JP2001153963A - 物体検知装置及び乗員検知システム - Google Patents

物体検知装置及び乗員検知システム

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JP2001153963A
JP2001153963A JP33664399A JP33664399A JP2001153963A JP 2001153963 A JP2001153963 A JP 2001153963A JP 33664399 A JP33664399 A JP 33664399A JP 33664399 A JP33664399 A JP 33664399A JP 2001153963 A JP2001153963 A JP 2001153963A
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和則 甚野
Jiyunshirou Motoyama
純四郎 本山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電界発生手段の振幅の変動,周囲温度に関係な
く、物体の存在状況,シートへの乗員の着席状況などを
的確に精度よく検知できる物体検知装置及び乗員検知シ
ステムを提供する。 【解決手段】アンテナ電極4と、アンテナ電極の周辺に
微弱電界を発生させるための電界発生手段41と、アン
テナ電極と電界発生手段との間に接続した2端子以上を
有するn端子回路網42と、n端子回路網における電界
発生手段側の信号(原信号)とアンテナ電極側の信号
(負荷信号)との位相差を検出する位相検出回路43
と、位相検出回路から出力される信号を取り込み、この
信号データに基づいてアンテナ電極の近傍に物体が存在
するか否かを判断する制御回路18とを具備し、前記n
端子回路網の負荷インピーダンスに基づく位相成分に対
応する信号を出力するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は物体検知装置及び
乗員検知システムに関し、特にエアバッグ装置を搭載し
た自動車の助手席における乗員の着席状況などに応じ
て、エアバッグ装置のエアバッグを展開可能な状態又は
展開不可能な状態に設定し得る乗員検知システムの改良
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、エアバッグ装置は自動車の衝突
時に乗員が受ける衝撃を緩和するための装置であって、
自動車の安全性になくてならないものになっており、近
時、運転席のみならず、助手席にも設置されるようにな
っている。
【0003】このエアバッグ装置は、例えば図9に示す
ように、セーフィングセンサSS1,スクイブSQ1,
電界効果形トランジスタなどのスイッチング素子SW1
の直列回路よりなる運転席側のスクイブ回路と、セーフ
ィングセンサSS2,スクイブSQ2,電界効果形トラ
ンジスタなどのスイッチング素子SW2よりなる助手席
側のスクイブ回路と、電子式加速度センサ(衝突検出セ
ンサ)GSと、電子式加速度センサGSの出力信号に基
づいて衝突の有無を判断し、スイッチング素子SW1,
SW2のゲートに信号を供給する機能を有する制御回路
CCとから構成されている。
【0004】このエアバッグ装置によれば、何らかの原
因に基づき自動車が衝突した場合、セーフィングセンサ
SS1,SS2はそのスイッチ接点が比較的に小さな加
速度に反応して閉成され、運転席側及び助手席側のスク
イブ回路が動作可能な状態になる。そして、電子式加速
度センサGSからの信号に基づいて制御回路CCが自動
車が確実に衝突したと判断すると、スイッチング素子S
W1,SW2のゲートに信号が供給され、スイッチング
素子SW1,SW2がオン状態になる。これによって、
それぞれのスクイブ回路に電流が流れる結果、スクイブ
SQ1,SQ2の発熱に基づいて運転席側及び助手席側
のエアバッグが展開され、乗員が衝突による衝撃から保
