JP2001172359A - 硬質ポリウレタンフォームの製造方法 - Google Patents
硬質ポリウレタンフォームの製造方法Info
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Abstract
断熱性能の優れた硬質ポリウレタンフォームを製造す
る。 【解決手段】 ポリオールとポリイソシアネートとを、
第1級アミノ基を少なくとも1つ含む炭素環式化合物お
よび第1級アミノ基を少なくとも1つ含む複素環式化合
物から選ばれる少なくとも1種類の環状第1級アミン化
合物、発泡剤としての炭素数4〜6の炭化水素および
水、並びに触媒の存在下に反応させる。
Description
築資材用などの断熱材などとして利用できる硬質ポリウ
レタンフォームの製造方法に関する。
硬質フォームの製造に使用する発泡剤としては、特定フ
ロン類によるオゾン層の破壊の防止のための代替発泡剤
である水(イソシアネートとの反応で副生するCO2ガ
スによる発泡)やHCFC−141b(1,1−ジクロ
ロ−1−フルオロエタン)などが使用されてきた。しか
し、前者ではこのCO2ガスの熱伝導率が大きく、フォ
ームの断熱性能が悪化するため、高い断熱性能が求めら
れる電気冷蔵庫用等の断熱材には向いていない。また、
後者のHCFC−141bについてはオゾン破壊係数
(以下、ODPという)が0.11と大きく、地球環境
保護の観点から将来的にその使用は禁止される予定であ
る。そこで、そのHCFC−141bの代替発泡剤の一
つとして、シクロペンタンを使用することが知られてい
る。シクロペンタンは、ODPが0であるため、欧州を
中心として既に発泡剤として使用されている。
ンタンを発泡剤として使用する場合、熱伝導率がHCF
C−141bよりも大きいので、得られる硬質ポリウレ
タンフォームの断熱性能が劣るという問題がある。
を解決するため、フォームの断熱性能を向上させる工夫
としてフォーム中の気泡を均一の細かい気泡とすること
により、輻射伝熱の効果を小さくすることが非常に有効
な手段であることに着目し検討を重ねた。この結果、第
1級アミノ基を少なくとも1つ含む炭素環式化合物およ
び第1級アミノ基を少なくとも1つ含む複素環式化合物
から選ばれる少なくとも1種類以上の環状第1級アミン
化合物を使用すると、フォーム中の気泡を均一に細かく
でき、得られる硬質フォームが、優れた断熱性を示すこ
とを見い出した。すなわち、本発明は、ポリオールとポ
リイソシアネートとを、第1級アミノ基を少なくとも1
つ含む炭素環式化合物および第1級アミノ基を少なくと
も1つ含む複素環式化合物から選ばれる少なくとも1種
類の環状第1級アミン化合物、発泡剤としての炭素数4
〜6の炭化水素および水、並びに触媒の存在下に反応さ
せることを特徴とする硬質ポリウレタンフォームの製造
方法を提供する。
ォームの製造方法において、環状第1級アミン化合物と
発泡剤とを予め配合したポリオール予備混合物をポリイ
ソシアネートと反応させることにより、ポリオールとポ
リイソシアネートを反応させる硬質ポリウレタンフォー
ムの製造方法を提供する。また、本発明は、上記硬質ポ
リウレタンフォームの製造方法において、ポリオールと
して、ポリアミン類、アルカノールアミン類、フェノー
ル類および多価アルコール類から選ばれる開始剤にアル
キレンオキシドを付加して得られるポリエーテルポリオ
ールと、多価アルコール類−多価カルボン酸縮合系のポ
リエステルポリオールを併せて使用する硬質ポリウレタ
ンフォームの製造方法を提供する。さらに、本発明は、
上記硬質ポリウレタンフォームの製造方法において、炭
素数4〜6の炭化水素がシクロペンタンである硬質ポリ
ウレタンフォームの製造方法を提供する。
る硬質ポリウレタンフォームは、ウレア結合を含むもの
であり、いわゆる硬質ポリウレタンウレアフォームであ
る。また、イソシアヌレート変性硬質ポリウレタンウレ
アフォームを製造することもできる。
ールとしては、ポリエーテルポリオール、ポリエステル
ポリオールなどが挙げられる。ポリオールは、1種のみ
を用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。ポリエ
ーテルポリオールとしては、多価アルコール、糖類、ア
ルカノールアミン、ポリアミン、フェノール類などの少
なくとも1種の開始剤にアルキレンオキシドを反応させ
て得られるものが好ましい。アルキレンオキシドとして
はプロピレンオキシド、1,2‐ブチレンオキシド、2,
3‐ブチレンオキシドおよびエチレンオキシドなどが好
ましい。プロピレンオキシドまたはプロピレンオキシド
とエチレンオキシドの併用が特に好ましい。ポリエーテ
