JP2001181535A - 環境浄化用光触媒塗料 - Google Patents

環境浄化用光触媒塗料

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JP2001181535A
JP2001181535A JP37094299A JP37094299A JP2001181535A JP 2001181535 A JP2001181535 A JP 2001181535A JP 37094299 A JP37094299 A JP 37094299A JP 37094299 A JP37094299 A JP 37094299A JP 2001181535 A JP2001181535 A JP 2001181535A
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particles
coating film
weight
coating
paint
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Kazuhiko Mori
和彦 森
Mitsuru Nakamura
充 中村
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Nihon Parkerizing Co Ltd
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Nihon Parkerizing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 環境浄化効果が高く、塗膜強度が高く、基体
材料を劣化させることのない環境浄化用光触媒塗料の提
供。 【解決手段】 0.2〜50μmの平均粒子径を有する
シリカゲル及び/又はゼオライト粒子からなる塗膜強化
粒子と、0.001〜0.05μmの平均粒子径を有す
る光触媒粒子とを、20:1〜20:500の重量比で
含み、さらに分散媒を含み、必要により、塗料強化粒子
20重量部に対し、平均粒子径0.002〜0.2μm
の酸化物粒子(シリカゾル又はアルミナゾルなど)1〜
50重量部、及び/又は、ポリりん酸及び/又はポリカ
ルボン酸の塩基性有機化合物による中和生成物0.2〜
20重量部を含む光触媒塗料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光を利用して環境
浄化機能を発現する光触媒を含む環境浄化用光触媒塗料
に関する。より詳しく述べるならば、本発明は窒素酸化
物や悪臭の分解などにより、空気又は大気浄化に有効な
環境浄化用光触媒塗料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、光の照射によって脱臭、抗菌、防
汚等の各種機能を発現する光触媒を環境浄化に利用しよ
うとする試みが盛んに研究されている。大気浄化を目的
とする研究において、二酸化チタン光触媒によってアル
デヒドなどの悪臭成分を分解する方法、及びNOxガス
を硝酸の形まで酸化して大気中から除去する方法は、電
力消費や駆動装置を必要としないという利点を有してい
るため、その実用化が検討されている。また水質浄化を
目的とする研究において、光触媒の利用によりトリクロ
ロエチレンの分解、めっき排水の浄化、及び環境ホルモ
ンの分解などが可能であることが実証されている。
【0003】光触媒の実用化にあたっては、例えば特開
平7−171408号公報に開示されているように、光
触媒粒子を難分解性バインダーと混合し、この混合物を
基材表面に塗布して塗膜を形成し、この塗膜を環境浄化
に利用することが知られている。
【0004】また、特開平7−171408号公報に
は、光触媒に、水ガラス又はシリコン系ポリマーを結着
剤(バインダー)として添加して塗料を調製し、この塗
料により塗膜を形成する技術が開示されている。しか
し、結着剤として作用する水ガラス及びシリコン系ポリ
マーには、光触媒粒子の活性を向上させる効果はなく、
却って光触媒粒子の表面を被覆してしまうため、その活
性を低下させる場合が多い。また塗料の組成において、
水ガラスを含むものはアルカリ性が強いため基材の腐食
及び塗装作業環境の悪化を発生させるという問題点があ
る。またシリコン系ポリマーも、その硬化の際に酸触媒
を使用したり、或は多量の有機溶剤を含んでいるため、
環境浄化用塗料として、改善すべき課題を抱有してい
る。即ち、これまで有機溶剤を含まず、中性で良好な分
散性と、塗膜密着性と、および高い環境浄化性能とを合
わせ有する環境浄化用光触媒塗料は得られていなかった
のである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の環境
浄化用光触媒塗料および塗膜が有している上記問題点を
解決し、脱臭及び窒素酸化物の除去などの大気(空気)
浄化に効果の高い、環境浄化用光触媒塗料を提供しよう
とするものである。また本発明は、水を溶媒として用
い、中性で安全性が高く、腐食しやすい金属にも塗布が
可能な塗料組成物を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するため、まず二酸化チタン光触媒粉体の粒子
径とアセトアルデヒド分解速度との関係について検討
し、その結果、二酸化チタン光触媒の粒径は0.001
〜0.05μmであることが、効果が高く、粒径が0.
