JP2001164454A - 線状体固定用刺繍ミシン及びそれによる線状体固定方法 - Google Patents

線状体固定用刺繍ミシン及びそれによる線状体固定方法

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JP2001164454A
JP2001164454A JP34774999A JP34774999A JP2001164454A JP 2001164454 A JP2001164454 A JP 2001164454A JP 34774999 A JP34774999 A JP 34774999A JP 34774999 A JP34774999 A JP 34774999A JP 2001164454 A JP2001164454 A JP 2001164454A
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linear body
bobbin
cloth
conductive wire
needle
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Ryota Kitamura
良太 北村
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Kotobuki Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 線状体を複雑で密接した配線パターンであっ
ても容易にかつ迅速に布状体上に固定し得る刺繍ミシン
を提供する。 【解決手段】 線状体固定用刺繍ミシンは、布状体支持
台4と、線状体を巻き取って収容するボビン8と、布状
体上の線状体を跨ぐようにして布状体にミシン針32を
繰り返し抜き差しして線状体を固定する縫い付け機構3
4と、支持台上方のミシン針近傍で、針軸方向Aを中心
に回動可能であり、ボビンからの線状体を受け取って固
定すべき方向からミシン針へ誘導する線状体誘導装置3
0とを備える。ボビン8は、線状体誘導装置30の回動
から分離されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、布帛またはアルミ
ニウム箔付き布帛などの布状体の上に、導電線や塩ビパ
イプなどの線状体を糸での縫い付けにより固定する刺繍
ミシン及びそれを用いた固定方法に関する。
【0002】本明細書において、「導電線」とは、導電
体でできた線状体の総称を指し、被覆されたもの及び被
覆されていないものの両方を含む。
【0003】
【従来の技術】従来より、シート状ヒータにおいては、
布帛やアルミニウム箔付き布帛の上に導電線を固定し、
この導電線の両端に電圧を印加することにより発熱させ
るというような構造が採用されている。このような構造
において、発熱効率の向上ために、導電線は布帛面全体
に亘って例えばうねり形状、或いは渦巻き形状などのパ
ターンで配置されることが多い。このとき、導電線が布
帛にしっかりと固定されておらず、導電線が移動して近
接するような場合には、通電時に布帛上に局所的な高温
箇所が発生し、所望の温度分布が得られなくなる場合が
ある。従って、相互に接近したパターンで配置されるシ
ート型ヒータ等の導電線は、布帛面上に確実に固定され
る必要があった。
【0004】このために、従来から、導電線を所定のパ
ターンで布帛に固定するための種々の方法が提案されて
いる。例えば、支持用基板上にガイドピンなどの治具を
植設し、導電線をこれに沿わせて所定のパターンの態勢
とした後、熱溶融性フィルム又は接着剤を設けた布帛を
覆い被せて加圧加熱し、これにより布帛上に所定パター
ンの被覆導電線を固着させるという方法があった。ま
た、布帛の面上に設けた粘着面に導電線を上述のような
治具を用いて所定パターンで配線し、さらに別の布帛で
これらを覆って加圧加熱して接着することにより、布帛
間に導電線を挟持させるという方法もあった。このよう
な方法によれば、導電線を複雑で密集したパターンで配
線することが可能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような従来の方法では、被覆導電線を所定のパターンで
配置することが容易ではなかった。例えば、ガイドピン
を備えた治具を利用する方法では、この治具に被覆導電
線を手作業で正確に配置するためには熟練を必要とする
し、配線パターンが複雑になるにしたがって、多大な手
間を要することとなる。また、たとえこの導電線の配線
を自動化機械を用いて行ったとしても、治具上で被覆導
電線と布帛とを接合する工程、及び被覆導電線と接合し
た布帛を治具から取り外す工程などが必要であり、生産
性に優れたものではなかった。
【0006】一方で、千鳥縫いミシンや自動ミシンを利
用して、毛糸やテープなどを糸で布帛に固定する技術が
知られている。このような従来のミシンでは、毛糸やテ
ープなどの固定すべき材料は、刺繍ヘッドに設けられた
スイングレバーと称される誘導装置によって布帛上に誘
導される。固定すべき材料を巻き取ったボビンは、この
