JP2001160426A - 色素増感型太陽電池、その製造方法およびこれを用いた携帯用機器 - Google Patents

色素増感型太陽電池、その製造方法およびこれを用いた携帯用機器

Info

Publication number
JP2001160426A
JP2001160426A JP2000159178A JP2000159178A JP2001160426A JP 2001160426 A JP2001160426 A JP 2001160426A JP 2000159178 A JP2000159178 A JP 2000159178A JP 2000159178 A JP2000159178 A JP 2000159178A JP 2001160426 A JP2001160426 A JP 2001160426A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dye
semiconductor layer
layer
conductive layer
charge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000159178A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3777289B2 (ja
Inventor
Satoshi Mikoshiba
智 御子柴
Hiroyasu Sumino
裕康 角野
Maki Yonezu
麻紀 米津
Shuji Hayase
修二 早瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2000159178A priority Critical patent/JP3777289B2/ja
Publication of JP2001160426A publication Critical patent/JP2001160426A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3777289B2 publication Critical patent/JP3777289B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/542Dye sensitized solar cells
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Photovoltaic Devices (AREA)
  • Hybrid Cells (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光電変換効率が高く、軽量で可撓性を有する
色素増感型太陽電池の提供。 【解決手段】 半導体層4の焼結を高耐熱性の犠牲基板
11表面で行い、その後、半導体層4表面に導電層2お
よび支持基板4を形成し、得られた積層体と対向電極5
を形成した対向基板10とを電荷輸送層3を介して積層
することで、支持基板4に耐熱性の低いプラスチックな
どを使用でき、色素増感型太陽電池の軽量化を図ること
ができる。また、半導体層4中の不純物が支持基板側に
濃縮されるため、半導体層4の対向電極側の不純物濃度
が低下し、光電変換効率を向上させることが可能にな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光増感型太陽電
池、その製造方法およびこれを用いた携帯用機器に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、透明半導体層表面に色素を担持
させた電極を用いた光増感型太陽電池には、たとえば特
開平1−220380号公報に記述されるように微粒子
状の金属酸化物を焼結することにより得られる微細構造
を持つ透明半導体電極が用いられる。これらの透明半導
体膜を色素を含有した液体に浸漬し、透明半導体膜表面
に色素を吸着させた後に液状の電荷輸送層を対向電極と
で挟み込むことにより湿式光化学電池が得られている。
【0003】得られた光化学電池は以下の過程を経て動
作する。すなわち、透明電極側より入射した光が透明電
極および透明半導体膜を通して透明半導体膜表面に担持
された色素に到達し、この色素を励起する。励起した色
素はすみやかに透明半導体膜へ電子を渡す。透明半導体
膜へ渡った電子は透明電極へ到達する。正に帯電した色
素は電荷輸送層より拡散により到達するイオンから電子
を受け取り中和する。電子を渡したイオンは対向電極ま
で拡散し、電子を受け取る。この透明電極と対向電極を
それぞれ負極、正極とすることにより湿式光化学電池と
して動作する。
【0004】このようにして得られた太陽電池は太陽光
の変換効率が約10%程度である。しかし、実用化にあ
たってはより一層の高効率化が求められている。
【0005】また、この太陽電池は微粒子状金属酸化物
または金属などを焼結し、ポーラスn型半導体を形成す
るときに450℃以上の加熱工程が必要であるため用い
る基板は450℃以上の耐熱性を持つガラス基板が一般
的に用いられてきた。しかし、ガラス基板はプラスチッ
クなどに対し重く、破損しやすいなどの問題があり、持
ち運びなどを頻繁に行う携帯用機器に用いる太陽電池や
屋根上に設置する太陽電池には軽量かつ破損しにくいプ
ラスチックを基板に用いた太陽電池が求められている。
また、携帯用機器においては広い平面が確保できず、ま
たガラス基板を用いた光増感型太陽電池は可撓性がなく
曲面に形成することが困難なため、携帯機器に搭載する
ことが困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の色素増感型太陽電池は、高効率化、軽量化、さらには
可撓性が求められている。
【0007】本発明はこのような問題に鑑みて為された
ものであり、光電変換の効率化、軽量化、あるいは可撓
性を付与することが可能な色素増感型太陽電池、その製
造方法、さらにはこれを用いた携帯用機器を提供するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】導電層と、色素粒子を担
持し、光照射によって励起された電子および正孔のう
ち、いずれか一方の第1の電荷を前記導電層に伝導する
半導体層と、前記導電体層との間に、前記電子および正
孔のうち他方の第2の電荷を伝導する電荷輸送層を挟持
する電極と、前記導電層および前記電極の少なくとも一
方の面に形成された支持基板とを有する色素増感型太陽
電池の製造方法において、犠牲基板上に少なくとも前記
半導体層を形成する半導体形成工程と、前記半導体層を
介して前記支持基板を形成する工程と、前記犠牲基板を
除去する工程とを有することを特徴とする。
【0009】また、本発明の色素増感型太陽電池の製造
方法は、表面に色素を担持し、光照射によって前記色素
から発生する電子および正孔のうち、いずれか一方の第
1の電荷を伝導する半導体層と、前記半導体層によって
伝導された前記第1の電荷を集電する導電層と、前記半
導体層および前記導電層を支持する支持基板と、前記色
素に接触配置され、前記光照射によって発生した電子お
よび正孔のうち、他方の第2の電荷を輸送する電荷輸送
層と、前記半導体層とで前記電荷輸送層を挟持するよう
に配置され、前記電荷輸送層から供給される前記第2の
電荷を集電する電極とを有する色素増感型太陽電池の製
造方法において、犠牲基板上に前記半導体層およびを導
電層を形成する工程と、前記犠牲基板上に前記半導体層
および導電層を介して支持基板を形成する工程と、前記
犠牲基板を除去する工程とを有することを特徴とする。
【0010】前記導電層形成工程は、前記半導体層表面
に前記導電層をエピタキシャル成長させることが好まし
い。
【0011】前記支持基板は、可撓性基板とすることが
好ましい。
【0012】本発明の第1の色素増感型太陽電池は、表
面に色素を担持し、光照射によって前記色素から発生す
る電子及び正孔のうち、いずれか一方の第1の電荷を伝
導する半導体層と、前記半導体層によって伝導された前
記第1の電荷を集電する導電層と、前記半導体層および
前記導電層を支持する支持基板と、前記色素に接触配置
され、前記光照射によって発生した電子及び正孔のう
ち、他方の第2の電荷を輸送する電荷輸送層と、前記半
導体層とで前記電荷輸送層を挟持するように配置され、
前記電荷輸送層から供給される第2の電荷を集電する電
極とを有する色素増感型太陽電池において、前記半導体
層中に残留する炭素または珪素の濃度が、前記導電層側
の濃度より前記電荷輸送層側の濃度が低いことを特徴と
する。
