JP2001171029A

JP2001171029A - 粒子堆積体の製造方法

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Publication number: JP2001171029A
Application number: JP36365099A
Authority: JP
Inventors: Kenji Ando; 賢治安藤; Kenichi Sato; 健一佐藤; Yasuhiro Umeki; 保宏梅木; Hiroshi Hirasawa; 博平澤; Kazuyuki Maeda; 和之前田
Original assignee: Kao Corp
Current assignee: Kao Corp
Priority date: 1999-12-22
Filing date: 1999-12-22
Publication date: 2001-06-26
Anticipated expiration: 2019-12-22
Also published as: US6706129B2; KR20010062050A; CN1300582A; TW461809B; JP4152049B2; DE60023639D1; DE60023639T2; EP1110521A1; KR100705186B1; CN1179844C; US20010006089A1; EP1110521B1

Abstract

(57)【要約】【課題】使い捨ておむつや生理用ナプキン等における
吸収体の製造用に適した粒子堆積体を、高速にて連続的
に生産することができ、その際、粒子の堆積部分の輪郭
を所望の形状とすることができる粒子堆積体の製造方法
を提供することを提供する。【解決手段】透気度４．０秒／（３００ｍＬ・３２
枚）以下の通気性を有する帯状のキャリアシート４１
を、粒子吸引部を備えた堆積装置１に連続的に供給する
と共に該キャリアシート４１上に粒子２１を飛散状態に
て供給し、該粒子２１を前記粒子吸引部から吸引して該
キャリアシート４１上に堆積させ、該キャリアシート４
１と該粒子２１とを含む粒子堆積体１０を得る粒子堆積
体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、粒子堆積体の製造
方法に関し、詳しくは、使い捨ておむつや生理用ナプキ
ン等の吸収性物品における吸収体の製造用に適した粒子
堆積体を、効率的に製造することのできる粒子堆積体の
製造方法に関する。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】粒子を
多孔性ウエブ上に散布する方法及び装置が、特開昭６１
−９２８５９号公報に記載されている。しかし、同公報
に記載された方法及び装置においては、粒子を多孔性ウ
エブ上に均一に分散するように散布できても、粒子を所
望の形状に堆積させることができない。また、多孔性ウ
エブの搬送速度を高速化することが困難で、吸収体の製
造等に用いられる粒子の堆積体を、高速にて連続生産す
ることができない。

【０００３】従って、本発明の目的は、使い捨ておむつ
や生理用ナプキン等における吸収体の製造用に適した粒
子堆積体を、高速にて連続的に生産することができ、そ
の際、粒子の堆積部分の輪郭を所望の形状とすることが
できる粒子堆積体の製造方法を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、透気度４．０
秒／（３００ｍＬ・３２枚）以下の通気性を有する帯状
のキャリアシートを、粒子吸引部を備えた堆積装置に連
続的に供給すると共に該キャリアシート上に粒子を飛散
状態にて供給し、該粒子を前記粒子吸引部から吸引して
該キャリアシート上に堆積させ、該キャリアシートと該
粒子とを含む粒子堆積体を得る粒子堆積体の製造方法を
提供することにより、上記の目的を達成したものであ
る。尚、本明細書において、粒子をキャリアシート上に
堆積させるという表現には、粒子を、キャリアシート上
又はキャリアシート中に堆積させる場合のみならず、キ
ャリアシート上に積層された他のシート上や該他のシー
ト中に堆積させる場合も含まれる。

【０００５】

【発明の実施の形態】以下、本発明をその好ましい一実
施形態に基づいて説明する。先ず、本実施形態の粒子堆
積体の製造方法に適した粒子堆積体の製造装置について
説明する。

【０００６】図１に示す粒子堆積体の製造装置は、所定
の長さに切断されて、紙おむつや生理用ナプキン等の衛
生品の吸収体とされる吸収体連続体を製造する装置であ
り、外周面に複数の粒子吸引部が所定の間隔で形成され
た回転ドラム１１を備え、飛散状態にて供給された粒子
２１を、粒子吸引部から吸引して堆積させる堆積装置１
と、堆積装置１に向けて前記粒子２１を飛散状態にて供
給する粒子供給機構２とを備えている。

