以下、本発明を実施するための形態を図面を参照しながら説明する。
本発明の第1の実施形態に係る箸ホルダーAは、図1〜図4に示すように、一対の箸25、26が着脱可能であり、装着した箸25、26の箸先が開閉可能なように箸25、26の頭部を挟持して箸25、26での食事を補助するものである。この箸ホルダーAは、装着するとき一対の箸25、26の頭部が摺動可能な平面部分2、3を有する基部1と、基部1に接続され、基部1の平面部分2、3に対向する対向部5と、装着した箸25、26の箸先の開き角度を所定の開き角度に制限するストッパー部7、8と、基部1と対向部5との間に配置され、装着した箸25、26の頭部を基部1に向かって押しつける第1弾性体15と、箸25、26の頭部を基部1の平面部分2、3上で滑動可能としストッパー部7、8に押しつけて箸先を所定の開き角度に広げる第2弾性体19と、を備えており、箸25、26の箸先を閉じる向きに力を加えると、ストッパー部7、8の一端を支点として箸25、26が回動する。
また、箸ホルダーAは、箸25、26を装着した際に箸先が揃うように箸25、26の頭部側の端面を押し当てる第1立上げ部4を基部1の平面部分2、3の奥側に立設している。
また、箸ホルダーAは、箸25、26の装着時の挿入性を良くする第2立上げ部9、10を平面部分2、3の中心線に略沿って立設している。第2立上げ部9、10は、第1弾性体15を支えてもいる。
また、箸ホルダーAは、第1弾性体15において装着した箸25、26の頭部に接触する箸押付け部分17、18が、箸25、26の反力で撓んで凹むのを防止するために円弧状、折り曲げ状、又は棒状にして強化されている。
次に、図1〜図4に従って箸ホルダーAのより詳細な説明を行う。
図1は、箸ホルダーAを示すもので、(a)が上面図、(b)が正面図である。これらの図面は、三角法で記し、夫々の部位に符号を表記し、部品の形状や部位を図示した。従って各図面での詳細な説明は、一部を省略する。また、実際の箸ホルダーAでは、各部の角や端部に丸みを持たせて作成するのが良いが、図面上で分かり易くする目的で一部の丸みを省略している。図1では、箸ホルダーAに一対の箸25と箸26を装着した状態を示すが、箸25、26は、本発明の範囲外のために2点鎖線の仮想線で示した。
図1(a)は、箸ホルダーAに1膳の箸25及び箸26を装着した図で、左右で略対称の中心線部の上部に対向部5、その下に第1弾性体15の箸押付け部分17が箸25、26の頭部を、また、箸押付け部分18が箸25、26の頭部の少し箸先側で箸25及び26を基部1の後述の平面部分2、3に挟み込んだ構成とした箸ホルダーAの上面から見た図面である。また、箸25及び箸26の頭部は、基部1の平面部分2、3からの第1立上げ部4に突き当てた状態を図示した。
図1(b)は、図1(a)の箸ホルダーAの右側面から見た図面で、第1弾性体15と基部1の平面部分2、3の間に基部1の略中央線上において箸25及び箸26の太さより等しいか少し少ない寸法の第2立上げ部10と第2立上げ部9を平面部分3より立ち上げて形成し、第2弾性体19が2本の箸25、26の内側から箸開き用のストッパー部7及びストッパー部8の箸当り面に箸25、26を押し当て、第1立上げ部4に延長して形成された対向部5の先端で下向きに第1弾性体装着部6を形成し、第1弾性体装着部6に第1弾性体15の後述する装着溝16に嵌め込んだ状態を示す正面図である。
箸ホルダーAは、基部1と対向部5が一体となっている。
箸25、26は、2点鎖線で示し、透明な物として箸25、26が装着された状態を示している。従って、第1弾性体15は、弾性変形して第2立上げ部10より箸先側において箸25、26を押し付ける状態を示しているが、2本の箸25、26が装着されていない時には、第1弾性体15の押し付け部18が第2立上げ部10の上面に押し当たっており、同様に箸押付け部分17は、第2立上げ部9の上面に押し当たっている。箸25、26を装着する際は、基部1の平面部分2、3の先端部28に箸25、26の頭部を押し当てて、同時に第1弾性体15の箸押付け部分18を持ち上げるようにして箸25、26を挿入し押し込み、箸押付け部分17を押し広げて立上げ部4に箸25、26の頭部が押し当たるまで挿入する。箸25、26は、1本毎に左右で夫々の箸25、26を装着する。箸25、26が装着される前の状態では、箸押付け部分18は、第2立上げ部10の先端部27の上を押付け、一方の箸押付け部分17は、第2立上げ部9の上を押付けているため、第1弾性体15の押付け力で第1弾性体装着部6と後述する図3の第1弾性体15の装着溝16に嵌合し滑動できる構造の一例を図示した。本箸ホルダーAは、第1弾性体15を第1弾性体装着部6から取外し内部を洗浄できる構成のものである。
