JP2001162958A - 平版印刷版用支持体および平版印刷版原版 - Google Patents

平版印刷版用支持体および平版印刷版原版

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JP2001162958A
JP2001162958A JP34988899A JP34988899A JP2001162958A JP 2001162958 A JP2001162958 A JP 2001162958A JP 34988899 A JP34988899 A JP 34988899A JP 34988899 A JP34988899 A JP 34988899A JP 2001162958 A JP2001162958 A JP 2001162958A
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acid
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Hirokazu Sawada
宏和 澤田
Hisashi Hotta
久 堀田
Hirokazu Sakaki
博和 榊
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 感光層との密着性が良好であり、且つ、均一
な粗面化処理を可能とする平版印刷版用支持体を提供す
る。 【解決手段】 Feを0.05〜0.5重量%、Siを
0.03〜0.15重量%、Cuを60〜300pp
m、Tiを100〜400ppm、およびMgを10〜
200ppm含有し、Li、Na、K、Rb、Cs、C
a、Sr、Ba、Sc、Y、Nb、Ta、Mo、W、T
c、Re、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Pd、P
t、Ag、Au、C、Ge、P、As、S、Se、T
e、およびPoからなる元素群から選ばれる少なくとも
1種の元素を1〜100ppm含有し、且つアルミニウ
ムの純度が99.0重量%以上のアルミニウム合金板を
電気化学的に粗面化処理してなる平版印刷版用支持体で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、平版印刷版用支持
体および平版印刷版原版に関し、より詳細には、レーザ
ー光源を使用した製版に適した平版印刷版用支持体およ
び平版印刷版原版に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム板を支持体とする感光性平
版印刷版はオフセット印刷に幅広く使用されている。平
版印刷版原版は、一般的に、アルミニウム板の表面を粗
面化し、更に陽極酸化処理を行った後、感光液を塗布・
乾燥して感光層を形成することによって製造できる。平
版印刷版原版は、画像様に露光された後、現像液によっ
て現像され、ポジ型の平版印刷版原版では露光部が除去
され、またネガ型の平版印刷版原版では非露光部が除去
され、製版され、平版印刷版となる。その後、平版印刷
版は、その表面にインクが塗布され、印刷に供される。
この様に、平版印刷版原版では、露光によって感光層の
物性を変化させ、この物性変化を利用して、製版を行っ
ている。
【0003】図1および図2に従来の平版印刷版原版1
0の露光工程の様子を、平版印刷版原版10の断面模式
図を示して説明する。平版印刷版原版10は、アルミニ
ウム板12とその上に感光層14とを積層した構造であ
り、アルミニウム板12には、感光層14との密着性を
向上させるため、電気化学的粗面化処理によりピットp
が形成されている。ピットpの露光方向の深さが不均一
である場合(図1a)、例えば、図1に示す様に、深い
ピットp’部分が露光されると、ハレーション(光の不
均一散乱)が発生し(図1b)、非露光部分も露光部分
と同様に物性変化する(図1c)。その結果、印刷され
た画像にかぶりが生じることがある。また、図2に示す
様に、ピットpおよびピットp’を含む広範囲な領域を
露光した場合、光源からより遠いピットp’の底部で
は、露光が不充分となり(図2b)、露光部分と非露光
部分との物性に差が生じないことがある(図2c)。
【0004】また、図1や図2に示す様に、支持体12
の粗面化が不均一であると、感光層14と支持体12と
の密着力も低下する。感光層と支持体との密着力が低下
すると、製版後の平版印刷版の耐刷性が低下する。特
に、近年注目されている、直描型平版印刷版(レーザー
製版用の平版印刷版)の感光層は、製版時に製版用フィ
ルムが必要な平版印刷版原版の感光層と比較して、基板
との密着性を確保することが困難であり、耐刷性の向上
が望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記諸問題
を解決することを課題とする。即ち、本発明は、感光層
との密着性が良好である平版印刷版用支持体を提供する
ことを目的とする。また、本発明は、製版時の露光不良
を軽減できるとともに、耐刷性が良好な平版印刷版原版
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意検討
を重ねた結果、高純度のアルミニウム合金に、所定の元
素を微量添加することによって、電気化学的粗面化処理
の際、均一な粗面化が可能になるとの知見を得、この知
見に基づいて、本発明を完成するに至った。前記課題を
解決するため、本発明の平版印刷版用支持体は、Feを
0.05〜0.5重量%、Siを0.03〜0.15重
量%、Cuを60〜300ppm、Tiを100〜40