護される。
【0005】ところで、このエアバッグ装置ではシート
への乗員の着席の有無に関係なく、自動車の衝突によっ
てエアバッグが展開するように構成されているために、
例えば助手席に大人の乗員が着席している場合には衝突
時に上述のような乗員の保護効果が期待できるものであ
るが、乗員が子供の場合には大人に比べて座高が低いこ
とに伴って頭部位置も低いことから、エアバッグの展開
による子供への影響が懸念される。従って、乗員が子供
の場合には仮に自動車が衝突してもエアバッグは展開さ
せないことが望ましい場合がある。
【0006】従って、従来においては、このような問題
に対応するために、例えば図10に示すようなエアバッ
グ装置が提案されている。このエアバッグ装置は、助手
席に乗員が着席しているか否かを検出するセンサSDを
設置し、このセンサSDの検出信号に基づいて制御回路
CCが助手席への乗員の着席状況を判断し、自動車が衝
突した場合に、エアバッグを展開可能な状態又は展開不
可能な状態のいずれか一方にセットするように構成され
ている。特に、センサSDとしては、重量センサを用
い、この重量センサにて測定した乗員の重量に基づいて
大人か子供かの判定を行うものと、シートに着席してい
る乗員をカメラで撮影して画像処理により大人か子供か
の判定を行うものとが提案されている。
【0007】前者の方法によれば、乗員が大人か子供か
の大まかな判定は可能であり、この結果に基づいてエア
バッグを展開可能な状態又は展開不可能な状態のいずれ
か一方にセットし、自動車の衝突時における不測の事態
を回避することができるものの、体重は個人差が大き
く、仮に子供でも大人より重い場合もあり得ることか
ら、正確性に欠けるという問題がある。
【0008】又、後者の方法によれば、乗員の着席状
況,乗員が大人か子供かの判断をかなり正確に行うこと
ができるものの、カメラで撮影した撮像データを画像処
理し各種パターンとの比較判断を行わなければならない
ために、処理装置が複雑かつ高価になるという問題があ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って、本出願人は、
先に、図11に示す乗員検知システムを提案した。この
乗員検知システムは、基本的にはシートに配置されたア
ンテナ電極に発生させた微弱電界(Electric
Field)の乱れを利用するものである。まず、図1
1(a)に示すように、アンテナ電極Eに発振回路OS
Cからの高周波低電圧を印加することにより、アンテナ
電極Eの周辺には微弱電界が生ずる結果、アンテナ電極
Eの側には電流Iが流れる。この状態において、図11
(b)に示すように、アンテナ電極Eの近傍に物体OB
を存在させると、電界に乱れが生じてアンテナ電極Eの
側には電流Iとは異なった電流I1が流れることにな
る。
【0010】従って、自動車のシートに物体OBが乗っ
ている場合と乗っていない場合とでは、アンテナ電極E
の側に流れる電流に変化が生ずるものであり、この現象
を利用することにより、シートへの乗員の着席状況など
を検知することができるものである。特に、アンテナ電
極を増加させることによって、シート上の乗員などを含
む物体についての多くの情報を得ることが可能となり、
シートへの乗員の着席状況などをより的確に検知するこ
とができる。尚、シートに物体OBが乗っている場合に
はアンテナ電極Eの側に流れる電流が増加し、シートに
物体OBが乗っていない場合にはアンテナ電極Eの側に
流れる電流が減少する。
【0011】次に、この原理を利用した先行技術にかか
る乗員検知システムについて図12〜図16を参照して
説明する。同図のうち、図12〜図13は助手席(又は
運転席)のシート及びアンテナ電極の配置構成を示して
おり、シート1は主として着席部1aと背もたれ部1b
とから構成されている。着席部1aは、例えば前後にス
ライド可能なベース2に固定されたシートフレーム3
と、シートフレーム3の上部に配置されたクッション材
