JP2001160140A - デジタルフィルタ,画像処理装置ならびに画像処理方法 - Google Patents

デジタルフィルタ,画像処理装置ならびに画像処理方法

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JP2001160140A
JP2001160140A JP34318699A JP34318699A JP2001160140A JP 2001160140 A JP2001160140 A JP 2001160140A JP 34318699 A JP34318699 A JP 34318699A JP 34318699 A JP34318699 A JP 34318699A JP 2001160140 A JP2001160140 A JP 2001160140A
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憲彦 杉田
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昌 長谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 その所要ハードウェア量が比較的少なく、か
つ任意の拡大縮小率に対応しうる新しい形式のデジタル
フィルタを実現し、デジタルフィルタ及びこれを含む画
像処理装置の所要ハードウェア量の削減と、画質向上を
図る。 【解決手段】 デジタルフィルタたる累積加算フィルタ
10を、入力画像信号の画素又はライン数を計数しその
カウンタモジューロが拡大縮小率に応じて選択的に切り
換えられるカウンタ103と、カウンタの計数値に対応
したフィルタ係数を出力する係数メモリ102と、入力
画像信号にフィルタ係数を乗ずる乗算器101と、乗算
器101の出力又はその累積加算値を保持する累積加算
メモリ106と、乗算器101の出力に累積加算メモリ
106の保持内容を加算する加算器104と、カウンタ
103の計数値に従って乗算器101又は加算器104
の出力を累積加算メモリ106に書き込むセレクタ10
5とを基本に構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はデジタルフィル
タ,画像処理装置ならびに画像処理方法に関し、例え
ば、デジタル画像の拡大縮小機能を有するデジタルフィ
ルタ、及びその拡大縮小フィルタ部としてデジタルフィ
ルタを含む画像処理装置ならびにその所要ハードウェア
量の低減及び画質向上と、画像拡大縮小処理のためのソ
フトウェア及びその画質向上に利用して特に有効な技術
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】映像メディアの多チャンネル化・高画質
化にともない、MPEG(Moving Pictur
e Experts Group)等の高能率符号によ
る映像データのディジタル化が進められている。また、
MPEGに準拠したデジタル放送の受信機STB(Se
t Top Box)等の高機能化に伴い、多チャンネ
ルのデジタル画像を同一画面に表示するマルチ画面、親
画面内に子画面を表示するPinP(Picture
in Picture)、画面上に番組案内などを表示
するOSD(On Screen Display)、
コンピュータグラフィックス中に動画像を表示するPi
nG(Picture in Glaphic)など、
複数の画像を任意のサイズに変換して同一画面に表示す
る機能が求められている。これらの画像処理は、従来で
はアナログ的に行われることが多かったが、画像品質を
損なうことなく、しかも任意の拡大縮小率で画像の拡大
又は縮小が可能なデジタル画像処理への要求が大きくな
りつつある。
【0003】デジタル的な画像の拡大縮小処理を行う画
像処理装置及び画像処理方法が、例えば、特開平10−
174024に記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の画像処理装置に
おいて、その画像の拡大縮小処理に供される拡大縮小フ
ィルタ部4は、例えば図12に示されるように、直列結
合される二つのデジタルフィルタ、つまり垂直フィルタ
41及び水平フィルタ42を備える。このうち、垂直フ
ィルタ41は、デジタル信号である入力画像信号を順次
水平方向に遅延させる例えば3個のラインメモリ416
1〜4163と、その一方の入力端子に入力画像信号あ
るいはラインメモリ4161〜4163の出力をそれぞ
れ受ける4個の乗算器4111〜4114と、その第1
ないし第4の入力端子に乗算器4111〜4114の出
力をそれぞれ受ける加算器414とを含む。
【0005】一方、拡大縮小フィルタ部4の水平フィル
タ42は、垂直フィルタ41の加算器414の出力を順
次垂直方向に遅延させる例えば3個のフリップフロップ
4261〜4263と、その一方の入力端子に垂直フィ
ルタ41の加算器414の出力、あるいはフリップフロ
ップ4261〜4263の出力をそれぞれ受ける4個の
乗算器4211〜4214と、その第1ないし第4の入
力端子に4211〜4214の出力をそれぞれ受ける加
算器424とを含む。
【0006】垂直フィルタ41の乗算器4111〜41
14の他方の入力端子には、係数メモリ412から所定
ビットのフィルタ係数がそれぞれ入力され、水平フィル
タ42の乗算器4211〜4214の他方の入力端子に
は、係数メモリ422から所定ビットのフィルタ係数が
それぞれ入力される。水平フィルタ42の加算器424
の出力は、拡大縮小フィルタ部としての出力画像信号と
なる。
【0007】これにより、垂直フィルタ41は、4タッ
プ型のデジタルフィルタとなり、入力画像信号に対して
垂直方向の拡大又は縮小処理を施す。また、水平フィル
タ42は、やはり4タップ型のデジタルフィルタとな
り、垂直フィルタ41の出力つまりは入力画像信号に対
し水平方向の拡大又は縮小処理を施す。なお、垂直フィ
ルタ41及び水平フィルタ42の出力側には、不要にな
った画素又はラインを間引きするための図示されない間
引き回路がそれぞれ設けられ、
【0008】このように、従来の画像処理装置の拡大縮
小フィルタ部を構成するデジタルフィルタは、そのタッ
プ数をNt’とするとき、 k’=Nt’−1 なるk’個のラインメモリ又はフリップフロップをそれ
ぞれ必要とし、そのタップ数Nt’は、拡大縮小率に関
係なく固定される。このため、画像処理装置に対し拡大
縮小率のさらなるレンジ拡大及び画質向上に対する要求
が高まるにしたがって、特にラインメモリを含む垂直フ
ィルタの所要ハードウェア量が増大し、画像処理装置の
低コスト化が阻害されるとともに、特に縮小率の小さな
レンジにおいてタップ数が不充分となり、満足しうる画
質が得られない。
【0009】この発明の目的は、その所要ハードウェア
量が比較的少なく、かつ任意の拡大縮小率に対応しうる
新しい形式のデジタルフィルタを提供することにある。
この発明の他の目的は、デジタルフィルタ及びこれを含
む画像処理装置の所要ハードウェア量を削減し、その低
コスト化を図るとともに、特に縮小率が小さなレンジで
のタップ数を増やし、その画質を高めることにある。
【0010】この発明の前記ならびにその他の目的と新
規な特徴は、この明細書の記述及び添付図面から明らか
になるであろう。
【0011】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次
の通りである。すなわち、画像処理装置の拡大縮小フィ
ルタ部のデジタルフィルタを、入力画像信号の画素又は
ライン数を計数しそのカウンタモジューロが拡大縮小率
に応じて選択的に切り換えられるカウンタと、該カウン
タの計数値に対応したフィルタ係数を出力する係数メモ
リと、入力画像信号に対しフィルタ係数を乗ずる乗算器
と、該乗算器の出力又はその累積加算値を保持する累積
加算メモリと、乗算器の出力に累積加算メモリの保持内
容を加算する加算器と、カウンタの計数値に従って乗算
器又は加算器の出力を選択的に累積加算メモリに伝達す
るセレクタとを基本に構成し、カウンタの計数値が所定
値とされるときの加算器の出力を、入力画像信号を拡大
又は縮小した出力画像信号とする。
【0012】上記した手段によれば、ラインメモリ又は
フリップフロップに対応する1個の累積加算メモリを設
