JP2001193724A - 吸盤及び吸盤装着物及び吸盤離脱部材 - Google Patents

吸盤及び吸盤装着物及び吸盤離脱部材

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JP2001193724A
JP2001193724A JP2000002151A JP2000002151A JP2001193724A JP 2001193724 A JP2001193724 A JP 2001193724A JP 2000002151 A JP2000002151 A JP 2000002151A JP 2000002151 A JP2000002151 A JP 2000002151A JP 2001193724 A JP2001193724 A JP 2001193724A
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suction cup
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Setsu Akiyama
節 秋山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 直接指で触らなくても簡単に外せる吸盤を提
供することである。 【解決手段】 吸着部28の端部12に吸盤離脱部材1
4が連結されており、この吸盤離脱部材14と吸着面1
8との接触部を支点、吸着離脱部材14と端部12との
連結部42を荷重点、吸着離脱部材14の一端22を力
点とした梃の原理による力を受けて、吸着部28の端部
12が吸着面18から引き離されるように構成された吸
盤10とされることである。そして特に、支点となる凸
部16が吸着離脱部材14の側部に設けられることであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は吸盤の離脱方法に関
し、さらに詳しくは、離脱部材を吸盤端部に連結して梃
の原理を応用し、吸盤に直接触れないでも、容易に吸着
面から離脱させられる吸盤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、吸盤は多くの用途で広く使用
されてきた。吸盤は滑らかな面でありさえすれば使用で
き、水平面にでも垂直面にでも簡単に固定できるので非
常に便利である。しかしながら、柔らかい材質のため傷
付きやいという問題や、外観が冷たく凹凸があってスマ
−トでない等々の問題があった。
【0003】これらの問題は、吸盤全面を覆うカバ−を
被せれば一応解決されるが、新たに吸盤離脱の対策が必
要になる。すなわち、従来行ってきた、指による吸着部
内の真空解放が、カバ−に邪魔されて指先が挿入できず
吸盤に触れなくなるため実行できなくなり、吸盤を離脱
させられなくなってしまうからである。
【0004】吸盤の端部を直接指で触れて変形させなけ
れば離脱させられないために、従来の吸盤では多くの用
途展開が阻まれてきた。例えば、大面積のディスプレ−
用平板を2個以上の吸盤で取り付けても、平板裏にある
吸盤に指が届かないため取り外すことができないことに
なり、結局使用できなかった。あるいは、自動車の窓ガ
ラスに取り付けて使用するサンシェ−ド等の取り外しで
も、サンシェ−ドと窓ガラス間の狭い隙間に指を差し込
んで吸盤端部を摘むのが非常に面倒であった。このた
め、吸盤に触れることをあきらめ、サンシェ−ド等を直
接掴んで引っ張り、無理やり引き剥がすことになってし
まい、サンシェ−ド等が破損するトラブルが多発してい
た。あるいはまた、摘み上げるための突起が端部に設け
られ吸盤もあるが、ヒケなどを生じて吸盤性能が損なわ
れる恐れがあるため、大きな突起にするのが難しかっ
た。このため、摘みにくくて不便であり、特に、高齢者
や身体障害者向けの商品開発が妨げられていた。
【0005】したがって、直接指を触れなくても容易に
離脱させられる吸盤の開発が強く期待され、幾つかの提
案が成されてきた。例えば、実開平1−102510、
