JP2001166139A - 偏光板 - Google Patents

偏光板

Info

Publication number
JP2001166139A
JP2001166139A JP34698699A JP34698699A JP2001166139A JP 2001166139 A JP2001166139 A JP 2001166139A JP 34698699 A JP34698699 A JP 34698699A JP 34698699 A JP34698699 A JP 34698699A JP 2001166139 A JP2001166139 A JP 2001166139A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyvinyl alcohol
vinyl
polarizing plate
polarizing film
adhesive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP34698699A
Other languages
English (en)
Inventor
Takanori Isozaki
孝徳 磯▲ざき▼
Naoki Fujiwara
直樹 藤原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kuraray Co Ltd filed Critical Kuraray Co Ltd
Priority to JP34698699A priority Critical patent/JP2001166139A/ja
Publication of JP2001166139A publication Critical patent/JP2001166139A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリビニルアルコール系偏光膜と支持体との
接着力が優れ、かつ耐水性や耐久性に優れた偏光板を提
供すること。 【解決手段】 ポリビニルアルコール系偏光膜と支持体
とが、エチレン単位を1〜20モル%含有する変性ポリ
ビニルアルコール系重合体からなる接着剤層を介して積
層された偏光板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリビニルアルコ
ール系偏光膜と支持体が、特定量のエチレン単位を含有
する変性ポリビニルアルコール系重合体からなる接着剤
を介して積層された偏光板に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリビニルアルコール系偏光膜と支持体
とを貼り合わせて偏光板を製造する際に使用される接着
剤として、エポキシ系、アクリル系、ウレタン系、フェ
ノール系、ゴム系など多種の接着剤が知られているが、
一般にこれらの接着剤は支持体に対しては比較的良い接
着性を示すが、ポリビニルアルコール系偏光膜に対して
は接着力が不足するという問題点があり、偏光板に切断
等の加工を加える際に一部が剥離を起こすことがあっ
た。このような剥離が生じると、剥離部分の偏光機能が
阻害されるだけでなく、偏光膜の吸湿を促進したり、高
温環境下で偏光板の変形を生じる恐れがある。また、酢
酸ビニル系接着剤やポリビニルアルコール系接着剤は、
ポリビニルアルコール系偏光膜との接着力は比較的良い
ものの、湿度により接着力が低下するという問題点があ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ポリ
ビニルアルコール系偏光膜と支持体との接着力が優れ、
かつ耐水性や耐久性に優れた偏光板を提供することにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
解決に向けて鋭意検討した結果、ポリビニルアルコール
系偏光膜と支持体とを、エチレン単位を1〜20モル%
含有する変性ポリビニルアルコール系重合体からなる接
着剤層を介して積層することにより、上記目的を達成す
ることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は、ポリビニルアルコー
ル系偏光膜と支持体とが、エチレン単位を1〜20モル
%含有する変性ポリビニルアルコール系重合体からなる
接着剤層を介して積層された偏光板に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
本発明に用いられるポリビニルアルコール系偏光膜を構
成するポリビニルアルコール系重合体としては、ビニル
エステル系モノマーをラジカル重合して得られたポリビ
ニルエステル系重合体をけん化し、ビニルエステル単位
をビニルアルコール単位としたものを用いることができ
る。該ビニルエステル系モノマーとしては、例えば、ギ
酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン
酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安
息香酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサティック酸ビ
ニル等を挙げることができ、これらのなかでも酢酸ビニ
ルを用いるのが好ましい。
【0007】さらに、上記のビニルエステル系モノマー
をラジカル重合する際に、必要に応じて、上記のビニル
エステル系モノマーと共重合可能なモノマーを、発明の
効果を損なわない範囲内(好ましくは15モル%以下、
より好ましくは5モル%以下の割合)で共重合させるこ
ともできる。このようなビニルエステル系モノマーと共
重合可能なモノマーとしては、例えば、エチレン、プロ
ピレン、1−ブテン、イソブテン等の炭素数2〜30の
オレフィン類;アクリル酸およびその塩;アクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、ア
クリル酸i−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリ
ル酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2
−エチルへキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オ
クタデシル等のアクリル酸エステル類;メタクリル酸お
よびその塩;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸i−プロ
ピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチ
ル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチル
へキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタ
ドデシル等のメタクリル酸エステル類;アクリルアミ
ド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルア
ミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、ジアセトンア
クリルアミド、アクリルアミドプロパンスルホン酸およ
びその塩、アクリルアミドプロピルジメチルアミンおよ
びその塩、N−メチロールアクリルアミドおよびその誘
導体等のアクリルアミド誘導体;メタクリルアミド、N
−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミ
ド、メタクリルアミドプロパンスルホン酸およびその
塩、メタクリルアミドプロピルジメチルアミンおよびそ
の塩、N−メチロールアクリルアミドおよびその誘導体
等のメタクリルアミド誘導体;メチルビニルエーテル、
エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、
i−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテ
ル、i−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエー
テル、ドデシルビニルエーテル、ステアリルビニルエー
テル等のビニルエーテル類;アクリロニトリル、メタク
リロニトリル等のニトリル類;塩化ビニル、塩化ビニリ
デン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン化
ビニル類;酢酸アリル、塩化アリル等のアリル化合物;
マレイン酸およびその塩またはそのエステル;イタコン
酸およびその塩またはそのエステル;ビニルトリメトキ
シシラン等のビニルシリル化合物;酢酸イソプロペニル
等を挙げることができる。
【0008】ポリビニルアルコール系重合体の重合度
は、偏光膜の強度の点から500以上が好ましく、偏光
性能の点から1000以上がより好ましく、1500以
上がさらに好ましい。さらに、重合度の上限は、偏光膜
の製膜性の点から6000以下が好ましい。なお、ポリ
ビニルアルコール系重合体の重合度(P)はJIS−K
6726に準じて測定される。すなわちポリビニルアル
コール系重合体を再けん化し、精製した後、30℃の水
中で測定した極限粘度[η](単位:dl/g)から次
式(1)により求められる。
【0009】 P=([η]×103/8.29)(1/0.62) (1)
【0010】ポリビニルアルコール系重合体のけん化度
は、偏光膜の耐久性の点から90モル%以上が好まし
く、95モル%以上がより好ましく、98モル%以上が
さらに好ましい。さらに、偏光膜の染色性の点から9
9.95モル%以下が好ましい。なお、本明細書でいう
けん化度とは、けん化によりビニルアルコール単位に変
換されうる単位の中で、実際にビニルアルコール単位に
けん化されている単位の割合を示したものであり、JI
