JP4137440B2 - 光デバイスの接続方法および光装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の光デバイスを接続するための技術に関し、特に、偏波保持特性を有する光線路を用いて各光デバイス間を接続する方法およびその接続方法を適用した光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
IPデータ通信の需要の増大に伴い、超長距離・大容量かつネットワークの構築可能な光通信システムおよび光信号処理システムなどの開発が急務となっている。波長多重(WDM)伝送を基礎技術とした伝送方式は、大容量伝送が可能であって波長単位での分離多重が簡易に行えることから、光レベルでの光クロスコネクト(OXC)、光分岐挿入(OADM)等の異種サービスの多重分離を行う柔軟な光波ネットワークの構築が可能である。そのため上記の方式を用いた伝送装置および信号処理装置等の開発、製品化が大きく進んでいる。
【0003】
これらの装置の中では、光をON/OFFする、光を減衰させる、1×nに切り換える等の機能を持つ光スイッチや、波長ごとに信号光を振り分ける波長フィルタ等の多くの光デバイスが用いられる。具体的には、光スイッチ(光減衰器も含む)は、例えば、送信側の波長多重部での各波長のレベル合わせ、光アンプでのALC制御、OXCおよびOADMでの波長切り換えや光のON/OFFなどに用いられる。また、光フィルタは、例えば、OXCおよびOADMでの波長切り換え、受信部での各波長の分離やASEカットなどに用いられる。
【0004】
これらの光デバイスは、SiO2やLiNbO3等の基板上に形成することにより高機能化、小型化、集積化、低電力化、低コスト化などが可能となる。基板上に集積化された複数の光デバイスは、例えば個別で並列的に使用されたり、または、多段に従属接続されて使用されたりすることによって、各々の機能が満足される。このように各光デバイスを個別に並列的に使用する場合は、集積化の効果が大となる。また、各光デバイスを多段に従属接続して使用する場合は、例えば、各光デバイスが光スイッチのときには、消光比の向上を図ることが可能となり、各光デバイスが音響光学チューナブルフィルタ(Acousto Optic Tunable Filter;AOTF)等の光フィルタのときには、透過帯域の狭窄化、他チャンネル抑圧比の向上、ノッチフィルタとして使用時の消光比の向上等を図ることが可能となる。また、機能の異なる光デバイスを多段に従属接続して使用すれば、高機能化等を図ることも可能となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、例えば、偏光依存性を有する複数の光デバイスを接続して使用する場合、各光デバイス間の接続には、偏波保持特性を有する光線路が一般に用いられる。この偏波保持特性を有する光線路は、入射光の偏波面を一定の方向に保ちながら伝搬することのできる光線路である。このような光線路の具体例としては、PANDA型や楕円クラッド型等の構造を持つ偏波保持型ファイバなどが知られており、ファイバ断面内において非軸対称な応力付与部を設けることで、直交する各軸方向で偏光の感じる屈折率が異なる状態を生じさせている。
【0006】
このような偏波保持型の光線路と複数の光デバイスとの接続においては、偏波保持型の光線路の偏光軸(Fast軸、Slow軸)方向と光デバイスに対して入出力される偏光の軸方向とを完全に一致させて接続を行うことが理想である。しかしながら、偏波保持型の光線路と光デバイスとの実際の接続においては、各々の軸方向を完全に一致させることは困難であり多少の軸ずれは避けられない。
【0007】
上記のように軸ずれが生じた場合には、例えば図13の下段に示すように、偏波保持型の光線路内で偏波モード間干渉が生じ、光デバイスの透過特性に周期的な波長依存性損失が発生することになる。この周期的な波長依存性損失は、偏波保持型光線路のFast軸およびSlow軸の伝搬時間差をτとすると、その周期は1/τとなる。このような偏波保持型の光線路内で発生する偏波モード間干渉による周期的な波長依存性損失は、例えば、複数の光デバイスによりリジェクション型光フィルタ(ノッチフィルタ)等を構成した場合、透過光のレベルが波長に応じて変化してしまい、特性劣化を招くことになる。また、上記のような接続状態で偏波保持型の光線路に偏光が入射されると、光線路内で偏波モード分散(PMD)が発生してしまうという問題も生じる。
【0008】
本発明は上記の点に着目してなされたもので、偏波保持特性を有する光線路を用いて複数の光デバイスを接続するときに発生する偏波モード間干渉による周期的な波長依存性損失等を抑圧できる光デバイスの接続方法およびその接続方法を適用した光装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明にかかる光デバイスの接続方法は、偏波保持特性を有し、かつ、光が2つの異なる偏光軸に偏波面を合わせて略等距離伝搬する光学特性を備えた、光ファイバまたは光導波路を用いて複数の光デバイスを互いに接続する方法であって、1つ以上の波長を可変的に選択する可変波長光フィルタ機能を備えた3つの光デバイスが同一基板上に略並列に配置され、かつ、前記各光デバイスを通過する光路の両端が前記基板の両端に位置するとともに、前記3つの光デバイスの略並列配置において中央に位置する光デバイスを通過する光の方向が、その両隣に位置する2つの光デバイスのうちの一方の光デバイスを通過する光の方向に対して反対向きになるように、前記光ファイバまたは光導波路を用いて前記各光デバイス間を従属接続し、該従属接続されたすべての光デバイスを通る光路の入出力端が前記基板の同一端面上に位置するようにし、さらに、前記接続は、前記3つの光デバイスのうちの1つの光デバイスにおける波長選択用の弾性表面波が、当該光デバイスを通過する光路の光の伝搬方向に対して反対方向にSAWガイドを進行するとともに、他の光デバイスにおける波長選択用の弾性表面波が、当該光デバイスを通過する光路の光の伝搬方向に対して同一方向にSAWガイドを進行するようにしたものである。
【0010】
また、本発明にかかる光装置は、偏波保持特性を有し、かつ、光が2つの異なる偏光軸に偏波面を合わせて略等距離伝搬する光学特性を備えた、光ファイバまたは光導波路を用いて複数の光デバイスを互いに接続した光装置であって、1つ以上の波長を可変的に選択する可変波長光フィルタ機能を備えた3つの光デバイスを有し、前記3つの光デバイスは、同一基板上に略並列に配置され、かつ、前記各光デバイスを通過する光路の両端が前記基板の両端に位置するとともに、前記3つの光デバイスの略並列配置において中央に位置する光デバイスを通過する光の方向が、その両隣に位置する2つの光デバイスのうちの一方の光デバイスを通過する光の方向に対して反対向きになり、さらに、前記3つの光デバイスのうちの1つの光デバイスにおける波長選択用の弾性表面波が、当該光デバイスを通過する光路の光の伝搬方向に対して反対方向にSAWガイドを進行するとともに、他の光デバイスにおける波長選択用の弾性表面波が、当該光デバイスを通過する光路の光の伝搬方向に対して同一方向にSAWガイドを進行するように、前記光ファイバまたは光導波路を用いて前記各光デバイス間が従属接続され、該従属接続されたすべての光デバイスを通る光路の入出力端が基板の同一端面上に位置するようにしたものである。
かかる光デバイスの接続方法および光装置によれば、3つの光デバイスにそれぞれ入出力される光の偏波方向と光ファイバまたは光導波路の偏光軸の方向とが完全に一致していなくても、光ファイバまたは光導波路の偏波モード間干渉により発生する周期的な波長依存性損失が相殺されて抑圧され、また、光ファイバまたは光導波路内で発生する偏波モード分散(PMD)も同時に抑圧されるようになる。さらに、各光デバイスにおける選択波長にドップラーシフトによる波長差を生じさせたリジェクション型光フィルタが構成されるようにもなる。