【０００７】本製造装置は、更に通気性のキャリアシー
ト４１を回転ドラム１１の外周面に巻き付けるように供
給するキャリアシートの供給機構４と、粒子２１を堆積
させる前のキャリアシート４１上に、保持シート５１を
供給する保持シートの供給機構５と、粒子２１を堆積さ
せた後のキャリアシート４１上、正確にはキャリアシー
ト４１上の保持シート５１上に、カバーシート７１を供
給するカバーシートの供給機構７と、粒子２１をシート
中又はシート間に保持した、キャリアシート４１、保持
シート５１及びカバーシート７１（粒子堆積体１０）
を、回転ドラム１１上から導出して搬送する堆積体導出
搬送機構８と、導出搬送された粒子堆積体１０にエンボ
ス処理を施すエンボス装置９を備えている。

【０００８】堆積装置１における回転ドラム１１は、円
筒状をなし、図１中矢印Ａで示す一方向に回転駆動され
るようになされている。回転ドラム１１の外周面には、
その周方向に、所定形状の粒子吸引部（図示せず）が所
定の間隔で複数形成されている。粒子吸引部は、空気を
吸入可能な多数の細孔を備えた部分であり、各粒子吸引
部には、多数の細孔がその全面に亘って形成されてい
る。より具体的には、回転ドラム１１の外周面は、網状
部材により形成され、該網状部材には、細孔が形成され
ている通気部と細孔を有しない非通気部が設けられ、該
通気部が所定の形状をなすように配されて、所定形状の
粒子吸引部が形成されている。尚、粒子吸引部の形状
は、所望の形状とすることができ、楕円形状、矩形状、
菱形状、円形状、中央部が括れた矩形状等、特に制限さ
れない。

【０００９】回転ドラム１１には、吸引ダクト（図示せ
ず）を介して吸気ファン（図示せず）が接続されてお
り、該吸気ファンの駆動により回転ドラム１１内の所定
箇所が負圧に維持されるようになっている。そして、粒
子吸引部が、負圧に位置された部分を通過している間、
該粒子吸引部に存する細孔が吸引孔として機能し、ま
た、粒子吸引部からの空気の吸入によって、一端部が回
転ドラム１１の外周面を覆うように配されているダクト
２２内に、粒子２１を回転ドラム１１に向けて搬送させ
得る空気流が生じるようになっている。

【００１０】粒子供給機構２は、前記ダクト２２と、該
ダクト２２内に粒子２１を導入する導入装置２３と、ダ
クト２２内に空気流を生じさせる上記吸気ファン等から
構成されている。導入装置２３は、ダクト２２内に生じ
させた空気流内に粒子２１を、単一種類又は複数種類の
粒子を飛散させて供給し得るように構成されている。ま
た、粒子の導入装置２３は、粒子導入口２３ａの位置を
変更する供給位置調整機構を備えており、粒子導入口２
３ａを、従来公知の機構により、空気流の流れ方向に沿
う前後方向及び該空気流に直交する上下方向に移動させ
得るようになされている。

【００１１】回転ドラム１１の内部には、図１に示され
るように、粒子吸引部に異なる吸引力を与えるための
イ、ロ、ハ、ニの４つの部屋が設けられている。また、
吸引ダクト（図示せず）が接続された中央室ホを有して
おり、該中央室ホと四つの部屋イ、ロ、ハ、ニとの間の
仕切り、又は２つの部屋ロ、ハと回転ドラムリングとの
間に、ダンパーが取り付けられ、各部屋毎に、吸引風量
・静圧を個別に調節可能になっている。部屋ロ、ハは、
負圧に維持されている。

