JP2001173056A - キッチンシンク及びそれを備えたシステムキッチン及び流し台 - Google Patents

キッチンシンク及びそれを備えたシステムキッチン及び流し台

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JP2001173056A
JP2001173056A JP35839599A JP35839599A JP2001173056A JP 2001173056 A JP2001173056 A JP 2001173056A JP 35839599 A JP35839599 A JP 35839599A JP 35839599 A JP35839599 A JP 35839599A JP 2001173056 A JP2001173056 A JP 2001173056A
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kitchen sink
film
kitchen
water
sink
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JP35839599A
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Nobuhiko Kanekuni
伸彦 兼国
Masami Ando
正美 安藤
Makoto Hayakawa
信 早川
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Toto Ltd
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Toto Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 油性の汚れが水栓からの流水程度で容易に除
去可能であり、かつ洗浄時に誤ってシンク内に陶器製や
ガラス製の食器等を落としても割れ難いキッチンシン
ク、及びそれを備えたシステムキッチン及び流し台を提
供すること。 【解決手段】 ステンレス基材表面に、膜厚100nm
以下の防汚性被膜が形成されていることを特徴とするキ
ッチンシンク。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、キッチンシンク及
びそれを備えたシステムキッチン及び流し台に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のステンレス製のキッチンシンクで
は、シンク表面に油性汚れが強固につきやすかった。ま
た、琺瑯製のキッチンシンクも提案されていたが、表面
釉薬層が1mm程度と厚いため、表面硬度はその影響を
受けて大きかった。そのため、誤って陶器製やガラス製
の食器等をシンクに落とすと割れたり、一部が掛けたり
する場合があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明では、油性の汚
れが水栓からの流水程度で容易に除去可能であり、かつ
洗浄時に誤ってシンク内に陶器製やガラス製の食器等を
落としても割れ難いキッチンシンク、及びそれを備えた
システムキッチン及び流し台を提供することを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記課題を
解決すべく、ステンレス基材表面に、膜厚100nm以
下の防汚性被膜が形成されていることを特徴とするキッ
チンシンクを提供する。膜厚100nm以下の薄膜から
なる防汚性被膜が形成されていることにより、被膜とス
テンレス基材との熱膨張差が異なる場合でも、クラック
が生じることなく、防汚性被膜が形成される。それによ
り、油性の汚れが水栓からの流水程度で容易に除去可能
となる。さらに、膜厚100nm以下の薄膜であれば、
表面硬度は下地材料の硬度に依存することになり、ステ
ンレスはガラスや陶器よりも硬度が小さいので、洗浄時
に誤ってシンク内に陶器製やガラス製の食器等を落とし
ても割れ難い。
【0005】本発明の好ましい態様においては、前記防
汚性被膜は、その表面の表面粗さRaが触針式表面粗さ
測定装置(JIS−B0651)により、50nm以下
であるようにする。このレベルの表面平滑性を有するよ
うにすることにより、油脂汚れがこびりつきにくくな
り、油性の汚れが水栓からの流水程度で容易に除去可能
となる。
【0006】本発明の好ましい態様においては、前記防
汚性被膜には、抗菌剤及び/又は抗黴剤が含有されてい
る。そうすることにより、菌や黴に基づく汚れも防止可
能となる。
【0007】本発明の好ましい態様においては、前記基
材と前記防汚性被膜の間には、無機酸化物被膜が形成さ
れているようにする。そうすることにより、防汚性被膜
の基材への固着性が向上する。
【0008】本発明の好ましい態様においては、前記基
材と前記防汚性被膜の間には、着色性被膜が形成されて
いるようにする。そうすることにより、表面の防汚性を
