JP2001164476A - 工程剥離紙 - Google Patents

工程剥離紙

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JP2001164476A
JP2001164476A JP34305299A JP34305299A JP2001164476A JP 2001164476 A JP2001164476 A JP 2001164476A JP 34305299 A JP34305299 A JP 34305299A JP 34305299 A JP34305299 A JP 34305299A JP 2001164476 A JP2001164476 A JP 2001164476A
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毅 久保田
Junichi Hashikawa
淳一 橋川
Hiroshi Teratani
弘 寺谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 静電気発生によるひび割れ等の欠陥を離型性
樹脂層にもたず、静電気の発生を抑えてひび割れ等の欠
陥のない良好な合成皮革の製造を可能とした工程剥離紙
を提供する。 【解決手段】 工程剥離紙を、基体と、この基体の少な
くとも一方の面に設けられた離型性樹脂層との積層体か
らなる構成とし、基体を表面抵抗値(Ω)および/また
は体積抵抗値(Ω・cm)が0.1×1010〜6.0×
1010の範囲内のものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は工程剥離紙に係り、
特に合成皮革の製造に使用される工程剥離紙に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から製造されている合成皮革には、
ポリウレタン(PU)レザー、セミ合皮、塩化ビニル
(PVC)レザー等がある。PUレザーの製造方法とし
ては、例えば、工程剥離紙上にペースト状のPU樹脂を
塗布し、乾燥・固化した後に基布を貼合して工程剥離紙
から剥離する方法がある。
【0003】また、セミ合皮の製造方法としては、工程
剥離紙上にペースト状のPU樹脂を塗布して乾燥・固化
した後、PVC発泡層を形成して基布と貼合し、工程剥
離紙から剥離する方法がある。
【0004】従来から使用されている工程剥離紙として
は、PUレザー製造用として紙面pH3〜8の基体にポ
リプロピレン(PP)を塗布して厚さ20〜50μm程
度の離型性樹脂層を設けた工程剥離紙(PPタイプ)が
ある。また、セミ合皮製造用またはPVCレザー製造用
として、紙面pH3〜8の基体にメチルペンテン系ポリ
マーを塗布して厚さ20〜50μm程度の単層の離型性
樹脂層を設けた工程剥離紙(メチルペンテン系ポリマー
タイプ)、あるいは、紙面pH3〜8の基体にアクリル
系樹脂を塗布して厚さ20〜50μm程度の離型性樹脂
層を設けた工程剥離紙(アクリル系樹脂タイプ)があ
る。
【0005】また、他のタイプの工程剥離紙としては、
基体上に表面を平滑にした厚み4〜15μm程度のメラ
ミンアルキッド樹脂を離型性樹脂層として設けた工程剥
離紙、基体上に紫外線硬化型樹脂あるいは電離放射線硬
化型樹脂からなる離型性樹脂層を設けた工程剥離紙があ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような工程剥離紙の基体として通常の紙を使用した場
合、離型性樹脂層の塗布形成時に静電気が発生し易く、
さらに、この工程剥離紙を用いた合成皮革の製造では、
工程剥離紙からの合成皮革の剥離という工程が存在する
ため、静電気の発生は避けられなかった。このように、
工程剥離紙の製造時、合成皮革製造時に静電気が発生す
ると、工程剥離紙の離型性樹脂層や合成皮革にひび割れ
が生じるという問題がある。
【0007】上記のような静電気発生の防止対策とし
て、モールを設置する、加湿雰囲気にする等の手段もあ
