JP2003145957A - 平版印刷版用支持体および平版印刷版原版 - Google Patents
平版印刷版用支持体および平版印刷版原版Info
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Abstract
フセット輪転印刷機での印刷等においてベタ画像部の非
画像部との隣接部分のくわえ尻側に着肉不良が発生しな
い平版印刷版原版、および、それに用いられる平版印刷
版用支持体の提供。 【解決手段】アルミニウム板に特定の表面処理を施して
得られる平版印刷版用支持体であって、支持体表面につ
いて、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて求められる実
面積と見掛け面積との差を見掛け面積で除して得られる
表面積差が10〜90%であり、AFMを用いて求めら
れる傾斜度30゜以上の部分の面積率が75%以下であ
り、かつ、AFMを用いて求められる測定断面曲線から
波長0.2〜2μmの成分を抽出した後の算術平均粗さ
が0.25μm以下である平版印刷版用支持体、およ
び、該平版印刷版用支持体上に画像記録層を設けた平版
印刷版原版。
Description
体および平版印刷版原版に関し、特に、レーザ露光適性
に優れ、かつ、平版印刷版としたときに、耐汚れ性(汚
れにくさ)と耐刷性とに優れ、オフセット輪転印刷機で
の印刷等においてベタ画像部の非画像部との隣接部分の
くわえ尻側に着肉不良が発生しない平版印刷版原版、お
よび、それに用いられる平版印刷版用支持体に関する。
版印刷版原版は、オフセット印刷に幅広く使用されてい
る。この平版印刷版原版は、一般に、シート状またはコ
イル状のアルミニウム板の表面に粗面化処理を施し、更
に陽極酸化処理を施した後、感光液または感熱層を塗布
し乾燥することにより画像記録層を設けて得られる。粗
面化処理としては、酸性溶液中での電気化学的粗面化処
理(以下「電解粗面化処理」ともいう。)が、画像記録
層と支持体との密着性を向上させるうえで有効な手段で
ある。また、陽極酸化処理の後に、画像記録層と支持体
との密着性を向上させるために、表面処理や下塗り液の
塗布を行うこともある。その後、ウェブ状の平版印刷版
原版は、すぐに、または、ロールに巻かれた状態で保管
された後、所望のサイズに裁断されてシート状とされた
後、複数枚重ねられて梱包される。梱包出荷された平版
印刷版原版は、ユーザによって、画像焼き付け、現像処
理を施されて平版印刷版とされた後、印刷機に取り付け
るための端部を折り曲げる処理を経て、印刷機に取り付
けられて印刷に供される。
版印刷版原版では、画像焼き付けがレーザ露光装置を用
いて行われる。中には、直描型平版印刷版原版を印刷機
の版胴に取り付けた後、印刷機上で画像焼き付けを行い
現像処理なしで印刷する方式や、印刷機上でまたは別の
露光装置で画像焼き付けを行った後、印刷機に取り付
け、印刷機上で現像処理を行う方式も知られている。直
描型平版印刷版原版においては、レーザ光照射の有無に
よって画像部と非画像部とに分けられる。この画像部と
非画像部とに分ける仕組みとしては、主に二つ挙げられ
る。一つは、フォトンモードと呼ばれる方式であり、レ
ーザ光の光エネルギーそのものを利用して、画像記録層
表面の物性を変化させる方法である。もう一つは、サー
マルモードと呼ばれる方式であり、レーザ光を吸収して
熱を発生させ、その熱を利用して、画像記録層表面の物
性を変化させ、または、その熱によって蒸発や体積膨張
によるはく離、飛散等を生じさせ、画像記録層表面の物
質の一部を除去する方法である。
々なされている。例えば、特公昭61−48418号公
報に、少なくとも3g/m2 の酸化物層を有する陽極酸
化処理を行ったアルミニウム支持体と記録層とを有する
記録材料が記載されている。また、特開昭63−260
491号公報に、銀錯体を金属銀に還元する核を含有す
るゾルを被着した粗面化処理および陽極酸化処理を行っ
た平版印刷版前駆物質が記載されている。更に、米国特
許第4,555,475号明細書には、陽極酸化皮膜を
有する表面にシリケート処理し、2〜8mg/m2 のア
ルミニウムのシリケートを形成させた支持体が記載され
ている。更に、欧州特許公開第164128号公報に
は、アルミニウム板の表面に粗面化処理および陽極酸化
処理を施した後、シリケート処理し、カーボンブラック
を塗布して感材を形成させ、画像を形成させる方法が記
載されている。更に、特願平10−228992号明細
書(特開2000−62333号公報)には、レーザ光
のハレーションを抑制するアルミニウム支持体を用いた
平版印刷版原版が記載されている。
来技術よりも、感度に優れ、平版印刷版としたときの耐
汚れ性および耐刷性に優れる平版印刷版原版およびそれ
に用いられる平版印刷版用支持体が求められている。ま
た、従来の直描型平版印刷版原版を用いた場合、印刷
時、特に、オフセット輪転印刷機での印刷時において、
ベタ画像部の非画像部との隣接部分のくわえ尻側に着肉
不良が発生することがあり、この着肉不良の改善も求め
られている。
印刷版としたときの耐汚れ性および耐刷性に優れ、更
に、印刷時、特に、オフセット輪転印刷機での印刷時に
おけるベタ画像部の着肉不良が発生しない直描型平版印
刷版原版およびそれに用いられる平版印刷版用支持体を
提供することを目的とする。
達成すべく鋭意研究した。以下に詳細に説明する。直描
型平版印刷版原版においては、現像ラチチュードの領域
を実用範囲分だけ確保するために、画像記録層と支持体
との界面に親水性層やアルカリ可溶化層を設けることが
多い。このため、汚れにくさを向上させようとして支持
体表面の形状を平滑化すると、耐刷性が大幅に低下す
る。ここで、耐刷性は画像記録層と支持体との密着性に
大きく依存し、密着性は画像記録層と支持体との間の接
触面積にほぼ相関して変化するため、耐刷性を向上させ
るためには、支持体の表面積を大きくして、画像記録層
と支持体との間の接触面積を大きくすればよい。
時にインキのミストが版面の非画像部に保持されにくく
なればよいが、本発明者は、そのためには支持体表面の
先鋭な部分を少なくすればよいと考えた。本発明者は、
この先鋭な部分の形状を定量化したところ、支持体上の
傾斜角が30°以上の部分の面積率に汚れにくさが対応
することが分かった。
体表面のピットが大きく深いと、印刷中にブランケット
胴に付着した紙粉等の微細異物を版面上に捕捉しやすく
なり、場合によっては、紙粉等の微細異物が蓄積して、
ベタ画像部の非画像部との隣接部分のくわえ尻側におい
て、インキの着肉性が不十分になる不具合が発生するこ
とも新たに判明した。
完成させた。即ち、本発明は、アルミニウム板に少なく
ともアルカリエッチング処理、硝酸水溶液中での電気化
学的粗面化処理、0.05g/m2 以上のアルカリエッ
チング処理および塩酸水溶液中での電気化学的粗面化処
理を順次施して得られる平版印刷版用支持体であって、
支持体表面について、原子間力顕微鏡を用いて求められ
る実面積と見掛け面積との差を見掛け面積で除して得ら
れる表面積差が10〜90%であり、原子間力顕微鏡を
用いて求められる傾斜度30゜以上の部分の面積率が7
5%以下であり、かつ、原子間力顕微鏡を用いて求めら
れる測定断面曲線から波長0.2〜2μmの成分を抽出
した後の算術平均粗さが0.25μm以下である平版印
刷版用支持体を提供する。
理に用いられる陽極時総電気量と前記塩酸水溶液中での
電気化学的粗面化処理に用いられる陽極時総電気量との
比が1以上であるのが好ましい。
上に画像記録層、特にレーザ直描型の画像記録層を設け
た平版印刷版原版を提供する。
よって酸を発生させる化合物と、酸によって架橋する化
合物とを含有するのは、本発明の好ましい態様の一つで
ある。
よって酸を発生させる化合物と、酸によって分解する結
合部を有する化合物とを含有するのは、本発明の好まし
い態様の一つである。
ラジカルを発生させる化合物と、アルカリ可溶のバイン
ダーと、多官能性のモノマーまたはプレポリマーとを含
有する層と、酸素遮断層との2層を含むのは、本発明の
好ましい態様の一つである。
ゲン化銀乳剤層との2層を含むのは、本発明の好ましい
態様の一つである。
官能性バインダーとを含有する重合層と、ハロゲン化銀
と還元剤とを含有する層と、酸素遮断層との3層を含む
のは、本発明の好ましい態様の一つである。
トキノンジアジドとを含有する層と、ハロゲン化銀を含
有する層との2層を含むのは、本発明の好ましい態様の
一つである。
るのは、本発明の好ましい態様の一つである。
除去されるレーザ光吸収層と、親油性層および/または
親水性層との2層または3層を含むのは、本発明の好ま
しい態様の一つである。
酸を発生させる化合物と、酸によってスルホン酸または
カルボン酸を発生させる官能基を側鎖に有する高分子化
合物と、可視光を吸収することで酸発生剤にエネルギー
を与える化合物とを含有するのは、本発明の好ましい態
様の一つである。
る。 [平版印刷版用支持体] <アルミニウム板(圧延アルミ)>本発明の平版印刷版
用支持体に用いられるアルミニウム板は、寸度的に安定
なアルミニウムを主成分とする金属であり、アルミニウ
ムまたはアルミニウム合金からなる。純アルミニウム板
のほか、アルミニウムを主成分とし微量の異元素を含む
合金板を用いることもできる。
ニウムまたはアルミニウム合金からなる各種の基板をア
ルミニウム板と総称して用いる。前記アルミニウム合金
に含まれてもよい異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、
銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケ
ル、チタン等があり、合金中の異元素の含有量は10質
量%以下である。中でも、本発明に用いられるアルミニ
ウム板は、Cu含有量が0.005質量%以下であるア
ルミニウムからなるのが好ましく、Si含有量が0.1
質量%以下、Cu含有量が0.005質量%以下、Fe
含有量が0.5質量%以下であるアルミニウムからなる
のがより好ましい。これらは、JIS1050材または
1070材に分類される合金であって、電解粗面化処理
で生成するピット径が小さくなるため、耐汚れ性が向上
する。また、非シリケート現像液との組み合わせにおい
て、耐汚れ性と耐刷性のバランスを両立することができ
る。
いるのが好適であるが、完全に純粋なアルミニウムは精
錬技術上製造が困難であるので、わずかに異元素を含有
するものでもよい。このように本発明に用いられるアル
ミニウム板は、その組成が特定されるものではなく、従
来より公知公用の素材もの、例えば、JIS A105
0、JIS A1100、JIS A3005、JIS
A3004、国際登録合金 3103A等のアルミニ
ウム合金板を適宜利用することができる。中でも、電解
粗面化処理で生成するピットの形状を小さく深くできる
という点で、JIS A1050材が好ましい。
は、アルミニウムの平均結晶粒径の短径が2〜200μ
m、長径が50〜1500μmであるのが好ましい。結
晶粒が大きすぎると、結晶方位によってエッチング特性
が異なるため、均一な粗面化処理が困難になり、また、
小さすぎると強度が増してハンドリング適性が低下して
しまう。
式およびDC鋳造方式のいずれでもよく、DC鋳造方式
の中間焼鈍や、均熱処理を省略したアルミニウム板も用
いることができる。最終圧延においては、積層圧延や転
写等により凹凸を付けたアルミニウム板を用いることも
できる。また、本発明に用いられるアルミニウム板の厚
みは、0.1mm〜0.6mm程度である。この厚みは
印刷機の大きさ、印刷版の大きさおよびユーザーの希望
により適宜変更することができる。
ミニウム板に少なくともアルカリエッチング処理、硝酸
水溶液中での電気化学的粗面化処理、0.05g/m2
以上のアルカリエッチング処理および塩酸水溶液中での
電気化学的粗面化処理を順次施して、特定の表面形状を
設けて得られる。本発明の平版印刷版用支持体の製造に
おいては、上記の各処理以外の表面処理を含んでいても
よい。以下、アルミニウム板に施される各種の表面処理
について説明する。
は、電気化学的粗面化処理と比較してより安価に、平均
波長5〜100μmの凹凸のある表面を形成することが
できるため、粗面化処理の手段として有効である。機械
的粗面化処理方法としては、例えば、アルミニウム表面
を金属ワイヤーでひっかくワイヤーブラシグレイン法、
研磨球と研磨剤でアルミニウム表面を砂目立てするボー
ルグレイン法、特開平6−135175号公報および特
公昭50−40047号公報に記載されているナイロン
ブラシと研磨剤で表面を砂目立てするブラシグレイン法
を用いることができる。また、凹凸面をアルミニウム板
に圧接する転写方法を用いることもできる。即ち、特開
昭55−74898号、特開昭60−36195号、特
開昭60−203496号の各公報に記載されている方
法のほか、転写を数回行うことを特徴とする特開平6−
55871号公報、表面が弾性であることを特徴とした
特願平4−204235号明細書(特開平6−0241
68号公報)に記載されている方法も適用可能である。
ザー、プラズマエッチング等を用いて、微細な凹凸を食
刻した転写ロールを用いて繰り返し転写を行う方法や、
微細粒子を塗布した凹凸のある面を、アルミニウム板に
接面させ、その上より複数回繰り返し圧力を加え、アル
ミニウム板に微細粒子の平均直径に相当する凹凸パター
ンを複数回繰り返し転写させる方法を用いることもでき
る。転写ロールへ微細な凹凸を付与する方法としては、
特開平3−8635号、特開平3−66404号、特開
昭63−65017号の各公報等に記載されている公知
の方法を用いることができる。また、ロール表面にダイ
ス、バイト、レーザー等を使って2方向から微細な溝を
切り、表面に角形の凹凸をつけてもよい。このロール表
面には、公知のエッチング処理等を行って、形成させた
角形の凹凸が丸みを帯びるような処理を行ってもよい。
また、表面の硬度を上げるために、焼き入れ、ハードク
ロムメッキ等を行ってもよい。そのほかにも、機械的粗
面化処理としては、特開昭61−162351号公報、
特開昭63−104889号公報等に記載されている方
法を用いることもできる。本発明においては、生産性等
を考慮して上述したそれぞれの方法を併用することもで
きる。これらの機械的粗面化処理は、本発明の平版印刷
版用支持体の製造において、必要に応じて行われる。機
械的粗面化処理を行う場合は、電気化学的粗面化処理の
前に行うのが好ましい。
られるブラシグレイン法について説明する。ブラシグレ
イン法は、一般に、円柱状の胴の表面に、ナイロン(商
標名)、プロピレン、塩化ビニル樹脂等の合成樹脂から
なる合成樹脂毛等のブラシ毛を多数植設したローラ状ブ
ラシを用い、回転するローラ状ブラシに研磨剤を含有す
るスラリー液を噴きかけながら、上記アルミニウム板の
表面の一方または両方を擦ることにより行う。上記ロー
ラ状ブラシおよびスラリー液の代わりに、表面に研磨層
を設けたローラである研磨ローラを用いることもでき
る。ローラ状ブラシを用いる場合、曲げ弾性率が好まし
くは10,000〜40,000kg/cm2 、より好
ましくは15,000〜35,000kg/cm2であ
り、かつ、毛腰の強さが好ましくは500g以下、より
好ましくは400g以下であるブラシ毛を用いる。ブラ
シ毛の直径は、一般的には、0.2〜0.9mmであ
る。ブラシ毛の長さは、ローラ状ブラシの外径および胴
の直径に応じて適宜決定することができるが、一般的に
は、10〜100mmである。
例えば、パミストン、ケイ砂、水酸化アルミニウム、ア
ルミナ粉、炭化ケイ素、窒化ケイ素、火山灰、カーボラ
ンダム、金剛砂等の研磨剤;これらの混合物を用いるこ
とができる。中でも、パミストン、ケイ砂が好ましい。
特に、ケイ砂は、パミストンに比べて硬く、壊れにくい
ので粗面化効率に優れる点で好ましい。研磨剤の平均粒
径は、粗面化効率に優れ、かつ、砂目立てピッチを狭く
することができる点で、3〜50μmであるのが好まし
く、6〜45μmであるのがより好ましい。研磨剤は、
例えば、水中に懸濁させて、スラリー液として用いる。
スラリー液には、研磨剤のほかに、増粘剤、分散剤(例
えば、界面活性剤)、防腐剤等を含有させることができ
る。スラリー液の比重は0.5〜2であるのが好まし
い。
例えば、特公昭50−40047号公報に記載された装
置を挙げることができる。
化処理には、通常の交流を用いた電気化学的粗面化処理
に用いられる電解液を用いることができる。本発明にお
いては、まず、硝酸水溶液中での電気化学的粗面化処理
を行い、ついで、塩酸水溶液中での電気化学的粗面化処
理を行うことで、本発明に特徴的な表面形状を形成させ
ることができる。電解粗面化処理は、例えば、特公昭4
8−28123号公報および英国特許第896,563
号明細書に記載されている電気化学的グレイン法(電解
グレイン法)に従うことができる。この電解グレイン法
は、正弦波形の交流電流を用いるものであるが、特開昭
52−58602号公報に記載されているような特殊な
波形を用いて行ってもよい。また、特開平3−7979
9号公報に記載されている波形を用いることもできる。
また、特開昭55−158298号、特開昭56−28
898号、特開昭52−58602号、特開昭52−1
52302号、特開昭54−85802号、特開昭60
−190392号、特開昭58−120531号、特開
昭63−176187号、特開平1−5889号、特開
平1−280590号、特開平1−118489号、特
開平1−148592号、特開平1−178496号、
特開平1−188315号、特開平1−154797
号、特開平2−235794号、特開平3−26010
0号、特開平3−253600号、特開平4−7207
9号、特開平4−72098号、特開平3−26740
0号、特開平1−141094号の各公報に記載されて
いる方法も適用できる。また、前述のほかに、電解コン
デンサーの製造方法として提案されている特殊な周波数
の交番電流を用いて電解することも可能である。例え
ば、米国特許第4,276,129号明細書および同第
4,676,879号明細書に記載されている。
れているが、米国特許第4203637号明細書、特開
昭56−123400号、特開昭57−59770号、
特開昭53−12738号、特開昭53−32821
号、特開昭53−32822号、特開昭53−3282
3号、特開昭55−122896号、特開昭55−13
2884号、特開昭62−127500号、特開平1−
52100号、特開平1−52098号、特開昭60−
67700号、特開平1−230800号、特開平3−
257199号の各公報等に記載されているものを用い
ることができる。また、特開昭52−58602号、特
開昭52−152302号、特開昭53−12738
号、特開昭53−12739号、特開昭53−3282
1号、特開昭53−32822号、特開昭53−328
33号、特開昭53−32824号、特開昭53−32
825号、特開昭54−85802号、特開昭55−1
22896号、特開昭55−132884号、特公昭4