【００１２】尚、粒子２１の吸引を目的とする部屋ロに
おいて最も風量・静圧を大きく設定しており、保持シー
トの内部への粒子の配置および固定を確実にする観点か
ら、好ましくは静圧が−５ｋＰａ以上、特に好ましくは
−８ｋＰａ以上であり、ダクト２２内の最高風速は５ｍ
／ｓ以上が好ましく、特に好ましくは１５ｍ／ｓ以上で
ある。また、風速を高める手段としては、ダクトの断面
積を減らしたり、吸気ファンの能力を高めることで達成
できる。部屋ロ及びハは、シートおよび粒子をドラム表
面に吸引保持するために、それぞれに必要な風量・静圧
が適用される。部屋イ及びニは、吸気ファンとの接続が
遮断され、部屋ニは送気ブロワが接続されて室内が陽圧
とされており、ドラムからウエブを剥がれ易くして次工
程への供給を円滑に行う。部屋イには、回転ドラム表面
の網状、メッシュ状の粒子吸引部をクリーニングする機
能を備えていることが好ましい。

【００１３】キャリアシートの供給機構４、保持シート
の供給機構５及びカバーシートの供給機構７は、それぞ
れ、駆動ローラ、案内ローラー等により構成されてお
り、それぞれ、原反ロール４０，５０，７０から各シー
トを連続的に繰り出し、それぞれ回転ドラム１１の周方
向の所定の位置から、この順に、各シートを回転ドラム
１１の外周面上に供給するようになっている。

【００１４】堆積体導出搬送機構８は、一対のローラ８
１，８１と、両ローラ間に掛け渡された無端ベルト８２
からなる公知の連続搬送機構と、回転ドラム１１の下部
において、粒子堆積体１０を無端ベルト８２上に導出さ
せる、バキューム装置等の転写機構（図示せず）とから
なる。

【００１５】エンボス装置９は、導出された粒子堆積体
１０に、熱エンボスを施す装置であり、粒子堆積体１０
を、一対のエンボスロール９１，９２間に挿通すること
で、粒子堆積体１０の構成成分同士を熱融着させて一体
化させる。

【００１６】次に、上述した粒子堆積体の製造装置を用
いた、即ち粒子堆積体の製造方法について説明する。先
ず、堆積装置１、キャリアシートの供給機構４、保持シ
ートの供給機構５、カバーシートの供給機構７、堆積体
導出搬送機構８、エンボス装置９を作動させ、更に粒子
供給機構２の吸気ファンを作動させてダクト内２２内に
空気流を生じさせる。そして、粒子供給機構２の導入装
置２３からダクト２２内に、粒子２１として高吸収ポリ
マー等を導入する。

【００１７】これにより、回転ドラム１１に、キャリア
シート４１、保持シート５１及びカバーシート７１が、
この順に供給されると共に、保持シート５１の供給位置
とカバーシート７１の供給位置との間における、キャリ
アシート４１上に粒子２１が飛散状態にて供給され、供
給された粒子２１が、該キャリアシート４１上の保持シ
ート５１中に堆積し、堆積された粒子２１は、保持シー
ト５１上をカバーシート７１により被覆されることによ
って保持シート５１内に安定に保持され、粒子２１を内
部に保持した、キャリアシート４１、保持シート５１及
びカバーシート７１からなる帯状の積層体（粒子堆積体
１０）が連続的に製造される。更に、粒子堆積体１０
は、エンボス装置９によりエンボス処理を施されて一体
化される。

【００１８】キャリアシート４１は、通気性で、粒子の
吸引空気による搬送と吸引面への堆積を妨げないことが
必要である。粒子のすり抜けや、ホットメルト型接着剤
の使用時におけるシミだしの防止、キャリアシートの強
度低下により安定加工に不具合を生じることを防止する
観点から、キャリアシートの透気度は、４．０秒／（３
００ｍＬ・３２枚）以下であり、好ましくは３．０秒／
（３００ｍＬ・３２枚）以下である。また、同観点から
キャリアシートの平均孔径は使用する粒子の平均粒径以
下であることが好ましく、キャリアシートの平均孔径の
一具体例としては２００μｍ以下が好ましく、１００μ
ｍ以下が一層好ましい。また、前記と同観点から、キャ
リアシートの乾燥状態の強度としては、ＣＤ方向で６０
ｃＮ／２５ｍｍ以上、ＭＤ方向で１５０ｃＮ／２５ｍｍ
以上であることが好ましく、ＭＤ方向で５００ｃＮ／２
５ｍｍ以上であることがより好ましく、特にＭＤ方向で
８００ｃＮ／２５ｍｍ以上であることが好ましい。

