JP2001013618A - 熱現像感光材料 - Google Patents

熱現像感光材料

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JP2001013618A
JP2001013618A JP11182015A JP18201599A JP2001013618A JP 2001013618 A JP2001013618 A JP 2001013618A JP 11182015 A JP11182015 A JP 11182015A JP 18201599 A JP18201599 A JP 18201599A JP 2001013618 A JP2001013618 A JP 2001013618A
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resin
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image forming
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JP11182015A
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Toshihisa Takeyama
敏久 竹山
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Konica Minolta Inc
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  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱現像時のカブリ、あるいは長期保存時の未
露光部の濃度上昇が少なく、かつ、特に熱現像後におけ
る銀画像の安定性に優れた熱現像感光材料を提供する。 【解決手段】 支持体上に、有機銀、感光性ハロゲン化
銀、現像剤およびバインダー樹脂を少なくとも含有する
画像形成層を積層した熱現像感光材料において、該バイ
ンダー樹脂がポリビニルアセトアセタール樹脂を全バイ
ンダー樹脂中70重量%以上含有し、前記樹脂のアセタ
ール化度が50mol%以上であることを特徴とする熱
現像感光材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は有機銀を含んだ熱現
像感光材料に関し、更に詳しくはカブリを発生しない熱
現像感光材料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、医療や印刷製版の分野では、画像
形成材料の湿式処理に伴う廃液が、作業性の上で問題と
なっており、近年では、環境保全、省スペースの観点か
らも処理廃液の減量が強く望まれている。
【0003】そこで、レーザー・イメージャーやレーザ
ー・イメージセッターにより効率的な露光が可能で、高
解像度で鮮明な黒色画像を得ることができる光熱写真材
料に関する技術が必要とされている。
【0004】かかる技術として、例えば、米国特許第
3,152,904号、同3,487,075号、及び
D.モーガン(Morgan)による「ドライシルバー
写真材料(Dry Silver Photograp
hic Materials)」(Handbook
of Imaging Materials,Marc
el Dekker,Inc.第48頁,1991)に
記載されている、支持体上に有機銀塩、感光性ハロゲン
化銀粒子、及び還元剤を含有する熱現像感光材料が知ら
れている。この熱現像感光材料では溶液系処理薬品を一
切使用しないため、より簡便で環境を損なわないシステ
ムをユーザーに提供することができる。
【0005】ところで、熱現像感光材料においては、有
機銀塩、感光性ハロゲン化銀粒子、及び還元剤を含有す
るため、熱現像前の保存期間及び熱現像時にかぶりが生
じ易いばかりでなく、熱現像処理後の保存期間にもかぶ
り又は光分解銀(プリントアウト銀)が生じやすい問題
がある。特に、該感光材料では、露光後、80〜250
℃で熱現像するだけで定着を行わないため、未露光部に
残ったハロゲン化銀、有機銀塩及び還元剤が併存してお
り、長期間保存において熱や光により銀画像が変色する
ことが問題であった。
【0006】これらの問題を解決するための技術が特開
平6−208192号、特開平8−267934号、米
国特許5,714,311号及びこれらの特許文献に引
用されている文献等において開示されている。しかし、
これらの開示技術はある程度の効果を有するものの、市
場において要求される性能を満たすための技術としては
なお充分なものではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の事情に
鑑みてなされたものである。
【0008】本発明の目的は、感光材料を熱現像時のカ
ブリ、あるいは長期保存時の未露光部の濃度上昇が少な
く、かつ、特に熱現像後における銀画像の安定性に優れ
た熱現像感光材料を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記構
成の何れかを採ることにより達成される。
【0010】〔1〕 支持体上に、有機銀、感光性ハロ
ゲン化銀、現像剤およびバインダー樹脂を少なくとも含
有する画像形成層を積層した熱現像感光材料において、
該バインダー樹脂がポリビニルアセトアセタール樹脂を
全バインダー樹脂中70重量%以上含有し、前記バイン
ダー樹脂のアセタール化度が50mol%以上であるこ
とを特徴とする熱現像感光材料。
【0011】〔2〕 バインダー樹脂中のポリビニルア
セトアセタール樹脂以外の樹脂がポリビニルブチラール
であることを特徴とする〔1〕記載の熱現像感光材料。
【0012】〔3〕 支持体上に、有機銀、感光性ハロ
ゲン化銀、現像剤およびバインダー樹脂を少なくとも含
有する画像形成層を積層した熱現像感光材料において、
該バインダー樹脂が分子内に極性基を有するポリエステ
ル又はポリウレタン樹脂の少なくとも何れかを含有し、
且つ含有量が全バインダー樹脂に対し1〜50重量%で
あることを特徴とする熱現像感光材料。
【0013】〔4〕 分子内に極性基を有するポリエス
テル又はポリウレタン樹脂の少なくとも何れかのTgが
20〜90℃であることを特徴とする〔3〕記載の熱現
像感光材料。
【0014】〔5〕 支持体上に、有機銀、感光性ハロ
ゲン化銀、現像剤およびバインダー樹脂を少なくとも含
有する画像形成層を積層した熱現像感光材料において、
該バインダー樹脂が不飽和結合を有するスチレンとオレ
フィンとの共重合体樹脂を含有することを特徴とする熱
現像感光材料。
【0015】〔6〕 バインダー樹脂のスチレン含有量
が20〜70重量%であることを特徴とする〔5〕記載
の熱現像感光材料。
【0016】〔7〕 支持体上に、有機銀、感光性ハロ
ゲン化銀、現像剤およびバインダー樹脂を少なくとも含
有する画像形成層を積層した熱現像感光材料において、
該バインダー樹脂が塩素原子を含むポリオレフィンを少
なくとも含有することを特徴とする熱現像感光材料。
【0017】〔8〕 塩素原子を含有するポリオレフィ
ンが、極性基含有塩化ビニル系樹脂であることを特徴と
する〔7〕記載の熱現像感光材料。
【0018】
〔9〕 塩素原子を含有するポリオレフィ
ンが、塩素化ポリエチレン、または塩素化ポリプロピレ
ンであることを特徴とする〔7〕記載の熱現像感光材
料。
【0019】〔10〕 支持体上に、有機銀、感光性ハ
ロゲン化銀、現像剤およびバインダー樹脂を少なくとも
含有する画像形成層を積層した熱現像感光材料におい
て、さらに軟化点が40℃〜120℃の範囲の低分子量
化合物を含有することを特徴とする熱現像感光材料。
【0020】〔11〕 バインダー樹脂が、全組成物中
0.01〜15重量%の範囲に有ることを特徴とする
〔10〕記載の熱現像感光材料。
【0021】〔12〕 支持体上に、有機銀、感光性ハ
ロゲン化銀、現像剤およびバインダー樹脂を少なくとも
含有する画像形成層を積層した熱現像感光材料におい
て、さらに分子内に不飽和二重結合を有し、さらに該化
合物中にエポキシ基を有する化合物を少なくとも含有す
ることを特徴とする熱現像感光材料。
【0022】〔13〕 支持体上に、有機銀、感光性ハ
ロゲン化銀、現像剤およびバインダー樹脂を少なくとも
含有する画像形成層を積層した熱現像感光材料におい
て、画像形成層に下記一般式1、一般式2および一般式
3で表される化合物を少なくとも1種以上含有すること
を特徴とする熱現像感光材料。
【0023】
【化2】
【0024】(式中、R1、R3は水素原子、あるいはC
3を表し、R2およびR4は置換、又は無置換のアルキ
ル、アリール、複素環を表す。また、R5、R6およびR
7は水素、炭素、酸素から構成される置換、又は無置換
のアルキル、アリールを表す。)本発明は、支持体上
に、有機銀、感光性ハロゲン化銀、現像剤およびバイン
ダー樹脂を少なくとも含有する画像形成層を積層した熱
現像感光材料により構成され、その中で特定のバインダ
ー樹脂、あるいはある種の化合物を含有させることを特
徴としている。
【0025】熱現像感光材料は、一般に像様露光するこ
とによる潜像形成後、熱現像処理のみで画像を形成され
るため、像形成時に未露光部の濃度の上昇(以後カブリ
と表記する場合が有る)を生じやすいという原理的な問
題を有していた。本発明者らは鋭意検討した結果、特定
のバインダー樹脂、あるいはある種の化合物を含有させ
ることにより、従来の熱現像感光材料で問題となる場合
の多かった、現像時の熱現像感光材料のカブリを低減す
ることができることを見いだし、本発明をなすに至った
ものである。
【0026】即ち、これらのバインダー樹脂、あるいは
ある種の化合物を用いると、従来の熱現像感光材料に比
べ、熱現像時に生じるカブリは大きく改良される。
【0027】また、本発明の熱現像感光材料の構成とし
ては、支持体の片面に感光性の画像形成層が設けられ、
さらに画像形成層の最外層には非感光性の保護層を設け
ることが、搬送性や画像耐久性などの面から好ましい。
また、画像形成層と反対の面には、搬送性やハレーショ
ン防止などを目的とするバッキング層を設けても良く、
さらに支持体と画像形成層との間に、接着性を改善する
目的で下引き層を設けても良い。
【0028】以下、本発明について詳述する。
【0029】本発明の熱現像感光材料に用いられる支持
体としては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステ
ル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネー
ト、ポリアリレート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリスチレン、ナイロン、芳香族ポリ
アミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、
ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ポリエーテルイミ
ド等の各樹脂フィルム、更には前記樹脂を2層以上積層
してなる樹脂フィルム等を挙げることができる。
【0030】本発明において支持体は、後述の画像形成
方法において、潜像形成後熱で現像して画像形成するこ
とから、フィルム状に延伸しヒートセットしたものが寸
法安定性の点で好ましい。
【0031】なお、本発明の効果を阻害しない範囲で酸
化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等
のフィラーを添加してもよい。
【0032】支持体の厚みは、10〜500μm程度、
好ましくは25〜250μmである。
【0033】本発明の熱現像感光材料における必須成分
である感光性ハロゲン化銀は、光センサーとして機能す
る。
【0034】本発明においては、画像形成後の白濁を低
く抑えるため、及び良好な画質を得るために平均粒子サ
イズが小さい方が好ましく、平均粒子サイズが0.1μ
m以下、より好ましくは0.01μm〜0.1μm、特
に0.02μm〜0.08μmが好ましい。ここでいう
粒子サイズとは、電子顕微鏡で観察される個々の粒子像
と等しい面積を有する円の直径(円相当径)を指す。ま
たハロゲン化銀は単分散であることが好ましい。ここで
いう単分散とは、下記式で求められる単分散度が40%
以下をいう。更に好ましくは30%以下であり、特に好
ましくは20%以下となる粒子である。