【0013】本発明の第2の色素増感型太陽電池は、表
面に色素を担持し、光照射によって前記色素から発生す
る電子及び正孔のうち、いずれか一方の第1の電荷を伝
導する半導体層と、前記半導体層によって伝導された前
記第1の電荷を集電する導電層と、前記半導体層および
前記導電層を支持する支持基板と、前記色素に接触配置
され、前記光照射によって発生した電子及び正孔のう
ち、他方の第2の電荷を輸送する電荷輸送層と、前記半
導体層とで前記電荷輸送層を挟持するように配置され、
前記電荷輸送層から供給される第2の電荷を集電する電
極とを有する色素増感型太陽電池において、前記電荷輸
送層は、前記導電層および前記半導体層から形成される
連続した面と接することを特徴とする。
【0014】本発明の第3の色素増感型太陽電池は、細
孔を有し、かつこの細孔表面に色素を担持し、光照射に
よって前記色素から発生する電子及び正孔のうち、いず
れか一方の第1の電荷を伝導する半導体層と、前記半導
体層によって伝導された前記第1の電荷を集電する導電
層と、前記半導体層および前記導電層を支持する支持基
板と、前記色素に接触配置され、前記光照射によって発
生した電子及び正孔のうち、他方の第2の電荷を輸送す
る電荷輸送層と、前記半導体層とで前記電荷輸送層を挟
持するように配置され、前記電荷輸送層から供給される
第2の電荷を集電する電極とを有する色素増感型太陽電
池において、前記導電層は前記細孔内部に入り込む構造
であることを特徴とする。
【0015】本発明の色素増感型太陽電池に用いる前記
支持基板は、プラスチック基板とすることができる。
【0016】本発明の携帯用機器は、前記プラスチック
基板を用いた色素増感型太陽電池を搭載することを特徴
とする。
【0017】すなわち、本発明の色素増感型太陽電池の
製造方法は、半導体層を形成した後に支持基板を形成す
ることを特徴としており、このようにすることで、半導
体層形成時の高温処理による支持基板への影響が無くな
るために、耐熱性の低い材料を支持基板として使用でき
るため、プラスチックなどの軽量で、可撓性を有する支
持基板の使用が可能になる。
【0018】その結果、平坦な場所を広く確保できない
携帯用機器などにおいても、曲面部に色素増感型太陽電
池を設置することが可能になり、また携帯用機器の軽量
化を図ることが可能になる。
【0019】また、半導体層の電極と対向する面の平坦
性は、犠牲基板の平坦性に応じて決定されるために、平
坦な擬似基板を使用することで、半導体層の電極と対向
する面を平坦化することが可能になり、半導体層と電極
との距離を容易に一定化することが可能になる。
【0020】さらに、本発明者らは、半導体層形成時の
高温処理時に、半導体材料中に存在する炭素あるいは珪
素が基板側に濃縮され、得られた色素増感型太陽電池の
結果光電変換効率が高くなることを確認した。この理由
は、半導体層と色素との接触部の炭素あるいは珪素濃度
が少なくなり、色素から半導体層への電荷供受を阻害す
る要因が少なくなったためであると思われる。
【0021】また、前述したようにして製造すると、ポ
ーラスな半導体層の細孔中に導電層を形成する導電性材
料の一部が進入させることが可能なため、導電層と半導
体層との接触面積を大きくすることが可能になり、半導
体層と導電層との界面の電気抵抗を減少させ光電変換効
率を向上させることが可能になる。
【0022】さらに導電層を半導体層上にエピタキシャ
ル成長させると、導電層の結晶性と半導体層の結晶性と
が類似してくるために、両者の界面での電荷の供受が速
やかに行われ、光電変換効率を向上させることが可能に
なる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照し、本発明の実
施形態について説明する。
【0024】図1に、本発明の色素増感型太陽電池の一
例を示す断面図である。
【0025】図1に示す色素増感型太陽電池は、透明性
プラスチック基板からなる支持基板1、白金薄膜などの
導電層2、二酸化チタンなどの酸化物半導体で形成され
た多孔体からなる半導体層4および半導体層4の細孔表
面に付着する色素(図示せず)からなる積層体と、対向
基板11表面に対向電極5を形成した積層体とを、ヨウ
素などを溶解した溶媒からなる電荷輸送層3を挟んで配
置している。
【0026】色素に対して励起光を照射すると、色素か
ら電荷(電子および正孔)が発生し、第1の電荷(この
場合は電子)は半導体層4を介して導電層2へ取り出さ
れる。一方、色素から発生した第2の電荷(この場合は
正孔)は電荷輸送層3中のヨウ素から電子を受け取って
中和され、電子を失ったヨウ素はイオン化した状態で対
向電極場で拡散し、対向電極から電子を受け取る。すな
わち、色素から発生した正孔は、電荷輸送層によって対
向電極へ輸送される。このようにして導電層2を負極、
対向電極を正極とした電池として機能する。
【0027】次に、図2に本発明の色素増感型太陽電池
の製造方法の一例を示す。
【0028】まず犠牲基板11を準備し(図2a)、こ
の犠牲基板11上で半導体層4を形成する(図2b)。
半導体層4を覆うように導電層2を形成し(図2c)、
さらにその導電層2上に接着剤等を用いて支持基板1を
固定する(図2d)。次にエッチングなどの化学的手
法、あるいは力による物理的な手法を用いて半導体層4
を犠牲基板11から除去した後(図2e)、半導体層4
表面に色素を付着させる。さらに対向基板10表面に対
向電極5を積層した積層体を準備し(図2f)、電荷輸
送層3を挟持する(図2g)。
【0029】以下により詳細に説明する。
【0030】まず、本発明に係る犠牲基板11は、製造
工程中にのみ使用され、最終的には除去されるものであ
る。
【0031】この犠牲基板11は後に加熱され、さらに
除去されることを考慮して、半導体層を焼成する程度の
温度まで耐熱性があり、さらに容易に剥離できるものを
選択することが望ましく、例えば、アルミニウム、銅な
どの金属や、アルミナ、シリカ、チタニア、マグネシ
ア、ジルコニア、ハイドロゲンシルセスオキサンや窒化
アルミニウムなどの無機酸化物や窒化物など、ポリイミ
ド、ポリキノリン、ポリイミダゾール、ポリオキサゾー
ルなどの耐熱性有機物のいずれの材料でも適用可能であ
る。また、耐熱性を有するバルク材表面に金属薄膜を形
成した基板を用いることも可能であり、この場合エッチ
ングによる除去を容易にするために、多孔質のバルク上
に形成することが望ましい。
【0032】この犠牲基板11上に半導体電極層を形成
する。半導体電極を形成する物質は例えば一般に公知の
n型酸化物半導体材料を選択することで電子を移動させ
ることができる。具体的には、チタン、ニオブ、スズ、
亜鉛、タンタル等の遷移金属酸化物、あるいはSrTi
3、BaTiO3、CaTiO3などのペロブスカイト
系酸化物などを挙げることができる。また、これらの酸
化物に電子伝導性を向上させるために他の元素がドーピ
ングされたものや、酸素欠陥を含むものなども選択可能
である。特に酸化チタン(TiO2)は、その材料費が
安価なこと、種々の粒径の材料が入手可能であること、
特性が安定しており取り扱いが容易であること、結晶表
面に水酸基を持っており色素吸着が容易であること、可
視域に吸収が少なく増感色素の太陽光吸収の妨げになら
ないなどの理由からもっとも有用な材料である。また、
その構成相もルチル、アナターゼ、ブルッカイト相など
の結晶相でもアモルファス相でもまたこれら結晶相とア
モルファス相の混合相でも適用可能である。また、半導
体層の厚さは0.1μm〜100μm程度にすればよ
い。半導体層の厚さが厚すぎると太陽電池セル全体の抵
抗が高くなり効率が低下する恐れがあり、薄すぎると色
素の吸着量が少なく太陽光の吸収量が低下しエネルギー
変換効率が低下する恐れがある。また多孔体など、比表
面積を大きくし、色素の付着できる面積を大きくするこ
とが好ましい。
【0033】半導体層4の形成方法としては、CVDや
PVDなどの気相法、電解析出などの液相法、市販の金
属酸化物粉末を溶剤とバインダー、界面活性剤等を用い
てペースト化し、これを塗布する方法などの固相法のい
ずれもが選択可能である。一般的には、市販の金属酸化
物粉末をペースト化し、これをスキージ印刷法やスクリ
ーン印刷法などを用いて所望の厚さに犠牲基板上に塗布
し、乾燥後所定の条件で熱処理を行うが最も簡便な方法
である。また、半導体層の膜厚を所望の値とするため
に、ペーストの塗布および乾燥を複数回繰り返しても良
い。原料としては市販の金属酸化物粉末を用いる代わり
に有機金属化合物を原料としたゾルゲル法で独自に所望
の微粒子を合成し、これをペースト化して犠牲基板上に
塗布する方法も適用できる。熱処理条件は、焼成後に得
