JP2001193659A - ポンプ用の多層チューブおよびその製造法 - Google Patents
ポンプ用の多層チューブおよびその製造法Info
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Abstract
良好で、タック性がないポンプ用のチューブを提供す
る。 【解決手段】 硬度がJIS K 7215に基づき測
定したHDA40以上、HDA70以下の柔軟なフッ素
ゴム系熱可塑性エラストマーからなるチューブの母材1
と、その内面および外周面に設けた、硬度がJIS K
7215に基づき測定したHDA70以上、HDD8
0以下のテトラフルオロエチレン、ビニリデンフルオロ
ライド、ヘキサフルオロプロピレンからなる三元共重合
体からなる内面層2および外面層4とを備えた多層チュ
ーブ5。
Description
ーブ、とくに薬品業界や医療業界で用いられているしご
きポンプと呼ばれるチューブポンプや、チューブフラム
ポンプのように、チューブの弾性変形を利用して内部の
液体を送り出す機能を有するポンプ用のチューブおよび
その製造法に関する。
性、耐薬品性等において、ほかのゴムおよび樹脂にない
優れた特性を有しており、パッキン、ガスケット、チュ
ーブ等に成形加工され、特に自動車産業、OA機器、半
導体産業、化学工業、理化学分野などで広く利用されて
いる。特に過酷な有機溶剤や酸・アルカリなど無機薬品
に接触する条件下や、熱環境下で柔軟性を要求されると
ころではフッ素ゴムが使用されており、またその需要は
近年ますます増加しつつある。
程が必要で有り、また加硫剤、安定剤、充填剤などが入
っておりこれらの溶出などを引き起こすことがある。
く、透明に近いチューブなども得られるが、屈曲性に乏
しく柔軟性が無いため使用場所に限界がある。
可塑性エラストマーの研究がなされ各方面で実用化され
ている。フッ素ゴム系でもこの熱可塑性エラストマーが
開発され、実際に使用されている。特公平2−3636
5号公報に開示されている技術によれば、フッ素ゴム系
熱可塑性エラストマーは、その結晶相としてビニリデン
フルオロライド−テトラフルオロエチレン共重合体やエ
チレン−テトラフルオロエチレン共重合体などを使用
し、ゴム相としてはビニリデンフルオライド−ヘキサフ
ルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン三元共重合
体などが用いられている。上記結晶相とゴム相は、いわ
ゆるブロック的に共重合した構造を有しており、結晶相
の融点以下では、結晶相が物理的な架橋点となって成形
体の強度を発現する。
流動状態になるので、押出し成形、射出成形、圧縮成形
などの加熱成形加工を容易に行うことができ、種々形状
の成形品を得ることができ、チューブへの加工も容易で
ある。このようなフッ素ゴム系熱可塑性エラストマー
は、たとえば、ダイキン工業株式会社からダイエルサー
モプラスチックなる商品名で市場に提供されている。
工のみで充分な強度がえられるが、フッ素ゴム系熱可塑
性エラストマーは、成形品に電離性放射線を照射するこ
とにより化学的な架橋を付加することができ、この処理
によりさらに物性が向上する。
フッ素ゴムと異なりカーボン粉末、受酸剤、加硫剤等の
添加剤を含まないので透明性に優れており、さらに使用
に当たって添加物が溶出して接触する溶液や器物を汚染
することがない特徴を有している。
たチューブを、モーターで回転駆動する回転体に同心状
に取り付けた複数個のローラーでしごくように押し潰し
ていくことにより、チューブ内の液体を輸送するポンプ
がある。このポンプは一般的にチューブポンプとかしご
きポンプと言われている。また、密閉容器内にチューブ
を収容し、その容器内の気圧を交互に増減してチューブ
を収縮・膨張(復帰)させると共に、チューブの入り口
側および出口側にそれぞれ設けた一方向弁の作用でチュ
