JP2001181609A - エアゾール組成物 - Google Patents

エアゾール組成物

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JP2001181609A JP37020799A JP37020799A JP2001181609A JP 2001181609 A JP2001181609 A JP 2001181609A JP 37020799 A JP37020799 A JP 37020799A JP 37020799 A JP37020799 A JP 37020799A JP 2001181609 A JP2001181609 A JP 2001181609A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用感にすぐれ、発泡性がよく噴射後すぐに
発泡する即起泡性であり、かつ泡の持続性が良好で、し
かも伸展性を有する種々の泡質のフォームを形成し得る
エアゾール組成物を提供すること。 【解決手段】 そのHLBが2〜10の親油性界面活性
剤0.1〜12重量%、油成分1〜12重量%および残
部水からなる原液に、溶解性圧縮ガスが25℃で200
0〜20000ppm(重量基準)溶解されてなるエア
ゾール組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エアゾール組成物
に関する。さらに詳しくは、使用感にすぐれ、発泡性が
よく噴射後すぐに発泡する即起泡性であり、かつ泡の持
続性が良好で、しかも伸展性を有する種々の泡質のフォ
ームを形成し得るエアゾール組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、圧縮ガスを噴射剤とした発泡性の
エアゾール組成物が多数提案されている。ところが、液
化石油ガスなどの液化ガスを噴射剤とした泡状エアゾー
ル組成物を構成する原液と同成分の原液に、炭酸ガスな
どの圧縮ガスを用いた場合、発泡性がわるかったり、発
泡後すぐに消泡するなど、泡状製品として実用化するに
は問題があった。
【0003】そこで、組成物の発泡性を向上させるため
に、また泡の保持時間を調整するために種々検討が繰り
返された結果、原液の粘度が発泡性に大きく影響してい
ることがわかり、水溶性高分子化合物などの増粘剤を用
いて原液の粘度を調整することが試みられてきた。
【0004】たとえば、低級アルコール0〜80重量
%、水またはアルコールあるいはこれらの混合物に可溶
な高分子化合物0.5〜10重量%、水5〜90重量%
および圧縮ガスにて4〜7kg/cm2・Gの飽和圧力
になるまで容器内に圧入した泡沫組成物(特開昭52−
41178号公報)、原液が多価アルコール70重量%
以上、整泡剤および/またはゲル化剤0.1〜20重量
%、非ステロイド系消炎外用剤0.1〜5重量%および
補助剤10重量%以下からなるエアゾール組成物(特開
平5−279250号公報)、殺菌剤、低級モノアルコ
ール、非イオン界面活性剤、水溶性高分子化合物および
噴射剤を含有してなるエアゾール組成物(特開平6−2
79268号公報)などが提案されてきている。
【0005】しかしながら、これら増粘剤を用いて原液
の濃度を上昇させたエアゾール組成物では、確かに発泡
性は向上するものの、これらエアゾール組成物を製造す
る際のとくに圧縮ガスを原液に溶解させる工程におい
て、原液の粘度が高いために、エアゾール製品を振とう
しても原液と圧縮ガスとの接触が少なく、圧縮ガスの原
液への溶解が遅くなる。その結果、圧縮ガスの溶解が平
衡状態に達するまでの時間が長くなり、製造効率がわる
くなるといった欠点がある。また得られるエアゾール製
品には、増粘剤が用いられているため、べたつきが生じ
るなどして使用感がわるいといった欠点もある。
【0006】また、イソペンタンなどの炭素数5〜7の
脂肪族炭化水素をエアゾール組成物中に配合し、泡の状
態を向上させることも試みられている。
【0007】たとえば、水性溶液、界面活性剤、圧縮溶
解ガスとともに、濃度10000ppm以上の炭化水素
油(炭素数5〜7)をエアゾール容器内に封入した泡沫
状エアゾール剤(特開平5−112427号公報)、水
および界面活性剤を含有する原液と、炭素数5〜7の脂
肪族炭化水素と、低溶解性圧縮ガスとを含有するエアゾ
ール組成物(特開平7−207265号公報)などが提
案されている。
【0008】しかしながら、これら炭素数5〜7の脂肪
族炭化水素を配合したエアゾール組成物には、該組成物
を用いる周囲の温度によって発泡状態が大きく変動して
しまうため、安定した泡を得ることができないといった
欠点がある。
【0009】さらには、前記増粘剤を配合したエアゾー
ル組成物や炭素数5〜7の脂肪族炭化水素を配合したエ
アゾール組成物のほかにも、たとえば粘度(20℃)が
500〜8000cPの水性原液と圧縮ガスとからな
り、収縮性容器内に充填された状態において原液中に圧
縮ガスが溶解され、その濃度が200〜5000ppm
である徐起泡型後発泡性組成物が提案されている(特許
第2776540号公報)。
【0010】前記徐起泡型後発泡性組成物は、原液の粘
度と溶解している圧縮ガスの濃度とのバランスにより、
吐出された組成物において、圧縮ガスがただちに気化す
ることが抑制され、徐々に気化して相当の時間にわたっ
て穏やかに起泡するものである。したがって、たとえば
即効性を要するエアゾールタイプの薬剤組成物などへの
利用は困難であり、また泡質の変化がなく、一定したも
のであることから、該徐起泡型後発泡性組成物はその利
用分野がある程度制限される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術に鑑みてなされたものであり、使用感にすぐれ、発泡
性がよく噴射後すぐに発泡する即起泡性であり、かつ泡
の持続性が良好で、しかも伸展性を有する種々の泡質の
フォームを形成し得るエアゾール組成物を提供すること
を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、そのHLBが
2〜10の親油性界面活性剤0.1〜12重量%、油成
分1〜12重量%および残部水からなる原液に、溶解性
圧縮ガスが25℃で2000〜20000ppm(重量
基準)溶解されてなるエアゾール組成物に関する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明のエアゾール組成物は、前
記したように、そのHLBが2〜10の親油性界面活性
剤0.1〜12重量%、油成分1〜12重量%および残
部水からなる原液に、溶解性圧縮ガスが25℃で200
0〜20000ppm(重量基準)溶解されてなる組成
物である。
【0014】本発明のエアゾール組成物は、特定のHL
Bを有する親油性界面活性剤に基づいて発泡性がよく、
噴射後すぐに発泡する即起泡性であるのは、原液である
乳化組成物に溶解性圧縮ガスが特定量、しかも比較的多
量に溶解しているからである。さらに、本発明に用いら
れる親油性界面活性剤の種類を適宜変更することによ
り、泡質の異なるフォームを形成し得る組成物が得られ
るのである。
【0015】前記親油性界面活性剤は、油成分と水とを
乳化させて原液を乳化組成物とし、エアゾール組成物の
発泡性を向上させる成分である。
【0016】本発明に用いられる親油性界面活性剤は、
そのHLBが2〜10のものである。
【0017】HLBが2〜10の親油性界面活性剤の代
表例としては、たとえばソルビタンモノパルミテート
(HLB:6.7、フレーク状)、ソルビタンモノステ
アレート(HLB:4.7、フレーク状)、ソルビタン
セスキステアレート(HLB:4.2、フレーク状)、
ソルビタントリステアレート(HLB:2.1、フレー
ク状)などのソルビタン脂肪酸エステル;グリセリルモ
ノカプリレート(HLB:7.0、ペースト状)、グリ
セリルモノミリステート(HLB:3.5、フレーク
状)、グリセリルモノステアレート(HLB:4.0、
フレーク状)、グリセリルモノオレエート(HLB:
2.5、ペースト状)などのグリセリン脂肪酸エステ
ル;デカグリセリルトリステアレート(HLB:7.
