化型接着剤で固定
すればよい。コア拡大ファイバ5に挟まれ固定される光
アイソレータ2の接合も、例1〜4に準ずる。
【0096】これにより、本発明のファイバスタブ型光
デバイスを実装し、光モジュールを形成する場合、ファ
イバスタブ型光デバイス部からの外気の侵入が無い。ま
た、長期間に渡っては接着剤からガスが発生する懸念が
あるが、フェルール3の先端面3bで気密が確保されて
いるため、モジュール内のLDに影響を与える心配が無
い。
【0097】〔例7〕上記例1〜5で形成したファイバ
スタブ型光デバイスを用いてLDモジュールMを構成し
た例を図7に示す。基板であるSiプラットフォーム1
4のV型の溝に、LD側端面を先球ファイバにしたファ
イバスタブ型光デバイスSを固定した。Siプラットフ
ォーム14をペルティエクーラー17に載置することに
より、LD15は一定の温度に保持され安定した状態で
動作した。PD16は光強度を安定化するためにLD1
5の光をモニターする。スリーブ13は外部からコネク
タ(図示せず)を嵌合し光結合させる。全体はパッケー
ジ18内に気密封止されている。
【0098】以上のような構成により、LD15と先球
ファイバをアライメントするだけで、LDモジュールの
光学的調整は全て完了する。また、光学系の全てがフェ
ルール3内にあるため、小型化を図ることができ、極め
て安定し経時変化が少ないLDモジュールが提供でき
た。
【0099】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のファイバ
スタブ型光デバイス及び光モジュールによれば、以下の
顕著な効果を奏することができる。
【0100】・ファイバスタブ型光デバイス自体の作製
は、GIファイバとコア拡大ファイバの接続部の調整の
みでよく、後の光アイソレータの挿入はほぼアライメン
トフリーで行うことができる。さらに、光アイソレータ
を挿入する前に光結合系のみを組み立てておくことが可
能であり、大幅な工程の低減が可能である。
【0101】・光ファイバとしてコア拡大ファイバを用
いる場合、そのテーパ部を不要とする(ストレートであ
る)ため、コア拡大ファイバ作製時に厳密な温度勾配の
制御が不要な上に、一括して大量のファイバスタブ型光
デバイスを作製することが可能である。
【0102】・コア拡大ファイバのテーパ部が不要であ
るため、テーパ部長さ,テーパ角等の特性に大きな影響
を与えるパラメータの部品毎の変動を考慮する必要が無
くなり、信頼性の高いファイバスタブ型光デバイスを提
供できる。
【0103】・分断された光ファイバに挿入する素子を
斜めに設置することにより、反射減衰量を大きくするこ
とができる。また素子の角度を4度以内に最適化するこ
とで、実用上十分な反射減衰量を確保しながら挿入損失
の低い構造とすることが可能になる。
【0104】・フェルールの溝加工とコア拡大ファイバ
の切断加工を分け、それぞれ最適なブレードを用いるこ
とができるため、コア拡大ファイバの面荒れによる損失
の増大を最低限に抑えることができ、信頼性の高いファ
イバスタブ型光デバイスを提供できる。
【0105】・フェルール溝加工とコア拡大ファイバ切
断加工を分けることで、フェルール溝内に露出したコア
拡大ファイバの側部を利用し、クラッドモードを除去す
ることができ、これにより反射減衰量の大きな優れた特
性のファイバスタブ型光デバイスを提供できる。
【0106】・保護部材を光吸収性部材で覆うことによ
り、クラッドモードを吸収することが可能で反射減衰特
性が更に向上する。
【0107】・透光性のある材質でフェルールを構成す
ることにより、ほぼ全ての固定が光硬化性樹脂で行うこ
とができ、大幅に工程の短縮化が可能になる。さらに石
英ガラス、ホウ珪酸ガラスに代表される石英系のガラス
をフェルールに使用すれば、前記の様に光硬化性樹脂で
組み立てできることに加え、光ファイバと同様の機械的
性質を示すため、2段階に溝を形成する必要がなく、同
一のブレードで一度に溝加工が可能になり、さらに工数
が低減できる。
【0108】・小型で作製容易、安価で経時変化の少な
い優れたLDモジュールを提供することができる。
【0109】・ファイバスタブ型光デバイスとLDの位
置関係が変動しても、ファイバスタブ内の光結合状態は
変化しない優れた光モジュールを提供できる。
【0110】・LDとファイバスタブ型光デバイスの位
置調整のみでLDモジュールの光学調整が可能であり、
組み立てが容易なLDモジュールを提供できる。
【0111】・気密封止が容易で確実に行うことがで
