JP2001174946A - 感光性乳剤、熱現像感光材料、画像記録方法および画像形成方法 - Google Patents

感光性乳剤、熱現像感光材料、画像記録方法および画像形成方法

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JP2001174946A JP2000298562A JP2000298562A JP2001174946A JP 2001174946 A JP2001174946 A JP 2001174946A JP 2000298562 A JP2000298562 A JP 2000298562A JP 2000298562 A JP2000298562 A JP 2000298562A JP 2001174946 A JP2001174946 A JP 2001174946A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分散粒子の粒子径が特定の範囲にある感光性
乳剤、露光時の感度が高く、低カブリな熱現像感光材
料、それを用いる画像記録方法及び画像形成方法を提供
する。 【解決手段】 少なくとも有機銀塩、感光性ハロゲン化
銀塩を有し、全粒子体積の2〜35%が、粒子径が0.
1〜1.0μmの範囲にあることを特徴とする感光性乳
剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は感光性乳剤、熱現像
感光材料、画像記録方法および画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から印刷製版や医療の分野では、画
像形成材料の湿式処理に伴う廃液が、作業性の上で問題
となっており、近年では環境保全、省スペースの観点か
らも処理廃液の減量が強く望まれている。そこで、レー
ザ・イメージセッタやレーザ・イメージャにより効率的
な露光が可能で、高解像度で鮮明な黒色画像を形成する
ことができる写真技術用途の光熱写真材料に関する技術
が求められている。
【0003】このための技術として熱現像処理法を用い
て写真画像を形成する熱現像写真感光材料は、例えば米
国特許第3,152,904号、同第3,457,07
5号及びD.モーガン(Morgan)とB.シェリー
(Shely)による「熱によって処理される銀システ
ム(Thermally Processed Sil
ver Systems)」(イメージング・プロセッ
シーズ・アンド・マテリアルズ(Imaging Pr
ocesses and Materials)Neb
lette第8版、スタージ(Sturge)、V.ウ
ォールワース(Walworth)A.シェップ(Sh
epp)編集、第2頁、1969年)に開示されてい
る。
【0004】これらの熱現像写真感光材料は感光層中に
設置された感光性ハロゲン化銀粒子を光センサーに対し
て有機銀塩を銀イオンの供給源とし、内蔵された還元剤
によって通常80〜140℃で熱現像することで高い銀
被覆力を有する現像銀により画像を形成させ、定着を行
わないことが特徴である。そのため、上述の高い被覆力
を与える現像銀の色調は、黄色味や緑色味を帯びて画像
観察者に不快な印象を与えやすい。この黄色味を帯びる
原因は、現像銀サイズが小さく、青色光成分の散乱が増
し、黄色味の強い光となるためであるが、上記問題を解
決するために現像活性を向上させるなど現像銀サイズを
大きくする手段はカブリの上昇を招きやすいため成功に
は至っていない。
【0005】また、上記記載の熱現像感光材料において
は、ハロゲン化銀や有機銀の凝集体が存在するために、
局所的に正常な画像形成が行われにくくなるため、濃度
の低下などの課題が残されていた。一方、ハロゲン化銀
や有機銀塩を分散機等を用いて不用意に高いエネルギー
で分散や粉砕すると、カブリが上昇するという問題が発
生するため、銀量を増加させることなく高い光感度、画
像濃度が得られ、かつカブリも低下させる技術が求めら
れていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、分散
粒子の粒子径が特定の範囲にある感光性乳剤、露光時の
感度が高く、低カブリな熱現像感光材料、それを用いる
画像記録方法及び画像形成方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記の項目1〜8によって達成された。 1.少なくとも有機銀塩、感光性ハロゲン化銀塩を有
し、含有される全粒子体積の2〜35%が、粒子径が
0.1〜1.0μmの範囲にあることを特徴とする感光
性乳剤。 2.銀1gに対してジルコニウムを0.01〜0.5m
g含有することを特徴とする前記1に記載の感光性乳
剤。 3.前記1または2に記載の感光性乳剤、還元剤及びバ
インダーを含有する感光性層を有することを特徴とする
熱現像感光材料。 4.感光性層中の総銀量が2.2g/m2以下であるこ
とを特徴とする前記3に記載の熱現像感光材料。 5.露光面と走査レーザ光のなす角度が実質的に垂直に
なることがない露光装置を用いて、前記3または4に記
載の熱現像感光材料を露光することを特徴とする画像記
録方法。 6.縦マルチである走査レーザ光を発するレーザ走査露
光機を用いて露光することを特徴とする前記5に記載の
画像記録方法。 7.前記3または4に記載の熱現像感光材料が溶媒を5
〜1000mg/m2含有している状態において現像す
ることを特徴とする画像形成方法。 8.保護層と加熱されたドラムを接触させて、前記3ま
たは4に記載の熱現像感光材料を現像することを特徴と
する画像形成方法。 9.前記1または2に記載の感光性乳剤を製造するに当
たり、セラミックビーズを充填したビーズミルを用い
て、有機銀塩、感光性ハロゲン化銀を分散することを特
徴とする感光性乳剤の製造方法。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
感光性乳剤について説明する。本発明の感光性乳剤は、
少なくとも有機銀塩、感光性ハロゲン化銀塩を有し、含
有される全粒子体積の2〜35%の粒子が、粒子径が
0.1〜1.0μmの範囲にあることが特徴であるが、
本発明においては、全粒子とは、有機銀塩粒子の1次粒
子、感光性ハロゲン化銀粒子の1次粒子はもちろん、感
光性乳剤の作製過程において、適宜、行われる分散工程
等によって生じる有機銀塩及び感光性銀塩の二次粒子
や、完全に分散されていないような有機銀塩粒子及び感
光性ハロゲン化銀粒子、更には、前記の各々の粒子とバ
インダーを含む凝集体等も含まれる。
【0009】全粒子体積に係る上記記載の粒子径は以下
のようにして求められる。まず、感光性乳剤をPVB
(ポリビニルブチラール)の1%MEK(メチルエチル
ケトン)溶液にて500倍に希釈し3分間攪拌する。次
いで、希釈された資料をレーザー回折/散乱式粒度分布
計を用いて粒径を測定する。測定は試料を攪拌しながら
行う事が好ましく、また、超音波処理などは凝集体がほ
ぐれてしまうため行わなずに測定を行う。
【0010】測定の際は、試料の吸光度が70〜90%
の濃度になるよう濃度を調節することが好ましい。この
際希釈はPVBの1%MEK(メチルエチルケトン)溶
液にて行う。また、粒子の相対屈折率は1.3、粒子径
は体積として算出し、測定は少なくとも同一試料を5回
測定する。
【0011】得られた頻度分布グラフより、粒子径が
0.1〜1.0μmである粒子体の全粒子体積に対する
割合をもとめ、測定回数分の平均値を算出する。レーザ
ー回折/散乱式粒度分布計としては上記操作が可能なの
であれば特に限定はされないが、一例としてHORIB
A製LA-920型が挙げられる。本発明の感光性乳剤
を製造するに際しては、含有される有機銀塩粒子及び感
光性ハロゲン化銀粒子等を必要に応じバインダーや界面
活性剤などと共に予備分散した後、メディア分散機また
は高圧ホモジナイザなどで分散粉砕(本分散)すること
が好ましい。上記予備分散にはアンカー型、プロペラ型
等の一般的攪拌機や高速回転遠心放射型攪拌機(ディゾ
ルバ)、高速回転剪断型撹拌機(ホモミキサ)を使用す
ることができる。
【0012】上記予備分散、本分散時に用いられるバイ
ンダー量としては、有機銀塩に対して0.1〜10重量
%の範囲が好ましく、更に、分散時の温度コントロール