ルポリオールを得る際にプロピレンオキシドを反応させ
た後、エチレンオキシドを反応させることによって、末
端にオキシエチレン基を含有する、すなわち、末端に第
1級水酸基を含有するポリオールを得ることができる。
ポリオールの一部として、このようなポリオールを使用
できる。
エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレ
ングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、
トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが
挙げられる。糖類としては、シュークロース、デキスト
ロース、ソルビトールなどがある。アルカノールアミン
としてはジエタノールアミン、トリエタノールアミンな
どが挙げられる。ポリアミンとしては、エチレンジアミ
ン、トリレンジアミンなどが挙げられる。フェノール類
としてはビスフェノールAなどが挙げられる。ポリエー
テルポリオールの水酸基価は200〜900が好まし
く、250〜800が特に好ましい。ポリエステルポリ
オールとしては、多価アルコール−多価カルボン酸縮合
系のポリオール、環状エステル開環重合体系のポリオー
ルなどが挙げられる。多価アルコールとしては上記した
ものが使用でき、2価アルコールが好ましい。多価カル
ボン酸としては、アジピン酸、フタル酸などの2価カル
ボン酸など、環状エステルとしてはε−カプロラクトン
などが挙げられる。
性を向上させるためには、ポリオールとポリイソシアネ
ートとの相溶性を高めることが好ましく、本発明ではそ
のためには、ポリオールとして芳香環を有するポリオー
ルを使用することが特に好ましい。芳香環を有するポリ
エーテルポリオールは、開始剤として、芳香環を有する
化合物を使用することにより得ることができる。芳香環
を有するポリエステルポリオールは、フタル酸など芳香
環を有する多価カルボン酸を使用することにより得るこ
とができる。本発明においては、ポリオールとして、ポ
リエーテルポリオールと、多価アルコール類−多価カル
ボン酸縮合系のポリエステルポリオールを併用してもよ
い。併用する場合、両者の割合は質量比で80/20〜
95/5の範囲が好ましい。併用した場合は、フォーム
の断熱性能が向上する。
としては、トリレンジアミンなどの芳香族アミンを開始
剤とする芳香環を有するポリエーテルポリオール30〜
80質量%、ビスフェノールAを開始剤とする芳香環を
有するポリエーテルポリオール1〜30質量%、芳香環
を有するポリエステルポリオール5〜20質量%および
その他のポリオール0〜30質量%を含有するポリオー
ル混合物が挙げられる。本発明においては、環状第1級
アミン化合物を予めポリオールと混合することが好まし
く、環状第1級アミン化合物および発泡剤を予めポリオ
ールと混合することがより好ましく、環状第1級アミン
化合物、発泡剤および触媒を予めポリオールと混合する
ことが特に好ましい。さらには、これらの混合物と整泡
剤や他の添加剤を混合することがもっとも好ましい。本
発明では、ポリイソシアネートを反応させる前のポリオ
ールを含む混合物をポリオール予備混合物という。
類を前記ポリオール予備混合物に含有させることによ
り、フォーム中の気泡はより微細になり、このことによ
り従来に比べより優れた断熱性能を有する硬質ポリウレ
タンフォームを得ることができる。炭素数4〜6の炭化
水素を用いた硬質ポリウレタンフォームの製造におい
て、断熱性能、機械強度、フォーム寸法安定性等のフォ
ーム物性を、CFC類やHCFC類を発泡剤として使用
する場合と同様に安定的に得るためには、ポリオール予
備混合物が、一定期間中に分離及び/または変質しない
ことが好ましい。このため、疎水性の高い炭素数4〜6
の炭化水素の溶解性等を考慮してポリオールを選択する
ことが好ましい。
態は均一溶解系でもエマルジョン分散系でもよい。親水
性/疎水性のバランスに注視しながらポリオールを選択
し、好適な比率で配合することにより、均一溶解系また
はエマルジョン分散系のポリオール予備混合物が得られ
る。得られる硬質ポリウレタンフォーム断熱性の点から
は、エマルジョン分散系のポリオール予備混合物が好ま
しい。エマルジョン分散系のポリオール予備混合物は、
炭素数4〜6の炭化水素が分散質であり、ポリオールが
分散媒となっていると考えられる。均一溶解系のポリオ
ール予備混合物を構成するポリオールは、トリレンジア
ミンなどの芳香族アミンを開始剤とする芳香環を有する
ポリエーテルポリオール30〜70質量%、ビスフェノ
ールAを開始剤とする芳香環を有するポリエーテルポリ
