JP2000302581A - 防汚性施釉製品 - Google Patents

防汚性施釉製品

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JP2000302581A
JP2000302581A JP11104813A JP10481399A JP2000302581A JP 2000302581 A JP2000302581 A JP 2000302581A JP 11104813 A JP11104813 A JP 11104813A JP 10481399 A JP10481399 A JP 10481399A JP 2000302581 A JP2000302581 A JP 2000302581A
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glazed
glazed product
layer
product
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JP11104813A
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Mitsuyoshi Machida
町田  光義
Hirotaka Ishibashi
弘孝 石橋
Tomoyasu Ichiki
智康 一木
Masaaki Ito
正昭 伊藤
Masami Ando
正美 安藤
Koichi Hayashi
浩一 林
Makoto Hayakawa
信 早川
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Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
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    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B41/00After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone
    • C04B41/009After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone characterised by the material treated
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B41/00After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone
    • C04B41/45Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements
    • C04B41/52Multiple coating or impregnating multiple coating or impregnating with the same composition or with compositions only differing in the concentration of the constituents, is classified as single coating or impregnation
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    • C04B2103/00Function or property of ingredients for mortars, concrete or artificial stone
    • C04B2103/0004Compounds chosen for the nature of their cations
    • C04B2103/0006Alkali metal or inorganic ammonium compounds

Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面に尿石、水垢等の水性汚れも、大便、垢
等の油性汚れも双方共に固着しにくく、水洗又は軽い布
拭き程度で容易に上記汚れの除去が可能な施釉製品の提
供。 【解決手段】 表面に釉薬層が形成された基材の表面
に、撥水性物質とアルカリ金属塩とを含む表面層が形成
されていることを特徴とする防汚性施釉製品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面に尿石、水垢
等の水性汚れも、大便、垢等の油性汚れも双方共に固着
しにくく、水洗又は軽い布拭き程度で容易に上記汚れの
除去が可能な施釉製品、施釉製品の表面に貼着するだけ
で、表面に尿石、水垢等の水性汚れも、大便、垢等の油
性汚れも双方共に固着しにくくなり、水洗又は軽い布拭
き程度で容易に上記汚れの除去が可能とする施釉製品用
貼着フィルム、及び施釉製品に塗布し必要に応じて加熱
して硬化被膜を形成させるだけで、表面に尿石、水垢等
の水性汚れも、大便、垢等の油性汚れも双方共に固着し
にくくなり、水洗又は軽い布拭き程度で容易に上記汚れ
の除去が可能とする施釉製品用コーティング組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術】施釉製品の表面を防汚加工することは、
施釉製品を清浄に保ち、衛生性や美観を高く保つために
役立つ。そのための方法として、従来より、例えば特開
平4ー240171号に示すような、施釉製品表面にフ
ッ素を含む化学吸着単分子膜を、シロキサン系単分子膜
を介して形成する方法が提案されている。かかる構造に
することにより、施釉製品表面が撥水性になり、便器汚
物や茶渋等の水性汚れが生じにくくなることも開示され
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、便器の
汚物のうちの主たる付着物である大便は、水分を除くと
その70%程度がオレイン酸やステアリン酸を代表とす
る油性成分である。(「生化学データブック(1)」、