0ppm、およびMgを10〜200ppm含有し、L
i、Na、K、Rb、Cs、Ca、Sr、Ba、Sc、
Y、Nb、Ta、Mo、W、Tc、Re、Ru、Os、
Co、Rh、Ir、Pd、Pt、Ag、Au、C、G
e、P、As、S、Se、Te、およびPoからなる元
素群から選ばれる少なくとも1種の元素を1〜100p
pm含有し、且つアルミニウムの純度が99.0重量%
以上であるアルミニウム合金板を電気化学的に粗面化処
理してなることを特徴とする。
【0007】また、前記課題を解決するため、本発明の
平版印刷版原版は、前記平版印刷版用支持体と、該支持
体上に設けられた感光層とを有することを特徴とする。
【0008】本発明の平版印刷版原版は、ヒートモード
方式およびフォトン方式のレーザ刷版用の平版印刷版原
版とすることによって、デジタルデータから直接製版可
能な平版印刷版原版とすることもできる。
【0009】本発明の平版印刷版原版は、感光層中の成
分を種々選択することによって、種々の製版方法に対応
した平版印刷版原版とすることができる。本発明の平版
印刷版原版の態様としては、下記〜の態様が挙げら
れる。 感光層が赤外線吸収剤、熱によって酸を発生する化
合物、および酸によって架橋する化合物を含有する態
様。 感光層が赤外線吸収剤、熱によって酸を発生する化
合物、および酸によって分解する結合部を持つ化合物を
含有する態様。 感光層が、レーザ光照射によってラジカルを発生す
る化合物、アルカリに可溶のバインダー、および多官能
性のモノマーあるいはプレポリマーを含有する層と、酸
素遮断層との2層を含む態様。 感光層が、物理現像核層とハロゲン化銀乳剤層との
2層からなる態様。 感光層が、多官能性モノマーおよび多官能性バイン
ダーとを含有する重合層と、ハロゲン化銀と還元剤を含
有する層と、酸素遮断層との3層を含む態様。 感光層が、ノボラック樹脂およびナフトキノンジア
ジドを含有する層と、ハロゲン化銀を含有する層との2
層を含む態様。 感光層が、有機光導電体を含む態様。 感光層が、レーザー光照射によって除去されるレー
ザー光吸収層と、親油性層および/または親水性層とか
らなる2〜3層を含む態様。 感光層が、エネルギーを吸収して酸を発生する化合
物、酸によってスルホン酸またはカルボン酸を発生する
官能基を側鎖に有する高分子化合物、および可視光を吸
収することで酸発生剤にエネルギーを与える化合物を含
有する態様。
【0010】
【発明の実施の形態】(平版印刷版用支持体)本発明の
平版印刷版用支持体は、Feを0.05〜0.5重量
%、Siを0.03〜0.15重量%、Cuを60〜3
00ppm、Tiを100〜400ppm、およびMg
を10〜200ppm含有し、Li、Na、K、Rb、
Cs、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、Nb、Ta、M
o、W、Tc、Re、Ru、Os、Co、Rh、Ir、
Pd、Pt、Ag、Au、C、Ge、P、As、S、S
e、Te、およびPoからなる元素群から選ばれる少な
くとも1種の元素を1〜100ppm含有し、且つアル
ミニウムの純度が99.0重量%以上であることを特徴
とする。
【0011】本発明の平版印刷版用支持体には、各元素
の含有量が前記範囲になることを条件に、純度が高いア
ルミニウム合金を使用するのが好ましい。アルミニウム
の純度は99.0重量%以上であり、99.3重量%以
上であるのが好ましく、99.5重量%以上であるのが
より好ましい。また、本発明の平版印刷版用支持体に使
用するアルミニウム合金は、含有量が規定されている前
記元素以外には、不可避不純物のみを含有するのが好ま
しい。アルミニウム合金の不可避不純物としては、G
a、V、Ni等が挙げられる。不可避不純物の含有量が
0.1重量%以下のアルミニウム合金を用いるのが好ま
しい。
【0012】本発明の平版印刷版用支持体は、Feを
0.10〜0.40重量%、Siを0.05〜0.10
重量%、Cuを100〜200ppm、Tiを150〜
300ppm、およびMgを40〜180ppm含有す
るのが、感光層との密着性がより向上するので好まし
い。
【0013】また、本発明の平版印刷版用支持体は、前
記元素群から選ばれる少なくとも1種の元素を1〜10
0ppm含有する。前記元素の含有量が1ppm未満で
あると均一な電解粗面化形状を得る効果が不充分であ
り、また、100ppmを超えると経済的観点から好ま
しくない。前記元素の含有量は5ppm〜100ppm
であるのが好ましく、10ppm〜100ppmである
のがより好ましい。尚、前記元素群から選ばれる2種以
上の元素をアルミニウム合金に添加する場合は、支持体
中の含有量の合計が1〜100ppmになる様に、各々
の元素の含有量を調整する。
【0014】本発明の平版印刷版用支持体は、前記範囲
で各元素を含有するアルミニウム合金の溶湯を、成形加
工することによって作製することができる。アルミニウ
ム合金の純度を向上させるために、アルミニウム合金の
溶湯を清浄化処理するのが好ましい。清浄化処理として
は、例えば、溶湯中の水素などの不要なガスを除去する
ことを目的とする、フラックス処理、Arガス、Clガ
ス等を使った脱ガス処理、および、不溶物を除去するこ
とを目的とする、セラミックチューブフィルタ、セラミ
ックフォームフィルタ、等のいわゆるリジッドメディア
フィルターや、アルミナフレーク、アルミナボール等を
濾材とするフィルタや、グラスクロスフィルター等を使
ったフィルタリング処理等が挙げられる。また、前記脱
ガス処理とフィルタリング処理を組み合わた清浄化処理
を行ってもよい。
【0015】前記元素群から選ばれる元素(以下、「微