することが好ましく、具体的には、予備分散、本分散を
通じて、45℃を越えないことが更に好ましい。上記メ
ディア分散機としては、ボールミル、遊星ボールミル、
振動ボールミル等の転動ミルや、媒体攪拌ミルであるビ
ーズミル、アトライター、その他バスケットミルなどを
用いることが可能であり、高圧ホモジナイザとしては
壁、プラグなどに衝突するタイプ、液を複数に分けてか
ら高速で液同士を衝突させるタイプ、細いオリフィスを
通過させるタイプなど様々なタイプを用いることができ
るが、本発明で特に好ましく用いられるのはビーズミル
である。
【0013】上記記載のビーズミルの材質として好まし
く用いられるのはセラミックスビーズであり、例えば、
Al2O3、BaTiO3、SrTiO3(チタン酸ストロ
ンチウム)MgO、ZrO、BeO、Cr2O3、SiO
3、SiO2−Al2O3、Cr2O3−MgO、MgO−C
aO、MgO−C、MgO−Al2O3(スピネル)、S
iC、TiO2、K2O、Na2O、BaO、PbO、B2
O3、BeAl2O4、Y3Al5O12、ZrO2−Y2O3
(立方晶ジルコニア)、3Beo−Al2O3−6SiO
2(合成エメラルド)、C(合成ダイヤモンド)、Si
O2−nH2O、窒化珪素、イットリウム安定化ジルコニ
ア、ジルコニア強化アルミナ等が好ましい。
【0014】本発明においては、分散時におけるビーズ
や分散機との摩擦による不純物生成が少ない等の理由か
ら、イットリウム安定化ジルコニア(以下、ジルコニア
と略す)、ジルコニア強化アルミナが特に好ましく用い
られる。本発明の感光性乳剤を製造する際に用いられる
装置類において、含有される有機銀粒子や感光性ハロゲ
ン化銀粒子が接触する部材の材質としてジルコニア、ア
ルミナ、窒化珪素、窒化ホウ素などのセラミックス類お
よび/またはダイヤモンドを用いることが好ましく、有
機銀塩粒子や感光性ハロゲン化銀の分散性向上の観点か
ら、特にジルコニアを用いることが好ましい。
【0015】分散時にジルコニアを使用する場合、本発
明の感光性乳剤は、該乳剤中に含有される銀1gあたり
0.01mg〜0.5mgのZr(金属としてのジルコ
ニウム)を含有することが好ましく、特に好ましくは
0.01mg〜0.3mgのZrを含有する場合であ
る。上記分散をおこなう際の、バインダー濃度、予備分
散方法、分散機運転条件、分散回数などを最適化するこ
とは、分散性の良好な本発明の感光性乳剤を得る方法と
して非常に好ましい。
【0016】本発明に係る感光性ハロゲン化銀粒子は光
センサーとして機能する。本発明においては、画像形成
後の白濁を低く抑えるため、及び良好な画質を得るため
には、感光性ハロゲン化銀粒子の1次粒子の平均粒子サ
イズが小さい方が好ましく、1次粒子の平均粒子サイズ
が0.1μm以下、より好ましくは0.01μm〜0.
1μm、特に0.02μm〜0.08μmが好ましい。
ここで平均サイズとは、電子顕微鏡で観察される個々の
粒子像と等しい面積を有する円の直径(円相当径)を指
す。但し、本発明に係る1次粒子の粒子サイズとは、感
光性ハロゲン化銀粒子同士の凝集等から生成された二次
粒子や感光性ハロゲン化銀粒子と有機銀塩、バインダー
等から形成される凝集体等は含まれない。また感光性ハ
ロゲン化銀粒子は単分散であることが好ましい。ここで
いう単分散とは、下記式で求められる単分散度が40%
以下をいう。更に好ましくは30%以下であり、特に好
ましくは20%以下となる粒子である。
【0017】単分散度=(粒径の標準偏差)/(粒径の
平均値)×100 ハロゲン化銀粒子の形状については、特に制限はない
が、ミラー指数〔100〕面の占める割合が高いことが
好ましく、この割合が50%以上、更には70%以上、
特に80%以上であることが好ましい。ミラー指数〔1
00〕面の比率は増感色素の吸着における〔111〕面
と〔100〕面との吸着依存性を利用したT.Tan
i,J.Imaging Sci.,29,165(1
985)により求めることができる。
【0018】またもう一つの好ましいハロゲン化銀の形
状は、平板粒子である。ここでいう平板粒子とは、投影
面積の平方根を粒径rμmとして垂直方向の厚みをhμ
mとした場合のアスペクト比=r/hが3以上のものを
いう。その中でも好ましくはアスペクト比が3以上50
以下である。また粒径は0.1μm以下であることが好
ましく、さらに0.01μm〜0.08μmが好まし
い。これらは米国特許第5,264,337号、同第
5,314,798号、同第5,320,958号等に
記載されており、容易に目的の平板状粒子を得ることが
できる。
【0019】ハロゲン組成としては特に制限はなく、塩
化銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀、臭化銀、沃臭化銀、沃化
銀のいずれであってもよい。本発明に用いられる写真乳
剤は、P.Glafkides著 Chimie et
Physique Photographique
(Paul Montel社刊、1967年)、G.
F.Duffin著 Photographic Em
ulsion Chemistry(The Foca
l Press刊、1966年)、V.L.Zelik
man et al著Making and Coat
ing Photographic Emulsion
(The Focal Press刊、1964年)等
に記載された方法を用いて調製することができる。即
ち、酸性法、中性法、アンモニア法等のいずれでもよ
く、また、可溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩を反応させる
形成としては、片側混合法、同時混合法、それらの組合
せ等のいずれを用いてもよい。
【0020】本発明に係る感光性ハロゲン化銀には、周
期表の6族から11族に属する金属イオンを含有するこ
とが好ましい。上記の金属としては、W、Fe、Co、
Ni、Cu、Ru、Rh、Pd、Re、Os、Ir、P
t、Auが好ましい。これらの金属イオンは金属錯体ま
たは金属錯体イオンの形でハロゲン化銀に導入できる。
これらの金属錯体または金属錯体イオンとしては、下記
一般式で表される6配位金属錯体が好ましい。
【0021】一般式 〔ML6〕m 式中、Mは周期表の6〜11族の元素から選ばれる遷移
金属、Lは配位子、mは0、−、2−、3−または4−
を表す。Lで表される配位子の具体例としては、ハロゲ
ン化物(弗化物、塩化物、臭化物及び沃化物)、シアン
化物、シアナート、チオシアナート、セレノシアナー
ト、テルロシアナート、アジド及びアコの各配位子、ニ
トロシル、チオニトロシル等が挙げられ、好ましくはア
コ、ニトロシル及びチオニトロシル等である。アコ配位
子が存在する場合には、配位子の一つまたは二つを占め
ることが好ましい。Lは同一でもよく、また異なってい
てもよい。
【0022】Mとして特に好ましい具体例は、ロジウム
(Rh)、ルテニウム(Ru)、レニウム(Re)、イ
リジウム(Ir)及びオスミウム(Os)である。以下
に本発明に用いられる遷移金属錯体イオンの具体例を示
すが、本発明はこれらに限定されない。 1:〔RhCl6〕3- 2:〔RuCl6〕3- 3:〔ReCl6〕3- 4:〔RuBr6〕3- 5:〔OsCl6〕3- 6:〔IrCl6〕4- 7:〔Ru(NO)Cl5〕2- 8:〔RuBr4(H2O)〕2- 9:〔Ru(NO)(H2O)Cl4〕- 10:〔RhCl5(H2O)〕2- 11:〔Re(NO)Cl5〕2- 12:〔Re(NO)(CN)5〕2- 13:〔Re(NO)Cl(CN)4〕2- 14:〔Rh(NO)2Cl4〕- 15:〔Rh(NO)(H2O)Cl4〕- 16:〔Ru(NO)(CN)5〕2- 17:〔Fe(CN)6〕3- 18:〔Rh(NS)Cl5〕2- 19:〔Os(NO)Cl5〕2- 20:〔Cr(NO)Cl5〕2- 21:〔Re(NO)Cl5〕- 22:〔Os(NS)Cl4(TeCN)〕2- 23:〔Ru(NS)Cl5〕2- 24:〔Re(NS)Cl4(SeCN)〕2- 25:〔Os(NS)Cl(SCN)4〕2- 26:〔Ir(NO)Cl5〕2- 27:〔Ir(NS)Cl5〕2- これらの金属イオン、金属錯体または金属錯体イオンは
一種類でもよいし、同種の金属及び異種の金属を二種以
上併用してもよい。これらの金属イオン、金属錯体また