東京化学同人、1161〜1162ページによる。)ま
た、洗面器には水垢以外に、人間の垢、指紋等も付着す
るが、その成分も油性成分である脂肪酸又は脂肪酸エス
テルである。このような油性の汚れに対しては、特開平
4ー240171号に示す防汚加工では、充分な防汚性
を発揮できない。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記課題を
解決すべく、表面に釉薬層が形成された基材の表面の少
なくとも一部に、撥水性物質とアルカリ金属塩とを含む
表面層が形成されていることを特徴とする防汚性施釉製
品を提供する。また、基材表面に、撥水性物質とアルカ
リ金属塩とを含む表面層が形成されており、基材の裏面
には接着剤層が形成されてなるフィルムであって、施釉
製品釉薬層表面に貼着して使用することにより、施釉製
品表面に付着する汚れを容易に除去しうるようになるこ
とを特徴とする施釉製品用貼着フィルムを提供する。基
材表面に撥水性物質が含有されていることにより、表面
が撥水性になり、施釉製品表面に、尿石、水垢等の水性
汚れが固着しにくくなる。さらに、Na塩、K塩等のア
ルカリ金属塩が含有されていることにより、大便、人間
の垢、指紋等の油性汚れが施釉製品表面に齎された場合
にも、水洗により容易に除去されるようになる。上記油
性汚れの除去性については以下のような現象であると考
えられる。油性汚れが施釉製品表面に齎された場合、こ
のNa、K等のアルカリ金属成分が置換反応により優先
的に上記油性汚れに付加され、或いは吸着される。それ
により、上記汚れの水との親和性が向上し、汚れが低分
子の場合には汚れが水溶性化(ケン化)される。それに
より、上記汚れの施釉製品表面への親和性よりも水との
親和性が高くなり、上記汚れが水洗により容易に除去さ
れるようになる。また、一度離脱した汚れが再吸着する
のが防止されるのは、表面の撥水性及びNa、K等のア
ルカリ金属成分のビルダー作用の相乗的効果による。
【0005】
【発明の実施の形態】図1に本発明に係る施釉製品の基
本的構造に関する一実施例をしめす。図1では、表面に
釉薬層が形成された基材1の表面に、撥水性物質とアル
カリ金属塩とを含む表面層2が形成されている。図2に
本発明に係る施釉製品の基本的構造に関する他の実施例
を示す。図2では、表面に釉薬層が形成された基材11
の表面の一部に、撥水性物質とアルカリ金属塩とを含む
表面層12が形成されている。図2の態様は、全面では
なく、例えば、便器におけるボール面、溜水部やリム
裏、洗面器のボール面等所望の部分にのみ表面層12を
固定する構成である。
【0006】図3に本発明に係る施釉製品の基本的構造
に関する他の実施例を示す。図3では、表面に釉薬層が
形成された基材21の表面に、複数の層からなる表面層
22が形成されている。より具体的には、基材21の表
面に、アルカリ金属塩を含む層23が形成されており、
その表面に撥水性物質を含む層24が形成されている。
図4に本発明に係る施釉製品の基本的構造に関する他の
実施例を示す。図4では、表面に釉薬層が形成された基
材31の表面の一部に、複数の層からなる表面層32が
形成されている。より具体的には、基材31の表面の一
部に、アルカリ金属塩を含む層33が形成されており、
その表面に撥水性物質を含む層34が形成されている。
図4の態様は、全面ではなく、例えば、便器におけるボ
ール面、溜水部やリム裏、洗面器のボール面等所望の部
分にのみアルカリ金属塩を含む層33及び撥水性物質を
含む層32を固定する構成である。図3、4の態様にお
いては、撥水性物質を含む層表面にアルカリ金属塩が徐
放されて油性汚れの水洗除去性が発揮されるようにな
る。徐放を制御するために、撥水性物質を含む層を多孔
質にしたり、層の厚みを制御したりしてもよい。層の厚
みは、1nm〜10μm程度、好ましくは10nm〜1
μm程度にするとよい。
【0007】また、図5には本発明に係る施釉製品用貼
着フィルムの基本的構造に関する一実施例を示す。図5
では、離型シート46表面に接着剤層45が形成され、
さらにその上にフィルム基材41が形成され、さらにそ
の表面に、撥水性物質とアルカリ金属塩とを含む表面層
42が形成されている。
【0008】また、図6には本発明に係る施釉製品用貼
着フィルムの基本的構造に関する他の実施例を示す。図
6では、離型シート56表面に接着剤層55が形成さ
れ、さらにその上にフィルム基材51が形成され、さら
にその表面に複数の層からなる表面層52が形成されて
いる。より具体的には、フィルム基材51の表面に、ア
ルカリ金属塩を含む層53が形成されており、その表面
に撥水性物質を含む層54が形成されている。図6の態
様においては、撥水性物質を含む層表面にアルカリ金属
塩が徐放されて油性汚れの水洗除去性が発揮されるよう
になる。徐放を制御するために、撥水性物質を含む層を
多孔質にしたり、層の厚みを制御したりしてもよい。層
の厚みは、1nm〜10μm程度、好ましくは10nm
〜1μm程度にするとよい。
【0009】本発明では、いずれの実施態様において
も、施釉製品表面の撥水性の度合いは、接触角測定器に
よる水との接触角が90度以上がよく、好ましくは11
0度以上であり、より好ましくは140度以上である。
また、表面は触針式表面粗さ測定器(JIS−B065
1)による表面粗さRa<100nm程度の平滑にして
もよい。そうすることにより、汚れが固着しにくく、除
菌性が向上する。また、表面に微細な凹凸を設けてもよ
い。そうすることにより、撥水性が向上する。ここで、
微細な凹凸は、原子間力顕微鏡による表面粗さRaが
0.5〜500nm程度、好ましくは0.5〜50nm
程度の凹凸にするのがよい。
【0010】本発明において、施釉製品とは、以下に限
定されるものではないが、例えば、材質的には、陶磁
器、ホーロー、施釉セメント、施釉コンクリート等であ
り、商品的には、洋式大便器、和式大便器、小便器、便
器のサナ、便器タンク、洗面器、手洗器等の衛生陶器、
食器、タイル、建材、キッチンパネル、浴室用壁、浴室
用床、浴室用天井、浴槽、外壁、家庭やオフィスの内
装、トンネル内装、トイレ床、トイレ壁等に好適に利用
できる。
【0011】アルカリ金属塩としては、例えば、炭酸ナ
トリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸セシウ
ム、炭酸ルビジウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、
珪酸リチウム、珪酸セシウム、珪酸ルビジウム、塩化ナ
トリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、塩化セシウ
ム、塩化ルビジウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、
酢酸リチウム、酢酸セシウム、酢酸ルビジウム、硫酸ナ
トリウム、、硫酸カリウム、硫酸リチウム、硫酸セシウ
ム、硫酸ルビジウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、
硝酸リチウム、硝酸セシウム、硝酸ルビジウム、乳酸ナ
トリウム、乳酸カリウム、乳酸リチウム、乳酸セシウ
ム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸
リチウム、クエン酸セシウム、クエン酸ルビジウム、ホ
ウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、ホウ酸リチウム、ホ
ウ酸セシウム、ホウ酸ルビジウム、プロピオン酸ナトリ
ウム、プロピオン酸カリウム、プロピオン酸リチウム、
プロピオン酸セシウム、プロピオン酸ルビジウム、酪酸
ナトリウム、酪酸カリウム、酪酸リチウム、酪酸セシウ
ム、酪酸ルビジウム、ギ酸ナトリウム、ギ酸カリウム、
ギ酸リチウム、ギ酸セシウム、ギ酸ルビジウム、安息香
酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸リチウム、
安息香酸セシウム、安息香酸ルビジウム、フマル酸ナト
リウム、フマル酸カリウム、フマル酸リチウム、フマル
酸セシウム、フマル酸ルビジウム、ラウリン酸ナトリウ
ム、ラウリン酸カリウム、ラウリン酸リチウム、ラウリ
ン酸セシウム、ラウリン酸ルビジウム、マレイン酸ナト
リウム、マレイン酸カリウム、マレイン酸リチウム、マ
レイン酸セシウム、マレイン酸ルビジウム、マロン酸ナ
トリウム、マロン酸カリウム、マロン酸リチウム、マロ
ン酸セシウム、マロン酸ルビジウム、オレイン酸ナトリ
ウム、オレイン酸カリウム、オレイン酸リチウム、オレ
イン酸セシウム、オレイン酸ルビジウム、カルボキシメ
チルセルロース(CMC)、ビタミンA、ビタミンB複
合体、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、水ガラ
ス、Na(AuCl4)・2H2O等が好適に利用でき
る。
【0012】撥水性物質としては、これに限定されるも
のではないが、例えば、シリコーン、フッ素樹脂、フッ
素化合物、シロキサン架橋とシロキサン以外の架橋によ
り重合されたシリコン系樹脂等が好適に利用できる。上
記物質は、一種単独でもよいし、複数種を混合して用い
てもよい。
【0013】本発明の施釉製品において、撥水性物質が
シリコーンである態様においては、必要に応じて加水分
解した後、重合させることによりシリコーン樹脂膜を形
成可能な前駆体と、アルカリ金属塩を含有するコーティ
ング組成物を、施釉製品釉薬層表面に適用し、重合硬化
させて被膜を形成することにより得ることができる。
【0014】或いは、アルカリ金属塩を含有するコーテ
ィング組成物を、施釉製品釉薬層表面に適用した後、必
要に応じて加水分解した後重合させることによりシリコ
ーン樹脂膜を形成可能な前駆体をその上に適用し、重合
硬化させて被膜を形成することにより得ることができ
る。
【0015】ここで、必要に応じて(部分的に)加水分
解した後、重合させることによりシリコーン樹脂膜を形
成可能な前駆体とは、シリコーン中のケイ素原子に1つ
以上の有機基が結合されているシリコーン、すなわち、
平均組成式RpSiXqO(4−p−q)/2(式中、
Rは、炭素数1〜18の一価の有機基、Xは炭素数1〜
4のアルコキシ基であり、p及びqは、0<p<2、0
<q<4、0<p+q<4を満足する数である)で表さ
れるシリコーンを硬化させて得た被膜を形成しうるコー
ティング組成物であり、任意の有機基を有する2官能シ
ラン誘導体モノマー及び/又は3官能シラン誘導体モノ
マーに、必要に応じて4官能シラン誘導体モノマー(分
子当り4個の加水分解性基を有し、各ケイ素原子に4つ
の酸素原子が結合した4官能シロキサン結合を形成する
モノマー)を配合させた組成物である。ここで、任意の
2官能シラン誘導体モノマー単位として、例えば、ジメ
チルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジ
フェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラ
ン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルメチル
ジエトキシシラン、ヘプタデカフルオロオクチルメチル
ジメトキシシラン、ヘプタデカフルオロオクチルメチル
ジエトキシシラン、γーグリシドキシプロピルメチルジ
メトキシシラン、γーグリシドキシプロピルメチルジエ
トキシシラン、γー(メタ)アクリロキシプロピルメチ
ルジメトキシシラン、γー(メタ)アクリロキシプロピ
ルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシ
クロヘキシル)エチルジエトキシシラン、β−(3,4
−エポキシシクロヘキシル)エチルジイソプロポキシシ
ラン、γーアミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ
ーアミノプロピルメチルジエトキシシラン等を好適に利
用できる。また、任意の有機基を有する3官能シラン誘
導体モノマー単位として、例えば、メチルトリメトキシ
シラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプ
ロポキシシラン、メチルトリtーブトキシシラン、エチ
ルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エ
