JP2001156317A - 光起電力素子及びその製造方法 - Google Patents
光起電力素子及びその製造方法Info
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Abstract
を解決することにより、良好な特性及び高い歩留りを有
する薄膜太陽電池を形成することができる光起電力素子
の構成及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 基板101上に、少なくとも半導体層1
02および透明電極層103が順に積層形成された光起
電力素子であって、透明電極層103の半導体層102
と接する側の領域の比抵抗が他の領域の比抵抗よりも低
い。
Description
光起電力素子に係り、特に良好な特性及び歩留りの高い
光起電力素子の構成及びその製造方法に関する。
化に向けて様々な研究開発が行われている。太陽電池を
電力需要を賄うものとして確立させるためには、使用す
る太陽電池の光電変換効率が十分に高く、信頼性に優れ
たものであり、且つ大量生産が可能であることが要求さ
れる。
Si等を用いて作成される太陽電池と比較して、低コス
トで生産可能であり、量産性に富んでいることなどから
注目されている。その理由は、原料ガスとしてシラン等
の容易に入手できるガスを使用し、これをグロー放電分
解して、金属シートや樹脂シート等の比較的安価な帯状
基板上に半導体膜等の堆積膜の形成が可能なためであ
る。
用として用いる場合には約3kWの出力が必要となり、
光電変換効率10%の太陽電池を用いた場合には30m
2の面積となり、大面積の太陽電池が必要とされる。し
かしながら、太陽電池の製造工程上、大面積にわたって
欠陥の全く無い太陽電池を作製することは非常に困難で
ある。
分が生じてしまったり、アモルファスシリコンの様な薄
膜太陽電池においては、半導体層の成膜時にダスト等の
影響により欠陥が生じ、シャントの原因となり、光電変
換効率や歩留りを著しく低下させることが知られてい
る。
く述べると、例えばステンレス鋼製の基板上に堆積した
アモルファスシリコン太陽電池の場合では、基板表面は
完全に平滑な面とは言えず傷や打痕が存在することや、
入射光を有効利用する目的で基板上に凹凸構造を持つ裏
面反射層を設けたりするため、n、p層のように数百Å
の厚みの薄膜の半導体層がこのような表面を完全にカバ
ーし難いことや、成膜時のごみ等により欠陥が生じるこ
となどが挙げられる。
る半導体層が、欠陥等により失われていて下部電極と上
部電極とが直接接触したり、半導体層が完全に失われて
いないまでも半導体層自体が低抵抗となりシャントして
いる場合には、光によって発生した電流が上部電極に平
行に流れてシャント部の低抵抗部分に流れ込むことにな
り、電流を損失することになる。この様な電流損失があ
ると、太陽電池の開放電圧は低下する。
は、一般的に半導体層自体のシート抵抗が高いため半導
体全面にわたる透明な上部電極を必要とし、通常は可視
光に対する透明性と電気伝導度性に優れた特性を持つS
nO2,In2O3,ITO(In2O3+SnO2)膜等の
透明電極層を設ける。これらの透明電極層は、一般にス
パッタリング法、真空抵抗加熱蒸着法、エレクトロンビ
ーム蒸着法、スプレー法等により形成される。すなわ
ち、半導体層内に欠陥が存在した場合、微少な欠陥に流
れ込む電流はかなり大きなものであり、更に欠陥の位置
が透明電極層上に設けたグリッド電極から離れている場
合は、欠陥部分に流れ込む時の抵抗が大きいため電流損
失は比較的少ないが、逆に欠陥部分がグリッド電極の下
にある場合は欠陥により損失する電流はより大きなもの
となる。
電荷が欠陥部分にリークするばかりでなく、水分が存在
すると水分との相互作用によりイオン性の物質が生成す
るので、太陽電池の使用時に使用時間の経過と共に次第
に欠陥部分の電気抵抗が低下し、光電変換効率等の特性
が劣化する現象が見られる。
なシャントが生じている場合には、その場所の上部電極
を除去することにより電流損失を小さくすることが出来
る。シャント部の上部電極を選択的に除去する方法は、
米国特許4,451,970号公報、4,464,82
3号公報に開示されているように、太陽電池を酸、塩、
又はアルカリの電解液中に浸漬し、太陽電池にバイアス
をかけることによりシャント部分をエッチングして除去
する方法がある。しかし、これらの発明においてはバイ
アスの印加方法や透明電極層の膜厚に応じたバイアスの
印加時間に関する記述等が示されているが、透明電極層
の比抵抗或いはシート抵抗に応じたシャント部の上部電