けるだけで、2のべき乗の整数nに対し、1/nなる任
意の縮小率を有し、かつ、Nt=nなる最大タップ数N
tを有する縮小フィルタを容易に実現することができ
る。
【0013】上記画像処理装置において、拡大縮小フィ
ルタ部を構成するデジタルフィルタをk個並列形態に設
ける。
【0014】これにより、Nt=k×nなる最大タップ
数Ntを有する縮小フィルタを容易に実現することがで
きる。
【0015】上記画像処理装置において、拡大縮小フィ
ルタ部を構成するデジタルフィルタのフィルタ係数が、
各拡大縮小率における所定数のタップの先頭及び末尾に
おいて対称的な値となるように設定する。
【0016】これにより、係数メモリの所要ハードウェ
ア量を削減することができるとともに、Nt=k×n+
1なる最大タップ数Ntを有する縮小フィルタを容易に
実現することができる。
【0017】上記画像処理装置において、k個のデジタ
ルフィルタを、入力画像信号に対応するクロック信号の
k倍の周波数とされる内部クロック信号に従って同期動
作させ、その係数メモリ,乗算器ならびに加算器を、k
個のデジタルフィルタによって時分割使用する形で共有
する。
【0018】これにより、拡大縮小フィルタ部の特に係
数メモリ,乗算器ならびに加算器に関する所要ハードウ
ェア量を削減することができる。
【0019】上記画像処理装置において、先頭の画素又
はラインの直前に、該先頭の画素又はラインと同一の所
定数の画素又はラインがあるものと仮定し、末尾の画素
又はラインの直後に、該末尾の画素又はラインと同一の
所定数の画素又はラインがあるものと仮定して、画像の
拡大又は縮小処理を行う。
【0020】これにより、画像の水平方向及び垂直方向
の最外郭部における拡大縮小処理をその中心部での処理
に近づけることができる。
【0021】以上の結果、画像処理装置の所要ハードウ
ェア量を削減し、その低コスト化を図ることができると
ともに、特に縮小率の小さなレンジでのタップ数を増や
し、画像処理装置の画質を高めることができる。さら
に、同様な画像の拡大縮小処理をソフトウェアにより等
価的に実現する場合でも、その処理を効率化して所要ス
テップ数を削減し、出力画像の画質を高めることができ
る。
【0022】
【発明の実施の形態】図1には、この発明が適用された
累積加算フィルタ(デジタルフィルタ)の第1の実施例
のブロック図が示されている。また、図2には、図1の
累積加算フィルタ10の処理手順を説明するための一実
施例の説明図が示され、図3には、図1の累積加算フィ
ルタ10の動作タイミングを説明するための一実施例の
説明図が示されている。これらの図をもとに、まずこの
発明に係る累積加算メモリの基本的構成及び動作ならび
にその特徴について説明する。
【0023】なお、図2及び図3において、入力画像信
号たる入力画像データdi0〜di6等ならびに出力画
像信号たる出力画像データdo0〜do3等は、水平フ
ィルタの場合は画素単位の画像データとなり、垂直フィ
ルタの場合はライン単位の画像データとなる。また、こ
れらの画像データのそれぞれは、例えば8ビット又はそ
の整数倍からなる輝度信号又は色差信号であって、1ラ
インは、例えば8ビット×1440の画像データからな
る。さらに、図2では、累積加算フィルタ10の各画面
の先頭及び末尾における処理手順を明らかにするため、
実在する画像データは6個とされるが、実際には、垂直
フィルタでは1フレームを構成するライン数となり、水
平フィルタでは1ラインを構成する画素数となる。
【0024】まず、図1において、この実施例の累積加
算フィルタ10は、その一方の入力端子に入力画像信号
を受ける乗算器101と、入力画像信号の同期信号又は
クロック信号に従って画素又はライン数を形成するカウ
ンタ103とを含む。カウンタ103の計数出力は、係
数メモリ102に供給されるとともに、後述するセレク
タ105に供給される。また、カウンタ103の計数出
力をアドレスとして係数メモリ102から読み出される
フィルタ係数は、乗算器101の他方の入力端子に供給
され、乗算器101の出力は、セレクタ105の一方の
入力端子に供給されるとともに、加算器104の一方の
入力端子に供給される。
【0025】上記加算器104の他方の入力端子には、
累積加算メモリ106の出力が供給され、加算器104
の出力は、セレクタ105の他方の入力端子に供給され
るとともに、累積加算フィルタ10の出力つまり出力画
像信号となる。セレクタ105の出力は、累積加算メモ
リ106に供給され、書き込まれる。
【0026】この実施例において、累積加算フィルタ1
0は、2のべき乗の整数nに対し、1/nなる縮小率を
有する縮小フィルタとされ、累積加算フィルタ10のカ
ウンタ103は、図3の下段に例示されるように、その
カウンタモジューロが累積加算フィルタ10の縮小率に
応じて選択的に切り換えられるとともに、そのリセット
値Rも、累積加算フィルタ10の縮小率1/nに対し
て、 R=n−1 となって、縮小率1/nに応じて選択的に切り換えられ
る。
【0027】すなわち、上記整数nが2の0乗つまり1
とされ、累積加算フィルタ10の縮小率が1/1とされ
るとき、カウンタ103のカウンタモジューロは1とさ
れ、そのリセット値は0となる。また、整数nが2の1
乗つまり2とされ、累積加算フィルタ10の縮小率が1
/2とされるとき、カウンタ103のカウンタモジュー
ロは2とされ、そのリセット値は1となる。さらに、整
数nが2の2乗つまり4とされ、累積加算フィルタ10
の縮小率が1/4とされるときには、カウンタ103の
カウンタモジューロが4とされ、そのリセット値は3と
なる。
【0028】一方、この実施例において、カウンタ10
3の初期値は、やはり累積加算フィルタ10の縮小率に
応じて選択的に切り換えられ、例えば累積加算フィルタ
10の縮小率が1/1のときは0とされ、1/2及び1
/4とされるときにはそれぞれ1及び2とされる。この
ようなカウンタ103の初期値の切り換えは、累積加算
フィルタ10の画像先端及び末尾における拡大縮小処理
を特徴付けるものとなるが、このことについては、追っ
て詳細に説明する。
【0029】累積加算フィルタ10のカウンタ103
は、入力画像信号の同期信号又はクロック信号に従って
歩進動作を行い、入力画像信号の画素数又はライン数を
計数する。また、係数メモリ102は、カウンタ103
の計数値に対応するアドレスから、ユーザによって予め
書き込まれたフィルタ係数を選択的に読み出し、乗算器
101及びセレクタ105に供給する。
【0030】上記のように、カウンタ103のカウンタ
モジューロは、累積加算フィルタ10の縮小率1/nに
応じて選択的に切り換えられるが、この実施例では累積
加算フィルタ10の最小縮小率が例えば1/16とさ
れ、係数メモリ102は最大16のアドレスを有するも
のとされる。ところが、この実施例の累積加算フィルタ
10の場合、後述するように、累積加算フィルタ10の
各タップにおけるフィルタ係数が対称的な値とされるた
め、係数メモリ102としての実質的な所要アドレス数
は、(16/2)+1つまり9アドレスで済む。
【0031】累積加算フィルタ10の乗算器101は、
入力画像信号の各画像データに対して、係数メモリ10
2から出力されるフィルタ係数を順次乗じ、その結果を
加算器104及びセレクタ105の一方の入力端子に供
給する。また、加算器104は、乗算器101の演算出
力に対して、それまで累積加算メモリ106に保持され
ていた累積加算結果を順次加算し、セレクタ105の他
方の入力端子に供給するとともに、累積加算フィルタ1
0の出力画像信号として出力する。
【0032】一方、累積加算フィルタ10のセレクタ1
05は、乗算器101又は加算器104の演算出力を、
カウンタ103の計数値に従って選択し、累積加算メモ
リ106に書き込む。すなわち、セレクタ105は、カ
ウンタ103の計数値がそのカウンタモジューロの初期
値、つまり累積加算フィルタ10の縮小率が例えば1/
2とされカウンタ103の計数値が0であるとき、図3
に例示されるように、例えばデータm1,m3あるいは
m5として、乗算器101の演算出力、言い換えるなら
ば各サイクルでの入力画像データdi1,di3あるい
はdi5に対応するフィルタ係数c0をそれぞれ乗じた
値、つまりdi1×c0,di3×c0あるいはdi5
