JP2001154068A - 半導体レーザモジュール - Google Patents
半導体レーザモジュールInfo
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Abstract
モードが高いモード抑圧比を保って安定に発振する半導
体レーザモジュールを提供する。 【解決手段】 半導体レーザ素子2aと光ファイバ3a
とが光結合手段2bによって光結合された半導体レーザ
モジュール1Aである。光ファイバ3aには反射部4と
複屈折ファイバ3aとを設け、複屈折ファイバ3aは光
結合手段2b側の入射端から少なくとも反射部4直前ま
でに設ける。複屈折ファイバ3aの長手方向の少なくと
も1ケ所に接続部6を設け、接続部6で2つのX軸、Y
軸の固有軸をそれぞれ互いに設定角度θで交差するよう
に接続した半導体レーザモジュール。
Description
ュールに関し、特に発振状態の安定した外部共振器を構
成する半導体レーザモジュールに関する。
おいて信号用光源や光ファイバ増幅器の励起用光源とし
て大量に用いられるようになってきた。半導体レーザを
光通信の信号用光源や励起用光源として用いる場合、半
導体レーザ(半導体レーザ素子)からのレーザ光を、光
結合手段によって光ファイバに光学的に結合させるデバ
イスである半導体レーザモジュールとして使用される場
合が多い。
レーザ素子から出射される光の波長を安定させるため
に、例えば、半導体レーザ素子の光をファイバブラッグ
グレーティング(以下単にFBGという)によって光帰
還させている。
た場合、光ファイバの形状状態、例えば巻き方によって
帰還光の偏光状態が半導体レーザの増幅可能な偏波方向
とは異なる成分を持つことがあり、光の帰還量が実効的
に変化し、結果として発振状態が変化してしまうことが
ある。
屈折ファイバを使用することが考えられる。複屈折ファ
イバによれば偏波面が保持され、光帰還量をほぼ一定に
保つことができ、光ファイバの巻き方等の形状状態の変
化に起因する発振状態の変動を抑制することが可能とな
る。
バを使用すると、スペクトル上に等間隔のピークが立
ち、発振状態が時間的に不安定になるという悪影響を及
ぼすことがわかった。
の入射端から反射部の中心までの長さをL、光ファイバ
の複屈折量をΔn、発振波長をλとすると、複屈折ファ
イバの特性として、固有軸であるX軸、Y軸間における
光の伝搬定数が異なるため、光がFBGから反射されて
戻ってきたときに、それぞれの固有軸を伝搬した光の間
で位相差4π・Δn・L/λが生じる。
erse electric)モードで発振しているが、非常に極僅
かではあるがTM(transverse magnetic)モードも存
在する。また、複屈折ファイバの固有軸が半導体レーザ
素子のTEモードの方向と僅かにずれてモジュールに固
定された場合、複屈折ファイバ中にはX軸、Y軸両方の
光が入射されていることになる。また、複屈折ファイバ
の固有軸間のクロストークも完全に0となることは有り
得ない。
軸、Y軸の両軸に光が入射され、それぞれの光が伝搬し
たときの位相差により干渉を起こした光が、増幅可能な
偏波方向で半導体レーザ素子に帰還されると、スペクト
ル上にλ2/(2・Δn・L)間隔のピークが立つこと
になると推量される。
き半導体レーザ素子の発振状態に時間的不安定性を引き
起こす悪影響を及ぼす原因の一つになっていた。
の概要図である。図6において、半導体レーザモジュー
ル10は、パッケ−ジ12内に半導体レーザ素子12a
とレンズ等からなる光結合手段12bを有している。ま
た、パッケ−ジ12内には、半導体レーザ素子12aか
ら出射された光を、光結合手段12bを介して受光する
複屈折ファイバからなる光ファイバ13aの一端(入射
端)側が配置され、パッケ−ジ12の外に延出されてい
る。光ファイバ13aの他端側には光コネクタ15が設
けられている。14は光ファイバ13a内に設けられ外
部共振器を構成するFBGである。
力強度と発振波長の関係を示す説明図である。図7に示
す通り、FBGの反射中心波長λFBGで高いモード抑圧
比を確保して安定発振することができず、λ2/(2・
Δn・L)間隔のピークが現れていることが分かる。
モジュールの不安定な発振状態の問題を解決するために
なされたものであり、その目的は、巻き方等の形状状態
の変動にかかわらず安定した発振状態が得られる半導体