箸25、26を装着していない箸ホルダーAにおいても第1弾性体15の箸押付け部分17及び箸押付け部分18では、第2立上げ部9及び第2立上げ部10の上をある程度の力で押し付けていて、細い箸25、26を挿入した時にも箸25、26を平面に押し付ける力を予め溜めておく必要がある。また、同時に太い箸25、26を装着した場合にも第1弾性体15は、永久変形を起こさない範囲に設計する必要があることは勿論である。
なお、箸25、26の装着時の挿入性を良くする第2立上げ部10の構成方法の一例は、箸25、26を平面部分2及び平面部分3に押し当てる第1弾性体15の箸先側の箸押付け部分18とそれを支える平面部分2及び平面部分3からの第2立上げ部10の先端部を該平面部分2及び平面部分3の先端部28より少し前に長くなる位置に出し、該箸25、26を挿入する際に該平面部分2及び平面部分3の先端部28に箸25、26の頭部を押し当て、同時に箸25、26の頭部で第1弾性体15の箸先側の箸押付け部分18を持ち上げて該箸25、26を挿入する箸ホルダーAの機構とする方法もある。
また、箸25、26の挿入性を良くするために平面部分2及び平面部分3の先端部28より前に第1弾性体15の箸先側の箸押付け部分18を出す方法は、先端部28を一律に出す方法と箸25、26の頭部が部分的にかかる程度に一部を出す方法などあるが、これらの形状・寸法は限定されるものではない。
第2立上げ部9、10は、第1弾性体15を支えてもおり、箸25、26を装着していない状態でも第1弾性体15が基部1の平面部分2、3から箸25、26の太さ前後の高さに保たれているので、箸25、26を挿入するのが容易になる。
図1では、基部1の箸先側端部と箸25、26の頭部において、装着する箸25、26の2箇所において基部1の平面部分2及び平面部分3に箸25、26を押し付ける第1弾性体15を提案しているが、その中間部において第1弾性体15を箸25、26に作用する構成に変更して該箸ホルダーAへの箸25、26の挿入時の装着性を良くするために平面部分2及び平面部分3の中間部を凹ませることによって改良する箸挿入口を構成した箸ホルダーAを形成した場合にも箸25、26を平面部分2、3に押し当てる力が弱まる分、第1弾性体の押付け強度を高めれば可能で、1箇所に第1弾性体を作用させても良い。
図2は、図1に示した箸ホルダーAの基部1及び対向部5などを拡大して示すもので、(a)は上面図、(b)は正面図である。これらの図面は、三角法で記し、夫々の部位に符号を表記し、部品の形状や部位を図示した。従って各図面での詳細な説明は、一部を省略する。また、背面図と側面図と底面図は省略している。図2及び後述する図3、図4の上面図、正面図は、図1の上面図、正面図をそれぞれ90度時計まわりに回転させて示している。
基部1の平面部分2に箸開き用のストッパー部7の垂直な箸当り面13を形成し、もう一方の平面部分3に箸開き用のストッパー部8の垂直な箸当り面14を形成している。これら箸当り面13及び箸当り面14による箸開き角度を所定の開き角度に形成している。ストッパー部7及びストッパー部8の第1立上げ部4側の端部を箸25、26が回動する支点54としている。第1立上げ部4を、図示の右側端部に示すように、略垂直に立ち上げ形成し、その上面に対向部5を平面部分2及び平面部分3に略コの字状に形成している。対向部5の先端部において下向きに第1弾性体装着部6を形成している。
平面部分2、3の中心線に略沿って立設する第2立上げ部9、10は、第2弾性体19を支持するための溝からなる第2弾性体支持部11よりも奥側の部分(第2立上げ部9)と前側の部分(第2立上げ部10)から形成されている。第2立上げ部10の先端部27を平面部分2及び平面部分3の先端部28より前に出して形成し、第2立上げ部9を略中心線部において第1立上げ部4まで直線状に形成している。第2立上げ部9及び第2立上げ部10の立ち上げ寸法を挿入される箸25、26の太さ寸法と同等、又は、それ以下の寸法で形成している。
