JP2001178395A - キシリトール含有組成物 - Google Patents

キシリトール含有組成物

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 キシリトール含有組成物において、良好な風
味を有するものを提供する。 【解決手段】 スピラントールを配合したキシリトール
含有組成物であって、キシリトールの鋭利な甘味、焼け
つくような不快な後味を改善し、良質な風味を有するキ
シリトール含有組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、風味が改良された
キシリトール含有組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、健康食品、機能性食品などの健康
産業への一般消費者の関心、意識が高まりつつあり、シ
ュガーレスガムをはじめ、眠気防止や口臭の低減といっ
た機能を正式なセールスポイントとした製品の市場は拡
大し続けている。特に最近においては、虫歯予防をセー
ルスポイントとした非酸産生性のキシリトールを主要の
甘味剤として配合した製品が急増している。甘味剤とし
てキシリトールを多量に使用すれば虫歯予防の効果もよ
り期待できるが、鋭利な甘味、焼けつくような不快な後
味を呈するため、嗜好面の調整が難しく、現状ではキシ
リトールの使用量の制約や他の甘味剤との併用を余儀な
くされており、キシリトール配合製品の風味の改善が要
望されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、キシリトー
ル含有組成物において、良好な風味を有するものを提供
することをその課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、キシリト
ール含有組成物の風味改善に関して、鋭意検討を重ねた
結果、スピラントールが風味改善に優れていることを知
見し、本発明をなすに至ったものである。即ち、本発明
は、スピラントールを配合したキシリトール含有組成物
であって、キシリトールの鋭利な甘味、焼けつくような
不快な後味を改善し、良質な風味を有するキシリトール
含有組成物を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
詳述する。本発明で用いるスピラントールとは、南米原
産の菊科に属する一年生草本であるオランダセンニチ又
はキバナオランダセンニチの含有成分として存在し、辛
味性と鈍い麻酔性を有する化合物である。本発明にはそ
れらから採取、精製されたスピラントールに限らず、ス
ピラントールを含む前記植物の精油をも使用することが
できる。本発明で用いるスピラントールの配合量は、組
成物中に含有するキシリトールの量によっても異なる
が、概ね0.0001から0.2%とするのがよく、好
ましくは0.0005〜0.1%である。その配合量が
少なすぎるとキシリトールの風味改善効果が不十分とな
り、一方、多すぎると収斂感が強くなり、使用感が悪く
なる不都合がある。
【0006】本明細書でいうキシリトール含有組成物と
は、キシリトールを含んだ製剤であって特段の限定はな
い。例えばチューインガム、キャンディー、グミ、歯磨
剤、洗口剤、口中清涼剤、口中清浄化用食品、口臭防止
食品、口腔用パスタ、リップクリーム、口紅等のメイク
アップ化粧料、化粧水などの基礎化粧品等が挙げられ
る。その剤型としては、板状、ペースト状、クリーム
状、液状等の剤型や錠剤、ゲル剤、丸剤等でありうる。
なお、本発明の組成物を調製する際、他の成分として
は、組成物の種類、使用目的などに応じて通常使用され
る適便な成分が配合され得る。キシリトールの含有量と
しては、0.1〜80%が一般的であり、例えば歯磨、
洗口剤、口中清涼剤では1〜30%、チューインガムで
は1〜70%であることが好ましい。一般にその含有量
が少なすぎるとキシリトールの効能効果が不十分とな
り、一方、多すぎると甘味が強くなる。本発明の効果が
最も発揮できるのは口腔用組成物においてであって、特
にはチューインガムを挙げることができる。以下にチュ
ーインガムの場合について説明する。
【0007】本発明によるチューインガム組成物には、
上記必須成分以外に下記の無機粉体、有機高分子、香料
等の成分が用いられる。無機粉体としては、チューイン
ガムや歯磨き等に用いられている従来公知の各種のもの
