JPH11189463A - 半導電性セラミックス及びこれを用いた治工具、磁気ディスク基板用保持部材並びに磁気ディスク装置 - Google Patents

半導電性セラミックス及びこれを用いた治工具、磁気ディスク基板用保持部材並びに磁気ディスク装置

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JPH11189463A
JPH11189463A JP9360095A JP36009597A JPH11189463A JP H11189463 A JPH11189463 A JP H11189463A JP 9360095 A JP9360095 A JP 9360095A JP 36009597 A JP36009597 A JP 36009597A JP H11189463 A JPH11189463 A JP H11189463A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】静電気を除去することができ、しかも製造が容
易で大量生産が可能な半導電性セラミックスを得る。 【解決手段】MgOとSiO2 の複合酸化物を主体と
し、酸化鉄と、酸化亜鉛・酸化ニオブ・酸化クロムの一
種以上とを含み、体積固有抵抗が105 〜107 Ω・c
m、熱膨張係数が11×10-6/℃以下、曲げ強度が1
0kg/mm2 以上の半導電性セラミックスとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セラミックスヒ−
タ−、セラミックスセンサ、抵抗用基板等に用いられる
半導電性セラミックスに関し、特にこれを用いた静電気
による過電流防止用治工具、磁気ディスク基板用保持部
材、並びにこの保持部材を用いた磁気ディスク装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般にセラミックスは絶縁材であるが、
これに半導電性を付与した半導電性セラミックスが用い
られている。従来、半導電性セラミックスとして用いら
れるセラミックスとしては、炭化珪素質セラミックスや
ランタンクロマイト等のペロブスカイト系セラミックス
があり、これらはセラミックスヒ−タ−やセラミックス
センサ−等に使用されている。
【0003】また、その他に構造部品材料用セラミック
スに半導電性をもった金属酸化物、金属窒化物、金属炭
化物等を添加した半導電性セラミックスも開発されてお
り、例えば、導電付与材としてTiO2 、TiC、Ni
O、CoO等を添加して還元雰囲気下で焼成したアルミ
ナ質やジルコニア質等の半導電性セラミックスが知られ
ている(特開平2−295009号、特開平1−243
388号公報参照)。
【0004】一方、コンピュータの外部記録装置等とし
て使用される磁気ディスク装置は、図1に示すように、
回転軸13に固定されたハブ14に、複数枚の磁気ディ
スク基板15とスペ−サ−11とを交互に挿入し、最後
にシム10及びクランプ12で押さえ付け、ネジ16で
締め付けることにより固定するようになっている。そし
て、上記固定軸13の回転により磁気ディスク基板15
を回転させながら、磁気ヘッド17が磁気ディスク基板
15の表面上を非接触状態で移動することにより、磁気
ディスク基板15の所定位置で情報の書き込みや読み取
りを行っている。
【0005】近年、このような磁気ディスク装置50は
情報が高密度で大容量化するに伴って、磁気ヘッド17
と磁気ディスク基板15との距離の極小化、磁気ディス
ク基板15のより高度な平面化と表面の平滑化等が要求
されており、その為、磁気ディスク基板15の材質とし
て表面強度及び平滑面化が極めて効果的に得られるガラ
スを用いることが提案されている。この場合、磁気ディ
スク基板15を固定・保持するスペ−サ−11、シム1
0、及びクランプ12等の保持部材は熱膨張差に伴う磁
気ディスク基板15の歪みを防止する為に、セラミック
