JP2001172316A - オレフィン類重合用触媒および重合方法 - Google Patents

オレフィン類重合用触媒および重合方法

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JP2001172316A JP36038599A JP36038599A JP2001172316A JP 2001172316 A JP2001172316 A JP 2001172316A JP 36038599 A JP36038599 A JP 36038599A JP 36038599 A JP36038599 A JP 36038599A JP 2001172316 A JP2001172316 A JP 2001172316A
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Motoki Hosaka
元基 保坂
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Toho Titanium Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 立体規則性に優れたオレフィン類重合体を高
収率で得ることのでき、さらに微粉の極めて少ないオレ
フィン類重合体を得ることのできるオレフィン類重合用
触媒および重合方法を提供すること。 【解決手段】 (A)マグネシウム、チタン、電子供与
性化合物及びハロゲン原子を含有する固体触媒成分、
(B)一般式 R1 p AlQ 3-p で表される有機アルミニウ
ム化合物、(C)一般式 R2 q Si(OR3)4-qで表される有
機ケイ素化合物及び(D)チタン化合物とエステル化合
物との錯体、によって形成されるオレフィン類重合用触
媒及び該オレフィン類重合用触媒の存在下にオレフィン
類を重合させるオレフィン類重合方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、立体規則性に優れ
たオレフィン類重合体を高収率で得ることのでき、さら
に微粉の極めて少ないオレフィン類重合体を得ることの
できるオレフィン類重合用触媒および重合方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、プロピレンの重合においては、マ
グネシウム、チタン、電子供与性化合物及びハロゲンを
必須成分として含有する固体触媒成分が知られている。
また該固体触媒成分、有機アルミニウム化合物及び有機
ケイ素化合物から成るプロピレン重合用触媒の存在下
に、プロピレンを重合もしくは共重合させるプロピレン
の重合方法が数多く提案されている。例えば、特開昭5
7−63310号並びに同57−63311号公報にお
いては、マグネシウム化合物、チタン化合物及び電子供
与体を含有する固体触媒成分と、有機アルミニウム化合
物及びSi−O−C結合を有する有機ケイ素化合物との
組み合わせから成る触媒を用いて、特に炭素数が3以上
のオレフィン類を重合させる方法が提案されている。し
かしながら、これらの方法は、高立体規則性重合体を高
収率で得るには、必ずしも充分に満足したものではな
く、より一層の改良が望まれていた。
【0003】一方、特開昭63−3010号公報におい
ては、ジアルコキシマグネシウム、芳香族ジカルボン酸
ジエステル、芳香族炭化水素及びチタンハロゲン化物を
接触して得られた生成物を、粉末状態で加熱処理するこ
とにより調製した固体触媒成分と、有機アルミニウム化
合物及び有機ケイ素化合物より成るプロピレン重合用触
媒とプロピレンの重合方法が提案されている。
【0004】また、特開平1−315406号公報にお
いては、ジエトキシマグネシウムとアルキルベンゼンと
で形成された懸濁液に、四塩化チタンを接触させ、次い
でフタル酸ジクロライドを加えて反応させることによっ
て固体生成物を得、該固体生成物を更にアルキルベンゼ
ンの存在下で四塩化チタンと接触反応させることによっ
て調製された固体触媒成分と、有機アルミニウム化合物
及び有機ケイ素化合物より成るプロピレン重合用触媒及
び該触媒の存在下でのプロピレンの重合方法が提案され
ている。
【0005】上記各従来技術は、その目的が生成重合体
中に残留する塩素やチタン等の触媒残渣を除去する所謂
脱灰行程を省略し得る程の高活性を有すると共に、併せ
て立体規則性重合体の収率の向上や、重合時の触媒活性
の持続性を高めることに注力したものであり、それぞれ
優れた成果を上げている。
【0006】ところが、この種の高活性型触媒成分と有
機アルミニウム化合物及びケイ素化合物に代表される電
子供与性化合物とからなる組成の重合用触媒を用いてオ
レフィン類の重合を行うと、固体触媒成分自体の微粉ま
た重合した際の反応熱による粒子破壊のため、生成重合
体中に微粉が多く含まれ、粒度分布もブロード化する傾
向があった。この微粉重合体が多くなると、均一な反応
の継続を妨げたり、重合体移送時における配管の閉塞を
もたらす等のプロセス障害の原因となり、また粒度分布
が広くなると結果的に重合体の成形加工にまで好ましく
ない影響を及ぼす。特に気相法によるオレフィン重合プ
ロセスは、その経済的また得られる製品の品質面での優
位性から、ほとんどの新設プロセスにおいて採用されて
いる。しかしながら、気相法プロセスは、従来のスラリ
ー法プロセスあるいはバルクプロセスに比べ、生成重合
体の性状に対する制約があり、特に微粉重合体は前記し
たようなオペレーション上のトラブルの最大原因とな
る。このため、微粉重合体が可及的に少なく、かつ均一
粒径で粒度分布の狭い重合体を希求する要因となってい
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、上記従来
技術に残された課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結
果、従来のマグネシウム、チタン、電子供与性化合物及
びハロゲン原子を含有する固体触媒成分、有機アルミニ
ウム化合物及び有機ケイ素化合物を組み合わせた触媒
に、チタン化合物とエステル化合物の錯体をさらに組み
合わせ、オレフィン類の重合に供することにより、極め
て微粉重合体の少ない重合体が得られ、上記問題を解決
し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明の目的は、かかる従来技
術に残された問題点を解決し、立体規則性に優れたオレ
フィン類重合体を高収率で得ることのでき、さらに微粉
の極めて少ないオレフィン類重合体を得ることのできる
オレフィン類重合用触媒および重合方法を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の、本発明によるプロピレン重合用触媒は、下記成分
(A)、(B)、(C)および(D);(A)マグネシ
ウム、チタン、電子供与性化合物及びハロゲン原子を含
有する固体触媒成分、(B)一般式(1)で表される有
機アルミニウム化合物、 R1 p AlQ 3-p (1) (式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基を示し、Q は水
素原子あるいはハロゲン原子を示し、pは0<p≦3の
実数である。)、(C)一般式(2)で表される有機ケ
イ素化合物、 R2 q Si(OR3)4-q (2) (式中、R2は炭素数1〜12のアルキル基、シクロアル
キル基、フェニル基、ビニル基、アリル基、アラルキル
基を示し、同一または異なっていてもよい。R3は炭素数
1〜4のアルキル基、シクロアルキル基、フェニル基、
ビニル基、アリル基、アラルキル基を示し、同一または
異なっていてもよい。qは0≦q≦3の整数であ
る。)、(D)チタン化合物とエステル化合物との錯
体、によって形成されることを特徴とする。