量元素」という場合がある)は、アルミニウム合金中の
含有量が前記範囲となる様に、前記湯溶中に添加するこ
とができる。前記清浄化処理を行う場合は、前記微量元
素の添加は、清浄化工程の前に行うのが好ましい。
【0016】アルミニウム合金の成形加工は、一般的に
は鋳造により行われる。鋳造方法としては、DC鋳造法
に代表される固定鋳型を用いる方法と、連続鋳造法に代
表される駆動鋳型を用いる方法が挙げられる。固定鋳型
を用いる方法では、例えば、前記アルミニウム合金の溶
湯を固定鋳型に注入して、鋳塊を得、その後、該鋳塊を
圧延等により所望の形状に成形することができる。ま
た、駆動鋳型を用いる方法では、例えば、アルミニウム
合金の溶湯を双ロールや双ベルトを用いて、鋳造と圧延
を連続的に行って、所望の形状に成形することができ
る。
【0017】アルミニウム合金をDC鋳造により成形す
る方法の一例を以下に示す。まず、アルミニウム合金の
溶湯を、固定鋳型に注入し、板厚300〜800mmの
鋳塊を製造する。得られた鋳塊を、常法に従い面削し
て、表層の1〜30mm、好ましくは1〜10mmを切
削する。その後、必要に応じて、均熱化処理を行っても
よい。均熱化処理を行う場合、金属間化合物が粗大化し
てしまわないように、加熱条件を設定するのが好まし
く、一般的には、450〜620℃で1時間以上48時
間以下の熱処理を施すのが好ましい。1時間より短い場
合は、均熱化処理の効果が不十分になる場合がある。
【0018】アルミニウム合金の鋳塊を所望により均熱
化処理した後、熱間圧延および冷間圧延を行って、アル
ミニウム合金の圧延板とすることができる。熱間圧延の
開始温度としては、350〜500℃が好ましい。熱間
圧延の後、更に冷間圧延を行うが、冷間圧延前、冷間圧
延後、または冷間圧延中に、中間焼鈍処理を施すことも
できる。前記中間焼鈍処理はバッチ式焼鈍炉を用いて行
うことができ、その場合は、通常、280℃〜600℃
で2〜20時間、望ましくは350〜500℃で2〜1
0時間加熱する。また、前記中間焼鈍処理は連続焼鈍炉
を用いて行ってもよく、その場合は、通常、400〜6
00℃で360秒以下、望ましくは450〜550℃で
120秒以下加熱する。連続焼鈍炉を用い、10℃/秒
以上の条件で昇温すると、得られる成形体中の結晶組織
を細かくすることができるので好ましい。熱間圧延にお
いて、結晶組織を微細化できる場合は、中間焼鈍処理を
実施しなくてもよい。冷間圧延によって、最終的に、厚
さ0.1〜0.5mmのアルミニウム合金板とする。得
られたアルミニウム合金板を、さらに、ローラレベラ、
テンションレベラ等の矯正装置によって処理すると、ア
ルミニウム板の平面性が改善されるので好ましい。ま
た、板巾を所定の巾にする必要がある場合は、スリッタ
ラインを通して所定の巾に調整することができる。
【0019】アルミニウム合金の溶湯を連続鋳造する場
合は、例えば、アルミニウム合金の溶湯を一対の双ベル
トまたは双ロール間に挿通させることにより、所定の厚
みの板状体が得られる。双ベルトを用いて得られたアル
ミニウム合金の板状体は、熱間圧延機によりさらに厚み
を減少させることもでき、熱間圧延した後、引き続き、
冷間圧延機によりさらに厚みを減少させることもでき
る。その後、所望により、更に、熱処理や矯正装置によ
って処理してもよい。双ロールを用いて得られた板状体
は、その後の熱間圧延は行わず、最初から冷間圧延機に
よって厚みを減少させ、必要に応じて、中間焼鈍化や矯
正を行うことができる。
【0020】前記鋳造によって得られたアルミニウム合
金板は、その後、電気化学的な粗面化処理を含む粗面化
処理を施された後、平版印刷版用の支持体として用い
る。本発明では、アルミニウム合金中に前記微量元素を
所定量含有させているので、均一な電気化学的粗面化処
理が可能となり、感光層との密着性をより向上させるこ
とができる。電気化学的粗面化処理は支持体の表面に微
細な凹凸を形成できるので、感光層との密着性を向上さ
せる点で有効であり、特に、本発明では、前記微量元素
の添加により、微細な凹凸が均一に形成されるので、感
光層との密着性はさらに改善される。本発明の平版印刷
版用支持体を、直描型(レーザ刷版用)の平版印刷版原
版に用いた場合も、感光層と支持体との密着性を改善す
ることができる。特に、直描型に特有のハレーションや
露光不良の問題を解消することができる。
【0021】前記電気化学的粗面化処理は、アルミニウ
ム合金板の表面に微細な凹凸を付与することが容易であ
り、その結果、感光層と支持体との密着性を向上させる
ことができる点で有効である。電気化学的粗面化処理
は、通常、アルミニウム合金板を電極とし、硝酸または
塩酸等の酸を電解液として、直流または交流電流を通じ
ることによって行われる。前記電気化学的粗面化処理を
行うと、通常、平均直径約0.5〜20μmのクレータ
ーまたはハニカム状のピットを、アルミニウム合金板の
表面に対して、30〜100%の面積率で形成すること
ができる。形成されたピットは、平版印刷版の非画像部
の汚れを軽減する作用と、耐刷力を向上する作用があ
る。前記電気化学的処理では、電解時の電気量、即ち電
解時の電流の大きさと電流を流した時間の積を設定する
ことにより、形成されるピットの形状、ピットの面積率
等を調整することができる。
【0022】前記電気化学的粗面化処理と、他の粗面化
処理を組み合わせて実施してもよい。他の粗面化処理と
しては、機械的粗面化処理および化学的粗面化処理が挙
げられる。例えば、ブラシ等を用いて機械的粗面化処理
をした後、電気化学的粗面化処理を実施してもよい。前
記機械的粗面化処理としては、ボールグレイン、ワイヤ
