JP2001192014A - トレー状複合紙容器 - Google Patents
トレー状複合紙容器Info
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Abstract
性、剛性に優れマイクロウエーブ殺菌工程に適用できる
トレー状複合紙容器を提供することである。 【解決手段】 板紙素材をプレス成型して作製されたフ
ランジを有し底部に複数の細孔が形成された外容器の内
側に、ガスバリヤー性の熱可塑性樹脂シートを熱成型し
て作製されたフランジを有する内容器を挿入して、外容
器の内面と内容器の外面とを接着した構成のトレー状複
合紙容器である。
Description
ー性、蓋材による密封性、剛性に優れたマイクロウエー
ブ殺菌可能なトレー状複合紙容器に関する。
よる密封性、剛性に優れたマイクロウエーブ殺菌可能な
トレー状容器としては、ポリプロピレン等の耐熱性の優
れたプラスチックからなる成形容器が一般に使用されて
いるが、ポリプロピレン等のプラスチックからなる容器
の場合には、使用済み容器を廃棄する際の処理、減容化
などが問題になるという欠点がある。プラスチックから
なる容器の廃棄時の問題を解消した容器としては、板紙
とプラスチックフィルムからなる複合板紙素材をプレス
成形して得られたトレー状容器、ないしは板紙からなる
ブランク板を折り曲げて成形された外容器の内面に熱可
塑性樹脂シートを熱成形して作製された内容器を装着し
た構成のトレー状容器が知られている。しかしながら、
前者の板紙とプラスチックフィルムからなる板紙素材を
プレス成形して得られたトレー状容器は、容器の角部の
フランジに成形時の絞りしわが発生してフランジの上面
が平滑にならず、フランジの上面に蓋材を熱接着する際
に密封性が得られないという欠点がある。また、後者の
板紙からなるブランク板にて成形された外容器の内面に
熱可塑性樹脂シートを熱成形した内容器を装着した構成
のトレー状容器は、容器に剛性がないため容器に熱接着
した蓋材を剥離して開封する際に容器が変形してしまう
という欠点があるとともに、ブランク板を折り曲げて成
形された外容器の底部周縁の角部において熱可塑性樹脂
シートが熱成形時に強く絞られて薄肉化するため、トレ
ー状容器のガスバリヤー性が低下してしまうという欠点
があった。また、フランジ部において継ぎ部もしくは重
なり部ができてしまうため、蓋材をシールした場合に十
分な密封性が得られないという欠点がある。
性、ガスバリヤー性、蓋材による密封性、剛性に優れマ
イクロウエーブ殺菌工程に適用できる板紙からなるトレ
ー状複合紙容器を提供することである。
て作製されたフランジを有し底部に複数の細孔が形成さ
れた外容器の内側に、熱可塑性樹脂シートを熱成型して
作製されたフランジを有する内容器を挿入して、外容器
の内面と内容器の外面とを接着した構成とすることによ
り、熱可塑性樹脂シートからなる内容器のフランジ上面
の平滑性がよいため蓋材を接着した際の密封性が優れ、
板紙素材からなる外容器が剛性に優れるので、密封性、
剛性に優れたトレー状複合紙容器とすることができる。
器が外容器を成形型として熱可塑性樹脂シートを熱成形
することにより作製された構成とすることにより、熱可
塑性樹脂シートを熱成形して内容器を作製する工程に
て、作製した内容器を外容器の内面に接着させて一体化
できるので、製造工程を削減することが可能となる。
塑性樹脂シートが内面側から順にポリオレフィン層とエ
チレン−ビニルアルコール共重合体層とポリオレフィン
層と熱接着性樹脂層が積層された構成とすることによ
り、ガスバリヤー性および耐熱性に優れた紙容器とする
ことができる。また、内容器の熱接着性樹脂層にて内容
器と外容器を接着させて一体化することができる。
素材が板紙層とプラスチック層の積層体からなり、外容
器が前記プラスチック層が外面となるように成形された
構成とすることにより、外面の耐水性および耐熱性の優
れたトレー状複合紙容器とすることができる。
施の形態を説明する。図1は本発明の実施形態を示す斜
視図、図2は図1におけるI−I断面図、図3は実施形
態の外容器を作製するためのブランク板を示す平面図、
図4は図3におけるII−II断面図であって、2はフラン
