JP3360642B2 - 水洗式便器 - Google Patents

水洗式便器

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JP3360642B2
JP3360642B2 JP09700699A JP9700699A JP3360642B2 JP 3360642 B2 JP3360642 B2 JP 3360642B2 JP 09700699 A JP09700699 A JP 09700699A JP 9700699 A JP9700699 A JP 9700699A JP 3360642 B2 JP3360642 B2 JP 3360642B2
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町田  光義
弘孝 石橋
智康 一木
正昭 伊藤
正美 安藤
浩一 林
信 早川
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東陶機器株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溜水部の喫水線形
成部に汚れが固着しにくく布拭き程度で簡単に落とせる
水洗式便器に関する。
【0002】
【従来の技術】水洗式便器の表面を衛生的に清浄に保つ
こと、及び長期に亘って美観を高く保つことは、水洗式
便器が生活空間で使用される商品であることから必要と
される特性である。しかしながら、特に、水洗式便器の
溜水部の喫水線付近は、水に晒される状態と乾燥状態が
繰り返されるために、水中に含有されるCa(カルシウ
ム)やFe(鉄)などが固着し、茶色の輪状の汚れが生
じる。そして、固着してしまった汚れは布拭き程度では
除去できず、研磨剤等で削らなければ取れないという問
題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みてなされたものであり、水洗式便器の溜水部の喫水線
付近に茶色の輪状の汚れが固着しにくく、付着汚れが布
拭き程度で簡単に除去可能な水洗式便器を提供すること
を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記課題を
解決すべく、溜水部を有し、かつ前記溜水部の喫水線形
成部に撥水性被膜が形成されている水洗式便器であっ
て、前記撥水性被膜は、シロキサン架橋とシロキサン以
外の架橋により重合されたシリコーンを含有する被膜で
あることを特徴とする水洗式便器を提供する。
【0005】溜水部の喫水線形成部に撥水性被膜が形成
されていることにより、CaやFeなどの化合物からな
る水性の付着物が固着しにくくなり、付着汚れが布拭き
程度で簡単に除去可能となる。また、シリコーンが、シ
ロキサン架橋のみでなく、シロキサン以外の架橋を有す
ることにより、施尿によりアルカリ環境で使用されるこ
とになる便器において、使用条件下で充分な耐久性を有
しながら、CaやFeなどの化合物からなる水性汚れが
固着しにくくなる。さらにシロキサンのみからなる膜は
元来硬い膜であるが、シロキサンより柔らかい有機架橋
が加わることにより、撥水性被膜に可撓性が付与され、
膜が柔軟になる。CaやFeなどの化合物からなる水性
汚れは硬質かつ脆性な無機物からなるので、その下部に
ある材料が柔軟であれば、下部の被膜の撓みによりクラ
ックが生じやすくなり、容易に水性汚れが剥離されるよ
うになる。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明における撥水性被膜とは、
接触角測定器による水との接触角が90度以上である被
膜をいう。好ましくは110度以上であり、より好まし
くは140度以上である。
【0007】本発明の水洗式便器における撥水性被膜に
は、原子価が一価の金属成分及び/又はポーリングの電
気陰性度の尺度が1.0未満の金属成分が含有されてい
てもよい。ここで、原子価が一価の金属成分としては、
Li、Na、K、Rb、Cs、Ag、Cu、Au等が好
適に利用可能であり、ポーリングの電気陰性度の尺度が
1.0未満の金属成分としては、Li、Na、K、R
b、Cs、Ba、Srが好適に利用可能である。
【0008】本発明におけるシリコーン含有被膜とは、
シリコーン中のケイ素原子に1つ以上の有機基が結合さ