レーザモジュールを提供することにある。
に、本発明は次のような構成をもって課題を解決する手
段としている。すなわち、本第1の発明の半導体レーザ
モジュールは、半導体レーザ素子と光ファイバとが光結
合手段によって光結合された半導体レーザモジュールで
あって、前記光ファイバには、前記半導体レーザ素子か
ら出射された光を前記半導体レーザ素子側に反射する反
射部と、固有軸を有して複屈折性を備えた複屈折ファイ
バとが設けられ、該複屈折ファイバは前記光ファイバの
光結合手段側の入射端から前記反射部直前までの間に設
けられ、前記複屈折ファイバは、少なくとも1ケ所に、
複屈折ファイバ同士を接続してなる接続部を有してお
り、該接続部では、前記接続された複屈折ファイバの固
有軸同士が互いに設定回転角度θだけずれた状態とされ
ている。なお、前記固有軸は互いに屈折率が異なる。
ールは、上記本第1の発明の構成に加え、前記接続部
は、光ファイバの光結合手段側の入射端から反射部の中
心までの長さをLとしたとき、前記光結合手段側からの
長さがL/2±L/3以内の位置にある構成をもって課
題を解決する手段としている。
ールは、上記本第1または本第2の発明の構成に加え、
前記設定回転角度θが、90度±10度以内である構成
をもって課題を解決する手段としている。
ールは、上記本第1または本第2の発明の構成に加え、
前記設定回転角度θが、45度±10度以内である構成
をもって課題を解決する手段としている。
ールは、上記本第1ないし本第4のいずれか一つの発明
の構成に加え、前記反射部が、ファイバブラッググレー
ティングである構成をもって課題を解決する手段として
いる。
ールは、上記本第1ないし本第4のいずれか一つの発明
の構成に加え、前記反射部が、光コネクタで構成されて
いる構成をもって課題を解決する手段としている。
ールは、上記本第1ないし本第4のいずれか一つの発明
の構成に加え、前記反射部が、ファイバ切断面で構成さ
れている構成をもって課題を解決する手段としている。
ールは、上記本第1ないし本第7のいずれか一つの発明
の構成に加え、前記接続部が融着接続で構成されている
構成をもって課題を解決する手段としている。
ールは、上記本第1ないし本第8のいずれか一つの発明
の構成に加え、前記複屈折ファイバは、コアに非軸対称
性の応力を付与した光ファイバであって、その応力付与
部が断面円形状であるパンダファイバ、断面扇状のボウ
タイファイバ、断面楕円状の楕円ジャケットファイバ、
又はコアの導波構造を非軸対称にした光ファイバであっ
て、コアを楕円にした楕円コア光ファイバのいずれかで
ある構成をもって課題を解決する手段としている。
ュールは、上記本第1ないし本第9のいずれか一つの発
明の構成に加え、前記光ファイバは、反射部の長手方向
中心位置より光の伝送方向側に設けられた設定長さL3
の複屈折ファイバを有している構成をもって課題を解決
する手段としている。
ュールは、上記本第10の発明の構成に加え、前記光フ
ァイバは、前記設定長さL3の複屈折ファイバの先に接
続された設定長さL4の偏光無依存ファイバを有してい
る構成をもって課題を解決する手段としている。
ュールは、上記第10または第11の発明の構成に加
え、前記光ファイバの光結合手段側の入射端から前記反
射部直前までの間に設けられた複屈折ファイバの入射端
から接続部までの長さをL1、前記複屈折ファイバの接
続部から前記反射部の中心位置までの長さをL2、|L
1−L2|をΔLと定義すると、ΔL≠0の時に、前記
反射部の中心位置から光の伝送方向設けられた複屈折フ
ァイバの設定長さL3は、1/ΔL≦1/L3である構
成をもって課題を解決する手段としている。
ュールは、上記本第1ないし本第12のいずれか一つの
発明の構成に加え、前記光ファイバは、反射部の中心位
置から光の伝送方向に設けられた設定長さL3の複屈折
ファイバを有し、光の発振波長をλ、複屈折ファイバの
複屈折量をΔn、前記光ファイバの入射端から接続部ま
での長さをL1、複屈折ファイバの接続部から反射部の
中心位置までの長さとL2とし、L1、L2、L3又は
それらの加法減法すべての組み合わせから計算される量
で、次式で定義される量をLXとしたとき、 LX=|P1L1±P2L2±P3L3| (Pi=0or1,ΣPi≠0,i=1,2,3) 発振スペクトルがλ2/(2・Δn・LX)で表す全ての
ピーク間隔を持たない構成をもって課題を解決する手段
としている。