【0011】
上記の光ファイバまたは光導波路については、長手方向の中央に偏光軸を略90度回転させて接続した直交接続部を有するものを用いてもよく、または、偏光軸を略90度回転させて接続した複数の直交接続部を有し、該各直交接続部が長手方向の所定位置にそれぞれ配置されたものを用いても構わない。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に関連する光デバイスの接続方法を適用した光装置の一例を示す構成図である。
図1の光装置は、例えば、同一基板1A内の2本の光導波路21,22上にそれぞれ形成された偏光依存性を有する2つの光デバイス11,12を、偏波保持特性を有する接続光路212により互いに接続した構成であって、その接続光路212が長手方向の中央近傍に直交接続部Cを有することを特徴とする。
【0013】
接続光路212は、例えば偏波保持ファイバであって、ここではPANDA型ファイバを使用するものとする。ただし、偏波保持ファイバの構造はPANDA型に限られるものではなく公知の構造を採用することが可能であり、また、導波路型の光線路を接続光路212として用いても構わない。直交接続部Cは、例えば図2に示すように、接続光路212の長手方向の中央近傍において、偏光軸を略90度回転させてスプライスしたものである。この直交接続部Cにより、接続光路212内を通る偏光は2つの異なる偏光軸を略等距離伝搬するようになる。なお、直交接続部Cにおける光路の接続はスプライスに限定されるものではなく、偏光軸の直交状態を安定に保持できる任意の接続方法を適用することが可能である。
【0014】
基板1Aは、例えばSiO2やLiNbO3等からなる基板材料に所要の処理を施すことによって、2本の略平行な光導波路21,22と、2つの光デバイス11,12とをそれぞれ形成したものである。各光デバイス11,12は、例えば、偏光依存性を有する公知の光デバイスとすることが可能である。具体的には、偏光依存性損失(PDL)を有する偏光ビームスプリッタ(PBS)や、それを用いて構成される光スイッチ、光減衰器、光フィルタなどを各光デバイス11,12としてもよい。
【0015】
なお、本発明における光デバイスは上記の一例に限られるものではない。また、互いに接続される複数の光デバイスは、同一の機能を備えたものであっても、異なる機能を備えたものであってもよく、さらに、同一基板上に多数の光部品を集積化したプレーナ光波回路(Planar Lightwave Circuit;PLC)デバイスを本発明における光デバイスとすることも勿論可能である。
【0016】
上記の基板1Aに対しては、外部からの入力光を基板1Aに導く入力光路2INが光導波路21の一端21aに接続され、基板1Aからの出力光を外部に導く出力光路2OUTが光導波路22の一端22aに接続される。そして、各光導波路21,22の他端21b,22bの間が、上記直交接続部Cを有する接続光路212を介して接続されることにより、基板1A上の2つの光デバイス11,12が従属接続されることになる。
【0017】
このような構成の光装置では、外部からの入力光が入力光路2INを伝搬して基板1Aの光導波路21の一端21aに入力され、光導波路21を通って光デバイス11に与えられる。そして、偏光依存性のある光デバイス11を通過した偏光は、光導波路21の他端21bから接続光路212に出力される。
接続光路212に出力された偏光は、長手方向の中央近傍において90度スプライスされた直交接続部Cを有するPANDA型ファイバを通って、光導波路22の他端22bに送られる。このとき、接続光路212内を伝搬する偏光は、直交接続部Cの前後においてPANDA型ファイバのFast軸およびSlow軸の各方向が入れ替わるため、各軸を略等距離伝搬することになる。これにより、光導波路21の他端21bから接続光路212に出力される光の偏波方向が接続光路212の偏光軸に完全に一致していなくても、偏波モード間干渉により接続光路212の前半部分で発生する周期的な波長依存性損失と、後半部分で発生する周期的な波長依存性損失とが互いに相殺されて抑圧されるようになる。また、これと同様にして、接続光路212内で発生する偏波モード分散(PMD)も同時に抑圧されるようになる。さらに、各光デバイス11,12に偏光依存性損失(PDL)がある場合には、これらも互いに相殺されて抑圧されるようになる。
【0018】
そして、接続光路212を伝搬した偏光は、基板1Aの光導波路22の他端22bに入力され、光導波路22を通って光デバイス12に与えられる。光デバイス12を通過した光は、光導波路22の一端22aから出射され、出力光路2OUTを伝搬して本光装置の出力光として外部に出力される。
上記のように本光装置によれば、直交接続部Cを有する偏波保持型の接続光路212を用いて、偏光依存性のある各光デバイス11,12間を接続するようにしたことで、接続光路212内で発生する偏波モード間干渉による周期的な波長依存性損失およびPMD、並びに、各光デバイス11,12におけるPDLを同時に抑圧することが可能になる。
【0019】
なお、上記の構成例では、接続光路212が長手方向の中央近傍の1箇所に直交接続部Cを有する場合を示したが、複数の直交接続部Cを有する接続光路212を用いることも可能である。この場合、接続光路212内を通る偏光が接続光路212の全長について2つの異なる偏光軸を略等距離伝搬するように、複数の直交接続部Cを所要の位置に設けるようにする。
【0020】
次に、本発明による光装置の第1実施形態について説明する。
図3は、本発明にかかる光デバイスの接続方法を適用した光装置の第1実施形態を示す構成図である。なお、前述の図1に示した構成と同様の部分には同一の符号を付して説明を省略し、以下、他の実施形態においても同様とする。
図3において、第1実施形態の光装置は、例えば、同一基板上に集積化した3つの光デバイスを従属接続する場合に対応したものである。具体的には、同一基板1B内の3本の光導波路21,22,23上にそれぞれ形成された偏光依存性を有する3つの光デバイス11,12,13を、長手方向の中央近傍に直交接続部Cを有する偏波保持型の接続光路212,223により互いに接続した構成である。
【0021】
この光装置の基板1Bに対しては、例えば、入力光路2INが光導波路21の一端21aに接続され、出力光路2OUTが光導波路23の一端23aに接続される。そして、光導波路22の一端22aと光導波路23の他端23bとの間が、上記直交接続部Cを有する接続光路223を介して接続され、かつ、光導波路22の他端22bと光導波路21の他端21bの間が、上記直交接続部Cを有する接続光路212を介して接続されることにより、基板1B上の3つの光デバイス11〜13が従属接続されることになる。
【0022】
接続光路223は、前述の図1で説明した接続光路212と同様であって、例えば、PANDA型ファイバ等の偏波保持ファイバを使用するものとする。この接続光路223の直交接続部Cは、前述した図2の場合と同様の構成を有し、接続光路223内を伝搬する偏光は、2つの異なる偏光軸を略等距離伝搬するようになる。また、基板1Bは、前述した図1の場合と同様にして、所要の基板材料に3本の略平行な光導波路21〜23と、3つの光デバイス11〜13とをそれぞれ形成したものである。
【0023】
このような構成の光装置では、外部からの入力光が入力光路2INを伝搬して基板1Bの光導波路21の一端21aに入力され、光導波路21を通って光デバイス11に与えられる。そして、光デバイス11を通過した光は、光導波路21の他端21bから出射され、接続光路212を伝搬して基板1Bの光導波路22の他端22bに入力され、光導波路22を通って光デバイス12に与えられる。光デバイス12を通過した光は、光導波路22の一端21aから出射され、接続光路223を伝搬して基板1Bの光導波路23の他端23bに入力され、光導波路23を通って光デバイス13に与えられる。光デバイス13を通過した光は、光導波路23の一端23aから出射され、出力光路2OUTを伝搬して本光装置の出力光として外部に出力される。