【００１９】透気度は、ＪＩＳ−Ｐ８１１７に準じて以
下のようにして測定することができる。即ち、キャリア
シート４１を７０×７０ｍｍに裁断し、これを３２枚重
ねたものについて、透気度測定器〔熊谷理機工業（株）
社製のＧＵＲＬＥＹＤＥＮＳＯＭＥＴＥＲ（商品
名）〕を用いて、３００ｍＬの空気が通過するのに要す
る時間を測定する。

【００２０】また、キャリアシート４１の乾燥状態にお
けるＭＤ方向及びＣＤ方向の強度は、それぞれ以下のよ
うにして測定することができる。即ち、ＭＤ方向の強度
は、製造時における流れ方向と同方向（ＭＤ）に長さ１
５０ｍｍ、流れ方向と直行する方向（ＣＤ）に幅２５ｍ
ｍの試験片を切り出し、該試験片について、テンシロン
引張試験機〔（株）オリエンテック社製〕を用い、チャ
ック間５０ｍｍ、ＭＤ方向の引張速度３００ｍｍ／ｍｉ
ｎで引張試験を行う。そして、その際の破断強度を測定
する。また、ＣＤ方向の強度は、ＭＤ方向の長さ２５ｍ
ｍ、ＣＤ方向の長さ１５０ｍｍの試験片を切り出し、上
記のテンシロン引張試験機を用いて、チャック間５０ｍ
ｍ、ＣＤ方向の引張速度３００ｍｍ／ｍｉｎで引張試験
を行い、同様に破断強度を測定する。

【００２１】キャリアシート４１としては、紙又は不織
布が好ましく、特に坪量が５〜５０ｇ／ｍ²の紙が好ま
しい。また、キャリアシート４１に保持シート５１の機
能を担わせて、保持シート５１を省略する場合には、不
織布が好ましく、特に保持シート５に好ましい不織布と
して後述する不織布であることが好ましい。更に、キャ
リアシート４１として、織布、開孔フィルムなどを利用
することもできる。

【００２２】保持シート５１は、キャリアシート４１が
粒子２１の保持機能を有しない場合又に保持機能を有す
るが不充分な場合に、粒子２１を確実に保持させるため
に用いられるシートであり、通気性で、粒子の吸引空気
による搬送と吸引面への堆積を妨げないことが必要であ
り、特に、堆積された粒子の厚み方向の分散状態を、所
定状態に維持できるものが好ましい。

【００２３】保持シート５１としては、粒子をその繊維
間に保持することができる不織布や紙、布等を用いるこ
とができる。これらの中でも不織布が好ましく、不織布
を用いると、粒子２１が内部の空隙に入り込み、薄型の
吸収体を製造するに最適な薄型の粒子堆積体を得ること
ができる。

【００２４】保持シート５１として特に好ましいもの
は、粒子をその繊維間に保持することができ、液を吸収
したときに粒子の膨潤を阻害しないシートであって、構
成繊維の繊維間構造は繊維間距離が粒子の膨潤に伴って
変化（拡張）するようになされているものである。この
ような構造のシートとしては、構成繊維間の交点として
接着された接着交点と、接着されていないか又は接着さ
れていても粒子が膨潤する過程ではずれてしまう程度に
弱い非接着交点とを有する不織布が挙げられる。具体的
には、熱融着性繊維と非熱融着性繊維からなる不織布、
第１熱融着性繊維と該第１熱融着性繊維とはことなる第
２熱融着性繊維からなり、第１熱融着性繊維同士又は第
２熱融着性繊維同士の熱接着力よりも第１熱融着性繊維
と第２熱融着性繊維との間の熱接着力が低いか、又は第
１熱融着性繊維と第２熱融着性繊維とは熱接着しない不
織布等が挙げられる。