と、クッション材を覆う外装材とから構成されており、
背もたれ部1bも着席部1aとほぼ同様に、シートフレ
ーム,クッション材,外装材などにて構成されている。
特に、着席部1aにはほぼ同一形状(例えば角形)に形
成された複数のアンテナ電極4(4a〜4d)が互いに
離隔して対称的に配置されているが、背もたれ部1bに
配置したり、或いは両方に配置することもできる。尚、
シート1には後述する制御ユニット10が組み込まれて
おり、例えばシートフレーム3ないしその近傍に配置さ
れている。
【0012】このアンテナ電極4は、基本的には例えば
図13に示すように、不織布などのような絶縁部材より
なるベース部材5と、ベース部材5の一方の面に互いに
離隔して対称的に配置された導電性を有するアンテナ電
極部4a〜4dとから構成されており、着席部1aの外
装材の内側に配置されている。特に、アンテナ電極部4
a〜4dは、例えば導電性の布地にて構成されている
が、糸状の金属線や導電性を有する繊維などをベース部
材5に織り込んだり、着席部1aのシート布面をベース
部材と見做してこれに織り込んだり、布面に導電性ペイ
ントを被着したりして構成することもできる。又、アン
テナ電極部4a〜4dの所望部分にはシールド線などの
リード線6(6a〜6d)が電気的に接続されており、
リード線6a〜6dの導出端は後述する制御ユニット1
0のコネクタ14a〜14dに接続されている。
【0013】上述のシート1に組み込まれた制御ユニッ
ト10は、例えば図14に示すように、正弦波交流を出
力し、アンテナ電極部4a〜4dの周辺に微弱電界を発
生させるための電界発生手段(発振回路)11と、電界
発生手段11から出力される送信信号の送信系に接続さ
れた抵抗12と、抵抗12の出力側に接続された複数の
スイッチング手段13a〜13dを有するアンテナ電極
部4a〜4dの切換回路13と、閉成動作時に切換回路
13のスイッチング手段13a〜13dに接続され、か
つ制御ユニット10のハウジングに配置されたコネクタ
14a〜14dと、抵抗12の出力側に接続され、アン
テナ電極4に流れる電流に関連する交流のライン電圧を
直流に変換するAC−DC変換回路15と、CPU,A
/D変換部,外部メモリ(例えばEEPROM,RA
M)などを含む制御回路18と、ハウジングに配置さ
れ、図示しないバッテリ電源に接続されるコネクタ19
と、コネクタ19に接続された電源回路20とから構成
されている。これらの構成要素は同一のハウジングに収
納されて制御ユニット10を構成しており、例えばシー
ト1の着席部1aにおけるシートフレーム3に乗員の着
席側に露呈しないように固定されている。この制御ユニ
ット10の制御回路18には、例えば図16に示す構成
のエアバッグ装置30が接続されている。尚、切換回路
13におけるスイッチング手段13a〜13dの選択的
な切換は制御回路18からの信号に基づいて行われる。
【0014】上述の制御ユニット10において、電界発
生手段11は、例えばクワドラチャ発振回路によって構
成されており、正弦波の高周波低電圧が出力される。
尚、発振回路としてはクワドラチャ発振回路の他、ウィ
ーンブリッジ発振回路など適宜の発振回路が利用でき
る。電界発生手段11の出力において、それの周波数は
例えば120KHz程度であり、電圧は例えば5VP−
Pであるが、適宜の値に変更できる。
【0015】又、制御ユニット10において、AC−D
C変換回路15は、例えば図15に示すように、全波整
流回路16と、平滑回路17とから構成されている。こ
の全波整流回路16は第1,第2のオペアンプ16a
1,16a2と、第1,第2のダイオード16b1,1
6b2と、抵抗16c1〜16c3とから構成されてお
り、平滑回路17は抵抗17aと、コンデンサ17bと
から構成されている。尚、このAC−DC変換回路15
の出力側には制御回路18が接続されている。
【0016】さらに、制御ユニット10において、電源