【0035】単分散度=(粒径の標準偏差)/(粒径の
平均値)×100 感光性ハロゲン化銀粒子の形状については、特に制限は
ないが、ミラー指数〔100〕面の占める割合が高いこ
とが好ましく、この割合が50%以上、更には70%以
上、特に80%以上であることが好ましい。ミラー指数
〔100〕面の比率は増感色素の吸着における〔11
1〕面と〔100〕面との吸着依存性を利用したT.T
ani,J.Imaging Sci.,29,165
(1985)により求めることができる。
【0036】またもう一つの好ましい感光性ハロゲン化
銀の形状は、平板粒子である。ここでいう平板粒子と
は、投影面積の平方根を粒径rμmとして垂直方向の厚
みをhμmとした場合のアスペクト比=r/hが3以上
のものをいう。その中でも好ましくはアスペクト比が3
以上50以下である。また粒径は0.1μm以下である
ことが好ましく、さらに0.01μm〜0.08μmが
好ましい。これらは米国特許第5,264,337号、
同第5,314,798号、同第5,320,958号
等に記載されており、容易に目的の平板状粒子を得るこ
とができる。
【0037】感光性ハロゲン組成としては特に制限はな
く、塩化銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀、臭化銀、沃臭化
銀、沃化銀のいずれであってもよい。本発明に用いられ
る写真乳剤は、P.Glafkides著Chimie
et Physique Photographiq
ue(Paul Montel社刊、1967年)、
G.F.Duffin著 Photographic
Emulsion Chemistry(The Fo
cal Press刊、1966年)、V.L.Zel
ikman et al著Making and Co
ating Photographic Emulsi
on(The Focal Press刊、1964
年)等に記載された方法を用いて調製することができ
る。即ち、酸性法、中性法、アンモニア法等のいずれで
もよく、又可溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩を反応させる
には、片側混合法、同時混合法、それらの組合せ等のい
ずれを用いてもよい。
【0038】本発明に用いられる感光性ハロゲン化銀に
は、元素周期表の6族から11族に属する金属イオンを
含有することが好ましい。上記の金属としては、W、F
e、Co、Ni、Cu、Ru、Rh、Pd、Re、O
s、Ir、Pt、Auが好ましい。
【0039】これらの金属イオンは、金属錯体または金
属錯体イオンの形で感光性ハロゲン化銀に導入できる。
これらの金属錯体または金属錯体イオンとしては、下記
一般式で表される6配位金属錯体が好ましい。
【0040】一般式 〔ML6m 式中、Mは元素周期表の6〜11族の元素から選ばれる
遷移金属、Lは配位子、mは0、−、2−、3−または
4−を表す。Lで表される配位子の具体例としては、ハ
ロゲン化物(弗化物、塩化物、臭化物及び沃化物)、シ
アン化物、シアナート、チオシアナート、セレノシアナ
ート、テルロシアナート、アジド及びアコの各配位子、
ニトロシル、チオニトロシル等が挙げられ、好ましくは
アコ、ニトロシル及びチオニトロシル等である。アコ配
位子が存在する場合には、配位子の一つまたは二つを占
めることが好ましい。Lは同一でもよく、また異なって
いてもよい。
【0041】Mとして特に好ましい具体例は、ロジウム
(Rh)、ルテニウム(Ru)、レニウム(Re)及び
オスミウム(Os)である。
【0042】これらの金属イオン、金属錯体または金属
錯体イオンは一種類でもよいし、同種の金属及び異種の
金属を二種以上併用してもよい。これらの金属イオン、
金属錯体または金属錯体イオンの含有量としては、一般
的にはハロゲン化銀1モル当たり1×10-9〜1×10
-2モルが適当であり、好ましくは1×10-8〜1×10
-4モルである。これらの金属イオンまたは錯体イオンを
提供する化合物は、感光性ハロゲン化銀粒子形成時に添
加し、感光性ハロゲン化銀粒子中に組み込まれることが
好ましく、感光性ハロゲン化銀粒子の調製、つまり核形
成、成長、物理熟成、化学増感の前後のどの段階で添加
してもよいが、特に核形成、成長、物理熟成の段階で添
加するのが好ましく、更には核形成、成長の段階で添加
するのが好ましく、最も好ましくは核形成の段階で添加
する。添加に際しては、数回に渡って分割して添加して
もよく、感光性ハロゲン化銀粒子中に均一に含有させる
こともできるし、特開昭63−29603号、特開平2
−306236号、同3−167545号、同4−76
534号、同6−110146号、同5−273683
号等に記載されている様に粒子内に分布を持たせて含有
させることもできる。
【0043】好ましくは粒子内部に分布をもたせること
ができる。これらの金属化合物は、水或いは適当な有機
溶媒(例えば、アルコール類、エーテル類、グリコール
類、ケトン類、エステル類、アミド類等)に溶解して添
加することができるが、例えば金属化合物の粉末の水溶
液もしくは金属化合物とNaCl、KClとを一緒に溶
解した水溶液を、粒子形成中の水溶性銀塩溶液または水
溶性ハライド溶液中に添加しておく方法、或いは銀塩溶
液とハライド溶液が同時に混合されるとき第3の水溶液
として添加し、3液同時混合の方法でハロゲン化銀粒子
を調製する方法、粒子形成中に必要量の金属化合物の水
溶液を反応容器に投入する方法、或いは感光性ハロゲン
化銀調製時に予め金属イオンまたは錯体イオンをドープ
してある別の感光性ハロゲン化銀粒子を添加して溶解さ
せる方法等がある。
【0044】特に、金属化合物の粉末の水溶液もしくは
金属化合物とNaCl、KClとを一緒に溶解した水溶
液を水溶性ハライド溶液に添加する方法が好ましい。粒
子表面に添加する時には、粒子形成直後または物理熟成
時途中もしくは終了時または化学熟成時に必要量の金属
化合物の水溶液を反応容器に投入することもできる。
【0045】本発明においては、感光性ハロゲン化銀粒
子は粒子形成後に脱塩してもしなくてもよいが、脱塩を
施す場合、ヌードル法、フロキュレーション法等、当業
界で知られている方法の水洗により脱塩することができ
る。
【0046】本発明に用いられる感光性ハロゲン化銀粒
子は化学増感されていることが好ましい。好ましい化学
増感法としては当業界でよく知られているように硫黄増
感法、セレン増感法、テルル増感法を用いることができ
る。また金化合物や白金、パラジウム、イリジウム化合
物等の貴金属増感法や還元増感法が適用出来る。
【0047】硫黄増感法、セレン増感法、テルル増感法
に好ましく用いられる化合物としては公知の化合物を用
いることができるが、特開平7−128768号等に記
載の化合物を使用することができる。テルル増感剤とし
ては例えばジアシルテルリド類、ビス(オキシカルボニ
ル)テルリド類、ビス(カルバモイル)テルリド類、ジ
アシルテルリド類、ビス(オキシカルボニル)ジテルリ
ド類、ビス(カルバモイル)ジテルリド類、P=Te結
合を有する化合物、テルロカルボン酸塩類、Te−オル
ガニルテルロカルボン酸エステル類、ジ(ポリ)テルリ
ド類、テルリド類、テルロール類、テルロアセタール
類、テルロスルホナート類、P−Te結合を有する化合
物、含Teヘテロ環類、テルロカルボニル化合物、無機
テルル化合物、コロイド状テルルなどを用いることがで
きる。
【0048】貴金属増感法に好ましく用いられる化合物
としては例えば塩化金酸、カリウムクロロオーレート、
カリウムオーリチオシアネート、硫化金、金セレナイ
ド、あるいは米国特許第2,448,060号、英国特
許第618,061号などに記載されている化合物を好
ましく用いることができる。
【0049】還元増感法に用いられる具体的な化合物と
してはアスコルビン酸、二酸化チオ尿素の他に例えば、
塩化第一スズ、アミノイミノメタンスルフィン酸、ヒド
ラジン誘導体、ボラン化合物、シラン化合物、ポリアミ
ン化合物等を用いることができる。また、乳剤のpHを
7以上またはpAgを8.3以下に保持して熟成するこ
とにより還元増感することができる。また、粒子形成中
に銀イオンのシングルアディション部分を導入すること
により還元増感することができる。
【0050】本発明において有機銀塩は還元可能な銀源
であり、還元可能な銀イオン源を含有する有機酸及びヘ
テロ有機酸の銀塩、特に長鎖(10〜30、好ましくは
15〜25の炭素原子数)の脂肪族カルボン酸及び含窒
素複素環が好ましい。配位子が、4.0〜10.0の銀
イオンに対する総安定定数を有する有機または無機の銀
塩錯体も有用である。
【0051】好適な銀塩の例は、Research D
isclosure第17029号及び29963号に
記載されており、次のものがある:有機酸の塩(例え
ば、没食子酸、シュウ酸、ベヘン酸、アラキジン酸,ス
テアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸等の塩);銀の
カルボキシアルキルチオ尿素塩(例えば、1−(3−カ
ルボキシプロピル)チオ尿素、1−(3−カルボキシプ
ロピル)−3,3−ジメチルチオ尿素等);アルデヒド
とヒドロキシ置換芳香族カルボン酸とのポリマー反応生
成物の銀錯体(例えば、アルデヒド類(ホルムアルデヒ
ド、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド等)、ヒドロ
キシ置換酸類(例えば、サリチル酸、安息香酸、3,5
−ジヒドロキシ安息香酸、5,5−チオジサリチル
酸))、チオエン類の銀塩または錯体(例えば、3−
(2−カルボキシエチル)−4−ヒドロキシメチル−4
−(チアゾリン−2−チオエン、及び3−カルボキシメ
チル−4−チアゾリン−2−チオエン)、イミダゾー
ル、ピラゾール、ウラゾール、1,2,4−チアゾール
及び1H−テトラゾール、3−アミノ−5−ベンジルチ
オ−1,2,4−トリアゾール及びベンゾトリアゾール
から選択される窒素酸と銀との錯体また塩は;サッカリ
ン、5−クロロサリチルアルドキシム等の銀塩;及びメ
ルカプチド類の銀塩)。好ましい銀源はベヘン酸銀、ア
ラキジン酸銀および/またはステアリン酸銀である。
【0052】有機銀塩化合物は、水溶性銀化合物と銀と
錯形成する化合物を混合することにより得られるが、正
混合法、逆混合法、同時混合法、等が好ましく用いられ
る。また、特開平9−127643号に記載されている
様なコントロールドダブルジェット法を用いることも可
能である。
【0053】具体的には,有機酸にアルカリ金属塩(例
えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど)を加え
て有機酸アルカリ金属塩ソープ(例えば、ベヘン酸ナト
リウム、アラキジン酸ナトリウムなど)を作製した後
に、前記ソープに硝酸銀を添加して有機銀塩の結晶を作
製する。その際にハロゲン化銀粒子を混在させてもよい
が、上記一連の反応工程は、適当な撹拌部材を用いて反
応槽内が均一になるように十分に撹拌しながら行う必要
がある。
【0054】本発明においては有機銀塩は平均粒径が1
μm以下でありかつ単分散であることが好ましい。有機
銀塩の平均粒径とは、有機銀塩の粒子が例えば球状、棒
状、或いは平板状の粒子の場合には、有機銀塩粒子の体
積と同等な球を考えたときの直径をいう。平均粒径は好
ましくは0.01μm〜0.8μm、特に0.05μm
〜0.5μmが好ましい。また単分散とは、ハロゲン化
銀の場合と同義であり、好ましくは単分散度が1〜30
である。本発明においては、有機銀塩が平均粒径1μm
以下の単分散粒子であることがより好ましく、この範囲
にすることで濃度の高い画像が得られる。さらに有機銀
塩は平板状粒子が全有機銀の60%以上有することが好
ましい。本発明において平板状粒子とは平均粒径と厚さ
の比、いわゆる下記式で表されるアスペクト比(ARと
略す)が3以上のものをいう。
【0055】AR=平均粒径(μm)/厚さ(μm) 本発明に用いられる有機銀粒子は必要に応じバインダー
や界面活性剤などと共に予備分散した後、メディア分散
機または高圧ホモジナイザなどで分散粉砕することが好
ましい。上記予備分散にはアンカー型、プロペラ型等の
一般的撹拌機や高速回転遠心放射型撹拌機(ディゾル
バ)、高速回転剪断型攪拌機(ホモミキサ)を使用する
ことができる。
【0056】また、上記メディア分散機としては、ボー
ルミル、遊星ボールミル、振動ボールミルなどの転動ミ
ルや、媒体撹拌ミルであるビーズミル、アトライター、