【００２５】キャリアシート４１上に保持シート５１を
供給する実施形態は、保持シート５１が嵩高なもの、伸
びやすいもの、強度の足りないもの、ポーラスなもので
ある場合に特に有用である。また、キャリアシート４１
が粒子２１の保持機能を充分に発揮する場合には、保持
シート５１を省略することができる。

【００２６】キャリアシート４１上に保持シート５１を
供給する際には、キャリアシート４と保持シート５１と
の間を接着剤により接着し、両シート４１，５１を一体
化させることが好ましい。本実施形態においては、図１
に示す如く、保持シート５１を積層する前のキャリアシ
ート４１上に、接着剤塗工装置４２によりホットメルト
型接着剤を塗工し、該ホットメルト接着剤を介して両シ
ートを一体化させるようにしてある。キャリアシート４
と保持シート５１との間を接着剤、好ましくはホットメ
ルト型接着剤により接着することで、伸び易いシート又
は強度の低いシートの欠点を、他方のシートで補うこと
ができ、また、ポーラスなものについてはポリマーのす
り抜けや、それによる回転ドラムの粒子吸引部の汚染等
の不都合を防止することができる。

【００２７】ホットメルト型接着剤の塗工装置として
は、非接触式のスプレータイプ、非接触式のビードガ
ン、接触式のスロットコーターやグラビアコーター、ス
クリーンコーターなどを用いることもできる。一般的に
接触式は接触点でゴミや異物をかんだりすることで塗工
状態が大きく変わってしまうことから、非接触式を用い
ることが好ましい。また接着剤は網状をなすように塗工
されると、吸液性を阻害せず接着剤の塗工量が比較的少
なくても接着強度を確保することができるため好まし
く、塗工装置としては、非接触式のスプレータイプの装
置であって、ビードまたはファイバーをスプレーするも
のであり、スパイラルスプレー、カーテンスプレー等が
好ましい。

【００２８】そして、キャリアシート４１上に積層され
た保持シート５１上に、導入装置２３から飛散状態にて
供給した粒子２１が、粒子吸引部からの吸引によって堆
積する。粒子２１は、保持シート５１内の空隙に入り込
み、厚み方向に所望の分散状態とされて堆積する。粒子
２１は、シートを平面視した時における、その堆積した
部分の輪郭が、粒子吸引部と実質的に同形状なすように
堆積する。

【００２９】粒子堆積体として吸収体の連続体を製造す
る場合の粒子２１としては、従来公知の各種の高吸収性
ポリマーや消臭材、芳香材等を用いることができる。例
えば高吸収性ポリマーとしては、ポリアクリル酸ナトリ
ウム、アルリル酸−ビニルアルコール共重合体、ポリア
クリル酸ナトリウム架橋体、でんぷん−アルリル酸グラ
フト共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体
及びそのケン化物、ポリアスパラギン酸等を特に制限な
く用いることができる。

【００３０】粒子供給機構２により供給する粒子２１
は、単一種類でも複数種類でも良い。複数種類の粒子２
１を供給する場合には、回転ドラムの外周面上における
複数種類の粒子それぞれの到達位置を制御すれば、粒子
の堆積状態を所望の分散状態にできる。ここで、複数種
類とは、粒子の成分、粒径、密度、形状（球形、塊状）
等の何れかが異なる二種以上の粒子を意味する。

【００３１】例えば、図２に示すように、前記粒子２１
として、種類の異なる粒子ａ，ｂを、それぞれ異なる導
入装置２３，２３から導入し、その際、物性が異なる複
数種類の粒子を用いるか、又は種類の異なる粒子毎に前
記空気流に導入する際の導入条件を異ならせれば、回転
ドラムの外周面上における複数種類の粒子それぞれの到
達位置を制御でき、複数種類の粒子の厚み方向の堆積状
態を所望の分散状態とすることができる。

