JP4485624B2 - 低抵抗セラミックス及びこれを用いた磁気ディスク基板用保持部材並びに磁気ディスク装置 - Google Patents

低抵抗セラミックス及びこれを用いた磁気ディスク基板用保持部材並びに磁気ディスク装置 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フォルステライト及び/又はステアタイトと亜鉛の酸化物とから成る低抵抗セラミックスと、これを用いた磁気ディスク基板用保持部材並びに磁気ディスク装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、ヒータ、センサ、抵抗用基板、各種加工用治具などを構成する材質として、アルミナやジルコニアあるいは炭化珪素を主体とする低抵抗セラミックスが開発されているが、これらの低抵抗セラミックスを製造するにあたっては、緻密化するためにホットプレスや熱間静水圧プレス(HIP)あるいは還元雰囲気下で焼成しなければならず、量産には不向きであるとともに、安価に生産できないといった不都合があった。しかも、絶縁材料であるアルミナやジルコニアに半導電性を持たせるためには、TiO2、TiC、NiO等の導電性付与材を添加するのであるが、抵抗値がばらつき易く安定して生産することが難しいといった課題もあった。
【0003】
一方、コンピュータの外部記録装置等として使用される磁気ディスク装置では、近年、情報の高密度化、大容量化に伴って、磁気ヘッドと磁気ディスク基板との距離をより一層小さくするとともに、磁気ディスク基板の高度な平面化と平滑化が求められており、この要求を少しでも満足させるため、磁気ディスク基板を、平滑面化が極めて効果的に得られるガラスにて形成するとともに、磁気ディスク基板を固定、保持するスペ−サ、シムあるいはクランプといった磁気ディスク基板用保持部材を、ガラスや導電性を持ったアルミナ等のセラミックスにより形成したものがあった。
【0004】
しかしながら、ガラスは絶縁材料であるため、磁気ディスク基板に帯電する静電気を逃がすことができず、導電性をもったアルミナ等のセラミックスはガラス製磁気ディスク基板との熱膨張差が大きいために、磁気ディスク基板を歪ませ、高度な平面化と平滑化を達成し難いといった課題があった。しかも、導電性をもったアルミナ等のセラミックスは前記したように量産には不向きであるとともに、抵抗値がばらつき易く安定した生産が難しく、安価に生産できないといった課題があった。
【0005】
一方、本件出願人は、ガラスとの熱膨張差が近似した絶縁材料であるフォルステライトやステアタイトに着目し、これらの絶縁材料を含有する低抵抗セラミックスを得るために種々研究を重ね、フォルステライトやステアタイトに対し、酸化鉄のみを含有した低抵抗セラミックスや、酸化鉄以外に酸化亜鉛、酸化ニオブ、酸化クロムの1種以上を含有した低抵抗セラミックスを開発し、これらの低抵抗セラミックスを用いて磁気ディスク基板用保持部材を形成するとともに、この保持部材を用いて磁気ディスク装置を構成することを先に提案している(特開平9−27177号公報、特開平11−189463号公報参照)。
この低抵抗セラミックスは大気雰囲気中で焼成することができ、量産化できるとともに、抵抗ばらつきが少ないといった利点があった。
【0006】
しかしながら、本件出願人が提案したフォルステライトやステアタイトを含有する低抵抗セラミックスは、少なくとも酸化鉄を導電性付与材として添加した系だけであって、他の組成系については究明できていなかった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで、本件発明者は、酸化鉄に代わる他の導電性付与材について種々研究を重ねたところ、フォルステライト及び/又はステアタイトに、亜鉛の酸化物のみを含有させても半導電性又は導電性を有する低抵抗セラミックスが得られることを見出し、本発明に至った。
【0008】
