JP2001165888A - ガスセンサ及びその製造法 - Google Patents
ガスセンサ及びその製造法Info
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Abstract
置により、ガス感応体の表面に微細な凹凸を形成してそ
の表面積を増加した、センサの小型化に容易に対応で
き、ガス検知感度も高いガスセンサ及びその製造法を提
供する。 【解決手段】 ガスセンサのガス感応体の表面に、揮発
性溶剤の蒸気によりエッチング処理して微細な凹凸を形
成する。
Description
面に微細な凹凸を形成した、種々のガス検知用等に用い
得るガスセンサ及びその製造法に関する。
スの検知は、通常、ガス感応体の表面にガスが吸脱着す
るときの吸着力や反応性の違いを利用して行われる。そ
して、ガスの吸脱着によりその抵抗が変化することを利
用し、その抵抗値を測定してガスの有無を検知する。
こるので、従来から、ガス検知感度を上げるためにその
表面積を増加する方法が提案されている。
し、成膜後の感応薄膜の表面に凹凸が形成されるように
する方法(特開平6−128721号公報)、 2)成膜後の感応薄膜の上に、マスクを介して金属アル
ミニウムを蒸着し、次いで酸素プラズマ中でこの膜をエ
ッチング処理することにより、感応薄膜の表面に凹凸を
形成する方法(特開平6−128721号公報)、 3)塗布した感応膜に凹凸を有する型を押印して、ガス
感応膜に凹凸を付ける方法(特公平8−12166号公
報)等が知られている。
には、感応体の形態が薄膜の場合に限られ、また、弗化
マグネシウムの蒸着膜のような特定の下地材料の場合に
しか行えないという欠点がある。
の場合に限られるのみでなく、マスクを用いてわざわざ
感応薄膜成分とは別の金属アルミニウムを蒸着する必要
があり、しかもプラズマエッチング法によりエッチング
するので、工程が煩雑であり、装置も大掛かりであり、
費用や手間がかかるという欠点がある。また、マスクと
して約1μmピッチの格子状パターンを用いる(特開平
6−128721号公報、「0026」参照)ことより
みても、得られる凹凸は、そのサイズがかなり大きく、
センサの小型化に容易に対応できないという欠点もあ
る。
作成の費用や手間がかかるという欠点がある。
の欠点を除去し、ガス感応体の形態によらずに、簡易な
工程及び装置によりガス感応体の表面積を増加した、セ
ンサの小型化に容易に対応でき、ガス検知感度も高いガ
スセンサ及びその製造法を提供することにある。
載の発明は、ガスセンサのガス感応体の表面に、揮発性
溶剤の蒸気によりエッチング処理して微細な凹凸を形成
してなることを特徴とする。
に記載のガスセンサにおいて、前記ガス感応体を基板の
表面に形成してなることを特徴とする。
に記載のガスセンサにおいて、前記ガス感応体が半導体
薄膜であることを特徴とする。
に記載のガスセンサにおいて、前記ガス感応体が通電体
の周りにバルク状に形成したものであることを特徴とす
る。
ガスセンサのガス感応体の表面に、揮発性溶剤の蒸気に
よりエッチング処理して微細な凹凸を形成する工程を含
むことを特徴とする。
請求項5に記載のガスセンサの製造法において、基板の
表面にガス感応体を形成し、このガス感応体の表面に、
揮発性溶剤の蒸気によりエッチング処理して微細な凹凸
を形成し、更にその上に、電極を形成することを特徴と
する。
請求項5に記載のガスセンサの製造法において、予め電
極を形成した基板の表面に、ガス感応体を形成し、この
ガス感応体の表面に、揮発性溶剤の蒸気によりエッチン
グ処理して微細な凹凸を形成することを特徴とする。
よれば、ガスセンサのガス感応体の表面を揮発性溶剤の
蒸気によりエッチング処理することにより、その表面に
微細な凹凸を形成することができ、その表面積を増加し
たガス感応体を有するガスセンサが得られる。
明の実施の形態について説明する。
ス感応体の表面に、揮発性溶剤の蒸気によりエッチング
処理して微細な凹凸を形成してなる。
装置の概略説明図である。この発明のガスセンサの製造
に際しては、ガスセンサのガス感応体13を、揮発性溶
剤12を入れたビーカー等の容器11の上部に、固定装
置14で固定し、その揮発性溶剤12の蒸気によりエッ
チング処理する。
発性溶剤により異なるが、揮発性溶剤の蒸気が発生する
温度であればよく、例えば、揮発性溶剤としてアセチル
アセトンを用いる場合には、30℃程度の加熱で十分で
ある。
うと、ガスセンサのガス感応体13の表面に揮発性溶剤
12の蒸気による無数の微細な凹凸を形成し、その結
果、その表面積が増加した、ガスセンサ用ガス感応体が
得られ、これを用いて、常法によりこの発明のガスセン
サを得る。
ンサ、厚膜センサ、多孔質焼結体センサ等の半導体式セ
ンサでも、接触燃焼式センサでもよい。
法、ゾルゲル法等により半導体薄膜を形成したものであ
