JP2000195212A - 磁気ディスク基板用保持部材及びこれを用いた磁気ディスク装置 - Google Patents

磁気ディスク基板用保持部材及びこれを用いた磁気ディスク装置

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JP2000195212A
JP2000195212A JP36773598A JP36773598A JP2000195212A JP 2000195212 A JP2000195212 A JP 2000195212A JP 36773598 A JP36773598 A JP 36773598A JP 36773598 A JP36773598 A JP 36773598A JP 2000195212 A JP2000195212 A JP 2000195212A
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magnetic disk
disk substrate
less
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porous ceramic
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JP36773598A
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English (en)
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Tetsuji Hayazaki
哲治 早崎
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Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高速回転時の遠心力による変形量が少なく、磁
気ディスク基板との熱膨張差が近似しており、導電性を
有するとともに、パーティクルの発生が少なく、かつ安
価で大量生産が可能な、シム20、スペ−サ21、クラ
ンプ22の如き磁気ディスク基板用保持部材を提供し、
磁気ディスク基板へ大容量の情報を記録させることがで
きるとともに、記録内容を破壊したり、パーティクルに
よって磁気ヘッドを傷付けることのない磁気ディスク装
置を提供する。 【解決手段】シム20、スペ−サ21、クランプ22の
如き保持部材を、三次元網目構造を有する多孔質セラミ
ックス体の開気孔中に金属を充填、含浸してなり、嵩比
重が6.0以下、体積固有抵抗値が107 Ω・cm未
満、かつ熱膨張係数が10×10-6/℃以下である複合
材により形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ディスク基板
を所定間隔に保持するためのスペ−サ、シム、クランプ
等の如き磁気ディスク基板用保持部材と、この保持部材
を用いて複数の磁気ディスク基板を所定間隔に保持して
なる磁気ディスク装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、コンピュータの外部記録装置等と
して使用される磁気ディスク装置は、図6に示すよう
に、回転軸13に固定されたハブ14に、複数枚の磁気
ディスク基板15とスペ−サ11とを交互に挿入し、最
後にシム10及びクランプ12で押さえ付けてネジ16
で締め付けることにより固定するようになっている。そ
して、この磁気ディスク装置を用いて情報の書き込みや
読み取りを行うには、上記固定軸13と共に磁気ディス
ク基板15を回転させた状態で、磁気ヘッド17を磁気
ディスク基板15の表面上において非接触の状態で移動
させることで、磁気ディスク基板15の所定位置に情報
を書き込んだりあるいは所定位置から情報を読み取るよ
うになっている。
【0003】ところで、このような磁気ディスク装置
は、情報が高密度で大容量化するに伴って、磁気ヘッド
17と磁気ディスク基板15との距離の極小化、磁気デ
ィスク基板15のより高度な平坦化と表面の平滑化等が
要求されており、その為、磁気ディスク基板15の材質
として平滑な表面が得易いガラスやセラミックスが用い
られ、このような磁気ディスク基板15を所定間隔で固
定、保持するシム10、スペ−サ11、クランプ12等
の保持部材として、磁気ディスク基板15との熱膨張差