られる半導体電極の微構造を考慮してその温度や時間、
雰囲気などが選ばれるが、錯体色素吸着サイトとして有
効なn型酸化物半導体微粒子の表面積の、電極の投影面
積に対する比(ラフネスファクター)が20以上、より
好ましくは100以上となるように選ぶのが望ましく、
通常150℃〜800℃程度の温度域で、0.5hr〜
8hr程度の加熱を行えばよい。
【0034】このようにして得られた半導体層4の対向
電極4に対向する側の面は、犠牲基板11の表面状態に
応じて平坦化できるため、平坦面を有する支持基板を選
択することで、容易に平坦化することが可能となる。そ
の結果、電荷輸送層3を形成する材料の注入を均一に行
うことができ、また、対向電極とのギャップを一定化す
ることが可能なため、局所的に電荷の移動が集中するよ
うなことが無くなり、光電効率が向上する。
【0035】また、本発明者らは、前述の半導体層の熱
処理時に、半導体中に混入する炭素や珪素などの不純物
が半導体層表面、すなわち色素増感型太陽電池に組み上
げた際の導電層2側に濃縮され、対向電極4側の不純物
量が低減されることを確認した。半導体層4に付着する
色素の量は、後述するが半導体層4の対向電極2側に多
く付着する傾向にあるため、半導体層4の対向電極2側
に不純物元素が混入すると色素と半導体層4との間の電
子の供受が速やかに行われなくなり、光電変換効率が低
下する。すなわち、本発明に係る半導体層4において
は、半導体層4の対向電極2側に不純物元素量が低減さ
れているために光電変換効率を向上させることが可能に
なる。
【0036】引続き半導体層4上に導電層2を形成す
る。形成方法としては、CVD法やスパッタ法、蒸着、
メッキ、原料溶液を含浸後焼成するなど種々の方法が選
択可能で特に限定されない。導電層を形成する材料とし
ては、導電材料であれば特に制限されないが、導電層を
介して色素に励起光を照射することを考えると、透明性
材料を選択することが好ましく、酸化スズ(SnO2
フッ素がドープされたものも含む)、ITO(In−S
n−O)あるいはAlをドープした酸化亜鉛などの金属
酸化物、あるいは透光性を有する範囲の厚みのAu、P
t、Ag、Cu、Alなどの金属も利用可能である。こ
のように、透明性と導電性を考慮して、通常0.001
μm〜3μm程度の膜厚に形成される。また、透明導電
膜電極にその抵抗を低下させるために入射光の妨げにな
らない程度の細い金属配線を混在させることも可能であ
る。
【0037】このようにして多孔体状の半導体層表面に
導電層を形成した時に、次のような効果が得られる。
【0038】まず、対向電極5に対面する側の半導体層
4および導電層2の面は、犠牲基板11面上に形成され
るため、連続した平面となるために、その後電荷輸送層
3や対向電極5などと組み立てられる際の作業を簡略化
できる。また構造上電解液と集電電極が接触する面積が
少なくなるため電気的なロスが少なくなる。
【0039】次に、微細孔を有する多孔体などポーラス
な半導体層4の上に導電層2を形成するため、まず半導
体層4の微細孔内部に導電材料が形成されはじめ、やが
て半導体層4を覆う形で平面上に形成される。この結果
として、微細孔内部にまで導電材料が形成された導電層
を形成することが可能となる。導電層2が半導体層4の
微細孔内に入ると、導電層2と半導体層4の間の物理的
な接触面積が増加すると共に透明導電膜がいわゆる集電
効果を持ち、結果として増感色素で生成した電子が半導
体層4を伝わり、それが導電層2へと伝達される際の抵
抗成分を著しく低下させることが可能となる。この結
果、電子が正孔と再結合するのを防止し、取り出される
電流量が増加し、変換効率を高めることができる。
【0040】さらに、半導体層4を形成する微粒子とこ
れに接して形成される導電層結晶の間に結晶面の整合性
があるとさらに上記の効果が増す。すなわち、従来の手
法ではただ単純に半導体微粒子を導電膜層上に塗布し、
これを焼成しただけであるため、基本的に半導体微粒子
と導電層の間には結晶面においてなんら相関関係は得ら
れない。その結果、電子の移動が界面で妨げられ、電子
とホールの再結合が起こりやすくなり、外部に取り出さ
れる電流の量が著しく低下する問題を内包していた。前
述したように半導体層4を形成した後に導電層2を形成
した場合、特にCVD法やスパッタ法で作製した場合に
は気相を介して透明導電体材料が成長するため、半導体
微粒子の上にその結晶面を反映した形で成長を始める傾
向が高くなる。その結果として、半導体微粒子と導電層
2を構成する結晶の間に面の整合性を持った成長、いわ
ゆる"エピタキシャル成長"が起こりやすくなり、その結
果、電子の伝達に有利な界面構造が形成できる。この結
晶面の整合性をさらに起こりやすくするためには、導電
層2を形成する際に、犠牲基板11および半導体層4を
加熱しながら行うとさらに望ましい。好ましくは100
℃以上、より好ましくは150℃以上の温度で導電層2
を形成することが望ましい。なお、半導体微粒子と導電
層2を構成する結晶の間にその成長面に関して何らかの
面関係が成り立っているかどうかは、界面のTEM観察
を行うことで確認することが可能である。
【0041】また、上記のように半導体層4に導電層2
が一部入り込んだ構造を形成することにより二次的な効
果で光電変換効率が高められることがわかった。すなわ
ち、従来の方法では導電層2の半導体層4側は平らであ
り、入射してきた太陽光は散乱されることなくn型酸化
物半導体層へと入射していく。また、半導体層4も10
0nm以下の非常に微細な粒子から構成されているため
に光の散乱効果が少なく、結果として入射した太陽光が
錯体色素に吸収される確率が少ないままに透過してしま
うことが多いために変換効率を高められなかった。しか
しながら、前述した方法で導電層2が一部半導体層4の
微細孔内部に入り込んだ形を形成できると、透明導電膜
層とn型酸化物半導体電極層の間で入射してきた太陽光
の散乱が起こりやすくなり、太陽光が散乱されることで
錯体色素での光吸収の確率を高めることができ、結果と
して光電変換効率を高めることができる。このようなこ
とを考慮すると、導電層2の半導体層4側の表面の面積
が、透明導電膜層の投影面積に対する比(ラフネスファ
クター)が3以上、より好ましくは5以上になると上記
の光散乱効果が著しく高くなり望ましい。なお、導電層
2のラフネスファクターの測定は、微構造の断面TEM
観察から実際に求めることも可能であり、一方化学的な
分析から求めることも可能である。すなわち平坦なガラ
ス基板上と本発明の半導体層4上に同じ厚さだけ透明導
電膜を析出させ、その後化学的に導電層4を溶解させ、
ICP発光分析などの定量的な手法により導電層4を形
成する元素の濃度を求め、双方の試料に含まれる元素濃
度の比と導電層4の密度、および半導体層4の平均気孔
半径などを用いて計算により求めることも可能である。
【0042】以上のような方法で犠牲基板上に半導体層
4と導電層2とを形成した後、実際に太陽電池の支持基
板1として使用する基板を接着剤、重合ポリマーあるい
はホットプレスなどの手法を用いて透明導電膜上に接着
して固定する。
【0043】支持基板1としては、形成される色素増感
型太陽電池を支持し得るものであれば特に限定されない
が、支持基板11を介して色素に光を照射させる場合に
は、透光性の高い材料を使用することが好ましい。支持
基板11に使用できる具体的な材料としては、ガラスや
透光性アルミナなどの無機材料あるいはポリエチレン、
ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリプロピ
レン、ポリエチレンテレフタレートなどの有機材料が挙
げられる。
【0044】特に上述の方法では、半導体層4形成時の
加熱処理を施した後に支持基板を形成しているために、
従来耐熱性の問題から使用することが困難であった有機
材料が使用できる利点があり、これにより色素増感型太
陽電池を軽量化し、また可撓性を付与することが可能に
なる。また、導電層2上に直接重合性のモノマーやオリ
ゴマーを塗布し、熱重合、ラジカル重合、アニオン重
合、カチオン重合などの重合方法で基板を形成すること
も可能である。
【0045】支持基板1を導電層2上に固定した後、エ
ッチングや剥離法を用いて半導体層4と導電層2を犠牲
基板11から除去する。エッチングを用いる場合、犠牲
基板11の材料と半導体層4および導電層2を構成する
材料との溶解特性の違いを考慮してエッチング液が選択
される。塩酸、硫酸、硝酸、ふっ酸、パラトルエンスル
ホン酸などの有機、無機の酸、および水酸化ナトリウム
水溶液、水酸化カリウム水溶液、アンモニア水溶液、テ
トラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液などの塩基
性の溶液を用いることができる。
【0046】犠牲基板を除去し、支持基板11上に導電
層2と半導体層4が形成された積層体が得られた後は、
従来と同様の方法で色素増感型太陽電池が作製できる。
【0047】まず半導体層4に励起光に照射され電子お
よび正孔を生成する増感色素を吸着させる。増感色素は
太陽光などの照射光を吸収し励起状態になり、その内部
に電子と正孔を生成するものならば特に限定されない
が、太陽光を利用する場合には太陽光の波長分布と近い
光吸収特性を有する材料が望ましく、また半導体層4に
電子を効率よく注入するためには、増感色素のLUMO
準位のエネルギー位置が半導体層4を構成する材料の伝
導帯のそれと同じか、あるいはエネルギー的に高い位置
に存在することが望ましい。具体的にはルテニウム、オ
スミウム、鉄などの金属錯体が代表例として挙げられ
る。配位子は特に限定されないが、二座や三座あるいは
全座のポリピリジル化合物であり、特にカルボキシル
基、ヒドロキシル基、スルホン基、シアノ基、メルカプ
ト基などの酸化チタン表面の水酸基と結合可能な置換基
を有するものが望ましい。
【0048】半導体層4表面に色素を付着させる方法
は、例えば、色素を溶解した適当な溶媒を用意し、この
溶媒を半導体層4に塗布したり、あるいは溶媒中に半導
体層4を浸漬することで半導体層4表面に色素を吸着さ
せ、その後溶媒成分を揮散させることで、半導体層4に
色素を付着させることができる。また、色素吸着を促進
するために加温や還流などの手法を用いることも可能で
ある。ただし、このような方法で色素を付着させた場
合、半導体層4表面の色素量に比べ、支持基板11近傍
の微細孔中に付着する色素量は、一般に少なくなる傾向
にある。
【0049】電荷輸送層としては液体、疑似液体(ゲル
など)、固体の電荷輸送材のいずれのものも利用可能で
ある。イオン導電性材料としては、ヨウ化物、臭化物、
キノン錯体、TCNQ錯体などを含む電解質溶液、架橋
ポリアクリル樹脂誘導体、架橋ポリアクリロニトリル誘
導体などをマトリックスとして電解質溶液を含浸させた
高分子ゲル電解質、高分子アンモニウム塩などの溶融塩
電解質が用いられる。また、正孔もしくは電子移動材料
なども適用でき、金属フタロシアニン、ペリレンテトラ
カルボン酸、ペリレンやコロネンなどの多環芳香族、テ
ロラシアノキノジメタンなどの電化移動錯体などの結晶
性材料、あるいはトリス(8−キノリノラト)アルミニ
ウム錯体(Alq3)、ジアミン、ポリピロール、ポリアニ
リン、ポリフェニレンビニレンなどのアモルファス導電
性高分子なども適用可能である。なお、電解質溶液を用
いた場合、多孔質セラミックスやポリ(フッ化ビニリデ
ン)などの有機多孔質物質に含浸させることも可能であ
るし、支持基板側の積層体と対向基板側の積層体間にス
ペーサーとなる粒子を介して間隔を制御して配置し、電
解液を注入するための孔を残して周囲をエポキシ樹脂な
どで封止した後、電荷輸送材料である電解質溶液を両積
層体間に充填して注入孔を封止してもよい。固体電解質
の場合には、半導体層4に含浸させるために、固体電解
質のガラス転移温度あるいは融点以上に加熱し、軟化、
あるいは溶融させて固体電解質と半導体層4を接触さ
せ、必要に応じて加圧することで良好な接合を実現でき
る。
【0050】対向電極5としては、白金や金、銀などの
貴金属材料の他、銅やアルミニウムなどの金属材料、さ
らには先述の酸化スズやITOなどの透明導電性材料が
選択可能である。特性の経時変化、抵抗率ならびに薬品
に対する化学的安定性を考慮すると貴金属材料が最も好
適である。
【0051】このようにして得られた色素増感型太陽電
池は、前述したようにプラスチックなどの支持基板を使
用できるために、従来の太陽電池と異なり軽量かつガラ
スの飛散などのない安全なパネルを供給できる。また、
プラスチックフィルム上に形成することで従来にない加
工性のよい可撓性太陽電池を提供できる。このような特
徴からPHSや携帯電話、PDAなどの携帯情報端末な
ど携帯機器の電源として用いると重量の増加を防ぐこと
ができる。また、光透過性の特徴から携帯情報端末の液
晶またはEL表示上部に太陽電池セルを組み込むことも
できる。また、可撓性を有するため曲面である自動車の
窓ガラスや時計の風防ガラス、携帯電話の表示部などに
組み込むこともできる。また電子機器に組み込まれるフ
レキシブルプリント基板上に太陽電池を形成することも
でき電子回路を設けると同時に同基板上に可撓性太陽電
池を形成することができる。これにより電子機器の実装
プロセスが大幅に簡素化できる。
【0052】上記携帯機器の一例として図3に携帯電話
の概略図を示す。
【0053】図3に示すように、携帯電話外装13の曲
面状の頭頂部表面に可撓性太陽電池14を貼り付け、携
帯電話の使用時に使用者の手などによって太陽電池への
光照射が妨げられることがない。
【0054】
【実施例】実施例1 平均一次粒径が30nmの高純度酸化チタン(アナター
ゼ)粉末(日本エアロジル社製P25)12gを純水4
ml、アセチルアセトン0.4mlとともに混練し、さ
らに界面活性剤(Fluka社製Triton X100)で安定
化させた。その後、純水16mlを加え半導体層を形成す
るためのペーストを作製した。
【0055】10μmのアルミニウム箔からなる犠牲基
板を準備し、厚さ30μm、内側寸法で縦2.2cm×
横2.2cmの枠状のスぺーサーを犠牲基板上におき、
作成したペーストを枠状スペーサーの内側全面にスキー
ジで塗布した。
【0056】塗布されたペーストをドライヤーで乾燥さ
せた後、窒素雰囲気下、温度450℃で30分間熱処理
を行って厚さ2μmの酸化チタン(アナターゼ)からなる
n型半導体層を形成した。
【0057】得られた半導体層表面にフッ素ドープした
SnOをスパッタによって100nm積層し導電層を
形成した。
【0058】この導電層上にエポキシ樹脂(油化シェル
エポキシ社製Ep828 10g、三新化学社製サンエイドSI-1
00(エチレングリコール溶液)1g)からなる接着剤を介
して、ポリエーテルスルホン(PES)フィルムからなる
支持基板を配置し、120℃で30分加熱し接着した。
【0059】このようにして得られた積層体の犠牲基板
を濃塩酸水溶液からなるエッチング液を用いて5分間エ
ッチングすることでアルミニウム箔を溶解し導電層付き
プラスチック基板上にn型半導体層であるポーラスチタ
ニアを形成した積層体を得た。このn型半導体層のラフ
ネスファクターは1500であった。ラフネスファクタ
ーは、基板の投影面積に対する、窒素吸着量から求め
た。
【0060】次にシス−ビス(イソチオシアナト)−N,
N−ビス(2,2'−ジピリジル−4,4'−ジカルボン
酸)−ルテニウム(2)二水和物)(色素A)の3×10
-4M無水エタノール溶液(温度約80℃)に4時間浸漬
したのち、アルゴン気流中で引き上げることにより、電
極表面にルテニウム錯体を担持させた。
【0061】対向電極として白金を表面に付着させたI
TO層を形成したポリエーテルスルホンからなる対向基
板を、直径が20μmのスペーサーを利用して前述のn
型半導体電極を作製した基板上に設置し、周囲を電解液
注入口を残してエポキシ系樹脂で固めて固定した。注入
孔からよう化テトラプロピルアンモニウム0.5M、よ
う化カリウム0.02M、およびヨウ素0.03Mのア
セトニトリル/炭酸エチレン混合溶媒電解質溶液からな
る電荷輸送材料を注入した。注入後、エポキシ樹脂を封
孔して色素増感型太陽電池セルを作製した。
【0062】作製した太陽電池セルに擬似太陽光を10
0mW/cm2の強度で照射してその光電変換効率を求
めたところ光電変換効率12.5%が得られた。その
後、分解しポーラスチタニアのカーボン残留量を測定し
た結果、電極付近は50ppmであったのに対し対向電
極側表面付近は5ppmと対向電極側表面付近のカーボ
ン残留量が少なかった。
【0063】このようにして得られた太陽電池セルはフ
レキシブルであり重量は従来法によって形成したガラス
基板太陽電池の50%程度であった。
【0064】実施例2 細孔径約0.2μmのポーラスアルミナ薄膜上に珪素系
コーティング剤(東レダウコーニング社製FOx-15)を
含侵させ窒素雰囲気下450℃で30分焼成し、犠牲基
板を作成した。
【0065】この犠牲基板上に、実施例1と全く同様に
して半導体層、導電層および支持基板を形成した。
【0066】その後、4%フッ酸水溶液で5分間エッチ
ングすることで犠牲基板を除去し、導電層付きプラスチ
ック基板上にポーラスチタニアからなるn型半導体層を