り、厚膜センサは、スクリーン印刷法やアルコキシドの
熱分解等によりアルミナ等の基板上に半導体厚膜を形成
したものである。
バインダ等と混合し、水で練ってペースト状としたもの
を、電極(白金線をコイル状巻いたもの)の周りに塗布
し、比較的低い温度で焼結したものである。これらのセ
ンサでは、いずれもガス吸着あるいは反応により生じる
抵抗変化等によりガスを検知する。
ミナ上に担持したもの(触媒ビーズ)に、白金コイルを
埋込んだものであり、その白金コイルの電気抵抗変化と
して検出する。
態は、例えば薄膜状、厚膜状等の膜状に形成したもので
も、例えば通電体の周りにバルク状に形成したものでも
よい。
体式ガスセンサのガス感応体材料である酸化錫(SnO
2)、酸化亜鉛(ZnO)等が用いられるが、ガス感応
体の材料を溶解可能な適当な溶剤さえあれば、いかなる
ものでもよい。
アセチルアセトン、塩酸等が用いられるが、ガス感応体
の材料を溶解可能な揮発性溶剤であれば、特に制限はな
い。
を形成するには、揮発性溶剤の蒸気によるエッチング処
理後に、電極を形成してもよいし、また、予め電極を形
成した基板の表面に、ガス感応体を形成し、この感応体
の表面に、揮発性溶剤の蒸気によりエッチング処理して
もよい。
た酸化錫(SnO2)23を、図2に示すように、約3
0℃に加熱した塩酸22を入れたビーカー等の容器21
の上部に、固定装置24で固定し、常圧下で3時間放置
して、塩酸の蒸気によりエッチング処理した。
による無数の微細な凹凸を形成して表面積が増加したガ
ス感応体を得、更に、このガス感応体を用いて、常法に
よりこの発明のガスセンサを得た。
シリコン基板31の表面に酸化亜鉛(ZnO)薄膜32
を形成した。このZnO薄膜32は、その薄膜表面にで
きる凹凸のサイズ(一の粒のピークと、これに隣接する
他の一の粒のピークとの間の水平距離を表す値、以下同
様)が約100nm、凹凸の高さ(一の粒のピークと、
これに隣接する他の一の粒のピークとの間の垂直距離を
表す値、以下同様)がほとんどなく、約10nmであっ
た。
査型電子顕微鏡(SEM)写真を図4に示す。
3を、図5に示すように、約30℃に加熱したアセチル
アセトン52を入れたビーカー等の容器51の上部に、
固定装置54で固定し、常圧下で1時間放置して、アセ
チルアセトンの蒸気によりエッチング処理した。
セトンの蒸気による無数の微細な凹凸を形成して表面積
が増加したガス感応体を得た。このエッチング処理後の
ZnO薄膜32は、その薄膜表面にできる凹凸のサイズ
が約100nm、凹凸の高さが約40〜100nmであ
った。
表面の構造を示す走査型電子顕微鏡(SEM)写真を図
6に示す。
ように、エッチング処理前のZnO薄膜32の表面は、
粒がぎっしり詰まっている(図4)が、エッチング処理
後のZnO薄膜32の表面は、エッチング処理により無
数の微細な凹凸ができている(図6)。これらの写真の
黒い部分はエッチング処理により空洞となった部分であ
り、白い部分は残った部分を示す。
パッタリング法により、それぞれのサイズが1mm×1
0mmの、一対の白金からなる電極33(一対の電極間
は0.2mm)を形成し、電極33に抵抗を測定するた
めのリード線34を取り付けて、この発明のガスセンサ
を得た。
ルゲル法を使用したが、ゾルゲル法以外の他の液層法、
スパッタリング法等の気層法などによってもよい。
シリコン基板31を使用したが、アルミナ基板、サファ
イア基板、石英基板、ガラス基板等の基板を用いてもよ
い。
に電極33を形成したが、予め電極を形成した基板の表
面に、前記のようにZnO薄膜を形成し、次いでその表
面に蒸気によりエッチング処理してもよい。
なるが、一対の金、アルミニウム等の金属からなっても
よい。
したシリコン基板の表面に酸化亜鉛(ZnO)薄膜を形
成した。
施例2と同様にして、約30℃に加熱した塩酸を入れた
ビーカー等の容器の上部に、固定装置で固定し、常圧下
で30分間放置して、塩酸の蒸気によりエッチング処理
した。この際、塩酸は腐食作用が大きいので、凹凸を制
御するため5%程度に希釈した。
による無数の微細な凹凸を形成して表面積が増加したガ
ス感応体を得た。
2と同様にして、一対の白金からなる電極を形成し、こ
の電極に抵抗を測定するためのリード線を取り付けて、
この発明のガスセンサを得た。
サのセンサ特性を、次のようにして測定した。500m
m×500mm×500mmのステンレス製箱の中に、
実施例2又は3で得られたガスセンサを入れ、基板を約
400℃に加熱した状態で密閉し、電圧をかける。
る合成空気を基準として、この合成空気にプロパン(C
3H8)ガスを1%加えた評価用気体を導入したとき、
及びその後、この評価用気体を止めて再度基準の合成空
気に戻したときの電流の変化をそれぞれ計測し、これを
抵抗の変化に換算して、図7に示すセンサ特性を得た。