が同一又は近似したセラミックスやガラスにより形成し
たものがあった(特公平5−80745号公報、特開昭
61−148667号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、セラミック
スやガラスは一般的に絶縁材料であり、これらの材質か
らなる保持部材を用いて磁気ディスク基板15を保持す
ると、磁気ディスク基板15が帯電し、情報の読み取り
や書き込みの際にノイズが発生するため、記録内容を破
壊してしまうといった課題があった。
【0005】そこで、このような課題を解決するものと
して、磁気ディスク基板15との当接面にアルミニウム
や亜鉛などの金属膜を被覆し、磁気ディスク基板15に
帯電する静電気を除去するようにした保持部材が提案さ
れている(特開昭61−148667号公報参照)。
【0006】しかしながら、このような保持部材を用い
て磁気ディスク基板15を保持すると、延性材料である
金属膜が変形して磁気ディスク基板15に歪みが発生す
る恐れがあり、この歪みがひどいときには磁気ヘッド1
7が磁気ディスク基板15に接触して基板15上の磁性
膜や磁気ヘッド17を傷付けてしまう恐れがあった。
【0007】そこで、本件出願人は、これらの磁気ディ
スク基板用保持部材を、炭化珪素質セラミックス、ある
いはNiO、CoO、TiO2 、TiC等の導電性付与
材を含有してなるアルミナセラミックスやジルコニアセ
ラミックス等の半導電性セラミックスやTiC及び/又
はTiN系のサ−メット材により形成することを先に提
案している(特開平2−226566号公報参照)。
【0008】ところが、近年、より一層情報の大容量化
が要求され、磁気ヘッド17として、MRヘッドやGM
Rヘッドと呼ばれる磁気抵抗素子を用いたヘッドが使用
されるようになり、磁気ヘッド17と磁気ディスク基板
15との距離をさらに極小化することが望まれているの
であるが、上記半導体性セラミックスからなる保持部材
を用いて磁気ディスク基板15を保持すると、これまで
気付かなかった保持部材から脱落するパーティクルが磁
気ヘッド17と磁気ディスク基板15との間に入り込
み、磁気ヘッド17を傷付ける結果、情報の読み取りや
書き込みができなくなるといった課題があった。
【0009】即ち、セラミックスは緻密であるといえど
もその表面上には微小な気孔が多数存在しており、この
気孔中には、研削加工時における加工粉が多数入り込ん
でいるのであるが、これらの加工粉は洗浄してもなかな
か取り除くことができなかった。その為、半導電性セラ
ミックスからなる保持部材を用いて磁気ディスク基板1
5を保持し、磁気ディスク装置を稼働させると、保持部
材の気孔中に入り込んでいた加工粉がパーティクルとし
て脱落し、極小化された磁気ヘッド17と磁気ディスク
基板15との間に入り込んで磁気ヘッド17を傷付けて
いた。
【0010】また、保持部材として炭化珪素質セラミッ
クスや、NiO、CoO等の導電性付与材を含有させた
アルミナセラミックスやジルコニアセラミックスを用い
る場合、これらのセラミックスを緻密化するためには、
ホットプレスや熱間静水圧プレス(HIP)を行う必要
があり、生産性が悪く、また、コストが高くなるという
課題もあった。
【0011】さらに、導電付与材としてTiO2 やTi
Cを含有させたアルミナセラミックスにおいては、熱膨
張係数が比較的大きいため、ガラス製やセラミック製の
磁気ディスク基板15との熱膨張差が2〜5×10-6
℃程度と大きく、磁気ディスク基板15の歪みを充分に
抑えることができなかった。
【0012】一方、サ−メット材からなる保持部材は、
嵩比重が7.0以上あるため、磁気ディスク装置に組み
込んで高速回転させると、保持部材が遠心力によって変
形する結果、磁気ディスク基板15を歪ませ、磁気ヘッ
ド17が磁気ディスク基板15に接触して、情報の書き
込みや読み取りができなくなる恐れがあった。
【0013】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は上記課
題に鑑み、磁気ディスク基板を所定間隔で保持する磁気
ディスク基板用保持部材を、三次元網目構造を有する多
孔質セラミックス体の気孔中に金属を充填、含浸してな
る複合材により形成するとともに、該複合材の嵩比重を
6.0以下、体積固有抵抗値を107 Ω・cm未満、熱
膨張係数を10×10-6/℃以下で、かつヤング率を1