ーグレイン、ブラッシグレイン、液体ホーニング法が挙
げられる。その他、例えば、特開平6−135175号
公報、および特公昭50−40047号公報に記載され
ている機械的粗面化処理方法を採用することもできる。
機械的粗面化処理を行うと、通常、アルミニウム合金板
の表面を、平均表面粗さ(Ra)0.35〜1.0μm
にすることができる。この機械的粗面化処理を行うこと
で、印刷中の非画像部の保水性を高めることができる。
但し、直描型平版印刷版に特有のハレーションを防止す
るには、平均表面粗さは0.35〜0.6μmであるの
が望ましい。一方、前記化学的粗面化処理としては、ア
ルミニウム合金板をアルカリ浴に浸漬する方法、アルカ
リ液をスプレイする方法、およびアルカリ液を塗布する
方法等が挙げられる。
【0023】粗面化処理に前後して、アルミニウム合金
板の表面に、苛性ソーダまたは苛性カリ等のアルカリ剤
によって、エッチング処理を施してもよい。さらに、前
記エッチング処理を実施した場合は、エッチング処理後
に、アルミニウム板の表面に残存するアルカリに不溶な
物質(スマット)を除去する、酸によるデスマット処理
を行ってもよい。特に、電気化学的粗面化処理を行う場
合は、粗面化処理の前後に、前記エッチング処理および
デスマット処理を行うのが好ましい。
【0024】アルミニウム合金板の表面を電気化学的に
粗面化処理した後、さらに、陽極酸化処理を実施するの
が好ましい。陽極酸化処理を行うと、アルミニウム合金
板の表面に陽極酸化膜が形成され、耐磨耗性が向上する
ので好ましい。陽極酸化皮膜は、アルミニウム合金板を
電極として電解液中に浸漬し、これに電流を通じること
によって形成できる。通じる電流としては、直流、交流
等、種々の波形の電流を目的に応じて選択する。用いる
電解液としては、アルミニウム合金板の表面に、多孔質
酸化皮膜を形成するものならば、いかなるものでも使用
することができる。一般的には、硫酸、リン酸、シュウ
酸、クロム酸、またはそれらの混合液が用いられる。電
解液中の電解質の濃度、電解時間等の諸条件は、使用す
る電解質等に応じて、その好ましい範囲が変わるので一
概に規定し得ないが、一般的には、電解質の濃度 1〜
80重量%、液温 5〜70℃、電流密度 1〜60A
/dm2、電圧 1〜100V、および電解時間 10
秒〜300秒であるのが適当である。陽極酸化処理によ
って形成される陽極酸化皮膜量は、通常、1〜6g/m
2であるのが好ましい。
【0025】陽極酸化処理後、所望により、封孔処理を
実施してもよい。前記封孔処理は、陽極酸化処理された
支持体を、熱水、または無機塩もしくは有機塩を含む熱
水溶液へ浸漬する方法や、水蒸気浴に曝す方法等によっ
て行われる。
【0026】また、陽極酸化処理後、所望により、親水
化処理等の界面制御処理を実施してもよい。前記界面制
御処理としては、米国特許第2714066号、第31
81461号、第3280734号、及び第39027
34号各明細書に開示されているようなアルカリ金属シ
リケート(例えば珪酸ナトリウム水溶液)法が挙げられ
る。この方法においては、支持体を珪酸ナトリウム水溶
液中に浸漬するか、または電解処理する。他に特公昭3
6−22063号公報に開示されているフッ化ジルコン
酸カリウム、および、米国特許第3276868、第4
153461号および第4689272号各明細書に開
示されているようなポリビニルホスホン酸で処理する方
法などが挙げられる。
【0027】(平版印刷版原版)前記微量元素を所定量
含有する前記アルミニウム合金板に、電気化学的粗面化
処理、および所望により陽極酸化処理を施した後、感光
層を形成することによって、本発明の平版印刷版原版を
作製することができる。本発明の平版印刷版原版は、支
持体と感光層との密着性が良好であるので、耐刷性が改
善されている。また、支持体が粗面化処理されている場
合は、粗面化により形成された支持体表面のピットの均
一性がより向上しているので、特に、レーザを用いる直
描型の平版印刷版原版において、露光時にハレーション
を起こさず、均一な光照射が可能となる。また、粗面の
深い部分での露光不足も軽減される。その結果、製版後
に印刷される画像には、露光不充分または露光不均一に
起因して生じる画像不良が軽減されている。また、レー
ザー製版用の直描型の平版印刷版原版では、従来、感光
層と支持体との密着性の低下が問題となっていたが、本
発明の平版印刷版原版は、支持体として、前記微量元素
を所定量含有するアルミニウム合金板を電気化学的な粗
面化処理を施して使用しているので、感光層との密着性
が良好である。
【0028】感光層は、感光層を構成する各成分を溶媒
に溶解または分散して調製した塗布液を、前記支持体上
に塗布して、乾燥することによって形成できる。塗布方
法としては、例えば、バーコーター塗布、回転塗布、ス
プレー塗布、カーテン塗布、ディップ塗布、エアーナイ
フ塗布、ブレード塗布、ロール塗布方法等を利用するこ
とができる。尚、多層構造を有する感光層を形成する場
合は、塗布を複数回行うこともできるし、一度に多層の
感光層を塗布する重層塗布を行うこともできる。金属薄
膜を感光層として用いる場合は、蒸着やスパッタリング
により感光層を形成してもよい。
【0029】感光層中に含有させる材料は、目的とする
製版方式に応じて、種々選択すればよい。例えば、ヒー
トモード製版方式を利用する場合は、ネガ型平版印刷版
原版の態様として、感光層が赤外線吸収剤、熱によって
酸を発生する化合物、および酸によって架橋する化合物
を含有する態様、およびポジ型の平版印刷版原版の態様
として、感光層が赤外線吸収剤、熱によって酸を発生す