き、信頼性の高い光モジュールを提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(b)は、本発明に係るファイバスタ
ブ型光デバイスを模式的に説明する断面図である。
【図2】(a)〜(f)は本発明に係るファイバスタブ
型光デバイスの作製工程を模式的に説明する断面図であ
る。
【図3】本発明に係るファイバスタブ型光デバイスの実
施例を模式的に示す断面図である。
【図4】本発明に係るファイバスタブ型光デバイスの実
施例を模式的に示す断面図である。
【図5】本発明に係るファイバスタブ型光デバイスの実
施例を模式的に示す断面図である。
【図6】本発明に係るファイバスタブ型光デバイスの実
施例を模式的に示す断面図である。
【図7】本発明に係る光モジュールを模式的に説明する
ための断面図である。
【図8】光アイソレータの動作を模式的に説明する斜視
図である。
【図9】コア拡大ファイバの対向間隔と回折損失の関係
を示す線図である。
【図10】コア拡大ファイバ間の溝、及び光アイソレー
タを斜めに設置した場合の、斜め角度と損失の関係を示
す線図である。
【図11】コア拡大ファイバ間の溝及び光アイソレータ
を斜めに設置した場合の、端面角度と反射減衰量の関係
を示す線図である。
【図12】従来の光モジュールを説明する一部断面図で
ある。
【図13】従来のコア拡大ファイバに光アイソレータを
実装したデバイスを説明する断面図である。
【図14】一定の反射減衰量を得るためのモードフィー
ルド径と光学素子の斜め設置角度の関係を示す線図であ
る。
【符号の説明】
2:光アイソレータ 3:フェルール 3a:貫通孔 4:シングルモードファイバ 5:コア拡大ファイバ(光ファイバ) 6A,6B,6C:レンズ 7,10:溝 8:GI(グレイデッドインデックス)ファイバ 9:先球 11:保護部材 13:スリーブ 14:Siプラットフォーム(基板) 15:LD(発光素子) 16:PD(受光素子) 17:ペルティエクーラー 18:パッケージ 19A,19B:偏光子 20:ファラデー回転子 21:接着材 22:順方向入射光 23:コア 24:クラッド 25:逆方向入射光 26:窪み 27:光吸収性部材 32:ラバーブーツ M:LDモジュール(光モジュール) S1,S2、S3,S4,S5,S6:ファイバスタブ
型光デバイス

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェルールに貫通孔と該貫通孔を横切る
    溝を形成し、前記溝により分断された2つの貫通孔のそ
    れぞれに光ファイバを配設し、各光ファイバの一端部を
    前記溝内に突出させるとともに、前記各光ファイバの一
    端部側面を各光ファイバを構成するクラッド部より屈折
    率の高い保護部材で覆い、且つ前記各光ファイバの一端
    部どうしを、前記溝内に配設した光アイソレータを介し
    て光接続させるようにしたファイバスタブ型光デバイ
    ス。
  2. 【請求項2】 前記光ファイバのモードフィールド径
    は、前記光ファイバに光接続させる伝送用シングルモー
    ドファイバのモードフィールド径より大きいことを特徴
    とする請求項1に記載のファイバスタブ型光デバイス。
  3. 【請求項3】 前記光ファイバの少なくとも一方が、シ
    ングルモードファイバとモードフィールド径を変換する
    ためのグレイデッドインデックスファイバとが縦列に接
    続されていることを特徴とする請求項1に記載のファイ
    バスタブ型光デバイス。
  4. 【請求項4】 少なくとも前記保護部材の周囲が光吸収
    性部材で覆われていることを特徴とする請求項1に記載
    のファイバスタブ型光デバイス。
  5. 【請求項5】 前記光アイソレータの光入出射面は、光
    軸を法線とする面を中心にして±4°以内に傾斜してい
    ることを特徴とする請求項1に記載のファイバスタブ型
    光デバイス。
  6. 【請求項6】 前記フェルールの貫通孔と前記光ファイ
    バの側面との間に、前記フェルールを透過する光で硬化
    する光硬化性樹脂を介在させたことを特徴とする請求項
    1に記載のファイバスタブ型光デバイス。
  7. 【請求項7】 基板上に、請求項1乃至6に記載のいず
    れかのファイバスタブ型光デバイスと、該ファイバスタ
    ブ型光デバイスに光接続させるための受光または発光す
    る光素子を、それぞれ配設して成る光モジュール。
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