ュールは、半導体レーザ素子と光ファイバとが光結合手
段によって光結合された半導体レーザモジュールであっ
て、前記光ファイバには、前記半導体レーザ素子から出
射された光を前記半導体レーザ素子側に反射する反射部
と、複屈折性を備えた複屈折ファイバとが設けられ、該
複屈折ファイバは前記光ファイバの光結合手段側の入射
端から前記反射部直前までの間に設けられ、前記複屈折
ファイバの互いに屈折率が異なる2つの直交する固有軸
をそれぞれX軸、Y軸としたとき、前記半導体レーザ素
子から出た光が、光ファイバに入射し反射部で反射され
て入射端に戻って来た際に、X軸偏光で入射しX軸偏光
で戻ってきた光とY軸偏光で入射しY軸偏光で戻ってき
た光の位相差の値ΔΦが、少なくとも、光ファイバにお
ける光結合手段側の入射端から反射部の中心までの長さ
L、光ファイバの複屈折量Δn、発振波長λから導かれ
る4π・Δn・L/λの値より小さくなるよう設定され
ている構成をもって課題を解決する手段としている。
ュールは、半導体レーザ素子と光ファイバとが光結合手
段によって光結合された半導体レーザモジュールであっ
て、前記光ファイバには、前記半導体レーザ素子から出
射された光を前記半導体レーザ素子側に反射する反射部
と、複屈折性を備えた複屈折ファイバとが設けられ、該
複屈折ファイバは前記光ファイバの光結合手段側の入射
端から前記反射部までの間に設けられ、前記複屈折ファ
イバの互いに屈折率が異なる2つの直交する固有軸をそ
れぞれX軸、Y軸としたとき、前記半導体レーザ素子か
ら出た光が、光ファイバに入射し反射部で反射されて入
射端に戻って来た際に、X軸偏光で入射しX軸偏光で戻
ってきた光とY軸偏光で入射しY軸偏光で戻ってきた光
の位相差の値ΔΦが、半導体レーザ(素子)の屈折率n
LD、半導体レーザ(素子)共振器長LLD、発振波長λか
ら導かれる4π・nLD・LLD/λの値より大きい構成を
もって課題を解決する手段としている。
ールによれば、発振状態の安定化のために、光が複屈折
ファイバに入射し反射部から戻ってきた時点での、複屈
折ファイバの固有軸間の位相差(以下、単に位相差とい
う)を操作することにより目的を達成する。
部共振器の途中(接続部)で設定角度θだけ回転させ
る、光ファイバ長手方向における接続部の位置を適切に
調整する、という2つの具体的操作により位相差を操作
し、その結果として発振状態の安定化を図っている。
とは、光の位相を操作するのみであり、本来の偏波保持
の効果は失われないので光帰還量は一定に保たれる。
す原因となっている、外部共振器の一部を構成している
光ファイバの部分的な長さLXに対応して、発振スペク
トル上にλ2/(2・Δn・LX)の間隔のピークが立つ
ことになる。なお、λは外部共振器の発振波長、Δnは
複屈折ファイバの固有軸同士の屈折率差(以下、複屈折
量という)である。
ことによって、このピーク間隔を非常に広く、例えば半
導体レーザ素子のゲインスペクトルより広く、またはF
BGを用いた場合にはその反射スペクトルの半値幅より
広くすることにより、発振スペクトルに現れるピークを
なくす若しくは非常に小さくする。好ましくは位相差を
無くすことができれば、ピーク間隔が無限大となり、実
質的にはピークが存在しないことになるので、外部共振
器の発振状態は安定する。
ーザ素子の共振器長LLDから計算される縦モード間隔λ
2/(2・nLD・LLD)よりもピーク間隔を狭くするこ
とにより、位相差の発振状態に対する影響を少なくする
こともできる。
複屈折ファイバの中点で複屈折ファイバの軸を互いに90
度回転させて接続することにより、ほとんど位相差がな
くなる。
接続部を形成するので、接続部での反射を考慮すること
が好ましい。接続部を無反射にすることは事実上不可能
であるし、無反射で無い限りどんなに小さい反射でも固
有軸間の位相に影響がないとは言えないからである。
相変化を伴う複素振幅反射率を考慮しなくてはならない
ので位相条件も単なる反射面とは異なる。つまり、外部
共振器を構成する複屈折ファイバの中点に接続部を設け
ると、以上の理由から、実際には、位相差は0とはなり
得ない。
屈折ファイバの長さをL、複屈折ファイバの入射端から
接続部までの長さをL1、該複屈折ファイバの接続部か
ら前記反射部の中心位置までの長さをL2としたとき
に、L=L1+L2,L1=L2=L/2の条件ではな
く、L1とL2の大きさを適切に変えることによって半