【0010】また、本発明のオレフィン類重合方法は、
前記成分(A)、(B)、(C)および(D)からなる
オレフィン類重合用触媒の存在下にオレフィンを重合さ
せることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明のオレフィン類重合用触媒
を構成する固体触媒成分(A)(以下、「成分(A)」
ということがある。)は、マグネシウム化合物、ハロゲ
ン化チタン化合物および電子供与性化合物を接触して得
られる。
【0012】成分(A)の調製に用いられるマグネシウ
ム化合物としては、ジハロゲン化マグネシウム、ジアル
キルマグネシウム、ハロゲン化アルキルマグネシウム、
ジアルコキシマグネシウム、ジアリールオキシマグネシ
ウム、ハロゲン化アルコキシマグネシウムあるいは脂肪
酸マグネシウム等が挙げられる。
【0013】ジハロゲン化マグネシウムの具体例として
は、二塩化マグネシウム、二臭化マグネシウム、二沃化
マグネシウム、二フッ化マグネシウム等が挙げられる。
ジアルキルマグネシウムとしては、一般式R4R5Mg(式
中、R4及びR5は炭素数1〜10のアルキル基を示し、そ
れぞれ同一でも異なっていてもよい。)で表される化合
物が好ましく、より具体的には、ジメチルマグネシウ
ム、ジエチルマグネシウム、メチルエチルマグネシウ
ム、ジプロピルマグネシウム、メチルプロピルマグネシ
ウム、エチルプロピルマグネシウム、ジブチルマグネシ
ウム、メチルブチルマグネシウム、エチルブチルマグネ
シウム等が挙げられる。これらのジアルキルマグネシウ
ムは、金属マグネシウムをハロゲン化炭化水素あるいは
アルコールと反応させて得ることができる。
【0014】ハロゲン化アルキルマグネシウムとして
は、一般式R6MgD1(式中、R6は炭素数1〜10のアルキ
ル基を示し、D1は塩素、臭素、沃素、フッ素などのハロ
ゲン原子を示す。)で表される化合物が好ましく、より
具体的には、エチル塩化マグネシウム、プロピル塩化マ
グネシウム、ブチル塩化マグネシウム等が挙げられる。
これらのハロゲン化マグネシウムは、金属マグネシウム
をハロゲン化炭化水素あるいはアルコールと反応させて
得ることができる。
【0015】ジアルコキシマグネシウムまたはジアリー
ルオキシマグネシウムとしては、一般式Mg(OR7)(OR8)
(式中、R7及びR8は炭素数1〜10のアルキル基、また
はアリール基を示し、それぞれ同一でも異なっていても
よい。)で表される化合物が好ましく、より具体的に
は、ジメトキシマグネシウム、ジエトキシマグネシウ
ム、ジプロポキシマグネシウム、ジブトキシマグネシウ
ム、ジフェノキシマグネシウム、エトキシメトキシマグ
ネシウム、エトキシプロポキシマグネシウム、ブトキシ
エトキシマグネシウム等が挙げられる。これらのジアル
コキシマグネシウムまたはジアリールオキシマグネシウ
ムは、金属マグネシウムをハロゲンあるいはハロゲン含
有金属化合物等の存在下にアルコールと反応させて得る
ことができる。
【0016】ハロゲン化アルコキシマグネシウムとして
は、一般式Mg(OR9)D2 (式中、R9は炭素数1〜10のア
ルキル基、D2は塩素、臭素、沃素、フッ素などのハロゲ
ン原子を示す。)で表される化合物が好ましく、より具
体的には、メトキシ塩化マグネシウム、エトキシ塩化マ
グネシウム、プロポキシ塩化マグネシウム、ブトキシ塩
化マグネシウム等が挙げられる。
【0017】脂肪酸マグネシウムとしては、一般式Mg(R
10COO)2 (式中、R10 は炭素数1〜20の炭化水素基を
示す。)で表される化合物が好ましく、より具体的に
は、ラウリル酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウ
ム、オクタン酸マグネシウム及びデカン酸マグネシウム
等が挙げられる。
【0018】本発明におけるこれらマグネシウム化合物
の中で、ジアルコキシマグネシウムが好ましく、その中
でも特にジエトキシマグネシウム、ジプロポキシマグネ
シウムが好ましく用いられる。また、上記のマグネシウ
ム化合物は、単独あるいは2種以上併用することもでき
る。
【0019】本発明において成分(A)の調製に用いら
れるジアルコキシマグネシウムは、顆粒状又は粉末状で
あり、その形状は不定形あるいは球状のものが使用し得
る。例えば球状のジアルコキシマグネシウムを使用した
場合、より良好な粒子形状と狭い粒度分布を有する重合
体粉末が得られ、重合操作時の生成重合体粉末の取扱い
操作性が向上し、生成重合体粉末に含まれる微粉に起因
する閉塞等の問題が解消される。
【0020】上記の球状ジアルコキシマグネシウムは、
必ずしも真球状である必要はなく、楕円形状あるいは馬
鈴薯形状のものが用いられる。具体的にその粒子の形状
は、長軸径lと短軸径wとの比(l/w)が通常3以下
であり、好ましくは1から2であり、より好ましくは1
から1.5である。このような球状ジアルコキシマグネ
シウムの製造方法は、例えば特開昭58−41832号
公報、同62−51633号公報、特開平3−7434
1号公報、同4−368391号公報、同8−7338
8号公報などに例示されている。
【0021】また、上記ジアルコキシマグネシウムの平
均粒径は、通常1から200μm、好ましくは5から1
50μmである。球状のジアルコキシマグネシウムの場
合、その平均粒径は通常1から100μm、好ましくは
5から50μmであり、更に好ましくは10から40μ
mである。また、その粒度については、微粉及び粗粉の
少ない、粒度分布の狭いものを使用することが望まし
い。具体的には、5μm以下の粒子が20%以下であ
り、好ましくは10%以下である。一方、100μm以
上の粒子が10%以下であり、好ましくは5%以下であ
る。更にその粒度分布をln(D90/D10)(ここ
で、D90は積算粒度で90%における粒径、D10は
積算粒度で10%における粒径である。)で表すと3以
下であり、好ましくは2以下である。
【0022】本発明における成分(A)の調製に用いら
れるハロゲン化チタン化合物としては、一般式Ti(OR11)
n X4-n(式中、R11 は炭素数1〜4のアルキル基を示
し、Xは塩素、臭素、沃素等のハロゲン原子を示し、n
は0≦n≦3の整数である。)で表されるチタンハライ
ドもしくはアルコキシチタンハライドが例示される。ま
た、上記のチタン化合物は、単独あるいは2種以上併用
することもできる。
【0023】具体的には、チタンハライドとしてTiC
l4 、TiBr4 、TiI4等のチタンテトラハライド、アルコ
キシチタンハライドとしてTi(OCH3)Cl3 、Ti(OC2H5)C
l3、Ti(OC3 H7)Cl3、Ti(O-n-C4H9)Cl3 、Ti(OCH3)2Cl2
Ti(OC2H5)2Cl2 、Ti(OC3H7)2Cl2 、Ti(O-n-C4H9)2Cl2
Ti(OCH3)3Cl 、Ti(OC2H5)3Cl、Ti(OC3H7)3Cl、Ti(O-n-C
4H9)3Cl 等が例示される。このうち、チタンテトラハラ
イドが好ましく、特に好ましくはTiCl4 である。これら
のチタン化合物は、単独あるいは2種以上併用すること
もできる。
【0024】本発明における成分(A)の調製に用いら
れる電子供与性化合物は、酸素あるいは窒素を含有する
有機化合物であり、例えばアルコール類、フェノール
類、エーテル類、エステル類、ケトン類、酸ハライド
類、アルデヒド類、アミン類、アミド類、ニトリル類、
イソシアネート類、Si−O−C結合を含む有機ケイ素
化合物等が挙げられる。
【0025】具体的には、メタノール、エタノール、n
−プロパノール、2−エチルヘキサノール等のアルコー
ル類、フェノール、クレゾール等のフェノール類、メチ
ルエーテル、エチルエーテル、プロピルエーテル、ブチ
ルエーテル、アミルエーテル、ジフェニルエーテル等の
エーテル類、ギ酸メチル、酢酸エチル、酢酸ビニル、酢