形成した積層体を得た。このn型半導体電極のラフネス
ファクターは1500であった。ラフネスファクター
は、基板の投影面積に対する、窒素吸着量から求めた。
【0067】この半導体層表面に実施例1と同様にして
色素を担持させた。
【0068】対向電極として白金を表面に付着させたフ
ッ素ドープSnO層を形成したポリエーテルスルホン
からなる対向基板を、直径が15μmのスペーサーを利
用して前述のn型半導体電極を作製した基板上に設置
し、周囲を電解液注入口を残してエポキシ系樹脂で固め
て固定した。注入孔からよう化テトラプロピルアンモニ
ウム0.5M、よう化カリウム0.02M、ヨウ素0.
03Mのアセトニトリル/炭酸エチレン混合溶媒電解質
溶液からなる電荷輸送材を注入した。注入後、エポキシ
樹脂を封孔して色素増感型太陽電池セルを作製した。
【0069】得られた太陽電池セルを実施例1と同様に
して光電変換効率およびポーラスチタニアのカーボン残
留量を調べた。その結果、光電変換効率は12.5%、
カーボン残留量は電極付近で45ppm、対向電極側表
面付近で4ppmであった。
【0070】このようにして得られた太陽電池セルはフ
レキシブルであり重量は従来法によって形成したガラス
基板太陽電池の50%程度であった。
【0071】実施例3 犠牲基板を取り外すエッチング溶液を5%NaOH水溶
液に変更し5分間エッチングしたことを除き実施例2と
同様にして太陽電池セルを作製したところ実施例2と同
等の性能をもつ太陽電池セルを作製することができた。
【0072】実施例4 4cm×4cmの平らな素焼き板に珪素系コーティング
剤 (東レダウコーニング社製FOx−15)を含侵さ
せ窒素雰囲気下450℃で30分焼成し犠牲基板を作成
した。
【0073】このようにして得た犠牲基板上に、実施例
1で用いたチタニア微粒子含有ペーストを厚さ30μ
m、内側寸法が縦3cm×横3cmのスぺーサーをおき
スキージで塗布した。これをドライヤーで乾燥させたの
ち窒素雰囲気下、温度450℃で30分間熱処理を行っ
て厚さ2μmの酸化チタン(アナターゼ)からなるn型半
導体層を形成した。
【0074】半導体層上に金をスパッタによって100
nm積層し導電層を形成した。
【0075】この導電層表面に実施例1と同じエポキシ
樹脂を用いて、支持基板となるアクリル板を120℃で
30分加熱することで接着した。
【0076】その後、4%フッ酸水溶液で5分間エッチ
ングすることで犠牲基板を切り離し、導電層付きアクリ
ル板上にポーラスチタニアが形成された積層体を作成し
た。このn型半導体電極のラフネスファクターは150
0であった。ラフネスファクターは、基板の投影面積に
対する、窒素吸着量から求めた。
【0077】次にトリス(イソチオシアナト)−ルテニウ
ム(II)−2,2‘;6'2‘'−テルピリジル−4,
4'、4''−トリカルボン酸(色素B)が溶解した3×
10-4M乾燥エタノール溶液(温度約80℃)に4時間
浸漬したのち、アルゴン気流中で引き上げることによ
り、電極表面にルテニウム錯体を担持させた。
【0078】対向電極としての1nm厚の白金を表面に
付着させた膜厚600nmのフッ素ドープSnOを、
対向基板としてのアクリル基板を、直径が15μmのス
ペーサーを利用して前述のn型半導体電極を作製した基
板上に設置し、周囲を電解液注入口を残してエポキシ系
樹脂で固めて固定した。さらに、実施例1で用いた電荷
輸送材を注入口から注入し、注入後、エポキシ樹脂を封
孔して色素増感型太陽電池セルを作製した。
【0079】得られた太陽電池セルを実施例1と同様に
して光電変換効率およびポーラスチタニアのカーボン残
留量を調べた。その結果、光電変換効率は12.0%、
カーボン残留量は電極付近で20ppm、対向電極側表
面付近で6ppmであった。
【0080】このようにして得られた太陽電池セルはフ
レキシブルであり重量は従来法によって形成したガラス
基板太陽電池の50%程度であった。
【0081】実施例5 平均粒径が14nmのチタニア(アナターゼ)超微粒子
5gに硝酸21mlを加えて十分に攪拌したあと、ポリ
エチレングリコール3.5gを加えて攪拌し、チタニア
の分散液を作製した。
【0082】平均細孔径0.2μmの微細孔を持つ4×
4cmアルミナ箔上にアルミニウムを蒸着によって0.
1μm形成した犠牲基板を準備し、厚さ30μm、内側
寸法3cm×3cmの枠状スペーサーを犠牲基板上にお
き、作成した分散液を枠状スペーサーの内側全面スキー
ジで塗布した。
【0083】塗布された分散液をドライヤーで乾燥させ
たのち窒素雰囲気下、温度450℃で30分間熱処理を
行って厚さ2μmの酸化チタン(アナターゼ)からなるn
型半導体層を形成した。
【0084】その後、支持基板としてアクリル基板を使
用したことを除き、実施例1と同様にして半導体層上に
導電層および支持基板を形成した積層体を得た。
【0085】この積層体の犠牲基板を4%フッ酸水溶液
で5分間エッチングすることで除去した。このn型半導
体層のラフネスファクターは1500であった。ラフネ
スファクターは、基板の投影面積に対する、窒素吸着量
から求めた。
【0086】以降、実施例4と同様の処理を施し、太陽
電池セルを作成した。
【0087】得られた太陽電池セルを実施例1と同様に
して光電変換効率およびポーラスチタニアのカーボン残
留量を調べた。その結果、光電変換効率は12.9%、
カーボン残留量は電極付近で40ppm、対向電極側表
面付近で5ppmであった。
【0088】このようにして得られた太陽電池セルはフ
レキシブルであり重量は従来法によって形成したガラス
基板太陽電池の50%程度であった。
【0089】実施例6 実施例1で示す方法で太陽電池を図3に示すように携帯
電話に組み込んだ太陽電池付き携帯電話を作成した。こ
の太陽電池付き携帯電話は日中野外で1日8時間使用す
る評価を行ったところ待ち受け状態において100日間
無充電でバッテリーのあがりなく使用できた。
【0090】実施例7 厚さ0.8mmの硼珪酸ガラス基板上に、スパッタ法を
用いて厚さ30nmのアルミニウム薄膜を形成した、ア
ルミニウム薄膜付ガラス基板からなる犠牲基板を準備し
た。
【0091】次に、チタンイソプロポキシドを原料とし
て加水分解により得られた粉末分散溶液を230℃の温
度で8時間水熱処理し得られた酸化チタン粉末分散溶液
にPEG(ポリエチレングリコール)を添加して粘度の
高いペーストを作製した。
【0092】引き続き、このペーストを犠牲基板上にメ
タルマスクを利用して塗布し、乾燥させた後に450℃
で30分間アルゴン気流中で熱処理を行い、犠牲基板上
に酸化チタンからなる半導体層を形成した。焼成後の酸
化チタン電極の厚さはおよそ3μmであった。
【0093】次にこの半導体層が形成された犠牲基板を
RFスパッタ装置の真空チャンバー中にITOターゲッ
トに対向させて設置し、基板温度を200℃に加熱しな
がらアルゴンガス0.8Pa、100Wの出力で2時間
スパッタを行い半導体層上にITOからなる導電層を形
成した。得られた導電層の厚さはおよそ0.7μmであ
った。
【0094】この導電層にエポキシ系の接着剤を利用し
てポリカーボネートからなる支持基板を固定し、接着剤
が固化した後に濃度0.5Mの水酸化ナトリウム溶液中
でエッチングを行い、アルミニウムを溶かし、犠牲基板
を除去した。
【0095】形成された半導体層のラフネスファクター
を調べたところ、およそ950であった。なお、ラフネ
スファクターはBET法により測定を行った。
【0096】また断面をTEMにより観察した結果、導
電層と半導体層の界面は不鮮明で、半導体層内部の導電
層に近い側にも導電材料(ITO)の結晶相が観察され
が半導体層の微構造に導電層の一部が入り込んでいるこ
とが確認できた。
【0097】また、導電層の半導体層側でのラフネスフ
ァクターを以下の手法で測定した。すなわち、平滑なガ
ラス基板上で同様の手法で作製した厚さ0.7μmのI
TO膜と上記酸化チタン上に形成した厚さ0.7μmの
ITO膜を共に塩酸により溶解し、それら2つの溶液に
含まれるSn(スズ)の濃度を比較して行った。その結
果、酸化チタン電極側の透明導電膜のラフネスファクタ
ーはおよそ3.2であることが判明した。
【0098】次に、この半導体層が形成された支持基板
をシス−ビス(イソチオシアナト)−N,N'(2,2'
−ジピリジル−4,4'−ジカルボン酸)−ルテニウム
(2)二水和物色素を濃度4.5×10-4mol/lで
エタノールに溶解させた溶液に浸漬し8時間放置して酸
化チタン電極表面に錯体色素を吸着させた。色素吸着後
に溶液から基板を引き上げ、脱水エタノールで洗浄後乾
燥した。色素吸着量を光透過率から見積もったところお