ーブ内の液体を圧送するチューブフラムタイプのポンプ
も知られている。このようなポンプに使用されるチュー
ブは、柔軟性、機械的強度および耐薬品性が要求される
ので、通常は軟質塩化ビニルやシリコンなどの軟質の合
成樹脂によりチューブを製造する。しかし最近では種々
の薬品および溶剤が使われ、耐薬品性が充分とは言えな
くなってきた。
述した如く、その特性は機械的強度、耐薬品性が極めて
優れており、また透明性に優れている為、薬品類の輸送
チューブ、特に前述のポンプ用チューブとして用いられ
る。そして必要とされる柔軟性を確保するため、柔軟な
フッ素ゴム系熱可塑性エラストマーがとくに好ましい。
しかしこの範囲のエラストマーの成形体表面は、タック
性(相互に引っ付いたり、他の物に粘着しやすい性質)
が有り、いろいろな使用上の問題を引き起こすことがあ
る。たとえばチューブポンプに使用した場合、ローラで
圧縮した状態で放置すると、内面同士がくっついて復元
せず、閉塞してしまう場合が多々ある。またチューブの
表面のタック性も、汚れがつきやすい、他の物にくっつ
いて操作しにくいなどの問題がある。
究が行われており、たとえば特公平6−53822およ
び特公平6−53823で開示されている。この開示技
術によれば、ナイロンなどの酸素が透過しにくい素材か
らなる袋中において、酸素またはオゾンの分圧が11.
4mmHgを超えて76mmHg以下であるような雰囲
気中に、柔軟なフッ素ゴム系熱可塑性エラストマーの予
備成形体を入れて、電離性放射線を照射することによっ
て、成形後の表面のベトツキが少なくなる。しかし多少
の効果は認められたが、表面および内面のいずれのタッ
ク性についても、実用的なレベルには達していない。
料からなる2層ないし3層チューブはすでに良く知られ
ている。特開平9−131833は、ポリエステル系熱
可塑性エラストマーおよびポリオレフィン系熱可塑系エ
ラストマーのうち少なくとも一種の熱可塑性エラストマ
ー層と含フッ素ポリマー層とが中間層に接着層を介在す
ることにより接着している3層構造のチューブを開示し
ている。しかし、含フッ素ポリマー層はエチレン/テト
ラフルオロエチレン共重合体であって、得られる3層構
造チューブは、チューブポンプに使用すると圧縮後の回
復が不充分で、変形したり、つぶれて破損してしまいチ
ューブポンプには適さない物である。本発明は、圧縮後
の回復性など、従来のフッ素ゴム系熱可塑性エラストマ
ー製のチューブの利点を損なわず、しかもタック性を少
なくした、使用しやすいポンプ用のチューブを提供する
ことを技術課題とするものである。
ーブの第1の態様(請求項1)は、硬度がJIS K7
215に基づき測定したHDA40以上、HDA70以
下の柔軟なフッ素ゴム系熱可塑性エラストマー(A)か
らなるチューブ母材と、そのチューブ母材の内面および
(または)外面に積層した、硬度がJIS K 721
5に基づき測定したHDA70以上、HDD80以下の
フッ素樹脂(B)からなる非粘着層(タック防止層ある
いは保護層)とを備えていることを特徴としている。
86)プラスチックのデュロメータ硬さ試験方法に準拠
して測定した値とする。デュロメータはA硬さ(HD
A)、D硬さ(HDD)それぞれ高分子計器株式会社製
を用いて、デュロメーター保持台に装着し、測定するこ
とができる。試料はたとえば2mmの厚さのプレスシー
トを4枚重ね合わせた物を用いて行う。
エラストマー(A)は、その結晶相はビニリデンフルオ
ロライド/テトラフルオロエチレン、およびエチレン/
テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン、
3,3,3−トリフルオロプロピレン−1,2−トリフ
ルオロメチル−3,3,3−トリフルオロプロピレン−
1またはパーフルオロアルキルビニルエーテルから選択
された分子量3000〜400000のポリマー鎖セグ
メントであり、ゴム相としてはビニリデンフルオライド