維持しつつ、自由にカラーコーディネート可能になる。
【0009】本発明の好ましい態様においては、前記防
汚性被膜は、水との接触角30°以下の親水性被膜であ
るようにする。そうすることにより、被膜表面は油脂よ
りも水になじみやすくなるので、油脂汚れが水栓からの
流水程度で容易に除去可能となる。
【0010】本発明の好ましい態様においては、前記親
水性被膜は、無機酸化物被膜であるようにする。そうす
ることで、被膜の耐蝕性が良好となり、被膜特性が維持
されやすくなる。
【0011】本発明の好ましい態様においては、前記親
水性被膜は、非晶質被膜であるようにする。そうするこ
とで、表面性状が均一になり、被膜特性の場所によるば
らつきが低減される。
【0012】本発明の好ましい態様においては、前記防
汚性被膜は、水との接触角90°以上の撥水性被膜であ
るようにする。そうすることで、表面エネルギーが小さ
くなり、汚れが被膜表面に付着しにくくなる。
【0013】本発明の好ましい態様においては、前記撥
水性被膜は、シリコーン被膜であるようにする。そうす
ることで、基材表面に共有結合又は静電力による結合と
いう強い結合力で固着させることが可能となり、耐摩耗
性が良好となる。
【0014】本発明の好ましい態様においては、前記撥
水性被膜は、フルオロ基を含有するようにする。そうす
ることで、表面エネルギーがより小さくなり、汚れが被
膜表面により付着しにくくなる。
【0015】本発明の好ましい態様においては、キッチ
ンシンク内の排水口位置と水栓器具からの放水位置とが
使用者に対して水平方向に反対側に位置しているように
する。そうすることで、流水がシンク内を充分に流れる
ようになり、水栓からの流水による除去性が向上する。
【0016】本発明の好ましい態様においては、排水口
位置が、使用者に対して垂直方向で反対側に位置するよ
うにする。そうすることで、洗浄スペースが確保されつ
つ、流水がシンク内を充分に流れるようになり、水栓か
らの流水による除去性が向上する。
【0017】本発明の好ましい態様においては、キッチ
ンシンク底面に、排水口への導水溝が設けられているよ
うにする。そうすることで、食器洗浄後の流水が導水溝
へと流れ落ち、さらに排水口へと流れるようになるの
で、流水がシンク内底面部を充分な面積流れるようにな
り、水栓からの流水による除去性が向上する。
【0018】本発明の好ましい態様においては、キッチ
ンシンク底面は、傾斜しており、その下方に排水口が設
けられているようにする。そうすることで、水栓からの
流水による除去性が向上する。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る用語につい
て説明する。
【0020】「抗菌剤」には、以下に限定されないが、
銀、銅、亜鉛等の抗菌性金属及びその化合物、それらの
担持物(担持物には、シリカ、ゼオライト、アパタイ
ト、リン酸カルシウム、リン酸ジルコニウム、リン酸ア
ルミニウム、リン酸亜鉛等が利用可能)、第四級アンモ
ニウム塩、ニトリル誘導体、イミダゾール誘導体、ベン
ゾチアゾール誘導体、イソチアゾール誘導体、チアジチ
アゾール誘導体、トリアジン誘導体、スルホン誘導体、
フェノール誘導体、フェノールエステル誘導体、ピロー
ル誘導体等が好適に利用できる。
【0021】「抗黴剤」には、以下に限定されないが、
テプコナゾール、2−ピリジンチオール−1−オキサイ
ド亜鉛、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロオキ
シジフェニルエーテル、10−10’オキシビスフェノ
キシアルシン、銅、銀、亜鉛、銅化合物、銀化合物、亜
鉛化合物、銅担持物、亜鉛担持物、銀担持物(担持物に
は、シリカ、ゼオライト、アパタイト、リン酸カルシウ
ム、リン酸ジルコニウム、リン酸アルミニウム、リン酸
亜鉛等が利用可能)等が好適に利用できる。
【0022】「無機酸化物被膜」には、以下に限定され
ないが、シリカ、アルミナ、アルカリシリケート、ボロ
ニア、チタニア、ジルコニア、ハフニア、アルミノシリ
ケート、ホウケイ酸塩等を1種以上含む被膜が好適に利
用可能である。
【0023】「非晶質被膜」とは、実質的にガラス質か
らなる被膜をいう。
【0024】「非晶質の無機酸化物被膜」とは、シリ
カ、アルミナ、アルカリシリケート、ボロニア、チタニ
ア、ジルコニア、ハフニア、アルミノシリケート、ホウ
ケイ酸塩等の無機酸化物1種以上含み、実質的にガラス
質からなる被膜をいう。
【0025】「撥水性被膜」とは、被膜表面の水との接
触角が90°以上の被膜をいう。具体的には、シリコー
ン被膜、フッ素樹脂被膜、フッ素化合物被膜が好適に利
用できる。フッ素樹脂としては、例えば、ポリフッ化ビ
ニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化三フッ化エチレ
ン、ポリ四フッ化エチレン、ポリ四フッ化エチレンー六
フッ化プロピレンコポリマー、エチレンーポリ四フッ化