よそ1.5×10-7mol/cm2であった。
【0099】厚さ70nmの白金薄膜からなる対向電極
を形成したポリエーテルスルホンからなる対向基板を2
0μmのガラススペーサーを介して前述の犠牲基板を除
去した支持基板と対向して配置し、周囲を電解液注入孔
を残してエポキシ樹脂で封止した。
【0100】引き続き電解液注入孔からヨウ化テトラプ
ロピルアンモニウム0.5M、ヨウ化カリウム0.02
M、ヨウ素0.03Mのアセトニトリル、炭酸エチレン
混合溶媒を電荷輸送材として注入した。注入後、エポキ
シ樹脂で注入孔を封止して色素増感型太陽電池とした。
【0101】この色素増感型太陽電池にキセノンランプ
の疑似太陽光を照射強度80W/cm2で照射して光電
変換効率を求めたところおよそ7.8%であった。
【0102】比較例 n型酸化物半導体電極を形成する支持基板としてガラス
基板を用い、この上にまずITO導電層を実施例1と同
じ条件で同じ厚さ形成した後に酸化チタン半導体層を実
施例1と同様の方法で同じ厚さ形成した以外は、用いた
材料、組み立て方法などすべて実施例1と同じ方法で色
素増感型太陽電池を作製した。
【0103】この色素増感型太陽電池の変換効率を実施
例1と同じ方法で評価したところおよそ4.8%と実施
例1と比較すると低い値となった。
【0104】また導電層と導電層の界面を断面TEMに
より観察したところ実施例1と異なり界面は明確に分か
れており、透明導電膜上に酸化チタンの微粒子が乗って
いるだけの構造であることが判明した。
【0105】実施例8 電析により作製された細孔径が250nmの多孔質アル
ミナ基板上に珪素系コーティング剤(東レダウコーニン
グ社製FOX−15)をスピンコート法で塗布し、乾燥
した後アルゴン雰囲気化300℃で30分焼成し犠牲基
板を準備した。
【0106】一方、平均粒径25nmの酸化チタン粉末
に純水とアセチルアセトンを加えて混練し、さらに界面
活性剤(Triton X100)と水を加えてさらに混練を続
け、安定な酸化チタンペーストを作製した。この酸化チ
タンペーストを前述の珪素系コーティング剤塗布膜の上
にメタルマスクを用いて塗布し、乾燥した後アルゴン気
流中で400℃で2時間焼成し、酸化チタンからなる半
導体層を作成した。得られた導電層の厚さはおよそ6μ
mであった。
【0107】次にこの半導体層が形成された犠牲基板を
CVD装置内にセットし、CVD法を用いて基板温度2
20℃で半導体層の上に厚さ0.6μmのフッ素をドー
プした酸化スズ薄膜を導電層として形成した。
【0108】CVD装置から取り出し、導電層上にエポ
キシ系接着剤でポリメチルメタクリレート製の支持基板
を固定したのち、塩酸0.3M水溶液中に浸漬し、珪素
系コーティング剤を溶かしだして支持基板から半導体層
をポリメチルメタクリレート基板へと転写した。転写後
すぐに取り出し、純水で洗浄した後十分乾燥した。
【0109】引き続き錯体色素としての前述の色素Bを
無水エタノールに濃度4×10-4mol/lで溶解した
溶液に10時間浸漬して半導体層表面に色素を吸着させ
た。
【0110】色素の吸着量を光の透過率から求めたとこ
ろおよそ3.6×10-7mol/cm2であった。
【0111】ポリカーボネート製の対向基板を準備し、
フッ素ドープSnO2透明導電性薄膜が厚さ0.6μmで
形成され、そこに塩化白金酸溶液を用いて白金粒子が析
出された対向電極を対向基板に形成した。この対向基板
と支持基板を対向して配置し、周囲を電解液注入孔を一
部残してエポキシ樹脂で封止した。引き続き注入孔から
イミダゾリウム溶融塩に1−ヨードプロパンとヨウ素が
それぞれ0.4Mと0.05M溶解された電解液を注入
した。注入後、エポキシ樹脂を用いて注入孔を封止し色
素増感型太陽電池を得た。
【0112】次に実施例1と同様の方法でこの太陽電池
の光電変換効率を求めたところおよそ8.5%と高い値
であった。
【0113】また、断面をTEM観察により導電層と半
導体層の界面を観察したところ、界面は不鮮明であり、
半導体層の微構造内部に導電層の一部が入り込んでいる
ことが示唆された。これをEPMAにより確認したとこ
ろ、半導体層の導電層側でインジウムのピークが観察さ
れ、導電層が半導体層の内部に入り込んでいることが確
認できた。さらに、格子像を観察したところ酸化チタン
微粒子はアナターゼ構造を有しており、このアナターゼ
微粒子の表面から酸化スズ薄膜の結晶が成長しているこ
とが確認でき、酸化チタンと酸化スズの間に格子整合が
成り立っていることが判明した。また、実施例1と同様
の手法でSnO2薄膜の酸化チタン側でのラフネスファ
クターを測定したところおよそ4.7であることが判明
した。
【0114】実施例9 ガラス基板上に平均粒径が40nmの酸化チタンペース
トを塗布し、乾燥した後、500℃で30分焼成した。
この酸化チタンペースト上に珪素系コーティング剤(東
レダウコーニング社製FOX-15)をスピンコート法により
塗布し、アルゴン雰囲気中で300℃で40分間熱処理
し、犠牲基板を作成した。
【0115】一方、チタンテトライソプロポキシドとジ
−i−ストロンチウムプロポキシドを等モルでイソプロ
パノール中で乾留し、均一な溶液を得た。これに硝酸と
蒸留水の混合溶液を滴下して加水分解を行い白色の微粒
子が分散した溶液を得た。この溶液にPEG(ポリエチ
レングリコール)を加え、粘性のあるペーストとした
後、先述の珪素系コーティング剤塗布膜上にメタルマス
クを用いてスキージ印刷し、乾燥した後450℃で30
分熱処理を行い半導体層を形成した。得られた半導体層
の厚さはおよそ2.5μmであり、粉末X線回折により
SrTiO3が生成していることが確認できた。
【0116】次にこの半導体層が形成された犠牲基板を
RFスパッタ装置内にITOターゲットに対向して配置
し、実施例1と同様の方法でITOからなる導電層をお
よそ0.8μmの厚さ析出させた。
【0117】この導電層にエポキシ系の接着剤でポリカ
ーボネートのシート状支持基板を接着し、固化した後に
水酸化ナトリウム中でエッチングを行い珪素系コーティ
ング剤を取り除き、ガラス基板からポリカーボネート基
板に半導体層を転写した。
【0118】犠牲基板を除去した後、半導体層が形成さ
れた支持基板を実施例2と同じ錯体色素の無水エタノー
ル溶液(濃度3×10-4mol/l)に浸漬し、導電層
表面に色素を吸着した。光の透過率から求めた色素吸着
量はおよそ1.2×10-7mol/lであった。
【0119】膜厚50nmの白金からなる対向電極を、
ポリカーボネート製の対向基板に形成し、この対向基板
と支持基板とを対向して配置し、周囲をエポキシ系樹脂
で電解液注入孔を残して封止した。
【0120】引き続き電解液注入孔からヨウ化リチウム
0.3M、ヨウ素0.04Mのアセトニトリルに溶解し
た電荷輸送材として注入した。注入後、エポキシ樹脂で
注入孔を封止して色素増感型太陽電池とした。
【0121】色素増感型太陽電池の光電変換効率をキセ
ノンランプ疑似太陽光を用いて100mW/cm2の強
度で測定したところ、およそ4.2%であった。断面T
EM観察により半導体層と導電層の界面を観察したとこ
ろ、その境界は不鮮明で導電層が半導体層側へと一部侵
入していることが確認できた。また格子像を確認したと
ころSrTiO3粒子の格子と導電層の格子面が一部で
整合しており、さらに透明導電膜のラフネスファクター
を実施例1と同様の方法で測定したところおよそ3.5
であった。
【0122】
【発明の効果】上述したように、本発明によれば、光電
変換の効率化、軽量化、あるいは可撓性を付与すること
が可能な色素増感型太陽電池、その製造方法、さらには
これを用いた携帯用機器を提供するこが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の色素増感型太陽電池の一例を示す断
面図。
【図2】 本発明の色素増感型太陽電池の製造方法の一
例を示す図。
【図3】 本発明の色素増感型太陽電池を搭載した携帯
用機器の一例を示す図。
【符号の説明】
1…支持基板 2…導電層 3…電荷輸送層 4…半導体層 5…対向電極 10…対向基板 11…犠牲基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 米津 麻紀 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 早瀬 修二 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 Fターム(参考) 5F051 AA14 5H032 AA06 AS16 BB05 BB06 BB10 CC11 CC17 EE04 EE10 EE16 HH02