を用いることができる。このようなものとしては、例え
ば、沈降性シリカ、シリカゲル、アルミノシリケート、
ジルコノシリケート等のシリカ系無機粉体や、第2リン
酸カルシウム・2水和物及び無水物、第3リン酸カルシ
ウム、ハイドロキシアパタイト、ピロリン酸カルシウ
ム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、
炭酸マグネシウム、第3リン酸マグネシウム、ケイ酸ジ
ルコニウム等が挙げられる。これらの無機粉体は、通
常、0.1〜100μm、好ましくは0.5〜50μm
の平均粒子径を有するものが使われる。
【0008】有機高分子としては、ガムベース等に用い
られている従来公知の各種のものが用いられる。例え
ば、非水溶性高分子として、ポリ酢酸ビニル、チクル、
ジェルトン等が挙げられる。水溶性高分子として、カル
ボキシメチルセルロースアルカリ金属塩、メチルセルロ
ース、ヒドロキエチルセルロース、カルボキシメチルヒ
ドロキシエチルセルロースナトリウムなどのセルロース
誘導体、アルギン酸ナトリウムなどのアルカリ金属アル
ギネート、アルギン酸プロピレングリコールエステル、
カラゲナン、キサンタンガム、トラガカントガム、カラ
ヤガム、アラビアガムなどのガム類、ポリビニルアルコ
ール、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルピロリド
ンなどが挙げられる。
【0009】香料としては、チューインガムの他、歯磨
等の口腔化粧料に配合されている従来公知の各種のもの
が用いられる。例えば、天然香料として、ペパーミント
油、スペアミント油、アニス油、ユーカリ油、ウィンタ
ーグリーン油、カシア油、クローブ油、タイム油、セー
ジ油、ジンジャー油、レモン油、オレンジ油、ハッカ
油、カルダモン油、コリアンダー油、マンダリン油、ラ
イム油、ラベンダー油、ローズマリー油、ローレル油、
カモミル油、キャラウェイ油、マジョラム油、べイ油、
レモングラス油、オリガナム油、ティートゥリー油、マ
スティック油、パインニードル油等が挙げられる。単品
香料としては、メントール、カルボン、アネトール、シ
ネオール、サリチル酸メチル、シンナミックアルデヒ
ド、オイゲノール、チモール、リナロール、リナリール
アセテート、リモネン、メントン、メンチルアセテー
ト、ピネン、オクチルアルデヒド、シトラール、プレゴ
ン、カルビールアセテート、アニスアルデヒド、エチル
アセテート、エチルブチレート、アリルシクロヘキサン
プロピオネート、メチルアンスラニレート、エチルメチ
ルアンスラニレート、バニリン、ウンデカラクトン、ヘ
キサナール、エチルアルコール、プロピレンアルコー
ル、ブタノール、イソアルミアルコール等が挙げられ
る。単品香料および、または天然香料も含む調合香料と
して、ストロベリーフレーバー、アップルフレーバー、
バナナフレーバー、パイナップルフレーバー、グレープ
フレーバー、マンゴーフレーバー、トロピカルフルーツ
フレーバー、バターフレーバー、ミルクフレーバー、フ
ルーツミックスフレーバー等が挙げられる。また、香料
の形態は精油、抽出物、固形物、またはこれらを噴霧乾
燥した粉体(粉末香料)やそれらをカプセル化したもの、
あるいは香料や粉末香料が無機粉体とそれに結合する有
機高分子に包接されたものでも構わない。
【0010】本発明を適用したチューインガムには、キ
シリトール以外の甘味剤、酸味剤等の慣用の補助成分を
配合することができる。甘味剤としては、グルコース、
キシロース、フルクトースなどの単糖類、マルトースな
どの還元性二糖類、ショ糖、トレハロース、スクラロー
スなどの非還元性二糖類、キシリトール、エリスリトー
ル、ソルビトール、ラクチトール、マルチトールなどの
糖アルコール、還元パラチノース、乳糖、還元乳糖、還
元麦芽糖、水飴、還元水飴、オリゴ糖、ブドウ糖、還元
澱粉糖化物、菓糖、アスパルテーム、ステビア、サッカ
リン、アセスルファムK等の1種及び数種を任意に配合
することができる。酸味料として、リンゴ酸、クエン
酸、酒石酸、乳酸、フマル酸、コハク酸、フィチン酸等
が挙げられる。その他軟化剤、着色料、光沢剤、増粘
剤、乳化剤、pH調整剤、保存料等を適宜配合すること
ができる。その他にも、ビタミン類、植物抽出物等を適
宜配合することができる。これらは、いずれの場合も従
来使用されている成分量で用いることができる。
【0011】