れているシリコーン、すなわち、平均組成式RpSiX
qO(4−p−q)/2(式中、Rは、炭素数1〜18
の一価の有機基、Xは炭素数1〜4のアルコキシ基であ
り、p及びqは、0<p<2、0<q<4、0<p+q
<4を満足する数である)で表される未硬化のシリコー
ンを硬化させて得た被膜である。
【0009】本発明の水洗式便器の1つの製造方法は、
鋳込み成形にて作製した便器成形素地上に釉薬を塗布し
1100度以上の温度で焼成して得た便器の溜水部の喫
水線形成部に、塗布したくない部分にマスキングを施し
ながら、上記シリコーンを含有する塗料を塗布した後
に、シリコーンを硬化させることによる。ここで塗布す
る方法としては、スプレーコーティング、刷毛塗り、ス
ポンジ塗り等の周知の方法が利用できる。シリコーンの
硬化にも、常温放置、加熱、紫外線照射等の周知の方法
が利用できる。本発明の水洗式便器の他の製造方法は、
鋳込み成形にて作製した便器成形素地上に釉薬を塗布し
1100度以上の温度で焼成して得た便器の溜水部の喫
水線形成部に、水洗式便器用貼着フィルムにおける離型
シートを剥がして接着剤を便器表面に接触せしめるよう
にして貼着することによる。
【0010】上記の水洗式便器用貼着フィルムは、離型
シートと、上記シート上に配置された接着剤層と、上記
接着剤層上に配置された可撓性フィルムと、上記フィル
ム表面に形成された撥水性被膜からなり、上記シートを
剥がして水洗式便器の溜水部の喫水線形成部の便器面に
上記接着剤層を接触せしめることにより上記溜水部の喫
水線形成部の便器面に撥水性被膜を形成するようにす
る。また、上記撥水性被膜は、シリコーン含有被膜であ
ってもよく、シロキサン架橋とシロキサン以外の架橋に
より重合されたシリコーンを含有する被膜であってもよ
い。さらに、上記撥水性被膜は、フッ素樹脂及び/又は
フッ素化合物を含有する被膜であってもよく、セリア及
び/又はイットリア含有被膜であってもよいし、或いは
上記撥水性被膜に原子価が一価の金属成分及び/又はポ
ーリングの電気陰性度の尺度が1.0未満の金属成分が
含有されてもよく、抗菌剤が含有されてもよい。
【0011】上記未硬化のシリコーンは、2官能シラン
誘導体モノマー(分子当り2個の加水分解性基を有し、
各ケイ素原子に2つの酸素原子が結合した2官能シロキ
サン結合を形成するモノマー)及び/又は3官能シラン
誘導体モノマー(分子当り3個の加水分解性基を有し、
各ケイ素原子に3つの酸素原子が結合した3官能シロキ
サン結合を形成するモノマー)を必須成分とし、必要に
応じて4官能シラン誘導体モノマー(分子当り4個の加
水分解性基を有し、各ケイ素原子に4つの酸素原子が結
合した4官能シロキサン結合を形成するモノマー)を配
合させた組成物を、加水分解、縮重合させることにより
得られる。
【0012】ここで、2官能シラン誘導体としては、ジ
メチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、
ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシ
ラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルメチ
ルジエトキシシラン、γーグリシドキシプロピルメチル
ジメトキシシラン、γーグリシドキシプロピルメチルジ
エトキシシラン、γー(メタ)アクリロキシプロピルメ
チルジメトキシシラン、γー(メタ)アクリロキシプロ
ピルメチルジエトキシシラン、γーアミノプロピルメチ
ルジメトキシシラン、γーアミノプロピルメチルジエト
キシシラン、ヘプタデカフルオロオクチルメチルジメト
キシシラン、ヘプタデカフルオロオクチルメチルジエト
キシシラン等が好適に利用できる。
【0013】3官能シラン誘導体としては、メチルトリ
メトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルト
リイソプロポキシシラン、メチルトリtーブトキシシラ
ン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシ
ラン、エチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリt
ーブトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニル
トリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラ
ン、ビニルトリtーブトキシシラン、n−プロピルトリ
メトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n
−プロピルトリイソプロポキシシラン、n−プロピルト
リtーブトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラ
ン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−ヘキシルト
リイソプロポキシシラン、n−ヘキシルトリtーブトキ
シシラン、n−デシルトリメトキシシラン、n−デシル
トリエトキシシラン、n−デシルトリイソプロポキシシ
ラン、n−デシルトリtーブトキシシラン、n−オクタ
デシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリエト
キシシラン、n−オクタデシルトリイソプロポキシシラ
ン、n−オクタデシルトリtーブトキシシラン、フェニ
ルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、
フェニルトリイソプロポキシシラン、フェニルトリtー
ブトキシシラン、γーグリシドキシプロピルトリメトキ
シシラン、γーグリシドキシプロピルトリエトキシシラ
ン、γーグリシドキシプロピルトリイソプロポキシシラ
ン、γーグリシドキシプロピルトリtーブトキシシラ
ン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルト
リメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキ
シル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポ
キシシクロヘキシル)エチルトリイソプロポキシシラ
ン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルト
リtーブトキシシラン、γー(メタ)アクリロキシプロ
ピルトリメトキシシラン、γー(メタ)アクリロキシプ
ロピルトリエトキシシラン、γー(メタ)アクリロキシ
プロピルトリイソプロポキシシラン、γー(メタ)アク
リロキシプロピルトリtーブトキシシラン、γーアミノ
プロピルトリメトキシシラン、γーアミノプロピルトリ
エトキシシラン、γーアミノプロピルトリイソプロポキ
シシラン、γーアミノプロピルトリtーブトキシシラ
ン、γーメルカプトプロピルトリメトキシシラン、γー
メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γーメルカプ
トプロピルトリイソプロポキシシラン、γーメルカプト
プロピルトリtーブトキシシラン、トリフルオロプロピ
ルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリエト
キシシラン、トリフルオロプロピルトリイソプロポキシ
シラン、トリフルオロプロピルトリtーブトキシシラ
ン、ヘプタデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、
ヘプタデカフルオロオクチルトリエトキシシラン、ヘプ
タデカフルオロオクチルトリイソプロポキシシラン、ヘ
プタデカフルオロオクチルトリtーブトキシシラン等が
好適に利用できる。
【0014】4官能シラン誘導体としては、テトラメト
キシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポ
キシシラン、テトラtーブトキシシラン、ジメトキシジ
エトキシシラン等が好適に利用できる。
【0015】上記未硬化のシリコーンのうち、γーグリ
シドキシプロピル基、β−(3、4−エポキシシクロヘ
キシル)基、γー(メタ)アクリロキシ基等を有するも
のは、シロキサン架橋以外の有機架橋が形成可能であ
り、常温硬化性を得る上で好ましい。
【0016】また、上記未硬化のシリコーンにおいて、
常温硬化性を高めるために、硬化剤を添加してもよい。