チルトリイソプロポキシシラン、エチルトリtーブトキ
シシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロ
ピルトリエトキシシラン、n−プロピルトリイソプロポ
キシシラン、n−プロピルトリtーブトキシシラン、n
−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエト
キシシラン、n−ヘキシルトリイソプロポキシシラン、
n−ヘキシルトリtーブトキシシラン、n−デシルトリ
メトキシシラン、n−デシルトリエトキシシラン、n−
デシルトリイソプロポキシシラン、n−デシルトリtー
ブトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラ
ン、n−オクタデシルトリエトキシシラン、n−オクタ
デシルトリイソプロポキシシラン、n−オクタデシルト
リtーブトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、
フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリイソプロポ
キシシラン、フェニルトリtーブトキシシラン、トリフ
ルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロプロ
ピルトリエトキシシラン、トリフルオロプロピルトリイ
ソプロポキシシラン、トリフルオロプロピルトリtーブ
トキシシラン、ヘプタデカフルオロオクチルトリメトキ
シシラン、ヘプタデカフルオロオクチルトリエトキシシ
ラン、ヘプタデカフルオロオクチルトリイソプロポキシ
シラン、ヘプタデカフルオロオクチルトリtーブトキシ
シラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキ
シシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルト
リtーブトキシシラン、γーグリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン、γーグリシドキシプロピルトリエトキ
シシラン、γーグリシドキシプロピルトリイソプロポキ
シシラン、γーグリシドキシプロピルトリtーブトキシ
シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチ
ルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロ
ヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−
エポキシシクロヘキシル)エチルトリイソプロポキシシ
ラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル
トリtーブトキシシラン、γー(メタ)アクリロキシプ
ロピルトリメトキシシラン、γー(メタ)アクリロキシ
プロピルトリエトキシシラン、γー(メタ)アクリロキ
シプロピルトリイソプロポキシシラン、γー(メタ)ア
クリロキシプロピルトリtーブトキシシラン、γーアミ
ノプロピルトリメトキシシラン、γーアミノプロピルト
リエトキシシラン、γーアミノプロピルトリイソプロポ
キシシラン、γーアミノプロピルトリtーブトキシシラ
ン、γーメルカプトプロピルトリメトキシシラン、γー
メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γーメルカプ
トプロピルトリイソプロポキシシラン、γーメルカプト
プロピルトリtーブトキシシラン等を好適に利用でき
る。4官能シラン誘導体としては、テトラメトキシシラ
ン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラ
ン、テトラtーブトキシシラン、ジメトキシジエトキシ
シラン等が好適に利用できる。
【0016】シリコーン樹脂膜にフルオロ基を含有する
シリコーン樹脂を使用すると、優れた撥水性が生じやす
く好ましい。
【0017】本発明の施釉製品において、撥水性物質が
フッ素樹脂である態様においては、重合又は軟化させる
ことによりフッ素樹脂膜を形成可能な前駆体と、アルカ
リ金属塩を含有するコーティング組成物を、施釉製品釉
薬層表面に適用し、重合硬化させて被膜を形成すること
により得ることができる。或いは、アルカリ金属塩を含
有するコーティング組成物を、施釉製品釉薬層表面に適
用し、さらにその上に重合又は軟化させることによりフ
ッ素樹脂膜を形成可能な前駆体を適用し、重合硬化させ
て被膜を形成することにより得ることができる。ここで
フッ素樹脂としては、例えば、ポリフッ化ビニル、ポリ
フッ化ビニリデン、ポリ塩化三フッ化エチレン、ポリ四
フッ化エチレン、ポリ四フッ化エチレンー六フッ化プロ
ピレンコポリマー、エチレンーポリ四フッ化エチレンコ
ポリマー、エチレンーポリ塩化三フッ化エチレンコポリ
マー、四フッ化エチレンーパーフルオロアルキルビニル
エーテルコポリマー、パーフルオロシクロポリマー、ビ
ニルエーテルーフルオロオレフィンコポリマー、ビニル
エステルーフルオロオレフィンコポリマー等が好適に利
用できる。
【0018】本発明の施釉製品において、撥水性物質が
フッ素化合物である態様においては、フッ素化合物とア
ルカリ金属塩を含有するコーティング組成物を、施釉製
品釉薬層表面に適用して被膜を形成することにより得る
ことができる。或いは、アルカリ金属塩を含有するコー
ティング組成物を、施釉製品釉薬層表面に適用し、その
上にフッ素化合物を適用して被膜を形成することにより
得ることができる。ここで、フッ素化合物としては、例
えば、フッ化リチウム、フッ化マグネシウム、フッ化カ
ルシウム、フッ化ストロンチウム、フッ化バリウム、フ
ッ化スカンジウム、フッ化イットリウム、フッ化ジルコ
ニウム、フッ化ハフニウム、フッ化マンガン、フッ化
鉄、フッ化コバルト、フッ化ニッケル、フッ化銅、フッ
化アルミニウム、フッ化ガリウム、フッ化インジウム、
フッ化ビスマス、フッ化ランタン、フッ化セリウム、フ
ッ化プラセオジウム、フッ化ネオジウム、フッ化サマリ
ウム、フッ化ユーロピウム、フッ化テルビウム、フッ化