スやガラスで形成されたものがあった(特公平5−80
745号公報、特開昭61−148667号公報)。
【0006】しかしながら、上記保持部材を構成するセ
ラミックスやガラスは一般的に絶縁性材料である為、こ
れらの保持部材で磁気ディスク基板15を保持すると、
磁気ディスク基板15が帯電し、情報の読み込みや書き
込みの際にノイズが発生して、記録内容を破壊してしま
うことが近年知られてきた。その為、保持部材の磁気デ
ィスク基板15との当接面にアルミニウムや亜鉛などの
金属膜を被覆して静電気を除去することが考えられてい
る。
【0007】しかし、このような保持部材では、磁気デ
ィスク基板15との当接面の平坦度が損なわれ、磁気デ
ィスク基板15に歪みを生じたり、磁気ヘッド17が磁
気ディスク基板15と接触して傷付けてしまう恐れがあ
った。また、熱膨張差のために被覆した金属膜が剥がれ
る恐れもあり、剥がれてしまうと磁気ディスク基板15
に帯電する静電気を逃すことが出来なくなるといった課
題もあった。
【0008】そこで、前述したアルミナ等に導電材を添
加した半導電性セラミックスで保持部材を形成すること
によって、磁気ディスク基板15の帯電を防止すること
が提案されている(特開平2−226566号公報)。
【0009】また、上記磁気記録装置や各種電子部品の
製造工程や取扱工程において、さまざまなハンドリング
治具やピンセット等の治工具が用いられている。この治
工具は、優れた耐摩耗性、耐食性が必要であるととも
に、上記部品に悪影響を及ぼさないように静電気を速や
かに除去する必要があることから、前述したような半導
電性セラミックスを用いることが検討されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前述した半
導電性セラミックスは、いずれも安価に大量生産するこ
とができなかった。
【0011】例えば、上記炭化珪素質セラミックスは、
難焼結体であるために非酸化性雰囲気でかつ2000℃
以上の温度で焼成しなければならず、また、ホットプレ
スや熱間静水圧プレス(HIP)を行う必要があること
から生産性が悪くコストが高くなるという問題点があっ
た。
【0012】また、ペロブスカイト系セラミックスにつ
いては、酸化雰囲気で焼成可能ではあるが、原料単価が
高くなる問題点がある。しかも、ペロブスカイト系セラ
ミックスは一般的に曲げ強度が10kg/mm2 未満と
低く、構造部品材料としては不向きであった。
【0013】さらに、導電付与材としてNiO、CoO
等を添加したアルミナ質やジルコニア質の半導電性セラ
ミックスでは、ホットプレスや熱間静水圧プレス(HI
P)、或いは酸化雰囲気での焼成後、再度還元雰囲気で
の焼成を行わなければならないことから生産性が悪く、
管理が困難であり、2度焼成を行う必要がある為コスト
が高くなるという問題点があった。
【0014】一方、静電気除去及び静電気による過電流
防止用の治工具として半導電性セラミックスを使用する
場合、一般的に105 〜107 Ω・cmの体積固有抵抗
が要求されているが、導電付与材としてTiO2 やTi
Cを添加したアルミナ質の半導電性セラミックスでは1
-2Ω・cmしか得られず、酸化雰囲気焼成したアルミ
ナ質セラミックスで所望の体積固有抵抗を得ることは難
しいものであった。
【0015】また、上述した半導電性セラミックスから
成る保持部材では、ガラス製の磁気ディスク基板との間
に2〜5×10-6/℃程度の熱膨張差があるため、磁気
ディスク基板15に歪みを生じたり、磁気ディスク基板
15間の平行度が損なわれるといった課題があった。そ
のため、より高密度で大容量化が要求されている磁気デ
ィスク装置50において、未だ充分満足のいくものが得
られていなかった。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明に係る半導電性セ