/ヘキサフルオロプロピレン/テトラフルオロエチレン
およびパーフルオロアルキルビニルエーテル/テトラフ
ルオロエチレン/ビニリデンフルオライドから選択され
た分子量30000〜1200000のポリマー鎖セグ
メントであり、結晶相とゴム相の重量比が5〜60:4
0〜95である。このようなフッ素ゴム系熱可塑性エラ
ストマー(A)としては、たとえばダイキン工業(株)
製のダイエルサーモプラスチック T−530、T−6
30などがある。
ては、テトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレ
ン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリビニリデ
ンフルオライド、テオラフルオロエチレン−パーフルオ
ロアルキルビニルエーテル共重合体、テオラフルオロエ
チレン−エチレン共重合体などがあり、これらの材料に
ダイキン工業(株)製のダイエルサーモプラスチックT
−530などのフッ素ゴム熱可塑性エラストマーや住友
スリーエム(株)製のTHV200G等の三元共重合体
やフッ素ゴムを加えることによって硬度を調節すること
ができる。
態様(請求項2)は、硬度がJISK 7215に基づ
き測定したHDA40以上、HDA70以下の柔軟なフ
ッ素ゴム系熱可塑性エラストマー(A)からなるチュー
ブ母材と、そのチューブ母材の内面および(または)外
面に積層した、硬度がJIS K 7215に基づき測
定したHDA70以上、HDD80以下のテトラフルオ
ロエチレン、ビニリデンフルオライド、ヘキサフルオロ
プロピレンからなる三元共重合体(B)からなる非粘着
層とを備えていることを特徴としている。
の第1の態様のチューブの母材と同じものを使用しう
る。三元共重合体の各成分のモル比は、テトラフルオロ
エチレンが30〜80モル%程度、とくに40〜70モ
ル%、ビニリデンフルオライドが40〜70モル%程
度、とくに40〜60モル%、ヘキサフルオロプロピレ
ンが10〜50モル%程度、とくに15〜30モル%が
好ましい。三元共重合体(B)には、具体的には、住友
スリーエム(株)製のTHV500G、THV400
G、THV300G、THV200Gなどを使用するこ
とができる。
内面および外面にそれぞれ非粘着層を設けることができ
る(請求項3)。前記母材の厚さは0.1〜40mm、
とくに0.3〜3.0mmとするのが好ましい。また、
非粘着層の厚さは0.005〜0.3mm、とくに0.
01〜0.2mmとするのが好ましい(請求項4)。
の態様(請求項5)は、第1の押出機よりチューブ母材
の材料を、第2の押出機より非粘着層の材料を、それぞ
れ共通の金型に導入して押出成形により積層することを
特徴としている。また製造法の第2の態様は、第1の押
出機よりチューブ母材の材料を、第2の押出機より内層
の材料を、第3の押出機より外層の材料を、それぞれ共
通の金型に導入して押出成形により積層することを特徴
としている。
押出成形した後、電離性放射線を照射するのが好まし
い。
ブ(請求項1)においては、母材チューブの材料とし
て、硬度がJIS K 7215に基づき測定したHD
A40以上、HDA70以下の柔軟なフッ素ゴム系熱可
塑性エラストマー(A)を用いているので、弾性変形後
の回復力が高く、機械的強度も高い。またフッ素ゴム系
熱可塑性エラストマーを用いているので、耐熱性、耐油
性、耐薬品性が高い。硬度がHDA40未満の場合は、
機械的強度が劣る。またHDA70を超えると、柔軟性
および形状回復性が劣る。また非粘着層は、硬度がJI
S K 7215に基づき測定したHDA70以上、H
DD80以下のフッ素樹脂(B)を用いているので、非
粘着性の付与と同時に耐熱性、耐油性、耐薬品性が高く
なり、母材の柔軟性を損なうこともない。しかも積層し
た面のタック性がなくなるので、使用が容易になる。非
粘着層の硬度がHDA70未満になると、粘着性が生