平面部分2及び平面部分3は、互いに同じ平面を構成し、ストッパー部7及びストッパー部8の立ち上がり寸法は、第2立上げ部9及び第2立上げ部10に同等又はそれ以下の寸法で立ち上げるのが良い。また、溝からなる第2弾性体支持部11とそれに挿入される第2弾性体19の後述する装着部20との隙間の関係から第2弾性体19の後述する先端23、24が傾いて平面部分2、3を傷付ける可能性がある場合は、弾性体支え部12を平面部分2、3に平行に形成するのが良い。但し、隙間が少なくできる場合や接着などして固定できる場合には、弾性体支え部12は、不要とすることも可能である。
一般の割り箸25、26の厚さは、少ない物で約4mmであるために第2立上げ部9及び第2立上げ部10の立上げ寸法は、4mmより少し少ない寸法で立ち上げるのが良い。専用の箸25、26を使う場合には、箸25、26の太さに寸法の違いがあるためにそれらの最小太さに合わせて製作すれば、第2立上げ部10の先端部27を平面部分2及び平面部分3の先端部28より長く出して形成しているために箸25、26の挿入時に第1弾性体の箸押付け部分18を箸25、26の頭部で持ち上げ易くなり箸25、26の挿入性が良くなる箸ホルダーAが構成できる。
また、第2立上げ部10の先端部27を平面部分2及び平面部分3の先端部28より前に出して形成しているために箸25、26の装着性に良い効果がある。更に、先端部28の一部において平面部2及び平面部3の一部を削り傾斜面を作り、箸25、26の頭部が傾斜面に沿って挿入できる挿入口を形成することで箸の装着性を高める機構とすることも可能である。
図3は、図1に示す箸ホルダーAに組み込まれる第1弾性体15を拡大して示すもので、(a)は上面図、(b)は、上面図の中心線上での断面図である。底面図、側面図等は省略している。第1弾性体15は、板ばねの形状のものであり、合成樹脂や合成ゴムや金属などによって形成することができる。また、第1弾性体15は、両側に対称に、剛性のある形状の箸押付け部分18と箸押付け部分17が形成されている。また、略中央部において第1弾性体装着部6に嵌まり滑動する装着溝16が形成されている。これによって第1弾性体15は対向部5に取り付けられるが、ネジや接着などで固定することも可能で、同様の働きをすれば取り付け方法は限定されるものではない。
なお、第1弾性体15の箸押付け部分17、18の剛性を上げる方法は、折り曲げて端部の強化を図る方法や別部材を使って端部をカバーする方法など第1弾性体の箸25、26に接触する両端部を剛体化できるものであれば、形状・材質なども図示されたものに限定されるものではない。また、合成樹脂などで作る場合は、箸25、26に接触する部分を一定の断面形状の曲面にするなどして剛性を高めるのが良い。また、第1弾性体15については、箸25、26の太さが太くなっても弾性体が永久変形を起こさない範囲で形成し、第1弾性体15が取り付けられる対向部5を部分的にも弾性のある材料や素材の弾力性を利用して形成し構成することによって箸25、26がより太い場合にでも装着できるようにしても良い。
箸ホルダーAでは、第1弾性体15も箸25及び箸26を取外した後で取外せるため箸ホルダーAの内部まで分解掃除ができ、内部まで清潔に保てる効果がある。
図4(a)は、第2弾性体19の一例を拡大して示す上面図である。図4(b)は、図4(a)の正面図で夫々の部位は、対応して図示している。底面図、側面図等は省略している。第2弾性体19は、装着部20を中心に広がり箸押付け部分21と箸押付け部分22を形成し、第2弾性体19の先端23と先端24を略対称に形成する。図面上の例では、直線的に弾性体を折り曲げて加工した例を示しているが、曲線と直線を使って形成しても良い。箸押付け部分21、22において先端を内側に曲げることによって箸25、26を箸ホルダーAから抜く際に抜き出し易い効果がある。また、逆に装着した箸25、26を容易に抜き出せないように箸押付け部21、22の先端を直線状に形成し、挿入する箸25、26の頭部に溝を形成してこれを噛み合うように装着することも可能で、小児などが箸25、26を抜き出して遊ばないように箸ホルダーAを製作することも可能である。