【実施例】以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明
するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではな
い。なお、以下の例において%はいずれも質量百分率で
ある。下記の例における香料(フレーバー油)A,B,
C噴霧乾燥フレーバー油X,Y,Zは下記の通りであ
る。
【0012】香料A メントール 30.0% ペパーミント油 40.0 スペアミント油 10.0 オレンジ油 5.0 レモン油 2.0 グレープフルーツ油 1.0 ユーカリ油 1.0 カシア油 1.0 クローブ油 1.0 タイム油 0.5 アニス油 1.0 アネトール 1.0 ラベンダー油 1.0 ローズマリー油 1.0 エタノール 残
【0013】香料B メントール 40.0% ペパーミント油 30.0 オレンジ油 5.0 レモン油 2.0 グレープフルーツ油 1.0 ジンジャー油 1.0 カルダモン油 1.0 ワニリン 1.0 ストロベリーフレーバー 5.0 アップルフレーバー 2.0 バナナフレーバー 1.0 メロンフレーバー 1.0 エタノール 残
【0014】香料C メントール 50.0% ペパーミント油 5.0 スペアミント油 3.0 アネトール 8.0 シネトール 10.0 オレンジ油 5.0 サリチル酸メチル 5.0 ウィンターグリーン油 1.0 カルボン 10.0 トリアセチン 残
【0015】噴霧乾燥フレーバー油 上記フレーバー油A,B,Cを調合し、水で溶解・濾過
した賦形剤(アラビアガムとデキストリンとサイクロデ
キストリンの混合物)と混合させ、乳化状態の混合溶液
を噴霧乾燥したものを用いた。 噴霧フレーバー油X(フレーバー油A含有) 噴霧フレーバー油Y(フレーバー油B含有) 噴霧フレーバー油Z(フレーバー油C含有)
【0016】実施例1〜6 表1,2に示す処方のチューインガム組成物を調製し、
キシリトールとスピラントールを併用した場合の風味を
下記の評価方法で評価した。その評価結果を表1,2に
併記する。表1,2の評価結果より、本発明を適用した
チューインガムは、キシリトールの鋭利な甘味、焼けつ
くような不快な後味を改善し、良質な風味を提供するこ
とが確認できた。 (評価方法)専門パネル10名により、下記5段階評価
方法によって加重平均を算出した。 5点:対照品に比べ風味の質が非常に向上している。 4点:対照品に比べ風味の質が向上している。 3点:対照品に比べ風味の質が少し向上している。 2点:対照品に比べ風味の質の向上が認められない。 1点:対照品に比べ風味の質がむしろ低下している。 ◎:評価点数4点以上のもの ○:評価点数4点未満3点以上のもの △:評価点数3点未満2点以上のもの ×:評価点数2点未満のもの
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】以下本発明の具体的組成物例を示す。
【0020】 実施例7(練歯磨) 炭酸カルシウム 50.0% グリセリン 20.0 カラギーナン 0.5 カルボキシメチルセルロース 1.0 ラウリルジエタノールアマイド 1.0 ショ糖モノラウレート 2.0 香料A 1.0 キシリトール 20.0 サッカリン 0.05 スピラントール 0.01 水 残
【0021】 実施例8(練歯磨) 第2リン酸カルシウム・2水和物 50.0% グリセリン 20.0 カルボキシメチルセルロース 2.0 ラウリル硫酸ナトリウム 2.0 香料A 1.0 キシリトール 20.0 サッカリンナトリウム 0.01 スクラロース 0.05 スピラントール 0.01 水 残
【0022】 実施例9(練歯磨) 水酸化アルミニウム 45.0% ゲル化性シリカ 5.0 ソルビット 10.0 カルボキシメチルセルロースナトリウム 1.0 ショ糖モノパルミテート 1.0 ラウリル硫酸ナトリウム 1.5 パラオキシ安息香酸メチル 0.1 パラオキシ安息香酸ブチル 0.01 サッカリンナトリウム 0.05 キシリトール 20.0 スピラントール 0.01 香料A 1.0 水 残
【0023】 実施例10(練歯磨) 沈降性シリカ 40.0% ソルビット 10.0 グリセリン 10.0 ポリビニルピロリドン 1.0 ラウロイルポリグリセリンエステル 1.0 ポリオキシエチレン(60モル) 0.5 ソルビタンモノラウレート ラウリル硫酸ナトリウム 0.5 サッカリンナトリウム 0.05 パラオキシ安息香酸エチル 0.1 トラネキサム酸 0.1 キシリトール 20.0 スピラントール 0.01 香料C 1.0 水 残