は金属錯体イオンの含有量としては、一般的にはハロゲ
ン化銀1モル当たり1×10-9〜1×10-2モルが適当
であり、好ましくは1×10-8〜1×10-4モルであ
る。
【0023】これらの金属を提供する化合物は、ハロゲ
ン化銀粒子形成時に添加し、ハロゲン化銀粒子中に組み
込まれることが好ましく、ハロゲン化銀粒子の調製、つ
まり核形成、成長、物理熟成、化学増感の前後のどの段
階で添加してもよいが、特に核形成、成長、物理熟成の
段階で添加するのが好ましく、更には核形成、成長の段
階で添加するのが好ましく、最も好ましくは核形成の段
階で添加する。
【0024】添加に際しては、数回に亘って分割して添
加してもよく、ハロゲン化銀粒子中に均一に含有させる
こともできるし、特開昭63−29603号、特開平2
−306236号、同3−167545号、同4−76
534号、同6−110146号、同5−273683
号等に記載されている様に粒子内に分布を持たせて含有
させることもできる。好ましくは粒子内部に分布をもた
せることができる。
【0025】これらの金属化合物は、水或いは適当な有
機溶媒(例えば、アルコール類、エーテル類、グリコー
ル類、ケトン類、エステル類、アミド類)に溶解して添
加することができるが、例えば金属化合物の粉末の水溶
液もしくは金属化合物とNaCl、KClとを一緒に溶
解した水溶液を、粒子形成中の水溶性銀塩溶液または水
溶性ハライド溶液中に添加しておく方法、或いは銀塩溶
液とハライド溶液が同時に混合されるとき第3の水溶液
として添加し、3液同時混合の方法でハロゲン化銀粒子
を調製する方法、粒子形成中に必要量の金属化合物の水
溶液を反応容器に投入する方法、或いはハロゲン化銀調
製時に予め金属のイオンまたは錯体イオンをドープして
ある別のハロゲン化銀粒子を添加して溶解させる方法等
がある。特に、金属化合物の粉末の水溶液もしくは金属
化合物とNaCl、KClとを一緒に溶解した水溶液を
水溶性ハライド溶液に添加する方法が好ましい。
【0026】粒子表面に添加する時には、粒子形成直後
または物理熟成時途中もしくは終了時または化学熟成時
に必要量の金属化合物の水溶液を反応容器に投入するこ
ともできる。本発明においては、感光性ハロゲン化銀粒
子は粒子形成後に脱塩してもしなくてもよいが、脱塩を
施す場合、ヌードル法、フロキュレーション法等、当業
界で知られている方法の水洗により脱塩することができ
る。
【0027】本発明に係る感光性ハロゲン化銀粒子は化
学増感されていることが好ましい。好ましい化学増感法
としては当業界でよく知られているように硫黄増感法、
セレン増感法、テルル増感法を用いることができる。ま
た金化合物や白金、パラジウム、イリジウム化合物等の
貴金属増感法や還元増感法が適用出来る。硫黄増感法、
セレン増感法、テルル増感法に好ましく用いられる化合
物としては公知の化合物を用いることができるが、特開
平7−128768号等に記載の化合物を使用すること
ができる。テルル増感剤としては例えばジアシルテルリ
ド類、ビス(オキシカルボニル)テルリド類、ビス(カ
ルバモイル)テルリド類、ジアシルテルリド類、ビス
(オキシカルボニル)ジテルリド類、ビス(カルバモイ
ル)ジテルリド類、P=Te結合を有する化合物、テル
ロカルボン酸塩類、Te-オルガニルテルロカルボン酸
エステル類、ジ(ポリ)テルリド類、テルリド類、テル
ロール類、テルロアセタール類、テルロスルホナート
類、P−Te結合を有する化合物、含Teヘテロ環類、
テルロカルボニル化合物、無機テルル化合物、コロイド
状テルルなどを用いることができる。
【0028】貴金属増感法に好ましく用いられる化合物
としては例えば塩化金酸、カリウムクロロオーレート、
カリウムオーリチオシアネート、硫化金、金セレナイ
ド、あるいは米国特許第2,448,060号、英国特
許第618,061号などに記載されている化合物を好
ましく用いることができる。還元増感法に用いられる具
体的な化合物としてはアスコルビン酸、二酸化チオ尿素
の他に例えば、塩化第一スズ、アミノイミノメタンスル
フィン酸、ヒドラジン誘導体、ボラン化合物、シラン化
合物、ポリアミン化合物等を用いることができる。ま
た、乳剤のpHを7以上またはpAgを8.3以下に保
持して熟成することにより還元増感することができる。
また、粒子形成中に銀イオンのシングルアディション部
分を導入することにより還元増感することができる。
【0029】本発明に係る有機銀塩は還元可能な銀源で
あり、還元可能な銀イオン源を含有する有機酸及びヘテ
ロ有機酸の銀塩、特に長鎖(10〜30、好ましくは1
5〜25の炭素原子数)の脂肪族カルボン酸及び含窒素
複素環が好ましい。配位子が、4.0〜10.0の銀イ
オンに対する総安定定数を有する有機または無機の銀塩
錯体も有用である。
【0030】好適な銀塩の例は、Research D
isclosure第17029及び29963に記載
されており、次のものがある:有機酸の塩(例えば、没
食子酸、シュウ酸、ベヘン酸、アラキジン酸,ステアリ
ン酸、パルミチン酸、ラウリン酸等の塩);銀のカルボ
キシアルキルチオ尿素塩(例えば、1−(3−カルボキ
シプロピル)チオ尿素、1−(3−カルボキシプロピ
ル)−3,3−ジメチルチオ尿素等);アルデヒドとヒ
ドロキシ置換芳香族カルボン酸(例えば、アルデヒド類
(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ブチルアルデ
ヒド等)とヒドロキシ置換酸類(例えば、サリチル酸、
安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、5,5−チ
オジサリチル酸))とのポリマー反応生成物の銀錯体、
チオン類の銀塩または錯体(例えば、3−(2−カルボ
キシエチル)−4−ヒドロキシメチル−4−(チアゾリ
ン−2−チオン、及び3−カルボキシメチル−4−チア
ゾリン−2−チオン)、イミダゾール、ピラゾール、ウ
ラゾール、1,2,4−チアゾール及び1H−テトラゾ
ール、3−アミノ−5−ベンジルチオ−1,2,4−ト
リアゾール及びベンゾトリアゾールから選択される窒素
酸と銀との錯体また塩は;サッカリン、5−クロロサリ
チルアルドキシム等の銀塩;及びメルカプタン誘導体の
銀塩)。好ましい銀源はベヘン酸銀、アラキジン酸銀お
よび/またはステアリン酸銀である。
【0031】有機銀塩化合物は、水溶性銀化合物と銀と
錯形成する化合物を混合することにより得られるが、正
混合法、逆混合法、同時混合法、等が好ましく用いられ
る。また、特開平9−127643号に記載されている
様なコントロールドダブルジェット法を用いることも可
能である。具体的には,有機酸にアルカリ金属塩(例え
ば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど)を加えて
有機酸アルカリ金属塩ソープ(例えば、ベヘン酸ナトリ
ウム、アラキジン酸ナトリウムなど)を作製した後に、
前記ソープに硝酸銀を添加して有機銀塩の結晶を作製す
る。その際にハロゲン化銀粒子を混在させてもよいが、
上記一連の反応工程は、適当な攪拌部材を用いて反応槽
内が均一になるように十分に攪拌しながら行う必要があ
る。
【0032】本発明において有機銀塩は脱水乾燥される
ことが好ましい。脱水にはヌッチェや遠心脱水などが、
乾燥には温風循環乾燥機や気流式乾燥機が好ましく使用
される。本発明においては有機銀塩は1次粒子の平均粒
径が1μm以下でありかつ単分散であることが好まし
い。有機銀塩の1次粒子の平均粒径とは、有機銀塩の粒
子が例えば球状、棒状、或いは平板状の粒子の場合に
は、有機銀塩粒子の体積と同等な立方体を考えたときの
直径をいう。但し、本発明においては、有機銀塩粒子同
士の凝集等から生成された二次粒子や有機銀塩粒子と感
光性ハロゲン化銀、バインダー等から形成される凝集体
等は1次粒子の測定対象としては含まれない。
【0033】本発明においては、有機銀塩の1次粒子の
平均粒径は好ましくは0.01μm〜0.8μm、特に
0.05μm〜0.5μmが好ましい。また単分散と
は、ハロゲン化銀の場合と同義であり、好ましくは単分
散度が1〜30である。本発明においては、有機銀塩の
1次粒子の平均粒径が1μm以下の単分散粒子であるこ
とがより好ましく、この範囲にすることで濃度の高い画
像が得られる。さらに有機銀塩は平板状粒子が全有機銀