第2弾性体19は、板状のばね材から作成したものであるが、金属や合成樹脂を成形して作ることが出来る。また、合成樹脂の場合には、基部1を製作する時に第2弾性体19を同時に成形することができ、第2弾性体19の部分に弾力性の高い合成樹脂や合成ゴム材等を同時一体成形で作ることもできる。これらの製法に伴う材料や材質、成形方法などは限定されるものではない。
次に、箸ホルダーAの変形例を図5に基づいて説明する。図5は、その変形例の箸ホルダーA’の基部1’と対向部5’などを示すものであって、(a)が上面図、(b)が正面図である。図5は、三角法で記し、夫々の部位に符号を表記し、部品の形状や部位を図示した。従って図面での詳細な説明は、一部を省略する。
図1に示した箸ホルダーAでは基部1における第2弾性体19が箸の内側から作用して箸先を広げる構成のものであったが、図5に示す箸ホルダーA’では、基部1’における第2弾性体19A’、19B’が箸の外側から作用して箸先を広げるものである。第2弾性体19A’、19B’は、基部1’と一体に形成され、また、箸開き用のストッパー部7’、8’は2本の箸の内側にある。
図5(a)では、基部1’の平面部分2’、3’が互いに同一平面で、その中間部に第2立上げ部9’を装着する箸25、26の太さ寸法に同等または少し低い寸法で立上げている。第2立上げ部9’の側面に、箸開き用のストッパー部7’及びストッパー部8’を形成している。また、奥側に第1立上げ部4’を形成している。ストッパー部7’及びストッパー部8’の一部が箸25、26が回動する支点54’となり、ストッパー部7’、8’と第2立上げ部9’の奥側との間で所定の箸開き角度を出す構成となる。よって、ストッパー部7’及びストッパー部8’の両方の支点54’、54’間の寸法は、箸の開き角度に合わせて適切に決める。第2弾性体19A’、19B’は夫々第2弾性体支持部11A’、11B’にて、一体に基部1’に形成されている。第1立上げ部4’の先端には、対向部5’を延長して形成しており、対向部5’の先端には平面部分2’、3’に向かって第1弾性体装着部6’を形成している。
図5(b)では、基部1’の平面部分2’、3’から第1立上げ部4’と対向部5’をコの字状に形成していることを示している。基部1’の箸装着口側の先端部28’より第2立上げ部9’の先端部27’が少し前になるように形成した理由は、箸の装着性を良くするためのものであり、図2の基部1と同様の働きをする。
箸ホルダーA’では、箸ホルダーAの場合と同様の図3に示した第1弾性体15を用いることができる。なお、箸開き用のストッパー部7’、8’の先端部の支点54’は、図5においては尖っているが、この形状を利用して予め箸25、26に箸の曲がりや箸先合わせの調整を容易にする目的の凹み部を箸25、26の所定の部位に付けておくことでより使い易い箸ホルダーA’とすることも可能である。先端部の支点54’の形状は箸25、26に付けられた凹みの形状に合わせれば円弧状でも良く、形状を特定するものではない。
次に、本発明の第2の実施形態に係る箸ホルダーBを、図6〜図9に基づいて説明する。箸ホルダーBは、一対の箸42、43が着脱可能であり、装着した箸42、43の箸先が開閉可能なように箸42、43の頭部を挟持して箸42、43での食事を補助するものである。この箸ホルダーBは、装着するとき一対の箸42、43の頭部が摺動可能な平面部分56、57を有する基部55と、基部55に接続され、基部55の平面部分56、57に対向する対向部69と、装着した箸42、43の箸先の開き角度を所定の開き角度に制限するストッパー部71、72と、基部55と対向部69との間に配置され、装着した箸42、43の頭部を基部55に向かって押しつける第1弾性体74、75、76、77と、箸42、43の頭部を基部55の平面部分56、57上で滑動可能としストッパー部71、72に押しつけて箸先を所定の開き角度に広げる第2弾性体63、64と、を備えており、箸42、43の箸先を閉じる向きに力を加えると、ストッパー部71、72の一端を支点54として箸42、43が回動する。