【0024】
上記のように光が伝搬する本装置においても、図1の構成例の場合と同様に、各光デバイス11〜13の間が直交接続部Cを有する接続光路212,223によってそれぞれ接続されているため、各々の接続光路212,223を通る偏光は、偏波保持ファイバの2つの異なる偏光軸を略等距離伝搬するようになる。これにより、各接続光路212,223に送られる光の偏波方向がそれぞれの光路の偏光軸に完全に一致していなくても、各々の接続光路212,223で発生する偏波モード間干渉による周期的な波長依存性損失およびPMD、並びに、各光デバイス11〜13におけるPDLを同時に抑圧することが可能になる。
【0025】
なお、上述した第1実施形態では、同一基板上の3つの光デバイスを従属接続するようにしたが、本発明の接続方法は、同一基板上の4つ以上の光デバイスを従属接続する場合にも上記と同様にして適用することが可能である。
【0026】
次に、本発明による光装置の第2実施形態について説明する。
図4は、本発明にかかる光デバイスの接続方法を適用した光装置の第2実施形態を示す構成図である。
図4において、第2実施形態の光装置は、例えば、同一基板上に集積化された3つの光デバイスをループ状に従属接続する場合に対応したものである。具体的には、前述した第1実施形態の場合と同様の構成を有する基板1Bの光入出力部分と、入力光路2INおよび出力光路2OUTとの間を、光サーキュレータ4、偏光ビームスプリッタ(PBS)5および接続光路2A,2B,2Cを用いて接続することで、3つの光デバイス11〜13を従属ループ接続した構成を備える。
【0027】
光サーキュレータ4は、少なくとも3つのポート4a,4b,4cを有し、ポート4aからポート4bに向かう方向、ポート4bからポート4cに向かう方向およびポート4cからポート4aに向かう方向にのみ光を伝達する一般的な光部品である。この光サーキュレータ4には、入力光路2INがポート4aに接続され、PBS5に繋がる接続光路2Aがポート4bに接続され、出力光路2OUTがポート4cに接続されている。
【0028】
PBS5は、光サーキュレータ4のポート4bから接続光路2Aを介して送られてくる入力光を互いに偏波面の直交した2つの偏光に分離し、一方の偏光を接続光路2Bの一端に出力し、他方の偏光を接続光路2Cの一端に出力する。接続光路2Bの他端は、基板1B上の光導波路21の一端21aに接続されていて、接続光路2Cの他端は、基板1B上の光導波路23の一端23aに接続されている。また、上記のPBS5は、基板1Bから接続光路2Bおよび接続光路2Cを介してそれぞれ送られてくる偏波面の直交した2つの偏光を合波して接続光路2Aに出力する。
【0029】
なお、基板1B上の光導波路22の一端22aが、直交接続部Cを有する接続光路223を介して光導波路23の他端23bに接続され、光導波路21の他端21bが、直交接続部Cを有する接続光路212を介して光導波路22の他端22bに接続されている点は、前述した第1実施形態の場合と同様である。
PBS5と基板1Bの間を繋ぐ接続光路2B,2Cは、接続光路212,223と同様に、例えばPANDA型ファイバ等の偏波保持ファイバがそれぞれ使用され、各々の長手方向の中央近傍に直交接続部Cを有するものとする。各接続光路2B,2Cの直交接続部Cは、前述した図2の場合と同様の構成を有し、各々の接続光路2B,2C内を伝搬する偏光は、2つの異なる偏光軸を略等距離伝搬するようになる。
【0030】
上記のような構成の光装置では、入力光路2INを伝搬する入力光が光サーキュレータ4および接続光路2Aを介してPBS5に送られ、直交する2つの偏光に分離されて接続光路2B,2Cにそれぞれ出力される。
PBS5から接続光路2Bに出力された一方の偏光は、基板1B上の光導波路21の一端21aに入力され、光導波路21を通って光デバイス11に与えられた後、接続光路212および光導波路22を通って光デバイス12に与えられ、さらに、接続光路223および光導波路23を通って光デバイス13に与えられる。そして、光デバイス13を通過した偏光は、光導波路23の一端23aから接続光路2Cに出力されてPBS5に戻される。
【0031】
また、PBS5から接続光路2Cに出力された他方の偏光は、上記一方の偏光とは逆向きに基板1B上の各光デバイスを通過することになる。すなわち、他方の偏光は、基板1B上の光導波路23の一端23aに入力され、光導波路23を通って光デバイス13に与えられた後、接続光路223および光導波路22を通って光デバイス12に与えられ、さらに、接続光路212および光導波路21を通って光デバイス11に与えられる。そして、光デバイス11を通過した偏光は、光導波路21の一端21aから接続光路2Bに出力されてPBS5に戻される。
【0032】
上記のように光が伝搬する本光装置においても、第1実施形態の場合と同様に、各光デバイス11〜13の間が直交接続部Cを有する接続光路212,223によってそれぞれ接続されるとともに、PBS5と基板1Bの間についても直交接続部Cを有する接続光路2B,2Cによってそれぞれ接続されるため、各々の接続光路212,223,2B,2Cを通る偏光は、偏波保持ファイバの2つの異なる偏光軸を略等距離伝搬するようになる。これにより、各接続光路212,223,2B,2Cに送られる光の偏波方向がそれぞれの光路の偏光軸に完全に一致していなくても、各々の接続光路212,223,2B,2Cで発生する偏波モード間干渉による周期的な波長依存性損失およびPMD、並びに、各光デバイス11〜13やPBS5におけるPDLを同時に抑圧することが可能になる。
【0033】
なお、上記の第2実施形態では、同一基板上の3つの光デバイスを本発明の接続方法を適用して従属ループ接続するようにしたが、同一基板上の4つ以上の光デバイスについても同様にして本発明の接続方法を適用し従属ループ接続を行うことが可能である。
次に、本発明にかかる光機能デバイスの接続方法を適用した光装置のより具体的な実施例について詳しく説明する。以下では、前述の第2実施形態の光装置を基本構成として具体化したリジェクション型光フィルタ(ノッチフィルタ)を一例として考えることにする。
【0034】
図5は、上記リジェクション型光フィルタの構成を示す平面図である。
図5のリジェクション型光フィルタにおいては、同一基板1上に集積化される3つの光デバイス11〜13として音響光学チューナブルフィルタ(AOTF)が適用され、この基板1の光入出力部分と、入力光路2INおよび出力光路2OUTとの間が、光サーキュレータ4、偏光ビームスプリッタ(PBS)5、偏光回転部6および接続光路2A,2B,2Cを用いて接続されることで、基板1上の3つのAOTFがループ状に従属接続される。
【0035】
また、本リジェクション型光フィルタには、基板1上の従属ループ接続されたAOTFの動作状態をトラッキング制御するために、所要のAOTFで通過が阻止されたドロップ光をモニタする第1モニタ部100が設けられている。さらに、本光フィルタの立ち上げ時や設定の変更時などにおいて、基板1上の従属ループ接続されたAOTFの制御値を予め検出するために、それらのAOTFと同一のパラメータで動作する基板1上のモニタ用AOTFを通過した光をモニタする第2モニタ部200も設けられている。これら第1、第2モニタ部100,200の各モニタ結果は、各AOTFに与えられるRF信号を制御するRF信号制御部300に送られて、各々のAOTFの動作状態が制御される。
【0036】
