JP2001155460A - 磁気ディスク保持部材 - Google Patents
磁気ディスク保持部材Info
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Abstract
かも熱膨張係数の制御が可能で高ヤング率を有する導電
性セラミックスおよびそれを用いた帯電防止部材を作製
する。 【解決手段】ガラス中に、ZnO、Fe2O3、MgFe
2O4の群から選ばれる少なくとも1種の導電性結晶相を
10〜80重量%の割合で含有し、表面粗さ(Ra)が
2.0μm以下で、かつ−50〜85℃における体積固
有抵抗が102〜1010Ω・cmであることを特徴とす
る導電性セラミックスを用いて磁気ディスク装置20の
スペーサ11、シム10、クランプ12等の帯電防止用
部材を作製する。
Description
ある磁気ディスクを保持する保持部材に関する。
される磁気ディスク装置は、図1に示すように、複数枚
の磁気ディスク基板15をシム10、スペーサ11及び
クランプ12で固定して、回転軸13を回転させながら
磁気ヘッド17にて磁気ディスク基板15表面上に非接
触状態で情報の書き込みや読み取りを行うものである。
情報が高密度で大容量化するに伴って、磁気ヘッド17
と磁気ディスク基板15との距離の極小化、磁気ディス
ク基板15のより高度な平面化と表面の平滑化等が要求
されており、磁気ディスク基板15を固定・保持するス
ペーサ11、シム10、及びクランプ12等の保持部材
は熱膨張差に伴う磁気ディスク基板15の歪みを防止す
る為に、セラミックス、ガラスで形成することが検討さ
れている(特公平5−80745号公報、特開昭61−
148667号公報参照)。
ラミックスやガラスは一般的に絶縁性材料である為、こ
れらの保持部材で磁気ディスク基板15を保持すると、
磁気ディスク基板15が帯電し、情報の読み込みや書き
込みの際にノイズが発生して、記録内容を破壊してしま
うという問題があり、その対策として上記セラミックス
やガラス等の磁気ディスク基板15との当接面にアルミ
ニウムや亜鉛などの金属膜を被覆して静電気を除去する
ことが考えられている。
ク部材の表面の平坦度が低いために磁気ディスク基板1
5との当接面の平坦度が損なわれ、磁気ディスク基板1
5に歪みを生じたり、場合によっては、磁気ヘッド17
が磁気ディスク基板15と接触して傷付けてしまう恐れ
があり、また、セラミックスやガラスと金属被膜との熱
膨張差のために繰り返しの使用により金属被膜が剥がれ
るといった問題があった。
相を添加した導電性セラミックスで保持部材を形成する
ことが提案されている(特開平2−226566号公報
参照)。
炭化珪素質セラミックスやランタンクロマイト等のペロ
ブスカイト系セラミックス等の導電性を有するセラミッ
クスが知られており、また、アルミナやジルコニア等の
絶縁性セラミック材料に、TiO2、TiC、NiO、
CoO等を添加して還元雰囲気下で焼成した導電性セラ
ミックスが知られている(特開平2−295009号公
報、特開平1−243388号公報参照)。
た炭化珪素質セラミックスは難焼結体であるために非酸
化性雰囲気でかつ2000℃以上の温度で焼成しなけれ
ばならず、また、ホットプレスや熱間静水圧プレス(H
IP)を行う必要があり生産性が悪くコストが高くな
る、また、ペロブスカイト系セラミックスについては原
料単価が高く、しかも、曲げ強度が10kg/mm2未
満と低く、構造部品材料としての信頼性が低いという問
題があった。
O等を添加したアルミナ質やジルコニア質の導電性セラ
ミックスでは通常の焼成によって充分に緻密化させるこ
とが難しく、緻密体を得るためには還元雰囲気下での焼
成や加圧下での焼成が必要であり、コストがかさみ量産
性に欠けるという問題があった。
例えば、ガラス製の磁気ディスク基板との間に熱膨張差
があるため、ディスクの高速回転に伴う温度上昇のため
に磁気ディスク基板15に歪みを生じたり、磁気ディス
ク基板15間の平行度が損なわれるといった課題があっ
た。そのため、磁気ディスク装置20の高密度化および
大容量化には限界があった。
は、Zn、Ti、Fe、Mg等の酸化物成分を含有する
結晶化ガラスを用いたガラスセラミックスを磁気ディス
ク用の材料として使用することが提案されているが、上
述したZn、Ti、Fe、Mg等の酸化物成分はセラミ
ックス中、絶縁性結晶相またはガラスとして存在し、セ