また、箸ホルダーBは、箸42、43を装着した際に箸先が揃うように箸42、43の頭部側の端面を押し当てる第1立上げ部70を対向部69の奥側に立設している。
また、箸ホルダーBは、箸42、43の装着時の挿入性を良くする第2立上げ部61を平面部分56、57の中心線に略沿って立設している。
次に、図6〜図9に従って箸ホルダーBのより詳細な説明を行う。これらの図面は、三角法で記し、夫々の部位に符号を表記し、部品の形状や部位を図示した。従って各図面で分かる詳細な説明は、一部を省略する。
図6は、箸ホルダーBを示すもので、(a)が上面図、(b)が正面図である。図面での説明を分かり易くするために、仮に基部55と対向部69が透明な物として図示した。また、不透明な一対の箸42と箸43を箸ホルダーBに装着した状態を図示するが、箸42、43は、本発明の範囲外のために2点鎖線の仮想線で示した。
図6(a)は、箸ホルダーBに1膳の箸42及び箸43を装着した図で、基部55が透明なものとして図示し、基部55に一体に形成された2個の第2弾性体63、64が箸42及び箸43を箸開き用のストッパー部71及びストッパー部72に押し当てた状態を示す図面で、基部55と対向部69の雌ネジ78に雄ネジ96を組み合わせ、ネジ頭95によって対向部69を固定した箱型の箸ホルダーの上面図である。ストッパー部71及びストッパー部72は、対向部69に立ち上げて形成している。なお、図6(a)では、箸42及び箸43の後ろで4個の第1弾性体74、75、76、77の一部及びストッパー部71及びストッパー部72の端部である箸が回動する支点54が見えている。
図6(b)は、(a)の右側から見た箸ホルダーBに1膳の箸42及び箸43を装着した正面図で、箸42、43は対向部69に一体に形成された4個の第1弾性体74、75、76、77によって基部55の平面部分56、57に押し当てられた状態を示す正面図である。雄ネジ96のネジ頭95は、不透明な物として図示した。なお、(b)では、基部55の平面部分56に箸42が第1弾性体74及び第1弾性体75によって押し付けられているのが見えている。
箸ホルダーBは、基部55と対向部69が別体であり、対向部69を基部55からネジを緩める方向に回して取外すことができるものである。取外すことで、箸ホルダーBの内部が容易に洗浄できる。
また、基部55に形成された溝58と溝59と溝60に嵌合する対向部69に形成されたストッパー部71の突起82とストッパー部72の突起83と立上げ部70の突起73を組み合せた部分で接着や溶着などにより結合することも可能で、その場合には雌ネジ78や雄ネジ96を必要としないため安価に製作できる。しかし、内部の分解洗浄ができなくなるが、実用上では箸が取外せて洗浄できるため問題は少なく清潔に保てる。
図7は、箸ホルダーBの基部55を拡大して示すもので、(a)は上面図、(b)は正面図である。これらの図面は、三角法で記し、夫々の部位に符号を表記し、部品の形状や部位を図示した。従って各図面での詳細な説明は、一部を省略する。図7(a)では、同一平面を形成する平面部分56と平面部分57の中間部において、装着する最も太い箸の頭部の太さ寸法より少し大きい寸法で第2立上げ部61を形成し、その中央付近にネジ用ガイド62を形成している。第2立上げ部61の前端部のそれぞれの側面に、第2弾性体支持部67と第2弾性体支持部68が設けられて、第2弾性体63と第2弾性体64を支持している。また、基部55の両側にストッパー部71、72の突起82、83を噛み合せる溝58、59を夫々対称に形成し、第1立上げ部70の後述する突起73が噛合う溝60を形成している。また、図7とは逆に図面右側に第2弾性体支持部67、68を形成し、第2弾性体63、64を図7とは逆向きに形成することも可能であるが、箸42、43の装着性からすると図示の物が好ましい。しかし、箸42、43の内側から外向きに箸を押す方法について図示の通りに限定するものではない。
図7(b)では、基部55の端部まで溝60や溝58を延長して図示しているが、実際には基部55の端部より内側に溝60や溝58は形成するようにする方が外観上は良い。