×c0を累積加算メモリ106に書き込む。
【0033】しかし、カウンタ103の計数値が初期値
ではない例えば1であるとき、セレクタ105は、デー
タm0,m2あるいはm4として加算器104の演算出
力、つまりは各サイクルでの入力画像データdi0,d
i2あるいはdi4に対応する初期フィルタ係数cin
it又はフィルタ係数c1を乗じた値に、さらに累積加
算フィルタ10のそれまでの保持データをそれぞれ加算
した値、つまりdi0×c0+di0×c1,di1×
c0+di2×c1あるいはdi3×c0+di4×c
1を累積加算メモリ106に書き込むとともに、その次
のサイクルで、これらの加算結果に乗算器101の演算
出力分をさらに加えた値、つまりdi0×c0+di0
×c1+di1×c0,di1×c0+di2×c1+
di3×c0あるいはdi3×c0+di4×c1+d
i5×c0を、出力画像信号つまり出力画像データdo
0,do1あるいはdo2として出力する。
【0034】周知のように、出力画像データdo0,d
o1ならびにdo2、つまりdi0×c0+di0×c
1+di1×c0,di1×c0+di2×c1+di
3×c0ならびにdi3×c0+di4×c1+di5
×c0は、そのタップ数を3としその縮小率を1/2と
する縮小フィルタの出力に他ならない。
【0035】また、この実施例において、累積加算フィ
ルタ10のとりうる最大タップ数Ntは、図3の下段に
例示されるように、縮小率1/nに従って変化し、 Nt=n+1 つまり、例えば縮小率が1/1の場合は2、縮小率が1
/2の場合は3、縮小率が1/4の場合は5となるが、
上式の+1は、例えば1/2の縮小率における三つのタ
ップのうち、先頭のタップに対応するフィルタ係数c0
と末尾のタップに対応するフィルタ係数c0とが対称的
な値すなわち同一値とされるため、例えば出力画像デー
タdo0の演算式の第3項di1×c0と、出力画像デ
ータdo1の演算式の第1項di1×c1とが同一値で
あることに由来する。
【0036】言うまでもなく、先頭のタップに対応する
フィルタ係数c0と末尾のタップに対応するフィルタ係
数c0とが同一値でない場合、上式は、 Nt=n となるが、いずれの場合も、各式は、1画素分又は1ラ
イン分の累積加算メモリを設けるだけで、任意の縮小率
1/nに対応しかつ間引きのない良質の画像を生成しう
る累積加算フィルタが構成できることを示している。
【0037】ところで、本実施例の累積加算フィルタ1
0では、図2に例示されるように、先頭の入力画像デー
タdi0の直前に、この入力画像データdi0と同一の
入力画像データが1個又は所定数個あるものと仮定し、
末尾の入力画像データdi6の直後にも、この入力画像
データdi6と同一の入力画像データが1個又は所定数
個あるものと仮定して縮小処理が行われる。また、これ
に対応するため、累積加算フィルタ10の各縮小率に対
応して、図3の下段に例示されるような初期フィルタ係
数cinitが設定されるとともに、カウンタ103の
初期値が、前述のように、縮小率に応じて選択的に切り
換えられる。
【0038】したがって、例えば累積加算フィルタ10
の縮小率が1/2である場合、カウンタ103の初期値
が1とされるとともに、先頭の入力画像データdi0に
は、前記のように、初期フィルタ係数cinit、つま
りc0+c1が乗じられ、カウンタ103の計数値が次
に0となった時点から出力画像データdo0の出力動作
が開始される。この結果、画像の水平方向及び垂直方向
の最外郭部における縮小処理を、その中心部での処理に
近づけ、累積加算フィルタ10の出力画像信号として得
られる画像の画質を高めることができる。また、フィル
タ係数が、中央のタップをはさんで対称的な値とされる
ことで、係数メモリ102の所要アドレス数を(n/
2)+1に削減でき、これによって累積加算フィルタ1
0ひいてはこれを含む画像処理装置の所要ハードウェア
量を削減できる。
【0039】以上のように、この実施例の累積加算フィ
ルタ10は、1画素分又は1ライン分の容量を持つ1個
の累積加算メモリ106と、乗算器101及び加算器1
04を基本構成要素とするにもかかわらず、2のべき乗
の整数nに対して1/nなる任意の縮小率に対応しえ、
しかもすべての縮小率において画像データの間引きが生
じない高画質の画像を得うる縮小フィルタとして機能す
る。
【0040】また、この実施例では、各タップでの乗数
となるフィルタ係数が中央のタップをはさんで対称的な
値とされることで、縮小率1/nにおける最大タップ数
が、n+1個とされるとともに、係数メモリ102の所
要アドレス数が(n/2)+1に削減される。さらに、
この実施例の累積加算フィルタ10では、先頭の画素又
はラインの直前にこれと同一の所定数の画素又はライン
があるものと仮定し、末尾の画素又はラインの直後にこ
れと同一の所定数の画素又はラインがあるものと仮定し
て画像の縮小処理が行われ、画像の最外郭部における縮
小処理が、その中心部での処理に近づけられる。これら
の結果、累積加算フィルタ10ひいてはこれを含む画像
処理装置の画質を高めることができるとともに、その所
要ハードウェア量を削減し、低コスト化を図ることがで
きるものである。
【0041】図4には、この発明が適用された累積加算
メモリの第2の実施例のブロック図が示されている。ま
た、図5には、図4の累積加算フィルタ11の処理手順
を説明するための一実施例の説明図が示され、図6に
は、その動作タイミングを説明するための一実施例の説
明図が示されている。なお、この実施例の累積加算フィ
ルタ11は、前記図1ないし図3の累積加算フィルタ1
0を基本的に踏襲するものであって、図4の乗算器11
1,係数メモリ112,カウンタ123及び133,加
算器114,セレクタ125及び135ならびに累積加
算メモリ126及び136は、図1の乗算器101,係
数メモリ102,カウンタ103,加算器104,セレ
クタ105ならびに累積加算メモリ106にそれぞれ対
応する。以下、図1ないし図3の実施例と異なる部分に
ついて説明を追加する。
【0042】まず、図4において、この実施例の累積加
算フィルタ11は、特に制限されないが、k個つまり2
個の単位累積加算フィルタ12及び13と、これらの単
位累積加算フィルタに共通に設けられる乗算器111,
係数メモリ112,加算器114ならびにセレクタ11
51及び1152とを備える。このうち、単位累積加算
フィルタ12は、特に制限されないが、カウンタ12
3,セレクタ125ならびに累積加算メモリ126を含
み、単位累積加算フィルタ13は、カウンタ133,セ
レクタ135ならびに累積加算メモリ136を含む。
【0043】乗算器111の一方の入力端子には、入力
画像信号が供給され、その他方の入力端子には、係数メ
モリ112の出力たるフィルタ係数が供給される。ま
た、この係数メモリ112には、セレクタ1151から
所定ビットのアドレスが供給される。さらに、セレクタ
1151の一方及び他方の入力端子には、単位累積加算
フィルタ12及び13のカウンタ123及び133の出
力がそれぞれ供給され、その選択制御端子には、所定の
内部クロック信号が供給される。
【0044】乗算器111の出力は、後段の加算器11
4の一方の入力端子に供給されるとともに、単位累積加
算フィルタ12及び13のセレクタ125及び135の
一方の入力端子に供給される。加算器114の他方の入
力端子には、セレクタ1152の出力が供給され、その
出力は、単位累積加算フィルタ12及び13のセレクタ
125及び135の他方の入力端子に供給されるととも
に、累積加算フィルタ11の出力つまり出力画像信号と
して出力される。
【0045】セレクタ1152の一方及び他方の入力端
子には、単位累積加算フィルタ12及び13の累積加算
メモリ126及び136の出力がそれぞれ供給され、そ
の選択制御端子には、上記内部クロック信号が供給され
る。また、単位累積加算フィルタ12及び13のセレク
タ125及び135の選択制御端子には、カウンタ12
3及び133の出力がそれぞれ供給される。カウンタ1
23及び133には、入力画像信号の同期信号又はクロ
ック信号が共通に供給される。
【0046】この実施例において、内部クロック信号
は、図6に示されるように、入力画像信号のクロックレ
ート、つまり入力画像信号に対応するクロック信号のk