スイングレバーに固定されており、スイングレバーと一
体となって揺動や回動をする構成となっている。このよ
うにして、固定すべき材料は、ボビンからスイングレバ
ーへ連続的に供給される。
【0007】しかしながら、刺繍ヘッドのスイングレバ
ーにボビンを固定させる形態では、ボビンがスイングレ
バーと一体となって揺動、回動することから、ボビンの
径が小さく制限される。従って、シート状ヒータ用導電
線のように毛糸やテープよりも剛性が高く、巻き取り径
が大きくなる導電線のためのボビンとして利用するには
適切ではなかった。また、ボビンの径が小さいと、例え
ば導電線を同様のパターンで繰り返して連続的に縫い付
けるような場合に、頻繁にボビンの取り替えが必要にな
るという問題も生じ得た。
【0008】このような従来のミシンは、同様の理由
で、シート状ヒータに用いられ得る、加熱又は冷却用流
体の輸送用の小径の塩ビパイプなどを布状体に固定する
ために使用することも困難であるなど、種々の材料、形
状からなる線状体を固定することが可能ではなかった。
【0009】本発明は上記問題を解決するためになされ
たものであり、導電線や塩ビパイプなどの線状体を複雑
で密接した配線パターンであっても容易にかつ迅速に布
状体上に固定し得る刺繍ミシン及びそれによる線状体の
固定方法を提供することをその目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、線状体を布状
体上に糸での縫い付けにより固定する線状体固定用刺繍
ミシンであって、前記布状体を支持する支持台と、前記
線状体を巻き取った状態で収容するボビンと、前記布状
体上の線状体を跨ぐようにして該布状体にミシン針を繰
り返し抜き差しすることにより、該線状体を糸での縫い
付けにより固定するための縫い付け機構と、前記支持台
上方において前記ミシン針先端部に近接して、該ミシン
針の針軸方向を中心として回動可能に設けられ、前記ボ
ビンから繰出される線状体を受け取って該線状体を固定
すべき方向から前記ミシン針の方向へ誘導する線状体誘
導装置とを備え、前記ボビンは、前記線状体誘導装置の
回動から分離されていることにより上記目的を達成す
る。
【0011】前記ボビンの回転を調整するための調整機
構をさらに備えており、該調整機構は、前記ボビンに当
接するように該ボビンに向かう方向に付勢力が与えられ
て該ボビンの回転に対して摩擦抵抗を付与する制動部材
と、該制動部材と一体的に結合された可動巻掛け部材
と、前記ボビンとの相対位置が固定された固定巻掛け部
材とを備え、前記固定巻掛け部材及び可動巻掛け部材
は、前記線状体が前記ボビンから延び前記固定巻掛け部
材に巻掛けされ、さらに前記可動巻掛け部材に巻掛けさ
れたのち前記線状体誘導装置へ延びるように配置されて
おり、前記制動部材及び前記可動巻掛け部材は、前記ボ
ビンから固定巻掛け部材及び可動巻掛け部材を経て線状
体誘導装置に延びる線状体にかかる張力が増大したとき
に、該線状体によって前記制動部材に与えられた前記付
勢力に対向する力を受け、これにより、前記制動部材が
前記ボビンの回転に対して付与する摩擦抵抗が低減され
るように構成されていてもよい。
【0012】前記固定巻掛け部材は第1のプーリを有
し、前記可動巻掛け部材は第2のプーリを有し、前記制
動部材は該第2のプーリを回転可能に支持する支持アー
ムを有し、前記固定巻掛け部材及び可動巻掛け部材は、
前記線状体が前記ボビンから前記第1のプーリ、前記第
2のプーリ及び再度前記第1のプーリを経て前記線状体
誘導装置へと延びるように配置されていてもよい。
【0013】或いは、本発明は上記線状体固定用刺繍ミ
シンを用いた線状体の固定方法であって、前記布状体上
において、前記線状体誘導装置を前記ミシン針の針軸方
向を中心として前記布状体に対し第1の方向に少なくと
も360°回転させるようにして、線状体を誘導する工
程と、前記線状体を誘導する工程の前に、該線状体誘導
装置を前記第1の方向と逆の第2の方向に前記誘導工程
中の回転と同一の角度を回転させる工程とを包含してお
り、このことにより上記目的を達成する。
【0014】前記線状体誘導装置による誘導工程は、前
記布状体上において、前記線状体が周回するように縫い
付けられ、縫い付け始めの位置と縫い付け終わりの位置
とが近接したパターンを形成するように線状体を誘導す
る工程を包含していてもよい。
【0015】ここで、刺繍ミシンとは、右に一針、左に
一針と縫い目がジグザグとなるジグザグ縫いミシン、自
動ミシン、或いはそれに類する縫い付け機械を指す。こ
のことは、特許請求の範囲の項及び以下の記載について
も同じである。
【0016】
【発明の実施の形態】ミシンを用いて被覆電熱線をシー
トに縫い付けることによりシート状ヒータを製造する方
法が、本願と同一出願人による「シート状ヒータの製造
法」と題された特願平10−275895号に開示され
ている。以下に説明する本発明の実施の形態は、該特許
出願の内容に関連するものであり、上記シート状ヒータ
の製造法に使用され得る線状体固定用刺繍ミシン及びこ
れを用いた線状体固定方法に関する。
【0017】以下、本発明の実施形態を添付図面を参照
しつつ説明する。