8−28123号、特公昭51−7081号、特開昭5
2−133838号、特開昭52−133840号、特
開昭52−133844号、特開昭52−133845
号、特開昭53−149135号、特開昭54−146
234号の各公報等に記載されているもの等も用いるこ
とができる。
2.5質量%であるのが好ましいが、上記のスマット除
去処理での使用を考慮すると、0.7〜2.0質量%で
あるのが特に好ましい。また、液温は20〜80℃であ
るのが好ましく、30〜60℃であるのがより好まし
い。
酸の水溶液に、硝酸アルミニウム、硝酸ナトリウム、硝
酸アンモニウム等の硝酸イオンを有する硝酸化合物の少
なくとも一つを1g/Lから飽和するまでの範囲で添加
して使用することができる。塩酸水溶液は、濃度1〜1
00g/Lの塩酸の水溶液に、塩化アルミニウム、塩化
ナトリウム、塩化アンモニウム等の塩酸イオンを有する
塩酸化合物の少なくとも一つを1g/Lから飽和するま
での範囲で添加して使用することができる。また、硝酸
水溶液および塩酸水溶液には、それぞれ鉄、銅、マンガ
ン、ニッケル、チタン、マグネシウム、シリカ等のアル
ミニウム合金中に含まれる金属が溶解していてもよい。
好ましくは、硝酸または塩酸の濃度0.5〜2質量%の
水溶液にアルミニウムイオンが3〜50g/Lとなるよ
うに、硝酸アルミニウム、塩化アルミニウム等を添加し
た液を用いることが好ましい。
加して使用することによりCuを多く含有するアルミニ
ウム板に対しても均一な砂目立てが可能になる。Cuと
錯体を形成しうる化合物としては、例えば、アンモニ
ア;メチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、ジ
エチルアミン、トリメチルアミン、シクロヘキシルアミ
ン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミ
ン、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)等のアンモニ
アの水素原子を炭化水素基(脂肪族、芳香族等)等で置
換して得られるアミン類;炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム、炭酸水素カリウム等の金属炭酸塩類が挙げられる。
また、硝酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硫酸アン
モニウム、リン酸アンモニウム、炭酸アンモニウム等の
アンモニウム塩も挙げられる。温度は10〜90℃が好
ましく、30〜60℃がより好ましい。
源波は、特に限定されず、サイン波、矩形波、台形波、
三角波等が用いられるが、矩形波または台形波が好まし
く、台形波が特に好ましい。台形波とは、図2に示した
ものをいう。この台形波において電流がゼロからピーク
に達するまでの時間(TP)は1〜3msecであるの
が好ましい。1msec未満であると、アルミニウム板
の進行方向と垂直に発生するチャタマークという処理ム
ラが発生しやすい。TPが3msecを超えると、特に
硝酸電解液を用いる場合、電解処理で自然発生的に増加
するアンモニウムイオン等に代表される電解液中の微量
成分の影響を受けやすくなり、均一な砂目立てが行われ
にくくなる。その結果、平版印刷版としたときの耐汚れ
性が低下する傾向にある。
のものが使用可能であるが、特開平5−195300公
報に記載されているように、アルミニウムにコンダクタ
ロールを用いない間接給電方式においてはduty比が
1:1のものが好ましい。台形波交流の周波数は0.1
〜120Hzのものを用いることが可能であるが、50
〜70Hzが設備上好ましい。50Hzよりも低いと、
主極のカーボン電極が溶解しやすくなり、また、70H
zよりも高いと、電源回路上のインダクタンス成分の影
響を受けやすくなり、電源コストが高くなる。
ことができる。主極に対向するアルミニウム板に加わる
交流の陽極と陰極との電流比をコントロールし、均一な
砂目立てを行うことと、主極のカーボンを溶解すること
とを目的として、図3に示したように、補助陽極を設置
し、交流電流の一部を分流させることが好ましい。図3
において、11はアルミニウム板であり、12はラジア
ルドラムローラであり、13aおよび13bは主極であ
り、14は電解処理液であり、15は電解液供給口であ
り、16はスリットであり、17は電解液通路であり、
18は補助陽極であり、19aおよび19bはサイリス
タであり、20は交流電源であり、40は主電解槽であ
り、50は補助陽極槽である。整流素子またはスイッチ
ング素子を介して電流値の一部を二つの主電極とは別の
槽に設けた補助陽極に直流電流として分流させることに
より、主極に対向するアルミニウム板上で作用するアノ
ード反応にあずかる電流値と、カソード反応にあずかる
電流値との比を制御することができる。主極に対向する
アルミニウム板上で、陽極反応と陰極反応とにあずかる
電気量の比(陰極時電気量/陽極時電気量)は、0.3
〜0.95であるのが好ましい。
等の公知の表面処理に用いる電解槽が使用可能である
が、特開平5−195300号公報に記載されているよ
うなラジアル型電解槽が特に好ましい。電解槽内を通過
する電解液は、アルミニウムウェブの進行方向に対して
パラレルであってもカウンターであってもよい。
粗面化処理により、平均開口径0.5〜5μmのピット
を形成することができる。ただし、電気量を比較的多く
したときは、電解反応が集中し、5μmを超えるハニカ
ムピットも生成する。このような砂目を得るためには、
電解反応が終了した時点でのアルミニウム板のアノード
反応にあずかる電気量の総和が、1〜1000C/dm
2 であるのが好ましく、50〜300C/dm2 である
のがより好ましい。この際の電流密度は20〜100A
/dm2 であるのが好ましい。また、高濃度または高温
の硝酸電解液を用いると、平均開口径0.2μm以下の
小波構造を形成させることもできる。
ム溶解力が強いため、わずかな電解を加えるだけで表面
に微細な凹凸を形成させることが可能である。この微細
な凹凸は、平均開口径が0.01〜0.2μmであり、
アルミニウム板の表面の全面に均一に生成する。このよ
うな砂目を得るためには電解反応が終了した時点でのア
ルミニウム板のアノード反応にあずかる電気量の総和
が、1〜100C/dm2 であるのが好ましく、20〜
70C/dm2 であるのがより好ましい。この際の電流
密度は20〜50A/dm2 であるのが好ましい。この
ような塩酸水溶液中での電気化学的粗面化処理では、ア
ノード反応にあずかる電気量の総和を400〜1000
C/dm2 と大きくすることでクレーター状の大きなう
ねりを同時に形成することも可能であるが、この場合は
平均開口径10〜30μmのクレーター状のうねりに重
畳して平均開口径0.01〜0.4μmの微細な凹凸が
全面に生成する。
処理および塩酸水溶液中での電気化学的粗面化処理の間
に、アルミニウム板に陰極電解処理を行うことが好まし
い。この陰極電解処理により、アルミニウム板表面にス
マットが生成するとともに、水素ガスが発生してより均
一な電解粗面化処理が可能となる。この陰極電解処理
は、酸性溶液中で陰極電気量が好ましくは3〜80C/
dm2 、より好ましくは5〜30C/dm2 で行われ
る。陰極電気量が3C/dm2 未満であると、スマット
付着量が不足する場合があり、また、80C/dm2 を
超えると、スマット付着量が過剰となる場合があり、い
ずれも好ましくない。また、電解液は上記各電解粗面化
処理で使用する溶液と同一であっても異なっていてもよ
い。
チング処理は、上記アルミニウム板をアルカリ溶液に接
触させることにより、表層を溶解する処理である。
行われるアルカリエッチング処理は、機械的粗面化処理
を行っていない場合には、前記アルミニウム板(圧延ア
ルミ)の表面の圧延油、汚れ、自然酸化皮膜等を除去す
ることを目的として、また、既に機械的粗面化処理を行
っている場合には、機械的粗面化処理によって生成した
凹凸のエッジ部分を溶解させ、急峻な凹凸を滑らかなう
ねりを持つ表面に変えることを目的として行われる。
化処理を行わない場合、エッチング量は、0.1〜10
g/m2 であるのが好ましく、1〜5g/m2 であるの
がより好ましい。エッチング量が0.1g/m2 未満で
あると、表面の圧延油、汚れ、自然酸化皮膜等が残存す
る場合があるため、後段の電解粗面化処理において均一
なピット生成ができずムラが発生してしまう場合があ
る。一方、エッチング量が1〜10g/m2 であると、
表面の圧延油、汚れ、自然酸化皮膜等の除去が十分に行
われる。上記範囲を超えるエッチング量とするのは、経
済的に不利となる。
化処理を行う場合、エッチング量は、3〜20g/m2
であるのが好ましく、5〜15g/m2 であるのがより
好ましい。エッチング量が3g/m2 未満であると、機
械的粗面化処理等によって形成された凹凸を平滑化でき
ない場合があり、後段の電解処理において均一なピット
形成ができない場合がある。また、印刷時に汚れが劣化
する場合がある。一方、エッチング量が20g/m2 を
超えると、凹凸構造が消滅してしまう場合がある。
行うアルカリエッチング処理は、酸性電解液中で生成し
たスマットを溶解させることと、電解粗面化処理により
形成されたピットのエッジ部分を溶解させることを目的
として行われる。塩酸水溶液中での電解粗面化処理の直
後にアルカリエッチング処理を行う場合、その目的は同
様である。電解粗面化処理で形成されるピットは電解液