倍つまり2倍の周波数とされる。また、累積加算フィル
タ11のセレクタ1151は、例えば内部クロック信号
の偶数番目のサイクルで単位累積加算フィルタ12のカ
ウンタ123の出力を選択して、係数メモリ112にア
ドレスとして伝達し、その奇数番目のサイクルで単位累
積加算フィルタ13のカウンタ133の出力を選択し
て、係数メモリ112にアドレスとして伝達する。さら
に、セレクタ1152は、内部クロック信号の偶数番目
のサイクルで単位累積加算フィルタ12の累積加算メモ
リ126の出力を選択して加算器114の他方の入力端
子に伝達し、その奇数番目のサイクルで単位累積加算フ
ィルタ13の累積加算メモリ136の出力を選択して加
算器114の他方の入力端子に伝達する。
【0047】以上のことから、乗算器111,係数メモ
リ112ならびに加算器114は、2個の単位累積加算
フィルタ12及び13で共有されるものとなり、これに
よって累積加算フィルタ、つまりは単位累積加算フィル
タが2個設けられることによる所要ハードウェア量の増
大を抑制することができるものとなる。
【0048】一方、単位累積加算フィルタ12及び13
のカウンタ123及び133は、入力画像信号のクロッ
クレートで歩進動作を行い、入力画像信号の画素又はラ
イン数を計数するが、その初期値は、単位累積加算フィ
ルタ12のカウンタ123の初期値Iが、そのリセット
値Rに対して、 I=(R+1)/2 とされ、図6の下段に示されるように、例えば累積加算
フィルタ11の縮小率が1/1とされリセット値Rが1
とされるとき1、縮小率が1/2とされリセット値Rが
3とされるとき2、縮小率が1/4とされリセット値R
が7とされるとき4とされるのに比べて、単位累積加算
フィルタ13のカウンタ133の初期値は累積加算フィ
ルタ14の縮小率1/nに関係なく0とされる。
【0049】また、これらのカウンタ123及び133
のリセット値Rは、累積加算フィルタ11の縮小率1/
nに対して、 R=k×n−1 =2×n−1 となり、上記のように、ともに累積加算フィルタ14の
縮小率が1/1とされるとき1、1/2とされるとき
3、1/4とされるとき7とされ、そのカウンタモジュ
ーロはそれぞれ2,4ならびに8とされる。
【0050】これらのことから、単位累積加算フィルタ
12及び13は、互いに入力画像信号の1クロックサイ
クル分だけ時間をずらして動作するものとなり、累積加
算フィルタ11としての最大タップ数Ntは、縮小率1
/nに対して、 Nt=k×n+1 =2×n+1 つまり、縮小率1/nが1/1とされるとき3、1/2
とされるとき5、1/4とされるとき9とされる縮小フ
ィルタとして作用するものとなる。
【0051】上式から明らかなように、累積加算フィル
タ11の最大タップ数Ntは、単位累積加算フィルタの
個数kが増えるに従って多くなり、累積加算フィルタ1
1の縮小率1/nが小さくつまり整数nが大きくなるに
従って多くなる。
【0052】これにより、例えばその縮小率が1/2と
される累積加算フィルタ11では、図5及び図6に示さ
れるように、単位累積加算フィルタ12が、まず入力画
像信号の最初のクロックサイクルで、入力画像データd
i0に初期フィルタ係数cinitつまりc0+c1+
c2を乗じ、データm20、すなわちdi0×c0+d
i0×c1+di0×c2として累積加算メモリ126
に書き込む。また、入力画像信号の次のクロックサイク
ルでは、累積加算メモリ126の保持データm20に、
入力画像データdi1に4番目のフィルタ係数c1を乗
じた値つまりdi1×c1を加算し、データm21、す
なわちdi0×c0+di0×c1+di0×c2+d
i1×c1として累積加算メモリ126に書き込む。
【0053】さらに、入力画像信号の3番目のクロック
サイクルでは、累積加算メモリ126の保持データm2
1に、入力画像信号di2に5番目のフィルタ係数c0
を乗じた値つまりdi2×c0を加算し、出力画像デー
タdo0として出力するとともに、乗算器111の出力
di2×c0のみをデータm22として累積加算メモリ
126に書き込む。以下、入力画像信号の4クロックサ
イクルを周期として同様な動作を繰り返し、4クロック
サイクルごとに図示されない偶数番号の出力画像データ
do2,do4等を順次生成し、出力する。
【0054】一方、累積加算フィルタ11の単位累積加
算フィルタ13は、まず入力画像信号の最初のクロック
サイクルで、入力画像データdi0に1番目のフィルタ
係数c0を乗じ、データm30、すなわちdi0×c0
として累積加算メモリ136に書き込む。また、入力画
像信号の次のクロックサイクルでは、累積加算メモリ1
36の保持データm30に、入力画像データdi1に2
番目のフィルタ係数c1を乗じた値つまりdi1×c1
を加算し、データm31、すなわちdi0×c0+di
0×c1として累積加算メモリ136に書き込む。
【0055】同様に、入力画像信号の3番目のクロック
サイクルでは、累積加算メモリ136の保持データm3
1に、入力画像信号di2に3番目のフィルタ係数c2
を乗じた値つまりdi2×c2を加算し、データm3
2、すなわちdi0×c0+di0×c1+di2×c
2として累積加算メモリ136に書き込む。また、入力
画像信号の4番目のクロックサイクルでは、累積加算メ
モリ136の保持データm32に、入力画像信号di3
に4番目のフィルタ係数c1を乗じた値つまりdi3×
c1を加算し、データm33、すなわちdi0×c0+
di0×c1+di2×c2+di3×c1として累積
加算メモリ136に書き込む。
【0056】さらに、入力画像信号の5番目のクロック
サイクルでは、累積加算メモリ136の保持データm3
3に、入力画像信号di4に5番目のフィルタ係数c0
を乗じた値つまりdi4×c0を加算し、出力画像デー
タdo1として出力するとともに、乗算器111の出力
di4×c0のみをデータm34として累積加算メモリ
136に書き込む。以下、入力画像信号の4クロックサ
イクルを周期として同様な動作を繰り返し、4クロック
サイクルごとに図示されない奇数番号の出力画像データ
do3,do5等を順次生成し、出力する。
【0057】つまり、この実施例の累積加算フィルタ1
1では、k個つまり2個の単位累積加算フィルタ12及
び13が並列形態に設けられ、前記図12のラインメモ
リ又はフリップフロップに対応する累積加算メモリが2
個つまり2ライン分又は2画素分しか設けられないにも
かかわらず、累積加算フィルタ11としての最大タップ
数Ntは、前述のように、その縮小率1/nに対して、 Nt=2×n+1 つまり、例えば縮小率が1/1とされるとき3、1/2
とされるとき5、1/4とされるとき9となり、相応し
て出力画像信号の画質が高められる。
【0058】さらに、この実施例の累積加算フィルタ1
1では、前記図1ないし図3の累積加算フィルタ10の
場合と同様、各タップでの乗数となるフィルタ係数が中
央のタップをはさんで対称的な値とされることで、係数
メモリ112の所要アドレス数を(n/2)+1に削減
することができるとともに、その縮小処理は、先頭の画
素又はラインの直前にこれと同一の所定数の画素又はラ
インがあるものと仮定し、末尾の画素又はラインの直後
にこれと同一の所定数の画素又はラインがあるものと仮
定して行われるため、画像の最外郭部における縮小処理
が、その中心部での処理に近づけられる。以上の結果、
累積加算フィルタ11ひいてはこれを含む画像処理装置
の画質をさらに高めることができるとともに、その所要
ハードウェア量を削減し、同様に低コスト化を図ること
ができるものである。
【0059】図7には、この発明が適用された画像処理
装置の一実施例のブロック図が示されている、また、図
8には、図7の画像処理装置2に含まれる拡大縮小フィ
ルタ部23の一実施例のブロック図が示されている。さ
らに、図9及び図10には、図8の拡大縮小フィルタ部
23に含まれる水平フィルタ232及び垂直フィルタ2
33の一実施例のブロック図がそれぞれ示され、図11
には、図9の水平フィルタ232の3/10縮小時の処
理手順を説明するための一実施例の説明図が示されてい
る。これらの図をもとに、この実施例の画像処理装置2
及び拡大縮小フィルタ部23ならびにその水平フィルタ
232及び垂直フィルタ233の具体的構成及び動作な
らびにその特徴について説明する。なお、図10の垂直