ジ、3は側板、4は底板、5,6は絞りしわ、7は細
孔、2'はフランジ領域、3'は側板領域、4'は底板領域、
5',6'は押罫、11,13はポリプロピレン層、12はエチレ
ン−ビニルアルコール共重合体層、14は熱接着性樹脂
層、15は板紙層、16はプラスチック層、Aは板紙素材、
Bは熱可塑性樹脂シートをそれぞれ表す。
りである。実施形態の形状は、角丸で4角形状の底板4
とその外周端に形成された側板3と側板3の上端に全周
にわたって形成された外端縁が下方に折り曲げられた平
坦なフランジ2とを備え底板4の周縁の角部が丸みをも
った形状とされた4角形状の紙容器である。実施形態の
構成は、板紙素材Aからなりプレス成形により成形され
た外容器の内面に、熱可塑性樹脂シートBを外容器を成
形型として熱成形された内容器が挿入されて接着され一
体化されている。外容器は板紙素材Aを使用してプレス
成形により成形されたものであるため、容器の4隅の角
部にはプレス成形時に板紙素材Aが絞られて生じる絞り
しわ5,6が複数本形成されている。また、外容器を成
形型として熱可塑性樹脂シートBを熱成形して内容器を
作製するため底板4の周縁部に複数の細孔7が形成され
ている。実施形態では長方形状とされているが形状は任
意であり、四角形状、多角形状、円形状、楕円形状等と
することができる。
に、ポリプロピレン層11とエチレン−ビニルアルコール
共重合体層12とポリプロピレン層13と熱接着性樹脂層14
からなる熱可塑性樹脂シートAを熱成形して作製された
内容器の外面と、板紙層15とプラスチック層16からなる
紙素材Bをプレス成形して作製される外容器の内面とが
接着されて一体化されており、外容器には板紙層15とプ
ラスチック層16を貫通する複数の細孔7が形成されてい
る。4隅の角部の絞りしわ5,6は、外容器を形成する
板紙層15とプラスチック層16からなる紙素材Bに発生し
ているものであり、外容器の内側に挿入されている熱可
塑性樹脂シートAからなる内容器には絞りしわ5,6は
発生していない構成である。
程により製造される。先ず、板紙層15とプラスチック層
16からなる板紙素材Bを使用して外容器を作製するため
のブランク板を作製する。ブランク板は、図3に示すよ
うに、角丸の長方形状であり、4箇所の角部における容
器のフランジ形成領域2'および側板形成領域3'には、外
周端から外周端を形成する円弧の中心に向って延びる複
数の押罫5'および押罫6'が形成され、底板形成領域4'の
周縁に複数の細孔7が形成された形状である。なお、細
孔7は容器形状により位置、大きさなどを任意に設計す
ることができる。形成する押罫5',6' 間の間隔を狭くす
るために、周端に近い領域には長い押罫5'と短い罫6'が
交互に形成され、周端縁から遠い領域には長い押罫5'の
みがそれぞれ形成されている。このように長さの異なる
押罫5'と押罫6'を間隔を狭くして形成しておくことによ
り、プレス成形時における容器角部の絞り性がよくなる
のでプレス成形された紙容器の角部の保形性を優れたも
のとすることができる。
は、巾が0.5〜1.0mm、深さが50〜200μ、
間隔は2〜5mmとするのが好ましい。間隔が2mm以
下では押罫を安定して入れることができず、5mm以上
では押罫5',6' に沿って絞ることにより滑らかな形状に
成形することができなくなる。押罫5',6' の長さは成形
する容器の形状により異なるが、フランジ2の巾と側板
3の高さの和と略同一長さとして、ブランク板の外周縁
から外周縁を形成する円弧の中心に向くように形成され
る。
成形用の雌金型と雄金型を備えたプレス成形機を使用し
て、ブランク板のプラスチック層16が雌金型側にくるよ
うにセットして、雌金型と雄金型にて熱プレスすること
により、周縁部の4箇所の角部の押罫5',6'が形成され
た領域が絞られて絞りしわ5,6が発生した状態で成形
され、フランジ形成領域2'によりフランジ2が形成さ
れ、側板形成領域3'により側板3が形成され、底板形成
領域4'により底板4が形成されて、図1に示す形状から
なる外容器が作製される。また、プレス成形により作製
される外容器は、底部のコーナーが滑らかな曲面形状と
されているため、電子レンジ加熱の際にも均一に加熱す
ることができる。
