JP2010224520A - 光アイソレータ - Google Patents

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Abstract

【課題】光通信用パッケージ内に設置される光アイソレータを小型でアイソレーション特性に優れるものを提供する。
【解決手段】本発明の光アイソレータは、少なくとも1つの偏光子1a,1bと少なくとも1つのファラデー回転子2とを有し、偏光子1a,1bの光透過面およびファラデー回転子2の光透過面同士が対向させて固定されている光アイソレータ素子Aと、ファラデー回転子2の光透過面の周囲に配置され、ファラデー回転子2に磁力を印加するための磁石5と、光アイソレータ素子Aと磁石5との間に空隙を有するように光アイソレータ素子Aの一側面と磁石5の一側面とを固定する固定部材4と、空隙に充填された遮光用の弾性体8とを備えることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は光通信モジュールに使用される光アイソレータに関するものである。
半導体レーザを備えた光モジュールの一種である光トランシーバは、光通信ネットワークを構築する上で必須となる部品である。しかし、近年の情報伝送容量の増加に伴い、光トランシーバに対しても通信速度を高速化する要求が高まっている。光トランシーバの通信速度を高速化するには、そこに用いられる半導体レーザの変調速度を高速化し、かつ安定した発振特性を得られるようにしなければならない。ところが、半導体レーザの出射端から反射戻り光が入射すると、半導体レーザの発振特性が不安定になってしまう。そこで、高速変調特性を得るために光通信経路上に光アイソレータを挿入し、この経路からの反射戻り光を抑制する方法が採られる場合がある。
一般的な偏波依存型の光アイソレータは、偏光子、ファラデー回転子、検光子、およびファラデー回転子に磁界を印加するマグネットにより構成される。光アイソレータに求められるアイソレーション特性は、反射戻り光をどれだけ遮断できるかの目安となる。より高いアイソレーション特性を得るためには、偏光子と検光子との偏波角度を所定角度に合わせ、かつそれらの位置を保たなければならない。
従来の光アイソレータは、例えば偏光子、ファラデー回転子、検光子を貼り合わせ、ダイシング等により円形や四角形に切断した光アイソレータ本体が、軸方向に内孔を有する筒状の金属ホルダの内孔内に半田、低融点ガラス、接着剤等の接合剤を介して固定されている。その後、金属ホルダを例えばYAG溶接や接着剤を使用して光通信経路内に固定することにより用いられている。
近年、光通信用パッケージの中に光アイソレータを設置することを目的として、図5に示すような光アイソレータが開発されている。図5(a)は光アイソレータの平面図、図5(b)は光アイソレータの正面図を示す。光アイソレータは、偏光子101a、ファラデー回転子102、検光子101bの順に固定した光アイソレータ素子Aと直方体の永久磁石103を基板104上にそれぞれ接合して固定する構造になっている(たとえば特許文献1参照)。
光アイソレータ素子Aの大きさは、光アイソレータを通過する光がけられないようにするために、通過する光ビームのビーム径よりも大きくしてある。光のビーム径とは、通過する光ビームが光軸位置において最大の光強度を有するガウシアンビームとしたとき、その周囲において光強度が1/eの大きさとなる範囲を径で示したものであり、スポットサイズとも呼ばれる。ただし、スポットサイズ内には光のパワーは全体の86.5%しか含まれていない。従って、仮に光アイソレータ素子Aが通過する光のスポットサイズと同一の円形である場合は、13.5%の光が失われて素子の外側を通過し、損失となってしまう。よって、光アイソレータ素子Aの大きさは、通常、通過する光のスポットサイズの1.2倍(94.4%)〜1.5倍(98.9%)の大きさに設定される。
特開平10−227996