の種類によって異なるためにその最適なエッチング量も
異なる。硝酸水溶液中での電解粗面化処理後に行うアル
カリエッチング処理のエッチング量は、0.05g/m
2 以上とする。エッチング量を0.05g/m2 以上と
することにより、その後、塩酸水溶液中で電解粗面化処
理を施したときにピットが均一に形成される。エッチン
グ量は、0.1g/m2 以上であるのが好ましく、ま
た、10g/m2 以下であるのが好ましい。また、塩酸
水溶液中での電解粗面化処理後に行うアルカリエッチン
グ処理のエッチング量は、特に限定されないが、0.0
2g/m2 以上であるのが好ましく、また、1g/m2
以下であるのが好ましい。
は、例えば、カセイアルカリ、アルカリ金属塩が挙げら
れる。具体的には、カセイアルカリとしては、例えば、
カセイソーダ、カセイカリが挙げられる。また、アルカ
リ金属塩としては、例えば、タケイ酸ソーダ、ケイ酸ソ
ーダ、メタケイ酸カリ、ケイ酸カリ等のアルカリ金属ケ
イ酸塩;炭酸ソーダ、炭酸カリ等のアルカリ金属炭酸
塩;アルミン酸ソーダ、アルミン酸カリ等のアルカリ金
属アルミン酸塩;グルコン酸ソーダ、グルコン酸カリ等
のアルカリ金属アルドン酸塩;第二リン酸ソーダ、第二
リン酸カリ、第三リン酸ソーダ、第三リン酸カリ等のア
ルカリ金属リン酸水素塩が挙げられる。中でも、エッチ
ング速度が速い点および安価である点から、カセイアル
カリの溶液、および、カセイアルカリとアルカリ金属ア
ルミン酸塩との両者を含有する溶液が好ましい。特に、
カセイソーダの水溶液が好ましい。
じて決定することができるが、1〜50質量%であるの
が好ましく、10〜35質量%であるのがより好まし
い。アルカリ溶液中にアルミニウムイオンが溶解してい
る場合には、アルミニウムイオンの濃度は、0.01〜
10質量%であるのが好ましく、3〜8質量%であるの
がより好ましい。アルカリ溶液の温度は20〜90℃で
あるのが好ましい。処理時間は1〜120秒であるのが
好ましい。
る方法としては、例えば、アルミニウム板をアルカリ溶
液を入れた槽の中を通過させる方法、アルミニウム板を
アルカリ溶液を入れた槽の中に浸せきさせる方法、アル
カリ溶液をアルミニウム板の表面に噴きかける方法が挙
げられる。
アルカリエッチング処理を行った後、表面に残留する汚
れ(スマット)を除去するために酸洗い(デスマット処
理)が行われるのが好ましい。用いられる酸としては、
例えば、硝酸、硫酸、リン酸、クロム酸、フッ化水素
酸、ホウフッ化水素酸が挙げられる。上記デスマット処
理は、例えば、上記アルミニウム板を塩酸、硝酸、硫酸
等の濃度0.5〜30質量%の酸性溶液(アルミニウム
イオン0.01〜5質量%を含有する。)に接触させる
ことにより行う。アルミニウム板を酸性溶液に接触させ
る方法としては、例えば、アルミニウム板を酸性溶液を
入れた槽の中を通過させる方法、アルミニウム板を酸性
溶液を入れた槽の中に浸せきさせる方法、酸性溶液をア
ルミニウム板の表面に噴きかける方法が挙げられる。デ
スマット処理においては、酸性溶液として、上述した電
解粗面化処理において排出される硝酸水溶液もしくは塩
酸水溶液の廃液、または、後述する陽極酸化処理におい
て排出される硫酸を主体とする水溶液の廃液を用いるこ
とができる。デスマット処理の液温は、25〜90℃で
あるのが好ましい。また、処理時間は、1〜180秒で
あるのが好ましい。デスマット処理に用いられる酸性溶
液には、アルミニウムおよびアルミニウム合金成分が溶
け込んでいてもよい。
アルミニウム板には、更に、陽極酸化処理が施されるの
が好ましい。陽極酸化処理はこの分野で従来行われてい
る方法で行うことができる。この場合、例えば、硫酸濃
度50〜300g/Lで、アルミニウム濃度5質量%以
下の溶液中で、アルミニウム板を陽極として通電して陽
極酸化皮膜を形成させることができる。陽極酸化処理に
用いられる溶液としては、硫酸、リン酸、クロム酸、シ
ュウ酸、スルファミン酸、ベンゼンスルホン酸、アミド
スルホン酸等を単独でまたは2種以上を組み合わせて用
いることができる。
極、水道水、地下水等に通常含まれる成分が電解液中に
含まれていても構わない。更には、第2、第3の成分が
添加されていても構わない。ここでいう第2、第3の成
分としては、例えば、Na、K、Mg、Li、Ca、T
i、Al、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、
Zn等の金属のイオン;アンモニウムイオン等の陽イオ
ン;硝酸イオン、炭酸イオン、塩化物イオン、リン酸イ
オン、フッ化物イオン、亜硫酸イオン、チタン酸イオ
ン、ケイ酸イオン、ホウ酸イオン等の陰イオンが挙げら
れ、0〜10000ppm程度の濃度で含まれていても
よい。
によって種々変化するので一概に決定され得ないが、一
般的には電解液濃度1〜80質量%、液温5〜70℃、
電流密度0.5〜60A/dm2 、電圧1〜100V、
電解時間15秒〜50分であるのが適当であり、所望の
陽極酸化皮膜量となるように調整される。
57−47894号、特開昭57−51289号、特開
昭57−51290号、特開昭57−54300号、特
開昭57−136596号、特開昭58−107498
号、特開昭60−200256号、特開昭62−136
596号、特開昭63−176494号、特開平4−1
76897号、特開平4−280997号、特開平6−
207299号、特開平5−24377号、特開平5−
32083号、特開平5−125597号、特開平5−
195291号の各公報等に記載されている方法を使用
することもできる。
よび特開昭48−45303号公報に記載されているよ
うに、電解液として硫酸溶液を用いるのが好ましい。電
解液中の硫酸濃度は、10〜300g/L(1〜30質
量%)であるのが好ましく、また、アルミニウムイオン
濃度は、1〜25g/L(0.1〜2.5質量%)であ
るのが好ましく、2〜10g/L(0.2〜1質量%)
であるのがより好ましい。このような電解液は、例え
ば、硫酸濃度が50〜200g/Lである希硫酸に硫酸
アルミニウム等を添加することにより調製することがで
きる。
行う場合には、アルミニウム板と対極との間に直流を印
加してもよく、交流を印加してもよい。アルミニウム板
に直流を印加する場合においては、電流密度は、1〜6
0A/dm2 であるのが好ましく、5〜40A/dm2
であるのがより好ましい。連続的に陽極酸化処理を行う
場合には、アルミニウム板の一部に電流が集中していわ
ゆる「焼け」が生じないように、陽極酸化処理の開始当
初は、5〜10A/m2 の低電流密度で電流を流し、陽
極酸化処理が進行するにつれ、30〜50A/dm2 ま
たはそれ以上に電流密度を増加させるのが好ましい。連
続的に陽極酸化処理を行う場合には、アルミニウム板
に、電解液を介して給電する液給電方式により行うのが
好ましい。このような条件で陽極酸化処理を行うことに
よりポア(マイクロポア)と呼ばれる孔を多数有する多
孔質皮膜が得られるが、通常、その平均ポア径は5〜5
0nm程度であり、平均ポア密度は300〜800個/
μm2 程度である。
のが好ましい。1g/m2 未満であると版に傷が入りや
すくなり、一方、5g/m2 を超えると製造に多大な電
力が必要となり、経済的に不利となる。陽極酸化皮膜の
量は、1.5〜4g/m2 であるのがより好ましい。ま
た、アルミニウム板の中央部と縁部近傍との間の陽極酸
化皮膜量の差が1g/m2 以下になるように行うのが好
ましい。
は、特開昭48−26638号、特開昭47−1873
9号、特公昭58−24517号の各公報等に記載され
ているものを用いることができる。中でも、図4に示す
装置が好適に用いられる。図4は、アルミニウム板の表
面を陽極酸化処理する装置の一例を示す概略図である。
陽極酸化処理装置410において、アルミニウム板41
6は、図4中矢印で示すように搬送される。電解液41
8が貯溜された給電槽412にてアルミニウム板416
は給電電極420によって(+)に荷電される。そし
て、アルミニウム板416は、給電槽412においてロ
ーラ422によって上方に搬送され、ニップローラ42
4によって下方に方向変換された後、電解液426が貯
溜された電解処理槽414に向けて搬送され、ローラ4
28によって水平方向に方向転換される。ついで、アル
ミニウム板416は、電解電極430によって(−)に
荷電されることにより、その表面に陽極酸化皮膜が形成
され、電解処理槽414を出たアルミニウム板416は
後工程に搬送される。前記陽極酸化処理装置410にお
いて、ローラ422、ニップローラ424およびローラ
428によって方向転換手段が構成され、アルミニウム
板416は、給電槽412と電解処理槽414との槽間
部において、前記ローラ422、424および428に
より、山型および逆U字型に搬送される。給電電極42
0と電解電極430とは、直流電源434に接続されて
いる。
給電槽412と電解処理槽414とを1枚の槽壁432
で仕切り、アルミニウム板416を槽間部において山型
および逆U字型に搬送したことにある。これによって、
槽間部におけるアルミニウム板416の長さを最短にす
ることができる。よって、陽極酸化処理装置410の全
体長を短くできるので、設備費を低減することがあでき
る。また、アルミニウム板416を山型および逆U字型
に搬送することによって、各槽412および414の槽
壁にアルミニウム板416を通過させるための開口部を
形成する必要がなくなる。よって、各槽412および4
14内の液面高さを必要レベルに維持するのに要する送