ジスプロシウム、フッ化ホルミウム、フッ化エルビウ
ム、フッ化ツリウム、フッ化イッテルビウム、フッ化ル
テチウム等が好適に利用できる。
【0019】本発明の施釉製品において、撥水性物質が
シロキサン架橋とシロキサン以外の架橋により重合され
たシリコン系樹脂である態様においては、必要に応じて
加水分解した後、重合させることによりSi−O−Si
結合以外に少なくとも一部にR同士の架橋が形成されて
いるシリコーン樹脂膜を形成可能な前駆体と、アルカリ
金属塩を含有するコーティング組成物を、施釉製品釉薬
層表面に適用し、重合硬化させて被膜を形成することに
より得ることができる。或いは、アルカリ金属塩を含有
するコーティング組成物を、施釉製品釉薬層表面に適用
し、さらにその上に必要に応じて加水分解した後重合さ
せることによりSi−O−Si結合以外に少なくとも一
部にR同士の架橋が形成されているシリコーン樹脂膜を
形成可能な前駆体を適用し、重合硬化させて被膜を形成
することにより得ることができる。この態様において
は、Si−O−Si結合以外に、少なくとも一部にR同
士の架橋が形成されているので、常にアンモニア塩基環
境に曝されている便器のように、アルカリ環境で使用さ
れる場合にも、使用条件下で充分な耐久性を有しなが
ら、撥水性物質の作用により、尿石、水垢等の水性汚れ
が付着しにくくなる。さらに、シロキサンのみから成る
膜は元来硬い膜であるが、シロキサンよりも柔らかい成
分が入ることにより、シリコーン樹脂膜に可撓性が付与
され、膜が柔軟になる。尿石、水垢等の水性汚れはCa
化合物、Si化合物等の硬質かつ脆性な無機物からなる
ので、その下部にある材料が柔軟であれば、汚れ被膜に
温度変化や流水等の要因でクラックが生じやすくなり容
易に汚れ被膜が剥離される効果も期待できる。
【0020】ここで、必要に応じて(部分的に)加水分
解した後、重合させることによりSi−O−Si結合以
外に少なくとも一部にR同士の架橋が形成されているシ
リコーン樹脂膜を形成可能な前駆体とは、シリコーン中
のケイ素原子に1つ以上の有機基が結合されているシリ
コーン、すなわち、平均組成式RpSiXqO(4−p
−q)/2(式中、Rは、炭素数1〜18の一価の有機
基、Xは炭素数1〜4のアルコキシ基であり、p及びq
は、0<p<2、0<q<4、0<p+q<4を満足す
る数である)で表されるシリコーンを硬化させて得た被
膜を形成しうるコーティング組成物であり、かつ縮合架
橋可能な有機基を有する2官能シラン誘導体モノマー
(分子当り2個の加水分解性基を有し、各ケイ素原子に
2つの酸素原子が結合した2官能シロキサン結合を形成
するモノマー)及び/又は3官能シラン誘導体モノマー
(分子当り3個の加水分解性基を有し、各ケイ素原子に
3つの酸素原子が結合した3官能シロキサン結合を形成
するモノマー)を必須成分とし、必要に応じて任意の有
機基を有する2官能シラン誘導体モノマー及び/又は3
官能シラン誘導体モノマーや、4官能シラン誘導体モノ
マー(分子当り4個の加水分解性基を有し、各ケイ素原
子に4つの酸素原子が結合した4官能シロキサン結合を
形成するモノマー)を配合させた組成物である。ここ
で、縮合架橋可能な有機基を有する2官能シラン誘導体
モノマー単位としては、例えば、γーグリシドキシプロ
ピルメチルジメトキシシラン、γーグリシドキシプロピ
ルメチルジエトキシシラン、γー(メタ)アクリロキシ
プロピルメチルジメトキシシラン、γー(メタ)アクリ
ロキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4
−エポキシシクロヘキシル)エチルジエトキシシラン、
β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルジイソ
プロポキシシラン、γーアミノプロピルメチルジメトキ
シシラン、γーアミノプロピルメチルジエトキシシラン
等が好適に利用できる。また、縮合架橋可能な有機基を
有する3官能シラン誘導体モノマー単位としては、例え
ば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシ
ラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリt
ーブトキシシラン、γーグリシドキシプロピルトリメト
キシシラン、γーグリシドキシプロピルトリエトキシシ
ラン、γーグリシドキシプロピルトリイソプロポキシシ
ラン、γーグリシドキシプロピルトリtーブトキシシラ
ン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルト
リメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキ
シル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポ
キシシクロヘキシル)エチルトリイソプロポキシシラ
ン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルト
リtーブトキシシラン、γー(メタ)アクリロキシプロ
ピルトリメトキシシラン、γー(メタ)アクリロキシプ
ロピルトリエトキシシラン、γー(メタ)アクリロキシ
プロピルトリイソプロポキシシラン、γー(メタ)アク
リロキシプロピルトリtーブトキシシラン、γーアミノ
プロピルトリメトキシシラン、γーアミノプロピルトリ
エトキシシラン、γーアミノプロピルトリイソプロポキ
シシラン、γーアミノプロピルトリtーブトキシシラ
ン、γーメルカプトプロピルトリメトキシシラン、γー
メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γーメルカプ
トプロピルトリイソプロポキシシラン、γーメルカプト
プロピルトリtーブトキシシラン等が好適に利用でき
る。その他に、任意の2官能シラン誘導体モノマー単位
として、例えば、ジメチルジメトキシシラン、ジメチル
ジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフ
ェニルジエトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシ
ラン、フェニルメチルジエトキシシラン、ヘプタデカフ
ルオロオクチルメチルジメトキシシラン、ヘプタデカフ
ルオロオクチルメチルジエトキシシラン等を好適に利用
できる。その他に、任意の有機基を有する3官能シラン
誘導体モノマー単位として、例えば、メチルトリメトキ
シシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソ
プロポキシシラン、メチルトリtーブトキシシラン、エ
チルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、
エチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリtーブト
キシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プ
ロピルトリエトキシシラン、n−プロピルトリイソプロ
ポキシシラン、n−プロピルトリtーブトキシシラン、
n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエ
トキシシラン、n−ヘキシルトリイソプロポキシシラ
ン、n−ヘキシルトリtーブトキシシラン、n−デシル
トリメトキシシラン、n−デシルトリエトキシシラン、
n−デシルトリイソプロポキシシラン、n−デシルトリ
tーブトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシ
ラン、n−オクタデシルトリエトキシシラン、n−オク
タデシルトリイソプロポキシシラン、n−オクタデシル
トリtーブトキシシラン、フェニルトリメトキシシラ
ン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリイソプ
ロポキシシラン、フェニルトリtーブトキシシラン、ト
リフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロ
プロピルトリエトキシシラン、トリフルオロプロピルト
リイソプロポキシシラン、トリフルオロプロピルトリt
ーブトキシシラン、ヘプタデカフルオロオクチルトリメ
トキシシラン、ヘプタデカフルオロオクチルトリエトキ
シシラン、ヘプタデカフルオロオクチルトリイソプロポ
キシシラン、ヘプタデカフルオロオクチルトリtーブト
キシシラン等を好適に利用できる。4官能シラン誘導体
としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラ
ン、テトライソプロポキシシラン、テトラtーブトキシ
シラン、ジメトキシジエトキシシラン等が好適に利用で
きる。
【0021】また、本発明の表面層又はコーティング組
成物に、常温硬化性を高めるために、硬化剤を添加して
もよい。硬化剤としては、例えば、水酸化リチウム、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラー
ト、酢酸ナトリウム、ギ酸ナトリウム、酢酸カリウム、
ギ酸カリウム、プロピオン酸カリウム、テトラメチルア
ンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムヒド
ロキシド等の塩基性化合物類;n−ヘキシルアミン、ト
リブチルアミン、ジアザビシクロウンデセン、エチレン
ジアミン、ヘキサンジアミン、ジエチレントリアミン、
トリエチレンテトラミン、テトラエチレンベンタミン、
エタノールアミン類、γーアミノプロピルトリメトキシ
シラン、γーアミノプロピルメチルジメトキシシラン、
γー(2ーアミノメチル)ーアミノプロピルトリメトキ
シシラン、γー(2ーアミノメチル)ーアミノプロピル
メチルジメトキシシラン等のアミン化合物;テトライソ
プロピルチタネート、テトラブチルチタネート等のチタ
ン化合物;アルミニウムトリイソブトキシド、アルミニ
ウムトリイソプロポキシド、アルミニウムアセチルアセ
トナート、過塩素酸アルミニウム、塩化アルミニウム等
のアルミニウム化合物;錫アセチルアセトナート、ジブ
チル錫オクチレート等の錫化合物;コバルトオクチレー
ト、コバルトアセチルアセトナート、鉄アセチルアセト
ナート等の含金属化合物類;リン酸、硝酸、フタル酸、
pートルエンスルホン酸、トリクロル酢酸等の酸性化合
物類などが好適に利用できる。
【0022】また、本発明の表面層又はコーティング組
成物に、硬化被膜の硬度、耐擦傷性を向上させるため
に、或いは、高屈折率化させて光沢性を向上させるため
に、金属酸化物微粒子を添加してもよい。金属酸化物と
しては、シリカ、アルミナ、酸化セリウム、酸化錫、酸
化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化アンチモン、酸
化鉄、酸化チタン、希土類酸化物等が利用できる。
【0023】上記コーティング組成物は、コーティング
組成物の保存安定性を向上させるために非水系の溶媒に
分散されているのが望ましい。非水系の溶媒としては、
アルコール、ケトン、エステル、トルエン、キシレン、
ヘキサン等が好適に利用できる。
【0024】本発明では、撥水性物質として、(A)シ
リコーンやシロキサン架橋とシロキサン以外の架橋によ
り重合されたシリコン系樹脂と、(B)フッ素樹脂やフ
ッ素化合物を、併用して用いてもよい。そうすることに
より、フッ素樹脂やフッ素化合物の有する優れた撥水性
能と、シリコーンの優れたバインダー性能を利用して、
良好な撥水性と耐摩耗性を兼ね備えた施釉製品、施釉製
品用貼着フィルムが提供可能となる。
【0025】本発明のシリコーン樹脂膜又は施釉製品用
コーティング組成物には、さらに抗菌剤が添加されてい
てもよい。ここで、抗菌剤には、銀、銅、亜鉛等の抗菌
性金属及びその化合物微粒子またはシリカゲルやゼオラ
イトなどの担体へ担持物、第四級アンモニウム塩、ニト
リル誘導体、イミダゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘
導体、イソチアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、
トリアジン誘導体、スルホン誘導体、フェノール誘導
体、フェノールエーテル誘導体、ピロール誘導体等が好
適に利用できる。
