JP2001171447A - 車体用エネルギー吸収部材構造 - Google Patents

車体用エネルギー吸収部材構造

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JP2001171447A
JP2001171447A JP35604899A JP35604899A JP2001171447A JP 2001171447 A JP2001171447 A JP 2001171447A JP 35604899 A JP35604899 A JP 35604899A JP 35604899 A JP35604899 A JP 35604899A JP 2001171447 A JP2001171447 A JP 2001171447A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 現行のバンパー補強材やドアビーム等のエ
ネルギー吸収部材構造のデザインや設計条件を大幅に変
更することなく、簡単な改善により、車両の衝突時のエ
ネルギー吸収性能を高めることができ、好ましくは前記
打ち抜き現象の防止も達成できる、断面形状が略矩形の
中空構造を有するAl合金製押出形材からなるエネルギー
吸収部材構造を提供することを目的とする。 【解決手段】 略水平方向に延在して用いられる車体
用エネルギー吸収部材1aと、その両端部に結合された車
体連結用部材2aとからなる車体用エネルギー吸収部材構
造であって、車体用エネルギー吸収部材1aと車体連結用
部材2aとを、断面形状が略矩形の中空構造を有するアル
ミニウム(Al)合金製押出形材から各々構成し、車体結合
用部材の前端に凸部7aを設け、該凸部7aを車体用エネル
ギー吸収部材の中空構造空間内に突出させて、車体用エ
ネルギー吸収部材と車体連結用部材とを結合したことで
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に車体衝突時の
エネルギー吸収性能に優れたアルミニウム合金製(以
下、アルミニウムを単にAlと言う)押出形材からなる車
体用エネルギー吸収部材構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車の車体には、バンパー補強材やド
アビーム等の車体用エネルギー吸収部材が設けられてい
る。この内、例えば、車体の前端および後端に取り付け
られているバンパーの内部には、強度補強部材としての
バンパー補強材 (バンパーリインフォースメント、或い
はバンパーレインフォースなどとも言う) が設けられて
いる。このバンパー補強材は、周知の通り、バンパース
テイなどの車体連結用部材を介して、フロントサイドメ
ンバやリヤサイドメンバ等、車体前後方向の骨格部材の
車体フレーム (車体メンバ) に連結、固定されて、車体
用エネルギー吸収部材構造を構成している。また、前記
ドアビームなどはブラケットやフレームなどの車体連結
用部材を介して、車体としてのドアフレームに連結、固
定されて、車体用エネルギー吸収部材構造を構成してい
る。
【0003】今、バンパー補強材の場合を例にすると、
より具体的には、例えば特開平4-31152 号公報等に開示
されているように、車体長手方向に延在するフロントサ
イドメンバの前部に、断面形状が略矩形 (口形) の中空
構造のバンパーステイーを介して、同じく中空構造のバ
ンパー補強材を略車幅方向 (略水平方向) 固定、延在さ
せる構造である。そして、このような構造とすることに
よって、車体の前方からの衝突に対し、バンパー補強材
が横方向( 略水平方向) に圧壊、およびバンパーステイ
ーが軸方向に圧壊して衝突エネルギーを吸収する。
【0004】したがって、これら車体用エネルギー吸収
部材としてのバンパー補強材と、車体連結用部材として
のバンパーステイとの結合構造には、車体の衝突により
加わった外力のエネルギー (衝突エネルギー) を、自ら
の塑性変形 (座屈変形) により吸収し、前記車体メンバ
等を保護する性能が求められる。
【0005】近年、これらバンパー補強材やバンパース
テイ、或いはフロントサイドメンバやリヤサイドメンバ
等に、軽量化のために、従来使用されていた鋼材に代わ
って、5000系、6000系、7000系等の高強度Al合金製の押
出形材 (長手方向に同一断面形状を有する形材) が使用
され始めている。
【0006】Al合金は、鋼などに比して、前記エネルギ
ー吸収性能に優れる。また、長手方向に同一断面形状を
有するAl合金製押出形材は、バンパー補強材、バンパー
ステイなどに汎用されている、剛性に優れた断面形状が
略矩形の中空構造を、効率的に、かつ大量に製造するこ
とが可能である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような断
面形状が略矩形の中空構造を有し、Al合金製押出形材か
らなるバンパー補強材およびバンパーステイを結合した
車体用エネルギー吸収部材の場合、バンパー補強部材に
対する略水平方向からの荷重 (車両の衝突時の)に対
し、衝突エネルギーの要求吸収性能が不足する場合があ
るという問題を生じる。
【0008】例えば、図16(a) に具体例を示す通り、従
来のAl合金製押出形材からなるバンパー補強材101 は、
前壁部104 と後壁部105 とを2 つのウエブ (側壁)10
3 a、103 b により接続した断面形状が口形の形状を有
している。そして、図示しないフロントサイドメンバの
前部に、同じくAl合金製押出形材からなる、断面形状が
略矩形の中空構造のバンパーステイ102 を介して固定さ
れている。なお、バンパー補強材101 とバンパーステイ
102 とは、溶接あるいはボルト等の締結具107 等により
互いに固定されている。
【0009】図16(b) に示す通り、車両の衝突時に、バ
ンパー補強材101 に対し、略水平方向から大きな荷重F
が加わった場合、バンパー補強材101 は横圧壊 (水平方
向に変形) 状態となる。この時、バンパー補強材101 の