ラミックス自体に導電性を付与するものではなかった。
であり、その目的は表面の平滑性が高く、所定の導電性
を有するとともに、容易に製造可能な磁気ディスク保持
部材を提供することにある。
を満足する材料について検討したところ、ガラス中に、
ZnO、Fe2O3、MgFe2O4の群から選ばれる少な
くとも1種の導電性結晶相を特定の比率で含有し、表面
粗さ(Ra)が2.0μm以下で、かつ−50〜85℃
における体積固有抵抗が102〜1010Ω・cmのガラ
スセラミックスが、磁気ディスク保持部材として優れた
性能を有することを知見した。
は、ガラス中に、ZnO、Fe2O3、MgFe2O4の群
から選ばれる少なくとも1種の導電性結晶相を10〜8
0重量%の割合で含有し、表面粗さ(Ra)が2.0μ
m以下、−50〜85℃における体積固有抵抗が102
〜1010Ω・cmであることを特徴とするものである。
ピネル型結晶相、コージェライト結晶相、ムライト結晶
相、スラウソナイト型結晶相、アノーサイト型結晶相の
群から選ばれる少なくとも1種を含有することが望まし
い。
こと、−50〜85℃における熱膨張係数が4×10-6
〜1×10-5/℃、ヤング率が80GPa以上であるこ
とが望ましい。
より容易に緻密化でき、平滑な表面を有する耐磨耗性に
優れた材料であるとともに、各成分を調整することによ
りセラミックスの熱膨張係数を所定の範囲に制御可能な
ものであるが、通常、室温における体積固有抵抗値が1
013Ω・cm以上の絶縁体である。
の群から選ばれる少なくとも1種の導電性結晶相を所定
量分散せしめることによりセラミックスの体積固有抵抗
を所望の範囲内に制御でき、帯電防止部材である磁気デ
ィスク保持部材として優れた特性を有するものとなる。
(ZnO)は通常半導体材料であるが、焼成等により結
晶内に酸素欠損等の格子欠陥等を生成させることによ
り、その体積固有抵抗を低下せしめることができる、い
わゆる不定比化合物である。これが、導電性結晶相とし
ての機能を有するものであることから、上記絶縁体材料
に結晶相として所定量含有、分散させることによりセラ
ミックスの体積固有抵抗値を102〜1010Ω・cmに
調整することができる。
元素が価数変化を生じることによって、セラミックスに
導電性を付与することができる。
は、ガラス中に、ZnO、Fe2O3、MgFe 2O4の群
から選ばれる少なくとも1種の導電性結晶相を10〜8
0重量%の比率で含有するガラスセラミックスからなる
ものである。
抵抗値の制御が容易であることおよび製造の容易性の点
で、ZnOであることが望ましい。また、これら導電性
結晶相は平均粒径2μm以下で、セラミックス中、三次
元に連続的に存在することが望ましく、導電性結晶相を
通して導通するものである。
中、10〜80重量%、特に10〜50重量%、さらに
15〜40重量%であることが重要である。すなわち、
前記導電性結晶相が10重量%より少ないと、セラミッ
クスの体積固有抵抗値を所望の範囲内に制御することが
難しく、帯電防止部材としての機能が低下するためであ
り、逆に、前記導電性結晶相が80重量%を超えると、
通常の焼成でセラミックスを緻密化させることが難しく
なり、耐磨耗性が悪くなり磁気ディスク保持部材として
の信頼性が低下するためである。
鉛ガラス、ホウケイ酸鉛ガラス、アルミノホウケイ酸ガ
ラス等のホウケイ酸系ガラスや、リチウムケイ酸系ガラ
ス、シリカガラス、ソーダ石灰ガラス、鉛ガラス等が挙
げられるが、中でも、焼成によって結晶相を析出する結
晶化ガラスが好適に用いられ、ガラスの結晶化により、
セラミックスの機械的強度を高めることができるととも
に、セラミックスのヤング率を高めることができる。
相、イルメナイト型結晶相、ウイレマイト型結晶相、C
aSiO3結晶相、SrSiO3結晶相、BaSiO3結
晶相、エンスタタイト型結晶相、アルミナ結晶相、ジル
コニア結晶相、CaAl2Si2O8、SrAl2Si
2O8、BaAl2Si2O8、Li2O・Al2O3・2Si
O2、Li2O・Al2O3・4SiO2、Na2O・Al2
O3・6SiO2、NaAlSiO4等、特にスピネル型
結晶相、コージェライト結晶相、ムライト結晶相、スラ
ウソナイト型結晶相、アノーサイト型結晶相の群から選
ばれる少なくとも1種の結晶相、さらにスピネル型結晶
相および/またはムライト結晶相の結晶相を上記ガラス