液量を抑えることができるので、稼働費を低減すること
ができる。
じて陽極酸化皮膜に存在するマイクロポアを封じる封孔
処理を行ってもよい。封孔処理は、沸騰水処理、熱水処
理、蒸気処理、ケイ酸ソーダ処理、亜硝酸塩処理、酢酸
アンモニウム処理等の公知の方法に従って行うことがで
きる。例えば、特公昭56−12518号公報、特開平
4−4194号公報、特願平4−33952号明細書
(特開平5−202496号公報)、特願平4−339
51号明細書(特開平5−179482号公報)等に記
載されている装置および方法で封孔処理を行ってもよ
い。
処理後、親水化処理を行ってもよい。親水化処理として
は、例えば、米国特許第2,946,638号明細書に
記載されているフッ化ジルコニウム酸カリウム処理、米
国特許第3,201,247号明細書に記載されている
ホスホモリブデート処理、英国特許第1,108,55
9号に記載されているアルキルチタネート処理、独国特
許第1,091,433号明細書に記載されているポリ
アクリル酸処理、独国特許第1,134,093号明細
書および英国特許第1,230,447号明細書に記載
されているポリビニルホスホン酸処理、特公昭44−6
409号公報に記載されているホスホン酸処理、米国特
許第3,307,951号明細書に記載されているフィ
チン酸処理、特開昭58−16893号公報および特開
昭58−18291号公報に記載されている親油性有機
高分子化合物と2価の金属との塩による処理、米国特許
第3,860,426号明細書に記載されているよう
に、水溶性金属塩(例えば、酢酸亜鉛)を含む親水性セ
ルロース(例えば、カルボキシメチルセルロース)の下
塗層を設ける処理、特開昭59−101651号公報に
記載されているスルホ基を有する水溶性重合体を下塗り
する処理が挙げられる。
記載されているリン酸塩、特開昭62−033692号
公報に記載されている水溶性エポキシ化合物、特開昭6
2−097892号公報に記載されているリン酸変性デ
ンプン、特開昭63−056498号公報に記載されて
いるジアミン化合物、特開昭63−130391号公報
に記載されているアミノ酸の無機または有機酸、特開昭
63−145092号公報に記載されているカルボキシ
基またはヒドロキシ基を含む有機ホスホン酸、特開昭6
3−165183号公報に記載されているアミノ基とホ
スホン酸基を有する化合物、特開平2−316290号
公報に記載されている特定のカルボン酸誘導体、特開平
3−215095号公報に記載されているリン酸エステ
ル、特開平3−261592号公報に記載されている1
個のアミノ基とリンの酸素酸基1個を持つ化合物、特開
平3−215095号公報に記載されているリン酸エス
テル、特開平5−246171号公報に記載されている
フェニルホスホン酸等の脂肪族または芳香族ホスホン
酸、特開平1−307745号公報に記載されているチ
オサリチル酸のようなS原子を含む化合物、特開平4−
282637号公報に記載されているリンの酸素酸のグ
ループを持つ化合物等を用いた下塗りによる処理も挙げ
られる。更に、特開昭60−64352号公報に記載さ
れている酸性染料による着色を行うこともできる。
カリ金属ケイ酸塩の水溶液に浸せきさせる方法、親水性
ビニルポリマーまたは親水性化合物を塗布して親水性の
下塗層を形成させる方法等により、親水化処理を行うの
が好ましい。
属ケイ酸塩の水溶液による親水化処理は、米国特許第
2,714,066号明細書および米国特許第3,18
1,461号明細書に記載されている方法および手順に
従って行うことができる。アルカリ金属ケイ酸塩として
は、例えば、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ
酸リチウムが挙げられる。アルカリ金属ケイ酸塩の水溶
液は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチ
ウム等を適当量含有してもよい。また、アルカリ金属ケ
イ酸塩の水溶液は、アルカリ土類金属塩または4族(第
IVA族)金属塩を含有してもよい。アルカリ土類金属
塩としては、例えば、硝酸カルシウム、硝酸ストロンチ
ウム、硝酸マグネシウム、硝酸バリウム等の硝酸塩;硫
酸塩;塩酸塩;リン酸塩;酢酸塩;シュウ酸塩;ホウ酸
塩が挙げられる。4族(第IVA族)金属塩としては、
例えば、四塩化チタン、三塩化チタン、フッ化チタンカ
リウム、シュウ酸チタンカリウム、硫酸チタン、四ヨウ
化チタン、塩化酸化ジルコニウム、二酸化ジルコニウ
ム、オキシ塩化ジルコニウム、四塩化ジルコニウムが挙
げられる。これらのアルカリ土類金属塩および4族(第
IVA族)金属塩は、単独でまたは2種以上組み合わせ
て用いられる。
るSi量は蛍光X線分析装置により測定することがで
き、その吸着量は約1.0〜15.0mg/m2 である
のが好ましい。このアルカリ金属ケイ酸塩処理により、
平版印刷版用支持体の表面のアルカリ現像液に対する耐
溶解性向上の効果が得られ、アルミニウム成分の現像液
中への溶出が抑制されて、現像液の疲労に起因する現像
カスの発生を低減することができる。
処理は、特開昭59−101651号公報および特開昭
60−149491号公報に記載されている条件および
手順に従って行うこともできる。この方法に用いられる
親水性ビニルポリマーとしては、例えば、ポリビニルス
ルホン酸、スルホ基を有するp−スチレンスルホン酸等
のスルホ基含有ビニル重合性化合物と(メタ)アクリル
酸アルキルエステル等の通常のビニル重合性化合物との
共重合体が挙げられる。また、この方法に用いられる親
水性化合物としては、例えば、−NH2 基、−COOH
基およびスルホ基からなる群から選ばれる少なくとも一
つを有する化合物が挙げられる。
には水洗を行うのが好ましい。水洗には、純水、井水、
水道水等を用いることができる。処理液の次工程への持
ち込みを防ぐためにニップ装置を用いてもよい。
刷版用支持体は、支持体表面について、原子間力顕微鏡
(AFM)を用いて求められる実面積と見掛け面積との
差を見掛け面積で除して得られる表面積差が10〜90
%であり、原子間力顕微鏡を用いて求められる傾斜度3
0゜以上の部分の面積率(a30)が75%以下であ
り、かつ、原子間力顕微鏡を用いて求められる測定断面
曲線から波長0.2〜2μmの成分を抽出した後の算術
平均粗さが0.25μm以下であることを特徴とする。
以下、これらの表面形状の特性値について説明する。
ト内部の微細凹凸構造の表面積を含まない、平版印刷版
用支持体の表面の実面積と、平版印刷版用支持体の表面
を支持体に平行な面へ投影した図の面積で表される見掛
け面積との差を、該見掛け面積で除した値をいう。具体
的には、平版印刷版用支持体の表面について、水平
(X,Y)方向の分解能0.1μm、測定範囲50μm
角という条件でAFMによる測定を行って、近似三点法
により求めた表面積を実面積a1 とし、上部投影面積を
見掛け面積a0として、下記式から表面積差を求めるこ
とができる。 表面積差(%)=(a1 −a0 )/a0 ×100(%)
が10%以上であるので、平版印刷版としたときの耐刷
性に優れ、また、表面積差が90%以下であり、かつ、
後述するa30が所定の範囲にあるので、平版印刷版と
したときの耐汚れ性に優れる。表面積差は、30%以上
であるのが好ましく、また、80%以下であるのが好ま
しい。
(a30) 平版印刷版用支持体の表面について、水平(X,Y)方
向の分解能1.9μm、測定範囲240μm角という条
件でAFMによる測定を行って、三次元データより隣り
合う3点を抽出し、その3点で形成する微小三角形と基
準面とのなす角を全データについて算出し、傾斜度分布
曲線を求め、この傾斜度分布曲線から傾斜度30゜以上
の部分の面積率(a30)を算出することができる。
75%以下であり、支持体表面の先鋭な部分が少なく、
かつ、上述したように表面積差が90%以下であるの
で、平版印刷版としたときの耐汚れ性に優れる。a30
は、70%以下であるのが好ましく、また、10%以上
であるのが好ましい。
均粗さ(Ra ) 「波長0.2〜2μmの成分の算術平均粗さ(Ra )」
は、支持体表面の凹凸構造のうち波長0.2μm未満の
成分(極小波)および波長2μmを超える成分(大波)
の影響を取り除いて得られるRa である。具体的には、
平版印刷版用支持体の表面について、水平(X,Y)方
向の分解能0.1μm、測定範囲50μm角という条件
でAFMによる測定を行って測定断面曲線を求め、この
測定断面曲線から波長0.2〜2μmの成分を抽出した
後、例えば、JIS B0601−1994の規定に準
拠して、算術平均粗さ(R a )を求めることができる。
2μmの成分のRa が、ベタ画像部の非画像部との隣接
部分のくわえ尻側におけるインキの着肉不良と相関を有
することが判明した。即ち、本発明の平版印刷版用支持
体は、波長0.2〜2μmの成分のRa が0.25μm
以下であるので、上記着肉不良が起こりにくい。波長
0.2〜2μmの成分のRa は、0.2μm以下である
のが好ましく、また、0.05μm以上であるのが好ま
しい。
支持体には、以下に例示する感光層、感熱層等の画像記
録層を設けて本発明の平版印刷版用原版とすることがで
きる。画像記録層は、特に限定されないが、レーザ直描
型の画像記録層であるのが本発明の好適な態様である。
レーザ直描型の画像記録層は、特に限定されないが、以
下の(1)〜(9)が好適に挙げられる。
生させる化合物と、酸によって架橋する化合物とを含有
する画像記録層。 (2)赤外線吸収剤と、熱によって酸を発生させる化合