003〜0.01μmの場合に効果がより高いことを見
出した。
【0007】次に、この実験で最も効果の高かった粒径
0.007μmの光触媒に、シリコン系ポリマー、フッ
素系ポリマー、シリカコロイド、アルミナ等をバインダ
ーとして加えて塗料を調製し、これらをアルミニウム板
に塗布、乾燥して塗膜を形成し、その性能の確認試験を
行った。その結果、シリコン系、フッ素系などの樹脂系
ポリマー、及び水ガラスなどを添加すると、得られた塗
膜の基体に対する密着性は良好であるが、塗膜の触媒活
性や耐候性が大きく低下してしまうことを確認した。ま
た、シリカコロイド、アルミナゾルなどのコロイドゾル
系無機バインダーを使用した場合は、光触媒の活性の低
下は比較的少ないが、乾燥の際の塗膜の収縮が大きく、
得られる塗膜が脆いため、膜厚を数μm以上によると、
得られた塗膜にワレ、及び/又は剥がれが発生して実用
に耐えなくなることを確認した。
【0008】また、水溶液中の二酸化チタン粒子は、中
性付近のpH値において粒子が電荷を失って凝集するた
め、中性の塗料液中で良好な分散状態を得ることが難し
く、このようにして分散が不十分であると、得られる塗
膜の基体に対する密着性が低下することを確認した。
【0009】本発明者らは、上記の知見をもとに、更に
研究を続け、特に、10μm以上の膜厚に塗布しても密
着性や耐候性に問題を生ずることがなく、しかも塗膜の
触媒活性が光触媒粉体と同等またはそれ以上となるよう
な光触媒塗膜が得られるような中性の水系塗料組成につ
いて研究を重ねた。その結果、光触媒粒子と、光触媒粒
子の10〜1000倍程度の粒径を有するゼオライト又
はシリカゲル粒子を、好ましくはシリカゾルなどの無機
バインダー粒子とともに水中に混合分散して塗料を調製
することにより、塗膜を乾燥する際の塗膜の収縮がな
く、又は少なく、良好な塗膜密着性と耐候性を有する塗
膜が得られることを新たに見出した。
【0010】さらに発明者らは塗料組成について検討を
続け、ポリりん酸又はポリカルボン酸と、エタノールア
ミン又はモルホリンなどの有機アルカリ成分とを中和反
応させて得られた反応生成物を塗料に添加してそれを中
性〜弱アルカリ性とすると、得られる塗料中において、
粒子成分が、良好な分散状態を示し、得られる塗膜の均
一性及び密着性がより良好になることを見出した。
【0011】本発明の環境浄化用光触媒塗料は、塗膜形
成粒子成分と、その分散媒成分とを含み、前記塗膜形成
粒子成分が0.2〜50μmの平均粒子径を有する、シ
リカゲル及びゼオライト粒子から選ばれた少なくとも1
種を含む塗膜強化粒子と、0.001〜0.05μmの
平均粒子径を有する光触媒粒子とを、20:1〜20:
500の重量比で含むことを特徴とするものである。本
発明の環境浄化用光触媒塗料において、前記塗膜形成粒
子成分は、必要に応じて、さらに、前記シリカゲル、ゼ
オライト粒子及び光触媒粒子とは異なり、かつ0.00
2〜0.2μmの平均粒子径を有する酸化物粒子を、前
記塗膜強化粒子重量の1/20〜50/20倍の重量で
含有していてもよい。本発明の環境浄化用光触媒塗料に
おいて、前記塗膜形成粒子成分中に、さらに、ポリりん
酸及びポリカルボン酸から選ばれた少なくとも1種と、
塩基性有機化合物との反応生成物が、前記塗膜強化粒子
重量の1/100〜1倍の重量で含有されていてもよ
い。本発明の環境浄化用光触媒塗料において、前記塩基
性有機化合物は、アルカノールアミン、テトラアルキル
アンモニウム、オキサジン、ピペリジン、コリン及びこ
れらの塩基性誘導体から選ぶことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の環境浄化用光触媒塗料
は、塗膜形成粒子成分と、その分散媒成分とを含み、前
記塗膜形成粒子成分が平均粒子径が0.2〜50μm
の、シリカゲル及びゼオライト粒子から選ばれた少なく
とも1種を含む塗膜強化粒子と、平均粒子径が0.00
1〜0.05μmの光触媒粒子とを、20:1〜20:
500の重量比で含むことを特徴とするものである。
【0013】本発明において使用されるシリカゲル及び
/又はゼオライト粒子からなる塗膜強化粒子の平均粒子
径は、0.2〜50μmであることが必要で、0.4〜
10μmであることが好ましい。シリカゲル及び/又は
ゼオライト粒子からなる塗膜強化粒子の平均粒子径が