その他バスケットミルなどを用いることが可能であり、
高圧ホモジナイザとしては壁、プラグなどに衝突するタ
イプ、液を複数に分けてから高速で液同士を衝突させる
タイプ、細いオリフィスを通過させるタイプなど様々な
タイプを用いることができる。
【0057】本発明に用いられる有機銀粒子を分散する
際に用いられる装置類において、該有機銀粒子が接触す
る部材の材質としてジルコニア、アルミナ、窒化珪素、
窒化ホウ素などのセラミックス類および/またはダイヤ
モンドを用いることが好ましく、特にジルコニアを用い
ることが好ましい。
【0058】本発明に用いられる有機銀粒子は銀1gあ
たり0.01mg〜0.5mgのZrを含有することが
好ましく、特に好ましくは0.01mg〜0.3mgの
Zrを含有する場合である。上記分散をおこなう際の、
バインダー濃度、予備分散方法、分散機運転条件、分散
回数などを最適化することは、本発明に用いられる有機
銀塩粒子を得る方法として非常に好ましい。
【0059】次に、本発明のバインダー樹脂について詳
述する。
【0060】本発明では、バインダー樹脂としてポリビ
ニルアセトアセタール樹脂を含有することを特徴として
おり、この樹脂を選択することにより現像時の熱現像感
光材料のカブリを低減することができ、さらに現像する
前の保存湿度の変動に対してカブリの変動が少ない熱現
像感光材料とすることができる。さらに該樹脂を全バイ
ンダー樹脂中70重量%以上含有し、且つ該樹脂のアセ
タール化度が50mol%以上にすることがより好まし
い。なお、ポリビニルアセトアセタール樹脂は感光層お
よび/または保護層で使用するのが最も効果的である
が、下引き層、あるいはバックコート層などに用いるこ
ともできる。なお、本発明の樹脂を用いる場合は、他の
樹脂としては相溶性の観点からポリビニルブチラールを
用いることが調液時の液物性の点から好ましい。
【0061】また、本発明の別の態様として、分子内に
極性基を有するポリエステルおよび/またはポリウレタ
ン系樹脂を1〜50重量%含有することを特徴としてい
る。ここでいう極性基とは、該樹脂中に、−SO3M、
−OSO3M、−COOM及び−PO(OM12[ここ
に、Mは水素原子又はアルカリ金属を、M1は水素原
子、アルカリ金属又はアルキル基を表す]から選ばれる
少なくとも1種の官能基を指し、本発明のこのような樹
脂を用いることにより、有機銀の分散性を向上させるこ
とができ、さらに塗工液を作製した段階で有機銀の回り
に該樹脂が高濃度で存在することからることから現像時
の熱現像感光材料のカブリを低減することができる。な
お、前記樹脂のTgは併用するバインダー樹脂の熱物性
により一概に規定はできないが20〜90℃の範囲に設
定するのが、発色濃度が十分保つことができることから
好ましい。
【0062】また、本発明の別の態様として、バインダ
ー樹脂として不飽和結合を有するスチレンとオレフィン
との共重合体樹脂を含有することを特徴としている。こ
のような樹脂としては、スチレン−ブタジエン共重合
体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−ブタジ
エン−イソプレン共重合体、スチレン−エチレン−ブタ
ジエン共重合体、スチレン−エチレン−イソプレン共重
合体、スチレン−プロピレン−ブタジエン共重合体、ス
チレン−プロピレン−イソプレン共重合体などが挙げら
れる。さらに、前記樹脂のスチレン含有量は20〜70
重量%にするのが熱現像時のカブリを防止できるので好
ましく、さらに本態様のバインダー樹脂は感光層と保護
層のいずれにも使用できるが、本発明の目的を効果的に
発現させるためには、保護層に用いることが好ましく、
保護層に用いることで、さらに熱現像感光材料の発色濃
度の変動を抑えることができる。
【0063】さらに、本発明の別の態様として、バイン
ダー樹脂が塩素原子を含むポリオレフィンを少なくとも
含有することを特徴としている。本態様でのバインダー
樹脂は感光層でも保護層でも用いることができるが、本
発明の効果を効果的に発現させるためには感光層に用い
るのが好ましい。
【0064】このような樹脂としては、塩化ビニル系樹
脂が代表的であるがその中でも特に、極性基を分子内に
有する塩化ビニル系樹脂が有機銀の分散性を向上させる
ことができ、さらに塗工液を作製した段階で有機銀の回
りに該樹脂が高濃度で存在することから現像時の熱現像
感光材料のカブリを低減することができる。
【0065】上記記載の極性基含有塩化ビニルとして
は、例えば、塩化ビニル−ビニルアルコール共重合体等
水酸基を有する樹脂と、Cl−CH2CH2SO3M、C
l−CH2CH2OSO3M、Cl−CH2CO2M、Cl
−CH2P(=O)(OM12等の極性基及び塩素原子
を有する化合物との付加反応により合成することができ
る。1例を以下に示す。
【0066】−CH2C(OH)H− + Cl−CH2
CH2SO3Na → −CH2C(OCH2CH2SO3
a)H− 極性基含有塩化ビニル系樹脂は、極性基を含む繰り返し
単位が導入される不飽和結合を有する反応性モノマーを
所定量オートクレープ等の反応容器に仕込み、ベンゾイ
ルパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル等の一
般的なラジカル重合開始剤や、レドックス重合開始剤、
カチオン重合開始剤等を用いて重合することにより得る
ことができ、スルホン酸又はその塩を導入するための反
応性モノマーの具体例としては、ビニルスルホン酸、ア
リルスルホン酸、メタクリルスルホン酸、p-スチレンス
ルホン酸等の不飽和炭化水素スルホン酸及びこれらの塩
を挙げることができる。又、カルボン酸もしくはその塩
を導入するときには、例えば(メタ)アクリル酸やマレ
イン酸を用い、リン酸もしくはその塩を導入するときに
は(メタ)アクリル−2−リン酸エステルを用いればよ
い。
【0067】更に、バインダー樹脂の熱安定性を向上さ
せるためには、塩化ビニル系共重合体にエポキシ基を導
入することが好ましい。この場合、エポキシ基を有する
繰り返し単位の共重合体中における含有率は1〜30モ
ル%程度、好ましくは1〜20モル%であり、エポキシ
基を導入するためのモノマーとしてはグリシジルアクリ
レート等を挙げることができる。なお、この導入された
エポキシ基はエポキシ基のまま存在しても良いし、エポ
キシ基が開環して一級あるいは二級アルコールに成った
様なものでも良く、このような樹脂を用いることにより
現像時の熱現像感光材料のカブリを低減するだけでなく
画像形成後の未露光部の光による濃度変動を改善するこ
とができる。
【0068】また、前記塩素原子を含むポリオレフィン
として、塩素化ポリエチレン、または塩素化ポリプロピ
レンを用いると、本発明の目的である熱現像感光材料の
カブリを低減するだけではなく、現像条件をマイルドに
することができる。
【0069】なお、必要に応じて、上記発明の各態様の
バインダー樹脂は、単独で用いても良いし2種以上を組
み合わせて用いてもよい。
【0070】さらに、本発明では上述したバインダー樹
脂以外に、従来から用いられている透明又は半透明なバ
インダー樹脂を用途に応じて併用しても良い。
【0071】そのようなバインダー樹脂としては、例え
ば、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール等の
ポリビニルアルコール誘導体、エチルセルロース、ヒド
ロキシエチルセルロース、酢酸酪酸セルロース等のセル
ロース系樹脂、ポリスチレン、スチレン−アクリロニト
リル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル
ゴム共重合体等のスチレン系樹脂、ポリエステル、ポリ
カーボネート、ポリアリレート、エポキシ樹脂等が挙げ
られ、これらは単独で用いても良いし、2種以上の樹脂
を併用して用いても良い。
【0072】なお、前記バインダー樹脂は本発明の目的
を損なわない限り、画像形成層、保護層、下引き層、あ
るいはバックコート層の各層に適時選択して用いること
ができる。
【0073】なお、バインダー樹脂は、塗工液を調製し
た際に均一に分散でき、経時保存時に分散を保持するの
に効果的な範囲で用いられ、この効果的な範囲は当業者
が容易に決定しうる。少なくとも有機銀塩を保持する場
合の指標としては、バインダーと有機銀塩との割合は1
5:1〜1:2、特に8:1〜1:1の範囲が好まし
い。即ち、画像形成層のバインダー樹脂量が1.5〜6
g/m2であることが好ましい。更に好ましくは1.7
〜5g/m2である。1.5g/m2未満では未露光部の
濃度が大幅に上昇し、使用に耐えない場合がある。
【0074】また、本発明に用いられる現像剤として
は、米国特許第3,770,448号、同第3,77
3,512号、同第3,593,863号、及びRes
earch Disclosure第17029号及び
29963号に記載されており、次のものがある。アミ
ノヒドロキシシクロアルケノン化合物(例えば、2−ヒ
ドロキシピペリジノ−2−シクロヘキセノン);現像剤
の前駆体としてアミノリダクトン類(reducton
es)エステル(例えば、ピペリジノヘキソースリダク
トンモノアセテート);N−ヒドロキシ尿素誘導体(例
えば、N−p−メチルフェニル−N−ヒドロキシ尿
素);アルデヒドまたはケトンのヒドラゾン類(例え
ば、アントラセンアルデヒドフェニルヒドラゾン);ホ
スファーアミドフェノール類;ホスファーアミドアニリ
ン類;ポリヒドロキシベンゼン類(例えば、ヒドロキノ
ン、t−ブチル−ヒドロキノン、イソプロピルヒドロキ
ノン及び(2,5−ジヒドロキシ−フェニル)メチルス
ルホン);スルフヒドロキサム酸類(例えば、ベンゼン
スルフヒドロキサム酸);スルホンアミドアニリン類
(例えば、4−(N−メタンスルホンアミド)アニリ
ン);2−テトラゾリルチオヒドロキノン類(例えば、
2−メチル−5−(1−フェニル−5−テトラゾリルチ
オ)ヒドロキノン);テトラヒドロキノキサリン類(例
えば、1,2,3,4−テトラヒドロキノキサリン);
アミドオキシン類;アジン類(例えば、脂肪族カルボン
酸アリールヒドラザイド類とアスコルビン酸の組み合わ
せ);ポリヒドロキシベンゼンとヒドロキシルアミンの
組み合わせ、リダクトン及び/またはヒドラジン;ヒド
ロキサン酸類;アジン類とスルホンアミドフェノール類
の組み合わせ;α−シアノフェニル酢酸誘導体;ビス−
β−ナフトールと1,3−ジヒドロキシベンゼン誘導体
の組み合わせ;5−ピラゾロン類;スルホンアミドフェ
ノール還元剤;2−フェニルインダン−1,3−ジオン
等;クロマン;1,4−ジヒドロピリジン類(例えば、
2,6−ジメトキシ−3,5−ジカルボエトキシ−1,
4−ジヒドロピリジン);ビスフェノール類(例えば、
ビス(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフ
ェニル)メタン、ビス(6−ヒドロキシ−m−トリ)メ
シトール(mesitol)、2,2−ビス(4−ヒド
ロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、4,5−エチ
リデン−ビス(2−t−ブチル−6−メチル)フェノー
ル)、紫外線感応性アスコルビン酸誘導体及び3−ピラ
ゾリドン類。中でも特に好ましい現像剤はヒンダードフ
ェノール類である。
【0075】前記、現像剤の使用量は好ましくは銀1モ
ル当り1×10-2〜10モル、特に1×10-2〜1.5
モルである。
【0076】さらに、本発明では上述した必須成分以外
に、必要に応じてカブリ防止剤や調色剤など各種添加剤
が添加される。
【0077】本発明の熱現像感光材料中にはかぶり防止
剤が含まれて良い。最も有効なかぶり防止剤として知ら
れているものは水銀イオンである。感光材料中にかぶり
防止剤として水銀化合物を使用することについては、例
えば米国特許第3,589,903号に開示されてい
る。しかし、水銀化合物は環境的に好ましくない。非水
銀かぶり防止剤としては、例えば米国特許第4,54
6,075号及び同第4,452,885号及び特開昭
59−57234号に開示されている様な、かぶり防止
剤が好ましい。
【0078】特に好ましい非水銀かぶり防止剤は、米国
特許第3,874,946号及び同第4,756,99
9号に開示されているような化合物、−C(X1
(X2)(X3)(ここでX1及びX2はハロゲンでX3
水素またはハロゲン)で表される1以上の置換基を備え
たヘテロ環状化合物である。好適なかぶり防止剤の例と