S−K6726に準じて測定された値である。
【0011】本発明に用いられるポリビニルアルコール
系偏光膜を製造する方法としては、例えば、上記したポ
リビニルアルコール系重合体を溶媒に溶解した溶液を使
用して、キャスト製膜法、押出製膜法、乾式製膜法、湿
式製膜法(貧溶媒中への吐出)、乾湿式製膜法、ゲル製
膜法(PVA水溶液を一旦冷却ゲル化した後、溶媒を抽
出除去し、フィルムを得る方法)、およびこれらの組み
合わせによる方法で製造することができる。これらのな
かでもキャスト製膜法および押出製膜法が高偏光性およ
び高耐湿熱性を有する偏光膜が得られることから好まし
い。
【0012】ポリビニルアルコール系偏光膜を製造する
際に使用される、ポリビニルアルコール系重合体を溶解
する溶剤としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジ
メチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチ
ルピロリドン、エチレングリコール、グリセリン、プロ
ピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、テトラエチレングリコール、トリメチロ
ールプロパン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミ
ン、水等を挙げることができ、これらのうち1種または
2種以上を使用することができる。これらのなかでも、
ジメチルスルホキシド、水、あるいはジメチルスルホキ
シドと水の混合溶媒が好適に使用される。
【0013】ポリビニルアルコール系偏光膜を製膜する
際に使用される、ポリビニルアルコール系重合体溶液の
濃度は、3〜50重量%が好適である。この溶液には、
必要に応じて可塑剤、界面活性剤、二色性染料等を含有
させてもよい。
【0014】ポリビニルアルコール系偏光膜の厚みは5
〜150μmが好ましく、30〜100μmがより好ま
しい。
【0015】本発明に用いられる支持体としては、セル
ロースエステル系(セルロースジアセテート、セルロー
ストリアセテート、セルロースアセテートブチレートな
ど)、ポリスチレン系、アクリル系、ポリ塩化ビニル
系、ポリ塩化ビニリデン系、ポリエステル系、ポリカー
ボネート系、ポリオレフィン系、ポリアミド系等のフィ
ルムやガラス板などの光透過性の板状物があげられる。
接着性の点から、セルロースエステル系のフィルムが好
ましく、なかでもトリアセテートセルロースフィルムが
より好ましい。さらに、接着剤との親和性が向上し、よ
り接着強度が上がるため、表面をけん化したトリアセテ
ートセルロースフィルムを用いるのが特に好ましい。
【0016】本発明の偏光板の接着剤層を構成するエチ
レン変性ポリビニルアルコール系重合体としては、エチ
レンとビニルエステル系モノマーとを共重合して得られ
たエチレン−ビニルエステル系重合体をけん化し、ビニ
ルエステル単位をビニルアルコール単位としたものを用
いることができる。該ビニルエステル系モノマーとして
は、例えば、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビ
ニル、バレリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリ
ン酸ビニル、安息香酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バー
サティック酸ビニル等を挙げることができ、これらのな
かでも酢酸ビニルを用いるのが好ましい。
【0017】エチレン変性ポリビニルアルコール系重合
体において、エチレン変性量(エチレンの共重合量)は
1〜20モル%であり、好ましくは2〜15モル%であ
り、より好ましくは5〜10モル%である。エチレン変
性量が1モル%未満の場合には、偏光板の耐水性、耐湿
熱性および耐久性が劣る。一方、エチレン変性量が20
モル%を越える場合には、支持体との接着強度が低下し
たり、水溶液での塗布が困難となる。
【0018】さらに、エチレンとビニルエステル系モノ
マーを共重合させる際に、必要に応じて、共重合可能な
モノマーを、発明の効果を損なわない範囲内(好ましく
は15モル%以下、より好ましくは5モル%以下の割
合)で共重合させることもできる。このような共重合可
能なモノマーとして、例えば、プロピレン、1−ブテ
ン、イソブテン等の炭素数3〜30のオレフィン類;ア
クリル酸およびその塩;アクリル酸メチル、アクリル酸
エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸i−プロ
ピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチル、
アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルへキシ
ル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクタデシル等の
アクリル酸エステル類;メタクリル酸およびその塩;メ
タクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸
n−プロピル、メタクリル酸i−プロピル、メタクリル
酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸
t−ブチル、メタクリル酸2−エチルへキシル、メタク
リル酸ドデシル、メタクリル酸オクタドデシル等のメタ
クリル酸エステル類;アクリルアミド、N−メチルアク
リルアミド、N−エチルアクリルアミド、N,N−ジメ
チルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、アク
リルアミドプロパンスルホン酸およびその塩、アクリル
アミドプロピルジメチルアミンおよびその塩、N−メチ
ロールアクリルアミドおよびその誘導体等のアクリルア
ミド誘導体;メタクリルアミド、N−メチルメタクリル
アミド、N−エチルメタクリルアミド、メタクリルアミ
ドプロパンスルホン酸およびその塩、メタクリルアミド
プロピルジメチルアミンおよびその塩、N−メチロール
アクリルアミドおよびその誘導体等のメタクリルアミド
誘導体;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテ
ル、n−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニル
エーテル、n−ブチルビニルエーテル、i−ブチルビニ
ルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、ドデシルビニ
ルエーテル、ステアリルビニルエーテル等のビニルエー
テル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニ
トリル類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニ
ル、フッ化ビニリデン等のハロゲン化ビニル類;酢酸ア
リル、塩化アリル等のアリル化合物;マレイン酸および
その塩またはそのエステル;イタコン酸およびその塩ま
たはそのエステル;ビニルトリメトキシシラン等のビニ
ルシリル化合物;酢酸イソプロペニル等を挙げることが
できる。
【0019】エチレン変性ポリビニルアルコール系重合
体の重合度は、偏光板の耐水性、耐湿熱性、耐久性等の
点から300以上が好ましく、400以上がより好まし
く、500以上がさらに好ましい。さらに、接着剤の粘
度等の作業性の観点から、重合度は2500以下が好ま
しく、2000以下がより好ましい。なお、エチレン変
性ポリビニルアルコール系重合体の重合度(P)はJI
S−K6726に準じて測定される。すなわちエチレン
変性ポリビニルアルコール系重合体を再けん化し、精製
した後、30℃の水中で測定した極限粘度[η](単
位:dl/g)から前記の式(1)により求められる。
【0020】エチレン変性ポリビニルアルコール系重合
体のけん化度は、偏光板の耐水性の観点から、90モル
%以上が好ましく、95モル%以上がより好ましく、9
8モル%以上がさらに好ましい。
【0021】本発明に用いられる接着剤は、上記したエ
チレン変性ポリビニルアルコール系重合体を、例えば、
水やその他の溶剤に溶解して調製することができる。支
持体の濡れ性の改善や、エチレン変性ポリビニルアルコ
ール系重合体の溶解性の向上のため、水にメタノールや
イソプロパノールなどのアルコールを添加するのが好ま
しい。
【0022】さらに、本発明の効果を損なわない範囲内
において、上記の接着剤に、例えば、その他の重合体;
グリセリン、ジグリセリン、ジブチルフタレート、ジオ
クチルフタレート、リン酸トリクレジル等の可塑剤;ク
レイ、シリカ、炭酸カルシウム、Ti、Ni化合物等の
無機化合物;界面活性剤;ホウ素化合物等の架橋剤;染
料や顔料;酸化防止剤等の安定化剤;紫外線吸収剤など
を配合することもできる。
【0023】さらに、本発明の効果を損なわない範囲内
であれば、例えば、エポキシ系、アクリル系、ウレタン
系、フェノール系、ゴム系などの接着剤を配合すること
ができる。エチレン変性ポリビニルアルコール系重合体
からなる接着剤は水系で用いられることが多いため、配
合する接着剤も水系であることが好ましい。
【0024】本発明の偏光板は、上記したエチレン変性
ポリビニルアルコール系重合体からなる接着剤を用い
て、偏光膜と支持体とを接着することにより得られる。
偏光膜と支持体とを接着する方法としては、例えば、偏
光膜に接着剤を塗布した後、支持体を貼り合わせる方
法;支持体に接着剤を塗布した後、偏光膜を貼り合わせ
る方法など任意の方法が採用される。接着剤を偏光膜ま
たは支持体に塗布する方法としては、従来公知の方法を
用いることが出来る。例えば、グラビアロールコーティ
ング、リバースロールコーティングやスプレー方式など