るが、特に冬期の乾燥時には、このような対策では不十
分である。また、静電気の帯電量が多くなると、火災発
生の危険性もあり、十分な静電気対策が要望されてい
る。
【0008】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、静電気発生によるひび割れ等の欠陥を離
型性樹脂層にもたず、静電気の発生を抑えてひび割れ等
の欠陥のない良好な合成皮革の製造を可能とした工程剥
離紙を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明の工程剥離紙は、基体と該基体の少な
くとも一方の面に設けられた離型性樹脂層との積層体で
ある工程剥離紙において、前記基体の表面抵抗値(Ω)
および/または体積抵抗値(Ω・cm)が0.1×10
10〜6.0×1010の範囲にあるような構成とした。
【0010】また、本発明の工程剥離紙は、前記基体が
有機高分子導電剤および/または無機導電剤を0.05
〜3.00g/m2の範囲で含有するもの、あるいは、
少なくとも一方の面に有機高分子導電剤および/または
無機導電剤が0.05〜3.00g/m2の範囲で塗布
されたものであるような構成とした。
【0011】また、上記のような工程剥離紙において、
前記離型性樹脂層がアルキッド系樹脂、アクリル系樹
脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ
メチルペンテン系樹脂、シリコーン系樹脂、紫外線硬化
型樹脂、電離放射線硬化型樹脂等のいずれかからなり、
厚みは4〜50μmの範囲にあるような構成、さらに、
前記離型性樹脂層が多層構造であるような構成とした。
【0012】上記のような本発明では、工程剥離紙の製
造時、および、工程剥離紙を用いた合成皮革製造時にお
いて、基体は静電気の発生を防止する作用をなす。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。図1は本発明の工程剥離紙
の一例を示す概略断面図である。図1において工程剥離
紙1は、基体2と、この基体2の一方の面に設けられた
離型性樹脂層3とからなり、離型性樹脂層3の表面に
は、表面平滑パターン4が設けられている。
【0014】また、図2は本発明の工程剥離紙の他の例
を示す概略断面図である。図2において工程剥離紙11
は、基体12と、この基体12の一方の面に設けられた
離型性樹脂層13とからなり、離型性樹脂層13の表面
には、凹凸パターン14が設けられている。
【0015】このような本発明の工程剥離紙1,11で
は、基体2,12の表面抵抗値(Ω)および/または体
積抵抗値(Ω・cm)が0.1×1010〜6.0×10
10の範囲内にあることを特徴とする。表面抵抗値(Ω)
および/または体積抵抗値(Ω・cm)が上記の範囲内
にあることにより、静電気帯電の防止効果が得られ、後
述するような離型性樹脂層3,13の形成時や、工程剥
離紙1,11を用いた合成皮革製造時において、静電気
発生によるひび割れが剥製性樹脂層3,13や合成皮革
に発生することが防止できる。
【0016】尚、本発明では、基体2,12の表面抵抗
値や体積抵抗値の測定方法を以下のように規定する。す
なわち、基体の幅方向で中央と両端の3箇所にて試料を
各1点サンプリングし、これを20℃、65%RHの環
境下に1時間放置した後、電気抵抗測定装置(横河ヒュ
ーレッドパッカー社製4329A+16008Aセル)
により測定する。
【0017】工程剥離紙1,11を構成する基体2,1
2は、クラフト紙、上質紙等の紙を使用することができ
る。基体2,12の厚さは、使用する材料等を考慮する
とともに、後述するようなエンボス加工により凹凸パタ
ーン14が離型性樹脂層13の表面に形成できるような
厚さに設定することが好ましく、例えば、50〜200
μm程度の範囲で設定することができる。また、基体2
の離型性樹脂層3形成側の面、および、基体12の離型
性樹脂層13形成側の面は、基体と離型性樹脂層との接