【0018】図1は、本実施形態におけるマルチヘッド
式の導電線固定用刺繍ミシン1の構成を示す。刺繍ミシ
ン1は、針板が設けられた平面長方形状の作業テーブル
4と、この作業テーブル4に面して設けられた8組16
頭の刺繍ヘッド6と、刺繍ヘッド6のそれぞれに対して
設けられたボビン8とを備える。
【0019】図に示すように、本実施形態においては、
刺繍ヘッド6は隣接する右ヘッド61及び左ヘッド62
が組をなす構成とされている。ただし、刺繍ヘッドは全
て等間隔に独立して設けられる形態であってもよい。ま
た、刺繍ミシン1は、このようなマルチヘッド型の構成
を有している必要はなく、一つの刺繍ヘッドのみを備え
る形態であってもよい。
【0020】これら刺繍ヘッド6のそれぞれに対応して
設けられたボビン8のそれぞれには、例えば外径約3m
mの被覆導電線が巻き取られている。ボビン8は、刺繍
ヘッド6と連続する支持体10に軸受け支持された心棒
12の回りに回転可能に取り付けられており、各刺繍ヘ
ッド6に導電線を連続的に供給することができる。この
ようにボビン8と刺繍ヘッド6とは、好適には相対位置
が不変となるように設けられる。
【0021】また、作業用テーブル4には、この上に載
置される布状体をY軸方向(奥行き方向)及びX軸方向
(間口方向)に移動させるための送り機構が設けられて
いる。送り機構は、例えば、作業テーブル4上において
X−Y方向に移動自在に構成された長方形枠型のフレー
ムとすることができ、このフレームには布状体を適切な
状態で保持し、これを所望に応じてY軸方向に移送する
押さえ装置が設けられていてもよい。このようにして、
作業用テーブル4上の布状体は、各刺繍ヘッド6に対し
てX−Y方向に自由に相対移動される。
【0022】図2は、ボビン8から刺繍ヘッド6への導
電線供給機構の一実施形態を示す。図に示すように、導
電線14は、まずボビン8から固定プーリ20へと下方
に向けて供給される。固定プーリ20は、ボビン8の遠
位に位置し、例えば刺繍ヘッド6の外面下方において固
定されている。
【0023】この固定プーリ20に巻掛けられて方向が
変えられた導電線14は、次にボビンの近位に位置する
可動プーリ22へと上方に向けて送られる。この可動プ
ーリ22は、可動アーム24によって回転可能に支持さ
れている。また、図に示すように、可動アーム24は、
付勢力Fによりボビン8に向かうように上方に付勢さ
れ、ボビン8のフランジ8aに当接することにより停止
している。これにより、可動アーム24はボビンの回転
に対して摩擦抵抗を付与する。なお、可動アーム24に
与える付勢力Fは、バネなどを利用して得ることができ
る。このようにして、可動プーリ22は、常態において
は所定の位置を維持し、導電線14によって下方への力
が加えられた場合においては、固定プーリ20の方向に
移動して、これとの距離を縮めることが可能な構成とさ
れている。
【0024】この可動プーリ22に巻掛けられた導電線
14は、次に、再び固定プーリ20へと送られる。その
後、導電線14は、刺繍ヘッド6の上方に設けられたバ
ー26を経て方向が変えられて、刺繍ヘッド6の導電線
導入口28へと送られる。この導入口28は、例えば、
刺繍ヘッド6の内部を延び、他端においてミシン針を備
える針棒に設けられた中心軸孔端部とすることができ
る。導電線14は、これより刺繍ヘッド6の内部(例え
ば針棒の中心軸孔)を通り、刺繍ヘッド端部に位置する
作用部6a(図3において図示)において、針軸近傍に
設けられた固定孔から外部へと導出される。
【0025】上述したように、固定プーリ20と、ボビ
ン8に向かう方向に付勢された可動プーリ22及び可動
アーム24とを用いて導電線を供給する形態とすれば、
ボビン8から刺繍ヘッド6まで、導電線14の供給速度
が変化して導電線にかかる張力が変化した場合にも、ボ
ビン8の回転を調整することにより、導電線14にたる
みが生じたり、過度の張力が働くことを防止しながら、
これを適切に供給することが可能である。
【0026】例えば、導電線の供給速度が速い場合、刺
繍ヘッド6における導電線フィード機構は導電線を素早
く引き込もうとするため、導電線には強い張力がかかる
ことになる。この場合、導電線14の張力により、可動
プーリ22及び可動アーム24には下方に引き寄せられ
る力(すなわち付勢力Fに対向する力)が働き、これに
より可動アーム24とボビンフランジ8aとの間の摩擦
力が減少するため、ボビン8はより高速で回転すること
が可能になる。従って、ボビン8からは、より多くの導
電線14が供給されることとなり、これにより、導電線
14に過度の張力がかかることが防止される。
【0027】逆に導電線の供給速度が遅い場合、刺繍ヘ
ッド6の導電線フィード機構は導電線をゆっくりと引き
込もうとするため、導電線14にかかる張力は低くな
る。この場合、可動プーリ22及び可動アーム24には
下方へと引き寄せられる力が働かず、従って、可動アー
ム24はバネなどの付勢手段からの付勢力Fによりボビ
ンフランジ8aに強く押しあてられることになる。これ
により、可動アーム24とボビンフランジ8aとの間の
