JP2001181113A - 工業用殺菌・防腐剤及びその殺菌・防腐方法 - Google Patents

工業用殺菌・防腐剤及びその殺菌・防腐方法

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JP2001181113A
JP2001181113A JP37205699A JP37205699A JP2001181113A JP 2001181113 A JP2001181113 A JP 2001181113A JP 37205699 A JP37205699 A JP 37205699A JP 37205699 A JP37205699 A JP 37205699A JP 2001181113 A JP2001181113 A JP 2001181113A
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antiseptic
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Osamu Umekawa
治 梅川
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Shoei Chemical Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 各種産業分野の殺菌・防腐対象水系におい
て、より少ない量で、幅広い対象に長期に使用できる工
業用殺菌・防腐剤の提供を目的とする。 【構成】 1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オンまたは
そのアルカリ塩の少なくとも1種と2-メチル-4-イソ
チアゾリン-3-オンとを相乗効果を奏する割合で有効成
分として含有することを特徴とする工業用殺菌・防腐剤
及びその殺菌・防腐方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 本発明は工業製品や工業材料と
りわけ,ラテックスエマルジョン・水性塗料・金属加工
油・澱粉糊・紙用塗工液・繊維油剤・リグニン液などの
微生物による変質・汚染を抑制防除するために、また製
紙工程や工場冷却水系において微生物に起因して生ずる
スライム障害を防止するために用いる工業用殺菌・防腐
方法に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】 従来よ
り工業製品や工業材料であるラテックスエマルジョン,
水性塗料・紙用塗工液,繊維油剤,金属油剤,電気絶縁
材料などにあっては、また紙パルプ工業や各種産業分野
における冷却水系にあっては、細菌類・カビ類・酵母類
などの有害微生物が繁殖し易く、製品の腐敗・変質・汚
染など品質の低下や、スライム障害による生産性の低下
原因となっている。これまで,これら有害微生物の発生
を抑制し、ないしは防除する目的で数多くの殺菌剤が用
いられている。
【0003】 微生物障害を防除または防止する薬剤と
しては有機金属化合物,有機硫黄化合物,第4級アンモ
ニウム塩化合物,フェノール系化合物など多くの薬剤が
使用されてきたが、これら化合物はそれぞれに毒性面や
公害面さらには特定用途に使用した場合に発泡や製品品
質の低下を招くなど種々の欠点を有している。
【0004】 1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン
(以下BITと記載)またはそのアルカリ塩の少なくと
も1種と2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン(以下
MITと記載)はそれぞれ殺菌・防腐剤として知られて
いるが、ある種類の微生物に対して殺菌・静菌効果が不
十分であるとか、効果の持続性に欠けるなどの欠点を有
している。微生物のうち、特に細菌類は同一殺菌・防腐
剤を使用していると、その耐性菌が系内に繁殖し、従来
使用していた殺菌・防腐剤ではその効果が著しく減退す
る。
【0005】 従って、より少ない量で、幅広い対象に
長期に使用できる薬剤の開発が望まれていた。
【0006】
【課題を解決しようとする手段】 本発明の発明者は、
この観点より、種々の工業用殺菌・防腐剤の組合せ及び
含有割合について研究した結果、BITの1種又は2種
とMITの併用により、それぞれ単独で使用した場合よ
り遥かに少量で抗菌性が相乗的に高められ、優れた殺菌
効果と持続的な防腐効果を示し使用幅が広がり、かつ耐
性菌問題が解消しうることを見出した。
【0007】 かくして本発明によれば、BITまたは
そのアルカリ塩の少なくとも1種とMITを有効成分と
して併用することを特徴とする工業用殺菌・防腐剤が提
供される。さらに、殺菌・防腐対象水系にBITまたは
そのアルカリ塩の少なくとも1種とMITとを相乗効果
を奏する割合で、同時にまたは別々に添加して殺菌・防
腐を行うことを特徴とする工業用殺菌・防腐方法も提供
される。
【0008】 本発明の殺菌・防腐剤は、エマルジョン
ペイント,紡糸油,ラテックスエマルジョン,水性塗
料,切削油,澱粉糊,紙用塗工液,リグニン液などの細
菌類や真菌類による腐敗変質・汚染を抑制防除するのに
相乗的殺菌,抗菌効果を発揮し、また製紙工程や工場冷
却水系において微生物に起因して生ずるスライム障害を
防止にも有効である。しかも、低毒性で公害の心配がな
く、対象組成物に対する発泡やなんら悪影響を及ぼすこ
ともない有用な工業用殺菌・防腐剤である。
【0009】 本発明のBITまたはそのアルカリ塩の
少なくとも1種とMITは、水あるいは適当な有機溶
媒,ノニオン性界面活性剤またはこれらの組合せに分散
あるいは溶解させ、適当な濃度の液剤(溶液,懸濁液,
スラリー)として使用することができる。この際、必要
に応じて他の殺菌・防腐剤(例えば、2.2−ジブロモ
−3−ニトロプロピオンアミド,4.5−ジクロロ−
1.2−ジチオール−3−オン,メチレンビスチオシア
ナート,ビストリブロモメチルスルホン,5−クロル−
2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン,1.2−
ビス−ブロモ−4−アセトキシ−2−ブテン,3.3.