の60%以上有することが好ましい。本発明において、
平板状粒子とは平均粒径と厚さの比、いわゆる下記式で
表されるアスペクト比(ARと略す)が3以上のものを
いう。
【0034】AR=平均粒径(μm)/厚さ(μm) 上記記載の形状を有する有機銀塩粒子を得る方法として
は、特に限定されないが、有機酸アルカリ金属塩ソープ
形成時の混合状態および/または前記ソープに硝酸銀を
添加する際の混合状態など各種条件の最適化が有効であ
る。本発明に係る熱現像感光材料の失透を防ぐために
は、感光性ハロゲン化銀及び有機銀塩の総量は銀量に換
算して1m2当たり、2.2g/m2以下であることが好
ましいが、更に好ましくは、0.5〜2.2g/m2で
ある。
【0035】本発明の熱現像写真感光材料には還元剤を
内蔵させることが好ましい。好適な還元剤の例は、米国
特許第3,770,448号、同第3,773,512
号、同第3,593,863号、及びResearch
Disclosure第17029及び29963に
記載されており、次のものがある。アミノヒドロキシシ
クロアルケノン化合物(例えば、2−ヒドロキシピペリ
ジノ−2−シクロヘキセノン);還元剤の前駆体として
アミノリダクトン類(reductones)エステル
(例えば、ピペリジノヘキソースリダクトンモノアセテ
ート);N−ヒドロキシ尿素誘導体(例えば、N−p−
メチルフェニル−N−ヒドロキシ尿素);アルデヒドま
たはケトンのヒドラゾン類(例えば、アントラセンアル
デヒドフェニルヒドラゾン);ホスファーアミドフェノ
ール類;ホスファーアミドアニリン類;ポリヒドロキシ
ベンゼン類(例えば、ヒドロキノン、t−ブチル−ヒド
ロキノン、イソプロピルヒドロキノン及び(2,5−ジ
ヒドロキシ−フェニル)メチルスルホン);スルフヒド
ロキサム酸類(例えば、ベンゼンスルフヒドロキサム
酸);スルホンアミドアニリン類(例えば、4−(N−
メタンスルホンアミド)アニリン);2−テトラゾリル
チオヒドロキノン類(例えば、2−メチル−5−(1−
フェニル−5−テトラゾリルチオ)ヒドロキノン);テ
トラヒドロキノキサリン類(例えば、1,2,3,4−
テトラヒドロキノキサリン);アミドオキシン類;アジ
ン類(例えば、脂肪族カルボン酸アリールヒドラザイド
類とアスコルビン酸の組み合わせ);ポリヒドロキシベ
ンゼンとヒドロキシルアミンの組み合わせ、リダクトン
及び/またはヒドラジン;ヒドロキサン酸類;アジン類
とスルホンアミドフェノール類の組み合わせ;α−シア
ノフェニル酢酸誘導体;ビス−β−ナフトールと1,3
−ジヒドロキシベンゼン誘導体の組み合わせ;5−ピラ
ゾロン類;スルホンアミドフェノール還元剤;2−フェ
ニルインダン−1,3−ジオン等;クロマン;1,4−
ジヒドロピリジン類(例えば、2,6−ジメトキシ−
3,5−ジカルボエトキシ−1,4−ジヒドロピリジ
ン);ビスフェノール類(例えば、ビス(2−ヒドロキ
シ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)メタン、ビ
ス(6−ヒドロキシ−m−トリ)メシトール(mesi
tol)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチル
フェニル)プロパン、4,5−エチリデン−ビス(2−
t−ブチル−6−メチル)フェノール)、紫外線感応性
アスコルビン酸誘導体及び3−ピラゾリドン類。中でも
特に好ましい還元剤はヒンダードフェノール類である。
【0036】ヒンダードフェノール類としては下記一般
式(A)で表される化合物が挙げられる。
【0037】
【化1】
【0038】式中、Rは水素原子または炭素原子数1〜
10のアルキル基(例えば、ブチル基、2,4,4−ト
リメチルペンチル基等)を表し、R′及びR″は、各
々、炭素原子数1〜5のアルキル基(例えば、メチル
基、エチル基、t−ブチル基等)を表す。一般式(A)
で表される化合物の具体例を以下に示す。ただし、本発
明は、これらに限定されない。
【0039】
【化2】
【0040】
【化3】
【0041】前記一般式(A)で表される化合物を始め
とする還元剤の使用量は好ましくは銀1モル当り1×1
0-2〜10モル、特に1×10-2〜1.5モルである。
本発明の熱現像感光材料中にはかぶり防止剤が含まれて
良い。有効なかぶり防止剤として知られているものは水
銀イオンであり、感光材料中にかぶり防止剤として水銀
化合物を使用することについては、例えば米国特許第
3,589,903号に開示されている。しかし、水銀
化合物は環境的に好ましくないので、例えば米国特許第
4,546,075号及び同第4,452,885号及
び特開昭59−57234号に開示されている様な非水
銀かぶり防止剤が本発明においては好ましく用いられ
る。
【0042】特に好ましい非水銀かぶり防止剤として
は、米国特許第3,874,946号及び同第4,75
6,999号に開示されているような化合物、−C(X
1)(X2)(X3)(ここでX1及びX2はハロゲン原子
を表し、X3は水素またはハロゲン原子を表す)で表さ
れる置換基を1以上備えたヘテロ環状化合物が挙げられ
る。
【0043】また、その他に好適なかぶり防止剤として
は、特開平9−288328号の段落番号〔0030〕
〜〔0036〕に記載されている化合物、特開平9−9
0550号の段落番号〔0062〕〜〔0063〕に記
載されている化合物、米国特許第5,028,523号
及び欧州特許第600,587号、同第605,981
号、同第631,176号等に開示されている化合物等
が使用できる。
【0044】本発明の熱現像感光材料には、現像後の銀
色調を改良する目的で色調剤を添加することが好まし
い。好適な色調剤の例はResearch Discl
osure第17029号に開示されており、次のもの
がある。イミド類(例えば、フタルイミド);環状イミ
ド類、ピラゾリン−5−オン類、及びキナゾリノン(例
えば、スクシンイミド、3−フェニル−2−ピラゾリン
−5−オン、1−フェニルウラゾール、キナゾリン及び
2,4−チアゾリジンジオン);ナフタールイミド類
(例えば、N−ヒドロキシ−1,8−ナフタールイミ
ド);コバルト錯体(例えば、コバルトのヘキサミント
リフルオロアセテート)、メルカプタン類(例えば、3
−メルカプト−1,2,4−トリアゾール);N−(ア
ミノメチル)アリールジカルボキシイミド類(例えば、
N−(ジメチルアミノメチル)フタルイミド);ブロッ
クされたピラゾール類、イソチウロニウム(isoth
iuronium)誘導体及びある種の光漂白剤の組み
合わせ(例えば、N,N′−ヘキサメチレン(1−カル
バモイル−3,5−ジメチルピラゾール)、1,8−
(3,6−ジオキサオクタン)ビス(イソチウロニウム
トリフルオロアセテート)、及び2−(トリブロモメチ
ルスルホニル)ベンゾチアゾールの組み合わせ);メロ
シアニン染料(例えば、3−エチル−5−((3−エチ
ル−2−ベンゾチアゾリニリデン(ベンゾチアゾリニリ
デン))−1−メチルエチリデン)−2−チオ−2,4
−オキサゾリジンジオン);フタラジノン、フタラジノ
ン誘導体またはこれらの誘導体の金属塩(例えば、4−
(1−ナフチル)フタラジノン、6−クロロフタラジノ
ン、5,7−ジメチルオキシフタラジノン、及び2,3
−ジヒドロ−1,4−フタラジンジオン);フタラジノ
ンとスルフィン酸誘導体の組み合わせ(例えば、6−ク
ロロフタラジノン+ベンゼンスルフィン酸ナトリウムま
たは8−メチルフタラジノン+p−トリスルホン酸ナト
リウム);フタラジン+フタル酸の組み合わせ;フタラ
ジン(フタラジンの付加物を含む)とマレイン酸無水
物、及びフタル酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸ま
たはo−フェニレン酸誘導体及びその無水物(例えば、
フタル酸、4−メチルフタル酸、4−ニトロフタル酸及
びテトラクロロフタル酸無水物)から選択される少なく
とも1つの化合物との組み合わせ;キナゾリンジオン
類、ベンゾオキサジン、ナルトキサジン誘導体;ベンゾ
オキサジン−2,4−ジオン類(例えば、1,3−ベン
ゾオキサジン−2,4−ジオン);ピリミジン類及び不
斉−トリアジン類(例えば、2,4−ジヒドロキシピリ
ミジン)、及びテトラアザペンタレン誘導体(例えば、
