JP2001156117A - 電子部品実装用フィルムキャリアテープの製造方法およびそのための電子部品実装用フィルムキャリアテープのエッチング処理装置 - Google Patents

電子部品実装用フィルムキャリアテープの製造方法およびそのための電子部品実装用フィルムキャリアテープのエッチング処理装置

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JP2001156117A
JP2001156117A JP33399699A JP33399699A JP2001156117A JP 2001156117 A JP2001156117 A JP 2001156117A JP 33399699 A JP33399699 A JP 33399699A JP 33399699 A JP33399699 A JP 33399699A JP 2001156117 A JP2001156117 A JP 2001156117A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エッチング処理装置内において、フィルムを
エッチング液にてエッチング処理して、配線パターンを
形成する際に、配線パターンの線幅の仕上がりが均一
で、電気諸特性、機械的強度などの良好な電子部品実装
用フィルムキャリアテープを提供できる電子部品実装用
フィルムキャリアテープの製造方法、ならびにそのため
の電子部品実装用フィルムキャリアテープのエッチング
処理装置を提供する。 【解決手段】 絶縁フィルム表面に接着した銅箔をエッ
チング処理することによって所望の配線パターンを形成
する電子部品実装用フィルムキャリアテープの製造方法
において、前記フィルムの上方に配置され、エッチング
液をフィルム上面に吐出するエッチング液吐出ノズル
を、フィルムの送給方向に対して垂直な方向であるフィ
ルムの幅方向に往復揺動して、エッチング処理すること
を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子部品実装用フ
ィルムキャリアテープ(TAB(Tape AutomatedBondin
g)テープ、T-BGA(Tape Ball Grid Array)テープ、
ASIC(Application Specific Integrated Circui
t)テープなど)(以下、単に「電子部品実装用フィル
ムキャリアテープ」と言う。)の製造方法に関し、特
に、フォトレジストで覆われていない銅箔部分を、酸で
化学的に溶解(エッチング)して除去して、絶縁フィル
ム上に残った銅箔により所望の配線パターンを形成する
方法、およびそのための電子部品実装用フィルムキャリ
アテープのエッチング処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】エレクトロニクス産業の発達に伴い、I
C(集積回路)、LSI(大規模集積回路)などの電子
部品を実装するプリント配線板の需要が急激に増加して
いるが、電子機器の小型化、軽量化、高機能化が要望さ
れ、これら電子部品の実装方法として、最近ではTAB
テープ、T-BGAテープおよびASICテープなどを
用いた実装方式が採用されており、特に、パーソナルコ
ンピュータなどのように高精細化、薄型化、液晶画面の
額縁面積の狭小化が要望されている液晶表示素子(LC
D)を使用する電子産業においてその重要性が高まって
いる。
【0003】従来より、このような電子部品実装用フィ
ルムキャリアテープでは、例えば、TABテープを製造
する方法としては、下記のような行程を経て製造されて
いる。すなわち、先ず、ポリイミドフィルムのような基
材となる絶縁フィルムをプレス機でパターン打ち抜きを
行った後、この絶縁フィルムに接着剤を介して銅箔を熱
圧着により貼着する。そして、この銅箔の上面にフォト
レジストを全面に塗布して、このフォトレジストをフォ
トレジストマスクを使用して所望のパターン形状に紫外
線により露光し、この露光されたフォトレジスト部分を
現像液によって溶解除去する。このフォトレジストで覆
われていない銅箔部分を、酸で化学的に溶解(エッチン
グ)して除去するとともに、フォトレジストをアルカリ
液にて溶解除去することによって絶縁フィルム上に残っ
た銅箔により所望の配線パターンを形成する。
【0004】そして、実装時のゴミやウィスカー、マイ
グレーションによる短絡を防止し、配線間の保護並びに
絶縁のために、配線パターンのうち、ICなどのデバイ
ス(電子部品)に接続されるインナーリードおよび液晶
表示素子などに接続されるアウターリードなどのリード