オール5〜30質量%、芳香環を有するポリエステルポ
リオール5〜20質量%及びその他のポリオールを0〜
30質量%のポリオール混合物であることが好ましい。
また、エマルジョン分散系のポリオール予備混合物を構
成するポリオールは、トリレンジアミンなどの芳香族ア
ミンを開始剤とする芳香環を有するポリエーテルポリオ
ール50〜80質量%、ビスフェノールAを開始剤とす
る芳香環を有するポリエーテルポリオール1〜20質量
%、芳香環を有するポリエステルポリオール5〜20質
量%及びその他のポリオールを0〜30質量%のポリオ
ール混合物であることが好ましい。
るポリイソシアネートとしては、イソシアネート基を2
以上有する芳香族環式系、脂肪族環式系、あるいは脂肪
族系のポリイソシアネート、それら2種類以上の混合
物、およびそれらを変性して得られる変性ポリイソシア
ネートなどが挙げられる。ポリイソシアネートは、1種
のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。ポ
リイソシアネートの具体例としては、例えば、トリレン
ジイソシアネート、4,4'-ジフェニルメタンジイソシ
アネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート
(クルードMDI)、キシリレンジイソシアネート、イ
ソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシア
ネートなどのポリイソシアネートやそれらのプレポリマ
ー型変性体、ヌレート変性体、ウレア変性体などが挙げ
られる。このうちトリレンジイソシアネート、4,4'-
ジフェニルメタンジイソシアネート、クルードMDIな
どの芳香環を有するものがポリオールとの相溶性がよい
点で好ましい。ポリイソシアネートの使用量は、(ポリ
イソシアネートのイソシアネート基)/(ポリオールの
水酸基)(モル比)が、1.1/1〜1.4/1となる
範囲が好ましく、特に1.1/1〜1.15/1となる
範囲が好ましい。
て使用される環状第1級アミン化合物は、第1級アミノ
基を少なくとも1つ含む炭素環式化合物および第1級ア
ミノ基を少なくとも1つ含む複素環式化合物から選ばれ
る少なくとも1種類である。環状第1級アミン化合物の
第1級アミノ基の数は、1〜2の範囲が好ましく、2が
特に好ましい。環状第1級アミン化合物として有効な物
質の具体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定さ
れない。第1級アミノ基を少なくとも1つ含む炭素環式
化合物としては、芳香族環式アミン化合物や、脂肪族環
式アミン化合物などが挙げられる。芳香族環式アミン化
合物としては、ベンゼン環を1〜2つ有するものに第1
級アミノ基が1〜2つ付加されたものが好ましい。これ
らは、第1級アミノ基に加えて他の置換基が付加されて
いてもよい。具体的にはアニリン、アミノフェノール、
キシリレンジアミン、キシリジン、トリレンジアミン、
ジエチルトルエンジアミン、4,4'-ジアミノジフェニ
ルメタン等が挙げられる。脂肪族環式アミン化合物とし
てはビシクロ環を有するノルボルナンジアミン等が挙げ
られる。第1級アミノ基を少なくとも1つ含む複素環式
化合物としては、アミノピリジン、アミノエチルピペラ
ジン、2−アミノチアゾール等が挙げられる。これらの
うち、第1級アミノ基を少なくとも1つ含む炭素環式化
合物が好ましく、芳香族環式アミン化合物が特に好まし
い。環状第1級アミン化合物の使用量は、ポリオール1
00質量部に対して0.1〜10質量部が好ましく、特
に0.5〜5質量部が好ましい。
は、炭素数4〜6の炭化水素および水である。炭素数4
〜6の炭化水素としては、ブタン、ペンタン、イソペン
タン、シクロペンタン、シクロヘキサンなどが挙げら
れ、シクロペンタンが特に好ましい。炭素数4〜6の炭
化水素の使用量は、ポリオール100質量部に対して1
0〜30質量部が好ましく、特に12〜25質量部が好
ましい。水の使用量は、ポリオール100質量部に対し
て0.1〜5質量部が好ましく、特に0.3〜2質量部
が好ましい。
を反応させる際、触媒を存在させる。触媒は、1種のみ
を用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。触媒の
具体例としては、活性水素含有官能基とイソシアネート
基の反応を促進させる有機スズ化合物などの金属化合物
系触媒やトリエチレンジアミン、N,N,N’,N”,
N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,