る化合物、および酸によって分解する結合部を持つ化合
物を含有する態様が挙げられる。
【0030】前記態様のヒートモードネガ型およびポジ
型の平版印刷版原版に、赤外線レーザにより画像様に赤
外線が照射されると、光照射部の赤外線吸収剤が赤外線
を吸収して熱を発生する。ネガ型の平版印刷版原版で
は、該熱によって酸を発生する化合物から酸が発生し、
該酸によってバインダーが架橋して硬化する。次に、現
像液により現像すると、感光層の非光照射部のみが支持
体上から除去され、光照射部が支持体上に残存して、製
版される。一方、ポジ型の平版印刷版原版では、赤外線
吸収剤から発生される熱によって放出された酸により、
バインダーの一部の結合が分解する。次に、現像液によ
り現像すると、感光層の光照射部のみが支持体上から除
去され、非光照射部が支持体上に残存して、製版され
る。その後、製版された平版印刷版にインクを塗布し、
これを紙等の記録媒体に転写することによって、画像を
形成することができる。
【0031】前記態様のヒートモード製版方式のネガ型
の平版印刷版原版に用いられる赤外線吸収剤としては、
波長760nmから1200nmの赤外線を有効に吸収
する染料または顔料が好ましい。染料としては、市販の
染料および文献(例えば「染料便覧」有機合成化学協会
編集、昭和45年刊)に記載されている公知のものが利
用できる。具体的には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、
ピラゾロンアゾ染料、ナフトキノン染料、アントラキノ
ン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノ
ンイミン染料、メチン染料、シアニン染料、スクワリリ
ウム色素、ピリリウム塩、金属チオレート錯体などの染
料が挙げられる。顔料としては、市販の顔料およびカラ
ーインデックス(C.I.)便覧、「最新顔料便覧」
(日本顔料技術協会編、1977年刊)、「最新顔料応
用技術」(CMC出版、1986年刊)、「印刷インキ
技術」CMC出版、1984年刊)に記載されている顔
料が利用できる。顔料の種類としては、黒色顔料、黄色
顔料、オレンジ色顔料、褐色顔料、赤色顔料、紫色顔
料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、金属粉顔料、その
他、ポリマー結合色素が挙げられる。具体的には、不溶
性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、キレート
アゾ顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔
料、ペリレンおよびペリノン系顔料、チオインジゴ系顔
料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソイ
ンドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、染付けレーキ
顔料、アジン顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔
料、蛍光顔料、無機顔料、カーボンブラック等が使用で
きる。これらの顔料のうち好ましいものはカーボンブラ
ックである。
【0032】前記態様のヒートモード製版方式のネガ型
の平版印刷版原版に用いられる熱によって酸を発生する
化合物としては、色素類の光消色剤、光変色剤、あるい
はマイクロレジスト等に使用されている公知の酸発生剤
等、公知の熱分解して酸を発生する化合物、及びそれら
の混合物を適宜に選択して使用することができる。ま
た、ハロゲン化物やスルホン酸などを対イオンとするオ
ニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、およびジ
アゾニウム塩のいずれかの構造を有するものが挙げられ
る。
【0033】前記態様のヒートモード製版方式のネガ型
の平版印刷版原版に用いられる酸によって架橋する化合
物としては、架橋されていない状態では、アルカリ性の
現像液に対して溶解性を有し、酸によって架橋される化
合物が挙げられる。この様な化合物としては、ノボラッ
ク樹脂や側鎖にヒドロキシアリール基を有するポリマー
などが挙げられる。前記ポリマーは単重合体であって
も、他の構成単位を含む共重合体であってもよい。他の
構成単位としては、例えば、アクリル酸エステル類、メ
タクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリル
アミド類、ビニルエステル類、スチレン類、アクリル
酸、メタクリル酸、アクリロニトリル、無水マレイン
酸、マレイン酸イミド等の公知のモノマーより導入され
る構成単位が挙げられる。
【0034】前記態様のヒートモード製版方式のネガ型
の平版印刷版原版では、感光層のバインダー樹脂が、酸
によって架橋される化合物であったが、これに限定され
ず、酸によって架橋される化合物の他に、バインダー樹
脂を別途含有させてもよい。また、前記態様では、酸発
生剤を含有させ、酸により架橋反応を進行させたが、こ
れに限定されず、ラジカル重合等により架橋反応が進行
する場合は、酸発生剤の代わりにラジカル発生剤等を含
有させてもよい。さらに、架橋剤を別途含有させてもよ
い。
【0035】一方、前記態様のヒートモード製版方式の
ポジ型の平版印刷版原版に用いられる酸によって分解す
る結合部を有する化合物としては、酸によって前記結合
部が分解される前は、アルカリ性の現像液に対して不溶
性であり、前記結合部が分解した後は、アルカリ性の現