物と、酸によって分解する結合部を有する化合物とを含
有する。 (3)レーザ光照射によってラジカルを発生させる化合
物と、アルカリ可溶のバインダーと、多官能性のモノマ
ーまたはプレポリマーとを含有する層と、酸素遮断層と
の2層を含む画像記録層。 (4)物理現像核層と、ハロゲン化銀乳剤層との2層を
含む画像記録層。 (5)多官能性モノマーと多官能性バインダーとを含有
する重合層と、ハロゲン化銀と還元剤とを含有する層
と、酸素遮断層との3層を含む画像記録層。 (6)ノボラック樹脂とナフトキノンジアジドとを含有
する層と、ハロゲン化銀を含有する層との2層を含む画
像記録層。 (7)有機光導電体を含有する画像記録層。 (8)レーザ光照射によって除去されるレーザ光吸収層
と、親油性層および/または親水性層との2層または3
層を含む画像記録層。 (9)エネルギーを吸収して酸を発生させる化合物と、
酸によってスルホン酸またはカルボン酸を発生させる官
能基を側鎖に有する高分子化合物と、可視光を吸収する
ことで酸発生剤にエネルギーを与える化合物とを含有す
る画像記録層。
版原版は、画像記録層の種類に応じて、従来公知の露光
および現像処理を行って平版印刷版とすることができ
る。中でも、画像記録層がレーザ直描型の画像記録層で
ある場合は、デジタルデータに基づき赤外線レーザーを
照射して所望の画像様に露光し、アルカリ現像液を用い
る方法で現像処理を行うのが好ましい。
は、例えば、カーボンアーク灯、水銀灯、メタルハライ
ドランプ、キセノンランプ、タングステンランプ、ケミ
カルランプが挙げられる。放射線としては、例えば、電
子線、X線、イオンビーム、遠赤外線、g線、i線、D
eep−UV光、高密度エネルギービーム(レーザビー
ム)が挙げられる。レーザビームとしては、例えば、ヘ
リウム・ネオンレーザ(He−Neレーザ)、アルゴン
レーザ、クリプトンレーザ、ヘリウム・カドミウムレー
ザ、KrFエキシマーレーザ、半導体レーザ、YAGレ
ーザが挙げられる。
ルカリ性水溶液であり、従来公知のアルカリ水溶液の中
から適宜選択して用いることができるが、ケイ酸アルカ
リまたは非還元糖と、塩基とを含有するアルカリ水溶液
が好適に挙げられる。
するが、本発明はこれらに限られるものではない。 1.平版印刷版用支持体の製造 (実施例1〜16および比較例1〜4)アルミニウム板
(JIS A1050材)に、以下に示す表面処理を連
続的に施し、各平版印刷版用支持体を得た。なお、各処
理の後には、スプレーによる水洗を行い、また、各処理
および水洗の後にはニップローラで液切りを行った。
剤(パミス)と水との懸濁液を研磨スラリー液としてア
ルミニウム板の表面に供給しながら、回転するローラ状
ナイロンブラシにより機械的粗面化処理を行った。研磨
剤の平均粒径は20μmであった。ナイロンブラシの材
質は6・10ナイロン、毛長は50mm、毛の直径は
0.5mm(8号)であった。ナイロンブラシはφ30
0mmのステンレス製の筒に穴をあけて密になるように
植毛した。回転ブラシは3本使用した。ブラシ下部の2
本の支持ローラ(φ200mm)の距離は300mmで
あった。ブラシローラはブラシを回転させる駆動モータ
の負荷が、ブラシローラをアルミニウム板に押さえつけ
る前の負荷に対して7kWプラスになるまで押さえつけ
た。ブラシの回転方向はアルミニウム板の移動方向と同
じであった。ブラシの回転数は250rpmであった。
7質量%、温度60℃の条件でスプレーによるエッチン
グ処理を行い、アルミニウム板を5g/m2 溶解した。
%、温度35℃、処理時間10秒の条件でスプレーによ
るデスマット処理を行った。
処理 60Hzの矩形波の交流電圧を用いて連続的に電気化学
的粗面化処理を行った。このときの電解液は、硝酸濃度
1質量%、アルミニウムイオン濃度0.5質量%、温度
50℃であった。電流密度は電流のピーク値で15A/
dm2 とし、電気量はアルミニウム板が陽極時の総電気
量で35〜200C/dm2 の間で変更した。
7質量%、温度60℃の条件でスプレーによるエッチン
グ処理を行った。この際、処理時間を変更してアルミニ
ウム板の溶解量を変更した。
量%、温度35℃、処理時間10秒の条件でスプレーに
よるデスマット処理を行った。
処理 60Hzの矩形波の交流電圧を用いて連続的に電気化学
的粗面化処理を行った。このときの電解液は、塩酸濃度
1質量%、アルミニウムイオン濃度0.5質量%、温度
35℃であった。電流密度は電流のピーク値で15A/
dm2 とし、電気量はアルミニウム板が陽極時の総電気
量で50C/dm2 とした。
7質量%、温度60℃の条件でスプレーによるエッチン
グ処理を行った。この際、処理時間を変更してアルミニ
ウム板の溶解量を変更した。
量%、温度35℃、処理時間10秒の条件でスプレーに
よるデスマット処理を行った。
理を行った。電解液としては、硫酸を用いた。電解液
は、いずれも、硫酸濃度15質量%、アルミニウムイオ
ン濃度0.5質量%、温度35℃であった。最終的な酸
化皮膜量は2g/m2 であった。
力顕微鏡(AFM)を用いて、以下のようにして表面形
状の各特性値を測定した。結果を第1表に示す。
示す。 <共通の測定条件> 原子間力顕微鏡(AFM):AFM3800N/SPA
300(S II)、セイコーインスツルメンツ社製 スキャンモード:タッピングモード AFM(DFM) スキャンスピード:0.5Hz(25μm/sec) カンチレバー:AC−160TS、セイコーインスツル
メンツ社製、シリコン製、長さ160μm
向の分解能0.1μm、測定範囲50μm角という条件
でAFMによる測定を行って、近似三点法により求めた
表面積を実面積a1 とし、上部投影面積を見掛け面積a
0 として、下記式から表面積差を求めた。 表面積差(%)=(a1 −a0 )/a0 ×100(%)
(a30) 平版印刷版用支持体の表面について、水平(X,Y)方
向の分解能1.9μm、測定範囲240μm角という条
件でAFMによる測定を行って、三次元データより隣り
合う3点を抽出し、その3点で形成する微小三角形と基
準面とのなす角を全データについて算出し、傾斜度分布
曲線を求め、この傾斜度分布曲線から傾斜度30゜以上
の部分の面積率(a30)を算出した。
均粗さ(Ra ) 平版印刷版用支持体の表面について、水平(X,Y)方
向の分解能0.1μm、測定範囲50μm角という条件
でAFMによる測定を行って測定断面曲線を求め、この
測定断面曲線から波長0.2〜2μmの成分を抽出した
後、JIS B0601−1994に規定されている算
術平均粗さ(Ra )を求めた。
層(a)〜(j)を設け、各平版印刷版原版を得た。各
画像記録層の形成は、以下のようにして行った。
像記録層(a)用塗布液を調製し、上記で得られた平版
印刷版用支持体に塗布し乾燥させて画像記録層を形成さ
せ、平版印刷版原版を得た。 <画像記録層(a)用塗布液の組成> ・カーボンブラック分散液 10質量部 ・4−ジアゾジフェニルアミンとホルムアルデヒド縮合物六フッ化リン酸塩 0.5質量部 ・メタクリル酸、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ベンジルメタクリレー トおよびアクリロニトリルのラジカル共重合体(モル比15:30:40:15 、重量平均分子量10万) 5質量部 ・リンゴ酸 0.05質量部 ・フッ素系界面活性剤(FC−430、米国3M社製) 0.05質量部 ・1−メトキシ−2−プロパノール 80質量部 ・乳酸エチル 15質量部 ・水 5質量部
像記録層(b)用塗布液を調製し、上記で得られた平版
印刷版用支持体に塗布し乾燥させて画像記録層を形成さ
せ、平版印刷版原版を得た。 <画像記録層(b)用塗布液の組成> ・カプリン酸 0.03質量部 ・後述する特定の共重合体1 0.75質量部 ・m,p−クレゾールノボラック樹脂(m/p比=6/4) 0.25質量 部 ・p−トルエンスルホン酸 0.003質量部 ・テトラヒドロ無水フタル酸 0.03質量部 ・下記構造式で表されるシアニン染料A 0.017質量部 ・ビクトリアピュアブルーBOHの対イオンを1−ナフタレンスルホン酸アニ オンにした染料 0.017質量部 ・界面活性剤(メガファックF−177、大日本インキ化学工業社製) 0 .05質量部 ・γ−ブチロラクトン 10質量部 ・メチルエチルケトン 10質量部 ・1−メトキシ−2−プロパノール 1質量部
および滴下ロートを備えた500mL容の三つ口フラス
コに、メタクリル酸31.0g(0.36mol)、ク
ロロギ酸エチル39.lg(0.36mol)およびア
セトニトリル200mLを入れ、氷水浴で冷却しながら
混合物をかくはんした。この混合物にトリエチルアミン
36.4g(0.36mol)を約1時間かけて滴下ロ
ートにより滴下した。滴下終了後、氷水浴を取り去り、
室温下で30分間混合物をかくはんした。
ルホンアミド51.7g(0.30mol)を加え、油
浴にて70℃に温めながら混合物を1時間かくはんし
た。反応終了後、この混合物を水1Lにこの水をかくは
んしながら投入し、30分間得られた混合物をかくはん
した。この混合物をろ過して析出物を取り出し、これを
水500mLでスラリーにした後、このスラリーをろ過
し、得られた固体を乾燥することによりN−(p−アミ
ノスルホニルフェニル)メタクリルアミドの白色固体が
得られた(収量46.9g)。
ートを備えた20mL容の三つ口フラスコに、N−(p
−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド4.6
1g(0.0192mol)、メタクリル酸エチル2.