即ち、本発明に係る低抵抗セラミックスは、MgOとSiO2の複合酸化物と、亜鉛の酸化物とから成る焼結体であって、該焼結体中に少なくともMg2SiO4及び/又はMgSiO3とZn2SiO4の結晶を有し、その体積固有抵抗値が1013Ω・cm未満であり、前記複合酸化物の含有量が25〜90重量%で、かつ前記亜鉛の含有量が酸化亜鉛に換算して10〜75重量%であることを特徴とする
【0009】
また、本発明は、前記複合酸化物の含有量が25〜90重量%で、かつ前記亜鉛の含有量が酸化亜鉛に換算して10〜75重量%であることを特徴とする。
【0010】
さらに、本発明は、前記低抵抗セラミックスを用いて磁気ディスク基板を保持する磁気ディスク基板用保持部材を形成するとともに、この磁気ディスク基板用保持部材を用いて少なくとも1枚のガラス製磁気ディスク基板を保持した磁気ディスク装置を構成したものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0012】
本発明に係る低抵抗セラミックスは、MgOとSiO2の複合酸化物と、亜鉛の酸化物とから成る焼結体であって、この焼結体中に少なくともMg2SiO4及び/又はMgSiO3とZn2SiO4の結晶を有し、その体積固有抵抗値が1013Ω・cm未満であることを特徴とする。
【0013】
ここで、MgOとSiO2の複合酸化物とは、最終焼結体中においてMg2SiO4(フォルステライト)及び/又はMgSiO3(ステアタイト)を形成するもので、Mg2SiO4(フォルステライト)又はMgSiO3(ステアタイト)のみからなるセラミックスは、曲げ強度が10〜16kg/cm2、ヤング率140〜160GPa、熱膨張係数(20〜400℃)8〜11×10-6/℃である絶縁性のセラミックスであるが、本件発明者は、このセラミックスに導電性付与材として亜鉛の酸化物のみを添加し、最終焼結体においてZn2SiO4を生成、存在させることにより体積固有抵抗値を下げられることを見出し、本発明に至った。
【0014】
即ち、焼結体中に添加する亜鉛の酸化物としては、酸化亜鉛(ZnO)を用いるのであるが、酸化亜鉛(ZnO)のままでは抵抗値を下げる効果が得られず、焼成時に一部の酸化亜鉛(ZnO)を複合酸化物のSiO2と反応させて電子イオンの移動が活発である導電性の高いZn2SiO4を生成、存在させることで体積固有抵抗値を下げられることを見出し、添加する亜鉛の含有量を適宜調整することで、体積固有抵抗値を半導電性又は導電性を示す1013Ω・cm未満としたものである。なお、焼結体中の結晶については、X線回折で確認することができ、Mg2SiO4、MgSiO3、Zn2SiO4の結晶はそれぞれ図1の各位置にピークを有している。なお、図1はフォルステライトを主体とする本発明の低抵抗セラミックスのチャート図で、Mg2SiO4、MgSiO3、Zn2SiO4及びZnOの結晶からなっている。
【0015】
このような低抵抗セラミックスを得るには、MgOとSiO2の複合酸化物としてMg2SiO4及び/又はMgSiO3の粉体を用意すると共に、導電性付与材とし酸化亜鉛(ZnO)の粉体を用意する。そして、上記複合酸化物に対し、酸化亜鉛(ZnO)を10重量%以上(複合酸化物90重量%以下)含有すれば良い。即ち、酸化亜鉛(ZnO)の含有量が10重量%未満(複合酸化物90重量%より多い)では、焼結体中にZn2SiO4が生成されたとしても抵抗値を下げる効果が小さく、体積固有抵抗値を1013Ω・cm未満とすることができないからである。
【0016】
ただし、導電性付与材として含有する酸化亜鉛(ZnO)の含有量が多くなると抵抗値を下げることができる反面、フォルステライトやステアタイトが持つ他の機械的特性や熱膨張係数等の熱的特性が大きく阻害される恐れがあり、特に、75重量%を超える(複合酸化物25重量%未満)と機械的特性のヤング率が120GPa未満にまで大幅に低下する。
【0017】
その為、好ましい亜鉛の含有量は酸化亜鉛(ZnO)に換算して10〜75重量%とすることが良く、この範囲で含有すれば、曲げ強度10〜15kg/cm2、ヤング率120〜160GPa、熱膨張係数(20〜400℃)8〜11×10-6/℃を有するように、フォルステライトやステアタイトが持つ機械的特性や熱的特性等を大きく劣化させることなく、体積固有抵抗値のみを下げ、半導電性又は導電性を付与することができ、さらに好ましくは40〜50重量%の範囲で含有することが良い。