部分を除いて、絶縁樹脂であるソルダーレジストを、ス
クリーン印刷法によりスキージを用いて塗布パターンの
形成されたスクリーンを介して塗布した後、乾燥、硬化
させてソルダーレジスト被覆層を形成している。
【0005】その後、露出したリード部分の酸化、変色
を防止するとともに、リード部分に接続されるデバイス
のバンプなどの接続部分との接着強度を確保するため
に、リード部分を、例えば、スズメッキ、金メッキ、ス
ズ−鉛の共晶合金メッキなどを施すことにより製造され
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
TABテープの製造において、上記のエッチング工程で
は、従来より、図6に示したような方法でエッチング処
理が行われている。すなわち、フォトレジストで覆われ
ていない銅箔部分が表面に露出したフィルムTが、連続
的にエッチング処理装置110内に送給されるようにな
っている。
【0007】このエッチング処理装置110には、図6
に示したように、フィルムTの上方に、フィルムの送給
方向に複数のエッチング液吐出ノズル122(124)
が一定間隔離間して配置され、これらのエッチング液吐
出ノズル122(124)が、フィルムの送給方向に平
行に一列もしくは二列配置されている。これらのエッチ
ング液吐出ノズル122(124)から、エッチング液
Eがフィルム上面に吐出されるように構成されている。
そして、フォトレジストで覆われていない銅箔部分が、
エッチングにより除去され、絶縁フィルム上に残った銅
箔により配線パターンが形成されるようになっている。
【0008】しかしながら、この場合、テープの幅が、
例えば、70mm幅のように広くなるにつれて、エッチ
ング液吐出ノズルによる吐出範囲に、例えば、エッチン
グ液吐出ノズルが二列配置されている場合には、テープ
幅の中央部分において重なり部分が生じて、図7に示し
たように、配線パターンの線幅の仕上がりが、テープの
幅方向の中央部分Aでは、太くなり、ノズルの中心部分
Bで細くなり、テープの幅方向端部Cにいくにしたがっ
てまた太くなり不均一となってしまう。
【0009】ところで、リード間隔は、25〜50μm
が一般的であるが、ファインピッチ化が進むなか、25
μm、場合によっては、それ以下へ進みつつあり、この
ような現象は、リード間隔(ピッチ)が狭くなるにした
がって顕著になる傾向がある。このような線幅の仕上が
りが不均一となると、リード同士が接触して短絡が生じ
たり、通電特性が変化するなど、電気諸特性に影響があ
るとともに、配線パターンの機械的強度が低下して接触
不良などを起こすなど、TABテープの品質に好ましく
ない影響を及ぼすことになっていた。
【0010】従って、本発明の目的とするところは、エ
ッチング処理装置内において、フィルムをエッチング液
にてエッチング処理して、配線パターンを形成する際
に、配線パターンの線幅の仕上がりが均一で、電気諸特
性、機械的強度などの良好な電子部品実装用フィルムキ
ャリアテープを提供できる電子部品実装用フィルムキャ
リアテープの製造方法、ならびにそのための電子部品実
装用フィルムキャリアテープのエッチング処理装置を提
供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述したよう
な従来技術における課題及び目的を達成するために発明
なされたものであって、本発明の電子部品実装用フィル
ムキャリアテープの製造方法は、絶縁フィルム表面に接
着した銅箔をエッチング処理することによって所望の配
線パターンを形成する電子部品実装用フィルムキャリア
テープの製造方法において、前記フィルムの上方に配置
され、エッチング液をフィルム上面に吐出するエッチン
グ液吐出ノズルを、前記フィルムの送給方向に対して垂
直な方向であるフィルムの幅方向に往復揺動して、エッ
チング処理することを特徴とする。
【0012】また、本発明の電子部品実装用フィルムキ
ャリアテープのエッチング処理装置は、絶縁フィルム表
面に接着した銅箔をエッチング処理することによって所
望の配線パターンを形成する電子部品実装用フィルムキ
ャリアテープのエッチング処理装置であって、前記フィ
ルムの上方に配置され、エッチング液をフィルム上面に
吐出するエッチング液吐出ノズルを備え、前記エッチン
グ液吐出ノズルが、前記フィルムの送給方向に対して垂
直な方向であるフィルムの幅方向に往復揺動して、エッ
チング処理するように構成されていることを特徴とす
る。
【0013】このように構成することによって、フィル
ムの送給方向に対して垂直な方向であるフィルムの幅方
向に往復揺動するエッチング液吐出ノズルから吐出され