エチレンコポリマー、エチレンーポリ塩化三フッ化エチ
レンコポリマー、四フッ化エチレンーパーフルオロアル
キルビニルエーテルコポリマー、パーフルオロシクロポ
リマー、ビニルエーテルーフルオロオレフィンコポリマ
ー、ビニルエステルーフルオロオレフィンコポリマー等
が好適に利用できる。フッ素化合物には、フッ化リチウ
ム、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化ス
トロンチウム、フッ化バリウム、フッ化スカンジウム、
フッ化イットリウム、フッ化ジルコニウム、フッ化ハフ
ニウム、フッ化マンガン、フッ化鉄、フッ化コバルト、
フッ化ニッケル、フッ化銅、フッ化アルミニウム、フッ
化ガリウム、フッ化インジウム、フッ化ビスマス、フッ
化ランタン、フッ化セリウム、フッ化プラセオジウム、
フッ化ネオジウム、フッ化サマリウム、フッ化ユーロピ
ウム、フッ化テルビウム、フッ化ジスプロシウム、フッ
化ホルミウム、フッ化エルビウム、フッ化ツリウム、フ
ッ化イッテルビウム、フッ化ルテチウム等が好適に利用
できる。
【0026】「シリコーン被膜」とは、シリコーン中の
ケイ素原子に1つ以上の有機基が結合されているシリコ
ーン、すなわち、平均組成式RpSiXqO(4−p−
q)/2(式中、Rは、炭素数1〜18の一価の有機
基、Xは炭素数1〜4のアルコキシ基であり、p及びq
は、0<p<2、0<q<4、0<p+q<4を満足す
る数である)で表される未硬化のシリコーンを硬化させ
て得た被膜である。上記未硬化のシリコーンは、2官能
シラン誘導体モノマー(分子当り2個の加水分解性基を
有し、各ケイ素原子に2つの酸素原子が結合した2官能
シロキサン結合を形成するモノマー)及び/又は3官能
シラン誘導体モノマー(分子当り3個の加水分解性基を
有し、各ケイ素原子に3つの酸素原子が結合した3官能
シロキサン結合を形成するモノマー)を必須成分とし、
必要に応じて4官能シラン誘導体モノマー(分子当り4
個の加水分解性基を有し、各ケイ素原子に4つの酸素原
子が結合した4官能シロキサン結合を形成するモノマ
ー)を配合させた組成物を、加水分解、縮重合させるこ
とにより得られる。ここで、2官能シラン誘導体として
は、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシ
ラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエト
キシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニ
ルメチルジエトキシシラン、γーグリシドキシプロピル
メチルジメトキシシラン、γーグリシドキシプロピルメ
チルジエトキシシラン、γー(メタ)アクリロキシプロ
ピルメチルジメトキシシラン、γー(メタ)アクリロキ
シプロピルメチルジエトキシシラン、γーアミノプロピ
ルメチルジメトキシシラン、γーアミノプロピルメチル
ジエトキシシラン、ヘプタデカフルオロオクチルメチル
ジメトキシシラン、ヘプタデカフルオロオクチルメチル
ジエトキシシラン等が好適に利用できる。3官能シラン
誘導体としては、メチルトリメトキシシラン、メチルト
リエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、
メチルトリtーブトキシシラン、エチルトリメトキシシ
ラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリイソプロ
ポキシシラン、エチルトリtーブトキシシラン、ビニル
トリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニ
ルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリtーブトキシ
シラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピ
ルトリエトキシシラン、n−プロピルトリイソプロポキ
シシラン、n−プロピルトリtーブトキシシラン、n−
ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキ
シシラン、n−ヘキシルトリイソプロポキシシラン、n
−ヘキシルトリtーブトキシシラン、n−デシルトリメ
トキシシラン、n−デシルトリエトキシシラン、n−デ
シルトリイソプロポキシシラン、n−デシルトリtーブ
トキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン、
n−オクタデシルトリエトキシシラン、n−オクタデシ
ルトリイソプロポキシシラン、n−オクタデシルトリt
ーブトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェ
ニルトリエトキシシラン、フェニルトリイソプロポキシ
シラン、フェニルトリtーブトキシシラン、γーグリシ
ドキシプロピルトリメトキシシラン、γーグリシドキシ