中空構造におけるウエブ103 a 、103 b には、ウエブの
立脚方向 (水平方向) に力がかかる結果、通常、曲げ変
形箇所107 を起点に、ウエブ103 a 、103 b が中空構造
の外側方向に変形、座屈する。この結果、バンパー補強
材101 が衝突エネルギーの吸収を行い、フロントサイド
メンバ等の車体メンバ類が圧壊するのを保護する。
【0010】ここにおいて、車両の衝突時に、バンパー
補強材101 に対し、略水平方向から大きな荷重F が加わ
った場合、バンパー補強材101 は横圧壊状態となる。こ
の時、バンパー補強材101 の中空構造におけるウエブ10
3 a 、103 b には、ウエブの立脚方向 (水平方向) に力
がかかる結果、通常、曲げ変形箇所107 を起点に、ウエ
ブが中空構造の外側方向に変形乃至座屈する。そして、
更にこの中空構造の外側方向への変形が進と、図16(b)
に示す通り、ウエブ103 a 、103 b と後壁部105 との接
続箇所 (コーナー部)106や、曲げ変形箇所107 等で割れ
が生じる。
【0011】この結果、更に荷重F が加わっても、これ
より後では、バンパー補強材101 の変形が生じず、バン
パー補強材101 によるエネルギー吸収が行われないこと
になる。したがって、車両の衝突時において、Al合金製
押出形材からなるバンパー補強材では、車両の衝突エネ
ルギー等の大きさによって、衝突のエネルギー吸収量が
不足して、フロントサイドメンバ等の車体メンバ類に損
傷を与えることにつながる。
【0012】また、更に大きな荷重F が加わって前記変
形が進むと、図16(c) に示す通り、バンパー補強材101
を支持するバンパーステイ102 が、その前端部で接して
いるバンパー補強材101 の後壁部105 を突き抜けて、バ
ンパー補強材101 の中空構造内に侵入する、いわゆるス
テイの打ち抜き現象が生じる可能性もある。
【0013】このステイの打ち抜き現象が生じた場合、
これより後では、バンパー補強材101 の変形が生じず、
バンパー補強材101 によるエネルギー吸収が行われない
ことになる。したがって、このステイの打ち抜き現象が
生じた場合、車両の高速衝突時における、バンパー補強
材101 のエネルギー吸収量が不足して、フロントサイド
メンバ等の車体メンバ類に損傷を与えることにつなが
る。
【0014】これに対し、衝突のエネルギー吸収量を大
きくするために、或いは、更にこれに加えてステイの打
ち抜き現象を防止して衝突のエネルギー吸収量をより大
きくするために、バンパー補強材101 を構成するAl合金
自体を高強度化する、或いはウエブ103 a 、103 b や後
壁部105 のAl合金の厚みを厚くする、バンパー補強材
に、断面形状が目形、日形、田形等の中リブを設けて補
強する等の方法が考えられる。
【0015】しかし、Al合金材を高強度化した場合に、
押出等の形材製造や曲げ等の形材の成形加工が難しくな
るとともに、割れが生じやすく、却って、衝突のエネル
ギー吸収量を小さくしたり、ステイの打ち抜き現象を助
長することにもつながる。また、単にAl合金材の厚みを
厚くしたり、前記中リブを設けた場合、重量が増加し
て、Al合金による軽量化の利点が損なわれるとともに、
バンパー補強材が塑性変形しにくくなり、却って、車両
の衝突時におけるエネルギー吸収量が不足する。更に、
単にAl合金材の厚みを厚くしたり、前記中リブを設けた
場合、バンパー補強材圧壊時の最大荷重が、サイドメン
バーの許容荷重以上に高くなり、却って、フロントサイ
ドメンバ等の車体メンバ類に損傷を与える可能性も高
い。
【0016】したがって、これまで以上に、バンパー補
強材構造に対して、衝突エネルギー吸収量の増大および
ステイの打ち抜き現象の防止が求められている。そし
て、これに対し、バンパー補強材構造の構造面や設計面
からの改善が求められている (ドアビーム等の他のAl合
金製車体用エネルギー部材でも同様) 。にも拘わらず、
バンパー補強材の構造や設計を大幅に変更した場合に
は、他の車体メンバやバンパーステイ等の設計変更や車
体自体の設計変更につながる可能性もあり、このような
変更は許容できない。
【0017】この点、現行のバンパー補強材構造のデザ
インや設計条件を大幅に変更することなく、簡単な改善
により、前記衝突エネルギー吸収量の増大、更に打ち抜
き現象の防止をはかることができれば、それにこしたこ
とはないが、効果的かつ効率的な改善策はこれまでに無
かったのが実情である。
【0018】したがって、本発明の目的は、現行のバン
パー補強材やドアビーム等のエネルギー吸収部材構造の
デザインや設計条件を大幅に変更することなく、簡単な
改善により、車両の衝突時のエネルギー吸収性能を高め
ることができ、好ましくは前記打ち抜き現象の防止も達
成できる、断面形状が略矩形の中空構造を有するAl合金
製押出形材からなるエネルギー吸収部材構造を提供しよ
うとするものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明の要旨は、略水平方向に延在して用いられる
車体用エネルギー吸収部材と、その両端部に結合された
車体連結用部材とからなる車体用エネルギー吸収部材構
造であって、車体用エネルギー吸収部材と車体連結用部
材とを、断面形状が略矩形の中空構造を有するアルミニ
ウム(Al)合金製押出形材から各々構成し、車体結合用部
材の前端に凸部を設け、該凸部を車体用エネルギー吸収
部材の中空構造空間内に突出させて、車体用エネルギー
吸収部材と車体連結用部材とを結合したことである。
【0020】請求項1の車体用エネルギー吸収部材構造
は、車体用エネルギー吸収部材と車体連結用部材とを、
断面形状が略矩形の中空構造を有するAl合金製押出形材
から各々構成し、車体結合用部材の前端に凸部を設け、
該凸部を車体用エネルギー吸収部材の中空構造空間内に
突出させて、車体用エネルギー吸収部材と車体連結用部
材とを結合している。この結果、現行の車体用エネルギ
ー吸収部材構造のデザインや設計条件を大幅に変更する
ことなく、簡単な改善により、車体用エネルギー吸収部