極を選択的に除去する方法は開示されていない。
積される透明電極層のシート抵抗は低い方が良いとされ
る。透明電極層のシート抵抗を低くすることにより太陽
電池としてのシリーズ抵抗を下げることが出来、太陽電
池の電流−電圧曲線において曲線因子を向上させること
が出来る。更には、透明電極層のシート抵抗を下げれば
集電効率は向上し、グリッド電極をワイヤー付線により
形成する場合、グリッドの本数を減らすことが出来、ワ
イヤーの影による光の損失(シャドーロス)を低減する
ことが可能となる。
低くなると、上述した米国特許4,451,970号公
報、4,464,823号公報に開示されているような
電解液中における電気化学反応によってシャント部の透
明電極層を除去しようとすると、太陽電池にバイアスを
印加した際、選択性が悪くなりシャント部だけでなくシ
ャントしていない部分の透明電極層にも電流が流れやす
くなり、シャント部の透明電極層を膜厚分除去する間に
シャントしていない部分の透明電極層も徐々にエッチン
グされて行き、太陽電池の特性及び外観を著しく低下さ
せるという問題が生じてくる。
電力素子のシャントや外観不良等の課題を解決すること
により、良好な特性及び高い歩留りを有する薄膜太陽電
池を形成することができる光起電力素子の構成及びその
製造方法を提供することを目的とする。
く、本発明の光起電力素子は、基板上に、少なくとも半
導体層および透明電極層が順に積層形成された光起電力
素子において、上記透明電極層の半導体層と接する側の
領域の比抵抗が他の領域の比抵抗よりも低いものであ
る。
層の半導体層と接する側の領域に、比抵抗範囲が1×1
0-4〜4×10-4Ω・cmである領域を層厚方向に50
〜100nm有することが好ましい。
い側の他の領域に、比抵抗範囲が8×10-4〜2×10
-3Ω・cmである領域を層厚方向に3〜10nm有する
ことが好ましい。
し、該ピンホール近傍領域の比抵抗が他の領域の比抵抗
よりも低いことが好ましい。かかるピンホールは、前記
半導体層に内在する欠陥部分に起因しているものであ
る。
は、基板上に、少なくとも半導体層および透明電極層を
順に積層形成する光起電力素子の製造方法において、上
記透明電極層を形成する際に、該透明電極層の半導体層
と接する側の領域の比抵抗と他の領域の比抵抗とを変化
させるようにして積層するものである。
記透明電極層を形成する際に、上記基板の温度を層厚方
向に制御し、この制御された基板温度に応じた比抵抗を
有する透明電極層を積層することが好ましい。
から成り、この透明電極層を形成する際に、金属酸化物
層の酸化度を層厚方向に制御し、この制御された酸化度
に応じた比抵抗を有する透明電極層を積層することが好
ましい。
子を電解質溶液内で電解処理することが好ましい。
体層、透明電極層が順に積層形成された光起電力素子に
おいて、透明電極層の半導体層と接する側の領域の比抵
抗を他の領域の比抵抗よりも低くし、透明電極層の層厚
方向において、比抵抗範囲が1×10-4〜4×10-4Ω
・cmである比抵抗の低い領域を50〜100nmの膜
厚範囲とし、比抵抗範囲が8×10-4〜2×10-3Ω・
cmである比抵抗の高い領域を3〜10nmの膜厚範囲
としている。
層に内在する欠陥部分上の透明電極層を除去するために
行われる電解質溶液中での電解処理において、電解処理
中に欠陥部分上の透明電極層がエッチング溶解されてい
る間に透明電極層の比抵抗が低いことに起因する非欠陥
部上の透明電極層が同時に徐々にエッチングされる割合
を効果的に抑制することが出来、且つ電解処理後の透明
電極層のシート抵抗を低い状態に維持することが出来
る。その結果、良好な特性、外観及び高い歩留りを有す
る光起電力素子、特に薄膜太陽電池を提供することが可
能となる。
説明するが、本発明は本実施の形態に限るものではな
い。
面構造の一例を示す模式図である。図1において、10
1は基板、102は半導体層、103は半導体層と接す
る側の透明電極層、104は半導体層と接しない側の透
明電極層、105は欠陥部分、106はピンホールを示
している。
導体層102、比抵抗範囲が1×10-4〜4×10-4Ω
・cmであり膜厚範囲が50nm〜100nmである低
抵抗な透明電極層103、及び比抵抗範囲が8×10-4
〜2×10-3Ω・cmであり膜厚範囲が3nm〜10n
mである高抵抗な透明電極層104が順次積層された光
起電力素子において、図2(a)に示すように、半導体
層102内に潜在的に欠陥部分(シャント部分)105
が存在し、基板101と透明電極層103及び104で
短絡電流通路を形成している場合に、電解質溶液中で、