理の場合のガスセンサに比して、実施例2又は3の場合
には、プロパンガスを流し始めたときの抵抗の変化が大
きいことから、プロパンガスの検知特性に優れているこ
とが判る。
たアルミナ基板81の上に、スクリーン印刷法により、
SnO2厚膜82を形成した。
実施例2と同様にして、約30℃に加熱した塩酸を入れ
たビーカー等の容器の上部に、固定装置で固定し、常圧
下で1時間放置して、塩酸の蒸気によりエッチング処理
した。
による無数の微細な凹凸を形成して表面積が増加したガ
ス感応体を得、更に常法によりこの発明のガスセンサを
得た。
ス感応体の表面に、揮発性溶剤の蒸気によりエッチング
処理して微細な凹凸を形成することができるため、感応
体の形態によらずに、簡易な工程及び装置によりガス感
応体の表面積を増加した、センサの小型化に容易に対応
でき、ガス検知感度も高いガスセンサ及びその製造法を
提供することができる。
説明図である。
装置の概略説明図である。
明図である。
前のZnO薄膜の表面の構造を示す電子顕微鏡写真であ
る。
装置の概略説明図である。
後のZnO薄膜の表面の構造を示す電子顕微鏡写真であ
る。
ンサのセンサ特性を示す図である。
センサの断面模式図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 ガスセンサのガス感応体の表面に、揮発
性溶剤の蒸気によりエッチング処理して微細な凹凸を形
成してなることを特徴とする、ガスセンサ。 - 【請求項2】 前記ガス感応体を基板の表面に形成して
なることを特徴とする、請求項1に記載のガスセンサ。 - 【請求項3】 前記ガス感応体が半導体薄膜であること
を特徴とする、請求項2に記載のガスセンサ。 - 【請求項4】 前記ガス感応体が通電体の周りにバルク
状に形成したものであることを特徴とする、請求項1に
記載のガスセンサ。 - 【請求項5】 ガスセンサのガス感応体の表面に、揮発
性溶剤の蒸気によりエッチング処理して微細な凹凸を形
成する工程を含むことを特徴とする、ガスセンサの製造
法。 - 【請求項6】 基板の表面にガス感応体を形成し、この
ガス感応体の表面に、揮発性溶剤の蒸気によりエッチン
グ処理して微細な凹凸を形成し、更にその上に、電極を
形成することを特徴とする、請求項5に記載のガスセン
サの製造法。 - 【請求項7】 予め電極を形成した基板の表面に、ガス
感応体を形成し、このガス感応体の表面に、揮発性溶剤
の蒸気によりエッチング処理して微細な凹凸を形成する
ことを特徴とする、請求項5に記載のガスセンサの製造
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35101199A JP4208167B2 (ja) | 1999-12-10 | 1999-12-10 | ガスセンサの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35101199A JP4208167B2 (ja) | 1999-12-10 | 1999-12-10 | ガスセンサの製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001165888A true JP2001165888A (ja) | 2001-06-22 |
JP4208167B2 JP4208167B2 (ja) | 2009-01-14 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP35101199A Expired - Fee Related JP4208167B2 (ja) | 1999-12-10 | 1999-12-10 | ガスセンサの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4208167B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008128772A (ja) * | 2006-11-20 | 2008-06-05 | Fuji Electric Fa Components & Systems Co Ltd | 薄膜ガスセンサ及びその製造方法 |
-
1999
- 1999-12-10 JP JP35101199A patent/JP4208167B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008128772A (ja) * | 2006-11-20 | 2008-06-05 | Fuji Electric Fa Components & Systems Co Ltd | 薄膜ガスセンサ及びその製造方法 |
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