酸プロピル、酢酸オクチル、酢酸シクロヘキシル、プロ
ピオン酸エチル、酪酸エチル、安息香酸メチル、安息香
酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、安息香
酸オクチル、安息香酸シクロヘキシル、安息香酸フェニ
ル、p−トルイル酸メチル、p−トルイル酸エチル、ア
ニス酸メチル、アニス酸エチル等のモノカルボン酸エス
テル類、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、ア
ジピン酸ジメチル、アジピン酸ジエチル、アジピン酸ジ
プロピル、アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジイソデシ
ル、アジピン酸ジオクチル、ジメチルフタレート、ジエ
チルフタレート、ジプロピルフタレート、ジブチルフタ
レート、ジペンチルフタレート、ジヘキシルフタレー
ト、ジヘプチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジ
ノニルフタレート、ジデシルフタレート等のジカルボン
酸エステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチル
ブチルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン等のケ
トン類、フタル酸ジクロライド、テレフタル酸ジクロラ
イド等の酸ハライド類、アセトアルデヒド、プロピオン
アルデヒド、オクチルアルデヒド、ベンズアルデヒド等
のアルデヒド類、メチルアミン、エチルアミン、トリブ
チルアミン、ピペリジン、アニリン、ピリジン等のアミ
ン類、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド等のアミ
ド類、アセトニトリル、ベンゾニトリル、トリニトリル
等のニトリル類等、イソシアン酸メチル、イソシアン酸
エチルなどのイソシアネート類を挙げることができる。
【0026】また、Si−O−C結合を含む有機ケイ素
化合物としては、フェニルアルコキシシラン、アルキル
アルコキシシラン、フェニルアルキルアルコキシシラ
ン、シクロアルキルアルコキシシラン、シクロアルキル
アルキルアルコキシシラン等を挙げることができる。
【0027】上記の電子供与性化合物のうち、エステル
類が好ましく用いられ、特にフタル酸のジエステルが好
適である。これらのフタル酸のジエステルの具体例とし
ては、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジ−
n−プロピルフタレート、ジ−iso−プロピルフタレ
ート、ジ−n−ブチルフタレート、ジ−iso−ブチル
フタレート、エチルメチルフタレート、メチル(iso
−プロピル)フタレート、エチル−n−プロピルフタレ
ート、エチル−n−ブチルフタレート、ジ−n−ペンチ
ルフタレート、ジ−iso−ペンチルフタレート、ジヘ
キシルフタレート、ジ−n−ヘプチルフタレート、ジ−
n−オクチルフタレート、ビス(2,2−ジメチルヘキ
シル)フタレート、ビス(2−エチルヘキシル)フタレ
ート、ジ−n−ノニルフタレート、ジ−iso−デシル
フタレート、ビス(2,2−ジメチルヘプチル)フタレ
ート、n−ブチル(iso−ヘキシル)フタレート、n
−ブチル(2−エチルヘキシル)フタレート、n−ペン
チルヘキシルフタレート、n−ペンチル(iso−ヘキ
シル)フタレート、iso−ペンチル(ヘプチル)フタ
レート、n−ペンチル(2−エチルヘキシル)フタレー
ト、n−ペンチル(iso−ノニル)フタレート、is
o−ペンチル(n−デシル)フタレート、n−ペンチル
(ウンデシル)フタレート、iso−ペンチル(iso
−ヘキシル)フタレート、n−ヘキシル(2−エチルヘ
キシル)フタレート、n−ヘキシル(iso−ノニル)
フタレート、n−ヘキシル(n−デシル)フタレート、
n−ヘプチル(2−エチルヘキシル)フタレート、n−
ヘプチル(iso−ノニル)フタレート、n−ヘプチル
(neo−デシル)フタレート、2−エチルヘキシル
(iso−ノニル)フタレートが例示され、これらの1
種あるいは2種以上が使用される。
【0028】上記のエステル類は、2種以上組合わせて
用いることも好ましく、その際、エステルのアルキル基
の炭素数合計が他のエステルのそれと比べ、その差が4
以上になるように該エステル類を組合わせることが望ま
しい。
【0029】本発明における成分(A)の調製において
は、上記必須の成分の他、更に、アルミニウムトリクロ
ライド、ジエトキシアルミニウムクロライド、ジ−is
o−プロポキシアルミニウムクロライド、エトキシアル
ミニウムジクロライド、iso−プロポキシアルミニウ
ムジクロライド、ブトキシアルミニウムジクロライド、
トリエトキシアルミニウム等のアルミニウム化合物また
はステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウ
ム、ステアリン酸アルミニウム等の有機酸の金属塩また
は常温で液状あるいは粘稠状の鎖状、部分水素化、環状
あるいは変性ポリシロキサン等のポリシロキサンを使用
することができる。
【0030】前記成分(A)は、上述したようなマグネ
シウム化合物、チタン化合物、及び電子供与性化合物を
接触させることにより調製することができ、その調製方
法としては、公知の方法を採用することができる。これ
らの方法は、例えば、特開昭63−308004号公
報、同63−314211号公報、同64−6006号
公報、同64−14210号公報、同64−43506
号公報、同63−3010号公報、同62−15870
4号公報等に開示されている。
【0031】具体的には、この接触は、不活性有機溶媒
の不存在下で処理することも可能であるが、操作の容易
性を考慮すると、該溶媒の存在下で処理することが好ま
しい。用いられる不活性有機溶媒としては、ヘキサン、
ヘプタン、シクロヘキサン等の飽和炭化水素化合物、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香
族炭化水素化合物、オルトジクロルベンゼン、塩化メチ
レン、四塩化炭素、ジクロルエタン等のハロゲン化炭化
水素化合物等が挙げられるが、このうち、沸点が90〜
150℃程度の、常温で液状状態の芳香族炭化水素化合
物、具体的にはトルエン、キシレン、エチルベンゼンが
好ましく用いられる。
【0032】また、成分(A)を調製する方法として
は、上記のマグネシウム化合物を、アルコール又はチタ
ン化合物等に溶解させ、その後電子供与性化合物あるい
は電子供与性化合物及びチタン化合物との接触あるいは
加熱処理などにより固体物を析出させ、固体成分を得る
方法、マグネシウム化合物をチタン化合物又は不活性炭
化水素溶媒等に懸濁させ、更に電子供与性化合物あるい
は電子供与性化合物及びチタン化合物を接触・接触処理
して固体成分を得る方法等が挙げられる。
【0033】このうち、前者の方法で得られた固体成分
の粒子はほぼ球状に近く、粒度分布もシャープである。
また、後者の方法においても、球状のマグネシウム化合
物を用いることにより、球状でかつ粒度分布のシャープ
な固体触媒成分を得ることができ、また球状のマグネシ
ウム化合物を用いなくとも、例えば噴霧装置を用いて溶
液あるいは懸濁液を噴霧・乾燥させる、いわゆるスプレ
ードライ法により粒子を形成させることにより、同様に
球状でかつ粒度分布のシャープな固体成分を得ることも
できる。
【0034】各成分の接触は、不活性ガス雰囲気下、水
分等を除去した状況下で、撹拌機を具備した容器中で、
撹拌しながら行われる。接触温度は、単に接触させて撹
拌混合する場合や、分散あるいは懸濁させて変性処理す
る場合には、室温付近の比較的低温域であっても差し支
えないが、接触後に反応させて生成物を得る場合には、