回路20はバッテリ電源(12V)を例えば5Vに降圧
して単一のVcc電源を生成するように構成されてお
り、例えば三端子レギュレータにて構成されている。こ
の電源回路20にて生成された単一のVcc電源は制御
ユニット10を構成する構成要素のうち、電源を必要と
するすべての構成要素に供給されている。尚、このVc
c電源は単一化することが望ましいが、異なった電圧に
設定することも可能である。
【0017】次に、このように構成された乗員検知シス
テムの動作について図14〜図18を参照して説明す
る。まず、図14における電界発生手段11が発振状態
になると、電界発生手段11からは、例えば図17
(a)に示すような正弦波の高周波低電圧が出力され
る。この高周波出力は抵抗12,送信系,切換回路13
(スイッチング手段13a〜13d),コネクタ14a
〜14dを介してアンテナ電極4(4a〜4d)に供給
され、その結果、アンテナ電極4(4a〜4d)の周辺
には微弱電界が発生される。この際に、切換回路13は
制御回路18からの信号によって開閉制御が行われ、最
初にスイッチング手段13aのみが閉成され、次にスイ
ッチング手段13bのみが閉成され、以下同様にして順
次に特定のスイッチング手段のみが閉成されると同時に
その他のスイッチング手段は開放されるように切換制御
される。従って、特定のスイッチング手段(13a〜1
3d)が閉成された場合には、高周波出力は抵抗12,
送信系(送信ライン),特定のスイッチング手段(13
a〜13d),特定のコネクタ(14a〜14d)を介
して特定のアンテナ電極4(4a〜4d)に供給され、
その結果、特定のアンテナ電極4(4a〜4d)の周辺
には微弱電界が発生され、シート1への乗員の着席の有
無,乗員の識別(大人か子供かの区別)などの着席状況
に応じて異なったレベルの電流が流れる。
【0018】例えばシート1に乗員が着席している場合
には、特定のアンテナ電極の周辺には空席状態時の浮遊
容量に比較して大きなキャパシタンス成分が存在するよ
うになり、レベルの高い電流が流れることになるため
に、抵抗12での電圧降下も大きくなる。このために、
乗員のキャパシタンス成分は大人の方が子供に比較して
大きくなることから、アンテナ電極に流れる電流のレベ
ルも高くなり、抵抗12での電圧降下も大きくなる。従
って、送信系のライン電圧は図17(a)に示すように
なり、ライン電圧Vは、大人と子供との間でキャパシタ
ンス成分が異なり、アンテナ電極に流れる電流が異なる
ことから、大人の場合には小さく、子供の場合には大き
くなる。一方、シート1に乗員が着席していない空席状
態の場合には、特定のアンテナ電極の周辺に存在する浮
遊容量に基づいてレベルの低い電流が流れるものの、抵
抗12での電圧降下分は極めて小さくなり、ライン電圧
Vは電界発生手段11の出力電圧に近い値になる。
【0019】このように抵抗12の出力側における交流
のライン電圧はAC−DC変換回路15に取り込まれ
る。この交流のライン電圧は、まず、全波整流回路16
にて図17(b)に示すように全波整流され、引き続
き、平滑回路17にて図17(c)に示すように直流
(Vd)に変換される。具体的には、交流のライン電圧
のうち、正の半サイクルの電圧が全波整流回路16に入
力されると、第1のオペアンプ16a1の出力側はマイ
ナスに反転され、第2のダイオード16b2がカットオ
フ状態になるために、抵抗16c2を介して第2のオペ
アンプ16a2に印加された正の半サイクルの電圧が第
2のオペアンプ16a2の出力側に出力される。次に、
負の半サイクルの電圧が全波整流回路16に入力される
と、第1のオペアンプ16a1の出力側はプラスに反転
され、第2のダイオード16b2はオン状態になるため
に、第2のオペアンプ16a2の出力側にプラスに反転
状態の電圧が出力される。従って、全波整流回路16の
出力として、図17(b)に示すような出力電圧が得ら
れる。
【0020】このようにAC−DC変換回路15の直流
出力Vdは全波整流回路16の出力に応じてレベルが異