5、フレーク状)、デカグリセリルペンタステアレート
(HLB:3.5、フレーク状)、デカグリセリルヘプ
タステアレート(HLB:3.5、フレーク状)、デカ
グリセリルデカステアレート(HLB:3.0、フレー
ク状)などのデカグリセリン脂肪酸エステル;ジグリセ
リルモノステアレート(HLB:5.0、固形状)、テ
トラグリセリルモノステアレート(HLB:6.0、フ
レーク状)、テトラグリセリルトリステアレート(HL
B:4.1、フレーク状)、テトラグリセリルペンタス
テアレート(HLB:2.3、フレーク状)、ヘキサグ
リセリルモノステアレート(HLB:9.0、プレート
状)、ヘキサグリセリルトリステアレート(HLB:
2.5、フレーク状)、ヘキサグリセリルペンタステア
レート(HLB:3.2、フレーク状)などのポリグリ
セリン脂肪酸エステル;プロピレングリコールモノステ
アレート(HLB:3.5、固形状)などのプロピレン
グリコール脂肪酸エステル;ペンタエリスリトールステ
アレート(HLB:2.0、フレーク状)などのペンタ
エリスリトール脂肪酸エステル;ポリオキシエチレン
(6)ソルビタンモノステアレート(HLB:9.6、
半固形状)などのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸
エステル;ポリオキシエチレン(6)ソルビットヘキサ
ステアレート(HLB:3.0、固形状)などのポリオ
キシエチレンソルビット脂肪酸エステル;ポリオキシエ
チレン(5)グリセリルモノステアレート(HLB:
9.5、半固形状)などのポリオキシエチレングリセリ
ル脂肪酸エステル;ポリオキシエチレン(1)モノステ
アレート(HLB:2.0、フレーク状)、ポリオキシ
エチレン(2)モノステアレート(HLB:4.0、フ
レーク状)、ポリオキシエチレン(4)モノステアレー
ト(HLB:6.5、ろう固形状)、エチレングリコー
ルモノステアレート(HLB:3.5、フレーク状)、
ジエチレングリコールステアレート(HLB:4.5、
固形状)、ポリエチレングリコールジステアレート(H
LB:8.5、固形状)などのポリエチレングリコール
脂肪酸エステル;ポリオキシエチレン(2)セチルエー
テル(HLB:8.0、固形状)、ポリオキシエチレン
(2)ステアリルエーテル(HLB:8.0、固形
状)、ポリオキシエチレン(4)ステアリルエーテル
(HLB:8.0、固形状)、ポリオキシエチレン
(5)ベヘニルエーテル(HLB:7.0、固形状)、
ポリオキシエチレン(10)ベヘニルエーテル(HL
B:10.0、固形状)などのポリオキシエチレンアル
キルエーテル;ポリオキシエチレン(12)ポリオキシ
プロピレン(6)デシルテトラデシルエーテル(HL
B:8.5、固形状)などのポリオキシエチレンポリオ
キシプロピレンアルキルエーテルなどがあげられ、これ
らは単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることが
できる。
【0018】前記親油性界面活性剤のなかでも、本発明
のエアゾール組成物から形成されるフォームの泡質を目
的に応じて変化させやすいものが好ましく用いられ、と
くに固い泡質のフォームを形成し得るソルビタン脂肪酸
エステルが好ましい。なお、前記親油性界面活性剤は、
常温での状態がフレーク状、固形状、ペースト状などの
ものが好ましい。
【0019】本発明のエアゾール組成物の発泡状態や前
記フォームの泡質は、親油性界面活性剤のHLBによっ
て変化する。本発明においては、エアゾール組成物の発
泡状態が良好に保たれるようにするために、親油性界面
活性剤のHLBは10以下、好ましくは8以下であり、
また原液を充分に乳化させるために、親油性界面活性剤
のHLBは2以上、好ましくは4以上である。さらに、
フォームの泡質を変化させるために、高いHLBを有す
る親油性界面活性剤と低いHLBを有する親油性界面活
性剤とを混合して用いることもできる。なお、本発明の
ように溶解性圧縮ガスが存在する場合には、用いる親油
性界面活性剤のHLBが高いほどフォームの泡質が柔ら
かくなり、逆に用いる親油性界面活性剤のHLBが低い
ほどフォームの泡質が固くなると考えられるので、目的
とするエアゾール組成物の用途などに応じて、たとえば
高HLB親油性界面活性剤/低HLB親油性界面活性剤
(重量比)が40/60〜60/40程度となるように
調整すればよい。
【0020】親油性界面活性剤の量は、充分に乳化され
た原液を調製するためには、原液の0.1重量%以上、
好ましくは1重量%以上であり、また該親油性界面活性
剤によるべたつきを抑制するためには、原液の12重量
%以下、好ましくは6重量%以下である。
【0021】本発明に用いられる油成分は、たとえばエ
アゾール組成物を皮膚や毛髪に用いた場合、これら皮膚
や毛髪に対する浸透性や光沢を付与したり、保護してそ
の健康な状態を維持し、伸展性を良好にする成分であ
る。
【0022】前記油成分としては、たとえば炭化水素、
エステル油、高級脂肪酸、油脂などのなかから、単独で
または適宜2種以上を組み合わせて用いることができ
る。
【0023】炭化水素としては、たとえばn−ヘキサ
ン、i−ヘキサン、ケロシン、石油エーテル、流動パラ
フィン、スクワレン、スクワラン、ワセリン、パラフィ
ン、イソパラフィンなどがあげられる。
【0024】エステル油としては、たとえばミリスチン
酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オク
チルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン
酸ブチル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシ
ル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、ステアリン酸イソセ
チル、イソステアリン酸イソセチル、酢酸ラノリン、酢
酸エチル、酢酸ブチル、オレイン酸オレイル、セトステ
アリルアルコール、アジピン酸ジイソブチル、セバシン
酸ジイソプロピル、セバシン酸ジオクチル、ミリスチン
酸ヘキシルデシル、パルミチン酸イソセチル、アジピン
酸−2−ヘキシルデシルなどがあげられる。
【0025】高級脂肪酸としては、たとえばラウリン
酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘ
ニン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、リノール酸、
リノレイン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコ
サヘキサエン酸(DHA)などがあげられる。
【0026】油脂としては、たとえばアボガド油、ツバ
キ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ
油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ
油、アマニ油、サフラワー油、ホホバ油、麦芽油、ヤシ