図8は、箸ホルダーBの対向部69の拡大図で、(a)は上面図、(b)は、(a)の中心線上の断面図である。図8(a)では、雌ネジ78と後述する図9で示す雄ねじ96とによって、対向部69は基部55と組み合わされる。4個の第1弾性体74、75、76、77は、対向部69に取り付けられている。基部55の溝60及び溝58、59に噛み合うために、第1立上げ部70の上端部には突起部73が形成され、ストッパー部71及びストッパー部72の上端部には突起部82と突起部83が夫々形成されている。突起部73、82、83は、基部55の溝60、58、59に噛み合う形状にしているので、箸ホルダーBの箱としての強度を高める働きをする効果がある。
ストッパー部71及びストッパー部72と第1立上げ部70の間に夫々対称の位置において箸の頭部の当りを逃げる逃げ部79を形成しストッパー部71、72と逃げ部の折れ曲がり部が箸の回動の支点54となって箸の開閉で箸が前方に抜け出さない働きをさせている。また、第1弾性体74、75、76、77が撓んだ際に対向部69の本体と接触しないように夫々の第1弾性体74、75、76、77が可動する周囲3方向には隙間を設けておく必要が有る。
図8(b)は、図8(a)の正面図において中心線上における対向部69の断面図であり、第1弾性体76及び第1弾性体77が対向部69より基部55の平面部分56又は57に向かって浮き出た状態になっている。第1弾性体74、75、76、77の箸42、43に接触する部分の形状については、前述した箸ホルダーAと同様に、図示された如く剛性を高める円弧状の折り曲げや、角度を付けた折り曲げなどを形成するが、形状を特定するものでない。また、少しの返しは、箸の着脱性を良くする効果がある。
なお、箸開き用のストッパー部71及びストッパー部72と第1立上げ部70を対向部69側に形成した一例を図示したが、基部55の側にこれらの部位を形成して同様に箱型の箸ホルダーBを構成することも可能であり、図面の一例に限定するものではない。
図9は、箸ホルダーBの基部55と対向部69を組み合わせ固定するための雄ネジ96の拡大図で、(a)は正面図、(b)は、底面図である。図9(a)は、雄ネジ96を正面から見た正面図で、上部のネジ頭95を一体に形成し、下に雄ネジ96を形成している。但し、図示した如く雄ネジ96にネジ部を無くした細い部分を形成しているが、この部分で基部55に装着した時に雄ネジ96が抜けないようにC型のワッシャーなどをこの部分に嵌めることによって容易にネジだけが基部55から外せないようにすることも可能で、安全上の配慮が必要な場合に活用できるので、一例として図示した。図9(b)は、図9(a)の雄ネジ96を底面から見た底面図で、ネジ頭95には、手で摘みやすい筋を形成した一例であるが、こうしたネジ等の固定方式用の一例を示したものである。
ネジに代わる雌雄で係止するスナップ式固定部を使って基部55と対向部69を組み合わせ固定することも可能であり、ネジ式の固定方法について限定するものではない。また、溶着や接着などで基部55と対向部69を組み合わせ固定することも可能である。しかし、内部の洗浄を容易にできなくなる欠点があるが、金型などを安価に製作できる効果がある。
次に、本発明の第3の実施形態に係る箸ホルダーCを、図10〜図12に基づいて説明する。箸ホルダーCは、一対の箸137、138が着脱可能であり、装着した箸137、138の箸先が開閉可能なように箸137、138の頭部を挟持して箸137、138での食事を補助するものである。この箸ホルダーCは、装着するとき一対の箸137、138の頭部が摺動可能な平面部分102を有する基部101と、基部101に接続され、基部101の平面部分102に対向する対向部116と、装着した箸137、138の箸先の開き角度を所定の開き角度に制限するストッパー部118、122と、基部101と対向部116との間に配置され、装着した箸137、138の頭部を基部101に向かって押しつける第1弾性体128、130、132、134と、箸137、138の頭部を基部101の平面部分102上で滑動可能としストッパー部118、122に押しつけて箸先を所定の開き角度に広げる第2弾性体103、106と、を備えており、箸137、138の箸先を閉じる向きに力を加えると、ストッパー部118、122の一端を支点として箸137、138が回動する。