があるが、均一な接着剤層が形成される方法であれば特
に限定されるものではない。
【0025】接着剤層の厚みは0.05〜10μmが好
ましく、0.2〜8μmがより好ましく、0.5〜5μ
mがさらに好ましい。接着剤層が0.05μm未満の場
合には、接着強度が低下する傾向がある。接着剤層が1
0μmを超える場合には、光学的ムラの原因になる場合
がある。
【0026】本発明の偏光板は、偏光膜と支持体とが接
着剤層を介して積層された積層構造(偏光膜/接着剤層
/支持体)を有している。偏光板の具体的な積層構造と
しては、例えば、偏光膜/接着剤層/支持体の3層構
造;支持体/接着剤層/偏光膜/接着剤層/支持体の5
層構造;支持体/接着剤層/偏光膜/接着剤層/偏光膜
/接着層剤/支持体の7層構造等の積層構造を挙げるこ
とができる。
【0027】本発明の偏光板は次のような優れた性能を
有する。 (1)エチレン単位を1〜20モル%含有する変性ポリ
ビニルアルコール系重合体からなる接着剤層は、ポリビ
ニルアルコール系偏光膜に対しても、支持体に対して
も、共に優れた接着性を有しているので、本発明の偏光
板に切断等の加工を加えても、偏光膜と支持体との間に
剥離は生じない。 (2)本発明の偏光板は耐水性や耐久性に優れている。
【0028】本発明の偏光板は、上記の特徴を生かし
て、特に耐久性や耐水性が要求される用途、例えば、液
晶テレビ、液晶ディスプレイ、航空機や自動車のインパ
ネ用ディスプレイとか、その他フィルター、サングラ
ス、窓ガラス、各種ライトの防眩用途、各種センサーな
どに好適に用いることができる。
【0029】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明は実施例によりなんら制限されるも
のではない。なお、実施例中の「%」および「部」は特
にことわりのない限りそれぞれ「重量%」および「重量
部」を表す。
【0030】実施例1 厚み70μmのポリビニルアルコール(重合度170
0、けん化度99モル%)フィルムを、ヨウ素1部、ヨ
ウ化カリウム10部、ほう酸5部および水100部より
なる染色浴中に浸漬して染色し、ついで30℃で一方向
に4倍に延伸して偏光膜を得た。8モル%エチレン変
性、重合度500、けん化度99モル%の変性ポリビニ
ルアルコール50重量部に対して、水950重量部を加
えて、95℃に加熱して溶解させた。そして、十分に脱
泡した後、室温まで冷却し、接着剤を調製した。表面を
けん化した厚み50μmのトリアセテートセルロースフ
ィルムに、上記接着剤を乾燥後の厚みが2μmとなるよ
うに塗布し、85℃で30秒間乾燥した。この上に上記
偏光膜を貼り合わせ、80℃で3分間キュアリングを行
い、偏光板を得た。耐水性試験として25℃の水中に2
日間浸漬後の偏光板の状態を調べたが、偏光膜と支持体
との間に剥離は見られなかった。さらに、得られた偏光
板を裁断機で1cm角に切断したが、端面からの剥離は
全く認められなかった。
【0031】実施例2 厚み70μmのポリビニルアルコール(重合度170
0、けん化度99モル%)フィルムを、ヨウ素1部、ヨ
ウ化カリウム10部、ほう酸5部および水100部より
なる染色浴中に浸漬して染色し、ついで30℃で一方向
に4倍に延伸して偏光膜を得た。5モル%エチレン変
性、重合度1700、けん化度98モル%の変性ポリビ
ニルアルコール50重量部に対して、水950重量部を
加えて、95℃に加熱して溶解させた。そして、十分に
脱泡した後、室温まで冷却し、接着剤を調製した。表面
をけん化した厚み50μmのトリアセテートセルロース
フィルムに、上記接着剤を乾燥後の厚みが2μmとなる
ように塗布し、85℃で30秒間乾燥した。この上に上
記偏光膜を貼り合わせ、80℃で3分間キュアリングを
行い、偏光板を得た。耐水性試験として25℃の水中に
2日間浸漬後の偏光板の状態を調べたが、偏光膜と支持
体との間に剥離は見られなかった。さらに、得られた偏
光板を裁断機で1cm角に切断したが、端面からの剥離
は全く認められなかった。
【0032】実施例3 厚み70μmのポリビニルアルコール(重合度170
0、けん化度99モル%)フィルムを、ヨウ素1部、ヨ
ウ化カリウム10部、ほう酸5部および水100部より
なる染色浴中に浸漬して染色し、ついで30℃で一方向
に4倍に延伸して偏光膜を得た。10モル%エチレン変
性、重合度500、けん化度99モル%の変性ポリビニ
ルアルコール50重量部に対して、水950重量部を加
えて、95℃に加熱して溶解させた。そして、室温まで
冷却した。この溶液には曇点が認められたが、イソプロ
ピルアルコールを100重量部加えたところ透明溶液が
得られた。そして、十分に脱泡を行い、接着剤を調製し
た。表面をけん化した厚み50μmのトリアセテートセ
ルロースフィルムに、上記接着剤を乾燥後の厚みが2μ
mになるように塗布し、85℃で30秒間乾燥した。こ
の上に上記偏光膜を貼り合わせ、80℃で3分間キュア
リングを行い、偏光板を得た。耐水性試験として25℃