基板101を負極、対向電極を正極として適宜な正電圧
を印可して電解処理することにより、効果的に欠陥部分
105が検出され、基板101と導通している透明電極
層103及び104を選択的に除去することができ、透
明電極層内にピンホール106が形成される。
明電極層のピンホール近傍領域における比抵抗は、他の
領域、言い換えれば欠陥部分の無い領域における比抵抗
よりも低い。さらに、ピンホールは絶縁物によって被覆
されていても良い。
ては、スパッタリング法、真空抵抗加熱蒸着法、エレク
トロンビーム蒸着法等を用いることが出来る。透明電極
層の半導体層と接する側の領域の比抵抗と他の領域の比
抵抗とを変化させる方法としては、一つには透明電極層
を形成する際に、基板の温度を層厚方向に制御し、制御
された基板温度に応じた比抵抗を有する透明電極層を形
成する方法がある。
は低くなるが、透明電極層の成膜温度は半導体層の成膜
温度より低いことが好ましく、例えば半導体層がn、
i、pの構成をとる場合、透明電極層の成膜温度はp層
の成膜温度より低い方が好ましい。すなわち、透明電極
層の成膜温度を層厚方向に制御する場合、半導体層と接
する側の透明電極層の成膜温度としては150〜220
℃が好ましく、半導体層と接しない側の透明電極層の成
膜温度としては25〜100℃が好ましい。
可視光に対する透明性と電気伝導度性に優れた特性を持
つSnO2,In2O3,ITO(In2O3+SnO2),
ZnO膜等の金属酸化物膜が使用される。
比抵抗と他の領域の比抵抗とを変化させる別の方法とし
ては、透明電極層を形成する際に、透明電極層である金
属酸化物層の酸化度を層厚方向に制御し、制御された酸
化度に応じた比抵抗を有する透明電極層を形成する方法
がある。酸化度を高くする、すなわち膜中の酸素濃度を
高くすれば透明電極層の比抵抗は高くなる。
方法としては、成膜チャンバー内に導入する酸素ガス流
量を制御する方法、酸素ガスの導入方法により制御する
方法、ターゲットや蒸着源等の部材自体の酸素含有量や
組成、材質の種類を制御する方法等が挙げられる。
は、特に限定はされないが、少なくとも基板上に半導体
層、透明電極層が順に積層形成された光起電力素子を水
溶液中で金属の析出が起きない塩、ルイス酸、ルイス塩
基等の電解質溶液中に入れ、基板側を負極、対向電極側
を正極とし、光起電力素子の開放電圧以上の正電圧をパ
ルス的に1秒以下のパルス幅で少なくとも2回以上複数
回印加し、基板と短絡している部分の透明電極層を選択
的にエッチング溶解させ除去するものが挙げられる。
分行った後、温風オーブン等で好ましくは100〜15
0℃の温度で30分以上乾燥を行い、欠陥部分に入り込
んだ水分を除去する。
導度、印加電圧値、電圧印加時間、電圧印加回数)は、
電解処理後の光起電力素子の外観及び光起電力素子に2
00luxの低照度の蛍光灯の光を照射した時の低照度
開放電圧(低照度Voc)の測定値より決定される。
び透明電極層が順に積層形成された本発明の光起電力素
子において、半導体層と接する側の領域の透明電極層の
比抵抗及び膜厚、半導体層と接しない側の他の領域の透
明電極層の比抵抗及び膜厚をそれぞれ変化させて光起電
力素子、特に太陽電池を製造し、評価した。
極層の比抵抗及び膜厚を変化させたときの結果、表2に
半導体層と接しない側の他の領域の透明電極層の比抵抗
及び膜厚を変化させたときの結果を示す。
域の透明電極層の比抵抗範囲は◎で示す1×10-4〜4
×10-4Ω・cmの範囲が最も好ましい。比抵抗がこの
範囲を外れ、より低抵抗になると電解処理によって形成
されるピンホール近傍における透明電極層の侵食が大き
くなって外観が不良となり、より高抵抗になると太陽電
池としてのシリーズ抵抗が高くなって光電変換効率が低
下する。
極層の膜厚範囲は、◎で示す50〜100nmの範囲が
最も好ましい。膜厚がこの範囲を外れ、より薄くなると
透明電極層としての集電効率が低下し、より厚くなると
透明電極層としての透過率が低下して太陽電池の光電変
換効率は低下する。
他の領域の透明電極層の比抵抗範囲は◎で示す8×10
-4〜2×10-3Ω・cmの範囲が最も好ましい。比抵抗
がこの範囲を外れ、より低抵抗になると電解処理によっ
て形成されるピンホール近傍における透明電極層の侵食
が大きくなって外観が不良となり、より高抵抗になると
太陽電池としてのシリーズ抵抗が高くなって光電変換効
率が低下する。
透明電極層の膜厚範囲は、◎で示す3〜10nmの範囲
が最も好ましい。膜厚がこの範囲を外れ、より薄くなる
と電解処理によるピンホール近傍の透明電極層の侵食を