導体レーザ素子に戻る光の位相状態を操作することが可
能となる。
バ端面からの反射を考慮する場合、L1、L2だけでな
く、ΔL=|L1−L2|とL3の関係も最適化する必
要がある。ΔL≠0のときは、L3によっておこるピー
ク間隔λ2/(2・Δn・L3)が、ΔLによる間隔λ2
/(2・Δn・ΔL)よりも広ければ影響が少ない。つ
まり1/ΔL≦1/L3となるようにL3を選択すれば
よいことになる。
3を適切に選ぶことにより、LXから計算される全ての
波長間隔のピークをさらに最適に抑制し、安定に外部共
振器を発振させることが可能となる。
導体レーザモジュールも実用上重要である。半導体レー
ザモジュールは様々な地点からの反射に非常に敏感であ
り、FBGがない場合でもコネクタや光ファイバの切断
面を波長選択性のない外部帰還部分とみなすことができ
る。光ファイバの切断面は光ファイバの長手方向に対し
て垂直あるいは斜めカットされてもよい。
切断面の反射が影響するような状況であっても、上記の
ような適切な外部共振器を構成することによって安定発
振を可能とすることができる。
させて融着接続した場合には、完全には位相を補償する
ことはできないが、固有軸間の相互作用を低減する効果
がある。
偏光無依存ファイバを接続することが可能である。その
場合、他の偏光無依存ファイバと治具により接続した
時、モードフィールドの違いなどによる損失が少ないと
いう利点がある。
に基づいて詳細に説明する。 (実施形態例1)図1は本発明の実施形態例1を示す概
要図である。図1において、半導体レーザモジュール1
Aは、パッケ−ジ2内に半導体レーザ素子2aとレンズ
等からなる光結合手段2bを有している。
素子2aから出射された光を、光結合手段2bを介して
受光する光ファイバ3aの一端(入射端)側が配置さ
れ、パッケ−ジ2の外に延出されている。光ファイバ3
aの他端側には光ファイバ3bが接続され、光ファイバ
3bの他端には光コネクタ5が設けられている。
あり、ここではFBGである。反射部4は半導体レーザ
素子2aと共に外部共振器を形成している。6は、光フ
ァイバ3aと光ファイバ3aとを融着接続した接続部で
ある。7は光ファイバ3aと光ファイバ3bとを融着接
続した接続部である。なお、光結合手段2bは単体のレ
ンズであってもよいし、楔形状などのレンズ形状をなし
た光ファイバ3aの端部であってもよい。
用される。複屈折ファイバとしては、コアに非軸対称性
の応力を付与したものを選定する。例えば、図3(a)
に示す、応力付与部が断面円形状であるパンダファイバ
30a、断面扇状のボウタイファイバ30b、断面楕円
状の楕円ジャケットファイバ30c等が使用される。な
お、図3(a)において、斜線の部分は応力付与部であ
る。
(a)に示す、コアを楕円にした楕円コア光ファイバ3
0dが使用される。この楕円コア光ファイバは、コアの
導波構造を非軸対称にした光ファイバである。
軸対称性を作ることによって、屈折率の大きい固有軸と
屈折率の小さい固有軸が形成され、固有軸同士には屈折
率の差、すなわち複屈折量Δnが生じている。
存ファイバ、例えば、SMF(single mode fiber),
DSF(dispersion sift fiber),RDF(reverse disp
ersion fiber,古河電気工業株式会社製)等が使用され
る。
回転して接続した状態を分かりやすくするために、複屈
折ファイバの長手方向一部の断面を拡大して図示した説
明図である。図3(b)に示すように、接続部6は、複
屈折ファイバ同士を、固有軸を設定回転角度θ(=90
度)回転した状態で、互いに長手方向一連続に接続して
形成されている。
(入射端)から接続部6までの長さをL1とし、接続部
6から反射部4の中心位置までの長さをL2とし、反射
部4の中心位置から接続部7までの長さをL3としてい
る。
の一端(入射端)から接続部6までの長さL1と接続部
6から反射部4の中心位置までの長さL2との合計の長
さをLとしている。光ファイバ3bは接続部7からコネ
クタ5までの長さをL4としている。
す。光ファイバ3aとしてパンダファイバを使用しその
長さを以下の値に設定し、反射部4をFBGとし、接続
部6における回転角度θを以下の値に設定する。 (1)光ファイバ3aの一端(入射端)から接続部6ま
での長さL1および接続部6から反射部4の中心位置ま
での長さをL2とし、L1およびL2をL/2±L/3