00GPa以上としたことを特徴とする。
【0014】また、本発明は、上記磁気ディスク基板用
保持部材を用いて、回転軸に固定されたハブに、複数枚
の磁気ディスク基板を所定間隔に保持して磁気ディスク
装置を構成したことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。
【0016】図1は本発明の磁気ディスク基板用保持部
材の一例であるスペーサを示す図で、(a)は斜視図、
(b)は(a)のX−X線断面図であり、三次元網目構
造を有する多孔質セラミックス体の気孔中に金属を充
填、含浸してなる複合材からなるリング状体であって、
磁気ディスク基板との当接面21aは、それぞれ平坦度
3μm以下、表面粗さ(Ra)2.0μm以下の平滑面
としてあり、上下の当接面21aの平行度を5μm以下
とするとともに、当接面21aにおける内外のエッジに
は欠け防止のためにC面又はR面の面取り21bを施し
てある。
【0017】また、図2(a)(b)は、本発明の磁気
ディスク基板用保持部材の他の例であるシム20を示す
斜視図とそのY−Y線断面図であり、厚みが薄い以外
は、スペーサ21と同様の形状をしたものである。
【0018】さらに、図3(a)(b)は本発明の磁気
ディスク基板用保持部材の他の例であるクランプを示す
斜視図とそのZ−Z線断面図であり、このクランプ22
は、三次元網目構造を有する多孔質セラミックス体の気
孔中に金属を充填、含浸してなる複合材からなる板状体
であって、当接面22aは平坦度3μm以下、表面粗さ
(Ra)2.0μm以下の平滑面としてあり、当接面2
2aにおける内外のエッジには欠け防止のためにC面又
はR面の面取り22bを施してある。また、当接面22
a側の表面にはハブの頂部が収納される凹部22dを設
けてあり、締めつけのためのネジ穴22cを穿孔してあ
る。
【0019】次に、上記シム20、スペ−サ21、クラ
ンプ22の磁気ディスク基板用保持部材(以下、保持部
材という)を用いて複数枚の磁気ディスク基板を保持し
た磁気ディスク装置を図4に説明する。なお、従来例と
同一部分については同一符号で示す。
【0020】この磁気ディスク装置は、回転軸13に結
合されたハブ14に形成されたフランジ部14aに複数
枚の磁気ディスク基板15と図1に示すスペーサ21と
を交互に挿入し、最上部の磁気ディスク基板15をシム
12及びクランプ22で押さえ付け、ネジ16で締め付
けることにより、複数枚の磁気ディスク基板15を所定
間隔に保持してある。そして、回転軸13によってハブ
14及び磁気ディスク基板15を回転させながら、磁気
ディスク基板15の表面上を微小距離隔てて磁気ヘッド
17を移動させることにより、磁気ディスク基板15の
所定位置に情報の書き込みや読み取りを行うようになっ
ている。
【0021】なお、図4の磁気ディスク装置にあって
は、最上部の磁気ディスク基板15とクランプ22との
間に、シム20を介して保持するようにした例を示した
が、この他にシム20を介在させず、クランプ20にて
最上部の磁気ディスク基板15を直接押さえ付けるよう
にしても良く、また、ハブ14のフランジ部14aと最
下部の磁気ディスク基板15との間に介在するスペーサ
21を取り除き、フランジ部14aと磁気ディスク基板
15とを直接当接させるようにしても良い。さらに、図
4では図2に示すシム20、図1に示すスペーサ21、
図3に示すクランプ22をそれぞれ用いたいが、シム2
0あるいはクランプ22にあっては、従来より使用され
ているシム10やクランプ20を用いても構わない。
【0022】また、上記磁気ディスク基板15として
は、ガラス板の表面に磁性膜を備えたものを用いること
ができ、さらに、他の材質として、チタン、シリコン、
イットリウム−アルミニウム−ガーネット、カーボン、
アルミナ、サファイア等を用いることもできる。
【0023】そして、本発明によれば、シム20、スペ
−サ21、クランプ22の如き保持部材を、三次元網目
構造を有する多孔質セラミックス体の気孔中に金属を充
填、含浸してなる複合材により形成してあることから、
磁気ディスク基板15を歪ませることなく高精度に保持
することができるとともに、導電性を有することから、
磁気ディスク基板15に帯電する静電気を逃がすことが
でき、記録内容の破壊を防止できる。しかも、パーティ
クルの発生が極めて少ないため、磁気ヘッド17を破損
させることがない。