たエッチング液が、フィルムの幅方向全体にわたって均
一にフィルム上面に吐出されることになる。従って、フ
ィルムの幅方向全体にわたって、フォトレジストで覆わ
れていない銅箔部分が、エッチングにより均一に除去さ
れ、絶縁フィルム上に残った銅箔により形成された配線
パターンの線幅の仕上がりが均一となり、電気諸特性、
機械的強度などの良好な電子部品実装用フィルムキャリ
アテープを提供できる。
【0014】また、電子部品実装用フィルムキャリアテ
ープの製造方法は、前記エッチング液吐出ノズルの往復
揺動が、前記フィルムがエッチング処理装置のエッチン
グ処理チャンバーを通過する時間内に、整数回数の往復
揺動を行うように設定されていることを特徴とする。さ
らに、電子部品実装用フィルムキャリアテープのエッチ
ング処理装置は、前記エッチング液吐出ノズルの往復揺
動が、前記フィルムがエッチング処理装置のエッチング
処理チャンバーを通過する時間内に、整数回数の往復揺
動を行うように設定されていることを特徴とする。
【0015】このように、エッチング液吐出ノズルの往
復揺動を、フィルムがエッチング処理装置のエッチング
処理チャンバーを通過する時間内に、整数回数の往復揺
動を行うように設定したので、エッチング液吐出ノズル
の往復揺動が、エッチング処理装置を通過するフィルム
に対して幅方向の途中で終了することがない。従って、
フィルムの幅方向全体にわたってさらに均一にフィルム
上面にエッチング液を吐出することができることにな
る。その結果、フィルムの幅方向全体にわたって、フォ
トレジストで覆われていない銅箔部分が、エッチングに
より均一に除去され、絶縁フィルム上に残った銅箔によ
り形成された配線パターンの線幅の仕上がりがさらに均
一となり、電気諸特性、機械的強度などの良好な電子部
品実装用フィルムキャリアテープを提供できる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施の形態(実施例)について説明する。図1は、本
発明の電子部品実装用フィルムキャリアテープのエッチ
ング装置の概略図、図2は、本発明の電子部品実装用フ
ィルムキャリアテープのエッチング装置のエッチング液
吐出ノズルの吐出状態を説明する上面図、図3は、本発
明の電子部品実装用フィルムキャリアテープのエッチン
グ装置のエッチング液吐出ノズルの吐出状態を説明する
概略図である。
【0017】図1において、10は全体で、本発明の電
子部品実装用フィルムキャリアテープのエッチング装置
(以下、単に「エッチング装置」と言う。)を示してい
る。エッチング装置10は、予め前工程において、フォ
トレジストをフォトレジストマスクを使用して、所望の
パターン形状に紫外線により露光し、露光されたフォト
レジスト部分を現像液によって溶解除去して、フォトレ
ジストで覆われていない銅箔部分が露出したTABテー
プ用のフィルムTが巻装された送り出しロール12を備
えている。そして、この送り出しロール12から、フィ
ルムTが、エッチング装置10のエッチング処理チャン
バー14に連続的に送給され、エッチング処理チャンバ
ー14内にて、フォトレジストで覆われていない銅箔部
分が、エッチング液(酸)により除去され、絶縁フィル
ム上に残った銅箔により配線パターンが形成されるよう
になっている。
【0018】そして、エッチング装置10のエッチング
処理チャンバー14を通過したフィルムTは、従来と同
様に、アルカリ液によるフォトレジストの溶解除去、ソ
ルダーレジスト層の形成、リード部分の共晶合金メッキ
処理などを施すことにより、最終的にTABテープが製
造されるようになっている。エッチング装置10のエッ
チング処理チャンバー14内には、エッチング液吐出装
置16が、フィルムTの上方に配設されている。
【0019】このエッチング液吐出装置16は、図1〜
図3に示したように、フィルムTの送給方向に延びるフ
ィルムの幅方向に一定間隔離間した二列のエッチング液
輸送配管18、20が配設されている。そして、これら
のエッチング液輸送配管18、20にはそれぞれ、複数
のエッチング液吐出ノズル22、24が、フィルムTの
送給方向に一定間隔離間して配置されている。
【0020】エッチング液輸送配管18、20は、エッ
チング液貯留タンク26から、ポンプPを介して、エッ
チング液供給配管28を介して、エッチング液が一定圧
力で供給され、これらのエッチング液吐出ノズル22、
24から、エッチング液Eがエッチング処理チャンバー
14内を通過するフィルムT上面に吐出されるように構
成されている。
【0021】また、エッチング液吐出ノズル22、24
からフィルムT上面に吐出されたエッチング液Eは、適