図5に示す光アイソレータのように光アイソレータ素子Aの周りが開放されているタイプの場合、通過する光のスポットサイズの1.2倍〜1.5倍の大きさの光アイソレータ素子Aであれば透過率は94.4%〜98.8%となる。この透過率は、順方向に透過する透過光に対しては実用上問題ないとしても、逆方向の遮光すべき光に対しては問題となってしまう。例えば計算の簡略化のために、光アイソレータ素子Aを通過する光のスポットサイズの1.2倍の円形の素子Aとした場合、遮断すべき光の94.4%は光アイソレータ素子A内を通過して遮断されるが、残りの5.6%(12.5dB)は素子の外側を通過して反射戻り光となってしまうという問題があった。このように、光アイソレータ素子Aだけで十分なアイソレーション特性を得るためには、スポットサイズの2倍以上の光アイソレータ素子Aサイズが必要となり、大型化に加えて非常に高価になってしまうという問題があった。
したがって、上記問題点に鑑み、本発明は、光通信用パッケージ内に設置される光アイソレータを小型でアイソレーション特性に優れるものとすることを目的とする。
本発明の一実施形態に係る光アイソレータは、少なくとも1つの偏光子と少なくとも1つのファラデー回転子とを有し、前記偏光子の光透過面および前記ファラデー回転子の光透過面同士が対向させて固定されている光アイソレータ素子と、前記ファラデー回転子の前記光透過面の周囲に配置され、前記ファラデー回転子に磁力を印加するための磁石と、前記光アイソレータ素子と前記磁石との間に空隙を有するように前記光アイソレータ素子の前記光透過面を取り囲む一側面と前記磁石の一側面とを固定する固定部材と、前記空隙に充填された遮光用の弾性体とを備えることを特徴とする。
また、上記光アイソレータにおいて、前記遮光用の弾性体は、光透過率が5%以下であるのが好ましい。
前記固定部材は、入射偏波方向もしくは出射偏波方向を示す平面部を有するのが好ましい。
さらに、前記固定部材は、前記磁石と一体化された磁石から成ることが好ましい。
加えて、前記固定部材は、中央部に前記光アイソレータ素子幅よりも小さい幅の突出部を有し、前記光アイソレータ素子が前記突出部に固定されていることが好ましい。
また、前記弾性体は、吸水率1%以上を有しているのが好ましい。
前記偏光子は吸収型であり、前記弾性体は、熱伝導率1W/mK以上であるのが好ましい。
前記弾性体は、前記光アイソレータ素子と前記磁石との間の空隙、および前記磁石または前記固定部材が配置されない側の前記光アイソレータの側面に配置され、前記光アイソレータ素子の周囲を取り囲むように形成されるのが好ましい。
本発明の光アイソレータは、光アイソレータ素子と磁石との間に空隙を有するように光アイソレータ素子の光透過面を取り囲む一側面と磁石の一側面とを固定する固定部材と、その空隙に充填された遮光用の弾性体とを備えることにより、反射戻り光が光アイソレータ素子の周囲をスルーしてしまうことが無く、十分なアイソレーション特性を得ることができる。
本発明の光アイソレータの実施の形態の一例を示し、(a)は平面図、(b)は正面図である。 本発明の光アイソレータの実施の形態の他の例を示すものであり、(a)は平面図、(b)は正面図である。 本発明の光アイソレータの実施形態の他の例を示すものであり、(a)は平面図、(b)は正面図である。 本発明の光アイソレータの実施形態のさらに他の例を示すものであり、(a)は平面図、(b)は正面図である。 従来の光アイソレータの例を示すものであり、(a)は平面図、(b)は正面図である。
以下、本発明の実施の形態の各例について、図面に基づいて説明する。
本発明の一実施形態に係る光アイソレータは、図1(a),図1(b)に示すように、偏光子1a、ファラデー回転子2および偏光子1bの光透過面同士が対向させて固定された光アイソレータ素子Aを備えている。なお、図1(a)に示す光軸Bに対して直交する面が偏光子1a,1bおよびファラデー回転子2の光透過面である。
固定部材4は平板状であり、底面は平面部4aとされているのが好ましい。光アイソレータ素子Aの光透過面を取り囲む側面には、両側に直方体形状の磁石5が配置されている。この磁石5によって生じる磁界がファラデー回転子2に印加される。また、磁石5と光アイソレータ素子Aとの間には空隙が設けられている。そして、光アイソレータ素子Aの光透過面を取り囲む一側面と固定部材4とは、接着剤6を介して固定され、磁石5の一側面と固定部材4とは接着剤7を介して固定されている。また、光アイソレータ素子Aと磁石5との間の空隙には遮光用の弾性体8が充填されている。