【0024】即ち、本発明の保持部材を形成する複合材
は、その骨格を多孔質セラミック体にて形成してあるこ
とから、剛性が高く、磁気ディスク基板15をネジ16
にて締め付けて固定する際に変形することがなく、さら
に、当接面20a〜22aを平坦かつ平滑に形成するこ
とができるため、磁気ディスク基板15を極めて高精度
に保持することができる。しかも、複合材の熱膨張係数
は、多孔質セラミック体の熱膨張係数に依存するところ
が大きいため、磁気ディスク基板15との熱膨張差を近
似させることで、高回転時に高温になっても熱膨張差に
伴う不都合を生じることがない。その為、磁気ヘッド1
7の磁気ディスク基板15に対する浮上量を極めて小さ
くすることができる。しかも、本発明によれば、加工粉
等のパーティクルが溜まる多孔質セラミック体の気孔中
に金属を充填、含浸させてあるため、従来の緻密質セラ
ミックスからなる保持部材のように、気孔中に加工粉等
が保持されるようなことがなく、パーティクルの発生を
抑えて磁気ヘッド17の破損を防ぐことができる。
【0025】ここで、三次元網目構造を有する多孔質セ
ラミック体としては、図5(a)に示すように、通常の
焼成温度より低い温度で焼成して形成した、複雑な形状
の開気孔が上面から下面や上面から側面あるいは下面か
ら側面まで連通したものや、図5(b)に示すように、
セラミック成形体中に焼成時に燃えて無くなる有機材料
の如き焼失材を分散させておき、通常の焼成温度で焼成
して形成した、比較的形状の揃った開気孔が上面から下
面や上面から側面あるいは下面から側面まで連通したも
のや、さらには図5(c)に示すように、セラミック粒
子をガラスで結合させた、形状の揃った開気孔が上面か
ら下面や上面から側面あるいは下面から側面まで連通し
たものを用いることができる。
【0026】また、多孔質セラミック体の開気孔中には
金属を殆ど隙間なく充填、含浸してあり、導電性を持た
せてあることから、磁気ディスク基板15に帯電する静
電気を当接面20a〜22aに露出する金属を介して速
やかに逃がすことができる。ところで、このような効果
を奏するためには、保持部材を形成する複合材として、
比重や熱膨張係数が小さく、導電性を有するものが良
く、さらにヤング率が高いものが好ましい。具体的に
は、嵩比重が6.0以下、体積固有抵抗が107Ω・c
m未満、熱膨張係数が10×10-6/℃以下の範囲にあ
って、さらにヤング率が100GPa以上を有するもの
が良い。
【0027】即ち、複合材の嵩比重が6.0を越える
と、高速回転時に発生する遠心力によって保持部材が変
形する度合いが大きく、磁気ディスク基板15に歪みが
発生するからであり、熱膨張係数が107 Ω・cm以上
となると、静電気の除去効果が小さく、熱膨張係数が1
0×10-6/℃より大きくなると、磁気ディスク基板1
5を形成するセラミック板やガラス板との熱膨張差が大
きくなり過ぎるため、高速回転時に発生する熱によって
磁気ディスク基板15に歪みを発生させるからであり、
さらに、ヤング率が100GPa未満では、ハブ14に
磁気ディスク基板15とともにネジ16にて締め付けた
時に保持部材が変形して磁気ディスク基板15を歪ませ
るからである。
【0028】そして、このような複合材の嵩比重、体積
固有抵抗、熱膨張係数、ヤング率は、骨格を成す多孔質
セラミックス体の嵩比重、熱膨張係数、ヤング率に依存
するところが大きく、また、複合材の体積固有抵抗は、
多孔質セラミック体の開気孔中に充填、含浸する金属の
体積固有抵抗値に依存するところが大きいため、両者の
配合比をそれぞれ調整することで前述した値とすること
ができる。
【0029】具体的には、多孔質セラミック体として、
アルミナ、ジルコニア、フォルステライト、炭化珪素、
窒化珪素、窒化アルミニウム等のセラミックスを用いる
ことができ、この多孔質セラミック体の気孔中に充填、
含浸する金属として、アルミニウム、モリブデン、アル
ミニウム合金、モリブデン合金等を用いることができ
る。そして、多孔質セラミック体の気孔率を10〜50
%、平均気孔径を15〜100μmとし、この気孔中に
上記金属材料を充填、含浸させることで、複合材の嵩比
重を6.0以下、体積固有抵抗を107 Ω・cm未満、
熱膨張係数を10×10-6/℃以下でかつヤング率を1
00GPa以上とすることができる。
【0030】例えば、多孔質セラミック体がアルミナセ
ラミックスからなるものにあっては、Al2 3 を90