摩擦力は大きくなり、可動アーム24がボビン8の回転
に対するブレーキ(制動部材)として作用するため、ボ
ビン8の回転速度をおさえることができる。従って、ボ
ビン8の回転が速すぎるために必要以上に導電線が供給
されるということがなく、導電線が途中でたるむことが
防止される。
【0028】図3は、刺繍ヘッド6のヘッドカバー6b
の端部及び作業テーブル4(図1において図示)上の布
状体16に面する作用部6aを拡大して示す。刺繍ヘッ
ド6は、作用部6aにおいて、導電線14を布状体16
へと誘導して供給する誘導装置30と、誘導された導電
線14を糸により布状体16上に縫い付けるためのミシ
ン針32と、ミシン針32を脱着可能に把持し、布状体
16に対して上下動する針駆動部34とを有している。
【0029】針駆動部34は、例えば、ヘッドカバー6
b内に設けられたカム機構を利用して上下動されるよう
に構成されており、これにより把持したミシン針32を
針軸A方向に沿って上下動させる。なお、このような縫
い付け機構としては、ミシン針と一体形成されて刺繍ヘ
ッド内を延びる針棒及びこれを上下動させる駆動機構を
用いてもよい。また、ミシン針32の針穴32aには、
導電線14を縫い付けるための上糸(図示せず)が通さ
れており、この状態でミシン針32は、布状体16に対
して繰り返し抜き差しされる。
【0030】また、誘導装置30は、回転機構(図示せ
ず)により針軸A回りに制御可能に回転される回転部材
36に固定されており、これにより、布状体16上で導
電線14を針軸A回りに誘導し得る。誘導装置30に供
給された導電線14は、布状体16のわずか上方のミシ
ン針32近傍の位置に設けられた導電線供給口30aを
通って布状体16上に供給され、これにより、ミシン針
32による糸での縫い付けにより、適切に固定され得
る。なお、誘導装置30には、導電線14を適切に供給
するために、従来の刺繍ミシンと同様の線状体フィード
(送り)機構(図示せず)が設けられている。
【0031】なお、導電線14は、針軸Aの近傍に位置
し、針軸Aに対して相対回転不能に設けられた固定導出
孔を通って刺繍ヘッド6の内部から外部へと導出され、
誘導装置30へと送られている。また、上述の針駆動部
34は、刺繍ヘッド6内部における導電線の供給経路を
妨害しないように適切に構成されている。このようにし
て、導電線14は、刺繍ヘッド内部で絡まったり余計な
負荷がかからないようにして適切に誘導装置30まで導
かれる。
【0032】この誘導装置30の針軸A回りの回転及び
テーブル上の布状体の送り(移動)は、ミシン内部又は
ミシン外部に設けられたCPU等を備えた制御装置(図
示せず)によって制御される。この制御装置は、ユーザ
が入力装置を介して入力した導電線14の配線パターン
を表すデータ信号を受け取り、この信号に基づいて、誘
導装置30の針軸A回りの回転又は揺動、並びに布状体
の移動、送りを制御する。
【0033】また、図に示すように、刺繍ヘッド6の作
用部6aには、好適には、ミシン針32の針軸Aに沿っ
た移動の精度を高めるための針ガイド38が備えられ
る。針ガイド38は、ミシン針32直下の布状体16近
傍の位置において、ミシン針32の径よりもわずかに大
きいガイド孔38aを備えており、ここを通過するミシ
ン針32の移動方向を制御する。この針ガイド38は、
回転部材36に固定する形態とすることができ、誘導装
置30とともに針軸A回りを回動してもよい。
【0034】このように、本実施形態の刺繍ミシン1で
は、導電線が巻き取られたボビン8が誘導装置30と離
れた位置に設けられており、誘導装置の回動と分離され
ている。従って、ボビンの径には制限がなく、例えば直
径約35cmのものとすることができる。このような大
きな径のボビンに巻き取ることで、剛性が大きい導電線
であっても布状体上に適切に供給し得る。また、十分な
長さの導電線を連続して供給することが可能になるの
で、頻繁にボビンの取り替えを行わなくてもよい。
【0035】以上のように構成された刺繍ミシン1は、
例えば以下のようにして操作される。まず、刺繍ミシン
1の動作停止状態において、図2に示すようにボビン8
から導電線14を引き延ばして、刺繍ヘッド6の誘導装
置30へと導く。導電線14は、図3に示すように、誘
導装置30の導電線供給口30aを通して布状体16の
上に配置される。一方、導電線14を縫い付けるための
上糸を、適所に配置された糸用ボビンからミシン針の針
穴32aに通す。さらに、作業テーブル4上には、縫い
付け対象体として布状体が設置され、作業テーブル4に
設けられたフレームなどの適切な固定具及び送り機構な
どを用いて、刺繍ヘッド6に対してX−Y平面で相対移
動可能となるように設定される。また、作業テーブル4
の針板においてミシン針に対向する位置に設けられた開
口下方には、導電線を縫い付けるための下糸を供給する
機構が設けられる。
【0036】なお、上記導電線14の誘導装置30の構
成、制御装置による制御方法、上糸、下糸の供給構成な
どには、毛糸などを任意パターンで縫い付ける公知の千
鳥縫いミシン又は刺繍ミシンにおける技術を適用するこ
とができる。また、縫い付け対象体となる布状体とし