また、箸ホルダーCは、箸137、138を装着した際に箸先が揃うように箸137、138の頭部側の端面を押し当てる第1立上げ部117を対向部116の奥側に立設している。
また、箸ホルダーCは、箸137、138の装着時の挿入性を良くする第2立上げ部109、127を平面部分102の中心線に略沿って立設している。
次に、図10〜図12に従って箸ホルダーCのより詳細な説明を行う。この図面は、三角法で記し、夫々の部位に符号を表記し、部品の形状や部位を図示した。従って図面での詳細な説明は、一部を省略する。
図10は、箸ホルダーCを示すもので、(a)が上面図、(b)が正面図である。図面での説明を分かり易くするために、仮に基部101と対向部116が透明な物として内部が見える形で図示している。また、不透明な一対の箸137と箸138を該箸ホルダーに装着した状態を図示するが、箸137、138は、本発明の範囲外のために2点鎖線の仮想線で示した。なお、基部101と対向部116は、雌雄で係止するスナップ式固定部を一方に雄型の係止部を、他方に雌型の係止部を形成し、それらを組み合わせて箱型の箸ホルダーCを組上げた一例を示すものである。
図10(a)は、箸ホルダーCに1膳の箸137及び箸138を装着した図で、基部101が透明なものとして図示している。図10(a)では、基部101に一体に形成された第2弾性体103、106が箸開き用のストッパー部118及びストッパー部122に押し当てた状態を示している。また、基部101の雄型の係止部111及び雄型の係止部112に対向部116の雌型の係止部127及び雌型の係止部126に夫々に組み合わせて係止しすることによって基部101と対向部116を固定している。
なお、図10(a)では、箸137の後ろで第1弾性体128、130の一部、箸138の後ろで第1弾性体132、134の一部がそれぞれ見え、ストッパー部118及びストッパー部122の端部である箸137、138が回動する支点120及び支点124が見えている状態である。
図10(b)は、(a)の右側から見た箸ホルダーCに1膳の箸137及び箸138を装着した正面図である。箸137、138は対向部116に一体に形成された4個の第1弾性体128、130、132、134によって基部101の平面部分に押し当てられる。なお、図10(b)では、基部101の平面102に箸138が第1弾性体132、134によって押し付けられている状態を現している。
箸ホルダーCは、基部101と対向部116が別体であり、対向部116を基部101の雄型の係止部112から雌型の係止部126を外し用凹み113に爪先などで引き離して取外し分解できるものである。取外し分解することで、内部を容易に洗浄できる。
また、箸ホルダーCは、箸を装着する前の状態で箸置きとして利用することができ、料亭等で外国人向けの日本食の箸置き兼箸ホルダーとして活用できる。
また、基部101に形成された溝114と溝115に嵌合する対向部116に形成されたストッパー部118の突起119とストッパー部122の突起123を組み合せる目的は、ストッパー部118、122を夫々の溝と嵌合することでストッパー部118、122の強度を高めるためのものである。また、夫々の溝と突起119、123の嵌合部で接着や溶着などで結合すれば対向部116と基部101は、分解できないが、製作する時の金型を安価にできる。
図11は、箸ホルダーCの基部101を拡大して示すもので、(a)は上面図、(b)は正面図である。図11(a)では、基部101に形成する平面部分102の箸挿入側の略中間部において、装着する最も細い箸137、138の頭部の太さ寸法より少い寸法で第2立上げ部109を形成している。また、第2立上げ部109に第2弾性体支持部110を形成し、そして、第2弾性体103及び第2弾性体106を平面部分102に平行に形成して第2弾性体支持部110により支持している。基部101の両側に箸開き用のストッパー部118、122の突起119、123を噛み合せる補強用の溝114及び溝115を夫々対称に形成している。第2立上げ部109には、対向部116側の第2立上げ部127の凹み部136と嵌合する突起部111を形成し、また、基部101の奥側に、対向部116の第1立上げ部117の内側に形成した凹型の係止部126と嵌り合う凸型の係止部112を形成している。また、箸137、138の内側から外向きに箸137、138を押す第2弾性体103、106の形成方法について図示の通りに限定するものではない。また、第2弾性体103、106の先端部近傍に箸押付け部104、107を内側に曲げて形成し、先端105及び先端108には、更に箸137、138の表面が滑り易くする傾斜面を形成するのが良い。
図11(b)では、箸開き用のストッパー部118の補強用の溝115の形成時の溝の深さを点線で示し、箸開き用のストッパー部118の突起119を噛み合せる補強用の溝115と突起部111、係止部112、外し用凹み113を示している。
図12は、箸ホルダーCの対向部116の拡大図で、(a)は上面図、(b)は、(a)の中心線上の断面図である。対向部116には、4個の第1弾性体128、130、132、134が取り付けられている。対向部116には、対向部116側の第2立上げ部127が設けられており、第2立上げ部127には、基部101と組み合わせ係止するための凹み部136が形成されている。第2立上げ部127は、対向部116が基部101と組み合わせ係止されたとき、基部101の第2立上げ部109とともに第2立上げ部を形成する。
対向部116には、第1立上げ部117が設けられており、第1立上げ部117の内側には、基部101と組み合わせ係止するための凹型の係止部126が形成されている。係止部126は、対向部116の中心線部近傍に形成され、基部101に形成した凸型の係止部112に嵌り合う。
対向部116の上下の両側においては、ストッパー部118及びストッパー部122を挿入する箸137、138の太さ以上の寸法で立ち上げている。夫々のストッパー部118、122の夫々の先端に基部101に形成した溝114及び溝115に噛み合う突起119及び突起123を形成している。第1立上げ部117は、ストッパー部118とストッパー部122とを接ぐようにそれらと一体に形成している。
ストッパー部118及びストッパー部122と立上げ面において夫々対称の位置で箸137、138の頭部が回動する支点部120及び支点部124と箸137、138の頭部の当りを逃げる逃げ部121及び逃げ部125を形成し、ストッパー部118、122と逃げ部121、125の折れ曲がり部が箸137、138の回動の支点となって箸先の開閉で箸137、138が前方に抜け出さない働きをさせている。また、第1弾性体128、130、132、134が撓んだ際に対向部69の本体と接触しないように夫々の第1弾性体128、130、132、134が可動する周囲3方向には隙間を設けておく必要が有る。
また、夫々の第1弾性体128、130、132、134には、箸当り部129、131、133、135を断面が曲線状に形成し、箸137、138の挿入性を良くするために第1弾性体128、132の先端部は長くし先端に対向部116との隙間が少なくなるように図12(b)に図示する如く形成するのが良い。
図12(b)は、図12(a)の正面図において中心線上における対向部116の断面図であり、第1弾性体128、130が対向部116より平面部分102に向かって浮き出た状態になっていることを示している。第1弾性体130の箸137、138に接触する部分の形状については、図示された如く剛性を高める円弧状の折り曲げや、角度を付けた折り曲げなど形状を限定するものでないことは言うまでもない。また、先端の返しは、箸137、138の着脱性を良くする効果がある。
また、ストッパー部118の突起部119は、図11の基部101に形成した溝115に噛み合う形状に形成し、反対側のストッパー部122の突起部123は、該基部101に形成した溝114に噛み合う形状に形成しているので、箱型の箸ホルダーCの箱の噛み合せ強度を高める働きをする効果がある。しかし、対向部116に使用する材料によってはこれらの突起部119、123を形成しないで箸ホルダーCも製作可能である。
なお、箸開き用のストッパー部118及びストッパー部122と第1立上げ部117を対向部116側に形成した一例を図示したが、基部101の側にこれらの部位を形成して同様に箱型の箸ホルダーCを構成することも可能であり、図面の一例に限定するものではない。