【００３２】即ち、図２（ａ）に示すように、二種類の
粒子ａ，ｂが回転ドラム１１の外周面に到達する位置Ｐ
１，Ｐ２を一致させれば、図２（ｂ）に示すように、粒
子ａ，ｂを保持シート５１の厚み方向に均一に分散させ
た状態に堆積させることができる。また、図２（ｃ）に
示すように、二種類の粒子ａ，ｂが回転ドラム１１の外
周面に到達する位置Ｐ１，Ｐ２を異ならせれば、図２
（ｄ）に示すように、粒子ａ，ｂを保持シート５１の厚
み方向に異なる層を形成するように層状に堆積させるこ
とができる。尚、図２（ｂ）（ｄ）中におけるｃは、保
持シート５１として不織布を用いた場合の該不織布を構
成する繊維を示している。

【００３３】前記粒子の到達位置を制御する手段とし
て、物性が異なる複数種類の粒子を用いる場合の「物
性」とは、粒子の粒径、密度等が挙げられる。また、前
記粒子の到達位置を制御する手段として、種類の異なる
粒子毎に導入条件を異ならせる場合の「導入条件」は、
導入位置、導入初速度、導入角度等を挙げることができ
るが、制御の容易等の観点から、供給装置毎に、即ち異
なる種類の粒子毎に、導入位置、導入初速度及び導入角
度の少なくとも一以上を異ならせることが好ましい。導
入初速度を異ならせる手段としては、粒子導入口部にエ
アーブロー装置を付設する等の手段を用いることが挙げ
られる。尚、導入装置は、粒子導入口が異なり、粒子
導入口以外の部分を共有する装置についても、異なる装
置とする。また、複数種類の前記粒子の到達位置を制御
する方法として、各供給装置から物性の異なる粒子を、
それぞれ導入条件を変えて導入しても良い。

【００３４】キャリアシート４１上に粒子２１が堆積さ
れた後、粒子２１の堆積面上には、カバーシート７１が
被覆される。キャリアシート４１とカバーシート７１と
により、粒子２１が保持された保持シート５１をサンド
イッチすることにより、その後の工程での粒子の脱落を
防止することができる。カバーシートには接着剤塗布装
置７２によってホットメルト型接着剤が塗布され、粒子
が堆積した保持シート５１に対して一体的に貼り合わさ
れる。この接着剤塗布装置７２としては、キャリアシー
ト４１と保持シート５１との間に接着剤を塗布する接着
剤塗工装置４２と同様のものを用いることができる。こ
のカバーシート７１は、加工中の粒子の飛散防止だけで
なく、後工程での熱エンボス加工時や粒子のこぼれ防止
のため、また、着用中の粒子の漏れ、こぼれを防止する
目的で施される。

【００３５】カバーシート７１による被覆は、粒子の飛
散防止手段の好ましい例であり、他の粒子の飛散防止手
段としては、Ｃフォールドや二つ折りなどのキャリアシ
ート自身の折り曲げなどがある。この飛散防止手段は好
ましくは粒子の堆積工程が終わった直後に施すことが好
ましいが、搬送ベルトで押さえて搬送したり、バキュー
ムで吸引保持しながら搬送すること等により、堆積工程
直後に飛散防止手段を施さなくても良い。

【００３６】粒子２１、キャリアシート４１、保持シー
ト５１及びカバーシート７１からなる、帯状の粒子堆積
体１０は、粒子の分散状態を維持しながら、回転ドラム
１１の下部まで搬送され、堆積体導出搬送機構８によ
り、回転ドラム１１から導出される。

【００３７】回転ドラム１１から導出された粒子堆積体
１０は、エンボス装置９によりエンボス処理を施されて
一体化される。エンボス処理は、熱エンボスが好まし
く、熱エンボスは、吸収性物品に組み込まれて、着用者
に着用された場合であっても粒子２１が移動して偏りを
生じることがないように、粒子堆積体１０に、小面積の
小部屋が多数形成されるようにように施すことが好まし
い。例えば、格子状に押圧凸条が形成された押圧部材に
より、格子状のエンボスを掛けることが好ましい。ま
た、ホットメルト型接着剤をエンボス処理による押圧部
分に設け、カバーシート７１とキャリアシート４１とを
その押圧部分において接着させて、小部屋をホットメル
ト型接着剤による接着で仕切り、多数の密閉された部分
を設けることは、高吸収性ポリマー等の粒子の偏り防止
等に有効である。また、熱エンボスを有効なものとする
ために、粒子堆積体１０を構成するシートには、熱融着
性繊維が含まれていることが好ましい。