3,6−ジメルカプト−1,4−ジフェニル−1H,4
H−2,3a,5,6a−テトラアザペンタレン)。好
ましい色調剤としてはフタラゾンまたはフタラジンであ
る。
【0045】本発明の熱現像感光材料には、例えば特開
昭63−159841号、同60−140335号、同
63−231437号、同63−259651号、同6
3−304242号、同63−15245号、米国特許
第4,639,414号、同第4,740,455号、
同第4,741,966号、同第4,751,175
号、同第4,835,096号に記載された増感色素が
使用できる。
【0046】本発明に使用される有用な増感色素は例え
ばResearch Disclosure Item
17643IV−A項(1978年12月p.23)、同
Item18431(1979年8月p.437)等に
記載もしくは引用された文献に記載されている。特に各
種スキャナー光源の分光特性に適した分光感度を有する
増感色素を有利に選択することができる。例えば特開平
9−34078号、同9−54409号、同9−806
79号記載の化合物が好ましく用いられる。
【0047】本発明には現像を抑制あるいは促進させ現
像を制御するため、分光増感効率を向上させるため、現
像前後の保存性を向上させるためなどにメルカプト化合
物、ジスルフィド化合物、チオン化合物を含有させるこ
とができる。本発明にメルカプト化合物を使用する場
合、いかなる構造のものでも良いが、Ar−SM、Ar
−S−S−Arで表されるものが好ましい。式中、Mは
水素原子またはアルカリ金属原子であり、Arは1個以
上の窒素、イオウ、酸素、セレンまたはテルル原子を有
する芳香環または縮合芳香環を表す。
【0048】該芳香環としては、芳香族炭素環及び複素
芳香族環が用いられるが、本発明においては複素芳香族
環が好ましく用いられる。複素芳香族環としては、例え
ばベンゾイミダゾール、ナフトイミダゾール、ベンゾチ
アゾール、ナフトチアゾール、ベンゾオキサゾール、ナ
フトオキサゾール、ベンゾセレナゾール、ベンゾテルラ
ゾール、イミダゾール、オキサゾール、ピラゾール、ト
リアゾール、チアジアゾール、テトラゾール、トリアジ
ン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、ピリジン、プ
リン、キノリンまたはキナゾリノンである。この複素芳
香族環は、例えば、ハロゲン原子(例えば、Brおよび
Cl等)、ヒドロキシ基、アミノ基、カルボキシ基、ア
ルキル基(例えば、1個以上の炭素原子、好ましくは1
?4個の炭素原子を有するもの)およびアルコキシ基
(例えば、1個以上の炭素原子、好ましくは1?4個の
炭素原子を有するもの)からなる置換基群から選択され
るものを有してもよい。メルカプト置換複素芳香族化合
物としては、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−
メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾ
チアゾール、2−メルカプト−5−メチルベンゾチアゾ
ール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、2
−メルカプトキノリン、8−メルカプトプリン、2,
3,5,6−テトラクロロ−4−ピリジンチオール、4
−ヒドロキシ−2−メルカプトピリミジン、2−メルカ
プト−4−フェニルオキサゾールなどが挙げられるが、
本発明はこれらに限定されない。
【0049】本発明においては、感光性層側にマット剤
を含有することが好ましく、熱現像後の画像の傷つき防
止のためには感光材料の表面にマット剤を配することが
好ましく、そのマット剤を乳剤層側の全バインダーに対
し、重量比で0.5〜30%含有することが好ましい。
本発明に用いられるマット剤の材質は有機物及び無機物
のいずれでもよい。
【0050】例えば、無機物としては、スイス特許第3
30,158号等に記載のシリカ、仏国特許第1,29
6,995号等に記載のガラス粉、英国特許第1,17
3,181号等に記載のアルカリ土類金属またはカドミ
ウム、亜鉛等の炭酸塩等をマット剤として用いることが
できる。有機物としては、米国特許第2,322,03
7号等に記載の澱粉、ベルギー特許第625,451号
や英国特許第981,198号等に記載された澱粉誘導
体、特公昭44−3643号等に記載のポリビニルアル
コール、スイス特許第330,158号等に記載のポリ
スチレン或いはポリメタクリレート、米国特許第3,0
79,257号等に記載のポリアクリロニトリル、米国
特許第3,022,169号等に記載されたポリカーボ
ネートの様な有機マット剤を用いることができる。
【0051】マット剤の形状は、定形、不定形どちらで
も良いが、好ましくは定形で、球形が好ましく用いられ
る。マット剤の大きさはマット剤の体積を球形に換算し
たときの直径で表される。本発明においてマット剤の粒
径とはこの球形換算した直径のことを示すものとする。
本発明に用いられるマット剤は、平均粒径が0.5μm
〜10μmであることが好ましく、更に好ましくは1.
0μm〜8.0μmである。又、粒子サイズ分布の変動
係数としては、50%以下であることが好ましく、更に
好ましくは40%以下であり、特に好ましくは30%以
下となるマット剤である。
【0052】ここで、粒子サイズ分布の変動係数は、下
記の式で表される値である。 (粒径の標準偏差)/(粒径の平均値)×100 本発明に用いられるマット剤は任意の構成層中に含むこ
とができるが、本発明の目的を達成するためには好まし
くは感光性層以外の構成層であり、更に好ましくは支持
体から見て最も外側の層である。
【0053】本発明に用いられるマット剤の添加方法
は、予め塗布液中に分散させて塗布する方法であっても
よいし、塗布液を塗布した後、乾燥が終了する以前にマ
ット剤を噴霧する方法を用いてもよい。また複数の種類
のマット剤を添加する場合は、両方の方法を併用しても
よい。本発明においては帯電性を改良するために金属酸
化物および/または導電性ポリマーなどの導電性化合物
を構成層中に含ませることができる。これらはいずれの
層に含有させてもよいが、好ましくは下引層、バッキン
グ層、感光性層と下引の間の層などに含まれる。
【0054】本発明においては米国特許第5,244,
773号カラム14〜20に記載された導電性化合物が
好ましく用いられる。各種の添加剤は感光性層、非感光
性層、またはその他の構成層のいずれに添加しても良
い。本発明の熱現像感光材料には上述した以外に例え
ば、界面活性剤、酸化防止剤、安定化剤、可塑剤、紫外
線吸収剤、被覆助剤等を用いても良い。これらの添加剤
及び上述したその他の添加剤はResearch Di
sclosure Item17029(1978年6
月、p.9〜15)に記載されている化合物を好ましく
用いることができる。
【0055】本発明の熱現像感光材料に好適なバインダ
ーは透明または半透明で、一般に無色であり、天然ポリ
マー合成樹脂やポリマー及びコポリマー、その他フィル
ムを形成する媒体、例えば:ゼラチン、アラビアゴム、
ポリ(ビニルアルコール)、ヒドロキシエチルセルロー
ス、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチ
レート、ポリ(ビニルピロリドン)、カゼイン、デンプ
ン、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メチルメタクリル
酸)、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(メタクリル酸)、コ
ポリ(スチレン−無水マレイン酸)、コポリ(スチレン
−アクリロニトリル)、コポリ(スチレン−ブタジエ
ン)、ポリ(ビニルアセタール)類(例えば、ポリ(ビ
ニルホルマール)及びポリ(ビニルブチラール))、ポ
リ(エステル)類、ポリ(ウレタン)類、フェノキシ樹
脂、ポリ(塩化ビニリデン)、ポリ(エポキシド)類、
ポリ(カーボネート)類、ポリ(ビニルアセテート)、
セルロースエステル類、ポリ(アミド)類がある。親水
性でも非親水性でもよい。また感光材料の表面を保護し
たり擦り傷を防止するために、感光性層の外側に非感光
性層を有することができる。これらの非感光性層に用い
られるバインダーは感光性層に用いられるバインダーと