材構造に対する略水平方向からの荷重に対して、衝突エ
ネルギーの吸収性能を高めることが可能となる。また、
凸部の設け方により、バンパー補強材圧壊時の最大荷重
の調節も可能となる。
【0021】また、請求項2の車体用エネルギー吸収部
材構造は、前記車体連結用部材の前端に対応する車体用
エネルギー吸収部材の後壁部面に、前記凸部に対応する
スリット (後壁部に設けた貫通孔) または凹部を設けて
いる。この結果、車体用エネルギー吸収部材と車体連結
用部材との結合における位置決めや、結合自体も容易と
なって、バンパー補強構造の組み立てが容易となった上
で、衝突エネルギーの吸収性能も高めることが可能とな
る。
【0022】更に、請求項3の車体用エネルギー吸収部
材構造は、前記車体連結用部材の前端と結合される車体
用エネルギー吸収部材の両端部分のウエブの両外壁面
に、部分的な凹みを予め設け、車体用エネルギー吸収部
材に対する略水平方向からの荷重に対して、前記部分的
な凹みを起点に、前記両端部分のウエブが中空構造の内
側に屈曲するように構成している。この結果、現行の車
体用エネルギー吸収部材構造のデザインや設計条件を大
幅に変更することなく、簡単な改善により、車体用エネ
ルギー吸収部材構造に対する略水平方向からの荷重に対
して、ステイの打ち抜き現象防止等による衝突エネルギ
ーの吸収量が大きくなる効果や、衝突初期のピーク荷重
を一定以下に抑制する効果を有し、衝突時に、フロント
サイドメンバ等の車体メンバ類に損傷を与えることがな
くなる。
【0023】また、請求項4の車体用エネルギー吸収部
材構造は、ウエブの両外壁面に設けた部分的な前記凹み
が、車体用エネルギー吸収部材の長手方向が長軸、車体
用エネルギー吸収部材の幅方向が短軸となるような略楕
円形の形状であるため、車体用エネルギー吸収部材構造
に対する略水平方向からの荷重に対して、該凹みを起点
に前記両端部分のウエブが中空構造の内側に、より屈曲
しやすくすることができる。この結果、前記請求項3に
よる効果をより高めることができる。
【0024】更に、請求項5の車体用エネルギー吸収部
材構造は、前記効果を得る凹みを、エンボス加工によ
り、ウエブの両外壁面に、部分的に、かつ簡便に設ける
ことが可能となる。
【0025】そして、請求項6の車体用エネルギー吸収
部材構造は、Al合金として、AA乃至JIS 5000系、6000
系、7000系から選択される、成形性が良くかつ高強度の
規格Al合金を用いるので、押出加工等、車体用エネルギ
ー吸収部材と車体連結用部材への製造がしやすく、か
つ、衝突エネルギー吸収性能を高めることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態に
ついて、バンパー補強部材構造の場合について、図面を
用いて説明する。
【0027】本発明では、前記した通り、現行の車体用
エネルギー吸収部材構造のデザインや設計条件を大幅に
変更することなく、簡単な改善により、前記打ち抜き現
象を防止し、車体の衝突時のエネルギー吸収性能を高め
る。このため、断面形状が略口形の中空構造を有するAl
合金製押出形材からなるバンパー補強部材の基本的な構
造は、前記した図16(a) の従来技術と、基本的に同じで
ある。
【0028】即ち、図1 、図6 、図9 、図10に、本発明
に係るバンパー補強部材1a〜1eの各実施態様を斜視図に
示す。これら各図の通り、バンパー補強部材1a〜1eは、
前壁部4 と後壁部5 とを、2 つのウエブ 3 a、3 b によ
り接続した断面形状が略口形の中空一体構造を有してい
る。そして、この中空一体構造は、Al合金製押出形材か
らなり、長手方向に渡って略口形の断面形状は同一であ
る。本発明に係るバンパー補強部材の断面形状は、軽量
化の点からは、口形の中空構造が好ましいし、口形の軽
量中空構造で可能である。ただ、車種によって要求強度
が異なり、また、軽量化よりも高強度が要求されるよう
な場合もある。したがって、このような場合には、バン
パー補強部材をより補強するために、例えば、中空構造
内に補強用の中リブを入れて、断面形状を日形、田形、
目形等にすることなども可能である。
【0029】また、本発明車体用エネルギー吸収部材構
造を構成する、車体連結用部材としてのバンパーステイ
は、2a〜2kとして、図2 、図7 、図9(本発明バンパー補
強構造を示す) 、図11に正面図で各実施態様を示す通
り、バンパー補強部材と同様に、断面形状は基本的に、
口形、日形等の、略矩形の中空一体構造を有している。
断面形状はこの他、田形、目形等でも良い。そして、こ
の中空一体構造は、Al合金製押出形材からなり、長手方
向に渡って断面形状は同一である。そして、これらのバ
ンパーステイ2a〜2kは、後述する通り、各々対応するバ
ンパー補強部材1a〜1eと結合、固定されて、図3 、図8
、図9 、図12に正面図で各実施態様を示す、本発明バ
ンパー補強構造を構成する。これらバンパーステイのい
ずれの態様でも、吸収すべき衝突エネルギー量に大きな
相違はないため、主として、デザインや製造のし易さ等
の問題から適宜選択される。
【0030】なお、図3 、図8 、図9 、図12の本発明車
体用エネルギー吸収部材構造に係るバンパー補強構造
は、バンパーステイを介して、各々のフロントサイドメ
ンバ8等の車体メンバ類の前端部にボルト等の適宜の締
結具10により固定される。また、バンパー補強部材1 と
バンパーステイ2 とは、従来と同じく、溶接あるいはボ
ルト等の適宜の締結具等により互いに固定する。
【0031】次に、より具体的に、各図を用いて、本発
明のバンパー補強構造を説明する。図1 は、バンパー補
強部材1aの後壁部5 の面で、バンパーステイとの接続面
にバンパー補強部材1aの長手方向で、かつ水平方向に延
在するスリット6 (横スリット) を設けた例を示す斜視
図である。このスリット6 は、バンパーステイの前端
(端部先端) の凸部を、バンパー補強部材の中空構造空
間内に突出させるためのものである。この図1 のよう
に、水平方向に延在する1 個のスリット6 を設けた例で