【0018】
なお、本発明の低抵抗セラミックスは、実質的にMgOとSiO2の複合酸化物と導電性付与材としての亜鉛の酸化物のみからなるものであるが、不純物としてAl23、CaO、TiO2等を合計で0.1重量%以下の範囲であれば含んでいても構わない。
【0019】
次いで、Mg2SiO4及び/又はMgSiO3の粉体と、酸化亜鉛(ZnO)の粉体とを前述した範囲で添加した混合原料を型内に充填して所定形状に成形したあと、大気雰囲気中にて1200〜1300℃の温度で1〜2時間程度焼成することにより本発明の低抵抗セラミックスを得ることができる。
【0020】
このように、本発明の低抵抗セラミックスもまた本件出願人が先に提案した導電性付与材として酸化鉄を含有するフォルステライトやステアタイトと同様に大気雰囲気中での焼成が可能であり、特殊な工程を必要とせず、簡単な工程で容易に大量生産することができる。ただし、焼成雰囲気は大気雰囲気に限らず、非酸化雰囲気や還元雰囲気であっても構わない。
【0021】
次に、本発明の低抵抗セラミックスを用いた磁気ディスク基板用保持部材について説明する。
図2(a)は本発明の磁気ディスク基板用保持部材の一例であるスペーサー(シムも含む)を示す斜視図、図2(b)は図1(a)のX−X線断面図で、リング状体2をなし、その上下面を磁気ディスク基板との当接面21aとしたもので、それぞれ平坦度3μm以下、中心線表面粗さ(Ra)2.0μm以下の平滑面としてあり、上下の当接面21aの平行度を5μm以下に仕上げてある。なお、21bは内外のエッジに形成したC面状の面取部で、欠けや割れを防止するようになっている。
【0022】
そして、前記リング状体2を、MgOとSiO2の複合酸化物と、亜鉛の酸化物とから成る焼結体であって、この焼結体中に少なくともMg2SiO4及び/又はMgSiO3とZn2SiO4の結晶を有し、その体積固有抵抗値が1013Ω・cm未満である低抵抗セラミックスにより形成してある。
【0023】
さらに、図1のスペーサー21を用いて複数枚のガラス製磁気ディスク基板を保持した磁気ディスク装置を図2に説明する。
この磁気ディスク装置は、回転軸13に結合され、ハブ14に形成されたフランジ部14aに複数枚のガラス製磁気ディスク基板15と図1(a)(b)に示すスペーサー21とを交互に挿入し、最上部の磁気ディスク基板15をシム12及びクランプ11で押さえ付け、ネジ16で締め付けることで、複数枚のガラス製磁気ディスク基板15を所定間隔に保持してある。そして、回転軸13によってハブ14及び磁気ディスク基板15を回転させながら、磁気ディスク基板15の表面上を微小距離隔てて磁気ヘッド17を移動させることにより、磁気ディスク基板15の所定位置に情報の書き込みや読みとりを行うようになっている。
【0024】
そして、本発明によれば、スペーサー21を前述した低抵抗セラミックスにより形成してあるため、ガラス製磁気ディスク基板との熱膨張差を近似させることができ、磁気ディスク基板15を歪ませることなく高精度に保持することができるため、磁気ヘッド17の浮上量を極小化することができ、情報の高密度記録を実現することができるとともに、導電性を有することから、磁気ディスク基板15に帯電する静電気を逃すことができ、記録内容が破壊されることを防止できる。また、ヤング率が120GPa以上のものを用いれば、ネジ16にて締め付けて固定する際の磁気ディスク基板15の変形を防止することができる。
【0025】
なお、図2の磁気ディスク装置では、最上部の磁気ディスク基板15とクランプ11との間に、シム12を介して保持するようにした例を示したが、この他にシム12を介在させず、クランプ11にて最上部の磁気ディスク基板15を直接押さえつけるようにしても良く、また、ハブ14のフランジ部14aと最下部の磁気ディスク基板15との間に介在するスペーサー21を取り除き、フランジ部14aと磁気ディスク基板15とを直接当接させるようにしても良い。さらにスペーサー21以外のシム12やクランプ11を本発明の低抵抗セラミックスにより形成しても良いことは言うまでもない。