【0024】 実施例11(液状歯磨) 沈降性シリカ 18.0% プロピレングリコール 2.0 60%ソルビット 20.0 グリセリン 24.0 ポリアクリル酸ナトリウム 0.1 キサンタンガム 0.2 ラウリル硫酸ナトリウム 1.5 ポリグリセリン脂肪酸エステル 1.6 パラオキシ安息香酸メチル 0.12 パラオキシ安息香酸ブチル 0.01 サッカリンナトリウム 0.1 フッ化ナトリウム 0.5 キシリトール 20.0 スピラントール 0.01 香料A 1.0 精製水 残
【0025】 実施例12(洗口剤) エタノール 10.0% ショ糖モノパルミテート 1.0 ポリオキシエチレン(60モル)硬化ヒマシ油 1.0 パラヒドロキシ安息香酸メチル 0.05 サッカリンナトリウム 0.5 スピラントール 0.01 キシリトール 10.0 香料C 0.2 精製水 残
【0026】 実施例13(口腔用パスタ) 流動パラフィン 15.0% グリセリン 10.0 安息香酸ナトリウム 0.1 メチルパラベン 0.2 セタノール 5.0 マイクロクリスタリンワックス 10.0 パラフィンワックス 5.0 モノステアリン酸ソルビタン 4.0 キシリトール 20.0 スピラントール 0.02 香料 0.4 精製水 残
【0027】 実施例14(口中清涼剤) エタノール 40.0% グリセリン(85%) 10.0 キシリトール 5.0 サッカリンナトリウム 0.1 安息香酸ナトリウム 0.3 香料C 5.0 スピラントール 0.01 塩化セチルピリジウム 0.01 ポリオキシエチレン(15)セチルエーテル 1.0 精製水 残
【0028】 実施例15(口腔用軟膏) 流動パラフィン 15.0% セタノール 10.0 グリセリン 20.0 ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル 5.0 香料 0.50 サッカリンナトリウム 0.10 キシリトール 10.0 スピラントール 0.01 水 残
【0029】 実施例16(ゲル剤) グリセリン 13.0% カルボポール940 1.0 水酸化ナトリウム 0.25 ソルビタンモノステアレート 5.0 エタノール 7.0 スピラントール 0.05 香料 0.6 キシリトール 10.0 精製水 残
【0030】 実施例17〔口臭防止食品(丸剤)〕 ゼラチン 10.0% グリセリン 5.0 キシリトール 30.0 マルチトール 20.0 香料A 10.0 スピラントール 0.01 植物油 残
【0031】 実施例18〔錠菓(タブレット)〕 キシリトール 70.0% パラチノース 10.0 アラビアガム 0.2 ショ糖脂肪酸エステル 2.0 香料 5.0 スピラントール 0.01 水 残
【0032】 実施例19(キャンディ) 砂糖 30.0% キシリトール 20.0 水飴 33.0 有機酸 2.0 香料 0.2 スピラントール 0.01 水 残
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本間 洋子 東京都墨田区本所一丁目3番7号 ライオ ン株式会社内 Fターム(参考) 4B014 GB13 GG08 GK03 GL10 4B018 MD07 MD32 MD61 ME09 4B047 LB09 LG05 LG25 4C083 AB032 AB222 AB292 AB322 AB432 AB472 AC012 AC022 AC072 AC102 AC122 AC131 AC132 AC422 AC432 AC442 AC482 AC642 AC782 AC862 AD072 AD092 AD222 AD272 AD352 AD412 CC41 DD22 DD23 DD41 EE06 EE32

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 風味改良剤としてスピラントールを配合
    したことを特徴とするキシリトール含有組成物。
  2. 【請求項2】 口腔組成物である請求項1のキシリトー
    ル含有組成物。
  3. 【請求項3】 チューインガムである請求項2のキシリ
    トール含有組成物。
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