0.2μm未満であると、得られる塗膜に亀裂がはいり
易く、塗膜と基体との密着性及び塗膜の触媒活性が不十
分となる。また、塗膜強化粒子の平均粒子径が50μm
を超えると、得られる塗膜から粒子が脱落しやすくなる
という問題点を生ずる。
【0014】シリカゲルとしては、所定平均粒子径を満
足する限り、その製法、組成などに格別の制限はなく、
また、ゼオライト粒子としては、天然ゼオライト、合成
ゼオライトの何れの粒子であってもよく、特に限定はな
い。これらは、粉砕粒子や合成結晶の状態でも所定の平
均粒子径の範囲にある限り使用することができる。粒子
の形状にも特に限定はなく、球状、扁平状、板状、針
状、繊維状など各種のものが使用できる。
【0015】本発明の塗料に用いられる光触媒粒子とし
ては、二酸化チタン、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウ
ム、二酸化すずなどを使用することができる。これらの
中でも、二酸化チタンを用いることが好ましい。二酸化
チタン光触媒粒子としては、四塩化チタンの燃焼酸化に
よる乾式法や、硫酸チタン、塩化チタン水溶液の加水分
解によって得られる二酸化チタン光触媒粉体を原料とし
て使用することがより好ましい。しかし、チタンアルコ
キシドやアセチルアセトネートなどの加水分解によって
得られる粉体またはゾル状の二酸化チタンを使用するこ
ともできる。
【0016】光触媒粒子の平均粒子径は、0.001〜
0.05μmであることが必要である。この粒径が0.
001μm未満では、量子サイズ効果のため、長波長の
紫外線を利用できないという不利を生じ、またそれが
0.05μmを超えると、粒子の比表面積が減少し、こ
のため、粒子の光触媒活性が低下するという不利を生ず
る。より好ましい粒子径は0.003〜0.01μmの
範囲である。光触媒粒子の結晶形には特に限定がない
が、二酸化チタン粒子の場合、アナターゼ形のものが好
ましく、次にルチル形のものが好ましい。なお、アモル
ファス型の二酸化チタン粒子を使用する場合には、塗膜
を200℃以上の温度で乾燥して、これをアナターゼ形
に変化させてから使用することが好ましい。
【0017】光触媒粒子は、シリカゲル及び/又はゼオ
ライト粒子からなる塗膜強化粒子20重量部に対し、1
〜500重量部の割合で用いられることが必要である。
シリカゲル及び/又はゼオライト粒子からなる塗膜強化
粒子20重量部に対する光触媒粒子の配合割合が1重量
部未満では、得られる塗膜の光触媒活性が不十分とな
り、またそれが500重量部を超えると、得られる光触
媒塗膜の環境浄化速度が低下するという不都合を生ず
る。
【0018】本発明の光触媒塗料において、その塗膜強
化粒子には、さらに、前記シリカゲル、ゼオライト粒子
及び光触媒粒子とは異なり、かつ平均粒子径が0.00
2〜0.2μmの酸化物粒子を、前記塗膜強化粒子20
重量部に対し、1〜500重量部の含有量で含むことが
好ましい。酸化物粒子の種類には、上記要件を満たして
いる限り特に限定はないが、好ましくは酸化珪素、酸化
硼素、アルミナ、ジルコニア、マグネシアなどの酸化物
またはこれらの水和酸化物が用いられる。酸化物粒子に
ついて、結晶形の有無に制限はないが表面に水酸基を有
するものがより好ましい。また、これらの粒子をアルコ
キシシランなどで表面処理して、表面を活性化したもの
を使用してもよい。本発明に用いられる上記酸化物粒子
は、塗膜の固着性を増強し、光触媒の活性を高めるため
に有効である。酸化物粒子の平均粒子径が0.002μ
m未満であると、塗膜にクラックが入りやすいという不
都合を生ずることがあり、またそれが、0.2μmを越
えると、バインダー効果が低下して塗膜の強度が不充分
になるという不都合を生ずることがある。これらの酸化
物粒子の含有量は、塗膜強化粒子20重量部に対し1〜
500重量部の範囲内であり、この含有量において、良
好な固着力増強効果及び光触媒活性向上効果が得られ
る。酸化物粒子の添加量が塗膜強化粒子20重量部に対
し、1重量部未満であると、得られる塗膜の塗膜固着力
強化効果及び光触媒活性向上効果が不十分になることが
あり、またそれが、500重量部をこえると、光触媒の
付着量が相対的に低下し活性が充分発揮されないという
不都合を生ずることがある。
【0019】また、本発明の塗料中には、さらに紫外線