プロピルトリエトキシシラン、γーグリシドキシプロピ
ルトリイソプロポキシシラン、γーグリシドキシプロピ
ルトリtーブトキシシラン、β−(3,4−エポキシシ
クロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,
4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラ
ン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルト
リイソプロポキシシラン、β−(3,4−エポキシシク
ロヘキシル)エチルトリtーブトキシシラン、γー(メ
タ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γー
(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ
ー(メタ)アクリロキシプロピルトリイソプロポキシシ
ラン、γー(メタ)アクリロキシプロピルトリtーブト
キシシラン、γーアミノプロピルトリメトキシシラン、
γーアミノプロピルトリエトキシシラン、γーアミノプ
ロピルトリイソプロポキシシラン、γーアミノプロピル
トリtーブトキシシラン、γーメルカプトプロピルトリ
メトキシシラン、γーメルカプトプロピルトリエトキシ
シラン、γーメルカプトプロピルトリイソプロポキシシ
ラン、γーメルカプトプロピルトリtーブトキシシラ
ン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフ
ルオロプロピルトリエトキシシラン、トリフルオロプロ
ピルトリイソプロポキシシラン、トリフルオロプロピル
トリtーブトキシシラン、ヘプタデカフルオロオクチル
トリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロオクチルトリ
エトキシシラン、ヘプタデカフルオロオクチルトリイソ
プロポキシシラン、ヘプタデカフルオロオクチルトリt
ーブトキシシラン等が好適に利用できる。4官能シラン
誘導体としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキ
シシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラtーブ
トキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン等が好適に
利用できる。上記未硬化のシリコーンのうち、γーグリ
シドキシプロピル基、β−(3、4−エポキシシクロヘ
キシル)基、γー(メタ)アクリロキシ基等を有するも
のは、シロキサン架橋以外の有機架橋が形成可能であ
り、常温硬化性を得る上で好ましい。また、上記未硬化
のシリコーンにおいて、常温硬化性を高めるために、硬
化剤を添加してもよい。硬化剤としては、例えば、水酸
化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナト
リウムメチラート、酢酸ナトリウム、ギ酸ナトリウム、
酢酸カリウム、ギ酸カリウム、プロピオン酸カリウム、
テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルア
ンモニウムヒドロキシド等の塩基性化合物類;n−ヘキ
シルアミン、トリブチルアミン、ジアザビシクロウンデ
セン、エチレンジアミン、ヘキサンジアミン、ジエチレ
ントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレ
ンベンタミン、エタノールアミン類、γーアミノプロピ
ルトリメトキシシラン、γーアミノプロピルメチルジメ
トキシシラン、γー(2ーアミノメチル)ーアミノプロ
ピルトリメトキシシラン、γー(2ーアミノメチル)ー
アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のアミン化合
物;テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタ
ネート等のチタン化合物;アルミニウムトリイソブトキ
シド、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウ
ムアセチルアセトナート、過塩素酸アルミニウム、塩化
アルミニウム等のアルミニウム化合物;錫アセチルアセ
トナート、ジブチル錫オクチレート等の錫化合物;コバ
ルトオクチレート、コバルトアセチルアセトナート、鉄
アセチルアセトナート等の含金属化合物類;リン酸、硝
酸、フタル酸、pートルエンスルホン酸、トリクロル酢
酸等の酸性化合物類などが好適に利用できる。更に、硬
化被膜の硬度、耐擦傷性を向上させるために、或いは、
高屈折率化させて光沢性を向上させるために、金属酸化
物微粒子を添加してもよい。金属酸化物としては、シリ
カ、アルミナ、酸化セリウム、酸化錫、酸化ジルコニウ
ム、酸化ハフニウム、酸化アンチモン、酸化鉄、酸化チ