硬化剤としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラート、酢酸
ナトリウム、ギ酸ナトリウム、酢酸カリウム、ギ酸カリ
ウム、プロピオン酸カリウム、テトラメチルアンモニウ
ムクロライド、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド
等の塩基性化合物類;n−ヘキシルアミン、トリブチル
アミン、ジアザビシクロウンデセン、エチレンジアミ
ン、ヘキサンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエ
チレンテトラミン、テトラエチレンベンタミン、エタノ
ールアミン類、γーアミノプロピルトリメトキシシラ
ン、γーアミノプロピルメチルジメトキシシラン、γー
(2ーアミノメチル)ーアミノプロピルトリメトキシシ
ラン、γー(2ーアミノメチル)ーアミノプロピルメチ
ルジメトキシシラン等のアミン化合物;テトライソプロ
ピルチタネート、テトラブチルチタネート等のチタン化
合物;アルミニウムトリイソブトキシド、アルミニウム
トリイソプロポキシド、アルミニウムアセチルアセトナ
ート、過塩素酸アルミニウム、塩化アルミニウム等のア
ルミニウム化合物;錫アセチルアセトナート、ジブチル
錫オクチレート等の錫化合物;コバルトオクチレート、
コバルトアセチルアセトナート、鉄アセチルアセトナー
ト等の含金属化合物類;リン酸、硝酸、フタル酸、pー
トルエンスルホン酸、トリクロル酢酸等の酸性化合物類
などが好適に利用できる。
【0017】更に、硬化被膜の硬度、耐擦傷性を向上さ
せるために、或いは、高屈折率化させて光沢性を向上さ
せるために、金属酸化物微粒子を添加してもよい。金属
酸化物としては、シリカ、アルミナ、酸化セリウム、酸
化錫、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化アンチ
モン、酸化鉄、酸化チタン、希土類酸化物等が利用でき
る。
【0018】本発明において、シロキサン以外の架橋と
しては、例えば、メタクリル基、ビニル基、エポキシ
基、アミド基等が好適に利用できる。
【0019】本発明におけるフッ素樹脂含有被膜に用い
られるフッ素樹脂としては、例えば、ポリフッ化ビニ
ル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化三フッ化エチレ
ン、ポリ四フッ化エチレン、ポリ四フッ化エチレンー六
フッ化プロピレンコポリマー、エチレンーポリ四フッ化
エチレンコポリマー、エチレンーポリ塩化三フッ化エチ
レンコポリマー、四フッ化エチレンーパーフルオロアル
キルビニルエーテルコポリマー、パーフルオロシクロポ
リマー、ビニルエーテルーフルオロオレフィンコポリマ
ー、ビニルエステルーフルオロオレフィンコポリマー等
が好適に利用できる。
【0020】本発明におけるフッ素化合物含有被膜に用
いられるフッ素化合物には、フッ化リチウム、フッ化マ
グネシウム、フッ化カルシウム、フッ化ストロンチウ
ム、フッ化バリウム、フッ化スカンジウム、フッ化イッ
トリウム、フッ化ジルコニウム、フッ化ハフニウム、フ
ッ化マンガン、フッ化鉄、フッ化コバルト、フッ化ニッ
ケル、フッ化銅、フッ化アルミニウム、フッ化ガリウ
ム、フッ化インジウム、フッ化ビスマス、フッ化ランタ
ン、フッ化セリウム、フッ化プラセオジウム、フッ化ネ
オジウム、フッ化サマリウム、フッ化ユーロピウム、フ
ッ化テルビウム、フッ化ジスプロシウム、フッ化ホルミ
ウム、フッ化エルビウム、フッ化ツリウム、フッ化イッ
テルビウム、フッ化ルテチウム等が好適に利用できる。
【0021】本発明の水洗式便器の一製造方法は、鋳込
み成形にて作製した便器成形素地上に釉薬を塗布し11
00度以上の温度で焼成して得た便器の溜水部の喫水線
形成部に、塗布したくない部分にマスキングを施しなが
ら、上記フッ素樹脂及び/又はフッ素化合物を含有する
塗料を塗布した後に、フッ素樹脂及び/又はフッ素化合
物を硬化させることによる。ここで、塗布する方法とし
ては、スプレーコーティング、刷毛塗り、スポンジ塗り
等の周知の方法が利用できる。フッ素樹脂の硬化にも、
常温放置、加熱、紫外線照射等の周知の方法が利用でき
る。本発明の水洗式便器の他の製造方法は、鋳込み成形