しては、特開平9−288328号段落番号〔003
0〕〜〔0036〕に記載されている化合物等が好まし
く用いられる。またもう一つの好ましいかぶり防止剤の
例としては特開平9−90550号段落番号〔006
2〕〜〔0063〕に記載されている化合物である。さ
らにその他の好適なかぶり防止剤は、米国特許第5,0
28,523号及び欧州特許第600,587号、同第
605,981号、同第631,176号等に開示され
ている化合物等を用いることが出来る。
【0079】本発明の熱現像写真感光材料には、現像後
の銀色調を改良する目的で色調剤を添加することが好ま
しい。好適な色調剤の例はResearch Disc
losure第17029号に開示されており、次のも
のがある。イミド類(例えば、フタルイミド);環状イ
ミド類、ピラゾリン−5−オン類、及びキナゾリノン
(例えば、スクシンイミド、3−フェニル−2−ピラゾ
リン−5−オン、1−フェニルウラゾール、キナゾリン
及び2,4−チアゾリジンジオン);ナフタールイミド
類(例えば、N−ヒドロキシ−1,8−ナフタールイミ
ド);コバルト錯体(例えば、コバルトのヘキサミント
リフルオロアセテート)、メルカプタン類(例えば、3
−メルカプト−1,2,4−トリアゾール);N−(ア
ミノメチル)アリールジカルボキシイミド類(例えば、
N−(ジメチルアミノメチル)フタルイミド);ブロッ
クされたピラゾール類、イソチウロニウム(isoth
iuronium)誘導体及びある種の光漂白剤の組み
合わせ(例えば、N,N′−ヘキサメチレン(1−カル
バモイル−3,5−ジメチルピラゾール)、1,8−
(3,6−ジオキサオクタン)ビス(イソチウロニウム
トリフルオロアセテート)、及び2−(トリブロモメチ
ルスルホニル)ベンゾチアゾールの組み合わせ);メロ
シアニン染料(例えば、3−エチル−5−((3−エチ
ル−2−ベンゾチアゾリニリデン(ベンゾチアゾリニリ
デン))−1−メチルエチリデン)−2−チオ−2,4
−オキサゾリジンジオン);フタラジノン、フタラジノ
ン誘導体またはこれらの誘導体の金属塩(例えば、4−
(1−ナフチル)フタラジノン、6−クロロフタラジノ
ン、5,7−ジメチルオキシフタラジノン、及び2,3
−ジヒドロ−1,4−フタラジンジオン);フタラジノ
ンとスルフィン酸誘導体の組み合わせ(例えば、6−ク
ロロフタラジノン+ベンゼンスルフィン酸ナトリウムま
たは8−メチルフタラジノン+p−トリスルホン酸ナト
リウム);フタラジン+フタル酸の組み合わせ;フタラ
ジン(フタラジンの付加物を含む)とマレイン酸無水
物、及びフタル酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸ま
たはo−フェニレン酸誘導体及びその無水物(例えば、
フタル酸、4−メチルフタル酸、4−ニトロフタル酸及
びテトラクロロフタル酸無水物)から選択される少なく
とも1つの化合物との組み合わせ;キナゾリンジオン
類、ベンズオキサジン、ナルトキサジン誘導体;ベンズ
オキサジン−2,4−ジオン類(例えば、1,3−ベン
ズオキサジン−2,4−ジオン);ピリミジン類及び不
斉−トリアジン類(例えば、2,4−ジヒドロキシピリ
ミジン)、及びテトラアザペンタレン誘導体(例えば、
3,6−ジメルカプト−1,4−ジフェニル−1H,4
H−2,3a,5,6a−テトラアザペンタレン)。好
ましい色調剤としては、フタラゾン、フタラジンが挙げ
られる。
【0080】本発明の熱現像感光材料には、例えば特開
昭63−159841号、同60−140335号、同
63−231437号、同63−259651号、同6
3−304242号、同63−15245号、米国特許
第4,639,414号、同第4,740,455号、
同第4,741,966号、同第4,751,175
号、同第4,835,096号に記載された増感色素が
使用できる。
【0081】本発明に使用される有用な増感色素は例え
ばResearch Disclosure Item
17643IV−A項(1978年12月p.23)、同
Item18431(1979年8月p.437)等に
記載もしくは引用された文献に記載されている。
【0082】特に各種スキャナー光源の分光特性に適し
た分光感度を有する増感色素を有利に選択することがで
きる。例えば特開平9−34078号、同9−5440
9号、同9−80679号記載の化合物が好ましく用い
られる。
【0083】本発明には現像を抑制あるいは促進させ現
像を制御するため、分光増感効率を向上させるため、現
像前後の保存性を向上させるためなどにメルカプト化合
物、ジスルフィド化合物、チオン化合物を含有させるこ
とができる。本発明にメルカプト化合物を使用する場
合、いかなる構造のものでも良いが、Ar−SM、Ar
−S−S−Arで表されるものが好ましい。式中、Mは
水素原子またはアルカリ金属原子であり、Arは1個以
上の窒素、イオウ、酸素、セレニウムまたはテルリウム
原子を有する芳香環または縮合芳香環である。好ましく
は、複素芳香環はベンズイミダゾール、ナフスイミダゾ
ール、ベンゾチアゾール、ナフトチアゾール、ベンズオ
キサゾール、ナフスオキサゾール、ベンゾセレナゾー
ル、ベンゾテルラゾール、イミダゾール、オキサゾー
ル、ピラゾール、トリアゾール、チアジアゾール、テト
ラゾール、トリアジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラ
ジン、ピリジン、プリン、キノリンまたはキナゾリノン
である。この複素芳香環は、例えば、ハロゲン(例え
ば、BrおよびCl)、ヒドロキシル基、アミノ基、カ
ルボキシル基、アルキル基(例えば、1個以上の炭素原
子、好ましくは1〜4個の炭素原子を有するもの)およ
びアルコキシル基(例えば、1個以上の炭素原子、好ま
しくは1〜4個の炭素原子を有するもの)からなる置換
基群から選択されるものを有してもよい。メルカプト置
換複素芳香族化合物としては、2−メルカプトベンズイ
ミダゾール、2−メルカプトベンズオキサゾール、2−
メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプト−5−メ
チルベンゾチアゾール、3−メルカプト−1,2,4−
トリアゾール、2−メルカプトキノリン、8−メルカプ
トプリン,2,3,5,6−テトラクロロ−4−ピリジ
ンチオール、4−ヒドロキシ−2−メルカプトピリミジ
ン、2−メルカプト−4−フェニルオキサゾールなどが
挙げられるが、本発明はこれらに限定されない。
【0084】本発明の熱現像感光材料において、必要に
応じて熱現像後の画像の傷つき防止のために保護層へ、
また搬送性や密着性改良を目的としてバッキング層へフ
ィラー含有させても良く、フィラーを添加する場合の含
有量は、層形成組成物中0.05〜30wt%含有する
ことが好ましい。
【0085】本発明において用いられるフィラーは、有
機物及び無機物のいずれでもよい。例えば、無機物とし
ては、スイス特許第330,158号等に記載のシリ
カ、仏国特許第1,296,995号等に記載のガラス
粉、英国特許第1,173,181号等に記載のアルカ
リ土類金属またはカドミウム、亜鉛等の炭酸塩、等を、
また、有機物としては、米国特許第2,322,037
号等に記載の澱粉、ベルギー特許第625,451号や
英国特許第981,198号等に記載された澱粉誘導
体、特公昭44−3643号等に記載のポリビニルアル
コール、スイス特許第330,158号等に記載のポリ
スチレン或いはポリメタアクリレート、米国特許第3,
079,257号等に記載のポリアクリロニトリル、米
国特許第3,022,169号等に記載されたポリカー
ボネート等を適時選択して、1種あるいは2種以上を併
用して用いることができる。
【0086】なお、フィラーの形状は、定形、不定形ど
ちらでも良いが、好ましくは定形で、球形が好ましく用
いられる。マット剤の大きさはマット剤の体積を球形に
換算したときの直径で表される。本発明においてフィラ
ーの粒径とはこの球形換算した直径のことを示すものと
する。
【0087】本発明に用いられるフィラーは、平均粒径
が0.5μm〜10μmであることが好ましく、更に好
ましくは1.0μm〜8.0μmである。又、粒子サイ
ズ分布の変動係数としては、50%以下であることが好
ましく、更に好ましくは40%以下であり、特に好まし
くは30%以下となるフィラーである。
【0088】ここで、粒子サイズ分布の変動係数は、下
記の式で表される値である。
【0089】 (粒径の標準偏差)/(粒径の平均値)×100 本発明の熱現像感光材料において、滑り性や帯電性を改
良するために保護層および/またはバッキング層に潤滑
剤、帯電防止剤を含有しても良く、このような潤滑剤と
しては、脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、(変
性)シリコーンオイル、(変性)シリコーン樹脂、フッ
素樹脂、フッ化カーボン、ワックス等を挙げることがで
き、分散剤としては、ラウリル酸やステアリン酸等の炭
素原子数12〜18の脂肪酸やそれらのアミド、アルカ
リ金属塩、アルカリ土類金属塩;ポリアルキレンオキサ
イドアルキルリン酸塩、レシチン、トリアルキルポリオ
レフィンオキシ第4級アンモニウム塩;カルボキシル基
及びスルホン基を有するアゾ系化合物等を挙げることが
できる。
【0090】また、帯電防止剤としては、カチオン系界
面活性剤、アニオン系界面活性剤、非イオン性界面活性
剤、高分子帯電防止剤、金属酸化物および/または導電
性ポリマー等、「11290の化学商品」化学工業日報
社、p.875〜876等に記載の化合物、米国特許第
5,244,773号カラム14〜20に記載された化
合物等を挙げることができる。これら添加剤の添加量
は、層形成成分の0.01〜20重量%程度、好ましく
は0.05〜10重量%である。
【0091】本発明の熱現像感光材料には上述した以外
に例えば、界面活性剤、酸化防止剤、安定化剤、可塑
剤、紫外線吸収剤、被覆助剤等を用いても良い。これら
の添加剤及び上述したその他の添加剤はResearc
h Disclosure Item17029号(1
978年6月p.9〜15)に記載されている化合物を
好ましく用いることができる。
【0092】さらに本発明の別の態様として、前記記載
した本発明のバインダー樹脂以外に、特定の化合物を添
加することによりカブリを防止することができる。
【0093】例えば、バインダー樹脂として熱による構
造変化、例えば、Tgが100℃以上、あるいは加熱変
形温度が80℃以上の樹脂を選択した場合には、温度環
境が変化してもに、現像時のカブリ変動は非常に少なく
することができるが、発色濃度が十分に得られない。そ
こで、ある温度を境にして急激に熱物性の変わる化合物
を添加すると発色濃度も得られ、カブリも変動しないこ
とが判った。
【0094】このような化合物としては、軟化点が40
℃〜120℃の範囲の低分子量化合物で、一般には融点
を有する低分子量化合物やタッキファイヤーと呼ばれて
いる化合物が好ましい。
【0095】このような化合物としては、例えばテルピ
ネオール、メントール、アセトアミド、ベンズアミド、
クマリン、ケイ皮酸ベンジル、ジフェニルエーテル、ク
ラウンエーテル、カンファー、p−メチルアセトフェノ
ン、バニリン、ジメトキシベンズアルデヒド、p−ベン
ジルビフェニル、スチルベン、マルガリン酸、エイコサ
ノール、パルミチン酸セチル、ステアリン酸アミド、ベ
ヘニルアミン等の単分子化合物、蜜ロウ、キャンデリラ
ワックス、パラフィンワックス、エステルワックス、モ
ンタンロウ、カルナバワックス、アミドワックス、ポリ
エチレンワックス、マイクロクリスタリンワックスなど
のワックス類、エステルガム、ロジンマレイン酸樹脂、
ロジンフェノール樹脂等のロジン誘導体、フェノール樹
脂、ケトン樹脂、エポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹
脂、テルペン系炭化水素樹脂、シクロペンタジエン樹
脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリカプロラクトン系樹
脂、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ルなどのポリオレフィンオキサイドなどに代表される高
分子化合物などを挙げることができる。
【0096】なおこれらの化合物は、バインダー樹脂と
の相溶性が悪くなく、本発明の目的を疎外しない範囲で
あれば適時選択して用いることができる。また添加量