なる。図17(c)において、点線は空席状態時の直流
変換レベルを、実線は乗員の着席状態時の直流変換レベ
ルをそれぞれ示しており、両者の間には判別可能な程度
のレベル差を有している。尚、この直流変換レベルは、
送信系における抵抗12の抵抗値を一定に設定すれば、
アンテナ電極4(4a〜4d)の周辺に存在するキャパ
シタンス成分の大きさに依存し、例えば大人のようにキ
ャパシタンスが大きい場合には小さくなり、逆に、子供
のようにキャパシタンスが小さい場合には大きくなり、
シート1が空席状態の場合には最も大きくなる。このA
C−DC変換回路15の直流出力は制御回路18に次々
と取り込まれ、A/D変換され、メモリに格納される。
【0021】この制御回路18には、予め、例えばシー
ト1に着席している乗員の着席状況(着席の有無,大人
か子供かの識別など)に関するしきい値(しきい値デー
タ)などが格納されている。具体的には、乗員の着席の
有無に関するしきい値は次のように設定される。例えば
図18(a)及び(b)に示すように、シート1にそれ
ぞれ大人の乗員P及び子供の乗員SPが着席している場
合には、それぞれのアンテナ電極4(4a〜4d)に対
向する面積などの違いによってそれぞれのアンテナ電極
4(4a〜4d)の周辺に存在するキャパシタンス成分
に差異が生ずる。この結果、アンテナ電極4(4a〜4
d)に流れる電流のレベルが異なり、大人の乗員Pの場
合には子供の乗員SPの場合に比べて電流のレベルが高
くなり、抵抗12での電圧降下分も異なり、AC−DC
変換回路15から出力される直流レベルも異なったレベ
ルとなる。従って、子供SPの場合の電流レベルに関連
する直流出力と図17(c)において点線で示す空席状
態時の直流出力との間のレベルが乗員の着席の有無に関
するしきい値として設定される。尚、直流出力データが
このしきい値より小さければ乗員が着席していると判定
され、大きければ着席していないと判定される。特に、
このしきい値はそれぞれのアンテナ電極に流れる電流に
関連するAC−DC変換回路15からの直流出力の総和
に対して設定することが望ましいが、アンテナ電極毎に
設定することも可能である。
【0022】又、乗員の識別に関するしきい値は次のよ
うに設定される。例えば図18(a)に示すように、シ
ート1に大人の乗員Pが着席している場合には、それぞ
れのアンテナ電極4(4a〜4d)に流れる電流のレベ
ルが大きくなり、抵抗12での電圧降下によって送信系
のライン電圧は低くなり、AC−DC変換回路15から
出力される直流レベルは図17(c)の実線で示すレベ
ル(Vd)となる。一方、図18(b)に示すように、
シート1に子供の乗員SPが着席している場合には、そ
れぞれのアンテナ電極に流れる電流のレベルが小さくな
り、抵抗12での電圧降下によって送信系のライン電圧
は小さくなり、AC−DC変換回路15から出力される
直流レベルは図17(c)において実線と点線で示すレ
ベルの間のレベルとなる。従って、大人の乗員Pと子供
の乗員SPとの中間的な電流レベルに関連する直流出力
が識別に関するしきい値として設定される。尚、直流変
換データがこのしきい値より小さければ大人の乗員Pと
判定され、大きければ子供の乗員SPと判定される。特
に、このしきい値はそれぞれのアンテナ電極に流れる電
流に関連するAC−DC変換回路15からの直流出力の
総和に対して設定することが望ましいが、アンテナ電極
毎に設定することも可能である。
【0023】従って、制御回路18に取り込まれた乗員
の着席状況などに関する信号データは、予め制御回路1
8に記憶されている乗員の着席状況などに関するしきい
値データと比較され、例えば図18(a)に示すよう
に、すべてのアンテナ電極部4a〜4dの電流レベルが
高いことに関連してAC−DC変換回路15からの直流
出力は低く、かつ着席の識別に関するしきい値より低い
場合には、シート1に着席している乗員は大人の乗員P
であると判断される。これによって、図16に示すエア