にて作製した便器成形素地上に釉薬を塗布し1100度
以上の温度で焼成して得た便器の溜水部の喫水線形成部
に、水洗式便器用貼着フィルムにおける離型シートを剥
がして接着剤を便器表面に接触せしめるようにして貼着
することによる。
【0022】上記の水洗式便器用貼着フィルムは、離型
シートと、上記シート上に配置された接着剤層と、上記
接着剤層上に配置された可撓性フィルムと、上記フィル
ム表面に形成された撥水性被膜からなり、上記シートを
剥がして水洗式便器の溜水部の喫水線形成部の便器面に
上記接着剤層を接触せしめることにより上記溜水部の喫
水線形成部の便器面に撥水性被膜を形成するようにす
る。また、上記撥水性被膜は、フッ素樹脂及び/又はフ
ッ素化合物を含有する被膜であってもよく、セリア及び
/又はイットリア含有被膜であってもよいし、或いは上
記撥水性被膜に原子価が一価の金属成分及び/又はポー
リングの電気陰性度の尺度が1.0未満の金属成分が含
有されてもよく、抗菌剤が含有されてもよい。
【0023】本発明の水洗式便器では、便器の溜水部の
喫水線形成部に、シリコーンとフッ素樹脂を含有する被
膜を形成するようにしてもよい。ここで、シリコーン及
びフッ素樹脂には、上記で例示したものが好適に利用で
きる。特にシリコーンとフッ素樹脂との合計重量に対す
るフッ素樹脂の重量が40%以上であると、水との接触
角が150度以上の超撥水性を呈するので好ましい。こ
の水洗式便器の一製造方法は、鋳込み成形にて作製した
便器成形素地上に釉薬を塗布し1100度以上の温度で
焼成して得た便器の溜水部の喫水線形成部に、塗布した
くない部分にマスキングを施しながら、上記シリコーン
及びフッ素樹脂を含有する塗料を塗布した後に、シリコ
ーンを硬化させることによる。ここで、塗布する方法と
しては、スプレーコーティング、刷毛塗り、スポンジ塗
り等の周知の方法が利用できる。シリコーンの硬化に
も、常温放置、加熱、紫外線照射等の周知の方法が利用
できる。この水洗式便器の他の製造方法は、鋳込み成形
にて作製した便器成形素地上に釉薬を塗布し1100度
以上の温度で焼成して得た便器の溜水部の喫水線形成部
に、水洗式便器用貼着フィルムにおける離型シートを剥
がして接着剤を便器表面に接触せしめるようにして貼着
することによる。
【0024】上記の水洗式便器用貼着フィルムは、離型
シートと、上記シート上に配置された接着剤層と、上記
接着剤層上に配置された可撓性フィルムと、上記フィル
ム表面に形成された撥水性被膜からなり、上記シートを
剥がして水洗式便器の溜水部の喫水線形成部の便器面に
上記接着剤層を接触せしめることにより上記溜水部の喫
水線形成部の便器面に撥水性被膜を形成するようにす
る。また、上記撥水性被膜は、シリコーン含有被膜であ
ってもよく、シロキサン架橋とシロキサン以外の架橋に
より重合されたシリコーンを含有する被膜であってもよ
い。さらに、上記撥水性被膜は、フッ素樹脂及び/又は
フッ素化合物を含有する被膜であってもよく、セリア及
び/又はイットリア含有被膜であってもよいし、或いは
上記撥水性被膜に原子価が一価の金属成分及び/又はポ
ーリングの電気陰性度の尺度が1.0未満の金属成分が
含有されてもよく、抗菌剤が含有されてもよい。
【0025】本発明の水洗式便器では、便器の溜水部の
喫水線形成部に、シリコーンとフッ素化合物を含有する
被膜を形成するようにしてもよい。ここで、シリコーン
及びフッ素化合物には、上記で例示したものが好適に利
用できる。特にシリコーンとフッ素化合物との合計重量
に対するフッ素化合物の重量が40%以上であると、水
との接触角が150度以上の超撥水性を呈するので好ま
しい。この水洗式便器の一製造方法は、鋳込み成形にて
作製した便器成形素地上に釉薬を塗布し1100度以上
の温度で焼成して得た便器の溜水部の喫水線形成部に、
塗布したくない部分にマスキングを施しながら、上記シ
リコーン及びフッ素化合物を含有する塗料を塗布した後
に、シリコーンを硬化させることによる。ここで、塗布
する方法としては、スプレーコーティング、刷毛塗り、
スポンジ塗り等の周知の方法が利用できる。シリコーン
の硬化にも、常温放置、加熱、紫外線照射等の周知の方
法が利用できる。この水洗式便器の他の製造方法は、鋳
込み成形にて作製した便器成形素地上に釉薬を塗布し1
100度以上の温度で焼成して得た便器の溜水部の喫水