は、画像形成層全組成物中0.01〜15重量%の範囲
で添加するのが好ましい。
【0097】また、本発明の別の態様として分子内に不
飽和二重結合を有し、さらに該化合物中にエポキシ基を
有する化合物を少なくとも含有することで熱現像時のカ
ブリを防止するだけではなく、さらには画像形成した後
の未露光部の湿度に対する濃度変動の少ない熱現像感光
材料とすることができる。なお、この化合物は画像形成
層か保護層に添加するのが好ましい。
【0098】このような化合物としては、高分子量のポ
リマーでも分子量1000以下の低分子量化合物であっ
ても良く、高分子量のポリマーとしては、ブタジエンや
イソプレンなどのモノマー成分を含有する樹脂にゴム系
樹脂をエポキシ化した樹脂などが挙げられ、低分子量化
合物としては、アリル基などの不飽和二重結合部とグリ
シジル基のようなエポキシ基を分子内に有する化合物が
挙げられる。
【0099】さらに、本発明における別の態様として、
下記一般式1〜3の化合物を含有させてもよい。なお、
式中R1、R3は水素原子、あるいはCH3を表し、R2
よびR4は置換、又は無置換のアルキル、アリール、複
素環を表す。また、R5、R6およびR7は水素、炭素、
酸素から構成される置換、又は無置換のアルキル、アリ
ールを表す。
【0100】
【化3】
【0101】前記記載の化合物を含有することにより、
現像時の熱現像感光材料のカブリを低減するだけでな
く、現像する前の保存温度、および画像形成後の保存温
度の変動に対してカブリの変動が少ない熱現像感光材料
とすることができる。
【0102】なお、一般式1〜3の化合物は、画像形成
層および/または保護層全組成物中、通常0.01〜2
0重量%、さらには0.05〜10重量%の範囲で添加
するのが好ましい。
【0103】本発明においては、画像形成層の膜厚は、
通常10〜30μmであり、保護層の膜厚は1〜5μm
である。
【0104】熱現像感光材料の詳細は前述のとおり例え
ば米国特許第3,152,904号、同3,457,0
75号、及びD.モーガン(Morgan)による「ド
ライシルバー写真材料(Dry Silver Pho
tographic Material)」やD.モー
ガン(Morgan)とB.シェリー(Shely)に
よる「熱によって処理される銀システム(Therma
lly Processed SilverSyste
ms)」(イメージング・プロセッシーズ・アンド・マ
テリアルズ(Imaging Processes a
nd Materials)Neblette 第8
版、スタージ(Sturge)、V.ウォールワース
(Walworth)、A.シェップ(Shepp)編
集、第2頁、1969年)等に開示されている。その中
でも本発明においては、感光材料を80〜140℃で熱
現像することで画像を形成させ、定着を行わないことが
特徴である。そのため、未露光部に残った感光性ハロゲ
ン化銀や有機銀塩は除去されずにそのまま画像形成材料
中に残る。
【0105】本発明においては、熱現像処理した後の、
400nmにおける支持体を含んだ画像形成材料の光学
透過濃度が0.2以下であることが好ましい。光学透過
濃度の更に好ましい値は0.02以上0.2以下であ
る。
【0106】画像形成層形成塗工液、保護層形成塗工
液、バッキング層形成塗工液などは、上述で述べた成分
を、それぞれ溶媒に溶解若しくは分散して調製する。
【0107】溶媒としては、有機合成化学協会編の“溶
剤ポケットブック”等に示されている溶解度パラメータ
ーの値が6.0〜15.0の範囲のものであればよく、
本発明において用いられる各層を形成する塗工液に用い
る溶剤としては、例えば、ケトン類としてアセトン、イ
ソフォロン、エチルアミルケトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。アルコー
ル類としてメチルアルコール、エチルアルコール、n−
プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブ
チルアルコール、イソブチルアルコール、ジアセトンア
ルコール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等
が挙げられる。グリコール類としてエチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
プロピレングリコール、ヘキシレングリコール等が挙げ
られる。エーテルアルコール類としてエチレングリコー
ルモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチ
ルエーテル等が挙げられる。エーテル類としてエチルエ
ーテル、ジオキサン、イソプロピルエーテル等が挙げら
れる。
【0108】エステル類として酢酸エチル、酢酸ブチ
ル、酢酸アミル、酢酸イソプロピル等が挙げられる。炭
化水素類としてn−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプ
タン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン
等が挙げられる。塩化物類として塩化メチル、塩化メチ
レン、クロロホルム、ジクロロベンゼン等が挙げられ
が、但し、本発明の効果を阻害しない範囲であればこれ
らに限定されない。
【0109】また、これらの溶剤は、単独、または、数
種類組合わせて使用できる。
【0110】なお、画像形成材料中の上記溶剤の含有量
は塗布工程後の乾燥工程等における温度条件等の条件変
化によって調整でき、熱現像感光材料中に含有される残
存溶剤の量は合計量で5〜1000mg/m2が好まし
く、更に好ましくは、10〜300mg/m2である。
【0111】塗工液を形成する際に分散が必要な場合に
は、二本ロールミル、三本ロールミル、ボールミル、ペ
ブルミル、コボルミル、トロンミル、サンドミル、サン
ドグラインダー、Sqegvariアトライター、高速
インペラー分散機、高速ストーンミル、高速度衝撃ミ
ル、ディスパー、高速ミキサー、ホモジナイザー、超音
波分散機、オープンニーダー、連続ニーダー等、従来か
ら公知の分散機を適時選択してを用いることができる。
【0112】また、上述のようにして調製した、塗工液
を塗工するには、エクストルージョン方式の押し出しコ
ーター、リバースロールコーター、グラビアロールコー
ター、エアドクターコーター、ブレードコーター、エア
ナイフコーター、スクイズコーター、含浸コーター、バ
ーコーター、トランスファロールコーター、キスコータ
ー、キャストコーター、スプレーコーター等の、公知の
各種コーターステーションを適時選択して用いることが
できる。これらのコーターの中で、該層の厚みムラを無
くすために、エクストルージョン方式の押し出しコータ
ーやリバースロールコーター等のロールコーターを用い
ることが好ましい。又、保護層を塗工するには場合に
は、画像形成層がダメージを受けないものであれば特に
制限はないが、保護層形成塗工液に用いられる溶剤が、
画像形成層を溶解する可能性がある場合には、上述した
コーターステーションの中で、エクストルージョン方式
の押し出しコーター、グラビアロールコーター、バーコ
ーター等を使用することができる。尚、これらの中でグ
ラビアロールコーター、バーコーター等接触する塗工方
法を用いる場合には、搬送方向に対して、グラビアロー
ルやバーの回転方向は順転でもリバースでも良く、また
順転の場合には等速でも、周速差を設けても良い。
【0113】また、上述のように各層毎に塗布乾燥を繰
り返してもよいが、ウェット−オン−ウェット方式で重
層塗布して乾燥させてもよい。その場合、リバースロー
ルコーター、グラビアロールコーター、エアドクターコ
ーター、ブレードコーター、エアナイフコーター、スク
イズコーター、含浸コーター、バーコーター、トランス
ファロールコーター、キスコーター、キャストコータ
ー、スプレーコーター等とエクストルージョン方式の押
し出しコータとの組み合わせにより塗布することがで
き、この様なウェット−オン−ウェット方式における重
層塗布においては、下側の層が湿潤状態になったままで
上側の層を塗布するので、上下層間の接着性が向上す
る。
【0114】本発明において、露光はレーザ走査露光に
より行うことが好ましいが、画像形成材料の露光面と走
査レーザ光のなす角が実質的に垂直になることがないレ
ーザ走査露光機を用いることが好ましい。
【0115】ここで、「実質的に垂直になることがな
い」とはレーザ走査中に最も垂直に近い角度として好ま
しくは55度以上88度以下、より好ましくは60度以
上86度以下、更に好ましくは65度以上84度以下、
最も好ましくは70度以上82度以下であることをい
う。
【0116】レーザ光が、画像形成材料に走査されると
きの材料露光面でのビームスポット直径は、好ましくは
200μm以下、より好ましくは100μm以下であ
る。これは、スポット径が小さい方がレーザ入射角度の
垂直からのずらし角度を減らせる点で好ましい。なお、
ビームスポット直径の下限は10μmである。このよう
なレーザ走査露光を行うことにより干渉縞様のムラの発
生等のような反射光に係る画質劣化を減じることが出来
る。
【0117】また、本発明に用いられる露光は縦マルチ
である走査レーザ光を発するレーザ走査露光機を用いて
行うことが好ましい。縦単一モードの走査レーザ光に比
べて干渉縞様のムラの発生等の画質劣化が減少する。縦
マルチ化するには、合波による、戻り光を利用する、高
周波重畳をかける、などの方法がよい。なお、縦マルチ
とは、露光波長が単一でないことを意味し、通常露光波
長の分布が5nm以上、好ましくは10nm以上になる
とよい。露光波長の分布の上限には特に制限はないが、
通常60nm程度である。
【0118】
【実施例】以下、本発明を実施例によって詳細に説明す
るが、本発明はこれにより限定されるものではない。な
お、本文中のwt%は特に断りのない限り重量%を表
す。
【0119】実施例1 〈熱現像感光材料の作製〉下記に示す方法で、バック層
形成塗工液を調製した。
【0120】(バック層形成塗工液の調製)メチルエチ
ルケトン83gに攪拌しながら、酢酸酪酸セルロース
[イーストマンケミカル社製、CAB381−20]
8.42g、ポリエステル樹脂[東洋紡績(株)製、バ
イロン280]0.45gを添加し溶解した。この溶解
した液に赤外染料1.03gを添加した。
【0121】別途、メタノール4.32gにF系界面活
性剤[旭硝子(株)製、サーフロンKH−40]0.4
5gとF系界面活性剤[大日本インキ工業(株)製、メ
ガファッグF120K]0.23gを溶解させ、前記の
赤外染料(化−1)の入った溶液に、F系界面活性剤溶
液を添加して、赤外染料が完全に溶解するまで充分に攪
拌を行った。最後にメチルエチルケトンに1wt%の濃
度でディゾルバー型ホモジナイザーにて分散したシリカ
[W.R.Grace社、シロイド64X6000]を
7.5g添加、攪拌しバック層形成塗工液を調製した。
【0122】Visualの透過濃度0.170[コニ
カ(株)製、デンシトメータPDA−65で測定]に青
色着色した、厚さ175μmの2軸延伸PETフィルム
の片面にコロナ放電処理[8w/m2・分]を施した
後、上述のバック層形成塗工液を、コロナ放電処理面に
乾燥膜厚が3.5μmになるように押し出しコーターに
て塗布した後、乾燥(乾燥温度100℃、露点温度10
℃の乾燥風を用いて5分間)させバック層を形成した。
【0123】また、下記に示す方法で、感光層形成塗工
液および保護層形成塗工液を別々に調製した。
【0124】(感光層形成塗工液の調製)水900ml
中に平均分子量10万のオセインゼラチン7.5g及び
臭化カリウム10mgを溶解して温度35℃、pHを
3.0に合わせた後、硝酸銀74gを含む水溶液370
mlと(98/2)のモル比の臭化カリウムと沃化カリ
ウムを硝酸銀と等モル及び塩化イリジウムを銀1モル当
たり1×10-4モル含む水溶液370mlを、pAg
7.7に保ちながらコントロールドダブルジェット法で
10分間かけて添加した。その後4−ヒドロキシ−6−
メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン0.3g
を添加しNaOHでpHを5に調整して平均粒子サイズ
0.06μm、粒子サイズの変動係数12%、[10
0]面比率87%の立方体沃臭化銀粒子を得た。この乳
剤にゼラチン凝集剤を用いて凝集沈降させ脱塩処理した
後、フェノキシエタノール0.1gを加え、pH5.