ラミックスは、MgOとSiO2 の複合酸化物を主体と
し、導電付与材として酸化鉄(FeO、Fe2 3 、F
3 4 )とともに、酸化亜鉛(ZnO)・酸化ニオブ
(Nb2 3 、Nb2 5 )・酸化クロム(Cr
2 3 )の一種以上を含んで成り、体積固有抵抗値が1
5 〜107 Ω・cmの半導電性を有すると共に、熱膨
張係数が11×10-6/℃以下であり、曲げ強度が10
kg/mm2 以上の特性を有することを特徴とする。
【0017】ここで、主体をなすMgOとSiO2 の複
合酸化物とは、最終焼結体において主にMg2 SiO4
(フォルステライト)のことであり、他にMgSiO3
(ステアタイト)を含んでも良い。通常、Mg2 SiO
4 のみから成るセラミックスは15kg/mm2 程度の
曲げ強度を持った絶縁材料であるが、本件発明者はこの
セラミックスに酸化鉄(FeO、Fe2 3 、Fe3
4 )と、酸化亜鉛(ZnO)・酸化ニオブ(Nb
2 3 、Nb2 5 )・酸化クロム(Cr2 3 )の一
種以上とを含有させることで半導電性が得られることを
見出し、その体積固有抵抗値を105 〜107 Ω・cm
としたものである。
【0018】即ち、酸化鉄(Fe3 4 )は室温におい
て10-2Ω・cm程度の抵抗値を有するものであり、こ
れを含有することによって半導電性を付与する。また、
酸化亜鉛(ZnO)は、室温においての抵抗値は期待出
来ないものの粒界相を成すことで他の導電付与材の半導
電性に寄与することができ、酸化ニオブ(NbO、Nb
2 3 )は室温において10-1〜10-2Ω・cm程度の
抵抗値を有し、酸化クロム(CrO2 、Cr2 3 )は
10-1〜107 Ω・cm程度の抵抗値を有することか
ら、上記酸化鉄に加えてこれらの成分を適宜調整して含
有させることで105 〜107 Ω・cmの体積固有抵抗
値をもった半導電性セラミックスとすることができる。
なお、上記導電性付与材は、焼結体中で結晶粒界を形成
する。
【0019】ところで、このような本発明の半導電性セ
ラミックスを得るには、MgOとSiO2 の複合酸化物
としてMg2 SiO4 やMgSiO3 を用意すると共
に、導電付与材として酸化鉄(FeO、Fe2 3 、F
3 4 )と、酸化亜鉛(ZnO)・酸化ニオブ(Nb
2 3 、Nb2 5 )・酸化クロム(Cr2 3 )の一
種以上を用意する。そして、上記Mg2 SiO4 やMg
SiO3 から成る複合酸化物を40〜90重量%に対
し、5〜55重量%の酸化鉄(FeO、Fe2 3、F
3 4 )と残部が酸化亜鉛(ZnO)・酸化ニオブ
(Nb2 3 、Nb25 )・酸化クロム(Cr
2 3 )を55〜5重量%の範囲で添加する。
【0020】ここで、MgOとSiO2 の複合酸化物の
量を40〜90重量%としたのは、90重量%を超える
と半導電性付与材を添加した効果が乏しくなり体積固有
抵抗値を105 〜107 Ω・cmの範囲にすることがで
きないからであり、逆に40重量%未満であると機械的
強度が10kg/mm2 未満と大幅に低下する為に構造
部品材料として使用できないからである。
【0021】また、酸化鉄の含有量を5〜55重量%と
したのは、5重量%未満では体積固有抵抗を上記範囲と
することができず、55重量%を超えると曲げ強度が1
0kg/mm2 未満と大幅に低下するためである。
【0022】なお、上記導電性付与材に加えて、酸化
錫、酸化銅、酸化コバルト等を含有することもできる。
また、これらの成分以外に、不純物としてAl2 3
CaO、TiO2 等を0.1重量%以下の範囲で含有し
ても良い。
【0023】次に、添加混合した原料を型内に充填して
所定形状に成形した後、大気雰囲気中にて1200〜1
300℃の温度で1〜2時間程度の焼成を行うことによ
り本発明の半導電性セラミックスを得ることが出来る。
【0024】このように本発明の半導電性セラミックス
は、大気雰囲気中での焼成が可能であり、特殊な工程を