線形成部に、水洗式便器用貼着フィルムにおける離型シ
ートを剥がして接着剤を便器表面に接触せしめるように
して貼着することによる。
【0026】上記の水洗式便器用貼着フィルムは、離型
シートと、上記シート上に配置された接着剤層と、上記
接着剤層上に配置された可撓性フィルムと、上記フィル
ム表面に形成された撥水性被膜からなり、上記シートを
剥がして水洗式便器の溜水部の喫水線形成部の便器面に
上記接着剤層を接触せしめることにより上記溜水部の喫
水線形成部の便器面に撥水性被膜を形成するようにす
る。また、上記撥水性被膜は、シリコーン含有被膜であ
ってもよく、シロキサン架橋とシロキサン以外の架橋に
より重合されたシリコーンを含有する被膜であってもよ
い。さらに、上記撥水性被膜は、フッ素樹脂及び/又は
フッ素化合物を含有する被膜であってもよく、セリア及
び/又はイットリア含有被膜であってもよいし、或いは
上記撥水性被膜に原子価が一価の金属成分及び/又はポ
ーリングの電気陰性度の尺度が1.0未満の金属成分が
含有されてもよく、抗菌剤が含有されてもよい。
【0027】本発明の水洗式便器では、便器の溜水部の
喫水線形成部に、被膜の長手方向が水平面から90度も
しくは90度未満の角度を有するように、セリア及び/
又はイットリアを含有する被膜を形成するようにしても
よい。セリア及び/又はイットリアを含有する被膜を形
成すると、その被膜は製造直後は親水性を呈するが、暫
く放置すると撥水性を呈する。この水洗式便器の製造方
法は、鋳込み成形にて作製した便器成形素地上に釉薬を
塗布し1100度以上の温度で焼成して得た便器の溜水
部の喫水線形成部に、上記セリウム及び/又はイットリ
ウムのアルコキシドを含有する塗料を塗布した後に、3
00〜700度の温度で焼成することによる。ここで塗
布する際には、必要に応じて塗布したくない部分をマス
キングして行う。塗布する方法としては、スプレーコー
ティング、刷毛塗り、スポンジ塗り、フローコート、バ
ーコート等の周知の方法が利用できる。
【0028】本発明の水洗式便器における撥水性被膜に
は、抗菌剤が含有されていてもよい。抗菌剤としては、
銀、銅、亜鉛等の抗菌性金属及びその化合物微粒子また
はシリカゲルやゼオライトなどの担体へ担持物、第四級
アンモニウム塩、ニトリル誘導体、イミダゾール誘導
体、ベンゾチアゾール誘導体、イソチアゾール誘導体、
チアジチアゾール誘導体、トリアジン誘導体、スルホン
誘導体、フェノール誘導体、フェノールエステル誘導
体、ピロール誘導体等が好適に利用できる。
【0029】
【実施例】(比較例1)
【0030】
【表1】
【0031】表1の組成から成る釉薬原料2kgと水1
kg及び球石4kgを、容積6リットルの陶器製ポット
中に入れ、ボールミルにより約18時間粉砕した。ここ
で得られた釉薬スラリーを、釉薬Aとする。レーザー回
折式粒度分布計を用いて、粉砕後に得られた釉薬Aの粒
径を測定したところ、10μm以下が65%、50%平
均粒径(D50)が6.2μmであった。次に、ケイ
砂、長石、粘土等を原料として調製した衛生陶器素地泥
漿を用いて、70×150mmの板状試験片を作製し、
上記の如くして得られた釉薬をスプレーコーティング法
により塗布した後、1100〜1200℃で焼成するこ
とにより試料を得た。得られた試料について、釉薬層表
面の水との接触角測定、水垢付着性と洗浄性を評価し
た。釉薬層表面の水との接触角は、接触角測定器(協和
界面科学製、CA−X150)を用い、マイクロシリン
ジから釉薬層表面に水滴を滴下した後30秒後に測定し
た。その結果、30°であった。水垢付着性と洗浄性に
ついては、初めに、300ccビーカーに水道水を30
0ml入れ、この中に上記板状試料を約15日間浸漬す
ることにより、釉薬層表面に喫水線汚れを形成させた。
次に、水道水を含ませた市販のセルローズ製スポンジで
喫水線汚れの着いた釉薬層表面を擦って洗浄した。この
時、洗浄の前後で、へルステック製歯垢染色ジェル「D
ENTCLUB」を蒸留水で希釈した溶液をスプレー
し、赤色の強弱で喫水線汚れ付着量を評価した。この歯
垢染色ジェルを用いると、汚れ付着の多い部分は強く赤
色に染まり、汚れの無い部分には色が着かない。そのた
め、目視により汚れ付着量を評価することが可能であ
る。その結果、洗浄前には多量の汚れが付着しており、