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電層と、 色素粒子を担持し、光照射によって励起された電子およ
    び正孔のうち、いずれか一方の第1の電荷を前記導電層
    に伝導する半導体層と、 前記導電体層との間に、前記電子および正孔のうち他方
    の第2の電荷を伝導する電荷輸送層を挟持する電極と、 前記導電層および前記電極の少なくとも一方の面に形成
    された支持基板とを有する色素増感型太陽電池の製造方
    法において、 犠牲基板上に少なくとも前記半導体層を形成する半導体
    形成工程と、 前記半導体層を介して前記支持基板を形成する工程と、 前記犠牲基板を除去する工程とを有することを特徴とす
    る色素増感型太陽電池の製造方法。
  2. 【請求項2】表面に色素を担持し、光照射によって前記
    色素から発生する電子および正孔のうち、いずれか一方
    の第1の電荷を伝導する半導体層と、 前記半導体層によって伝導された前記第1の電荷を集電
    する導電層と、 前記半導体層および前記導電層を支持する支持基板と、 前記色素に接触配置され、前記光照射によって発生した
    電子および正孔のうち、他方の第2の電荷を輸送する電
    荷輸送層と、 前記半導体層とで前記電荷輸送層を挟持するように配置
    され、前記電荷輸送層から供給される前記第2の電荷を
    集電する電極とを有する色素増感型太陽電池の製造方法
    において、 犠牲基板上に前記半導体層およびを導電層を形成する工
    程と、 前記犠牲基板上に前記半導体層および導電層を介して支
    持基板を形成する工程と、 前記犠牲基板を除去する工程とを有することを特徴とす
    る色素増感型太陽電池の製造方法。
  3. 【請求項3】前記導電層形成工程は、かつ半導体層表面
    に前記導電層をエピタキシャル成長させることを特徴と
    する請求項2記載の色素増感型太陽電池の製造方法。
  4. 【請求項4】前記支持基板は、可撓性基板であることを
    特徴とする請求項2記載の色素増感型太陽電池の製造方
    法。
  5. 【請求項5】表面に色素を担持し、光照射によって前記
    色素から発生する電子及び正孔のうち、いずれか一方の
    第1の電荷を伝導する半導体層と、 前記半導体層によって伝導された前記第1の電荷を集電
    する導電層と、 前記半導体層および前記導電層を支持する支持基板と、 前記色素に接触配置され、前記光照射によって発生した
    電子及び正孔のうち、他方の第2の電荷を輸送する電荷
    輸送層と、 前記半導体層とで前記電荷輸送層を挟持するように配置
    され、前記電荷輸送層から供給される第2の電荷を集電
    する電極とを有する色素増感型太陽電池において、 前記半導体層中に不純物として残留する炭素または珪素
    の濃度が、前記導電層側の濃度より前記電荷輸送層側の
    濃度が低いことを特徴とする色素増感型太陽電池。
  6. 【請求項6】表面に色素を担持し、光照射によって前記
    色素から発生する電子及び正孔のうち、いずれか一方の
    第1の電荷を伝導する半導体層と、 前記半導体層によって伝導された前記第1の電荷を集電
    する導電層と、 前記半導体層および前記導電層を支持する支持基板と、 前記色素に接触配置され、前記光照射によって発生した
    電子及び正孔のうち、他方の第2の電荷を輸送する電荷
    輸送層と、 前記半導体層とで前記電荷輸送層を挟持するように配置
    され、前記電荷輸送層から供給される第2の電荷を集電
    する電極とを有する色素増感型太陽電池において、 前記電荷輸送層は、前記導電層および前記半導体層から
    形成される連続した面と接することを特徴とする色素増
    感型太陽電池。
  7. 【請求項7】細孔を有し、かつこの細孔表面に色素を担
    持し、光照射によって前記色素から発生する電子及び正
    孔のうち、いずれか一方の第1の電荷を伝導する半導体
    層と、 前記半導体層によって伝導された前記第1の電荷を集電
    する導電層と、 前記半導体層および前記導電層を支持する支持基板と、 前記色素に接触配置され、前記光照射によって発生した
    電子及び正孔のうち、他方の第2の電荷を輸送する電荷
    輸送層と、 前記半導体層とで前記電荷輸送層を挟持するように配置
    され、前記電荷輸送層から供給される第2の電荷を集電
    する電極とを有する色素増感型太陽電池において、 前記導電層は前記細孔内部に入り込む構造であることを
    特徴とする色素増感型太陽電池。
  8. 【請求項8】前記支持基板は、プラスチック基板である
    ことを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載の色
    素増感型太陽電池。
  9. 【請求項9】請求項8に記載の色素増感型太陽電池を搭
    載した携帯用機器。
JP2000159178A 1999-09-24 2000-03-31 色素増感型太陽電池および色素増感型太陽電池の製造方法 Expired - Fee Related JP3777289B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000159178A JP3777289B2 (ja) 1999-09-24 2000-03-31 色素増感型太陽電池および色素増感型太陽電池の製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27086999 1999-09-24
JP11-270869 1999-09-24
JP2000159178A JP3777289B2 (ja) 1999-09-24 2000-03-31 色素増感型太陽電池および色素増感型太陽電池の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001160426A true JP2001160426A (ja) 2001-06-12
JP3777289B2 JP3777289B2 (ja) 2006-05-24