重量%以上含み、残部がSiO2 ,MgO,CaOなど
の焼結助剤からなる焼結体であって、図5(a)に示す
多孔質セラミック体を得る時には、1550〜1620
℃の大気雰囲気下や酸化雰囲気下で焼成し、図5(b)
に示す多孔質セラミック体を得る時には、1650〜1
720℃の大気雰囲気下や酸化雰囲気下で焼成すれば良
い。
【0031】ジルコニアセラミックスからなるなるもの
にあっては、ZrO2 を主成分とし、Y2 3 ,Mg
O,CaO等を安定化剤として含有してなる、部分安定
化又は安定化された焼結体であって、図5(a)に示す
多孔質セラミック体を得る時には、1350〜1420
℃の大気雰囲気下や酸化雰囲気下で焼成し、図5(b)
に示す多孔質セラミック体を得る時には、1450〜1
520℃の大気雰囲気下や酸化雰囲気下で焼成すれば良
い。
【0032】フォルステライト質セラミックスからなる
ものにあっては、実質的にMg2 SiO4 のみからな
り、図5(a)に示す多孔質セラミック体を得る時に
は、1000〜1200℃の大気雰囲気下や酸化雰囲気
下で焼成し、図5(b)に示す多孔質セラミック体を得
る時には、1200〜1300℃の大気雰囲気下又は酸
化雰囲気下で焼成すれば良い。
【0033】炭化珪素質セラミックスからなる複合材に
あっては、SiCを90重量%以上含み、残部がCと
B、又はAl2 3 とY2 3 を含む焼結体であって、
図5(a)に示す多孔質セラミック体を得る時には、1
600〜1700℃の真空雰囲気下で焼成し、図5
(b)に示す多孔質セラミック体を得る時には、170
0〜1800の真空雰囲気下で焼成すれば良い。
【0034】窒化珪素質セラミックスからなる複合材に
あってはSi3 4 を90重量%以上含み、残部がAl
2 3 とY2 3 を含む焼結体であって、図5(a)に
示す多孔質セラミック体を得る時には、1600〜17
00℃の真空雰囲気下で焼成し、図5(b)に示す多孔
質セラミック体を得る時には、1700〜1800℃の
真空雰囲気下や窒素雰囲気下で焼成すれば良い。
【0035】さらに、窒化アルミニウム質セラミックス
からなる複合材にあっては、AlNを90重量%以上含
み、残部がY2 3 やErなどの希土類酸化物を含む焼
結体であって、図5(a)に示す多孔質セラミック体を
得る時には、1600〜1700℃の真空雰囲気下で焼
成し、図5(b)に示す多孔質セラミック体を得る時に
は、1700〜1800℃の真空雰囲気下や窒素雰囲気
下で焼成すれば良く、それぞれ気孔率10〜50%、平
均気孔径15〜100μmの多孔質セラミック体を形成
する。
【0036】しかるのち、これらの多孔質セラミック体
をプレス機のダイに装填し、このダイを加熱したあと、
純度99%以上のアルミニウムやモリブデン、あるいは
アルミニウム合金やモリブデン合金等の溶融金属をダイ
に充填し、パンチを降下させて加圧する。そして、この
加圧状態のまま冷却することにより、多孔質セラミック
体の開気孔中に金属が充填、含浸された複合材を得ると
ができ、その後、所定形状に切削加工を施せば良い。
【0037】なお、保持部材を形成する複合材の嵩比重
はアルキメデス法にて測定することができ、体積固有抵
抗値は3端子法、熱膨張係数はTMA法、ヤング率は超
音波パルス法をそれぞれ用いることで測定することがで
き、さらに、複合材の組成については、X線回折にて多
孔質セラミック体と金属の材質を確認することができ
る。また、複合材の骨格をなす多孔質セラミック体の気
孔率はアルキメデス法から求めることができ、平均気孔
径については断面の画像解析から求めることができる。
【0038】
【実施例】ここで、金属の配合比を異ならせた複合材よ
りなる磁気ディスク基板用保持部材を製作するととも
に、従来例としてTiC−TiN系のサーメット材と導
電性付与材としてNiOを含有する半導電性のアルミナ
セラミックスからなる磁気ディスク基板用保持部材を製
作し、ガラス製やセラミック製の磁気ディスク基板を精
度良く保持するのに重要な特性(嵩比重、体積固有抵抗
値、熱膨張係数、ヤング率、パーティクル数)について
調べる実験を行った。
【0039】本実験では、保持部材を形成する複合材と
して、各種セラミック粉末に、溶媒である水や有機溶
剤、さらにバインダーを添加して約10時間程度混合し
たあと、スプレ−ドライヤ−にて乾燥、造粒して顆粒を
作製した。次に、得られた顆粒を金型内に充填し、1.