から析出、分散させるか、またはフィラーとして添加し
てセラミックス中に分散させることによって、構造部材
として必要な硬度および強度を有するとともに、所望の
ヤング率、熱膨張係数を得ることができる。
相としては、クォーツ、トリジマイト、クリストバライ
ト等が使用可能であるが、中でも−50〜85℃におけ
る平均熱膨張係数が16〜18×10-6/℃であり、安
定した熱膨張挙動を有するクォーツ結晶相であることが
望ましい。
を102〜1010Ω・cm、特に104〜106Ω・cm
とすることによってセラミックスが帯電することなく耐
電防止部材として好適に使用できる。また、表面粗さ
(Ra)を2.0μm以下、特に1.0μm以下とする
ことによって、耐摩耗性が高く、寸法精度の高い部材を
作製できる。
に4.0g/cm3以下とすることによって、磁気ディ
スク上に配設しても磁気ディスクが重さによってたわむ
ことを防止できる。
し被覆層等がないことから、使用時等の熱膨張差による
被覆層の剥離等の問題が生じず、また、−50〜85℃
における熱膨張係数が4×10-6〜1×10-5/℃、特
に5×10-6〜9×10-6/℃の範囲に制御できること
が望ましく、これによってガラスやセラミックスからな
る磁気ディスク基板との熱膨張差が小さく、温度上昇に
よっても精度よくディスクを保持することができる。
100GPa以上であることが望ましく、これによって
ネジ止め等によってもかしめても変形することがなく、
寸法精度良くディスクを保持することができる。
造する方法について説明する。まず、出発原料として、
平均粒径0.5〜10μm、特に2〜3μmの上述した
ようなガラス粉末と、ZnO、Ti2O3、Fe2O3、M
gFe2O4を形成可能な金属、または、例えば、Zn
O、Ti2O3、FeO、Fe2O3、MgO、MgFe2
O4等の金属酸化物、さらには炭酸塩、窒化物、炭化物
等のいずれかの粉末と、所望により上述したフィラー成
分の酸化物、炭酸塩、窒化物、炭化物等を調合、混合す
る。
添加量はガラスの組成によって異なり、導電性結晶相を
形成する成分の一部がガラスとして固溶することもでき
るが、例えばガラス原料中のZnOの含有率が10重量
%以下であるとき、ZnO粉末の添加量は金属酸化物換
算で40〜80重量%であることが望ましい。
法、冷間静水圧プレス法、ドクターブレード法、カレン
ダーロール法、圧延法法の周知の成形法により所定形状
に成形した後、酸化性雰囲気中、あるいは非酸化性雰囲
気にて1000〜1200℃の温度で1〜2時間程度の
焼成を行う。特に、セラミックスの体積固有抵抗値を制
御できる点で、焼成時の雰囲気は酸素濃度1×103〜
1×10-16Pa程度であることが望ましい。
%以上、さらに99.5%以上に緻密化した本発明の磁
気ディスク保持部材を得る。また、焼成後、表面に粗れ
がある場合には所望によりセラミックスの表面を研磨し
て表面粗さ(Ra)を2.0μm以下とする。
有する磁気ディスク装置の保持部材導電性セラミックス
を用いることによって、帯電する静電気を速やかに除去
することができ、磁気ディスクに静電気が蓄積すること
なく、磁気ディスクを安定して保持できる。
材を用いた磁気ディスク装置の概略断面図を示す。磁気
ディスク装置20は、回転軸13に固定されたハブ14
に、複数枚の磁気ディスク基板15とスペーサ11とを
交互に挿入し、最後にシム10およびクランプ12を配
設してネジ16で固定するものである。そして、回転軸
13の回転に伴い、磁気ディスク基板15が回転すると
ともに、磁気ヘッド17が磁気ディスク基板15の表面
上を非接触状態で移動しながらディスク基板の所定の位
置に情報の書き込みや読み取りを行うものである。
板、アルミナなどのセラミックスの表面にグレーズ層を
形成し、該グレーズ層上に磁性膜を備えたもの、あるい
は全体がガラスからなりその表面に磁性膜を備えたもの
等を用いてもよい。さらに、その他の材質として、チタ
ン、シリコン、YAG、カーボン等を用いることもでき
るが、表面の平滑性、剛性の高さおよびコストの点でガ
ラスからなることが望ましい。
およびクランプ12を上述した導電性セラミックスによ
り形成することによって、磁気ディスク基板15が帯電
するのを防止でき、情報の書き込みや読み込みの際のノ
イズを低減することができる。
ーサ11については、磁気ディスク基板15との接触面
11aの表面粗さ(Ra)が2.0μm以下、特に1.