抑えきれなくなって外観が不良となり、より厚くなると
太陽電池としてのシリーズ抵抗が高くなって太陽電池の
光電変換効率は低下する。
極層の比抵抗範囲を1×10-4〜4×10-4Ω・cm、
膜厚範囲を50〜100nmとし、且つ半導体層と接し
ない側の領域の透明電極層の比抵抗範囲を8×10-4〜
2×10-3Ω・cm、膜厚範囲を3〜10nmとするこ
とで、更に良好な特性、外観及び高い歩留りを有する光
起電力素子、特に薄膜太陽電池を得ることが出来る。
電池及びその製造方法について説明するが、本発明はこ
れらの実施例により限定されるものではない。
うなシングル型太陽電池を製造した。図4は、本発明に
より製造されたシングル型太陽電池の断面構造を示す模
式図である。図4において、201は基板、202は裏
面反射層、203は透明導電層、204はアモルファス
シリコン(以下、a−Siと記載)からなるRFn型の
半導体層、205はa−SiからなるRFi型の半導体
層、206はa−SiGeからなるMWi型の半導体
層、207はa−SiからなるRFi型の半導体層、2
08はμc−SiからなるRFp型の半導体層、209
は半導体層と接する側の領域の透明電極層、210は半
導体層と接しない側の他の領域の透明電極層、211は
欠陥部分、212はピンホールである。
0mm角のステンレス鋼製基板201上にバッチ式スパ
ッタリング法により裏面反射層202、透明導電層20
3を成膜した。裏面反射層202は金属層であり材料と
してはAl,Ag,Pt,Au,Ni,Ti,Cr,C
u等の金属単体及び合金が用いられるが、ここでは反射
率の比較的高いAlを使用した。透明導電体層203は
透明導電性酸化物層であり、材料としてはZnO,Sn
O2,In2O3,ITO等が用いられるが、ここではZ
nOを使用した。また、これらの表面は、光の乱反射を
起こさせるためにテクスチャー構造とした。なお、膜厚
はそれぞれ200nm、1200nmとした。
ッチ式プラズマCVD装置を用いて、表3に示す成膜条
件で半導体層204〜208を成膜した。a−Si半導
体層の成膜法としてはRFプラズマCVD法(RFPC
VD法)、マイクロ波プラズマCVD法(MWPCVD
法)、ECR法、熱CVD法等を所望に応じて用いる。
半導体層204はa−SiからなるRFn型層、半導体
層205はa−SiからなるRFi型層、半導体層20
6はa−SiGeからなるMWi型層、半導体層207
はa―SiからなるRFi型層、半導体層208はμc
−SiからなるRFp型層である。
チ式スパッタリング装置を用いて、表4に示す成膜条件
で、まず基板温度を200℃に制御して、半導体層と接
する側の領域の透明電極層209としてITO膜を65
nm成膜した。なお、このときのITO膜の比抵抗は
2.5×10-4Ω・cmであった。次に、ヒーターをO
FFして基板温度が室温になるまで冷却した後、基板温
度を50℃に制御して半導体層と接しない側の他の領域
の透明電極層210としてITO膜を5nm成膜した。
なお、この時のITO膜の比抵抗は9.5×10-4Ω・
cmであった。図6に実施例1における透明電極層の膜
厚と比抵抗のグラフを示した。
を終えた。
アルミニウム30wt.%水溶液の電解質溶液槽に入
れ、セル基板側を負極、対向電極側を正極とし、電極間
距離40mmの下、正電圧2.5Vを印加時間50ms
としパルス的に50回印加して電解処理を行い、欠陥部
分211上の半導体層と接する側の領域の透明電極層2
09及び半導体層と接しない側の他の領域の透明電極層
210を選択的に除去し、ピンホール212を形成し
た。なお、硫酸アルミニウム30wt.%水溶液の電気
電導度は70.0mS/cm(65℃)とし、また対向
電極面積は基板面積(50mm×50mm)と同様とし
た。その後、上記セルを電解質溶液槽内から取り出し、
純水でセル表面の電解質溶液を十分に洗い流した後、温
風オーブンで150℃の温度で30分乾燥を行った。
極層210上に、塩化第二鉄(FeCl3・6H2O)を
加熱溶融したエッチング性溶液に粒子径5μmのアクリ
ル樹脂の微粒子体及びグリセリンを混錬して作製したエ
ッチングペーストを不図示のスクリーン印刷機で線幅1
mmのラインで、40mm×40mm角のパターンで印
刷した。なお、線厚は30μmとした。その後、不図示
のIRオーブンで温度170℃で5分間加熱処理した
後、セルをIRオーブンから取り出して冷却後、純水で
ペーストを剥離し、温風オーブンで150℃の温度で3
0分間乾燥を行い、40mm×40mm角のエッチング
パターンを形成した。
ングパターンを形成したセルのエッチングラインエリア