以内に設定した、L1=0.9m、L2=1.2mとす
る。 (2)接続部6における回転角度θを90度±10度以
内に設定した、90度とする。 (3)|L1−L2|をΔLと定義し、ΔL≠0のとき
に1/ΔL≦1/L3であることを満足する、L3=
0.2mとする。
反射部4の中心位置の間で形成される外部共振器でレー
ザ発振を行うと、接続部6で接続された光ファイバ3a
と光ファイバ3aでそれぞれ固有軸Xと固有軸Yの位相
差が生じるが、これら光ファイバ3a同士が略同じ長さ
であり、かつ、回転角度θ=90度の状態で接続されて
いるため、前記位相差がキャンセルされる。
れているので、L3によっておこるピーク間隔λ2/
(2・Δn・L3)が、ΔLによる間隔λ2/(2・Δ
n・ΔL)よりも広くなる。よって光伝送方向側の光フ
ァイバ端面からの反射の影響が少なくなる。よって、上
記外部共振器におけるレーザ発振は時間的に安定する。
ファイバである光ファイバ3bを介してコネクタ5が接
続されているため、コネクタ5を他の一般的なコネクタ
(図示せず)と接続した場合に、光ファイバのモードフ
ィールドが一致する点で好ましい。
例2を示す概要図である。図2の半導体レーザモジュー
ル1Bの特徴は、実施形態例1の半導体レーザモジュー
ル1Aに設けられている光ファイバ3bを省いて直接光
ファイバ3aの端部に光コネクタ5が設けられているこ
とである。また、光ファイバ3aは反射部4の中心位置
からコネクタ5までの長さをL3としている。その他の
構成は半導体レーザモジュール1Aと同様に付き詳細な
説明は省略する。
す。光ファイバ3aとしてパンダファイバを使用しその
長さを以下の値に設定し、反射部4をFBGとし、接続
部6における回転角度θを以下の値に設定する。 (1)光ファイバ3aの一端(入射端)から接続部6ま
での長さL1および接続部6から反射部4の中心位置ま
での長さをL2とし、L1およびL2をL/2±L/3
以内に設定した、L1=0.9m、L2=1.2mとし
た。 (2)接続部6における回転角度θを90度±10度以
内に設定した、90度とした。 (3)|L1−L2|をΔLと定義し、ΔL≠0のとき
に1/ΔL≦1/L3であることを満足する、L3=
0.2mとした。この例でも実施形態例1と同様に外部
共振器のレーザ発振が安定した。
bを省いて直接光ファイバ3aの端部に光コネクタ5が
設けられていることにより、光コネクタ5に、光ファイ
バ3aと同様の複屈折ファイバが設けられた他の光コネ
クタ(図示せず)が接続される場合に、光のモードフィ
ールドが合うので好ましい。
態例2の半導体レーザモジュール1A、1Bにおいて、
L1およびL2をL/2±L/3以内に設定した、L1
=1.2m、L2=0.8mとし、接続部6の回転角度
θを45度±10度以内に設定した、45度とすること
も可能である。このとき、θを45度に設定することに
より固有軸Xと固有軸Y間の相互作用を低減することが
できるので、好ましい。
実施形態例3を示す概要図である。図4(a)の半導体
レーザモジュール1Cの特徴は、反射部として光コネク
タ5を用いていることである。この場合、光コネクタ5
の先、出射側には光ファイバ3aは存在せず、該光コネ
クタ5の先端から光の空間伝送を行う構成となってい
る。その他の構成は半導体レーザモジュール1Aと同様
に付き詳細な説明は省略する。
す。図4(a)の半導体レーザモジュール1Cにおいて、
光ファイバ3aとしてパンダファイバを使用しその長さ
を以下の値に設定し、反射部を光コネクタ5とし、接続
部6における回転角度θを以下の値に設定する。 (1)光ファイバ3aの一端(入射端)から接続部6ま
での長さL1および接続部6から光コネクタ5までの長
さをL2とし、L1およびL2をL/2±L/3以内に
設定した、L1=1m、L2=1.2mとした。 (2)接続部6における回転角度θを90度±10度以
内に設定した、90度とした。この例でも実施形態例1
と同様に外部共振器のレーザ発振が安定した。
施形態例4を示す概要図である。図4(b)の半導体レ
ーザモジュール1Dの特徴は、反射部としてファイバ切
断面5Aを用いていることである。したがって、この場
合光ファイバ切断面5Aの先、出射側には光ファイバ3
aは存在しない。その他の構成は半導体レーザモジュー
ル1Aと同様に付き詳細な説明は省略する。
の半導体レーザモジュール1Dにおいて、光ファイバ3