実開平2−14819、実開平5−14620、実開平
6−85924などは、いずれも吸盤の中央部に外部と
つながる細孔を設け、これを開閉することで吸盤の離脱
を行うことを提案している。しかしながら、開閉機構の
磨耗の問題や外観上の問題が十分に解決されていない。
また、特開平4−92108と実出平6−7431は、
吸盤を引き上げて離脱することを提案しているが、機構
が複雑であることや、製作コストが高くなることなどの
ため実用化が阻まれている。
【0006】一方、従来の一般的に市販されている吸盤
の端に引上げ用部材を連結し、これを引っ張り上げるこ
とにより吸盤端部を吸着面から離し、吸盤を離脱させる
手段が提案され一部に実用化されている。例えば図17
に示されるように、吸着部110の端部102に棒状又
は紐状の引上げ用部材104が連結される。そして、こ
の引上げ用部材104を、吸盤100によって固定され
る被固定物106に設けられた貫通孔108に通して矢
印の向きに引っ張れば、端部102は吸着面111から
離され、吸着部110内の真空状態が解放されて吸盤1
00は吸着面111から離脱させられる。本例の離脱方
法によれば、吸盤の全面がカバーなどで覆われていて
も、吸盤に直接触れることなく吸着面から離脱させられ
るが、カバーなどの被固定物に貫通孔を開けなければな
らず、外観の面でもコストの面でも実用上の制約が多
い。
【0007】これに対し、本発明者は、吸盤に直接触れ
なくても吸着面から離脱させることのできる別の方法を
先に提案した(特開平9−210042)。図18に示
される吸盤100はその一例である。被固定物106を
吸着面111に沿って矢印の方向にずらせ、中央柱状部
112を傾斜させれば、中央柱状部分112に取り付け
られている変位伝達部材114も傾き、変位伝達部材1
14の先端部が上方に引き上げられるので、変位伝達部
材114の先端に連結された吸着部110の端部102
が捲られて開き、吸着部110内の真空状態が解放され
て吸盤100が離脱することになる。
【0008】本提案によれば、カバーなどの被固定物の
形状がまったく制約されずに自由に選択されるので、非
常に優れた外観とすることができる。また、吸盤に直接
触れないで、外側の、大きな被固定物を動かして吸盤を
外すことになるので、高齢者や身体障害者でも簡単に外
せるようになる。また、被固定物の吸着面に沿った平行
移動で離脱させられるので、被固定物に装着された2個
以上の吸盤を同時に離脱させることができ、数個の吸盤
を用いて固定された平板の離脱などに特に有用である。
しかしながら、被固定物が柔らかくて比較的弱い材質の
場合には、吸盤を離脱させるための力を被固定物に加え
るのが、実用上難しいことがあった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の如き
実情に対処し、直接指を触れないでも離脱できる吸盤で
あって、吸盤によって固定されてる物が比較的弱い材質
であっても、この被固定物を傷めることなく容易に離脱
できる吸盤を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる吸盤の要
旨とするところは、吸着部端部に吸盤離脱部材が連結さ
れており、この吸盤離脱部材と吸着面との接触部を支
点、吸盤離脱部材と吸着部端部との連結部を荷重点、吸
盤離脱部材の一端を力点とした梃の原理による力を受け
て、吸着部端部が吸着面から引き離されるように構成さ
れたことにある。
【0011】さらに、かかる吸盤において、吸盤離脱部
材の側部の一部が凸とされており、この凸部が支点とし
て機能することにある。
【0012】さらにまた、かかる吸盤において、前記凸
部が、荷重点として機能する前記連結部と、力点として
機能する前記吸盤離脱部材の一端との間に設けられたこ
とにある。
【0013】また、本発明に係わる吸盤装着物の要旨と
するところは、上記した各種の吸盤が装着されていて、
吸盤に直接指を触れないでも、吸盤離脱部材を用いて梃