フィルタ233の処理手順については、図11から類推
されたい。
【0060】まず、図7において、この実施例の画像処
理装置2は、特に制限されないが、2系統の入力画像信
号A及び入力画像信号Bを受けるキャプチャ部22と、
各入力系統の入力同期信号A及び入力同期信号Bを受け
る同期制御部21を備える。画像処理装置2は、さらに
拡大縮小フィルタ部23及び表示部24を備え、メモリ
制御部25及びフレームメモリ部26を備える。
【0061】画像処理装置2の同期制御部21は、外部
装置から入力画像信号A及び入力画像信号Bとともに入
力される入力同期信号A及び入力同期信号Bを、キャプ
チャ部22,拡大縮小フィルタ部23ならびに表示部2
4に伝達するとともに、これらの入力同期信号A及び入
力同期信号Bをもとに所定の出力同期信号A及び出力同
期信号Bを生成し、表示部24から出力される出力画像
信号A及び出力画像信号Bとともに外部装置に出力す
る。
【0062】この実施例において、入力画像信号A及び
入力同期信号Aは、例えば前記MPEG画像又はその同
期信号であって、入力画像信号B及び入力同期信号B
は、通常のテレビ信号等のアナログ画像信号を外部のA
/D変換装置によってデジタル化した外部画像信号又は
その同期信号である。また、出力画像信号A及び出力同
期信号Aは、画像処理装置2から上記MPEGに出力さ
れるデジタル画像信号又はその同期信号であって、出力
画像信号B及び出力同期信号Bは、上記A/D変換装置
を経て出力されるアナログ画像信号又はその同期信号に
対応する。
【0063】画像処理装置2のキャプチャ部22は、予
め外部から与えられたオフセット及びサイズをもとに、
例えばマスター画像となる入力画像信号Aに貼り付ける
スレーブ画像つまり入力画像信号Bの切り出しを行い、
拡大縮小フィルタ部23に伝達する。なお、オフセット
とは、切り出され拡大又は縮小された画像を貼り付ける
べき画面上の水平及び垂直位置を、左上を原点として示
すものであり、サイズとは、該原点を起点とする貼り付
け画像の大きさを示すものである。
【0064】一方、画像処理装置2の拡大縮小フィルタ
部23は、キャプチャ部22によって切り出された画像
を、予め与えられた拡大縮小率に従って拡大又は縮小
し、メモリ制御部25を介してフレームメモリ部26に
書き込む。これらの画像データは、メモリ制御部25を
介して表示部24に読み出され、出力画像信号A又は出
力画像信号Bとして外部装置に出力される。
【0065】なお、拡大縮小フィルタ部23は、後述す
るように、2組の水平フィルタ及び垂直フィルタとその
前後ならびに中間に設けられた3個のスイッチ部とを備
え、種々の組み合わせで、かつ双方向の拡大縮小処理を
行うことができるものとされるが、このことについて
は、後で詳細に説明する。
【0066】ここで、画像処理装置2の拡大縮小フィル
タ部23は、特に制限されないが、図8に示されるよう
に、それぞれ2個の水平フィルタ232A及び232B
ならびに垂直フィルタ233A及び233Bと、これら
のフィルタの前後ならびに中間に設けられる合計3個の
スイッチ部2311,2312ならびに2313とを備
え、さらに、各フィルタを制御するためのフィルタ制御
回路234と、画像処理装置2の図示されない中央処理
ユニットCPUとの間のインタフェース整合を行うCP
Uインタフェース235とを備える。
【0067】拡大縮小フィルタ部23のスイッチ部23
11の第1及び第2の入力端子(ここで、スイッチ部2
311に設けられる四つの入力端子を、図の上から順に
第1ないし第4の入力端子と称する。以下同様)には、
前記キャプチャ部22から入力画像信号A及び入力画像
信号Bあるいはその切り出し画像に対応する画像信号
(図には、入力画像信号A又は入力画像信号Bそのもの
として示される)がそれぞれ供給される。また、その第
2及び第4の入力端子には、前記フレームメモリ部26
から表示部24を介して読出画像信号A及び読出画像信
号Bがそれぞれ供給される。スイッチ部2311の選択
制御端子には、フィルタ制御回路234から図示されな
い信号経路を介して所定の選択制御信号が供給される。
【0068】スイッチ部2311は、これらの画像信号
を、フィルタ制御回路234から供給される選択制御信
号、つまりは動作モードに応じて選択的に水平フィルタ
232A及び232Bに伝達し、あるいはこれらの水平
フィルタを介することなく直接スイッチ部2312の第
2及び第4の入力端子に伝達する。
【0069】水平フィルタ232A及び232Bは、ス
イッチ部2311を介して選択的に伝達される画像信号
に、所定の拡大又は縮小処理を施し、スイッチ部231
2の第1及び第3の入力端子にそれぞれ伝達する。
【0070】スイッチ部2312は、水平フィルタ23
2A又は232Bあるいはスイッチ部2311から直接
供給される画像信号を、フィルタ制御回路234から供
給される選択制御信号、つまりは動作モードに応じて選
択的に垂直フィルタ233A及び233Bに伝達し、あ
るいはこれらの垂直フィルタを介することなく直接スイ
ッチ部2313の第2及び第4の入力端子に伝達する。
【0071】垂直フィルタ233A及び233Bは、ス
イッチ部2312を介して選択的に伝達される画像信号
に、所定の拡大又は縮小処理を施し、スイッチ部231
3の第1及び第3の入力端子にそれぞれ伝達する。
【0072】さらに、スイッチ部2313は、垂直フィ
ルタ233A又は233Bあるいはスイッチ部2312
から直接供給される画像信号を、フィルタ制御回路23
4から供給される選択制御信号、つまりは動作モードに
応じて選択し、出力画像信号A又は出力画像信号Bある
いはフレームメモリ部26に対する書込画像信号A又は
書込画像信号Bとして、メモリ制御部25に伝達する。
【0073】これにより、水平フィルタ232A及び2
32Bならびに垂直フィルタ233A及び233Bは、
その接続形態がスイッチ部2311〜2313により選
択的に切り換えられ、スルー(素通り)を含む種々の組
み合わせで、任意の拡大縮小率でしかも双方向の拡大縮
小処理を選択的に実行しうるものとなる。
【0074】ここで、拡大縮小フィルタ部23の水平フ
ィルタ232A及び232Bは、図9に水平フィルタ2
32として示されるように、k個つまり2個の単位累積
加算フィルタ15及び16を含む累積加算フィルタ14
と、その後段に設けられる1個の線形補間フィルタ31
とを備える。このうち、累積加算フィルタ14ならびに
その単位累積加算フィルタ15及び16は、前記図4の
累積加算フィルタ11ならびに単位累積加算フィルタ1
2及び13にそれぞれ対応し、その乗算器141,係数
メモリ142,画素カウンタ153及び163,加算器
144,セレクタ1451及び1452,セレクタ15
5及び165ならびにフリップフロップ156及び16
6は、図4の乗算器111,係数メモリ112,カウン
タ123及び133,加算器114,セレクタ1151
及び1152,セレクタ125及び135ならびに累積
加算メモリ126及び136にそれぞれ対応する。
【0075】したがって、累積加算フィルタ14は、2
のべき乗の整数nに対し、1/nなる任意の縮小率を有
し、かつその最大タップ数Ntが、 Nt=k×n+1 =2×n+1 とされる縮小フィルタとして作用する。また、この累積
加算フィルタ14では、各タップでの乗数となるフィル
タ係数が中央のタップをはさんで対称的な値とされるこ
とで、係数メモリ142の所要アドレス数が(n/2)
+1に削減されるとともに、その縮小処理は、先頭の画
素又はラインの直前にこれと同一の所定数の画素又はラ
インがあるものと仮定し、末尾の画素又はラインの直後
にこれと同一の所定数の画素又はラインがあるものと仮
定して行われ、画像の最外郭部における縮小処理が、そ
の中心部での処理に近づけられる結果、低コスト化を図
りつつ累積加算フィルタ14としての画質が高められる
ものとなる。
【0076】次に、水平フィルタ232の線形補間フィ
ルタ31は、特に制限されないが、簡素な構成とされる
いわゆる2タップ型の拡大縮小フィルタであって、1画
素分のフリップフロップ316と、2個の乗算器311
1及び3112と、1個の加算器314と、画素カウン
タ313及び係数選択部312とを含む。
【0077】線形補間フィルタ31のフリップフロップ
316は、累積加算フィルタ14から出力される画像信