着性を高めるために予め加熱あるいはコロナ放電処理等
を施してもよい。
【0018】基体2,12の主原料の配合としては、以
下の配合が可能である。パルプ配合としては、L−BK
P、N−BKPをパルプ繊維の主体とし、これに損紙、
古紙パルプを適宜配合する。また、添加剤としては、内
添サイズ剤、カチオン化澱粉、脂肪酸エステル系や特殊
パラフィン系等の消泡剤等を用いることができる。
【0019】基体製造のサイズプレス工程においては、
コーンスターチ、表面サイズ剤、導電剤等を配合したサ
イズプレス液を原紙に塗工する。このサイズプレス工程
を経ることにより、サイズプレス液は基体の両面に塗布
され、基体内部にも含浸されることになる。
【0020】使用する導電剤は、有機高分子導電剤およ
び/または無機導電剤である。有機高分子導電剤として
は、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリ
エチレングリコール等の非イオン性ポリマー、スルホン
化スチレン樹脂等のアニオン性極性基をもつポリマー、
第4級アンモニウムクロライド等の第4級アンモニウム
塩であるカチオン性ポリマー等が挙げられる。また、無
機導電剤としては、酸化カルシウム、アルミン酸ソー
ダ、酸化亜鉛、酸化錫、塩化カルシウム、塩化リチウ
ム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化ナトリウ
ム、カーボンブラック等が挙げられる。
【0021】上記のような導電剤の基体2,12におけ
る含有量、あるいは、基体2,12表面における塗工量
は、0.05〜3.0g/m2、好ましくは0.2〜
2.0g/m2の範囲内とすることができる。導電剤量
が0.05g/m2未満であると、基体2,12の表面
抵抗値(Ω)および/または体積抵抗値(Ω・cm)が
0.1×1010未満となり易く、静電気帯電の防止効果
が不十分なものとなり、後述する離型性樹脂層3,13
の形成時や、工程剥離紙1,11を用いた合成皮革製造
時において、静電気発生によるひび割れが剥製性樹脂層
3,13や合成皮革に発生することになる。また、導電
剤量が3.0g/m2を超えても、静電気帯電の防止効
果の更なる向上が得られず、材料コスト的にも不利とな
る。
【0022】工程剥離紙1,11を構成する離型性樹脂
層3,13は、アルキッド系樹脂、アクリル系樹脂、ポ
リエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリメチル
ペンテン系樹脂、シリコーン系樹脂、紫外線硬化型樹
脂、電離放射線硬化型樹脂等の公知の樹脂を使用するこ
とができ、合成皮革用の樹脂との剥離性を考慮して選定
することができ、特にポリメチルペンテン系樹脂、ポリ
プロピレン樹脂、および、アルキッド樹脂が好ましい。
【0023】離型性樹脂層3,13の形成は、上記樹脂
を基体2,12上にロールコート、グラビアコート、押
出しコート、ナイフコート、マイヤーバーコート、ディ
ッピングコート等の方式で塗布する方法、接着剤塗布ラ
ミネートや熱溶融ラミネート等によるフィルムラミネー
ト法等により行うことができる。樹脂の硬化方法は、熱
硬化方法、紫外線や電離放射線等の硬化法等、いずれの
方法であってもよい。また、離型性樹脂層3,13は、
合成皮革の剥離性、工程等を考慮して、多層構造として
もよい。この離型性樹脂層の形成工程では、上述のよう
に基体2,12の表面抵抗値(Ω)および/または体積
抵抗値(Ω・cm)が0.1×1010〜6.0×1010
の範囲内にあるので、静電気帯電の防止効果が十分に発
現され、静電気発生によるひび割れが離型性樹脂層に発
生することが防止される。
【0024】このような離型性樹脂層3,13の厚み
は、3〜100μm、好ましくは4〜50μm程度とす
ることができる。離型性樹脂層の厚みが3μm未満であ
ると、合成皮革製造時において合成皮革との剥離性が悪
くなり、100μmを超えると、工程剥離紙のカールが
大きくなるとともに、凹凸パターン14の深さを十分な