4.4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1.1
−ジオキシド,塩化ベンザルコニウム等)などを適宜添
加してもよい。
【0010】 またこの発明の有効成分は、上記の溶媒
を用いた液剤の形態に製剤化して用いるのが好ましい
が、これに限定されることなく使用対象によっては固体
希釈剤または担体(カオリン,クレー,CMCなど)で
希釈された固形製剤として用いることもできる。この発
明によれば殺菌・防腐対象水系に2つの有効成分をそれ
ぞれ別の製剤として併用添加して、殺菌・防腐を相乗的
に行うことも可能である。
【0011】 本発明の組成物中のBITまたはそのア
ルカリ塩の少なくとも1種とMITの割合を、10:1
〜1:10重量部で強力な相乗効果を発揮する。
【0012】 本発明の組成物を使用するにあたって
は、対象物、目的などにより添加量は異なるが、一般に
工業製品または工業材料の防腐剤として適用する場合
は、有効成分の含有量和が最終濃度で0.1〜500m
g/L程度になるように同時または別々に添加するのが
好ましい。また製紙工程のスライムコントロール剤とし
て適用する場合は、白水系に本有効成分の含有量和が
0.1〜50mg/L程度を30分〜60分間、1日に
1〜3回衝撃添加するか、または0.05〜20mg/
L程度、1日に6〜12時間維持するように半連続添加
するのが好ましい。
【0013】 さらにまた工業用冷却水系のスライム抑
制剤や殺藻剤として使用する場合は、保有水量に対して
本有効成分の含有量和が0.1〜50mg/Lになるよ
うに1週間毎に衝撃添加するのが好ましい。それぞれの
適応例において、添加量が下限未満であると有効な相乗
効果が発揮されないため好ましくなく、上限より多く添
加してもよいが、経済的な理由で好ましくない。
【0014】 次に本発明の製剤例を挙げるが、これに
限定されるものではない。 製剤例1 BIT 8重量部 MIT 2重量部 ジエチレングリコール 88重量部 ノニルフェノールエチレンオキシド9モル添加物 2重量部 を混合して溶液製剤する。 製剤例2 BIT 2重量部 MIT 8重量部 水酸化ナトリウム 0.5重量部 水 89.5重量部 を混合して溶液製剤する。 製剤例3 BIT 10重量部 MIT 10重量部 ジプロピレングリコール 20重量部 水酸化ナトリウム 2.5重量部 水 57.5重量部 を混合して溶液製剤する。 製剤例4 BIT 10重量部 MIT 20重量部 ネオぺレックス(登録商標:花王アトラス(株)) 5重量部 サンエキス(登録商標:日本製紙(株)) 5重量部 珪藻土 60重量部 を均一に混合して水和性粉剤とする。 製剤例5 BIT 10重量部 MIT 10重量部 クレー 45重量部 タルク 35重量部 を加えて均一に混合し、粉剤とする。以上、製剤例1〜
5の配合物はいずれも薬剤の貯蔵安定性が良好であっ
た。
【0015】
【実施例】 以下、本発明の効果について実施例をあげ
て説明する。 相乗作用効果試験方法 2成分間の相乗作用を二次元希釈法により測定する。両
成分を所定の濃度になるように希釈し、ブイヨン培地に
それぞれ一定量添加する。次に、予め前培養した菌液の
一定量を接種し、30℃で8時間振盪培養した後、57
0nmでの吸光度の増加が認められない両成分濃度を二
次元希釈法による最小発育阻止濃度(以下TDMICと
略記)とする。
【0016】実施例1 腐敗エマルジョン分離菌(スタフィロコッカス属)に対
する効果。BIT及びMITをそれぞれ100mg/L
(溶媒としてジメチルホルムアミド使用)より倍数希釈
し、その後前記試験方法に準じて相乗効果を検討した。
その結果、スタフィロコッカスに対するTDMICは明
らかに菌の生育を完全に抑制し、2成分の相乗効果は、
例えばBITの濃度が1.3mg/Lで、MITの濃度
が1.3mg/Lである場合に現れた。即ち、この薬剤
濃度はBIT単独のMICの1/8と、MIT単独の1
/8の量となり著しい相乗効果を示している。その他、
相乗効果が現れるBITとMITとの濃度の組合せとし
ては例えば表1の通りである。
【0017】
【表1】 ( )は単独のMICの何分の一かを表す。 BIT単独のMIC:10(mg/l) MIT単独のMIC:10(mg/l)
【0018】実施例2 スライム分離菌(バチルス属細菌)に対する効果。BI
T及びMITをそれぞれ50mg/L(溶媒としてジメ
チルホルムアミド使用)より倍数希釈し、実施例1と同
様に試験した。その結果を、表2に示す。
【0019】