基板1は、例えば、LiNbO3からなる基板材料に5本の略平行な光導波路21,22,23,221,222が形成されていて、光導波路21〜23が主信号用として、光導波路221,222が第2モニタ部200用として使用される。各光導波路21,22,23および221,222の各々の両端部分には、偏光ビームスプリッタ(PBS)31a,31b,32a,32b,33a,33bおよび231a,231b,232a,232bがそれぞれ設けられている。また、基板1には、各光導波路21,22,23および221,222にそれぞれ対応させて、櫛形電極(Interdigital Transducer;IDT)41,42,43および241,242と、SAWガイド51,52,53および251,252とがそれぞれ形成されている。
【0037】
主信号用の各PBS31a,31b,32a,32b,33a,33bとしては、例えば、交差導波路型のPBS等を使用することが可能であり、ここでは各PBSがTEモード透過型の構成となるように、交差導波路のクロス側に位置する入出力ポートが各光導波路上に接続されている。また、第2モニタ部200用の各PBS231a,231b,232a,232bとしても、例えば、交差導波路型のPBS等を使用することが可能である。ただし、ここでは各PBS231a,232bがTEモード透過型の構成となるように、交差導波路のクロス側に位置する入出力ポートが各光導波路上に接続され、各PBS231b,232aがTMモード透過型の構成となるように、交差導波路のバー側に位置する入出力ポートが各光導波路上に接続されている。
【0038】
各IDT41〜43,241,242は、RF信号生成回路40で生成された所要の周波数fの信号が共通に印加されることで基板1上に弾性表面波(Surface Acoustic Wave;SAW)を発生する。なお、各IDT41〜43,241,242を設ける位置は、後述するように、対応する光導波路内の光の伝搬方向に対するSAWの伝搬方向の関係が選択波長ドップラーシフト等の影響を考慮した関係となるように設定するのが好ましい。
【0039】
各SAWガイド51〜53,251,252は、各IDT41〜43,241,242で発生した各々のSAWを対応する光導波路21〜23,221,222に沿って伝搬させるためのガイドである。ここでは、各SAWガイド51〜53,251,252として、例えばTi拡散により所要の形状に形成した方向性結合型のSAWガイドを用いる場合を示した。
【0040】
方向性結合型のSAWガイドを用いたAOTFでは、IDTで発生するSAWを所要の形状のSAWガイドで方向性結合させることにより、光導波路内を伝搬する光に対してSAWがモード変換領域の中央付近で最も強く干渉するようになる。これにより、AOTFのフィルタ特性におけるサイドローブレベルの抑圧を図ることができる。なお、図5に示したSAWガイドは、より望ましい関数に従ってSAWを方向性結合させるために曲線的な形状を採用している。これにより、サイドローブレベルを一層効果的に抑圧することが可能になる。
【0041】
なお、ここでは方向性結合型のSAWガイドを用いたAOTFを使用する場合を示したが、本発明はこれに限らず、例えば、薄膜型のSAWガイドを光導波路上に形成したAOTF等を使用することも可能である。また、この薄膜型SAWガイドを用いたAOTFについては、SAWガイドの長手方向が光導波路の軸方向に対して所要量だけ傾くように設定し、SAWの伝搬軸と光軸とが斜角に交差するような配置としてもよい。このような配置を採用することによって、光が感じる弾性表面波の強度について長手方向に重み付けが行われるようになり、サイドローブレベル抑圧を図ることが可能になる。
【0042】
光サーキュレータ4およびPBS5は、上述した第2実施形態で用いたものと同様であって、光サーキュレータ4には、入力光路2INが光カプラ201を介してポート4aに接続され、PBS5に繋がる接続光路2Aがポート4bに接続され、出力光路2OUTがポート4cに接続されている。
PBS5と基板1の間の接続は、PBS5で分離された一方の偏光が一端に出力される接続光路2Bの他端が、基板1の光導波路21上に位置するPBS31aに接続され、PBS5で分離された他方の偏光が一端に出力される接続光路2Cの他端が、基板1の光導波路22上に位置するPBS32aに接続される。また、ここでは接続光路2C上に偏光回転部6が挿入されていて、この偏光回転部6は、PBS5で分離された他方の偏光の偏波面を90度回転させる機能をもつ。
【0043】
基板1の光導波路21上に位置するPBS31bは、接続光路213によって光導波路23上に位置するPBS33bに接続され、また、光導波路22上に位置するPBS32bは、接続光路223によって光導波路23の端部に位置するPBS33aに接続される。これにより、基板1上の主信号用の3つのAOTFが、入力光路2INおよび出力光路2OUTの間でループ状に従属接続されるようになる。
【0044】
各接続光路2B,2C,213,223は偏波保持ファイバであって、ここでは例えばPANDA型ファイバを使用するものとする。ただし、偏波保持ファイバの構造はPANDA型に限られるものではなく公知の構造を採用することが可能である。また、各接続光路2B,2C,213,223は、各々の長手方向の中央近傍に直交接続部Cをそれぞれ有する。各々の直交接続部Cは、前述した図2の場合と同様の構成を有し、各接続光路2B,2C,213,223内を伝搬する偏光は、2つの異なる偏光軸を略等距離伝搬するようになる。
【0045】
また、上記の基板1に接続される第1モニタ部100は、従属ループ接続された各AOTFを一方の方向に順次通過する光についてのドロップ光をモニタするための光アイソレータ101Aおよび受光器102Aと、他方の方向に順次通過する光についてのドロップ光をモニタするための光アイソレータ101Bおよび受光器102Bと、各受光器102A,102Bで光電変換された出力信号を合算してモニタ信号M1を出力する回路103とからなる。
【0046】
ここでは、光アイソレータ101Aの入力ポートが、接続光路2Dを介して基板1上のPBS31bのTMモード出力ポートに接続され、光アイソレータ101Bの入力ポートが、接続光路2Eを介して基板1上のPBS32bのTMモード出力ポートに接続される。なお、各方向の光についてドロップ光をモニタする位置は、後述するように、RF信号に付与するディザリングの影響を考慮して、選択波長(ドロップ波長)が阻止帯域の中心に位置するAOTF段に設定するのが望ましい。
【0047】
さらに、上記の基板1に接続される第2モニタ部200は、入力光の一部を所要の分岐比(例えば10:1等)で分岐する入力光路2IN上の光カプラ201と、光カプラ201からの分岐光を偏光分離して基板1上の各モニタ用AOTFにそれぞれ送るPBS202と、基板1上の各モニタ用AOTFを通過した偏光を合波して出力するPBS204と、PBS204で合波されたモニタ光を電気信号に変換してモニタ信号M2を出力する受光器206とを有する。
【0048】
上記のPBS202は、前述したPBS5と同様に、光カプラ201から接続光路2Fを介して送られてくる分岐光を互いに偏波面の直交した2つの偏光に分離し、一方の偏光を接続光路2Gの一端に出力し、他方の偏光を接続光路2Hの一端に出力する。接続光路2Gの他端は、基板1の光導波路221上に位置するPBS231aに接続されていて、接続光路2Hの他端は、基板1の光導波路222上に位置するPBS232bに接続されている。また、ここでは接続光路2H上に偏光回転部203が挿入されていて、この偏光回転部203は、PBS202で分離された他方の偏光の偏波面を90度回転させる機能をもつ。
【0049】