【0026】
なお、実施形態では、本発明の低抵抗セラミックスを磁気ディスク基板用保持部材及び磁気ディスク装置に用いた例を示したが、この他に静電気除去が要求されるハンドリングアームやピンセット等の治工具等にも好適に用いることができる。
【0027】
【実施例】
(実施例1)
複合酸化物としてMg2SiO4(フォルステライト)を、導電付与材として酸化亜鉛(ZnO)をそれぞれ用意し、表1に示すように添加量を変化させた。それぞれの原料は有機溶剤及び結合剤とともに容器内に投入し、約1時間混合したあとスプレードライヤーにて乾燥させて二次原料を作製し、次に得られた二次原料を乾式プレスにて1.0ton/cm2の成形圧で所定の形状に成形したあと、大気雰囲気中にて1200〜1300℃の温度で約2時間焼成を行ったあと、得られたセラミックスをJIS規定に基づいて試料の大きさに切り出し、体積固有抵抗値、熱膨張係数、ヤング率をそれぞれ測定した。なお、体積固有抵抗値はJIS C 2141、熱膨張係数はJIS R 1618、ヤング率はJISR 1601の規定にそれぞれ基づいて測定した。
【0028】
そして、評価にあたっては、体積固有抵抗値が1013Ω・cm未満であるものを良好とし、△で表し、さらに熱膨張係数が10×10-6/℃以下で、ヤング率が120GPa以上を有するものを○、熱膨張係数が10×10-6/℃以下で、ヤング率が150GPa以上を有するものを◎として評価した。
結果は表2に示す通りである。
【0029】
【表1】
Figure 0004485624
【0030】
【表2】
Figure 0004485624
【0031】
この結果、酸化亜鉛(ZnO)の含有量が多くなるにしたがって、体積固有抵抗値を小さくできることが判る。ただし、酸化亜鉛(ZnO)の含有量が少ない範囲では体積固有抵抗値が1013以上となり、半導電性を得ることができなかった。
【0032】
これに対し、酸化亜鉛(ZnO)の含有量を10重量%以上含有すれば、焼結体中にMg2SiO4、Zn2SiO4、ZnOの結晶を有し、その体積固有抵抗値を1013Ω・cm未満と半導電性又は導電性を付与することができた。
【0033】
また、酸化亜鉛(ZnO)の上限を75重量%以下とすれば、焼結体のヤング率を120GPa以上とすることができ、フォルステライトのみからなるセラミックスと比較しても機械的特性を大きく損なうことがなかった。
【0034】
特に酸化亜鉛(ZnO)を40〜50重量%の範囲で含有すれば、ヤング率が150GPaと機械的特性を殆ど損なうことなく半導電性を得ることができた。
【0035】
(実施例2)
複合酸化物として、MgSiO3(ステアタイト)を、導電付与材として酸化亜鉛(ZnO)をそれぞれ用意し、表3に示すように添加量を変化させた。それぞれの原料は有機溶剤及び結合剤とともに容器内に投入し、約1時間混合したあとスプレ−ドライヤ−にて乾燥させて二次原料を作製し、次に得られた二次原料を乾式プレスにて1.0ton/cm2の成形圧で所定の形状に成形したあと、大気雰囲気中にて1200〜1300℃の温度で約2時間焼成を行ったあと、得られたセラミックスをJIS規定に基づいて試料の大きさに切り出し、体積固有抵抗値、熱膨張係数、ヤング率をそれぞれ測定した。なお、体積固有抵抗値はJIS C 2141、熱膨張係数はJIS R 1618、ヤング率はJIS R 1601の規定にそれぞれ基づいて測定した。
【0036】
そして、実施例1と同様の条件にて評価を行った。
結果は表4に示す通りである。
【0037】
【表3】
Figure 0004485624
【0038】
【表4】
Figure 0004485624
【0039】