て、例えば、上述の本願と同一出願人による特願平10
−275895号に記載されるような、軟質プラスチッ
ク織物に熱伝導性の良好な金属箔及び軟質プラスチック
フィルムを積層した種々の複合シートを用いることがで
きる。
【0037】このように設定された本実施形態の刺繍ミ
シン1は、固定対象として導電線を使用し、この導電線
を巻き付けたボビンを誘導装置とは別離して配置した構
造を有してはいるが、その縫い付け操作は従来のミシン
と同様にして行われ得る。すなわち、布状体面上で所定
パターンを描くように布状体と刺繍ヘッドとをX−Y面
上で相対移動させ、刺繍ヘッドの誘導装置が針軸回りを
揺動又は回転することにより、布状体上の固定すべき方
向に導電線が供給される。このとき、制御装置は、布状
体上に供給された導電線の左右側を交互にミシン針が通
過するように誘導装置や作業テーブルの動作を制御し、
このようにして縫い付け糸が導電線を跨いで左右交互に
配されることにより、いわゆる千鳥縫いされた状態で導
電線が布状体上に縫い付けられ固定され得る。
【0038】このような千鳥縫いの形態は、従来の千鳥
縫い用ミシンが行い得る種々の形態と同じようにするこ
とが可能である。例えば、比較的細い導電線を固定する
場合には、図4(a)に示すように、配線パターン進行
方向に対して、縫い付け用上糸44が導電線42を跨い
でジグザグに配され、これが導電線42の下側の位置で
下糸46と接合されるような形態で、導電線42の固定
が行われ得る。このような縫い方は、例えば、配線パタ
ーン進行方向に沿ってミシン針による縫い付け動作を行
わせるとともに、誘導装置を配線パターン進行方向に対
してミシン針の上下動に応じたタイミングでわずかに左
右交互に揺動させることによって可能である。また、比
較的太い導電線を固定する場合には、図4(b)に示す
ように、配線パターン進行方向に対して、縫い付け用上
糸44が導電線42を跨いでジグザグに配され、これが
導電線42の左右側交互の位置で下糸46と接合される
ような形態で、導電線42の固定を行い得る。このよう
な縫い方は、例えば、作業テーブル上の布状体をミシン
針の上下動に応じたタイミングで配線パターン進行方向
に対してジグザグに移動させるとともに、誘導装置もこ
のジグザグ進行と同様の方向、同様のタイミングで揺動
させることによって可能である。
【0039】このように、本実施形態による刺繍ミシン
は、従来のミシンと同様にして操作され得、これによ
り、布状体上に導電線を適切に固定し得る。ただし、所
望の導電線の配線パターンに応じて、従来のミシンとは
異なる操作が行われ得る。以下、その形態を説明する。
【0040】図5は、所定の導電線配線パターンに従っ
て布状体50上に固定された導電線52を示す平面図で
ある。図に示すように、導電線52は、これを跨いで左
右交互にジグザグ縫いされた上糸54によって、布状体
50上に固定されている。
【0041】図に示す配線パターンにおいて、導電線5
2は、布状体50上で周回するように縫い付けられてお
り、導電線52の縫い付け始め位置Sと、縫い付け終わ
り位置Eとが近接する配線パターンをなしている。この
ような配線パターンは、例えばシート型ヒータにおい
て、縫い付け始め位置S及び縫い付け終わり位置Eに対
応する両端子を近接した位置に設けることが出来るの
で、有利である。
【0042】このように、布状体上において導電線が周
回するような配線パターンでこれを固定する場合、パタ
ーンの最初と最後とでは、誘導装置が針軸回りを約36
0°回転することがある。また、360°回転しない場
合にも、180°以上回転している場合には、パターン
の最後の位置で強制的に360°回転した所定位置にな
るように、制御装置が誘導装置を回転させることがあ
る。これは、連続的に次の導電線縫い付け工程に移るた
めに有利だからである。このような場合、本実施形態の
刺繍ミシンでは、導電線用ボビンが誘導装置と別の位置
に設けられ、ボビンが誘導装置と一体となって針軸回り
に回転することがない(すなわち、ボビンが誘導装置の
回動と分離されている)ので、導電線が針軸の回りで一
回転してしまう状況が生じる。図3に示すように、本実
施形態の刺繍ミシン1では、ヘッドカバー6bの針軸A
近くの固定孔から排出された導電線14は、誘導装置3
0の導電線供給口30aを通されており、誘導装置30
が一回転した場合には、このヘッドカバー6bの針軸A
近くの固定孔と導電線供給口30aとの間で、導電線が
一回転針軸回りを周回することになる。この過程で、誘
導装置30の凸部やねじなどの付属部材などに導電線1
4が絡みつく場合があり、導電線14が布状体16上に
正常に供給されなくなることから、刺繍ヘッド6が動作
を停止し、導電線14の縫い付け固定動作が行えなくな
ってしまう場合がある。また、刺繍ヘッド6が動作を停
止しないまでも、このように導電線14が針軸A回りを
1回転周回した状態で、続いて、同様に布状体上を周回
する配線パターンでの縫い付けを行うと、さらに導電線
が針軸A回りを周回し、針軸A回りを合計2回転周回す
ることになる。このように導電線14が針軸A回りを何