号をその1クロックサイクル分だけ遅延させ、乗算器3
112の一方の入力端子に伝達する。また、画素カウン
タ313は、累積加算フィルタ14から出力される画像
信号の画素数を計数し、係数選択部312は、画素カウ
ンタ313の計数値に応じたフィルタ係数を生成して、
乗算器3111及び3112に供給する。乗算器311
1及び3112は、累積加算フィルタ14から出力され
る画像信号又はそのフリップフロップ316による遅延
信号に、係数選択部312から供給されるフィルタ係数
をそれぞれ乗じ、加算器314は、乗算器3111及び
3112の乗算結果を加算して出力画像信号とする。
【0078】この実施例において、線形補間フィルタ3
1は、フィルタ係数がかけられず完全に間引かれる画素
が生じて、例えば斜め線が欠けてしまうといった問題を
防止する意味合いから、その拡大縮小率が1/2以上と
なる領域で使用される。このため、水平フィルタ232
全体としての拡大縮小率が例えば3/10とされる場
合、まず累積加算フィルタ14によって例えば1/2の
縮小処理を施した後、線形補間フィルタ31によって1
/2より大きな3/5の縮小処理を施し、全体の拡大縮
小率を3/10に設定する方法が採られる。
【0079】すなわち、累積加算フィルタ14は、その
縮小率が1/2に設定されることでいわゆる5タップ型
の縮小フィルタとして作用し、図11に示されるよう
に、例えばそれぞれ5個の入力画像データdi0〜di
2(仮想的に存在する2個の入力画像データdi0を含
む),di0〜di4,di2〜di6,di4〜di
8,di6〜di10,di8〜di12,di10〜
di14あるいはdi12〜di16(di16は図示
されない)をもとに、累積加算フィルタ14の出力たる
中間画像信号dm0〜dm7等を順次生成する。
【0080】このとき、累積加算フィルタ14が5タッ
プ型の縮小フィルタとして機能し、しかもその縮小処理
が、先頭の入力画像データdi0の直前にこれと同一の
2個の入力画像データdi0があるものと仮定し、図示
されない末尾の入力画像データの直後にこれと同一の1
個の入力画像データがあるものと仮定して行われ、画像
の最外郭部における縮小処理がその中心部での処理に近
づけられることから、中間画像信号dm0〜dm7等と
しての画質が充分に高められる。
【0081】累積加算フィルタ14から出力される中間
画像信号dm0〜dm7等は、2タップの線形補間フィ
ルタ31により、例えば5個の中間画像信号dm0〜d
m4を単位として、dm0及びdm1,dm1及びdm
2ならびにdm3及びdm4等のように2個ずつ組み合
わされ、3個の出力画像データdo0ないしdo2等と
なって、3/5縮小処理を受ける。この結果、出力画像
信号は、入力画像信号を3/10縮小したものとなり、
例えば10個の入力画像データdi0〜di9に対応し
て3個の出力画像信号do0〜do2が生成される形と
なる。
【0082】前記したように、水平フィルタ232の累
積加算フィルタ14は、2個の単位累積加算フィルタ1
5及び16、つまりは2画素分の累積加算メモリに対応
するフリップフロップ156及び166しか含まず、そ
の所要ハードウェア量は、線形補間フィルタ31のよう
な通常のデジタルフィルタにより5タップ型の縮小フィ
ルタが構成される場合に比較して充分に少ないものとな
る。この結果、相応して水平フィルタ232つまりは画
像処理装置2としての低コスト化を図ることができると
ともに、前記理由により水平フィルタ232としての画
質が高められ、画像処理装置2としての画質も高められ
るものとなる。
【0083】なお、水平フィルタ232全体としての拡
大縮小率が1/2を超えるとき、累積加算フィルタ14
は、3タップ型の縮小フィルタとして、1/1の縮小処
理を施すが、この場合も、累積加算フィルタ14はいわ
ゆるロウパスフィルタとして作用し、画像信号の高周波
成分を除去して、画質の向上に寄与する。
【0084】一方、垂直フィルタ233A及び233B
は、図10に垂直フィルタ233として示されるよう
に、同じくk個つまり2個の単位累積加算フィルタ18
及び19を含む累積加算フィルタ17と、その後段に設
けられる1個の線形補間フィルタ32とを備える。この
うち、累積加算フィルタ17ならびにその単位累積加算
フィルタ18及び19は、実質的に画素カウンタ153
及び163がラインカウンタ183及び193に置き換
えられ、フリップフロップ156及び166がラインメ
モリ186及び187に置き換えられることを除いて、
前記図9の累積加算フィルタ14ならびに単位累積加算
フィルタ15及び16にそれぞれ対応し、線形補間フィ
ルタ32は、実質的に画素カウンタ313がラインカウ
ンタ323に置き換えられ、フリップフロップ316が
ラインメモリ326に置き換えられることを除いて、線
形補間フィルタ31に対応する。
【0085】したがって、垂直フィルタ233の場合
も、前記水平フィルタ232の場合と同様な作用効果を
得ることができるが、垂直フィルタ233では、累積加
算メモリとなるラインメモリの保持容量がフリップフロ
ップの例えば1440倍となるため、相応して垂直フィ
ルタ233、つまりはこれを含む拡大縮小フィルタ部2
3、ひいてはこれを含む画像処理装置2の所要ハードウ
ェア量が削減され、画像処理装置2の低コスト化に寄与
する効果は膨大なものとなる。
【0086】以上の実施例から得られる作用効果は、下
記の通りである。すなわち、 (1)画像処理装置の拡大縮小フィルタ部のデジタルフ
ィルタを、入力画像信号の画素又はライン数を計数しそ
のカウンタモジューロが拡大縮小率に応じて選択的に切
り換えられるカウンタと、カウンタの計数値に対応した
フィルタ係数を出力する係数メモリと、入力画像信号に
フィルタ係数を乗ずる乗算器と、該乗算器の出力又はそ
の累積加算値を保持する累積加算メモリと、乗算器の出
力に累積加算メモリの保持内容を加算する加算器と、カ
ウンタの計数値に従って乗算器又は加算器の出力を選択
的に累積加算メモリに書き込むセレクタとを基本に構成
し、カウンタの計数値が所定値とされるときの加算器の
出力を、入力画像信号を拡大又は縮小した出力画像信号
とすることで、ラインメモリ又はフリップフロップに対
応する1個の累積加算メモリを設けるだけで、2のべき
乗の整数nに対し、1/nなる縮小率を有し、かつ、N
t=nなる最大タップ数Ntを有する縮小フィルタを容
易に実現することができるという効果が得られる。
【0087】(2)上記(1)項において、拡大縮小フ
ィルタ部を構成するデジタルフィルタをk個並列形態に
設けることで、Nt=k×nなる最大タップ数Ntを有
する縮小フィルタを容易に実現することができるという
効果が得られる。
【0088】(3)上記(2)項において、拡大縮小フ
ィルタ部を構成するデジタルフィルタのフィルタ係数
が、少なくとも各拡大縮小率における所定数のタップの
先頭及び末尾において対称的な値となるように設定する
ことで、係数メモリの所要ハードウェア量を削減できる
とともに、Nt=k×n+1なる最大タップ数Ntを有
する縮小フィルタを容易に実現することができるという
効果が得られる。
【0089】(4)上記(2)項及び(3)項におい
て、拡大縮小フィルタ部を構成するk個のデジタルフィ
ルタを、入力画像信号に対応するクロック信号のk倍の
周波数とされる内部クロック信号に従って同期動作さ
せ、その係数メモリ,乗算器ならびに加算器を、k個の
デジタルフィルタによって時分割使用する形で共有する
ことで、拡大縮小フィルタ部の特に係数メモリ,乗算器
ならびに加算器に関する所要ハードウェア量を削減する
ことができるという効果が得られる。
【0090】(5)上記(1)項ないし(4)項におい
て、先頭の画素又はラインの直前に該先頭の画素又はラ
インと同一の所定数の画素又はラインがあるものと仮定
し、末尾の画素又はラインの直後に、該末尾の画素又は
ラインと同一の所定数の画素又はラインがあるものと仮
定して、画像の拡大又は縮小処理を行うことで、画像の
水平方向及び垂直方向の最外郭部における拡大縮小処理
を、その中心部での処理に近づけることができるという
効果が得られる。
【0091】(6)上記(1)項ないし(5)項によ
り、画像処理装置の所要ハードウェア量を削減し、その
低コスト化を図ることができるとともに、特に縮小率の