同じ種類でも異なった種類でもよい。
【0056】本発明においては、熱現像の速度を速める
ために感光性層のバインダー量が1.5〜10g/m2
であることが好ましい。さらに好ましくは1.7〜8g
/m2である。本発明で用いられる支持体は現像処理後
の画像の変形を防ぐためにプラスチックフイルム(例え
ば、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、
ポリイミド、ナイロン、セルローストリアセテート、ポ
リエチレンナフタレート)であることが好ましい。
【0057】その中でも好ましい支持体としては、ポリ
エチレンテレフタレート(以下PETと略す)及びシン
ジオタクチック構造を有するスチレン系重合体を含むプ
ラスチック(以下SPSと略す)の支持体が挙げられ
る。支持体の厚みとしては50〜300μm程度、好ま
しくは70〜180μmである。また熱処理したプラス
チック支持体を用いることもできる。採用するプラスチ
ックとしては、前記のプラスチックが挙げられる。支持
体の熱処理とはこれらの支持体を製膜後、感光性層が塗
布されるまでの間に、支持体のガラス転移点より30℃
以上高い温度で、好ましくは35℃以上高い温度で、更
に好ましくは40℃以上高い温度で加熱することがよ
い。但し、支持体の融点を超えた温度で加熱しては本発
明の効果は得られない。
【0058】次に用いられるプラスチックについて説明
する。PETはポリエステルの成分が全てポリエチレン
テレフタレートからなるものであるが、ポリエチレンテ
レフタレート以外に、酸成分としてテレフタル酸、ナフ
タレン−2,6−ジカルボン酸、イソフタル酸、ブチレ
ンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、
アジピン酸等と、グリコール成分としてエチレングリコ
ール、プロピレングリコール、ブタンジオール、シクロ
ヘキサンジメタノール等との変性ポリエステル成分が全
ポリエステルの10モル%以下含まれたポリエステルで
あってもよい。
【0059】SPSは通常のポリスチレン(アタクチッ
クポリスチレン)と異なり立体的に規則性を有したポリ
スチレンである。SPSの規則的な立体規則性構造部分
をラセモ連鎖といい、2連鎖、3連鎖、5連鎖、あるい
はそれ以上と規則的な部分がより多くあることが好まし
く、本発明において、ラセモ連鎖は、2連鎖で85%以
上、3連鎖で75%以上、5連鎖で50%以上、それ以
上の連鎖で30%以上であることが好ましい。SPSの
重合は特開平3−131843号明細書記載の方法に準
じて行うことが出来る。
【0060】本発明に用いられる支持体の製膜方法及び
下引製造方法は公知の方法を用いることができるが、好
ましくは、特開平9−50094号の段落〔0030〕
〜〔0070〕に記載された方法を用いることである。
本発明の熱現像感光材料は、熱現像処理にて写真画像を
形成するもので、還元可能な銀源(有機銀塩)、感光性
ハロゲン化銀、還元剤及び必要に応じて銀の色調を抑制
する色調剤を通常(有機)バインダーマトリックス中に
分散した状態で含有している熱現像感光材料であること
が好ましい。本発明の熱現像感光材料は常温で安定であ
るが、露光後高温(例えば、80℃〜140℃)に加熱
することで現像される。加熱することで有機銀塩(酸化
剤として機能する)と還元剤との間の酸化還元反応を通
じて銀を生成する。この酸化還元反応は露光でハロゲン
化銀に発生した潜像の触媒作用によって促進される。露
光領域中の有機銀塩の反応によって生成した銀は黒色画
像を提供し、これは非露光領域と対照をなし、画像の形
成がなされる。この反応過程は、外部から水等の処理液
を供給することなしで進行する。
【0061】本発明の熱現像感光材料は支持体上に少な
くとも一層の感光性層を有している。支持体の上に感光
性層のみを形成しても良いが、感光性層の上に少なくと
も1層の非感光性層を形成することが好ましい。感光性
層に通過する光の量または波長分布を制御するために感
光性層と同じ側にフィルター染料層および/または反対
側にアンチハレーション染料層、いわゆるバッキング層
を形成しても良いし、感光性層に染料または顔料を含ま
せても良い。用いられる染料としては所望の波長範囲で
目的の吸収を有するものであればいかなる化合物でも良
いが、例えば特開昭59−6481号、特開昭59−1
82436号、米国特許第4,271,263号、米国
特許第4,594,312号、欧州特許公開533,0
08号、欧州特許公開652,473号、特開平2−2
16140号、特開平4−348339号、特開平7−
191432号、特開平7−301890号などの記載
の化合物が好ましく用いられる。
【0062】またこれらの非感光性層には前記のバイン
ダーやマット剤を含有することが好ましく、さらにポリ
シロキサン化合物やワックスや流動パラフィンのような
スベリ剤を含有してもよい。感光性層は複数層にしても
良く、また階調の調節のため感度を高感層/低感層また
は低感層/高感層にしても良い。
【0063】熱現像感光材料の詳細は前述のとおり例え
ば米国特許第3,152,904号、同第3,457,
075号、及びD.モーガン(Morgan)による
「ドライシルバー写真材料(Dry Silver P
hotographic Material)」やD.
モーガン(Morgan)とB.シェリー(Shel
y)による「熱によって処理される銀システム(The
rmally Processed Silver S
ystems)」(イメージング・プロセッシーズ・ア
ンド・マテリアルズ(Imaging Process
es and Materials)Neblette
第8版、スタージ(Sturge)、V.ウォールワ
ース(Walworth)、A.シェップ(Shep
p)編集、第2頁、1969年)等に開示されている。
その中でも本発明においては、感光材料を80?140
℃で熱現像することで画像を形成させ、定着を行わない
ことが特徴である。そのため、未露光部に残ったハロゲ
ン化銀や有機銀塩は除去されずにそのまま感光材料中に
残る。
【0064】本発明においては、熱現像処理した後の、
400nmにおける支持体を含んだ感光材料の光学透過
濃度が0.2以下であることが好ましく、更に好ましく
は0.02〜0.2である。上記熱現像処理時におい
て、本発明の熱現像写真感光材料中に含有される溶剤の
量は合計量で5〜1000mg/m2が好ましく、更に
好ましくは、10〜300mg/m2である。
【0065】当該含有量が上記範囲において、高感度で
ありながら、カブリ濃度が低い感熱材料にすることがで
きる。本発明の熱現像感光材料中に含有される溶媒とし
ては、例えば、ケトン類としてアセトン、イソフォロ
ン、エチルアミルケトン、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトン等が挙げられる。アルコール類として
メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルア
ルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコ
ール、イソブチルアルコール、ジアセトンアルコール、
シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等が挙げられ
る。グリコール類としてエチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、トリエチレングリコール、プロピレング
リコール、ヘキシレングリコール等が挙げられる。エー
テルアルコール類としてエチレングリコールモノメチル
エーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等
が挙げられる。エーテル類としてエチルエーテル、ジオ
キサン、イソプロピルエーテル等が挙げられる。
【0066】エステル類として酢酸エチル、酢酸ブチ
ル、酢酸アミル、酢酸イソプロピル等が挙げられる。炭
化水素類としては、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−
ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシ
レン等が挙げられる。塩化物類として塩化メチル、塩化
メチレン、クロロホルム、ジクロロベンゼン等が挙げら
れる。
【0067】アミン類としてモノメチルアミン、ジメチ
ルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、
トリエチルアミン等が挙げられる。その他として水、ホ
ルムアミド、ジメチルホルムアミド、ニトロメタン、ピ
リジン、トルイジン、テトラヒドロフラン、酢酸等が挙
げられるが、但し、これらに限定されない。また、これ
らの溶剤は、単独、または、数種類組合わせて使用でき
る。
【0068】なお、感光材料中の上記溶剤の含有量は塗
布工程後の乾燥工程等における温度条件等の条件変化に
よって調整できる。また、当該溶剤の含有量は、下記に
示すようなガスクロマトグラフィーを用いた方法によっ
て測定できる。即ち、フイルム面積として46.3cm
2を切り出し、これを5mm程度に細かく刻んで専用バ
イアル瓶に収納しセプタムとアルミキャップで密封した
後、ヘッドスペースサンプラーにセットする。ヘッドス
ペースサンプラーと接続したガスクロマトグラフィー
(GC)を使用して測定を行う。測定対象溶媒はMEK、
メタノールとし、左記溶媒の各々ブタノールにて稀釈さ
れた一定量を専用バイアル瓶に収納した後、上記と同様
に測定して得られたクロマトグラムのピーク面積を用い
て作製した検量線を使用してフイルム中の溶媒量を得る
ことができる。装置としてはヘッドスペースサンプラー
としてはHP7694型、検出器として水素炎イオン化
検出器(FID)、GCとしてはヒューレット・パッカー
ド社製5971型等を用いることができる。本発明にお
いて、露光はレーザ走査露光により行うことが好ましい
が、感光材料の露光面と走査レーザ光のなす角が実質的
に垂直になることがないレーザ走査露光機を用いること
が好ましい。
【0069】ここで、「実質的に垂直になることがな
い」とはレーザ走査中に最も垂直に近い角度として、露
光面を基準として、好ましくは55度以上88度以下、
より好ましくは60度以上86度以下、更に好ましくは
65度以上84度以下、最も好ましくは70度以上82
度以下であることをいう。レーザ光が、感光材料に走査
されるときの感光材料露光面でのビームスポット直径
は、好ましくは200μm以下、より好ましくは100
μm以下である。これは、スポット径が小さい方がレー
ザ入射角度の垂直からのずらし角度を減らせる点で好ま
しい。なお、ビームスポット直径の下限は10μmであ
る。このようなレーザ走査露光を行うことにより干渉縞
様のムラの発生等のような反射光に係る画質劣化を減じ
ることが出来る。
【0070】また、本発明に用いられる露光は縦マルチ
である走査レーザ光を発するレーザ走査露光機を用いて
行うことが好ましい。縦単一モードの走査レーザ光に比
べて干渉縞様のムラの発生等の画質劣化が減少する。縦
マルチ化するには、合波による、戻り光を利用する、高
周波重畳をかける、などの方法がよい。なお、縦マルチ
とは、露光波長が単一でないことを意味し、通常露光波
長の分布が5nm以上、好ましくは10nm以上になる
とよい。露光波長の分布の上限には特に制限はないが、
通常60nm程度である。
【0071】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれらに限定されない。 実施例1 (支持体の作製)濃度0.170(コニカ(株)製デン
シトメータPDA-65)に青色着色した、厚み175
μmのPETフィルムの両面に8W/m2・分のコロナ
放電処理を施した。
【0072】(感光性ハロゲン化銀乳剤Aの調製)水9
00ml中に平均分子量10万のオセインゼラチン7.
5g及び臭化カリウム10mgを溶解して温度35℃、
pHを3.0に合わせた後、硝酸銀74gを含む水溶液
370mlと(98/2)のモル比の臭化カリウムと沃
化カリウム(上記硝酸銀と等モル量)を含む水溶液37
0ml及び塩化イリジウムを銀1モル当たり1×10-4
モルを、pAg7.7に保ちながらコントロールドダブ
ルジェット法で10分間かけて添加した。その後4−ヒ
ドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザイ
ンデン0.3gを添加しNaOHでpHを5に調整して
平均粒子サイズ0.06μm、粒子サイズの変動係数1
2%、〔100〕面比率87%の立方体沃臭化銀粒子を
得た。この乳剤にゼラチン凝集剤を用いて凝集沈降させ
脱塩処理後フェノキシエタノール0.1gを加え、pH
5.9、pAg7.5に調整して、感光性ハロゲン化銀
乳剤Aを得た。
【0073】(粉末有機銀塩Aの調製)4720mlの
純水にベヘン酸111.4g、アラキジン酸83.8
g、ステアリン酸54.9gを80℃で溶解した。次に
1.5Mの水酸化ナトリウム水溶液540.2mlを添
加し濃硝酸6.9mlを加えた後、55℃に冷却して有
機酸ナトリウム溶液を得た。上記の有機酸ナトリウム溶
液の温度を55℃に保ったまま、上記感光性ハロゲン化
銀乳剤A(銀0.038モルを含む)と純水450ml
を添加し5分間攪拌した。
【0074】次に、1Mの硝酸銀溶液760.6mlを
2分間かけて添加し、10分間攪拌し有機銀塩分散物を
得た。その後、得られた有機銀塩分散物を水洗容器に移
し、脱イオン水を加えて攪拌後、静置させて有機銀塩分
散物を浮上分離させ、下方の水溶性塩類を除去した。そ
の後、排水の電導度が2μS/cmになるまで脱イオン
水による水洗、排水を繰り返し、水分率が60〜70%
の範囲になるよう遠心脱水を行った。
【0075】40℃にて重量減がなくなるまで温風循環
乾燥機にて乾燥を行い、粉末有機銀塩Aを得た。 (粉末有機銀塩Bの調製)気流式乾燥機フラッシュジェ
ットドライヤー(株式会社セイシン企業製)を用いて、
乾燥機入口熱風温度75℃の運転条件により含水率が
0.1%になるまで乾燥して粉末有機銀塩Bを得た。有
機銀塩組成物の含水率測定には赤外線水分計を使用し
た。
【0076】(予備分散液Aの調製)ポリビニルブチラ
ール粉末(Monsanto社 Butvar B-7
9)14.57gをMEK(メチルエチルケトン)14
57gに溶解し、VMA−GETZMANN社製ディゾ
ルバーDISPERMAT CA−40M型にて攪拌し
ながら粉末有機銀塩A500gを徐々に添加して十分に
混合することにより予備分散液Aを調製した。
【0077】(予備分散液Bの調製)粉末有機銀塩Bを
使用する他は予備分散液Aを調製するのと全く同様にし
て予備分散液Bを調製した。 (感光性乳剤1の調製)予備分散液Aをポンプを用いて
ミル内滞留時間が2分間となるような流量にて、0.5
mmジルコニアビーズ(東レ製)を80%充填したメデ
ィア型分散機(VMA−GETZMANN社製 DIS
PERMAT SL−C12EX型)に供給し、ミル周
速13m/秒にて分散を行なうことにより感光性乳剤1
を調製した。
【0078】(感光性乳剤2の調製)ミル内滞留時間が
5分間とする以外は感光性乳剤1を調製したのと全く同
様にして感光性乳剤2を調製した。 (感光性乳剤3の調製)エスエムテー社製GM−2型圧
力式ホモジナイザーを用いて、予備分散液Aを2パス分
散することにより感光性乳剤3を調製した。尚、この
際、1パス時の処理圧は27.46MPaであり、2パ
ス時の処理圧は54.92MPaとした。
【0079】(感光性乳剤4の調製)予備分散液Bを使
用する他は感光性乳剤1を調製するのと全く同様にして
感光性乳剤4を調製した。 (感光性乳剤5の調製)予備分散液Bを使用する他は感
光性乳剤3を調製するのと全く同様にして感光性乳剤5
を調製した。
【0080】《感光性乳剤に含有される粒子の粒径評
価》感光性乳剤1〜5について、各々PVB(ポリビニ
ルブチラール)の1%MEK溶液にて500倍に希釈し
3分間攪拌した。レーザー回折/散乱式粒度分布計(H
ORIBA製 LA−920型バッチセル方式)を用い
て、0.1〜1.0μmの範囲にある分散粒子の粒径を
測定し、且つ、全粒子における割合(体積%で算出)を
算出した。測定は1試料につき5回おこなった。得られ
た結果を表1に示す。
【0081】《赤外増感色素液の調製》350mgの赤
外増感色素1、13.96gの2−クロロ−安息香酸お
よび5−メチル−2−メルカプトベンゾイミダゾール