40〜130℃の温度域が好ましい。反応時の温度が4
0℃未満の場合は充分に反応が進行せず、結果として調
製された固体成分の性能が不充分となり、130℃を超
えると使用した溶媒の蒸発が顕著になるなどして、反応
の制御が困難になる。なお、反応時間は1分以上、好ま
しくは10分以上、より好ましくは30分以上である。
以下に、成分(A)の調製方法を例示する。
【0035】(1)塩化マグネシウムをテトラアルコキ
シチタンに溶解させた後、ポリシロキサンを接触させて
固体生成物を得、該固体生成物と四塩化チタンを反応さ
せ、次いでフタル酸クロライドを接触反応させて成分
(A)を調製する方法。なおこの際、該固体成分に対
し、有機アルミニウム化合物、有機ケイ素化合物及びオ
レフィンで予備的に重合処理することによって、成分
(A)を調製する方法もある。
【0036】(2)無水塩化マグネシウム及び2−エチ
ルヘキシルアルコールを反応させて均一溶液とした後、
該均一溶液に無水フタル酸を接触させ、次いでこの溶液
に、四塩化チタン及びフタル酸ジエステルを接触反応さ
せて固体生成物を得、該固体生成物に更に四塩化チタン
を接触させて成分(A)を調製する方法。
【0037】(3)金属マグネシウム、ブチルクロライ
ド及びジブチルエーテルを反応させることによって有機
マグネシウム化合物を合成し、該有機マグネシウム化合
物に、テトラブトキシチタン及びテトラエトキシチタン
を接触反応させて固体生成物を得、該固体生成物にフタ
ル酸ジエステル、ジブチルエーテル及び四塩化チタンを
接触反応させて成分(A)を調製する方法。なおこの
際、該固体成分に対し、有機アルミニウム化合物、有機
ケイ素化合物及びオレフィンで予備的に重合処理するこ
とによって、成分(A)を調製することもできる。
【0038】(4)ジブチルマグネシウム等の有機マグ
ネシウム化合物と、有機アルミニウム化合物を、炭化水
素溶媒の存在下、例えばブタノール、2−エチルヘキシ
ルアルコール等のアルコールと接触反応させて均一溶液
とし、この溶液に、例えば SiCl4 、HSiCl3、ポリシロ
キサン等のケイ素化合物を接触させて固体生成物を得、
次いで芳香族炭化水素溶媒の存在下で該固体生成物に、
四塩化チタン及びフタル酸ジエステルを接触反応させた
後、更に四塩化チタンを接触させて成分(A)を得る方
法。
【0039】(5)塩化マグネシウム、テトラアルコキ
シチタン及び脂肪族アルコールを、脂肪族炭化水素化合
物の存在下で接触反応させて均質溶液とし、その溶液に
四塩化チタンを加えた後昇温して固体生成物を析出さ
せ、該固体生成物にフタル酸ジエステルを接触させ、更
に四塩化チタンと反応させて成分(A)を得る方法。
【0040】(6)金属マグネシウム粉末、アルキルモ
ノハロゲン化合物及びヨウ素を接触反応させ、その後テ
トラアルコキシチタン、酸ハロゲン化物、及び脂肪族ア
ルコールを、脂肪族炭化水素の存在下で接触反応させて
均質溶液とし、その溶液に四塩化チタンを加えた後昇温
し、固体生成物を析出させ、該固体生成物にフタル酸ジ
エステルを接触させ、更に四塩化チタンと反応させて成
分(A)を調製する方法。
【0041】(7)ジエトキシマグネシウムをアルキル
ベンゼンまたはハロゲン化炭化水素溶媒中に懸濁させた
後、四塩化チタンと接触させ、その後昇温してフタル酸
ジエステルと接触させて固体生成物を得、該固体生成物
をアルキルベンゼンで洗浄した後、アルキルベンゼンの
存在下、再度四塩化チタンと接触させて成分(A)を調
製する方法。なおこの際、該固体成分を、炭化水素溶媒
の存在下又は不存在下で加熱処理して成分(A)を得る
こともできる。
【0042】(8)ジエトキシマグネシウムをアルキル
ベンゼン中に懸濁させた後、四塩化チタン及びフタル酸
クロライドと接触反応させて固体生成物を得、該固体生
成物をアルキルベンゼンで洗浄した後、アルキルベンゼ
ンの存在下、再度四塩化チタンと接触させて成分(A)
を得る方法。なおこの際、該固体成分と四塩化チタンと
を2回以上接触させて成分(A)を得ることもできる。
【0043】(9)ジエトキシマグネシウム、塩化カル
シウム及びSi(OR204 (式中、R20 はアルキル基又は
アリール基を示す。)で表されるケイ素化合物を共粉砕
し、得られた粉砕固体物を芳香族炭化水素に懸濁させた
後、四塩化チタン及び芳香族ジカルボン酸のジエステル
と接触反応させ、次いで更に四塩化チタンを接触させる
ことにより成分(A)を調製する方法。
【0044】(10)ジエトキシマグネシウム及びフタ
ル酸ジエステルをアルキルベンゼン中に懸濁させ、その
懸濁液を四塩化チタン中に添加し、反応させて固体生成
物を得、該固体生成物をアルキルベンゼンで洗浄した
後、アルキルベンゼンの存在下、再度四塩化チタンを接
触させて成分(A)を得る方法。
【0045】(11)ハロゲン化カルシウム及びステア
リン酸マグネシウムのような脂肪族マグネシウムを、四
塩化チタン及び芳香族ジカルボン酸のジエステルと接触
反応させ、その後更に四塩化チタンと接触させることに
より成分(A)を調製する方法。
【0046】(12)ジエトキシマグネシウムをアルキ
ルベンゼンまたはハロゲン化炭化水素溶媒中に懸濁させ
た後、四塩化チタンと接触させ、その後昇温してフタル
酸ジエステルと接触反応させて固体生成物を得、該固体
生成物をアルキルベンゼンで洗浄した後、アルキルベン
ゼンの存在下、再度四塩化チタンと接触させて成分
(A)を調製する方法であって、上記懸濁・接触並びに
接触反応のいずれかの段階において、塩化アルミニウム
を接触させて成分(A)を調製する方法。
【0047】(13)ジエトキシマグネシウムをアルキ
ルベンゼンまたはハロゲン化炭化水素溶媒中に懸濁させ
た後、四塩化チタンと接触させ、その後昇温して炭素数
の異なる2種以上のアルキル基を有するフタル酸ジエス
テルと接触反応させて固体生成物を得、該固体生成物を
アルキルベンゼンで洗浄した後、アルキルベンゼンの存
在下、再度四塩化チタンと接触させて成分(A)を得る
方法。なおこの際、炭素数の異なる2種以上のアルキル
基を有するフタル酸ジエステルを、2回目の四塩化チタ
ンとの接触の際に再度接触させることもできる。また、
フタル酸ジエステル以外の上述した電子供与成化合物
を、フタル酸ジエステルと併用することもできる。
【0048】(14)ジエトキシマグネシウム、四塩化
チタン及びフタル酸ジエステルを、クロロベンゼンの存
在下で接触反応させて得られた生成物に、四塩化チタン
及びフタル酸ジクロライドを接触反応させ、その後更に
四塩化チタンを反応させ、成分(A)を調製する方法。
なおこの際、該固体成分に再度四塩化チタンを接触させ
ることもでき、更には、上記接触または接触反応のいず
れかの段階において、ケイ素化合物を使用することもで
きる。
【0049】(15)ジエトキシマグネシウム、2−エ
チルヘキシルアルコール及び二酸化炭素を、トルエンの
存在下で接触反応させて均一溶液とし、この溶液に四塩
化チタン及びフタル酸ジエステルを接触反応させて固体
生成物を得、更にこの固体生成物をテトラヒドロフラン
に溶解させ、その後更に固体生成物を析出させ、この固
体生成物に四塩化チタンを接触反応させ、場合により四
塩化チタンとの接触反応を繰り返し行い、成分(A)を
調製する方法。なおこの際、上記接触・接触反応・溶解
のいずれかの段階において、例えばテトラブトキシシラ
ン等のケイ素化合物を使用することもできる。
【0050】(16)塩化マグネシウム、有機エポキシ
化合物及びリン酸化合物をトルエンの如き炭化水素溶媒
中に懸濁させた後、加熱して均一溶液とし、この溶液
に、無水フタル酸及び四塩化チタンを接触反応させて固
体生成物を得、該固体生成物にフタル酸ジエステルを接
触させて反応させ、得られた反応生成物をアルキルベン
ゼンで洗浄した後、アルキルベンゼンの存在下、再度四
塩化チタンを接触させることにより成分(A)を得る方