小さなレンジでのタップ数を増やし、画像処理装置の画
質を高めることができるという効果が得られる。また、
同様な画像の拡大縮小処理をソフトウェアにより等価的
に実現する場合でも、その処理を効率化して所要ステッ
プ数を削減し、出力画像の画質を高めることができると
いう効果が得られる。
【0092】以上、本発明者によってなされた発明を実
施例に基づき具体的に説明したが、この発明は、上記実
施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない
範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。例え
ば、図1において、係数メモリ102は、所定の演算処
理に基づいてフィルタ係数を算出する係数選択部に置き
換えることができるし、カウンタ103は、例えばシフ
トレジスタに置き換えることができる。このことは、図
4の係数メモリ112ならびにカウンタ123及び13
3,図9の係数メモリ142ならびに画素カウンタ15
3及び163,図10の係数メモリ172ならびにライ
ンカウンタ183及び193についても同様である。累
積加算フィルタのブロック構成や各部の接続形態は、そ
の基本的形態が変わらないことを条件に、種々の実施形
態をとりうる。
【0093】図2において、累積加算フィルタは、必ず
しも先頭の画素又はラインの直前に該先頭の画素又はラ
インと同一の所定数の画素又はラインがあるものと仮定
し、末尾の画素又はラインの直後に該末尾の画素又はラ
インと同一の所定数の画素又はラインがあるものと仮定
して、画像の拡大又は縮小処理を行うものであることを
必須条件とはしない。また、フィルタ係数は、必ずしも
対称的な値であることを必須条件としない。このこと
は、図5及び図11でも同様である。
【0094】図3において、各信号等の絶対的な時間関
係は、本発明の主旨に何ら制約を与えない。このこと
は、図6についても同様である。
【0095】図4において、累積加算フィルタ11を構
成する単位累積加算フィルタの数kは、任意に設定でき
る。また、乗算器111,係数メモリ112,加算器1
14は、必ずしもk個の単位累積加算フィルタで共有す
る必要がない。
【0096】図7において、画像処理装置2は、必ずし
も2系統の画像信号を処理するものである必要はない
し、そのブロック構成も種々の実施形態をとりうる。図
8において、拡大縮小フィルタ部23は、水平フィルタ
2321〜2313を含まず、必要とされる接続形態に
応じて複数の水平フィルタ及び垂直フィルタを設けるこ
とができる。また、水平フィルタ232A及び232B
と垂直フィルタ233A及び233Bの接続順序は入れ
換えることができるし、拡大縮小フィルタ部23のブロ
ック構成及び各部の接続形態は、種々の実施形態をとり
うる。
【0097】図9において、累積加算フィルタ14と線
形補間フィルタ31の接続順序は入れ換えることができ
るし、線形補間フィルタ31のブロック構成も、本実施
例による制約を受けない。このことは、図10の累積加
算フィルタ17及び線形補間フィルタ32についても同
様である。図11において、中間画像信号dm0〜dm
7等ならびに出力画像データdo0〜do4等を生成す
るための入力画像データdi0〜di15等ならびに中
間画像信号dm0〜dm7等の組み合わせは、本実施例
による制約を受けることなく種々の実施形態をとりう
る。
【0098】以上の説明では、主として本発明者によっ
てなされた発明をその背景となった利用分野である縮小
フィルタ及びこれを含む画像処理装置に適用した場合に
ついて説明したが、それに限定されるものではなく、例
えば、画像処理装置以外の装置に含まれるデジタルフィ
ルタや、同様な画像処理機能を有するコンピュータなら
びにこのようなコンピュータ又は画像処理装置に使用さ
れるソフトウェアにも適用できる。この発明は、少なく
とも拡大縮小機能を有するデジタルフィルタ及びこのよ
うなデジタルフィルタを含む画像処理装置ならびに画像
処理装置及びコンピュータ等の画像処理方法として広く
適用できる。
【0099】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち代表
的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下
記の通りである。すなわち、画像処理装置の拡大縮小フ
ィルタ部のデジタルフィルタを、入力画像信号の画素又
はライン数を計数しそのカウンタモジューロが拡大縮小
率に応じて選択的に切り換えられるカウンタと、該カウ
ンタの計数値に対応したフィルタ係数を出力する係数メ
モリと、入力画像信号に対しフィルタ係数を乗ずる乗算
器と、該乗算器の出力又はその累積加算値を保持する累
積加算メモリと、乗算器の出力に累積加算メモリの保持
内容を加算する加算器と、カウンタの計数値に従って乗
算器又は加算器の出力を選択的に累積加算メモリに伝達
するセレクタとを基本に構成し、カウンタの計数値が所
定値とされるときの加算器の出力を、入力画像信号を拡
大又は縮小した出力画像信号とすることで、ラインメモ
リ又はフリップフロップに対応する1個の累積加算メモ
リを設けるだけで、2のべき乗の整数nに対し1/nな
る縮小率を有し、かつNt=nなる最大タップ数Ntを
有する縮小フィルタを容易に実現できる。
【0100】上記画像処理装置において、拡大縮小フィ
ルタ部を構成するデジタルフィルタをk個並列形態に設
けることで、Nt=k×nなる最大タップ数Ntを有す
る縮小フィルタを容易に実現することができる。
【0101】上記画像処理装置において、拡大縮小フィ
ルタ部を構成するデジタルフィルタのフィルタ係数が、
少なくとも各拡大縮小率における所定数のタップの先頭
及び末尾において対称的な値となるように設定すること
で、係数メモリの所要ハードウェア量を削減することが
できるとともに、Nt=k×n+1なる最大タップ数N
tを有する縮小フィルタを容易に実現することができ
る。
【0102】上記画像処理装置において、k個のデジタ
ルフィルタを、入力画像信号に対応するクロック信号の
k倍の周波数とされる内部クロック信号に従って同期動
作させ、その係数メモリ,乗算器ならびに加算器を、k
個のデジタルフィルタによって時分割使用する形で共有
することで、拡大縮小フィルタ部の特に係数メモリ,乗
算器ならびに加算器に関する所要ハードウェア量を削減
できる。
【0103】上記画像処理装置において、先頭の画素又
はラインの直前に、該先頭の画素又はラインと同一の所
定数の画素又はラインがあるものと仮定し、末尾の画素
又はラインの直後に、該末尾の画素又はラインと同一の
所定数の画素又はラインがあるものと仮定して、画像の
拡大又は縮小処理を行うことで、画像の最外郭部におけ
る拡大縮小処理をその中心部での処理に近づけることが
できる。
【0104】以上の結果、画像処理装置の所要ハードウ
ェア量を削減し、その低コスト化を図ることができると
ともに、特に縮小率の小さなレンジでのタップ数を増や
し、画像処理装置の画質を高めることができる。さら
に、同様な画像の拡大縮小処理をソフトウェアにより等
価的に実現する場合でも、その処理を効率化して所要ス
テップ数を削減し、出力画像の画質を高めることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明が適用された累積加算フィルタの第1
の実施例を示すブロック図である。
【図2】図1の累積加算フィルタの1/2縮小時の処理
手順を説明するための一実施例を示す説明図である。
【図3】図1の累積加算フィルタの1/2縮小時の動作
タイミングを説明するための一実施例を示す説明図であ
る。
【図4】この発明が適用された累積加算フィルタの第2
の実施例を示すブロック図である。
【図5】図4の累積加算フィルタの1/2縮小時の処理
手順を説明するための一実施例を示す説明図である。
【図6】図4の累積加算フィルタの1/2縮小時の動作
タイミングを説明するための一実施例を示す説明図であ
る。
【図7】この発明が適用された画像処理装置の一実施例
を示すブロック図である。
【図8】図7の画像処理装置に含まれる拡大縮小フィル
タ部の一実施例を示すブロック図である。
【図9】図8の拡大縮小フィルタ部に含まれる水平フィ
ルタの一実施例を示すブロック図である。