9、pAg7.5に調整して、感光性ハロゲン化銀乳剤
1を得た。
【0125】別途、4720mlの純水にベヘン酸11
1.4g、アラキジン酸83.8g、ステアリン酸5
4.9gを80℃で溶解した。次に高速で攪拌しながら
1.5Mの水酸化ナトリウム水溶液540.2mlを添
加し濃硝酸6.9mlを加えた後、55℃に冷却して有
機酸ナトリウム溶液を得た。
【0126】前述の有機酸ナトリウム溶液の温度を55
℃に保ったまま、上述で調製したハロゲン化銀乳剤1
(銀0.038モルを含む)と純水450mlを添加し
5分間攪拌した。次に1Mの硝酸銀溶液760.6ml
を2分間かけて添加し、さらに20分攪拌し、濾過によ
り水溶性塩類を除去した。その後、濾液の電導度が2μ
S/cmになるまで脱イオン水による水洗、濾過を繰り
返し、遠心脱水を実施した後、37℃にて重量減がなく
なるまで温風乾燥を行い、粉末有機銀塩Aを得た。
【0127】次いで、ポリビニルブチラール粉末[ソル
ーシア社製、Butvar B−79]14.57gを
メチルエチルケトン1457gに溶解し、ディゾルバー
型ホモジナイザーにて攪拌しながら、前述で調製した粉
末有機銀塩A500gを徐々に添加して十分に混合し
た。その後粒子径1mmのジルコニアビーズ[東レ
(株)製]を80%充填したメディア分散機[gett
zmann社製]にて周速13m、ミル内滞留時間0.
5分間にて分散を行ない感光性乳剤分散液を調製した。
【0128】さらに、前記感光性乳剤分散液50g及び
メチルエチルケトン26.1gを混合し攪拌しながら2
1℃に保温した。即かぶり防止剤1−1(化−2)のメ
タノール溶液(11.2wt%)を0.337gを加え
1時間攪拌した。更に臭化カルシウムのメタノール溶液
(11.2wt%)を0.447gを添加して20分攪
拌し、次いで、別途メタノール4.97gに、1.00
gのジベンゾ−18−クラウン−6と0.31gの酢酸
カリウムを溶解させ、この溶液を0.166g添加して
10分間攪拌した。
【0129】次に、下記に示す色素溶液2.622gを
添加して1時間攪拌した後に温度を13℃まで低下させ
更に30分攪拌した。
【0130】 色素溶液: 赤外増感色素1(化−3) 0.0192g 安息香酸誘導体(化−4) 2.779g 2−クロロ−安息香酸 1.488g 5−メチル−2−メルカプトベンズイミダゾール 0.365g メチルエチルケトン(MEKと略すことあり) 25.205g この、色素溶液を添加した溶液を13℃に保温したま
ま、表1に示す樹脂を13.31gを添加し、充分攪拌
溶解させてから、テトラクロロフタル酸のメチルエチル
ケトン溶液(10wt%)を1.00g添加して15分
間攪拌した。
【0131】この溶液に、メチルエチルケトンにそれぞ
れ溶解させた以下の添加物溶液1、2、3をそれぞれ1
2.427g、0.493g、4.269gを順次攪拌
しながら添加することにより、感光層形成塗工液を調製
した。
【0132】 添加物溶液1 1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル) −2−メチルプロパン) 3.816g 4−メチルフタル酸 0.208g 染料1(化−5) 0.0643g メチルエチルケトン 15.0g 添加物溶液2 イソシアネート系化合物 (日本ポリウレタン工業(株)製、コロネートHX) 1.10g メチルエチルケトン 8.90g 添加物溶液3 トリハロメチル基含有化合物(化−6) 0.522g フタラジン 0.504g メチルエチルケトン 6.00g
【0133】
【化4】
【0134】
【化5】
【0135】(保護層形成塗工液の調製)酢酸酪酸セル
ロース[イーストマンケミカル社製、CAB171−1
5]0.75gをメチルエチルケトン4.25gに溶解
し、その中に、炭酸カルシウム[Speciality
Minerals社製、Super−Pflex20
0]0.5gを添加し、ディゾルバー型ホモジナイザー
にて8000rpmで30min分散し炭酸カルシウム
分散液を調製した。
【0136】別途、メチルエチルケトン86.5gに攪
拌しながら、表1に示す樹脂9.6g、ポリメチルメタ
クリル酸[ローム&ハース社製、パラロイドA−21]
0.45g、ビニルスルホン化合物HD−1を0.15
g、ベンゾトリアゾール0.10g、F系活性剤[旭硝
子(株)製、サーフロンKH−40]0.10gを添加
して、攪拌溶解した。
【0137】最後に、調製した炭酸カルシウム分散液
3.0gを、前述のビニルスルホン化合物を含有する溶
解液に添加攪拌し、保護層形成塗工液を調製した。
【0138】次いで、バック層を形成した厚さ175μ
mの2軸延伸PETフィルムのバック層とは反対面をコ
ロナ放電処理[8w/m2・分]を施し、このコロナ放
電処理面上に、上述の方法で調製した感光層形成塗工液
と保護層形成塗工液を押し出しコーターを用いて重層塗
布、乾燥(乾燥温度75℃、露点温度10℃の乾燥風を
用いて10分間)させ、感光層の銀量が2.0±0.1
g/m2、保護層の乾燥膜厚が2.5±0.2μmにな
るように2軸延伸PET上に、感光層と保護層をこの順
に形成することにより熱現像感光材料を作製した。
【0139】〈画像形成および評価〉熱現像感光材料の
保護層面側から、高周波重畳にて波長800nm〜82
0nmの縦マルチモード化された半導体レーザーを露光
源とした露光機によりレーザー走査による露光を与え
た。この際に、熱現像感光材料の露光面と露光レーザー
光の角度を75度として画像露光した。
【0140】その後、ヒートドラムを有する自動現像機
を用いて熱現像感光材料の保護層とドラム表面が接触す
るようにして、120℃で16秒熱現像処理し、画像形
成を行った。その際、露光及び現像は23℃、50%R
Hに調湿した部屋で行い、得られた画像のかぶり濃度
(未露光部の濃度:Dmin)、感度(S)、暗所での
画像保存性(ΔDmin)、および熱現像感光材料の耐
湿保存性(ΔDmin−Hb)を下記の基準で評価し
た。評価結果を表1に示す。
【0141】Dmin:かぶり濃度(未露光部の濃度)
の評価 現像後の未露光部の透過濃度を濃度計(コニカ(株)
製:デンシトメータPDA−65)を用いて測定評価し
た。
【0142】S:感度の評価 上述のDminよりも透過濃度が1.0高い画像を形成
し得る露光量の比の逆数を求め、比較例2の感度を10
0とする相対値で評価した。
【0143】ΔDmin:保存前後の濃度差の評価 上記画像を、暗所23℃、50%RHで30日間放置し
未露光部の濃度を濃度計(前出)で測定し、現像直後未
露光部の濃度との差を評価した。
【0144】ΔDmin=[保存後の未露光部の濃度−
現像直後の未露光部の濃度] ΔDmin−Hb:熱現像感光材料の耐湿保存性 作製した熱現像感光材料を暗所23℃、80%RHで1
4日間放置させ、この材料を上述と同様の条件で露光熱
現像し、得られた画像の未露光部の濃度を濃度計(前
出)で測定し、現像直後未露光部の濃度との差を評価し
た。
【0145】ΔDmin−Hb=[保存した材料の未露
光部の濃度−保存していない材料の未露光部の濃度]
【0146】
【表1】
【0147】樹脂1:ポリビニルアセトアセタール(積
水化学工業(株)製、エスレックKS−10) 樹脂2:ポリビニルアセトアセタール(積水化学工業
(株)製、エスレックKS−1) 樹脂3:ポリビニルアセトアセタール(積水化学工業
(株)製、エスレックKS−5Z) 樹脂4:重合度2400のポリビニルアルコールをアセ
トアルデヒドでアセタール化した樹脂 アセトアセタール/水酸基/アセチル基=88.3mo
l/10.2mol/1.5mol 樹脂5:重合度2400のポリビニルアルコールをアセ
トアルデヒドとブチルアルデヒドでアセタール化した樹
脂 アセトアセタール/ブチラール/水酸基/アセチル基=
68.5mol/22.8mol/8.3mol/0.
4mol 樹脂6:ポリビニルブチラール(電気化学工業(株)
製:デンカブチラール#3000K) 樹脂7:ポリビニルブチラール(ソルーシア社製、Bu
tvar B−79) 樹脂8:酢酸酪酸セルロース(イーストマンケミカル社
製、CAB171−15) 実施例2 実施例1で調製した保護層形成塗工液の中で、0.15
gのビニルスルホン化合物HD−1の代わりに0.26
gのエポキシ化合物[東都化成(株)製、エポトートY
DCN704]を用いた以外は、実施例1と同様にして
熱現像感光材料を作製し、実施例1と同様の基準で評価
を行った。評価結果を表1に併せて示す。なお、バック
層と保護層の乾燥膜厚、および感光層の銀量は実施例1
と同様である。
【0148】実施例3 〈熱現像感光材料の作製〉実施例1で調製した感光層形
成塗工液を、下記のように変更調製した以外は、実施例
1と同様にして熱現像感光材料を作製した。なお、バッ
ク層と保護層の乾燥膜厚、および感光層の銀量は実施例
1と同様である。
【0149】(感光層形成塗工液の調製)実施例1で調
製した感光性乳剤分散液50g及び表2に記載した量の
メチルエチルケトンを混合し攪拌しながら21℃に保温
した。即かぶり防止剤1−1(化−2)のメタノール溶
液(11.2wt%)を0.337gを加え1時間攪拌
した。更に臭化カルシウムのメタノール溶液(11.2
wt%)を0.447gを添加して20分攪拌し、次い
で、別途メタノール4.97gに、1.00gのジベン
ゾ−18−クラウン−6と0.31gの酢酸カリウムを
溶解させた溶液を0.166g添加して10分間攪拌し
た。
【0150】次に、下記に示す色素溶液を1.311g
を添加して1時間攪拌した後に温度を13℃まで低下さ
せ更に30分攪拌した。
【0151】 色素溶液: 赤外増感色素1(化−7) 0.0192g 安息香酸誘導体(化−4) 2.779g 2−クロロ−安息香酸 1.488g 5−メチル−2−メルカプトベンズイミダゾール 0.365g メチルエチルケトン 12.943g この、色素溶液を添加した溶液を13℃に保温したま
ま、表2に示す樹脂を表中の量添加し、充分攪拌溶解さ
せてから、テトラクロロフタル酸のメチルエチルケトン
溶液(10wt%)を1.00g添加して15分間攪拌
した。
【0152】この溶液に、実施例1の添加物溶液1、
2、3をそれぞれ12.427g、0.493g、4.