油、パーム油、硬化ヒマシ油などがあげられる。
【0027】油成分の量は、振とうして充分な乳化組成
物である原液とするためには、原液の1重量%以上、好
ましくは1.5重量%以上であり、また原液の粘度が低
下し過ぎないようにするためには、原液の12重量%以
下、好ましくは10重量%以下、さらに好ましくは6重
量%以下である。
【0028】本発明のエアゾール組成物を構成する乳化
組成物である原液は、親油性界面活性剤および油成分を
含有し、残部水からなるものであるが、該水の種類には
とくに限定がなく、通常エアゾール組成物に用いられて
いる精製水、蒸留水、イオン交換水などを適宜用いるこ
とができる。
【0029】前記したように、乳化組成物である原液は
親油性界面活性剤、油成分および水からなるが、本発明
においては、これらのほかに、目的とするエアゾール組
成物の用途などに応じて適宜その他の成分を添加するこ
とができる。
【0030】前記原液に添加することができるその他の
成分としては、たとえば酸、前記親油性界面活性剤以外
の界面活性剤、アルコール類、前記油成分以外のろうや
シリコーン、高分子化合物、有効成分などがあげられ
る。
【0031】前記酸を原液に添加した場合には、固い泡
質のフォームを形成することができることから、噴射後
すぐに液垂れせず、泡の持続性をさらに向上させること
が可能であるほか、原液の粘度を調整することも可能で
ある。
【0032】酸の代表例としては、たとえばクエン酸、
乳酸、マレイン酸、酒石酸、シュウ酸、塩酸などのほ
か、たとえばクエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、マ
レイン酸ナトリウムなどの酸のアルカリ金属塩があげら
れる。なお、これら酸の原液中の量は、得られるエアゾ
ール組成物をたとえば皮膚や毛髪に塗布する人体用品に
用いることを考慮して、原液のpHが約3.0〜6.5
となるように適宜調整することが好ましい。
【0033】前記親油性界面活性剤以外の界面活性剤と
しては、たとえば陰イオン型界面活性剤、陽イオン型界
面活性剤、両性型界面活性剤、高分子界面活性剤、天然
界面活性剤などのなかから、単独でまたは適宜2種以上
を組み合わせて用いることができる。
【0034】前記陰イオン型界面活性剤としては、たと
えばアルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエー
テル硫酸塩、N−アシルアミノ酸塩、N−アシルメチル
タウリン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸
塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエ
ーテルリン酸塩、セッケン用素地、ラウリン酸ナトリウ
ム、パルミチン酸ナトリウムなどの脂肪酸セッケン、ラ
ウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウムなどの高
級アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンラウリ
ル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンラウ
リル硫酸ナトリウムなどのアルキルエーテル硫酸エステ
ル塩、ラウロイルサルコシンナトリウムなどのN−アシ
ルサルコシン酸、N−ミリストイル−N−メチルタウリ
ンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリッドナトリウ
ム、ラウリルメチルタウリッドナトリウムなどの高級脂
肪酸アミドスルホン酸塩、ポリオキシエチレンオレイル
エーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンステア
リルエーテルリン酸などのリン酸エステル塩、ジ−2−
エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、モノラウロ
イルモノエタノールアミドポリオキシエチレンスルホコ
ハク酸ナトリウム、ラウリルポリプロピレングリコール
スルホコハク酸ナトリウムなどのスルホコハク酸塩、リ
ニアドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、リニアド
デシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、リニ
アドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキ
ルベンゼンスルホン酸塩、N−ラウロイルグルタミン酸
モノナトリウム、N−ステアロイルグルタミン酸ジナト
リウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸モノナト
リウムなどのN−アシルグルタミン酸塩、硬化ヤシ油脂
肪酸グリセリン硫酸ナトリウムなどの高級脂肪酸エステ
ル硫酸エステル塩、ロート油などの硫酸化油、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテルカルボン酸、ポリオキシエ
チレンアルキルアリルエーテルカルボン酸塩、α−オレ
フィンスルホン酸塩、高級脂肪酸エステルスルホン酸
塩、二級アルコール硫酸エステル塩、高級脂肪酸アルキ
ロールアミド硫酸エステル塩、ラウロイルモノエタノー
ルアミドコハク酸ナトリウム、N−パルミトイルアスパ
ラギン酸ジトリエタノールアミン、カゼインナトリウム
などがあげられる。
【0035】前記陽イオン型界面活性剤としては、たと
えばアルキルアンモニウム塩、塩化ステアリルトリメチ
ルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム
などのアルキルトリメチルアンモニウム塩、塩化ジステ
アリルジメチルアンモニウムなどのジアルキルジメチル
アンモニウム塩、塩化ポリ(N,N′−ジメチル−3,
5−メチレンピペリジニウム)、塩化セチルピリジニウ
ムなどのアルキルピリジニウム塩、アルキル四級アンモ
ニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩な
どのアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルイソキ
ノリニウム塩、ジアルキルモルホニウム塩、ポリオキシ
エチレンアルキルアミン、アルキルアミン塩、ポリアミ
ン脂肪酸誘導体、アミルアルコール脂肪酸誘導体、塩化
ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウムなどがあげられ
る。
【0036】前記両性型界面活性剤としては、たとえば
酢酸ベタイン、イミダゾリウムベタイン、2−ウンデシ
ル−N,N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチ
ル)−2−イミダゾリンナトリウム、2−ココイル−2
−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエ
チロキシ2ナトリウム塩などのイミダゾリン系両性型界
面活性剤、2−ヘプタデシル−N−カルボキシメチル−
N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウ
リルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルベタイン、
アミドベタイン、スルホベタインなどのベタイン系両性
型界面活性剤などがあげられる。
【0037】前記高分子界面活性剤としては、たとえば
アルギン酸ナトリウム、トラガカントゴムなどがあげら
れる。
【0038】前記天然界面活性剤としては、たとえばレ
シチン、サポニン、大豆リン脂質、大豆リゾリン脂質液
などがあげられる。
【0039】アルコール類としては、低級アルコールと
してたとえばエタノール、プロパノール、イソプロパノ
ール、イソブチルアルコール、t―ブチルアルコールな
どがあげられる。多価アルコールとしてはたとえばエチ
レングリコール、プロピレングリコール、1,3―ブチ
レングリコールなどの2価のアルコール、グリセリン、
トリメチロールプロパンなどの3価のアルコール、ペン
タエリスリトリールなどの4価のアルコール、キシリト
ールなどの5価のアルコール、ソルビトール、マンニト
ールなどの6価のアルコール、ジエチレングリコール、
ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポ
リプロピレングリコール、ジグリセリン、ポリエチレン
グリコール、トリグリセリンなどの多価アルコールの重
合体、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレ
ングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコール
モノフェニルエーテル、エチレングリコールモノヘキシ
ルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテ
ル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレン
グリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコール
モノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチ
ルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテ
ル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジエチレ
ングリコールジメチルエーテルなどのアルコールアルキ
ルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルア
セテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルア
セテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルア
セテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテル
アセテートなどのアルコールエーテルエステルなどがあ
げられる。
【0040】高級アルコールとしては、たとえばラウリ
ルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコー
ル、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレ
イルアルコールなどの直鎖アルコール、モノステアリル
グリセリンエーテル、ラノリンアルコール、ヘキシルド
デカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデ
カノールなどの分岐鎖アルコールなどがあげられる。
【0041】ロウとしては、たとえばミツロウ、ラノリ
ン、酢酸ラノリン、カンデリラロウ、カルナウバロウ、
鯨ロウ、モンタンロウなどがあげられる。
【0042】シリコーンとしては、たとえばジメチルポ
リシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチル
ハイドロジェンポリシロキサン、デカメチルポリシロキ
サン、テトラメチルテトラハイドロジェンポリシロキサ
ンなどがあげられる。
【0043】高分子化合物としては、たとえば天然水溶
性高分子として、寒天、カゼイン、デキストリン、ゼラ
チン、ペクチン、デンプン、アルギン酸ナトリウム、メ
チルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチル
セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ニトルセ
ルロース、結晶セルロースなどがあげられ、合成水溶性
高分子として、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチ
ルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニル
ポリマー、ポリエチレンイミン、ポリアクリル酸ナトリ
ウムなどがあげられる。
【0044】有効成分としては、頭髪用セット剤、保湿
剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、抗菌剤などのほか、各
種有効成分があげられる。
【0045】前記頭髪用セット剤としては、両性型とし
てジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート−(メ
タ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、アクリル酸
オクチルアミド−アクリル酸ヒドロキシプロピル−メタ
クリル酸ブチルアミノエチル共重合体が、ノニオン型と
してはビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体、アクリ
ル酸ヒドロキシエチル−アクリル酸ブチル−アクリル酸
メトイシエチル共重合体が、アニオン型としてはアクリ
ル酸アルカノールアミンが、カチオン型としてはビニル
ピロリドン−N,N−ジメチルアミノエチルメタクリル
酸共重合体硫酸塩、ヒドロキシエチルセルロース・ジメ
チルジアリルアンモニウムクロリドが、エマルジョン型
としてはアクリル酸アルキル共重合体エマルジョン、ア
クリル酸アルキル−スチレン共重合体エマルジョンがあ
げられる。
【0046】前記保湿剤としては、たとえばポリエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、
1,3−ブチレングリコール、キシリトール、ソルビト
ール、マルチトール、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン
酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテロコラーゲン、