0ton/cm2 の成形圧でリング状に乾式プレス成形
し、アルミナセラミックスについては1600℃、ジル
コニアセラミックスについては1300℃、フォルステ
ライト質セラミックスについては1200℃の大気雰囲
気下でそれぞれ約2時間焼成し、また、炭化珪素質セラ
ミックス、窒化珪素質セラミックス、及び窒化アルミニ
ウム質セラミックスについてはそれぞれ真空雰囲気にて
1700℃の温度で約2時間焼成することにより、気孔
率10〜70%、平均気孔径15〜150μmの多孔質
セラミック体を得た。
【0040】しかのち、この多孔質セラミック体をプレ
ス機のダイに装填し、このダイを700℃まで加熱した
あと、溶融させた純度99%以上のアルミニウムをダイ
に充填し、パンチを降下させて100kg/cm2 にて
加圧した。そして、この加圧状態のまま冷却することに
より、多孔質セラミック体の開気孔中にアルミニウムを
充填、含浸した複合材を形成し、次いで、所定の寸法の
研削加工を施して、リング状のスペーサ21を製作し
た。
【0041】そして、この保持部材を形成する複合材の
嵩比重をアルキメデス法にて測定するとともに、体積固
有抵抗値を3端子法で、熱膨張係数をTMA法で、ヤン
グ率を超音波パルス法でそれぞれ測定した。また、パ−
ティクルの測定にあたっては、保持部材を純水と共に容
器に入れて超音波洗浄し、純水中に浮遊している2μm
以上のパ−ティクルをパ−ティクルカウンタ−にて測定
した。
【0042】それぞれの結果を表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】この結果、表1より判るように、まず、試
料No.22のサーメット材からなるものでは、嵩比重
が6.0より大きいため、高速回転時に変形する恐れが
あった。
【0045】また、試料No.23の半導電性アルミナ
セラミックスからなるものでは、パーティクル数が20
00個と非常に多く、磁気ディスク装置に組み込んだ際
に、磁気ヘッドを傷付ける恐れがあった。
【0046】さらに、試料No.3,5,6,9,1
3,17,21の複合材からなるものでは、熱膨張係数
が10×10-6/℃より大きく、磁気ディスク基板を歪
ませる恐れがあった。
【0047】これに対し、試料No.1,2,4,7,
8,10〜12,14〜16,18〜20の複合材から
なるものは、熱膨張係数を10×10-6/℃以下とする
ことができ、磁気ディスク基板を高精度に保持できるこ
とが判る。
【0048】しかも、嵩比重、体積固有抵抗値、ヤング
率については、金属の中でも比重の軽いアルミニウムを
用いたことで複合材全体としての比重を6.0以下とす
ることができ、また、多孔質セラミック体の開気孔中
に、アルミニウムを充填、含浸させたことで、複合材全
体としての体積固有抵抗値を107 Ω・cm未満とする
ことができ、さらに、骨格として剛性の高い多孔質セラ
ミック体を用いていることから、100GPa以上のヤ
ング率を得ることができた。
【0049】その上、骨格をなす多孔質セラミック体の
開気孔中に、アルミニウムを充填、含浸したことで、研
削加工時の加工粉が気孔中に侵入することが殆どなく、
パーティクル数を約900個程度に抑えることができ、
磁気ディスク基板用保持部材の材質として好適であるこ
とが確認できた。
【0050】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、シム、
スペ−サ、クランプの如き保持部材を、三次元網目構造
を有する多孔質セラミックス体の開気孔中に金属を充
填、含浸してなる複合材により形成するとともに、該複
合材の嵩比重を6.0以下、体積固有抵抗値を107 Ω
・cm未満、熱膨張係数を10×10-6/℃以下でかつ
ヤング率を100GPa以上としたことによって、高速
回転時の遠心力による変形量が殆どなく、磁気ディスク
基板との熱膨張差を近似させることができるため、磁気
ディスク基板を高精度に保持することができるととも
に、導電性を有することから静電気除去効果を備え、か
つパーティクルの発生を大幅に低減することができる。
しかも、製造が容易であるため、安価にかつ大量生産が
可能となる。
【0051】そして、この磁気ディスク基板用保持部材
を用いて、回転軸に固定されたハブに、複数枚の磁気デ