は、図2(a)か図2(d)、または図2(f)に正面図を示す、1
個の凸部7aか7d、または7fを有するバンパーステイ2a
(断面日形、但し凸部以外の断面、以下同じ)か2d (断面
口形) 、または2f (断面日形) を用いる。
【0032】前記スリット6 を通じて、バンパーステイ
の凸部をバンパー補強部材の中空構造空間内に突出させ
るように、バンパー補強部材とバンパーステイとを結合
させるために、バンパーステイの凸部7a、7d、7fの大き
さ (厚み×幅) と、スリット6 の大きさ (厚み×幅) 、
更には、バンパー補強部材1aのウエブ3a、3bの長さとバ
ンパーステイの凸部7a、7d、7fの長さ、そしてスリット
6 の大きさと数、更には位置を調節して、各々対応させ
る。
【0033】ここにおいて、図2(b)か図2(e)、または図
2(c)に正面図を示す、2 個の凸部7b、7e、または3 個の
凸部7cを有するバンパーステイ2b (断面日形) か2e (断
面口形) 、または2c( 断面日形) を用いる場合には、こ
れに対応するバンパー補強部材のスリット6 を、2 個ま
たは3 個設けるように適宜調節する。そして、これらス
リットおよびバンパーステイの凸部の大きさと形状は、
後述するごとく、バンパーステイの凸部に負担させるべ
き、衝突荷重の大きさによって、基本的に定まる。
【0034】図3 に、バンパー補強部材とバンパーステ
イとを結合させた本発明のバンパー補強構造の正面図を
示す。図3 は、前記バンパー補強部材1aを、スリット6
を通じて、図2 (a) のバンパーステイ2aを結合させた例
である。本例では、バンパーステイ2aの凸部7aの先端
を、バンパー補強部材1aの後壁部5 に設けたスリット6
を通じて、バンパー補強部材の中空構造空間内に突出さ
せ、前壁部4 の内壁面に当接させている。バンパーステ
イ2aの凸部7aの先端は、後述するように、必ずしも、前
壁部4 の内壁面に当接させる必要はなく、前壁部4 の内
壁面に当接させず、中空構造空間内に臨ませるだけでも
良い。
【0035】なお、バンパーステイ2aは、その係止片20
を通じて、フロントサイドメンバ8等の車体メンバ類の
前端部にボルト等の適宜の締結具10により固定され、バ
ンパー補強部材を車体メンバ類に連結する機能も有して
いる。即ち、バンパー補強部材1aは、車体の前方のバン
パーの態様を例に示すと、自動車の車幅方向に間隔を空
けて、かつ車体の長手 (走行) 方向に延在する2 本のフ
ロントサイドメンバ8(図示は1 本) の各々の前端部に、
各々バンパーステイ2aを介して、略水平方向(車幅方向)
に延在するように、その両端部において、固定されて
いる。なお、車体後方のバンパーの態様も、基本的には
これと同じである。
【0036】なお、この内壁面の当接部分には、バンパ
ーステイ2aの凸部7aの先端を係り止める、凸部7aの先端
の位置決めと固定のための係止部9aを、選択的に設けて
いる。これら係止片の形状は、図4(a)〜(e) の正面図に
示す、バンパーステイ2 の凸部7a〜7iの先端形状のバリ
エーションの選択に応じて適宜選択される。図5 は、バ
ンパーステイの凸部の先端部形状と、前壁部4 の内壁面
の係止部9 との関係を正面図で示したもので、図5(a)
は、図4 (b) のT 字形凸部7gのT 字部分を前壁部4 の内
壁面に係止部を設けずに当接させたもの、図5(b)は、図
4 (c) のU 字形凸部7hのU 字部分を前壁部4 の内壁面に
設けた係止部9bに当接させたものを示している。これ
ら、前壁部4 の内壁面に係止部を設けるか否か、また設
ける場合の形状は、バンパーステイの凸部の先端形状
と、この先端の位置決めと固定のための必要性や必要条
件から適宜選択される。
【0037】このような本発明のバンパー補強構造の作
用について以下に説明する。図3 において、今、車両の
衝突によって、矢印F1で示す水平方向の衝撃荷重が、バ
ンパー補強部材1aの全面 (前壁部4)にかかった場合、バ
ンパー補強部材1aの2 つのウエブ 3 a、3 b に荷重がか
かるとともに、前壁部4 の内壁面に当接しているバンパ
ーステイ2aの凸部7aにも荷重がかかる。このことにより
ウエブ 3 a、3 b の荷重負担が軽減され、割れ等の破壊
を生じずに、変形して、エネルギー吸収が行われること
になる。したがって、車両の高速衝突時において、Al合
金製押出形材からなるバンパー補強部材でも、衝突のエ
ネルギー吸収量が不足せず、フロントサイドメンバ等の
車体メンバ類に損傷を与えることが防止できる。
【0038】このような作用は、前壁部4 の内壁面に当
接させず、中空構造空間内に臨ませた場合も同様であ
る。但し、この場合は、当初の水平方向の衝撃初期荷重
はウエブ 3 a、3 b のみで負担するものの、衝撃荷重に
よるバンパー補強部材1aの前壁部4 の後面側に向かう変
形に伴って、前壁部4 がバンパーステイ2aの凸部7aに当
接し、すぐに荷重を分担する。そして、これ以後は、前
記の場合と同様の作用効果を有する。
【0039】また、一方、バンパーステイの凸部の個数
や大きさ等の設け方により、バンパー補強部材の圧壊時
の最大荷重を調節することができる。通常、断面形状が
略矩形の中空構造のバンパー補強部材の前記圧壊時の最
大荷重は必然的に高い。したがって、この最大荷重が、
フロントサイドメンバ等の車体メンバ類の、車種等によ
って異なる、許容荷重 (強度) よりも高い場合には、車
両の衝突時において、バンパー補強部材構造の変形によ
る十分なエネルギー吸収が行われるよりも先に、フロン
トサイドメンバ等の車体メンバ類に衝突時の荷重がかか
り、これら車体メンバ類に損傷を与えることにつなが
る。このため、バンパーステイの前記凸部の個数や大き
さ等の設け方は、バンパー補強部材の前記スリットの設
け方と合わせて、バンパー補強部材構造、特にバンパー
補強部材の圧壊時の最大荷重を、フロントサイドメンバ
等の車体メンバ類の許容荷重 (強度) よりも高くならな
いように設けることが好ましい。
【0040】次に、図6 は、バンパー補強部材1bの後壁