【0026】上記抗菌剤は、その一部が外気に接するよ
うに露出固定させてもよい。そうすることで、使用初期
における抗菌性が向上する。
【0027】
【実施例】(比較例1) グラスカのみ ケイ砂、長石、粘土等を原料として調製した衛生陶器素
地泥漿を用いて、70×150mmの板状の鋳込み成形
体を作製し、SiO2−Al23−Na2Oを主成分とす
る釉薬をスプレーコーティング法により塗布し、110
0〜1200℃で焼成することにより板状試料を得た。
次に、この板状試料の釉薬層表面全体に、JSR製グラ
スカB603をスプレーコーティングした。室温で30
分間乾燥させた後、200℃で30分間かけて加熱硬化
させ、シリコーンとアクリルから成る被膜を形成させ
た。得られた試料について、被膜表面の水及びオレイン
酸との接触角測定、大便器での使用を想定した疑似汚れ
による水中及び空気中での耐汚染性試験を行った。被膜
表面の水及びオレイン酸との接触角は、接触角測定器
(協和界面科学製、CA−X150)を用い、マイクロ
シリンジから釉薬層表面に水ないしオレイン酸を滴下し
た後30秒後に測定した。その結果、水との接触角は9
4°、オレイン酸との接触角は34°であった。大便器
での使用を想定した疑似汚れによる水中での耐汚染試験
は、初めに、オレイン酸200重量部、エンジンオイル
1重量部、オイルブラック1重量部から成る疑似汚れを
作製した。ここで、オレイン酸は大便中の主要成分、エ
ンジンオイルとオイルブラックは油が目視で見えやすい
ようにするための添加剤である。次に、300ccビー
カーに蒸留水を約270cc入れ、続いて、上記疑似汚
れを約30cc入れた。このビーカー中に上記板状試料
を沈め、試料沈降時に被膜表面に付着した油汚れが水中
で剥離するまでの時間を計測した。その結果、5分間経
っても被膜表面の大部分に油膜が残っていた。また、疑
似汚れによる空気中での耐汚染試験は、上記疑似汚れ
0.3ccを水平に置いた板状試料の中央に滴下し、そ
の後、垂直に傾けて5分間経過した時に被膜表面上の疑
似汚れの残存状態を目視により評価した。その結果、被
膜表面には極微量の油滴があるものの、滴下した油汚れ
はほぼ完全に流れ落ちていた。
【0028】(実施例1) グラスカ+Na JSR製グラスカB603を100重量部に対して、乳
酸ナトリウム粉末を5重量部(グラスカの固形分に対し
て10重量%)添加し、マグネティックスターラーによ
り撹拌・混合してコーティング液を準備した。次に、比
較例1で作製した板状試験片の釉薬層表面全体に、上記
コーティング液をスプレーコーティング法により塗布し
た。室温で30分間乾燥させた後、150℃で30分間
かけて加熱硬化させ、ナトリウム塩を含有するシリコー
ンとアクリルから成る被膜を形成させた得られた試料に
ついて、比較例1と同様に評価したところ、水との接触
角は90°、オレイン酸との接触角は40°であった。
疑似汚れによる水中での耐汚染試験については、水没後
100秒後に被膜表面に付着した油膜がほぼ完全に剥離
した。疑似汚れによる空気中での耐汚染性試験について
は、被膜表面には極微量の油滴があるものの、滴下した
油汚れはほぼ完全に流れ落ちていた。
【0029】(実施例2) グラスカ+Naのフィルム JSR製グラスカB603を100重量部に対して、硬
化剤H552を20重量部及び乳酸ナトリウム粉末を5
重量部(グラスカの固形分に対して10重量%)添加
し、マグネティックスターラーにより撹拌、混合してコ
ーティング液を準備した。次に、市販のPETフィルム
を基材とし、ロールコーターを用いて上記コーティング
液を基材上に約1μmの厚みで塗布し、120℃で5分
間かけて加熱硬化させ、ナトリウム塩を含有するシリコ
ーンとアクリルから成る被膜が形成されたPETフィル
ムを得た。さらに、上記の如くして得られたPETフィ
ルムのコーティングされていない面にスチレンブタジエ
ンゴム系接着剤を塗布し、比較例1で作製した板状試験
片の釉薬層表面に貼り付け、評価用の試料とした。得ら
れた試料について、比較例1と同様に評価したところ、
水との接触角は92°、オレイン酸との接触角は42°
であった。疑似汚れによる水中での耐汚染試験について
は、水没後90秒後に被膜表面に付着した油膜がほぼ完
全に剥離した。疑似汚れによる空気中での耐汚染性試験
については、被膜表面には極微量の油滴があるものの、
滴下した油汚れはほぼ完全に流れ落ちていた。
【0030】以上のように、本発明の実施例において
は、特に水中での付着汚れが残存しにくい表面になって
おり、そのため、実使用においても汚物が除去し易くな
っているものと推定される。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、表面に尿石、水垢等の
水性汚れも、大便、垢等の油性汚れも双方共に固着しに
くく、水洗又は軽い布拭き程度で容易に上記汚れの除去
が可能な施釉製品、施釉製品の表面に貼着するだけで、
表面に尿石、水垢等の水性汚れも、大便、垢等の油性汚
れも双方共に固着しにくくなり、水洗又は軽い布拭き程
度で容易に上記汚れの除去が可能とする施釉製品用貼着
フィルム、及び施釉製品に塗布し必要に応じて加熱して
硬化被膜を形成させるだけで、表面に尿石、水垢等の水
性汚れも、大便、垢等の油性汚れも双方共に固着しにく
くなり、水洗又は軽い布拭き程度で容易に上記汚れの除
去が可能とする施釉製品用コーティング組成物を提供す
ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る施釉製品の一実施態様を示す
図。
【図2】 本発明に係る施釉製品の他の実施態様を示す
図。
【図3】 本発明に係る施釉製品の他の実施態様を示す
図。
【図4】 本発明に係る施釉製品の他の実施態様を示す
図。
【図5】 本発明に係る施釉製品用貼着フィルムの一実
施態様を示す図。
【図6】 本発明に係る施釉製品用貼着フィルムの他の
実施態様を示す図。
【符号の説明】