の原理を応用し、簡単に吸着面から離脱させられる吸盤
装着物とされたことにある。
【0014】また、本発明に係わる吸盤装着物の別の要
旨とするところは、吸盤本体部と吸盤離脱部材とからな
る吸盤と、被固定物とで構成される複合体であって、吸
着部端部に連結された吸盤離脱部材が、被固定物に回動
自在に支持される支持部を支点、吸着部端部との連結部
を荷重点、その一端を力点とした梃の原理による力を受
けて、吸着部端部を吸着面から引き離すように構成され
たことにある。
【0015】また、本発明に係わる吸盤離脱部材の要旨
は、吸着部端部に連結されて、吸盤を吸着面から容易に
離脱させるための部材であって、その一端を力点、吸着
面との接触部を支点、吸着部端部との連結部を荷重点と
する梃の原理に基づき、吸着部端部を吸着面から引き離
すように機能する吸盤離脱部材とされたことにある。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、本発明に関わる吸盤及び吸
盤装着物及び吸盤離脱部材の実施の形態について図面に
基づいて詳しく説明する。
【0017】図1は、吸着状態にある本発明の吸盤の一
例を示している。背面に被固定物20が固定された吸盤
本体部11の吸着部28の端部12には、略棒状の吸盤
離脱部材14が、吸着部28から離れる方向に伸びて連
結されている。そして、吸盤離脱部材14の中程には凸
部16が設けられていて吸着面18と接している。
【0018】また、図2は、図1に示される吸着状態か
ら、吸盤10を離脱させる仕組みを説明するものであ
る。すなわち、吸盤離脱部材14の、吸着部28から遠
い方の一端22を指先24で吸着面18側に押し下げる
と、凸部16が支点となって、吸盤離脱部材の他の一端
26が吸着面18から離れる方向に動き、一端26と連
結された吸着部28の端部12が引き上げられる。そし
て、吸着部28内の真空状態が解放されることになっ
て、吸盤10が吸着面18から離脱させられる。
【0019】本吸盤によれば、吸盤本体部11に直接触
れずに離脱できるので、被固定物20やカバーで吸盤本
体部11全面を覆い隠すことができ、優れた外観のデザ
インが可能になる。また、被固定物20に触れずに外せ
るので、強度が小さくて柔らかい布類や紙類などを固定
する場合に特に適している。また、吸盤本体部11は特
別仕様である必要がなく、吸盤離脱部材14が連結され
るための突起などが予め設けられた従来の汎用吸盤を使
用できるため、コストが低減されるメリットがある。
【0020】図3は、本発明でいう梃の原理を説明する
ものである。すなわち、同図(a)に示される梃36で
は、支点30が荷重点32と力点34との間にあり、同
図(b)に示される梃37では、荷重点32が支点30
と力点34との間にある。そして、どちらの場合も、力
点34の変位量H1と荷重点32の変位量H2との比
は、力点34と支点30間の距離Llと、荷重点32と
支点30間の距離L2との比に等しくなる。
【0021】図1、図2に例示される吸盤10では、前
者の梃の原理が利用されていて、吸盤離脱部材14の、
支点30となる凸部16が、荷重点32となる一端26
と力点34となる他の一端22との間に設けられてい
る。本形態の梃の利用においては、一端22が力点34
として機能し始める前に、すでに支点30が吸着面18
に接していなければならず、吸盤離脱部材14の中ほど
に、支点30として機能する凸部16を設けることが必
須の条件となる。
【0022】一方、後者の梃の原理の利用においては、
凸部16が必ずしも必要でない。図4に示される吸盤1
0では、丸棒状の吸盤離脱部材14が、その中間部で吸
着部28の端部12と連結されていて、吸盤離脱部材1
4の一端22を引き上げて吸着面18から離していく
と、他の一端26は吸着面18に近付き接するようにな
る。そして、さらに一端22を引き上げれば、他の一端
26が支点となって、吸着部28の端部12との連結部
が荷重点となり、端部12が引き上げられて、吸盤10
が離脱する。
【0023】すなわち、本例の吸盤10では、凸部16