内に対して、照度200luxの蛍光灯の光を照射した
ときの低照度開放電圧(低照度Voc)の測定及び外観
目視検査を行った。さらに、低照度Voc測定後、集電
用のグリッド電極を銀ペーストのスクリーン印刷法で形
成し、AM1.5の太陽光スペクトルで100mW/c
m2の光量の疑似太陽光源を用いて太陽電池特性を測定
し、光電変換効率を求めた。
5V、外観目視検査においては欠陥部分のピンホールは
見られるが、ピンホール近傍における透明電極層の侵食
は非常に小さく、全体的な透明電極層の膜厚の減少は殆
ど見られず、外観は良好であつた。すなわち、電解処理
はa−SiGeシングルセルに対して効果的に行われて
いた。また、光電変換効率においては8.4%が得ら
れ、本発明のシングル型太陽電池は良好な特性であっ
た。
導体層の構成をトリプル型とした点、透明電極層の成膜
条件及び電解処理条件が異なる以外は実施例1と同様に
して太陽電池を製造した。
陽電池の断面構造を示す模式図である。図7では、基板
401上に裏面反射層402としてAlを、透明導電層
403としてZnOを堆積した後、表5に示す成膜条件
でa−SiからなるRFn型の半導体層404、a−S
iからなるRFi型の半導体層405、a−SiGeか
らなるMWi型の半導体層406、a−SiからなるR
Fi型の半導体層407、μc−SiからなるRFp型
の半導体層408(以上、ボトム層)、a−Siからな
るRFn型の半導体層409、a−SiからなるRFi
型の半導体層410、a−SiGeからなるMWi型の
半導体層411、a−SiからなるRFi型の半導体層
412、μc−SiからなるRFp型の半導体層413
(以上、ミドル層)、a−SiからなるRFn型の半導
体層414、a−SiからなるRFi型の半導体層41
5、μc−SiからなるRFp型の半導体層416(以
上、トップ層)が順次積層されている。すなわち、半導
体層404〜416はa−Si/a−SiGe/a−S
iGeからなるトリプルセルとした。
ッチ式スパッタリング装置を用いて、表6に示す成膜条
件で、まず酸素流量をスパッタリングガスであるアルゴ
ン流量に対して1.3%に制御して、半導体層と接する
側の領域の透明電極層417としてITO膜を60nm
成膜した。なお、このときのITO膜の比抵抗は2.5
×10-4Ω・cmであった。次に、放電は生起した状態
のまま酸素流量をアルゴン流量に対して1.3%から
2.5%まで経時変化させた後、2.5%に制御して半
導体層と接しない側の他の領域の透明電極層418とし
てITO膜を10nm成膜した。なお、このときのIT
O膜の比抵抗は9.0×10-4Ω・cmであった。図8
に実施例2における透明電極層の膜厚と比抵抗のグラフ
を示した。
Geトリプルセルの作成を終えた。
れた硫酸アルミニウム30wt.%水溶液の電解質溶液
槽に入れ、セル基板側を負極、対向電極側を正極とし、
電極間距離40mmの下、正電圧4.2Vを印加時間5
0msとしパルス的に40回印加し電解処理を行った。
なお、硫酸アルミニウム30wt.%水溶液の電気電導
度は70.0mS/cm(65℃)とし、また対向電極
面積は基板面積(50mm×50mm)と同様とした。
り出し、純水でセル表面の電解質溶液を十分に洗い流し
た後、温風オーブンで150℃の温度で30分乾燥を行
った。
によるエッチングパターンの形成を行った。更に、集電
用のグリッド電極を銀ペーストのスクリーン印刷法で形
成した。
例1と同様の低照度Vocの測定、外観目視検査及び光
電変換効率の測定を行った。
5V、外観目視検査においては欠陥部分の孔は目視では
観察されず、SEM観察したところ非常に小さなピンホ
ールが観察され、ピンホール近傍における透明電極層の
侵食は非常に小さく外観は良好であった。すなわち、電
解処理はa−Si/a−SiGe/a−SiGeのトリ
プルセルに対して効果的に行われていた。また、光電変
換効率においては11.8%が得られ、本発明のトリプ
ル型太陽電池は良好な特性であった。
ツー・ロール法を用いて図7に示すトリプル型太陽電池
を製造した。
洗浄したステンレス鋼製の帯状基板(幅355.6m
m、長さ1000m)401を不図示のロール・ツー・
ロール型DCマグネトロンスパッタ装置に入れ、裏面反
射層402としてAlを200nm堆積し、その後透明
導電層403としてZnOを1200nm堆積した。
ツー・ロール型プラズマCVD装置に入れ、透明導電層
403上に表7に示す成膜条件でa−SiからなるRF
n型の半導体層404、a−SiからなるRFi型の半
導体層405、a−SiGeからなるMWi型の半導体