94g(0.0258mol)、アクリロニトリル0.
80g(0.015mol)およびN,N−ジメチルア
セトアミド20gを入れ、湯水浴により65℃に加熱し
ながら混合物をかくはんした。この混合物に「V−6
5」(和光純薬社製)0.15gを加え、65℃に保ち
ながら窒素気流下で、混合物を2時間かくはんした。こ
の反応混合物に更にN−(p−アミノスルホニルフェニ
ル)メタクリルアミド4.61g、メタクリル酸エチル
2.94g、アクリロニトリル0.80g、N,N−ジ
メチルアセトアミドおよび「V−65」0.15gの混
合物を2時間かけて滴下ロートにより滴下した。滴下終
了後、更に、得られた混合物を65℃で2時間かくはん
した。反応終了後、メタノール40gを混合物に加え、
冷却し、得られた混合物を水2Lにこの水をかくはんし
ながら投入し、30分混合物をかくはんした後、析出物
をろ過により取り出し、乾燥することにより15gの白
色固体の特定の共重合体1を得た。得られた特定の共重
合体1の重量平均分子量をゲルパーミエーションクロマ
トグラフィーにより測定したところ、53,000(ポ
リスチレン標準)であった。
像記録層(c)用塗布液を調製し、上記で得られた平版
印刷版用支持体に塗布し乾燥させて画像記録層を形成さ
せ、平版印刷版原版を得た。 <画像記録層(c)用塗布液の組成> ・カプリン酸 0.03質量部 ・m,p−クレゾールノボラック樹脂(m/p比=6/4) 1質量部 ・p−トルエンスルホン酸 0.003質量部 ・テトラヒドロ無水フタル酸 0.03質量部 ・上記構造式で表されるシアニン染料A 0.017質量部 ・ビクトリアピュアブルーBOHの対イオンを1−ナフタレンスルホン酸アニ オンにした染料 0.017質量部 ・界面活性剤(メガファックF−177、大日本インキ化学工業社製) 0 .05質量部 ・γ−ブチロラクトン 10質量部 ・メチルエチルケトン 10質量部 ・1−メトキシ−2−プロパノール 1質量部
重合層用感光性塗布液および酸素遮断層用塗布液を調製
し、上記で得られた平版印刷版用支持体に光重合層用感
光性塗布液を塗布し乾燥させて光重合層を形成させ、つ
いで、酸素遮断層用塗布液を塗布し乾燥させて酸素遮断
層を形成させ、光重合層と酸素遮断層の2層からなる画
像記録層(d)を有する平版印刷版原版を得た。
500)の3質量%の水溶液
合層用塗布液、感光層用塗布液および酸素遮断層用塗布
液を調製し、上記で得られた平版印刷版用支持体に、重
合層用塗布液を塗布し乾燥させて重合層を形成させ、つ
いで、感光層用塗布液を塗布し乾燥させて感光層を形成
させ、更に、酸素遮断層用塗布液を塗布し乾燥させて酸
素遮断層を形成させ、重合層と感光層と酸素遮断層の3
層からなる画像記録層(e)を有する平版印刷版原版を
得た。
乳剤 0.50質量部 ゼラチンと臭化カリウムと水が入り、水酸化ナトリウム
を加えて常温でのpHを9.5に設定した液を55℃に
加温し、更に下記式(3)で表されるチオエーテル化合
物を硝酸銀全添加量に対して2.0×10-3モル相当の
量で添加した後、反応容器のpAgを9.0に保ちつ
つ、硝酸銀水溶液とヨウ化カリウムおよび硝酸銀の全添
加量に対するロジウムのモル比で2×10-7モルになる
ようロジウムアンモニウムクロライドを含有した臭化カ
リウム水溶液とをpAgコントロールダブルジェット法
で添加してヨウ臭化銀粒子を形成した。ついで、硫酸を
加えて、pHを6.0に設定し、引き続いて、55℃、
pAg=9.3にて、硝酸銀水溶液と、銀に対するイリ
ジウムのモル比で5×10-7モルになるように、ヘキサ
クロロイリジウム(III)酸塩を添加した臭化カリウ
ム水溶液をダブルジェット法で二段添加して、下記の組
成のコア/シェル型ヨウ臭化銀乳剤粒子を作った。
モル%) シェル:純臭化銀 コア/シェル:3/7(銀モル比) 平均ヨウ臭化銀含有率:2.55モル% 平均粒子サイズ:0.30μm
イズ±40%以内に全粒子数の98%が存在していた。
ついで、この乳剤を脱塩処理した後、40℃で保温かく
はんしながら、2種の分光増感色素A(下記式(4))
およびB(下記式(5))の混合メタノール溶液(モル
比A/B=2/1)を、8×10-4mol/molAg
相当量で、添加して15分間保持し、更に、下記式
(6)で表されるチオールのナトリウム塩を6×10-4
mol/molAg相当量添加して5分間かくはん保持
し、ついで乳剤のpHを6.5、pAgを8.8に調節
してハロゲン化銀乳剤とした。
脂層用塗布液および感光層用塗布液を調製し、上記で得
られた平版印刷版用支持体に、樹脂層用塗布液を塗布し
乾燥させて樹脂層を形成させ、ついで、感光層用塗布液
を塗布し乾燥させて感光層を形成させ、樹脂層と感光層
の2層からなる画像記録層(f)を有する平版印刷版原
版を得た。 <樹脂層用塗布液の組成> ・アセトン−ピロガロール液樹脂のナフトキノン−1,2−ジアジド−(2) −5−スルホン酸エステル 5.0質量部 ・クレゾール−ホルムアルデヒド樹脂 10.0質量部 ・メチルエチルケトン 150質量部 ・シクロヘキサノン 122質量部
チン乳剤(Cl:70モル%、Br:30モル%、平均
粒子径:0.28μm、乳剤1000質量部あたりのゼ
ラチン量:55質量部、乳剤1000gあたりのハロゲ
ン化銀含有量:0.85モル) 1000質量部 ・1,3−ジエチル−5−[2−(3−(3−スルホプ
ロピル)べンズオキサゾール−2−イリデン)エチリデ
ン]チオヒダントインナトリウム塩の0.1質量%メタ
ノール溶液 前記塩臭化銀ゼラチン乳剤1000gあ
たり50mL ・4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テ
トラザインデンの0.5質量%アルカリ水溶液 前記
塩臭化銀ゼラチン乳剤1000gあたり100mL ・2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン
の2質量%水溶液 前記塩臭化銀ゼラチン乳剤1000gあたり35mL
(Carey Lea)法により調製した銀ゾルを、乾
燥質量が銀量で5mg/m2 になるように塗布し乾燥さ
せて物理現像核層を形成させ、ついで、40モル%の塩
化物および60モル%の臭化物からなる平均粒子サイズ
が0.3μmの塩臭化銀乳剤(銀塩:ゼラチン(質量
比)=1:1)を、2.0g/m2 塗布し乾燥させてハ
ロゲン化銀層を形成させ、物理現像核層とハロゲン化銀
層の2層からなる画像記録層(g)を有する平版印刷版
原版を得た。
導電層用塗布液および保護層用塗布液を調製し、上記で
得られた平版印刷版用支持体に、光導電層用塗布液を塗
布し乾燥させて光導電層を形成させ、ついで、保護層用
塗布液を塗布し乾燥させて保護層を形成させ、光導電層
と保護層の2層からなる画像記録層(h)を有する平版
印刷版原版を得た。 <光導電層用塗布液の組成> ・Fastogen Blue 8120(大日本インキ化学工業社製、無金 属フタロシアニン) 1.0質量部 ・メチルメタクリレートとメタクリル酸の共重合体(メタクリル酸20モル% ) 10.0質量部 ・テトラヒドロフラン 60質量部 ・シクロヘキサノン 40質量部 <保護層用塗布液の組成> ・ポリビニルブチラール(2000−L、電気化学工業社製) 2.0質量 部 ・ステアリン酸 0.5質量部 ・エタノール 97.5質量部
像記録層(i)用塗布液を調製し、上記で得られた平版