ィスク基板を所定間隔に保持して磁気ディスク装置を構
成したことによって、稼働時に磁気ディスク基板を歪ま
せることがないため、磁気ヘッドとの距離を極めて極小
化することができるため、磁気ディスク基板へ大容量の
情報を記録させることができるとともに、磁気ディスク
基板に帯電する静電気を除去できるため、記録内容を破
壊することがない。しかも、保持部材からのパーティク
ルの発生が極めて少ないことから、MRヘッドやGMR
ヘッドと呼ばれる磁気抵抗素子を用いた磁気ヘッドを用
いたとしても、これらの磁気ヘッドを傷付けることがな
く、長期間にわたって安定した情報の書込や読み取りを
行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気ディスク基板用保持部材の一例で
あるスペーサを示す図であり、(a)は斜視図、(b)
はX−X線断面である。
【図2】本発明の磁気ディスク基板用保持部材の他の例
であるシムを示す図であり、(a)は斜視図、(b)は
Y−Y線断面図である。
【図3】本発明の磁気ディスク基板用保持部材の他の例
であるクランプを示す図であり、(a)は斜視図、
(b)はZ−Z線断面図である。
【図4】本発明の磁気ディスク装置の概略を示す断面図
である。
【図5】(a)〜(c)はそれぞれ本発明の磁気ディス
ク基板用保持部材を形成する複合材の断面構造を示す模
式図である。
【図6】一般的な磁気ディスク装置の概略を示す断面図
である。
【符号の説明】
10,20:シム 20a:当接面 20b:面取り部
11,21:スペ−サ 21a:当接面 21b:面取り部 12,22:クラ
ンプ 22a:当接面 22b:面取り部 22c:ネジ穴 22d:凹部 1
3:回転軸 14:ハブ 14a:フランジ部 15:磁気ディスク
基板 16:ネジ 17:磁気ヘッド

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁気ディスク基板を所定間隔で保持する保
    持部材が、三次元網目構造を有する多孔質セラミックス
    体の気孔中に金属を充填、含浸してなる複合材からな
    り、該複合材の嵩比重が6.0以下、体積固有抵抗値が
    107 Ω・cm未満、熱膨張係数が10×10-6/℃以
    下で、かつヤング率が100GPa以上であることを特
    徴とする磁気ディスク基板用保持部材。
  2. 【請求項2】回転軸に固定されたハブに、三次元網目構
    造を有する多孔質セラミックス体の気孔中に金属を充
    填、含浸してなり、嵩比重が6.0以下、体積固有抵抗
    値が107 Ω・cm未満、熱膨張係数が10×10-6
    ℃以下でかつヤング率が100GPa以上である複合材
    からなる保持部材を用いて、複数枚の磁気ディスク基板
    を所定間隔に保持することを特徴とする磁気ディスク装
    置。
JP36773598A 1998-12-24 1998-12-24 磁気ディスク基板用保持部材及びこれを用いた磁気ディスク装置 Pending JP2000195212A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7042676B2 (en) 2002-11-19 2006-05-09 Samsung Electronics Co., Ltd. Hard disk clamping apparatus
CN110903652A (zh) * 2019-12-13 2020-03-24 深圳市中金岭南科技有限公司 渔网结构的柔性可拉伸导电复合材料及其制备方法与应用

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7042676B2 (en) 2002-11-19 2006-05-09 Samsung Electronics Co., Ltd. Hard disk clamping apparatus
CN110903652A (zh) * 2019-12-13 2020-03-24 深圳市中金岭南科技有限公司 渔网结构的柔性可拉伸导电复合材料及其制备方法与应用

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