層406、a−SiからなるRFi型の半導体層40
7、μc−SiからなるRFp型の半導体層408(以
上、ボトム層)、a−SiからなるRFn型の半導体層
409、a−SiからなるRFi型の半導体層410、
a−SiGeからなるMWi型の半導体層411、a−
SiからなるRFi型の半導体層412、μc−Siか
らなるRFp型の半導体層413(以上、ミドル層)、
a−SiからなるRFn型の半導体層414、a−Si
からなるRFi型の半導体層415、μc−Siからな
るRFp型の半導体層416(以上、トップ層)を順次
積層し、a−Si/a−SiGe/a−SiGeのトリ
プルセルを形成した。
・ツー・ロール型DCマグネトロンスパッタ装置に入
れ、半導体層416上に表8に示す成膜条件で、基板を
連続搬送させながら、まず6基の放電炉がある内の5基
の放電炉で基板温度を200℃に制御して半導体層と接
する側の領域の透明電極層417としてITO膜を60
nm堆積させ、その後第5放電炉と第6放電炉との間に
設けた冷却手段534により基板を冷却し、第6放電炉
で基板温度を50℃に制御して半導体層と接しない側の
他の領域の透明電極層418を10nm堆積させた。な
お、このときの半導体層と接する側の領域の透明電極層
417の比抵抗は2.3×10-4Ω・cm、半導体層と
接しない側の他の領域の透明電極層418の比抵抗は
9.7×10 -4Ω・cmであった。
iGeのトリプル型太陽電池セルの作成を終えた。
したa−Si/a−SiGe/a−SiGeのトリプル
型太陽電池セルを355.6mm×120mm(幅35
5.6mmはそのままで基板搬送方向に120mm)の
サイズに切断した。以下、このサイズの太陽電池セルを
スラブと呼ぶことにする。
れた常温(25℃)の硫酸と水酸化カリウムの混合水溶
液(硫酸2.0%、水酸化カリウム0.7%、純水9
7.3%)の電解質溶液槽に入れ、セル基板側を負極、
対向電極側を正極とし、電極間距離40mmの下、正電
圧4.2Vを印加時間25msとし、パルス的に80回
印加して電解処理を行った。なお、硫酸と水酸化カリウ
ムの混合水溶液の電気電導度は、70.0mS/cm
(25℃)とし、また対向電極面積は基板面積(35
5.6mm×120mm)と同様とした。その後、上記
スラブを電解質溶液槽内から取り出し、純水でセル表面
の電解質溶液を十分に洗い流した後、温風オーブンで1
50℃の温度で30分乾燥を行った。
トと同様のペーストを用いて、不図示のスクリーン印刷
機でスラブの透明電極層418上に線幅1mmのライン
で、18mm×43mm角のエッチングパターン36個
を印刷した。なお、線厚は30μmとした。その後、不
図示のIRオーブンで温度170℃で5分間加熱処理し
た。加熱処理後、スラブをIRオーブンから取り出し冷
却後、スラブを純水で洗浄してペーストを除去した。そ
して、スラブを温風オーブンで150℃の温度で30分
乾燥を行った。
極層上にエッチングパターンを形成したスラブの各エッ
チングラインエリア(18mm×43mmの長方角が3
6個)内における照度200luxの蛍光灯の光を照射
した時の低照度開放電圧(低照度Voc)の測定及び外
観目視検査を行った。さらに、低照度Voc測定後、各
エッチングラインエリア内に集電用のグリッド電極を銀
ペーストのスクリーン印刷法で形成し、AM1.5の太
陽光スペクトルで100mW/cm2の光量の疑似太陽
光源を用いて太陽電池特性を測定し、光電変換効率及び
歩留り(36個のエッチングエリアに対してそれぞれシ
ャントしているかどうかの判定)を求めた。
おける低照度Vocの平均値は1.10V、外観目視検
査においてはスラブの端面付近に欠陥部分の孔が見ら
れ、端面付近を除くスラブ全域において目視ではピンホ
ールは観察されず、SEM観察したところ非常に小さな
ピンホールが観察され、ピンホール近傍における透明電
極層の侵食は非常に小さく外観は良好であった。すなわ
ち、電解処理はステンレス鋼製の帯状基板上に作成した
a−Si/a−SiGe/a−SiGeのトリプルセル
に対して効果的に行われていた。
%、歩留りは100%が得られ、本発明の大面積のトリ
プル型太陽電池は良好な特性であった。
成膜条件及び方法が異なる以外は実施例3と同様にして
図7に示す太陽電池を製造した。
ツー・ロール型DCマグネトロンスパッタ装置を用い
て、半導体層416上に表9に示す成膜条件で、基板を
連続搬送させながら、まず6基の放電炉がある内の5基
の放電炉については、各放電炉において、酸素流量をス
パッタリングガスであるアルゴン流量に対して1.3%
に制御したアルゴンと酸素の混合ガスを対向する2本の