周もすると、誘導装置の付属部材などへの所望でない接
触又はこれらとの摩擦により、誘導装置30のさらなる
回転を妨げることとなる。従って、布状体上を周回する
配線パターンでの縫い付けを連続的に行うことができな
いことがあった。
【0043】このように、導電線の縫い付け工程途中
で、導電線が装置に絡みつくという不良動作を起こすこ
とを防止するために、本実施形態の固定方法において、
布状体上を周回するような配線パターンでの縫い付けを
行う前に、このパターンに応じて誘導装置が1回転する
方向とは反対の方向に予め360°回転させておく工程
が設けられる。この工程は、誘導装置の動作を制御する
制御装置においてコンピュータプログラムによって実現
され得る。以下、制御装置における誘導装置の針軸回り
の回転の制御方法を説明する。
【0044】図6は、制御装置における絡みつき防止の
ための自動制御の一例を示したフローチャートである。
まず、任意の入力手段を使用してユーザにより所望の配
線パターンが入力される。制御装置は、入力手段からこ
の配線パターンを表す信号を受け取り(ステップS6
0)、この信号に基づいて、布状体をX−Y方向に移動
させるための送り機構等の予定動作データとともに、誘
導装置の予定動作データを算出する(ステップS6
2)。次に、得られた誘導装置の予定動作データに基づ
いて、誘導装置の予定動作の最初と最後とでは、誘導装
置が360°以上回転するのか否かを判別する(ステッ
プS64)。ここで、ステップS64で誘導装置が36
0°以上回転すると判別された場合において、ステップ
S62で得た予定動作データに基づいて、その回転と逆
の方向に同一の角度だけ回転させる準備動作データを生
成し、これに基づき誘導装置を逆方向に回転させる(ス
テップS66)。その後、ステップS62で得た各動作
機構の予定動作データに基づいて刺繍ミシンを駆動し
て、配線パターンに応じた導電線の縫い付け動作を開始
する(ステップS68)。また、ステップS64におい
て、誘導装置が360°以上回転しないと判別された場
合には、ステップS66における誘導装置の逆回転操作
は不要であるので、ステップS68の縫い付け動作開始
へと移行する。
【0045】なお、上記形態では、入力された配線パタ
ーンに基づいて制御装置が誘導装置を逆回転させるか否
かを判別するような制御を示したが、誘導装置を逆回転
させた方がよいことが予めわかっているような配線パタ
ーンで導電線の縫い付けを行う場合には、このような判
別を制御装置に行わせることなく所定角度逆回転させる
ような制御としてもよい。また、誘導装置を逆回転させ
る操作は、入力された配線パターンにおける回転と逆の
方向に誘導装置が回転するような配線パターンを入力さ
れた配線パターンの最初に追加するようにして実行する
こともできる。
【0046】このようにして、配線パターンに応じて、
縫い付け中に導電線が針軸A回りを例えば一回転周回す
る前に、予め誘導装置を逆回転させて導電線を針軸回り
で逆に一回転周回させておけば、導電線縫い付けの途中
では導電線がほどけていく形態となり、誘導装置の付属
部材等に絡みつく可能性は低くなる。従って、不良動作
を伴わず、布状体上で周回する配線パターンで導電線を
固定し得、360°回転したパターンの終点では、導電
線が針軸回りを周回していることはない。
【0047】次に、連続的に同様の周回する配線パター
ンで導電線を固定する場合には、この前に、同様に誘導
装置の逆回転を行うようにすればよい。
【0048】なお、上記には、布状体上を周回する配線
パターンとして、導電体縫い始め位置と縫い終わり位置
とが近接する配線パターンを例示したが、本実施形態の
導電線固定方法は、例えば渦巻き状パターンなど、パタ
ーンの縫い付け動作自体或いは縫い付けパターンの繰り
返し動作に伴って、誘導装置が針軸回りを少なくとも1
回転(360°回転)するように動作される種々の配線
パターンに対して適用され得る。
【0049】また、上述のような導電線の絡みつきを防
止をより確実にするために、刺繍ヘッド6’は、図7に
示すような導電線巻き取り装置70を備えた形態であっ
てもよい。なお、図7において、図3に示す刺繍ヘッド
と同様の部材は、同一の参照符号で示している。
【0050】導電線巻き取り装置70は、針軸A回りに
回転不能に固定された固定巻き取り部70aと、この固
定巻き取り部70aと回転可能に連結され、針軸A回り
に回転可能に取り付けられた回転巻き取り部70bとを
備える。固定巻き取り部70aは、例えば、回転部材3
6の中央孔内周面と、針駆動部34の外周面との間を通
る部材によってヘッドカバーに固定されている。一方、
回転巻き取り部70aは、誘導装置30などが接続され
た回転部材36に対して固定されている。図7に示す形
態では、回転巻き取り部70bは、回転部材36に固定
された針ガイド38を介して固定されている。このよう
にして、回転巻き取り部70bは、回転部材36及び誘
導装置30の針軸A回りの回転に同期して回転するよう
に構成されている。
【0051】固定巻き取り部70aは、ヘッドカバー側
に円形フランジ72と、フランジ72において針軸A寄