印刷版用支持体に塗布し乾燥させて画像記録層を形成さ
せ、平版印刷版原版を得た。 <画像記録層(i)用塗布液の組成> ・下記式(9)で表されるスルホン酸を発生する官能基を側鎖に有する高分子 化合物 1.0質量部 ・o−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸クロライド 0.1質量部 ・ビクトリアピュアブルーBOHの対イオンを1−ナフタレンスルホン酸アニ オンにした染料 0.05質量部 ・フッ素系界面活性剤(メガファックF−176PF、大日本インキ化学工業 社製) 0.06質量部 ・メチルエチルケトン 10質量部 ・γ−ブチロラクトン 10質量部
で、上記で得られた平版印刷版用支持体の上に、物理現
像核層と乳剤層の2層からなり、銀薄膜が露出した画像
記録層(j)を形成させた。平版印刷版用支持体の上
に、特開昭53−21602号公報の「実施例−2」に
記載の核塗布液(親水性ポリマーとして、前記公報の
「実施例−1」の表中の「No.3」のアクリルアミド
とイミダゾールとの共重合体を4mg/m2 の割合で含
む。)を塗布し乾燥させて物理現像核層を形成させた。
強くかくはんしながら、塩化ナトリウムと臭化カリウム
の混合水溶液(臭化カリウム29.5モル%)および硝
酸銀水溶液を同時に加えることにより、平均粒子サイズ
0.28μmの塩臭化銀乳剤を調製し、0.5モル%/
1モルAgに相当するヨウ化カリウムを添加し、表面置
換させた。これらのハロゲン化銀乳剤粒子を含む乳剤層
を上記の物理現像核層上に塗布し乾燥させた。ハロゲン
化銀乳剤は、塩化銀70%、臭化銀29.5%およびヨ
ウ化銀0.5%からなる、全粒子の90質量%が平均粒
子サイズの±30%以内にある、単分散の塩ヨウ臭化銀
乳剤であった。
で、23℃で20秒間現像を行なった後、直ちに流水で
ゼラチン層を洗い流し(ウォッシュオフ)して、その
後、下記中和液Aにて、室温15秒間処理して、銀薄膜
を露出させ、画像記録層(j)を形成させた。<拡散転
写現像液A>水700mL、水酸化ナトリウム25g、
無水亜硫酸ナトリウム120g、ハイドロキノン25
g、4−ヒドロキシメチル−4′−メチル−3−ピラゾ
リドン4g、エチレンジアミンテトラアセティックアシ
ッド5g、チオ硫酸ナトリウム・5水化物10g、N−
メチルエタノールアミン40g、グリセリン20gに、
水を加えて1Lとしたもの。 <中和液A>水600mL、クエン酸20g、クエン酸
ナトリウム25g、モノエタノールアミン10mL、3
−n−オクチル−5−メルカプトオキサジアゾール0.
6g、エチレングリコール5mLに、水を加えて1Lと
したもの。
endSetter3244を用いて版面エネルギー量
を変更して全面露光した後、実質的にアルカリ金属ケイ
酸塩を含有しない現像液である富士写真フイルム(株)
製のPS版用現像液DT−1を標準使用条件で用いて、
自動現像機900NPにより現像した。感熱層が完全に
除去されたと目視で観察されたときの版面エネルギー量
により感度を評価した。画像記録層(b)を有する平版
印刷版原版についての結果を第1表に示す。版面エネル
ギー量が少なかったものから多かったものまでを順に、
◎、○、○△、△、△×として表した。
nndSetter3244を用いて版面エネルギー量
140mJ/cm2 で像様露光し、実質的にアルカリ金
属ケイ酸塩を含有しない現像液である富士写真フイルム
(株)製のPS版用現像液DT−1を標準使用条件で用
いて、自動現像機900NPにより現像した。得られた
平版印刷版を用い、三菱ダイヤ型F2印刷機(三菱重工
業社製)で、DIC−GEOS(s)紅のインキを用い
て印刷し、1万枚印刷した後におけるブランケットの汚
れを目視で評価した。画像記録層(b)を有する平版印
刷版原版についての結果を第1表に示す。ブランケット
の汚れが少なかったものから多かったものまでを順に、
◎、○、○△、△、×として表した。
た。得られた平版印刷版を、小森コーポレーション社製
のリスロン印刷機で、大日本インキ化学工業社製のDI
C−GEOS(N)墨のインキを用いて印刷し、ベタ画
像の濃度が薄くなり始めたと目視で認められた時点の印
刷枚数により、耐刷性を評価した。画像記録層(b)を
有する平版印刷版原版についての結果を第1表に示す。
印刷枚数が多かったものから少なかったものまでを順
に、◎、○、○△、△、×として表した。
た。得られた平版印刷版を用い、三菱ダイヤ型F2印刷
機(三菱重工業社製)で、DIC−GEOS(s)紅の
インキを用いて印刷し、非画像部中に設けた20mm×
10mmのベタ画像部のくわえ尻側にある非画像部との
境界領域において、画像の欠損、即ち、インキ着肉不良
が発生した枚数により、ベタ画像部の着肉性を評価し
た。結果を第1表に示す。ベタ画像部のインキ着肉不良
が発生した枚数が多かったものから少なかったものまで
を順に、◎、○、○△、△、×として表した。
印刷版用支持体を用いた本発明の平版印刷版原版は、感
度、耐汚れ性、耐刷性およびベタ画像部の着肉性のいず
れにも優れ、バランスがよい(実施例1〜16)。これ
に対し、AFMを用いて求められる表面積差が小さすぎ
る場合(比較例1)は、耐刷性に劣り、AFMを用いて
求められる表面積差が大きすぎる場合(比較例2)は、
感度および耐汚れ性に劣る。また、AFMを用いて求め
られるa30が大きすぎる場合(比較例3)は、耐汚れ
性に劣る。更に、AFMを用いて求められる測定断面曲
線から波長0.2〜2μmの成分を抽出した後の算術平
均粗さが大きすぎる場合(比較例4)は、ベタ画像部の
着肉性に劣る。なお、第1表には示さないが、他の画像
記録層を有する平版印刷版原版についても、同様の傾向
が見られた。
を有する本発明の平版印刷版用支持体を用いれば、感
度、耐汚れ性、耐刷性およびベタ画像部の着肉性のバラ
ンスに優れる平版印刷版原版が得られる。
機械粗面化処理に用いられるブラシグレイニングの工程
の概念を示す側面図である。
電気化学的粗面化処理に用いられる交番波形電流波形図
の一例を示すグラフである。
交流を用いた電気化学的粗面化処理におけるラジアル型
セルの一例を示す側面図である。
陽極酸化処理に用いられる陽極酸化処理装置の概略図で
ある。
Claims (3)
- 【請求項1】アルミニウム板に少なくともアルカリエッ
チング処理、硝酸水溶液中での電気化学的粗面化処理、
0.05g/m2 以上のアルカリエッチング処理および
塩酸水溶液中での電気化学的粗面化処理を順次施して得
られる平版印刷版用支持体であって、支持体表面につい
て、 原子間力顕微鏡を用いて求められる実面積と見掛け面積
との差を見掛け面積で除して得られる表面積差が10〜
90%であり、 原子間力顕微鏡を用いて求められる傾斜度30゜以上の
部分の面積率が75%以下であり、かつ、 原子間力顕微鏡を用いて求められる測定断面曲線から波
長0.2〜2μmの成分を抽出した後の算術平均粗さが
0.25μm以下である平版印刷版用支持体。 - 【請求項2】前記硝酸水溶液中での電気化学的粗面化処
理に用いられる陽極時総電気量が前記塩酸水溶液中での
電気化学的粗面化処理に用いられる陽極時総電気量以上
である請求項1に記載の平版印刷版用支持体。 - 【請求項3】請求項1または2に記載の平版印刷版用支
持体上に画像記録層を設けた平版印刷版原版。
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