と下側プレスヘッドを備え、上側プレスヘッドが上下に
移動するようになっており、上側プレスヘッドには上ヒ
ーター盤が取り付けられ上ヒーター盤に上金型枠および
雌金型が取り付けられ、雌金型は130℃程度に加熱さ
れている。下側プレスヘッドには下ヒーター盤が取り付
けられ下ヒーター盤に下金型枠および雄金型が取り付け
られている。雌金型は容器の底面、側面の外面およびフ
ランジの下面に一致する形状とされており、雄金型は容
器の底面、側面の内面およびフランジの上面に一致する
形状とされている。プレス成型するには、上側プレスヘ
ッドを上側に移動させた状態で、雄金型の上面にブラン
ク板の板紙層がくるように載置して、上側プレスヘッド
を下側に移動させて、雄金型と雌金型間で5〜10kg
/cm2 の圧力でプレスすることにより、ブランク板を
順次物理的に滑らせながら絞り部にしわが形成された状
態で金型どおりの容器形状に成形されるものである。
型枠内に装着して、その上に熱可塑性樹脂シートを被覆
して加熱し真空成形することにより、熱可塑性樹脂シー
トを真空成形用の型枠内に装着された外容器の内面に添
うように真空成形されると同時に真空成形された熱可塑
性樹脂シートからなる内容器を外容器の内面に密着させ
ることができ、実施形態のトレー状複合紙容器を作製す
ることができる。板紙素材からなる外容器の底板の周縁
部に複数の細孔が形成されているので、内容器を真空成
形用の型枠内に装着して型枠内を真空にすることによ
り、外容器の細孔から外容器と熱可塑性樹脂シート間の
空気が排出されるので、熱可塑性樹脂シートを外容器の
内面に密着させた状態で真空成形することができるもの
である。このようにして製造されたトレー状複合紙容器
は、フランジ部において上面が平滑となり、蓋材をシー
ルした場合の密閉性が優れたものとなる。また、外容器
を真空成形型として熱可塑性樹脂シートを真空成形する
際に、外容器の底板の周縁角部が丸みをもった形状とさ
れており、底板の周縁角部において熱可塑性樹脂シート
の絞り比率が大きくならず極端に薄肉化することがない
ので、内容器のガスバリヤー性が大きく低下することが
ない。
フィン層/エチレン−ビニルアルコール共重合体層/ポ
リオレフィン層からなる多層構成の共押出シートが使用
される。実施形態のように耐熱性を必要とする場合に
は、ポリオレフィン層としてポリプロピレンを使用した
ポリプロピレン層/エチレン−ビニルアルコール共重合
体層/ポリプロピレン層からなる多層構成の共押出シー
トが使用される。上記の共押出シートに熱接着性樹脂層
を設けるには、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレ
ン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステ
ル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体等の水性
エマルジョンタイプ樹脂をグラビア印刷ないしはロール
コーテイングにてポリオレフィン層面に塗布することに
より形成される。ポリオレフィン層とエチレン−ビニル
アルコール共重合体層間に接着樹脂層を設けてもよい。
ポリオレフィン層を形成する樹脂としては、用途により
低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、中・高
密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−ブロピ
レン共重合体等が使用できる。熱可塑性樹脂シートAの
厚さとしては200〜300μのものが適当である。
プラスチック層16の積層体であり、板紙層15としては白
ボール、マニラボール、カップ原紙、アイボリー紙、カ
ード紙等の板紙が使用される。板紙の厚さとしては坪量
が150〜400g/m2 の範囲で選定するのが好まし
く、雄雌金型を使用したプレス成形の適性及び成形され
た紙容器の剛性を考慮すると坪量が260〜370g/
m2 のものを使用するのが好ましい。板紙の一方の面に
はグラビア印刷等により印刷層が設けられ、印刷層の外
面にプラスチック層16が積層される。プラスチック層16
としては耐熱性の優れたポリプロピレン、ポリエステ