法。
【0051】(17)ジアルコキシマグネシウム、チタ
ン化合物及び芳香族ジカルボン酸ジエステルをトルエン
の存在下に接触反応させ、得られた反応生成物にポリシ
ロキサン等のケイ素化合物を接触反応させ、更に四塩化
チタンを接触反応させ、次いで有機酸の金属塩を接触反
応させた後、再度四塩化チタンを接触させることにより
成分(A)を得る方法。
【0052】また、本発明で用いられる成分(A)の好
ましい調製方法としては、以下のような方法が挙げられ
る:例えば、ジアルコキシマグネシウムを常温で液体の
芳香族炭化水素化合物に懸濁させることによって懸濁液
を形成し、次いでこの懸濁液に4価のハロゲン化チタン
を−20〜100℃、好ましくは−10〜70℃、より
好ましくは0〜30℃で接触し、0〜130℃、より好
ましくは70〜120℃で反応させる。この際、上記の
懸濁液にハロゲン化チタンを接触させる前又は接触した
後に、芳香族ジカルボン酸ジエステルの1種あるいは2
種以上を、−20〜130℃で接触させ、固体反応生成
物を得る。この固体反応生成物を常温で液体の芳香族炭
化水素化合物で洗浄した後、再度4価のハロゲン化チタ
ンを、芳香族炭化水素化合物の存在下に、0〜130
℃、より好ましくは70〜120℃で接触反応させ、更
に常温で液体の炭化水素化合物で洗浄し成分(A)を得
る。
【0053】各化合物の使用量比は、調製法により異な
るため一概には規定できないが、例えばジアルコキシマ
グネシウム1モル当たり、4価のハロゲン化チタンが
0.5〜100モル、好ましくは0.5〜50モル、よ
り好ましくは1〜10モルであり、芳香族ジカルボン酸
ジエステルが0.01〜10モル、好ましくは0.01
〜1モル、より好ましくは0.02〜0.6モルであ
る。
【0054】上記のように調整した成分(A)は、マグ
ネシウム、チタン、電子供与性化合物及びハロゲン原子
を含有する。各成分の含有量は特に規定されないが、好
ましくはマグネシウムが10〜30重量%、チタンが1
〜5重量%、電子供与性化合物が1〜20重量%、ハロ
ゲン原子が40〜70重量%である。
【0055】本発明のプロピレン重合用触媒を形成する
際に用いられる有機アルミニウム化合物(B)(以下、
「成分(B)」ということがある。)としては、一般式
1 p AlQ3-p (式中、R1 は炭素数1〜4のアルキ
ル基を示し、Qは水素原子あるいはハロゲン原子を示
し、pは0<p≦3の実数である。)で表される化合物
を用いることができる。このような有機アルミニウム化
合物(B)の具体例としては、トリエチルアルミニウ
ム、ジエチルアルミニウムクロライド、トリ−iso−
ブチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムブロマイ
ド、ジエチルアルミニウムハイドライドが挙げられ、1
種あるいは2種以上が使用できる。好ましくは、トリエ
チルアルミニウム、トリ−iso−ブチルアルミニウム
である。
【0056】本発明のプロピレン重合用触媒を形成する
際に用いられる有機ケイ素化合物(C)(以下、「成分
(C)」ということがある。)としては、一般式R2 q
Si( OR3)4-q (式中、R2 は炭素数1〜12のアル
キル基、シクロアルキル基、フェニル基、ビニル基、ア
リル基、アラルキル基を示し、同一または異なっていて
もよい。R3 は炭素数1〜4のアルキル基、シクロアル
キル基、フェニル基、ビニル基、アリル基、アラルキル
基を示し、同一または異なっていてもよい。qは0≦q
≦3の整数である。)で表される化合物が用いられる。
このような有機ケイ素化合物としては、フェニルアルコ
キシシラン、アルキルアルコキシシラン、フェニルアル
キルアルコキシシラン、シクロアルキルアルコキシシラ
ン、シクロアルキルアルキルアルコキシシラン等を挙げ
ることができる。
【0057】上記の有機ケイ素化合物を具体的に例示す
ると、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシ
シラン、トリ−n−プロピルメトキシシラン、トリ−n
−プロピルエトキシシラン、トリ−n−ブチルメトキシ
シラン、トリ−iso−ブチルメトキシシラン、トリ−
t−ブチルメトキシシラン、トリ−n−ブチルエトキシ
シラン、トリシクロヘキシルメトキシシラン、トリシク
ロヘキシルエトキシシラン、シクロヘキシルジメチルメ
トキシシラン、シクロヘキシルジエチルメトキシシラ
ン、シクロヘキシルジエチルエトキシシラン、ジメチル
ジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジ−n
−プロピルジメトキシシラン、ジ−iso−プロピルジ
メトキシシラン、ジ−n−プロピルジエトキシシラン、
ジ−iso−プロピルジエトキシシラン、ジ−n−ブチ
ルジメトキシシラン、ジ−iso−ブチルジメトキシシ
ラン、ジ−t−ブチルジメトキシシラン、ジ−n−ブチ
ルジエトキシシラン、n−ブチルメチルジメトキシシラ
ン、ビス(2 −エチルヘキシル)ジメトキシシラン、ビ
ス(2 −エチルヘキシル)ジエトキシシラン、ジシクロ
ペンチルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジエトキ
シシラン、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、ジシク
ロヘキシルジエトキシシラン、ビス(3 −メチルシクロ
ヘキシル)ジメトキシシラン、ビス(4 −メチルシクロ
ヘキシル)ジメトキシシラン、ビス(3,5 −ジメチルシ
クロヘキシル)ジメトキシシラン、シクロヘキシルシク
ロペンチルジメトキシシラン、シクロヘキシルシクロペ
ンチルジエトキシシラン、シクロヘキシルシクロペンチ
ルジプロポキシシラン、3 −メチルシクロヘキシルシク
ロペンチルジメトキシシラン、4 −メチルシクロヘキシ
ルシクロペンチルジメトキシシラン、3,5 −ジメチルシ
クロヘキシルシクロペンチルジメトキシシラン、3 −メ
チルシクロヘキシルシクロヘキシルジメトキシシラン、
4 −メチルシクロヘキシルシクロヘキシルジメトキシシ
ラン、3,5 −ジメチルシクロヘキシルシクロヘキシルジ
メトキシシラン、シクロペンチルメチルジメトキシシラ
ン、シクロペンチルメチルジエトキシシラン、シクロペ
ンチルエチルジエトキシシラン、シクロペンチル(is
o−プロピル)ジメトキシシラン、シクロペンチル(i
so−ブチル)ジメトキシシラン、シクロヘキシルメチ
ルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジエトキシ
シラン、シクロヘキシルエチルジメトキシシラン、シク
ロヘキシルエチルジエトキシシラン、シクロヘキシル
(n−プロピル)ジメトキシシラン、シクロヘキシル
(iso−プロピル)ジメトキシシラン、シクロヘキシ
ル(n−プロピル)ジエトキシシラン、シクロヘキシル
(iso−ブチル)ジメトキシシラン、シクロヘキシル
(n−ブチル)ジエトキシシラン、シクロヘキシル(n
−ペンチル)ジメトキシシラン、シクロヘキシル(n−
ペンチル)ジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシ
ラン、ジフェニルジエトキシシラン、フェニルメチルジ
メトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、フ
ェニルエチルジメトキシシラン、フェニルエチルジエト
キシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエ
トキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリ
エトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、i