2.14gをメタノール73.4mlに暗所にて溶解し
赤外増感色素液を調製した。 《安定剤液の調製》1.0gの安定剤1、0.5gの酢
酸カリウムをメタノール8.5gに溶解し安定剤液を調
製した。
【0082】《現像剤液の調製》17.74gの還元剤
A−3をMEKに溶解し、100mlに仕上げ、現像剤
液とした。 《かぶり防止剤液の調製》5.81gのかぶり防止剤2
をMEKに溶解し、100mlに仕上げ、かぶり防止剤
液とした。
【0083】《感光層塗布液の調製》前記感光性乳剤1
(50g)およびMEK15.11gを攪拌しながら2
1℃に保温し、かぶり防止剤1(10%メタノール溶
液)390μlを加え、1時間攪拌した。さらに臭化カ
ルシウム(10%メタノール溶液)889μlを添加し
て30分攪拌した。次に、赤外増感色素液1.416m
lおよび安定剤液667μlを添加して1時間攪拌した
後に温度を13℃まで降温してさらに30分攪拌した。
【0084】13℃に保温したまま、ポリビニルブチラ
ール(Monsanto社 Butvar B−79)
13.31gを添加して30分攪拌してから、さらに攪
拌を続けながら以下の添加物を15分間隔で添加した。 フタラジン 305mg テトラクロロフタル酸 102mg 4−メチルフタル酸 137mg 赤外染料1 37mg 上記を添加し15分攪拌した後、 かぶり防止剤液 5.47ml 現像剤液 14.06ml DesmodurN3300(モーベイ社、脂肪族イソシアネート) 10% MEK溶液 1.60ml を順次添加し攪拌することにより感光層塗布液1を得
た。
【0085】感光性乳剤2〜5についても同様な調製を
行い感光層塗布液2〜5とした。
【0086】
【化4】
【0087】
【化5】
【0088】《バック面塗布液の調製》メチルエチルケ
トン830gに攪拌しながら、セルロースアセテートブ
チレート(Eastman Chemical社、CA
B381−20)84.2g、ポリエステル樹脂(Bo
stic社、VitelPE2200B)4.5gを添
加し溶解した。
【0089】溶解した液に、0.30gの赤外染料1を
添加し、さらにメタノール43.2gに溶解した4.5
gのF系活性剤(旭硝子社、サーフロンKH40)と
2.3gのF系活性剤(大日本インク社、メガファッグ
F120K)を添加して、溶解するまで十分に攪拌を行
った。最後に、メチルエチルケトンに1wt%の濃度で
ディゾルバ型ホモジナイザにて分散したシリカ(W.
R.Grace社、シロイド64X6000)を75g
添加、攪拌しバック面の塗布液を調製した。
【0090】次いで、支持体上に以下の各層を順次形成
し、感光材料1〜7(感光層塗布液1?7を各々、使用
した。)を作製した。尚、乾燥は各々75℃、5分間で
行った。 《バック面の塗布》上記記載のバック面塗布液を、乾燥
膜厚が3.5μmになるように押し出しコーターにて塗
布乾燥を行った。乾燥温度100℃、露点温度10℃の
乾燥風を用いて5分間かけて乾燥した。
【0091】 《感光層面側塗布》 感光層 :前記の組成の液を塗布銀量2g/m2になる様に塗布した。 表面保護層 :以下の組成の液を感光層の上に塗布した。 MEK(メチルエチルケトン) 17ml/m2 酢酸セルロース 2.3g/m2 マット剤:単分散度10%平均粒子サイズ4μm単分散シリカ 70mg/m2 《Zr(ジルコニウム)含有量の評価》フィルム10×
10cmを切り出し、感光層をMEK(メチルエチルケ
トン)で剥離した。プロラボ社製マイクロダイジェスト
A300型マイクロウェーブ式湿式分解装置にて硫硝酸
分解し、VGエレメンタル社製PQ−Ω型ICP−MS
(誘導結合型プラズマ質量分析装置)を用い、検量線法
により分析を行った。
【0092】得られた結果を表1に示す。 《フィルム中の溶媒含有量の測定》フィルム面積として
46.3cm2を切り出し、これを5mm程度に細かく
刻んで専用バイアル瓶に収納しセプタムとアルミキャッ
プで密閉した後、ヒューレット・パッカード社製ヘッド
スペースサンプラーHP7694型にセットした。
【0093】ヘッドスペースサンプラーと接続したガス
クロマトグラフィー(GC)は検出器として水素炎イオ
ン化検出器(FID)を装着した、ヒューレット・パッ
カード社製5971型を使用した。主な測定条件は下記
のとおりである。 ヘッドスペースサンプラー加熱条件:120℃、20分 GC導入温度:150℃ カラム:J&W社製 DB−624 昇温:45℃、3分保持→100℃(8℃/分) 上記の測定条件を用いてガスクロマトグラムを得た。測
定対象溶媒はMEK、メタノールとし、左記溶媒の各々
ブタノールにて希釈された一定量を専用バイアル瓶に収
納した後、上記と同様に測定して得られたクロマトグラ
ムのピーク面積を用いて作製した検量線を使用してフィ
ルム中の溶媒含有量を得た。
【0094】《露光及び現像処理》上記のように作製し
た感光材料の乳剤面側から、高周波重畳にて波長800
nm〜820nmの縦マルチモード化された半導体レー
ザを露光源とした露光機によりレーザ走査による露光を
与えた。この際に、感光材料の露光面と露光レーザ光の
角度を75度として画像を形成した。(なお、当該角度
を90度とした場合に比べムラが少なく、かつ予想外に
鮮鋭性等が良好な画像が得られた。)その後、ヒートド
ラムを有する自動現像機を用いて感光材料の保護層とド
ラム表面が接触するようにして、最高濃度部分を50μ
J/cm2になるような露光量で、123℃で16.5
秒、熱現像処理した。その際、露光及び現像は23℃、
50%RHに調湿した部屋で行った。得られた画像の評
価を濃度計により行った。測定の結果は、感度(未露光
部分よりも1.0高い濃度を与える露光量の比の逆数)
およびカブリで評価し、感光材料1の感度を100とす
る相対値で表1に示した。
【0095】
【表1】
【0096】表1から、本発明の感光性乳剤を用いて調
製した熱現像感光材料試料は十分な感度があり、カブリ
が低い良好な感材であることが明らかである。
【0097】
【発明の効果】本発明により、分散粒子の粒子径が特定
の範囲にある感光性乳剤、露光時の感度が高く、低カブ
リな熱現像感光材料、それを用いる画像記録方法及び画
像形成方法を提供することが出来た。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも有機銀塩、感光性ハロゲン化
    銀塩を有し、含有される全粒子体積の2〜35%が、粒
    子径が0.1〜1.0μmの範囲にあることを特徴とす
    る感光性乳剤。
  2. 【請求項2】 銀1gに対してジルコニウムを0.01
    〜0.5mg含有することを特徴とする請求項1に記載
    の感光性乳剤。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の感光性乳剤、
    還元剤及びバインダーを含有する感光性層を有すること
    を特徴とする熱現像感光材料。
  4. 【請求項4】 感光性層中の総銀量が2.2g/m2以
    下であることを特徴とする請求項3に記載の熱現像感光
    材料。
  5. 【請求項5】 露光面と走査レーザ光の露光面への入射
    の角度が実質的に垂直になることがない露光装置を用い
    て、請求項3または4に記載の熱現像感光材料を露光す
    ることを特徴とする画像記録方法。
  6. 【請求項6】 縦マルチである走査レーザ光を発するレ
    ーザ走査露光機を用いて露光することを特徴とする請求
    項5に記載の画像記録方法。
  7. 【請求項7】 請求項3または4に記載の熱現像感光材
    料が溶媒を5〜1000mg/m2含有している状態に
    おいて現像することを特徴とする画像形成方法。
  8. 【請求項8】 熱現感光材料は保護層を有し、該保護層
    と加熱されたドラムを接触させて、請求項3または4に
    記載の熱現像感光材料を現像することを特徴とする画像
    形成方法。
  9. 【請求項9】 請求項1または2に記載の感光性乳剤を
    製造するに当たり、セラミックビーズを充填したビーズ
    ミルを用いて、有機銀塩、感光性ハロゲン化銀を分散す
    ることを特徴とする感光性乳剤の製造方法。
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