ル、ポリカーボネート、紫外線硬化性樹脂等が使用され
る。プラスチック層16として上記の耐熱性の優れた樹脂
を使用することによりプレス成形適性をよくすることが
できるとともに、外容器の外面に耐水性を付与すにこと
ができるものである。また、紙とプラスチック素材の重
量比を、紙重量を50%以上に設計すると紙容器として
廃棄することができる。
填した後に開口部周縁のフランジ上面に蓋材を熱接着し
て密封されて包装体とされるものである。紙容器を密封
する蓋材の構成としては、2軸延伸ポリエチレンテレフ
タレート(PET)/絵柄層/紙/金属ないしは金属酸
化物蒸着PET/易剥離性樹脂層、金属酸化物蒸着PE
T/絵柄層/2軸延伸ナイロン(ON)/易剥離性樹脂
層、PET/絵柄層/エチレン−ビニルアルコール共重
合体層/ON/易剥離性樹脂層等である。蓋材も紙容器
と同様のガスバリヤー性の優れたものが使用される。蓋
材の内面に易剥離性樹脂層を使用することにより、紙容
器の内面を構成するポリプロピレン等からなるポリオレ
フィン層とのイージーピール性が得られる。
ランジを有し底部に複数の細孔が形成された外容器の内
側に、熱可塑性樹脂シートを熱成型して作製されたフラ
ンジを有する内容器を挿入して、外容器の内面と内容器
の外面とを接着した構成とすることにより、熱可塑性樹
脂シートからなる内容器のフランジ上面の平滑性がよい
ため蓋材を接着した際の密封性が優れ、板紙素材からな
る外容器が剛性に優れるので、密封性、剛性に優れたト
レー状複合紙容器とすることができる。上記のトレー状
複合紙容器において、内容器が外容器を成形型として熱
可塑性樹脂シートを熱成形することにより作製された構
成とすることにより、熱可塑性樹脂シートを熱成形して
内容器を作製する工程にて、作製した内容器を外容器の
内面に接着させて一体化できるので、製造工程を削減す
ることが可能となる。上記のトレー状複合紙容器におい
て、熱可塑性樹脂シートが内面側から順にポリオレフィ
ン層とエチレン−ビニルアルコール共重合体層とポリオ
レフィン層と熱接着性樹脂層が積層された構成とするこ
とにより、ガスバリヤー性および耐熱性に優れた紙容器
とすることができる。また、内容器の熱接着性樹脂層に
て内容器と外容器を接着させて一体化することができ
る。上記のトレー状複合紙容器において、板紙素材が板
紙層とプラスチック層の積層体からなり、外容器が前記
プラスチック層が外面となるように成形された構成とす
ることにより、外面の耐水性および耐熱性の優れたトレ
ー状複合紙容器とすることができる。
を示す平面図。
層 3 側板 12 エチレン−ビニルア
ルコール共重合体層 4 底板 14 熱接着性樹脂層 5,6 絞りしわ 15 板紙層 7 細孔 16 プラスチック層 2' フランジ領域 A 板紙素材 3' 側板領域 B 熱可塑性樹脂シート 4' 底板領域 5',6' 押罫
Claims (5)
- 【請求項1】 板紙素材をプレス成型して作製されたフ
ランジを有し底部に複数の細孔が形成された外容器の内
側に、熱可塑性樹脂シートを熱成型して作製されたフラ
ンジを有する内容器を装着して、前記外容器の内面と前
記内容器の外面とを接着した構成からなることを特徴と
するトレー状複合紙容器。 - 【請求項2】 前記内容器が前記外容器を成形型として
前記熱可塑性樹脂シートを熱成形することにより作製さ
れたものであることを特徴とする請求項1記載のトレー
状複合紙容器。 - 【請求項3】 前記熱可塑性樹脂シートが内面側から順
にポリオレフィン層とエチレン−ビニルアルコール共重
合体層とポリオレフィン層と熱接着性樹脂層が積層され
た構成からなることを特徴とする請求項1または2に記
載のトレー状複合紙容器。 - 【請求項4】 前記ポリオレフィン層がポリプロピレン
からなる構成であることを特徴とする請求項1〜3のい
ずれかに記載のトレー状複合紙容器。 - 【請求項5】 前記板紙素材が板紙層とプラスチック層
の積層体からなり、前記外容器が前記プラスチック層が
外面となるように成形された構成からなることを特徴と
する請求項1〜4のいずれかに記載のトレー状複合紙容
器。
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