コレステリル−12−ヒドロキシステアレート、乳酸ナ
トリウム、胆汁酸塩、dl−ピロリドンカルボン酸塩、
短鎖可溶性コラーゲン、ジグリセリン(エチレンオキサ
イド)ポリオキシエチレン付加物、イサイヨバラ抽出
物、セイヨウノキギリソウ抽出物、メリロート抽出物な
どがあげられる。
【0047】前記紫外線吸収剤としては、たとえばパラ
アミノ安息香酸などの安息香酸系紫外線吸収剤、アント
ラニル酸メチルなどのアントラニル酸系紫外線吸収剤、
サリチル酸オクチル、サリチル酸フェニル、サリチル酸
ホモメチルなどのサリチル酸系紫外線吸収剤、パラメト
キシケイ皮酸イソプロピル、パラメトキシケイ皮酸オク
チル、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、ジパ
ラメトキシケイ皮酸モノ−2−エチルヘキサン酸グリセ
リル、〔4−ビス(トリメチルシロキシ)メチルシリル
−3−メチルブチル〕−3,4,5−トリメトキシケイ
皮酸エステルなどのケイ皮酸系紫外線吸収剤、2,4−
ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メ
トキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ
ベンゾフェノン−5−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4
−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム
などのベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ウロカニン酸、
ウロカニン酸エチル、2−フェニル−5−メチルベンゾ
キサゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフ
ェニル)ベンゾトリアゾール、4−tert−ブチル−
4′−メトキシベンゾイルメタンなどがあげられる。
【0048】酸化防止剤としては、たとえばアスコルビ
ン酸、α−トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエ
ン、ブチルヒドロキシアニソールなど、抗菌剤として
は、たとえば安息香酸、サリチル酸、石炭酸、ソルビン
酸、パラオキシ安息香酸エステル、パラクロルメタクレ
ゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、
塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、感光
素、フェノキシエタノールなどがあげられる。
【0049】前記各種有効成分としては、たとえばビタ
ミンA油、レチノール、パルミチン酸レチノール、イノ
シット、塩化ピリドキシン、ニコチン酸ベンジル、ニコ
チン酸アミド、ニコチン酸dl−α−トコフェロール、
アスコルビン酸リン酸マグネシウム、ビタミンD2(エ
ルゴカシフェロール)、dl−α−トコフェロール、酢
酸dl−α−トコフェロール、パントテン酸、ビオチン
などのビタミン類、エストラジオール、エチニルエスト
ラジオールなどのホルモン、アルギニン、アスパラギン
酸、シスチン、システイン、メチオニン、セリン、ロイ
シン、トリプトファンなどのアミノ酸、アラントイン、
グリチルレチン酸、アズレン酸などの抗炎症剤、アルブ
チンなどの美白剤、酸化亜鉛、タンニン酸などの収斂
剤、L−メントール、カンフルなどの清涼剤やイオウ、
塩化リゾチーム、塩酸ピリドキシン、γ−オリザノール
などの薬剤、たとえばドクダミエキス、オウバクエキ
ス、メリロートエキス、オドリコソウエキス、カンゾウ
エキス、シャクヤクエキス、サボンソウエキス、ヘチマ
エキス、キナエキス、ユキノシタエキス、クララエキ
ス、コウホネエキス、ウイキョウエキス、サクラソウエ
キス、バラエキス、ジオウエキス、レモンエキス、シコ
ンエキス、アロエエキス、ショウブ根エキス、ユーカリ
エキス、スギナエキス、セージエキス、タイムエキス、
茶エキス、海藻エキス、キューカンバーエキス、チョウ
ジエキス、キイチゴエキス、メリッサエキス、ニンジン
エキス、カロットエキス、マロニエエキス、モモエキ
ス、桃葉エキス、クワエキス、ヤグルマギクエキス、ハ
マメリス抽出液、プラセンタエキス、胸線抽出物、シル
ク抽出液などの各種の抽出液があげられる。また、前記
薬物は遊離の状態で使用されるほか、造塩可能なものは
酸または塩基の塩の型で、またカルボン酸基を有するも
のはそのエステルの形で使用することができる。
【0050】本発明のエアゾール組成物は、前記親油性
界面活性剤、油成分および水、ならびに必要に応じて
酸、前記親油性界面活性剤以外の界面活性剤、アルコー
ル類、前記油成分以外のろうやシリコーン、高分子化合
物、有効成分などのその他の成分からなる原液に、溶解
性圧縮ガスが溶解したものである。
【0051】本発明に用いられる溶解性圧縮ガスとして
は、たとえば炭酸ガス、亜酸化チッ素ガスなどがあげら
れ、これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて用い
ることができる。
【0052】前記溶解性圧縮ガスは原液に溶解される
が、かかる原液中の溶解性圧縮ガスの濃度は、得られる
エアゾール組成物の発泡性を充分に向上させ、起泡しや
すくするためには、25℃で2000ppm(重量基
準)以上、好ましくは5000ppm(重量基準)以
上、さらに好ましくは7000ppm(重量基準)以上
であり、また高圧ガス保安法上の高圧ガスの適用除外を
受けることができるように、25℃で20000ppm
(重量基準)以下、好ましくは19000ppm(重量
基準)以下である。ただし、原液中の溶解性圧縮ガスの
濃度が2000〜5000ppmと低い場合には、チッ
素ガスや圧縮空気などの溶解性の低い圧縮ガスを加圧剤
として配合することが好ましい。
【0053】なお本発明において、前記原液中に溶解し
ている溶解性圧縮ガスの濃度は、以下の方法によって測
定、算出したものである。
【0054】たとえば図1の概略説明図に示されるよう
に、後述するようなエアゾール用耐圧容器1(満注量:
100ml)内に原液2が60ml充填されており、ヘ
ッドスペース3が40mlである状態で、溶解性圧縮ガ
スを充填した場合を例にとって説明する。溶解性圧縮ガ
スとしては、炭酸ガスを用いたと仮定する。
【0055】まず、炭酸ガスの充填量をA(g)とする
と、炭酸ガスが原液2に溶解しなかった場合の25℃で
の圧力p1(kg/cm2)(≒9.8×1041(P
a))は、状態方程式により、 p1=(A/44)×0.082×(298/0.04) =13.9A となる。ここで、炭酸ガスを充填する前に、エアゾール
用耐圧容器内の空気を0.7kg/cm2(≒6.86
×104(Pa))バキュームすることを考慮すると、
理論上の25℃での圧力P1(kg/cm2・G)(≒
9.8×1041(Pa))は、 P1=13.9A−0.7 となる。
【0056】つぎに、実際に炭酸ガスが原液2に溶解し
た平衡圧力(実測値)P2(kg/cm2・G)(≒9.