光アイソレータ素子Aは、偏光子1aとファラデー回転子2と偏光子1bとが順に、例えば、接着剤3によって固定されている。偏光子1a,1bは、光透過面から入射する所定角度の偏波方向を有する光を選択的に透過する機能を有する。偏波依存型光アイソレータにおいては偏光子1aの透過偏波方向と偏光子1bの透過偏波方向とは互いに所定角度、例えば45°光軸の回りに回転させて接着されている。
偏光子1a,1bとしては、例えばガラス基板に誘電体粒子を内包するタイプや誘電体積層タイプなどの透過偏光方向と直交する偏光成分を吸収するものや、回折格子などを利用する反射型のものなどを用いることができる。
ファラデー回転子2は、磁界を印加することにより、入射される光の偏波方向を回転させる機能を担う部材であり、たとえばTbまたはGdまたはHoを添加したビスマス置換ガーネット材やYIGガーネット材により構成される。ファラデー回転子2の光軸B方向の厚さは、入射される光の偏波方向が例えば45°回転するように設定される。
接着剤3には光通信に使用される波長1200〜1700nmにおいて光学的に十分透明であるものが用いられる。また、これらの波長帯の光に対して屈折率など特性が実質的に変化しないものが選ばれる。また、線膨張係数については偏光子1a,1bおよびファラデー回転子2の線膨張係数を勘案する必要があるが、少なくともいずれかの材料の線膨張係数の±50%範囲にすることにより、硬化収縮や周囲温度の変化による膨張または収縮の大きさによる接着力の信頼性を保つことができる。
光アイソレータ素子Aは、大きいサイズの偏光子基板とファラデー回転子基板とを偏光面を所定のものに合わせ、光学接着剤3によってその光透過面同士を接着し、この接合体をダイシングにより所望のサイズに切り出すことにより作製される。そのため、接着剤3は接着位置による硬化のむらが起こりにくい熱硬化型であることが望ましい。
固定部材4は光通信用パッケージとの固定方法により様々な材料が用いられる。例えばYAG溶接を用いて固定する場合はステンレス、銅、鉄またはニッケル等を、半田を用いて固定する場合はこれらの材料に加えてセラミックも使える。半田を用いて固定する際は、接合表面にニッケルメッキや金メッキなどの処理が予め施される。接着剤を用いて固定する場合は、これら材料に加えてプラスチックが使用される場合もある。
固定部材4に光アイソレータ素子Aを固定する接着剤6は光学的に透明である必要はないが、線膨張係数については偏光子1a,1bおよびファラデー回転子2に加えて固定部材4の線膨張係数を勘案する必要がある。少なくともいずれかの材料の線膨張係数の±50%範囲内のものにすることにより、硬化収縮や周囲温度の変化による膨張または収縮の大きさに伴う信頼性を保つことができる。
固定部材4の平面部4aは、光アイソレータ素子Aの入射偏波方向もしくは出射偏波方向に対して所定の角度にしておくのが好ましい。例えば、半導体レーザから出射する光の偏波方向が光アイソレータが固定される基板(不図示)に対して平行である場合、入射偏波方向と平面部4aが平行になるように光アイソレータ素子Aを固定しておけば、光アイソレータを基板に搭載するだけで半導体レーザから出射する光を透過させる方向に取り付けることができる。また別の例として、光アイソレータを通過した光が偏光依存性を持つ機能素子に入射する場合に、その機能素子の入射偏波方向が光アイソレータが固定される基板に対して平行である場合、光アイソレータの出射偏波方向と平面部4aが平行になるように光アイソレータ素子Aを固定しておけばよい。このように、平面部4aが光アイソレータの入射偏波方向もしくは出射偏波方向を示すようにしておくことにより、光パッケージ内に搭載する際の光アイソレータの回転調心を不要とし、搭載方法や精度を向上させることができる。
磁石3は、ファラデー回転子2に磁界を印加するための部材であり、光軸B方向に磁界が形成されるように光アイソレータ素子Aの両側に配置されている。ファラデー回転子2は種類に応じて必要な飽和磁界が異なるため、例えば飽和磁界強度が小さく、ひとつの磁石で十分な飽和磁界強度が得られる場合は一方側の磁石5のみとしても構わない。
固定部材4に磁石5を固定する接着剤7も光学的に透明である必要はない。磁石5には2つの磁石5の磁極が同じ方向を向いて近接して配置されるため非常に強い反発力が働いている。接着剤7には、この反発力以上の接着強度を有することが求められる。また、磁石5の両側からチャックするような生産設備が使われることも多く、一般的にせん断強度1kg以上の強度のものが用いられる。