タン、希土類酸化物等が利用できる。
【0027】以下に、本発明の好ましい構成について説
明する。本発明のキッチンシンクの一実施態様において
は、ステンレス基材表面に、膜厚100nm以下の非晶
質シリカからなる親水性被膜が形成されている。親水性
被膜は、その表面が水との接触角30°以下であり、そ
の表面の表面粗さRaが触針式表面粗さ測定装置(JI
S−B0651)により、50nm以下である。尚、ス
テンレス基材と親水性被膜との間に無機酸化物被膜や着
色性被膜や無機酸化物を含む着色性被膜が設けられるよ
うにしてもよい。上記実施態様のシンクの製造方法は、
例えば、シンクの形状に予め加工したステンレス基材上
に、溶射法により、アモルファスシリカ層を形成する。
【0028】以下に、本発明の他の好ましい構成につい
て説明する。本発明のキッチンシンクの一実施態様にお
いては、ステンレス基材表面に、膜厚100nm以下の
フルオロ基含有シリコーン樹脂からなる撥水性被膜が形
成されている。撥水性被膜は、その表面が水との接触角
90°以上であり、その表面の表面粗さRaが触針式表
面粗さ測定装置(JIS−B0651)により、50n
m以下である。尚、ステンレス基材と親水性被膜との間
にプライマー層や無機酸化物層や着色性被膜や無機酸化
物を含む着色性被膜が設けられるようにしてもよい。ま
た、被膜表面の撥油性については、オレイン酸との接触
角で60°以上が好ましい。また、被膜表面の水の転落
角は50°以下が好ましい。上記実施態様のシンクの製
造方法は、例えば、フルオロアルキルシロキサン塗料
を、シンクの形状に予め加工したステンレス基材上に塗
布することにより形成する。
【0029】また、上記2つの実施態様において、キッ
チンシンク内の排水口位置と水栓器具からの放水位置と
が使用者に対して水平方向に反対側に位置しているのが
よく、好ましくは放水位置と排水口は対角に配置されて
いるのがよい。上記キッチンシンクを備えたシステムキ
ッチン或いは流し台において、水栓は回転可動可能に配
置されていてもよい。そうすることで、流水がシンク内
を充分に流れるようになり、水栓からの流水による除去
性が向上する。
【0030】また、上記2つの実施態様において、排水
口位置が、使用者に対して垂直方向で反対側に位置する
ようにするとよい。そうすることで、洗浄スペースが確
保されつつ、流水がシンク内を充分に流れるようにな
り、水栓からの流水による除去性が向上する。
【0031】また、上記2つの実施態様において、キッ
チンシンク底面に、排水口への導水溝が設けられていて
もよい。そうすることで、食器洗浄後の流水が導水溝へ
と流れ落ち、さらに排水口へと流れるようになるので、
流水がシンク内底面部を充分な面積流れるようになり、
水栓からの流水による除去性が向上する。上記キッチン
シンクを備えたシステムキッチン或いは流し台におい
て、水栓は回転可動可能に配置されていてもよい。
【0032】また、上記2つの実施態様において、キッ
チンシンク底面は、傾斜しており、その下方に排水口が
設けられているようにしてもよい。そうすることで、水
栓からの流水による除去性が向上する。
【0033】
【実施例】(実施例1) 親水被膜 キッチンシンクの部材として使用されているステンレス
板を用意し、その上にリチウムシリケートを塗布し、1
週間室温放置することにより製膜した。製膜したサンプ
ルの膜厚は70nmで、表面粗さは50nm、水との接
触角は3°であった。製膜膜特性を評価するため、表面
に食用油を滴下しその水洗による取れ易さを比較した。
実施例のサンプル表面の油はきれいに洗い流されたが、
従来のステンレス板ではその表面に油膜が広がって残
り、水洗だけでは流れ難い結果であった。
【0034】(実施例2) FAS膜 キッチンシンクの部材として使用されているステンレス
板を用意し、有機溶媒で洗浄後、たとえば撥水性シリコ
ーン皮膜となるヘプタデカフルオロデシルトリメトキシ
シランを含む撥水剤を調合し、ディッピングした。撥水
剤の調合はヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラ
ン 32g、水4.2g、硝酸2.6g、イソプロピル
アルコール1600gとした。撥水剤中にサンプルを3
0分間浸漬すると、サンプル膜表面には水酸基が多数含
まれているので、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキ
シシランのメトキシ基と前期水酸基が反応し、脱メトキ
シ反応が生じる。その後、サンプルを取り出し、自然乾
燥後に約200℃の温度で焼き付ける。サンプル表面に
はヘプタデカフルオロデシルシランの結合が生成され、
膜厚約2nm、水接触角は110°であった。製膜膜特
性を評価するため、表面に食用油を1滴、約0.2cc
滴下しその拭き取りのし易さを比較した。実施例のサン
プル表面の油はきれいに拭き取りされたが、従来のステ
ンレス板ではその表面に薄く油膜が残り拭き取りが難し