宜、エッチング処理チャンバー14から回収配管30を
介して、図示しない再生装置などを通過した後、再びエ
ッチング液貯留タンク26にリサイクルされるようにな
っている。ところで、これらのエッチング液輸送配管1
8、20は、図示しないクランク機構によって、モータ
Mに連結されており、これにより、図2および図3に示
したように、エッチング液輸送配管18、20、すなわ
ち、エッチング液吐出ノズル22、24が同時に同じ方
向に、フィルムTの送給方向に対して垂直な方向である
フィルムの幅方向Xに往復揺動するように構成されてい
る。
【0022】この場合、エッチング液吐出ノズル22、
24がフィルムTの送給方向に対して垂直な方向である
フィルムの幅方向Xに往復揺動する距離は、特に限定さ
れるものではないが、少なくともエッチング液吐出ノズ
ル22、24によってエッチング液が、フィルムTの上
面に吐出される吐出範囲32、34が、フィルムTの幅
方向の端部T1、T2の間を、フィルムの幅方向全体に
わたって、被うように設定すればよい。
【0023】このような設定としては、例えば、少なく
ともエッチング液吐出ノズル22、24をフィルムの幅
方向Xに往復揺動した際に、往復揺動端において、フィ
ルムTの幅方向の端部T1、T2を、エッチング液吐出
ノズル22、24の吐出中心がくるようにすればよい。
また、図3に示したように、エッチング液吐出ノズル2
2とエッチング液吐出ノズル24との間の距離W、エッ
チング液吐出ノズル22とエッチング液吐出ノズル24
のフィルムTの上面との間の距離hは、エッチング液吐
出ノズル22とエッチング液吐出ノズル24の噴出角度
Pによって変化するものであり、特に限定されるもので
はない。例えば、噴出角度Pが60゜であれば、Wが5
0mm、hを70mmとするのが望ましい。
【0024】また、エッチング液吐出ノズル22とエッ
チング液吐出ノズル24の吐出範囲32、34が、中央
で重なる部分36が有するように設定するのが、エッチ
ング液吐出ノズル22、24からフィルムT上面に吐出
されたエッチング液Eが、フィルムTの幅方向全体にわ
たって均一に吐出されるためには望ましい。このような
重なり部分36の距離の最大値Sは、エッチング液吐出
ノズル22、24の噴出角度P、エッチング液吐出ノズ
ル22とエッチング液吐出ノズル24のフィルムTの上
面との間の距離hによって変化するものであり、特に限
定されるものではない。例えば、噴出角度Pが60゜、
距離hが、70mmであれば、最大値Sは、15mmと
するのが望ましい。
【0025】さらに、エッチング液吐出ノズル22とエ
ッチング液吐出ノズル24のフィルムTの送給方向の離
間距離Yも、特に限定されるものではない。エッチング
液吐出ノズル22、24からフィルムT上面に吐出され
たエッチング液Eが、フィルムTに効率的に作用するた
めには、フィルムTの送給方向においてエッチングノズ
ル吐出範囲に重なりがないことが好ましく、例えば、7
0〜100mmの距離とするのが望ましい。
【0026】以上のような設定としては、例えば、70
mm幅のTABテープの場合に、距離Wが、50mmの
距離、重なり部分36の距離の最大値Sが、15mm、
フィルムの幅方向Xに往復揺動する距離を、20mm、
距離Yを70mmとすればよい。このように、フィルム
Tの送給方向に対して垂直な方向であるフィルムの幅方
向に往復揺動するエッチング液吐出ノズル22、24か
ら吐出されたエッチング液Eが、フィルムTの幅方向全
体にわたって均一にフィルム上面に吐出されることにな
る。従って、フィルムの幅方向全体にわたって、フォト
レジストで覆われていない銅箔部分が、エッチングによ
り均一に除去され、絶縁フィルム上に残った銅箔により
形成された配線パターンの線幅の仕上がりが均一とな
り、電気諸特性、機械的強度などの良好なTABテープ
を提供できる。
【0027】さらに、エッチング液吐出ノズル22、2
4をフィルムの幅方向Xに往復揺動する際には、図4に
示したように、フィルムTがエッチング装置10のエッ
チング処理チャンバー14を通過する時間内に、整数回
数の往復揺動Q(Q0〜QL)を行うように設定されて
いるのが望ましい。このような整数回数としては、個々
のエッチング液吐出ノズルの吐出特性のバラツキを無視
できるようにするためには、多い方が好ましく、特に限
定されるものではないが、装置の寸法の制約からすれ
ば、20〜60回、例えば、1.5mmの長さのエッチ
ング処理チャンバー14の場合に、40回とするのが好
適である。
【0028】このような往復揺動Qの制御は、図1に示
したように、制御装置50に入力された、送り出しロー
ル12の送給速度と、エッチング処理チャンバー14の
