JPH09131833A - 熱可塑性ポリマー積層体及び積層チューブ - Google Patents

熱可塑性ポリマー積層体及び積層チューブ

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JPH09131833A
JPH09131833A JP7317485A JP31748595A JPH09131833A JP H09131833 A JPH09131833 A JP H09131833A JP 7317485 A JP7317485 A JP 7317485A JP 31748595 A JP31748595 A JP 31748595A JP H09131833 A JPH09131833 A JP H09131833A
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JP
Japan
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fluoropolymer
layer
polymer
thermoplastic elastomer
thermoplastic
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Application number
JP7317485A
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English (en)
Inventor
Hirofumi Nishibayashi
浩文 西林
Takafumi Yamasoto
隆文 山外
Tsuyoshi Inaba
剛志 稲葉
Masakatsu Kitano
正勝 北野
Tetsuo Shimizu
哲男 清水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱可塑性エラストマーからなる層と含フッ素
ポリマーからなる層とが強固に接着されてなる積層体を
提供する。 【解決手段】 熱可塑性エラストマー(a1)からなる
熱可塑性エラストマー層(A)と、含フッ素ポリマー
(b1)からなる含フッ素ポリマー層(B)とが、中間
層(C)を介して接着されてなる積層体であって、前記
中間層(C)が、前記熱可塑性エラストマー(a1)に
対して接着性を有する熱可塑性ポリマー(a2)、及
び、前記含フッ素ポリマー(b1)に対して接着性を有
する含フッ素ポリマー(b2)からなるものであり、前
記中間層(C)内におけるモルフォロジーが、海島構造
を形成してなり、かつ、前記熱可塑性エラストマー層
(A)との界面近傍においては、熱可塑性ポリマー(a
2)が海相を、含フッ素ポリマー(b2)が島相を形成
しており、前記含フッ素ポリマー層(B)との界面近傍
においては、含フッ素ポリマー(b2)が海相を、熱可
塑性ポリマー(a2)が島相を形成している熱可塑性ポ
リマー積層体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、互いに接着性を有
しない熱可塑性エラストマーからなる層と含フッ素ポリ
マーからなる層とを強固に接着する中間層を介して接着
させてなる熱可塑性ポリマー積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】工業用チューブ、ホース用材料として種
々の素材が検討されているが、一般的には、安価であり
しかも加工性に優れていることから、鉄系等の金属製の
もの、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン等の汎用プラスチ
ック製のものが多く使用されている。しかし、金属配管
は、比重が大きいために軽量化が難しく、更に柔軟性に
乏しいために使用可能な部位が限定されてしまう等の欠
点を有しており、汎用プラスチックは、軽量かつ高柔軟
性の利点がある反面、配管中を流れる流体が限定されて
しまう欠点を有していた。ところで、含フッ素ポリマー
は、その優れた特性を活かして多くの工業用チューブ、
ホース用材料として盛んに使用されている。含フッ素ポ
リマーは、化学プラントの金属配管のライニング等に利
用されているように過酷な条件においても使用できる優
れた物性を有しているが、高コスト、高比重等の欠点も
有しており、耐クリープ性が悪いので軟質チューブとし
て単体で用いる際にも限定が加えられる欠点を有してい
た。
【0003】このような欠点に対する有効な方法とし
て、熱可塑性エラストマーからなる層と含フッ素ポリマ
ーからなる層とを積層することにより、広範囲の分野に
おいて利用価値を高めることが考えられたが、この二つ
の層は互いに接着性を有しない欠点を有しており、この
二つの層を接着する技術の開発が望まれていた。
【0004】互いに接着性を有しない層体を接着するこ
とによる積層方法としては、化学的に表面を改質する方
法;スパッタリング、コロナ放電、プラズマ、エキシマ
レーザー等により物理的に表面を改質する方法等が知ら
れている。しかしながら、これらの方法は、特殊な処理
装置を要し高価であるとともに、層間接着力が充分では
ない欠点を有していた。また、このような方法により樹
脂積層体を得るためには逐次溶融成形をしなければなら
ず、工程数の増大等の加工性、生産性が悪い欠点もあっ
た。
【0005】特公平5−65755号公報には、樹脂製