部5 の面で、バンパーステイとの接続面に、バンパー補
強部材1bの幅方向で、かつ垂直方向に延在するスリット
9 (縦スリット) を3 本設けた例を示す斜視図である。
このスリット9 も、バンパーステイの前端の凸部を、バ
ンパー補強部材の中空構造空間内に突出させるためのも
のである。図6 のように、垂直方向に延在する3 個のス
リット9 を設けた例では、図7(c)に示す、3 個の凸部7l
を有するバンパーステイ2i (断面日形) を用いる。スリ
ット9 を1 本、または2 本設ける場合には、図7(a)か図
7(b)に正面図を示す、2 個、または3 個の凸部7jか7hを
有するバンパーステイ2h (断面日形) か2k (断面口形)
を用いる。
【0041】前記スリット9 を通じて、図1 の横スリッ
トの場合と同様に、バンパーステイの凸部をバンパー補
強部材の中空構造空間内に突出させるように、バンパー
ステイの凸部とスリット9 の大きさと数、更には位置を
調節して、バンパー補強部材とバンパーステイとを結合
させる。そして、これらスリットおよびバンパーステイ
の凸部の大きさと形状は、前記したごとく、バンパース
テイの凸部に負担させるべき、衝突荷重の大きさによっ
て、基本的に定まる。
【0042】図8 に、前記縦スリット9 を通じて、バン
パー補強部材とバンパーステイとを結合させた本発明の
バンパー補強構造の正面図を示す。図8 は、前記バンパ
ー補強部材1bを、スリット9 を通じて、図7 (a) のバン
パーステイ2gを結合させた例である。本例では、バンパ
ーステイ2gの凸部7jの先端を、バンパー補強部材1bの後
壁部5 に設けたスリット9 を通じて、バンパー補強部材
の中空構造空間内に突出させ、前壁部4 の内壁面に当接
させている。この場合も、バンパーステイ2gの凸部7jの
先端を必ずしも、前壁部4 の内壁面に当接させる必要は
ないのは、前記した通りである。なお、バンパーステイ
2gは、その係止片19を通じて、フロントサイドメンバ8
等の車体メンバ類の前端部にボルト等の適宜の締結具10
により固定され、バンパー補強部材を車体メンバ類に連
結する機能も有している。
【0043】このような縦スリットタイプの本発明のバ
ンパー補強構造の作用は、前記横スリットタイプの本発
明のバンパー補強構造の作用と全く同じである。
【0044】図9 (a) は、縦スリット11を用いた例を示
す平面図であるが、図1 や図6 のようなバンパー補強部
材が真っ直ぐな場合ではなく、両端部が内側に湾曲した
タイプのバンパー補強部材の屈曲部とバンパーステイと
を結合させた本発明のバンパー補強構造を示す。本例で
は、バンパーステイ2jの凸部7mの先端を、前記図8 と同
様に、バンパー補強部材1cの後壁部5 に設けた1 本の縦
スリット11を通じて、バンパー補強部材の中空構造空間
内に突出させ、前壁部4 の内壁面に当接させている。こ
の場合、バンパーステイ2jの前面13は、バンパー補強部
材の後壁部5 の傾斜面に対応した傾斜面を有している。
【0045】これに対して、図9 (b) は、前記図9 (a)
の場合と同じく、両端部が内側に湾曲したタイプのバン
パー補強部材の屈曲部とバンパーステイとを結合させた
本発明のバンパー補強構造の平面図を示している。ただ
図9 (b) の場合には、横 (水平) スリット14を用いた例
であり、バンパーステイ2kの凸部7nの先端を、前記図9
(a) と同様に、バンパー補強部材1dの後壁部5 に設けた
1 本の横スリット14を通じて、バンパー補強部材の中空
構造空間内に突出させ、前壁部4 の内壁面に当接させて
いる。しかし、このような形状のバンパーステイ2kは押
出により一体に製造することができず、切削等によって
形状を出す必要があるので、本発明では不適である。し
たがって、両端部が内側に湾曲したタイプのバンパー補
強部材では、バンパーステイを押出加工により効率的に
製造使用とすると、前記図9 (a)で示した縦スリット9
を用いる必要があることが分かる。
【0046】更に、図10は、バンパー補強部材1eの後壁
部5 の面で、バンパーステイとの接続面に、凹部15を設
けた例を示す斜視図である。この凹部15も、バンパース
テイの前端の凸部を、バンパー補強部材の中空構造空間
内に突出させるためのものである。図10のように、凹部
15を設けた例では、図11(a) 、(b) に示す、前記凹部15
に対応する形状を有する凸部2dや2fを有するバンパース
テイ2d (断面口形) 、か2f (断面日形) を用いる。
【0047】図12に、前記凹部15を通じて、バンパー補
強部材とバンパーステイとを結合させた本発明のバンパ
ー補強構造の正面図を示す。本例では、バンパーステイ
2dや2fの凸部2dや2fを、凹部15の空間内に嵌め合わせ
て、バンパー補強部材とバンパーステイとを結合させ
る。
【0048】このような凹部タイプの本発明のバンパー
補強構造の作用は、前記スリットタイプの本発明のバン
パー補強構造の作用と全く同様に、凹部と凹部内に収容
されたバンパーステイの凸部が、衝撃荷重を分担して負
担することにより、衝撃エネルギーの吸収量を大きくす
るものである。
【0049】更に、大きな衝撃荷重が加わった場合の前
記ステイの打ち抜き現象を防止するための、また、バン
パー補強部材の圧壊時の最大荷重を、フロントサイドメ
ンバ等の車体メンバ類の許容荷重 (強度) よりも高くな
らないように下げるための、本発明の好ましい実施態様
を以下に説明する。
【0050】図13は、前記ステイの打ち抜き現象を防止
するための部分的な凹み16a 、16bを、バンパー補強部
材1aのウエブ3 a 、3 b の、ステイと連結される両端部
分のウエブの両外壁面 (スリット6 に対応して) に予め
設けた状態を示す斜視図である。この凹み16a 、16
bは、バンパー補強部材1 に対する略水平方向からの荷
重に対して、前記凹み6 a 、6 b を起点に、前記両端部
分のウエブ3 a 、3 b のみが部分的に中空構造の内側に
屈曲するようにするもので、凹み6 a 、6 b のウエブ3