必要とせず、簡単な工程で容易に大量生産することがで
きる。なお、本発明において焼成雰囲気は大気雰囲気に
限らず、非酸化雰囲気や還元雰囲気であっても構わな
い。
【0025】以上のように、本発明の半導電性セラミッ
クスを用いれば、帯電する静電気を速やかに除去するこ
とが出来る為、各種用途に使用することができる。
【0026】例えば、磁気記録装置や各種電子部品の製
造工程や取扱工程において、用いられるハンドリング治
具やピンセット等の治工具において、少なくとも各種部
品との接触面を本発明の半導電性セラミックスで形成す
れば、静電気を除去して悪影響を及ぼすことを防止でき
る。
【0027】また、図1に示す磁気記録装置に組み込ま
れている複数枚の磁気ディスク基板を所定間隔に位置決
め保持するスペ−サ−、シム、ハブ等の保持部材を本発
明の半導電性セラミックスで形成すれば、磁気ディスク
基板の静電気を速やかに除去することができ、しかもガ
ラス製磁気ディスク基板との熱膨張差が小さいため、磁
気ディスク基板に歪み等を与えることも防止できる。
【0028】さらに、本発明の半導電性セラミックス
は、磁気テ−プの走行を支持する案内部材、自動車等の
塗装に使用される電着塗装用ノズル等の静電気除去用部
品として好適に使用することができる他、セラミックス
ヒ−タ−やセラミックスセンサ−或いは半導体・薄膜プ
ロセスの抵抗評価用プロ−ブとしても用いることができ
る。
【0029】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0030】実施例1 出発原料を成す複合酸化物としてフォルステライト(M
2 SiO4 )を、導電付与材として酸化鉄(Fe2
3 )と酸化亜鉛(ZnO)をそれぞれ用意し、表1に示
すように添加量を変化させた。それぞれの原料は水又は
有機溶剤及び結合材を所定の容器内に投入し、約1時間
混合してスプレ−ドライヤ−等でスラリ−を乾燥し、球
形状の2次原料を作製した。次に、得られた2次原料を
乾式プレスにて1.0ton/cm2 の成形圧で所定の
形状に成形した後、大気雰囲気中にて1200〜130
0℃の温度で約2時間焼成を行った。
【0031】そして、得られたセラミックスを直径60
mm×厚さ2mmの寸法に研削加工して体積固有抵抗値
を測定した後、熱膨張係数と曲げ強度の測定を行った。
なお、曲げ強度は、JISの規定に基づく3点曲げ試験
により測定するるが、JISの規定と異なる寸法の試料
で測定し、これを公知の方法にて換算することもでき
る。また、得られた結果により、体積固有抵抗値が10
5 〜107 Ω・cmで、且つ熱膨張係数が11×10-6
/℃以下であり、曲げ強度が10kg/mm2 以上を有
するものを優れたものとした。
【0032】結果は表2に示す通りである。この結果よ
り、No1、11では酸化鉄(Fe2 3 )及び酸化亜
鉛(ZnO)の総含有量が60重量%である為に体積固
有抵抗値を1×106 Ω・cmと半導電性を得ることが
出来たものの、その添加量が60重量%以上である為
に、曲げ強度が9kg/mm2 と構造部品材料として必
要な曲げ強度10kg/mm2 以上を満足することがで
きなかった。
【0033】又、試料No10では酸化鉄(Fe
2 3 )及び酸化亜鉛(ZnO)は、曲げ強度が15k
g/mm2 と構造部品材料として使用可能な曲げ強度を
有していたものの、粒界相が連続していない為に、導電
付与材による粒界相が形成されていない為に、体積固有
抵抗値を107 Ω・cm以下とすることが出来なかっ
た。
【0034】これに対し、No2〜9は酸化鉄(Fe2
3 )及び酸化亜鉛(ZnO)の総含有量が35〜55
重量%の範囲にあり、且つ粒界相が連続している為に体
積固有抵抗値を105 〜107 Ω・cmとすることが出
来、又、曲げ強度も10kg/mm2 以上を満足する。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】実施例2 次に、出発原料を成す複合酸化物としてフォルステライ