長さから、制御装置50によって予め設定された値に、
モータMの回転数を制御することによって自動的に制御
されるようになっている。このように、エッチング液吐
出ノズル22、24の往復揺動を、フィルムTがエッチ
ング装置10のエッチング処理チャンバー14を通過す
る時間内に、整数回数の往復揺動を行うように設定した
ので、エッチング液吐出ノズルの往復揺動が、エッチン
グ処理装置を通過するフィルムに対して幅方向の途中で
終了することがない。従って、フィルムの幅方向全体に
わたってさらに均一にフィルム上面にエッチング液を吐
出することができることになる。その結果、フィルムの
幅方向全体にわたって、フォトレジストで覆われていな
い銅箔部分が、エッチングにより均一に除去され、絶縁
フィルム上に残った銅箔により形成された配線パターン
の線幅の仕上がりがさらに均一となり、電気諸特性、機
械的強度などの良好なTABテープを提供できる。
【0029】なお、制御装置50に入力されたデータに
基づいて、ポンプPを制御して、エッチング液吐出ノズ
ル22、24から吐出されるエッチング液Eの吐出量、
吐出圧力を個別に制御することができるようになってい
る。これにより、配線パターンの線幅の仕上がりを均一
とすることが、さらに可能となる。また、エッチング液
吐出ノズル22、24の種類としては、特に限定される
ものではないが、吐出範囲、エッチング効果を考慮すれ
ば、吐出範囲全体において吐出液密度が均一であるタイ
プ、吐出範囲の中心部において吐出液密度が大きいタイ
プの円錐コーンノズルを用いるのが好適である。
【0030】さらに、この実施例では、フィルムの幅方
向に一定間隔離間した二列のエッチング液吐出ノズル2
2、24を配置したが、3列以上、例えば、図5に示し
たように、3列のエッチング液吐出ノズル22、24、
42、それによる吐出範囲32、34、44を形成する
ことも可能である。これによって、エッチング液吐出ノ
ズル22、24、42の往復揺動によって、フィルムの
幅方向全体にわたってさらに均一にフィルム上面にエッ
チング液を吐出することができることになる。その結
果、フィルムの幅方向全体にわたって、フォトレジスト
で覆われていない銅箔部分が、エッチングにより均一に
除去され、絶縁フィルム上に残った銅箔により形成され
た配線パターンの線幅の仕上がりがさらに均一となり、
電気諸特性、機械的強度などの良好なTABテープを提
供できる。
【0031】なお、この場合、中央に位置するエッチン
グ液吐出ノズル24を、両端に位置するエッチング液吐
出ノズル22、42に比較して、エッチング液の吐出
量、吐出圧を高く設定することによって、エッチング液
吐出ノズル22、24、42の往復揺動により、さらに
均一にフィルム上面にエッチング液を吐出することがで
きる。
【0032】以上、本発明の好ましい実施の態様を説明
してきたが、本発明はこれに限定されることはなく、例
えば、エッチング液吐出ノズル22とエッチング液吐出
ノズル24でノズルの種類を違えたり、エッチング液吐
出ノズル22とエッチング液吐出ノズル24との往復揺
動を同時に同じ方向ではなく、相互に異なった方向とな
るようにすることも可能であるなど、本発明の目的を逸
脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、フィルムの送給方向に
対して垂直な方向であるフィルムの幅方向に往復揺動す
るエッチング液吐出ノズルから吐出されたエッチング液
が、フィルムの幅方向全体にわたって均一にフィルム上
面に吐出されることになる。従って、フィルムの幅方向
全体にわたって、フォトレジストで覆われていない銅箔
部分が、エッチングにより均一に除去され、絶縁フィル
ム上に残った銅箔により形成された配線パターンの線幅
の仕上がりが均一となり、電気諸特性、機械的強度など
の良好な電子部品実装用フィルムキャリアテープを提供
できる。
【0034】また、本発明によれば、エッチング液吐出
ノズルの往復揺動を、フィルムがエッチング処理装置の
エッチング処理チャンバーを通過する時間内に、整数回
数の往復揺動を行うように設定したので、エッチング液
吐出ノズルの往復揺動が、エッチング処理装置を通過す
るフィルムに対して幅方向の途中で終了することがな
い。従って、フィルムの幅方向全体にわたってさらに均
一にフィルム上面にエッチング液を吐出することができ
ることになる。その結果、フィルムの幅方向全体にわた
って、フォトレジストで覆われていない銅箔部分が、エ
ッチングにより均一に除去され、絶縁フィルム上に残っ
た銅箔により形成された配線パターンの線幅の仕上がり
がさらに均一となり、電気諸特性、機械的強度などの良