a 、3 b に設ける位置、その大きさ (幅と長さ) と深さ
等は、車種等によって決まる、バンパー補強材圧壊時の
要求最大荷重量 (最大荷重の低減度合い) や、衝突エネ
ルギー吸収量の要求程度、そして、打ち抜き現象の防止
に必要な中空構造の内側への屈曲程度等の観点から、適
宜選択される。
【0051】なお、本実施態様では、凹み6 a 、6
b は、ウエブ3 a 、3 b の両外壁面のうちの、ステイ側
後方に、バンパー補強部材1 の長手方向に延在するよう
に設けている。この方が、外壁面の前方側に設けるより
も、ウエブ3 a 、3 b を中空構造の内側に屈曲させやす
い。
【0052】そして、凹み6 a 、6 b は、バンパー補強
部材1 の長手方向の径L1が長軸、バンパー補強部材1 の
幅方向の径L2が短軸となるような略楕円形に設けてい
る。凹み6 a 、6 b をこのような略楕円形とすることに
より、まず、凹み6 a 、6 b の深さとともに凹み6 a
6 b の幅方向の径L2の大きさによって、バンパー補強部
材1 への略水平方向からの荷重に対する、ウエブ3 a
3 b の中空構造の内側への屈曲の起点となることを確保
する。凹み6 a 、6 b の深さと幅方向の径L2があまり小
さすぎると、略水平方向からの荷重の大きさにもよる
が、前記屈曲の起点となり得ず、結果として、前記バン
パー補強材圧壊時の最大荷重量の低減やエネルギー吸収
量の向上およびステイの打ち抜き防止効果が弱まる。
【0053】また、凹み6 a 、6 b の深さとともに、凹
み6 a 、6 b の長手方向の径L1や幅方向の径L2の大きさ
によって、バンパー補強部材1 への略水平方向からの荷
重に対する、ウエブ3 a 、3 b の中空構造の内側へ屈曲
する部分の、バンパー補強部材1 における長手方向の長
さを規定できる。この凹み6 a 、6 b の深さ、長手方向
の径L1や幅方向の径L2があまり小さすぎると、ウエブ3
a 、3 b の中空構造の内側へ屈曲する効果を発揮できな
いで、従来技術のように、ウエブ3 a 、3 b が中空構造
の外側方向に変形乃至座屈する。また、ウエブ3 a 、3
b が中空構造の内側へ屈曲する部分を十分確保できず、
前記バンパー補強材圧壊時の最大荷重量やエネルギー吸
収量の向上およびステイの打ち抜き防止効果が弱まる。
【0054】この点は、凹みが楕円形でなくても、円形
等の他の形状を有していても同じであり、要は、凹みを
予め設けるに際しては、バンパー補強部材に対する略水
平方向からの荷重に対して、前記部分的な凹みを起点
に、前記両端部分のウエブが中空構造の内側に屈曲する
ように設けることが重要となる。
【0055】なお、凹み6 a 、6 b の他の設け方とし
て、前記凹みの効果を阻害しない範囲で、前記図13の通
り、凹みをウエブの両外壁面に1 個ずつ、また凹みの長
さL1をバンパーステイの幅と同じ長さとせずとも、凹み
の長さL1をバンパーステイの幅より多少長くしても、或
いは短くしても、更には、バンパー補強部材の長手方向
に分割して、2 個以上設けても良い。
【0056】(凹みの作用)図14(a) 、(b) に、上記に説
明した本発明における凹み6 a 、6 b の作用を示す。な
お、図14(a) 、(b) は、図13に示した本発明バンパー補
強部材の実施態様の正面図である。
【0057】今、バンパー補強部材1 a に対し、略水平
方向からの衝突荷重F が加わった場合、凹み16 a、16 b
を起点として、前記両端部分のウエブ3 a 、3 b を中空
構造の内側に屈曲しやすくする。この結果、前記バンパ
ー補強材圧壊時の最大荷重量の低減が図れる。また、更
に、変形が進んだとしても、ウエブと後壁部5 との接続
箇所 (コーナー部) や、曲げ変形箇所等で割れが生じる
可能性が少ない。この結果、エネルギー吸収量の向上が
図れる。
【0058】そして、前記箇所に割れが生じない場合で
も、あるいは割れが生じた場合でも、このウエブが内側
に座屈した部分17a 、17b によって後壁部5 を保持する
ことによって、或いは、ウエブが内側に座屈した部分17
a 、17b と後壁部5 との干渉作用によって、バンパース
テイ2 による後壁部5 の突き抜けを防止して、ステイの
打ち抜き現象を防止する。
【0059】この結果は、前記割れやステイの打ち抜き
現象による衝突エネルギー吸収量の低下を防止し、ウエ
ブの内側への座屈後も、バンパー補強部材1 の変形によ
る、エネルギー吸収が継続して行われ、衝突エネルギー
の吸収量が大きくなる効果をもたらす。したがって、本
発明における好ましい要件である前記凹みは、バンパー
補強部材の荷重変位特性における、衝突初期のピーク荷
重を一定以下に抑制する効果、ステイの打ち抜き現象防
止等による衝突エネルギーの吸収量が大きくなる効果を
有し、衝突時に、フロントサイドメンバ等の車体メンバ
類に損傷を与えることがなくなる。
【0060】(適用Al合金)次に、本発明で用いるAl合金
について説明する。本発明で用いるAl合金自体は、前記
した通り、本発明の目的が、特殊なAl合金を用いず、汎
用 (規格)Al 合金材を用いることであるから、使用する
Al合金の種類は、通常、この種構造部材用途に汎用され
る、AA乃至JIS 5000系、6000系、7000系等の耐力の比較
的高いAl合金の適用が好適に用いられる。特に、これら
7000系 (Al-Zn-Mg系) Al合金や6000系(Al-Mg-Si 系)Al
合金を、押出加工後人工時効処理したT5や押出加工後更
に溶体化処理した後に人工時効硬化処理したT6等の調質
処理材が好ましい。
【0061】しかし、一方で、前記した材料側から種々
提案されている成分や組織を制御した特殊なAl合金であ
っても、本発明の構成をとることによって、当然エネル
ギー吸収性能も優れたものとなる。したがって、コスト
的には、従来の汎用 (規格)Al 合金材が有望であるもの
の、従来の特殊なAl合金であっても、勿論、本発明のバ
ンパーステイには使用可能である。
【0062】(Al合金製中空形材の製造)また、本発明に
係る断面が略矩形形状のAl合金製中空形材の製造自体