8×1042(Pa))から、P1−P2分の炭酸ガスが
原液2に溶解したことになり、その溶解量a(g)(こ
のときのヘッドスペース3の炭酸ガスの量はA−a
(g))は、 a=[{(P1−P2)×0.04}/(0.082×298)]×44 =0.072(P1−P2) となる。
【0057】よって、原液2中に溶解している炭酸ガス
の濃度x(ppm)(このとき、原液2の組成は水を主
としたものであることから、その比重を1と仮定)は、 x={a/(60+a)}×106 と算出される。
【0058】本発明のエアゾール組成物の製造方法には
とくに限定がなく、たとえば前記親油性界面活性剤、油
成分および水、ならびに必要に応じて酸、前記親油性界
面活性剤以外の界面活性剤、アルコール類、前記油成分
以外のろうやシリコーン、高分子化合物、有効成分など
のその他の成分などの各原液用成分の量を適宜調整した
のち、これらを撹拌混合して原液を調製し、これに溶解
性圧縮ガスを前記範囲内の濃度となるように溶解させる
方法など採用することができる。
【0059】かくして得られるエアゾール組成物をエア
ゾール用耐圧容器内に充填し、エアゾール用バルブ、ボ
タンを取り付けることにより、所望のエアゾール製品を
製造することができる。なお本発明においては、あらか
じめ各成分を乳化させて得られた原液をエアゾール用耐
圧容器内に充填したのち、さらに溶解性圧縮ガスを充填
して原液に溶解させ、エアゾール組成物を調製してエア
ゾール製品としてもよく、各成分をエアゾール用耐圧容
器内に充填して容器内で乳化させ、これに溶解性圧縮ガ
スを充填して溶解させてもよい。
【0060】エアゾール用耐圧容器内にエアゾール組成
物を充填する際、最後までエアゾール組成物を使い切る
ためには、25℃でのエアゾール製品の内圧(ゲージ
圧)が好ましくは3kg/cm2(≒0.29MPa)
以上、さらに好ましくは4kg/cm2(≒0.39M
Pa)以上となるようにし、また噴射物の飛散や噴射の
勢いによる刺激を少なくするためには、25℃でのエア
ゾール製品の内圧(ゲージ圧)が好ましくは10kg/
cm2(≒0.98MPa)以下、さらに好ましくは
7.5kg/cm2(≒0.74MPa)以下となるよ
うにする。
【0061】本発明のエアゾール組成物は、使用感にす
ぐれ、発泡性がよく噴出後すぐに発泡する即起泡性であ
り、かつ泡の持続性が良好で、しかも伸展性を有する種
々の泡質のフォームを形成し得るものであるので、たと
えばセット剤、トリートメント剤、艶出剤、艶消剤、染
毛剤、脱色剤などの頭髪用品;クレンジング剤(頭皮の
油落とし)などの頭皮用品;クレンジング剤、保湿剤、
ビタミン剤、美白剤、プレ(アフター)シェーブローシ
ョン、収斂剤、日焼止め、消炎鎮痛剤、殺菌剤、水虫
薬、消臭剤、制汗剤、香水、忌避剤などの皮膚用品など
の人体用品や、ガラスクリーナー、艶出剤などの家庭・
自動車用品などに好適に使用することができる。
【0062】
【実施例】つぎに、本発明のエアゾール組成物を実施例
に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実
施例のみに限定されるものではない。
【0063】実施例1〜7および比較例1〜6 表1、表2に示す各成分をエアゾール用耐圧容器(満注
量:100ml)内に充填して充分に撹拌混合し、乳化
させて原液60gを調製したのち、さらに溶解性圧縮ガ
スとして炭酸ガスを充填し、25℃での原液中の濃度が
表1、表2に示す値となるように溶解させてエアゾール
組成物を調製した。これにエアゾール用バルブおよびボ
タンを取り付けてエアゾール製品(内圧(ゲージ圧):
6.5〜7.5kg/cm2(≒0.64〜0.74M
Pa))を作製した。
【0064】なお、表1、表2および実施例8〜24中
の各略号は以下のことを示す。
【0065】(界面活性剤) SA1:ソルビタンモノステアレート(HLB:4.
7、商品名:エマゾールスーパーS−10(F)、花王
(株)製) SA2:ソルビタンモノステアレート(HLB:4.
7、商品名:SS−10、日光ケミカルズ(株)製) SA3:ソルビタンモノパルミテート(HLB:6.
7、商品名:SP−10、日光ケミカルズ(株)製) SA4:ソルビタンモノパルミテート(HLB:6.
7、商品名:レオドールSP−P10、花王(株)製) SA5:ジグリセリルモノステアレート(HLB:5.
0、商品名:DGMS、日光ケミカルズ(株)製) SA6:テトラグリセリルモノステアレート(HLB:
6.0、商品名:Tetraglyn1−S、日光ケミ
カルズ(株)製) SA7:デカグリセリルトリステアレート(HLB:
7.5、商品名:Decaglyn3−S、日光ケミカ
ルズ(株)製) SA8:デカグリセリルモノステアレート(HLB:1
2.0、商品名:Decaglyn1−S、日光ケミカ
ルズ(株)製) SA9:ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラ
ウレート(HLB:16.9、商品名:TL−10、日
光ケミカルズ(株)製) SA10:ポリオキシエチレン(15)グリセリルモノ
ステアレート(HLB:13.5、商品名:TMGS−
15、日光ケミカルズ(株)製) SA11:グリセリルモノステアレート(HLB:1.
5、商品名:MGS−F75、日光ケミカルズ(株)
製) SA12:ヘキサグリセリルモノミリステート(HL
B:11.0、商品名:Hexaglyn1−M、日光
ケミカルズ(株)製) SA13:ソルビタントリオレエート(HLB:1.
7、商品名:SO−30、日光ケミカルズ(株)製)
【0066】(油成分) OL1:オリーブ油 OL2:流動パラフィン OL3:ミリスチン酸イソプロピル OL4:スクワラン
【0067】
【表1】
【0068】
【表2】
【0069】試験例1 実施例1〜7および比較例1〜6で得られたエアゾール
製品を用い、エアゾール組成物の起泡性および泡の持続
性を以下の方法にしたがって調べた。その結果を表3に
示す。
【0070】(イ)起泡性 エアゾール製品から、エアゾール組成物をプラスチック
板に1秒間噴射させ、起泡状態を観察して以下の評価基
準に基づいて評価した。
【0071】(評価基準) A:噴射直後に起泡し、液だれがまったくなく、きわめ
て安定な泡を形成する。 B:噴射1〜2秒後に起泡し、液だれがほとんどなく、
安定な泡を形成する。 C:噴射後ゆっくりと起泡し、完全に発泡したのち液だ
れする。 D:起泡するのに噴射からしばらく時間がかかり、完全
に発泡すると同時ないし発泡前に液だれする。 E:起泡するのに噴射からかなり時間がかかり、完全に
発泡する前に液だれする。
【0072】(ロ)泡の持続性 エアゾール製品から、エアゾール組成物を腕に1秒間噴
射させ、泡質および泡の持続性を観察して以下の評価基
準に基づいて評価した。
【0073】(評価基準) A:伸展性にすぐれ、腕上で塗布しやすく、きわめて安
定した泡の状態がかなり持続する。 B:伸展性があり、腕上で塗布しやすく、安定した泡の
状態が持続する。 C:伸展性が少しわるく、泡の持続性にやや劣る。 D:伸展性がわるく、腕上で塗布しにくく、液だれしや
すい。 E:伸展性がきわめてわるいうえ、泡の持続性がわる
く、すぐに液だれする。
【0074】
【表3】
【0075】表3に示された結果から、HLBが4.7
〜7.5で、固形状ないしフレーク状の親油性界面活性
剤が用いられた実施例1〜7のエアゾール組成物は、即
起泡性で泡が安定しており、泡の持続性にすぐれ、泡質
がきわめて良好なものであることがわかる。
【0076】これに対して、固形状であってもHLBが
2未満の親油性界面活性剤が用いられた比較例4、6の
エアゾール組成物は、原液の乳化状態がきわめてわる
く、乳化していない状態であり、またHLBが10より
も大きい親油性界面活性剤が用いられた比較例1〜3、
5のエアゾール組成物は、持続性のわるい泡しか形成す
ることができず、いずれの場合も起泡性および持続性に
劣るものであることがわかる。
【0077】実施例8〜14 界面活性剤SA1 2.0重量%、油成分OL1 2.