が設けられていない吸盤離脱部材14を用いながら、梃
の原理が応用されて離脱されている。しかしながら、本
例の梃の利用方法においても、凸部16が設けられるの
が好ましい。図4(b)に示されるように、一端26が
支点として機能するまでには、一端22をH11だけ引
き上げて、一端26を、吸着面18と接する距離H3だ
け下げなければならない。距離H3に相当する高さの凸
部が吸着面18に接して一端26に設けられれば、一端
22をH11動かす無駄が省かれ、一端22を引き上げ
ると直ちに梃の原理が作用し、吸着部28の端部12が
引き上げられ、吸盤10を速やかに離脱させられる効果
がある。
【0024】図3を用いて説明したように、梃の原理の
利用は二つの形態で行われるが、同図(a)に示された
形態、すなわち、支点30が荷重点32と力点34との
間にある形態が有利である。どちらの形態でも、力点3
4の変位量H1と荷重点32の変位量H2との比は、力
点34と支点30間の距離Llと、荷重点32と支点3
0間の距離L2との比に等しくなり、距離L2をできる
だけ長くして変位量H2を大きくするのが好ましいが、
荷重点32が支点30と力点34との間にある形態で
は、距離L2をいくら長くしても距離Llを越えること
はできず、H2をH1より大きくできないという限界が
ある。一方、支点30が荷重点32と力点34との間に
ある形態では、距離L2を長くする、すなわち、支点3
0をできるだけ力点34に近付けることによって距離L
2/距離Llを1より大きくすることが可能であり、H
2をH1より大きくして、力点34となる、吸盤離脱部
材14の一端22をわずかに動かすだけで、吸盤10を
速やかに離脱させることができるようになる。
【0025】吸盤離脱部材14の形状は、梃として機能
する剛性が維持され、吸着部28の端部12との連結が
可能とされた形状であればよく特に限定されない。例え
ば、図5(a)に示されるように丸棒状であってもよい
し、同図(b)に示されるように角棒状とされてもよ
い。あるいは、同図(c)に示されるように、角棒状の
端部22を偏平にして、指で押さえやすい形状とされて
もよい。これらの図では、吸着部28の端部12との連
結部の詳細が省略されている。
【0026】また、吸盤離脱部材14に設けられる凸部
16の形状も特に限定されない。図6(a)に示される
ように、吸盤離脱部材14と等しい幅の枕状突起として
設けられてもよいし、同図(b)に示されるように、枕
状に幅広い突起とされて、吸着面と安定に接するように
されてもよい。あるいは、同図(c)に示されるよう
に、略三角形の板状の吸盤離脱部材14とされ、その角
部分を凸部16として利用してもよい。同図(d)に示
される凸部16は、吸盤離脱部材14を囲むリング状の
突起とされていて、吸盤離脱部材14が回転しても常に
吸着面と同じ状態で接することができる。
【0027】また、凸部16は突起として設けられるこ
とに限らず、図7に例示されるように、金属などからな
る棒状の吸盤離脱部材14を曲げて形成することもでき
る。同図に示される吸盤離脱部材14では、吸盤離脱部
材14が緩やかに曲げられて円弧状の滑らかな凸部16
が形成されている。
【0028】図8は、吸盤離脱部材14の一端26を支
点として利用する吸盤10において、一端26を吸着面
18と接するように曲げて凸部16を形成し、吸盤離脱
部材14の他の一端22を引上げれば直ちに吸着部28
の端部12も引き上げられるようにされた例である。
【0029】吸着部28の端部12と吸盤離脱部材14
との連結手段も特に限定されないが、端部12を吸着面
18から離す力に耐えるだけの連結強さが必要であ
る。。図9は、吸着部28の端部12に設けられたリン
グ状の突起38のリング内に、吸盤離脱部材14の一部
39を挿入することによりを連結する例を示している。
【0030】また、図10に示す連結例では、吸盤部2
8の端部12に設けられた、先端が広がる突起38を、
吸盤離脱部材14の先端が囲むことによって連結してい
る。これらの連結例では、吸着部28(吸盤本体部1