は、鋳造、均質化熱処理、熱間押出、調質熱処理等を、
主要工程とする常法により製造される。
【0063】
【実施例】次に、本発明の実施例を説明する。図1 に示
した断面形状が口形の中空構造の、JIS 6N01Al合金押出
形材のT5材 (耐力240N/mm2) 製のバンパー補強部材1aを
準備した。また、図2(a)に示した断面形状が口形の中空
構造の、JIS 6N01Al合金押出形材のT5材 (耐力240N/m
m2) 製のバンパーステイ2aを準備した。なお、この6N01
Al合金押出形材のT5材は、車体用のエネルギー吸収材と
して汎用されており、同じく汎用されているJIS 7003Al
合金等の7000系Al合金に比べると、衝突荷重時に割れや
すいという特性を有する。したがって、本実施例におけ
る6N01Al合金押出形材での良好な結果は、JIS 7003Al合
金等の7000系Al合金押出形材の結果にも反映させること
が可能である。
【0064】ここにおいて、バンパー補強部材1aとバン
パーステイ2aの両者に貫通穴を設けて、図16(a) に示す
ように、ボルト、ナット (但し、本実施例では凸部7aを
挟んだ2 箇所) により結合し、図3 に各々示した断面形
状を有する本発明のバンパー補強構造を製作し、発明例
1 とした。
【0065】発明例1 のバンパー補強部材1aの仕様は、
前壁部と後壁部の幅を50mm、ウエブ3 a 、3 b の高さを
40mm、これら各肉厚を1.5mm とした。そして、発明例1
は、バンパー補強部材の両端部から水平方向に50 mm 内
側で、高さ25 mm の位置の後壁部5 の箇所各々2 箇所
に、長さ方向の中心がくるように、中空構造内に貫通す
る横スリットを設けた。横スリットの長さは後述するバ
ンパーステイの凸部7aの幅より、また、横スリットの幅
は後述するバンパーステイの凸部7aの厚みより、若干大
きめとした。
【0066】また、バンパーステイ2aの仕様は、前壁部
と後壁部の幅を60mm、ウエブ3 a 、3 b の高さを35mm、
これら各肉厚を2.5mm とした。そして、バンパーステイ
の凸部7aの長さ (水平方向の長さ) はウエブ3 a 、3 b
の高さに対応させて40mmとし、前記スリットを介して装
入された先端部がバンパー補強部材の前壁部4 の内面壁
に当接するようにした。また、バンパーステイの凸部7a
の幅 (図における奥行き) は60mm、バンパーステイの凸
部7aの厚みは1.5mm とした。
【0067】更に、発明例1 において、ウエブ3 a 、3
b の両外壁面のうちの、バンパー補強部材の前端部から
27.5 mm ステイ側後方の位置に、バンパー補強部材の長
手方向に延在するように凹みをエンポス加工により2 箇
所設けた例を、発明例2 とした。凹みの条件は、バンパ
ー補強部材の長手方向の径L1が70 mm 、バンパー補強部
材の幅方向の径L2が 15mm 、中心深さが5mm となるよう
な楕円形とした。
【0068】また、比較のために、本発明1 のバンパー
補強部材のスリットと、バンパーステイの凸部を設けな
い、或いはウエブの凹みを設けない以外は、全て発明例
1 に各々対応して同じ条件とした比較例を準備した。
【0069】そして、これら発明例1 、2 と比較例バン
パー補強部材とバンパーステイの構造体の衝突時のエネ
ルギー吸収性を評価した。
【0070】評価方法は、これら組み立て体中空材のバ
リア試験を行い、車両の衝突時を想定して、バンパー補
強部材を略水平方向に配置した前記組み立て体を固定壁
に衝突させ、この際の衝突時のエネルギー吸収性とステ
イの打ち抜き性を調査した。衝突は、固定壁に対し、組
み立て体をバンパー補強部材の前面全てが均一に固定壁
に当たるように、軽衝突のカナダ等の規格である、2.22
m/sec (8km/hr)の速度で衝突させ、バンパー補強部材の
前面に、また略水平方向に衝撃力 (衝突荷重)が加わる
ようにした。
【0071】この結果、まず、バリア試験を行ったバン
パー補強部材の目視観察を行った結果、比較例の方は、
ウエブが中空構造の外側方向に変形、座屈しており、ウ
エブと後壁部との接続箇所や、曲げ変形箇所等で割れが
生じているとともに、ステイがその前端部で接している
バンパー補強部材の後壁部を突き抜けて、バンパー補強
部材の中空構造内に侵入しており、ステイの打ち抜きが
生じていた。
【0072】これに対し、発明例1 は、比較例と同様
に、ウエブが中空構造の外側方向に変形、座屈している
ものの、ウエブと後壁部との接続箇所や、曲げ変形箇所
等での割れは生じておらず、ステイの打ち抜きも生じて
いなかった。また、発明例2 の方は、予めウエブに設け
た凹みを起点として、バンパー補強部材の、ステイの前
端部に対応する、両端部分のウエブが中空構造の内側に
屈曲しており、ウエブと後壁部との接続箇所や、曲げ変
形箇所等での割れや、ステイの打ち抜きは生じていなか
った。
【0073】バリア試験における、発明例1 、2 と比較
例の衝突時のエネルギー吸収性を図15に荷重変位特性と
して示す。図15から分かる通り、細かい点線で示す比較
例は、横軸の変位が約1 〜2mm 部分の衝突初期のピーク
荷重が高い。また、ウエブと後壁部との接続箇所や、曲
げ変形箇所等での割れにより、横軸の変位が約14mm部分
を越えるあたりから荷重 (エネルギー吸収量) が低下
し、更に、横軸の変位が約16〜18mmの部分で、ステイの
打ち抜きが生じた結果、これより後では、バンパー補強
部材の変形が生じず、バンパー補強部材によるエネルギ
ー吸収が行われず、荷重 (エネルギー吸収量) が著しく
低下している。
【0074】これに対し、太い点線で示す発明例1 は、
横軸の変位が約1 〜2mm 部分の衝突初期のピーク荷重
が、比較例に比して、著しく高くなっている。また、比
較例でウエブと後壁部との接続箇所や曲げ変形箇所等で
の割れが生じた、横軸の変位が約14mm部分を越えるあた
りでも荷重 (エネルギー吸収量) は低下していない。更
に、比較例でステイの打ち抜きが生じた、横軸の変位が