aとしてパンダファイバを使用しその長さを以下の値に
設定し、反射部を光ファイバ切断面5Aとし、接続部6
における回転角度θを以下の値に設定する。 (1)光ファイバ3aの一端(入射端)から接続部6ま
での長さL1および接続部6から光ファイバ切断面5A
までの長さをL2とし、L1およびL2をL/2±L/
3以内に設定した、L1=2.2m、L2=2mとす
る。 (2)接続部6における回転角度θを90度±10度以
内に設定した、90度とする。この例でも実施形態例1
と同様に外部共振器のレーザ発振が安定した。
図2の半導体レーザモジュール1A、1Bにおいて、前
記複屈折ファイバ3aの互いに屈折率が異なる2つの直
交する固有軸をそれぞれX軸、Y軸としたとき、前記半
導体レーザ素子から出た光が、光ファイバに入射し反射
部で反射されて入射端に戻って来た際に、X軸偏光で入
射しX軸偏光で戻ってきた光とY軸偏光で入射しY軸偏
光で戻ってきた光の位相差の値ΔΦに特徴がある。すな
わち、本実施形態例は、前記位相差の値ΔΦが、少なく
とも光ファイバの複屈折量Δn、発振波長λから導かれ
る4π・Δn・L/λのピーク間隔を形成する位相差よ
り小さいことを特徴とする。そのために光ファイバ3a
としてパンダファイバを使用しその長さを以下の値に設
定し、反射部4をFBGとし、接続部6における回転角
度θを以下の値に設定する。 (1)光ファイバ3aの一端(入射端)から接続部6ま
での長さL1および接続部6から反射部4の中心位置ま
での長さをL2とし、L1=0.6m、L2=0.4m
とする。 (2)接続部6における回転角度θを90度±10度以
内に設定した、90度とする。
2=1m、ΔL=|L1−L2|=0.2mとなり、Δ
n=3×10-4,λ=980nmとしたとき、 4π・Δn・L/λ≒3800 ΔΦ≒4π・Δn・ΔL/λ≒770 となり、確かにΔΦが4π・Δn・L/λより小さくな
っている。このようにすると、前記位相差の値ΔΦを小
さくできるので、発振スペクトルに現れるピークをなく
す若しくは非常に小さくすることができ、光の発振状態
を安定化することができる。
1、図2の半導体レーザモジュール1A、1Bにおい
て、前記位相差の値ΔΦを、半導体レーザ(素子)の屈
折率nLD、半導体レーザ(素子)共振器長LLDから導か
れる4π・nLD・LLD/λの値の位相差より大きくした
ことを特徴とする。そのために光ファイバ3aとしてパ
ンダファイバを使用しその長さを以下の値に設定し、反
射部4をFBGとし、接続部6における回転角度θを以
下の値に設定する。 (1)光ファイバ3aの一端(入射端)から接続部6ま
での長さL1および接続部6から反射部4の中心位置ま
での長さをL2とし、L1=11m、L2=1mとす
る。 (2)接続部6における回転角度θを90度±10度以
内に設定した、90度とする。
−L2|=10mとなり、nLD=3.5,LLD=800
μm,λ=980nm、Δn=3×10-4,したとき、 4π・nLD・LLD/λ≒36000 ΔΦ≒4π・Δn・ΔL/λ≒38000 となり、確かにΔΦが4π・nLD・LLD/λより大きく
なっている。このようにすると、前記位相差の値ΔΦを
非常に大きくすることができるので、該位相差の発振状
態に対する影響を少なくすることができる。
1、図2の半導体レーザモジュール1A、1Bにおい
て、L1、L2、L3又はそれらの加法減法のすべての
組み合わせから計算される量で、次式で定義される量を
LXとしたとき、 LX=|P1L1±P2L2±P3L3| (Pi=0or1,ΣPi≠0,i=1,2,3) λ2/(2ΔnLX)で表す、いわゆるビートによる全て
のピーク間隔を持たないことを特徴とする。そのために
光ファイバ3aにパンダファイバを使用しその長さを以
下の値に設定し、反射部4をFBGとし、接続部6にお
ける回転角度θを以下の値に設定する。 (1)光ファイバ3aの一端(入射端)から接続部6ま
での長さL1および接続部6から反射部4の中心位置ま
での長さをL2とし、L1=2m、L2=1m,L3=
0.5mとする。 (2)接続部6における回転角度θを90度±10度以
内に設定した、90度とする。
m、Δn=3×10-4としたときL Xは、LX=0.5
m,1m,1.5m,2m,2.5m,3m,3.5m
という値を取り、そこからそれぞれ、λ2/(2・Δn
・LX)≒3.2nm,1.6nm,1.1nm,0.