光アイソレータにおける接着力の信頼性は、接着剤3,6,7を上述の内容に従って選定することにより得られるため、光アイソレータ素子Aと磁石5との空隙に充填される弾性体8は遮光性を優先して選択することが可能となる。
光アイソレータに求められるアイソレーション特性は、一般的に低いものでも20〜30dB程度、高い場合は50〜60dBである。光アイソレータ素子Aの大きさを、例えば、光アイソレータ素子Aを通過する光のスポットサイズの1.2倍の円形とすると、弾性体8が遮断すべき光アイソレータ素子A周囲の光は5.6%(ビーム強度全体の12.5dBの光強度に相当)であり、20dB以上のアイソレーション特性を得るための弾性体8の透過率は5%以下でなければならない。
なお、透過率は必要となる厚みの弾性体に遮光したい波長の光を入射させ、入射した光の量に対して透過した光の量の割合を測定することによって求めることができる。
弾性体8の光軸B方向の厚みについては、所望の透過率を得られる範囲で適度なものに設定して構わない。なお、弾性体8の材料はシリコーンゴムやシリコーン接着剤など、温度変化によって膨張収縮した場合でも、光アイソレータ素子Aや磁石5に応力を与えないものが望ましい。ただし、光アイソレータは気密封止されたパッケージ内に配置されるため、シリコーン系を使用する場合は低分子シロキ酸の発生を抑制したものを使用するのが好ましい。あるいはアウトガス対策のために近年ではウレタン系の材料も好適に使用することができる。これら弾性材料には、カーボン,セラミック,金属,染料等の遮光材を加えて透過率を調整する。
また弾性体8には同時に吸湿性を持たせるのが好ましい。高信頼性を要求される半導体レーザは、水分や酸素によって劣化し、半導体レーザモジュールの信頼性を低下させてしまう場合があるが、これを防ぐように機能させることができる。吸湿性を持たせた場合、例えば、光アイソレータ素子Aに用いられる接着剤3、接着剤6、および接着剤7から放出される水分を吸収することが可能となる。
接着剤3,6,7は光通信用部品に要求される高温高湿試験85℃−85%の環境下での吸水率として規定され、これらの接着剤3,6,7の吸水率は凡そ1%である。ここで、吸水率とはある環境下で飽和するまで水分を吸収させた後の樹脂の重量をN1とし、次にその樹脂を乾燥させた後の重量をW2とし、乾燥により減少した分の重量を(N1−N2)とすると、(N1−N2)/N1で定義される。弾性体8の体積は、接着剤3,6,7の体積の総和よりも大きいので、接着剤3,6,7の吸水率よりも大きい吸収率を有すれば良い。よって、接着剤3,6,7の吸水率である1%以上の吸水率を持たせるのが好ましく、少なくとも接着剤3,6,7から発生した水分を吸収することが可能となる。
弾性体8に吸湿性を持たせる方法としては、例えば酸化カルシウム,酸化バリウム,酸化アルミニウム,塩化カルシウム、塩化マグネシウム,硫酸カルシウム,硫酸マグネシウム,または五酸化二リン等の吸湿性を有する物質を弾性体8に含ませることによって実現することができる。なお、吸湿する変わりに吸着する機能を有する物質、例えば、ゼオライト,シリカゲル,多孔質ガラス,または多孔質セラミックのように表面に微細孔をもつ物質でもよく、同様の効果を得ることができる。
さらに、弾性体8に金,銀,銅,ニッケル,アルミ,またはセラミック等の粉末を混合してもよい。これにより、弾性体8の遮光性とともに熱伝導性を高めることができる。偏光子1a,1bとしてガラス基板に金属粒子を内包した吸収型偏光子を使用した場合、反射戻り光のパワーが大きくなると、偏光子1a,1bに含まれる金属粒子が光を吸収し、発熱も大きくなる。発生した熱は熱伝導によって拡散されるが、熱伝導率のよい弾性体8を用いることによって冷却効果を高めることができる。そのため、弾性体の熱伝導率は1W/mK以上にするのが好ましい。また、弾性体8は、少なくとも光アイソレータ素子A中で最も発熱する偏光子1aまたは1bの周囲に配置するのが好ましい。