PBS204は、基板1上のモニタ用AOTFを通過し各接続光路2I,2Jを介して送られてくる偏波面の直交した偏光を合波して受光器206に出力する。具体的には、基板1の光導波路221上のPBS231bから出力されるTMモード光が、接続光路2Iを通ってPBS204に入力されるとともに、基板1の光導波路222上のPBS232aから出力されるTMモード光が、接続光路2Jを通り偏光回転部205で偏波面が90度回転されてPBS204に入力される。
【0050】
上記第1、第2モニタ部100,200で使用される各接続光路2D,2E,2G,2H,2I,2Jについても、例えばPANDA型ファイバ等の偏波保持型の光線路を使用し、各々の長手方向の中央近傍には前述した図2の場合と同様の構成の直交接続部Cをそれぞれ有するものとする。これにより、各接続光路2D,2E,2G,2H,2I,2J内を伝搬する偏光は、2つの異なる偏光軸を略等距離伝搬するようになる。
【0051】
主信号用およびモニタ用の各光路が接続される基板1の対向する2つの端面は、例えば図6に示すように、各光路との接続面での反射光の影響を軽減させるために所要の角度だけ傾けた端面とするのが好ましい。また、上記の各基板端面に接続される各光ファイバは、例えば図7に示すようなファイバアレイ構造とするのがよい。なお、図7において各接続光路213,223に平行に設けられる光ファイバは、各段のAOTFで通過が阻止されるドロップ光等を取り出するためのものである。ファイバアレイ内の各偏波保持ファイバの偏光軸に関する配置は、反対側の基板端面に接続されるファイバアレイとの対称性を考慮して、両側のファイバアレイの品種が同一となるように設定するのが望ましい。
【0052】
上記のような構成のリジェクション型光フィルタでは、第2実施形態の場合と同様にして、入力光路2INを伝搬する入力光が光サーキュレータ4および接続光路2Aを介してPBS5に送られ、直交する2つの偏光に分離されて接続光路2B,2Cにそれぞれ出力される。接続光路2Cに出力された偏光は、偏光回転部6によって偏波面が90度回転され、接続光路2Bに出力された偏光の偏波方向に揃えられる。そして、接続光路2B,2Cを伝搬する各偏光は、基板1上の各PBS31a,32aにTEモード光としてそれぞれ与えられる。なお、図5には、従属ループ接続された光線路上の各部分での伝搬光の偏波方向が明確になるように、PANDA型ファイバの偏光軸の配置を示す断面図に併せて伝搬光の偏波方向が表記してある。
【0053】
PBS31aに与えられたTEモード光は、PBS31aを通過し、光導波路21内をPBS31bに向けて伝搬する。このとき、RF信号生成回路40からの周波数fのRF信号がIDT41に印加されることで発生するSAWが、SAWガイド51によって光導波路21に沿って導かれ、光導波路21内の伝搬光と同一方向(順方向)に伝搬する。このSAWによる音響光学効果によって、光導波路21内を伝搬するTEモード光のうちのSAWの周波数に対応した波長(選択波長)の光のみがモード変換されてTMモード光となる。そして、各モードの光がPBS31bに到達すると、モード変換されなかった選択波長とは異なる波長(非選択波長)のTEモード光は、PBS31bを通過して接続光路213に出力され、モード変換された選択波長のTMモード光は、PBS31bでドロップ光として分岐され、第1モニタ部100の光アイソレータ101Aに送られる。
【0054】
接続光路213に出力されたTEモード光は、長手方向の中央近傍において90度スプライスされた直交接続部Cを有するPANDA型ファイバを通って、光導波路23上のPBS33bに送られる。このとき、接続光路213内で発生する偏波モード間干渉による周期的な波長依存性損失およびPMD、並びに、基板1上のPBS等で発生するPDLは、直交接続部Cの前後において相殺されて抑圧されるようになる。
【0055】
基板1上のPBS33bに送られたTEモード光は、PBS33bを通過し、光導波路23内をPBS33aに向けて伝搬する。このとき、IDT43で発生しSAWガイド53によって導かれるSAWは、光導波路23内の伝搬光に対して逆方向に伝搬することになり、このSAWによる音響光学効果によって、光導波路23内を伝搬するTEモード光のうちの選択波長に対応する光のみがモード変換されてTMモード光となる。そして、各モードの光がPBS33aに到達すると、モード変換されなかった非選択波長のTEモード光は、PBS33aを通過して接続光路223に出力され、モード変換された選択波長のTMモード光は、PBS33aで分岐される。
【0056】
接続光路223に出力されたTEモード光は、接続光路213の通過時と同様に、直交接続部Cを有するPANDA型ファイバを通ることで周期的な波長依存性損失等が抑圧されながら光導波路22上のPBS32bに送られる。
PBS32bに送られたTEモード光は、PBS32bを通過し、光導波路23内をPBS32aに向けて伝搬する。このとき、IDT42で発生しSAWガイド52によって導かれるSAWは、光導波路22内の伝搬光に対して順方向に伝搬することになり、このSAWによる音響光学効果によって、光導波路22内を伝搬するTEモード光のうちの選択波長に対応する光のみがモード変換されてTMモード光となる。そして、モード変換されなかった非選択波長のTEモード光はPBS32aを通過して接続光路2Cに出力され、モード変換された選択波長のTMモード光はPBS32aで分岐される。接続光路2Cに出力されたTEモード光は、接続光路2C上の偏光回転部6によって偏波面が90度回転された後にPBS5に戻される。
【0057】
なお、各光導波路21〜23においてモード変換される各々の選択波長は、各IDT41〜43に共通のRF信号を印加する構成であっても、次に説明する選択波長ドップラーシフトや、基板1の製造プロセスのばらつきに起因する固有の波長ずれによって、それぞれが僅かに異なる値となる。
ここで、選択波長ドップラーシフトについて説明する。
【0058】
選択波長ドップラーシフトは、光導波路内の光の伝搬方向と、その光導波路に沿って伝わるSAWの伝搬方向との関係によって、音響光学効果により偏波モード変換される光の波長が異なるようになる現象のことである。この現象は、通常よく知られたドップラーシフトと同じ原理で発生し、上記の場合には、光から見たSAWの波長(周波数)が変化するものと考えることができる。したがって、例えば図8に示すように、光の伝搬方向がSAWの伝搬方向と同じ順方向であるならば光の感じるSAWの波長が長くなり、逆方向であるならば光の感じるSAWの波長が短くなる。このようなドップラーシフトの影響を受けた場合の選択波長λは、次の(1)式により表すことができる。
【0059】
【数1】
【0060】
ただし、λ0はSAWが静止しているとした場合の選択波長であり、νはSAWの速度であり、cは光導波路内における光の平均速度である。
したがって、光とSAWの伝搬方向を順方向とするか逆方向とするかの違いによって生じる選択波長差Δλは、次の(2)式により表すことができる。
【0061】
【数2】
【0062】
図5に示したような3つのAOTFを従属ループ接続したリジェクション型光フィルタでは、各段のAOTFにおける選択波長が、上記のような選択波長ドップラーシフトによる選択波長差Δλに加えて、基板1の製造プロセスのばらつきに起因する固有の波長ずれによっても相違することになる。この製造プロセスのばらつきに起因する波長ずれは、例えば、各段の光導波路21〜23の幅等の製造誤差により個々の基板に固有に発生する。
【0063】