Family

ID=26549424

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000159178A Expired - Fee Related JP3777289B2 (ja) 1999-09-24 2000-03-31 色素増感型太陽電池および色素増感型太陽電池の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3777289B2 (ja)

Cited By (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002184475A (ja) * 2000-12-12 2002-06-28 Lintec Corp 半導体電極の製造方法及び光化学電池
KR100433630B1 (ko) * 2002-03-11 2004-05-31 한국전자통신연구원 나노 입자 산화물의 반도체 전극을 가지는 염료감응태양전지 및 그 제조방법
US6756537B2 (en) 2002-02-02 2004-06-29 Electronics And Telecommunications Research Institute Dye-sensitized solar cells including polymer electrolyte gel containing poly(vinylidene fluoride)
JP2004288985A (ja) * 2003-03-24 2004-10-14 Japan Science & Technology Agency 太陽電池
JP2005509258A (ja) * 2001-11-08 2005-04-07 シャルマース テクノロジー ライセンシング アーベー 光起電素子と製造方法
JP2005516364A (ja) * 2002-01-25 2005-06-02 コナルカ テクノロジーズ インコーポレイテッド 太陽電池の相互接続
JP2005197169A (ja) * 2004-01-09 2005-07-21 Tomoegawa Paper Co Ltd 光電変換素子
JP2005216692A (ja) * 2004-01-30 2005-08-11 Sekisui Jushi Co Ltd 樹脂成形品およびその製造方法
JP2005243440A (ja) * 2004-02-26 2005-09-08 Hitachi Maxell Ltd 光電変換素子
JP2006221964A (ja) * 2005-02-10 2006-08-24 Sekisui Jushi Co Ltd 太陽電池付き棒状体
JP2006313693A (ja) * 2005-05-09 2006-11-16 Dainippon Printing Co Ltd 中間転写媒体の製造方法、酸化物半導体電極の製造方法、および色素増感型太陽電池の製造方法
JP2007273425A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Dainippon Printing Co Ltd 酸化物半導体電極の製造方法
JP2007273426A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Dainippon Printing Co Ltd 色素増感型太陽電池
WO2008007448A1 (en) 2006-07-13 2008-01-17 Teijin Dupont Films Japan Limited Dye-sensitized solar cell, and electrode and laminated film therefor
JP2009087573A (ja) * 2007-09-27 2009-04-23 Dainippon Printing Co Ltd 酸化物半導体電極用積層体、酸化物半導体電極、色素増感型太陽電池、酸化物半導体電極用積層体の製造方法、および、酸化物半導体電極の製造方法
WO2010125974A1 (ja) * 2009-04-30 2010-11-04 株式会社ブリヂストン 半導体電極、半導体電極を用いた太陽電池、及び半導体電極の製造方法
JP2010262794A (ja) * 2009-04-30 2010-11-18 Bridgestone Corp 半導体電極、半導体電極を用いた太陽電池、及び半導体電極の製造方法
JP2010262795A (ja) * 2009-04-30 2010-11-18 Bridgestone Corp 半導体電極、半導体電極を用いた太陽電池、及び半導体電極の製造方法
JP2010262793A (ja) * 2009-04-30 2010-11-18 Bridgestone Corp 半導体電極、半導体電極を用いた太陽電池、及び半導体電極の製造方法
JP2011008962A (ja) * 2009-06-23 2011-01-13 Gunze Ltd フレキシブル色素増感太陽電池モジュール

Cited By (24)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002184475A (ja) * 2000-12-12 2002-06-28 Lintec Corp 半導体電極の製造方法及び光化学電池
JP2005509258A (ja) * 2001-11-08 2005-04-07 シャルマース テクノロジー ライセンシング アーベー 光起電素子と製造方法
JP2005516364A (ja) * 2002-01-25 2005-06-02 コナルカ テクノロジーズ インコーポレイテッド 太陽電池の相互接続
US6756537B2 (en) 2002-02-02 2004-06-29 Electronics And Telecommunications Research Institute Dye-sensitized solar cells including polymer electrolyte gel containing poly(vinylidene fluoride)
KR100433630B1 (ko) * 2002-03-11 2004-05-31 한국전자통신연구원 나노 입자 산화물의 반도체 전극을 가지는 염료감응태양전지 및 그 제조방법
JP2004288985A (ja) * 2003-03-24 2004-10-14 Japan Science & Technology Agency 太陽電池
JP2005197169A (ja) * 2004-01-09 2005-07-21 Tomoegawa Paper Co Ltd 光電変換素子
JP4636802B2 (ja) * 2004-01-09 2011-02-23 株式会社巴川製紙所 光電変換素子
JP2005216692A (ja) * 2004-01-30 2005-08-11 Sekisui Jushi Co Ltd 樹脂成形品およびその製造方法
JP4575676B2 (ja) * 2004-01-30 2010-11-04 積水樹脂株式会社 樹脂成形品の製造方法
JP2005243440A (ja) * 2004-02-26 2005-09-08 Hitachi Maxell Ltd 光電変換素子
JP4696452B2 (ja) * 2004-02-26 2011-06-08 パナソニック電工株式会社 光電変換素子
JP2006221964A (ja) * 2005-02-10 2006-08-24 Sekisui Jushi Co Ltd 太陽電池付き棒状体
JP2006313693A (ja) * 2005-05-09 2006-11-16 Dainippon Printing Co Ltd 中間転写媒体の製造方法、酸化物半導体電極の製造方法、および色素増感型太陽電池の製造方法
JP2007273426A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Dainippon Printing Co Ltd 色素増感型太陽電池
JP2007273425A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Dainippon Printing Co Ltd 酸化物半導体電極の製造方法
WO2008007448A1 (en) 2006-07-13 2008-01-17 Teijin Dupont Films Japan Limited Dye-sensitized solar cell, and electrode and laminated film therefor
JP2009087573A (ja) * 2007-09-27 2009-04-23 Dainippon Printing Co Ltd 酸化物半導体電極用積層体、酸化物半導体電極、色素増感型太陽電池、酸化物半導体電極用積層体の製造方法、および、酸化物半導体電極の製造方法
WO2010125974A1 (ja) * 2009-04-30 2010-11-04 株式会社ブリヂストン 半導体電極、半導体電極を用いた太陽電池、及び半導体電極の製造方法
JP2010262794A (ja) * 2009-04-30 2010-11-18 Bridgestone Corp 半導体電極、半導体電極を用いた太陽電池、及び半導体電極の製造方法
JP2010262795A (ja) * 2009-04-30 2010-11-18 Bridgestone Corp 半導体電極、半導体電極を用いた太陽電池、及び半導体電極の製造方法
JP2010262793A (ja) * 2009-04-30 2010-11-18 Bridgestone Corp 半導体電極、半導体電極を用いた太陽電池、及び半導体電極の製造方法
KR101246385B1 (ko) 2009-04-30 2013-03-22 가부시키가이샤 브리지스톤 반도체 전극, 반도체 전극을 사용한 태양 전지 및 반도체 전극의 제조 방법
JP2011008962A (ja) * 2009-06-23 2011-01-13 Gunze Ltd フレキシブル色素増感太陽電池モジュール

Also Published As

Publication number Publication date
JP3777289B2 (ja) 2006-05-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3777289B2 (ja) 色素増感型太陽電池および色素増感型太陽電池の製造方法
AU728725B2 (en) A battery of photovoltaic cells and process for manufacturing the same
EP2439779B1 (en) Transparent Electrode Comprising Doped Graphene, Process of Preparing the Same, and Display Device and Solar Cell Comprising the Electrode
US7323635B2 (en) Photovoltaic cell
JP2001093591A (ja) 光電変換素子
EP2533352A1 (en) Dye-sensitized solar cell and method for manufacturing the same
US20070095390A1 (en) Solar cell and manufacturing method thereof
US11799041B2 (en) Double sided solar cell assembly
JPH11514787A (ja) 光起電力セル電池及びその製造方法
US20060016473A1 (en) Dye-sensitized solar cell employing photoelectric transformation electrode and a method of manufacturing thereof
WO2005034276A1 (ja) 色素増感型太陽電池
JP4659954B2 (ja) 色素増感型太陽電池セルの製造方法及び色素増感型太陽電池モジュールの製造方法
JP2002319689A (ja) 光電変換素子及びその製造方法
JP3544888B2 (ja) 光増感型太陽光発電セル
JP2000285974A (ja) 光増感型太陽光発電素子
JP2002299665A (ja) 色素増感型太陽電池の製造方法
JP3505400B2 (ja) 光化学電池およびその製造方法
JP4951853B2 (ja) 色素増感型太陽電池用電極基板及びその製造方法並びに色素増感型太陽電池
JP4601285B2 (ja) 色素増感型太陽電池用電極基板及びその製造方法並びに色素増感型太陽電池
JP2003123858A (ja) 有機色素増感型金属酸化物半導体電極及びこの半導体電極を有する太陽電池
JP2003187883A (ja) 光電変換素子
WO2010042170A2 (en) Interconnection of adjacent devices
EP4213221A1 (en) Trasparent electrode, mehod for producing trasparent electrode, and electronic device
JP5332739B2 (ja) 光電変換素子及び太陽電池
JP2007141764A (ja) 光電変換装置及びその製造方法並びに光発電装置

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050705

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050830

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20050905

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051004

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051031

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060110

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060130

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060221

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060227

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100303

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees