JP2001159892A - 演奏データ作成装置及び記録媒体 - Google Patents

演奏データ作成装置及び記録媒体

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JP2001159892A JP2000077340A JP2000077340A JP2001159892A JP 2001159892 A JP2001159892 A JP 2001159892A JP 2000077340 A JP2000077340 A JP 2000077340A JP 2000077340 A JP2000077340 A JP 2000077340A JP 2001159892 A JP2001159892 A JP 2001159892A
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俊幸 岩本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】表情付けルールや手順をモジュール化して演奏
パラメータを自動編集し、簡単な操作で、演奏データに
多彩/多様な表情付けを行うこと。 【解決手段】この発明による表情付けモジュールEM
は、楽音の演奏上の制御因子となる演奏データの特徴を
予めルールとして用意している。表情付けブロックEB
は、入力された元演奏データODを解析して得た特徴情
報に基づき、モジュールEMのルールに従って、最適な
変化値(パラメータ値)を与える楽音制御情報(テンポ
やタイミング等の時間や、音量、音程など、演奏上の制
御因子に関する演奏パラメータ)を設定し、この楽音制
御情報を元演奏データODに付加し、表情が付加された
演奏データEDを出力する。学習機能やライブラリ化に
より表情付与の範囲を拡大したり、更に、楽音制御情報
を演奏データ全体で対比修正し演奏データを見通して設
定することもできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、表情が付与され
た演奏データを作成するための演奏データ作成装置及び
記録媒体、換言すれば、供給された演奏データ中の特徴
に基づいて、演奏データに各種表情を付加するためのパ
ラメータの値を自動的に編集するパラメータ自動編集シ
ステムに関する。
【0002】
【従来の技術】MIDIデータを音符の情報のみで構成
すると、機械的で無表情な演奏になってしまう。より自
然な演奏、美しい演奏、生々しい演奏、癖のある個性的
な演奏等、表情のある多彩な演奏出力を得るためには、
様々な音楽的表現や、楽器らしさを制御データとして加
える必要がある。様々な表現を加えるシステムとして
は、楽譜を通して表現を加えるという方法などが考えら
れる。しかし、表情には上述のように様々なものがあ
る。様々な表情を扱うことができるようになってこそ有
意義なシステムと言える。
【0003】また、表情の種類が多くなると自動的に付
加するシステムを案出しないと、どのような表情を付け
たら良いのか戸惑うばかりになってしまうため、自動的
なシステムの実現のためにも、表情付けをモジュール化
して扱うことが好ましい。従って、音楽的なMIDIデ
ータを作成するためには、様々な音楽表現の特徴をルー
ル化したモジュールを用意すると良いことが分かる。
【0004】従来、供給された演奏データから再生され
る演奏に各種表情を付加するためのパラメータの値を編
集する演奏データ作成装置又はパラメータ編集装置とし
て、次のものが知られている。
【0005】すなわち、 (1)供給された演奏データに対して、マニュアル入力
により、既に設定されているパラメータの値を修正した
り、新たなパラメータを追加したりして、当該演奏デー
タから再生される、機械的で無表情な演奏に表情(自然
な演奏、美しい演奏、生々しい演奏等の音楽的表現)を
付加できるようにしたもの (2)供給された演奏データ中、ユーザが指定した範囲
の演奏データに対して演奏表情(たとえば、クレッシェ
ンドやデクレッシェンド効果)を自動的に付加できるよ
うにしたものが知られている。
【0006】しかし、上記した従来の演奏データ作成装
置又はパラメータ編集装置のうち(1)のものでは、修
正したり追加したりすべきパラメータをユーザが自ら選
択し、その値を決定しなければならず、特にユーザが初
心者である場合には、好みの表情を付加するためのパラ
メータを選択し、その表情に最適なパラメータ値を決定
することは困難であり、また、一々マニュアルで入力す
ること自体が煩わしい作業となる。
【0007】また、上記した従来の演奏データ作成装置
又はパラメータ編集装置のうち(2)のものでは、ユー
ザが指定可能な範囲は曲データ全体に対して局所的な一
部範囲であるため、その一部範囲に属する演奏データに
基づいて付加される演奏表情は簡単なもの(たとえば、
当該部分の音量を線形的に増加または減少させるだけの
演奏表情)とならざるを得ず、したがって、ユーザが望
む多様な演奏表情を付加するには、演奏表情を付加すべ
き範囲を順次変更しながら同様の操作を何度も行わなけ
ればならず、簡単な操作で多様な演奏表情を付加するこ
とはできなかった。さらに、演奏表情を付加すべき範囲
はユーザが自ら指定しなければならないため、ユーザ
は、どのような演奏個所にどのような表情を付加すれ
ば、その曲にとって最適な表情付けとなるのかを知って
いる必要があり、初心者ユーザにとっては、困難な作業
となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、このよう
な事情に鑑み、特に、テンポやタイミング等の時間的変
化により表情付けを行う場合の種々のルールや手順に着
目し、これをモジュール化した新規な表情付け変換器を
提供し、元の無表情な楽音データから音楽性のある多彩
な演奏を可能とする演奏データに自動的に変換すること
ができる演奏データ作成システム(パラメータ自動編集
システム)を提供することを目的とする。
【0009】この発明は、また、上述の各点に着目して
なされたものであり、ユーザが初心者であっても簡単な
操作で曲に多様な表情付けを行うことが可能な演奏デー
タ作成システム(パラメータ自動編集システム)を提供
することを目的とする。
【0010】この発明は、さらに、テンポやタイミング
等の時間的変化パラメータ、音量パラメータの外、ピッ
チ等の音程パラメータなどの演奏に関する種々の制御パ
ラメータを自動的に編集して、ユーザが初心者であって
も、簡単な操作で曲に多種多様の表情付けを行うことが
可能な演奏データ作成システム(パラメータ自動編集シ
ステム)を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明の第1の特徴に
従うと、演奏データを供給する供給手段と、供給された
演奏データの特徴情報を取得する取得手段と、所定の特
徴情報に対応する情報であって、楽音制御情報を生成す
るための生成方法を表わす生成方法情報を、記憶する記
憶手段と、取得された特徴情報、及び、この特徴情報に
対応する生成方法情報から、楽音制御情報を生成する生
成手段と、生成された楽音制御情報を、供給された演奏
データに付加する付加手段とを具備する演奏データ作成
装置(請求項1)が提供される。この特徴に従う演奏デ
ータ作成装置は、さらに、付加手段により楽音制御情報
が付加された演奏データを出力する出力手段と、出力さ
れた演奏データを評価し、評価結果に応じて、生成され
た楽音制御情報を調節する調節手段とを具備する(請求
項2)。
【0012】また、この特徴に従い、演奏データを供給
するステップと、供給された演奏データの特徴情報を取
得するステップと、所定の特徴情報に対応する情報であ
って、楽音制御情報を生成するための生成方法を表わす
生成方法情報を、記憶している記憶手段から、取得され
た特徴情報に対応する生成方法情報を取得するステップ
と、取得された特徴情報及び生成方法情報から、楽音制
御情報を生成するステップと、生成された楽音制御情報
を、供給された演奏データに付加するステップとからな
るプログラムを記録している演奏データ作成のための記
録媒体(請求項75)が提供される。
【0013】この発明の第2の特徴に従うと、演奏デー
タを供給する供給手段と、供給された演奏データから、
音符の発生時間間隔に相当する特徴情報を抽出する抽出
手段と、音符の発生時間間隔に相当する特徴情報に対応
する楽音制御情報を生成するための生成方法を表わす生
成方法情報を記憶する記憶手段と、抽出された特徴情報
及び生成方法情報に基づき、楽音制御情報を生成する生
成手段と、生成された楽音制御情報を供給された演奏デ
ータに付加する付加手段とを具備する演奏データ作成装
置(請求項3)が提供される。
【0014】この特徴に従う1つの演奏データ作成装置
においては、特徴情報は、所定単位時間あたりの音符数
を表わす情報であり、生成方法情報は、所定単位時間あ
たりの音符数が所定数を越えている場合に、演奏データ
の再生テンポの値を速くするような楽音制御情報を生成
する生成方法を表わす情報である(請求項4)。この特
徴に従う別の演奏データ作成装置においては、特徴情報
は、音符の発音時間間隔を表わす情報であり、生成方法
情報は、音符の発音時間間隔がせまい場合に、演奏デー
タの再生テンポの値を遅くするような楽音制御情報を生
成する生成方法を表わす情報である(請求項5)。この
特徴に従う他の演奏データ作成装置においては、特徴情
報は、所定単位時間あたりの音符数を表わす情報であ
り、生成方法情報は、所定単位時間あたりの音符数が所
定数を越えている場合に、演奏データの音量を徐々に減
少するような楽音制御情報を生成する生成方法を表わす
情報である(請求項6)。
【0015】この発明の第3の特徴に従うと、演奏デー
タを供給する供給手段と、演奏データの進行状態に対応
する楽音制御情報を生成するための生成方法を表わす生
成方法情報を記憶する記憶手段と、供給された演奏デー
タの進行状態及び生成方法情報に基づき、楽音制御情報
を生成する生成手段と、生成された楽音制御情報を、供
給された演奏データに付加する付加手段とを具備する演
奏データ作成装置(請求項7)が提供される。
【0016】この特徴に従う1つの演奏データ作成装置
においては、生成情報情報は、演奏データの進行に従っ
て、演奏データの再生テンポを徐々に速くするような楽
音制御情報を生成する生成方法を表わす情報である(請
求項8)。この特徴に従う別の演奏データ作成装置にお
いては、生成情報情報は、演奏データの進行に従って、
音量を徐々に大きくするような楽音制御情報を生成する
生成方法を表わす情報である(請求項9)。
【0017】この発明の第4の特徴に従うと、演奏デー
タを供給する供給手段と、供給された演奏データから、
音長が所定長以上であり且つトリル又はビブラートが付
与されている部分を抽出する抽出手段と、音長が所定長
以上であり且つトリル又はビブラートが付与されている
部分に対応する楽音制御情報を生成するための生成方法
を表わす生成方法情報を記憶する記憶手段と、抽出され
た部分及び生成方法情報に基づき、楽音制御情報を生成
する生成手段と、生成された楽音制御情報を、供給され
た演奏データに付加する付加手段とを具備する演奏デー
タ作成装置(請求項10)が提供される。
【0018】この特徴に従う1つの演奏データ作成装置
においては、生成方法情報は、トリル又はビブラートの
経過時間に応じて、演奏データの再生テンポの値を最初
はゆっくりで徐々に速くするような楽音制御情報を生成
する生成方法を表わす情報である(請求項11)。この
特徴に従う別の演奏データ作成装置においては、生成方
法情報は、音量を、最初は大きく、途中は小さく、最後
は大きくするような楽音制御情報を生成する生成方法を
表わす情報である(請求項12)。
【0019】この発明の第5の特徴に従うと、演奏デー
タを供給する供給手段と、供給された演奏データから、
ピッチベンドが付与されている部分を抽出する抽出手段
と、ピッチベンドが付与されている部分に対応する楽音
制御情報を生成するための生成方法を表わす生成方法情
報を記憶する記憶手段と、抽出された部分及び生成方法
情報に基づき、楽音制御情報を生成する生成手段と、生
成された楽音制御情報を、供給された演奏データに付加
する付加手段とを具備する演奏データ作成装置(請求項
13)が提供される。
【0020】この特徴に従う1つの演奏データ作成装置
においては、生成方法情報は、ピッチベンドの変化に基
づいて、演奏データの再生テンポの値を徐々に遅くする
ような楽音制御情報を生成する生成方法を表わす情報で
ある(請求項14)。この特徴に従う別の演奏データ作
成装置においては、生成方法情報は、ピッチベンドが深
く或いは速くかかっている場合に、演奏データの再生テ
ンポの値を徐々に遅くするような楽音制御情報を生成す
る生成方法を表わす情報である(請求項15)。この特
徴に従う他の演奏データ作成装置においては、生成方法
情報は、ピッチベンドの変化率が大きいほど、音量を小
さくするような楽音制御情報を生成する生成方法を表わ
す情報である(請求項16)。
【0021】この発明の第6の特徴に従うと、演奏デー
タを供給する供給手段と、供給された演奏データからフ
レーズの区切り部分を抽出する抽出手段と、フレーズの
区切り部分に対応する楽音制御情報を生成するための生
成方法を表わす生成方法情報を記憶する記憶手段と、抽
出された部分及び生成方法情報に基づき、楽音制御情報
を生成する生成手段と、生成された楽音制御情報を、供
給された演奏データに付加する付加手段とを具備する演
奏データ作成装置(請求項17)が提供される。
【0022】この特徴に従う1つの演奏データ作成装置
においては、生成方法情報は、フレーズの区切り部分に
おいて、演奏データの再生テンポの値を遅くするような
楽音制御情報を生成する生成方法を表わす情報である
(請求項18)。この特徴に従う別の演奏データ作成装
置においては、生成方法情報は、フレーズの区切り部分
において、音量を徐々に小さくするような楽音制御情報
を生成する生成方法を表わす情報である(請求項1
9)。この特徴に従う他の演奏データ作成装置において
は、生成方法情報は、フレーズの区切り部分において、
フレーズの開始位置にはダンパオンに関する情報を、フ
レーズの終端位置にはダンパオフに関する情報を挿入す
るような楽音制御情報を生成する生成方法を表わす情報
である(請求項20)。
【0023】この発明の第7の特徴に従うと、演奏デー
タを供給する供給手段と、供給された演奏データから、
所定区間毎の平均音高情報又は平滑化された音高情報を
算出する算出手段と、平均音高情報又は平滑化された音
高情報に対応する楽音制御情報を生成するための生成方
法を表わす生成方法情報を記憶する記憶手段と、算出さ
れた平均音高情報又は平滑化された音高情報及び生成方
法情報に基づき、楽音制御情報を生成する生成手段と、
生成された楽音制御情報を、供給された演奏データに付
加する付加手段とを具備する演奏データ作成装置(請求
項21)が提供される。
【0024】この特徴に従う1つの演奏データ作成装置
においては、生成方法情報は、平均音高情報又は平滑化
された音高情報の音高が高いほど、演奏データの再生テ
ンポの値を速くするような楽音制御情報を生成する生成
方法を表わす情報である(請求項22)。
【0025】この発明の第8の特徴に従うと、演奏デー
タを供給する供給手段と、供給された演奏データから、
音高の変化傾向に相当する特徴情報を抽出する抽出手段
と、音高の変化傾向に相当する特徴情報に対応する楽音
制御情報を生成するための生成方法を表わす生成方法情
報を記憶する記憶手段と、抽出された特徴情報及び生成
方法情報に基づき、楽音制御情報を生成する生成手段
と、生成された楽音制御情報を、供給された演奏データ
に付加する付加手段とを具備する演奏データ作成装置
(請求項23)が提供される。
【0026】この特徴に従う1つの演奏データ作成装置
においては、特徴情報は、音高の上昇傾向と下降傾向と
の切替り位置を表わす情報であり、生成方法情報は、音
高の上昇傾向と下降傾向との切替り位置において、演奏
データの再生テンポの値を遅くするような楽音制御情報
を生成する生成方法を表わす情報である(請求項2
4)。この特徴に従う別の演奏データ作成装置において
は、特徴情報は、音高の上昇傾向と下降傾向との切替り
位置を表わす情報であり、生成方法情報は、音高の上昇
傾向と下降傾向との切替り位置において、切替り位置の
音符の音量にアクセントを付与するような楽音制御情報
を生成する生成方法を表わす情報である(請求項2
5)。この特徴に従う他の演奏データ作成装置において
は、特徴情報は、音高の上昇傾向部分を表わす情報であ
り、生成方法情報は、上昇傾向部分において、音量を徐
々に大きくするような楽音制御情報を生成する生成方法
を表わす情報である(請求項26)。
【0027】この発明の第9の特徴に従うと、演奏デー
タを供給する供給手段と、供給された演奏データから、
同一又は類似するデータ列が連続して存在する部分を抽
出する抽出手段と、同一又は類似するデータ列が連続し
て存在する部分に対応する楽音制御情報を生成するため
の生成方法を表わす生成方法情報を記憶する記憶手段
と、抽出された特徴情報及び生成方法情報に基づき、楽
音制御情報を生成する生成手段と、生成された楽音制御
情報を、供給された演奏データに付加する付加手段とを
具備することを特徴とする演奏データ作成装置(請求項
27)が提供される。
【0028】この特徴に従う1つの演奏データ作成装置
においては、生成方法情報は、連続して存在する同一又
は類似するデータ列の後側のデータ列に対して、演奏デ
ータの再生テンポの値を変更するような楽音制御情報を
生成する生成方法を表わす情報である(請求項28)。
この特徴に従う別の演奏データ作成装置においては、生
成方法情報は、連続して存在する同一又は類似するデー
タ列の後側のデータ列に対して、音量を類似度に応じて
変更するような楽音制御情報を生成する生成方法を表わ
す情報である(請求項29)。
【0029】この発明の第10の特徴に従うと、演奏デ
ータを供給する供給手段と、供給された演奏データか
ら、類似するデータ列を抽出する抽出手段と、類似する
データ列の相違点に基づいて、演奏データの再生テンポ
の値を変更するような楽音制御情報を生成するための生
成方法を表わす生成方法情報を記憶する記憶手段と、抽
出されたデータ列及び生成方法情報に基づき、楽音制御
情報を生成する生成手段と、生成された楽音制御情報
を、供給された演奏データに付加する付加手段とを具備
する演奏データ作成装置(請求項30)が提供される。
【0030】この発明の第11の特徴に従うと、演奏デ
ータを供給する供給手段と、供給された演奏データか
ら、予め登録されている音形を抽出する抽出手段と、音
形に対応する楽音制御情報を生成するための生成方法を
表わす生成方法情報を記憶する記憶手段と、抽出された
音形及び生成方法情報に基づき、楽音制御情報を生成す
る生成手段と、生成された楽音制御情報を、供給された
演奏データに付加する付加手段とを具備する演奏データ
作成装置(請求項31)が提供される。
【0031】この発明の第12の特徴に従うと、演奏デ
ータを供給する供給手段と、供給された演奏データか
ら、所定区間毎の平均音量情報又は平滑化された音量情
報を算出する算出手段と、平均音量情報又は平滑化され
た音量情報に対応する楽音制御情報を生成するための生
成方法を表わす生成方法情報を記憶する記憶手段と、算
出された所定区間毎の平均音量情報又は平滑化された音
量情報及び生成方法情報に基づき、楽音制御情報を生成
する生成手段と、生成された楽音制御情報を、供給され
た演奏データに付加する付加手段とを具備する演奏デー
タ作成装置(請求項32)が提供される。
【0032】この発明の第13の特徴に従うと、演奏デ
ータを供給するデータ供給手段と、緊張感パラメータを
入力するパラメータ入力手段と、緊張感パラメータに対
応する楽音制御情報を生成するための生成方法を表わす
生成方法情報を記憶する記憶手段と、供給された演奏デ
ータ、入力された緊張感パラメータ及び生成方法情報に
基づき、楽音制御情報を生成する生成手段と、生成され
た楽音制御情報を、供給された演奏データに付加する付
加手段とを具備することを特徴とする演奏データ作成装
置(請求項33)が提供される。
【0033】この発明の第14の特徴に従うと、演奏デ
ータを供給する供給手段と、供給された演奏データから
所定の音符群列を抽出する抽出手段と、所定の音符群列
に対応する楽音制御情報を生成するための生成方法を表
わす生成方法情報を記憶する記憶手段と、抽出された音
符群列及び生成方法情報に基づき、楽音制御情報を生成
する生成手段と、生成された楽音制御情報を、供給され
た演奏データに付加する付加手段とを具備する演奏デー
タ作成装置(請求項34)が提供される。
【0034】この特徴に従う1つの演奏データ作成装置
においては、生成方法情報は、音符群列の最初の音符長
を長めにし、残りの音符長を音符群列の時間長に収まる
長さに修正するような楽音制御情報を生成する生成方法
を表わす情報である(請求項35)。この特徴に従う別
の演奏データ作成装置においては、生成方法情報は、音
符群列を複数の群列に分割し、各群列の最初の音符長を
長めにするような楽音制御情報を生成する生成方法を表
わす情報である(請求項36)。この特徴に従う他の演
奏データ作成装置においては、生成方法情報は、音符群
列の最初のタイミングに出現する音符の音量を強調する
ような楽音制御情報を生成する生成方法を表わす情報で
ある(請求項37)。
【0035】この発明の第15の特徴に従うと、演奏デ
ータを供給する供給手段と、供給された演奏データか
ら、同時に複数音が発音される部分を抽出する抽出手段
と、同時に複数音が発音される部分に対応する楽音制御
情報を生成するための生成方法を表わす生成方法情報を
記憶する記憶手段と、抽出された部分及び生成方法情報
に基づき、楽音制御情報を生成する生成手段と、生成さ
れた楽音制御情報を、供給された演奏データに付加する
付加手段とを具備する演奏データ作成装置(請求項3
8)が提供される。
【0036】この特徴に従う1つの演奏データ作成装置
においては、生成方法情報は、同時に発音される音の数
に応じて、演奏データの再生テンポの値を変更するよう
な楽音制御情報を生成する生成方法を表わす情報である
(請求項39)。この特徴に従う別の演奏データ作成装
置においては、生成方法情報は、同時に発音される音の
それぞれの重要度を規定し、規定された重要度に応じ
て、各音の音量を変更するような楽音制御情報を生成す
る生成方法を表わす情報である(請求項40)。
【0037】この発明の第16の特徴に従うと、演奏デ
ータを供給する供給手段と、供給された演奏データから
音色情報を抽出する抽出手段と、音色情報に対応する楽
音制御情報を生成するための生成方法を表わす生成方法
情報を記憶する記憶手段と、抽出された音色情報及び生
成方法情報に基づき、楽音制御情報を生成する生成手段
と、生成された楽音制御情報を、供給された演奏データ
に付加する付加手段とを具備する演奏データ作成装置
(請求項41)が提供される。
【0038】この特徴に従う1つの演奏データ作成装置
においては、生成方法情報は、音色種類又は音色パラメ
ータに応じて、演奏データの再生テンポの値を変更する
ような楽音制御情報を生成する生成方法を表わす情報で
ある(請求項42)。この特徴に従う別の演奏データ作
成装置においては、生成方法情報は、予め規定されてい
る音色種類毎の音量に基づいて、音色の変更位置で、音
量が変更前の音色に対応する音量から、変更後の音色に
対応する音量に滑らかに変更するような楽音制御情報を
生成する生成方法を表わす情報である(請求項43)。
【0039】この発明の第17の特徴に従うと、演奏デ
ータを供給する供給手段と、供給された演奏データか
ら、フィンガリングに関する情報を抽出する抽出手段
と、フィンガリングに関する情報に対応する楽音制御情
報を生成するための生成方法を表わす生成方法情報を記
憶する記憶手段と、抽出されたフィンガリングに関する
情報及び生成方法情報に基づき、楽音制御情報を生成す
る生成手段と、生成された楽音制御情報を、供給された
演奏データに付加する付加手段とを具備する演奏データ
作成装置(請求項44)が提供される。
【0040】この特徴に従う1つの演奏データ作成装置
においては、生成方法情報は、演奏しにくい部分に相当
するフィンガリングに関する情報を規定し、当該演奏し
にくい部分において、演奏データの再生テンポの値を遅
くするような楽音制御情報を生成する生成方法を表わす
情報である(請求項45)。この特徴に従う別の演奏デ
ータ作成装置においては、生成方法情報は、ポジション
移動部分に相当するフィンガリングに関する情報を規定
し、当該ポジション移動部分において、演奏データの再
生テンポの値にゆらぎを与えるような楽音制御情報を生
成する生成方法を表わす情報である(請求項46)。こ
の特徴に従う更に別の演奏データ作成装置においては、
生成方法情報は、低いポジションで演奏する部分に相当
するフィンガリングに関する情報を規定し、当該低いポ
ジションで演奏する部分において、演奏データの再生テ
ンポの値を遅くするような楽音制御情報を生成する生成
方法を表わす情報である(請求項47)。
【0041】この特徴に従う他の演奏データ作成装置に
おいては、生成方法情報は、演奏しにくい部分に相当す
るフィンガリングに関する情報を規定し、当該演奏しに
くい部分において、音量を小さくするような楽音制御情
報を生成する生成方法を表わす情報である(請求項4
8)。この特徴に従う更に他の演奏データ作成装置にお
いては、生成方法情報は、ポジション移動部分に相当す
るフィンガリングに関する情報を規定し、当該ポジショ
ン移動部分において、音程を変更するような楽音制御情
報を生成する生成方法を表わす情報である(請求項4
9)。
【0042】この発明の第18の特徴に従うと、演奏デ
ータを供給する供給手段と、供給された演奏データか
ら、特定の楽器奏法に相当する部分を抽出する抽出手段
と、特定の楽器奏法に対応する楽音制御情報を生成する
ための生成方法を表わす生成方法情報を記憶する記憶手
段と、抽出された特定の楽器奏法に相当する部分及び生
成方法情報に基づき、楽音制御情報を生成する生成手段
と、生成された楽音制御情報を、供給された演奏データ
に付加する付加手段とを具備する演奏データ作成装置
(請求項50)が提供される。
【0043】この特徴に従う1つの演奏データ作成装置
においては、特定の楽器奏法は、ハンマリングオン奏法
又はプリングオフ奏法であり、生成方法情報は、ハンマ
リングオン奏法又はプリングオフ奏法にあたる部分にお
ける、演奏データの再生テンポの値を速くするような楽
音制御情報を生成する生成方法を表わす情報である(請
求項51)。この特徴に従う別の演奏データ作成装置に
おいては、特定の楽器奏法は、ピアノのサスティンペダ
ル奏法であり、生成方法情報は、ピアノのサスティンペ
ダル奏法にあたる部分における、演奏データの再生テン
ポの値を遅くするような楽音制御情報を生成する生成方
法を表わす情報である(請求項52)。この特徴に従う
更に別の演奏データ作成装置においては、特定の楽器奏
法は、ストリングのトリル奏法であり、生成方法情報
は、ストリングのトリル奏法にあたる部分における演奏
データを複数のパートに分割し、各パート毎に異なる、
演奏データの再生テンポの値を設定するような楽音制御
情報を生成する生成方法を表わす情報である(請求項5
3)。
【0044】この特徴に従う他の演奏データ作成装置に
おいては、特定の楽器奏法は、トリルやドラムのロール
奏法であり、生成方法情報は、トリルやドラムのロール
奏法にあたる部分の音符の音量を不均一にするような楽
音制御情報を生成する生成方法を表わす情報である(請
求項54)。この特徴に従う更に他の演奏データ作成装
置においては、特定の楽器奏法は、弦楽器の弓の返し奏
法であり、生成方法情報は、弦楽器の弓の返し奏法にあ
たる部分の近傍音符の音量を変更するような楽音制御情
報を生成する生成方法を表わす情報である(請求項5
5)。
【0045】この発明の第19の特徴に従うと、演奏デ
ータを供給する供給手段と、供給された演奏データから
歌詞情報を抽出する抽出手段と、歌詞情報に対応する楽
音制御情報を生成するための生成方法を表わす生成方法
情報を記憶する記憶手段と、抽出された歌詞情報及び生
成方法情報に基づき、楽音制御情報を生成する生成手段
と、生成された楽音制御情報を、供給された演奏データ
に付加する付加手段とを具備することを特徴とする演奏
データ作成装置(請求項56)が提供される。
【0046】この特徴に従う1つの演奏データ作成装置
においては、生成方法情報は、特定の単語に対するテン
ポ制御値を規定しており、規定した内容に基づいて、演
奏データの再生テンポの値を変更するような楽音制御情
報を生成する生成方法を表わす情報である(請求項5
7)。この特徴に従う別の演奏データ作成装置において
は、生成方法情報は、特定の単語に対する音量変化を規
定しており、規定した内容に基づいて、音量を変更する
ような楽音制御情報を生成する生成方法を表わす情報で
ある(請求項58)。
【0047】この発明の第20の特徴に従うと、演奏デ
ータを供給する供給手段と、供給された演奏データか
ら、音源からの出力波形に関する波形情報を取得する取
得手段と、音色の種類に応じた音源からの出力波形に対
応する楽音制御情報を生成するための生成方法を表わす
生成方法情報を記憶する記憶手段と、取得された波形情
報及び生成方法情報に基づき、楽音制御情報を生成する
生成手段と、生成された楽音制御情報を、供給された演
奏データに付加する付加手段とを具備する演奏データ作
成装置(請求項59)が提供される。
【0048】この発明の第21の特徴に従うと、演奏デ
ータを供給する供給手段と、供給された演奏データか
ら、演奏記号に関する情報を抽出する抽出手段と、演奏
記号に対応する楽音制御情報を生成するための生成方法
を表わす生成方法情報を記憶する記憶手段と、抽出され
た演奏記号に関する情報及び生成方法情報に基づき、楽
音制御情報を生成する生成手段と、生成された楽音制御
情報を、供給された演奏データに付加する付加手段とを
具備する演奏データ作成装置(請求項60)が提供され
る。
【0049】この特徴に従う1つの演奏データ作成装置
においては、演奏記号に関する情報は、ピアノ記号とフ
ォルテ記号であり、生成方法情報は、ピアノ記号が添付
された音符の直前の音符にフォルテ記号が添付されてい
る場合に、当該フォルテ記号が添付されている音符の発
音長を短めにするような楽音制御情報を生成する生成方
法を表わす情報である(請求項61)。この特徴に従う
別の演奏データ作成装置においては、演奏記号に関する
情報は、スタッカート記号であり、生成方法情報は、ス
タッカート記号が添付された音符の直前の音符の発音長
を変更するような楽音制御情報を生成する生成方法を表
わす情報である(請求項62)。この特徴に従う他の演
奏データ作成装置においては、演奏記号に関する情報
は、スタッカート記号であり、生成方法情報は、スタッ
カート記号が添付された音符の直後の音符の音量を小さ
くするような楽音制御情報を生成する生成方法を表わす
情報である(請求項63)。
【0050】この発明の第22の特徴に従うと、演奏デ
ータを供給する供給手段と、既に供給されている演奏デ
ータの所定の特徴情報と楽音制御情報との関係を記憶す
る記憶手段と、新たに供給された演奏データの特徴情報
を抽出する抽出手段と、抽出された特徴情報に基づき、
記憶手段に記憶された関係に従って楽音制御情報を生成
する生成手段と、生成された楽音制御情報を、新たに供
給された演奏データに付加する付加手段とを具備する演
奏データ作成装置(請求項64)が提供される。
【0051】この発明の第23の特徴に従うと、演奏デ
ータに関して所定の特徴情報と楽音制御情報との関係を
複数記憶したライブラリと、演奏データを供給する供給
手段と、供給された演奏データの特徴情報を抽出する抽
出手段と、抽出された特徴情報に基づき、ライブラリを
参照することによって楽音制御情報を生成する生成手段
と、生成された楽音制御情報を、供給された演奏データ
に付加する付加手段とを具備する演奏データ作成装置
(請求項65)が提供される。
【0052】この発明の第24の特徴に従うと、演奏デ
ータを供給する供給手段と、供給された演奏データの所
定の特徴情報に基づき楽音制御情報を生成する生成手段
と、生成された楽音制御情報及び供給された演奏データ
の楽音制御情報を演奏データ全体で対比する対比手段
と、この対比結果に基づいて、生成された楽音制御情報
を修正する修正手段とを具備する演奏データ作成装置
(請求項66)が提供される。
【0053】この発明の第25の特徴に従うと、演奏デ
ータを供給する供給手段と、供給された演奏データか
ら、発音を指示する演奏データであってその発音長が所
定長以上の部分を抽出する抽出手段と、発音長が所定長
以上の部分に対応する楽音制御情報を生成するための生
成方法を表わす生成方法情報を記憶する記憶手段であっ
て、この生成方法情報は、発音長が所定長以上の部分の
音量を不均一に変更するような楽音制御情報を生成方法
を表わすものである記憶手段と、抽出された部分及び生
成方法情報に基づき、楽音制御情報を生成する生成手段
と、生成された楽音制御情報を、供給された演奏データ
に付加する付加手段とを具備する演奏データ作成装置
(請求項67)が提供される。
【0054】この発明の第26の特徴に従うと、演奏デ
ータを供給する供給手段と、供給された演奏データか
ら、同音色のパート及びそのパート数を抽出する抽出手
段と、同音色のパートに対応する楽音制御情報を生成す
るための生成方法を表わす生成方法情報を記憶する記憶
手段であって、この生成方法情報は、同音色のパートの
音量をパート数に応じた値に減少させるような楽音制御
情報を生成する生成方法を表わすものである記憶手段
と、抽出されたパート及びパート数並びに生成方法情報
に基づき、楽音制御情報を生成する生成手段と、生成さ
れた楽音制御情報を、供給された演奏データに付加する
付加手段とを具備する演奏データ作成装置(請求項6
8)が提供される。
【0055】この発明の第27の特徴に従うと、演奏デ
ータを供給する供給手段と、供給された演奏データから
メロディパートを抽出する抽出手段と、メロディパート
に対応する楽音制御情報を生成するための生成方法を表
わす生成方法情報を記憶する記憶手段であって、この生
成方法情報は、メロディパートの音量をその他のパート
の音量よりも大きくなるように変更するような楽音制御
情報を生成する生成方法を表わすものである記憶手段
と、抽出されたメロディパート及び生成方法情報に基づ
き、楽音制御情報を生成する生成手段と、生成された楽
音制御情報を、供給された演奏データに付加する付加手
段とを具備することを特徴とする演奏データ作成装置
(請求項69)が提供される。
【0056】この発明の第28の特徴に従うと、演奏デ
ータを供給する供給手段と、供給された演奏データか
ら、音量変化が付与された部分を抽出する抽出手段と、
音量変化が付与された部分に対応する楽音制御情報を生
成するための生成方法を表わす生成方法情報を記憶する
記憶手段であって、この生成方法情報は、付与された音
量変化に相当する音程変化を、音量変化が付与された部
分に付与するような楽音制御情報を生成する生成方法を
表わすものである記憶手段と、抽出された部分及び生成
方法情報に基づき、楽音制御情報を生成する生成手段
と、生成された楽音制御情報を、供給された演奏データ
に付加する付加手段とを具備する演奏データ作成装置
(請求項70)が提供される。
【0057】この発明の第29の特徴に従うと、演奏デ
ータを供給する供給手段と、供給された演奏データか
ら、ダブルチョーキングが行われている部分を抽出する
抽出手段と、ダブルチョーキングが行われている部分に
対応する楽音制御情報を生成するための生成方法を表わ
す生成方法情報を記憶する記憶手段であって、この生成
方法情報は、ダブルチョーキングが行われている部分の
演奏データを上音と下音とで2つのパートに分割し、そ
れぞれに異なる音量変化を与えるような楽音制御情報を
生成する生成方法を表わすものである記憶手段と、抽出
されたダブルチョーキングが行われている部分及び生成
方法情報に基づき、楽音制御情報を生成する生成手段
と、生成された楽音制御情報を、供給された演奏データ
に付加する付加手段とを具備する演奏データ作成装置
(請求項71)が提供される。
【0058】この発明の第30の特徴に従うと、演奏デ
ータを供給する供給手段と、供給された演奏データか
ら、連続してチョーキングが行われている部分を抽出す
る抽出手段と、連続してチョーキングが行われている部
分に対応する楽音制御情報を生成するための生成方法を
表わす生成方法情報を記憶する記憶手段であって、この
生成方法情報は、連続してチョーキングが行われている
部分において、毎回のチョーキングに対する演奏データ
の音程に不均一性を持たせるような楽音制御情報を生成
する生成方法を表わすものである記憶手段と、抽出され
た連続してチョーキングが行われている部分及び生成方
法情報に基づき、楽音制御情報を生成する生成手段と、
生成された楽音制御情報を、供給された演奏データに付
加する付加手段とを具備する演奏データ作成装置(請求
項72)が提供される。
【0059】この発明の第31の特徴に従うと、演奏デ
ータを供給する供給手段と、供給された演奏データか
ら、アルペジオ演奏に相当する部分を抽出する抽出手段
と、アルペジオ演奏に相当する部分に対応する楽音制御
情報を生成するための生成方法を表わす生成方法情報を
記憶する記憶手段であって、この生成方法情報は、アル
ペジオ演奏における共通倍音を検出し、検出された倍音
を別パートで発音させるようにするような楽音制御情報
を生成する生成方法を表わすものである記憶手段と、抽
出されたアルペジオ演奏に相当する部分及び生成方法情
報に基づき、楽音制御情報を生成する生成手段と、生成
された楽音制御情報を、供給された演奏データに付加す
る付加手段とを具備する演奏データ作成装置(請求項7
3)が提供される。
【0060】この発明の第32の特徴に従うと、演奏デ
ータを供給する供給手段と、供給された演奏データか
ら、音色の変更を指示する所定の音楽記号に対応する部
分を抽出する抽出手段と、音色の変更を指示する所定の
音楽記号に対応する楽音制御情報を生成するための生成
方法を表わす生成方法情報を記憶する記憶手段であっ
て、この生成方法情報は、音色の変更を指示する所定の
音楽記号に対応する部分で、当該音楽記号に対応する音
色に、設定音色を変更するような楽音制御情報を生成す
る生成方法を表わすものである記憶手段と、抽出された
音色の変更を指示する所定の音楽記号に対応する部分及
び生成方法情報に基づき、楽音制御情報を生成する生成
手段と、生成された楽音制御情報を、供給された演奏デ
ータに付加する付加手段とを具備する演奏データ作成装
置(請求項74)が提供される。
【0061】なお、この発明において、「楽音制御量」
とは、時間的楽音制御量や、音楽的楽音制御量、音量的
制御量等、演奏上楽音を制御するための変量をいう。ま
た、「楽音制御情報」とは、テンポやゲートタイム、発
音開始タイミング等の時間的楽音制御情報(時間パラメ
ータ)や、音程的楽音制御情報(音程パラメータ等)、
音量的制御情報(音量パラメータ)など、演奏上楽音を
制御するための変量情報をいい、「演奏パラメータ」或
いは単に「パラメータ」ということがある。また、この
発明による「演奏データ作成装置」は、演奏パラメータ
の編集という観点からいえば、「パラメータ自動編集装
置」ということができる。
【0062】〔発明の作用〕この発明の第1の特徴(請
求項1,75)によると、予め生成方法情報を記憶して
おき、演奏データから得た特徴情報に対応する生成方法
情報に基づいて、楽音制御情報を生成し、これを演奏デ
ータに付加するようにしている。つまり、この発明で
は、所定の特徴情報と表情付けのための楽音制御情報と
の対応関係を表情付けモジュール(表情付けアルゴリズ
ム)におけるルールとして設定され、この表情付けルー
ルを表わす生成方法情報が記憶手段に予め記憶されてお
り、供給された演奏データの特徴情報を取得すると、取
得された特徴情報に対応する生成方法情報に基づき、表
情付けモジュール(表情付けアルゴリズム)に従って、
楽音制御情報(時間パラメータ、音程パラメータ、音量
パラメータ等の各種演奏パラメータ)が生成され、演奏
データに付加される。従って、取得された特徴情報に応
じて、ユーザが初心者であっても簡単な操作で曲に多様
な表情付けを行うことができ、より音楽的な演奏データ
を自動的に作成することができる。〔実施例では、図2
及び図52,53が対応〕
【0063】さらに、楽音制御情報が付加されて出力さ
れる演奏データを評価し、評価結果に応じて、楽音制御
情報を調節するようにしている(請求項2)ので、最適
の楽音制御情報による表情付けを行うことができる。
〔実施例(1)〜(24),(27)〜(30)が対
応〕
【0064】この発明の第2の特徴(請求項3)による
と、供給された演奏データから、音符の発生時間間隔に
相当する特徴情報(音符時間情報)を抽出し、この特徴
情報に対応する生成方法情報に基づいて、楽音制御情報
を生成し、演奏データに付加するようにしているので、
音符時間情報(音符密度、2音間隔等)に基づいて多彩
な表情のある演奏出力を得ることができる。〔実施例
(1),(3),(C)が対応〕
【0065】この特徴に従う1つの演奏データ作成装置
(請求項4)においては、所定単位時間あたりの音符数
を表わす音符密度情報(例えば、“1小節中の音符数÷
1小節の拍数”)を特徴情報として抽出し、所定単位時
間あたりの音符数が所定数を越えている場合には、演奏
データの再生テンポの値を速くするように構成している
ので、音符密度に応じてテンポを変更する表情付け(音
数増加によるテンポ加速)を行うことができる〔実施例
(1)に対応〕。なお、この場合、設定されたテンポ強
弱値α、音符密度とテーブルから求められるテンポ係数
K及び現在の設定テンポ値に基づき算出した区間毎のテ
ンポチェンジ量(現在の設定テンポ値×α×K)をMI
DIデータに付与する構成をとることができる。また、
元演奏データをディスプレイ上に表示させ、表示された
元演奏データ上に付与されたパラメータ値やその位置を
重ねて表示することで、付与結果を確認することもでき
る。さらに、複数パートから成る演奏データが供給され
る場合は、選択された所定パートの演奏データから抽出
された音符密度情報に基づいて再生テンポを変更するよ
うにしても、或いは、複数パートを総合的に評価した音
符密度情報により再生テンポを変更するようにしてもよ
い。
【0066】この特徴に従う別の演奏データ作成装置
(請求項5)においては、音符の発音時間間隔を表わす
情報を特徴情報として抽出し、音符の発音時間間隔がせ
まい場合に、演奏データの再生テンポの値を遅くするよ
うに構成しているので、音符が細かいときにテンポを低
速にする表情付けを行うことができる〔実施例(3)に
対応〕。
【0067】この特徴に従う他の演奏データ作成装置
(請求項6)においては、所定単位時間あたりの音符数
を表わす情報を特徴情報として抽出し、所定単位時間あ
たりの音符数が所定数を越えている場合に、演奏データ
の音量を徐々に減少するように構成しているので、演奏
音の細かさに応じて音量を変化する表情付けを行うこと
ができる〔実施例(C)に対応〕。例えば、音符密度が
所定値以上である部分を難関部分として検出し、その部
分に音量変化を付与する。さらに、難関部分の音程最大
値と音程最小値の変化幅に応じて音量を変化させること
もできる。この手法は、音程の不安定さを付与する表現
付与にも適用可能であり、また、音符密度の高い部分に
おけるハンマリングオンの頻度を算出し、これに応じて
演奏データにハンマリングオンを自動付加することで、
音符が細かいとハンマリングオンするような表情を付与
するのにも適用することができる。
【0068】この発明の第3の特徴(請求項7)による
と、供給された演奏データの進行状態に対応する生成方
法情報に基づいて、楽音制御情報を生成し、演奏データ
に付加するようにしているので、演奏データの演奏進行
状態の評価に基づいて多彩な表情のある演奏出力を得る
ことができる。〔実施例(2),(B)が対応〕
【0069】この特徴に従う1つの演奏データ作成装置
(請求項8)においては、演奏データの演奏進行に従っ
て演奏データの再生テンポを徐々に速くするように構成
しているので、例えば、曲の進行につれて1小節毎に所
定倍率でテンポをだんだん早くする等により、曲を通し
て徐々にテンポを加速する表情付けを行うことができる
〔実施例(2)に対応〕。この場合、具体的には、区間
毎に、テンポ強弱値αとテンポ係数Kと現在テンポ値と
から区間毎のテンポチェンジ量を算出するのが有効であ
る(テンポ係数Kは、テーブルから区間毎に求められ、
曲の進行に従い徐々にテンポが増大する)。また、テン
ポ強弱値αを興奮度と名付けて、「強い」、「中程
度」、「弱い」、「変化なし」のような言葉で選択可能
として更に有用性を高めることができる。
【0070】この特徴に従う別の演奏データ作成装置
(請求項9)においては、演奏データの進行に従って音
量パラメータの値を徐々に大きくするようにしているの
で、曲進行に伴い興奮度を高め盛上り具合を演出する表
情付けを行うことができる。この場合、具体的には、例
えば、曲全体の音量変化傾向を表わすパターンデータに
基づいて、音量変化区間毎の変化値を算出し、演奏デー
タの各対応位置に挿入する。この場合、複数トラック構
成のシステムでは、各トラックで使用する変化付与パタ
ーンは、同一のものであってもよいし、異なるものであ
ってもよい。なお、この手法は、音程パラメータに変化
を付与する際にも適用可能であり、例えば、曲の進行に
従い、音程パラメータの値を徐々に増大させて興奮度を
高めることができる。
【0071】この発明の第4の特徴(請求項10)によ
ると、供給された演奏データから、音長が所定長以上で
あり且つトリル又はビブラートが付与されている部分
(微小震動音情報)を特徴情報として抽出し、この特徴
情報に対応する生成方法情報に基いて、楽音制御情報を
生成し、演奏データに付加するようにしているので、微
小震動音情報(ロングトーンのトリル、ビブラート等)
に基づいて多彩な表情のある演奏出力を得ることができ
る。〔実施例(4),(G)が対応〕
【0072】この特徴に従う1つの演奏データ作成装置
(請求項11)においては、トリル又はビブラートの経
過時間に応じて、演奏データの再生テンポの値を最初は
ゆっくりで徐々に速くするように構成しているので、ロ
ングトーンのトリル/ビブラート部分については最初は
ゆっくりのテンポとする表情付けを行うことができる
〔実施例(4)に対応〕。この場合、予め用意されたテ
ーブルからトリル又はビブラートの時間経過に応じたテ
ンポ係数Kを求め、その値とテンポ強弱値αおよび現在
テンポ値とに基づいて区間毎のピッチベンド列を生成さ
せるのが有効である。
【0073】この特徴に従う別の演奏データ作成装置
(請求項12)においては、音量を、最初は大きく、途
中は小さく、最後は大きくするように構成しているの
で、ロングトーンにトリルまたはビブラートが付与され
ているときにの音量を大→小→大きくとなる変化させる
表情付けを行うことができる〔実施例(G)に対応〕。
なお、この手法は、音程変化の速さを変化させることに
も適用可能である。
【0074】この発明の第5の特徴(請求項13)によ
ると、供給された演奏データから、ピッチベンドの付与
されている部分を特徴情報として抽出し、この特徴情報
に対応する生成方法情報に基づいて、楽音制御情報を生
成し、演奏データに付加するようにしているので、微小
震動音情報(ピッチベンド等)に基づいて多彩な表情の
ある演奏出力を得ることができる。〔実施例(20),
(23),(G)が対応〕
【0075】この特徴に従う1つの演奏データ作成装置
(請求項14)においては、ピッチベンドの変化に基づ
いて、演奏データの再生テンポの値を徐々に遅くするよ
うに構成しているので、例えば、検出されたピッチベン
ドに基づいたテンポチェンジを付与することにより、ピ
ッチベンドをかけるときにテンポを触る表情付けを行う
ことができる〔実施例(20)に対応〕。
【0076】この特徴に従う別の演奏データ作成装置
(請求項15)においては、ピッチベンドが深く或いは
速くかかっている場合に、演奏データの再生テンポの値
を徐々に遅くするように構成しているので、ビブラート
を深くかけたり、速くかけたりしたときにテンポを遅く
するというように、ビブラートの深さや速さに応じてテ
ンポを設定する表情付けを行うことができる〔実施例
(23)に対応〕。この場合、例えば、ビブラートを検
出してその深さと速さからテーブルを引き、テンポ係数
Kを算出し、この算出値に基づいたテンポチェンジを元
の演奏データに付与するのが有効である。
【0077】この特徴に従う他の演奏データ作成装置
(請求項16)においては、ピッチベンドの変化率が大
きいほど音量を小さくする(例えば、大きく下げる)よ
うに構成しているので、ピッチベンド変化時に音量を変
化させる表情付けを行うことができる〔実施例(Q)に
対応〕。
【0078】この発明の第6の特徴(請求項17)によ
ると、供給された演奏データから抽出したフレーズの区
切り部分に対応する生成方法情報に基づいて、楽音制御
情報を生成し、演奏データに付加するようにしているの
で、フレーズの区切り(フレーズ終端部等)において多
彩な表情のある演奏出力を得ることができる。〔実施例
(5),(F),(f)が対応〕
【0079】この特徴に従う1つの演奏データ作成装置
(請求項18)においては、フレーズの区切り部分にお
いて演奏データの再生テンポの値を遅くする(例えば、
元の演奏データからフレーズの切れ目位置を検出して、
テンポが遅くなるテンポチェンジを元の演奏データに付
与する)ように構成しているので、フレーズ区間の終わ
り部分でテンポを遅くしフレーズ経過部でゆっくりとし
た表情付けを行うことができる〔実施例(5)に対
応〕。
【0080】この特徴に従う別の演奏データ作成装置
(請求項19)においては、フレーズの区切り部分にお
いて音量を徐々に小さくするように構成しているので、
フレーズの終止では音量を抑え、フレーズの終了位置で
音量を徐々に小さくしていき、フレーズの終止感を与え
る表情付けを行うことができる〔実施例(F)に対
応〕。この場合、終止位置の音量は、フレーズに設定さ
れたテンポに基づいて算出するのが好ましい。なお、フ
レーズの先頭位置の音符の音量を大きくするようにして
もよい。
【0081】この特徴に従う他の演奏データ作成装置
(請求項20)においては、フレーズの区切り部分にお
いて、フレーズの開始位置にはダンパオンに関する情報
を挿入し、フレーズの終端位置にはダンパオフに関する
情報を挿入する(例えば、フレーズを解釈してフレーズ
の区切りを検出し、フレーズの開始位置ではダンパーオ
ン、フレーズの終端位置でダンパーオフとする)ように
構成しているので、ピアノのサスティンベダルによる演
奏の幅を広げる表情付けを行うことができる〔実施例
(f)に対応〕。
【0082】この発明の第7の特徴(請求項21)によ
ると、供給された演奏データから、所定区間毎の平均音
高情報又は平滑化された音高情報を算出し、この音高情
報に対応する生成方法情報に基づいて、楽音制御情報を
生成し、演奏データに付加するようにしているので、所
定の音高情報に対応して多彩な表情のある演奏出力を得
ることができる〔実施例(6),(M)が対応〕。この
手法により、例えば、区間毎の音程平均値に基づいた音
量変化を付与することができ〔実施例(M)を参照〕、
また、この手法は音程についても適用可能である。
【0083】この特徴に従う1つの演奏データ作成装置
(請求項22)においては、平均音高情報又は平滑化さ
れた音高情報の音高が高いほど、演奏データの再生テン
ポの値を速くするように構成しているので、例えば、高
音ほどテンポを速くするルールを採用し、音域によって
テンポを変更する表情付けを行うことができる〔実施例
(6)に対応〕。具体的には、例えば、平均音高からテ
ーブルを引いてテンポ係数Kを求め、その値とテンポ強
弱値α及び現在テンポ値とに基づいて区間毎のテンポチ
ェンジを元の演奏データに付与するようにすればよく、
また、音高変化をフィルタリングにより滑らかにし、フ
ィルタリング後の音高変化カーブ上の各音高値及びテー
ブルからテンポ係数Kを求めてもよい。
【0084】この発明の第8の特徴(請求項23)によ
ると、供給された演奏データから、音高の変化傾向に相
当する音高変化傾向情報を特徴情報として抽出し、この
音高変化傾向情報に対応する生成方法情報に基づいて、
楽音制御情報を生成し、演奏データに付加するようにし
ているので、音高変化傾向に応じて多彩な表情のある演
奏出力を得ることができる。〔実施例(7),(A)が
対応〕
【0085】この特徴に従う1つの演奏データ作成装置
(請求項24)においては、音高変化傾向情報は音高の
上昇傾向と下降傾向との切替り位置を表わし、音高の上
昇傾向と下降傾向との切替り位置において、演奏データ
の再生テンポの値を遅くするように構成しているので、
音高の上昇部分から下降部分に切り替わるときに、いっ
たん、テンポが遅くなるようにし、音高の上昇下降切り
替わり時点に間をおく表情付けを行うことができる〔実
施例(7)に対応〕。具体的には、例えば、元の演奏デ
ータの音高変化カーブ及びテーブルを用いて、音高上昇
部分の絡端近傍でテンポが徐々に遅くなるテンポチェン
ジを元の演奏データに付与する手法を採ることができ
る。
【0086】この特徴に従う別の演奏データ作成装置
(請求項25)においては、同様に音高の上昇傾向と下
降傾向との切替り位置を表わす音高変化傾向情報を用い
て、音高の上昇傾向と下降傾向との切替り位置におい
て、切替り位置の音符の音量にアクセントを付与する
(例えば、上昇から下降に変化したときには変化点のノ
ートイベントにアクセントを付与する)ように構成して
いるので、音符上昇部分の最後にアクセントをもたせる
表情付けを行うことができる〔実施例(A)に対応〕。
【0087】この特徴に従う他の演奏データ作成装置
(請求項26)においては、供給された演奏データか
ら、音高の上昇傾向部分を表わす音高変化傾向情報を特
徴情報として用い、上昇傾向部分において、音量を徐々
に大きくするように構成しているので、ノートイベント
列の音高が上昇傾向にあるときには音量を徐々に増大さ
せる表情付けを行うことができる〔実施例(A)に対
応〕。具体的には、例えば、演奏データ中の解析区間を
ユーザが設定し、解析区間からノートイベント列の音高
が上昇および下降傾向にある部分区間を検索し(この場
合、全体として上昇傾向にある部分を上昇傾向部分とす
る。)、検索された部分区間毎に音高の変化速度を算出
し、その結果に応じて、ノートイベントに付与する音量
パラメータの変化付与パターンを決定し、決定された変
更付与パターンに基づき、部分区間内の音量パラメータ
値を変更する手法が採られる。なお、この手法は、音程
パラメータに変化を付与する際にも適用可能である。
【0088】この発明の第9の特徴(請求項27)によ
ると、供給された演奏データから、同一又は類似するデ
ータ列が連続して存在する部分をを特徴情報として抽出
し、この特徴情報に対応する生成方法情報に基づいて、
楽音制御情報を生成し、演奏データに付加するようにし
ているので、同一又は類似するデータ列が連続して存在
する場合に多彩に表情付けされた演奏出力を得ることが
できる。〔実施例(8),(D)が対応〕
【0089】この特徴に従う1つの演奏データ作成装置
(請求項28)においては、連続して存在する同一又は
類似するデータ列の後側のデータ列に対して、演奏デー
タの再生テンポの値を変更するように構成しているの
で、同一あるいは類似パターンが連続したときに、2回
目のパターンについてはテンポを遅くあるいは速くする
表情付けを行うことができる〔実施例(8)に対応〕。
【0090】この特徴に従う別の演奏データ作成装置
(請求項29)においては、同様に連続して存在する同
一又は類似するデータ列の後側のデータ列に対して、音
量を類似度に応じて変更するように構成しているので、
同一あるいは類似パターンが連続して出現する場合に、
パターンの類似性に応じて音量パラメータを変化させる
表情付けを行うことができる〔実施例(D)に対応〕。
例えば、類似フレーズが繰り返し出現する場合に、2番
目以降の類似フレーズの音量パラメータを、その類似度
および出現態様に応じて変化させる。この場合、類似度
が高いフレーズが連続して出現する場合には、2番目以
降の類似フレーズの音量パラメータ値を、最初の類似フ
レーズのそれより小さくする。また、類似フレーズが連
続せずに繰り返し出現する場合には、最初に出現する場
合には、最初に出現する類似フレーズのそれに類似した
値であって、その類似度に応じた値に変更する。なお、
この手法は、音程パラメータに変化を付与する表情付け
に適用可能である。
【0091】この発明の第10の特徴(請求項30)に
よると、供給された演奏データから、類似するデータ列
を抽出し、類似するデータ列の相違点に基づいて、演奏
データの再生テンポの値を変更するようにしているの
で、似たフレーズは同一乃至類似のテンポを与える表現
付けを行うことができる〔実施例(9)が対応〕。具体
的には、例えば、類似フレーズ間の相違点を検出して、
その相違点に基づくテンポチェンジを元の演奏データに
付与する。
【0092】この発明の第11の特徴(請求項31)に
よると、供給された演奏データから、予め登録されてい
る音形を抽出し、この音形に対応する生成方法情報に基
づいて、楽音制御情報を生成し、演奏データに付加する
ようにしているので、登録音形に対応したテンポを設定
する表情付けを行うことができる〔実施例(10)が対
応〕。具体的には、例えば、予め登録されている音形=
リズムパターン(フレーズ)の部分に対して所定のテン
ポを設定する。登録するフレーズは音形だけでなく、エ
クスプレッシヨンイベント列などでもよい。なお、テン
ポ変更だけでなく、音程パラメータの変更についても同
様に適用することができる。また、この方法は、実施例
で述べるように、楽器の種類に応じたスラー付与を行う
こともできる。
【0093】この発明の第12の特徴(請求項32)に
よると、供給された演奏データから、所定区間毎の平均
音量情報又は平滑化された音量情報を算出し、この音量
情報に対応する生成方法情報に基づいて、楽音制御情報
を生成し、演奏データに付加するようにしているので、
例えば、音量が小さいほどテンポを遅くするといった表
情付けを行うことができる〔実施例(11)が対応〕。
具体的には、例えば、区間毎に平均音量値を求め、予め
用意した音量が小さいほどテンポが遅くなるようなテー
ブルに基づいて、所定のテンポチェンジを元の演奏デー
タに付与する。また、音量変化をフィルタリングした音
量変化カーブ上の各音量値を基にしてもよい。
【0094】この発明の第13の特徴(請求項33)に
よると、パラメータ入力手段を用いて緊張感パラメータ
を入力し、この緊張感パラメータに対応する生成方法情
報に基づいて、楽音制御情報を生成し、演奏データに付
加するようにしているので、曲全体の感じ或いはサビな
どの特定部の感じに沿って、緊張感というパラメータを
入力し、このような緊張感パラメータに従ってテンポを
変化する表情付けを行うことができる〔実施例(12)
が対応〕。このように緊張感でテンポを変化するには、
例えば、操作子を用いて緊張感パラメータを設定し、設
定された緊張感パラメータ値から対応するテンポ係数K
を生成し、生成されたテンポ係数K及び現在テンポ値に
応じたテンポチェンジを元の演奏データに付与する。
【0095】この発明の第14の特徴(請求項34)に
よると、供給された演奏データから所定の音符群列を抽
出し、この音符群列に対応する生成方法情報に基づい
て、楽音制御情報を生成し、演奏データに付加するよう
にしているので、まとまった音符群に対して多彩な表情
のある演奏出力を得ることができる。〔実施例(1
3),(14),(E)が対応〕
【0096】この特徴に従う1つの演奏データ作成装置
(請求項35)においては、音符群列の最初の音符長を
長めにし、残りの音符長を音符群列の時間長に収まる長
さに修正するように構成しているので、まとまった音符
群に対して所定の時間的表現を付与することができる
〔実施例(13)に対応〕。例えば、3拍子の4分音符
の羅列のような、何らかのブロックでまとめられる音符
群の最初の音符を長めにし、使った時間を残りの音符で
取り戻すような表現を付与する。このためには、例え
ば、音符群の群感の強さというパラメータを設定し、こ
のパラメータ値に基づいてテンポチェンジを元の演奏デ
ータに付与する。なお、ピアノの左手だけ、もしくは、
伴奏パートだけに適用するのも有効である。
【0097】この特徴に従う別の演奏データ作成装置
(請求項36)においては、音符群列を複数の群列に分
割し、各群列の最初の音符長を長めにするように構成さ
れているので、蓮符中における所定の音を強調する表情
付けを行うことができる〔実施例(14)に対応〕。つ
まり、検出した蓮符を複数の小蓮符に分割し、分割され
た小蓮符に対応したテンポチェンジを演奏データに付与
する。この場合、5蓮符以上の長い連符を、例えば、
“2連符+3連符”又は“3連符+2連符”のように、
小連符に分割し、小連符の1つ目の音を時間をかけて強
調する。さらに、最初の小連符はテンポを遅め、残りの
小連符はテンポを早めにするなどの手法も有効である。
【0098】この特徴に従う他の演奏データ作成装置
(請求項37)においては、音符群列の最初のタイミン
グに出現する音符の音量を強調するように構成している
ので、音符群列に対して音量強調による表情付けを行う
ことができる〔実施例(E)に対応〕。例えば、3拍子
の演奏データの場合、同一音符長の音符が連続して出現
するときには1拍目を強調し、この際、先頭拍位置の音
符数に応じて音量変化を補正する。さらに、連符を検出
して、その最初の音の音量を大きくすることにより蓮符
らしさを表現することもできる。また、5拍子の場合に
は、2拍子と3拍子が交互に並んでいると考えて、それ
ぞれの1拍目の音量を強調する。蓮符についても同様に
分解して考えることができる。
【0099】この発明の第15の特徴(請求項38)に
よると、供給された演奏データから、同時に複数音が発
音される部分を抽出し、この部分に対応する生成方法情
報に基づいて、楽音制御情報を生成し、演奏データに付
加するようにしているので、同時に複数音が発音される
部分に対して多彩な表情のある演奏出力を得ることがで
きる。〔実施例(15),(J)が対応〕
【0100】この特徴に従う1つの演奏データ作成装置
(請求項39)においては、同時に発音される音の数に
応じて、演奏データの再生テンポの値を変更する〔例え
ば、和音における同時発音数(和音の音符密度)に応じ
てテンポを遅くする〕ように構成しているので、和音構
成音の数によってテンポを変更する表情付けを行うこと
ができる〔実施例(15)に対応〕。
【0101】この特徴に従う別の演奏データ作成装置
(請求項40)においては、同時に発音される音のそれ
ぞれの重要度を規定し、規定された重要度に応じて、各
音の音量を変更するように構成しているので、複数音同
時発音演奏において音量による効果的な表情付けを行う
ことができる〔実施例(J)に対応〕。例えば、重要度
について予めテンプレートで用意しておき、和音の構成
音の音量を、重要度の高い音の音量を大きくするきいう
ように、重要度に応じて変更する。この場合、単に、和
音の最低音と最高音の音量のみを、他の構成音の音量よ
り大きくしてもよいし、和音の根音の音量のみを大きく
してもよい。さらに、オクターブユニゾンについても同
様に適用することができる。なお、この手法を音程につ
いて適用し、和音を自動的に純正調に変えることもでき
る。
【0102】この発明の第16の特徴(請求項41)に
よると、供給された演奏データから音色情報を抽出し、
この音色情報に対応する生成方法情報に基づいて、楽音
制御情報を生成し、演奏データに付加するようにしてい
るので、演奏データ中の所定音色情報に対して多彩な表
情のある演奏出力を得ることができる。〔実施例(1
6),(P)が対応〕
【0103】この特徴に従う1つの演奏データ作成装置
(請求項42)においては、音色種類又は音色パラメー
タに応じて、演奏データの再生テンポの値を変更するよ
うに構成しているので、〔実施例(16)に対応〕。
【0104】この特徴に従う別の演奏データ作成装置
(請求項43)においては、予め規定されている音色種
類毎の音量に基づいて、音色の変更位置で、音量が変更
前の音色に対応する音量から、変更後の音色に対応する
音量に滑らかに変更するように構成しているので、〔実
施例(P)に対応〕。
【0105】この発明の第17の特徴(請求項44)に
よると、供給された演奏データから、フィンガリングに
関する情報を抽出し、フィンガリングに関する情報に対
応する生成方法情報に基づいて、楽音制御情報を生成
し、演奏データに付加するようにしているので、フィン
ガリングに関して多彩な表情のある演奏出力を得ること
ができる。〔実施例(17)〜(19),(S)が対
応〕
【0106】この特徴に従う1つの演奏データ作成装置
(請求項45)においては、演奏しにくい部分に相当す
るフィンガリングに関する情報を規定し、当該演奏しに
くい部分において、演奏データの再生テンポの値を遅く
するように構成しているので、動きにくい指(演奏しに
くい指)での演奏のテンポを遅くするというように、演
奏指に応じてテンポを変更する表情付けを行うことがで
きる〔実施例(17)に対応〕。このためには、例え
ば、フィンガリングの指を検出して、予め用意したテー
ブルを用いてテンポチェンジを算出する。
【0107】この特徴に従う別の演奏データ作成装置
(請求項46)においては、ポジション移動部分に相当
するフィンガリングに関する情報を用い、当該ポジショ
ン移動部分において演奏データの再生テンポの値にゆら
ぎを与えるように構成しているので、低いポジションほ
ど速い演奏に向かない傾向を再現するために、低ポジシ
ョンでテンポを減速する表情付けを行うことができる
〔実施例(18)に対応〕。
【0108】この特徴に従う更に別の演奏データ作成装
置(請求項47)においては、低いポジションで演奏す
る部分に相当するフィンガリングに関する情報を用い、
当該低いポジションで演奏する部分において演奏データ
の再生テンポの値を遅くするように構成しているので、
〔実施例(19)に対応〕。
【0109】この特徴に従う他の演奏データ作成装置
(請求項48)においては、演奏しにくい部分に相当す
るフィンガリングに関する情報を用い、当該演奏しにく
い部分において音量を小さくするように構成しているの
で、フィンガリングに応じて、演奏操作が困難と考えら
れる音高の音量を、他の音高の音量よりも相対的に小さ
くするといった表情付けを行うことができる〔実施例
(S)に対応〕。
【0110】この特徴に従う更に他の演奏データ作成装
置(請求項49)においては、ポジション移動部分に相
当するフィンガリングに関する情報を用い、当該ポジシ
ョン移動部分において音程を変更するように構成してい
るので、フィンガリングのポジション移動に応じて音程
を自動変化させる表情付けを行うことができる〔実施例
(S)に対応〕。なお、フィンガリングを考え、低いポ
ジションで大きな音量のときには、ノイズ音を加える手
法も適用可能である。
【0111】この発明の第18の特徴(請求項50)に
よると、供給された演奏データから、特定の楽器奏法に
相当する部分を抽出すし、特定の楽器奏法に対応する生
成方法情報に基づいて、楽音制御情報を生成し、演奏デ
ータに付加するようにしているので、特定の楽器奏法に
対応して多彩な表情のある演奏出力を得ることができ
る。〔実施例(21),(22),(24),(H),
(T)が対応〕
【0112】この特徴に従う1つの演奏データ作成装置
(請求項51)においては、特定の楽器奏法がハンマリ
ングオン奏法又はプリングオフ奏法であり、このハンマ
リングオン奏法又はプリングオフ奏法にあたる部分にお
いて、演奏データの再生テンポの値を速くするように構
成しているので、ギターのハンマリングオン又はプリン
グオフなどのときにテンポを速くする表情付けを行うこ
とができる〔実施例(21)に対応〕。このようにプリ
ングオフ時にテンポを加速するには、ハンマリングオ
ン、プリングオフを検出し、検出結果に基づいたテンポ
チェンジを演奏データに付与する。
【0113】この特徴に従う別の演奏データ作成装置
(請求項52)においては、特定の楽器奏法がピアノの
サスティンペダル奏法であり、ピアノのサスティンペダ
ル奏法にあたる部分において、演奏データの再生テンポ
の値を遅くするように構成しているので、ピアノのサス
ティンベダル操作に応じて微妙にテンポを遅くするとい
うように、サスティンベダル操作に応じてテンポを設定
する表情付けを行うことができる〔実施例(22)に対
応〕。これには、例えば、サスティンベダルオンを検出
し、この検出結果に基づいたテンポチェンジを演奏デー
タに付与する。
【0114】この特徴に従う更に別の演奏データ作成装
置(請求項53)においては、特定の楽器奏法がストリ
ングのトリル奏法であり、ストリングにおいて微小変動
(震動)音を持続するトリル奏法にあたる部分の演奏デ
ータを複数のパートに分割し、演奏データの再生テンポ
を各パート毎に異なる値が設定されるように構成してい
るので、ストリングのトリルについて、複数パートを使
いこれらのパートについて微妙にタイミングをずらすよ
うにする表情付けを行うことができる〔実施例(24)
に対応〕。これには、例えば、トリル部分を検出してそ
の部分を複数パートにコピーし、パート毎にMIDIデ
ータのタイミングが異なるように変更する。この場合、
パート毎に異なる音色特性とすることもできる。なお、
この手法は、音程パラメータの変化付与にも適用でき、
この場合は、分解したそれぞれのパートにおけるトリル
音程を微妙にずらすようにすればよい。
【0115】この特徴に従う他の演奏データ作成装置
(請求項54)においては、特定の楽器奏法がトリルや
ドラムのロール奏法であり、トリルやドラムのロール奏
法にあたる部分の音符の音量を不均一にするように構成
しているので、トリルや打楽器のロール演奏部分に、個
々の音符の音量を不均一になる値とする表情付けを行う
ことができる〔実施例(H)に対応〕。
【0116】この特徴に従う更に他の演奏データ作成装
置(請求項55)においては、特定の楽器奏法が弦楽器
の弓の返し奏法であり、弦楽器の弓の返し奏法にあたる
部分の近傍音符の音量を変更するように構成しているの
で、弦楽器の弓の返し位置近傍に音量変化を付与する表
情付けを行うことができる〔実施例(T)に対応〕。
【0117】この発明の第19の特徴(請求項56)に
よると、供給された演奏データから歌詞情報を抽出し、
歌詞情報に対応する生成方法に基づいて、楽音制御情報
を生成し、演奏データに付加するようにしているので、
歌詞情報がある場合に多彩な表情のある演奏出力を得る
ことができる。〔実施例(27),(U)が対応〕
【0118】この特徴に従う1つの演奏データ作成装置
(請求項57)においては、特定の単語に対するテンポ
制御値に基づいて、演奏データの再生テンポの値を変更
するように構成しているので、歌詞に応じたテンポを設
定する表情付けを行うことができる〔実施例(27)に
対応〕。この表情付けには、例えば、所定の単語をテン
ポ係数と共に予め登録しておき、元の演奏データの歌詞
データ中から所定の単語を検出するようにし、当該単語
が出現すると、それに基づいたテンポチェンジを演奏デ
ータに付与してテンポを変化させる。この場合、明るい
単語には速いテンポを設定し、暗い単語や重要単語には
遅いテンポを設定する。
【0119】この特徴に従う別の演奏データ作成装置
(請求項58)においては、特定の単語に対する音量変
化に基づいて音量を変更するように構成しているので、
所定の単語に音量変化を付与する表情付けを行うことが
できる〔実施例(U)に対応〕。このような歌詞情報に
伴うパラメータの処理手法は、音程変化についても適用
することができる。
【0120】この発明の第20の特徴(請求項59)に
よると、供給された演奏データから、音源からの出力波
形に関する情報を取得し、音色の種類に応じた音源から
の出力波形に対応する生成方法情報に基づいて、楽音制
御情報を生成し、演奏データに付加するようにしている
ので、例えば、実際の出力波形を観測しながら、音色の
種類によって音符のオン時刻を異なるように補正するよ
うにして、音源の出力波形に応じてタイミングを補正す
る表情付けを行うことができる〔実施例(28)に対
応〕。
【0121】この発明の第21の特徴(請求項60)に
よると、供給された演奏データから、演奏記号に関する
情報を抽出し、演奏記号に対応する生成方法情報に基づ
いて、楽音制御情報を生成し、演奏データに付加するよ
うにしているので、演奏データ中の演奏記号に対応して
多彩な表情のある演奏出力を得ることができる。〔実施
例(29),(30),(K)が対応〕
【0122】この特徴に従う1つの演奏データ作成装置
(請求項61)においては、演奏記号がピアノ記号とフ
ォルテ記号であり、ピアノ記号が添付された音符の直前
の音符にフォルテ記号が添付されている場合に、当該フ
ォルテ記号が添付されている音符の発音長を短めにする
ように構成しているので、ピアノ記号直前のフォルテ記
号は短めに設定して発音させる表情付けを行うことがで
き〔実施例(29)に対応〕。
【0123】この特徴に従う別の演奏データ作成装置
(請求項62)においては、演奏記号がスタッカート記
号であり、スタッカート記号が添付された音符の直前の
音符の発音長を変更するように構成しているので、スタ
ッカート直前の音の発音時間を長めにする表情付けを行
うことができる〔実施例(30)に対応〕。これには、
例えば、スタッカートを検出し、その直前の音のゲート
タイムを強弱値αに応じて伸長し、その結果に基づいた
テンポチェンジを演奏データに付与する。
【0124】この特徴に従う他の演奏データ作成装置
(請求項63)においては、同様に演奏記号がスタッカ
ート記号であり、スタッカート記号が添付された音符の
直後の音符の音量を小さくするように構成しているの
で、スタッカート音を強調するために、スタッカート発
音の直後の音符の音量を小さくする表情付けを行うこと
ができる〔実施例(K)に対応〕。このようなスタッカ
ート演奏においては、音量を変化させる度合いをスタッ
カート音符の音価やテンポに応じて調整することが好ま
しい。
【0125】この発明の第22の特徴(請求項64)に
よると、既に供給されている演奏データの所定の特徴情
報と楽音制御情報との関係を記憶しておき、新たに供給
された演奏データの特徴を抽出すると、記憶手段に記憶
された関係に従って、楽音制御情報を生成し、新たに供
給された演奏データに付加するようにしているので、学
習機能によりテンポを設定する表情付けを行うことがで
きる〔実施例(25)が対応〕。この手法では、音高変
化とテンポ変化の関係を自動的に予想するシステムを構
成し、ある曲の途中までテンポ変化を手入力した後の残
りのテンポ変化を学習機能により自動入力させる。例え
ば、学習ルーチンでテンポ変化を既に付与しているMI
DIデータからフレーズとテンポ変化の関係を学習さ
せ、その結果を記憶しておく。そして、未だテンポの付
与されていないフレーズのMIDIデータに対し、記憶
されている学習結果を基にしたテンポチェンジを演奏デ
ータに付与する。
【0126】この発明の第23の特徴(請求項65)に
よると、演奏データに関して所定の特徴情報と楽音制御
情報との関係をライブラリに記憶しておき、供給された
演奏データの特徴情報を抽出すると、ライブラリを参照
することによって、楽音制御情報を生成し、演奏データ
に付加するようにしているので、ライブラリを用いてテ
ンポを設定する表情付けを行うことができる〔実施例
(26)が対応〕。この手法においては、演奏データの
種々の特徴情報に対応して一旦生成したテンポ変化をあ
る時間区間で切り取ってライブラリ化しておき、他の部
分にも同様に適応する。例えば、ライブラリ化ルーチン
でテンポ変化を既に付与したMIDIデータからテンポ
チェンジを抽出して相対値に直してライブラリ化してお
く。そして、MIDIデータの所定の特徴情報に対応し
てこのライブラリからテンポチェンジを選択し、選択さ
れたテンポチェンジを時間方向、テンポ値方向に伸縮し
た上、演奏データに付与する。なお、この手法は、音程
パラメータの変化付与にも適用することができる。
【0127】この発明の第24の特徴(請求項66)に
よると、供給された演奏データの所定の特徴情報に基づ
き楽音制御情報を生成し、生成された楽音制御情報及び
供給された演奏データの楽音制御情報を演奏データ全体
で対比し、この対比結果に基づいて、生成された楽音制
御情報を修正するようにしているので、演奏データ全体
を見通して、バランスのとれた最適な表情のある演奏出
力を得ることができる〔実施例(31)、(V)が対
応〕。例えば、1曲を通してテンポ変化させた結果を見
て、テンポの平均が元々設定されていたテンポ値になる
ように、全体のテンポを補正する(全体のテンポを均一
に補正したり、テンポ変更回数の多い区間のテンポを優
先的に補正したりする)ことによって、全体を見通して
テンポを決めることができる〔実施例(31)を参
照〕。また、演奏ヂータ全体の音量の平均値を算出し、
この平均値が所望値になるように、全体の音量にオフセ
ットを加えることもできる〔実施例(V)を参照〕。
【0128】この発明の第25の特徴(請求項67)に
よると、供給された演奏データから、発音を指示する演
奏データであってその発音長が所定長以上の部分を抽出
し、所定長以上の発音指示データ部分に対応する生成方
法情報に基づいて、発音長が所定長以上の部分の音量を
不均一に変更するような楽音制御情報を生成を生成し、
演奏データに付加するようにしているので、ロングトー
ンの音量にゆらぎ/ランダム性をつける表情付けを行う
ことができる〔実施例(L)が対応〕。この場合、ゆら
ぎについては、乱数カウンタと所定の変化付与パターン
に基づき決定するのが好ましい。なお、この手法は、音
程パラメータについても適用可能である。
【0129】この発明の第26の特徴(請求項68)に
よると、供給された演奏データから、同音色のパート及
びそのパート数を抽出し、パートに対応する生成方法情
報に基づいて、抽出されたパートの音量を、抽出された
パート数に応じた値に減少させるような楽音制御情報を
生成し、演奏データに付加するようにしているので、パ
ート演奏におけるパートディビジヨン(1つのパートを
複数人数で演奏する演奏方法を模倣したデータを作成す
ること)の際に、各パートの音量を下げるようにする表
情付けを行うことができる〔実施例(N)が対応〕。
【0130】この発明の第27の特徴(請求項69)に
よると、供給された演奏データからメロディパートを抽
出し、メロディパートに対応する生成方法情報に基づい
て、抽出されたメロディパートの音量をその他のパート
の音量よりも大きくなるように変更するような楽音制御
情報を生成し、演奏データに付加するようにしているの
で、パートに応じた表情付けを行うことができる〔実施
例(R)が対応〕。つまり、メロディパートの音量が相
対的に他のパートの音量より上がるように変化量を決定
し、メロディラインを浮き立たせる。なお、この手法
は、音程パラメータについても適用可能であり、メロデ
ィパートや伴奏パートに応じて基本ピッチをかえるよう
にする。さらに、パートに応じて遠近感を変化させた
り、リバーブの深さを変化させたりする等に応用するこ
とができる。
【0131】この発明の第28の特徴(請求項70)に
よると、供給された演奏データから、音量変化が付与さ
れた部分を抽出し、音量変化付与部分に対応する生成方
法情報に基づいて、抽出された音量変化に相当する音程
変化を、抽出された部分に付与するような楽音制御情報
を生成し、演奏データに付加するようにしているので、
音量変化(アクセント)が付与された部分に対して、音
量変化に相当する音程変化を決定し、アクセント音を微
妙に上ずらせる表情付けを行うことができる。〔実施例
(a)が対応〕
【0132】この発明の第29の特徴(請求項71)に
よると、供給された演奏データから、ダブルチョーキン
グが行われている部分を抽出し、ダブルチョーキング部
分に対応する生成方法情報に基づいて、抽出されたダブ
ルチョーキング部分の演奏データを上音と下音とで2つ
のパートに分割し、それぞれに異なる音量変化を与える
ような楽音制御情報を生成し、演奏データに付加するよ
うにしているので、ダブルチョーキングの際に、ダブル
チョーキングの上音と下音とを別々のパートに分離し、
わざと、別パートで音量の時間変化タイミングをずらす
表情付けを行うことができる。〔実施例(b)が対応〕
【0133】この発明の第30の特徴(請求項72)に
よると、供給された演奏データから、連続してチョーキ
ングが行われている部分を抽出し、連続チョーキング部
分に対応する生成方法情報に基づいて、抽出された連続
チョーキング部分において、毎回のチョーキングに対す
る演奏データの音程に不均一性を持たせるような楽音制
御情報を生成し、演奏データに付加するようにしている
ので、連続チヨーキングの際の微妙な表情付けを行うこ
とができる〔実施例(c)が対応〕。つまり、チョーキ
ングが連続して現れる部分において、毎回のチョーキン
グの音程変化が同じにならないように音程に不均一性を
加える。例えば、チョーキングが連続している回数や音
程の変化傾向に基づいて、変化付与テンプレートを選択
し、付与する音程の変化傾向を決定し、チョーキングの
かかった真ん中の音の音程から微妙に高くしたり、低く
したりする。
【0134】この発明の第31の特徴(請求項73)に
よると、給された演奏データから、アルペジオ演奏に相
当する部分を抽出し、アルペジオ演奏相当部分に対応す
る生成方法情報に基づいて、抽出されたアルペジオ演奏
における共通倍音を検出し、検出された倍音を別パート
で発音させるようにするような楽音制御情報を生成し、
演奏データに付加するようにしているので、アルベジオ
の共通倍音を検出し、この倍音を別パートで小さい音量
でならす表情付けを行うことができる。〔実施例(d)
が対応〕
【0135】この発明の第32の特徴(請求項74)に
よると、供給された演奏データから、音色の変更を指示
する所定の音楽記号に対応する部分を抽出し、音色変更
を指示用音楽記号に対応する生成方法情報に基づいて、
抽出された音色変更指示用音楽記号に対応する部分で、
当該音楽記号に対応する音色に、設定音色を変更するよ
うな楽音制御情報を生成し、演奏データに付加するよう
にしているので、楽譜シンボルにより音色を選択する表
情付けを行うことができる〔実施例(e)が対応〕。例
えば、“pizz.”が表示されていると、自動的に音
色をピチカートストリングに変更し、“arco”の表
示位置で元の擦弦音色に戻すようにする。
【0136】〔種々の特徴〕なお、この発明に備えられ
る種々の特徴により、以下の(1)〜(23)のように
構成することもできる: (1)演奏データを入力する手段と、入力される演奏デ
ータの特徴情報を取得する手段と、演奏データに関して
所定の特徴情報と楽音制御情報との対応をルール化した
表情付けモジュールを供給する手段と、取得された特徴
情報に基づき、供給された表情付けモジュールのルール
に従って楽音制御情報を設定する手段と、設定された楽
音制御情報を、入力された演奏データに付加する手段
と、楽音制御情報が付加された演奏データを出力する手
段とを具備する演奏データ作成装置〔図2〕。つまり、
(1)の構成によると、楽音制御の因子となる入力演奏
データの特徴に対する楽音制御情報の設定手順をルール
化した種々の表情付けモジュールを用意しておき、この
表情付けモジュールに基づいて楽音制御情報を設定する
ようにしているので、より音楽的な演奏データを自動的
に作成することができる。
【0137】(2)演奏データを入力する手段と、入力
される演奏データの特徴情報を取得する手段と、取得さ
れた特徴情報に基づき、予め定められたルールに従って
楽音制御量を設定する手段と、設定される楽音制御量の
制御パラメータを調整する手段と、設定された楽音制御
量と調整された制御パラメータに基づいて楽音制御情報
を決定する手段と、決定された楽音制御情報を、入力さ
れた演奏データに付加する手段と、楽音制御情報が付加
された演奏データを出力する手段とを具備する演奏デー
タ作成装置、並びに、この演奏データ作成装置におい
て、パラメータ調整手段が、出力された演奏データを評
価し、評価結果に応じて再度制御パラメータを調整する
もの〔実施例(1)〜(24),(27)〜(3
0)〕。つまり、(2)の構成によると、種々の楽音制
御情報の設定に際し、特徴情報に基づきルールに従って
設定される楽音制御量(時間的、音程的、音量的等の演
奏上の各種楽音制御量)の制御パラメータを調整可能と
し、楽音制御量と調整された制御パラメータに基づいて
楽音制御情報(時間パラメータ、音程パラメータ、音量
パラメータ等の各種演奏パラメータ)を決定するように
しているので、最適の楽音制御情報による表情付けを行
うことができる。
【0138】(3)入力される演奏データから音符時間
情報を抽出する方法〔実施例(1),(3)〕、入力さ
れる演奏データの演奏の進行状態を評価する方法〔実施
例(2)〕、入力される演奏データから微小震動音情報
を抽出する方法〔実施例(4),(20),(2
3)〕、入力される演奏データからフレーズの区切りを
認識する方法〔実施例(5)〕、入力される演奏データ
から所定区間毎の音高情報或いは平滑化した音高情報を
算出する方法〔実施例(6)〕、入力される演奏データ
から音高変化方向転換情報を取得する方法〔実施例
(7)〕、入力される演奏データから同一又は類似のパ
ターン等を検出する方法〔実施例(8),(9)〕、入
力される演奏データから、予め登録されている音形を検
出する方法〔実施例(10)〕、入力される演奏データ
から所定区間毎の音量情報或いは平滑化した音量情報を
算出する方法〔実施例(11)〕、入力される演奏デー
タの雰囲気情報を取得する方法〔実施例(12)〕、入
力される演奏データから所定の音符群列情報を抽出する
方法〔実施例(13),(14)〕、入力される演奏デ
ータの和音音数情報を抽出する方法〔実施例(1
5)〕、入力される演奏データから音色情報を抽出する
方法〔実施例(16)〕、入力される演奏データからフ
ィンガリング情報を抽出する方法〔実施例(17)〜
(19)〕、入力される演奏データから特定の楽器奏法
に対応する奏法情報を抽出する方法〔実施例(21),
(22)〕、入力される演奏データからストリングス等
の微小変動音情報を抽出する方法〔実施例(24)〕、
入力される演奏データの歌詞情報を取得する方法〔実施
例(27)〕、入力演奏データから音源の出力波形情報
を取得する方法〔実施例(28)〕、入力された演奏デ
ータから所定の演奏記号情報を抽出する方法〔実施例
(29),(30)〕などによって取得された特徴情報
に基づき、それぞれの特徴と時間的楽音制御内容や音程
的楽音制御内容等との対応ルールに従って時間パラメー
タや音程パラメータ等の楽音制御情報を設定するもの。
このように、入力演奏データの特徴として、音符時間情
報(音符密度、2音間隔)、演奏の進行状態、微小震動
音情報(ロングトーンのトリル/ビブラート、ピッチベ
ンド等)、フレーズの区切り(フレーズ終端部等)、音
高情報、音高変化方向転換情報(上下降部等)、同一又
は類似のパターン(同パターン連続、類似フレーズ
等)、登録音形(フレーズテンプレート等)、音量情
報、雰囲気情報(「緊張感」等)、音符群列情報(まと
まった音符、長い連符等)、和音音数情報、音色情報、
フィンガリング情報(指、ポジション移動、ポジション
等)、奏法情報(ギターのプリングオフ、ハンマリング
オン、ピアノのサスティンペダル等)、微小変動音情報
(複数パートのトリル等)、歌詞情報、所定の演奏記号
(強弱記号、スタッカート等)などを取得し、これらの
特徴に応じて楽音制御情報を設定することによって、こ
れらの特徴情報に基づく多彩な表情のある演奏出力を得
ることができる。
【0139】(4)演奏データを入力する手段と、既に
入力された演奏データの所定の特徴情報と楽音制御情報
の関係を記憶する手段と、新たに入力される演奏データ
の特徴情報を取得する手段と、取得された特徴情報に基
づき、記憶された関係に従って楽音制御情報を設定する
手段と、設定された楽音制御情報を、新たに入力された
演奏データに付加する手段と、楽音制御情報が付加され
た演奏データを出力する手段とを具備する演奏データ作
成装置〔実施例(25)〕、並びに、演奏データに関し
て所定の特徴情報と楽音制御情報との関係を複数組記録
したライブラリと、演奏データを入力する手段と、入力
される演奏データの特徴情報を取得する手段と、取得さ
れた特徴情報に基づき、ライブラリを参照することによ
って楽音制御情報を設定する手段と、設定された楽音制
御情報を、入力された演奏データに付加する手段と、楽
音制御情報が付加された演奏データを出力する手段とを
具備する演奏データ作成装置〔実施例(26)〕。この
ように、既に入力された演奏データの所定の特徴情報と
楽音制御情報の関係を記憶しておき、新たに入力される
演奏データの特徴情報に基づき、記憶された関係に従う
学習結果を利用して楽音制御情報を設定するようにした
り、入力演奏データから取得した特徴情報に基づき、演
奏データに関して所定の特徴情報と楽音制御情報との関
係を複数組記録したライブラリを参照することによって
楽音制御情報を設定するように構成することによって、
学習機能やライブラリ化により、表情付与の適応性を向
上することができる。
【0140】(5)演奏データを入力する手段と、入力
される演奏データの所定の特徴情報に基づき楽音制御情
報を設定する手段と、設定された楽音制御情報及び入力
された演奏データの楽音制御情報を演奏データ全体で対
比する手段と、この対比結果に基づいて、設定された楽
音制御情報を修正する手段とを具備する演奏データ作成
装置〔実施例(31)〕。つまり、(5)の構成による
と、設定された楽音制御情報及び入力された演奏データ
の楽音制御情報を演奏データ全体で対比した結果に基づ
いて、設定された楽音制御情報を修正するようにしてい
るので、演奏データを見通して楽音制御情報を最適値に
設定することができる。
【0141】(6)演奏データを供給する供給手段と、
供給された演奏データを解析し、複数種類の表情のうち
いずれかの表情を付与可能な、演奏データをすべて含む
全体区間内の部分区間を抽出する解析手段と、抽出され
た部分区間に含まれる演奏データに付与すべき表情を複
数種類の表情から選択して決定する決定手段と、抽出さ
れた部分区間に含まれる演奏データのパラメータを、決
定された表情に対応する表情付けアルゴリズムに従って
自動的に編集するパラメータ編集手段とを有するパラメ
ータ自動編集装置、並びに、演奏データを供給手段から
供給する供給モジュールと、供給された演奏データを解
析し、複数種類の表情のうちいずれかの表情を付与可能
な、演奏データをすべて含む全体区間内の部分区間を抽
出する解析モジュールと、抽出された部分区間に含まれ
る演奏データに付与すべき表情を複数種類の表情から選
択して決定する決定モジュールと、抽出された部分区間
に含まれる演奏データのパラメータを、決定された表情
に対応する表情付けアルゴリズムに従って自動的に編集
するパラメータ編集モジュールとを含む、コンピュータ
が実現できまプログラムを格納したパラメータ記憶媒体
〔図52及び図53〕。ここで、演奏データは、シーケ
ンスデータを想定している。このため、演奏データは時
系列に並べることができ、「区間」という概念を、そこ
に入れることができる。また、「パラメータ」とは、テ
ンポやタイミング等の時間的楽音制御情報や、音程的楽
音制御情報、音量的制御情報など、演奏上楽音を制御す
るための変量情報であり、「演奏パラメータ」というこ
ともあり、以下においても同様である。
【0142】(7)演奏データを供給する供給手段と、
供給された演奏データから、その音高が上昇傾向にある
データ領域を抽出する抽出手段と、抽出されたデータ領
域に含まれる演奏データの音量又は音程が、当該データ
領域の最初に位置する演奏データから最後に位置する演
奏データまで、それぞれ、徐々に増大するか又は低くず
れるように、当該各演奏データの音量又は音程パラメー
タ値を編集するパラメータ編集手段とを有するパラメー
タ自動編集装置〔実施例(A)〕。ここで、上昇傾向と
は、単純な上昇音系ではないが、全体を評価した場合に
は上昇音系と言えるものを含む趣旨であり、以下におい
ても同様である。
【0143】(8)演奏データを供給する供給手段と、
供給された演奏データから、その音高が上昇傾向にある
データ領域および下降傾向にあるデータ領域を抽出し、
抽出されたデータ領域から、音高が上昇傾向から下降傾
向に変化する変化点の演奏データを含むデータ領域をさ
らに抽出する抽出手段と、抽出されたデータ領域に含ま
れる演奏データ中、変化点の演奏データの音量にアクセ
ントが付与されるように、当該音量パラメータ値を編集
するパラメータ編集手段とを有するパラメータ自動編集
装置〔実施例(A)〕。ここで、下降傾向とは、上昇傾
向とは逆に、単純な下降音系ではないが、全体を評価し
た場合には下降音系と言えるものを含む趣旨であり、以
下においても同様である。
【0144】(9)演奏データを供給する供給手段と、
供給された演奏データの最初に位置する演奏データから
最後に位置する演奏データまでの音量乃至音程パラメー
タ値の変化傾向を規定する音量乃至音程変化パターンを
複数種類記憶する記憶手段と、記憶された複数種類の音
量乃至音程変化パターンからいずれかを選択する選択手
段と、供給された演奏データの音量乃至音程パラメータ
値が選択された音量乃至音程変化パターンによって規定
される変化傾向になるように、当該各演奏データの音量
乃至音程パラメータ値を編集するパラメータ編集手段と
を有するパラメータ自動編集装置〔実施例(B)〕。こ
こで、変化傾向としては、たとえば、音量乃至音程パラ
メータ値を曲の進行に従って徐々に増大させるという傾
向を挙げることができる。このような変化傾向を用いる
ことにより、曲の進行に従って興奮度を高めて行くこと
ができる。なお、増大特性は、曲の進行に従って、所定
の有限値に収束するような特性であることが望ましい。
その方が、音源の出力範囲を超えず、また、より自然な
表情付けになるからである。これは以下においても同様
である。
【0145】(10)演奏データを供給する供給手段
と、供給された演奏データから、発音を指示する演奏デ
ータの出現密度が所定値以上のデータ領域を抽出する抽
出手段と、抽出されたデータ領域に含まれる演奏データ
の音量乃至音程不安定度パラメータ値を、出現密度に応
じた値に編集するパラメータ編集手段とを有するパラメ
ータ自動編集装置〔実施例(C)〕。ここで、出現密度
とは、単位時間当たりの出現頻度を意味する。そして、
出現密度が所定値以上とは、演奏が難関であることを意
味するため、出現密度に応じた値とは、通常、元の音量
パラメータ値より小さい値、すなわち音量が小さくなる
方向への変更を意味し、音程不安定度パラメータ値につ
いては大きくなる方向への変更を意味する。これは、以
下においても同様である。
【0146】(11)抽出されたデータ領域に含まれる
演奏データに基づいて音程を算出し、算出された音程の
最小値と最大値との音程変化幅を算出する算出手段を有
し、パラメータ編集手段は、抽出されたデータ領域に含
まれる演奏データの音量乃至音程不安定度パラメータ値
を、出現密度および算出された音程変化幅に応じた値に
編集するパラメータ自動編集装置〔実施例(C)〕。こ
こで、音程変化幅も、音量パラメータ値乃至音程不安定
度パラメータ値を変更する指標になり得、通常、音程乃
至音程不安定度変化幅が大きいほど、音量パラメータ値
は減少方向に変更し、音程不安定度パラメータ値は増大
方向に変更する。これは、以下においても同様である。
【0147】(12)演奏データを供給する供給手段
と、供給された演奏データから、類似フレーズ領域を抽
出する抽出手段と、抽出された類似フレーズ領域に含ま
れる類似フレーズ間の類似度を算出する算出手段と、類
似フレーズ領域が連続して出現するときには、2番目以
降に出現する類似フレーズの音量パラメータ値を、最初
に出現する類似フレーズの音量パラメータ値より小さい
値であって、算出された類似度に応じた値に編集する一
方、類似フレーズ領域が離散して出現するときには、2
番目以降に出現する類似フレーズの音量パラメータ値
を、最初に出現する類似フレーズの音量パラメータ値に
類似した値であって、算出された類似度に応じた値に編
集するパラメータ編集手段とを有するパラメータ自動編
集装置〔実施例(D)〕。ここで、類似度は、たとえ
ば、比較するフレーズ間で、演奏データがすべて同
一、演奏データの一部のみが相違、演奏データの一
部のみが同一、演奏データがすべて相違、の4段階の
値とするのが分かりやすいが、この段階は、これより細
かくても粗くてもよい。これは以下においても同様であ
る。
【0148】(13)演奏データを供給する供給手段
と、供給された演奏データから、3拍子かつ発音を指示
する演奏データの発音長がすべて同一音長である小節長
のデータ領域を抽出する抽出手段と、抽出されたデータ
領域中、強弱を付与すべき拍位置を決定する決定手段
と、抽出されたデータ領域に含まれる演奏データ中、決
定手段により強が決定された拍位置の演奏データの音量
パラメータ値を増大させ、決定手段により弱が決定され
た拍位置の演奏データの音量パラメータ値を減少させる
ように編集するパラメータ編集手段とを有するパラメー
タ自動編集装置〔実施例(E)〕。ここで、強弱を付与
すべき拍位置を決定する基準は、たとえば、演奏データ
として選択された曲の作風、時代および作曲家等が挙げ
られる。これは以下においても同様である。
【0149】(14)演奏データを供給する供給手段
と、供給された演奏データから、フレーズ長のデータ領
域を抽出する抽出手段と、抽出されたデータ領域に設定
されているテンポ値を算出する算出手段と、抽出された
データ領域に含まれる最後に位置する演奏データであっ
て、発音を指示する演奏データ、およびその発音長を検
出する検出手段と、検出された演奏データの音量が、算
出されたテンポ値および検出された発音長に応じた持続
時間だけ徐々に減衰するように、当該演奏データの音量
パラメータ値を編集するパラメータ編集手段とを有する
パラメータ自動編集装置。〔実施例(F)〕
【0150】(15)演奏データを供給する供給手段
と、供給された演奏データから、発音を指示する演奏デ
ータであって、トリルまたはビブラートが付与されかつ
その発音長が所定長以上のものを抽出する抽出手段と、
発音長が所定長以上の演奏データをトリル演奏するとき
の音量の変化乃至音程変化の速さを規定する音量変化パ
ターン乃至音程変化速さパターンと、発音長が所定長以
上の演奏データをビブラート演奏するときの音量の変化
乃至音程変化の速さを規定する音量変化パターン乃至音
程変化の速さパターンとを、それぞれ発音長に応じた種
類記憶する記憶手段と、抽出された演奏データに応じた
音量変化パターン乃至音程変化速さパターンを、記憶手
段から読み出す読み出し手段と、抽出された演奏データ
の音量の変化乃至音程変化の速さが、読み出された音量
変化パターン乃至音程変化速さパターンに規定された音
量の変化乃至音程変化の速さになるように、当該演奏デ
ータの音量パラメータ値乃至音程変化の速さパラメータ
値を編集するパラメータ編集手段とを有するパラメータ
自動編集装置。〔実施例(G)〕
【0151】(16)演奏データを供給する供給手段
と、供給された演奏データから、トリル演奏またはロー
ル演奏が行われるデータ領域を抽出する抽出手段と、抽
出されたデータ領域に含まれる演奏データの音量パラメ
ータ値を不均一値に編集するパラメータ編集手段とを有
するパラメータ自動編集装置。〔実施例(H)〕
【0152】(17)演奏データを供給する供給手段
と、供給された演奏データから、同時に発音を指示する
複数個の演奏データによって構成されるデータ領域を抽
出する抽出手段と、強調すべき演奏データの位置を示す
パターンを、同時に発音を指示する演奏データの個数お
よびその音高に応じた種類記憶する記憶手段と、抽出さ
れたデータ領域に含まれる演奏データの個数およびその
音高に応じたパターンを、記憶手段から読み出す読み出
し手段と、抽出された演奏データ中、読み出されたパタ
ーンにより示される位置の演奏データが強調されるよう
に、当該演奏データの音量乃至音程パラメータ値を編集
するパラメータ編集手段とを有するパラメータ自動編集
装置〔実施例(J)〕。ここで、同時に発音を指示する
複数個の演奏データとしては、典型的には、和音を構成
する演奏データであるが、これに限らず、たとえば、オ
クターブユニゾンがある。これは以下においても同様で
ある。
【0153】(18)演奏データを供給する供給手段
と、供給された演奏データから、発音を指示する演奏デ
ータであって、スタッカート発音する演奏データの直後
のものを抽出する抽出手段と、抽出された演奏データの
音量が小さくなるように、当該演奏データの音量パラメ
ータ値を編集するパラメータ編集手段とを有するパラメ
ータ自動編集装置。〔実施例(K)〕
【0154】(19)演奏データを供給する供給手段
と、供給された演奏データから、発音を指示する演奏デ
ータであって、その発音長が所定長以上のものを抽出す
る抽出手段と、不均一値を出力する出力手段であって、
発音開始からの経過時間に応じて、不均一値の変化幅を
変化させるものと、抽出された演奏データの音量乃至音
程が不均一かつその変化幅が変化しながら当該発音長持
続するように、当該演奏データの音量乃至音程パラメー
タ値を出力手段によって出力される不均一値に編集する
パラメータ編集手段とを有するパラメータ自動編集装置
〔実施例(L)〕。ここで、抽出される演奏データは、
いわゆるロングトーンの演奏データであり、このロング
トーンの発音中に、その音量を、不均一かつ徐々に振幅
を変えながら変更しているため、ロングトーンにゆらぎ
を付与していることになる。これは、以下においても同
様である。
【0155】(20)演奏データを供給する供給手段
と、供給された演奏データから、同音色のパートおよび
そのパート数を検出する検出手段と、検出されたパート
数に応じて、各パートの演奏音量値を算出する算出手段
と、算出された各演奏音量値を、当該各パートの音量パ
ラメータ値として設定する設定手段とを有するパラメー
タ自動編集装置〔実施例(N)〕。ここでは、パートデ
ィビジョン指定がされている楽譜の演奏を再現するとき
に、従来のパラメータ編集装置では、音量パラメータに
対して何の変更も加えないために、その指定がされない
ときに比べて、音量が増大するという問題を解消するた
めに、「検出されたパート数に応じて、各パートの演奏
音量値を算出」している。この事情は、以下においても
同様である。
【0156】(21)演奏データを供給する供給手段
と、供給された演奏データから、ピッチベンドによるピ
ッチの変更が指示された演奏データを抽出する抽出手段
と、抽出された演奏データでのピッチベンドの変化傾向
を算出し、算出結果に応じて、音量の変化量を決定する
決定手段と、抽出された演奏データの音量の変化が、決
定された音量の変化になるように、当該演奏データの音
量パラメータ値を編集するパラメータ編集手段とを有す
るパラメータ自動編集装置。〔実施例(Q)〕
【0157】(22)演奏データを供給する供給手段
と、供給された演奏データから、メロディパートを抽出
する抽出手段と、抽出されたメロディパートを他のパー
トと比較して、メロディパートが相対的に他のパートよ
り浮き立つように、演奏パラメータの変化量を決定する
決定手段と、抽出されたメロディパートの演奏パラメー
タ値を、決定された演奏パラメータの変化量に基づいて
編集するパラメータ編集手段とを有するパラメータ自動
編集装置〔実施例(R)〕。ここでは、演奏データが複
数パートからなるものであることを前提としている。し
かし、ピアノのように、1つの音色でメロディから伴奏
まで担当するような演奏データに対しては、演奏データ
に含まれるトップノートを抽出して、メロディパートと
すれば、請求項53をそのまま適用することができる。
この事情は、以下においても同様である。
【0158】(23)演奏データを供給する供給手段
と、供給された演奏データから、歌詞情報を抽出する抽
出手段と、抽出された歌詞情報に含まれる単語から、音
量乃至音程変化を付与すべき単語を検出する検出手段
と、単語に付与すべき音量乃至音程変化のパターンを示
す音量乃至音程変化パターンを単語毎に記憶する記憶手
段と、検出された単語に応じた音量乃至音程変化パター
ンを、記憶手段から読み出す読み出し手段と、検出され
た単語の音量乃至音程の変化が、読み出された音量乃至
音程変化パターンによって示される音量乃至音程の変化
になるように、当該演奏データの音量乃至音程パラメー
タ値を編集するパラメータ編集手段とを有するパラメー
タ自動編集装置〔実施例(U)〕。以上の(6)〜(2
3)の構成をもつパラメータ自動編集装置によれば、供
給手段から供給された演奏データが解析され、複数種類
の表情のうちいずれかの表情を付与可能な、前記演奏デ
ータをすべて含む全体区間内の部分区間が抽出され、該
抽出された部分区間に含まれる演奏データに付与すべき
表情が前記複数種類の表情から選択されて決定され、前
記抽出された部分区間に含まれる演奏データのパラメー
タが、前記決定された表情に対応する表情付けアルゴリ
ズムに従って自動的に編集されるので、ユーザが初心者
であっても簡単な操作で曲に多様な表情付けを行うこと
が可能となる。
【0159】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ、この発
明の好適な実施例を説明する。なお、以下の実施例は単
なる一例であって、この発明の精神を逸脱しない範囲で
種々の変更が可能である。
【0160】〔ハードウエア構成〕図1は、この発明の
一実施例による演奏データ作成装置(即ち、パラメータ
自動編集装置)のハードウエア構成のブロック図を示
す。この例では、システムは、中央処理装置(CPU)
1、読出専用メモリ(ROM)2、ランダムアクセスメ
モリ(RAM)3、第1及び第2の検出回路4,5、表
示回路6、音源回路7、効果回路8、外部記憶装置9等
を備え、これらの装置1〜9は、バス10を介して互い
に接続されており、演奏データ作成処理を行うための演
奏データ作成システム、或いは、パラメータ自動編集処
理を行うためのパラメータ自動編集システムを構成して
いる。
【0161】システム全体を制御する(即ち、装置全体
の制御を司る)CPU1は、テンポクロックや割込みク
ロックの発生等に利用される(即ち、タイマ割込み処理
における割込み時間や各種時間を計時する)タイマ11
を備え、所定のプログラムに従って種々の制御を行い、
特に、後述するテンポ変化、音量変化や音程変化等のた
めの種々の処理を中枢的に遂行する。ROM2には、こ
の演奏データ作成(パラメータ自動編集)システムを制
御するための所定の制御プログラムが記憶されており、
これらの制御プログラムには、基本的な演奏情報処理と
共に、この発明による各種テンポ/タイミング、音量変
化や音程変化等の変換処理プログラムや各種テーブル、
各種データを含ませる(即ち、CPU1が実行する制御
プログラムや、各種テーブルデータ等を記憶する)こと
ができる。RAM3は、これらの処理に際して必要なデ
ータやパラメータを記憶し、また、各種レジスタやフラ
グ、処理中の各種データを一時記憶する(即ち、演奏デ
ータ、各種入力情報および演算結果等を一時的に記憶す
る)ためのワーク領域として用いられる。
【0162】第1の検出回路4は鍵盤等の演奏操作子を
備えた演奏操作装置12に接続され、第2の検出回路5
に接続される操作スイッチ装置13は、各種のモード、
パラメータ等の設定を行うために、数字/文字キーやつ
まみ等の操作子を備える。例えば、演奏操作装置12に
は主に音声情報や文字情報を入力するためのキーボード
があり、操作スイッチ装置13には、ポインティングデ
バイスであるマウスがあり、第1及び第2の検出回路
4,5には、キーボードの各キーの操作状態を検出する
キー操作検出回路や、マウスの操作状態を検出するマウ
ス操作検出回路がこれらに対応して設けられる。
【0163】表示回路6は、各種情報等を表示するディ
スプレイ14〔例えば、大型液晶ディスプレイ(LC
D)若しくはCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレ
イ〕や各種インジケータ〔発光ダイオード(LED)
等〕を備えており、これらのディスプレイ14やインジ
ケータは、スイッチ装置13の操作パネル上の各種操作
子に並置することができる。また、ディスプレイ14に
は、各種設定画面や各種操作子ボタンを表示させ、各種
モードやパラメータ値の設定・表示を行うようにするこ
ともできる。
【0164】DSP等で構成される効果回路8に接続さ
れるサウンドシステム15は、音源回路7及び効果回路
8と共に楽音出力部を構成し、この発明による種々の処
理中に作成された各種演奏データに基づいて楽音を放音
させ、表情付けされた出力演奏データによる演奏を試聴
することができる。例えば、音源回路7は、キーボード
(12)から入力された演奏データや予め記録された演
奏データ等を楽音信号に変換し、効果回路8は音源回路
7からの楽音信号に各種効果を付与し、サウンドシステ
ム15は、DAC(Digital-to-Analog Converter )や
アンプ、スピーカ等が含まれ、効果回路8からの楽音信
号を音響に変換する。
【0165】外部記憶装置9は、ハードディスクドライ
ブ(HDD)、コンパクトディスク・リード・オンリィ
・メモリ(CD−ROM)ドライブ、フロッピィディス
クドライブ(FDD)、光磁気(MO)ディスクドライ
ブ、ディジタル多目的ディスク(DVD)ドライブ等の
記憶装置から成り、各種制御プログラムや各種データを
記憶することができる。従って、演奏データの処理に必
要な各種プログラムやデータは、ROM2を利用するだ
けでなく、外部記憶装置9からRAM3内に読み込むこ
とができ、必要に応じて、処理結果をRAM3を介して
外部記憶装置9に記録しておくこともできる。例えば、
FDDは、記憶媒体であるフロッピディスク(FD)を
ドライブし、HDDは、制御プログラムを含む各種アプ
リケーションプログラムや各種データ等を記憶するハー
ドディスクをドライブし、CD−ROMドライブは、制
御プログラムを含む各種アプリケーションプログラムや
各種データ等を記憶するCD−ROMをドライブする。
【0166】HDD(9)のハードディスクには、上述
のように、CPU1が実行する制御プログラムも記憶で
き、ROM2に制御プログラムが記憶されていない場合
には、このハードディスクに制御プログラムを記憶させ
ておき、それをRAM3に読み込むことにより、ROM
2に制御プログラムを記憶している場合と同様の動作を
CPU1にさせることができる。このようにすると、制
御プログラムの追加やバージョンアップ等が容易に行え
る。
【0167】CD−ROMドライブ(9)のCD−RO
Mから読み出された制御プログラムや各種データは、H
DD(9)内のハードディスクにストアされる。これに
より、制御プログラムの新規インストールやバージョン
アップ等が容易に行える。なお、このCD−ROMドラ
イブ以外にも、外部記憶装置9として、光磁気ディスク
(MO)装置等、様々な形態のメディアを利用するため
の装置を設けるようにしてもよい。
【0168】この例では、バス10にMIDIインター
フェイス(I/F)16が接続され、システムは他のM
IDI機器17と通信することができ、外部からのMI
DI(Musical Instrument Digital Interface)信号を
入力したり、MIDI信号を外部に出力したりする。さ
らに、バス10には通信インターフェイス18も接続さ
れ、通信ネットワーク19を介してサーバコンピュータ
20とデータの送受信を行い、サーバコンピュータ20
から制御プログラムや各種データを外部記憶装置9にス
トアすることもできる。また、通信ネットワーク19に
は、サーバコンピュータ20の外、他のクライアントコ
ンピュータを接続することができる。
【0169】MIDI I/F16は、専用のものに限
らず、RS−232CやUSB(ユニバーサル・シリア
ル・バス)、IEEE1394(アイトリプルイー13
94)等の汎用のインターフェースより構成してもよ
い。この場合、MIDIメッセージ以外のデータをも同
時に送受信してもよい。
【0170】通信I/F18は、上述のように、たとえ
ばLAN(Local Area Network)やインターネット、電
話回線等の通信ネットワーク19に接続されており、該
通信ネットワーク19を介して、サーバコンピュータ2
0に接続される。HDD(9)内のハードディスクに上
記各プログラムや各種パラメータが記憶されていない場
合には、通信I/F18は、サーバコンピュータ20か
らプログラムやパラメータをダウンロードするために用
いられる。クライアントとなるコンピュータ(本実施の
形態では、演奏データ作成装置或いはパラメータ自動編
集装置)は、通信I/F18および通信ネットワーク1
9を介してサーバコンピュータ20へとプログラムやパ
ラメータのダウンロードを要求するコマンドを送信す
る。サーバコンピュータ20は、このコマンドを受け、
要求されたプログラムやパラメータを、通信ネットワー
ク19を介してコンピュータへと配信し、コンピュータ
が通信I/F18を介して、これらプログラムやパラメ
ータを受信してHDD(9)内のハードディスクに蓄積
することにより、ダウンロードが完了する。
【0171】この他、外部コンピュータ等との間で直接
データのやりとりを行うためのインターフェースを備え
てもよい。
【0172】なお、本実施の形態の演奏データ作成装置
或いはパラメータ自動編集装置は、上述の構成から分か
るように、汎用的なパーソナルコンピュータ上に構築さ
れたものであるが、これに限らず、この発明を実施でき
る最小限要素のみから構成した専用装置上に構築しても
よい。
【0173】この発明による演奏データ処理(パラメー
タ自動編集)システムは、電子楽器の形態で実施するこ
とができるが、パーソナルコンピュータ(PC)に楽音
処理のアプリケーションプログラムを組み込んだ形態で
実施することもできる。また、音源回路7は、ハードウ
エアで構成する必要はなく、ソフトウエア音源で構成す
ることもでき(本実施の形態では、音源回路7は、その
名称の通り、すべてハードウェアで構成したが、これに
限らず、一部ソフトウェアで構成し、残りの部分をハー
ドウェアで構成してもよいし、また、すべてソフトウェ
アで構成するようにしてもよい。)、さらに、音源機能
を含む楽音出力部の機能を他のMIDI機器17に委ね
ることもできる。
【0174】〔実施形態1〕まず、具体的な演奏パラメ
ータとして、主として、テンポ変化やゲートタイム、発
音開始タイミング等のタイミングシフトなどの時間的楽
音制御情報(具体例中には,音程パラメータや音量パラ
メータ等、他の演奏パラメータを含むものもある。)を
用いて表情付けを行う「実施形態1」について説明す
る。
【0175】〔システム機能の概要〕図2は、この発明
の演奏データ処理(パラメータ自動編集)システムによ
る機能の概要を示す。システムの機能は、元演奏データ
ODを取込む元演奏データ取込みブロックAB、ブロッ
クABから供給される元演奏データODに主としてテン
ポ変換を用いて時間に関連する表情付けを行う表情付け
ブロックEB、表情付けブロックEBに対して供給され
る各種表情に対応した表情付けのルールや手法を記憶し
た表情付けモジュールEM、及び、表情付けされた表情
付け後演奏データEDを音源部等に送り出す表情付け後
演奏データ送出ブロックSBから成る。ここで、表情付
けモジュールEMは、様々な音楽表現における主として
テンポ変化の特徴をルール化したものであり、このルー
ルに従い、元演奏データODに対して、テンポ変化やゲ
ートタイム、発音開始タイミング等のタイミングシフト
を主とする時間的な表情付けを行い、元演奏データOD
を音楽的な表情付け後演奏データEDに変換するもので
ある。この表情付けモジュールEMには、種々の表情付
けモジュールEM1,EM2,…,EMnが予め用意さ
れており、その中から任意の1乃至複数の表情付けモジ
ュールがユーザにより選択され、表情付けブロックEB
へと供給される。
【0176】表情付けモジュールEMの機能は、図1の
演奏データ処理(パラメータ自動編集)システムにおい
て、ROM2の各種テンポ・タイミング変換処理プログ
ラムを作動させることにより、或いは、外部記憶装置9
から所望のテンポ・タイミング変換処理プログラムをロ
ードすることにより、実現することができる。このよう
に外部記憶装置9から表情付けモジュールを供給可能と
したので、図1の演奏データ処理(パラメータ自動編
集)システムに対して、多数の表情付けモジュールのう
ちのユーザが所望する表情付けモジュールのみをインス
トールしたり、メーカー等から新たに供給された表情付
けモジュールを新規インストールしたりすることができ
る。また、元演奏データODは、システム機能の元演奏
データ取込みブロックABにより、鍵盤形操作子装置1
2、外部記憶装置9、他のシーケンサや演奏機器等のM
IDI機器17等から任意に入力することができ、表情
付け後演奏データEDは、表情付け後演奏データ送出ブ
ロックSBにより、楽音出力部、外部記憶装置9、他の
MIDI機器等に任意に出力することができる。なお、
演奏データは、典型的にはMIDIデータである。
【0177】つまり、この発明による表情付けモジュー
ルEMは、楽音の時間的制御の因子となる演奏データの
特徴を予めルールとして用意している。表情付けブロッ
クEBに元演奏データODが入力されると、元演奏デー
タODから取り出された特徴情報に基づき、ルールに従
い時間的制御情報(テンポやタイミング)が設定され
る。この楽音制御情報は元演奏データODに付加され、
表情が付加された演奏データEDとして出力される。時
間的楽音制御量は、制御パラメータにより調整可能で、
楽音に対して最適の時間的表情付けを行うことができ
る。さらに、学習機能やライブラリ化により表情付与の
範囲を拡大したり、楽音制御情報は、演奏データ全体で
対比して修正し、演奏データを見通した設定が可能であ
る。
【0178】表情付けモジュールEMは、また、楽音の
音量や音程等の他の演奏上の制御因子となる演奏データ
の特徴を予めルールとして用意しておくことができる。
従って、表情付けブロックEBに元演奏データODが入
力されると、元演奏データODから取り出された特徴情
報に基づき、ルールに従って、音量や音程等に変化を与
える演奏制御情報(楽音制御情報、演奏パラメータ)を
設定する。そして、これらの演奏制御情報は元演奏デー
タODに付加され、表情が付加された演奏データEDと
して出力することができる。また、これらの演奏制御情
報に基づく楽音制御量も、制御パラメータにより調整可
能で、楽音に対して最適の表情付けを行うことができ
る。さらに、学習機能やライブラリ化により表情付与の
範囲を拡大したり、これらの演奏制御情報も、演奏デー
タ全体で対比して修正し、演奏データを見通した設定が
可能である。
【0179】〔表情付けモジュールの種々の例〕以下、
この発明の一実施例による種々の表情付けモジュールE
M(EM1,EM2,…,EMn)により実行される種
々のテンポ変化等のルールや手法を個々の実施例(1)
〜(31)について説明する。これらの実施例では、モ
ジュールEMにより元のMIDI演奏データODを表情
付け後MIDI演奏データEDに変換するものとして説
明されるが、この発明は、MIDI等のデータ形式には
関係なく適用することができる。なお、演奏データに対
してテンポ変化を付与する方法としては、テンポチェン
ジイベントを挿入する方法と、音符の時刻をずらす方法
とがある。以下の説明では、主として、テンポチェンジ
イベントを挿入する方法を用いているが、音符の時刻を
ずらす方法に置き換えてもよい。また、逆に、音符の時
刻をずらす方法のものをテンポチェンジイベントを挿入
する方法に置き換えてもよい。
【0180】(1)「音数が増えるとテンポが速くな
る」:一般に、参照音数が多くなるに従い、演奏が難し
くなり、テンポが遅くなると思われ勝ちである。しかし
ながら、実際の演奏では、このような心理状態からテン
ポを保とうとする意識が強く表われ、逆に、速くなって
しまうという側面がある。また、音数が多い方が、より
活発な演奏局面である場合が多いという傾向がみられ
る。したがって、参照音数の増大に従い、必然的にテン
ポを速くして演奏することが、人間的でありまた自然で
もある。そこで、このテンポ変化ルールでは、このよう
な表情を再現するために、音符の密度に応じて、例え
ば、演奏データを小節単位で評価し、1拍当りの音符の
数に応じて、テンポを変化させるという手法が採用され
る。
【0181】例えば、図3に示した譜例において、1小
節目では1拍当りの音符数は1つであるが、2小節目で
は1拍あたりの音符数が2つになっている。それで、こ
の数値〔(1小節中の音符数)/(1小節の拍数)〕を
音符密度とし、この音符密度に応じてテンポを変化させ
る。1小節目は、音符密度が「1」なので、そのままの
テンポで4分音符“132”となる。一方、2小節目
は、音符密度が「2」となるので、この音符密度からテ
ーブルを通してテンポの値を設定する。このようなテー
ブルには、例えば、図4に示されるような「音符密度−
テンポ係数(倍率)」テーブルを用いることができる。
従って、図3の譜例の2小節目については、音符密度
「2」に対して、図4のテーブルから、例えばテンポ係
数K=1.02(2%増速)という結果を得ることがで
きる。そして、このテンポ係数Kを元演奏データのテン
ポ値に乗じて所望のテンポ値を決定する。
【0182】図5は、表情付けモジュールEMによる、
音符の密度に応じてテンポを速める音符密度応答処理の
一例を示すフローチャートである。この処理フローの最
初のステップA1では、元のMIDIデータODからテ
ンポ決定を行うための対象パートを複数の演奏パートの
中から選択し、次のステップA2で、テンポについて強
弱の値αを設定(ステップA1から最初にステップA2
に進んだ当初は、値αの初期値として例えば「1」を設
定)してステップA3に進む。
【0183】次のステップA3において、選択したパー
トを指定区間(例えば、1小節毎の区間)に分割し、次
のステップA4で各指定区間のテンポ係数Kを求めるこ
とにより、各指定区間での音符密度を評価する。ステッ
プA3〜A4での音符数の評価は、指定区間を例えば1
小節毎の区間として、小節単位で行う他、拍単位で行っ
ても良いし、テンポの基準となる時間(Tick=最小
時間分解能、クロック、ステップタイムともいう)で行
っても良い。また、各指定区間のテンポ係数Kは、例え
ば、上述した図4の「音符密度−テンポ係数」テーブル
から求めることができる。
【0184】なお、ステップA4でテンポ係数Kを求め
る場合、区間音符数が「0」のときは、図4に○→●で
表わすように、例外的にテンポ係数Kを「1」とする。
一般に、MIDIデータにおいては休符は音符として扱
わないので、このままでは、休符ばかりで構成される小
節はテンポが遅くなるという結果になってしまう。その
ため、評価する区間内に音符がない(休符である)とき
には、テンポ係数Kは「1」と評価する例外的処理を行
う必要がある。
【0185】ステップA4からステップA5に進むと、
求められた各指定区間のテンポ係数K、強弱の値α及び
現在設定されているテンポの値(例えば、図3の譜例で
は“132”)に基づいてテンポチェンジ量(例えば、
“132”×α×K)を算出し、このテンポチェンジを
各指定区間のMIDIデータに付与する。次のステップ
A6では、テンポチェンジを付与したMIDIデータを
一曲全部又は必要部分だけ再生し、例えば、楽音出力部
を介して放音させてこのMIDIデータによる演奏を試
聴する。この後、ステップA7に進み、MIDIデータ
再生の結果、テンポチェンジを付与したMIDIデータ
が良好であると判断した場合は、この音符密度応答処理
を終了する。一方、再生MIDIデータにテンポ設定上
の不具合があると判断した場合は、ステップA2に戻っ
て強弱値αを設定し直した上、ステップA3〜A7の処
理を繰り返す。
【0186】なお、良否判定ステップA7〜強弱値設定
ステップA2は、所定の判断基準により再生MIDIデ
ータを自動判定し、良好な結果を得る方向に所定値だけ
強弱値αを自動的に増減する等の方法により、自動化す
ることもできる。また、強弱値αは、区間毎に異なる値
を設定することができるようにしてもよい。さらに、強
弱値αを各区間に共通的に設定する方法と区間毎に個別
に設定する方法を共用してもよい。例えば、強弱値α=
1に初期設定した状態で全曲を通してこのテンポ変化ル
ールを適用してみて、表情を付けたMIDIデータを再
生したとき(ステップA6)、これがNGでステップA
2に戻ったときに、表情が過剰な各区間については各過
剰度に応じて強弱値αを「1」未満に再設定し、逆に、
不足の各区間には各不足度に応じて「1」を超える値に
設定し直すという具合に編集を行うことができる。これ
らの態様は、実施例(2)以下のテンポ変化/タイミン
グシフト等に関する諸ルールを適用して演奏パラメータ
値付与を実施する場合にも、同様に実施可能である。
【0187】この場合、元の演奏データ(MIDIデー
タ)ODをディスプレイ14上に表示させ、表示された
演奏データOD上に、付与したパラメータ値(テンポチ
ェンジ量等)やその位置を重ねて表示させることによ
り、ユーザにパラメータ値設定の結果を確認させること
ができる。また、この確認時には、パラメータ変化付与
処理を施したくない位置をユーザが指定できるようにし
てもよい。
【0188】複数の演奏パート(リズム/伴奏、メロデ
ィ等)がある場合、一般にはテンポは共通とするので、
上述した図5の音符密度応答処理では、テンポを決める
ための特定パートをステップA1で選択的に設定してい
るが、次に説明するように、複数のパートの情報を総合
した評価でテンポを決定する方法も採用することができ
る。なお、テンポイベントを変更するのではなく、音符
の時刻をずらすことによって、テンポの変更を再現する
ことにより、複数のパート間で独立なテンポ設定を行う
ことも可能である。
【0189】図6は、表情付けモジュールEMによる、
音符の密度に応じてテンポを速める音符密度応答処理の
他の例を示すフローチャートであり、この処理は、パー
トを選択指定せずに全パートの情報を総合した評価でテ
ンポを決定する場合に適用される。この処理フローで
は、最初のステップB1でテンポについて強弱の値αを
設定してステップB2に進む。ステップB2では、各パ
ートの指定区間(例えば、1小節毎の区間)に分割し、
次のステップB3で全パートの各指定区間の平均の音符
密度を算出し、ステップB4において、算出した音符密
度から各指定区間のテンポ係数Kを求め、各指定区間で
の音符密度を評価する。なお、ステップB2〜B4での
音符数評価は、既述したのと同様に、小節単位で行う
他、拍単位で行っても良いし、テンポの基準となる時間
(Tick)で行っても良いこと、音符無しの指定区間
でテンポ係数Kを「1」とすることは、もちろんであ
る。
【0190】ステップB4からステップB5に進んだ後
は、前述したステップA5,A6と同様に、ステップB
5において、求められたテンポ係数K、強弱の値α及び
現在テンポ値に応じたテンポチェンジを各指定区間のM
IDIデータに付与し、次のステップB6でこのMID
Iデータを再生する。この後、ステップB7にて再生M
IDIデータが良好であるとされれば、この音符密度応
答処理を終了し、不具合があれば、ステップB1に戻り
ステップB1〜B7の処理を繰り返す。
【0191】(2)「曲を通して、徐々に、じわじわテ
ンポが速くなる」:ライブ演奏などでは、興奮度が高ま
ることによってどんどんテンポが速くなっていくという
ことは、よく起る現象である。このテンポ変化ルールで
は、1曲の演奏が進行して行くと興奮度が高まることに
着目し、この現象を逆に曲制作に利用する。つまり、曲
の進行につれてだんだんとテンポを速くすることによっ
て、興奮度の高い所謂「走る」感覚の表情を出すように
する。この場合、例えば1小節毎に、予め定められた倍
率をもって、テンポを速くしていくようにするのが良
い。
【0192】図7は、この発明の一実施例の表情付けモ
ジュールEMによる、曲進行に従いテンポを速める処理
のフローチャートである。この処理フローでは、最初の
ステップC1でテンポについて強弱の値αを設定し、次
のステップC2で、元のMIDIデータODを指定区間
(例えば、1小節毎の区間)に分割し、ステップC3に
進み曲の進行を評価する。ステップC3においては、例
えば、図8に示すようなテーブルを用いて、各指定区間
のテンポ係数(倍率)Kを求める。このテーブルは、1
曲の開始から終了までの間を例えば、小節毎の指定区間
に区切り、曲の進行に従い徐々に増大するテンポ係数K
の値を小節毎に予め定めたものである。従って、このよ
うなテーブルを利用することにより、曲の進行に応じ
て、対応する小節のテンポ係数Kの値を順次取り出すこ
とができる。
【0193】次のステップC4では、求められたテンポ
係数K、強弱の値α及び現在テンポ値に応じたテンポチ
ェンジを各指定区間のMIDIデータに付与し、次のス
テップC5でこのMIDIデータを再生する。この後、
ステップC6にて再生MIDIデータが良好であるとさ
れれば、この進行状態応答処理を終了し、不具合があれ
ば、ステップC1に戻りステップC1〜C6の処理を繰
り返す。
【0194】なお、ステップC3で利用するテーブルの
要件としては、テンポをむやみに速くすることはかえっ
て自然な表情を損なうことになるので、図8に示すよう
に、テンポがある程度の速さに近づくと、テンポ係数K
を或る値(例えば、K=1.2)以上には高くすること
ができなくなるように、飽和して行き上に凸な曲線にな
っている特性であることが好ましい。もちろん、テンポ
変化は小節単に行う必要はなく、拍単位でもよいし、テ
ンポを決めるための単位時間(Tick)でも良い。
【0195】また、上述の処理フローにおいて、1曲中
の各指定区間毎に決められたテンポ係数Kを用いる際、
ステップC1で設定する強弱値αとして「興奮度」と名
付けた可調整パラメータを用いて、小節毎に速くなるテ
ンポ係数Kを調整可能にすると、テンポ決定手順の操作
性を向上することができるようになる。この興奮度パラ
メータは、計算上は、図8のようなテーブルの縦軸(テ
ンポ係数K)を何倍にするかを表わす数値とするが、設
定上は、ディスプレイ14の興奮度設定画面等に、興奮
度が「強い」、「中程度」、「弱い」、「変化なし」と
いうような言葉を選択可能に表示しておき、実際の処理
において、選択された言葉に対応する数値を用いてテン
ポチェンジを行うようにする。これにより、ユーザに
は、言葉で設定を行うというインターフェースを提供す
るので、ユーザーフレンドリーになる。
【0196】(3)「音符が細かいときはテンポを遅く
する」:このテンポ変化ルールは、(1)のテンポ変化
ルールと矛盾するようであるが、音符が細かいときは人
は弾けないので、このような表情を与えたい場合には有
効である。このためには、単純には、(1)のテンポ変
化ルールで用いる図4の「音符密度−テンポ係数」テー
ブルとは逆に、テンポ係数Kが音符密度の増大に応じて
減少するテーブルを用い、図5や図6の処理フローと同
様の手法で、処理することができる。例えば、図2の2
小節めのように、音数が多いときは、音符数/拍=2を
このテーブルに通すと、例えば、「0.98」(2%遅
くする)というような結果になるようにすればよい。
【0197】難しくて弾けないことをシミュレートし
て、実在感を増すようにしたいという場合等には、図9
に示すように、低いテンポの間は、連続する2音間の
「音符時間間隔」に対して、テンポTを比例させるが、
ある一定テンポTs以上からは、テンポTを遅めに変化
させるようなテーブルを用いるのが良い。このテンポ閾
値Tsを可調整パラメータとすることによって、下手さ
のシミュレートを調整することができる。
【0198】(4)「ロングトーンのトリル/ビブラー
トは、最初はゆっくりとする」:異なる音高を微少周期
で交互に繰り返し演奏するトリルや、音を微妙に震わせ
るビブラートは、例えば、1秒以上(テンポ値が“12
0”での2分音符など)のロングトーンに対しては、最
初はゆっくりさせるのが好ましい。そこで、このテンポ
変化ルールは、ロングトーンのトリル/ビブラートにつ
いて最初はゆっくりとしたテンポを設定するものであ
る。トリルやビブラートは、一般には、ノートイベント
(note event)やピッチベンドイベント(p
itch bend event)で表現されるが、時
間的に均等間隔で生成されるノートイベントやピッチベ
ンドイベントに対して、テンポイベント(tempo
event)を変化させることによって、トリルやビブ
ラートの速さを調整することができる。この場合、曲自
体のテンポはそのままで、トリルやビブラートのテンポ
を変化させる。
【0199】図10は、この発明の一実施例の表情付け
モジュールEMによるロングトーンのトリル/ビブラー
トに対する処理の例を示すフローチャートである。この
処理フローでは、最初のステップD1でテンポについて
強弱の値αを設定した後、ステップD2において、元の
MIDIデータOD中からトリル且つロングトーンの部
分或いはビブラート且つロングトーンの部分を検出す
る。ステップD2でロングトーンに対してトリル又はビ
ブラートがかかっている部分を検出すると、ステップD
3に進んで、例えば、予め用意された図11のようなテ
ンポ変化曲線を用いてトリル又はビブラートの時間経過
に応じたテンポ係数Kを求める。
【0200】次のステップD4では、求められたテンポ
係数K、強弱の値α及び現在テンポ値に応じてトリル音
符列(トリル音符列をピッチベンド列で表現することも
できる)又はビブラートのピッチベンド列を生成し、続
くステップD5において、生成したトリル音符列又はビ
ブラートピッチベンド列を元のMIDIデータODに付
与し、次のステップD6でこのMIDIデータを再生す
る。この後、ステップD7にて再生MIDIデータが良
好であるとされれば、この長音トリル/ビブラート処理
を終了し、不具合があれば、ステップD1に戻りステッ
プD1〜D7の処理を繰り返す。
【0201】ステップD3で用意されるテンポ変化曲線
は、図11に示されるようなものである。この曲線で
は、時間toにテンポ変化処理が開始され、テンポ係数
Kは、当初値(Ko=1)から減少し時間taでテンポ
変化が最も落ち込んで値Kdとなり、その後は徐々に増
大して時間tbでテンポ変化の目標に到達し目標値Kt
となる。ここで、当初値Koから目標値Ktへの変化量
ΔKtは、テンポ変化の全体時間to〜tbにおけるテ
ンポ変化の幅ΔKの10〜20%とするのがよく、増大
時間ta〜tbは減少時間to〜taの倍以上あること
が好ましい。
【0202】図11のようなテンポ変化曲線に対して
は、単にテンポ係数Kの倍率(強弱値α)だけでなく、
時間(横軸)や他の変化量(縦軸)を変更することがで
きる可調整パラメータを用意し、適切なテンポ変化を選
択することができるようにするのが良い。この場合、例
えば、全体時間to〜tb、減少時間to〜ta、テン
ポ変化幅ΔK、目標変化量ΔKt等のパラメータを、
「強い」、「弱い」、「速い」、「遅い」等の言葉で設
定可能とすると好都合である。
【0203】(5)「フレーズの経過部ではゆっくりめ
にする」:このテンポ変化ルールでは、元のMIDIデ
ータODについて、フレーズの区間を解釈し、或いは、
ユーザがフレーズの区切りを指定し、そのフレーズ区間
の終わりの部分では、当該フレーズが終了し間もなく次
フレーズが開始することを表わすために、テンポを遅く
するという表情付けを設定によって自動的に行う。図1
2は、この場合のテンポの変化例を示し、各フレーズ
1,2,…は、例えば、8小節程度の区間から成る。具
体的には、例えば、遅くする部分は、最後の2拍程度と
し、遅くするテンポ変化量は95%程度とすることがで
きる。しかしながら、このようなテンポチェンジの効果
は、元のテンポにも依るし拍子設定にも依存するので、
相当の自由度が必要である。例えば、拍子設定について
は、4/4拍子であれば2拍とするが、3/4拍子なら
1拍とするのである。
【0204】図13は、この発明の一実施例の表情付け
モジュールEMによる、フレーズ経過部でテンポをゆっ
くりめにする処理の例を示すフローチャートである。こ
の処理フローでは、最初のステップE1でテンポについ
て強弱の値αを設定した後、ステップE2において、元
のMIDIデータOD中からフレーズの切れ目位置の部
分を検出し、さらに、ステップE3に進む。ステップE
3では、切れ目部分に対応するフレーズの終端部に、強
弱値αと現在のテンポ値に応じて図12のように徐々に
遅くなるテンポチェンジを付与し、次のステップE4
で、切れ目部分に対応する次フレーズの始端には、元の
テンポに戻るテンポチェンジを付与する。その後、次の
ステップE5でこのMIDIデータを再生した後、ステ
ップE6にて再生MIDIデータが良好であるとされれ
ば、このフレーズ終端部処理を終了し、不具合があれ
ば、ステップE1に戻りステップE1〜E6の処理を繰
り返す。
【0205】(6)「音域によってテンポを変える」:
例えば、高い音を出す楽器ほど、速い運指に対応できる
し、音の立ち上がりも速いので、高音ほどテンポを速く
し、低音ほどテンポを遅くするということには妥当性が
ある。従って、このテンポ変化手法では、音域によって
テンポを変え、高音ほどテンポを速くするルールを表情
付けに採用する。このために、音高情報によってテンポ
係数Kを決定し、このテンポ係数Kで「音高−テンポ係
数」テーブルをひくことによって、テンポの変化量を決
定する。このテーブルについて、音高とテンポ変化の相
関関係を可調整パラメータとすればよい。1つ1つの音
でこのような処理を行っても良いが、ある指定した区間
毎にその音高の平均から処理を決めるということも有効
である。ここで、指定区間は、フレーズを単位としても
良いし、小節や拍を単位としても良い。
【0206】図14は、この発明の一実施例の表情付け
モジュールEMによる、音域によってテンポを変え高音
ほどテンポを速くする処理の一例を示すフローチャート
である。この処理フローでは、最初のステップF1でテ
ンポについて強弱の値αを設定した後、ステップF2に
おいて、元のMIDIデータODを指定区間(例えば、
1小節毎の区間)に分割し、さらに、ステップF3で
は、各指定区間の音符の平均音高を算出した上、ステッ
プF4に進む。
【0207】次のステップF4では、図15に示される
ような「音高−テンポ係数」テーブルを用いて、算出さ
れた平均音高からテンポ係数Kを求める。この場合、当
該区間の音符数が「0」のときはテンポ係数Kの値は
「1」とする。更に次のステップF5にて、求められた
テンポ係数K、強弱の値α及び現在テンポ値に応じたテ
ンポチェンジを各指定区間のMIDIデータに付与し、
次のステップF6でこのMIDIデータを再生する。こ
の後、ステップF7にて再生MIDIデータが良好であ
るとされれば、この音域対応処理を終了し、不具合があ
れば、ステップF1に戻りステップF1〜F7の処理を
繰り返す。
【0208】上述の処理フローにおいては、ステップF
4で図15のような「音高−テンポ係数」テーブルを用
い、ステップF1で強弱値αなる可調整パラメータを設
定してテンポ係数Kを調整可能にし、指定区間毎にその
音高の平均から処理を決めている。この場合、設定上の
パラメータとして「強い」、「中程度」、「弱い」等の
所定の文言を用いることによりテンポ決定手順の操作性
を向上することができる。また、ステップF1〜F4で
の処理を行うのに、指定区間毎にパラメータ値αを個別
的に指示することがもできるようにしておくと、効率的
な編集を行うことができる。
【0209】例えば、起動当初は、パラメータを「中程
度」に設定してα=1に設定しておき、全曲を通して、
このルールを適応させて、ステップF5で新しい曲デー
タを生成する。そして、ステップF6でこの曲データを
再生してみて、ステップF7でこのルールによる表情に
不具合があると、ステップF1に戻ったときに、表情が
極端な部分についてはパラメータαを「弱い」に設定し
直し、逆に、足らない部分については「強い」に設定し
直すという具合に編集を行うことができる。このように
区間を個別的に指示する場合は、1音毎に「音高−テン
ポ係数」テーブル(例えば、図15)を参照してテンポ
を変化させることが好ましい。
【0210】また、1音毎にテンポを変化させたので
は、不自然な変換になってしまう、という場合には、音
高変化フィルタを用い音高の変化を滑らかにしてから
「音高−テンポ係数」テーブルを参照し、テンポを変化
させるのが良い手法である。図16は、この発明の一実
施例の表情付けモジュールEMによる、音域によってテ
ンポを変え高音ほどテンポを速くする処理の他の例を示
すフローチャートである。この処理フローでは、最初の
ステップG1でテンポについて強弱の値αを設定した
後、ステップF2にて音高変化をフィルタリングし音高
変化カーブを求める。
【0211】次のステップG3では、この音高変化カー
ブ上の各点の音高値を基にして「音高−テンポ係数」テ
ーブルを参照し、テンポ係数Kを求める。更に次のステ
ップG4にて、求められたテンポ係数K、強弱の値α及
び現在テンポ値に応じたテンポチェンジをMIDIデー
タに付与し、次のステップG5でこのMIDIデータを
再生する。この後、ステップG6にて再生MIDIデー
タが良好であるとされれば、この音域対応処理を終了
し、不具合があれば、ステップG1に戻りステップG1
〜G6の処理を繰り返す。
【0212】(7)「音高が上昇から下降に変わるとき
に間をおく」:(6)のテンポ変化ルールによって、上
昇音系はだんだん速く、下降音系はだんだん遅く、とい
うテンポ表現が実現することができるが、さらに、上昇
音系から、下降音系に転じるときに、一旦テンポ的に間
を開けると、自然なつながりが得られる場合がある。そ
こで、このテンポ変化手法では、音高が上昇から下降に
変わるときに間をおくというルールを採用する。例え
ば、この間の開け方の度合いをパラメータとして全曲を
通してこのルールを適用し、新しい曲データを生成す
る。そして、再生してみて、このルールによる表情が極
端な部分に関しては「弱い」に設定し直し、逆に足らな
い部分については「強い」に設定し直すという具合に編
集を行う。
【0213】図17は、この発明の一実施例の表情付け
モジュールEMによる、音高の上下降変化部で間をおく
処理の例を示すフローチャートである。この処理フロー
では、最初のステップH1でテンポについて強弱の値α
を設定した後、ステップH2にて音高変化をフィルタリ
ングし音高変化カーブを求める。ここで、フィルタリン
グは、例えば、図18の下段に示されるように、総体的
に音高上昇傾向にある音群中に、音n1から音n2に向
かう微小な音高降下があった場合、この降下現象をノイ
ズとして除去する機能を有する。次のステップH3で
は、求められた音高変化カーブの極性符号〔上昇時は正
(+)の値であり、下降時は負(−)の値である。〕の
変化を検知することにより、音高が上昇から下降に変化
する時間位置を検出する。
【0214】次のステップH5では、例えば、図18の
上段に示されるように、MIDIデータの上昇部分の終
端近傍の音に強弱値αとテンポの値に応じた徐々に遅く
なるテンポチェンジを付与してステップH6に進む。ス
テップH6でこのMIDIデータを再生する。この後、
ステップH7にて再生MIDIデータが良好であるとさ
れれば、この音高上下降変化部処理を終了し、不具合が
あれば、ステップH1に戻りステップH1〜H7の処理
を繰り返す。
【0215】(8)「同じパターンが連続したとき、2
回目は遅く/速く」:一般に、同じパターンを同じ表情
で演奏することは、音楽的でないとして嫌われる。この
ような演奏を避けるには種々の方法があるが、1回目と
2回目でテンポを変える方法もある。このテンポ変化手
法では、同一/類似パターンが連続したとき、2回目は
遅く或いは速く演奏するルールを採用する。この手法を
実行するには、当初は、例えば「2回目は速く」(2回
目の強弱値α=α1>1)と設定して全曲を通してこの
ルールを適応させて、新しい曲データを生成する。そし
て、この曲データを再生してみて、このルールによる表
情が相応しなくない場合には、「表情をつけない」つま
り「1回目と同じ」(α=1)や「2回目は遅く」(α
<1)、或いは、「2回目は前回より小さめに速く」
(1<α<α1)や「2回目は前回より大きめに速く」
(α>α1)に設定し直すというような手法で編集を行
う。
【0216】なお、2回目は複音で演奏するような場合
には、複音の方が重量感が出るため、テンポが遅くなる
傾向がある。それと同様に、独奏楽器と伴奏楽器で同じ
フレーズを演奏するときには、独奏楽器の方が速くなる
傾向がある。また、類似のフレーズが連続したときも同
様の傾向がある。従って、これらの傾向も、このテンポ
チェンジ手順におけるルールとして採用することができ
る。
【0217】図19は、この発明の一実施例の表情付け
モジュールEMによる、同一又は類似パターンが連続す
る場合の処理例を示すフローチャートである。この処理
フローでは、最初のステップJ1でテンポについて強弱
の値αを設定した後、ステップJ2にて同一又は類似パ
ターンの繰返しを検出し、次のステップJ3にて、MI
DIデータにおける検出パターン毎に強弱値αと現在の
テンポ値に応じた異なるテンポチェンジを付与してステ
ップJ4に進み、このMIDIデータを再生する。そし
て、ステップJ5にて再生MIDIデータが良好である
とされれば、この同一/類似パターン連続時の処理を終
了し、不具合があれば、ステップJ1に戻りステップJ
1〜J5の処理を繰り返す。
【0218】(9)「似たフレーズは同一乃至類似のテ
ンポ表現を設定する」:或るフレーズに微妙なテンポ変
化を与えるテンポ表情を設定した後、同じフレーズ又は
類似のフレーズが別の場所で再現されている場合には、
このテンポ変化ルールにより、最初のテンポ表情(微妙
なテンポ変化)をそのままコピーしたり、或いは、似て
はいるが微妙に異なるテンポ表現を設定することによ
り、良い表情を付与することができる。全く同一のフレ
ーズでなく、似ているという場合であれば、最初のテン
ポ表情と似た(少し異なる)テンポを設定するのが良
い。また、1回目と2回目とは、(8)の例に則してフ
レーズ全体のテンポを変える。
【0219】図20は、この発明の一実施例の表情付け
モジュールEMによる、類似フレーズに類似のテンポ表
現を設定する処理の例を示すフローチャートである。こ
の処理フローでは、最初のステップK1でテンポについ
て強弱の値αを設定した後、ステップK2にて類似のフ
レーズを検出し、次のステップK3にて、検出された類
似フレーズ間の相違点を検出する。つまり、両ステップ
K2,K3では、元のMIDIデータODを順次フレー
ズ解釈し、解釈されたフレーズを順次記憶しておき、新
たに解釈されたフレーズと既に記憶されたフレーズとを
対比することにより、類似の判断をする。そして、似た
フレーズがあると判断したら、何処が違うのか相違点を
求めておくのである。
【0220】次のステップK4では、MIDIデータの
検出された各フレーズに、検出された相違点と現在設定
されている強弱値αと現在のテンポ値に応じた異なるテ
ンポチェンジを付与してステップK5に進み、このMI
DIデータを再生する。そして、ステップK6にて再生
MIDIデータが良好であるとされれば、この類似フレ
ーズへの類似テンポ表現設定処理を終了し、不具合があ
れば、ステップK1に戻りステップK1〜K6の処理を
繰り返す。
【0221】(10)「登録した音形に対してテンポを
設定する」:このテンポ表現手法では、予め登録してお
いた音形(例えばリズムパターン)が現われると、この
部分に所定のテンポ設定を行う。この手法では、(9)
の手法とよく似てはいるが、同じフレーズを特定するた
めには、フレーズのテンプレートとして音形等を予め登
録しておき、MIDIデータの音形をこれと比較するこ
とも良い方法なので、この方法を採用する。図21はフ
レーズテンプレートの例を示す。なお、図21(1),
(2)に例示されるように、バイオリン演奏における弓
の返しや、管楽器演奏におけるブレス(息つぎ)に相当
する位置で区切り(↑)が存在するが、図21(3)に
示すように、区切り位置候補(↑)が複数ある場合に
は、各候補に重みを付けた上これらをランダム選択する
ようにしてもよい。
【0222】図22は、この発明の一実施例の表情付け
モジュールEMによる、登録した音形に所定テンポを設
定する処理の例を示すフローチャートである。この処理
フローでは、最初のステップL1でテンポについて強弱
の値αを設定した後、ステップL2にて、登録されてい
る音形と一致するフレーズを検出し、次のステップL3
にて、MIDIデータの検出されたフレーズに登録音形
と強弱値αと現在のテンポ値に応じた所定のテンポチェ
ンジを付与してステップL4に進み、このMIDIデー
タを再生する。そして、ステップL5にて再生MIDI
データが良好であるとされれば、この登録音形適用処理
を終了し、不具合があれば、ステップL1に戻りステッ
プL1〜L5の処理を繰り返す。
【0223】また、フレーズテンプレートとして音形の
みを基準にするのでなく、登録したエクスプレッション
イベント(expression event)など、
他の種類のイベントを参照して、テンポを評価すること
も良い方法である。例えば、バイオリンでは、弓の返し
に応じたエクスプレッションイベントを生成すると、実
感的な表情をつくることができるが、弓の返し際では、
テンポが遅くなり過ぎて間があくというように、テンポ
の乱れが生じ易い。このような状況を自動的に付加する
ために、弓返しを再現するエクスプレッションイベント
(例えば、弓が一瞬止まるので音量が低下する)にテン
ポの変化を連動させると、より実感的な演奏を再現する
ことができる。同様に、管楽器では、ブレス(息つぎ)
感を表現するためにエクスプレッションイベント(息つ
ぎのため音量が低下する)を用いる場合があろうが、そ
れも同様で、ブレス前後では、どうしても間があいてし
まうため、それを表現するテンポ変化を行えば良い。
【0224】この発明の一実施例によれば、図21及び
図22で説明した登録音形(テンプレート)を用いた処
理は、音程パラメータについても同様に適用し、演奏デ
ータ(MIDIデータ等)と、登録されたフレーズテン
プレートとの比較に基づいて、所定の音程変化を設定す
ることができる。この場合も、同じフレーズを特定する
ためには、テンポと同様に、テンプレートとして音形を
登録しておくのがよく、また、音形を基準にするのでは
なく、登録しておいたエクスプレッションイベントなど
の他のイベントを参照して音程を評価するのも良い方法
である。
【0225】例えば、バイオリンなどでは、弓の返しに
応じたエクスプレッションイベントを生成すると、実感
的な表情を作ることができるが、弓の返し際では弓の圧
力の不均一が発生し音程に変化が生じ易い。このような
状況を自動的に付加するために、弓返しを再現するエク
スプレッションイベントにテンポの変化を運動させる
と、より実感的な演奏を再現することができる。
【0226】管楽器では、ブレス感を表現するためにエ
クスプレッションイベントで表現する場合があろうが、
それも同様で、吹奏圧の変化によって音程が変化する。
【0227】なお、フレーズやイベント列によって、ポ
ルタメントタイムを登録しておき、自動的に設定すると
いうことも効果的である。また、フレーズやイベント列
でなく、音色の選択によって、音程変化やポルタメント
タイムを自動的に設定することも効果的である。
【0228】この発明の一実施例によると、楽器によっ
て音程の表現の方法を変更するもう一つの例として、楽
器の種類によってスラーの処理方法を変更するというこ
とがある。次に例示するように、同じスラーの記号が指
定されたとしても、楽器の種類によってその再現方法を
変更することが望ましい。
【0229】ピアノのような鍵盤楽器においては、図2
3(上側)に示すように、連続する2音w1,w2に対
してスラーをかける場合、連続音に時間的な重なりがあ
ってもよく、とにかく音を長くすることが好ましいの
で、例えば、図23(下側)に示すようなスラー処理を
行う。
【0230】一方、クラリネットやトランペットのよう
な管楽器では、スラーの場合、連続する音に時間的な重
なりがあると不自然だし、連続する後ろ側の音はアタッ
ク音も小さい方がよい。これを実現するためには、MI
DIデータ等の演奏データにおいて、図24(上側)の
連続する2音w1,w2に対し、図24(下側)に示す
ように、1つの長い音符として生成し、その途中で、ピ
ッチベンドイベント(pitch bend even
t)などのデータによって音程を変化させる処理方法を
用いるのが良い。
【0231】(11)「テンポを音量で変化させる」:
音高で変化させるのと同様に、音量でテンポを変化させ
ることも有効な表情付けの方法であるので、このテンポ
変化ルールではテンポを音量で変化させる。音量が小さ
いほどテンポが遅くなるということは、演奏する側には
起りがちであるので、このルールに採用する。もちろ
ん、逆に設定できるようにすることもできる。それ以外
の手順進行上の処理についは、(6)のテンポ変化ルー
ルと同様にして実行することができる。
【0232】図25は、この発明の一実施例の表情付け
モジュールEMによる、音量に応じてテンポを変化する
処理の一例を示すフローチャートである。この処理フロ
ーでは、最初のステップM1でテンポについて強弱の値
αを設定した後、ステップM2にて、元のMIDIデー
タODを指定区間(例えば、1小節毎の区間)に分割
し、さらにステップM3で各指定区間の音符の平均音量
を算出した上、ステップM4に進む。ステップM4で
は、例えば、音量が小さいほどテンポが遅くなるように
予め設定されている「音量−テンポ係数」テーブルを用
いて、算出された平均音量からテンポ係数を求める。こ
の場合、当該区間の音符数が「0」のときはテンポ係数
値は「1」とする。次のステップM5にて、求められた
テンポ係数、強弱の値α及び現在テンポ値に応じたテン
ポチェンジを各指定区間のMIDIデータに付与し、次
のステップM6でこのMIDIデータを再生する。この
後、ステップM7にて再生MIDIデータが良好である
とされれば、この音量応答処理を終了し、不具合があれ
ば、ステップM1に戻りステップM1〜M7の処理を繰
り返す。
【0233】図26は、音量に応じてテンポを変化する
処理の他の例を示すフローチャートであり、最初のステ
ップN1でテンポについて強弱の値αを設定した後、ス
テップN2にて音量変化をフィルタリングし音量変化カ
ーブを求め、次のステップN3にて、この音量変化カー
ブ上の各点の音量値を基にして「音量−テンポ係数」テ
ーブルを参照し、テンポ係数を求める。更に、ステップ
N4において、テンポ係数、強弱の値α及び現在テンポ
値に応じたテンポチェンジをMIDIデータに付与し、
次のステップN5でこのMIDIデータを再生する。こ
の後、ステップN6にて再生MIDIデータが良好であ
るとされれば、この音量応答処理を終了し、不具合があ
れば、ステップN1に戻りステップN1〜N6の処理を
繰り返す。
【0234】(12)「緊張感という言葉でテンポを変
化させる」:テンポは演奏の緊張感と関係が深い。例え
ば、緊張感が高まると、1つ1つの音を大切に演奏する
という気持ちから、テンポが遅くなる傾向がある。この
ことから、「緊張感」というパラメータによって、テン
ポを変化させることはインターフェースとして有効であ
る。そこで、このテンポ変化ルールでは、曲全体の感じ
或いは「サビ」等の特定部の感じに沿って、「緊張感」
という言葉で表わされるパラメータに従ってテンポを変
化させる。このパラメータは、例えば、図27に示すよ
うに、操作スイッチ装置13上に「緊張感」つまみ13
kを設け、つまみ13kを移動操作することにより、任
意値に設定可能とすることができる。この「緊張感」つ
まみ13kによるテンポ設定は、緊張感が「高い」及び
「低い」位置に夫々対応する上下最大値に対し、テンポ
変化を「+10%」及び「−10%」程度とする。
【0235】図28は、この発明の一実施例の表情付け
モジュールEMによる、緊張感に応じてテンポを変化す
る処理の例を示すフローチャートである。この処理フロ
ーの最初のステップP1で「緊張感」つまみ13kを操
作して緊張感パラメータ値αを設定した後、ステップP
2で、つまみ13kの緊張感パラメータ値αから、対応
するテンポ係数を生成する。次のステップP3では、生
成されたテンポ係数及び現在テンポ値に応じたテンポチ
ェンジをMIDIデータに付与し、次のステップP4で
このMIDIデータを再生する。この後、ステップP5
にて再生MIDIデータが良好であるとされれば、この
緊張感応答処理を終了し、不具合があれば、ステップP
1に戻りステップP1〜P5の処理を繰り返す。
【0236】(13)「3拍子の4分音符の羅列では1
拍めに長い時間をとる」:3拍子の4分音符の羅列に限
らず、何らかのブロックでまとめられる音符群では、最
初の音符を長めにし、使った時間を残りの音符で取り戻
すという表現が有効な場合がある。そこで、このテンポ
変化ルールでは、まとまった音符群に対して所定の時間
的表現を付与する。例えば、「音符群の群感の強さ」と
いうようなパラメータαを用意し、まず、全曲を通して
このルールを適応させて、新しい曲データを生成する。
そして、再生してみて、このルールによる表情が極端な
部分に関しては「弱い」に設定し直し、逆に足りない部
分については、「強い」に設定し直すという具合に編集
を行う。
【0237】図29は、この発明の一実施例の表情付け
モジュールEMによる、3拍子の4分音符の羅列のよう
なまとまった音符群に対してテンポやタイミングを変化
する処理の例を示すフローチャートである。この処理フ
ローでは、最初のステップQ1で音符群の群感の強弱を
表わすパラメータ値αを設定した後、ステップQ2で所
定の音符群を検出し、次のステップQ3にて、検出した
音符群に対応したMIDIデータに、群感パラメータ値
αと現在のテンポ値に応じたテンポチェンジを付与する
か、或いは、群感パラメータ値αに応じて音符のタイミ
ングを変更する。そして、ステップQ4でこのMIDI
データを再生した後、ステップQ5にて再生MIDIデ
ータが良好であるとされれば、この音符群対応処理を終
了し、不具合があれば、ステップQ1に戻りステップQ
1〜Q5の処理を繰り返す。
【0238】ここで、ステップQ2での音符群検出につ
いては、音符を群として取り扱う手法は、拍を単位とし
ても良いし、楽譜を用いている場合なら、音符の旗のつ
ながりを利用することも良い方法である。また、当然、
連符は強い群感を示すことになる。また、ステップQ3
については、前にも述べたことであるが、時間をかける
手法としては、テンポを遅くするばかりでなく、音符の
時刻(タイミング)をずらすということも有効な方法で
ある。このテンポ変化ルールでは、音符の時刻をずらす
方が扱い易いであろう。
【0239】なお、ピアノの左手だけ、若しくは、伴奏
パートだけに適応するのも有効である。例えば、ピアノ
でワルツ系の曲を弾く場合には、「ブン」−「チャッ」
−「チャ」の「ブン」にたくさん時間をかけて、残りは
軽く弾くということをテンポ的に変化させることによっ
て実現できる。
【0240】(14)「5連符以上の連符では、2+3
のように簡単な数字の組合せに変換し、その中で1つめ
の音に時間をかけ強調する」:(13)のルールでは、
連符を音符群として扱うことを述べたが、5連符以上の
音符群では、音列をハッキリとさせた演奏とするために
は、2連符+3連符のようにもっと小さい数の連符に分
解すると良い。このように分解した連符に対しては、
(13)のルールによる音符群対応処理を行えば良い
が、分解された連符のうち、最初のものを強く設定する
ことが好ましい。そこで、このテンポ変化ルールにおい
ては、5連符以上の長い連符では、例えば、2連符+3
連符又は3連符+2連符のように、小連符に分割して簡
単な数字の組合せに変換し、各小連符中で1つ目の音に
時間をかけて強調するだけでなく、長い連符を小連符の
群とみて、最初の小連符はテンポを遅め、残りの小連符
はテンポを速めるようにし、より有効な表現付けを行
う。
【0241】図30は、この発明の一実施例の表情付け
モジュールEMによる、5連符以上の連符のように長い
連符に対してテンポを変化する処理の例を示すフローチ
ャートである。この処理フローの最初のステップR1で
強弱の値αを設定した後、ステップR2で所定の連符群
を検出し、次のステップR3にて、検出した連符を複数
の小連符に分割する。さらに、ステップR4では、分割
された小連符に対応したMIDIデータについて、強弱
値αと現在のテンポ値に応じたテンポチェンジを付与す
るか、或いは、強弱値αに応じて音符のタイミングを変
更する。そして、ステップR5でこのMIDIデータを
再生した後、ステップR6にて再生MIDIデータが良
好であるとされれば、この音符群対応処理を終了し、不
具合があれば、ステップR1に戻りステップR1〜R6
の処理を繰り返す。
【0242】(15)「和音では、その数によってテン
ポを遅くする」:和音を演奏する場合は、同時発音数が
多くなるほど、それらの音を強調するために、時間をた
っぷり使おうとしてテンポを遅くする傾向がある。そこ
で、このテンポ変化ルールでは、和音における同時発音
数(和音の音符密度)に応じてテンポを遅くするという
ような所定の時間的表現を付与する。例えば、「和音の
強調」というようなパラメータαを用意し、全曲を通し
てこのルールを適応させて、新しい曲データを生成す
る。そして、再生してみて、このルールによる表情が極
端な部分に関しては「弱い」に設定し直し、逆に足らな
い部分については「強い」に設定し直すという具合に編
集を行う。
【0243】図31は、この発明の一実施例の表情付け
モジュールEMによる、和音の同時発音数に応じてテン
ポを変化する処理の例を示すフローチャートである。こ
の処理フローの最初のステップS01で強弱の値αを設
定した後、ステップS02において、和音を検出し、そ
の和音の音符密度を評価して同時発音数を検出する。次
のステップS03では、同時発音数と強弱値α及び現在
のテンポ値に応じたテンポチェンジを算出し、算出した
テンポチェンジを、検出した和音に対応したMIDIデ
ータに付与する。そして、ステップS04でこのMID
Iデータを再生し、次のステップS05にて再生MID
Iデータが良好であるとされれば、この和音同時発音数
応答処理を終了し、不具合があれば、ステップS01に
戻りステップS01〜S05の処理を繰り返す。
【0244】(16)「音色に連動してテンポ係数を設
定する」:このテンポ変化ルールによると、音色毎に対
応するテンポ係数値をもつ「音色−テンポ係数」テーブ
ルを予め用意しておき、音色が変わる度に、このテーブ
ルにより自動的にテンポが微妙に変化する表現を得るこ
とができる。アンサンブルの演奏に対して各パート毎に
テンポを変えるとかえって不自然であるので、このルー
ルは、ソロの場合又はアンサンブルのメロディパートに
適用可能である。このルールでは、音色そのものを基に
してテンポを変化させるのではなく、例えば、EGアタ
ックタイム(envelope generator
attacktime)のような音色のパラメータで、
テンポを変化させる(例えば、ピアノのようにアタック
が速い場合はテンポを速くし、バイオリンのようにアタ
ックが遅い場合にはテンポを遅くする等)方が、むし
ろ、軽い処理でテンポの微妙な変化を実現することがで
きる。
【0245】また、単純にテンポを変化させるのではな
く、テンポの拍よりも前ノリに音符をずらすということ
も、音色によっては効果的である。つまり、低音を早く
発音すると和音が安定すると言われており、同じ楽器で
あっても、音高によってずらし方を異ならせてもよい。
例えば、ベースギターやバスドラムなどの低音楽器系で
は、このようなずらし処理が有効になる。そこで、この
ような処理を有効にする音色を予め設定しておくと音色
を選択するだけで、自動的にノリまで調整できる仕組み
を提供することができる。この場合は、ソロやメロディ
パートに限定する必要はない。
【0246】図32は、この発明の一実施例の表情付け
モジュールEMによる、音色や音色パラメータに連動し
てテンポ係数を設定する処理の例を示すフローチャート
である。この処理フローの最初のステップT1で強弱の
値αを設定した後、ステップT2で音色の種類又は所定
の音色パラメータを検出し、次のステップT3では、予
め用意した「音色種類/音色パラメータ−テンポ係数」
テーブルを用いて、検出した音色種類又は所定音色パラ
メータと強弱値α及び現在のテンポ値に応じたテンポチ
ェンジを求め、求めたテンポチェンジをMIDIデータ
に付与する。或いは、強弱値αに応じて音符のタイミン
グを変更する。そして、ステップT4でこのMIDIデ
ータを再生し、次のステップT5にて再生MIDIデー
タが良好であるとされれば、この和音同時発音数応答処
理を終了し、不具合があれば、ステップT1に戻りステ
ップT1〜T5の処理を繰り返す。
【0247】(17)「フィンガリングを考え、指に応
じてテンポ係数を変える」:人間の指は、動き易い指と
動き難い指があり、例えば、薬指や小指は、一般的に動
きにくいとされている。これは演奏の習熟によって改善
される問題ではあるが、動きにくい指ほどテンポが遅く
なる。従って、このテンポ変化ルールでは、フィンガリ
ングの指に応じてテンポ係数を設定することによって、
人間が演奏した不均一さを表現することができる。
【0248】図33は、この発明の一実施例の表情付け
モジュールEMによる、フィンガリングの指に応じてテ
ンポ係数を設定する処理の例を示すフローチャートであ
る。この処理フローの最初のステップU1で強弱の値α
を設定した後、ステップU2で、曲データ中の指データ
からフィンガリングの指を検出し、次のステップU3で
は、予め用意した「指−テンポ係数」テーブルを用い
て、検出したフィンガリング指と強弱値α及び現在のテ
ンポ値に応じたテンポチェンジを算出し、算出したテン
ポチェンジをMIDIデータに付与する。そして、ステ
ップU4でこのMIDIデータを再生し、次のステップ
U5にて再生MIDIデータが良好であるとされれば、
このフィンガリング指応答処理を終了し、不具合があれ
ばステップU1に戻りステップU1〜U5の処理を繰り
返す。
【0249】(18)「フインガリングを考えポジショ
ン移動があればテンポを遅くする」:フィンガリングに
はポジション移動が伴い、ポジション移動があるときと
ないときでは.当然、演奏のし易さが異なる。特に、音
高間隔の広いポジション移動では、さらに演奏の難度が
上がる。そこで、このテンポ変化ルールでは、ポジショ
ンの有無も含めたポジション移動量に応じてテンポ係数
を設定することによって、ポジション移動に伴うテンポ
のゆらぎを再現し、人間が演奏した不均一さを表現する
ことができる。
【0250】図34は、この発明の一実施例の表情付け
モジュールEMによる、フィンガリングのポジション移
動に応じてテンポ係数を設定する処理の例を示すフロー
チャートである。この処理フローの最初のステップV1
で強弱の値αを設定した後、ステップV2,V3でフィ
ンガリング及びポジションの移動を順次検出し、次のス
テップV4において、予め用意した「ポジション移動量
−テンポ係数」テーブルを用いて、検出したポジション
移動と強弱値α及び現在のテンポ値に応じたテンポチェ
ンジを算出し、算出したテンポチェンジをMIDIデー
タに付与する。そして、ステップV5でこのMIDIデ
ータを再生し、次のステップV6にて再生MIDIデー
タが良好であるとされれば、このフィンガリングポジシ
ョン移動応答処理を終了し、不具合があればステップV
1に戻りステップV1〜V6の処理を繰り返す。
【0251】(19)「フィンガリングを考え、低いポ
ジションならテンポを遅くする」:鍵盤楽器では低いほ
ど鍵盤が重く感じるかも知れないし、弦楽器だと低いポ
ジションほど指を広く開かなければならないので、低い
ポジションほど速い演奏には向かない傾向がある。ま
た、太い弦は、強く押さないといけないので、速い演奏
にはむかない。そこで、このテンポ変化ルールでは、フ
ィンガリングのポジションに応じてテンポ係数を設定す
ることによって、人間が演奏した不均一さを表現するこ
とができる。
【0252】図35は、この発明の一実施例の表情付け
モジュールEMによる、フィンガリングのポジションに
応じてテンポ係数を設定する処理の例を示すフローチャ
ートである。この処理フローの最初のステップW1で強
弱の値αを設定した後、ステップW2,W3でフィンガ
リング及びポジションを順次検出し、次のステップW4
において、予め用意した「ポジション−テンポ係数」テ
ーブルを用いて、検出したポジションと強弱値α及び現
在のテンポ値に応じたテンポチェンジを算出し、算出し
たテンポチェンジをMIDIデータに付与する。そし
て、ステップW5でこのMIDIデータを再生し、次の
ステップW6にて再生MIDIデータが良好であるとさ
れれば、このフィンガリングポジション応答処理を終了
し、不具合があればステップW1に戻りステップW1〜
W6の処理を繰り返す。
【0253】(20)「ピッチベンドをかけるときは、
自動的にテンポも触る」:フィンガリング評価の一種で
もあるが、ピッチベンドをかけるということは、ポジシ
ョン移動(スライドやグリッサンド)を伴うことが多い
ので、ピッチベンド等がかかっているところを目印にし
てテンポを遅くするということが有効な場合がある。そ
こで、このテンポ変化ルールにより、ピッチベンドをか
けるときは、ベンドをかけるとテンポが遅くなるような
テンポ変化を自動的に与えるようにする。
【0254】図36は、この発明の一実施例の表情付け
モジュールEMによる、ピッチベンドに応じてテンポ設
定を行う処理の例を示すフローチャートである。この処
理フローの最初のステップX1で強弱の値αを設定した
後、ステップX2でピッチベンドを検出し、次のステッ
プX3では、検出したピッチベンドと強弱値α及び現在
のテンポ値に応じたテンポチェンジを算出し、算出した
テンポチェンジをMIDIデータに付与する。そして、
ステップX4でこのMIDIデータを再生し、次のステ
ップX5にて再生MIDIデータが良好であるとされれ
ば、このピッチベンド対応処理を終了し、不具合があれ
ばステップX1に戻りステップX1〜X5の処理を繰り
返す。
【0255】(21)「ギターのプリングオフ等のとき
にはテンポを速くする」:(20)のピッチベンドとは
逆に、ギターのハンマリングオン(hammering
on)、プリングオフ(pulling off)等
のときには、新たに弦をはじかない分、テンポが速くな
る傾向がある。そこで、このテンポ変化ルールでは、プ
リングオフ等のときにはテンポを速くする。このために
は、例えば、ピッチベンド検出部分で、ハンマリングオ
ン、プリングオフ等を検出すれば良く、この検出には、
例えば、ピッチベンドで急に半音以上ピッチを変えたと
か、楽譜記号でハンマリングオンなどを記入してあると
かを利用する。
【0256】図37は、この発明の一実施例の表情付け
モジュールEMによる、ギターのプリングオフ等のとき
にはテンポを速くする処理の例を示すフローチャートで
ある。この処理フローの最初のステップY1で強弱の値
αを設定した後、ステップY2でハンマリングオン、プ
リングオフ等を検出し、次のステップY3では、検出し
たハンマリングオン、プリングオフ等と強弱値α及び現
在のテンポ値に応じたテンポチェンジを算出し、算出し
たテンポチェンジをMIDIデータに付与する。そし
て、ステップY4でこのMIDIデータを再生し、次の
ステップY5にて再生MIDIデータが良好であるとさ
れれば、このプリングオフ等応答処理を終了し、不具合
があればステップY1に戻りステップY1〜Y5の処理
を繰り返す。
【0257】(22)「ピアノのサスティンベダル操作
に応じてテンポ係数を設定する」:ピアノでは、サステ
ィーンペダルを踏むと響きを豊かになるが、この場合、
速く弾くと音の分離が悪くなるので、微妙にテンポを遅
くする傾向がある。そこで、このテンポ変化ルールで
は、ピアノのサスティンベダル操作に応じて所定のテン
ポ係数を設定する。このためには、ピッチベンド検出部
分で、サスティンベダルオン等を検出すれば良い。
【0258】図38は、この発明の一実施例の表情付け
モジュールEMによる、ピアノのサスティンベダル操作
に応じてテンポ係数を設定する処理の例を示すフローチ
ャートである。この処理フローの最初のステップZ1で
強弱の値αを設定した後、ステップZ2でサスティンベ
ダルオンを検出し、次のステップZ3では、検出したサ
スティンベダルオンと強弱値α及びテンポデータに応じ
たテンポチェンジを算出し、算出したテンポチェンジを
MIDIデータに付与する。そして、ステップZ4でこ
のMIDIデータを再生し、次のステップZ5にて再生
MIDIデータが良好であるとされれば、このサスティ
ンベダル応答処理を終了し、不具合があればステップZ
1に戻りステップZ1〜Z5の処理を繰り返す。
【0259】(23)「ビブラートの深さや速さに応じ
てテンポ係数を設定する」:ビブラートを深くかけると
いうことは、たっぷりとした響きを出したいときである
から、テンポも遅めになる傾向がある。また、ビブラー
トを速くかけるときには、緊張感のある音を出そうとし
ているときなので、1つ1つの音を確かめるように演奏
するためにテンポも遅めになる。逆に、ビブラートを遅
くかけるときには、落ち着いた響きを出そうとしている
ときなので、これもテンポは遅めになる傾向にある。
【0260】そこで、このテンポ変化ルールでは、図3
9に示すような「ビブラート深さ−テンポ係数」テーブ
ル及び図40に示すような「ビブラート速さ−テンポ係
数」テーブルを用いて、ビブラートの深さや速さに応じ
てテンポ係数Kを設定する。つまり、上述したことか
ら、ビブラートとテンポ変化の関係は、ビブラートの深
さについては、図39のように、深いほどテンポが遅く
なるのに対して、ビブラートの速さについては、図40
のように、速くても遅くてもテンポが遅めになるという
中ぶくらみの曲線になっているのが好ましいのである。
なお、図39及び図40の各テーブルにおいて、ビブラ
ートの深さ及び速さの値が「0」の場合は、例外的にテ
ンポ係数Kを「1」とする。
【0261】実施に当っては、ベンド検出部分で、ビブ
ラートを検出し、さらに,各テーブルにおけるビブラー
トの深さや速さのパラメータの設定を検索すれば良い。
もし、ビブラートのパラメータがないときには、出力波
形からビブラートの深さや速さの情報を得ても良い。
【0262】図41は、この発明の一実施例の表情付け
モジュールEMによる、ビブラートの深さや速さに応じ
てテンポ係数を設定する処理の例を示すフローチャート
である。この処理フローの最初のステップAa1で強弱
の値αを設定した後、ステップAa2,Aa3でビブラ
ート及びビブラートの深さ及び速さを順次検出する。次
のステップAa4では、図39に示すような「ビブラー
ト深さ−テンポ係数」テーブル及び図40に示すような
「ビブラート速さ−テンポ係数」テーブルを用いて、検
出したビブラートの深さ及び速さに対応するテンポ係数
Kを求め、このテンポ係数Kと強弱値α及び現在のテン
ポ値に応じたテンポチェンジを算出し、算出したテンポ
チェンジをMIDIデータに付与する。そして、ステッ
プAa5でこのMIDIデータを再生し、次のステップ
Aa6にて再生MIDIデータが良好であるとされれ
ば、このビブラート速さ/深さ応答処理を終了し、不具
合があればステップAa1に戻りステップAa1〜Aa
6の処理を繰り返す。
【0263】(24)「ストリングスのトリルは、複数
のパートを使い微妙にタイミングをずらす」:一般に、
ストリングス等のトリルは、図42(1)に示される
「楽譜上の音符」に対して、図42(2)に示す「演奏
上の楽譜」のように、1つの長い音符を複数の短い音符
に分解することで実現する。しかし、実際のストリング
スパートでは複数の奏者が演奏するわけであって、スト
リングスのトリルに対しぴったり同期をとるとおかしい
ので、全演奏者が同じタイミングでトリルの細かい音符
を演奏するとは考え難い。そこで、このタイミング変更
ルールによって、複数のパートを使いこれらのパートに
ついて微妙にタイミングをずらすのである。つまり、こ
のような同期演奏状態を回避し、自然な演奏をMIDI
音源のストリングスで再現するのに、複数のパートを使
うと共にそれぞれのパートでのトリルのタイミングを微
妙にずらせることによって有効な結果を得ることができ
る。
【0264】なお、複数のパートは微妙に異なる音色
(例えば、バイオリンとビオラ等)であることが好まし
い。また、トリルのタイミングを微妙にずらす方法とし
ては乱数を用いて、トリルの細かい音符のオン時刻やデ
ュレーション(duration)を変更するのが効果
的である。
【0265】図43は、この発明の一実施例の表情付け
モジュールEMによる、ストリングスのトリルに応じて
複数パートに分け且つ各パートのタイミングをずらす処
理の例を示すフローチャートである。この処理フローの
最初のステップBb1で強弱の値αを設定した後、ステ
ップBb2でトリル部分を検出し、次のステップBb3
でトリル部分を複数パートにコピーする。この場合、パ
ート毎に微妙に音色を変更するのが好ましい。その後、
ステップBb4では、トリル部分のMIDIデータのタ
イミングを、強弱値αに応じてパート毎に異なるように
変更する。そして、ステップBb5でこのMIDIデー
タを再生し、次のステップBb6にて再生MIDIデー
タが良好であるとされれば、このストリングストリルの
タイミング処理を終了し、不具合があればステップBb
1に戻りステップBb1〜Bb6の処理を繰り返す。
【0266】この発明の一実施例によれば、図42及び
図43で説明したトリルの複数パート処理の手法は、音
程パラメータの変化付与に適用することができる。つま
り、ストリングスのトリルはぴったりと同期をとるとお
かしいので、複数のパートに分割し、微妙に音程をずら
す表情付けを行う。これをMIDI音源のストリングス
で再現するには、ステップBb1で音程のずらし幅につ
いて強弱の値αを設定し、ステップBb2,Bb3で図
43と同様の処理をして複数パートに分解(分割)した
後、ステップBb4において、分解したそれぞれのパー
トにおけるトリルの音程を微妙にずらせることによって
有効な結果を得ることができる。この場合、ずらせるパ
ラメータには、音程だけでなく、タイミングを含ませる
のが好ましい。
【0267】(25)「学習機能によりテンポを設定す
る」:このテンポ付与手法は、テンポ設定に学習機能を
持たせ、音高の変化とテンポの変化の関係などを自動的
に予想するシステムを構成し、ユーザによるテンポ変化
ルールの自動構築を可能にするものである。一例として
は、ある曲の途中までテンポ変化を手入力した後は、残
りのテンポ変化は、学習機能により自動入力する。この
場合、残りの曲データが入力されるとフレーズ解釈を行
い、既に処理したフレーズと比較し、同じフレーズに
は、処理済みフレーズのテンポ変化と同じテンポ変化を
与え、新規フレーズについてはテンポ変化をランダムに
するなどというにように処理する。また、他の例として
は、ある曲のテンポ変化を分析しておき、他の曲を解釈
し、分析済の曲との対比結果に応じて、対応する分析済
テンポ変化を付与する。
【0268】図44は、この発明の一実施例による表情
付けモジュールEMの学習機能に基づく処理の例を示す
フローチャートである。この処理では、学習ルーチンC
cSにおいて、テンポ変化を既に付与したMIDIデー
タからフレーズとテンポ変化の関係を学習し、学習結果
をRAM3内の所定エリアに格納しておく。
【0269】次に、テンポ変化を付与するに当っては、
ステップCc1で強弱の値αを設定した後、ステップC
c2で、未だテンポ変化を付与していないフレーズのM
IDIデータに対して、学習結果を基にして強弱値αと
現在のテンポ値に応じたテンポチェンジを付与する。そ
して、ステップCc3でこのMIDIデータを再生し、
次のステップCc4にて再生MIDIデータが良好であ
るとされれば、この学習によるテンポ付与処理を終了
し、不具合があればステップCc1に戻りステップCc
1〜Cc4の処理を繰り返す。
【0270】(26)「ライブラリを用いてテンポ変化
を設定する」:演奏データの種々の特徴情報に対応して
一旦生成したテンポ変化をある時間区間で切り取ってラ
イブラリ化しておくと、他の部分にも同様に適応できる
場合がある。このテンポ付与手法は、特徴情報に対する
テンポ変化をライブラリ化することによって、使い易い
テンポチェンジ手法を提供するものである。ライブラリ
化に際しては、ライブラリに名前を付けて保存すると、
尚一層使い易くなる。また、相対テンポ値で記憶した
り、時間変化方向又はテンポ値変化方向に伸縮可能とす
るのがよい。
【0271】図45は、この発明の一実施例による表情
付けモジュールEMの、ライブラリを用いてテンポ変化
を設定する処理の例を示すローチャートである。この処
理では、ライブラリ化ルーチンDdLにおいて、テンポ
変化を既に付与したMIDIデータからテンポチェンジ
を抽出し、抽出したテンポチェンジを相対値に変換して
ライブラリ化して外部記憶装置9の所定エリアに保存し
ておく。
【0272】次に、テンポ変化を付与するに当っては、
ステップDd1において、MIDIデータの所定の特徴
情報に対応してライブラリからテンポチェンジを選択
し、選択されたテンポチェンジを時間方向及び/又はテ
ンポ値方向に所定倍率αで伸縮する。次のステップDd
2では、選択され伸縮されたテンポチェンジを現在のテ
ンポ値に応じて絶対値に変換し、変換されたテンポチェ
ンジをMIDIデータに付与する。そして、ステップD
d3でこのMIDIデータを再生し、次のステップDd
4にて再生MIDIデータが良好であるとされれば、こ
のライブラリ使用によるテンポ付与処理を終了する。一
方、不具合があれば、ステップDd1に戻って倍率αを
変更するか、或いは、他のテンポチェンジを選択した
上、ステップDd2〜Dd4の処理を繰り返す。
【0273】この発明の一実施例によれば、図45で説
明したライブラリを用いた処理の手法は、音程パラメー
タの変化付与に適用し音程変化をライブラリ化すること
ができる。つまり、図45と同様の処理によって一旦生
成した音程変化を、ある時間区間で切り取りライブラリ
化すると、他の部分についても、同様に適応することが
できる場合がある。この場合も、ライブラリに名前をつ
けて保存すると、なお一層使い易くなることはいうまで
もない。
【0274】(27)「歌詞(詩)に応じてテンポ係数
を設定する」:歌を伴う曲の場合は、同じメロディーで
も、歌詞の内容によってテンポ感が変わる場合がある。
そこで、このテンポ変化手法では、ある単語をテンポ係
数とともに予め登録しておき、その単語が出現するとテ
ンポを変化させるというような手順を用いて、歌詞
(詩)に応じてテンポ係数を設定する。テンポ係数を予
め設定するに当っては、明るい単語についてはテンポが
速いとするのに対し、暗い単語についてはテンポが遅い
とし、重要単語に対しては遅いテンポとして、進遅の程
度に対応する係数値を登録しておけばよい。また、単語
の部分のみをテンポ変化させたり、或いは、単語を含む
区間全体をテンポ変化させたり、テンポ変化の対象部分
を指定可能としてもよい。
【0275】図46は、この発明の一実施例による表情
付けモジュールEMの、歌詞(詩)に応じてテンポ係数
を設定する処理の例を示すローチャートである。この処
理では、最初のステップEe1にて強弱の値αを設定し
た後、ステップEe2で、元のMIDIデータODの歌
詞データ中から所定の単語を検出する。次のステップE
e3では、検出された単語に対応して設定されたテンポ
係数と設定している強弱値α及び現在のテンポ値に応じ
たテンポチェンジを、MIDIデータに付与する。そし
て、ステップEe4でこのMIDIデータを再生し、次
のステップEe5にて再生MIDIデータが良好である
とされれば、この歌詞応答処理を終了し、不具合があれ
ばステップEe1に戻りステップEe1〜Ee5の処理
を繰り返す。
【0276】(28)「音源の出力波形に応じてタイミ
ングを補正する」:同じ音源の音でも、音色の種類によ
って聴感上の発音タイミングが異なる。そこで、このタ
イミング変化ルールでは、実際の出力波形を観測しなが
ら音符のオン時刻を補正する仕組みを用いて、音源の出
力波形に応じてタイミングを補正する。図47は、音源
出力波形と補正タイミングの関係を表わす図である。同
図において、或る音色の音源の出力波形TWが、タイミ
ングtsで発音を開始して立ち上がり、タイミングtm
で最大音量値(1.00)に到達するものとすると、例
えば、音源出力波形TWの音量値が最大値の80%に到
達する時点tcを、本来の発音開始タイミングとなるよ
うに、前にずらすことによって、聴感上の発音タイミン
グに合わせることができる。また、この補正タイミング
tcは、最大音量値の80%に限らず、音源種類等の事
情に応じて妥当な値に選定され、例えば、100%(タ
イミングtm)でもよい。
【0277】具体的手順としては、例えば、曲データ制
作の場合なら、一度再生しながら、タイミングの補正デ
ータを生成していく。以降は、生成した補正データによ
ってタイミング補正したものを再生すれば、音色による
タイミングのずれを補正し、更には、音源によるタイミ
ングのずれまで補正することができることになる。一
方、リアルタイム演奏(再生)の場合なら、最初の一音
は発音が始まってからしか補正できないが、2音目以降
は、補正量を予測しながら、また、予測値を学習によっ
て修正しながら、タイミングの補正を行っていけば良
い。さらに、曲データの再生前に、全音色、全音高の出
力波形を観測しておけば、再生しなくても最初の一音か
ら補正が可能となる。
【0278】図48は、この発明の一実施例による表情
付けモジュールEMの、音源の出力波形に応じてタイミ
ングを補正する処理の例を示すローチャートである。こ
の処理では、最初のステップFf1にて強弱の値αを設
定した後、ステップFf2では、音源の出力波形TWを
観測する。次のステップFf3では、この観測結果に応
じてタイミング補正量(ts−tc)を算出し、さら
に、ステップFf4にて、算出された補正量と強弱の値
αに応じて、MIDIデータのタイミングを補正する。
そして、ステップFf5でこのMIDIデータを再生
し、次のステップFf6にて再生MIDIデータが良好
であるとされれば、この出力波形対応処理を終了し、不
具合があればステップFf1に戻りステップFf1〜F
f6の処理を繰り返す。
【0279】(29)「ピアノ(p)の直前のフォルテ
(f)は短かめにする」:強弱記号のフォルテ(f)が
続いた後ピアノ(p)が現われる場合、ピアノ(p)の
直前のフォルテ(f)の音を短かめにすると、ピアノ
(p)の音が聴き取り易くなる。このテンポ変化ルール
では、このような強弱記号を伴う音のテンポ変化を制御
する。
【0280】図49は、この発明の一実施例による表情
付けモジュールEMの、強弱記号に対する処理の例を示
すローチャートである。この処理では、最初のステップ
Gg1にて強弱の値αを設定した後、ステップGg2で
は、元のMIDIデータOD中からフォルテ(f)が続
いた後のピアノ(p)を検出する。次のステップGg3
では、検出したピアノ(p)の直前にあるフォルテ
(f)音のゲートタイムを強弱値αに応じて短縮する。
そして、ステップGg4で、この短縮処理を施したMI
DIデータを再生し、次のステップGg5にて再生MI
DIデータが良好であるとされれば、この強弱記号対応
処理を終了し、不具合があればステップGg1に戻りス
テップGg1〜Gg5の処理を繰り返す。
【0281】(30)「スタッカートの直前の音は長め
にする」:スタッカート(staccato)の直前の
音は長めにすると、スタッカートらしく切れのよい音に
聴こえる。このテンポ変化ルールでは、このスタッカー
トを伴う音のテンポ変化を制御する。
【0282】図50は、この発明の一実施例による表情
付けモジュールEMの、スタッカートに対する処理の例
を示すローチャートである。この処理では、最初のステ
ップHh1にて強弱の値αを設定した後、ステップHh
2では、元のMIDIデータOD中からスタッカートを
検出する。次のステップHh3では、検出したスタッカ
ートの直前の音のゲートタイムを強弱値αに応じて伸長
する。そして、ステップHh4で、この伸長処理を施し
たMIDIデータを再生し、次のステップHh5にて再
生MIDIデータが良好であるとされれば、このスタッ
カート対応処理を終了し、不具合があればステップHh
1に戻りステップHh1〜Hh5の処理を繰り返す。
【0283】(31)「テンポは全体を見通してから決
める」:これまで説明してきたように、テンポ変化させ
る要因は様々である。1曲を通して様々なテンポ変化を
加えた結果、変化前のテンポと比較して大きく異なるも
のになっていることがあるかも知れない。このテンポ決
定手法では、そのような事態に備えて、1曲を通してテ
ンポ変化させた結果を見て、その結果の平均が元々設定
されていたテンポの値になるように(平均をとる方法
は、必要に応じて任意の方法を採用することができ
る。)、全体的なテンポ補正を行う。この全体的なテン
ポ補正をするには、例えば、全体のテンポを均一に補正
したり、或いは、全般的な均一補正ではなく、テンポ変
更回数の多い区間のテンポを優先的に補正したりする。
なお、元のテンポと平均テンポとの差が所定の範囲内で
あればテンポを補正しないというような許容量を、予め
選定しておいたり、或いは、ユーザにより選定可能とし
てもよい。
【0284】図51は、この発明の一実施例による表情
付けモジュールEMの全体的な見直し処理の例を示すフ
ローチャートである。この処理の最初のステップJj1
では、これまで説明してきたテンポ変化ルール(1)〜
(30)から必要に応じて採用された所定ルールに基づ
いて、個々のテンポ変化を元のMIDIデータODに付
与する。そして、ステップJj2において、個々のテン
ポ変化が付与されたMIDIデータの全体のテンポが元
の平均テンポと一致するか又は近似したものとなるよう
に、或いは、総演奏時間が元の総演奏時間と一致するか
又は近傍のものとなるように、テンポを全体的に修正す
る。
【0285】その後、ステップJj3に進んで、所望の
テンポ又は総演奏時間が得られたかを、自動計算やMI
DIデータの1曲全部の再生試聴等により、検証して、
良好であると判定されればこの全体的見直し処理を終了
する。一方、不具合があれば、ステップJj4に進んで
個々のテンポ変化処理を行うか否かが打診される。そし
て、個々のテンポ変化処理を行う必要がある判断した場
合(YES)には、ステップJi1に戻ってステップJ
j1〜Jj2の処理を再度行い、そうでない場合(N
O)にはステップJj2の処理を再度行う。
【0286】この発明の一実施例によれば、図51で説
明した全体的見直し処理の手法は、音程パラメータの変
化付与に適用し、全体を見通してから音程を再度調整す
ることができる。様々な音程変化を加えて表情付けを行
っていくことにより、最終的に曲全体が或る値の音程で
シフトされる結果となる場合がある(例えば、ピッチベ
ンドデータによる)。このような場合には、全体を見通
してから、マスターチューニングやピッチシフト、ファ
インチューニングという別のパラメータにまとめた方が
扱いやすいことがある。
【0287】〔実施形態2〕次に、具体的な演奏パラメ
ータとして主に音量パラメータを中心にして(具体例中
には,音程パラメータ等の他の演奏パラメータを含むも
のもある)表情付けを行う「実施形態2」について説明
する。図52及び図53は、図2に示されるシステムに
おける表情付けモジュールの機能の概要について、パラ
メータ自動編集の観点から、CPU1の実行する処理フ
ローとして説明するフローチャートである。まず、図5
2及び図53を参照してその概要を説明し、次に、図5
4〜図84を参照して「実施形態2」の具体例(A)〜
(V)につき詳細に説明するものとする。
【0288】本実施の形態のパラメータ自動編集装置
は、主として、次の制御処理を実行する。すなわち、 〔1〕供給された演奏データを解析し、その解析結果に
基づいて変化付与を行うパラメータの選択およびその内
容の決定を行い、当該演奏データにパラメータ変化を付
与するパラメータ変化付与処理 〔2〕上記〔1〕の処理により表情付けされた演奏デー
タを再生する再生処理 〔3〕上記〔1〕の処理により表情付けされた演奏デー
タを確認する確認処理である。
【0289】ここで、演奏データとしては、本実施の形
態では、たとえばSMF(StandardMIDI File)のフォ
ーマットで作成されたものを想定しているが、これと異
なったフォーマットのものを採用してもよい。また、
〔3〕の確認処理における演奏データの確認とは、具体
的には、演奏データを何らかの形態で表示装置(ディス
プレイ)14上に表示させ、その表示された演奏データ
上に上記〔1〕の処理で付与したパラメータ値やその位
置を重ねて表示させることにより、ユーザに〔1〕の処
理結果を確認させることをいう。そして、この確認処理
中で、〔1〕のパラメータ変化付与処理を施したくない
位置をユーザが指定できるようにしてもよい。
【0290】なお、上記〔2〕及び〔3〕の再生及び確
認処理として、「実施形態1」の各実施例で説明したよ
うに、音量や音程等の所定の演奏パラメータの強弱値α
を設定し(例えば、ステップA2)、当該演奏パラメー
タを付与した演奏データ(MIDIデータ等)を再生
し、パラメータ付与後演奏データの良否判断(例えば、
ステップA7)の結果に応じて強弱値αを設定し直すと
いう手法を採用し得ることは、いうまでもない。
【0291】図52は、本実施の形態のパラメータ自動
編集装置、特にCPU1が実行するメインルーチンの手
順を示すフローチャートである。
【0292】同図において、まず、RAM3のクリア
や、最初に処理(上記〔1〕〜〔3〕のいずれかの処
理)すべき演奏データの選択等を行う初期化処理を行う
(ステップS1)。
【0293】次に、ユーザの選択した演奏データを、た
とえば各種記憶媒体(前記ハードディスク、FD、CD
−ROM等)や外部(前記他のMIDI機器17および
サーバコンピュータ20等)から検索して、たとえばR
AM3の所定位置に確保された演奏データ記憶領域に格
納する(ステップS2)。
【0294】次に、この演奏データに対して、上記
〔1〕のパラメータ変化付与処理(その具体的な処理手
順は、図53を用いて後述する)を実行する(ステップ
S3)。なお、図53のパラメータ変化付与処理は、後
述する複数(本実施の形態では、19個)のパラメータ
変化付与処理全てに共通した処理を抽出して構成したも
のである。したがって、ステップS3では、より具体的
には、パラメータ変化付与処理1〜19のうち、ユーザ
が選択した少なくとも1つ以上を実行している。
【0295】さらに、このパラメータ変化付与処理以外
のその他処理を実行する(ステップS4)。その他処理
では、上記〔2〕および〔3〕の処理が行われるが、そ
れに加えて、たとえば演奏データの新規作成処理を行う
ようにしてもよい。
【0296】そして、ユーザが本メインルーチンを終了
させる操作を行ったか否かを判別し(ステップS5)、
その操作を行ったときには、本メインルーチンを終了す
る一方、その操作を行わないときには、前記ステップS
2に戻って、ステップS2〜S5の処理を繰り返し行
う。
【0297】図53は、ステップS3のパラメータ変化
付与処理の手順を示すフローチャートである。
【0298】同図において、まず、前記演奏データ記憶
領域に格納されている演奏データを解析する(ステップ
S11)。演奏データの解析とは、具体的には、演奏デ
ータ中、パラメータの値を変化させた方がよい個所を抽
出することをいう。
【0299】次に、抽出された個所のそれぞれに対し
て、その個所に最適なパラメータ値(変化値)を決定す
る(ステップS12)。
【0300】そして、決定された各パラメータ値を、演
奏データ中の当該位置に付与した(ステップS13)後
に、本パラメータ変化付与処理を終了する。
【0301】なお、図52及び図53により説明した処
理は、音量パラメータのほか、先に説明したテンポやタ
イミング等の時間的制御情報(時間パラメータ)に変化
を付与したり、音程等の他のパラメータに変化を付与す
るのに用いられることは、いうまでもない。
【0302】この発明は、このパラメータ変化付与処理
に特徴があり、以下、その具体的な処理方法を詳細に説
明する。
【0303】(A)音符が上昇している部分での処理 図54は、音量パラメータ変化付与処理1の手順を示す
フローチャートであり、本音量パラメータ変化付与処理
1では、演奏データの音量パラメータをその音高の変化
に応じて変化させるという表情付けを行う。具体的に
は、次のアルゴリズムに従って、音量パラメータを変化
させる。すなわち、 (1)ノートイベント列の音高(ノートナンバ)が上昇
傾向にあるときには、音量を徐々に増大させる (2)ノートイベント列の音高が上昇傾向から下降傾向
に変化したときには、その変化点のノートイベントにア
クセントを付与する ここで、ノートイベントは、通常、ノートオンイベント
およびノートオフイベントの両者を含む意味で用いられ
るが、本実施の形態では、ノートオフイベントを考慮し
ていないので、ノートイベントは、ノートオンイベント
のみの意味で用いることにする。
【0304】図54において、まず、前記演奏データ記
憶領域に格納されている演奏データ(以下、この演奏デ
ータを「選択演奏データ」という)中、音量変化を付与
したい区間をユーザが指定すると、その指定区間を、R
AM3のワークエリアに格納して、解析区間とする(ス
テップS21)。なお、区間は指定せずに、演奏データ
の全区間を解析区間としてもよいことは言うまでもな
い。ここで、演奏データはシーケンスデータであるた
め、各演奏データは時間軸に対して広がりを有してい
る。このため、区間という概念を、そこに持ち込むこと
ができる。
【0305】次に、解析区間からノートイベント列の音
高が上昇傾向および下降傾向にある部分区間を検索して
切り出す(ステップS22)。
【0306】図55は、音高が上昇傾向にあるノートイ
ベント列の一例を示す図であり、(a)は、単純な上昇
音系の一例を示し、(b)は、単純な上昇音系ではない
が、全体としては上昇音系と言える一例を示している。
すなわち、本実施の形態では、図55(a)に示すノー
トイベント列の区間を、音高が上昇傾向にある部分区間
として切り出すだけでなく、図55(b)に示すノート
イベント列の区間も、音高が上昇傾向にある部分区間と
して切り出すようにしている。以下、この部分区間を検
索する方法について説明する。
【0307】まず、選択演奏データからノートイベント
のみを抽出し、そのノートイベントに含まれるノートナ
ンバを時系列に並べることにより、時系列のノートナン
バ列を生成する。このノートナンバ列に対して、ハイパ
スフィルタ(HPF)処理を施すことにより、音程の変
化傾向を算出する。なお、このHPF処理のみでは、そ
の算出値の変化が時間的に細かすぎる場合には、さら
に、その算出値(データ列)に対してロウパスフィルタ
(LPF)処理を施し、その変化を時間的に滑らかにす
る。ノートナンバ列に対して、このようなフィルタ処理
を施すことにより、図55(b)のような全体としては
上昇音系と言える音系を、図55(a)のような単純な
上昇音系と同様に検索できるようになる。
【0308】図56は、このようにして算出された音程
の変化傾向を表わす時系列データの一例を示す図であ
り、縦軸は、その正側が音程上昇傾向を示し、その負側
が音程下降傾向を示し、横軸は時刻を示している。すな
わち、同図において、解析区間t0−t7のうち、区間
t0−t1,t2−t3,t4−t5,t6−t7の各
区間を、音高が上昇傾向にある部分区間として切り出
す。
【0309】また、音高が下降傾向にある部分区間も、
音高が上昇傾向にある部分区間を切り出す過程で、簡単
に切り出すことができる。すなわち、図56中、時系列
データが負の値を採る区間t1−t2,t3−t4,t
5−t6の各区間が、音高が下降傾向にある部分区間に
相当するので、この各区間を音高が下降傾向にある部分
区間として切り出せばよい。
【0310】なお、切り出し区間の長さは、小節長や拍
長の整数倍であってもよいし、任意の長さであってもよ
い。そして、図56に示すように、音高が上昇傾向にあ
る部分区間が1解析区間内に複数個あるときには、その
すべての部分区間を切り出すようにする。
【0311】図54に戻り、切り出された部分区間毎
に、当該区間に属するノートナンバ列の音高の変化速度
を算出し、この算出結果に応じて、当該区間に属するノ
ートイベント列の各ノートイベントに付与すべき音量パ
ラメータの変化付与パターンを決定する(ステップS2
3)。ここで、音高の変化速度とは、音高変化の傾き、
すなわち、単位時間当たりの音高変化量を意味する。そ
して、変化付与パターンとは、予め作成されて、たとえ
ばROM2に記憶されている音量パラメータの変化傾向
を表わすテンプレートのことをいう。このテンプレート
は、具体的には、元の音量パラメータ値を置き換えるデ
ータまたは元の音量パラメータ値を修正するデータのい
ずれかを時系列データとしたものである。そして、本実
施の形態では、音量パラメータの変化傾向とは、音高が
上昇傾向にある部分区間では、音量パラメータの値を徐
々に増大させて行くという変化傾向をいい、この増大率
を各テンプレート毎に変化させ、音高の変化速度が大き
い部分区間に対しては、増大率が大きく設定されている
テンプレートが選択される。
【0312】なお、変化付与パターンとして、上記テン
プレートを用いる代わりに、所定の演算式により算出す
るようにしてもよい。
【0313】次に、切り出された部分区間毎に、当該区
間に属するノートイベント列の各ノートイベントに付与
すべき音量パラメータ値を、前記決定された変化付与パ
ターンに基づいて変更する(ステップS24)。なお、
変更すべき音量パラメータが存在しない場合には、その
音量パラメータを追加すればよい。ここで、音量パラメ
ータとして、具体的に、ノートイベントに含まれるベロ
シティを採るようにすれば、音量パラメータ値の変更と
は、ベロシティ値の変更を意味する。この他、エクスプ
レッションデータを当該区間内の各ノートイベントに付
随させて挿入するようにしてもよい。
【0314】次に、ステップS22で切り出された部分
区間を時系列に並べて、音高が上昇傾向から下降傾向に
変化する時点、すなわち、図56において、フィルタ処
理後の時系列データの符号が正から負に変化する時点
(時刻t1,t3,t5)を検出し、その時点の音符、
すなわち切り出された部分区間の先頭位置または最後尾
の音符(ノートイベント)にアクセントを示す音量デー
タを付与する(ステップS25)。
【0315】そして、本音量パラメータ変化付与処理1
を終了させる操作をユーザが行ったか否かを判別し、行
ったときには、本音量パラメータ変化付与処理1を終了
する一方、行わないときには、前記ステップS21に戻
って、ステップS21〜S26の処理を繰り返し行う。
【0316】この発明の一実施例によれば、図54〜図
56を用いて説明した「音量パラメータ変化付与処理
1」の手法は、音程パラメータに変化を付与するのに適
用可能である。つまり、音高上昇系ではだんだん音程が
低くずれて所謂「上がり切らない」演奏状況が生じる
が、これに対応して、演奏データ(MIDIデータ等)
から音高が上昇している部分を検索し(ステップS2
2)、HPF(場合によってはLPFも)を用いて音高
上昇の速さを評価し(ステップS23)、所定の音程付
与パターン等に基づいて音程変化を算出し(ステップS
24)、これを演奏データに付与する(ステップS2
5)ことにより、音符の音高が上昇している部分では、
keyよりも細かい単位で音程を徐々に低くするという
表情付けを実現することができる。
【0317】このように、演奏データからHPF等を用
いて音高上昇の速さを検出し、検出された値に従った音
程変化を行うと、激しい変化で上昇する場合はより大き
く音程が低くずれ、また、逆に、激しい変化で下降する
場合には、より大きく音程が高くずれるということが実
現できる。しかしながら、場合によっては、下降であろ
うが、上昇であろうが、変化が大きいほど音程が低くず
れるようにしたい場合もある。その場合には、HPFに
より検出される絶対値に応じて音程変化を算出する構成
にすればよい。
【0318】なお、このように音高上昇系において音程
を低くずらす表情付け処理は、鍵盤楽器など、音程がず
れる要素の少ないものでは、この機能を使わない方が自
然である。従って、演奏データを解析時(例えば、ステ
ップS22)に音色も判断して楽器種別を確認しておく
必要がある。
【0319】この表情付け処理のシステムを利用する
と、演奏音域の変化を観測することができるので、演奏
音域に大きな変化があったときには、ポルタメント(フ
レットのない弦楽器の場合)やスライド(フレットのあ
る弦楽器の場合)を加えるという自動表現も可能にな
る。
【0320】(B)曲の進行に伴う盛上り具合を表わす
ための処理 図57は、音量パラメータ変化付与処理2の手順を示す
フローチャートであり、本音量パラメータ変化付与処理
2では、演奏データの音量パラメータの値を徐々に増大
させることにより、興奮度を高めるという表情付けを行
う。
【0321】同図において、まず、選択演奏データの全
時間長を算出する(ステップS31)。
【0322】次に、変化付与パターンを選択する(ステ
ップS32)。変化付与パターンとは、曲全体の音量変
化傾向を表わすパターンデータをいい、たとえば、RO
M2にテーブルデータの形式で予め複数種類のパターン
データを用意しておき、その中から、ユーザの選択に応
じてまたは自動的に、いずれか1つを選択する。図58
は、変化付与パターンの一例を示す図であり、縦軸は音
量係数を示し、横軸は曲の進行方向を示している。同図
に示すように、音量係数、すなわち音量データ(エクス
プレッションデータまたはボリュームデータ)に重み付
けを行うための係数は、曲の進行に従って、増大してい
る。しかし、音量データを無限大に増大させることは、
音源回路7のハードウェア上の制約と曲への自然な表情
付けを損なうため、図58に示すように、音量係数は、
曲の進行に従って所定の有限値に収束するような特性を
備えることが望ましい。
【0323】次に、ステップS31で算出された全時間
長データと、ステップS32で選択された変化付与パタ
ーンとに基づいて、音量変化区間毎の変化値を算出する
(ステップS33)。これは、曲の長さは、演奏データ
に応じて任意に異なるのに対して、変化付与パターン
は、所定の固定長を基準にしているため、選択演奏デー
タが決まると、それに応じて変化付与パターンの全長を
伸縮させ、選択演奏データの全時間長に合わせる(スケ
ーリング)必要があるからである。このようにして、そ
の全長が選択演奏データの全時間長に合わされた変化付
与パターンから、各音量変化区間毎(たとえば、小節毎
であるが、これに限らず、演奏フレーズ毎でもよい)の
変化値を決定する。すなわち本実施の形態では、変化付
与パターンはテーブルデータの形式をなしているため、
上記スケーリング後のテーブルデータから、各音量変化
区間にそれぞれ対応する位置のデータを読み出す。な
お、テーブルデータは、上述したように、音量係数値か
ら構成されているので、読み出された各音量係数値を、
当該各音量変化区間毎の音量データと乗算すること(重
み付けを行うこと)により、変化値に変換する必要があ
る。
【0324】最後に、上記算出された音量変化区間毎の
変化値のそれぞれを、選択演奏データの対応する位置に
挿入する(ステップS34)。具体的には、算出された
小節毎の変化値(音量係数値により重み付けされた音量
データ)を、選択演奏データ中、当該各小節の先頭位置
に記録(挿入)する。
【0325】なお、選択演奏データが複数のトラックに
より構成されているときには、該各トラックそれぞれに
対して、同一の変化付与パターンを使用するようにして
もよいし、または、それぞれ異なった変化付与パターン
を使用するようにしてもよい。さらに、変化付与パター
ンをユーザが作成または編集することができるような機
能を設けるようにしてもよい。具体的には、変化付与パ
ターンが図58に示すテーブルデータである場合には、
倍率を示す数値をユーザが選択すると、その倍率で各デ
ータ値が一律に増減し、テーブルデータの全体的な特性
は変化しないようにする。このとき、数値に代えて、
「強い」、「中程度」、「弱い」、「変化なし」という
ような言葉を選択するようにし、ユーザがこのいずれか
の言葉を選択すると、CPU1がこの選択された言葉を
倍率に換算し、その倍率で各データ値を一律に増減させ
るようにしてもよい。さらに、所定範囲毎に異なった倍
率でデータ値を増加減できるようにしてもよい。
【0326】この発明の一実施例によれば、図57及び
図58を用いて説明した「音量パラメータ変化付与処理
2」は、音量パラメータだけでなく、音程パラメータの
変化を付与するのに適用可能であり、音程について、相
応する効果を得ることができる。つまり、演奏データ
(MIDIデータ等)の曲の長さを評価し(ステップS
31)、変化付与パターン(音程変化テーブル)のパラ
メータを決定し(ステップS32)、これに基づいて音
程変化を算出し(ステップS33)、表情付けを行う
(ステップS34)ことによって、曲の進行に従い、音
程パラメータの値を徐々に増大させてだんだん音程を高
くし、興奮度を高めるという表情付けを行うことができ
る。
【0327】ここで、変化付与パターンとして、図59
に示すように、図58のテーブルと同様に係数値が増大
する「曲の進行−音程係数」テーブル(縦軸を「音程係
数」としたもの)を用いるのが好ましい。この場合、例
えば、1小節毎に、図59の「曲の進行−音程係数」テ
ーブルに従った倍率で音程を高くしていくと良い。この
ような「曲の進行−音程係数」テーブルとしては、音程
の目標値を設定してその値を正規化した音程係数変化カ
ーブに乗算して実際の変化カーブを得るように構成する
のが望ましい。なお、この音程パラメータ変化付与の効
果は、どんな場合にでも有効な機能ではないので、オフ
にできることが必要である。
【0328】(C)演奏音の細かさに応じた処理 図60は、音量パラメータ変化付与処理3の手順を示す
フローチャートであり、本音量パラメータ変化付与処理
3では、連続演奏の細かさに応じて音量を変化させると
いう表情付けを行う。
【0329】同図において、まず、選択演奏データ中か
ら音符密度が所定値以上の部分領域、すなわち難関部分
を検出する(ステップS41)。音符密度とは、単位時
間当たりの音符数を意味する。そして、部分領域は、た
とえば、1小節単位、半小節単位、所定の音符長以下の
音符が存在する場所近傍のいずれかで検出する。
【0330】例えば、譜面の一例を示す図3において、
音符密度を1拍当たりの音符数とし、所定値を8分音符
2個以上とし、部分領域を1小節単位とすると、ステッ
プS41では、同図の第2小節が部分領域として検出さ
れる。
【0331】次に、難関部分(検出部分)の音程変化幅
を算出する(ステップS42)。音程変化幅とは、音程
の最大値と最小値との変化幅を意味する。そして、難関
部分の音程変化幅を算出するようにしたのは、演奏時の
音量は、難関部分であるかどうかに加えて、音程変化幅
の大小によっても、変化するのが自然だからである。
【0332】次に、難関部分毎に前記音符密度と音程変
化幅に応じた変化付与パターンを決定する(ステップS
43)。変化付与パターンは、音符密度および音程変化
幅の各値に応じた数のパターンがテンプレートとして予
め用意されており、ステップS43では、その複数のテ
ンプレートから、前記算出された音符密度および音程変
化幅に応じて、1つのテンプレートを選択する。
【0333】なお、これに限らず、たとえば図61に示
すように、音符密度と音量(前述した音量係数)との関
係を示すテーブルデータを用意し、算出された音量密度
に対しては、テーブルデータを検索することにより、対
応する音量係数値を求め、この音量係数値を、算出され
た音程変化幅に応じて修正するようにしてもよい。さら
に、テーブルデータも用いずに、所定の演算アルゴリズ
ムによって、演算のみで、音量係数を算出するようにし
てもよい。
【0334】次に、上記決定された変化付与パターンに
基づいて音量パラメータを修正する(ステップS4
4)。ここで、音量パラメータとして、具体的に、ノー
トイベントに含まれるベロシティを採るようにすれば、
音量パラメータの修正とは、上記難解部分に属する演奏
データ中の各ベロシティを変化付与パターンに基づいて
修正することを意味する。そして、変化付与パターンを
構成するデータとして、音量係数を採れば、元のベロシ
ティ値に音量係数値を乗算することで、音量パラメータ
を修正する。なお、音符密度と演奏難易度が共に高い部
分では、通常は音量が小さくなる傾向があるが、その傾
向を心得た奏者なら、その傾向を補正しようとして、逆
に音量が大きくなることもあり得ることを考慮した変化
付与が行えるようにしてもよい。(難解部分では必ず音
量を下げるとは限らない)。
【0335】この発明の一実施例によれば、図3、図6
0及び図61を用いて説明した「音量パラメータ変化付
与処理3」の手法は、「音程の不安定さ」を付与する表
情付けに適用可能である。すなわち、特に、弦楽器や管
楽器などでは、音符が細かいと弾きにくくなるので音程
が不安定になるという演奏態様に対応して、音符の密度
が細かい部分を検出し(ステップS41)、音程変化の
幅を評価し(ステップS42)、この評価から音程の不
安定さを算出して(ステップS43)音程パラメータを
修正する(ステップS44)により、演奏の細かさに応
じて音程の不安定さを増大させるという表情付けを行う
ことができる。
【0336】例えば、図3に示す譜面例において、1拍
当りの音符数は1小節目は1つであり2小節目は2つで
あるが、この数値を係数として音程の不安定さを変化さ
せるのである。このためには、「音符時間間隔−音程の
不安定さ」テーブルを用意しておき、図3の譜面例でい
うと、1小節目では音程の不安定係数値「a」が得ら
れ、2小節目では音程の不安定係数値「b」(b>a)
が得られるようにする。なお、実際には、小節や拍当り
の音符数よりも、時間当りの音符数が重要な情報になる
ので、テンポを考慮する事が必須である。
【0337】つまり、難しくて弾けない結果音程が不安
定になることをシミュレートして、実在感を増す表情付
けを行うには、図62のように、ある一定の音符密度以
上から音程の不安定さが大きくなるように変化するよう
な「音符時間間隔−音程の不安定さ」テーブルを変化付
与パターンとして用い、音程の不安定さに関するパラメ
ータについて図60の処理フローを適用すれば良い。ま
た、このテーブルの閾値をパラメータとすることによっ
て、下手さのシミュレートを調整することができる。
【0338】図60の処理フローの適用に当り、ステッ
プS41での音符密度の評価は、小節や拍を単位とし
て、音符数を数え、テンポを評価することによって、単
位時間あたりの音符数を数えると良い。また、ステップ
S42での音程変化の幅の評価とは、その単位時間あた
りの音符のkey単位での音程の最大値と最小値を調べ
ることである。生演奏では、最大値と最小値の幅が広い
ほど、激しい運動になるので、keyより細かい単位の
音程が不安定気味になる。従って、音符の密度の評価に
加えて、音程の幅が広いほど音程が不安定になる度合い
を大きくすると自然な表情になる。
【0339】なお、鍵盤楽器の場合、ミスタッチはある
ものの、基本的に音程が不安定になることはないので、
このシステムは、弦楽器(特にフレットのないタイプ)
や管楽器に適応するべきである。
【0340】また、音符密度が高くなると、例えば、撥
弦楽器の場合、はじき損ないが起こりやすくなる。その
場合、プリングオフ奏法やハンマリングオン奏法と同じ
ような効果となってしまう。そのような事例に倣うと、
音符密度によって、ある確率で自動的にプリングオフや
ハンマリングオン奏法を挿入するということが、自然な
演奏の再現に寄与することになる。そこで、この発明の
一実施例によれば、演奏データ(MIDIデータ等)か
ら音符密度が高い部分を検出し(ステップS41)、こ
の部分におけるハンマリングオン(プリングオフ)の頻
度を算出し(ステップS42に対応)、これに応じて演
奏データにハンマリングオン(プリングオフ)を自動的
に付加する(ステップS43,S44に対応)ことによ
り、「音符が細かいとハンマリングオン(プリングオ
フ)する」システムを構成することができる。
【0341】(D)同一/類似フレーズの演奏に伴う処
理 図63は、音量パラメータ変化付与処理4の手順を示す
フローチャートであり、本音量パラメータ変化付与処理
4では、類似フレーズが繰り返し出現する選択演奏デー
タの場合に、2番目以降の類似フレーズの音量パラメー
タを、その類似度および出現態様に応じて変化させると
いう表情付けを行う。具体的には、次のアルゴリズムに
従って、音量パラメータを変化させる。すなわち、
(1)類似度が高いフレーズが連続して出現する場合に
は、2番目以降の類似フレーズの音量パラメータの値
を、最初の類似フレーズのそれより小さくする(2)類
似フレーズが連続せずに繰り返し出現する場合には、2
番目以降の類似フレーズの音量パラメータの値を、最初
に出現する類似フレーズのそれに類似した値であって、
その類似度に応じた値に変更する。
【0342】図63において、まず、選択演奏データを
フレーズ単位に分割する(ステップS51)。フレーズ
単位とは、本実施の形態では、たとえば1小節長である
が、これに限らず、複数小節長であってもよいし、他の
単位長であってもよい。また、フレーズとして、イント
ロ部、フィルイン部およびメイン部等の、いわゆる演奏
フレーズを採用してもよい。
【0343】次に、上記分割された各フレーズに含まれ
る演奏データ(具体的には、ノートイベントおよびデル
タタイム等)を、該各フレーズ間で比較することによ
り、類似フレーズを検出する(ステップS52)。
【0344】そして、このようにして検出された類似フ
レーズ毎に類似度を算出する(ステップS53)。ここ
で、類似度は、たとえば、比較するフレーズ間で、演
奏データがすべて同一、演奏データの一部のみが相
違、演奏データの一部のみが同一、演奏データがす
べて相違、の4段階の値とするが、この段階は、これよ
り細かくても粗くてもよい。なお、ステップS53で
は、その前のステップS52で類似フレーズを検出して
いるため、類似度が上記ということはあり得ない。
【0345】次に、類似フレーズが連続しているか否か
を判別し(ステップS54)、類似フレーズが連続して
出現しているときには、上記算出された類似度から、変
化付与すべきフレーズおよび該フレーズに適用すべき変
化付与パターンを決定し(ステップS55)、この決定
された変化付与パターンに基づいて、決定されたフレー
ズに含まれる演奏データの音量パラメータを修正する
(ステップS56)。
【0346】ステップS55において、変化付与すべき
フレーズとは、連続して出現する類似フレーズ中、2番
目以降に出現するフレーズをいい、変化付与パターンと
は、最初に出現するフレーズに含まれる各演奏データの
音量パラメータ(具体的には、ノートイベント中のベロ
シティ)の値に重み付けするための音量係数値(比率)
のパターンをいう。そして、音量係数値は、類似度に応
じて変更される。たとえば、類似度が上記の場合に
は、音量係数値を“0.8”とし、類似度が上記の場
合には、音量係数値を“0.9”とし、類似度が上記
の場合には、音量係数値を“1.0”とするようにであ
る。なお、類似度に加えて、出現する順位も考慮して、
音量係数値を決定するようにしてもよい。たとえば、類
似度が上記である場合に、2番目に出現する類似フレ
ーズに対しては、音量係数値を“0.8”とし、3番目
に出現する類似フレーズに対しては、音量係数値を
“0.7”とするようにである。
【0347】ステップS56では、このようにして決定
された音量係数を、最初に出現するフレーズ中の各ベロ
シティ値に乗算し、その各乗算結果で、2番目以降の類
似フレーズ中の対応するベロシティ値を置き換えること
により、音量パラメータを修正する。
【0348】一方、ステップS54で、類似フレーズが
連続して出現していないときには、フレーズ毎の類似度
に基づいた割合で、類似フレーズ間での音量変化を一致
させる(ステップS57)。具体的には、類似フレーズ
間の類似度が上記の場合には、最初に出現するフレー
ズに含まれる各演奏データの音量パラメータ(具体的に
は、ノートイベント中のベロシティ)で、2番目以降に
出現するフレーズに含まれる各演奏データの音量パラメ
ータを置き換え、類似フレーズ間の類似度が上記の場
合には、演奏データが同一部分に対しては、最初に出現
するフレーズ内の対応する部分の音量パラメータで、2
番目以降に出現するフレーズ内の対応する部分の音量パ
ラメータを置き換えるとともに、演奏データが相違する
部分に対しては、置き換えられた部分に適応するよう
に、その音量パラメータを編集(ベロシティ値の比率を
調節)する。
【0349】この発明の一実施例によれば、図63で説
明した「音量パラメータ変化付与処理4」の手法は、そ
のまま、演奏データの音程パラメータに変化を付与する
表情付けに適用可能である。つまり、似たフレーズは似
た音程表現をもつことから、図63の処理フローを音程
パラメータの修正に適用することによって、同じフレー
ズが連続して繰り返されるのであれば、別の場所で再現
される場合には、最初の音程の表情をそのままコピーす
るのが良く、また、全く同じフレーズでなく「似てい
る」という程度であれば、最初の音程の表情と似た音程
変化を設定するのが良い。
【0350】(E)同音符の連続発音に伴う処理 図64は、音量パラメータ変化付与処理5の手順を示す
フローチャートであり、本音量パラメータ変化付与処理
5では、3拍子の演奏データの場合に、同一音符長の音
符が連続して出現するときには1拍目を強調するという
表情付けを行う。
【0351】同図において、まず、3拍子で小節内がす
べて同一音符長である小節を検出する(ステップS6
1)。同一音符長とは、たとえば4分音符をいう。
【0352】次に、検出された小節毎に先頭位置の音符
数を検出する(ステップS62)。先頭位置の音符数と
は、先頭の拍に属する音符の数(先頭拍タイミングで同
時に発音される音符の数)を意味する。
【0353】このように同時に発音される音符の数を検
出したのは、和音イベントが含まれている演奏データに
対して、本音量パラメータ変化付与処理5を単純に適用
すると、和音イベントを含む小節は、ステップS61に
より無条件に検出されるので、1小節中に和音イベント
が多く含まれる場合には、単純に音量が大きくなってし
まうため、この場合にも単純に音量が大きくならないよ
うに、ステップS62でまず、検出された各小節毎に、
和音イベントを構成する音符数を検出し、次のステップ
S63で、音量変化を補正するという処理を追加するよ
うにしている。
【0354】次に、検出された音符数に基づいて、検出
された小節毎の変化値を算出する(ステップS63)。
変化値とは、本実施の形態では、音量係数値を示し、こ
の音量係数値は、元のベロシティ値に対する変化の割合
を示すものである。なお、本実施の形態では、変化値の
算出に、先頭の拍に属する音符の数を考慮しているが、
その音符数を考慮しないようにしてもよい。
【0355】そして、算出された変化値に基づいて、検
出されたそれぞれの小節における先頭音符の音量パラメ
ータを修正する(ステップS64)。音量パラメータ
は、本実施の形態では、ノートイベントのベロシティで
あり、その修正は、元のベロシティ値を増大させる方向
への修正である。なお、先頭音符(ノートイベント)は
複数個存在する場合もあり、その場合には、各音符のベ
ロシティ値を同様に修正する。もちろん、各ベロシティ
値それぞれに異なる比率で重み付けするための重み付け
係数を設定し、増大後のベロシティ値を、この重み付け
係数で重み付けして各ベロシティ値として設定するよう
にしてもよい。
【0356】このように、本音量パラメータ変化付与処
理5では、先頭拍の音符のみが強調される。しかし、ウ
ィンナワルツでは、1拍目は標準、2拍目を強く、3拍
目を弱く、という表情付けが望ましく、このような表情
付けも、上記ステップS62〜S64の処理を少し変更
するだけで可能になる。また、作風、時代や作曲家に応
じて、強弱すべき拍位置を変更するようにしてもよい。
【0357】さらに、連符(3連符や5連符等)を検出
し、その最初の音の音量を大きくすると、連符らしさが
表現できる。これも、本音量パラメータ変化付与処理5
を少し変更することにより、実現できる。具体的には、
ステップS61の処理は行わず、ステップS62で、連
符を検出するようにし、ステップS63で、検出された
連符の先頭音の変化量を決定し(たとえば、予め設定さ
れている値としたり、現在の音量を所定割合だけ増加さ
せたりする等)、ステップS64で、決定された変化量
に基づいて音量パラメータを変更することで、連符の最
初の音の音量を大きくすることができる。
【0358】また、たとえば、5連符は2+3のよう
に、簡単な数字の組み合わせに変換し、アクセントを付
けるようにしてもよい。
【0359】一般の人に分かりやすい拍子は、「2拍
子」、「3拍子」および「4拍子」であり、5拍子以上
の拍子では、それよりも細かい単位に分割した方がイメ
ージをつかみやすい。たとえば、5拍子では、「1,
2,3,4,5」と数えるのではなく、「1,2,1,
2,3」または「1,2,3,1,2」のように、2拍
子+3拍子に分解するとイメージし易いし、6拍子で
は、「1,2,1,2,1,2」または「1,2,3,
1,2,3」のように、2拍子+2拍子+2拍子または
3拍子+3拍子のように分解することが分かりやすい。
【0360】この拍子感を具体的に音に出して表現する
ために、たとえば、5拍子の場合には、2拍子と3拍子
が交互に並んでいるとして、それぞれの1拍目の音量を
強調することによって実現することができる。同様に、
5連符、6連符、それ以上なども、2連符や3連符に分
解して、それぞれの最初の音の音量を強調すると、拍子
感が分かりやすくなる。しかし、5拍子はあくまで5拍
子であるため、2+3と分解したとしても元々の拍子の
先頭の音符と、分割して先頭になった音符とは区別した
方がよく、元々の拍の先頭の音符をより強調した方がよ
い。
【0361】(F)フレーズの終止感に対応する処理 図65は、音量パラメータ変化付与処理6の手順を示す
フローチャートであり、本音量パラメータ変化付与処理
6では、フレーズの終止では、音量を抑えるという表情
付けを行う。
【0362】同図において、まず、前記ステップS51
と同様にして、選択演奏データをフレーズ単位に分割す
る(ステップS71)。
【0363】次に、分割されたフレーズ毎に、当該フレ
ーズに設定されているテンポに基づいて終止音量を算出
する(ステップS72)。ここで、終止音量は、当該フ
レーズの終了位置の音符の音量を小さくするものではな
く、その音符が発音されてからその音量を徐々に小さく
するものである。そして、その発音から消音に至るまで
の時間を、当該フレーズに設定されているテンポおよび
その音符長に応じて決定している。なお、音符の音量を
徐々に小さくする制御を行うためには、その音符が持続
音を発生させるものである必要があるが、その音符が減
衰音を発生させるものである場合には、その音符の音量
を単純に小さくしたり、その音符の前のいくつかの音符
の音量を徐々に小さくしていくようにしたりするような
終止音量を算出する。もちろん、その音符が持続音を発
生させるものである場合にも、このような終止音量を算
出するようにしてもよい。
【0364】そして、前記分割されたフレーズ毎に、当
該フレーズの終了位置の音量(具体的には、終了位置の
ノートイベント中のベロシティ値)を、前記算出された
終止音量に基づいて修正する(ステップS73)。
【0365】なお、本音量パラメータ変化付与処理6で
は、このように、フレーズの終了位置の音量を抑えるよ
うにしたが、逆にフレーズの先頭位置の音符(ノートイ
ベント)を検出して、その音符の音量(ベロシティ値)
を大きくするようにしても、効果的な場合がある。選択
演奏データが低音リズム楽器用のものである場合には、
特にそうである。
【0366】(G)ロングトーンのトリル/ビブラート
に対する処理 図66は、音量パラメータ変化付与処理7の手順を示す
フローチャートであり、本音量パラメータ変化付与処理
7では、ロングトーンに対してトリルまたはビブラート
が付与されているときには、その音量を、最初大きく、
途中小さく、最後大きくなるような表情付けを行う。
【0367】同図において、まず、トリルまたはビブラ
ート傾向のピッチデータ列が付与されている音符で、音
符長が所定長以上のもの(ロングトーン)を検出する
(ステップS81)。ここで、所定長とは、たとえば2
分音符長をいう。もちろん、これは例示に過ぎず、他の
音符長であってもよい。
【0368】次に、検出された音符毎に、適応する変化
付与パターンを決定する(ステップS82)。図67
は、この変化付与パターンの一例を示す図であり、縦軸
は音量係数を示し、横軸は時間を示している。同図中、
実線で示す曲線は音量変化曲線を示し、矢印Aは音量変
化の幅を示し、矢印Bは音量変化の全体時間を示し、矢
印Cは音量変化の目標値を示し、矢印Dは音量変化が最
も落ち込むまでの時間を示している。これらのパラメー
タの値を、「強い」、「弱い」、「速い」、「遅い」等
の言葉で設定するとよい。このような変化付与パターン
が、トリル用およびビブラート用それぞれ複数種類(た
とえば、音符長毎に)予め用意され、その中から、検出
された音符毎に最適な変化付与パターンが自動的に決定
される。
【0369】そして、このようにして決定された変化付
与パターンに基づいて、トリルまたはビブラート演奏時
の音量パラメータ(ベロシティ)を修正する(ステップ
S83)。
【0370】この発明の一実施例によれば、図66及び
図67で説明した「音量パラメータ変化付与処理7」の
手法は、「音程変化の速さ」を変化させるのに適用可能
である。つまり、「音程変化の速さ」の変化付与パター
ンとして、例えば、図67のパターンに類似した図68
に示すような変化曲線パターンを用意しておき、演奏デ
ータ(MIDIデータ等)からトリル(ビブラート)且
つロングトーンの部分を検出し(ステップS81)、図
68のような変化曲線パターンから音程変化を算出する
(ステップS82,S83)ことによって、ロングトー
ンのトリル(ビブラート)について最初はゆっくりした
音程変化を与える表情付けを行うことができる。
【0371】ここで、図68における記号「A」は速さ
変化の幅を表わし、記号「B」はトリル(ビブラート)
の全体時間を表わし、記号「C」は速さ変化の変曲点ま
での時間を表わす。変化付与パターンの決定(ステップ
S82)に際しては、図68の変化曲線パターンの時間
や変化量を変更できるパラメータ(A〜C等)により、
適切な変化を選択できるようにすると良い。また、これ
らのパラメータは、既に説明したものと同様に、「強
い」、「弱い」、「速い」、「遅い」等の言葉で設定す
ることができるように構成するのが良い。
【0372】なお、トリルやビブラートでは、音程変化
の1サイクル毎の音程が不均一である方がより自然にな
るので、不均一を生む機能も含めると良い。また、ソリ
スティック(ソロ演奏的)なトリルを再現するために
は、トリルの上側の音程を高めに変化させると良い。そ
のために「ソリスティック」と設定することによって、
音程変化を高めに設定するようなインターフェースが良
い。より自然な表情を自動的に再現するためには、ビブ
ラートの深さや速さは、音程相関、音量相関、dura
tion(発音長)相関を与えると良い。
【0373】(H)トリル、打楽器のロール演奏に伴う
処理 図69は、音量パラメータ変化付与処理8の手順を示す
フローチャートであり、本音量パラメータ変化付与処理
8では、トリルや打楽器のロール演奏時に自然な表情付
けを行う。
【0374】同図において、まず、選択演奏データ中、
トリルまたは打楽器のロール演奏に対応する部分区間を
検出する(ステップS91)。
【0375】次に、検出された区間毎に、当該区間内の
個々の音符の音量の変更値を決定する(ステップS9
2)。ここで、変更値としては、トリルや打楽器のロー
ル演奏時に自然となる値、具体的には、個々の音符の音
量(ベロシティ値)が不均一になる値を決定する。この
ような変更値を決定する方法としては、たとえば、単純
にランダム値を発生させて不均一値とする方法、不均一
値の流れを記録した変化付与パターン(テンプレート)
を予め用意しておき、これに基づいて決定する方法等が
挙げられる。
【0376】(J)複数音同時発音演奏に伴う処理 図70は、音量パラメータ変化付与処理9の手順を示す
フローチャートであり、本音量パラメータ変化付与処理
9では、和音が含まれている演奏データの場合に、和音
に対してその発音をすっきりしたものにするという表情
付けを行う。
【0377】同図において、まず、選択演奏データ中、
複数音が同時に発音される部分、すなわち和音部分を検
出する(ステップS101)。
【0378】次に、検出された和音毎に、構成音の重要
度に対応させた変化値を決定する(ステップS10
2)。ここで、変化値は、当該和音の各構成音(ノート
イベント)の音量パラメータ(具体的には、各ノートイ
ベント中のベロシティ)の値を変化させる値(たとえば
音量係数値)である。そして、本実施の形態では、構成
音の重要度に応じて、対応する変化値を異ならせてい
る。これは、和音の各構成音を同じ音量で演奏すると、
騒がしいだけになる場合があるので、和音の構成音のう
ち主要なものだけ、音量を大きめに設定して、すっきり
とした和音演奏をしようとしているからである。主要な
ものであるか否か、すなわち重要度の判断基準は、たと
えば、和音の主音を最重要とし、属音を次に重要なもの
とするという基準を挙げることができる。また、和音毎
の重要度の検出は、予め用意された和音重要度テンプレ
ート、具体的には、和音毎に、その和音の各構成音のそ
れぞれに優先順位(たとえば、優先順位が高いほど重要
度が高いとする)を付けた情報を記録したものを用いて
行う。変化値の決定方法としては、たとえば、重要度毎
に予め決定されている値に決定する方法や、現在の音量
値を重要度に応じた割合で増減させる方法が挙げられ
る。
【0379】そして、ステップS102で決定された変
化値に基づいて音量パラメータを修正する(ステップS
103)。
【0380】なお、本音量パラメータ変化付与処理9で
は、重要な音符の音量を大きくするようにしたが、逆
に、重要でない音符の音量を小さくするようにしてもよ
い。
【0381】また、重要度という概念を用いずに、単
に、和音の最低音と最高音の音量のみを他の構成音の音
量より大きくするようにしてもよいし、和音の根音の音
量のみを他の構成音の音量より大きくするようにしても
よい。
【0382】なお、和音ではないが、ギターでよく演奏
される分散和音というものがあるが、この分散和音の主
音を強調すると、調性感が出てくっきりとした演奏にな
る。この場合の処理も、本音量パラメータ変化付与処理
9の一部処理を変更するだけで、簡単に実現できる。
【0383】また、オクターブユニゾンで演奏する場合
に、すべてのパートを同じ音量で演奏すると、各音色が
混ざってしまい、ユニゾンらしさが表現できない場合が
ある。そのため、選択演奏データ中に、オクターブユニ
ゾンを検出したときに、上のオクターブから順に音量を
大きくする、または、小さくする、という音量変化を与
えると効果的なことがあり、この音量変化も、本音量パ
ラメータ変化付与処理9の一部処理を変更するだけで、
簡単に実現できる。なお、オクターブユニゾンに限ら
ず、同じオクターブのユニゾンに対しても、音色に依存
した音量調整を行うようにしてもよいし、3度や5度、
その他のユニゾンでも同様な処理を行うようにしてもよ
い。
【0384】この発明の一実施例によれば、図70によ
り説明した「音量パラメータ変化付与処理9」の手法
は、音程についても適用可能であり、和音を自動的に純
正調に変えるという表情付けを行うことができる。フレ
ットのない弦楽器や管楽器の音程的な特徴の1つに、純
正調の和音を出すことができる点が挙げられるが、これ
に対応して、先ず、和音で発音されている部分を検索し
(ステップS101に相当)、検索した和音の種類を評
価し、評価した和音に対応して純正調の場合の音程変化
を算出する(ステップS102に相当)。ここで、音程
変化算出には、各和音の音程テーブルのようなものを参
照することが簡単である。そして、この音程変化に基づ
いて音程パラメータを修正し音程を変化させて(ステッ
プS103に相当)純正調を発音させる表情付けを行う
のである。
【0385】(K)スタッカート演奏に伴う処理 図71は、音量パラメータ変化付与処理10の手順を示
すフローチャートであり、本音量パラメータ変化付与処
理10では、スタッカートが含まれている演奏データの
場合に、生のスタッカート演奏を模倣した表情付けを行
う。
【0386】同図において、まず、選択演奏データ中、
スタッカート発音する音符の直後の音符を検出する(ス
テップS111)。
【0387】次に、検出された音符毎に、変化量を決定
する(ステップS112)。生のスタッカート演奏で
は、スタッカートは必ずしも音の長さを短くするだけで
なく、その音を強調をもしている。スタッカートの音を
強調する1つの方法としては、その音符の直後にある音
符の音量を小さくすることである。ステップS112で
は、この音量制御を行っている。したがって、ここでの
変化量の決定とは、検出された音符(ノートイベント)
の音量パラメータ(具体的には、ノートイベント中のベ
ロシティ)の値を減少方向に変化させる量を決定するこ
とを意味している。
【0388】そして、ステップS111で検出された音
符の音量パラメータを、ステップS112で決定された
変化量に基づいて修正する(ステップS113)。
【0389】なお、一般にスタッカート表現は、その音
符の音価やテンポによって変化の度合いが異なるので、
スタッカート発音する音符の直後の音符の音量を変化さ
せる度合いも、スタッカート発音する音符の音価やテン
ポに応じて調整することが好ましい。また、スタッカー
ト直後の音符を検出する際、間に休符相当の時間があ
り、これを検出対象から除外する場合には、ステップS
111で、「スタッカート発音する音符の所定時間内の
直後の音符」を検出するようにすればよい。
【0390】(L)ゆらぎ/ランダム性を伴う処理 図72は、音量パラメータ変化付与処理11の手順を示
すフローチャートであり、本音量パラメータ変化付与処
理11では、ロングトーンに対して、その音量にゆらぎ
をつけるという表情付けを行う。
【0391】同図において、まず、前記ステップS81
と同様にして、所定発音長以上の音符(ロングトーン)
を検出する(ステップS121)。
【0392】次に、検出された音符毎に、乱数カウンタ
と変化付与パターンを用いて、変化量を決定する(ステ
ップS122)。ロングトーンを生演奏すると、ゆらぎ
がだんだん増加する傾向がある。ステップS122で
は、この現象をシミュレートするための変化量を決定す
る。すなわち、乱数カウンタから出力される乱数の振幅
を、予め用意された変化付与パターン、具体的には、図
73に示すような、乱数カウンタのカウント値に応じ
て、乱数カウンタが発生する乱数の振幅を変化させるテ
ーブルデータに基づいて変更し、変更後の乱数カウンタ
から出力された乱数値を上記変化量に決定する。これに
より、ロングトーンが発音を開始してからその時間の経
過に従って、出力される乱数の振幅が増大するため、ゆ
らぎをだんだん増加させるような変化量を決定すること
ができる。なお、乱数の振幅は、カウンタ値が増大する
に従って際限なく大きくすると、これに応じて決定され
た変化量は不自然になるので、図73に示すように、乱
数の振幅は、カウンタ値が増大するに従って所定値に収
束して行くことが望ましい。
【0393】そして、ステップS121で検出された音
符(ノートイベント)の音量パラメータ(具体的には、
ノートイベント中のベロシティ)の値を、ステップS1
22で決定された変化量に基づいて修正する(ステップ
S123)。
【0394】なお、本音量パラメータ変化付与処理11
では、乱数カウンタを使用したが、これに代えて、ゆら
ぎテーブルを使用してもよい。さらに、変化付与パター
ンとして生楽器の演奏データから採取した不均一なパラ
メータ変化のデータを使用することも効果的である。
【0395】選択演奏データ中、音量記号としてf(フ
ォルテ)が付加されている区間内に、ロングトーンがあ
る場合に、そのロングトーンを同じ音量で演奏し続ける
と、だんだん存在感がなくなり、fらしくなくなってく
る。したがって、そのような場合には、そのロングトー
ンの音量を、徐々に大きくすることが効果的である。こ
の音量制御も、本音量パラメータ変化付与処理11の一
部を変更することにより、実現できる。具体的には、ス
テップS121の処理の最初に、f記号の検出処理を追
加し、ステップS122の処理では、乱数カウンタに代
えて通常のカウンタを用い、ステップS123の処理
は、そのまま用いるようにする。なお、管楽器の場合、
あまり長いロングトーンのときには、その音量がだんだ
ん落ちてくる。この音量制御は、上記f記号の検出処理
を削除するとともに、上記通常カウンタを減算カウンタ
に変更して、音量が徐々に下降するように変化させれば
よい。
【0396】この発明の一実施例によれば、図72及び
図73により説明した「音量パラメータ変化付与処理1
1」の手法は、音程についても適用可能であり、ロング
トーン(長い音符)に対して音程にゆらぎという表情付
けを行うことができる。フレットのない弦楽器や、管楽
器などの人間の演奏では、変化のない音程での演奏は不
可能であり、或る程度の音程のゆらぎがあるはずであ
る。そこで、このようなゆらぎを実現するために、楽譜
データから強弱記号(f)のあるロングトーンを検出し
(ステップS121)、音程変化を算出して(ステップ
S122)音程パラメータを変化させる(ステップS1
23)ことにより、音量の場合と同様に、「音程」を乱
数で変動させるのである。
【0397】この場合、この乱数には、単純乱数を用い
て勝手に音程を変化させるのではなく、乱数をバンドパ
スフィルタ(BPF)で帯域制限を加えた方が効果が出
る場合がある。また、乱数によって、音程を変化させる
のではなく、テーブルによって変化させても良い。特
に、生楽器の音程変化を記録したテーブルを用いると、
その効果は自然なものになる。
【0398】また、生演奏のロングトーンでは、音長の
増大に伴ってだんだん音程のゆらぎが増大する傾向があ
るので、音量ゆらぎの場合と同様に、新しい音符でリセ
ットされるカウンタの出力により、図73のような特性
の乱数テーブルを指示することにより、ロングトーンの
最中に徐々に音程ゆらぎが大きくなるシステムを構成す
るのが好ましい。なお、このような音程ゆらぎは、鍵盤
楽器などのように、音程がずれる要素の少ないもので
は、この機能を使わない方が自然である。従って、演奏
データ(MIDIデータ等)の解析時(ステップS12
1)に音色を判断して楽器種類を確認するように構成す
る必要がある。
【0399】さらに、この発明の一実施例によれば、上
述した音程のゆらぎ付け処理とは別に、音程のランダム
性を増加する表情付けを行うこともできる。例えば、音
量記号がf(フォルテ)などの区間でロングトーンがあ
る場合に、変化のない音程で演奏し続けると、だんだん
存在感がなくなり、fらしくなくなってくる。従って、
このような場合には、徐々に音程の不安定さを大きくす
ることが効果的である。つまり、ロングトーンでは、だ
んだん音程のランダム性を増加させる。また、音程のラ
ンダム性は、大きさを音色に連動させたり、メロディと
伴奏(バック)で変化させたりすることが好ましい。
【0400】このような処理を行うには、まず、強弱記
号検出ステップで、強弱記号がf(又はf以上)である
かを検出して、その範囲内にあるロングトーンの音符を
検出し、次に、その音符の長さを評価して、音程の不安
定さを徐々に大きくするような表情を加える。ここで、
音符の長さを評価するのは、音符の時間内に有効に音程
の不安定さを変化させたいため、つまり、音程の不安定
さを無制限に大きくしないためである。従って、音符の
長さに応じて、音程の不安定さの変化のカーブも調整す
る必要がある。
【0401】なお、逆に、強弱記号がp(ピアノ)の場
合でもこのような不安定現象が起こり得るので、上述し
た強弱記号検出ステップにおいて、強弱記号が中程度で
ないものを検出する構成としてこれに対応して音程の不
安定さを与えるようにも良い。また、強弱記号は一切無
視する方法でも良い。
【0402】また、音色によっては、ランダム性が大き
いと不自然なものもあるので、音色によって、ランダム
性の大きさを制御する必要がある。特に、ピアノのよう
な鍵盤楽器ではランダム性があると不自然であり、管楽
器においても、クラリネットなどは不自然になる。さら
に、伴奏パートまで必要以上にランダム性を持たせる
と、騒々しい伴奏になってしまうので、メロディパート
と伴奏パートではランダム性を加減した方が良い。
【0403】(M)音域に応じたパラメータ処理 図74は、音量パラメータ変化付与処理12の手順を示
すフローチャートであり、本音量パラメータ変化付与処
理12では、音程平均に応じた音量表現による表情付け
を行う。
【0404】同図において、まず、前記ステップS51
と同様にして、選択演奏データをフレーズ単位に分割す
る(ステップS131)。
【0405】次に、分割されたフレーズ毎に音程の平均
値を算出し、この平均値に基づいて変化付与パターンを
決定する(ステップS132)。変化付与パターンは、
予め音程の平均値毎にテーブルデータの形式で記憶さ
れ、ステップS132では、この中から1つを決定す
る。
【0406】そして、分割されたフレーズ毎に、決定さ
れた変化付与パターンに基づいて音量パラメータ(具体
的には、エクスプレッションデータ)を修正する(ステ
ップS133)。
【0407】この発明の一実施例によれば、図74によ
り説明した「音量パラメータ変化付与処理12」の手法
は、音程についても適用可能であり、音域によって音程
表現を変えるという表情付けを行うことができる。音程
(key)情報によって、音程(keyよりも細かい単
位での)係数を決定し、音程係数によって、あるテーブ
ルをひくことによって、音程の変化量を決定する。しか
し、1つ1つの音にこのような表情を加えたのでは、従
来のキースケールと同じであるが、ある指定した区間
(フレーズ、小節或いは拍等)毎に、その音程の平均か
ら処理を決めるということも有効である。
【0408】(N)パート演奏に伴う処理 図75は、音量パラメータ変化付与処理13の手順を示
すフローチャートであり、本音量パラメータ変化付与処
理13では、パートディビジョン(Part Division)の
ときには各パートの音量は下げるという表情付けを行
う。
【0409】この表情付けの処理を説明する前に、この
発明の趣旨を説明する。オーケストラスコアにおいて、
ストリングスの1つのパートを、さらに2つ以上のパー
トに分けて演奏する、“Division”という指定がある。
第1バイオリンのパートを10人で演奏しているとし
て、Division記号により、2つのパートに分かれて演奏
する場合には、5人ずつに分かれるというのが一般的で
ある。したがって、単純に考えると、Divisionパートの
音量は10人分から5人分に半減するはずである。しか
し、従来のDTM(desk top music)では、オーケスト
ラスコアでDivision指定があったとしても、同一音源パ
ートで、ポリフォニックに演奏させる程度の曲作りが一
般的であった。それでは、各音符の音量は一定で、同時
に鳴る音符数が倍増するので、音量が増える結果となっ
てしまう。熟練したユーザは、この点に気づき、Divisi
on指定があった場合には、音量を減少させるような設定
をマニュアルで行ってきた。本音量パラメータ変化付与
処理13は、これを自動的に行おうとするものである。
【0410】図75において、まず、選択演奏データか
ら、同音色のパートおよびそのパート数を検出する(ス
テップS141)。ここで、同音色には、類似音色を含
めるようにしてもよい。なお、同音色という条件のみで
検出すると、第1バイオリンと第2バイオリンがDivisi
onとして扱われてしまう場合がある。このような場合に
は、自動検出でなく、手動でパートを選択するようにす
ればよい。
【0411】次に、検出されたパート数に基づいて、各
パートの演奏音量値を算出する(ステップS142)。
具体的には、同音色(同Division)で演奏される複数パ
ートのうちの最大音量値を検出し、その最大音量値をパ
ート数で除算して算出された値を各パートの演奏音量値
に決定する。そして、演奏音量とは、それぞれのパート
演奏の全体音量を調節する値(具体的には、パート毎の
ボリュームデータまたはエクスプレッションデータ)を
いう。
【0412】そして、算出された音量値を各パートに記
録する(ステップS143)。具体的には、算出された
音量値を各パートの初期音量として記録する。
【0413】なお、複数パートが並行して再生されてい
る部分(演奏区間)のそれぞれについて、上記方法で音
量制御することが望ましい。その場合には、算出された
音量値を対応する演奏区間においてのみ有効にする。
【0414】(P)音色変化に連動した処理 図76は、音量パラメータ変化付与処理14の手順を示
すフローチャートであり、本音量パラメータ変化付与処
理14では、音色変化に応じた音量表現による表情付け
を行う。
【0415】同図において、まず、音色の変更位置と変
更内容を検出する(ステップS151)。すなわち、選
択演奏データ中の解析対象パート内での、音色変更があ
る位置と、その音色変更の内容(変化前の音色と変化後
の音色)を、変更位置毎に検出する。
【0416】次に、変化内容に対応した音量の変化量を
決定する(ステップS152)。具体的には、音色毎に
最適な音量値が、たとえばテーブルデータの形式で予め
決定されており、変更前の音色と変更後の音色のそれぞ
れの音量値をテーブルデータから読み出し、その音量に
基づいて、音色変更位置において、音量が滑らかに変更
されるような音量パラメータ(エクスプレッションデー
タ)を算出して決定する。
【0417】そして、ステップS152で決定された変
化量に基づいて、音量パラメータを修正する(ステップ
S153)。具体的には、上記算出された音量パラメー
タを変更位置毎に記録する。
【0418】このようにして、本音量パラメータ変化付
与処理14では、特定の音色による演奏を目立たせるこ
とができる。
【0419】(Q)ピッチベンド変化に伴う処理 図77は、音量パラメータ変化付与処理15の手順を示
すフローチャートであり、本音量パラメータ変化付与処
理15では、ピッチベンド時には音量が変化するという
表情付けを行う。
【0420】同図において、まず、ピッチベンドによる
ピッチの変更位置を検出する(ステップS161)。具
体的には、選択演奏データ中の解析対象パート内での、
ピッチ変更がある位置と、そのピッチ変更の内容(ピッ
チベンドデータ)を、変更位置毎に検出する。
【0421】次に、検出されたピッチの変更位置毎に、
ピッチベンドの変化傾向を算出し、その算出結果に応じ
て、音量の変化量を決定する(ステップS162)。こ
こで、ピッチベンドの変化傾向は、検出されたピッチベ
ンドデータに対して、ハイパスフィルタ(HPF)処理
を施すことにより、検出する。必要に応じて、この処理
結果にロウパスフィルタ(LPF)処理を施し、その変
化を滑らかにする。そして、フィルタ処理が施されたピ
ッチベンドデータの絶対値を用いて、音量パラメータ
(ピッチの変更位置におけるノートイベントのベロシテ
ィ)の値の変化量(減少率)を算出する。すなわち、ピ
ッチベンドの変化率が大きいほど、音量を大きく下げる
ような変化量を算出して決定する。これにより、自然な
ピッチベンド感を表現できる。
【0422】そして、ステップS162で決定された変
化量に応じて音量パラメータを修正する(ステップS1
63)。なお、修正する音量パラメータは、具体的には
上述のように、ピッチの変更位置におけるノートイベン
トのベロシティであるが、これに限らず、ステップS1
61で検出対象となる演奏データが、弦楽器における1
弦の演奏に対応するものである場合には、音量パラメー
タとして、エクスプレッションデータを使用してもよ
い。
【0423】(R)パートに応じた処理 図78は、音量パラメータ変化付与処理16の手順を示
すフローチャートであり、本音量パラメータ変化付与処
理16では、マルチパートからなる演奏データの場合
に、そのメロディラインを浮き立たせるという表情付け
を行う。
【0424】同図において、まず、メロディパートを検
出する(ステップS171)。
【0425】次に、メロディパートの音量を他のパート
(伴奏パート)の音量と比較して、メロディパートの音
量が相対的に他のパートの音量より上がるように、変化
量を決定する(ステップS172)。
【0426】そして、決定された変化量に基づいてメロ
ディパートの音量パラメータ(エクスプレッションデー
タ)を修正する(ステップS173)。
【0427】なお、メロディパートの音量を上げようと
しても、前記音源回路7の出力可能範囲を超えてしまっ
て上げることができない場合には、他のパートの音量を
一律に下げることにより、相対的にメロディパートの音
量を上げるようにすればよい。
【0428】また、ピアノのように、1つの音色でメロ
ディから伴奏まで担当するような演奏データに対して、
そのメロディラインを浮き立たせるためには、演奏デー
タに含まれるトップノートを抽出して、メロディパート
とし、残りを伴奏パートとして、メロディラインと伴奏
とを分離し、その後に、本音量パラメータ変化付与処理
16のステップS172およびS173の処理を行えば
よい。
【0429】この発明の一実施例によれば、図78によ
り説明した「音量パラメータ変化付与処理16」の手法
は、音程についても適用可能であり、メロディパートや
伴奏パートに応じて基本ピッチを変えるという表情付け
を行うことができる。つまり、マルチパートの中でメロ
ディを浮き立たせる1つの方法として、メロディーパー
トの遠近感を近づけ伴奏パートの遠近感を遠ざける方法
があるが、演奏データ(MIDIデータ等)からメロデ
ィーパートを検出し(ステップS171)ピッチ変化を
算出し(ステップS172)てピッチ変化を付与する
(ステップS173)ことにより、ピッチの変化でこの
方法を実現するのである。
【0430】ここで、ピッチ変化をPitchBend
Eventで実現する場合には、メロディーパートのピ
ッチを上げようとしても、PitchBendの最大値
を超えてしまうと、上げることができない。その場合に
は、その他全てのパートのPitchBendを一律に
下げることによって、相対的にメロディーのピッチを上
げるように構成することが好ましい。
【0431】また、ピアノの楽譜のように、1つの音色
でメロディーから伴奏まで担当するような楽譜について
は、楽譜が入力されると、そのトップノートを抽出して
メロディーパートとし、残りを伴奏パートというように
分離した後、メロディーパートのピッチをわずかに上げ
てメロディを強調して演奏させると、メロディーパート
が浮き出た自動編曲演奏装置を構成することができる。
【0432】さらに、この発明の一実施例によれば、図
78により説明した「音量パラメータ変化付与処理1
6」の手法は、音量や音程だけでなく、他の演奏パラメ
ータについても適用可能であり、一般的に、メロディパ
ートや伴奏パートに応じて演奏パラメータを変えるとい
う表情付けを行うことができる。つまり、マルチパート
の中でメロディを浮き立たせる1つの方法として、メロ
ディーパートの遠近感を近づけ伴奏パートの遠近感を遠
ざける方法に対して、演奏データ(MIDIデータ等)
からメロディーパートを検出し(ステップS171)遠
近感を算出し(ステップS172)、これに応じて演奏
パラメータの変化を付与する(ステップS173)こと
により、これを実現することができる。
【0433】ここで、遠近感の設定方法には音量や音程
以外にいろいろ考えられるが、例えば、リバーブの深さ
を変更する方法がある。リバープが深いほど遠くに感じ
る。また、LPF、HPFが設定できるなら、このよう
なフィルタを用いて低域を強調したすれば近い感じが得
られ、逆に、低域を弱くすると遠い感じになる。これ
は、LPFやHPFでなく、イコライザ(等価器)を用
いても同様に実現することができる。また、リバーブな
どと組み合わせて設定すると、より一層効果が大きくな
る。
【0434】(S)フィンガリングに応じたパラメータ
処理 図79は、音量パラメータ変化付与処理17の手順を示
すフローチャートであり、本音量パラメータ変化付与処
理17では、フィンガリングに応じた音量変化により生
々しい演奏を再現するという表情付けを行う。
【0435】同図において、まず、選択演奏データ中、
演奏操作が困難と考えられる音高を検出する(ステップ
S181)。演奏操作が困難と考えられる音高とは、具
体的には、たとえばピアノ演奏やギター演奏における小
指で演奏する音高や、ピアノ演奏における特に速いアル
ペジオに相当する音高を言う。もちろん、他の判定基準
を用いてもよい。
【0436】次に、検出された音高の音量が他の音高の
音量よりも相対的に小さくなるような変化値を決定する
(ステップS182)。
【0437】そして、決定された変化値に応じて音量パ
ラメータ(具体的には、検出された音高に対応するノー
トイベント中のベロシティ)を修正する(ステップS1
83)。
【0438】この発明の一実施例においては、この音量
パラメータ変化付与処理17に対し、音色について、フ
ィンガリングを考え指に応じて音程のランダム性を変え
る表情付けを行うことができる。例えば、フレットのな
い弦楽器の生演奏に倣うと、フィンガリングに応じて、
高くなりがちな音と低くなりがちな音があり、特に、速
いフィンガリングの時にはこのようなことが起こりやす
い。従って、このようにフィンガリングを考えた音程の
変化を与えることによって、より生々しい演奏を再現す
ることができる。また、木管楽器でも、押さえる穴の組
み合わせによって、高くなりがちな音と低くなりがちな
音がある。金管楽器でも管の長さのポジションによっ
て、同様であるので、このような表情付けは、弦楽器に
限られたことではない。
【0439】このようなフィンガリングを考えて音程の
ランダム性を変えるには、演奏データ(MIDIデータ
等)からフィンガリングを判断し(ステップS181に
相当)、このフィンガリングに応じた音程変化を算出し
(ステップS182に相当)、算出された音程変化に基
づいた音程パラメータを付与することによって、フィン
ガリングに応じて音程を自動変化させる処理を行う。
【0440】例えば、チェロの場合、図80のような楽
譜に対して、第1ポジションといわれるフィンガリング
を行うとしたときは、「ミ」→1(人差し指)、「フ
ァ」→2(中指)、「ソ」→4(小指)という具合のフ
ィンガリングになる。この場合、人間の指の構造上、人
差し指、中指、薬指及び小指は等間隔に開かず、中指と
薬指との間が他より狭くなる。その結果、図80の楽譜
では、「ファ」の音程が高めにずれやすい傾向を待つ。
熟練した演奏者はこのような現象を知っているので、訓
練によって補正することが可能であるが、熟練度によっ
て、この音程のずれが顕著になる。逆に、薬指の場合に
は、音程が下がる傾向があるので、そのような傾向を登
録することによって、奏者の下手さを再現することがで
きる。
【0441】この処理は下手さの再現であるので、あま
り度合いが強いと好ましい結果は得られない。しかし、
適度な下手さは、自然な演奏形態として表現されるの
で、この下手さ加減をパラメータによって調整すること
ができるように構成するのが良い。
【0442】また、フィンガリングのポジションが移動
する場合には、ポジション移動に応じた音程変化の音が
加わることがあるので、フィンガリングを判断した後、
このフィンガリングのポジション移動の大きさを評価し
てポルタメント(又はスライド)を付加し(ステップS
182に相当)、これに基づいた音程パラメータを付与
することによって、ポジション移動の評価に応じて音程
を自動変化させる処理を行うのがよい。このようにポジ
ション移動を評価することによってポジション移動量に
応じた音程変化を発生させる際、例えば、フレットのな
い弦楽器の場合には、ポルタメント的に連続的な音程変
化を加えるのが好ましく、また、フレットのある弦楽器
の場合には、フレットの音程に対応した階段的変化の音
程変化を加えるのが好ましい。
【0443】なお、フィンガリング判断によって開放弦
と評価された場合には、ビブラートを禁止すると、より
自然な表情を再現することができる。また、管楽器の場
合、フィンガリングでレジスターチューブの開閉をまた
ぐ際には、滑らかなスラー演奏が難しくなる。そこで、
滑らかなスラーの許可、不許可も、フィンガリングの評
価によって行うと、実感的な演奏を再現することができ
る。
【0444】さらに、この発明の一実施例によれば、音
量パラメータ変化付与処理17の手法を応用して、フィ
ンガリングを考え、低いポジションで大きなベロシティ
(Velocity)のときに、「びびり」(ノイズ
音)や「チョッパー」を加える表情付けを行うことがで
きる。例えば、第1ステップで演奏データ(MIDIデ
ータ等)からフィンガリングを判断し(ステップS18
1に相当)、第2ステップでは、低いポジションで大き
なベロシティを検出してこれに応じたノイズを算出し
(ステップS182に相当)、第3ステップにおいて、
これを演奏データに付加する(ステップS183に相
当)ことにより、フィンガリングに応じてノイズを自動
的に付加するシステムを構成することができる。
【0445】弦楽器の生演奏に倣うと、フレットの有無
に関わらず、低いポジションで強くはじくと弦が指板に
当たる音が出やすくなる。そのようなフィンガリングを
考えたノイズ付加を行うことによって、より生々しい演
奏を再現することができる。また、木管楽器でも、押さ
える穴の組み合わせによって、高くなりがちな音と低く
なりがちな音があり、金管楽器でも、管の長さのポジシ
ョンによって、同様であって、このような演奏形態は、
弦楽器に限られたことではない。
【0446】また、音色がベースギターの場合、ノイズ
を加える代わりに、音色をチョッパーベースに切り替え
るという方法も効果的である。この場合には、第2ステ
ップ(ステップS182に相当)で低いポジション且つ
大きなベロシティの検出に応じて音色を一時的に変更す
るフィンガリング応答自動音色変更システムを構成すれ
ばよい。なお、フィンガリング判断で開放弦と評価され
た場合には、開放弦用の音色に変更することも効果的で
ある。
【0447】(T)弓の返しに伴う処理 図81は、音量パラメータ変化付与処理18の手順を示
すフローチャートであり、本音量パラメータ変化付与処
理18では、弓を用いて演奏する弦楽器の演奏データの
場合に、弦楽器の弓の返しに応じた音量変化により運弓
感を再現するという表情付けを行う。このように、本音
量パラメータ変化付与処理18では、弓の返しに応じた
音量変化を付与するため、選択演奏データが弓を用いて
演奏する弦楽器用のものでなければならない。したがっ
て、本音量パラメータ変化付与処理に入る前に、選択演
奏データがこの種のものであるか否かをチェックし、こ
の種のものであるときにのみ、以下の処理に移行するよ
うにする。
【0448】同図において、まず、元の音量値(ベロシ
ティ値)から弓の移動速度を算出し、その値を用いて弓
の折り返し位置を検出する(ステップS191)。具体
的には、算出した移動速度に基づいて弓の軌跡を算出
し、この軌跡と弓の長さを示すパラメータとを比較する
ことにより、弓の折り返し位置を検出し、この時刻を求
める。なお、実際には、弓の圧力も考慮する必要がある
が、本実施の形態では、単純化のため省略している。も
ちろん、この弓の圧力を考慮するようにしてもよい。
【0449】次に、検出位置毎に、弓の折り返し位置近
傍の演奏データを読み出し、変化付与パターンを用いて
変化量を決定する(ステップS192)。図82は、こ
の変化付与パターン(テーブルデータ)の一例を示す図
であり、縦軸は音量変化値を示し、横軸は時間を示して
いる。同図に示すように、音量変化値を示す曲線は、弓
の折り返し位置(図中央位置)でその音量変化値が最小
となっている。なお、生演奏の場合には、弓返しを気づ
かせない方が、よりよい表情付けになる場合もあるの
で、図82のテーブルデータを用いる際には、その縦軸
をスケーリングして、表現の効果を調整することが望ま
しい。
【0450】そして、決定された変化量に応じて音量パ
ラメータ(ベロシティ)の値を修正する(ステップS1
93)。
【0451】なお、単純に音量から弓の速さを算出した
のでは、好ましくない時間に弓の折り返しが発生する場
合があるので、弓の速さは音量とは無関係に調整できる
ようにした方が好ましい。
【0452】(U)対応歌詞情報に伴うパラメータ処理 図83は、音量パラメータ変化付与処理19の手順を示
すフローチャートであり、本音量パラメータ変化付与処
理19では、歌詞を伴う演奏データの場合に、歌詞の内
容に応じて抑揚を変更するという表情付けを行う。
【0453】同図において、まず、解析演奏データ(選
択演奏データ)内に歌詞情報があるか否かを判別し(ス
テップS201)、歌詞情報がないときには、本音量パ
ラメータ変化付与処理19を直ちに終了する一方、歌詞
情報があるときには次のステップS202に進む。
【0454】ステップS202では、歌詞情報内の単語
から、音量変化を付与すべき単語を検出する。この検出
方法としては、たとえば、音量変化を付与することが好
ましい単語のリストが予め作成され、そのリストと歌詞
情報内の単語とを照らし合わせることにより、音量変化
を付与すべき単語を検出する方法が挙げられる。
【0455】次に、検出された単語毎に使用する音量変
化パターンを読み出して、音量の変化値を決定する(ス
テップS203)。具体的には、上記リスト内の単語毎
に、どのような音量変化を付与すべきかを記載した音量
変化パターン(テーブル)が用意され、ステップS20
2では、この音量変化パターンを読み出して、音量の変
化値を決定する。音量変化パターンには、たとえば、単
語が発音されている間の音量変化曲線が記録され、この
曲線の時間軸(縦軸が音量変化値を表わし、横軸が時間
を表わすものとする)を伸縮することにより、音量の変
化値を決定する。なお、音量の変化値の決定には、単語
位置に対応した音符の元の音量も考慮することが望まし
い。
【0456】そして、決定された変化値に応じて音量パ
ラメータ(エクスプレッションデータ)を修正する(ス
テップS204)。
【0457】この発明の一実施例によれば、図83で説
明した音量パラメータ変化付与処理19の手法は、音程
変化の付与するのに適用し、作曲システムにおいて、詩
を入力すると、単語の抑揚データ、音節データから、微
妙に音程を変化させるように構成することができる。歌
を伴う曲の場合、同じメロディーでも、歌詞の内容によ
って抑揚を変えた方が自然な場合があり、抑揚をピッチ
の微妙な変化によって実現することも良い方法である。
そこで、ある単語を音節単位に音程係数とともに登録し
ておき、演奏データの中にその単語が出現すると、音程
を(微妙に)変化させるように構成するのである。ここ
で、単語に従った音程変化とは、単語単位で音程を変更
するのではなく、単語の音節に対応する音符の時間内で
の音程変化を意味している。
【0458】(V)種々の実施の形態 なお、上記音量パラメータ変化付与処理1〜19の処理
によって、選択演奏データに各種音量変化を伴う表現処
理を施すと、選択演奏データ全体に亘って非常に大きな
音量が付与されていたり、逆に、非常に小さな音量が付
与されていたりする場合があり得る。これを防止するた
めには、選択演奏データ全体の音量の平均値を算出し、
この平均値が所望の値になるように、選択演奏データ全
体の音量に対してオフセットを加えるようにすればよ
い。そのときに、ある一部の音量が音源回路7が出力可
能な最大値や最小値を超えることがあり得るので、選択
演奏データ全体の音量の平均値を算出するときには、選
択演奏データ全体を通しての最大値と最小値を求めてお
くとよい。そして、オフセットを加える場合には、最大
値にオフセットを加えた結果が音源回路7の最大値を超
えなければ問題ないし、超えるときには、超えない最大
の値をオフセット値として全体に加えるという処理を行
えばよい。また、最大値がある一瞬だけしか音源回路7
の最大値を超えないときには、その値だけを音源回路7
の最大値でクリップする方が好ましい場合もあるので、
最大値を超えている時間が、選択演奏データ全体に亘っ
て再生したときの時間の何%まで許すかという許容時間
(閾値)を予め決めておくようにしてもよい。最小値に
ついても同様である。
【0459】また、選択演奏データに想定されている楽
器の種類応じて、選択演奏データに適用可能な表現付け
の種類を規定するようにしてもよい。たとえば、ピアノ
の音色では、一旦発音した後に、その音符をクレッシェ
ンドすることは非現実的である。もっとも非現実的な効
果を狙うのであれば、それでもよいが、ピアノ音をシミ
ュレートする場合には、ある音符に対して、その発音後
に音量変化させることは禁止した方が好ましい。そのた
めには、音色毎に音量制御用のフラグを設けるようにす
ればよい。このフラグにより、たとえば、上記減衰音の
場合には、発音後の音量制御を禁止し、持続音の場合に
は、発音後の音量制御を許可するというように、音量制
御を行うか否かを決定する。図84は、発音後の音量制
御を規定するためのテーブルデータの一例を示す図であ
り、上記音量制御用のフラグには、このテーブルデータ
から読み出された値が設定される。さらに、このテーブ
ルデータを用いて、発音後に音量制御が不許可とされる
音色に対して、そのようなデータが既に設定されている
場合には、当該ノートオンからノートオフまでの範囲内
に含まれる音量制御データをすべて消去する、という掃
除機能を設け、不自然さを自動的に解消するようにして
もよい。
【0460】さらに、本実施の形態(音量パラメータ変
化付与処理1〜19)では、この発明を音量パラメータ
の制御にのみ適用するようにしているが、これに限ら
ず、この発明は、音量パラメータ以外のパラメータ、た
とえば、ピッチ、効果(リバーブ、コーラス、パンニン
グ等)、音色等に関するパラメータの制御に対しても有
効である。
【0461】また、オーケストラスコアを演奏データに
して、音源回路7で再生するような場合に、パート数が
多数になると、個々のパートに個別な音量制御を行うこ
とがあまり有効でない場合もある。そのような場合、従
来は、1つのパート用に作成した音量制御用データ(特
に、エクスプレッションデータやピッチベンドデータ)
をコピーして、他のパートに適用させていた。しかし、
それでは同じデータが多数複製されるという無駄が生じ
るので、複数のパートをグループ化して、1つの音量制
御用データで複数のパートを制御する仕組みとした方が
よい。
【0462】〔実施態様3〕この発明による更に別の実
施例(a)〜(e)を、「実施態様3」として、以下に
説明する。
【0463】(a)「アクセントの音は微妙に音をうわ
ずらせる」:アクセントを表現するためには、一般に
は、音量を強調することを主体にしているが、生の演奏
表現に倣って更に音程の変化を伴うような表情付けを行
うと、より自然な表情を実現することができる。また、
アクセントに限らず、一般に音量を変化させると言われ
る演奏表現では、実際には、音程の変化を伴っているこ
とが多い。そのために、演奏記号に音量変化の処理を対
応させるとともに、同時に音程変化の処理も対応させる
ことが望ましい。そこで、この発明の一実施例において
は、音符データからアクセントを検出すると、音量及び
音程の時間変化を算出し、これらの変化に基づいて表情
付けを行うようにしている。
【0464】図85は、この発明の一実施例によるアク
セント音について微妙に音をうわずらせる処理の例を示
すフローチャートである。まず、ステップKk1におい
て、選択した演奏データ中から音量変化を付与したい区
間を指定し、続くステップKk2では、指定された区間
から音量変化(アクセント)が付与されている部分を検
出し、例えば、図86に示すように、この部分の音量及
び音程の時間変化を算出する。なお、このように区間を
指定しないで、演奏データ全般を解析区間としてもよ
い。
【0465】さらに、ステップKk3では、検出した部
分毎に、音量変化に相当する音程変化傾向を決定する。
この音程変化傾向の決定は、音量変化傾向を用いて演算
により決定する方法や、音量変化傾向に相当する予め用
意された音程変化の変化付与パターンを読み出して決定
する方法などがある。そして、ステップKk4におい
て、決定された内容に基づいて検出部分の音程パラメー
タを変更し、ステップKk5に進んで、終了操作があっ
たと判断されるとこの処理を終了し、そうでなければ、
ステップKk2に戻り、ステップKk2〜Kk5の処理
を繰り返す。
【0466】なお、このようなアクセント音に対する処
理は、鍵盤楽器などのように、音程がずれる要素の少な
いものでは、この機能を使わない方が自然である。ま
た、アクセントに限らず、拍子の頭の音符や、連符の頭
の音符に対して、自動的にアクセント的な処理を施すこ
とも有効である。さらに、5連符、7連符のように大き
な数の連符に対しては、2連符+3連符とか、2連符+
2連符+3連符などのように小さい数の連符に分解し
て、本来の頭の音符には普通のアクセント処理を施し、
分解された頭の音符にはやや弱いアクセント処理を施す
と、拍感が出やすくなるので有効である。
【0467】音程を変化させる際に、音量も同時に変化
させるということに関して、ビブラートやポルタメント
の際、音程に動きがあるときには、音量をやや下げる
と、より自然な表現が可能になる。これを実現するに
は、音符データからビブラートなど音程変化を行う表現
記号を検索する処理を行い、検索された表現を伴う音符
の音程変化の大きさを算出し、これに基づいて音量を下
げるようにすればよい。ここで、この音程変化の算出に
は、HPFによる抽出を用いるのが好ましいが、HPF
の出力の変化が激しすぎる場合には、HPFの後段にL
PFを配置することが望ましい。
【0468】(b)「ダブルチョーキングでは、音程変
化を平行にしない/勝手にチャンネルを分ける」:ギタ
ーの奏法において、2本の弦を同時に発音し而も同時に
チョーキング奏法を行った場合には、2つの音程間隔が
平行になるように変化させることは、生楽器では不可能
である。この発明の一実施例においては、このような事
実に倣って、ダブルチョーキングの際には、わざと音程
変化のタイミングをずらすことよって、自然な演奏表現
を再現させることができる。例えば、ダブルチョーキン
グがあった場合、図87に示すように、ダブルチョーキ
ングの上音と下音で、音量の時間変化タイミングをずら
すのである。このように「タイミングをずらす方法」
は、同じ時間変化ではあるが変化開始の時刻をずらすよ
うにしても良いし、図87のように時間変化の形状その
ものが異なっていても良い。
【0469】図88は、この発明の一実施例によるダブ
ルチョーキングでは平行にしない処理の例を示すフロー
チャートである。この処理がスタートすると、ステップ
Ll1において、選択された演奏データ中からダブルチ
ョーキング部を検出する。ここで、ダブルチョーキング
部が複数検出された場合には、検出された各部毎にステ
ップLl2以下の表情付与処理を行う。また、検出され
た複数部から、表情付与処理行いたい部分を選択できる
ようにしてもよい。
【0470】次のステップLl2においては、まず、ダ
ブルチョーキングにおける上下の二音に異なる音程(又
は音量)変化を付与するために、上下各音を別々のパー
トに分離して記憶し、次に、各パートに音程(音量)変
化傾向を決定する。この変化傾向については、図87に
示すように時間変化タイミングがずらされるが、図87
のような変化傾向を、予め変化傾向パターンとして記憶
しておいてもよいし、演算で求めるようにしてもよい。
このようにして、変化傾向パターンが決定されると、ス
テップLl3にて、決定された変化傾向に基づいてダブ
ルチョーキング部の音程(音量)パラメータを変更し、
この処理を終了する。
【0471】なお、「弦の性質」というパラメータを設
定し、このパラメータをチョーキングのカーブに対応づ
けると、実感的になる。また、目標となる音程自体を本
来の音程差からずらしておいた方が、より自然な感じに
なる。つまり、図87の例においては、上音と下音との
音程間隔は5度であるが、音程が変化している最中は5
度からずれることになるが、音程変化が終了した時点で
も5度からずれた状態にしておくと、より自然な感じが
得られる。
【0472】また、上述した「タイミングをずらす方
法」を自動的に実現するためには、2本の弦に対応する
音程変化を独立に行う必要があるので、2つのMIDI
トラックに自動的に分離させる必要がある。このため、
この発明の一実施例においてはダブルチョーキングに対
して、勝手にチャンネルを分けるように構成している。
つまり、演奏データ(MIDIデータ等)からダブルチ
ョーキングを検出すると、表情付けがなされた複数パー
トの演奏データを生成させ、複数ダブルチョーキングを
複数パートに自動的に割り振るのである(ステップLl
2参照)。
【0473】(c)「連続したチョーキングでは、音程
変化を不均一にする」:例えば、図89に示す連続した
チョーキングの譜例では、本来は、チョーキングが4回
繰り返しており、全て同じ音程変化を行うべきである
が、実際の演奏に倣うと、必ずしも同じ音程変化になっ
ているわけではなく、むしろ、毎回微妙に音程が異なる
場合が多く、その方が自然な演奏に聞こえる。そこで、
この発明の一実施例においては、このような事実に倣っ
て、チョーキングの指定が連続して現れる部分を検索
し、毎回のチョーキングの音程変化が同じにならないよ
うに、音程に不均一性を加えることによって、自然な演
奏表現を再現させることができる。このような表現付け
は、図89の例では、チョーキングのかかった真ん中の
音「レ」の音程から微妙に高くなったり、低くなったり
変化を与えることによって実現される。
【0474】図90は、この発明の一実施例による連続
チョーキングでは音程変化を不均一にする処理の例を示
すフローチャートである。この処理では、まず、ステッ
プMm1において、選択された演奏データ中から連続し
てチョーキングが行われている部分を検出する。ここ
で、連続チョーキング部が複数検出された場合には、検
出された各部毎にステップMm2以下の表情付与処理を
行う。また、検出された複数部から、表情付与処理行い
たい部分を選択できるようにしてもよい。
【0475】次のステップMm2では、チョーキングが
連続している回数や音程の変化傾向に基づいて、変化付
与テンプレートを選択したり、所定の演算を行ったりす
ることで、付与する音程の変化傾向を決定する。そし
て、ステップMm3において、決定された変化傾向に基
づいて、検出されたチョーキング連続部の音程パラメー
タを変更し、この処理を終了する。
【0476】(d)「アルペジオでは、倍音を別チャン
ネルで鳴らす」:例えば、図91(1)に示すアルペジ
オの譜例に示されるような音形のアルペジオを演奏した
とすると、生楽器の場合には、各音の共通の倍音である
図91(2)の「ソ」の音がずっと響くという現象が起
こる。そこで、この発明の一実施例では、演奏データ
(MIDIデータ等)からアルペジオの共通倍音を検出
し、この倍音の音を別の音源パートに割り振って別パー
トにて小さな音量で鳴らすことにより、このように倍音
が鳴り続いている現象をシミュレートすることができ
る。
【0477】図92は、この発明の一実施例によるアル
ペジオでは倍音を別チャンネルで鳴らす処理の例を示す
フローチャートである。この処理では、まず、ステップ
Nn1において、選択された演奏データ中からアルペジ
オ部を検出する。ここで、アルペジオ部が複数検出され
た場合には、検出された各部毎にステップNn2以下の
表情付与処理を行う。また、検出された複数部から、表
情付与処理行いたい部分を選択できるようにしてもよ
い。ステップNn1に続くステップNn2で各音の共通
の倍音を抽出した後、ステップNn3にて、抽出した倍
音を選択演奏データの新規パートで発音させるよう記憶
し、この処理を終了する。
【0478】(e)「楽譜のシンボルによって音色を選
択する」:楽譜のシンボルと音色との対応を考察する
と、例えば、バイオリン等の擦楽器の楽譜において、図
93に示すarco(弓で弦を擦るアルコ奏法)とpi
zz.(pizzicato:弦をはじくピチカート奏
法)の切り替え譜例の場合、第1小節は運弓(擦弦)に
よる演奏が指示され、第2小節は撥弦(弦をはじくこ
と)による演奏(ピチカートストリング)が指示され、
そして、第1小節は再び運弓(擦弦)による演奏が指示
されていることになる。ここで、楽譜上に「piz
z.」と表示されていると、自動的に音色をピチカート
ストリングに変更すると便利であり、また、「arc
o」と表示されておれば、再び、擦弦音色に戻すように
すると便利である。例えば、現状のGMシステム(MI
DI音源標準化規格)の音色では、ピチカート音色は1
つしかなく、擦弦音色は多くの種類が用意されている。
従って、ピチカートストリングに変更したときには、
「arco」が表示されると、どの音色に復帰するかを
記憶する手段を用意しておくべきである。
【0479】そこで、この発明の一実施例によると、演
奏データ(MIDIデータ等)から、ピチカート奏法を
示すデータ(「pizz.」記号)を検索し、このデー
タが検出されると現状の音色を保持した上ピチカート用
の音色を設定して表情付けを行うことにより、ピチカー
ト記号に応じて自動的に音色を変更するように構成する
ことができる。なお、GMシステムのようにピチカート
音色が1に限るということがない場合には、ピチカート
記号に対応する音色を別途登録しておくことが好まし
い。
【0480】また、このような楽譜シンボルと音色の対
応関係は、上述の「pizz.」に限った話ではなく、
べース音色を一時的にチョッパーべース音色に変更する
場合にも、この仕組みをそのまま使うことができる。そ
の他、ストリングスパートを一時的にソロ音色にする場
合もあるし、コルレーニョなど特殊奏法の音色にする場
合など、様々の態様がある。さらに、似た機能として、
ピアノのペダル記号をコントロールチエンジのダンパオ
ンに対応して自動設定することなども有効である。従っ
て、この発明の一実施例では、楽譜のシンボルによって
これに対応する所定の音色を選択するシステムが提供さ
れる。
【0481】図94は、この発明の一実施例による楽譜
のシンボルに応答して音色を選択する処理の例を示すフ
ローチャートである。この処理がスタートすると、ま
ず、ステップPp1において、選択された演奏データ中
から音色の変更を指示する所定の音楽記号(それに相当
するデータ)Aを検出する。ここで、複数部が検出され
た場合には、検出された各部毎にステップPp2以下の
表情付与処理を行う。また、検出された複数部から、表
情付与処理を行いたい部分を選択できるようにしてもよ
い。
【0482】次のステップPp2では、ステップPp1
で検出された音色の変更指示を行う音楽記号のそれぞれ
に対応して、音色を基に戻すための音楽記号Bを検出す
る。そして、続くステップPp3において、ステップP
p1,Pp2で検出された音楽記号A,Bの位置にあわ
せて、対応する音色の変更データを挿入する。例えば、
変更を指示する音楽記号Aの位置から、それに対応して
音色を復帰させる音楽記号Bの位置までの間には、変更
後の音色を表わす音色変更イベント(プログラムチェン
ジデータおよびバンクセレクトデータ)を挿入し、音楽
記号Bの位置以降は復帰後の音色を挿入する。ここで、
変更後の音色は、音楽記号毎に予め決められているもの
を使用し、復帰後の音色については、変更前の音色を保
持しておき、それを挿入する。
【0483】(f)「ピアノではサスティンペダルの場
所を勝手に計算する」:ピアノ楽譜において、ペダル記
号が付いているものであれば、その記号の位置にてコン
トロールチエンジによるダンバー制御を行えばよいが、
ペダル記号が省略されている楽譜データもある。そこ
で、この発明の一実施例によれば、このような楽譜に対
応するため、フレーズを解釈して自動的にダンパ制御位
置を算出することにより、表現の幅を広げることができ
る。例えば、演奏データ(MIDIデータ等)からフレ
ーズを解釈してフレーズの区切りを検出し、フレーズの
開始位置ではダンパオン(サスティンペダルオン)と
し、フレーズ終端位置ではダンパオフ(サスティンペダ
ルオフ)とするように、演奏データに対して自動的にダ
ンパ制御を行う。
【0484】(g)「スコア譜を入力すると、自動的に
楽器をアサインする」:この発明の一実施例において
は、楽譜編集装置において、スコア譜の段数を設定する
だけで、これを典型的なスコア譜と比較し、音源の音色
を自動的に設定するように構成される。また、このよう
にスコア譜入力に応じて自動的に楽器音色をアサインさ
せた後、さらに、音符を入力すると、その旋律が、設定
した音色らしい旋律か否を学習結果と比較しながら、確
からしさを評価するように構成される。
【0485】〔種々の実施態様〕なお、上述した実施の
形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコード
を記録した記憶媒体を、システムまたは装置に供給し、
そのシステムまたは装置のコンピュータ(またはCPU
1やMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコード
を読出し実行することによっても、この発明の目的が達
成されることは言うまでもない。
【0486】この場合、記憶媒体から読出されたプログ
ラムコード自体がこの発明の新規な機能を実現すること
になり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体はこ
の発明を構成することになる。
【0487】プログラムコードを供給するための記憶媒
体としては、たとえば、前記フロッピーディスク、ハー
ドディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−RO
M、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、
ROM2などを用いることができる。また、他のMID
I機器17や通信ネットワーク19を介してサーバコン
ピュータ20からプログラムコードが供給されるように
してもよい。
【0488】また、コンピュータが読出したプログラム
コードを実行することにより、上述した実施の形態の機
能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指
示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOSなどが
実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって
上述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれる
ことは言うまでもない。
【0489】さらに、記憶媒体から読出されたプログラ
ムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボード
やコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わる
メモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に
基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わ
るCPU1などが実際の処理の一部または全部を行い、
その処理によって上述した実施の形態の機能が実現され
る場合も含まれることは言うまでもない。
【0490】
【発明の効果】以上、この発明の好適な種々の実施例を
あげて説明したように、この発明によると、所定の特徴
情報と表情付けのための楽音制御情報との対応関係を表
情付けモジュール(表情付けアルゴリズム)におけるル
ールとして設定され、この表情付けルールを表わす生成
方法情報が記憶手段に予め記憶されており、供給された
演奏データの特徴情報を取得すると、取得された特徴情
報に対応する生成方法情報に基づき、表情付けモジュー
ル(表情付けアルゴリズム)に従って、楽音制御情報
(時間パラメータ、音程パラメータ、音量パラメータ等
の各種演奏パラメータ)が生成され、演奏データに付加
される。従って、取得された特徴情報に応じて、ユーザ
が初心者であっても簡単な操作で曲に多様な表情付けを
行うことができ、より音楽的な演奏データを自動的に作
成することができる。さらに、楽音制御情報が付加され
て出力される演奏データを評価し、評価結果に応じて、
楽音制御情報を調節するようにしているので、最適の楽
音制御情報による表情付けを行うことができる。
【0491】また、この発明においては、演奏データの
特徴には、音符時間情報としての音符密度や2音間隔、
演奏の進行状態、微小震動音情報としてのロングトーン
のトリル、ピッチベンド、ビブラート等、フレーズの区
切り(フレーズ終端部)、音高情報、音高変化方向転換
情報(音高上下降変化部)、同一又は類似のパターンの
連続や類似フレーズ、登録音形(フレーズテンプレー
ト)、音量情報、雰囲気情報としての「緊張感」、音符
群列情報(まとまった音符、長い連符)、和音音数情
報、音色情報、フィンガリング情報としての指、ポジシ
ョン移動、ポジション等、奏法情報としてのギターのプ
リングオフ、ハンマリングオン、ピアノのサスティンペ
ダル等、微小変動音情報としてのトリル、歌詞情報、強
弱記号やスタッカート等の演奏記号、等々があり、これ
ら種々の特徴に従って、多彩且つ多様な表情のある演奏
出力を得ることができる。
【0492】また、この発明によれば、既に供給されて
いる演奏データの所定の特徴情報と楽音制御情報との関
係を記憶しておき、新たに供給された演奏データの特徴
を抽出すると、記憶手段に記憶された関係に従って、楽
音制御情報を生成し、新たに供給された演奏データに付
加するようにしているので、学習機能によりテンポを設
定する表情付けを行うことができる。また、演奏データ
に関して所定の特徴情報と楽音制御情報との関係をライ
ブラリに記憶しておき、供給された演奏データの特徴情
報を抽出すると、ライブラリを参照することによって、
楽音制御情報を生成し、演奏データに付加するようにし
ているので、ライブラリを用いてテンポを設定する表情
付けを行うこともできる。
【0493】この発明によれば、供給された演奏データ
の所定の特徴情報に基づき楽音制御情報を生成し、生成
された楽音制御情報及び供給された演奏データの楽音制
御情報を演奏データ全体で対比し、この対比結果に基づ
いて、生成された楽音制御情報を修正するようにしてい
るので、演奏データ全体を見直して、演奏データを見通
した上、バランスのとれた最適な楽音制御情報を設定す
ることができる。
【0494】さらに、この発明によれば、供給される演
奏データから、発音長、同音色パート、メロディパー
ト、音量変化(アクセント)、ダブルチョーキング、連
続して行われるチョーキング、アルペジオ演奏、音色変
更/復帰指示用音楽記号情報などの特徴を抽出し、これ
らの特徴情報に基づいて、音量パラメータ、音程パラメ
ータ、別パートでの倍音発音、音色データなどを編集す
ることにより、さらに、多彩且つ多様な表情のある演奏
出力を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の一実施例による演奏データ
作成システムのハードウエア構成を示すブロック図であ
る。
【図2】図2は、この発明の演奏データ作成システムに
よる機能の概要を示す機能的ブロック図である。
【図3】図3は、この発明の実施例(1)において使用
される譜例を示す図である。
【図4】図4は、この発明の実施例(1)において使用
される「音符密度−テンポ係数」テーブルの例を示す図
である。
【図5】図5は、この発明の実施例(1)による音符密
度応答処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】図6は、この発明の実施例(1)による音符密
度応答処理の他の例を示すフローチャートである。
【図7】図7は、この発明の実施例(2)による曲の進
行状態に応答する処理を示すフローチャートである。
【図8】図8は、この発明の実施例(2)における曲の
進行に従ったテンポ変化の例を示す図である。
【図9】図9は、この発明の実施例(3)における音符
時間間隔とテンポの関係を示す図である。
【図10】図10は、この発明の実施例(4)によるロ
ングトーンのトリル/ビブラートに対する処理を示すフ
ローチャートである。
【図11】図11は、この発明の実施例(4)における
ロングトーンのトリル/ビブラートに対するテンポ変化
曲線を示す図である。
【図12】図12は、この発明の実施例(5)における
フレーズ解釈によるテンポ変化の例を示す図である。
【図13】図13は、この発明の実施例(5)によるフ
レーズ終端部への処理を示すフローチャートである。
【図14】図14は、この発明の実施例(6)による音
域に対応した処理の一例を示すフローチャートである。
【図15】図15は、この発明の実施例(6)において
使用される「音高−テンポ係数」テーブルの例を示す図
である。
【図16】図16は、この発明の実施例(6)による音
域に対応した処理の他の例を示すフローチャートであ
る。
【図17】図17は、この発明の実施例(7)による音
高が上昇から下降に移行する際の処理を示すフローチャ
ートである。
【図18】図18は、この発明の実施例(7)における
音高の上下降とテンポ変化の関係を示す図である。
【図19】図19は、この発明の実施例(8)による同
じパターンが連続した際の処理を示すフローチャートで
ある。
【図20】図20は、この発明の実施例(9)による同
一/類似フレーズへの同一/類似テンポ表現を付与する
処理を示すフローチャートである。
【図21】図21は、この発明の実施例(10)におけ
るフレーズテンプレートの例を示す図である。
【図22】図22は、この発明の実施例(10)による
登録音形を用いた処理を示すフローチャートである。
【図23】図23は、この発明の一実施例による鍵盤楽
器におけるスラーの処理を説明するための図である。
【図24】図24は、この発明の一実施例による管楽器
におけるスラーの処理を説明するための図である。
【図25】図25は、この発明の実施例(11)による
テンポを音量で変化させる処理の一例を示すフローチャ
ートである。
【図26】図26は、この発明の実施例(11)による
テンポを音量で変化させる処理の他の例を示すフローチ
ャートである。
【図27】図27は、この発明の実施例(12)におい
て使用される「緊張感」つまみの例を示す図である。
【図28】図28は、この発明の実施例(12)による
「緊張感」に基づく処理を示すフローチャートである。
【図29】図29は、この発明の実施例(13)による
まとまった音符群に対する処理を示すフローチャートで
ある。
【図30】図30は、この発明の実施例(14)による
長い連符に対する処理を示すフローチャートである。
【図31】図31は、この発明の実施例(15)による
和音の音数に応じた処理を示すフローチャートである。
【図32】図32は、この発明の実施例(16)による
音色に連動する処理を示すフローチャートである。
【図33】図33は、この発明の実施例(17)による
フィンガリングの指に応じた処理を示すフローチャート
である。
【図34】図34は、この発明の実施例(18)による
フィンガリングのポジション移動に応じた処理を示すフ
ローチャートである。
【図35】図35は、この発明の実施例(19)による
フィンガリングのポジションの高低に応じた処理を示す
フローチャートである。
【図36】図36は、この発明の実施例(20)による
ピッチベンドをかける際の処理を示すフローチャートで
ある。
【図37】図37は、この発明の実施例(21)による
ギターのプリングオフに対応する処理を示すフローチャ
ートである。
【図38】図38は、この発明の実施例(22)による
ピアノのサスティンペダル操作に対応する処理を示すフ
ローチャートである。
【図39】図39は、この発明の実施例(23)におけ
る「ビブラート深さ−テンポ係数」テーブルの例を示す
図である。
【図40】図40は、この発明の実施例(23)におけ
る「ビブラート速さ−テンポ係数」テーブルの例を示す
図である。
【図41】図41は、この発明の実施例(23)による
ビブラートの深さ及び速さに応じた処理を示すフローチ
ャートである。
【図42】図42は、この発明の実施例(24)におけ
るストリングスのトリルの再現例を示す図である。
【図43】図43は、この発明の実施例(24)による
ストリングスのトリルに対する複数パートでの処理を示
すフローチャートである。
【図44】図44は、この発明の実施例(25)におけ
る学習機能に基づく処理を示すフローチャーである。
【図45】図45は、この発明の実施例(26)による
ライブラリ化による処理を示すフローチャートである。
【図46】図46は、この発明の実施例(27)による
歌詞に基づく処理を示すフローチャートである。
【図47】図47は、この発明の実施例(28)におけ
る音源出力波形と補正タイミングの関係を表わす図であ
る。
【図48】図48は、この発明の実施例(28)による
音源出力波形に応じた処理を示すフローチャートであ
る。
【図49】図49は、この発明の実施例(29)による
強弱記号列に対応した処理を示すフローチャートであ
る。
【図50】図50は、この発明の実施例(30)による
スタッカートに対応した処理を示すフローチャートであ
る。
【図51】図51は、この発明の実施例(31)による
全体的見直し処理を示すフローチャートである。
【図52】図52は、図1のパラメータ自動編集装置、
特にCPUが実行するメインルーチンの手順を示すフロ
ーチャートである。
【図53】図53は、図2のパラメータ変化付与処理の
手順を示すフローチャートである。
【図54】図54は、演奏データの音量パラメータをそ
の音高の変化に応じて変化させるという表情付けを行う
音量パラメータ変化付与処理1の手順を示すフローチャ
ートである。
【図55】図55は、音高が上昇傾向にあるノートイベ
ント列の一例を示す図である。
【図56】図56は、フィルタ処理が施された後の時系
列データの一例を示す図である。
【図57】図57は、演奏データの音量パラメータの値
を徐々に増大させることにより、興奮度を高めるという
表情付けを行う音量パラメータ変化付与処理2の手順を
示すフローチャートである。
【図58】図58は、変化付与パターンの一例を示す図
である。
【図59】図59は、この発明の一実施例における音符
密度と音程の不安定さの関係の一例を示す図である。
【図60】図60は、連続演奏の細かさに応じて音量を
変化させるという表情付けを行う音量パラメータ変化付
与処理3の手順を示すフローチャートである。
【図61】図61は、音符密度と音量との関係を示すテ