透過性のガラスファイバー及び/又は粉体を添加するこ
とにより、塗膜の下層部への紫外線供給量を増大させ、
それによってさらに塗膜の性能を向上させることもでき
る。このときの紫外線透過性ファイバ又は粉体の添加量
は、塗膜強化粒子20重量部に対し、2〜80重量部で
あることが好ましい。しかし、塗料中に活性炭を含有さ
せると、それから得られる塗膜の紫外線透過性が低下す
るため好ましくないが、しかし、少量の添加であれば許
される。また、塗料の粘性を増大させ、塗工性及び塗料
の保存安定性を高めるため、塗料中にさらにスメクタイ
ト、セピオライト、膨潤性マイカなどの粘土鉱物を添加
してもよい。これらの添加量は、塗膜強化粒子20重量
部に対し、0.05〜5重量部であることが好ましい。
【0020】本発明の光触媒塗料中には、上記固形成分
以外に、分散媒を含む。分散媒としては、水を主として
使用することが、光触媒粒子の分散性及び塗装作業環境
を良好に保持するために好ましい。分散媒には、50%
未満の低級アルコールなどの水溶性溶剤が水に混合され
ていてもよく、それによって塗膜性能に問題を生ずるこ
とはない。また、塗料の濡れ性及び塗工性を改善するた
めに、塗料中に界面活性剤などの添加剤を少量添加して
もよい。なお、分散媒中において、水と混合添加できる
溶剤はメタノール、エタノール、イソプロピルアルコー
ル、ブタノールなどから選ばれることが好ましい。本発
明の塗料において、塗膜形成粒子成分の合計含有量は、
塗料全重量に対し、5〜50重量%であることが好まし
い。
【0021】本発明の光触媒塗料は、基体表面上に乾燥
後の塗膜の厚さが1〜50μmとなるように、スプレ
ー、ディップ、フローコート、または刷毛塗り等の方法
によって塗布されることが好ましく、加熱乾燥または自
然乾燥により塗膜を乾燥させて使用することが好まし
い。本発明の塗料を塗布される基体については、その材
料、形状、寸法などについて何の制限はなく、無機材
料、例えばアルミニウム、ステンレス鋼、Znめっき
鋼、セラミック及びガラス繊維布、並びに有機材料、例
えばアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS、P
ET樹脂、紙及び不織布などからなる任意の形状及び寸
法を有する基体を用いることができる。また、本発明の
塗料を有機材料表面に塗布する場合は、その表面上に、
予じめ、光触媒で酸化分解されにくい無機物を主成分と
して含有するプライマーコーティングを施しておき、そ
の上に塗布することが好ましい。
【0022】本発明の光触媒塗料の塗膜形成粒子成分中
に、ポリりん酸及びポリカルボン酸から選ばれた1種以
上を塩基性有機化合物と中和反応させて得られた反応生
成物を含ませてもよく、このようにすることにより塗料
中における光触媒粒子の分散をさらに良好なものとし、
塗膜の基体に対する密着性及び塗膜の均一性及び硬さな
どを向上させることができる。上記反応生成物調製のた
めに、酸成分として用いられるポリりん酸は、ピロりん
酸、トリポリりん酸などから選ばれることができ、また
ポリカルボン酸は、例えば酒石酸、リンゴ酸及びコハク
酸などから選ばれることができる。また、上記反応生成
物調製用塩基性有機化合物としては、アルカノールアミ
ン(例えばメタノールアミン、エタノールアミン)、テ
トラアルキルアンモニウム(例えばテトラメチルアンモ
ニウム、テトラエチルアンモニウム)、オキサジン、ピ
ペリジン、コリン及びこれらの塩基性誘導体を用いるこ
とが好ましい。上記反応生成物を生成させるには、例え
ば、塗料中に先ず酸成分を含有させておき、これに塩基
性有機化合物を添加して、酸成分を中和して塗料を中性
乃至弱アルカリ性にしてもよく、或は、あらかじめポリ
りん酸及び/又はポリカルボン酸からなる酸成分と、塩
基性有機化合物とを混合し中和反応させて調製された反
応生成物を塗料中に添加してもよい。これらの中和反応
生成物成分の添加量は、光触媒粒子100重量部に対し
て0.2〜10重量部であることが好ましい。
【0023】
【実施例】本発明を、下記実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれら実施例によって何ら制約されるも
のではない。
【0024】実施例1〜8及び比較例1〜5 実施例1〜8及び比較例1〜5において、下記材料が使