269gを順次攪拌しながら添加することにより、感光
層形成塗工液を調製した。
【0153】〈画像形成および評価〉この熱現像感光材
料を、実施例1と同様の方法で画像形成を行った。得ら
れた画像のかぶり濃度(未露光部の濃度:Dmin)、
感度(S)、暗所での画像保存性(ΔDmin)を実施
例1と同じ評価基準で、また画像の最大濃度(Dma
x)を下記の基準で評価した。評価結果を表2に示す。
【0154】但し、Dmaxは画像の最大濃度であり、
現像後の露光部の最大透過濃度を濃度計(前出)を用い
て測定評価した。
【0155】
【表2】
【0156】樹脂7:ポリビニルブチラール(ソルーシ
ア社製、Butvar B−79) 樹脂9:極性基含有ポリエステル樹脂(東洋紡績(株)
製、バイロン28SS、Tg=68℃、固形分30wt
%) 樹脂10:極性基含有ポリウレタン樹脂(東洋紡績
(株)製、バイロンUR4122、Tg=69℃、固形
分30wt%) 樹脂11:極性基含有ポリウレタン樹脂(東洋紡績
(株)製、バイロンUR8200、Tg=73℃、固形
分30wt%) 樹脂12:極性基含有ポリウレタン樹脂(東洋紡績
(株)製、バイロンUR5537、Tg=33℃、固形
分30wt%) 樹脂13:極性基含有ポリウレタン樹脂(東洋紡績
(株)製、バイロンUR8300、Tg=23℃、固形
分30wt%) 樹脂14:極性基含有ポリウレタン樹脂(東洋紡績
(株)製、バイロンUR8700、Tg=−17℃、固
形分30wt%) 実施例4 〈熱現像感光材料の作製〉実施例1で調製した保護層形
成塗工液を、下記のように調製した以外は、実施例1と
同様にして熱現像感光材料を作製した。なお、バック層
と保護層の乾燥膜厚、および感光層の銀量は実施例1と
同様である。
【0157】(保護層形成塗工液の調製)メチルエチル
ケトン86.5gに攪拌しながら、表3に示す量の酢酸
酪酸セルロース[イーストマンケミカル社製、CAB1
71−15]、ポリメチルメタクリル酸[ローム&ハー
ス社製、パラロイドA−21]0.45g、ベンゾトリ
アゾール0.10g、F系活性剤[旭硝子(株)製、サ
ーフロンKH−40]0.10gを添加、溶解した。
【0158】この溶液に、固形分20wt%でトルエン
に溶解させた表3に示す樹脂を表中に記載された量添加
し、さらに、シリカ粒子[富士シリシア化学(株)製、
サイロホービック200]を0.273g添加した後、
超音波分散し、保護層形成塗工液を調製した。
【0159】
【表3】
【0160】樹脂15:スチレン−ブタジエン共重合体
(フィリップス石油社製、K−RESIN KR01、
スチレン含有量75wt%) 樹脂16:スチレン−ブタジエン共重合体(シェルジャ
パン(株)製、クレイトンD−KX414JP、スチレ
ン含有量52wt%) 樹脂17:スチレン−ブタジエン共重合体(シェルジャ
パン(株)製、クレイトンD−1155JP、スチレン
含有量40wt%) 樹脂18:スチレン−イソプレン共重合体(シェルジャ
パン(株)製、クレイトンD−1125X、スチレン含
有量30wt%) 樹脂19:スチレン−イソプレン共重合体(シェルジャ
パン(株)製、クレイトンD−1117、スチレン含有
量17wt%) 樹脂20:スチレン−エチレン−ブタジエン共重合体
(シェルジャパン(株)製、クレイトンG1654X、
スチレン含有量31wt%) 樹脂21:スチレン−エチレン−ブタジエン共重合体
(シェルジャパン(株)製、クレイトンG1651、ス
チレン含有量33wt%) 〈画像形成および評価〉この熱現像感光材料を、実施例
1と同様の方法で画像形成を行った。得られた画像のか
ぶり濃度(未露光部の濃度:Dmin)、感度(S)、
暗所での画像保存性(ΔDmin)を実施例1と同じ評
価基準で、また得られた画像の最大濃度ばらつき(ΔD
max−all)を下記の基準で評価した。
【0161】評価結果を表3に示す。
【0162】Dmaxは画像の最大濃度を表し、現像後
の露光部の最大透過濃度を濃度計(前出)を用いて測定
評価した。
【0163】実施例5 〈熱現像感光材料の作製〉実施例1で調製した感光層形
成塗工液の中で、表1に示した樹脂13.31gを、表
4で示す樹脂13.31gに変えた以外は、実施例1と
同様にして熱現像感光材料を作製した。なお、バック層
と保護層の乾燥膜厚、および感光層の銀量は実施例1と
同様である。
【0164】〈画像形成および評価〉この熱現像感光材
料を、実施例1と同様の方法で画像形成を行った。得ら
れた画像のかぶり濃度(未露光部の濃度:Dmin)、
感度(S)、暗所での画像保存性(ΔDmin)を実施
例1と同じ評価基準で、また得られた画像の耐光性(Δ
Dmin−La)を下記の基準で評価した。
【0165】評価結果を表4に示す。
【0166】但し、ΔDmin−Laは耐光性を表す。
【0167】上記画像を、医用X線写真観察器(コニカ
(株)製、形式FSK−424B)上で120時間放置
し、未露光部の濃度を濃度計(前出)で測定し、現像直
後の未露光部の濃度との差を評価した。
【0168】ΔDmin−La=[保存後の未露光部の
濃度−保存前の未露光部の濃度]
【0169】
【表4】
【0170】樹脂1:ポリビニルアセトアセタール(積
水化学工業(株)製、エスレックKS−10) 樹脂4:重合度2400のポリビニルアルコールをアセ
トアルデヒドでアセタール化した樹脂 アセトアセタール/水酸基/アセチル基=88.3mo
l/10.2mol/1.5mol 樹脂7:ポリビニルブチラール(ソルーシア社製、Bu
tvar B−79) 樹脂22:ポリ塩化ビニル樹脂(信越化学工業(株)
製、信越PVC TK300) 樹脂23:極性基含有塩化ビニル系樹脂(日本ゼオン
(株)製、MR105) 樹脂24:極性基含有塩化ビニル系樹脂(日本ゼオン
(株)製、MR110) 樹脂25:極性基含有塩化ビニル系樹脂(日本ゼオン
(株)製、MR120) 実施例6 〈熱現像感光材料の作製〉実施例3で調製した感光層形
成塗工液の中で、表2に示す樹脂、量を、表5で示す樹
脂と表中の量に変えた以外は、実施例3と同様にして熱
現像感光材料を作製した。なお、バック層と保護層の乾
燥膜厚、および感光層の銀量は実施例1と同様である。
【0171】〈画像形成および評価〉実施例1と同様の
方法で熱現像感光材料の保護層面側から画像露光し、次
いでヒートドラムを有する自動現像機を用いて熱現像感
光材料の保護層とドラム表面が接触するようにして、表
5に示す条件で熱現像処理し、画像形成を行った。その
際、露光及び現像は23℃、50%RHに調湿した部屋
で行い、得られた画像のかぶり濃度(未露光部の濃度:
Dmin)、感度(S)、暗所での画像保存性(ΔDm
in)を実施例1と同じ基準で評価した。評価結果を表
5に示す。
【0172】
【表5】
【0173】樹脂7:ポリビニルブチラール(ソルーシ
ア社製、Butvar B−79) 樹脂26:塩素化プロピレン(日本製紙(株)製、スー
パークロン406) 樹脂27:塩素化プロピレン(日本製紙(株)製、スー
パークロン106L) 樹脂28:塩素化プロピレン(日本製紙(株)製、スー
パークロン602) 樹脂29:塩素化ポリエチレン(日本製紙(株)製、ス
ーパークロン907LTA) 樹脂30:塩素化ポリエチレン(日本製紙(株)製、ス
ーパークロン907HA) 樹脂31:塩素化ポリエチレン(日本製紙(株)製、ス
ーパークロン507) 樹脂32:塩素化ポリエチレン(日本製紙(株)製、ス
ーパークロン510) 樹脂33:塩素化ポリエチレン(日本製紙(株)製、ス
ーパークロン515) 実施例7 実施例1で調製した感光層形成塗工液を、下記のように
調製した以外は、実施例1と同様の方法で熱現像感光材
料を作製した。なお、感光層形成塗工液と保護層形成塗
工液を押し出しコーターを用いて重層塗布、乾燥する際
の乾燥条件を、乾燥温度75℃、露点温度10℃の乾燥
風を用いて30分間に変更した。また、バック層と保護
層の乾燥膜厚、および感光層の銀量は実施例1と同様で
ある。
【0174】(感光層形成塗工液の調製)実施例1で調
製した感光性乳剤分散液50gを攪拌しながら21℃に
保温した。即かぶり防止剤1−1(化−2)のメタノー
ル溶液(11.2wt%)を0.337gを加え1時間
攪拌した。更に臭化カルシウムのメタノール溶液(1
1.2wt%)を0.447gを添加して20分攪拌
し、次いで、別途メタノール4.97gに、1.00g
のジベンゾ−18−クラウン−6と0.31gの酢酸カ
リウムを溶解させた溶液を0.166g添加して10分
間攪拌した。
【0175】次に、実施例1の色素溶液を2.622g
を添加して1時間攪拌した後に温度を13℃まで低下さ
せ更に30分攪拌した。
【0176】この、色素溶液を添加した溶液を13℃に
保温したまま、固形分33.8wt%の表6に示す樹脂
溶液を39.41g添加し、充分攪拌させてから、テト
ラクロロフタル酸のメチルエチルケトン溶液(10wt
%)を1.00g添加して15分間攪拌した。
【0177】この溶液に、実施例1の添加物溶液1、
2、3をそれぞれ12.427g、0.493g、4.