ーブルデータの一例を示す図である。
【図62】図62は、この発明の一実施例において音符
密度と音程の不安定さとの関係を示すテーブルデータの
一例を示す図である。
【図63】図63は、類似フレーズが繰り返し出現する
選択演奏データの場合に、2番目以降の類似フレーズの
音量パラメータを、その類似度および出現態様に応じて
変化させるという表情付けを行う音量パラメータ変化付
与処理4の手順を示すフローチャートである。
【図64】図64は、3拍子の演奏データの場合に、同
一音符長の音符が連続して出現するときには1拍目を強
調するという表情付けを行う音量パラメータ変化付与処
理5の手順を示すフローチャートである。
【図65】図65は、フレーズの終止では、音量を抑え
るという表情付けを行う音量パラメータ変化付与処理6
の手順を示すフローチャートである。
【図66】図66は、ロングトーンに対してトリルまた
はビブラートが付与されているときには、その音量を、
最初大きく、途中小さく、最後大きくなるような表情付
けを行う音量パラメータ変化付与処理7の手順を示すフ
ローチャートである。
【図67】図67は、変化付与パターンの一例を示す図
である。
【図68】図68は、曲の進行経過に対するトリル/ビ
ブラート速さ変化の関係の一例を示す図である。
【図69】図69は、トリルや打楽器のロール演奏時に
自然な表情付けを行う音量パラメータ変化付与処理8の
手順を示すフローチャートである。
【図70】図70は、和音が含まれている演奏データの
場合に、和音に対してその発音をすっきりしたものにす
るという表情付けを行う音量パラメータ変化付与処理9
の手順を示すフローチャートである。
【図71】図71は、スタッカートが含まれている演奏
データの場合に、生のスタッカート演奏を模倣した表情
付けを行う音量パラメータ変化付与処理10の手順を示
すフローチャートである。
【図72】図72は、ロングトーンに対して、その音量
にゆらぎをつけるという表情付けを行う音量パラメータ
変化付与処理11の手順を示すフローチャートである。
【図73】図73は、乱数カウンタのカウント値に応じ
て、乱数カウンタが発生する乱数の振幅を変化させるテ
ーブルデータの一例を示す図である。
【図74】図74は、音程平均に応じた音量表現による
表情付けを行う音量パラメータ変化付与処理12の手順
を示すフローチャートである。
【図75】図75は、パートディビジョンのときには各
パートの音量は下げるという表情付けを行う音量パラメ
ータ変化付与処理13の手順を示すフローチャートであ
る。
【図76】図76は、音色変化に応じた音量表現による
表情付けを行う音量パラメータ変化付与処理14の手順
を示すフローチャートである。
【図77】図77は、ピッチベンド時には音量が変化す
るという表情付けを行う音量パラメータ変化付与処理1
5の手順を示すフローチャートである。
【図78】図78は、マルチパートからなる演奏データ
の場合に、そのメロディラインを浮き立たせるという表
情付けを行う音量パラメータ変化付与処理16の手順を
示すフローチャートである。
【図79】図79は、フィンガリングに応じた音量変化
により生々しい演奏を再現するという表情付けを行う音
量パラメータ変化付与処理17の手順を示すフローチャ
ートである。
【図80】図80は、チェロの運指の例を示す図であ
る。
【図81】図81は、弓を用いて演奏する弦楽器の演奏
データの場合に、弦楽器の弓の返しに応じた音量変化に
より運弓感を再現するという表情付けを行う音量パラメ
ータ変化付与処理18の手順を示すフローチャートであ
る。
【図82】図82は、変化付与パターンの一例を示す図
である。
【図83】図83は、歌詞を伴う演奏データの場合に、
歌詞の内容に応じて抑揚を変更するという表情付けを行
う音量パラメータ変化付与処理19の手順を示すフロー
チャートである。
【図84】図84は、発音後の音量制御を規定するため
のテーブルデータの一例を示す図である。
【図85】図85は、この発明の実施例(a)によるア
クセント音に対する処理を示すフローチャートである。
【図86】図86は、この発明の実施例(a)における
音量及び音程の時間変化の関係を表わす図である。
【図87】図87は、この発明の実施例(b)における
ダブルチョーキングの音程の時間変化の関係を表わす図
である。
【図88】図88は、この発明の実施例(b)によるダ
ブルチョーキングでの処理を示すフローチャートであ
る。
【図89】図89は、この発明の実施例(c)における
連続したチョーキングの例を示す図である。
【図90】図90は、この発明の実施例(c)による連
続したチョーキングでの処理を示すフローチャートであ
る。
【図91】図91は、この発明の実施例(d)における
アルペジオと共通の倍音の例を示す図である。
【図92】図92は、この発明の実施例(d)によるア
ルペジオでの処理を示すフローチャートである。
【図93】図93は、この発明の実施例(e)における
「arco」と「pizz.」の切替えの例を示す図で
ある。
【図94】図94は、この発明の実施例(e)による楽
譜のシンボルによるの音色選択処理を示すフローチャー
トである。
【符号の説明】
1 CPU(解析手段、決定手段、パラメータ編集手
段、抽出手段、算出手段、検出手段、設定手段)、 2 ROM(記憶手段)、 9 FD(記憶手段)を駆動するFDD、HDD、CD
−ROMD等の外部記憶装置(供給手段、読み出し手
段)、 16 MIDIインターフェース(供給手段)、 18 通信インターフェース(供給手段)、 OD 元演奏データ、 ED 表情付け後の演奏データ、 Ko 当初テンポ値、 to テンポ変化開始時点、 ta 最下テンポ値Kdに到達する時点、 tb 目標テンポ値Ktに到達する時点、 ΔK テンポ変化幅、 ΔKt テンポ目標変化量、 n1,n2 ノイズ的音高変化を与える音、 13k 「緊張感」つまみ、 TW 時点tsで立ち上り時点tmで最高音量値に到達
する音源出力波形、 tc 補正タイミングを与える80%音量値到達時点。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 東儀 温 静岡県浜松市中沢町10番1号 ヤマハ株式 会社内 (72)発明者 北山 徹 静岡県浜松市中沢町10番1号 ヤマハ株式 会社内 (72)発明者 岩本 俊幸 静岡県浜松市中沢町10番1号 ヤマハ株式 会社内 (72)発明者 鈴木 則夫 静岡県浜松市中沢町10番1号 ヤマハ株式 会社内 (72)発明者 彌富 あかね 静岡県浜松市中沢町10番1号 ヤマハ株式 会社内 (72)発明者 山内 明 静岡県浜松市中沢町10番1号 ヤマハ株式 会社内 Fターム(参考) 5D378 FF07 FF17 FF19 FF22 HA00 HB36 KK01 KK02 KK05 LA36 LA75 LB18 LB19 LB34 MM02 MM14 MM28 MM30 MM34 MM42 MM48 MM62 MM65 MM68 MM72 PP05 QQ22 QQ23 QQ24 QQ25 QQ26 QQ27

Claims (75)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】演奏データを供給する供給手段と、 供給された演奏データの特徴情報を取得する取得手段
    と、 所定の特徴情報に対応する情報であって、楽音制御情報
    を生成するための生成方法を表わす生成方法情報を、記
    憶する記憶手段と、 取得された特徴情報、及び、この特徴情報に対応する生
    成方法情報から、楽音制御情報を生成する生成手段と、 生成された楽音制御情報を、供給された演奏データに付
    加する付加手段とを具備することを特徴とする演奏デー
    タ作成装置。
  2. 【請求項2】さらに、 前記付加手段により楽音制御情報が付加された演奏デー
    タを出力する出力手段と、 出力された演奏データを評価し、評価結果に応じて、生
    成された楽音制御情報を調節する調節手段とを具備する
    ことを特徴とする請求項1に記載の演奏データ作成装
    置。
  3. 【請求項3】演奏データを供給する供給手段と、 供給された演奏データから、音符の発生時間間隔に相当
    する特徴情報を抽出する抽出手段と、 音符の発生時間間隔に相当する特徴情報に対応する楽音
    制御情報を生成するための生成方法を表わす生成方法情
    報を記憶する記憶手段と、 抽出された特徴情報及び前記生成方法情報に基づき、楽
    音制御情報を生成する生成手段と、 生成された楽音制御情報を、供給された演奏データに付
    加する付加手段とを具備することを特徴とする演奏デー
    タ作成装置。
  4. 【請求項4】前記特徴情報は、所定単位時間あたりの音
    符数を表わす情報であり、 前記生成方法情報は、所定単位時間あたりの音符数が所
    定数を越えている場合に、演奏データの再生テンポの値
    を速くするような楽音制御情報を生成する生成方法を表
    わす情報であることを特徴とする請求項3に記載の演奏
    データ作成装置。
  5. 【請求項5】前記特徴情報は、音符の発音時間間隔を表
    わす情報であり、 前記生成方法情報は、音符の発音時間間隔がせまい場合
    に、演奏データの再生テンポの値を遅くするような楽音
    制御情報を生成する生成方法を表わす情報であることを
    特徴とする請求項3に記載の演奏データ作成装置。
  6. 【請求項6】前記特徴情報は、所定単位時間あたりの音
    符数を表わす情報であり、 前記生成方法情報は、所定単位時間あたりの音符数が所
    定数を越えている場合に、演奏データの音量を徐々に減
    少するような楽音制御情報を生成する生成方法を表わす
    情報であることを特徴とする請求項3に記載の演奏デー
    タ作成装置。
  7. 【請求項7】演奏データを供給する供給手段と、 演奏データの進行状態に対応する楽音制御情報を生成す
    るための生成方法を表わす生成方法情報を記憶する記憶
    手段と、 供給された演奏データの進行状態及び前記生成方法情報
    に基づき、楽音制御情報を生成する生成手段と、 生成された楽音制御情報を、供給された演奏データに付
    加する付加手段とを具備することを特徴とする演奏デー
    タ作成装置。
  8. 【請求項8】前記生成情報情報は、演奏データの進行に
    従って、演奏データの再生テンポを徐々に速くするよう
    な楽音制御情報を生成する生成方法を表わす情報である
    ことを特徴とする請求項7に記載の演奏データ作成装
    置。
  9. 【請求項9】前記生成情報情報は、演奏データの進行に
    従って、音量を徐々に大きくするような楽音制御情報を
    生成する生成方法を表わす情報であることを特徴とする
    請求項7に記載の演奏データ作成装置。
  10. 【請求項10】演奏データを供給する供給手段と、 供給された演奏データから、音長が所定長以上であり且
    つトリル又はビブラートが付与されている部分を抽出す
    る抽出手段と、 音長が所定長以上であり且つトリル又はビブラートが付
    与されている部分に対応する楽音制御情報を生成するた
    めの生成方法を表わす生成方法情報を記憶する記憶手段
    と、 抽出された部分及び前記生成方法情報に基づき、楽音制
    御情報を生成する生成手段と、 前記生成された楽音制御情報を、供給された演奏データ
    に付加する付加手段とを具備することを特徴とする演奏
    データ作成装置。
  11. 【請求項11】前記生成方法情報は、トリル又はビブラ
    ートの経過時間に応じて、演奏データの再生テンポの値
    を最初はゆっくりで徐々に速くするような楽音制御情報
    を生成する生成方法を表わす情報であることを特徴とす
    る請求項10に記載の演奏データ作成装置。
  12. 【請求項12】前記生成方法情報は、音量を、最初は大
    きく、途中は小さく、最後は大きくするような楽音制御
    情報を生成する生成方法を表わす情報であることを特徴
    とする請求項10に記載の演奏データ作成装置。
  13. 【請求項13】演奏データを供給する供給手段と、 供給された演奏データから、ピッチベンドが付与されて
    いる部分を抽出する抽出手段と、 ピッチベンドが付与されている部分に対応する楽音制御
    情報を生成するための生成方法を表わす生成方法情報を
    記憶する記憶手段と、 抽出された部分及び前記生成方法情報に基づき、楽音制
    御情報を生成する生成手段と、 生成された楽音制御情報を、供給された演奏データに付
    加する付加手段とを具備することを特徴とする演奏デー
    タ作成装置。
  14. 【請求項14】前記生成方法情報は、ピッチベンドの変
    化に基づいて、演奏データの再生テンポの値を徐々に遅
    くするような楽音制御情報を生成する生成方法を表わす
    情報であることを特徴とする請求項13に記載の演奏デ
    ータ作成装置。
  15. 【請求項15】前記生成方法情報は、ピッチベンドが深
    く或いは速くかかっている場合に、演奏データの再生テ
    ンポの値を徐々に遅くするような楽音制御情報を生成す
    る生成方法を表わす情報であることを特徴とする請求項
    13に記載の演奏データ作成装置。
  16. 【請求項16】前記生成方法情報は、ピッチベンドの変
    化率が大きいほど、音量を小さくするような楽音制御情
    報を生成する生成方法を表わす情報であることを特徴と
    する請求項13に記載の演奏データ作成装置。
  17. 【請求項17】演奏データを供給する供給手段と、 供給された演奏データからフレーズの区切り部分を抽出
    する抽出手段と、 フレーズの区切り部分に対応する楽音制御情報を生成す
    るための生成方法を表わす生成方法情報を記憶する記憶
    手段と、 抽出された部分及び前記生成方法情報に基づき、楽音制
    御情報を生成する生成手段と、 生成された楽音制御情報を、供給された演奏データに付
    加する付加手段とを具備することを特徴とする演奏デー
    タ作成装置。
  18. 【請求項18】前記生成方法情報は、フレーズの区切り
    部分において、演奏データの再生テンポの値を遅くする
    ような楽音制御情報を生成する生成方法を表わす情報で
    あることを特徴とする請求項17に記載の演奏データ作
    成装置。
  19. 【請求項19】前記生成方法情報は、フレーズの区切り
    部分において、音量を徐々に小さくするような楽音制御
    情報を生成する生成方法を表わす情報であることを特徴
    とする請求項17に記載の演奏データ作成装置。
  20. 【請求項20】前記生成方法情報は、フレーズの区切り
    部分において、フレーズの開始位置にはダンパオンに関
    する情報を、フレーズの終端位置にはダンパオフに関す
    る情報を挿入するような楽音制御情報を生成する生成方
    法を表わす情報であることを特徴とする請求項17に記
    載の演奏データ作成装置。
  21. 【請求項21】演奏データを供給する供給手段と、 供給された演奏データから、所定区間毎の平均音高情報
    又は平滑化された音高情報を算出する算出手段と、 平均音高情報又は平滑化された音高情報に対応する楽音
    制御情報を生成するための生成方法を表わす生成方法情
    報を記憶する記憶手段と、 算出された平均音高情報又は平滑化された音高情報及び
    前記生成方法情報に基づき、楽音制御情報を生成する生
    成手段と、 生成された楽音制御情報を、供給された演奏データに付
    加する付加手段とを具備することを特徴とする演奏デー
    タ作成装置。
  22. 【請求項22】前記生成方法情報は、平均音高情報又は
    平滑化された音高情報の音高が高いほど、演奏データの
    再生テンポの値を速くするような楽音制御情報を生成す
    る生成方法を表わす情報であることを特徴とする請求項
    21に記載の演奏データ作成装置。
  23. 【請求項23】演奏データを供給する供給手段と、 供給された演奏データから、音高の変化傾向に相当する
    特徴情報を抽出する抽出手段と、 音高の変化傾向に相当する特徴情報に対応する楽音制御
    情報を生成するための生成方法を表わす生成方法情報を
    記憶する記憶手段と、 抽出された特徴情報及び前記生成方法情報に基づき、楽
    音制御情報を生成する生成手段と、 生成された楽音制御情報を、供給された演奏データに付
    加する付加手段とを具備することを特徴とする演奏デー
    タ作成装置。
  24. 【請求項24】前記特徴情報は、音高の上昇傾向と下降
    傾向との切替り位置を表わす情報であり、 前記生成方法情報は、音高の上昇傾向と下降傾向との切
    替り位置において、演奏データの再生テンポの値を遅く
    するような楽音制御情報を生成する生成方法を表わす情
    報であることを特徴とする請求項23に記載の演奏デー
    タ作成装置。
  25. 【請求項25】前記特徴情報は、音高の上昇傾向と下降
    傾向との切替り位置を表わす情報であり、 前記生成方法情報は、音高の上昇傾向と下降傾向との切
    替り位置において、切替り位置の音符の音量にアクセン
    トを付与するような楽音制御情報を生成する生成方法を
    表わす情報であることを特徴とする請求項23に記載の
    演奏データ作成装置。
  26. 【請求項26】前記特徴情報は、音高の上昇傾向部分を
    表わす情報であり、 前記生成方法情報は、上昇傾向部分において、音量を徐
    々に大きくするような楽音制御情報を生成する生成方法
    を表わす情報であることを特徴とする請求項23に記載
    の演奏データ作成装置。
  27. 【請求項27】演奏データを供給する供給手段と、 供給された演奏データから、同一又は類似するデータ列
    が連続して存在する部分を抽出する抽出手段と、 同一又は類似するデータ列が連続して存在する部分に対
    応する楽音制御情報を生成するための生成方法を表わす
    生成方法情報を記憶する記憶手段と、 抽出された特徴情報及び前記生成方法情報に基づき、楽
    音制御情報を生成する生成手段と、 生成された楽音制御情報を、供給された演奏データに付
    加する付加手段とを具備することを特徴とする演奏デー
    タ作成装置。
  28. 【請求項28】前記生成方法情報は、連続して存在する
    同一又は類似するデータ列の後側のデータ列に対して、
    演奏データの再生テンポの値を変更するような楽音制御
    情報を生成する生成方法を表わす情報であることを特徴
    とする請求項27に記載の演奏データ作成装置。
  29. 【請求項29】前記生成方法情報は、連続して存在する
    同一又は類似するデータ列の後側のデータ列に対して、
    音量を類似度に応じて変更するような楽音制御情報を生
    成する生成方法を表わす情報であることを特徴とする請
    求項27に記載の演奏データ作成装置。
  30. 【請求項30】演奏データを供給する供給手段と、 供給された演奏データから、類似するデータ列を抽出す
    る抽出手段と、 類似するデータ列の相違点に基づいて、演奏データの再
    生テンポの値を変更するような楽音制御情報を生成する
    ための生成方法を表わす生成方法情報を記憶する記憶手
    段と、 抽出されたデータ列及び前記生成方法情報に基づき、楽
    音制御情報を生成する生成手段と、 生成された楽音制御情報を、供給された演奏データに付
    加する付加手段とを具備することを特徴とする演奏デー
    タ作成装置。
  31. 【請求項31】演奏データを供給する供給手段と、 供給された演奏データから、予め登録されている音形を
    抽出する抽出手段と、 音形に対応する楽音制御情報を生成するための生成方法
    を表わす生成方法情報を記憶する記憶手段と、 抽出された音形及び前記生成方法情報に基づき、楽音制
    御情報を生成する生成手段と、 生成された楽音制御情報を、供給された演奏データに付
    加する付加手段とを具備することを特徴とする演奏デー
    タ作成装置。
  32. 【請求項32】演奏データを供給する供給手段と、 供給された演奏データから、所定区間毎の平均音量情報
    又は平滑化された音量情報を算出する算出手段と、 平均音量情報又は平滑化された音量情報に対応する楽音
    制御情報を生成するための生成方法を表わす生成方法情
    報を記憶する記憶手段と、 算出された所定区間毎の平均音量情報又は平滑化された
    音量情報及び前記生成方法情報に基づき、楽音制御情報
    を生成する生成手段と、 生成された楽音制御情報を、供給された演奏データに付
    加する付加手段とを具備することを特徴とする演奏デー
    タ作成装置。
  33. 【請求項33】演奏データを供給するデータ供給手段
    と、 緊張感パラメータを入力するパラメータ入力手段と、 緊張感パラメータに対応する楽音制御情報を生成するた
    めの生成方法を表わす生成方法情報を記憶する記憶手段
    と、 供給された演奏データ、入力された緊張感パラメータ及
    び前記生成方法情報に基づき、楽音制御情報を生成する
    生成手段と、 生成された楽音制御情報を、供給された演奏データに付
    加する付加手段とを具備することを特徴とする演奏デー
    タ作成装置。
  34. 【請求項34】演奏データを供給する供給手段と、 供給された演奏データから所定の音符群列を抽出する抽
    出手段と、 所定の音符群列に対応する楽音制御情報を生成するため
    の生成方法を表わす生成方法情報を記憶する記憶手段
    と、 抽出された音符群列及び前記生成方法情報に基づき、楽
    音制御情報を生成する生成手段と、 生成された楽音制御情報を、供給された演奏データに付
    加する付加手段とを具備することを特徴とする演奏デー
    タ作成装置。
  35. 【請求項35】前記生成方法情報は、音符群列の最初の
    音符長を長めにし、残りの音符長を音符群列の時間長に
    収まる長さに修正するような楽音制御情報を生成する生
    成方法を表わす情報であることを特徴とする請求項34
    に記載の演奏データ作成装置。
  36. 【請求項36】前記生成方法情報は、音符群列を複数の
    群列に分割し、各群列の最初の音符長を長めにするよう
    な楽音制御情報を生成する生成方法を表わす情報である
    ことを特徴とする請求項34に記載の演奏データ作成装
    置。
  37. 【請求項37】前記生成方法情報は、音符群列の最初の
    タイミングに出現する音符の音量を強調するような楽音
    制御情報を生成する生成方法を表わす情報であることを
    特徴とする請求項34に記載の演奏データ作成装置。
  38. 【請求項38】演奏データを供給する供給手段と、 供給された演奏データから、同時に複数音が発音される
    部分を抽出する抽出手段と、 同時に複数音が発音される部分に対応する楽音制御情報
    を生成するための生成方法を表わす生成方法情報を記憶
    する記憶手段と、 抽出された部分及び前記生成方法情報に基づき、楽音制
    御情報を生成する生成手段と、 生成された楽音制御情報を、供給された演奏データに付
    加する付加手段とを具備することを特徴とする演奏デー
    タ作成装置。
  39. 【請求項39】前記生成方法情報は、同時に発音される
    音の数に応じて、演奏データの再生テンポの値を変更す
    るような楽音制御情報を生成する生成方法を表わす情報
    であることを特徴とする請求項38に記載の演奏データ
    作成装置。
  40. 【請求項40】前記生成方法情報は、同時に発音される
    音のそれぞれの重要度を規定し、規定された重要度に応
    じて、各音の音量を変更するような楽音制御情報を生成
    する生成方法を表わす情報であることを特徴とする請求
    項38に記載の演奏データ作成装置。
  41. 【請求項41】演奏データを供給する供給手段と、 供給された演奏データから音色情報を抽出する抽出手段
    と、 音色情報に対応する楽音制御情報を生成するための生成
    方法を表わす生成方法情報を記憶する記憶手段と、 抽出された音色情報及び前記生成方法情報に基づき、楽
    音制御情報を生成する生成手段と、 前記生成された楽音制御情報を、供給された演奏データ
    に付加する付加手段とを具備することを特徴とする演奏
    データ作成装置。
  42. 【請求項42】前記生成方法情報は、音色種類又は音色
    パラメータに応じて、演奏データの再生テンポの値を変
    更するような楽音制御情報を生成する生成方法を表わす
    情報であることを特徴とする請求項41に記載の演奏デ
    ータ作成装置。
  43. 【請求項43】前記生成方法情報は、予め規定されてい
    る音色種類毎の音量に基づいて、音色の変更位置で、音
    量が変更前の音色に対応する音量から、変更後の音色に
    対応する音量に滑らかに変更するような楽音制御情報を
    生成する生成方法を表わす情報であることを特徴とする
    請求項41に記載の演奏データ作成装置。
  44. 【請求項44】演奏データを供給する供給手段と、 供給された演奏データから、フィンガリングに関する情
    報を抽出する抽出手段と、 フィンガリングに関する情報に対応する楽音制御情報を
    生成するための生成方法を表わす生成方法情報を記憶す
    る記憶手段と、 抽出されたフィンガリングに関する情報及び前記生成方
    法情報に基づき、楽音制御情報を生成する生成手段と、 生成された楽音制御情報を、供給された演奏データに付
    加する付加手段とを具備することを特徴とする演奏デー
    タ作成装置。
  45. 【請求項45】前記生成方法情報は、演奏しにくい部分
    に相当するフィンガリングに関する情報を規定し、当該
    演奏しにくい部分において、演奏データの再生テンポの
    値を遅くするような楽音制御情報を生成する生成方法を
    表わす情報であることを特徴とする請求項44に記載の
    演奏データ作成装置。
  46. 【請求項46】前記生成方法情報は、ポジション移動部
    分に相当するフィンガリングに関する情報を規定し、当
    該ポジション移動部分において、演奏データの再生テン
    ポの値にゆらぎを与えるような楽音制御情報を生成する
    生成方法を表わす情報であることを特徴とする請求項4
    4に記載の演奏データ作成装置。
  47. 【請求項47】前記生成方法情報は、低いポジションで
    演奏する部分に相当するフィンガリングに関する情報を
    規定し、当該低いポジションで演奏する部分において、
    演奏データの再生テンポの値を遅くするような楽音制御
    情報を生成する生成方法を表わす情報であることを特徴
    とする請求項44に記載の演奏データ作成装置。
  48. 【請求項48】前記生成方法情報は、演奏しにくい部分
    に相当するフィンガリングに関する情報を規定し、当該
    演奏しにくい部分において、音量を小さくするような楽
    音制御情報を生成する生成方法を表わす情報であること
    を特徴とする請求項44に記載の演奏データ作成装置。
  49. 【請求項49】前記生成方法情報は、ポジション移動部
    分に相当するフィンガリングに関する情報を規定し、当
    該ポジション移動部分において、音程を変更するような
    楽音制御情報を生成する生成方法を表わす情報であるこ
    とを特徴とする請求項44に記載の演奏データ作成装
    置。
  50. 【請求項50】演奏データを供給する供給手段と、 供給された演奏データから、特定の楽器奏法に相当する
    部分を抽出する抽出手段と、 特定の楽器奏法に対応する楽音制御情報を生成するため
    の生成方法を表わす生成方法情報を記憶する記憶手段
    と、 抽出された特定の楽器奏法に相当する部分及び前記生成
    方法情報に基づき、楽音制御情報を生成する生成手段
    と、 生成された楽音制御情報を、供給された演奏データに付
    加する付加手段とを具備することを特徴とする演奏デー
    タ作成装置。
  51. 【請求項51】前記特定の楽器奏法は、ハンマリングオ
    ン奏法又はプリングオフ奏法であり、前記生成方法情報
    は、ハンマリングオン奏法又はプリングオフ奏法にあた
    る部分における、演奏データの再生テンポの値を速くす
    るような楽音制御情報を生成する生成方法を表わす情報
    であることを特徴とする請求項50に記載の演奏データ
    作成装置。
  52. 【請求項52】前記特定の楽器奏法は、ピアノのサステ
    ィンペダル奏法であり、 前記生成方法情報は、ピアノのサスティンペダル奏法に
    あたる部分における、演奏データの再生テンポの値を遅
    くするような楽音制御情報を生成する生成方法を表わす
    情報であることを特徴とする請求項50に記載の演奏デ
    ータ作成装置。
  53. 【請求項53】前記特定の楽器奏法は、ストリングのト
    リル奏法であり、 前記生成方法情報は、ストリングのトリル奏法にあたる
    部分における演奏データを複数のパートに分割し、各パ
    ート毎に異なる、演奏データの再生テンポの値を設定す
    るような楽音制御情報を生成する生成方法を表わす情報
    であることを特徴とする請求項50に記載の演奏データ
    作成装置。
  54. 【請求項54】前記特定の楽器奏法は、トリルやドラム
    のロール奏法であり、 前記生成方法情報は、トリルやドラムのロール奏法にあ
    たる部分の音符の音量を不均一にするような楽音制御情
    報を生成する生成方法を表わす情報であることを特徴と
    する請求項50に記載の演奏データ作成装置。
  55. 【請求項55】前記特定の楽器奏法は、弦楽器の弓の返
    し奏法であり、 前記生成方法情報は、弦楽器の弓の返し奏法にあたる部
    分の近傍音符の音量を変更するような楽音制御情報を生
    成する生成方法を表わす情報であることを特徴とする請
    求項50に記載の演奏データ作成装置。
  56. 【請求項56】演奏データを供給する供給手段と、 供給された演奏データから歌詞情報を抽出する抽出手段
    と、 歌詞情報に対応する楽音制御情報を生成するための生成
    方法を表わす生成方法情報を記憶する記憶手段と、 抽出された歌詞情報及び前記生成方法情報に基づき、楽
    音制御情報を生成する生成手段と、 生成された楽音制御情報を、供給された演奏データに付
    加する付加手段とを具備することを特徴とする演奏デー
    タ作成装置。
  57. 【請求項57】前記生成方法情報は、特定の単語に対す
    るテンポ制御値を規定しており、規定した内容に基づい
    て、演奏データの再生テンポの値を変更するような楽音
    制御情報を生成する生成方法を表わす情報であることを
    特徴とする請求項56に記載の演奏データ作成装置。
  58. 【請求項58】前記生成方法情報は、特定の単語に対す
    る音量変化を規定しており、規定した内容に基づいて、
    音量を変更するような楽音制御情報を生成する生成方法
    を表わす情報であることを特徴とする請求項56に記載
    の演奏データ作成装置。
  59. 【請求項59】演奏データを供給する供給手段と、 供給された演奏データから、音源からの出力波形に関す
    る波形情報を取得する取得手段と、 音色の種類に応じた音源からの出力波形に対応する楽音
    制御情報を生成するための生成方法を表わす生成方法情
    報を記憶する記憶手段と、 取得された波形情報及び前記生成方法情報に基づき、楽
    音制御情報を生成する生成手段と、 生成された楽音制御情報を、供給された演奏データに付
    加する付加手段とを具備することを特徴とする演奏デー
    タ作成装置。
  60. 【請求項60】演奏データを供給する供給手段と、 供給された演奏データから、演奏記号に関する情報を抽
    出する抽出手段と、 演奏記号に対応する楽音制御情報を生成するための生成
    方法を表わす生成方法情報を記憶する記憶手段と、 抽出された演奏記号に関する情報及び前記生成方法情報
    に基づき、楽音制御情報を生成する生成手段と、 生成された楽音制御情報を、供給された演奏データに付
    加する付加手段とを具備することを特徴とする演奏デー
    タ作成装置。
  61. 【請求項61】前記演奏記号に関する情報は、ピアノ記
    号とフォルテ記号であり、 前記生成方法情報は、ピアノ記号が添付された音符の直
    前の音符にフォルテ記号が添付されている場合に、当該
    フォルテ記号が添付されている音符の発音長を短めにす
    るような楽音制御情報を生成する生成方法を表わす情報
    であることを特徴とする請求項60に記載の演奏データ
    作成装置。
  62. 【請求項62】前記演奏記号に関する情報は、スタッカ
    ート記号であり、 前記生成方法情報は、スタッカート記号が添付された音
    符の直前の音符の発音長を変更するような楽音制御情報
    を生成する生成方法を表わす情報であることを特徴とす
    る請求項60に記載の演奏データ作成装置。
  63. 【請求項63】前記演奏記号に関する情報は、スタッカ
    ート記号であり、 前記生成方法情報は、スタッカート記号が添付された音
    符の直後の音符の音量を小さくするような楽音制御情報
    を生成する生成方法を表わす情報であることを特徴とす
    る請求項60に記載の演奏データ作成装置。
  64. 【請求項64】演奏データを供給する供給手段と、 既に供給されている演奏データの所定の特徴情報と楽音
    制御情報との関係を記憶する記憶手段と、 新たに供給された演奏データの特徴情報を抽出する抽出
    手段と、 抽出された特徴情報に基づき、前記記憶手段に記憶され
    た関係に従って楽音制御情報を生成する生成手段と、 生成された楽音制御情報を、新たに供給された演奏デー
    タに付加する付加手段とを具備することを特徴とする演
    奏データ作成装置。
  65. 【請求項65】演奏データに関して所定の特徴情報と楽
    音制御情報との関係を複数記憶したライブラリと、 演奏データを供給する供給手段と、 供給された演奏データの特徴情報を抽出する抽出手段
    と、 抽出された特徴情報に基づき、前記ライブラリを参照す
    ることによって楽音制御情報を生成する生成手段と、 生成された楽音制御情報を、供給された演奏データに付
    加する付加手段とを具備することを特徴とする演奏デー
    タ作成装置。
  66. 【請求項66】演奏データを供給する供給手段と、 供給された演奏データの所定の特徴情報に基づき楽音制
    御情報を生成する生成手段と、 生成された楽音制御情報及び供給された演奏データの楽
    音制御情報を演奏データ全体で対比する対比手段と、 この対比結果に基づいて、生成された楽音制御情報を修
    正する修正手段とを具備することを特徴とする演奏デー
    タ作成装置。
  67. 【請求項67】演奏データを供給する供給手段と、 供給された演奏データから、発音を指示する演奏データ
    であってその発音長が所定長以上の部分を抽出する抽出
    手段と、 発音長が所定長以上の部分に対応する楽音制御情報を生
    成するための生成方法を表わす生成方法情報を記憶する
    記憶手段であって、この生成方法情報は、発音長が所定
    長以上の部分の音量を不均一に変更するような楽音制御
    情報を生成方法を表わすものである記憶手段と、 抽出された部分及び前記生成方法情報に基づき、楽音制
    御情報を生成する生成手段と、 生成された楽音制御情報を、供給された演奏データに付
    加する付加手段とを具備することを特徴とする演奏デー
    タ作成装置。
  68. 【請求項68】演奏データを供給する供給手段と、 供給された演奏データから、同音色のパート及びそのパ
    ート数を抽出する抽出手段と、 同音色のパートに対応する楽音制御情報を生成するため
    の生成方法を表わす生成方法情報を記憶する記憶手段で
    あって、この生成方法情報は、同音色のパートの音量を
    パート数に応じた値に減少させるような楽音制御情報を
    生成する生成方法を表わすものである記憶手段と、 抽出されたパート及びパート数並びに前記生成方法情報
    に基づき、楽音制御情報を生成する生成手段と、 生成された楽音制御情報を、供給された演奏データに付
    加する付加手段とを具備することを特徴とする演奏デー
    タ作成装置。
  69. 【請求項69】演奏データを供給する供給手段と、 供給された演奏データからメロディパートを抽出する抽
    出手段と、 メロディパートに対応する楽音制御情報を生成するため
    の生成方法を表わす生成方法情報を記憶する記憶手段で
    あって、この生成方法情報は、メロディパートの音量を
    その他のパートの音量よりも大きくなるように変更する
    ような楽音制御情報を生成する生成方法を表わすもので
    ある記憶手段と、 抽出されたメロディパート及び前記生成方法情報に基づ
    き、楽音制御情報を生成する生成手段と、 生成された楽音制御情報を、供給された演奏データに付
    加する付加手段とを具備することを特徴とする演奏デー
    タ作成装置。
  70. 【請求項70】演奏データを供給する供給手段と、 供給された演奏データから、音量変化が付与された部分
    を抽出する抽出手段と、 音量変化が付与された部分に対応する楽音制御情報を生
    成するための生成方法を表わす生成方法情報を記憶する
    記憶手段であって、この生成方法情報は、付与された音
    量変化に相当する音程変化を、音量変化が付与された部
    分に付与するような楽音制御情報を生成する生成方法を
    表わすものである記憶手段と、 抽出された部分及び前記生成方法情報に基づき、楽音制
    御情報を生成する生成手段と、 生成された楽音制御情報を、供給された演奏データに付
    加する付加手段とを具備することを特徴とする演奏デー
    タ作成装置。
  71. 【請求項71】演奏データを供給する供給手段と、 供給された演奏データから、ダブルチョーキングが行わ
    れている部分を抽出する抽出手段と、 ダブルチョーキングが行われている部分に対応する楽音
    制御情報を生成するための生成方法を表わす生成方法情
    報を記憶する記憶手段であって、この生成方法情報は、
    ダブルチョーキングが行われている部分の演奏データを
    上音と下音とで2つのパートに分割し、それぞれに異な
    る音量変化を与えるような楽音制御情報を生成する生成
    方法を表わすものである記憶手段と、 抽出されたダブルチョーキングが行われている部分及び
    前記生成方法情報に基づき、楽音制御情報を生成する生
    成手段と、 生成された楽音制御情報を、供給された演奏データに付
    加する付加手段とを具備することを特徴とする演奏デー
    タ作成装置。
  72. 【請求項72】演奏データを供給する供給手段と、 供給された演奏データから、連続してチョーキングが行
    われている部分を抽出する抽出手段と、 連続してチョーキングが行われている部分に対応する楽
    音制御情報を生成するための生成方法を表わす生成方法
    情報を記憶する記憶手段であって、この生成方法情報
    は、連続してチョーキングが行われている部分におい
    て、毎回のチョーキングに対する演奏データの音程に不
    均一性を持たせるような楽音制御情報を生成する生成方
    法を表わすものである記憶手段と、 抽出された連続してチョーキングが行われている部分及
    び前記生成方法情報に基づき、楽音制御情報を生成する
    生成手段と、 生成された楽音制御情報を、供給された演奏データに付
    加する付加手段とを具備することを特徴とする演奏デー
    タ作成装置。
  73. 【請求項73】演奏データを供給する供給手段と、 供給された演奏データから、アルペジオ演奏に相当する
    部分を抽出する抽出手段と、 アルペジオ演奏に相当する部分に対応する楽音制御情報
    を生成するための生成方法を表わす生成方法情報を記憶
    する記憶手段であって、この生成方法情報は、アルペジ
    オ演奏における共通倍音を検出し、検出された倍音を別
    パートで発音させるようにするような楽音制御情報を生
    成する生成方法を表わすものである記憶手段と、 抽出されたアルペジオ演奏に相当する部分及び前記生成
    方法情報に基づき、楽音制御情報を生成する生成手段
    と、 生成された楽音制御情報を、供給された演奏データに付
    加する付加手段とを具備することを特徴とする演奏デー
    タ作成装置。
  74. 【請求項74】演奏データを供給する供給手段と、 供給された演奏データから、音色の変更を指示する所定
    の音楽記号に対応する部分を抽出する抽出手段と、 音色の変更を指示する所定の音楽記号に対応する楽音制
    御情報を生成するための生成方法を表わす生成方法情報
    を記憶する記憶手段であって、この生成方法情報は、音
    色の変更を指示する所定の音楽記号に対応する部分で、
    当該音楽記号に対応する音色に、設定音色を変更するよ
    うな楽音制御情報を生成する生成方法を表わすものであ
    る記憶手段と、 抽出された音色の変更を指示する所定の音楽記号に対応
    する部分及び前記生成方法情報に基づき、楽音制御情報
    を生成する生成手段と、 生成された楽音制御情報を、供給された演奏データに付
    加する付加手段とを具備することを特徴とする演奏デー
    タ作成装置。
  75. 【請求項75】演奏データを供給するステップと、 供給された演奏データの特徴情報を取得するステップ
    と、 所定の特徴情報に対応する情報であって、楽音制御情報
    を生成するための生成方法を表わす生成方法情報を、記
    憶している記憶手段から、取得された特徴情報に対応す
    る生成方法情報を取得するステップと、 取得された特徴情報及び生成方法情報から楽音制御情報
    を生成するステップと、 生成された楽音制御情報を、供給された演奏データに付
    加するステップとからなるプログラムを記録しているこ
    とを特徴とする演奏データ作成のための記録媒体。
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