用された。 (1)塗膜強化粒子 塗膜強化粒子としては、実施例1〜5、および比較例2
についてはゼオライト粉末(東ソー(株)製、商標:ゼ
オラムF−9、100#)を使用した。また、実施例6
〜8、および比較例3〜5においては、シリカゲル(和
光純薬(株)製、乾燥シリカゲル(無色))を、ボール
ミルを用いて所定の粒子径に粉砕したものを使用した。 (2)光触媒粒子 光触媒粒子としては、アナターゼ形二酸化チタン(石原
産業(株)製、商標:ST−01、粒径7nm) を使用し
た。二酸化チタン約200gを水800ミリリットルに
混合し、これをホモミキサーを用いて分散させ、得られ
た分散液を塗料中に配合した。
【0025】(3)酸化物粒子 比較例1〜2、比較例4、比較例5、および実施例1〜
5では水系シリカゾル(日産化学(株)製、商標:スノ
ーテックスN)を用いた。実施例6、実施例8、比較例
3では、アルミナゾル(日産化学(株)製、商標:アル
ミナゾル200)を用いた。実施例7では、水酸化マグ
ネシウムを使用した。 (4)分散剤(中和生成物) (イ)ポリりん酸(日本化学工業(株)製ポリりん酸)
をモルホリン(日本乳化剤(株)製)で中和した反応生
成物を使用した。 (ロ)ポリカルボン酸として酒石酸ナトリウム(和光純
薬(株)製試薬1級相当品)を用い、これをモノエタノ
ールアミン(和光純薬(株)製)で中和して得られた反
応生成物を使用した。
【0026】実施例1〜8及び比較例1〜5の各々にお
いて、表1に記載の組成の光触媒塗料を、調製した。比
較例4、実施例3および実施例5では、ポリりん酸−モ
ルホリン中和生成物5重量部を添加し、実施例7ではポ
リカルボン酸−モノエタノールアミン中和生成物20重
量部を添加し、比較例5および実施例8ではポリりん酸
−モルホリン中和生成物とポリカルボン酸−モノエタノ
ールアミン中和生成物を、各10重量部宛添加した。実
施例1,2,4および6と比較例1〜3では分散剤(中
和生成物)を添加しなかった。また、比較例4,5およ
び実施例6〜8ではスメクタイト(日本シリカ工業
(株)製ラポナイトXLG)重量部をさらに添加した。
【0027】基材として、幅200×長さ300mm×厚
さ1.0mmのアルミニウム合金板又は亜鉛めっき鋼板を
用いた。比較例1、比較例3〜5、実施例1、実施例
4、および実施例7では、アルミニウム合金板に、シリ
コーンプライマーを3μmの膜厚となるように塗布し、
80℃で乾燥して、プライマー層を形成し、その上に光
触媒塗料を塗布した。比較例2、実施例2〜3、および
実施例5〜6、実施例8では、亜鉛めっき鋼板上に粉体
ポリエステルを20μmの膜厚となるように塗装して得
られた板材上にシリコーンプライマーを前記と同様に塗
布してプライマー層を形成し、その上に光触媒塗料を塗
布した。
【0028】光触媒塗料の塗布は、各塗料(固形分濃度
35%)を、スプレーガンを用いて膜厚が約10μmと
なるように行われた。塗料塗布層の乾燥は、乾燥用オー
ブンを用い150℃で10分間行われた。また、実施例
7〜8においては、塗料の塗布後に、0.7mW/cm2
強度を有するブラックライト(波長365nm) を10分
間照射し、その後これを150℃で乾燥した。
【0029】塗膜性能の評価は、下記の試験法および評
価基準により行った。その結果を表1に示す。 (1)塗膜密着性 塗膜の密着性についてJIS−K5400碁盤目テープ
法塗膜付着性試験に準じ塗膜の密着性を判定した。コー
ティングした膜が全く剥離しないものを(◎)僅かに塗
膜成分がテープに付着したものを(○)、塗膜が剥離し
たものを不合格(×)とし、塗布直後、及び6ケ月間の
屋外暴露後について試験を行った。 (2)アセトアルデヒド分解性 容量3リットルのパイレックスガラスセル上に試験片を
放置してセルを密閉し、このセル中にアセトアルデヒド
ガスを注入して約300ppm の濃度とし、前記試験片
に、上方からブラックライトを用いて紫外線を照射し
て、アセトアルデヒド分解試験を行った。ブラックライ
トの照射を始めて15分後の、セル中の濃度を測定して
アセトアルデヒドの除去率(%)を算出した。
【0030】
【表1】