so−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリ
エトキシシラン、iso−プロピルトリエトキシシラ
ン、n−ブチルトリメトキシシラン、iso−ブチルト
リメトキシシラン、t−ブチルトリメトキシシラン、n
−ブチルトリエトキシシラン、2-エチルヘキシルトリメ
トキシシラン、2-エチルヘキシルトリエトキシシラン、
シクロペンチルトリメトキシシラン、シクロペンチルト
リエトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラ
ン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、ビニルトリメ
トキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルト
リメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、テト
ラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロ
ポキシシラン、テトラブトキシシラン等を挙げることが
できる。上記の中でも、ジ−n−プロピルジメトキシシ
ラン、ジ−iso−プロピルジメトキシシラン、ジ−n
−ブチルジメトキシシラン、ジ−iso−ブチルジメト
キシシラン、ジ−t−ブチルジメトキシシラン、ジ−n
−ブチルジエトキシシラン、t−ブチルトリメトキシシ
ラン、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、ジシクロヘ
キシルジエトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメト
キシシラン、シクロヘキシルメチルジエトキシシラン、
シクロヘキシルエチルジメトキシシラン、シクロヘキシ
ルエチルジエトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキ
シシラン、ジシクロペンチルジエトキシシラン、シクロ
ペンチルメチルジメトキシシラン、シクロペンチルメチ
ルジエトキシシラン、シクロペンチルエチルジエトキシ
シラン、シクロヘキシルシクロペンチルジメトキシシラ
ン、シクロヘキシルシクロペンチルジエトキシシラン、
3−メチルシクロヘキシルシクロペンチルジメトキシシ
ラン、4−メチルシクロヘキシルシクロペンチルジメト
キシシラン、3,5−ジメチルシクロヘキシルシクロペ
ンチルジメトキシシランが好ましく用いられ、該有機ケ
イ素化合物(C)は1種あるいは2種以上組み合わせて
用いることができる。
【0058】さて、本発明の重要な構成要件は、前記成
分(A)〜(C)に併せて以下に示す成分(D)を使用
する点であって、該成分(D)の併用によって、得られ
る重合体の微粉量が大幅に低減することはまったく予期
されない現象である。以下成分(D)について説明す
る。
【0059】本発明の触媒を構成するチタン化合物とエ
ステル化合物の錯体(D)(以下、「成分(D)」とい
うことがある。)の形成に用いられるチタン化合物とし
ては、一般式Ti(OR12)n X4-n(式中、R12 は炭素数1〜
4のアルキル基を示し、Xは塩素、臭素、沃素等のハロ
ゲン原子を示し、nは0≦n≦3の整数である。)で表
されるチタンハライド、アルコキシチタンハライドまた
はアルコキシチタンが例示される。また、上記のチタン
化合物は、単独あるいは2種以上併用することもでき
る。
【0060】具体的には、チタンハライドとしてTiC
l4 、TiBr4 、TiI4等のチタンテトラハライド、アルコ
キシチタンハライドとしてTi(OCH3)Cl3 、Ti(OC2H5)C
l3、Ti(OC3 H7)Cl3、Ti(O-n-C4H9)Cl3 、Ti(OCH3)2Cl2
Ti(OC2H5)2Cl2 、Ti(OC3H7)2Cl2 、Ti(O-n-C4H9)2Cl2
Ti(OCH3)3Cl 、Ti(OC2H5)3Cl、Ti(OC3H7)3Cl、Ti(O-n-C
4H9)3Cl 、アルコキシチタンとしてTi(OCH3)4 、Ti(OC2
H5)4、Ti(OC3H7)4、Ti(O-n-C4H9)4 、等が例示される。
このうち、チタンテトラハライドが好ましく、特に好ま
しくはTiCl4 である。これらのチタン化合物は、単独あ
るいは2種以上併用することもできる。
【0061】本発明の固体触媒成分(D)を構成するチ
タン化合物とエステル化合物の錯体の形成に用いられる
エステル化合物としては、ギ酸メチル、酢酸エチル、酢
酸ビニル、酢酸プロピル、酢酸オクチル、酢酸シクロヘ
キシル、プロピオン酸エチル、酪酸エチル、安息香酸メ
チル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブ
チル、安息香酸オクチル、安息香酸シクロヘキシル、安
息香酸フェニル、p−トルイル酸メチル、p−トルイル
酸エチル、アニス酸メチル、アニス酸エチル等のモノカ
ルボン酸エステル類、マレイン酸ジエチル、マレイン酸
ジブチル、アジピン酸ジメチル、アジピン酸ジエチル、
アジピン酸ジプロピル、アジピン酸ジブチル、アジピン
酸ジイソデシル、アジピン酸ジオクチル、ジメチルフタ
レート、ジエチルフタレート、ジ−n−プロピルフタレ
ート、ジ−iso−プロピルフタレート、ジ−n−ブチ
ルフタレート、ジ−iso−ブチルフタレート、エチル
メチルフタレート、メチル(iso−プロピル)フタレ
ート、エチル−n−プロピルフタレート、エチル−n−
ブチルフタレート、ジ−n−ペンチルフタレート、ジ−
iso−ペンチルフタレート、ジヘキシルフタレート、
ジ−n−ヘプチルフタレート、ジ−n−オクチルフタレ
ート、ビス(2,2−ジメチルヘキシル)フタレート、
ビス(2−エチルヘキシル)フタレート、ジ−n−ノニ
ルフタレート、ジ−iso−デシルフタレート、ビス
(2,2−ジメチルヘプチル)フタレート、n−ブチル
(iso−ヘキシル)フタレート、n−ブチル(2−エ
チルヘキシル)フタレート、n−ペンチルヘキシルフタ
レート、n−ペンチル(iso−ヘキシル)フタレー
ト、iso−ペンチル(ヘプチル)フタレート、n−ペ
ンチル(2−エチルヘキシル)フタレート、n−ペンチ
ル(iso−ノニル)フタレート、iso−ペンチル
(n−デシル)フタレート、n−ペンチル(ウンデシ
ル)フタレート、iso−ペンチル(iso−ヘキシ
ル)フタレート、n−ヘキシル(2−エチルヘキシル)
フタレート、n−ヘキシル(iso−ノニル)フタレー
ト、n−ヘキシル(n−デシル)フタレート、n−ヘプ
チル(2−エチルヘキシル)フタレート、n−ヘプチル
(iso−ノニル)フタレート、n−ヘプチル(neo
−デシル)フタレート、2−エチルヘキシル(iso−
ノニル)フタレート、ジメチルテレフタレート、ジエチ
ルテレフタレート、ジ−n−プロピルテレフタレート、
ジ−iso−プロピルテレフタレート、ジ−n−ブチル
テレフタレート、ジ−iso−ブチルテレフタレート、
ジ−iso−ペンチルテレフタレート、ジヘキシルテレ
フタレート、ジ−n−ヘプチルテレフタレート、ジ−n
−オクチルテレフタレート、ビス(2,2−ジメチルヘ
キシル)テレフタレート、ビス(2−エチルヘキシル)
テレフタレート、ジ−n−ノニルテレフタレート、ジ−
iso−デシルテレフタレート、ビス(2,2−ジメチ
ルヘプチル)テレフタレート、ジメチルイソフタレー
ト、ジエチルイソフタレート、ジ−n−プロピルイソフ
タレート、ジ−iso−プロピルイソフタレート、ジ−
n−ブチルイソフタレート、ジ−iso−ブチルイソフ
タレート、ジ−iso−ペンチルイソフタレート、ジヘ
キシルイソフタレート、ジ−n−ヘプチルイソフタレー
ト、ジ−n−オクチルイソフタレート、ビス(2,2−
ジメチルヘキシル)イソフタレート、ビス(2−エチル