80nm,0.64nm,0.53nm,0.46nm
と計算されるピーク間隔を持たない。よってビートによ
る発振波長不安定化を防止することができる。
の半導体レーザモジュール1Bにおいて、光ファイバ3
aとしてパンダファイバを使用し、その長さを以下の値
に設定し、反射部を光コネクタ5とし、接続部6におけ
る回転角度θを以下の値に設定する。 (1)光ファイバ3aの一端(入射端)から接続部6ま
での長さL1および接続部6から反射部4の中心位置ま
での長さをL2とし、L1およびL2をL/2±L/3
以内に設定した、L1=2m、L2=2.1mとする。 (2)接続部6における回転角度θを90度±10度以
内に設定した、90度とする。この例でも外部共振器の
レーザ発振が安定した。
ないし8において、それぞれ半導体レーザモジュールか
らの出力強度を確認したところ、従来の半導体レーザモ
ジュールにみられたλ2/(2・Δn・L)間隔のピー
クが無く、各実施形態例のスペクトル代表図、図5に示
すように、λFBGで発振しているモードが高いモード抑
圧比を保って安定に発振させることが確認できた。
8において、反射部として光コネクタ5または光ファイ
バ切断面5Aを使用した場合についても、接続部6にお
ける回転角度θを最適に設定すると、発振しているモー
ドが高いモード抑圧比を保って安定に発振させることが
確認できた。
ァイバの軸を中心にして回転させて接続するための具体
的手段として、複屈折ファイバ同士を長手方向一連続に
接続したものを示したが、本発明においては、光カプラ
のごとく横並びに接続したものであってもよい。
ーザモジュールによれば、巻き方等の形状状態の変動に
基づく、不安定な発振状態となる半導体レーザモジュー
ルに対して、外部共振器を構成する光ファイバに複屈折
ファイバを使用し、外部共振器の途中で複屈折ファイバ
の軸を中心にして設定角度回転させて接続することによ
って、外部共振器を有する半導体レーザ素子の発振モー
ドが、高いモード抑圧比を保って安定に発振する半導体
レーザモジュールが達成できる。
実施形態を示す説明図である。
実施形態を示す説明図である。
ルに用いられる複屈折ファイバの断面を示す説明図であ
る。(b)は、本発明に係る半導体レーザモジュールの
第2の実施形態を示す他の説明図である。
ルの第3の実施形態を示す説明図である。(b)は、本
発明に係る半導体レーザモジュールの第4の実施形態を
示す説明図である。
ペクトル特性を示す説明図である。
明図である。
ル特性を示す説明図である。
Claims (15)
- 【請求項1】 半導体レーザ素子と光ファイバとが光結
合手段によって光結合された半導体レーザモジュールで
あって、 前記光ファイバには、前記半導体レーザ素子から出射さ
れた光を前記半導体レーザ素子側に反射する反射部と、
固有軸を有して複屈折性を備えた複屈折ファイバとが設
けられ、該複屈折ファイバは前記光ファイバの光結合手
段側の入射端から前記反射部直前までの間に設けられ、 前記複屈折ファイバは、少なくとも1ケ所に、複屈折フ
ァイバ同士を接続してなる接続部を有しており、 該接続部では、前記接続された複屈折ファイバの固有軸
同士が互いに設定回転角度θだけずれた状態とされてい
ることを特徴とする半導体レーザモジュール。 - 【請求項2】 前記接続部は、光ファイバの光結合手段
側の入射端から反射部の中心までの長さをLとしたと
き、前記光結合手段側からの長さがL/2±L/3以内
の位置にあることを特徴とする請求項1記載の半導体レ
ーザモジュール。 - 【請求項3】 前記設定回転角度θが、90度±10度
以内であることを特徴とする請求項1または請求項2記
載の半導体レーザモジュール。 - 【請求項4】 前記設定回転角度θが、45度±10度
以内であることを特徴とする請求項1または請求項2記
載の半導体レーザモジュール。 - 【請求項5】 前記反射部が、ファイバブラッググレー
ティングであることを特徴とする請求項1ないし請求項
4のいずれか一つに記載の半導体レーザモジュール。 - 【請求項6】 前記反射部が、光コネクタで構成されて
いることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれ
か一つに記載の半導体レーザモジュール。 - 【請求項7】 前記反射部が、ファイバ切断面で構成さ
れていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のい
ずれか一つに記載の半導体レーザモジュール。 - 【請求項8】 前記接続部が融着接続で構成されている