深さ(50μmを超える深さ)とすることが困難になり
好ましくない。
【0025】離型性樹脂層3に表面平滑パターン4をも
つ工程剥離紙1は、上記のような工程により得られる。
一方、離型性樹脂層13に凹凸パターン14を持つ工程
剥離紙11は、次のようなエンボス工程をとる。すなわ
ち、凹凸を形成したエンボスロールと、その凹凸を受け
るペーパーロールまたは金属ロール、あるいは、エンボ
スロールの凹凸形状に対応した表面凹凸をもつ金属ロー
ルとを対向して備えるエンボス加工機に、上記の離型性
樹脂層13がエンボスロールに当接するように工程剥離
紙を流し、加熱されたエンボスロールにより圧力をかけ
て、離型性樹脂層13に凹凸パターン14を形成する。
通常、エンボスロールの加熱温度は80〜150℃、圧
力は40〜100kg/cm程度が好ましい。
【0026】次に、本発明の工程剥離紙を用いた合成皮
革の製造について説明する。まず、工程剥離紙の離型性
樹脂層上に合成皮革用の樹脂組成物を塗布する。離型性
樹脂層上に塗布された樹脂層には、離型性樹脂層の表面
パターン形状に対応した絵柄(凹凸絵柄)が形成され
る。その後、これに基布(例えば、織布、不織布等)を
貼り合わせ、樹脂層を乾燥し冷却した後、剥離して合成
皮革を得ることができる。
【0027】このような本発明の工程剥離紙を用いた合
成皮革の製造方法では、基体の表面抵抗値(Ω)および
/または体積抵抗値(Ω・cm)が0.1×1010
6.0×1010の範囲内にあるので、良好な静電気帯電
の防止効果が得られ、静電気発生によるひび割れが合成
皮革や工程剥離紙の離型性樹脂層に発生することが防止
される。
【0028】尚、上記の合成皮革用の樹脂組成物には、
ポリウレタン、ポリ塩化ビニル等の樹脂を用いることが
できる。ポリウレタンを用いる場合は、樹脂組成物の固
形分を20〜50%程度とすることが好ましい。また、
ポリ塩化ビニルを用いる場合は、フタル酸ジオクチル、
フタル酸ジラウリル等の可塑剤、発泡剤、安定剤等と混
合し分散させた樹脂組成物を使用することが好ましい。
このような樹脂組成物の塗布方法としては、ナイフコー
ト、ロールコート、グラビアコート等の従来公知の塗布
方法を挙げることができる。
【0029】
【実施例】次に、具体的な実施例を示して本発明を更に
詳細に説明する。
【0030】[実施例1]N−BKP22.5重量%、
L−BKP67.5重量%、および、工程から発生した
損紙を10重量%配合して叩解したパルプスラリーに対
して、カチオン化澱粉を0.7重量%、サイズ剤として
のロジンエマルジョンを0.15重量%添加した。次い
で、パルプスラリーをpH5.5に調整して原紙を抄造
し、サイズプレス工程でコーンスターチ、表面サイズ剤
および導電剤を配合したサイズプレス液を原紙に塗工し
て、米坪量125g/m2の紙を抄造して基体とした。
尚、導電剤としては、第4級アンモニウムクロライドを
使用し、基体の導電剤含有量は2.0g/m2であっ
た。
【0031】次に、上記の基体について、抄造流れ方向
に直角な方向(幅方向)で中央と両端の3箇所にて試料
を各1点サンプリングし、これを20℃、65%RHの
環境下に24時間放置した後、電気抵抗測定装置(横河
ヒューレッドパッカー社製4329A+16008Aセ
ル)にて表面抵抗値(Ω)、体積抵抗値(Ω・cm)を
測定した結果、0.2×1010であった。
【0032】このように抄造した基体に、ポリプロピレ
ン系樹脂(チッソ(株)製FW163)を押し出しコー
ト法により塗布し乾燥して、厚み30μmの離型性樹脂
層を形成した。次いで、凹凸を形成したエンボスロール
とペーパーロールとを対向して備えたエンボス加工機
に、上記の離型性樹脂層がエンボスロールに当接するよ
うに通して、離型性樹脂層に凹凸パターンを形成し、本
発明の工程剥離紙を得た。尚、エンボスロールの温度を
120℃、エンボスロールによる離型性樹脂層への加圧
を60kg/cmに設定した。
【0033】この離型性樹脂層の形成は、温度25℃、
湿度20%の環境下で行ったが、静電気の影響を受ける