ヘキシル)イソフタレート、ジ−n−ノニルイソフタレ
ート、ジ−iso−デシルイソフタレート、ビス(2,
2−ジメチルヘプチル)イソフタレート等のジカルボン
酸エステル類が挙げられる。これらのうち、芳香族ジカ
ルボン酸ジエステルが好ましく、特に好ましくはフタル
酸ジエステルである。具体的には、ジメチルフタレー
ト、ジエチルフタレート、ジ−n−プロピルフタレー
ト、ジ−iso−プロピルフタレート、ジ−n−ブチル
フタレート、ジ−iso−ブチルフタレート、ジ−is
o−ペンチルフタレート、ジヘキシルフタレート、ジ−
n−ヘプチルフタレート、ジ−n−オクチルフタレー
ト、ビス(2,2−ジメチルヘキシル)フタレート、ビ
ス(2−エチルヘキシル)フタレート、ジ−n−ノニル
フタレート、ジ−iso−デシルフタレート、ビス
(2,2−ジメチルヘプチル)フタレートであり、これ
らの中でも、炭素数2〜8のアルキル基をもつフタル酸
ジエステルが好ましい。これらのエステル化合物は、単
独あるいは2種以上併用することもできる。
【0062】本発明における、錯体のチタン化合物とエ
ステル化合物の組成比については特に限定されるもので
はないが、チタン化合物に対するエステル化合物がモル
比で通常0.1〜3.0であり、好ましくは1あるいは
2、即ちチタン化合物とエステル化合物が1:1あるい
は1:2の錯体である。
【0063】上記錯体は、チタン化合物とエステル化合
物を接触させ、加熱処理等を施すことにより反応させ調
製することができる。このときチタン化合物とエステル
化合物を直接反応させることもできるが、操作性あるい
は生成した錯体の取り扱い性を考慮すると不活性有機溶
媒の存在下で調製することが望ましい。該不活性有機溶
媒としては、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の
飽和炭化水素化合物、ベンゼン、トルエン、キシレン、
エチルベンゼン等の芳香族炭化水素化合物、オルトジク
ロルベンゼン、塩化メチレン、四塩化炭素、ジクロルエ
タン等のハロゲン化炭化水素化合物等が挙げられるが、
このうち、沸点が60〜150℃程度の、常温で液状状
態の芳香族炭化水素化合物、具体的にはヘキサン、ヘプ
タン、シクロヘキサンなどの生成した錯体を溶解しない
溶媒が好ましく用いられる。このようにして調製される
本発明の錯体は、常温下で粉体状または顆粒状の固体で
ある。
【0064】次に本発明のオレフィン類重合方法は、前
記した成分(A)、成分(B)、成分(C)および成分
(D)より成る触媒の存在下にオレフィンの重合もしく
は共重合を行う。オレフィン類としては、エチレン、プ
ロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1
−ペンテン、ビニルシクロヘキサン等であり、これらの
オレフィン類は1種あるいは2種以上併用することがで
きる。とりわけ、エチレン、プロピレン及び1−ブテン
が好適に用いられる。特に好ましくはプロピレンであ
る。プロピレンの重合の場合、他のオレフィン類との共
重合を行うこともできる。共重合されるオレフィン類と
しては、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メ
チル−1−ペンテン、ビニルシクロヘキサン等であり、
これらのオレフィン類は1種あるいは2種以上併用する
ことができる。とりわけ、エチレン及び1−ブテンが好
適に用いられる。
【0065】各成分の使用量比は、本発明の効果に影響
を及ぼすことのない限り任意であり、特に限定されるも
のではないが、通常成分(B)は成分(A)中のチタン
原子1モル当たり、1〜2000モル、好ましくは50
〜1000モルの範囲で用いられる。成分(C)は、
(B)成分1モル当たり、0.002〜10モル、好ま
しくは0.01〜2モル、特に好ましくは0.01〜
0.5モルの範囲で用いられる。また成分(D)は成分
(A)中のチタン原子1モル当たり、0.01〜20モ
ル、好ましくは0.05〜15モル、更に好ましくは
0.1〜10モルの範囲で用いられる。
【0066】各成分の接触順序は任意であるが、重合系
内にまず有機アルミニウム化合物(B)を装入し、次い
で有機ケイ素化合物(C)を接触させ、更に固体触媒成
分(A)および成分(D)を接触させることが望まし
い。
【0067】本発明における重合方法は、有機溶媒の存
在下でも不存在下でも行うことができ、またプロピレン
等のオレフィン単量体は、気体及び液体のいずれの状態
でも用いることができる。重合温度は200℃以下、好
ましくは100℃以下であり、重合圧力は10MPa以
下、好ましくは5MPa以下である。また、連続重合
法、バッチ式重合法のいずれでも可能である。更に重合
反応を1段で行ってもよいし、2段以上で行ってもよ
い。
【0068】更に、本発明において成分(A)、成分
(B)、成分(C)及び成分(D)より成る触媒を用い
てオレフィンを重合するにあたり(本重合ともい
う。)、触媒活性、立体規則性及び生成する重合体の粒
子性状等を一層改善させるために、本重合に先立ち予備
重合を行うことが望ましい。予備重合の際には、本重合
と同様のオレフィン類あるいはスチレン等のモノマーを
用いることができる。
【0069】予備重合を行うに際して、各成分及びモノ
マーの接触順序は任意であるが、好ましくは、不活性ガ
ス雰囲気あるいはプロピレンなどの重合を行うガス雰囲
気に設定した予備重合系内にまず成分(B)を装入し、
次いで成分(A)及び成分(D)を接触させた後、プロ
ピレン等のオレフィン及び/または1種あるいは2種以
上の他のオレフィン類を接触させる。成分(C)を組み
合わせて予備重合を行う場合は、不活性ガス雰囲気ある
いはプロピレンなどの重合を行うガス雰囲気に設定した
予備重合系内にまず成分(B)を装入し、次いで成分
(C)を接触させ、更に固体触媒成分(A)及び成分
(D)を接触させた後、プロピレン等のオレフィン及び
/または1種あるいはその他の2種以上のオレフィン類
を接触させる方法が望ましい。上記の場合においても成
分(A)と成分(D)は成分(B)と接触させる前に予
め接触させておくことが望ましい。
【0070】本発明によって形成されるオレフィン類重
合用触媒の存在下で、オレフィン類の重合を行った場
合、従来の触媒を使用した場合に較べ、立体規則性に優
れたオレフィン類重合体を高収率で得ることのでき、さ
らに微粉の極めて少ないオレフィン類重合体を得ること
ができる。
【0071】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比しつ
つ、具体的に説明する。
【0072】実施例1 〈成分(A)の調製〉撹拌機を具備し、窒素ガスで充分
に置換された、容量2000mlの丸底フラスコに、ジ
エトキシマグネシウム150g及びトルエン750ml
を装入し、懸濁状態とした。次いで、該懸濁溶液を、撹
拌機を具備し窒素ガスで充分に置換された、容量300
0mlの丸底フラスコ中に予め装入されたトルエン45
0ml及び四塩化チタン300mlの溶液中に、装入し
た。次いで、ジ−n−ブチルフタレート54mlを添加
し、110℃まで昇温し、その途中で、ジメチルポリシ
ロキサン60mlを添加した。110℃まで昇温後、撹
拌しながら2時間反応させた。反応終了後、生成物をト
ルエンで洗浄し、新たにトルエン1200ml、四塩化
チタン300mlを加えて、100℃で2時間撹拌しな
がら接触反応させた。次いで、生成物をヘプタンで洗浄
し、濾過、乾燥して、粉末状の固体成分を得た。この固
体成分中のチタン含有量を測定したところ、1.41重
量%であった。
【0073】〈成分(D)の調製〉撹拌機を具備し、窒
素ガスで充分に置換された、容量500mlの丸底フラ
スコに、n−ヘプタン200ml及びジ−n−ブチルフ
タレート26.5mlを挿入し溶液とした。次いで四塩