管内にフッ素系ブロック共重合体を積層してガソリン循
環用管接続用ホースとする技術が開示されている。
【0006】しかしながら、このものは本質的に表面接
着処理に係る技術であり、互いに接着性を有しない二つ
の層を強固に接着させるための汎用性がない。
【0007】特公平4−55385号公報には、フッ素
ゴム層とニトリルゴム層とを特定のポリオール系加硫剤
と金属酸化物とをそれぞれに加えて加硫接着する技術が
開示されている。しかしながら、このものは本質的にゴ
ム製品の改良に係り、汎用性が少なくまた得られる接着
力も充分なものとはいえないものであった。
【0008】特開平5−8353号公報には、フッ素樹
脂とポリアミド樹脂とを接着させるために各ポリマー分
子間に、放射線照射による架橋構造を導入する技術が開
示されている。しかしながら、このものは成形後に放射
線を照射しなければならず、操作も煩雑であって得られ
る接着力も充分なものではなかった。
【0009】米国特許第4886689号明細書には、
互いに接着性を有しない熱可塑性樹脂A及びBを積層す
る際に、接着層として熱可塑性樹脂A及びBを含有する
系からなる接着性組成物を用いる技術が開示されてい
る。しかしながら、この技術は、接着性が層界面に存在
するA及びBの体積比に依存するため、非相溶系にもか
かわらずA及びBが高分散状態であることを必要とす
る。このような組み合わせでは、配合比、A及びBの粘
度比等により樹脂の組み合わせが実質上限定される等の
技術的問題点があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記現状に
鑑み、熱可塑性エラストマーからなる層と含フッ素ポリ
マーからなる層とが強固に接着されてなる積層体を提供
することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の熱可塑性ポリマ
ー積層体は、少なくとも3層からなり、全体として柔軟
性を有する熱可塑性ポリマー積層体であり、かつ、ポリ
エステル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可
塑性エラストマー、及び、ポリオレフィン系熱可塑性エ
ラストマーのうち少なくとも1種の熱可塑性エラストマ
ー(a1)からなる熱可塑性エラストマー層(A)と、
含フッ素ポリマー(b1)からなる含フッ素ポリマー層
(B)とが、中間層(C)を介して接着されてなる積層
体であって、前記中間層(C)が、前記熱可塑性エラス
トマー(a1)に対して接着性を有する熱可塑性ポリマ
ー(a2)、及び、前記含フッ素ポリマー(b1)に対
して接着性を有する含フッ素ポリマー(b2)からなる
ものであり、前記中間層(C)内におけるモルフォロジ
ーが、海島構造を形成してなり、かつ、前記熱可塑性エ
ラストマー層(A)との界面近傍においては、熱可塑性
ポリマー(a2)が海相を、含フッ素ポリマー(b2)
が島相を形成しており、前記含フッ素ポリマー層(B)
との界面近傍においては、含フッ素ポリマー(b2)が
海相を、熱可塑性ポリマー(a2)が島相を形成してい
ることを特徴とするものである。以下に本発明を詳述す
る。
【0012】本発明の熱可塑性ポリマー積層体は、
(A)及び(B)、並びに、これらの中間に存在する
(C)の少なくとも3層からなり、これら3層以外の層
が更に形成されていてもよい。本発明の熱可塑性ポリマ
ー積層体は、全体として柔軟性を有することにより、後
に詳述する利用分野において極めて有用となる。
【0013】本発明においては、上記(A)層は、熱可
塑性エラストマー(a1)からなる。一般に、熱可塑性
ポリマー積層体の外層材として樹脂を用いて強度担持体
の役割を期待しようとすると、ある程度の厚みが必要と
なり弾性率が高く柔軟性を阻害してしまう。また、柔軟
性を維持するために外層材としてゴムを用いることも好
ましい手段ではあるが、汎用ゴムを使用すると含フッ素
ポリマー層との積層後に加硫工程が必要となるので工程
が複雑となる。本発明では、熱可塑性エラストマーを用
いることにより、これらの欠点を解消するものである。
一般に、エラストマーは、高分子であり、無定形で
あり、ポリマーが自由に運動することができ、分子
鎖自体の流動を防止するための架橋構造を有している等
の構造上の特徴を有するものであり、これらの特徴か
ら、(i)張力を加えられたときにエネルギーの散逸を
生じることなく100%以上の長さに伸張することがで
き、張力が除かれたときにすばやく収縮して原長に回復
する、(ii)充分に伸張されたときに、高い引張強度
と高い反発弾性を示す等の本来的性能を有するものであ
る。
【0014】本発明における熱可塑性エラストマーは、
結晶部、水素結合部等が架橋点としての役割を果たし、
ガラス転移温度が室温以下である無定形高分子鎖のセグ
メントが存在することから上記エラストマーとしての特
徴を有するものであるが、本来的性能をみると、上記の
うち、(i)張力を加えられたときにエネルギーの散逸
を生じることなく100%以上の長さに伸張することが
でき、張力が除かれたときにすばやく収縮して原長に回
復するとのエラストマーとしての性能を有しない場合も
ある。
【0015】一般にいう「樹脂」は、曲げ応力の繰り返
し等に対する耐性が低く、耐性が高い場合は一般的にク
リープ特性が悪いので繰り返し応力負荷に対して割れが