バッグ装置30は制御回路18からの送信信号によっ
て、エアバッグが展開可能なるようにセットされる。逆
に、図18(b)に示すように、すべてのアンテナ電極
部4a〜4dの電流レベルが低いことに関連してAC−
DC変換回路15からの直流出力は高く、かつ着席の識
別に関するしきい値より高い場合には、シート1に着席
している乗員は子供の乗員SPであると判断される。こ
れによって、図16に示すエアバッグ装置30は制御回
路18からの送信信号によって、エアバッグが展開不可
能なるようにセットされる。即ち、制御回路18からの
送信信号はエアバッグ装置30の制御回路CCに入力さ
れ、後者の場合には自動車の衝突時に助手席側のスイッ
チング素子SW2にゲート信号を供給しないようにセッ
トされる。尚、運転席側のスイッチング素子SW1には
ゲート信号が供給される。前者の場合にはスイッチング
素子SW1,SW2にゲート信号が供給されるようにセ
ットされる。
【0024】このように先行技術によれば、電界発生手
段11からの送信信号によってアンテナ電極4(4a〜
4d)にはアンテナ電極の周辺に存在するキャパシタン
ス成分などに応じた電流が流れ、この際に、送信系に接
続された抵抗12にて電流に応じた電圧降下が生じ、送
信系のライン電圧はアンテナ電極に流れる電流に関連し
た電圧になる。特に、アンテナ電極に流れる電流はシー
ト1への着席の有無,乗員が大人であるか否かによって
異なることから、この電圧をAC−DC変換回路15に
て交流から直流に変換することにより、識別可能な直流
データが得られる。この直流データを制御回路18に取
り込み、直流データに関する信号データに基づいてシー
ト1への乗員の着席状況などを適切に判断することがで
きる。従って、図10に示す従来例における主要な問題
は解決できるものである。
【0025】その上、制御回路18ではAC−DC変換
回路15からの直流出力に関する信号データに基づいて
シート1への乗員の着席状況などが判断され、この判断
結果がエアバッグ装置30に通信手段を介して送信され
る関係で、エアバッグ装置を乗員の着席状況に応じて適
切に制御することができる。
【0026】しかしながら、先行技術において、AC−
DC変換回路15における全波整流回路16は、図15
に示すように例えば第1,第2のオペアンプ16a1,
16a2、第1,第2のダイオード16b1,16b
2、抵抗16c1〜16c3にて構成されているが、第
1,第2のダイオード16b1,16b2の順方向電圧
は負の温度係数を有することから、周囲温度によって順
方向電圧も変動する。このために、全波整流回路16の
出力電圧は第1のオペアンプ16a1で反転されるサイ
クルに対応する電圧が変動することになり、平滑回路1
7からの直流出力のレベルも変動することになる。
【0027】この平滑回路17の直流出力は制御回路1
8に取り込まれ、制御回路18では予め格納されている
しきい値データと取り込まれた信号データとの比較など
に基づいて乗員の着席状況などが判断されるのである
が、シートへの乗員の着席状況に関係なく、平滑回路1
7の直流出力のみに変動が生ずると、現実の着席状況に
適合しない判断がなされる。例えばシート1に子供の乗
員SPが着席している場合、直流出力のレベル変動によ
って大人が着席していると判断されることもあり、エア
バッグ装置30の適切な制御が困難になる。従って、制
御回路18での判断の精度が損なわれるのみならず、そ
の信頼性も低くなるという問題がある。
【0028】又、電界発生手段11からアンテナ電極部
4a〜4dに供給される高周波低電圧の振幅は、例えば
電源変動などにより影響されて変化する。例えば高周波
低電圧の振幅が大きくなったりすると、AC−DC変換
回路15の直流の出力電圧Vdのレベルも相対的に大き
くなるし、逆に、高周波低電圧の振幅が小さくなったり
すると、AC−DC変換回路15の直流の出力電圧Vd
のレベルも相対的に小さくなる。このレベル変動はシー