い結果であった。また、耐久性試験として、表面を布で
擦る試験を行った所、直接撥水性シリコーン皮膜をコー
トした場合には摩擦回数約20000回でも接触角は1
00°への低下に止まった。なお、耐久試験後のサンプ
ル表面の食用油拭き取り試験でもきれいにふき取ること
ができた。
【0035】(実施例3)キッチンシンクの部材として
使用されているステンレス板を用意し、ブラスト処理を
行い表面をあらす。次に、たとえばSiO2−TiO2
−Na2O−K2O−CaOから成る原料粉末を120
0℃で加熱溶解し、冷却後ガラス化したものを5〜25
μm程度の粒度分布になるように粉砕した後、フレーム
溶射装置を用いてステンレス板上に製膜する。膜厚は1
00μmであった。その上に更に実施例2と同じ手法で
撥水性シリコーン皮膜であるヘプタデカフルオロデシル
シランを形成した。耐久性試験として、表面を布で擦る
試験を行った所、本実施例では摩擦回数30000回後
も接触角は105°を維持し、耐久性が実施例2と比較
してより向上した。なお、耐久試験後のサンプル表面の
食用油拭き取り試験でもきれいにふき取ることができ
た。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、油性の汚れが水栓から
の流水程度で容易に除去可能であり、かつ洗浄時に誤っ
てシンク内に陶器製やガラス製の食器等を落としても割
れ難いキッチンシンク、及びそれを備えたシステムキッ
チン及び流し台を提供することが可能となる。

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステンレス基材表面に、膜厚100nm
    以下の防汚性被膜が形成されていることを特徴とするキ
    ッチンシンク。
  2. 【請求項2】 前記防汚性被膜は、その表面の表面粗さ
    Raが触針式表面粗さ測定装置(JIS−B0651)
    により、50nm以下であることを特徴とする請求項1
    に記載のキッチンシンク。
  3. 【請求項3】 前記防汚性被膜には、抗菌剤及び/又は
    抗黴剤が含有されていることを特徴とする請求項1又は
    2に記載のキッチンシンク。
  4. 【請求項4】 前記基材と前記防汚性被膜の間には、無
    機酸化物被膜が形成されていることを特徴とする請求項
    1〜3に記載のキッチンシンク。
  5. 【請求項5】 前記基材と前記防汚性被膜の間には、着
    色性被膜が形成されていることを特徴とする請求項1〜
    4に記載のキッチンシンク。
  6. 【請求項6】 前記防汚性被膜は、水との接触角30°
    以下の親水性被膜であることを特徴とする請求項1〜5
    に記載のキッチンシンク。
  7. 【請求項7】 前記親水性被膜は、無機酸化物被膜であ
    ることを特徴とする請求項6に記載のキッチンシンク。
  8. 【請求項8】 前記親水性被膜は、非晶質被膜であるこ
    とを特徴とする請求項7に記載のキッチンシンク。
  9. 【請求項9】 前記防汚性被膜は、水との接触角90°
    以上の撥水性被膜であることを特徴とする請求項1〜5
    に記載のキッチンシンク。
  10. 【請求項10】 前記撥水性被膜は、シリコーン被膜で
    あることを特徴とする請求項9に記載のキッチンシン
    ク。
  11. 【請求項11】 前記撥水性被膜は、フルオロ基を含有
    する被膜であることを特徴とする請求項9又は10に記
    載のキッチンシンク。
  12. 【請求項12】 キッチンシンク内の排水口位置と水栓
    器具からの放水位置とが使用者に対して水平方向に反対
    側に位置していることを特徴とする請求項1〜11に記
    載のキッチンシンク。
  13. 【請求項13】 排水口位置が、使用者に対して垂直方
    向で反対側に位置することを特徴とする請求項1〜12
    に記載のキッチンシンク。
  14. 【請求項14】 キッチンシンク底面に、排水口への導
    水溝が設けられていることを特徴とする請求項1〜13
    に記載のキッチンシンク。
  15. 【請求項15】 キッチンシンク底面は、傾斜してお
    り、その下方に排水口が設けられていることを特徴とす
    る請求項1〜14に記載のキッチンシンク。
  16. 【請求項16】 請求項1〜15に記載のキッチンシン
    クを備えていることを特徴とするシステムキッチン。
  17. 【請求項17】 請求項1〜15に記載のキッチンシン
    クを備えていることを特徴とする流し台。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111155051A (zh) * 2019-12-23 2020-05-15 浙江万合邦新材料科技有限公司 一种不锈钢、不锈钢表面处理工艺及其在水槽制备中的应用

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