【0031】 表1の註(追加添加物) 実施例1 分散剤なし 実施例2 分散剤なし 実施例3 分散剤(イ)5重量部 実施例4 分散剤なし 実施例5 分散剤(イ)5重量部 実施例6 分散剤なし、スメクタイト1重量部 実施例7 分散剤(ロ)20重量部+スメクタイト1重量部 実施例8 分散剤(イ)10重量部+分散剤(ロ)10重量部+スメクタ イト重量部 比較例1 分散剤なし 比較例2 分散剤なし 比較例3 分散剤なし 比較例4 分散剤(イ)5重量部+スメクタイト1重量部 比較例5 分散剤(イ)10重量部+分散剤(ロ)10重量部+スメクタ イト1重量部
【0032】表1に示された比較例1〜5および実施例
1〜8の結果から明らかなように、本発明の酸化チタン
含有塗料液を用いて得られた酸化チタン含有塗膜(実施
例1〜8)は、良好な塗膜密着性、耐候性、光触媒性能
(脱臭性)を示した。一方、シリカゲルまたはゼオライ
ト粒子を含まない比較例1においては、得られた塗膜の
アルデヒド分解性が劣り、また紫外線透過性粒子の添加
量が少ない比較例2においては、塗膜密着性が劣り、ま
た光触媒粒子の含有量が少ない比較例3においては、ア
ルデヒド分解性が不十分であり、さらにシリカゲル粒径
が本発明の範囲外の比較例4,5においては塗膜の密着
性が劣っていた。
【0033】
【発明の効果】上記に説明されているように、本発明の
環境浄化用光触媒塗料を使用することにより、従来技術
にくらべて、格段に優れた光触媒活性(脱臭性)と良好
な塗膜物性(密着性、耐候性)を同時に実現することが
でき、環境浄化材料として極めて実用性の高い塗膜を得
ることができる。また、中性の水系塗料であるため環境
への負荷も少ないので、本発明の塗料は、特に空気汚染
度の高い市街地及び空気の汚れた室内及び車内などにお
いて、各種建材及び脱臭フィルター等に利用することが
でき、それによって環境対策として、幅広く実用的に利
用することができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4C080 AA07 BB02 CC02 CC07 HH05 JJ06 KK08 LL03 MM02 NN04 NN06 NN22 QQ20 4D048 AA06 AA22 AB01 AB03 BA01X BA03X BA06X BA07X BA13X BB03 BB11 CA06 EA01 4G069 AA04 AA08 AA09 BA01B BA01C BA02B BA02C BA04B BA04C BA06B BA06C BA48A BA48C CA01 CA13 CA17 EA08 FB23 4J038 AA011 HA446 HA466 HA556 JB14 JC24 KA12 KA20 MA08 MA10 MA14 NA05 NA18 NA27 PC02 PC03 PC08 PC10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塗膜形成粒子成分と、その分散媒成分と
    を含み、 前記塗膜形成粒子成分が、0.2〜50μmの平均粒子
    径を有する、シリカゲル及びゼオライト粒子から選ばれ
    た少なくとも1種を含む塗膜強化粒子と、0.001〜
    0.05μmの平均粒子径を有する光触媒粒子とを、2
    0:1〜20:500の重量比で含むことを特徴とする
    環境浄化用光触媒塗料。
  2. 【請求項2】 前記塗膜形成粒子成分が、さらに、前記
    シリカゲル、ゼオライト粒子及び光触媒粒子とは異な
    り、かつ0.002〜0.2μmの平均粒子径を有する
    酸化物粒子を、前記塗膜強化粒子重量の1/20〜50
    /20倍の重量で含有する、請求項1に記載の、環境浄
    化用光触媒塗料。
  3. 【請求項3】 前記塗膜形成粒子成分中に、さらに、ポ
    リりん酸及びポリカルボン酸から選ばれた少なくとも1
    種と、塩基性有機化合物との反応生成物が、前記塗膜強
    化粒子重量の1/100〜1倍の重量で含有されてい
    る、請求項1に記載の環境浄化用光触媒塗料。
  4. 【請求項4】 前記塩基性有機化合物が、アルカノール
    アミン、テトラアルキルアンモニウム、オキサジン、ピ
    ペリジン、コリン及びこれらの塩基性誘導体から選ばれ
    る、請求項3に記載の環境浄化用光触媒塗料。
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