洗浄後も付着した汚れの大部分が残っていた。
【0032】(実施例1) 比較例1で得られた板状試験片の釉薬層表面全体に、J
SR製グラスカB603をスプレーコーティング法によ
り塗布した。室温で30分間乾燥させた後、200℃で
30分間かけて加熱硬化させ、シリコーンとアクリルか
ら成る被膜を形成させた。得られた試料について、比較
例1と同様に評価したところ、水との接触角測定結果
は、95°であった。水垢付着性と洗浄性については、
洗浄前には比較例1と同様に多量の汚れが付着していた
が、洗浄後は汚れが落ちて元のきれいな表面に戻ってい
た。なお、スポンジ洗浄により、コーティング膜に傷や
剥離を生じることはなかった。
【0033】(実施例2) JSR製グラスカB603を100重量部に対して、硬
化剤H552を20重量部添加し、マグネティックスタ
ーラーにより撹拌、混合してコーティング液を準備し
た。次に、市販のPETフィルムを基材とし、ロールコ
ーターを用いて上記コーティング液を基材上に約1μm
の厚みで塗布し、120℃で5分間かけて加熱硬化さ
せ、シリコーンとアクリルから成る被膜が形成されたP
ETフィルムを得た。さらに、上記の如くして得られた
PETフィルムのコーティングされていない面にスチレ
ンブタジエンゴム系接着剤を塗布し、比較例1で得られ
た板状試験片の釉薬層表面に貼り着け、評価用の試料と
した。得られた試料について、比較例1と同様に評価し
たところ、水との接触角測定結果は、95°であった。
水垢付着性と洗浄性については、洗浄前には比較例1と
同様に多量の汚れが付着していたが、洗浄後は汚れが落
ちて元のきれいな表面に戻っていた。なお、スポンジ洗
浄により、コーティング膜に傷や剥離を生じることはな
かった。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、水洗式便器の溜水部の
喫水線付近に茶色の輪状の汚れが固着しにくく、付着汚
れが布拭き程度で簡単に除去可能な水洗式便器を提供す
ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 正昭 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番 1号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 安藤 正美 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番 1号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 林 浩一 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番 1号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 早川 信 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番 1号 東陶機器株式会社内 (56)参考文献 特開 平11−71805(JP,A) 特開 平4−240171(JP,A) 特開 平5−65733(JP,A) 特開2000−282549(JP,A) 実開 平1−174480(JP,U) 実開 昭57−114882(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E03D 11/02 C09D 127/12 - 127/18 C09D 183/00 - 183/16

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溜水部を有し、かつ前記溜水部の喫水線
    形成部に撥水性被膜が形成されている水洗式便器であっ
    て、前記撥水性被膜は、シロキサン架橋とシロキサン以
    外の架橋により重合されたシリコーンを含有する被膜で
    あることを特徴とする水洗式便器。
  2. 【請求項2】 前記シロキサン以外の架橋は、アクリル
    基の縮重合に基づく架橋であることを特徴とする請求項
    1に記載の水洗式便器。
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