【００３８】本実施形態において得られる粒子堆積体１
０は、それぞれ長尺帯状の形態を有する、キャリアシー
ト４１と保持シート５１とカバーシート７１とからなる
長尺帯状の積層体に、その長手方向に所定の間隔で、所
定形状の粒子堆積部（粒子２１が堆積した部分）が多数
形成された帯状の吸収体の連続体であり、該粒子堆積部
における保持シート１３内には、粒子２１（高吸収ポリ
マー）が、厚み方向に所望の分散状態をなすように保持
されているものである。図３に、粒子堆積体１０の粒子
堆積部１０ａにおける積層構造を示した。粒子堆積体１
０は、エンボス装置９によりエンボス処理を施された後
に、粒子堆積部同士間において裁断する等により、生理
用ナプキン等の吸収性物品の個々の長さに切断等され
て、個々の吸収性物品の吸収体として用いられる。特に
図３の形態では、端部からの粒子の脱落を防止できる。

【００３９】このように、本実施形態の粒子堆積体の製
造方法によれば、使い捨ておむつや生理用ナプキン等に
おける吸収体の製造用に適した粒子堆積体（吸収体連続
体）を、高速にて連続的に生産することができる。

【００４０】また、本実施形態の粒子堆積体の製造方法
によれば、粒子をキャリアシート４１及び／又は保持シ
ート５１を構成する繊維に絡め、加工中に粒子を脱落さ
せることなく、粒子の偏りを抑制した、粒子堆積体を高
速して安定して製造することができる。また、回転ドラ
ム１１の外周面上に、粒子吸引部を所定の形状に形成
し、粒子が、該粒子の堆積部分の輪郭が、該粒子吸引部
と実質的に同形状をなすように堆積させるようにしたの
で、粒子吸引部の形状に対応した任意形状の粒子堆積部
を有する粒子堆積体を、容易且つ生産性良く形成するこ
とができる。

【００４１】また、粒子吸引部を回転ドラム１１の周方
向全体に亘って連続的に形成することによって、粒子堆
積部が長手方向に亘って連続的に形成されている粒子堆
積体を製造することもできる。このように、本発明の堆
積体の製造方法によれば、粒子吸引部の形状を所望の形
状にすることにより、粒子を間欠的（断続的）に散布す
ることもできるし、連続的にも散布することもできる。
また、その何れも場合においても、粒子が堆積した部分
である粒子堆積部の形状を所望の形状とすることができ
る。更に、その粒子堆積部（粒子が堆積した部分）の輪
郭は、極めてシャープである。

【００４２】また、本実施形態の製造方法によれば、前
記粒子として物性が異なる複数種類の粒子を用いるか、
又は種類の異なる粒子毎に前記空気流に導入する際の導
入条件を異ならせることにより、回転ドラムの外周面上
における複数種類の前記粒子の到達位置を制御すること
により、複数種類の粒子が、保持シート内に所望の分散
状態に堆積した粒子堆積体を容易に製造することができ
る。尚、粒子は、粒子膨潤時のゲルブロッキングを起こ
り難くし、吸収性能を高めた粒子堆積体を得る観点から
は、粒子２１を、保持シート５１内の厚み方向に亘って
ほぼ均一に分散させることが好ましい。

【００４３】また、本製造方法により得られる粒子堆積
体を、吸収性物品の吸収体として用いれば、該吸収体を
薄くしても高吸水性ポリマーの吸収性能を充分に発揮さ
せることができ、軽量・コンパクトとした場合であって
も、充分な吸収性能を有する。更に、高吸水性ポリマー
は保持シートに対してしっかりと固定されるので、吸収
体のヨレやコワレに対して強く、これらに起因するモレ
の発生を抑制することができる。