生じたり、寸法精度の歪みから接着層からの剥離を生じ
たりする欠点を有している。本発明に係る熱可塑性エラ
ストマーは、分子構造中にフレキシブルな無定形ポリマ
ー相を有するので、応力を吸収してクリープを生じるこ
とがなく、長期の接着安定性を有する。また、樹脂は、
一般的に弾性率が高く柔軟性に劣るものであるが、本発
明に係る熱可塑性エラストマーは、弾性率が低く柔軟性
が高く、本質的に「樹脂」とは異なるものである。
【0016】本発明で用いられる熱可塑性エラストマー
(a1)は、好ましい柔軟性を保持するため、弾性率
が、6000kgf/cm2 以下であることが好まし
く、より好ましくは、2000kgf/cm2 以下であ
る。上記熱可塑性エラストマー(a1)は、ポリエステ
ル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エ
ラストマー、及び、ポリオレフィン系熱可塑性エラスト
マーのうち少なくとも1種である。これらの熱可塑性エ
ラストマーの1種単独であってもよいし、2種以上を併
用してもよい。
【0017】上記ポリエステル系熱可塑性エラストマー
としては特に限定されず、例えば、ハイトレル(東レ・
デュポン社製)、ペルプレン(東洋紡社製)、グリラッ
クスEシリーズ(大日本インキ化学工業社製)、ローモ
ッド(日本GEプラスチック社製)等を挙げることがで
きる。
【0018】上記ポリウレタン系熱可塑性エラストマー
としては特に限定されず、例えば、ペレセン(ダウケミ
カル日本社製)、ミラクトラン(日本ミラクトラン社
製)、バラプレン、ドミナス(日本ポリウレタン社
製)、バンデックス(大日本インキ化学工業社製)、タ
ケラック、エラストラン、アイアンラバー(武田バーデ
ィッシュウレタン社製)、レザミン(大日本精化工業社
製)、ハイプレン(三井日曹ウレタン社製)、イーグル
ラン(北信化学社製)、ユーファイン(旭硝子社製)、
エステン、エスタロック(協和醗酵工業社製)、クラミ
ロン(クラレ社製)、モビロン(日清紡績社製)、デス
モバン(住友バイエルウレタン社製)等を挙げることが
できる。
【0019】上記ポリオレフィン系熱可塑性エラストマ
ーとしては特に限定されず、例えば、Santopre
ne(エーイーエス・ジャパン社製)、住友TPE(住
友化学工業社製)、サーモラン(三菱化学)等を挙げる
ことができる。
【0020】本発明の目的を考慮すると、優れた耐熱性
と低温から高温までの幅広い温度範囲において高強度、
ゴム弾性を有することから、上記熱可塑性エラストマー
(a1)としては、ポリエステル系熱可塑性エラストマ
ーがより好ましい。後に詳述する含フッ素ポリマー(b
1)との共押出を考慮すると、温度250℃、剪断速度
100sec-1での溶融粘度が、10〜104 ポイズで
あるポリエステル系熱可塑性エラストマーが更に好まし
い。
【0021】本発明の熱可塑性ポリマー積層体において
は、上記熱可塑性エラストマー層(A)に積層される含
フッ素ポリマー層(B)は、含フッ素ポリマー(b1)
からなる。上記含フッ素ポリマー(b1)としては、熱
溶融加工をすることができるフッ素系ポリマーであれば
特に限定されず、例えば、テトラフルオロエチレン/フ
ルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テ
トラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重
合体(FEP)、エチレン/テトラフルオロエチレン共
重合体(ETFE)、エチレン/クロロトリフルオロエ
チレン共重合体(ECTFE)、フッ化ビニリデン系共
重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTF
E)等を挙げることができる。
【0022】上記PFAとは、テトラフルオロエチレン
と、式: CF2 =CF−O−Rf (式中、Rfは、炭素数1〜10のフルオロアルキル基
を表す。)で表されるフルオロアルキルビニルエーテル
のうち少なくとも1種との共重合体であり、好ましくは
テトラフルオロエチレン85〜99モル%とフルオロア
ルキルビニルエーテル1〜15モル%とからなるもので
ある。上記FEPは、好ましくは、テトラフルオロエチ
レン87〜97モル%と、ヘキサフルオロプロピレン3
〜13モル%とからなるものであり、上記ETFEは、
好ましくは、テトラフルオロエチレン40〜90モル%
と、エチレン10〜60モル%とからなるものであり、
上記ECTFEは、好ましくは、クロロトリフルオロエ
チレン40〜90モル%と、エチレン10〜60モル%
とからなるものである。上記フッ化ビニリデン系共重合
体とは、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)のほ
か、ビニリデンフルオライド(VDF)とVDFと共重
合体可能である少なくとも1種の含フッ素モノマー(例
えば、テトラフルオロエチレン(TFE)、ヘキサフル
オロプロピレン(HFP)、クロロトリフルオロエチレ
ン(CTFE)、ヘキサフルオロイソブチレン、ヘキサ
フルオロアセトン、ペンタフルオロプロピレン、トリフ
ルオロエチレン、ビニルフルオライド、フルオロアルキ
ルビニルエーテル等)とからなる樹脂状の共重合体のこ
とである。上記フッ化ビニリデン系共重合体において、
VDFの量は、35モル%以上である。
【0023】上記フッ素系ポリマーは、その本質的特性