1)と吸盤離脱部材14とを一体的に成形することもで
きるし、両者を別々に成形しておいてから組み付けても
よい。後者の場合、先端部が左右に開く構造の吸盤離脱
部材14とすれば、突起38を挟んで容易に連結するこ
とができる。吸着部28の端部12と吸盤離脱部材14
とを連結する方法は、これらの例に限らず種々の手段が
選択されるが、吸盤部28の端部12に設けられた突起
38を利用して吸盤離脱部材14を連結する場合には、
突起38が受ける連結応力によって吸着部28が変形
し、その吸着機能が損なわれることのないように十分留
意しなければならない。
【0031】吸盤離脱部材14には、梃として機能する
剛性が必要であり、高弾性で柔軟な吸着部28とは材質
が異なる。したがって、本発明の吸盤10は少なくとも
2種類の材料から構成される。一般に、吸盤本体部11
は射出成形されるため、本発明の吸盤10も射出成形さ
れるのが好ましく、吸盤本体部11と吸盤離脱部材14
との材質を異にした二成分成形、又は、インサート成形
によって一体的に製作されるのが好ましい。あるいは、
吸盤本体部11に吸盤離脱部材14を取り付けることに
よって製作することができるが、コストの上昇を避ける
ため、吸盤本体部11は市販されてる汎用品であること
が望ましい。図9及び図10に例示された吸盤本体部1
1は、市販されていて容易に入手できるものである。
【0032】図11は、荷重点が支点と力点との間にあ
る梃の形態を利用する吸盤10に関し、吸盤離脱部材1
4が吸着部28の端部12に確実に連結されるための工
夫を示している。すなわち、吸盤離脱部材14に設けた
2個の鍔状突起46で、吸盤離脱部材14が挿入された
吸着部端部12のリング状突起44を挟み込むことによ
り、吸盤離脱部材14の左右の動きを抑制している。
【0033】図12は、本発明に用いられる吸盤本体部
11の一例を示し、吸盤本体部11には、中央円柱状部
48に貫通孔50が設けられている。また、図13に示
される吸盤本体部11には、中央円柱状部48に環状溝
52が設けられており、図14に示される吸盤本体部1
1には、中央柱状部48の頭部に円孔54が開口してい
る。そして、図15に示される吸盤本体部11は両面吸
盤である。これら吸盤本体部11と吸盤離脱部材14と
が最も適切な手段で連結されて、本発明の吸盤10が構
成される。
【0034】本発明の吸盤10が装着された吸盤装着物
は、吸盤本体部11全面を覆い隠して自由なデザインの
外観とされても、必要な時に、吸盤離脱部材14を操作
して容易に吸着面から外すことができる。また、比較的
強度が小さくて柔らかい布類や紙類などが覆う場合で
も、これらを損傷することなく容易に吸着面から外すこ
とができる。また、吸盤本体部11に従来の汎用吸盤を
使用できるため、コストが低減される長所がある。
【0035】図16は、梃の原理を利用して離脱される
吸盤装着物の別の例を示す。被固定物56の裏面に設け
られた支持部58に、吸盤離脱部材14の中ほどの屈曲
部60が回動自在に固定されていて、その一端26が吸
着部28の端部12に連結されている。吸盤離脱部材1
4の他の一端22を、矢印の向きに吸着面18側に押し
下げると、支持部58が支点となって、吸着部28の端
部12に連結された吸盤離脱部材14の一端26が引き
上げられ、吸着部28内の真空状体が解放され、吸盤装
着物62は吸着面18から離脱する。
【0036】本発明の吸盤装着物62では、吸着面18
からの離脱を、吸盤離脱部材14の一端22を操作する
ことによって行う。このため、吸盤離脱部材14の一端
22を指で触れるスペースが確保されていなければなら
ない。被固定物56と吸盤離脱部材14との間隔が十分
広くて指先が容易に挿入できる場合は、吸盤全面が隠れ
るように覆う被固定物56を設けてもよいが、狭くて指
先を挿入できない場合には、図1、図2に示されるよう
に、被固定物56(20)の下から、吸盤離脱部材14
の一端22が露出するように構成される。
【0037】本発明の吸盤は、既存の市販されている吸