じ、HDD80を超えると柔軟性がなくなる。
溶着することができ、溶着面で剥離することがない。し
たがって非粘着層を内面または外面に積層したチューブ
は、タック性がない非粘着層の作用と、柔軟性および形
状回復性を有する母材の作用とが相まって、柔軟性や耐
薬品性、弾性回復力などの優れた性質を有するポンプ用
チューブとなる。
2)は、非粘着層として、樹脂成分が多くてタック性の
無い、硬度がJIS K 7215に基づき測定したH
DA70以上、HDD80以下のテトラフルオロエチレ
ン、ビニリデンフルオロライド、ヘキサフルオロプロピ
レンからなる三元共重合材料(B)を用いているので、
その層を設けた側ではタック性がなくなり、扱いやすく
なる。非粘着層の硬度がHDA70未満になると、粘着
性があり、HDD80を超えると柔軟性がなくなる。こ
のものも、ポンプ用のチューブとしての好ましい性質を
維持したまま、タック性が著しく改善される。さらに母
材チューブと非粘着層の材料は化学組成が近い為に容易
に溶着でき境界面で剥離することは無い。
ブと同程度でよく、たとえば0.1〜4.0mm程度、
より好ましくは0.3〜3.0mm程度である。0.1
mmより薄くすると、強度が低下し、復元性が低下す
る。逆に4.0mmより厚くすると、可撓性が低くな
り、ポンプ用に適せず、必要となる駆動エネルギが高く
なる。母材の厚さはチューブの厚さの50〜99.5%
程度が好ましく、具体的には0.1〜4.0mm程度で
ある。0.1mmより薄くすると、強度が低下し、復元
性が低下する。逆に4.0mmを超えると可撓性が低く
なる。非粘着層の厚さは薄くするのが好ましく、通常は
0.005mm以上、とくに0.01mm以上が用いら
れる。0.005mm未満の場合は成形が困難であり、
母材への積層強度が劣る。厚さの上限は0.3mm程
度、とくに0.2mm程度であり、それ以上厚くすると
柔軟性が劣り、ポンプ用に適しなくなる。
は、第1の押出機よりチューブ母材の材料を、第2の押
出機より非粘着層の材料を、それぞれ共通の金型に導入
して押出成形により積層するので、両者の接着強度が高
く、効率的に製造しうる。
は、第1の押出機よりチューブ母材の材料を、第2の押
出機より内層の材料を、第3の押出機より外層の材料
を、それぞれ共通の金型に導入して押出成形により積層
するので、内層と外層の材料を変えることができる。た
とえばフッ素ゴム系熱可塑性エラストマーの母材に対
し、外層をフッ素樹脂とし、内層を三元共重合体とした
り、逆に外層を三元共重合体とし、内層をフッ素樹脂と
することもできる。それにより、使用環境やチューブ内
を通す薬品に応じた適切な三層構造のポンプ用チューブ
を得ることができる。
ム系熱可塑系エラストマー(A)の融点、フッ素樹脂
(B)または3元共重合体(B)の融点以上で、熱分解
しない温度以下で成形するのが望ましい。具体的には2
00〜290℃が望ましい。
も3元共重合体(B)も放射線により架橋する性質があ
るので、成形を行った後で放射線を照射して架橋を行う
ことが出来るので、上記のいずれの製造法も押出成形の
後に放射線を照射して架橋させるのが好ましい。それに
より機械的性質が改善される。放射線架橋に適した線量
は、10〜500kGyの範囲が望ましい。10kGy
以下では放射線架橋の効果が薄く、500kGy以上で
は材料の劣化を招くおそれがある。
発明を説明する。 [実施例1] [2層チューブの成形]フッ素系熱可塑性エラストマー
(A)としてダイキン工業(株)ダイエルサーモプラス
チック T−530(硬度HDA67)を使用した。ま
た、3元共重合体(B)として住友スリーエム(株)T
HV500G(硬度HDA92〜93)を使用した。押
出成形機としては、母材となるエラストマー(A)には
シリンダー径:40mm、L/D:16を使用し、3元
共重合体(B)にはシリンダー径:30mm、L/D:
12を使用した。図1は本発明の一実施例による、母材