例えば、約100μmのスポット径で100mW程度の光を吸収型偏光子が吸収した場合、わずか数秒で耐熱温度である400℃を越すような温度となってしまうことがある。そのため、偏光子1a,1bの周囲に熱伝導率の高い物質を配置することが好ましい。なお、磁石5の熱伝導率は12W/mK程度なので、光アイソレータ素子Aと磁石5の間に充填した弾性体8の熱伝導率を少なくとも1W/mK以上にすれば、偏光子の温度上昇を緩和することが可能となる。これにより、戻り光のパワーが大きくても十分耐えうる光アイソレータを提供することが可能となる。
なお、熱伝導率とは厚さ1mの板の両面に1Kの温度差があるとき、その板の面積1mの面を通して1秒間に流れる熱量(W)で表わされる。
ただし弾性体8に強磁性の金属材料を使用すると、弾性体8は磁石5とファラデー回転子2との間に配置されているため、弾性体8によって磁石5の磁界が乱されてしまい、本来ファラデー回転子2に印加されるべき磁力が低下、もしくは方向が変化する可能性がある。よって、強磁性体材料を混合する場合はファラデー回転子2に印加されるべき磁力が確保されるような混合率等に調整する必要がある。これを回避するためには非磁性体材料を弾性体8に混合することが望ましい。
このように、光アイソレータ素子Aの周囲を取り囲むように遮光性の弾性体8が配置されるため、光アイソレータ素子Aの周囲を通過するビームスポットの外側の反射戻り光を遮断することができ、アイソレーション特性を向上させることができる。しかも、弾性体8は吸湿性および熱伝導性においても良好なものとすることができ、これによって小型で信頼性の高い光アイソレータを提供することができる。
例えば、上記で、光アイソレータ素子Aをスポットサイズの1.2倍とする例を示したが、1.5倍にした場合でも、1.1%(19.5dB)の反射戻り光が素子の外側を通過するため、相当量のアイソレーション特性を改善できるとともに、光アイソレータ素子Aの大型化を避けることができる。
図2は本発明の他の実施形態に係る光アイソレータを示す正面図及び上面図である。本実施形態に係る光アイソレータは、固定部材4と磁石5を一体化したもので、凹型に形成した磁石9に光アイソレータ素子Aが接着剤10により固定されている点が図1に示す実施形態と異なる。固定部材4と磁石5とを一体化させて固定部材4を磁石9によって形成することにより、接着剤7を磁石同士の反発力や磁石の両側からチャックする場合の強度を考慮して選定する必要があったものが不要となり、かつ接着する工程も不要となるため、安価で信頼性の高い光アイソレータを提供することが可能となる。
図3は、本発明のさらに他の実施形態に係る光アイソレータを示す正面図及び上面図である。本実施形態に係る光アイソレータは、固定部材4の中央部に光アイソレータ素子Aの幅W1よりも小さい幅W2の突出部4bが光軸Bに沿って平行に形成されている。光アイソレータ素子Aはこの突出部4bに接着剤6によって固定され、直方体の磁石5は、光アイソレータ素子Aと磁石5との間に空隙を有するように、光アイソレータ素子Aの両側に接着剤7によって固定される。そして、その空隙に遮光用の弾性体8が充填されている。
固定部材4に形成されている突出部4bの幅W2は、固定される光アイソレータ素子Aの幅W1よりも小さくなっている。突出部4bの幅が光アイソレータ素子Aの幅以上であるか、もしくは突出部4bが形成されていない場合は、光アイソレータ素子Aの側面と固定部材4との間に接着剤6のメニスカスが形成され易い。このような接着剤6のメニスカスは、接着剤6が硬化収縮を生じたり温度変化による膨張収縮を起こしたりした際、接着面以外の方向からの圧縮や引っ張り応力を生じてしまい、最悪の場合、接着剤6が剥離して素子が脱落してしまう場合がある。
固定部材4に固定される光アイソレータ素子Aの幅W1よりも小さい幅W2の突出部4bを形成することにより、例えメニスカスが形成されたとしても光アイソレータ素子Aの接着面と同一面内で収まるため、応力の方向が一方向になり、接着剤6の剥離は発生し難い。よって、光アイソレータ素子Aを信頼性よく固定することが可能である。
なお、図1〜図3に示す光アイソレータの例では、弾性体8は光アイソレータ素子Aの両側に配置される例を示したが、光アイソレータ素子Aの上面にも弾性体8を配置してよいことは言うまでもない。また、2個の磁石5を光アイソレータ素子Aの両側にそれぞれ配置する例を示したが、光アイソレータの両側および上面を覆うコ字状の形状としてもよい。