りに設けられた導電線導入孔74とを有している。一
方、固定巻き取り部70aに回転可能に接続された回転
巻き取り部70bは、布状体16側に円形フランジ76
と、フランジ76において針軸A寄りに設けられた導電
線導出孔78とを有している。
【0052】ボビンから供給された導電線14は、ヘッ
ドカバー内を通りヘッドカバー端部の固定孔を出て、固
定巻き取り部70aの導入孔74を通り、次に回転巻き
取り部70bの導出孔78を通って、誘導装置30の導
電線供給口30aから布状体16上に供給される。
【0053】このように導電線14を固定巻き取り部7
0aの導入孔74と回転巻き取り部70bの導出孔78
とを通しておけば、回転部材36により誘導装置30を
針軸A回りに360°回転させた場合においても、図8
に示すように導電線の周回は必ず巻き取り部70の両フ
ランジ72及び76間の空間において行われるようにで
きる。すなわち、誘導装置30が360°回転する場合
において、固定巻き取り部70aの導入孔74の位置
は、ボビンからヘッドカバー内を通って延びる導電線に
対して不変であるため、ボビンと導入孔74との間の経
路で導電線の針軸回りの周回が生じることはなく、か
つ、回転巻き取り部70bが誘導装置30と同期して回
転するので、導出孔78の位置は、誘導装置30の導電
線供給口30aに対して不変であるため、導出孔78と
供給口30aとの間の経路で導電線の針軸回りの周回が
生じることがない。従って、導電線14は、必ず固定巻
き取り部70aの導入孔74と、導入孔74に対して3
60°針軸A回りに回転する回転巻き取り部70bの導
出孔78との間で周回することになる。このようにして
導電線14の針軸A回りの周回を導電線巻き取り装置7
0において行えば、誘導装置30の凸部やねじなどの他
の場所において導電線14が絡みつく可能性が低減され
る。また、巻き取り装置70の両端に設けたフランジ7
2及び76は、この間の空間において撓みを有する導電
線の他の場所への移動を防ぐことができるので効果的で
ある。
【0054】導電線巻き取り装置を設けた形態において
も、布状体上で周回するような配線パターンで導電線を
縫い付ける前に、誘導装置を逆回転させ、導電線巻き取
り装置において、導電線を針軸回りで一周分巻き取った
状態とする。これにより、導電線縫い付け中、導電線
は、針軸回りでほどけていく形態となり、他の部分に接
触して誘導装置の動作に支障を与えるということがな
い。
【0055】また、このように、導電線巻き取り装置7
0を備えた形態では、布状体上で周回するような配線パ
ターンでの縫い付けの後に、誘導装置を逆回転させて、
次の縫い付けに備える形態とすることも可能である。な
ぜなら、導電線縫い付け中、導電線は、導電線巻き取り
装置の導入孔と導出孔との間で巻き取られることにな
り、他の部分で絡みつく可能性が低いからである。ま
た、導電線巻き取り装置において導電線が複数周、周回
する形態においてもボビンから誘導装置への導電線の供
給が適切に行われるのであれば、誘導装置の複数回転ご
とに、これに応じて複数回誘導装置を逆回転させて、巻
き取られた導電線を元に戻してやるようにすることも可
能である。
【0056】また、導電線巻き取り装置70は、図9に
示すように、導電線巻き取り部に接触し得る導電線14
の移動を潤滑に行うために、針軸回りに回転可能に設け
られた筒状の摺動部材90をさらに有していてもよい。
また、この部分で撓んだ導電線が、巻き取り装置以外の
部材に接触することを確実に防止するために、固定巻き
取り部70aの円形フランジの端面から、針軸方向に沿
って回転巻き取り部70bのフランジに向かって延びる
円筒壁状の保護カバー92を設けてもよい。
【0057】以上、本実施形態による導電線固定用刺繍
ミシン及びそれを用いた導電線固定方法を説明したが、
本発明の固定用刺繍ミシン及び固定方法は、例えば可撓
性を有する細長い塩ビパイプなど導電線以外の種々の材
料からなる線状体の布状体への固定についても適用し得
る。例えば、直径約10mm、肉厚約0.2mmの蛇腹
状の樹脂製コルゲートチューブ等、ミシン針の上下のス
トロークより小径である限りにおいて、種々の形状、寸
法の線状体の固定に対して適用できる。
【0058】
【発明の効果】以上から明らかなように、本発明によれ
ば、導電線や塩ビパイプなどの固定すべき線状体を巻き
付けるボビンを、刺繍ヘッドの誘導装置とは別個に分離
して設けたので、ボビンの寸法などが制限されず、種々
の形態の線状体を布状体上に固定することが可能であ
る。また、布状体上で周回するような配線パターンで線
状体を縫い付ける場合でも、本発明の固定方法によれ
ば、この縫いつけの前に、予め誘導装置を逆回転させて
おくことによって、線状体が誘導装置の凸部などに絡み
つくというような不良の発生を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による刺繍ミシンの構造を
示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態による刺繍ミシンの一部の
拡大斜視図であり、ボビンから刺繍ヘッドまでの導電線