1、11、21、31、41、51…基材 2、12、22、32、42、52…表面層 23、33、53…アルカリ金属塩を含む層 24、34、54…撥水性物質を含む層 45、55…接着剤層 46、56…離型シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 正昭 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 安藤 正美 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 林 浩一 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 早川 信 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に釉薬層が形成された基材の表面の
    少なくとも一部に、撥水性物質とアルカリ金属塩とを含
    む表面層が形成されていることを特徴とする防汚性施釉
    製品。
  2. 【請求項2】 表面に釉薬層が形成された基材の表面の
    少なくとも一部に、アルカリ金属塩を含む層が形成され
    ており、さらにその上に撥水性物質を含む層が形成され
    ていることを特徴とする防汚性施釉製品。
  3. 【請求項3】 前記撥水性物質は、シリコーンであるこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載の防汚性施釉製
    品。
  4. 【請求項4】 前記撥水性物質は、フッ素樹脂であるこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載の防汚性施釉製
    品。
  5. 【請求項5】 前記撥水性物質は、フッ素化合物である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の防汚性施釉製
    品。
  6. 【請求項6】 前記撥水性物質は、シロキサン架橋とシ
    ロキサン以外の架橋により重合されたシリコン系樹脂膜
    であることを特徴とする請求項1又は2に記載の防汚性
    施釉製品。
  7. 【請求項7】 前記表面層には、さらに抗菌剤が添加さ
    れていることを特徴とする請求項1〜6に記載の防汚性
    施釉製品。
  8. 【請求項8】 前記抗菌剤は少なくともその一部が外気
    に接するように露出固定されていることを特徴とする請
    求項7に記載の防汚性施釉製品。
  9. 【請求項9】 基材表面に、撥水性物質とアルカリ金属
    塩とを含む表面層が形成されており、基材の裏面には接
    着剤層が形成されてなるフィルムであって、施釉製品釉
    薬層表面に貼着して使用することにより、施釉製品表面
    に付着する汚れを容易に除去しうるようになることを特
    徴とする施釉製品用貼着フィルム。
  10. 【請求項10】 基材表面に、アルカリ金属塩とを含む
    層が形成されており、その上に撥水性物質とを含む層が
    形成されており、基材の裏面には接着剤層が形成されて
    なるフィルムであって、施釉製品釉薬層表面に貼着して
    使用することにより、施釉製品表面に付着する汚れを容
    易に除去しうるようになることを特徴とする施釉製品用
    貼着フィルム。
  11. 【請求項11】 前記撥水性物質は、シリコーンである
    ことを特徴とする請求項10に記載の防汚性施釉製品用
    貼着フィルム。
  12. 【請求項12】 前記撥水性物質は、フッ素樹脂である
    ことを特徴とする請求項10に記載の防汚性施釉製品用
    貼着フィルム。
  13. 【請求項13】 前記撥水性物質は、フッ素化合物であ
    ることを特徴とする請求項10に記載の防汚性施釉製品
    用貼着フィルム。
  14. 【請求項14】 前記撥水性物質は、シロキサン架橋と
    シロキサン以外の架橋により重合されたシリコン系樹脂
    であることを特徴とする請求項10に記載の防汚性施釉
    製品用貼着フィルム。
  15. 【請求項15】 前記表面層には、さらに抗菌剤が添加
    されていることを特徴とする請求項10〜14に記載の
    防汚性施釉製品用貼着フィルム。
  16. 【請求項16】 前記抗菌剤は少なくともその一部が外
    気に接するように露出固定されていることを特徴とする
    請求項15に記載の防汚性施釉製品。
  17. 【請求項17】 必要に応じて加水分解した後、重合さ
    せることによりシリコーン樹脂膜を形成可能な前駆体
    と、アルカリ金属塩を含有するコーティング組成物であ
    って、施釉製品釉薬層表面に重合被膜を形成することに
    より、施釉製品表面に付着する汚れを容易に除去しうる
    ようになることを特徴とする施釉製品用コーティング組
    成物。
  18. 【請求項18】 重合又は軟化させることによりフッ素
    樹脂膜を形成可能な前駆体と、アルカリ金属塩を含有す
    るコーティング組成物であって、施釉製品釉薬層表面に
    適用し、重合硬化させて被膜を形成することにより、施
    釉製品表面に付着する汚れを容易に除去しうるようにな
    ることを特徴とする施釉製品用コーティング組成物。
  19. 【請求項19】 フッ素化合物とアルカリ金属塩を含有
    するコーティング組成物であって、施釉製品釉薬層表面
    に適用して被膜を形成することにより、施釉製品表面に
    付着する汚れを容易に除去しうるようになることを特徴
    とする施釉製品用コーティング組成物。
  20. 【請求項20】 必要に応じて加水分解した後、重合さ
    せることによりSi−O−Si結合以外に少なくとも一
    部に有機基同士の架橋が形成されているシリコーン樹脂
    膜を形成可能な前駆体と、アルカリ金属塩を含有するコ
    ーティング組成物を、施釉製品釉薬層表面に適用し、重
    合硬化させて被膜を形成することにより、施釉製品表面
    に付着する汚れを容易に除去しうるようになることを特
    徴とする施釉製品用コーティング組成物。
  21. 【請求項21】 前記表面層には、さらに抗菌剤が添加
    されていることを特徴とする請求項17〜20に記載の
    防汚性施釉製品用コーティング組成物。
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