【００４４】尚、本発明の他の実施形態としては、上述
したような透気度２．０秒／（３００ｍＬ・３２枚）以
下の通気性を有する帯状のキャリアシートを、堆積装置
としてのメッシュコンベア上に連続的に供給すると共に
該キャリアシート上に粒子を飛散状態にて供給し、該粒
子をメッシュコンベア上に形成された粒子吸引部から吸
引して該キャリアシート上に堆積させ、該キャリアシー
トと該粒子とを含む粒子堆積体を製造しても良い。更
に、粒子を堆積させた後のキャリアシート４１上に上述
したような各種の飛散防止手段を施しても良い。この実
施形態においては、粒子の自重を利用して落下堆積させ
ることができるため、ドラム型の堆積装置を用いる場合
に比べて、少ない風速でも粒子を堆積させることができ
る。また、粒子吸引部を備えて他の堆積装置を用いるこ
ともできる。

【００４５】

【発明の効果】本発明によれば、使い捨ておむつや生理
用ナプキン等における吸収体の製造用に適した粒子堆積
体を、生産性良く高速にて連続的に生産することがで
き、その際、粒子の堆積部分の輪郭を所望の形状とする
ことができる粒子堆積体の製造方法を提供することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、本発明の粒子堆積体の製造方法の実施
に好ましく用いられる粒子堆積体の製造装置を模式的に
示す概略図である。

【図２】図２は、本発明の一実施形態における、複数種
類の粒子の到達位置の制御を説明するための模式図であ
る。

【図３】図３は、粒子堆積体の粒子堆積部の積層構造を
示す一部破断斜視図である。

【符号の説明】

１堆積装置１１回転ドラム４キャリアシートの供給機構４１キャリアシート５保持シートの供給機構５１保持シート７カバーシートの供給機構７１カバーシート８堆積体導出搬送機構９エンボス装置１０粒子堆積体ａ，ｂ異なる種類の粒子Ｐ１粒子ａの到達位置Ｐ２粒子ｂの到達位置

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者梅木保宏栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会社研究所内 (72)発明者平澤博栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会社研究所内 (72)発明者前田和之栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会社研究所内Ｆターム(参考） 3B029 BA02 BA03 BA04 BF03 4C003 GA02 4C098 AA09 CC02 CC05 4F100 AK01B AR00A BA02 DE01B DG10A DG15A EA022 EA052 EH902 EJ392 GB72 JD02A JD14B YY00A

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】透気度４．０秒／（３００ｍＬ・３２
枚）以下の通気性を有する帯状のキャリアシートを、粒
子吸引部を備えた堆積装置に連続的に供給すると共に該
キャリアシート上に粒子を飛散状態にて供給し、該粒子
を前記粒子吸引部から吸引して該キャリアシート上に堆
積させ、該キャリアシートと該粒子とを含む粒子堆積体
を得る粒子堆積体の製造方法。
【請求項２】前記粒子を堆積させる前の前記キャリア
シート上に、保持シートを供給し、前記粒子を該保持シ
ート上に供給して、該保持シート中に該粒子が保持され
た粒子堆積体を得る請求項１記載の粒子堆積体の製造方
法。
【請求項３】前記粒子吸引部を、所定の形状に形成
し、前記粒子を、該粒子の堆積部分の輪郭が、該粒子吸
引部と実質的に同形状なすように堆積させる請求項１又
は２記載の粒子堆積体の製造方法。
【請求項４】前記キャリアシート上に前記粒子を堆積
させた後、該粒子の飛散や脱落を防止する飛散防止手段
を施す請求項１〜３の何れかに記載の粒子堆積体の製造
方法。
【請求項５】前記飛散防止手段が施された後の粒子堆
積体に、エンボス処理を施し、該粒子堆積体の構成材料
同士を一体化させる請求項４に記載の粒子堆積体の製造
方法。