の供給経路を示す。
【図3】本発明の一実施形態による刺繍ミシンが備える
刺繍ヘッドの一部を拡大して示す正面図である。
【図4】本発明の一実施形態による刺繍ミシンの導電線
の縫い付け例を示す斜視図であり、(a)と(b)と
は、それぞれ別の形態の縫い付け例を示している。
【図5】本発明の一実施形態による導電線固定方法によ
って固定された導電線の配線パターンを示す平面図であ
る。
【図6】本発明の一実施形態による制御装置の制御を示
すフローチャートである。
【図7】図4に示す形態とは異なる実施形態による刺繍
ミシンが備える刺繍ヘッドの一部を拡大して示す正面図
である。
【図8】図7に示す形態の刺繍ヘッドが備える導電線巻
き取り装置の動作を示す斜視図であり、図8(a)は回
転前の状態を示し、図8(b)は360°回転後の状態
を示す。
【図9】図7に示す刺繍ヘッドが備える導電線巻き取り
装置とは異なる形態の導電線巻き取り装置の断面図であ
る。
【符号の説明】
1 刺繍ミシン 4 作業テーブル 6 刺繍ヘッド 8 ボビン 10 支持体 12 心棒 14 導電線 16 布状体 30 誘導装置 30a 導電線供給口 32 ミシン針 32a 針穴 34 針駆動部 36 回転部材 38 針ガイド 38a ガイド孔

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 線状体を布状体上に糸での縫い付けによ
    り固定する線状体固定用刺繍ミシンであって、 前記布状体を支持する支持台と、 前記線状体を巻き取った状態で収容するボビンと、 前記布状体上の線状体を跨ぐようにして該布状体にミシ
    ン針を繰り返し抜き差しすることにより、該線状体を糸
    での縫い付けにより固定するための縫い付け機構と、 前記支持台上方において前記ミシン針先端部に近接し
    て、該ミシン針の針軸方向を中心として回動可能に設け
    られ、前記ボビンから繰出される線状体を受け取って該
    線状体を固定すべき方向から前記ミシン針の方向へ誘導
    する線状体誘導装置とを備え、 前記ボビンは、前記線状体誘導装置の回動から分離され
    ていることを特徴とする線状体固定用刺繍ミシン。
  2. 【請求項2】 前記ボビンの回転を調整するための調整
    機構をさらに備え、 該調整機構は、前記ボビンに当接するように該ボビンに
    向かう方向に付勢力が与えられて該ボビンの回転に対し
    て摩擦抵抗を付与する制動部材と、該制動部材と一体的
    に結合された可動巻掛け部材と、前記ボビンとの相対位
    置が固定された固定巻掛け部材とを備え、 前記固定巻掛け部材及び可動巻掛け部材は、前記線状体
    が前記ボビンから延び前記固定巻掛け部材に巻掛けさ
    れ、さらに前記可動巻掛け部材に巻掛けされたのち前記
    線状体誘導装置へ延びるように配置されており、 前記制動部材及び前記可動巻掛け部材は、前記ボビンか
    ら固定巻掛け部材及び可動巻掛け部材を経て線状体誘導
    装置に延びる線状体にかかる張力が増大したときに、該
    線状体によって前記制動部材に与えられた前記付勢力に
    対向する力を受け、これにより、前記制動部材が前記ボ
    ビンの回転に対して付与する摩擦抵抗が低減されること
    を特徴とする請求項1に記載の線状体固定用刺繍ミシ
    ン。
  3. 【請求項3】 前記固定巻掛け部材は第1のプーリを有
    し、前記可動巻掛け部材は第2のプーリを有し、前記制
    動部材は該第2のプーリを回転可能に支持する支持アー
    ムを有し、 前記固定巻掛け部材及び可動巻掛け部材は、前記線状体
    が前記ボビンから前記第1のプーリ、前記第2のプーリ
    及び再度前記第1のプーリを経て前記線状体誘導装置へ
    と延びるように配置されることを特徴とする請求項2に
    記載の線状体固定用刺繍ミシン。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の線状体固定用刺繍ミシ
    ンを用いた線状体の固定方法であって、 前記布状体上において、前記線状体誘導装置を前記ミシ
    ン針の針軸方向を中心として前記布状体に対し第1の方
    向に少なくとも360°回転させるようにして、線状体
    を誘導する工程と、 前記線状体を誘導する工程の前に、該線状体誘導装置を
    前記第1の方向と逆の第2の方向に前記誘導工程中の回
    転と同一の角度を回転させる工程とを包含する線状体の
    固定方法。
  5. 【請求項5】 前記線状体誘導装置による誘導工程は、
    前記布状体上において、前記線状体が周回するように縫
    い付けられ、縫い付け始めの位置と縫い付け終わりの位
    置とが近接したパターンを形成するように線状体を誘導
    する工程を包含する請求項4に記載の線状体の固定方
    法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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