【表2】 ( )は単独のMICの何分の一かを表す。 BIT単独のMIC:10(mg/l) MIT単独のMIC:10(mg/l)
【0020】実施例3 圧延油分離菌(プロテウス属細菌)に対する効果。BI
T及びMITを実施例1と同様に試験した。その結果
を、表3に示す。
【0021】
【表3】 ( )は単独のMICの何分の一かを表す。 BIT単独のMIC:90(mg/l) MIT単独のMIC: 5(mg/l)
【0022】実施例4 澱粉液に対する防腐効果を調べるために、酸化澱粉液の
30%水分散液を作成した。これにBITとMITの単
剤及びBITとMITとを2:8(重量比)の割合でジ
プロピレングリコールに溶解したものを酸化澱粉水溶液
に対して有効成分量和が10mg/Lになるように添加
し、温度30℃の恒温器中に放置して酸化澱粉水溶液の
腐敗阻止日数を調べた。その結果を表4に示す。
【0023】
【表4】 本発明混合物 : BIT+MIT
【0024】実施例5 某製紙工場において、紙力増強剤として使用されていた
ポリアクリルアマイド水溶液(固形分20%)の生菌数
を測定したところ、1mL中に10万個レベルの細菌が
検出された。そこで菌汚染されたポリアクリルアマイド
水溶液を防腐するために、BITとMITとをそれぞれ
水に溶解し、各単剤及びBITとMITの配合品を調製
した。これらの製剤品をポリアクリルアマイド水溶液に
有効成分量和が100mg/Lになるように添加し、温
度30℃、湿度90%の恒温器中に置いて試料中の生菌
数変化を経日的に測定した。(平板希釈法・ブイヨン寒
天培地)その結果を表5に示す。
【0025】 本発明混合物1 = BIT:MIT = 1:9 本発明混合物1 = BIT:MIT = 8:2 本発明混合物1 = BIT:MIT = 5:5
【0026】実施例6 BIT20%水溶液を、某製紙工場の上質紙抄造機のマ
シンチェストへ水中濃度20mg/Lになるように、1
日6時間連続添加し、操業を続けたところ6日目に細菌
類を主体とするスライムがマシン内壁に発生付着し、紙
切れを起こした。次にマシン洗浄をした後、MITの3
0%液剤(エチレングリコール69.5%、界面活性剤
テトロニック702 0.5%含有)をマシンチェスト
へ水中濃度20mg/Lになるように、1日6時間連続
添加したところ、15日目にスライムが多発し連続操業
が困難になった。そこで今度はマシン洗浄後、前記の各
液剤をマシンチェストへ1日6時間20mg/Lずつ併
用添加して、操業を続けたところ1ヶ月間経過後に於い
てもマシン各部にスライムの発生が認められず、紙切れ
も生じなかった。
【0027】
【発明の効果】 本発明において、工業用殺菌・防腐剤
として上記の実施例の如く、BITとMITとを併用す
れば、それぞれ単独で使用した場合よりもはるかに少量
で相乗的に殺菌・静菌力が高められ、優れた殺菌効果と
持続的な防腐効果を発揮する工業用殺菌・防腐剤及びそ
の殺菌・防腐方法が提供される。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オンま
    たはそのアルカリ塩の少なくとも1種と2-メチル-4-
    イソチアゾリン-3-オンとを相乗効果を奏する割合で有
    効成分として含有することを特徴とする工業用殺菌・防
    腐剤。
  2. 【請求項2】 1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オンま
    たはそのアルカリ塩の少なくとも1種と2-メチル-4-
    イソチアゾリン-3-オンとの混合割合が重量比10:1
    〜1:10である請求項1に記載の工業用殺菌・防腐
    剤。
  3. 【請求項3】 殺菌・防腐対象水系に1,2-ベンゾイソ
    チアゾリン-3-オンまたはそのアルカリ塩の少なくとも
    1種と2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オンを同時に
    または別々に添加して殺菌防腐を行うことを特徴とする
    工業用殺菌・防腐方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006328007A (ja) * 2005-05-27 2006-12-07 Shinto Fine Co Ltd 工業用抗菌組成物
JP2011016816A (ja) * 2005-10-04 2011-01-27 Rohm & Haas Co 殺微生物組成物

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