の水中に2日間浸漬後の偏光板の状態を調べたが、偏光
膜と支持体との間に剥離は見られなかった。さらに、得
られた偏光板を裁断機で1cm角に切断したが、端面か
らの剥離は全く認められなかった。
【0033】比較例1 接着剤として、重合度500、けん化度99モル%の無
変性のポリビニルアルコールを用いる以外は、実施例1
と同様にして偏光板を作成し、耐水性および接着力を評
価した。耐水性試験で、偏光膜と支持体との間に剥離が
認められた。また、得られた偏光板を裁断機で1cm角
に切断したところ、端面からの剥離は見られなかった。
【0034】比較例2 接着剤として、エチレン変性量32モル%、重合度50
0、けん化度99モル%の変性ポリビニルアルコールを
用いる以外は、実施例1と同様にして偏光板を作成し、
耐水性および接着力を評価した。耐水性試験で、偏光膜
と支持体との間に剥離は認められなかったが、得られた
偏光板を裁断機で1cm角に切断したところ、接着剤層
と偏光膜との間で部分的に端面からの剥離が見られた。
【0035】比較例3 接着剤としてアクリル系接着剤を用いる以外は、実施例
1と同様にして偏光板を作成し、耐水性および接着力を
評価した。耐水性試験で、偏光膜と支持体との間に剥離
は見られなかったが、得られた偏光板を裁断機で1cm
角に切断したところ、接着剤層と偏光膜との間で部分的
に端面からの層間剥離が見られた。
【0036】比較例4 接着剤として酢酸ビニル系接着剤を用いる以外は、実施
例1と同様にして偏光板を作成し、耐水性および接着力
を評価した。耐水性試験で、接着剤層と偏光膜との間で
端面からの剥離が見られた。また、得られた偏光板を裁
断機で1cm角に切断したところ、端面からの部分的な
剥離が認められた。
【0037】
【発明の効果】上記実施例から明らかなとおり、エチレ
ン単位を1〜20モル%含有する変性ポリビニルアルコ
ール系重合体からなる接着剤は、従来の酢酸ビニル系接
着剤や無変性のポリビニルアルコール系重合体からなる
接着剤に比べて耐水性が優れ、さらに偏光膜および支持
体との接着性にも優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H049 BA02 BB43 BB49 BB51 4F100 AJ06B AK21A AK21H AL06H AR00A AT00B BA02 CB00 GB90 JB07 JK06 JM02A JN10A 4J002 BE021 BE031 GQ00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリビニルアルコール系偏光膜と支持体
    とが、エチレン単位を1〜20モル%含有する変性ポリ
    ビニルアルコール系重合体からなる接着剤層を介して積
    層された偏光板。
  2. 【請求項2】 支持体がトリアセテートセルロースフィ
    ルムである請求項1記載の偏光板。
JP34698699A 1999-12-07 1999-12-07 偏光板 Pending JP2001166139A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34698699A JP2001166139A (ja) 1999-12-07 1999-12-07 偏光板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34698699A JP2001166139A (ja) 1999-12-07 1999-12-07 偏光板

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001166139A true JP2001166139A (ja) 2001-06-22

Family

ID=18387163

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP34698699A Pending JP2001166139A (ja) 1999-12-07 1999-12-07 偏光板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001166139A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006078714A (ja) * 2004-09-09 2006-03-23 Nitto Denko Corp 偏光板およびその製造方法、ならびに偏光板を用いた画像表示装置
KR100690940B1 (ko) * 2001-12-17 2007-03-09 가부시키가이샤 구라레 폴리비닐 알콜 필름 및 편광막
WO2010140450A1 (ja) * 2009-06-05 2010-12-09 日東電工株式会社 粘着型光学フィルム、その製造方法および画像表示装置、並びに粘着剤塗布液およびその製造方法