ところで、リジェクション型光フィルタの波長特性としては、例えば図9(A)の概念図に示すように、通過帯域から阻止帯域への透過率の変化が急峻であって、かつ、阻止帯域が所要の幅を持つような矩形的に変化するフィルタ特性が理想とされる。AOTFの多段構成においては、基本的に、段数を増やすほど消光比の優れたフィルタ特性が得られるようになる。このとき各段の選択波長がすべて一致していると、図9(B)の概念図に示すように、透過率が1点で最小となり阻止帯域の幅が狭くなる。リジェクション型光フィルタの阻止帯域としては、例えば、レーザ等の光源のスペクトル幅に対応する光信号の波長幅や、AOTFの設定・制御誤差、光源の波長ゆらぎなどの条件を考慮して所要の幅を確保することが必要であって、上記図9(B)のようなフィルタ特性としてしまうと、光信号波長やフィルタ設定等に僅かな変動が生じただけでも、所望の波長の光信号の通過を阻止できなくなる。
【0064】
そこで、図5に示したリジェクション型光フィルタでは、製造プロセスのばらつきに起因する基板固有の波長ずれを考慮するとともに、選択波長ドップラーシフトによる選択波長差Δλを利用することにより、図9(C)に示すように、各段のAOTFにおける選択波長を互いに僅かにずらして阻止帯域の所要の幅を確保するようにしている。
【0065】
具体的に、製造プロセスのばらつきに起因する基板固有の波長ずれに関しては、同一周波数fのSAWを伝搬光に対して順方向に与えたときの各光導波路21,22,23に対応した選択波長をλ1F,λ2F,λ3Fとし、逆方向に与えたときの各光導波路21,22,23に対応した選択波長をλ1R,λ2R,λ3Rとしたとき、基板固有の波長ずれは、例えば図10(A)〜(C)などに示すように様々なパターンが発生することになる。このような3段のAOTFの波長ずれパターンは、例えば選択波長λ1Rを基準にして、λ2R−λ1Rの値を横軸にとり、λ3R−λ1Rの値を縦軸にとって類型化すると、図10(D)に示すような6つのパターンP1〜P6に分類することが可能である。
【0066】
前述の図9(C)に示したような各段で僅かにずれた選択波長が実現されるようにするためには、各パターンP1〜P6の波長ずれに対して、選択波長ドップラーシフトによる波長差との最適な組み合わせを決定する必要がある。この最適な組み合わせを決定する際には、前述の図7で説明したようなファイバアレイの品種を基板1の両端側で同一にできる接続関係と、次に述べるような迷光の影響を抑圧する入出力の接続関係と、が同時に満たされる条件をも考慮することが望ましい。
【0067】
同一基板上に集積化された複数の光デバイスを接続して使用する場合、基板入力部からの入力光は、その大部分が光デバイスを通過するものの、図5の点線矢印に示すように、一部が基板内に放射され迷光Sとして伝搬する。この迷光Sは、光デバイスを迂回して出力部に結合してしまう可能性があり、消光比の劣化等を引き起こすことになる。
【0068】
このような入力側からの迷光Sの出力側への漏れ込み現象を効果的に抑えるためには、例えば、同一基板上の複数の光デバイスを従属接続して使用する場合、すべての光デバイスを通る光路の両端が基板の同一端面上に位置するような接続関係とするのがよい。このような接続関係の実現により、入力側からの迷光Sが出力側の光路内を伝搬する光に結合し難い構成となる。
【0069】
上記のような迷光の影響を抑圧する入出力の接続関係をも含めて、前述した選択波長ドップラーシフト等のすべての条件を満足する最適な組み合わせは、図10(D)の各パターンP1〜P6に対応させてそれぞれ決定することが可能であり、その結果をまとめたものを図11に示しておく。
なお、図11において、各基板の両端に表記した▲1▼〜▲6▼の数字は、各段のAOTFの接続順序を示したものである。また、各基板の上部に表記した「順順逆」等の文字は、図で基板の上段の光導波路を伝搬する光に対するSAWの伝搬方向、中段の光導波路を伝搬する光に対するSAWの伝搬方向および下段の光導波路を伝搬する光に対するSAWの伝搬方向を、この順番に示したものである。さらに、基板の両端に接続する各PANDA型ファイバを同一品種のファイバアレイとしたときの各々の偏光軸の配置が断面図として各基板の左右側に表記してある。
【0070】
図5に示したリジェクション型光フィルタの構成は、図11においてパターンP1に該当する接続関係を具体的に例示したものであり、選択波長ドップラーシフトに関しては、接続光路2Bを介して与えられる光について、光導波路21に対応する1段目のAOTFでのSAWの伝搬方向が順方向となり、光導波路23に対応する2段目のAOTFでのSAWの伝搬方向が逆方向となり、光導波路22に対応する3段目のAOTFでのSAWの伝搬方向が順方向となるように、各段のIDT41,43,42の配置が設定される。各段のAOTFには同一の周波数のRF信号がIDTに与えられているため、1段目および3段目の選択波長と2段目の選択波長との間には、前述の(2)式に対応した選択波長ドップラーシフトによる波長差が発生することになる。これにより、パターンP1の固有の波長ずれとの組み合わせによって、前述の図9(C)に示したようなフィルタ特性が実現可能になる。
【0071】
一方、本リジェクション型光フィルタにおいて、PBS5から接続光路2Cおよび偏光回転部6を介して基板1のPBS32aに与えられたTEモード光は、前述の接続光路2Bを介して基板1のPBS31aに与えられたTEモード光とは逆回りに各段のAOTFを順に通過し、すなわち、光導波路22、PBS32b、接続光路223、PBS33a、光導波路23、PBS33b、接続光路213、PBS31b、光導波路21およびPBS31aを順番に通過して接続光路2Bに出力され、偏波面が回転されることなくそのままの偏光状態でPBS5に戻される。なお、この逆回りの偏光の伝搬において、光導波路22を伝搬する際にモード変換された選択波長に該当するTMモード光は、PBS32bでドロップ光として分岐されて第1モニタ部100の光アイソレータ101Bに送られる。
【0072】
各接続光路2B,2Cを介してPBS5に戻された偏波面の直交する各偏光は、PBS5で合波された後に、接続光路2Aを介して光サーキュレータ4に送られ、ポート4bからポート4cを通って出力光路2OUTに出力される。
上記のようにして各接続光路2B,2Cからの偏光が基板1上の従属ループ接続された3段のAOTFを双方向に伝搬する際、光導波路21,22の一端の各PBS31a,32aから発生する迷光Sが、基板1の光入力側とは反対側の端面に向けて伝搬することになる。しかし、基板1の同一端面上に位置するPBS31a,32aに各接続光路2B,2Cがそれぞれ接続されているため、入力側からの迷光Sの出力側への漏れ込み現象が抑圧されるようになっている。
【0073】
また、本リジェクション型光フィルタにおいて、PBS31b,32bで分岐された各ドロップ光は、第1モニタ部100の各光アイソレータ101A,101Bを通過して各受光器102A,102Bでそれぞれ電気信号に変換され、回路103で合算されてモニタ信号M1としてRF信号制御部300に送られる。RF信号制御部300では、モニタ信号M1に基づいてドロップ光のピーク波長が検出され、第2モニタ部200のモニタ結果を基に予め設定された制御値(選択波長)に対する波長ずれ量が求められる。
【0074】
RF信号制御部300において、モニタ信号M1を基にドロップ光のピーク波長を検出する方法としては、例えば、各段のIDT41〜43に共通に印加するRF信号の周波数fにディザリングを加える方法などが好適である。具体的には、RF信号の最適周波数fを例えば170MHzに設定した場合、ディザリングの周波数Δfとして4kHz等を設定し、周波数がf±Δfの範囲で変動するRF信号を各IDT41〜43に印加するようにする。これにより、各段のAOTFでモード変換される選択波長もディザリングの周波数Δfに対応して変動するようになる。したがって、第1モニタ部100でモニタされるモニタ信号M1にもディザリングに対応した周波数成分が含まれるようになり、検波した周波数成分を利用して実際のドロップ光のピーク波長を検出することが可能になる。
【0075】