約16〜18mm部分以降の荷重 (エネルギー吸収量) も高
い。
【0075】更に、実線で示す発明例2 は、横軸の変位
が約1 〜2mm 部分の衝突初期のピーク荷重が、比較例や
発明例1 に比して、著しく低い。また、比較例でウエブ
と後壁部との接続箇所や曲げ変形箇所等での割れが生じ
た、横軸の変位が約14mm部分を越えるあたりでも荷重
(エネルギー吸収量) は低下していない。更に、比較例
でステイの打ち抜きが生じた、横軸の変位が約16〜18mm
部分以降の荷重 (エネルギー吸収量) も、発明例1 より
も高い。したがって、これら荷重変位特性の結果は、前
記目視観察結果と良く対応している。また、本発明構造
の効果と、更に凹みを設けた効果が裏付けられる。
【0076】以上の結果から、本発明車体用エネルギー
吸収部材構造により、衝突初期の最大荷重を制御するこ
とが可能であり、かつ衝突エネルギーの吸収量も大きく
なることの効果が裏付けられる。また、好ましい態様に
おけるバンパーステイの打ち抜き現象を防止効果が裏付
けられる。これらの結果は、他のドアビームとブラケッ
トやフレームなどの、車体エネルギー吸収部材構造にも
同様に言える。
【0077】
【発明の効果】本発明によれば、現行のバンパー補強材
やドアビーム等のエネルギー吸収部材構造のデザインや
設計条件を大幅に変更することなく、簡単な改善によ
り、前記打ち抜き現象の防止も達成でき、車両の衝突時
のエネルギー吸収性能を高めることができる、断面形状
が略矩形の中空構造を有するAl合金製押出形材からなる
エネルギー吸収部材構造を提供することができる。この
ため、バンパー補強部材やバンパーステイ、ドアビーム
とブラケットやフレームなどの、車体用エネルギー吸収
部材構造用に、Al合金材の用途を大きく拡大するもので
あり、工業的な価値が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車体用エネルギー吸収部材構造の
一実施態様を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る車体用エネルギー吸収部材構造の
一実施態様を示す正面図である。
【図3】本発明に係る車体用エネルギー吸収部材構造の
一実施態様を示す、一部断面正面図である。
【図4】本発明に係る車体用エネルギー吸収部材構造の
バンパーステイの凸部の他の実施態様を示す正面図であ
る。
【図5】本発明に係る車体用エネルギー吸収部材構造
の、バンパーステイの凸部の先端部と、バンパー補強材
の前壁部内壁面との関係を示す正面図である。
【図6】本発明に係る車体用エネルギー吸収部材構造の
他の実施態様を示す斜視図である。
【図7】本発明に係る車体用エネルギー吸収部材構造の
他の実施態様を示す正面図である。
【図8】本発明に係る車体用エネルギー吸収部材構造の
他の実施態様を示す、一部断面正面図である。
【図9】本発明に係る車体用エネルギー吸収部材構造の
他の実施態様を示す正面図である。
【図10】本発明に係る車体用エネルギー吸収部材構造
の他の実施態様を示す斜視図である。
【図11】本発明に係る車体用エネルギー吸収部材構造
の他の実施態様を示す正面図である。
【図12】本発明に係る車体用エネルギー吸収部材構造
の他の実施態様を示す正面図である。
【図13】本発明に係る車体用エネルギー吸収部材構造
の他の実施態様を示す斜視図である。
【図14】本発明に係る車体用エネルギー吸収部材構造
の作用を示す正面図である。
【図15】本発明に係る車体用エネルギー吸収部材構造
の荷重変位曲線を示す説明図である。
【図16】従来の車体用エネルギー吸収部材構造を示す
説明図である。
【符号の説明】
1:バンパー補強材、2:バンパーステイ、3:ウエブ、4:前
壁部、5:後壁部、6:スリット、7:凸部、8:フロントサイ
ドメンバ、

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略水平方向に延在して用いられる車体用
    エネルギー吸収部材と、その両端部に結合された車体連
    結用部材とからなる車体用エネルギー吸収部材構造であ
    って、車体用エネルギー吸収部材と車体連結用部材と
    を、断面形状が略矩形の中空構造を有するアルミニウム
    合金製押出形材から各々構成し、車体結合用部材の前端
    に凸部を設け、該凸部を車体用エネルギー吸収部材の中
    空構造空間内に突出させて、車体用エネルギー吸収部材
    と車体連結用部材とを結合したことを特徴とする車体用
    エネルギー吸収部材構造。
  2. 【請求項2】 前記車体連結用部材の前端に対応する車
    体用エネルギー吸収部材の後壁部面に、前記凸部に対応
    するスリットまたは凹部を設けた請求項1に記載の車体
    用エネルギー吸収部材構造。
  3. 【請求項3】 前記車体連結用部材の前端と結合される
    車体用エネルギー吸収部材の両端部分のウエブの両外壁
    面に、部分的な凹みを予め設け、車体用エネルギー吸収
    部材に対する略水平方向からの荷重に対して、前記部分
    的な凹みを起点に、前記両端部分のウエブが中空構造の
    内側に屈曲するように構成した請求項1または2に記載
    の車体用エネルギー吸収部材構造。
  4. 【請求項4】 前記凹みが、車体用エネルギー吸収部材
    の長手方向が長軸、車体用エネルギー吸収部材の幅方向
    が短軸となるような略楕円形である請求項3に記載の車
    体用エネルギー吸収部材構造。
  5. 【請求項5】 前記凹みがエンボス加工により設けられ
    たものである請求項3または4に記載の車体用エネルギ
    ー吸収部材構造。
  6. 【請求項6】 前記アルミニウム合金として、AA乃至JI
    S 5000系、6000系、7000系から選択される規格アルミニ
    ウム合金を用いる請求項1乃至5のいずれか1項に記載
    の車体用エネルギー吸収部材構造。
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