を損なわない範囲で他のモノマーを1種以上含有してい
てもよい。上記他のモノマーとしては、例えば、テトラ
フルオロエチレン(ただし、PFA、FEPを除
く。)、ヘキサフルオロプロピレン(ただし、FEPを
除く。)、フルオロアルキルビニルエーテル(ただし、
PFAを除く。)、ビニリデンフルオライド(ただし、
PVDFを除く。)、クロロトリフルオロエチレン(た
だし、PCTFEを除く。)、パーフルオロアルキルエ
チレン(アルキル基の炭素数1〜10)、パーフルオロ
アルキルアリルエーテル(アルキル基の炭素数1〜1
0)、式: CF2 =CF[OCF2 CFX(CF2 m n OCF
2 (CF2 p Y (式中、Xは、フッ素又はトリフルオロメチル基を表
す。Yは、ハロゲンを表す。mは、0又は1を表す。た
だし、mが1の場合、Xはフッ素に限る。nは、0〜5
の数を表す。pは、0〜2の数を表す。)で表される化
合物等を挙げることができる。
【0024】上記フッ素系ポリマーとしては、上記に掲
げるもののほか、含フッ素エラストマー性重合体等を挙
げることができる。上記含フッ素エラストマー性重合体
としては、ビニリデンフルオライド(VDF)とこれと
共重合可能である少なくとも1種の含フッ素モノマー
(例えば、TFE、HFP、CTFE、ヘキサフルオロ
イソブチレン、ヘキサフルオロアセトン、ペンタフルオ
ロプロピレン、トリフルオロエチレン、ビニルフルオラ
イド、フルオロアルキルビニルエーテル等)との共重合
体等を挙げることができる。
【0025】上記含フッ素エラストマー性重合体として
は、好ましくは、例えば、以下のもの等を挙げることが
できる。VDF/HFP共重合体、VDF/CTFE共
重合体、VDF/TFE/HFP三元共重合体、VDF
/TFE/CTFE三元共重合体等であって、通常、V
DFが約20〜80モル%、かつ、TFEが約40モル
%未満、HFPが約10〜60モル%、CTFEが約1
5〜40モル%のもの。
【0026】エチレンが約40〜90モル%、TFE及
び/又はCTFEが約0.1〜20モル%、第三の含フ
ッ素モノマーが約10〜60モル%の組成からなるエラ
ストマー状共重合体であって、上記第三の含フッ素モノ
マーが、CH2 =CZ(CF2 w Z、CF2 =CZ
(CF2 W Z、CF2 =CFO(CF2 W Z(式
中、Zは水素原子又はフッ素原子を表す。wは、1〜8
の整数を表す。)、及び、CH2 =C(CF2 2 で表
される化合物のうち少なくとも1種であるもの。
【0027】テトラフルオロエチレン/プロピレンのモ
ル組成比が95/5〜30/70であり、かつそれらと
共重合可能である第三の含フッ素モノマーがテトラフル
オロエチレンとプロピレンとの全量に対して0〜15モ
ル%含有されているエラストマー状共重合体であって、
上記第三の含フッ素モノマーが、CH2 =CZ(C
2 w Z、CF2 =CZ(CF2 W Z、CF2 =C
FO(CF2 W Z(式中、Zは水素原子又はフッ素原
子を表す。wは、1〜8の整数を表す。)、及び、CH
2 =C(CF2 2 で表される化合物のうち少なくとも
1種であるもの。
【0028】含フッ素セグメント化ポリマーであって、
含フッ素エラストマー性ポリマー鎖セグメントが、含フ
ッ素非エラストマー性ポリマー鎖セグメントにグラフト
又はブロック型で接続しているもの(例えば、特公昭6
2−34324号公報、特公昭57−4728号公報に
開示のもの)。特公昭62−34324号公報に開示さ
れる含フッ素セグメント化ポリマーは、第一段階とし
て、分子内に二重結合とパーオキシ結合とを同時に有す
るモノマーを少なくとも1種の含フッ素モノマーと共重
合せしめ、ガラス転移温度が室温以下でかつ分子内にパ
ーオキシ基を含有する含フッ素弾性共重合体(P1)を
重合し、第二段階として、第一段階で重合した共重合体
(P1)の水性乳濁液又は分散溶媒中でその融点が13
0℃以上である結晶性重合体(P2)を与える少なくと
も1種の含フッ素モノマーを含む1種以上のモノマーを
グラフト共重合してなり、(P2)/(P1)の重量比
が10/90〜50/50である分岐状ブロック共重合
体である。この分岐状ブロック共重合体は、第二段階で
重合した(P2)の単独重合体との混合物としてなる。
【0029】特公昭57−4728号公報に開示される
含フッ素セグメント化ポリマーは、ラジカル発生源及び
炭素と結合したヨウ素を含有するアイオダイド化合物の
存在下にラジカル重合性の不飽和結合を有するモノマー
の少なくとも2種をラジカル重合するに際して、上記ア
イオダイド化合物の炭素−ヨウ素結合間に少なくとも2
種のポリマー鎖セグメントを形成せしめるように(P
1)、(P2)各ポリマー鎖セグメントを構成すべきモ
ノマーを逐次重合させて得られた含フッ素セグメント化
ポリマーであって、好ましくは、アイオダイド化合物と
して炭素数1〜16のパーハロゲン炭化水素であってそ
のハロゲン原子の少なくとも1個がヨウ素原子であり、
他のハロゲン原子がフッ素原子、又は、フッ素原子及び
塩素原子からなるもの(ただし、塩素原子が存在する場
合、その数はフッ素原子の数よりも多いことはなくかつ
1個の炭素原子上には1個を超える塩素原子が存在する
ことはない)を用いたものであり、(P2)/(P1)
の重量比が5/95〜60〜40である直鎖状ブロック
共重合体である。
【0030】上記含フッ素エラストマー性重合体のう