像液に対して溶解する化合物である。この様な化合物と
しては、フェノール基を有するポリマー、スルホンアミ
ド基を有するポリマー、置換スルホンアミド系酸基(−
SO2NHCOR、−SO2NHSO2R、−CONHS
2R)を有するポリマー、カルボン酸基を有するポリ
マー、スルホン酸基を有するポリマー、およびリン酸基
を有するポリマー等が挙げられる。
【0036】前記態様のヒートモード製版方式のポジ型
の平版印刷版原版に用いられる赤外線吸収剤および熱に
よって酸を発生する化合物としては、前記ネガ型の感光
層に使用される材料と同様のものが挙げられる。尚、前
記態様では、酸によって感光層の現像液に対する溶解性
に差を生じさせているが、この態様に限定されず、いず
れの分子間あるいは分子内相互作用を利用して、現像液
に対する溶解性に差を生じさせた態様も含まれる。
【0037】その他、光重合を利用した製版方式に使用
する平版印刷版原版としては、感光層が、レーザ光照射
によってラジカルを発生する化合物、アルカリに可溶の
バインダー、および多官能性のモノマーあるいはプレポ
リマーを含有する層と、酸素遮断層との2層を含む態様
が挙げられる。銀塩拡散転写を利用した製版方式に使用
される平版印刷版原版としては、感光層が、物理現像核
層とハロゲン化銀乳剤層との2層からなる態様が挙げら
れる。銀トリガを利用した重合型の製版方式に使用され
る平版印刷版原版としては、感光層が、多官能性モノマ
ーおよび多官能性バインダーとを含有する重合層と、ハ
ロゲン化銀と還元剤を含有する層と、酸素遮断層との3
層を含む態様が挙げられる。ハイブリッド製版方式に使
用される平版印刷版原版としては、感光層が、ノボラッ
ク樹脂およびナフトキノンジアジドを含有する層と、ハ
ロゲン化銀を含有する層との2層を含む態様が挙げられ
る。
【0038】また、電子写真法を利用した製版方式に使
用される平版印刷版原版としては、感光層が、有機光導
電体を含む態様が挙げられる。その他、感光層が、レー
ザー光照射によって除去されるレーザー光吸収層と、親
油性層および/または親水性層とからなる2〜3層を含
む態様や、感光層が、エネルギーを吸収して酸を発生す
る化合物、酸によってスルホン酸またはカルボン酸を発
生する官能基を側鎖に有する高分子化合物、および可視
光を吸収することで酸発生剤にエネルギーを与える化合
物を含有する態様が挙げられる。
【0039】前記感光層は、前記支持体上に直接形成し
てもよいし、支持体上に下塗り層を形成し、該下塗り層
上に形成してもよい。下塗り層は、特開昭60−149
491号公報に開示されているアミノ酸及びその塩類
(Na塩、K塩等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、
塩酸塩、蓚酸塩、酢酸塩、リン酸塩等)、特開昭60−
232998号公報に開示されている水酸基を有するア
ミン類及びその塩類(塩酸塩、蓚酸塩、リン酸塩等)、
特開昭63−165183号公報に開示されているアミ
ノ基及びホスホン酸基を有する化合物またはその塩を含
む塗布液を調製し、該塗布液を支持体上に塗布・乾燥す
ることによって形成することができる。また、特開平4
−282637号公報に開示されているホスホン酸基を
有する化合物を下塗り層中に含有させてもよい。さら
に、支持体を界面制御処理として、アルカリ金属珪酸に
より処理した場合は、特願平9−264309(特開平
11−109637号公報)に記載されている酸基とオ
ニウム基を含有する高分子化合物を下塗り層に含有させ
ることもできる。
【0040】
【実施例】[実施例1]下記表1に示す〜の組成の
アルミニウム合金の溶湯に、下記表2に示す様に、微量
元素を含有させて、微量元素を所定量含有するアルミニ
ウム合金の溶湯を各々調製した。次に、調製した溶湯を
濾過した後、DC鋳造法により、厚さ500mm幅12
00mmの鋳塊を各々作製した。得られた鋳塊の表面を
平均10mmの面削機で削り取った後、約5時間、55
0℃で加熱して、均熱化処理を各々実施した。温度が4
00℃まで低下したところで、熱間圧延機を用いて、厚
さ2.7mmの圧延板とし、さらに、連続焼鈍機を使っ
て500℃で熱処理を行った後、冷間圧延により、厚さ
0.24mmとして、アルミニウム合金板を各々得た。
【0041】得られたアルミニウム合金板に、下記表2
に示す様に、下記表3に記載したA1〜A3およびB1
〜B3のいずれかの処理を行った。B1およびB2処理
で行ったブラシによる粗面化処理には、8号ブラシ(ブ
ラシ毛径0.5mm)を3本とパミストン懸濁液を使用
した。また、アルカリエッチング処理(1)および
(2)には、エッチング液として、苛性ソーダ濃度26
重量%、アルミニウムイオン濃度6.5重量%、液温6
5℃の溶液を使用した。電気化学的粗面化処理時には、
電解液として硫酸濃度1重量%、アルミニウムイオン濃
度0.5重量%の溶液を使用し、交流電流で行った。陽
極酸化処理は、電解液として15重量%の硫酸溶液を使
用し、直流電流で行った。また、A1の珪酸ナトリウム
を用いた界面制御処理、および酸基とオニウム基を含む
高分子化合物を含有する下塗り層の形成方法について
は、EP0904954A2の明細書に開示されている
方法に従って行った。また、A2のゾルゲル液の下塗り
層の形成方法については、特開平9−236911号公
報に開示されている方法に従って行った。
【0042】別途、下記の組成の感光層用塗布液a〜j
を調製し、前記支持体上に塗布・乾燥して、あるいは下