ガス管から基板搬送方向と同及び逆方向より導入して、
半導体層と接する側の領域の透明電極層417としてI
TO膜を60nm堆積させた。その後、第6放電炉にお
いて、対向する2本のガス管の内基板送り出し室側のガ
ス管から基板搬送方向と同方向よりアルゴンガスのみを
導入し、基板巻き取り室側のガス管から基板搬送方向と
逆方向よりアルゴン流量に対して2.5%に制御された
酸素ガスのみを導入し、半導体層と接しない側の他の領
域の透明電極層418を10nm堆積させた。また、第
5放電炉と第6放電炉の間に設けた冷却手段534は用
いなかった。なお、このときの半導体層と接する側の領
域の透明電極層417の比抵抗は2.3×10-4Ω・c
m、半導体層と接しない側の他の領域の透明電極層41
8の比抵抗は1.0×10-3Ω・cmであった。
例3と同様の評価を行った。
おける低照度Vocの平均値は1.07V、外観目視検
査においてはスラブの端面付近に欠陥部分のピンホール
が見られ、端面付近を除くスラブ全域において目視では
ピンホールは観察されず、SEM観察したところ非常に
小さなピンホールが観察され、ピンホール近傍における
透明電極層の侵食は非常に小さく外観は良好であった。
%、歩留りは100%が得られ、本発明の大面積のトリ
プル型太陽電池は良好な特性であった。
膜厚方向において低比抵抗のみを有する透明電極層で構
成した以外は実施例1と同様にして太陽電池を作成し
た。また、このときの透明電極層の比抵抗は2.1×1
0-4Ω・cm、膜厚は70nmであった。
照度Vocの測定、外観目視検査、および光電変換効率
の測定を行った。
観目視検査においては図10に示すように、実施例1と
比較して欠陥部分のピンホールが大きく、さらにピンホ
ール近傍における透明電極層の侵食も大きく、全体的な
透明電極層の膜厚の減少が見られ、外観は不良であっ
た。すなわち、太陽電池セルに対して電解処理が有効に
行われていない。また、光電変換効率においても6.4
%であり、良好な特性ではなかった。
膜厚方向において高比抵抗のみを有する透明電極層で構
成した以外は実施例1と同様にして太陽電池を作成し
た。また、このときの透明電極層の比抵抗は1.0×1
0-3Ω・cm、膜厚は70nmであった。
照度Vocの測定、外観目視検査、および光電変換効率
の測定を行った。
観目視検査においては実施例1と同様に欠陥部分のピン
ホールは見られるが、ピンホール近傍における透明電極
層の侵食は非常に小さく、全体的な透明電極層の膜厚の
減少は殆ど見られず、外観は良好であった。すなわち、
太陽電池セルに対して電解処理が有効に行われている。
あり、透明電極層の比抵抗が高い分、実施例1と比較し
て太陽電池としてのシリーズ抵抗が高くなり、光電変換
効率が低下していた。
明電極層の比抵抗が低いことに起因する欠陥部分近傍及
び非欠陥部分の透明電極層が電解処理により同時に徐々
にエッチングされる割合を抑制することが出来、その結
果、シャントや外観不良の課題を克服した良好な特性及
び歩留りの高い太陽電池を提供することが可能となる。
を示す模式図である。
(a)は電解処理装置の概略図、(b)は電解処理後の
状態の概略図、(c)は乾燥工程の概略図である。
図であり、(b)はピンホール近傍の拡大図である。
の断面構造を示す模式図である。
を示す概略図である。
関係図である。
の断面構造を示す模式図である。
関係図である。
マグネトロンスパッタ装置を示す概略図である。
ピンホール近傍を示しており、(a)は実施例1の模式
的概略図、(b)は比較例1の模式的概略図である。
Claims (11)
- 【請求項1】 基板上に、少なくとも半導体層および透
明電極層が順に積層形成された光起電力素子において、 上記透明電極層の半導体層と接する側の領域の比抵抗が
他の領域の比抵抗よりも低いことを特徴とする光起電力
素子。 - 【請求項2】 前記透明電極層の半導体層と接する側の
領域に、比抵抗範囲が1×10-4〜4×10-4Ω・cm
である領域を層厚方向に50〜100nm有することを
特徴とする請求項1に記載の光起電力素子。 - 【請求項3】 前記透明電極層の半導体層と接しない側
の他の領域に、比抵抗範囲が8×10-4〜2×10-3Ω
・cmである領域を層厚方向に3〜10nm有すること
を特徴とする請求項1又は2に記載の光起電力素子。 - 【請求項4】 前記透明電極層にピンホールを有し、該
ピンホール近傍領域の比抵抗が他の領域の比抵抗よりも
低いことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の