ち、特に、加硫工程等が不要であることから含フッ素セ
グメント化ポリマーが好ましく、柔軟性の点から、(P
2)の単独重合体を含まない直鎖状ブロック共重合体が
更に好ましい。
【0031】上記フッ素系ポリマーのうち、特に、フッ
化ビニリデン系共重合体、エチレン/含フッ素オレフィ
ン系共重合体は、比較的融点が低く、共押出時の加工性
が良いことから好ましい。また、上記フッ化ビニリデン
系共重合体は前述の組成の樹脂状のフッ化ビニリデン系
共重合体が、また、エチレン/含フッ素オレフィン系共
重合体は前述の組成のエチレン/テトラフルオロエチレ
ン共重合体が好ましく用いられる。特に、共押出時に熱
可塑性エラストマーの劣化を誘起させないため、温度2
50℃、剪断速度100sec-1下での溶融粘度が10
3 〜106 ポイズであるものが好ましい。なかでも、燃
料低透過性、柔軟性、低温耐衝撃性、耐薬品性、耐熱性
に優れ、また比較的軽量で安価であるというバランスの
良さから、エチレン/含フッ素オレフィン系共重合体が
特に好ましく、温度250℃、剪断速度100sec-1
下での溶融粘度が103 〜106 ポイズであるエチレン
/含フッ素オレフィン系共重合体が更に好ましい。
【0032】本発明の熱可塑性ポリマー積層体は、上記
熱可塑性エラストマー層(A)と、上記含フッ素ポリマ
ー層(B)とが、中間層(C)を介して接着されてな
る。上記中間層(C)は、上記熱可塑性エラストマー
(a1)に対して接着性を有する熱可塑性ポリマー(a
2)、及び、上記含フッ素ポリマー(b1)に対して接
着性を有する含フッ素ポリマー(b2)からなる。
【0033】上記熱可塑性ポリマー(a2)は、熱可塑
性エラストマー(a1)に対して接着性を有するもので
あれば特に限定されない。上記熱可塑性エラストマー
(a1)が、ポリエステル系熱可塑性エラストマー又は
ポリウレタン系熱可塑性エラストマーである場合には、
上記熱可塑性ポリマー(a2)としては、上記熱可塑性
樹脂エラストマー(a1)中のエステル結合、ウレタン
結合等の極性基と親和性を有するか又は反応性を有する
官能基を分子鎖中に含有するもの等を挙げることがで
き、例えば、カルボン酸、カルボン酸誘導体、水酸基、
グリシジル基やグリシジルエーテル基等のエポキシ基、
オキサゾリン基、イソシアネート基等を挙げることがで
きる。
【0034】上記熱可塑性エラストマー(a1)が、ポ
リオレフィン系熱可塑性エラストマーである場合には、
上記熱可塑性ポリマー(a2)としては、例えば、ポリ
プロピレンをマトリックスのポリマーとするときには、
エチレン/プロピレン共重合体、水素添加スチレン/ブ
タジエン/スチレン共重合体等を挙げることができる。
【0035】上記熱可塑性ポリマー(a2)としては、
例えば、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーと同様
な手法によりポリアミド系ポリマー、ポリアリーレンス
ルフィド系ポリマーをマトリックスのポリマーとすると
きには、ポリエステル系熱可塑性エラストマー又はポリ
ウレタン系熱可塑性エラストマーの接着時に用いたよう
な官能基を含有する重合体を使用することもできる。し
かしながら、ポリエステル系熱可塑性エラストマー又は
ポリウレタン系熱可塑性エラストマーに官能基を導入す
ることにより、例えば、ビューレット結合、アロファネ
ート結合に示される三次元網目の形成反応やエステル交
換反応等の副反応を生じる可能性がある。また、熱可塑
性ポリマー(a2)としてポリオレフィン系熱可塑性エ
ラストマーを用いる場合には、熱可塑性エラストマー
(a1)のマトリックスと同じポリマーを用いると柔軟
性に悪影響を及ぼし、ゴム系の共重合体においては異種
モノマーの添加により接着界面の親和性が低下して接着
強度の低下をもたらすこととなる。従って、熱可塑性ポ
リマー(a2)としては、好ましくは、熱可塑性エラス
トマー(a1)に用いたものと同種のものを使用するの
がよい。
【0036】上記含フッ素ポリマー(b2)は、含フッ
素ポリマー(b1)に対して接着性を有するものであれ
ば特に限定されない。例えば、含フッ素ポリマー(b
1)としてETFEを用いた場合には、上記含フッ素ポ
リマー(b2)としては、フッ化ビニリデン系共重合体
を用いることができる。しかしながら、フッ素系ポリマ
ーは異種重合体間での親和性が低いので、含フッ素ポリ
マー(b2)は、好ましくは含フッ素ポリマー(b1)
と同種の含フッ素ポリマー又はセグメントを含有するも
のであることが好ましい。更に好ましくは、含フッ素ポ
リマー(b2)は、含フッ素ポリマー(b1)と同じも
のであることが、親和性の低下を導くセグメントがない
ので、より好ましい。
【0037】本発明においては、上記中間層(C)の厚
さは、少なくとも0.01mmであり、例えば、0.0
1〜10mmがよく、好ましくは0.03〜0.5mm
であってもよい。上記熱可塑性ポリマー(a2)及び上
記含フッ素ポリマー(b2)により構成される上記中間
層(C)内におけるモルフォロジーは、海島構造を形成
してなり、そして、海相及び島相を構成する二つの構成
成分である熱可塑性ポリマー(a2)及び含フッ素ポリ
マー(b2)は、熱可塑性エラストマー層(A)との界
面近傍においては、熱可塑性ポリマー(a2)が海相
を、含フッ素ポリマー(b2)が島相を形成しており、
含フッ素ポリマー層(B)との界面近傍においては、含