ことを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか一
つに記載の半導体レーザモジュール。 - 【請求項9】 前記複屈折ファイバは、コアに非軸対称
性の応力を付与した光ファイバであって、その応力付与
部が断面円形状であるパンダファイバ、断面扇状のボウ
タイファイバ、断面楕円状の楕円ジャケットファイバ、
又はコアの導波構造を非軸対称にした光ファイバであっ
て、コアを楕円にした楕円コア光ファイバのいずれかで
あることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれ
か一つに記載の半導体レーザモジュール。 - 【請求項10】 前記光ファイバは、反射部の長手方向
中心位置より光の伝送方向側に設けられた設定長さL3
の複屈折ファイバを有していることを特徴とする請求項
1乃至請求項9のいずれか一つに記載の半導体レーザモ
ジュール。 - 【請求項11】 前記光ファイバは、前記設定長さL3
の複屈折ファイバの先に接続された設定長さL4の偏光
無依存ファイバを有していることを特徴とする請求項1
0記載の半導体レーザモジュール。 - 【請求項12】 前記光ファイバの光結合手段側の入射
端から前記反射部直前までの間に設けられた複屈折ファ
イバの入射端から接続部までの長さをL1、前記複屈折
ファイバの接続部から前記反射部の中心位置までの長さ
をL2、|L1−L2|をΔLと定義すると、ΔL≠0
の時に、前記反射部の中心位置から光の伝送方向設けら
れた複屈折ファイバの設定長さL3は、1/ΔL≦1/
L3であることを特徴とする請求項10または請求項1
1記載の半導体レーザモジュール。 - 【請求項13】 前記光ファイバは、反射部の中心位置
から光の伝送方向に設けられた設定長さL3の複屈折フ
ァイバを有し、 光の発振波長をλ、複屈折ファイバの複屈折量をΔn、
前記光ファイバの入射端から接続部までの長さをL1、
複屈折ファイバの接続部から反射部の中心位置までの長
さとL2とし、L1、L2、L3又はそれらの加法減法
すべての組み合わせから計算される量で、次式で定義さ
れる量をLXとしたとき、 LX=|P1L1±P2L2±P3L3| (Pi=0or1,ΣPi≠0,i=1,2,3) 発振スペクトルがλ2/(2・Δn・LX)で表す全ての
ピーク間隔を持たないことを特徴とする請求項1ないし
請求項12のいずれか一つに記載の半導体レーザモジュ
ール。 - 【請求項14】 半導体レーザ素子と光ファイバとが光
結合手段によって光結合された半導体レーザモジュール
であって、 前記光ファイバには、前記半導体レーザ素子から出射さ
れた光を前記半導体レーザ素子側に反射する反射部と、
複屈折性を備えた複屈折ファイバとが設けられ、該複屈
折ファイバは前記光ファイバの光結合手段側の入射端か
ら前記反射部直前までの間に設けられ、 前記複屈折ファイバの互いに屈折率が異なる2つの直交
する固有軸をそれぞれX軸、Y軸としたとき、前記半導
体レーザ素子から出た光が、光ファイバに入射し反射部
で反射されて入射端に戻って来た際に、X軸偏光で入射
しX軸偏光で戻ってきた光とY軸偏光で入射しY軸偏光
で戻ってきた光の位相差の値ΔΦが、少なくとも、光フ
ァイバにおける光結合手段側の入射端から反射部の中心
までの長さL、光ファイバの複屈折量Δn、発振波長λ
から導かれる4π・Δn・L/λの値より小さくなるよ
う設定されていることを特徴とする半導体レーザモジュ
ール。 - 【請求項15】 半導体レーザ素子と光ファイバとが光
結合手段によって光結合された半導体レーザモジュール
であって、 前記光ファイバには、前記半導体レーザ素子から出射さ
れた光を前記半導体レーザ素子側に反射する反射部と、
複屈折性を備えた複屈折ファイバとが設けられ、該複屈
折ファイバは前記光ファイバの光結合手段側の入射端か
ら前記反射部までの間に設けられ、 前記複屈折ファイバの互いに屈折率が異なる2つの直交
する固有軸をそれぞれX軸、Y軸としたとき、前記半導
体レーザ素子から出た光が、光ファイバに入射し反射部
で反射されて入射端に戻って来た際に、X軸偏光で入射
しX軸偏光で戻ってきた光とY軸偏光で入射しY軸偏光
で戻ってきた光の位相差の値ΔΦが、半導体レーザ(素
子)の屈折率nLD、半導体レーザ(素子)共振器長
LLD、発振波長λから導かれる4π・nLD・LLD/λの
値より大きいことを特徴とする半導体レーザモジュー
ル。
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