1としてダイエルサーモプラスチックT−530を、内
面層2としてTHV500Gを用いた2層チューブ3の
断面を示したものである。内面層2、母材1の厚さは、
それぞれ0.1mm、0.9mmである。
ための押出金型の断面を示したものである。図示しない
40mm押出機が金型の母材入口11に接続されてお
り、加熱され溶融しているダイエルサーモプラスチック
T−530が母材入口11から注入され、母材流路12
を通る。また30mm押出機が金型の内表面層材料入口
13に接続されており、加熱溶融しているTHV500
Gが内表面層材料入口13から注入され、内表面層材料
流路14を通る。合流部15において、ダイエルサーモ
プラスチックT−530とTHV500Gが溶着され、
金型出口16から、母材Aがダイエルサーモプラスチッ
クT−530、内面層BがTHV500Gの2層チュー
ブ3が押出される。
り冷却されながら、引取り機により引き取られ、肉厚が
内面層0.1mm、母材層0.9mmである内径:2.
0mm、外径:4.0mmのチューブの成形品を得た。
ーブを束状にして通常のポリエチレン袋に入れ、入り口
を熱溶着機で封緘した。これにCo60を線源として、
50kGyの電離性放射線を照射して実施例1のチュー
ブを得た。照射雰囲気は空気中である。
の屈曲性およびタック性を測定した。結果を表1に示
す。タック性は、指先でチューブを挟んで押しつぶし、
チューブの内面を互いに密着させた後、指から離して復
元するまでの様子を観察した。また外面の密着性につい
ては、チューブを2本重ねて指先で圧縮し、チューブ間
の密着性を観察した。表1では、復元した場合を「〇」
で、復元しにくかったもの、あるいは外面の密着性があ
ったものを「×」で示す。屈曲性はチューブポンプにか
けて作動状態を観察した。良好に動作したものを「〇」
で示し、破壊したものを「×」で示す。
(A)としてダイキン工業(株)ダイエルサーモプラス
チックT−530を使用した。また、3元共重合体
(B)として住友スリーエム(株)THV500Gを使
用した。押出成形機については、母材となる(A)には
シリンダー径:40mm、L/D:16を使用し、3元
共重合体(B)にはシリンダー径:30mm、L/D:
12を使用した。
にダイエルサーモプラスチックT−530を用い、内面
層2および外面層4にTHV500Gを用いた3層チュ
ーブ5の断面を示したものである。内面層2、母材1お
よび外面層4の厚みは、それぞれ0.1mm、0.8m
m、0.1mmである。
の押出金型の断面を示したものである。40mm押出機
が金型の母材入口21に接続されており、加熱され溶融
しているダイエルサーモプラスチックT−530が母材
入口21から注入され、母材流路22を通る。また30
mm押出機は金型の表面層材料入口23に接続されてお
り、加熱溶融しているTHV500Gが表面層材料入口
23から注入され、内表面層材料流路24、外表面層材
料流路25に分かれて流れる。合流部26において、ダ
イエルサーモプラスチックT−530とTHV500G
が溶着され、金型出口27から母材1がダイエルサーモ
プラスチックT−530、内表面層2、外表面層4がT
HV500Gの3層チューブ5が押出される。
り冷却されながら、一定速度で引取り機により引き取ら
れ、肉厚が内面層0.1mm、母材層0.8mm、外面
層0.1mmである内径:2.0mm、外径:4.0m
mのチューブの成形品を得た。実施例1と同様にCo6
0を線源として50kGyの放射線を照射し加硫を行な
った後、加熱処理により脱色して実施例2を得た。
料をダイエルサーモプラスチックT−530単独にした
以外は、押出条件、放射線加硫条件、加熱脱色条件など
を全く同じにして比較例1のチューブの成形加工を行っ
た。結果を表1に示す。
料をTHV200G(硬度HDA88〜89)単独にし
た以外は、押出条件、放射線加硫条件、加熱脱色条件等