フッ素ポリマー(b2)が海相を、熱可塑性ポリマー
(a2)が島相を形成している。この模様は、上記中間
層(C)の断面を透過型電子顕微鏡写真を撮影して観察
することにより、鮮明に把握することができる。
【0038】このように上記中間層(C)の海島構造
が、熱可塑性エラストマー層(A)との界面近傍と含フ
ッ素ポリマー層(B)との界面近傍とにおいて反転する
本発明特有の構造は、これらの構成成分の組成比、及
び、共押出条件(設定温度、押出量、引取速度、ダイ構
造、スクリュー構造)を調節することにより、形成する
ことができる。
【0039】一般に、含フッ素ポリマーは融点が高く溶
融粘度も高いので、共押出時には中間層(C)中におい
て熱可塑性ポリマー(a2)の流動性が高くなるため、
熱可塑性ポリマー(a2)がマトリックス化する傾向が
高い。そこで、構成成分中の含フッ素ポリマー(b2)
の比率を高くするとよい。また共押出条件は、共押出時
のダイ中での中間層(C)における熱可塑性エラストマ
ー層(A)との界面近傍と含フッ素ポリマー層(B)と
の界面近傍に、温度差及び/又は剪断速度がつくように
するのが好ましい。例えば、温度差は、1〜150℃、
好ましくは10〜100℃にすることにより、上記本発
明の特有の構造が形成される。
【0040】本発明の熱可塑性ポリマー積層体において
は、上記熱可塑性エラストマー(a1)及び上記熱可塑
性ポリマー(a2)が、ポリエステル系熱可塑性エラス
トマーであり、上記含フッ素ポリマー(b1)及び上記
含フッ素ポリマー(b2)が、エチレン/含フッ素オレ
フィン共重合体であるものが好ましく、特に含フッ素ポ
リマー(b1)は、ETFEであることが好ましい。E
TFEは前述のエチレン/テトラフルオロエチレン系共
重合体を用いることができるが、そのなかでも融点が2
30℃以下で柔軟性のより優れた組成として、含フッ素
ポリマー(b1)に用いられるETFEが、エチレン/
TFEのモル組成比が、10/90〜38/62で、そ
れらと共重合可能である第三の含フッ素モノマーが、エ
チレンとTFEとの全量に対して約0〜10モル%で含
有されているもの(特公昭62−58615号公報に示
されたETFE)が好ましい。
【0041】ETFEは、温度285℃、剪断速度10
0sec-1での溶融粘度が103 〜106 ポイズであ
り、ポリエステル系熱可塑性エラストマー(TPEE)
は、温度245℃、剪断速度100sec-1での溶融粘
度が10〜104 ポイズであり、重量比:TPEE/E
TFEが、10/90〜60/40であるものが好まし
い。
【0042】上記中間層(C)における熱可塑性エラス
トマー層(A)との界面近傍での同時共押出時のポリマ
ー温度(200〜260℃)と剪断速度(0〜1000
0sec-1)の条件では、TPEEが海相を、ETFE
が島相を形成し、上記中間層(C)における含フッ素ポ
リマー層(B)との界面近傍での同時共押出時のポリマ
ー温度(230〜310℃)と剪断速度(0〜1000
0sec-1)の条件では、ETFEが海相を、TPEE
が島相を形成する。上記中間層(C)のモルフォロジー
は、各界面近傍における海相・島相の構成が上記のよう
に形成されており、かつ海島構造を有しておればよく、
上記中間層(C)の中央部においていずれが海相であり
島相であるかを問わない。
【0043】上記中間層(C)を構成するにあたって
は、上記(a2)及び(b2)のほか、可塑剤、相溶化
剤等を加えて、(a2)及び(b2)の混合分散性を高
め、また層間接着性を高めることができる。上記相溶化
剤としては、熱可塑性エラストマー層(A)又は含フッ
素ポリマー層(B)のそれぞれに対して親和性を有する
重合体成分で構成されるブロック状共重合体又はグラフ
ト状共重合体がよく、例えば、グリシジル基やグリシジ
ルエーテル基を含むエポキシ基、カルボン酸、カルボン
酸誘導体、オキサゾリン基、イソシアネート基、水酸基
等の官能基を有するモノマー成分を含む重合体成分と
(メタ)アクリル酸重合体成分とのブロック状共重合体
又はグラフト状共重合体等を挙げることができる。上記
相溶化剤は、例えば、上記(a2)及び上記(b2)の
合計量100重量部に対して1〜30重量部混合するこ
とができる。上記官能基を有するモノマー成分を含む重
合体成分の分子量は、1000〜200000、(メ
タ)アクリル酸重合体成分の分子量は、1000〜50
0000、ブロック状共重合体又はグラフト共重合体の
分子量は、2000〜700000であることが好まし
い。また、上記官能基を有するモノマー成分を含む重合
体成分のブロック状共重合体又はグラフト共重合体にお
ける割合は、1〜30重量%が好ましい。
【0044】本発明の熱可塑性ポリマー積層体は、上記
の(A)、(B)及び(C)の3層からなるものである
が、その他の層を積層体の構成層として有していてもよ
い。例えば、中間層(C)として(C1)と(C2)と
の2種を作成し積層して、全体として4層の積層体とす
ることができる。例えば、中間層(C)を、(b2)に
比較して(a2)の組成比率が高い中間層(C1)と、
(b2)に比較して(a2)の組成比率が低い中間層
(C2)との2層とすることができる。
【0045】上記(A)の上、又は上記(B)の上に、
更に他の層(D)を設けることもできる。例えば、本発
明の目的を損なわない程度に、汚染防止又は帯電防止の
ために樹脂層、ゴム層を積層又はコーティングすること