化チタン11mlをウィットマーにて、前記四塩化チタ
ン溶液に、撹拌しながら常温で15分かけて滴下した。
その後、該溶液を40℃に加熱し、1時間反応させ、黄
色の固体状の錯体を得た。この錯体を40℃のn−ヘプ
タン200mlで7回洗浄し、次いでこの錯体を室温で
真空乾燥し、粉体状の四塩化チタンとジ−n−ブチルフ
タレート錯体を得た。この錯体中のチタン含有量及びジ
−n−ブチルフタレート含有量の分析を行ったところ、
四塩化チタンとジ−n−ブチルフタレートがモル比で
1:1の錯体であった。
【0074】〈重合用触媒の形成及び重合〉窒素ガスで
置換された、内容積2200mlの撹拌装置付きオート
クレーブ内に、トリエチルアルミニウム1.3mmol
及びシクロヘキシルメチルジメトキシシラン0.13m
molを入れて撹拌処理した。次いで、上記の成分
(A)をチタン原子として0.0026mmol相当
量、さらに上記成分(D)をチタン原子として0.00
19mmolを装入し重合用触媒を形成した。その後、
水素ガス2000ml、液化プロピレン1400mlを
装入し、20℃で5分間予備重合を行い、その後本重合
を70℃で1時間行った。
【0075】(重合評価)上記重合で得られた重合体に
つき、固体触媒成分当たりの重合活性(Yield)、
沸騰n−ヘプタンで6時間抽出した際の不溶解の重合体
量(HI)を測定した。重合活性及びHIは、下記の
(3)及び(4)式より算出した。更に、生成重合体の
メルトフローレイト(MI)、嵩密度(BD)、210
μm以下の微粒重合体、粒度分布(SPAN)を測定し
た。SPANは(5)式より算出した。以上の測定結果
を表1に示した。 Yield(g-PP/g-cat. )=a(g)/固体触媒成分(g) (3) HI(重量%)={b(g)/a(g)}×100 (4) SPAN={積算粒度で90%の粒径(μm)/積算粒度で10%の粒径(μ m)}/平均粒径(μm) (5) 上記(3)、(4)及び(5)式において、aは重合反
応終了後、生成した重合体の重量を示し、bは重合反応
終了後に生成した重合体を沸騰n−ヘプタンで6時間抽
出した、n−ヘプタン不溶解分の重量を示す。
【0076】実施例2 重合用触媒を形成する際の成分(D)の量をチタン原子
として0.0019mmolを0.0038mmolと
した以外は、実施例1と同様の条件で実験を行った。重
合評価結果を表1に併載する。
【0077】実施例3 成分(D)の調製時に用いるジ−n−ブチルフタレート
の代わりにビス(2−エチルヘキシル)フタレートを用
いた以外は、実施例1と同様の条件で実験を行った。重
合評価結果を表1に併載する。
【0078】実施例4 重合用触媒を形成する際の成分(D)の量をチタン原子
として0.0019mmolを0.0038mmolと
した以外は、実施例1と同様の条件で実験を行った。重
合評価結果を表1に併載する。
【0079】比較例1 成分(D)の錯体を用いなかった以外は、実施例1と同
様に行った。重合評価結果を表1に併載する。
【0080】
【表1】
【0081】以上の結果から、本発明の触媒を用いてオ
レフィン類の重合を行うことにより、収率また立体規則
性を高度に維持しつつ微粒重合体の発生を低減できるこ
とがわかる。
【0082】
【発明の効果】本発明のオレフィン類重合用触媒は、立
体規則性に優れたオレフィン類重合体を高収率で得るこ
とのでき、さらに微粉の極めて少ないオレフィン類重合
体を得ることができる。これにより、特に気相法プロセ
スにおけるオレフィン類の重合において微粉発生による
操業上の問題が解決され、効率のよいポリオレフィン製
造が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の重合触媒を調製する工程を示すフロー
チャート図である。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J028 AA02A AB02A AC04A AC05A AC06A BA01A BA02B BB00A BB01B BC05A BC06A BC07A BC15B BC16B BC34B CA15A CA16A CB23A CB25A CB27A CB35A CB36A CB43A CB44A CB52A CB53A CB58A CB63A CB64A CB66A CB68A CB72A

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記成分(A)、(B)、(C)および
    (D);(A)マグネシウム、チタン、電子供与性化合
    物及びハロゲン原子を含有する固体触媒成分、(B)一
    般式(1)で表される有機アルミニウム化合物、 R1 p AlQ 3-p (1) (式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基を示し、Q は水
    素原子あるいはハロゲン原子を示し、pは0<p≦3の
    実数である。)、(C)一般式(2)で表される有機ケ
    イ素化合物、 R2 q Si(OR3)4-q (2) (式中、R2は炭素数1〜12のアルキル基、シクロアル
    キル基、フェニル基、ビニル基、アリル基、アラルキル
    基を示し、同一または異なっていてもよい。R3は炭素数
    1〜4のアルキル基、シクロアルキル基、フェニル基、
    ビニル基、アリル基、アラルキル基を示し、同一または
    異なっていてもよい。qは0≦q≦3の整数であ
    る。)、(D)チタン化合物とエステル化合物との錯
    体、によって形成されることを特徴とするオレフィン類
    重合用触媒。
  2. 【請求項2】 前記(D)成分で使用するチタン化合物
    が、四塩化チタンである請求項1記載のオレフィン類重
    合用触媒。
  3. 【請求項3】 前記(D)成分で使用するエステル化合
    物が、芳香族ジカルボン酸ジエステルである請求項1記
    載のオレフィン類重合用触媒。
  4. 【請求項4】 前記(D)成分で使用するエステル化合
    物が、フタル酸ジエステルである請求項1記載のオレフ
    ィン類重合用触媒。
  5. 【請求項5】 下記成分(A)、(B)、(C)および
    (D);(A)マグネシウム、チタン、電子供与性化合
    物及びハロゲン原子を含有する固体触媒成分、(B)一
    般式(1)で表される有機アルミニウム化合物、 R1 p AlQ 3-p (1) (式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基を示し、Q は水
    素原子あるいはハロゲン原子を示し、pは0<p≦3の
    実数である。)、(C)一般式(2)で表される有機ケ
    イ素化合物、 R2 q Si(OR3)4-q (2) (式中、R2は炭素数1〜12のアルキル基、シクロアル
    キル基、フェニル基、ビニル基、アリル基、アラルキル
    基を示し、同一または異なっていてもよい。R3は炭素数
    1〜4のアルキル基、シクロアルキル基、フェニル基、
    ビニル基、アリル基、アラルキル基を示し、同一または
    異なっていてもよい。qは0≦q≦3の整数であ
    る。)、(D)チタン化合物とエステル化合物との錯
    体、によって形成される触媒の存在下にオレフィン類を
    重合させることを特徴とするオレフィン類重合方法。
  6. 【請求項6】 前記(D)で使用するチタン化合物が、
    四塩化チタンである請求項5記載のオレフィン類重合方
    法。
  7. 【請求項7】 前記(D)で使用するエステル化合物
    が、フタル酸ジエステルである請求項5記載のオレフィ
    ン類重合方法。
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