N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,
N’,N’−テトラメチルプロピレンジアミン、N,
N,N’,N’−テトラメチルブタンジアミン、N,
N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン
などの第3級アミン触媒が使用される。また、カルボン
酸金属塩などのイソシアネート基同士を反応させる多量
化触媒が目的に応じて使用される。触媒の使用量は、ポ
リオール100質量部に対して0.5〜5質量部が好ま
しく、0.5〜2質量部が特に好ましい。
好な気泡を形成するための整泡剤を使用することが好ま
しい。整泡剤としては、例えばシリコーン系整泡剤や含
フッ素化合物系整泡剤などがある。整泡剤は、1種のみ
を用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。整泡剤
の使用量は、ポリオール100質量部に対して0.1〜
10質量部が好ましい。その他、任意に使用しうる配合
剤としては、例えば充填剤、安定剤、着色剤、難燃剤な
どの種々の添加剤がある。本発明においてポリオール予
備混合物の状態は、均一溶解系でもエマルジョン分散系
でもよい。本発明において、ポリオールとポリイソシア
ネートの反応温度は、特に制限ないが、15〜25℃が
好ましく、特に18〜22℃が好ましい。
るが、本願発明はこれらに限定されない。以下におい
て、部は質量部を示す。使用したポリオールを表1に示
す。POはプロピレンオキシド、EOはエチレンオキシ
ドを示す。使用した環状第1級アミン化合物の内容を表
2に示す。
ールを組み合わせて合計100部とし、これにシリコー
ン系整泡剤を2部、水を1部に固定して添加した。更に
反応触媒としてカオーライザーNO.3(花王製、アミ
ン触媒)、更には表2に示した環状第1級アミン化合物
類を表3および表4に示した部数配合し、これに適当量
のシクロペンタンを加えたものを予備混合してポリオー
ル予備混合物とした。また、ポリイソシアネート化合物
(日本ポリウレタン製クルードMDI)を150部秤量
し、それぞれの液温を20℃に調整した後、これらを、
撹拌機を用いて3000rpmで混合し、上部が開放状
態の200mm立方体の木製箱にてフリー発泡を実施し
た。アミン触媒添加量(全アミン触媒添加量:ポリオー
ル100部に対して0.5〜2部)の加減により、クリ
ームタイムを10秒、ゲルタイムを40秒に合わせ、ま
た、シクロペンタン添加量(全シクロペンタン添加量:
ポリオール100部に対して15〜20部)の加減によ
り、フリー発泡密度を27.0kg/m3に合わせた。
その後、400mm×400mm×50mm(t)の4
0℃に温調されたアルミニウム製モールドに注入発泡
し、得られた硬質ポリウレタンフォームの熱伝導率を測
定した。(単位:mW/mK、測定温度条件=10℃、
英弘精機社製、HC−074使用) 均一溶解系のポリオール予備混合物を用いた実施例を表
3に、エマルジョン分散系のポリオール予備混合物を用
いた実施例を表4にそれぞれ示す。
1級アミン化合物を配合しないこと以外は、実施例1と
同様にして硬質ポリウレタンフォームを得た。その結果
を表5に示す。
ない炭化水素系の発泡剤により断熱性能の優れた硬質ポ
リウレタンフォームを製造できる。
Claims (4)
- 【請求項1】ポリオールとポリイソシアネートとを、第
1級アミノ基を少なくとも1つ含む炭素環式化合物およ
び第1級アミノ基を少なくとも1つ含む複素環式化合物
から選ばれる少なくとも1種類の環状第1級アミン化合
物、触媒、並びに発泡剤としての炭素数4〜6の炭化水
素および水の存在下に反応させることを特徴とする硬質
ポリウレタンフォームの製造方法。 - 【請求項2】環状第1級アミン化合物と発泡剤とを予め
配合したポリオール予備混合物をポリイソシアネートと
反応させることにより、ポリオールとポリイソシアネー
トを反応させる請求項1に記載の硬質ポリウレタンフォ
ームの製造方法。 - 【請求項3】ポリオールとして、ポリアミン類、アルカ
ノールアミン類、フェノール類および多価アルコール類
から選ばれる開始剤にアルキレンオキシドを付加して得
られるポリエーテルポリオールと、多価アルコール類−
多価カルボン酸縮合系のポリエステルポリオールを併せ
て使用する請求項1または2に記載の硬質ポリウレタン
フォームの製造方法。 - 【請求項4】炭素数4〜6の炭化水素がシクロペンタン
である請求項1〜3のいずれかに記載の硬質ポリウレタ
ンフォームの製造方法。
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