この結果、複合酸化物としてMgSiO3(ステアタイト)を用いても、酸化亜鉛(ZnO)の含有量が多くなるにしたがって体積固有抵抗値を小さくでき、酸化亜鉛(ZnO)の含有量を10重量%以上含有すれば、焼結体中にMgSiO3、Zn2SiO4、ZnOの結晶を有し、その体積固有抵抗値を1013未満と半導電性又は導電性を付与することができた。
【0040】
また、酸化亜鉛(ZnO)の上限を75重量%以下とすれば、焼結体のヤング率を120GPa以上とすることができ、ステアタイトのみからなるセラミックスと比較しても機械的特性を大きく損なうことがなく、特に酸化亜鉛(ZnO)を40〜50重量%の範囲で含有すれば、ヤング率が140GPaと機械的特性を殆ど損なうことなく半導電性を得ることができた。
【0041】
【発明の効果】
以上のように、本発明の低抵抗セラミックスによれば、MgOとSiO2の複合酸化物と、亜鉛の酸化物とから成る焼結体であって、該焼結体中に少なくともMg2SiO4及び/又はMgSiO3とZn2SiO4の結晶を有し、その体積固有抵抗値が1013Ω・cm未満としたことから、フォルステライトやステアタイトが持つ機械的特性や熱的特性等を大きく劣化させることなく半導電性又は導電性を付与することができるとともに、製造が容易で大量生産を可能にすることができる。
また、この低抵抗セラミックスを用いて磁気ディスク基板用保持部材を形成し、ガラス製磁気ディスク基板を保持した磁気ディスク装置を構成するようにしたことから、ガラス製磁気ディスク基板に帯電した静電気を逃がし、記録内容が破壊されることを防止できるとともに、ガラス製磁気ディスク基板との熱膨張差を少なくでき、ガラス製磁気ディスク基板の歪みや平行度のずれ等を極めて小さくできるため、磁気ヘッドの浮上量を極小化でき、高密度記録を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】フォルステライトを主体とする本発明の低抵抗セラミックスにおけるX線回折のチャート図である。
【図2】(a)は本発明に係る磁気ディスク基板用保持部材の一例であるスペーサーを示す斜視図、(b)は(a)のX−X線断面である。
【図3】本発明に係る磁気ディスク装置の一例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
12:シム 21:スペ−サ− 21a:当接面 21b:C面
22:クランプ 13:回転軸 14:ハブ 14a:フランジ部
15:ガラス製磁気ディスク基板 16:ネジ 17:磁気ヘッド

Claims (3)

  1. MgOとSiO2の複合酸化物と、亜鉛の酸化物とから成る焼結体であって、該焼結体中に少なくともMg2SiO4及び/又はMgSiO3とZn2SiO4の結晶を有し、その体積固有抵抗値が1013Ω・cm未満であり、
    前記複合酸化物の含有量が25〜90重量%で、かつ前記亜鉛の含有量が酸化亜鉛に換算して10〜75重量%であることを特徴とする低抵抗セラミックス。
  2. 磁気ディスク基板を保持する保持部材を、MgOとSiO2の複合酸化物と、亜鉛の酸化物とから成る焼結体であって、該焼結体中に少なくともMg2SiO4及び/又はMgSiO3とZn2SiO4の結晶を有し、その体積固有抵抗値が1013Ω・cm未満であり、
    前記複合酸化物の含有量が25〜90重量%で、かつ前記亜鉛の含有量が酸化亜鉛に換算して10〜75重量%であることを特徴とする低抵抗セラミックスにより形成したことを特徴とする磁気ディスク基板用保持部材。
  3. 少なくとも1枚のガラス製磁気ディスク基板を、MgOとSiO2の複合酸化物と、亜鉛の酸化物とから成る焼結体であって、該焼結体中に少なくともMg2SiO4及び/又はMgSiO3とZn2SiO4の結晶を有し、その体積固有抵抗値が1013Ω・cm未満であり、
    前記複合酸化物の含有量が25〜90重量%で、かつ前記亜鉛の含有量が酸化亜鉛に換算して10〜75重量%であることを特徴とする低抵抗セラミックスにより形成した磁気ディスク基板用保持部材にて保持したことを特徴とする磁気ディスク装置。
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