ができる。
【0046】本発明の熱可塑性ポリマー積層体におけ
る、上記の(A)、(B)及び(C)の各層には、本発
明の目的を損なわない範囲内で、ガラス繊維、カーボン
繊維、セラミック繊維、チタン酸カリウム繊維、アラミ
ド繊維、芳香族ポリエステル繊維等の繊維状の強化材;
炭酸カルシウム、タルク、マイカ、クレイ、カーボン粉
末、グラファイト、ガラスビーズ等の無機充填材;金属
粉末;ポリオレフィン粉末、ポリテトラフルオロエチレ
ン粉末、ポリイミド等の耐熱性樹脂;着色剤;難燃剤;
摺動用添加剤等の通常使用される無機又は有機の充填剤
等を含むことができる。これらの添加量は、被添加ポリ
マー100重量部に対して1〜70重量部がよい。
【0047】本発明の中間層(C)を製造するにあたっ
ては、従来公知の混合方法が採用されるが、例えば、各
成分をV型ブレンダー、タンブラー、ヘンシェルミキサ
ー等の混合機により予備混合した後、二軸押出機等の溶
融混合装置を用いて混合しペレット化することが好まし
い。
【0048】本発明の熱可塑性ポリマー積層体の製造に
あたっては、通常用いられる熱可塑性ポリマーの成形
機、例えば、圧縮成形機、多層射出成形機、多層押出成
形機、多層ブロー成形機等によって所望形状の成形物に
成形することができる。
【0049】本発明の熱可塑性ポリマー積層体は、充分
な柔軟性を有しているので、柔軟性が必要とされる用途
に極めて有用に適用することができる。本発明の熱可塑
性ポリマー積層体は、熱可塑性エラストマー層(A)と
含フッ素ポリマー層(B)とが強固に接着されているの
で、衝撃や繰り返し曲げ応力負荷により各層が分離する
ことがなく、両者の特徴を併せ持つ極めて有用な積層体
となる。
【0050】上記「強固に接着されている」とは、単に
機械的な負荷に耐える力が強いことのみを意味するもの
ではなく、接触界面において、一のポリマー層から他の
ポリマー層への一のポリマーの拡散のしやすさ、一のポ
リマーと他のポリマーとの溶解度パラメーターの近似、
又は、一のポリマーの他のポリマー表面の濡らしやすさ
による投錨効果等の理由により、同種又は異種の二つの
ポリマー間に緊密な接触界面が形成され、その界面を通
じて負荷応力を伝達する力が発現していることを意味す
る。
【0051】本発明によれば、予め混練されている非相
溶性の(a2)及び(b2)が、共押出時に外的条件に
より相分離していく過程をコントロールすることによ
り、熱可塑性エラストマー(a1)からなる熱可塑性エ
ラストマー層(A)との界面近傍には、(a1)に対し
て接着性を有する熱可塑性ポリマー(a2)をマトリッ
クスとする層を配し、含フッ素ポリマー(b1)からな
る含フッ素ポリマー層(B)との界面近傍には、(b
1)に対して接着性を有する含フッ素ポリマー(b2)
をマトリックスとする層を配することにより、強固な接
着を可能とする。
【0052】このような接着機構では、(i)緊密な接
着界面を形成しやすい、(ii)層間のポリマー鎖同士
が拡散しやすい、(iii)界面張力が低く、接着仕事
がより大きくなる等の理由により、強固な接着力を発現
することとなる。
【0053】本発明の熱可塑性ポリマー積層体は、上記
の特徴を有するので、例えば、耐サワーガソリン用、耐
アルコール燃料用、耐MTBE・耐アミン等ガソリン添
加剤入燃料用、薬液・溶剤移送用、インク・塗料用、純
水配管用、酸・アルカリ移送用、血液搬送用、廃液輸送
用、高温液体輸送用、高純度ガス配管用、スチーム配管
用等に極めて有効に用いることができる。本発明の熱可
塑性ポリマー積層体をチューブ状で適用する場合には、
含フッ素ポリマー層(B)は、最内層であることが好ま
しい。
【0054】
【実施例】以下に、実施例を掲げて本発明を更に詳しく
説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定される
ものではない。
【0055】実施例1〜4、比較例1〜3 二軸押出機で混練したペレットを、マルチマルニホール
ドダイを使用して、3種3層の同時押出(押出速度:1
0m/分)により、表1に示した条件により、多層チュ
ーブを成形した。多層チューブは、内層、中間層、及
び、外層からなり、外径8mm、内径6mm、内層厚み
0.2mm、中間層厚み0.1mm、外層厚み0.7m
mであった。各多層チューブの層間の接着強度、柔軟
性、及び、バリア性を測定し、結果を表1に示した。
【0056】比較例4 内径6mm、層厚み0.3mmのETFEの単層チュー
ブを押出、その表面をコロナ放電処理した後、ポリエス
テル系熱可塑性エラストマーを0.7mmの層厚みで溶
融被覆した。層間接着強度、柔軟性、及び、バリア性を
測定し、結果を表1に示した。
【0057】比較例5、6 熱可塑性エラストマー及びTPEEの結晶部を構成する
熱可塑性ポリマー単層での柔軟性、及び、バリア性を測
定し、結果を表1に示した。
【0058】使用試料 1)ネオフロンEP610(表1中において、「EP6
10」と記す) ダイキン工業社製、エチレン/テトラフルオロエチレン
系共重合体。融点225℃、粘度2×104 ポイズ(温
度250℃、剪断速度100sec-1) 2)ハイトレル4777(表1中において、「477
7」と記す) 東レ・デュポン社製、ポリエステル系熱可塑性エラスト
マー。融点200℃、粘度4×103 ポイズ(温度25
0℃、剪断速度100sec-1