ここで、RF信号の周波数にディザリングを加える場合には、前述の図9(C)に示したような阻止帯域について、その中心部分に選択波長が位置するようなAOTF段からドロップ光を引き出し、第1モニタ部100でモニタするのが望ましい。これは、例えば阻止帯域の端部に選択波長が位置するAOTF段からのドロップ光をモニタするようにしたとすると、ディザリングにより変動するドロップ光の波長が透過率の急峻に変化する波長領域に達し、第1モニタ部100でモニタされるドロップ光のレベルが大きく変化するようになり、ドロップ光のピーク波長を正確に検出できなくなる可能性があり、このような状況を回避して安定したピーク波長検出を実現するために有効な設定である。
【0076】
図5の構成では、基板1上の各光導波路21〜23に対応した阻止波長(選択波長)の設定が、図12に示すような関係になっている。このため、接続光路2Bを介して基板1に与えられ光導波路21,23,22の順に伝搬する光に対しては、図で太線に示すような阻止波長の関係より、阻止帯域の略中心に位置する波長λ1Fに対応した光導波路21におけるドロップ光をモニタするようにする。また、接続光路2Cを介して基板1に与えられ光導波路22,23,21の順に伝搬する光に対しては、図で細線に示すような阻止波長の関係より、波長λ2Rに対応した光導波路22におけるドロップ光をモニタするようにする。
【0077】
上記のようにして検出したドロップ光のピーク波長を基に、RF信号制御部300では、第2モニタ部200のモニタ結果を基に予め設定された制御値(選択波長)に対する波長ずれ量が求められ、その波長ずれ量に応じてRF信号の周波数を補正する制御信号が生成されてRF信号生成回路40に出力される。そして、RF信号生成回路40では、RF信号制御部300からの制御信号に従って、RF信号の周波数fが補正され、そのRF信号が各段のIDT41〜43に共通に印加される。これにより、温度変化や経時劣化等によってフィルタ特性に変化が生じた場合でも、RF信号の周波数がトラッキング制御されることで所望の波長の光の通過を確実に阻止することが可能になる。
【0078】
さらに、本リジェクション型光フィルタにおいては、立ち上げ時や設定の変更時などに、基板1上の従属ループ接続されたAOTFの制御値を予め検出する処理が、第2モニタ部200からのモニタ信号M2に基づいてRF信号制御部300により実行される。第2モニタ部200では、基板1上の従属接続された3段のAOTFと同一のパラメータで動作するモニタ用AOTFを通過した光がモニタされる。すなわち、入力光路2IN上の光カプラ201からの分岐光がPBS202で偏光分離され、一方の偏光が接続光路2Gを介して基板1の光導波路221上のPBS231aにTEモード光として与えられて、光導波路221内をPBS231bに向けて伝搬する。このとき、IDT241で発生しSAWガイド251を伝搬するSAWの音響光学効果によって、光導波路221内を伝搬するTEモード光のうちの選択波長に対応する光のみがモード変換されてTMモード光となる。そして、各モードの光がPBS231bに到達すると、モード変換された選択波長のTMモード光がPBS231bを通過し、接続光路2Iを介してPBS204に送られる。
【0079】
また、PBS202で偏光分離された他方の偏光は、偏光回転部203によって偏波面が90度回転された後に接続光路2Hを介して基板1の光導波路222上のPBS232bにTEモード光として与えられて、光導波路222内をPBS232aに向けて伝搬する。このとき、IDT242で発生しSAWガイド252を伝搬するSAWの音響光学効果によって、光導波路222内を伝搬するTEモード光のうちの選択波長に対応する光のみがモード変換されてTMモード光となる。そして、各モードの光がPBS232aに到達すると、モード変換された選択波長のTMモード光がPBS232aを通過し、偏光回転部205によって偏波面が90度回転された後に接続光路2Jを介してPBS204に送られる。
【0080】
PBS204では、各接続光路2I,2Jからの偏波面が直交する偏光を合波して受光器206に送り、受光器206ではPBS204からのモニタ光を電気信号に変換し、モニタ信号M2としてRF信号制御部300に出力する。
RF信号制御部300では、立ち上げ時や設定の変更時などに、RF信号の周波数を所要の範囲で掃引させる制御信号が生成されて、RF信号生成回路40に出力される。そして、掃引された各周波数のRF信号にそれぞれ対応させて、基板1上のモニタ用AOTFで実際に選択される光の波長が、第2モニタ部200からのモニタ信号M2に基づいて検出され、その検出結果に従って、所望の選択波長に対応したRF信号の周波数が判断されて、立ち上げ時または設定変更時の制御値として初期設定される。
【0081】
この第2モニタ部200のモニタ信号M2を基に設定される制御値は、主信号光の処理を行う従属接続されたAOTFと同一の制御パラメータ(RF信号の周波数)で動作するモニタ用AOTFを実際に通過した光の波長に従って決定されるため、異なる制御パラメータで動作するモニタデバイスを用いて得られる値に比べて、非常に高い精度を得ることができる。OXC装置やOADM装置等に利用されるリジェクション型光フィルタにおいては、通過させなければならない波長の光が誤って遮断されるとサービスの中断を招くことになるため、制御パラメータはその初期値から高い精度が要求される。したがって、上記のような第2モニタ部200のモニタ結果に基づいたRF信号の制御機能をリジェクション型光フィルタに設けることは非常に有用である。
【0082】
上述したように、本リジェクション型光フィルタによれば、PBS5と基板1上の従属ループ接続される各AOTFとの間が直交接続部Cを有する各接続光路213,223,2B,2Cによってそれぞれ接続されるとともに、第1、第2モニタ部100,200を構成する各部の間についても直交接続部Cを有する接続光路2D,2E,2G〜2Jによってそれぞれ接続されるため、上記の各接続光路を通る偏光は、偏波保持ファイバの2つの異なる偏光軸を略等距離伝搬するようになる。これにより、各接続光路に送られる光の偏波方向が各々の光路の偏光軸に完全に一致していなくても、接続光路で発生する偏波モード間干渉による周期的な波長依存性損失およびPMD、並びに、各AOTFや各PBSにおけるPDLを同時に抑圧することが可能になる。
【0083】
なお、上記のリジェクション型光フィルタでは、音響光学効果を利用して所要の波長光を偏波モード変換するAOTFを使用する一例を示したが、このAOTFに代えて、例えば電気光学効果を利用して所要の波長光を偏波モード変換するEOTFを用いることも可能である。このEOTFは、LiNbO3等の基板に形成された光導波路に沿って所定形状の電極が配置してあり、その電極に所要の電圧が印加されることで発生する電界に基づいた電気光学効果によって、所要の波長光の偏波モード変換を行うものである。
【0084】
以上、本明細書で開示した主な発明について以下にまとめる。
【0085】
(付記1) 偏波保持特性を有する光線路を用いて複数の光デバイスを互いに接続する方法であって、
光が2つの異なる偏光軸に沿って略等距離伝搬する光学特性を備えた前記光線路により前記各光デバイス間を接続することを特徴とする光デバイスの接続方法。
【0086】
(付記2) 付記1に記載の光デバイスの接続方法であって、
長手方向の中央近傍に偏光軸を略90度回転させて接続した直交接続部を有する前記光線路により前記各光デバイス間を接続することを特徴とする光デバイスの接続方法。
【0087】
(付記3) 付記1に記載の光デバイスの接続方法であって、
偏光軸を略90度回転させて接続した複数の直交接続部を有し、該各直交接続部が長手方向の所定位置にそれぞれ配置された前記光線路により前記各光デバイス間を接続することを特徴とする光デバイスの接続方法。
【0088】
(付記4) 偏波保持特性を有する光線路を用いて、複数の光デバイスを互いに接続した光装置であって、