KR20190019950A (ko) 2016-06-30 2019-02-27 닛뽄 가야쿠 가부시키가이샤 고내구성의 편광판 및 이것을 사용한 화상 표시 장치, 그리고 편광판의 제조 방법

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100690940B1 (ko) * 2001-12-17 2007-03-09 가부시키가이샤 구라레 폴리비닐 알콜 필름 및 편광막
JP2006078714A (ja) * 2004-09-09 2006-03-23 Nitto Denko Corp 偏光板およびその製造方法、ならびに偏光板を用いた画像表示装置
WO2010140450A1 (ja) * 2009-06-05 2010-12-09 日東電工株式会社 粘着型光学フィルム、その製造方法および画像表示装置、並びに粘着剤塗布液およびその製造方法
JP2010280854A (ja) * 2009-06-05 2010-12-16 Nitto Denko Corp 粘着型光学フィルム、その製造方法および画像表示装置、並びに粘着剤塗布液およびその製造方法
KR20120026079A (ko) * 2009-06-05 2012-03-16 닛토덴코 가부시키가이샤 점착형 광학 필름, 그 제조 방법 및 화상 표시 장치, 및 점착제 도포액 및 그 제조 방법
CN102439496A (zh) * 2009-06-05 2012-05-02 日东电工株式会社 粘合型光学薄膜、其制造方法和图像显示装置以及粘合剂涂布液及其制造方法
KR101674701B1 (ko) 2009-06-05 2016-11-09 닛토덴코 가부시키가이샤 점착형 광학 필름, 그 제조 방법 및 화상 표시 장치, 및 점착제 도포액 및 그 제조 방법
KR20190019950A (ko) 2016-06-30 2019-02-27 닛뽄 가야쿠 가부시키가이샤 고내구성의 편광판 및 이것을 사용한 화상 표시 장치, 그리고 편광판의 제조 방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101624072B1 (ko) 폴리비닐알코올 필름 및 편광 필름
US7183344B2 (en) Polyvinyl alcohol film and polarizing film
TWI645221B (zh) 積層體、及偏光膜之製造方法
KR102232978B1 (ko) 광학 필름 제조용 원단 필름
KR20000010959A (ko) 편광 필름
JP4170015B2 (ja) 偏光板
JP5735302B2 (ja) 偏光フィルムの製造方法、偏光フィルム及び偏光フィルム用pva系樹脂
JP7199343B2 (ja) 偏光フィルム、偏光板、及びそれらの製造方法
JP4592147B2 (ja) ポリビニルアルコールフィルムおよび偏光フィルム
JP2001315138A (ja) ポリビニルアルコールフィルムの製造法
JP4104916B2 (ja) 光学用ポリビニルアルコールフィルムおよびその製造方法
JP2001166139A (ja) 偏光板
JP5814524B2 (ja) 偏光フィルム、偏光フィルム用pva系樹脂フィルム及び偏光フィルムの製造方法
JPH11119023A (ja) 偏光フィルム
JP6556693B2 (ja) ポリビニルアルコールフィルムおよびその製造方法
JP4242021B2 (ja) 積層フィルムおよび偏光フィルム
US7632430B2 (en) Process for producing polarizing film
JP6858499B2 (ja) 光学フィルムの製造方法
JP6592509B2 (ja) ポリビニルアルコールフィルム
JP4601735B2 (ja) ポリビニルアルコールフィルム
CN116438230A (zh) 光学膜制造用膜和光学膜的制造方法
JP4166384B2 (ja) 積層フィルムおよび偏光フィルム
JP4498589B2 (ja) ビニルアルコール系重合体フィルムの製造法および偏光フィルム
JP3796198B2 (ja) 偏光フィルムの製造法
JP3476134B2 (ja) ポリビニルアルコール系重合体フィルムおよび偏光フィルム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060912

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090610

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090616

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090817

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090908