ことなく、離型性樹脂層にはひび割れ等の欠陥発生はみ
られなかった。
【0034】上記のように作製した工程剥離紙を用いて
合成皮革を作製した。すなわち、まず、工程剥離紙の離
型性樹脂層側に、固形分30%の合成皮革表皮用のポリ
ウレタン樹脂組成物をナイフコート法で塗布(クリアラ
ンス150μm)し、乾燥後、ポリウレタン樹脂接着剤
をナイフコート法で塗布して乾燥し、この接着剤面に基
布を貼り合わせ、乾燥して熟成後に工程剥離紙から剥離
して、凹凸パターンに対応した凹凸絵柄を有する合成皮
革を得た。
【0035】上記の合成皮革の作製は、温度25℃、湿
度20%の環境下で行ったが、静電気の影響を受けるこ
となく、合成皮革にはひび割れ等の欠陥発生はみられな
かった。
【0036】[実施例2]使用する導電剤として塩化マ
グネシウムを使用し、基体の導電剤含有量を0.1g/
2とした他は、実施例1と同様にして基体を作製し
た。この基体について、実施例1と同様にして表面抵抗
値(Ω)、体積抵抗値(Ω・cm)を測定した結果、そ
れぞれ1.0×1010、1.4×1010であった。
【0037】このように抄造した基体に、実施例1と同
様にして厚み30μmの離型性樹脂層を形成し、凹凸パ
ターンを設けて工程剥離紙を得た。この離型性樹脂層の
形成は、温度25℃、湿度20%の環境下で行ったが、
静電気の影響を受けることなく、離型性樹脂層にはひび
割れ等の欠陥発生はみられなかった。
【0038】上記のように作製した工程剥離紙を用い
て、実施例1と同様にして合成皮革を作製した。その結
果、凹凸パターンに対応した凹凸絵柄を有する合成皮革
を得ることができ、また、静電気の影響を受けることな
く、合成皮革にはひび割れ等の欠陥発生はみられなかっ
た。
【0039】[実施例3]使用する導電剤としてポリス
チレンスルホン酸塩を使用し、基体の導電剤含有量を
3.0g/m2とした他は、実施例1と同様にして基体
を作製した。この基体について、実施例1と同様にして
表面抵抗値(Ω)、体積抵抗値(Ω・cm)を測定した
結果、それぞれ1.8×1010、2.6×1010であっ
た。
【0040】このように抄造した基体に、実施例1と同
様にして厚み30μmの離型性樹脂層を形成し、凹凸パ
ターンを設けて工程剥離紙を得た。この離型性樹脂層の
形成は、温度25℃、湿度20%の環境下で行ったが、
静電気の影響を受けることなく、離型性樹脂層にはひび
割れ等の欠陥発生はみられなかった。
【0041】上記のように作製した工程剥離紙を用い
て、実施例1と同様にして合成皮革を作製した。その結
果、凹凸パターンに対応した凹凸絵柄を有する合成皮革
を得ることができ、また、静電気の影響を受けることな
く、合成皮革にはひび割れ等の欠陥発生はみられなかっ
た。
【0042】[比較例]基体の作製に用いるサイズプレ
ス液に導電剤を含有させない他は、実施例1と同様にし
て、基体を作製した。この基体について、実施例1と同
様にして表面抵抗値(Ω)、体積抵抗値(Ω・cm)を
測定した結果、それぞれ2.0×1011、4.5×10
11であった。
【0043】このように抄造した基体に、実施例1と同
様にして厚み30μmの離型性樹脂層を形成し、凹凸パ
ターンを設けて工程剥離紙を得た。この離型性樹脂層の
形成は、温度25℃、湿度20%の環境下で行ったが、
静電気は生じていたものの、離型性樹脂層にはひび割れ
等の欠陥発生はみられなかった。
【0044】次に、上記のように作製した工程剥離紙を
用いて、実施例1と同様に、温度25℃、湿度20%の
環境下で合成皮革を作製した。その結果、凹凸パターン
に対応した凹凸絵柄を有する合成皮革を得ることができ
た。しかし、静電気が発生して、工程剥離紙の離型性樹
脂層、および、合成皮革にひび割れによる欠陥が発生し
た。
【0045】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば工
程剥離紙を、基体と、この基体の少なくとも一方の面に
設けられた離型性樹脂層との積層体からなる構成とし、
基体を表面抵抗値(Ω)および/または体積抵抗値(Ω