0重量%および精製水残部を乳化させ、表4に示す量の
クエン酸を添加して原液100gを調製した。この原液
をエアゾール用耐圧容器(満注量:100ml)内に6
0g充填し、この容器にエアゾール用バルブおよびボタ
ンを取り付けた。さらに溶解性圧縮ガスとして炭酸ガス
を充填し、エアゾール製品(内圧(ゲージ圧):6.5
〜7.5kg/cm2(≒0.64〜0.74MP
a))を作製した。原液に溶解している炭酸ガスの濃度
は11000ppmである。
【0078】なお、原液の特性としてpHおよび粘度
(cP)を測定した。その結果を表4に示す。
【0079】試験例2 実施例8〜14で得られたエアゾール製品を用い、噴射
物の泡質(泡の固さ)を以下の方法にしたがって調べ
た。その結果を表4に示す。
【0080】(ハ)泡質(泡の固さ) エアゾール製品から、エアゾール組成物をプラスチック
板に1秒間噴射させ、泡の固さを調べた。クエン酸を添
加しない実施例8のエアゾール組成物の泡の固さを基準
(0)とし、固さの増減を±の数値にて表わした。
【0081】
【表4】
【0082】表4に示された結果から、原液中のクエン
酸の濃度が増加するにつれて泡の固さが増大し、持続性
がよりよくなることがわかる。
【0083】実施例15〜24 界面活性剤SA1 2.0重量%、油成分OL1 2.
0重量%および精製水95.9重量%(実施例15は9
6.0重量%)を乳化させ、表5に示す種類の酸0.1
重量%(実施例15は酸の添加なし)を添加して原液1
00gを調製した。この原液をエアゾール用耐圧容器
(満注量:100ml)内に60g充填し、この容器に
エアゾール用バルブおよびボタンを取り付けた。さらに
溶解性圧縮ガスとして炭酸ガスを充填し、エアゾール製
品(内圧(ゲージ圧):6.5〜7.5kg/cm
2(≒0.64〜0.74MPa))を作製した。原液
に溶解している炭酸ガスの濃度は11000ppmであ
る。
【0084】なお、原液の特性としてpHおよび粘度
(cP)を測定した。その結果を表5に示す。
【0085】試験例3 実施例15〜24で得られたエアゾール製品を用い、噴
射物の泡質(泡の固さ)を以下の方法にしたがって調べ
た。その結果を表5に示す。
【0086】(ニ)泡質(泡の固さ) エアゾール製品から、エアゾール組成物をプラスチック
板に1秒間噴射させ、泡の固さを調べた。酸を添加しな
い実施例15のエアゾール組成物の泡の固さを基準
(0)とし、固さの増減を±の数値にて表わした。
【0087】
【表5】
【0088】表5に示された結果から、酸の種類に応じ
て原液のpHが酸性側になるにつれて泡の固さが増大
し、持続性がよりよくなることがわかる。
【0089】実施例25〜32および比較例7〜8 界面活性剤SA1 2.0重量%、油成分OL1 2.
0重量%および精製水96.0重量%を乳化させて原液
100gを調製した。この原液をエアゾール用耐圧容器
(満注量:100ml)内に60g充填し、この容器に
エアゾール用バルブおよびボタンを取り付けた。さらに
溶解性圧縮ガスとして炭酸ガスを、原液中の溶解濃度が
表6に示す値となるように充填し、エアゾール製品(内
圧(ゲージ圧):6.5〜7.5kg/cm2(≒0.