ト(Mg2 SiO4 )を、導電付与材として酸化鉄(F
2 3 )と酸化ニオブ(Nb2 3 )をそれぞれ用意
し、表3に示すように添加量を変化させた。その後、実
施例1と同様にしてセラミックスを作成し、各種測定を
行った。
【0038】結果は表4に示す通りである。この結果よ
り、No21、26では酸化鉄(Fe2 3 )及び酸化
ニオブ(Nb2 3 )の総含有量が60重量%である為
に体積固有抵抗値を5×105 Ω・cmと半導電性を得
ることが出来たものの、その添加量が60重量%以上で
ある為に、曲げ強度が8kg/mm2 と構造部品材料と
して必要な曲げ強度10kg/mm2 以上を満足するこ
とが出来なかった。
【0039】又、試料No27では酸化鉄(Fe
2 3 )及び酸化ニオブ(Nb2 3 )は、曲げ強度が
15kg/mm2 と構造部品材料として使用可能な曲げ
強度を有していたものの、粒界相が連続していない為
に、導電付与材による粒界相が形成されていない為に、
体積固有抵抗値を107 Ω・cm以下とすることが出来
なかった。
【0040】これに対し、No22〜25は酸化鉄(F
2 3 )及び酸化ニオブ(Nb23 )の総含有量が
35〜55重量%の範囲にあり、且つ粒界相が連続して
いる為に体積固有抵抗値を105 〜107 Ω・cmとす
ることが出来、又、曲げ強度も10kg/mm2 以上を
満足する。
【0041】
【表3】
【0042】
【表4】
【0043】実施例3 次に、出発原料を成す複合酸化物としてフォルステライ
ト(Mg2 SiO4 )を、導電付与材として酸化鉄(F
2 3 )と酸化クロム(Cr2 3 )をそれぞれ用意
し、表5に示すように添加量を変化させた。その後、実
施例1と同様にしてセラミックスを作成し、各種測定を
行った。
【0044】結果は表6に示す通りである。この結果よ
り、No31、36では酸化鉄(Fe2 3 )及び酸化
クロム(Cr2 3 )の総含有量が60重量%である為
に体積固有抵抗値を5×105 Ω・cmと半導電性を得
ることが出来たものの、その添加量が60重量%以上で
ある為に、曲げ強度が8kg/mm2 と構造部品材料と
して必要な曲げ強度10kg/mm2 以上を満足するこ
とが出来なかった。
【0045】又、試料No37では酸化鉄(Fe
2 3 )及び酸化クロム(Cr2 3 )は、曲げ強度が
15kg/mm2 と構造部品材料として使用可能な曲げ
強度を有していたものの、粒界相が連続していない為
に、導電付与材による粒界相が形成されていない為に、
体積固有抵抗値を107 Ω・cm以下とすることが出来
なかった。
【0046】これに対し、No32〜35は酸化鉄(F
2 3 )及び酸化クロム(Cr23 )の総含有量が
35〜55重量%の範囲にあり、且つ粒界相が連続して
いる為に体積固有抵抗値を105 〜107 Ω・cmとす
ることが出来、又、曲げ強度も10kg/mm2 以上を
満足する。
【0047】
【表5】
【0048】
【表6】
【0049】実施例4 次に、出発原料を成す複合酸化物としてフォルステライ
ト(Mg2 SiO4 )を、導電付与材として酸化鉄(F
2 3 )と、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ニオブ(Nb
2 3 )、酸化クロム(Cr2 3 )をそれぞれ用意
し、表7に示すように添加量を変化させた。その後、実
施例1と同様にしてセラミックスを作成し、各種測定を
行った。
【0050】結果は表8に示す通りである。この結果よ
り、試料No41、42では酸化鉄(Fe2 3 )と酸
化亜鉛(ZnO)及び/又は酸化ニオブ(Nb
2 3 )、酸化クロム(Cr2 3 )の複合材料は、曲
げ強度が15kg/mm2 と構造部品材料として使用可
能な曲げ強度を有していたものの、粒界相が連続してい