・cm)が0.1×1010〜6.0×1010の範囲内の
ものとするので、離型性樹脂層は、その形成時に静電気
によるひび割れ等の欠陥を生じることがなく良好なもの
であり、本発明の工程剥離紙を用いた合成皮革の製造で
は、雰囲気の湿度に関係なく、静電気の発生を抑えてひ
び割れ等の欠陥のない高品質の合成皮革製造を可能とす
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の工程剥離紙の一例を示す概略断面図で
ある。
【図2】本発明の工程剥離紙の他の例を示す概略断面図
である。
【符号の説明】
1,11…工程剥離紙 2,12…基体 3,13…離型性樹脂層 4…表面平滑パターン 14…凹凸パターン
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B32B 27/18 B32B 27/18 D C09D 5/20 C09D 5/20 5/24 5/24 7/12 7/12 A Z 201/00 201/00 (72)発明者 橋川 淳一 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 寺谷 弘 大阪府吹田市南吹田4丁目20番1号 紀州 製紙株式会社大阪工場内 Fターム(参考) 4D075 AE03 BB46Z BB47Z CA07 CA22 DA04 DB18 DC38 EA02 EA21 EB13 EB22 EB32 EB42 EC01 EC07 EC60 4F055 AA01 BA10 CA12 FA02 FA05 FA06 FA10 FA24 FA27 GA11 GA12 4F100 AA00B AH00B AK01B AK04B AK07B AK08B AK25B AK41B AK52B AT00A BA02 CA21B DG10 EH46B GB90 JB14B JG03 JG04A JK14 JL14B YY00A 4J038 CB021 CB081 CB121 CC092 CE022 CG141 CG172 DD121 DF022 DL031 EA011 EA012 HA026 HA106 HA186 HA216 HA246 KA12 NA10 NA20 PA17 PC10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体と該基体の少なくとも一方の面に設
    けられた離型性樹脂層との積層体である工程剥離紙にお
    いて、前記基体の表面抵抗値(Ω)および/または体積
    抵抗値(Ω・cm)が0.1×1010〜6.0×1010
    の範囲にあることを特徴とする工程剥離紙。
  2. 【請求項2】 前記基体は、有機高分子導電剤および/
    または無機導電剤を0.05〜3.00g/m2の範囲
    で含有するもの、あるいは、少なくとも一方の面に有機
    高分子導電剤および/または無機導電剤が0.05〜
    3.00g/m 2の範囲で塗布されたものであることを
    特徴とする請求項1に記載の工程剥離紙。
  3. 【請求項3】 前記離型性樹脂層は、アルキッド系樹
    脂、アクリル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピ
    レン系樹脂、ポリメチルペンテン系樹脂、シリコーン系
    樹脂、紫外線硬化型樹脂、電離放射線硬化型樹脂のいず
    れかからなり、厚みは4〜50μmの範囲にあることを
    特徴とする請求項1または請求項2に記載の工程剥離
    紙。
  4. 【請求項4】 前記離型性樹脂層は、多層構造であるこ
    とを特徴とする請求項3に記載の工程剥離紙。
JP34305299A 1999-12-02 1999-12-02 工程剥離紙 Expired - Fee Related JP4445080B2 (ja)

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