64〜0.74MPa))を作製した。なお、実施例2
5〜27および比較例7〜8においては、炭酸ガスを充
填後、チッ素ガスにて7.0kg/cm2(≒0.69
MPa)に調整した。
【0090】試験例4 実施例25〜32および比較例7〜8で得られたエアゾ
ール製品を用い、起泡性および泡の持続性を実施例1〜
7および比較例1〜6と同様にして調べた。その結果を
表6に示す。
【0091】
【表6】
【0092】表6に示された結果から、原液中に溶解し
ている炭酸ガスの濃度が約2000〜13000ppm
である実施例25〜32のエアゾール組成物は、即起泡
性で泡が安定しており、泡の持続性にすぐれ、泡質が良
好なものであり、とくに炭酸ガスの濃度が約5000〜
13000ppmである実施例27〜32の場合には、
泡の安定性および泡の持続性によりすぐれることがわか
る。
【0093】これに対して、原液中に溶解している炭酸
ガスの濃度が2000ppm未満である比較例7〜8の
エアゾール組成物は、起泡性および持続性ともにきわめ
て劣るものであることがわかる。
【0094】処方例1〜4 処方例1(スタイリングフォーム製品) 以下に示す各成分を乳化させて原液100gを調製し、
この原液をエアゾール用耐圧容器(満注量:100m
l)内に60g充填し、この容器にエアゾール用バルブ
およびボタンを取り付けた。さらに溶解性圧縮ガスとし
て炭酸ガスを充填し、内圧(ゲージ圧)が7.0kg/
cm2(≒0.69MPa))のスタイリングフォーム
製品を製造した。なお、原液中の炭酸ガスの溶解濃度は
12000ppmである。 原液の組成 量(重量%) オリーブオイル 4.0 (商品名:精製オリーブ油(H)、カネダ(株)製) ソルビタンモノステアレート 4.0 (商品名:エマゾールスーパーS−10(F)、花 王(株)製) N−メタクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチ 15.0 ルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベ タイン−メタクリル酸アルキルエステル共重合 体液 (商品名:ユカフォーマー510、三菱化学(株) 製) 1,3−ブチレングリコール 1.0 (商品名:1,3−ブチレングリコールP、共和醗酵 工業(株)製) セトステアリルアルコール 2.0 (商品名:カルコール6850、花王(株)製) 加水分解小麦たんぱく液 0.1 (商品名:TRITISOL、クローダジャパン(株) 製) 精製水 73.9 (合計) (100.0)
【0095】処方例2(クレンジングフォーム製品) 以下に示す各成分を乳化させて原液100gを調製し、
この原液をエアゾール用耐圧容器(満注量:100m
l)内に60g充填し、この容器にエアゾール用バルブ
およびボタンを取り付けた。さらに溶解性圧縮ガスとし
て炭酸ガスを充填し、内圧(ゲージ圧)が7.0kg/
cm2(≒0.69MPa))のクレンジングフォーム
製品を製造した。なお、原液中の炭酸ガスの溶解濃度は
11000ppmである。 原液の組成 量(重量%) セトステアリルアルコール 2.0 (商品名:カルコール6850、花王(株)製) オリーブオイル 4.0 (商品名:精製オリーブ油(H)、カネダ(株)製) ソルビタンモノステアレート 4.0 (商品名:NIKKOL SS−10、日光ケミカル ズ(株)製) コハク酸ジエトキシエチル 10.0 (商品名:CRODAMOL DES、クローダジ ャパン(株)製) 1,3−ブチレングリコール 2.0 (商品名:1,3−ブチレングリコールP、共和醗酵 工業(株)製) 精製水 78.0 (合計) (100.0)
【0096】処方例3(トリートメントフォーム製品) 以下に示す各成分を乳化させて原液100gを調製し、
この原液をエアゾール用耐圧容器(満注量:100m
l)内に60g充填し、この容器にエアゾール用バルブ
およびボタンを取り付けた。さらに溶解性圧縮ガスとし
て炭酸ガスを充填し、内圧(ゲージ圧)が7.0kg/
cm2(≒0.69MPa))のトリートメントフォー
ム製品を製造した。なお、原液中の炭酸ガスの溶解濃度
は10000ppmである。 原液の組成 量(重量%) オリーブオイル 4.00 (商品名:精製オリーブ油(H)、カネダ(株)製) ソルビタンモノステアレート 4.00 (商品名:エマゾールスーパーS−10(F)、花 王(株)製) 3−メチル−1,3−ブタンジオール 1.00 (商品名:イソプレングリコールS、(株)クラレ 製) トリメチルグリシン 1.00 (商品名:アミノコート、味の素(株)製) セトステアリルアルコール 2.00 (商品名:カルコール6850、花王(株)製) シルク抽出液 0.05 (商品名:シルクゲンGソルブル、一丸ファルコス (株)製) 精製水 87.95 (合計) (100.00)
【0097】処方例4(スキンケアフォーム製品) 以下に示す各成分を乳化させて原液100gを調製し、
この原液をエアゾール用耐圧容器(満注量:100m
l)内に60g充填し、この容器にエアゾール用バルブ
およびボタンを取り付けた。さらに溶解性圧縮ガスとし
て炭酸ガスを充填し、内圧(ゲージ圧)が7.0kg/
cm2(≒0.69MPa))のスキンケアフォーム製
品を製造した。なお、原液中の炭酸ガスの溶解濃度は1
0000ppmである。 原液の組成 量(重量%) セトステアリルアルコール 2.0 (商品名:カルコール6850、花王(株)製) ホホバオイル 4.0 (商品名:精製ホホバ油、香栄香料(株)製) スクワラン 1.0 (商品名:スクワラン、日光ケミカルズ(株)製) ソルビタンモノステアレート 4.0 (商品名:エマゾールスーパーS−10(F)、 花王(株)製) ソルビット液 2.0 (商品名:ソルビトール花王、花王(株)製) 精製水 87.0 (合計) (100.0)
【0098】
【発明の効果】本発明のエアゾール組成物は、使用感に
すぐれ、発泡性がよく噴射後すぐに発泡する即起泡性で
あり、かつ泡の持続性が良好で、しかも伸展性を有する
種々の泡質のフォームを形成し得るといったすぐれた効
果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエアゾール組成物の原液中に溶解して
いる溶解性圧縮ガスの濃度を測定、算出する際に用いら
れるエアゾール用耐圧容器の概略説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C083 AA122 AB051 AB081 AB311 AC072 AC122 AC132 AC372 AC422 AC441 AC442 AC582 AD132 AD412 AD452 BB03 BB11 CC23 CC32 DD08 EE06 EE28 EE29

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 そのHLBが2〜10の親油性界面活性
    剤0.1〜12重量%、油成分1〜12重量%および残
    部水からなる原液に、溶解性圧縮ガスが25℃で200
    0〜20000ppm(重量基準)溶解されてなるエア
    ゾール組成物。
  2. 【請求項2】 親油性界面活性剤がソルビタン脂肪酸エ
    ステルである請求項1記載のエアゾール組成物。
  3. 【請求項3】 油成分の量が原液の1〜10重量%であ
    る請求項1記載のエアゾール組成物。
  4. 【請求項4】 原液にさらに酸が添加されてなる請求項
    1記載のエアゾール組成物。
  5. 【請求項5】 溶解性圧縮ガスが炭酸ガスまたは亜酸化
    チッ素ガスである請求項1記載のエアゾール組成物。
  6. 【請求項6】 原液に、溶解性圧縮ガスが25℃で50
    00〜20000ppm(重量基準)溶解されてなる請
    求項1記載のエアゾール組成物。
  7. 【請求項7】 原液に、溶解性圧縮ガスが25℃で70
    00〜20000ppm(重量基準)溶解されてなる請
    求項1記載のエアゾール組成物。
  8. 【請求項8】 即起泡性の組成物である請求項1記載の
    エアゾール組成物。
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