前記光線路は、互いに接続した光デバイス間で伝えられる光が2つの異なる偏光軸に沿って略等距離伝搬する光学特性を備えたことを特徴とする光装置。
【0089】
(付記5) 付記4に記載の光装置であって、
前記光線路は、長手方向の中央近傍に偏光軸を略90度回転させて接続した直交接続部を有することを特徴とする光装置。
【0090】
(付記6) 付記4に記載の光装置であって、
前記光線路は、偏光軸を略90度回転させて接続した複数の直交接続部を有し、該各直交接続部が長手方向の所定位置にそれぞれ配置されたことを特徴とする光装置。
【0091】
(付記7) 付記4に記載の光装置であって、
前記複数の光デバイスは、光フィルタデバイスを含むことを特徴とする光装置。
【0092】
(付記8) 付記7に記載の光装置であって、
前記光フィルタデバイスが、音響光学チューナブルフィルタ(AOTF)であることを特徴とする光装置。
【0093】
(付記9) 付記7に記載の光装置であって、
前記光フィルタデバイスが、電気光学チューナブルフィルタ(EOTF)であることを特徴とする光装置。
【0094】
(付記10) 付記4に記載の光装置であって、
前記複数の光デバイスは、プレーナ光波回路(PLC)デバイスを含むことを特徴とする光装置。
【0095】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明かかる光デバイスの接続方法および光装置によれば、光が2つの異なる偏光軸に偏波面を合わせて略等距離伝搬する光学特性を備えた偏波保持型の光ファイバまたは光導波路を用いて、3つの光デバイス間の接続を行うようにしたことで、各光デバイスに入出力される光の偏波方向と光ファイバまたは光導波路の偏光軸の方向とが完全に一致していなくても、光ファイバまたは光導波路の偏波モード間干渉により発生する周期的な波長依存性損失を相殺して抑圧することができる。また、光ファイバまたは光導波路内で発生する偏波モード分散も同時に抑圧することが可能になる。さらに、各光デバイスに偏波依存性損失がある場合には、これも互いに相殺されて抑圧することができる。加えて、各光デバイスにおける選択波長にドップラーシフトによる波長差を生じさせたリジェクション型光フィルタを構成することができ、当該光フィルタに必要とされる広い帯域を容易に実現することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関連する光装置の一例を示す構成図である。
【図2】図1の光装置における接続光路の直交接続部を示す図である。
【図3】本発明にかかる光装置の第1実施形態を示す構成図である。
【図4】本発明にかかる光装置の第2実施形態を示す構成図である。
【図5】本発明にかかる光装置の具体例としてのリジェクション型光フィルタの構成を示す平面図である。
【図6】図5のリジェクション型光フィルタにおける基板の端面形状の一例を示す図である。
【図7】図5のリジェクション型光フィルタにおいて基板端面に接続されるファイバアレイ構造の一例を示す図である。
【図8】AOTFにおける選択波長ドップラーシフトを説明するための図である。
【図9】リジェクション型光フィルタのフィルタ特性を説明する概念図であって、(A)は理想的なフィルタ特性、(B)は多段構成において選択波長が一致したときのフィルタ特性、(C)は選択波長が互いに異なるときのフィルタ特性を示す図である。
【図10】3段のAOTFを集積化した基板に固有の選択波長ずれを説明するための図であって、(A)〜(C)は波長ずれパターンの例示図、(D)は波長ずれパターンを類型化した図である。
【図11】図10の波長ずれパターンに応じて、選択波長ドップラーシフトの影響等を考慮した最適な接続関係をまとめた模式図である。
【図12】図5のリジェクション型光フィルタにおいて設定された各段の選択波長の関係を示す図である。
【図13】従来の接続方法における偏波保持ファイバの偏波モード間干渉を説明するための図である。
【符号の説明】
1,1A,1B 基板
2IN 入力光路
2OUT 出力光路
212,223,213,2A〜2J 接続光路
4 光サーキュレータ
5,31a〜33a,31b〜33b,202,204,231a,232a,231b,232b 偏光ビームスプリッタ(PBS)
6,203,205 偏光回転部
11〜13 光デバイス
21〜23,221,222 光導波路
40 RF信号生成回路
41〜43,241,242 櫛形電極(IDT)
51〜53,251,252 SAWガイド
100 第1モニタ部
200 第2モニタ部
300 RF信号制御部
C 直交接続部
Claims (4)
- 偏波保持特性を有し、かつ、光が2つの異なる偏光軸に偏波面を合わせて略等距離伝搬する光学特性を備えた、光ファイバまたは光導波路を用いて複数の光デバイスを互いに接続する方法であって、
1つ以上の波長を可変的に選択する可変波長光フィルタ機能を備えた3つの光デバイスが同一基板上に略並列に配置され、かつ、前記各光デバイスを通過する光路の両端が前記基板の両端に位置するとともに、前記3つの光デバイスの略並列配置において中央に位置する光デバイスを通過する光の方向が、その両隣に位置する2つの光デバイスのうちの一方の光デバイスを通過する光の方向に対して反対向きになるように、前記光ファイバまたは光導波路を用いて前記各光デバイス間を従属接続し、該従属接続されたすべての光デバイスを通る光路の入出力端が前記基板の同一端面上に位置するようにし、さらに、
前記接続は、前記3つの光デバイスのうちの1つの光デバイスにおける波長選択用の弾性表面波が、当該光デバイスを通過する光路の光の伝搬方向に対して反対方向にSAWガイドを進行するとともに、他の光デバイスにおける波長選択用の弾性表面波が、当該光デバイスを通過する光路の光の伝搬方向に対して同一方向にSAWガイドを進行するようにしたことを特徴とする光デバイスの接続方法。 - 請求項1に記載の光デバイスの接続方法であって、
長手方向の中央に偏光軸を略90度回転させて接続した直交接続部を有する、前記光ファイバまたは光導波路により前記各光デバイス間を接続することを特徴とする光デバイスの接続方法。 - 請求項1に記載の光デバイスの接続方法であって、
偏光軸を略90度回転させて接続した複数の直交接続部を有し、該各直交接続部が長手方向の所定位置にそれぞれ配置された、前記光ファイバまたは光導波路により前記各光デバイス間を接続することを特徴とする光デバイスの接続方法。 - 偏波保持特性を有し、かつ、光が2つの異なる偏光軸に偏波面を合わせて略等距離伝搬する光学特性を備えた、光ファイバまたは光導波路を用いて複数の光デバイスを互いに接続した光装置であって、
1つ以上の波長を可変的に選択する可変波長光フィルタ機能を備えた3つの光デバイスを有し、
前記3つの光デバイスは、同一基板上に略並列に配置され、かつ、前記各光デバイスを通過する光路の両端が前記基板の両端に位置するとともに、前記3つの光デバイスの略並列配置において中央に位置する光デバイスを通過する光の方向が、その両隣に位置する2つの光デバイスのうちの一方の光デバイスを通過する光の方向に対して反対向きになり、さらに、前記3つの光デバイスのうちの1つの光デバイスにおける波長選択用の弾性表面波が、当該光デバイスを通過する光路の光の伝搬方向に対して反対方向にSAWガイドを進行するとともに、他の光デバイスにおける波長選択用の弾性表面波が、当該光デバイスを通過する光路の光の伝搬方向に対して同一方向にSAWガイドを進行するように、前記光ファイバまたは光導波路を用いて前記各光デバイス間が従属接続され、該従属接続されたすべての光デバイスを通る光路の入出力端が基板の同一端面上に位置するようにしたことを特徴とする光装置。
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