盤を吸盤本体部として用い、吸盤離脱部材を付加して組
み付けるだけでも製作可能である。したがって、吸盤離
脱部材単独でも、その潜在する価値は非常に大きく、製
品又は商品として十分に利用されるものである。
【0038】本発明で用いられる吸盤本体部11や吸盤
離脱部材14の材質は特に限定されない。吸盤本体部1
1の材質には、塩化ビニル、酢酸ビニル、ポリウレタン
等々の通常吸盤の材料として用いられている軟質で高弾
性の樹脂が用いられる。また、吸盤離脱部材14の材質
には、ポリプロピレン、ABS樹脂等々の硬質の汎用樹
脂や金属などが好ましく用いられる。プラスチックから
なる吸盤本体部11や吸盤離脱部材14の成形は射出成
形が好ましく、それぞれ別に製作してから組み付けても
良いし、異材質射出成形で一体的に成形することもでき
る。金属の吸盤離脱部材14が用いられる場合にはイン
サート成形されてもよい。吸着部28の端部12と吸盤
離脱部材14との連結部分で、いわゆるヒケと呼ばれる
凹部が発生しないように十分注意しなければならない。
【0039】以上、本発明の吸盤、吸盤装着物、吸盤離
脱部材について詳細に説明してきたが、本発明は、上述
の引用・例示に限定されず、吸盤本体部や吸盤離脱部材
の材質や形状、吸盤本体部と吸盤離脱部材との連結方
法、吸盤の装着方法、吸盤装着物の構成などにつき、そ
の趣旨を逸脱しない範囲内で、種々なる改良、修正、変
化を加えた態様で実施し得るものである。
【0040】
【発明の効果】本発明に係わる吸盤によれば、従来の吸
盤のように、吸盤の端を捲ったり、小さな突起を苦労し
て摘んで引っ張ったりしなくてもよくなり、吸盤離脱部
材の端を1本の指先で軽く押すだけで簡単に外せるの
で、健常者はもとより、特に、高齢者や障害者にとって
大変便利になる。また、吸盤本体部には、吸盤離脱部材
が連結されるための突起などが予め設けられた従来の汎
用吸盤を使用できるため、コストが著しく低減されるメ
リットがある。
【0041】特に、吸盤離脱部材の側部に凸部が設けら
れれば、この凸部を、梃の支点として吸着面に予め接触
させておき、力点となる吸盤離脱部材の一端の動きを、
荷重点となる吸着部端部に直ち伝達できるようになるの
で、吸盤を速やかに離脱できるようになる。
【0042】また特に、上記の、梃の支点として機能す
る凸部が、吸着部端部との連結部と、梃の力点として機
能する吸盤離脱部材の一端との間に設けられれば、力点
となる吸盤離脱部材の一端の動きを拡大して吸着部端部
に伝達できるようになるので、吸盤の離脱をさらに速め
ることができる。
【0043】また、本発明に係わる吸盤装着物によれ
ば、吸盤本体部に直接触らなくても離脱させられる吸盤
を装着しているので、被固定物やカバーで吸盤本体部全
面を覆い隠すことができ、優れた外観が得られる。ま
た、被固定物に触れずに外せるので、強度が小さくて柔
らかい布類や紙類などが被固定物であっても、これらを
傷めることがない。
【0044】また、本発明に係わる吸盤離脱部材によれ
ば、吸盤本体部と連結するだけで、簡単に離脱させられ
る吸盤を製作できるので大変便利である。特に、市販の
汎用吸盤を吸盤本体部として用いることにより、低コス
トの吸盤を製作できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる吸盤の一例を示す側面図であ
る。
【図2】本発明に係わり、図1に示される吸盤の離脱機
構を模式的に説明する側面図である。
【図3】本発明に係わり、梃の原理を説明する模式図で
あり、同図(a)は支点が中間にある形態、同図(b)
は支点が端にある形態を示す。
【図4】本発明に係わる吸盤の他の一例を示し、同図
(a)は上面図、同図(b)は側面図である。
【図5】本発明に係わり、吸盤離脱部材の形状例を示す
斜視図であり、同図(a)は丸棒状、同図(b)は角柱
状、同図(c)は一端が偏平の角柱状の例である。
【図6】本発明に係わり、吸盤離脱部材に設けられる凸
部の形状例を示す斜視図であり、同図(a)は短い枕
状、同図(b)は長い枕状、同図(c)は三角板の角、