【図10】図8の拡大縮小フィルタ部に含まれる垂直フ
ィルタの一実施例を示すブロック図である。
【図11】図9の水平フィルタの3/10縮小時の処理
手順を説明するための一実施例を示す説明図である。
【図12】従来の画像処理装置に含まれる拡大縮小フィ
ルタの一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
10…累積加算フィルタ、101…乗算器、102…係
数メモリ、103…カウンタ、104…加算器、105
…セレクタ、106…累積加算メモリ。11…累積加算
フィルタ、12〜13…単位累積加算フィルタ、111
…乗算器、112…係数メモリ、123,133…カウ
ンタ、114…加算器、1151〜1152,125,
135…セレクタ、126,136…累積加算メモリ。
2…画像処理装置、21…同期制御部、22…キャプチ
ャ部、23…拡大縮小フィルタ部、24…表示部、25
…メモリ制御部、26…フレームメモリ部。2311〜
2313…スイッチ部、232A〜232B…水平フィ
ルタ、233A〜233B…垂直フィルタ、234…フ
ィルタ制御回路、235…CPUインタフェース。14
…累積加算フィルタ、15〜16…単位累積加算フィル
タ、31…線形補間フィルタ、141,3111〜31
12…乗算器、142…係数メモリ、312…係数選択
部、153,163,313…画素カウンタ、144,
314…加算器、1451〜1452,155,165
…セレクタ、156,166,316…フリップフロッ
プ。17…累積加算フィルタ、18〜19…単位累積加
算フィルタ、32…線形補間フィルタ、171,321
1〜3212…乗算器、172…係数メモリ、322…
係数選択部、183,193,323…ラインカウン
タ、174,324…加算器、1751〜1752,1
85,195…セレクタ、186,196,326…ラ
インメモリ。4…拡大縮小フィルタ部、41…垂直フィ
ルタ、42…水平フィルタ、4111〜4114,42
11〜4214…乗算器、412,422…係数メモ
リ、414,424…加算器、4161〜4163…ラ
インメモリ、4261〜4263…フリップフロップ。
di0〜di15…入力画像データ、c0〜c2…フィ
ルタ係数、cinit…初期フィルタ係数、m0〜m
7,m20〜m25,m30〜m35…累積加算メモリ
の保持データ、do0〜do4…出力画像データ、dm
0〜dm7…中間画像信号(累積加算フィルタの出
力)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中本 貴士 東京都小平市上水本町五丁目20番1号 株 式会社日立製作所システムLSI開発セン タ内 (72)発明者 堀 仁一 東京都小平市上水本町五丁目20番1号 株 式会社日立製作所システムLSI開発セン タ内 Fターム(参考) 5B057 CD10 CE06 CH09 5C023 AA02 DA03 DA08 EA03 EA06 EA10 5C076 AA22 BA06 BB07 5C082 BA41 CA21 CA32 DA51 MM04 MM06 MM07 MM10

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力画像信号の画素又はライン数を計数
    し、そのカウンタモジューロが拡大縮小率に応じて選択
    的に切り換えられるカウンタと、 上記カウンタの計数値に対応したフィルタ係数を出力す
    る係数メモリと、 上記入力画像信号に対応する上記フィルタ係数を乗ずる
    乗算器と、 上記乗算器の出力又はその累積加算値を保持する累積加
    算メモリと、 上記乗算器の出力に上記累積加算メモリの保持内容を加
    算する加算器と、 上記カウンタの計数値に従って上記乗算器又は加算器の
    出力を選択的に上記累積加算メモリに書き込むセレクタ
    とを具備し、かつ、 上記カウンタの計数値が所定値とされるときの上記加算
    器の出力として、上記入力画像信号を拡大又は縮小した
    出力画像信号を生成しうることを特徴とするデジタルフ
    ィルタ。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 上記デジタルフィルタは、2のべき乗の整数nに対し、
    1/nなる縮小率を有する縮小フィルタであることを特
    徴とするデジタルフィルタ。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 上記デジタルフィルタは、そのk個が実質並列結合され
    ることで、k×nなる最大タップ数を有するものとされ
    ることを特徴とするデジタルフィルタ。
  4. 【請求項4】 請求項3において、 上記デジタルフィルタのフィルタ係数は、少なくとも各
    拡大縮小率における所定数のタップの先頭及び末尾にお
    いて対称的な値とされるものであって、 上記デジタルフィルタは、k×n+1なる最大タップ数
    を有するものとされることを特徴とするデジタルフィル
    タ。
  5. 【請求項5】 請求項2,請求項3又は請求項4におい
    て、 上記k個のデジタルフィルタは、上記入力画像信号に対
    応するクロック信号のk倍の周波数とされる内部クロッ
    ク信号に従って同期動作されるものであって、かつ上記
    係数メモリ,乗算器ならびに加算器を、時分割使用する
    形で共有するものであることを特徴とするデジタルフィ
    ルタ。
  6. 【請求項6】 請求項2,請求項3,請求項4又は請求
    項5において、 上記デジタルフィルタは、その拡大縮小率が1/2より
    大きくされる線形補間フィルタととともに、任意倍率の
    拡大縮小フィルタを構成するものであることを特徴とす
    るデジタルフィルタ。
  7. 【請求項7】 2のべき乗の整数nに対し、1/nなる
    縮小率を有する縮小フィルタと、 該縮小フィルタと直列形態に設けられ、その拡大縮小率
    が1/2より大きくされる線形補間フィルタとを含んで
    なる拡大縮小フィルタ部を具備することを特徴とする画
    像処理装置。
  8. 【請求項8】 請求項7において、 上記縮小フィルタは、 入力画像信号の画素又はライン数を計数し、そのカウン
    タモジューロが画像の拡大縮小率に応じて選択的に切り
    換えられるカウンタと、 上記カウンタの計数値に対応したフィルタ係数を出力す
    る係数メモリと、 上記入力画像信号に対応する上記フィルタ係数を乗ずる
    乗算器と、 上記乗算器の出力又はその累積加算値を保持する累積加
    算メモリと、 上記乗算器の出力に上記累積加算メモリの保持内容を加
    算する加算器と、 上記カウンタの計数値に従って上記乗算器又は加算器の
    出力を選択的に上記累積加算メモリに伝達するセレクタ
    とを含んでなるものであることを特徴とする画像処理装
    置。
  9. 【請求項9】 請求項8において、 上記縮小フィルタは、そのk個が実質並列結合され、か
    つ、そのフィルタ係数が少なくとも各拡大縮小率におけ
    る所定数のタップの先頭及び末尾において対称的な値と
    されることで、k×n+1なる最大タップ数を有するも
    のとされることを特徴とする画像処理装置。
  10. 【請求項10】 2のべき乗の整数nに対して1/nな
    る縮小率の縮小フィルタ処理と、1/2より大きな拡大
    縮小率の線形補間フィルタ処理とを実質直列に施すこと
    により、任意の拡大縮小率で画像の拡大又は縮小処理を
    行うことを特徴とする画像処理方法。
  11. 【請求項11】 先頭の画素又はラインの直前に該先頭
    の画素又はラインと同一の所定数の画素又はラインがあ
    るものと仮定し、末尾の画素又はラインの直後に該末尾
    の画素又はラインと同一の所定数の画素又はラインがあ
    るものと仮定して画像の拡大又は縮小処理を行うことを
    特徴とする画像処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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