を全く同じにして、比較例2のチューブの成形加工を行
った。得られたチューブは無色透明であるが、柔軟性に
乏しくチューブポンプに掛けたところ直ちに破壊した。
物性評価結果を、表1に示す。
料をTHV500G単独にした以外は、押出条件、放射
線加硫条件、加熱脱色条件等を全く同じにして、比較例
3のチューブの成形加工を行った。得られたチューブは
無色透明であったが、比較例2のTHV200Gのチュ
ーブに比べさらに柔軟性に乏しく、チューブポンプに掛
けたところ直ちに破壊した。評価した物性を表1に示
す。
た実施例1のチューブでは、外面のタック性以外はいず
れも良好な結果が得られた。また、内面および外面の両
方に非粘着層を設けた実施例2のチューブでは、全ての
項目について良好な結果が得られた。なお、引っ張り強
度および伸びについても、母材単独のチューブとほぼ同
等の性能を示した。他方、非粘着層を設けない比較例1
のチューブでは、内面および外面のいずれもタック性が
あり、好ましくない。また全体を三元共重合体で構成し
た比較例2および比較例3のチューブでは、屈曲性およ
び伸びが良好でないことが分かる。また比較例2、3に
ついては、硬いため、タック性の測定ができなかった。
図である。
型の断面図である。
面図である。
型の断面図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 硬度がJIS K 7215に基づき測
定したHDA40以上、HDA70以下の柔軟なフッ素
ゴム系熱可塑性エラストマー(A)からなるチューブ母
材と、そのチューブ母材の内面および(または)外面に
積層した、硬度がJIS K 7215に基づき測定し
たHDA70以上、HDD80以下のフッ素樹脂(B)
からなる非粘着層とを備えているポンプ用の多層チュー
ブ。 - 【請求項2】 硬度がJIS K 7215に基づき測
定したHDA40以上、HDA70以下の柔軟なフッ素
ゴム系熱可塑性エラストマー(A)からなるチューブ母
材と、そのチューブ母材の内面および(または)外面に
積層した、硬度がJIS K 7215に基づき測定し
たHDA70以上、HDD80以下のテトラフルオロエ
チレン、ビニリデンフルオライド、ヘキサフルオロプロ
ピレンからなる三元共重合体(B)からなる非粘着層と
を備えているポンプ用の多層チューブ。 - 【請求項3】 前記母材の内面および外面にそれぞれ非
粘着層を設けた請求項1または2記載の多層チューブ。 - 【請求項4】 前記母材の厚さが0.1〜4.0mm
で、非粘着層の厚さが0.005〜0.3mmである請
求項1、2または3記載の多層チューブ。 - 【請求項5】 第1の押出機よりチューブ母材の材料
を、第2の押出機より非粘着層の材料を、それぞれ共通
の金型に導入して押し出し成形により積層する請求項
1、2、3または4記載の多層チューブの製造法。 - 【請求項6】 第1の押出機よりチューブ母材の材料
を、第2の押出機より内層の材料を、第3の押出機より
外層の材料を、それぞれ共通の金型に導入して押し出し
成形により積層する請求項3記載の多層チューブの製造
法。 - 【請求項7】 請求項1、2、3、4、5または6記載
の多層チューブを押し出し成形した後、電離性放射線を
照射する多層チューブの製造法。
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JP37412299A JP3671127B2 (ja) | 1999-12-28 | 1999-12-28 | 多層チューブおよびその製造法 |
Related Child Applications (1)
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JP (1) | JP3671127B2 (ja) |
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