記に示す方法により各感光層a〜jを形成した。 <感光層a用塗布液の組成> ・カーボンブラック分散液 10.0 g ・4ージアゾジフェニルアミンとホルムアルデヒド縮合物六フッ化リン酸塩 0.5 g ・メタクリル酸、2ーヒドロキシエチルアクリレート、ベンジルメタクリレート 、アクリロニトリルのラジカル共重合体 5.0 g (モル比15:30:40:15、重量平均分子量10万) ・リンゴ酸 0.05g ・フッ素系界面活性剤 0.05g (「FC−430」;米国3M社製)) ・1ーメトキシー2ープロパノール 80.0 g ・乳酸エチル 15.0 g ・水 5.0 g
【0043】 <感光層b用の塗布液の組成> カプリン酸 0.03g フェノール性水酸基を有するモノマーとp−アミノベンゼンスルホンアミドと の共重合体 0.75g (モル比50:50、重量平均分子量50,000) m、pクレゾールノボラック樹脂 0.25g (m,p比=6/4) p−トルエンスルホン酸 0.003g テトラヒドロ無水フタル酸 0.03 g シアニン染料 0.017g ビクトリアピュアブルー 0.017g (BOHの対イオンを1−ナフタレンスルホン酸アニオンにした染料) 界面活性剤 0.05g (「メガファックF−177」、大日本インキ化学工業社製)界面活性剤) γ―ブチルラクトン 10.0 g メチルエチルケトン 10.0 g 1−メトキシ−2−プロパノール 1.0 g
【0044】 <感光層c用塗布液の組成> カプリン酸 0.03g m、pクレゾールノボラック 1.0 g (m,p比=6/4) p−トルエンスルホン酸 0.003g テトラヒドロ無水フタル酸 0.03 g シアニン染料 0.017g ビクトリアピュアブルー 0.017g (BOHの対イオンを1−ナフタレンスルホン酸アニオンにした染料) 界面活性剤 0.05g (「メガファックF−177」、大日本インキ化学工業社製) γ―ブチルラクトン 10.0 g メチルエチルケトン 10.0 g 1−メトキシ−2−プロパノール 1.0 g
【0045】 <感光層d用塗布液の組成> ・光重合層用の感光性塗布液 テトラメチロールメタンテトラアクリレート 1.5 g 線状有機高分子重合体 2.0 g 増感剤 0.15g (λmax(THF溶液)479nm,ε=6.9×104) 光開始剤 0.2 g 「IRGACURE 907」 0.4 g (Ciba−Geigy社製) ε−フタロシアニン/線状有機高分子重合体分散物 0.2 g フッ素系ノニオン界面活性剤 0.03g (「メガファックF177」、大日本インキ化学工業社製) メチルエチルケトン 9.0 g プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 7.5 g トルエン 11.0 g ・酸素遮断層用の塗布液 ポリビニルアルコール(ケン化度98モル%、重合度500)の3重量%の水 溶液
【0046】 <感光層e用塗布液の組成> ・重合層用塗布液 ペンタエリスリトールテトラアクリレート 2.5 g アリルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(共重合比=80/20)の 20重量%プロピレングリコールモノメチルエーテル溶液 37.5 g 顔料分散液 13.0 g メチルエチルケトン 74.0 g ・感光層用塗布液(重合層塗布乾燥後に塗布した) ケン化度79.5%のポリビニルアルコール(「PVA−405」、クラレ 社製)の10重量%水溶液 10.5 g 添加剤 0.41 g (特開平9−114043号公報、第18頁、[化5]に記載の化合物の0. 11重量%メタノール溶液) 添加剤 0.41 g (特開平9−114043号公報、第18頁、[化6]に記載の化合物の0. 11重量%メタノール溶液) ハロゲン化銀乳剤 0.50 g (特開平9−114043号公報、第17頁、[0090]〜[0093]に 記載のハロゲン化銀乳剤) 界面活性剤 0.40 g (特開平9−114043号公報、第19頁、[化7]に記載の化合物の5重 量%水溶液) 水 7.80 g 還元剤分散液 1.20 g ・酸素遮断層用塗布液(感光層塗布乾燥後に塗布した) ケン化度98.5%のポリビニルアルコール(「PVA−105」、クラレ 社製)の10重量%水溶液 200.0 g 塩基プレカーサー分散液 1.25 g (特開平9−114043号公報、第19頁、[化9]に記載の化合物の分散 液) 界面活性剤水溶液 4.0 g
【0047】 <感光層f用塗布液の組成> ・樹脂層用塗布液 アセトン−ピロガロール液樹脂のナフトキノン−1,2−ジアジド−(2) −5−スルホン酸エステル 5.0 g クレゾール−ホルムアルデヒド樹脂 10.0 g メチルエチルケトン 150.0 g シクロヘキサノン 122.0 g ・感光層用塗布液(樹脂層塗布乾燥後に塗布した) 塩臭化銀ゼラチン乳剤(Cl:70モル%、Br:30モル%、平均粒子径 :0.28μm、乳剤1kg当りゼラチン量:55g、ハロゲン化銀含有量: 0.85モル) 1000.0 g 1,3−ジエチル−5−[2−(3−(3−スルホプロピル)ベンズオキサ ゾール−2−イリデン)エチリデン]チオヒダントインナトリウム塩の0.1 %メタノール溶液 50.0 ml 4−ヒドロキシ−6−メチル1,3,3a,7−テトラザインデンの0.5 %アルカリ水溶液 100.0 ml 4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジンの2%水溶液 35.0 g ・物理現像核層 カレイ・レー(Carey Lea)法により調製した銀ゾルを、乾燥重量が 銀量で5mg/m2になるように塗布した。 ・ハロゲン化銀層(物理現像核層の上に塗布した) 40モル%の塩化物および60モル%の臭化物からなる平均粒子サイズが0. 3μmの塩臭化銀乳剤(銀塩:ゼラチン(重量比)=1:1)を、2.0g/m 2 塗布した。