同図(d)は環状の例である。
【図7】本発明に係わり、吸盤離脱部材に設けられる凸
部の他の形状例を示す側面図である。
【図8】本発明に係わる吸盤の他の一例を示す側面図で
ある。
【図9】本発明に係わり、吸着部と吸盤離脱部材との連
結部の一例を拡大して説明する模式図であり、同図
(a)は側面図、同図(b)は平面図である。
【図10】本発明に係わり、吸着部と吸盤離脱部材との
連結部の他の一例を拡大して説明する模式図であり、同
図(a)は側面図、同図(b)は平面図である。
【図11】本発明に係わり、吸着部と吸盤離脱部材との
連結部の他の一例を拡大して説明する平面図である。
【図12】本発明に係わり、吸盤本体部の一例を示し、
同図(a)は側面図、同図(b)は上面図である。
【図13】本発明に係わり、吸盤本体部の他の一例を示
し、同図(a)は側面図、同図(b)は上面図である。
【図14】本発明に係わり、吸盤本体部の他の一例を示
し、同図(a)は側面図、同図(b)は上面図である。
【図15】本発明に係わり、吸盤本体部の他の一例を示
し、同図(a)は側面図、同図(b)は上面図である。
【図16】本発明に係わる吸盤装着物の一例を示す側面
図である。
【図17】従来例に係わる吸盤の一例を示す側面図であ
る。
【図18】従来例に係わる吸盤の他の一例を示す側面図
である。
【符号の説明】
10、100:吸盤 11:吸盤本体部 12、102:端部 14:吸盤離脱部材 16:凸部 18、111:吸着面 20、56、106:被固定物 22、26:一端 24:指先 28、110:吸着部 30:支点 32:荷重点 34:力点 36、37:梃 38、116:突起 39:吸盤離脱部材の一部 42:連結部 44:リング状突起 46:鍔状突起 48、112:中央柱状部 50、108:貫通孔 52:環状溝 54:円孔 58:支持部 60:屈曲部 62:吸盤装着物 104:引き上げ用部材 114:変位伝達部材 L1:力点と支点間の距離 L2:荷重点と支点間の距離 H1、H11、H12:力点の変位量 H2:荷重点の変位量 H3:吸盤離脱部材の端部の移動量

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸着部端部に吸盤離脱部材が連結されて
    おり、この吸盤離脱部材と吸着面との接触部を支点、吸
    盤離脱部材と吸着部端部との連結部を荷重点、吸盤離脱
    部材の一端を力点とした梃の原理による力を受けて、該
    吸着部端部が吸着面から引き離されるように構成された
    ことを特徴とする吸盤。
  2. 【請求項2】 前記吸盤離脱部材の側部の一部が凸とさ
    れており、この凸部が前記支点として機能することを特
    徴とする請求項1に記載の吸盤。
  3. 【請求項3】 前記凸部が、荷重点として機能する前記
    連結部と、力点として機能する前記吸盤離脱部材の一端
    との間に設けられたことを特徴とする請求項2に記載の
    吸盤。
  4. 【請求項4】 前記請求項1〜請求項3に記載される吸
    盤が装着されたことを特徴とする吸盤装着物。
  5. 【請求項5】 吸盤本体部と吸盤離脱部材とからなる吸
    盤と、被固定物とで構成される複合体であって、吸着部
    端部に連結された吸盤離脱部材が、被固定物に回動自在
    に支持される支持部を支点、吸着部端部との連結部を荷
    重点、その一端を力点とした梃の原理による力を受け
    て、該吸着部端部を吸着面から引き離すように構成され
    たことを特徴とする吸盤装着物。
  6. 【請求項6】 吸着部端部に連結されて、吸盤を吸着面
    から容易に離脱させるための部材であって、その一端を
    力点、吸着面との接触部を支点、吸着部端部との連結部
    を荷重点とする梃の原理に基づき、該吸着部端部を吸着
    面から引き離すように機能することを特徴とする吸盤離
    脱部材。
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