0μm以下、また接触面11aの平行度が5μm以下で
あることが望ましく、これにより磁気ディスク基板15
を極めて高精度に保持することができる。また、スペー
サ11、シム10およびクランプ12の各エッジ部には
C面またはR面の面取りが施されている。
シム10およびクランプ12がヤング率80GPa以上
の高剛性部材からなるため、締め付け時に変形すること
がなく、高精度に保持できる。
-5のガラスからなる磁気ディスク基板15を用いた場
合、高速回転による温度上昇によっても磁気ディスク基
板15とスペーサ11、シム10およびクランプ12と
の熱膨張差が小さくできるため、磁気ディスク基板15
を高精度に保持することができる。したがって、磁気ヘ
ッド17の磁気ディスク基板15に対する浮上量を極め
て小さくすることができ、情報記録密度を高めることが
できる。
の結晶化ガラス粉末 ガラスA:SiO244%−Al2O329%−MgO1
1%−ZnO7%−B2O39% ガラスB:SiO212%−Al2O322.7%−Mg
O0.3%−CaO13.2%−B2O322.6%−L
i2O12.5%−Na2O6.7%−K2O1.4%−
SnO3.5%−ZrO23.3%−TiO21.8% に対して、表1,2に示す導電性付与材およびフィラー
粉末を混合し、これに所定量の水又は有機溶剤及び結合
材を添加して約1時間混合した。そして、該混合粉を1
00MPaの成形圧で所定の形状にプレス成形した後、
大気雰囲気中にて表1、2に示す温度で2時間焼成を行
った。
デス法により比重を測定した。また、X線回折チャート
から析出結晶相の同定を行うとともに、CeO2を内部
標準試料としてリートベルト法によりセラミックス中の
導電性結晶相の比率を定量した。さらに、セラミックス
表面を研削加工した後、表面粗さ計により表面粗さ(R
a)を測定した。
2mmの寸法に研削加工して体積固有抵抗値を測定し
た。さらに、−50〜85℃における熱膨張係数とヤン
グ率の測定を行った。なお、各測定方法についてはJI
S規定に基づいて測定した。結果は、表1、2に示し
た。
す導電性付与材を30重量%と、少量の公知の焼結助剤
成分を添加して成形後、非酸化性雰囲気中、1700℃
にて焼成してAl2O3質セラミックスを作製し、実施例
1と同様に評価した。結果は表2に示した(試料No.
29、30)。
相の含有量が80重量%より多い試料No.1、19で
は磁器の体積固有抵抗値を102Ω・cmより低く、導
電性結晶相の含有量が10重量%より少ない試料No.
8、9、22では磁器の体積固有抵抗値を1010Ω・c
m以下にすることができなかった。
ンとからなる試料No.29、30では、磁器の体積固
有抵抗値を102Ω・cm以上にすることができず、表
面粗さ(Ra)も2.0μmを越えた。
〜7、10〜18、20、21、23〜28では、いず
れも体積固有抵抗値が102〜1010Ω・cm、表面粗
さ(Ra)が2.0μm以下の優れた特性を有するもの
であり、磁気ディスク保持部材として有用であることが
わかった。
ガラスセラミックスの体積固有抵抗値を所望の値に制御
でき、かつ容易に緻密化ができ平坦な表面を有すること
から、高い寸法精度および耐摩耗性に優れた磁気ディス
ク保持部材が作製でき、静電気による悪影響を防止する
ことができる。
範囲に制御できるともに、高いヤング率を有するもので
あることから、構造部材、特に磁気ディスクの保持部材
として使用すれば、磁気ディスク基板の熱膨張係数と近
似させることが出来、高速回転時に高温になっても熱膨
張差に伴う不都合を生じることが無く、かつ磁気ディス
ク基板に帯電した静電気を効率良く逃すことができる。
ィスク装置を示す概略断面図である。
Claims (4)
- 【請求項1】ガラス中に、ZnO、Fe2O3、MgFe
2O4の群から選ばれる少なくとも1種の導電性結晶相を
10〜80重量%の割合で含有し、表面粗さ(Ra)が
2.0μm以下、−50〜85℃における体積固有抵抗
が102〜101 0Ω・cmであることを特徴とする磁気
ディスク保持部材。 - 【請求項2】さらに、スピネル型結晶相、コージェライ
ト結晶相、ムライト結晶相、スラウソナイト型結晶相、
アノーサイト型結晶相の群から選ばれる少なくとも1種
を含有することを特徴とする請求項1記載の磁気ディス
ク保持部材。 - 【請求項3】比重が5.0g/cm3以下であることを
特徴とする請求項1または2記載の磁気ディスク保持部
材。 - 【請求項4】−50〜85℃における熱膨張係数が4×
10-6〜1×10-5/℃、ヤング率が80GPa以上で
あることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の
磁気ディスク保持部材。
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- 1999-11-29 JP JP33797899A patent/JP3735500B2/ja not_active Expired - Fee Related
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