【0048】 <感光層h用塗布液の組成> ・光導電層用塗布液 Fastogen Blue 8120 1.0重量部 (大日本インキ(株)製 無金属フタロシアニン) メチルメタクリレートとメタクリル酸の共重合体 10.0重量部 (メタクリル酸20モル%) テトラヒドロフラン 60.0重量部 シクロヘキサノン 40.0重量部 ・保護層用塗布液(光導電層の上に塗布した) ポリビニルブチラール 2.0重量部 (電気化学工業株式会社製 2000−L) ステアリン酸 0.5重量部 エタノール 97.5重量部
【0049】 <感光層i用塗布液の組成> スルホン酸を発生する官能基を側鎖に有する高分子化合物 1.0 g (特開平10−207068号公報、16頁(1)に記載の化合物) o−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸クロライド 0.1 g ビクトリアピュアブルーBOHの対イオンを1−ナフタレン−スルホン酸に した染料 0.05g フッ素系界面活性剤 0.06g (「メガファックF−176PF」、大日本インキ化学工業社製) メチルエチルケトン 10.0 g γーブチロラクトン 10.0 g
【0050】<感光層j用塗布液の組成>特開平11−
139023号公報、第6頁、[0049]以降に記載
の方法と同様の方法で、銀薄膜が露出した感光層jを形
成した。
【0051】下記表2に示す様に、種々の処理を施され
た支持体の各々と、感光層a〜jの各々とを組み合わせ
て、実施例1〜48および比較例1〜16の平版印刷版
原版を作製した。次に、各々の平版印刷版原版を、各種
レーザを用いて画像を形成した後、印刷テストを行っ
た。印刷画像を観察して、非画像部の露光不良を評価し
た(表中、露光結果評価として示した)。また、各印刷
版について、画質を低下させることなく印刷が可能だっ
た枚数に基づいて耐刷性を評価した。さらに、粗面化処
理によって各支持体の表面に形成されたピットの均一性
も評価した。ピットの均一性は、支持体から感光層を除
去した後、支持体の表面をSEM観察することにより判
定した。結果を、下記表3〜表5に示した。尚、実施例
の露光結果評価、耐刷性評価、およびピットの均一性評
価は、微量元素を含まない以外は実施例と全く同一の方
法で作製した対応する比較例の、露光結果評価、耐刷性
評価、およびピット均一性評価との各々の比較により評
価した。下記表3〜表5中、耐刷性の評価の欄の数字
は、対応する比較例の耐刷性(印刷可能だった枚数)を
100とした場合の、実施例の耐刷性を示す。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
【0055】
【表4】
【0056】
【表5】
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、感光層との密着性が良
好であり、且つ、均一な粗面化処理を可能とする平版印
刷版用支持体を提供することができる。また、本発明に
よれば製版時の露光不良を軽減できるとともに、耐刷性
が良好な平版印刷版原版を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の平版印刷版原版の支持体と感光層との
接触面を模式的に示す断面図である。
【図2】 従来の平版印刷版原版の支持体と感光層との
接触面を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
10 従来の平版印刷版原版 12 支持体 14 感光層 p ピット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 榊 博和 静岡県榛原郡吉田町川尻4000番地 富士写 真フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2H096 AA06 CA20 EA04 2H114 AA04 AA14 AA23 BA01 BA10 DA03 DA04 DA34 DA51 DA52 DA53 DA64 DA73 EA03 FA14 GA03 GA08 GA09

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Feを0.05〜0.5重量%、Siを
    0.03〜0.15重量%、Cuを60〜300pp
    m、Tiを100〜400ppm、およびMgを10〜
    200ppm含有し、 Li、Na、K、Rb、Cs、Ca、Sr、Ba、S
    c、Y、Nb、Ta、Mo、W、Tc、Re、Ru、O
    s、Co、Rh、Ir、Pd、Pt、Ag、Au、C、
    Ge、P、As、S、Se、Te、およびPoからなる
    元素群から選ばれる少なくとも1種の元素を1〜100
    ppm含有し、且つ、 アルミニウムの純度が99.0重量%以上のアルミニウ
    ム合金板を電気化学的に粗面化処理してなる平版印刷版
    用支持体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の平版印刷版用支持体
    と、該支持体上に設けられた感光層とを有する平版印刷
    版原版。
  3. 【請求項3】 レーザ刷版用の平版印刷版原版である請
    求項2に記載の平版印刷版原版。
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