269gを順次攪拌しながら添加することにより、感光
層形成塗工液を調製した。
【0178】〈画像形成および評価〉この熱現像感光材
料を、実施例1と同様の方法で画像形成を行った。得ら
れた画像のかぶり濃度(未露光部の濃度:Dmin)、
感度(S)、暗所での画像保存性(ΔDmin)を実施
例1と同じ評価基準で、また得られた画像の未露光部の
濃度ばらつき(ΔDmin−all)を下記の基準で評
価した。評価結果を表6に示す。
【0179】 ΔDmax−all:未露光部の濃度ばらつき 現像された未露光部の30cm×30cmの画像を10
枚用意し、濃度計(前出)を用いて1枚当たり各100
点任意に濃度を測定し、その中での最大濃度と最小濃度
との差を評価した。
【0180】ΔDmin−all=[1000点中の最
大濃度−1000点中の最小濃度]
【0181】
【表6】
【0182】樹脂34:ビスフェノールZ型ポリカーボ
ネート(三菱ガス化学(株)製、PCZ200、Tg=
175℃) 樹脂35:フェノキシ樹脂(フェノキシアソシエート社
製、PKHH、Tg=100℃) 樹脂36:スチレン−アクリロニトリル共重合体(三井
化学(株)製、ライタックPC200、ビカット軟化点
=109℃) 低分子量化合物1:エポキシ樹脂(東都化成(株)製、
エポトートYD−017、軟化点=122℃) 低分子量化合物2:ケトン樹脂(日立化成(株)製、ハ
イラック222、軟化点=110℃) 低分子量化合物3:テルペン樹脂(理化ハーキュレス
(株)製、ピコライトA115、軟化点=115℃) 低分子量化合物4:テルペン樹脂(安原油脂(株)製、
クリアロンM105、軟化点=105℃) 低分子量化合物5:脂肪族系炭化水素系樹脂(荒川化学
(株)製、アルコンP100、軟化点=100℃) 低分子量化合物6:脂肪族系炭化水素系樹脂(荒川化学
(株)製、アルコンP120、軟化点=120℃) 低分子量化合物7:脂肪族系炭化水素系樹脂(日本ゼオ
ン(株)製、クイントンD100、軟化点=98℃) 低分子量化合物8:石油樹脂(理化ハーキュレス(株)
製、ハーコタック1148、軟化点=98℃) 低分子量化合物9:石油樹脂(理化ハーキュレス(株)
製、ピコタック115、軟化点=116℃) 溶剤1:メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=75
/25 溶剤2:メチルエチルケトン/トルエン/シクロヘキサ
ノン=35/35/30 溶剤3:メチルエチルケトン/トルエン=35/65 溶剤4:メチルエチルケトン/トルエン=80/20 実施例8 実施例1で調製した保護層形成塗工液を、下記のように
調製した以外は、実施例1と同様にして熱現像感光材料
を作製した。なお、バック層と保護層の乾燥膜厚、およ
び感光層の銀量は実施例1と同様である。
【0183】(保護層形成塗工液の調製)メチルエチル
ケトン86.5gに攪拌しながら、表7に示す量の酢酸
酪酸セルロース[イーストマンケミカル社製、CAB1
71−15]、ポリメチルメタクリル酸[ローム&ハー
ス社製、パラロイドA−21]0.45g、ベンゾトリ
アゾール0.10g、F系活性剤[旭硝子(株)製、サ
ーフロンKH−40]0.10gを添加、溶解した。
【0184】この溶液に、固形分20wt%でトルエン
/メチルエチルケトン=1/1に溶解させた表3に示す
樹脂または化合物を表中に記載された量添加し、さら
に、シリカ粒子[富士シリシア化学(株)製、サイロホ
ービック100]を0.300g添加した後、超音波分
散し、保護層形成塗工液を調製した。
【0185】〈画像形成および評価〉この熱現像感光材
料を、実施例1と同様の方法で画像形成を行った。得ら
れた画像のかぶり濃度(未露光部の濃度:Dmin)、
感度(S)、暗所での画像保存性(ΔDmin)を実施
例1と同じ評価基準で、また得られた画像の耐湿保存性
(ΔDmin−Ha)を下記の基準で評価した。評価結
果を表7に示す。
【0186】ΔDmin−Ha:画像の耐湿保存性 上記画像を暗所23℃、80%RHで14日間放置さ
せ、未露光部の濃度を濃度計(前出)で測定し、現像直
後の未露光部の濃度との差を評価した。
【0187】ΔDmin−Ha=[保存した画像の未露
光部の濃度−保存していない画像の未露光部の濃度]
【0188】
【表7】
【0189】樹脂37:エポキシ変性スチレン−ブタジ
エン共重合体(ダイセル化学工業(株)製、エポフレン
ドA1005) 樹脂38:エポキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体
(ダイセル化学工業(株)製、エポフレンドA1010 樹脂39:エポキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体
(ダイセル化学工業(株)製、エポフレンドA102
0) 低分子量化合物10:カルボン酸ジグリシジルエステル
(岡村製油(株)製、CR−G) 低分子量化合物11:カルボン酸モノグリシジルエステ
ル(岡村製油(株)製、IPU−22G) 実施例9 実施例1で調製した感光層形成塗工液の中、添加物溶液
2を表8に示すものに変えた以外は、実施例1と同様に
して熱現像感光材料を作製した。なお、バック層と保護
層の乾燥膜厚、および感光層の銀量は実施例1と同様で
ある。
【0190】〈画像形成および評価〉この熱現像感光材
料を、実施例1と同様の方法で画像形成を行った。得ら
れた画像のかぶり濃度(未露光部の濃度:Dmin)、
感度(S)、暗所での画像保存性(ΔDmin)を実施
例1と同じ評価基準で、また得られた、熱現像感光材料
の温度に対する影響(ΔDmin−Tb)、および得ら
れた画像の温度に対する影響(ΔDmin−Ta)を下
記の基準で評価した。評価結果を表8に示す。
【0191】 ΔDmin−Tb:熱現像感光材料の温度による影響 作製した熱現像感光材料を暗所55℃、30%RHで5
日間放置させ、この材料を上述と同様の条件で露光熱現
像し、得られた画像の未露光部の濃度を濃度計(前出)
で測定し、現像直後未露光部の濃度との差を評価。
【0192】ΔDmin−Tb=[保存した材料の未露
光部の濃度−保存していない材料の未露光部の濃度] ここでΔDmin−Taは画像の温度による影響度合い
を表す。
【0193】上記画像を、暗所55℃、30%RHで5
日間放置させ、未露光部の濃度を濃度計(前出)で測定
し、現像直後の未露光部の濃度との差を評価した。
【0194】ΔDmin−Ta=[保存した画像の未露
光部の濃度−保存していない画像の未露光部の濃度] 実施例10 実施例2で調製した保護層形成塗工液と、実施例9で調
製した感光層形成塗工液を用いた以外は、実施例1と同
様にして熱現像感光材料を作製し、実施例9と同様の基
準で評価を行った。
【0195】評価結果を表8に併せて示す。なお、バッ
ク層と保護層の乾燥膜厚、および感光層の銀量は実施例
1と同様である。
【0196】
【表8】
【0197】低分子量化合物12:アクリル酸エステル
誘導体(東亜合成(株)製、アロニクスM−400) 低分子量化合物13:アクリル酸エステル誘導体(東亜
合成(株)製、アロニクスM−408) 低分子量化合物14:アクリル酸エステル誘導体(東亜
合成(株)製、アロニクスM−450) 低分子量化合物15:アクリル酸エステル誘導体(新日
鐵化学(株)製、FASRASIN) 低分子量化合物16:アクリルアミド誘導体(三菱レイ
ヨン(株)製、TBAA) 低分子量化合物17:アクリルアミド誘導体(三菱レイ
ヨン(株)製、MMBA) 低分子量化合物18:アクリルアミド誘導体((株)興
人製、ACMO) 低分子量化合物19:アクリルアミド誘導体((株)興
人製、DEAA) 低分子量化合物20:イソシアヌール酸誘導体(東亜合
成(株)製、アロニクスM−215) 低分子量化合物21:イソシアヌール酸誘導体(東亜合
成(株)製、アロニクスM−315) 低分子量化合物22:イソシアヌール酸誘導体(日産化
学(株)製、TEPIC−S) 低分子量化合物23:トリアリルイソシアヌレート 実施例11 下記の方法で調製した保護層形成塗工液と、実施例9で
調製した感光層形成塗工液を用いた以外は、実施例1と
同様にして熱現像感光材料を作製し、実施例9と同様の
基準で評価を行った。評価結果を表9に示す。なお、バ
ック層と保護層の乾燥膜厚、および感光層の銀量は実施
例1と同様である。
【0198】(保護層形成塗工液)メチルエチルケトン
86.5gに攪拌しながら、ポリビニルアセトアセター
ル系樹脂[樹脂4:実施例1に記載]5.0g、ポリビ
ニルアセトアセタール系樹脂[樹脂2:実施例1に記
載]4.6g、ポリメチルメタクリル酸[ローム&ハー
ス社製、パラロイドA−21]0.45g、エポキシ化
合物[東都化成(株)製、エポトートYDCN704]
0.26g、ベンゾトリアゾール0.10g、F系活性
剤[旭硝子(株)製、サーフロンKH−40]0.10
gを添加して、攪拌溶解した。
【0199】この溶液に、シリカ粒子[富士シリシア化
学(株)製、サイロホービック200]を0.273g
添加した後、攪拌後、超音波分散し保護層形成塗工液を
調製した。
【0200】
【表9】
【0201】以上、表1〜9に示されるごとく、本発明
の範囲内の構成を持つ熱現像感光材料は、いずれも優れ
た特性を有することがわかる。
【0202】
【発明の効果】本発明により、感光材料を熱現像時のカ
ブリ、あるいは長期保存時の未露光部の濃度上昇が少な
く、かつ、特に熱現像後における銀画像の安定性に優れ
た熱現像感光材料を提供することが出来る。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、有機銀、感光性ハロゲン化
    銀、現像剤およびバインダー樹脂を少なくとも含有する
    画像形成層を積層した熱現像感光材料において、該バイ
    ンダー樹脂がポリビニルアセトアセタール樹脂を全バイ
    ンダー樹脂中70重量%以上含有し、前記バインダー樹
    脂のアセタール化度が50mol%以上であることを特
    徴とする熱現像感光材料。
  2. 【請求項2】 バインダー樹脂中のポリビニルアセトア
    セタール樹脂以外の樹脂がポリビニルブチラールである
    ことを特徴とする請求項1記載の熱現像感光材料。
  3. 【請求項3】 支持体上に、有機銀、感光性ハロゲン化
    銀、現像剤およびバインダー樹脂を少なくとも含有する
    画像形成層を積層した熱現像感光材料において、該バイ
    ンダー樹脂が分子内に極性基を有するポリエステル又は
    ポリウレタン樹脂の少なくとも何れかを含有し、且つ含
    有率が全バインダー樹脂に対し1〜50重量%であるこ
    とを特徴とする熱現像感光材料。
  4. 【請求項4】 分子内に極性基を有するポリエステル又
    はポリウレタン樹脂の少なくとも何れかのTgが20〜
    90℃であることを特徴とする請求項3記載の熱現像感
    光材料。
  5. 【請求項5】 支持体上に、有機銀、感光性ハロゲン化
    銀、現像剤およびバインダー樹脂を少なくとも含有する
    画像形成層を積層した熱現像感光材料において、該バイ
    ンダー樹脂が不飽和結合を有するスチレンとオレフィン
    との共重合体樹脂を含有することを特徴とする熱現像感
    光材料。
  6. 【請求項6】 バインダー樹脂のスチレン含有量が20
    〜70重量%であることを特徴とする請求項5記載の熱
    現像感光材料。
  7. 【請求項7】 支持体上に、有機銀、感光性ハロゲン化
    銀、現像剤およびバインダー樹脂を少なくとも含有する
    画像形成層を積層した熱現像感光材料において、該バイ
    ンダー樹脂が塩素原子を含むポリオレフィンを少なくと
    も含有することを特徴とする熱現像感光材料。
  8. 【請求項8】 塩素原子を含有するポリオレフィンが、
    極性基含有塩化ビニル系樹脂であることを特徴とする請
    求項7記載の熱現像感光材料。
  9. 【請求項9】 塩素原子を含有するポリオレフィンが、
    塩素化ポリエチレン、または塩素化ポリプロピレンであ
    ることを特徴とする請求項7記載の熱現像感光材料。
  10. 【請求項10】 支持体上に、有機銀、感光性ハロゲン
    化銀、現像剤およびバインダー樹脂を少なくとも含有す
    る画像形成層を積層した熱現像感光材料において、さら
    に軟化点が40℃〜120℃の範囲の低分子量化合物を
    含有することを特徴とする熱現像感光材料。
  11. 【請求項11】 バインダー樹脂が、全組成物中0.0
    1〜15重量%の範囲に有ることを特徴とする請求項1
    0記載の熱現像感光材料。
  12. 【請求項12】 支持体上に、有機銀、感光性ハロゲン
    化銀、現像剤およびバインダー樹脂を少なくとも含有す
    る画像形成層を積層した熱現像感光材料において、さら
    に分子内に不飽和二重結合を有し、さらに該化合物中に
    エポキシ基を有する化合物を少なくとも含有することを
    特徴とする熱現像感光材料。
  13. 【請求項13】 支持体上に、有機銀、感光性ハロゲン
    化銀、現像剤およびバインダー樹脂を少なくとも含有す
    る画像形成層を積層した熱現像感光材料において、画像
    形成層に下記一般式1、一般式2および一般式3で表さ
    れる化合物を少なくとも1種以上含有することを特徴と
    する熱現像感光材料。 【化1】 (式中、R1、R3は水素原子、あるいはCH3を表し、
    2およびR4は置換、又は無置換のアルキル、アリー
    ル、複素環を表す。また、R5、R6およびR7は水素、
    炭素、酸素から構成される置換、又は無置換のアルキ
    ル、アリールを表す。)
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