【0059】3)ハイトレル4047(表1中におい
て、「4047」と記す) 東レ・デュポン社製、ポリエステル系熱可塑性エラスト
マー。融点180℃、粘度3×103 ポイズ(温度25
0℃、剪断速度100sec-1) 4)ダイエルサーモT530(表1中において、「T5
30」と記す) ダイキン工業社製、フッ素ゴム。融点225℃、粘度3
×104 ポイズ(温度250℃、剪断速度100sec
-1) 5)バロックス310(表1中において、「PBT」と
記す) 日本ジーイープラスチックス社製、ポリブチレンテレフ
タレート。融点230℃。
【0060】評価方法 (1)接着強度 チューブより10mm幅のテストピースを切り取り、5
0mm/分の引張速度で180度剥離試験を行うことに
より層間の接着強度を求めた。表1中の数値の単位は、
kgf/cmである。
【0061】(2)柔軟性 チューブを30cmに切り、半径が50Rとなるように
180度曲げたときにチューブにかかる力を測定した。
表1中の数値の単位は、gfである。 (3)バリア性 チューブを30cmに切り、fuelC/メタノール
(体積比:80/20)を内部に充填して、両端をシー
ルし、40℃での重量変化により、燃料透過速度を測定
した。表1中の数値の単位は、g/(m2 ×day)で
ある。
【0062】
【表1】
【0063】
【発明の効果】本発明の熱可塑性ポリマー積層体は、上
述の構成よりなるので、高い柔軟性と機械的強度を有
し、かつ含フッ素ポリマー特有のバリア性をも併せ有す
るので、耐薬品性等の特殊性能が要求される用途に極め
て有用に適用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 稲葉 剛志 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内 (72)発明者 北野 正勝 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内 (72)発明者 清水 哲男 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも3層からなり、全体として柔
    軟性を有する熱可塑性ポリマー積層体であり、かつ、ポ
    リエステル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱
    可塑性エラストマー、及び、ポリオレフィン系熱可塑性
    エラストマーのうち少なくとも1種の熱可塑性エラスト
    マー(a1)からなる熱可塑性エラストマー層(A)
    と、含フッ素ポリマー(b1)からなる含フッ素ポリマ
    ー層(B)とが、中間層(C)を介して接着されてなる
    積層体であって、前記中間層(C)が、前記熱可塑性エ
    ラストマー(a1)に対して接着性を有する熱可塑性ポ
    リマー(a2)、及び、前記含フッ素ポリマー(b1)
    に対して接着性を有する含フッ素ポリマー(b2)から
    なるものであり、前記中間層(C)内におけるモルフォ
    ロジーが、海島構造を形成してなり、かつ、前記熱可塑
    性エラストマー層(A)との界面近傍においては、熱可
    塑性ポリマー(a2)が海相を、含フッ素ポリマー(b
    2)が島相を形成しており、前記含フッ素ポリマー層
    (B)との界面近傍においては、含フッ素ポリマー(b
    2)が海相を、熱可塑性ポリマー(a2)が島相を形成
    していることを特徴とする熱可塑性ポリマー積層体。
  2. 【請求項2】 含フッ素ポリマー(b1)及び含フッ素
    ポリマー(b2)が、独立して、フッ化ビニリデン系重
    合体又はエチレン/含フッ素オレフィン系共重合体であ
    る請求項1記載の熱可塑性ポリマー積層体。
  3. 【請求項3】 熱可塑性エラストマー(a1)が、ポリ
    エステル系熱可塑性エラストマーであり、含フッ素ポリ
    マー(b1)が、フッ化ビニリデン系重合体又はエチレ
    ン/含フッ素オレフィン系共重合体である請求項1記載
    の熱可塑性ポリマー積層体。
  4. 【請求項4】 含フッ素ポリマー(b1)及び含フッ素
    ポリマー(b2)が、独立して、エチレン/含フッ素オ
    レフィン系共重合体であり、熱可塑性エラストマー(a
    1)及び熱可塑性ポリマー(a2)が、独立して、ポリ
    エステル系熱可塑性エラストマーである請求項1記載の
    熱可塑性ポリマー積層体。
  5. 【請求項5】 含フッ素ポリマー(b1)が、エチレン
    /テトラフルオロエチレン共重合体であって、エチレ
    ン:テトラフルオロエチレンのモル組成比が、10:9
    0〜38:62であり、それらと共重合しうる第三の含
    フッ素モノマーが、エチレンとテトラフルオロエチレン
    との全量に対して0〜10モル%含有されているもので
    ある請求項1、2、3又は4記載の熱可塑性ポリマー積
    層体。
  6. 【請求項6】 請求項1、2、3、4又は5記載の熱可
    塑性ポリマー積層体がチューブ状に成形されてなる積層
    チューブであって、含フッ素ポリマー層(B)が最内層
    を形成していることを特徴とする積層チューブ。
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