光起電力素子。 - 【請求項5】 前記ピンホールが前記半導体層に内在す
る欠陥部分に起因していることを特徴とする請求項4に
記載の光起電力素子。 - 【請求項6】 前記ピンホールが、前記透明電極層の堆
積後に、この素子を電解質溶液中で電解処理することに
より形成されることを特徴とする請求項4又は5に記載
の光起電力素子。 - 【請求項7】 前記ピンホールが絶縁物により被覆され
ていることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載
の光起電力素子。 - 【請求項8】 基板上に、少なくとも半導体層および透
明電極層を順に積層形成する光起電力素子の製造方法に
おいて、 上記透明電極層を形成する際に、該透明電極層の半導体
層と接する側の領域の比抵抗と他の領域の比抵抗とを変
化させるようにして積層することを特徴とする光起電力
素子の製造方法。 - 【請求項9】 前記透明電極層を形成する際に、前記基
板の温度を層厚方向に制御し、該制御された基板温度に
応じた比抵抗を有する透明電極層を積層することを特徴
とする請求項8に記載の光起電力素子の製造方法。 - 【請求項10】 前記透明電極層が金属酸化物層から成
り、該透明電極層を形成する際に、金属酸化物層の酸化
度を層厚方向に制御し、該制御された酸化度に応じた比
抵抗を有する透明電極層を積層することを特徴とする請
求項8に記載の光起電力素子の製造方法。 - 【請求項11】 前記透明電極層の堆積後に、この素子
を電解質溶液中で電解処理することを特徴とする請求項
8〜10のいずれかに記載の光起電力素子の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33703099A JP3854764B2 (ja) | 1999-11-29 | 1999-11-29 | 光起電力素子の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP33703099A JP3854764B2 (ja) | 1999-11-29 | 1999-11-29 | 光起電力素子の製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2001156317A true JP2001156317A (ja) | 2001-06-08 |
JP3854764B2 JP3854764B2 (ja) | 2006-12-06 |
Family
ID=18304800
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP33703099A Expired - Fee Related JP3854764B2 (ja) | 1999-11-29 | 1999-11-29 | 光起電力素子の製造方法 |
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JP (1) | JP3854764B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006085543A1 (ja) * | 2005-02-14 | 2006-08-17 | Sanyo Electric Co., Ltd. | 光起電力素子および光起電力素子を含む光起電力モジュールならびに光起電力素子の製造方法 |
JP2013122987A (ja) * | 2011-12-12 | 2013-06-20 | Honda Motor Co Ltd | 太陽電池の製造方法 |
KR20210064733A (ko) * | 2019-11-26 | 2021-06-03 | 한국생산기술연구원 | 전하선택접촉 태양전지의 후처리 방법 |
-
1999
- 1999-11-29 JP JP33703099A patent/JP3854764B2/ja not_active Expired - Fee Related
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KR20210064733A (ko) * | 2019-11-26 | 2021-06-03 | 한국생산기술연구원 | 전하선택접촉 태양전지의 후처리 방법 |
KR102357202B1 (ko) * | 2019-11-26 | 2022-02-03 | 한국생산기술연구원 | 전하선택접촉 태양전지의 후처리 방법 |
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