ない為に、導電付与材による粒界相が形成されていない
為に、体積固有抵抗値を107Ω・cm以下とすること
が出来なかった。
【0051】又、No47、48では酸化鉄(Fe2
3 )と酸化亜鉛(ZnO)及び/又は酸化ニオブ(Nb
2 3 )、酸化クロム(Cr2 3 )の総含有量が60
重量%である為に体積固有抵抗値を3×106 Ω・cm
以下と半導電性を得ることが出来たものの、その添加量
が60重量%以上である為に、曲げ強度が8kg/mm
2 と構造部品材料として必要な曲げ強度10kg/mm
2 以上を満足することが出来なかった。
【0052】これに対し、No43〜46は酸化鉄(F
2 3 )と酸化亜鉛(ZnO)及び/又は酸化ニオブ
(Nb2 3 )、酸化クロム(Cr2 3 )の総含有量
が15〜55重量%の範囲にあり、且つ粒界相が連続し
ている為に体積固有抵抗値を105 〜107 Ω・cmと
することが出来、又、曲げ強度も10kg/mm2 以上
を満足する。
【0053】
【表7】
【0054】
【表8】
【0055】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、MgO
とSiO2 の複合酸化物を主体とし、酸化鉄と、酸化亜
鉛・酸化ニオブ・酸化クロムの一種以上とを含み、体積
固有抵抗が105 〜107 Ω・cm、熱膨張係数が11
×10-6/℃以下、曲げ強度が10kg/mm2 以上の
半導電性セラミックスとすることによって、静電気を除
去することができ、しかも製造が容易で大量生産を可能
にすることができる。
【0056】また、上記半導電性セラミックスを用い
て、各種治工具を形成すれば、静電気を除去して悪影響
を防止することができる。
【0057】さらに、上記半導電性セラミックスを用い
て、磁気ディスク基板用保持部材を形成すれば、磁気デ
ィスク基板の熱膨張係数と近似させることが出来、高速
回転時に高温になっても熱膨張差に伴う不都合を生じる
ことが無く、又、磁気ディスク基板に帯電した静電気を
効率良く逃すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的な磁気ディスク装置を示す縦断面図であ
る。
【符号の説明】
10:シム 11:スペ−サ− 12:クランプ 13:回転軸 14:ハブ 15:磁気ディスク基板 17:磁気ヘッド

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】MgOとSiO2 の複合酸化物を主体と
    し、酸化鉄と、酸化亜鉛・酸化ニオブ・酸化クロムの一
    種以上とを含み、体積固有抵抗が105 〜107 Ω・c
    m、熱膨張係数が11×10-6/℃以下、曲げ強度が1
    0kg/mm2以上であることを特徴とする半導電性セ
    ラミックス。
  2. 【請求項2】MgOとSiO2 の複合酸化物を40〜9
    0重量%と、酸化鉄を5〜55重量%と、残部が酸化亜
    鉛・酸化ニオブ・酸化クロムの一種以上から成ることを
    特徴とする請求項1記載の半導電性セラミックス。
  3. 【請求項3】磁気記録装置用部品や各種電子部品等の製
    造工程や取り扱い工程等で使用する治工具であって、請
    求項1記載の半導電性セラミックスにより形成したこと
    を特徴とする治工具。
  4. 【請求項4】磁気ディスク基板を所定位置に保持するた
    めの保持部材であって、請求項1記載の半導電性セラミ
    ックスにより形成し、磁気ディスクとの接触面の平面度
    を3μm以下としたことを特徴とする磁気ディスク基板
    用保持部材。
  5. 【請求項5】請求項4記載の保持部材を用いて、ガラス
    製の磁気ディスク基板を保持したことを特徴とする磁気
    ディスク装置。
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