図4(a),図4(b)は、それぞれ弾性体8を光アイソレータ素子Aの両側および上面に配置した例を示す光アイソレータの平面図および正面図である。図3に示す光アイソレータの弾性体8をコ字状の形状に成型した弾性体8とした点で図3と異なる。光アイソレータ素子Aと磁石5との間に形成される空隙を弾性体8で埋めるとともに、固定部材4や磁石5が配置されていない光アイソレータ素子Aの上側側面の方にも弾性体8が配置される。弾性体8によって光アイソレータ素子Aの周囲を取り囲むように遮光されることによって、光アイソレータのアイソレーションの劣化を防ぐことができる。
この場合、弾性体8の光アイソレータ素子Aと磁石5との間の空隙(隙間)を埋める部分の厚みを隙間の厚みより厚くしておくことにより、弾性体8を挿入したときに光アイソレータ素子Aと磁石5との間の隙間を完全に埋めることができる。また、弾性体8には、光アイソレータ素子Aの下面に回りこむような突起8aを固定部材4と接触する側に形成し、突起8aの先端が突出部4bに接触するようにしておくとよい。これにより、成型した弾性体8を光アイソレータ素子Aと磁石5との間の空隙に挿入した場合でも、弾性体8をより強固に固定することが可能となる。
また、図4(a)において、偏光子1bが高強度の反射戻り光を吸収することを想定し、偏光子1bの周囲に弾性体8を配置している。ただし、透過光の強度が強く偏光子1aでも発熱が懸念される場合は偏光子1aの周囲にも弾性体8を配置しても良い。
以上、本発明の具体的な実施形態を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の思想から逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。
1a,1b:偏光子
2:ファラデー回転子
3,6,7,10:接着剤
4:固定部材
4a:平面部
4b:突出部
5,9:磁石
8:弾性体

Claims (8)

  1. 少なくとも1つの偏光子と少なくとも1つのファラデー回転子とを有し、前記偏光子の光透過面および前記ファラデー回転子の光透過面同士が対向させて固定されている光アイソレータ素子と、
    前記ファラデー回転子の前記光透過面の周囲に配置され、前記ファラデー回転子に磁力を印加するための磁石と、
    前記光アイソレータ素子と前記磁石との間に空隙を有するように前記光アイソレータ素子の前記光透過面を取り囲む一側面と前記磁石の一側面とを固定する固定部材と、
    前記空隙に充填された遮光用の弾性体と
    を備える光アイソレータ。
  2. 前記遮光用の弾性体は、光透過率が5%以下であることを特徴とする請求項1記載の光アイソレータ。
  3. 前記固定部材は、入射偏波方向もしくは出射偏波方向を示す平面部を有することを特徴とする請求項1または2記載の光アイソレータ。
  4. 前記固定部材は、前記磁石と一体化された磁石から成ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の光アイソレータ。
  5. 前記固定部材は、中央部に前記光アイソレータ素子幅よりも小さい幅の突出部を有し、前記光アイソレータ素子が前記突出部に固定されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の光アイソレータ。
  6. 前記弾性体は、吸水率1%以上を有していることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の光アイソレータ。
  7. 前記偏光子は吸収型であり、前記弾性体は、熱伝導率1W/mK以上であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の光アイソレータ。
  8. 前記弾性体は、前記光アイソレータ素子と前記磁石との間の空隙、および前記磁石または前記固定部材が配置されない側の前記光アイソレータの側面に配置され、前記光アイソレータ素子の周囲を取り囲むように形成されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の光アイソレータ。
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