好な電子部品実装用フィルムキャリアテープを提供でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の電子部品実装用フィルムキャ
リアテープのエッチング装置の概略図である。
【図2】図2は、本発明の電子部品実装用フィルムキャ
リアテープのエッチング装置のエッチング液吐出ノズル
の吐出状態を説明する上面図である。
【図3】図3は、本発明の電子部品実装用フィルムキャ
リアテープのエッチング装置のエッチング液吐出ノズル
の吐出状態を説明する概略図である。
【図4】図4は、電子部品実装用フィルムキャリアテー
プのエッチング装置のエッチング液吐出ノズルの揺動状
態を説明する概略図である。
【図5】図5は、本発明の電子部品実装用フィルムキャ
リアテープのエッチング装置の別の実施例のエッチング
液吐出ノズルの吐出状態を説明する上面図である。
【図6】図6は、従来のTABテープのエッチング装置
の概略図である。
【図7】図7は、従来のTABテープのエッチング装置
によるTABテープのパターン線幅の状態を説明するグ
ラフである。
【符号の説明】
10 エッチング装置 12 ロール 14 エッチング処理チャンバー 16 エッチング液吐出装置 18 エッチング液輸送配管 22 エッチング液吐出ノズル 24 エッチング液吐出ノズル 26 エッチング液貯留タンク 28 エッチング液供給配管 30 回収配管 32 吐出範囲 50 制御装置
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年12月18日(2000.12.
18)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】さらに、エッチング液吐出ノズル22、2
4をフィルムの幅方向Xに往復揺動する際には、図4に
示したように、フィルムTがエッチング装置10のエッ
チング処理チャンバー14を通過する時間内に、整数回
数の往復揺動Q(Q0〜QL)を行うように設定されて
いるのが望ましい。このような整数回数としては、個々
のエッチング液吐出ノズルの吐出特性のバラツキを無視
できるようにするためには、多い方が好ましく、特に限
定されるものではないが、装置の寸法の制約からすれ
ば、20〜60回、例えば、1.5の長さのエッチン
グ処理チャンバー14の場合に、40回とするのが好適
である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁フィルム表面に接着した銅箔をエッ
    チング処理することによって所望の配線パターンを形成
    する電子部品実装用フィルムキャリアテープの製造方法
    において、 前記フィルムの上方に配置され、エッチング液をフィル
    ム上面に吐出するエッチング液吐出ノズルを、前記フィ
    ルムの送給方向に対して垂直な方向であるフィルムの幅
    方向に往復揺動して、エッチング処理することを特徴と
    する電子部品実装用フィルムキャリアテープの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記エッチング液吐出ノズルの往復揺動
    が、前記フィルムがエッチング処理装置のエッチング処
    理チャンバーを通過する時間内に、整数回数の往復揺動
    を行うように設定されていることを特徴とする請求項1
    に記載の電子部品実装用フィルムキャリアテープの製造
    方法。
  3. 【請求項3】 絶縁フィルム表面に接着した銅箔をエッ
    チング処理することによって所望の配線パターンを形成
    する電子部品実装用フィルムキャリアテープのエッチン
    グ処理装置であって、 前記フィルムの上方に配置され、エッチング液をフィル
    ム上面に吐出するエッチング液吐出ノズルを備え、 前記エッチング液吐出ノズルが、前記フィルムの送給方
    向に対して垂直な方向であるフィルムの幅方向に往復揺
    動して、エッチング処理するように構成されていること
    を特徴とする電子部品実装用フィルムキャリアテープの
    エッチング処理装置。
  4. 【請求項4】 前記エッチング液吐出ノズルの往復揺動
    が、前記フィルムがエッチング処理装置のエッチング処
    理チャンバーを通過する時間内に、整数回数の往復揺動
    を行うように設定されていることを特徴とする請求項3
    に記載の電子部品実装用フィルムキャリアテープのエッ
    チング処理装置。
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