ト1に着席している乗員の着席状況に無関係に発生する
ために、高周波低電圧の振幅に変動が生じた場合、AC
−DC変換回路15の直流の出力電圧Vdのレベルが本
来の正常レベルよりも大きくなったり、或いは小さくな
ったりする。従って、制御回路18は、予め格納されて
いる乗員の着席状況に関するしきい値とAC−DC変換
回路15から取り込まれた信号データとを比較する際
に、乗員の着席状況に即した状態を的確に判断すること
が難しくなり、「子供の着席」を「大人の着席」或いは
「空席」と誤判断してエアバッグ装置30を作動させた
りするという不都合が生ずるのみならず、装置の信頼性
も著しく損なわれるという問題もある。
【0029】それ故に、本発明の目的は、電界発生手段
の振幅の変動,周囲温度に関係なく、物体の存在状況,
シートへの乗員の着席状況などを的確に精度よく検知で
きる物体検知装置及び乗員検知システムを提供すること
にある。
【0030】
【課題を解決するための手段】従って、本発明は、上述
の目的を達成するために提案されたものであって、第1
の発明から第10の発明は物体検知装置に関するもので
あり、第11の発明から第21の発明は乗員検知システ
ムに関するものである。
【0031】即ち、物体検知装置に関する第1の発明か
ら第10の発明において、本発明の第1の発明は、アン
テナ電極と、ほぼ正弦波交流を出力し、前記アンテナ電
極の周辺に微弱電界を発生させるための電界発生手段
と、前記アンテナ電極と前記電界発生手段との間に接続
した2端子以上を有するn端子回路網と、このn端子回
路網における前記電界発生手段側の信号(原信号)と前
記アンテナ電極側の信号(負荷信号)との位相差を検出
する位相検出回路とを具備し、前記n端子回路網の負荷
インピーダンスに基づく位相成分を検出することによ
り、前記アンテナ電極の近傍に物体が存在するか否かを
検知することを特徴とする。
【0032】又、本発明の第2の発明は、アンテナ電極
と、ほぼ正弦波交流を出力し、前記アンテナ電極の周辺
に微弱電界を発生させるための電界発生手段と、前記ア
ンテナ電極と前記電界発生手段との間に接続した2端子
以上を有するn端子回路網と、このn端子回路網におけ
る前記電界発生手段側の信号(原信号)と前記アンテナ
電極側の信号(負荷信号)との位相差を検出する位相検
出回路と、この位相検出回路から出力される信号を取り
込み、この信号のデータに基づいて前記アンテナ電極の
近傍に物体が存在するか否かを判断する制御回路とを具
備し、前記n端子回路網の負荷インピーダンスに基づく
位相成分を検出することにより、前記アンテナ電極の近
傍に物体が存在するか否かを検知することを特徴とす
る。
【0033】又、本発明の第3の発明は、アンテナ電極
と、ほぼ正弦波交流を出力し、前記アンテナ電極の周辺
に微弱電界を発生させるための電界発生手段と、前記ア
ンテナ電極と前記電界発生手段との間に接続した2端子
以上を有するn端子回路網と、このn端子回路網におけ
る前記電界発生手段側の信号(原信号)と前記アンテナ
電極側の信号(負荷信号)との位相差を検出する位相検
出回路と、この位相検出回路から出力される信号を取り
込み、この信号のデータに基づいて前記アンテナ電極の
近傍に物体が存在するか否かを判断する制御回路とを具
備し、前記位相検出回路は、少なくとも、基準電圧に対
して原信号及び負荷信号のアナログ信号をデジタル信号
に変換する第1,第2の変換回路と、この第1,第2の
変換回路に接続した排他的論理和回路とから構成し、前
記第1,第2の変換回路からの信号に基づいて前記排他
的論理和回路から、前記n端子回路網の負荷インピーダ
ンスに基づく位相成分に対応する信号を出力することを
特徴とする。
【0034】又、本発明の第4の発明は、アンテナ電極
と、ほぼ正弦波交流を出力し、前記アンテナ電極の周辺
に微弱電界を発生させるための電界発生手段と、前記ア
ンテナ電極と前記電界発生手段との間に接続した2端子
以上を有するn端子回路網と、このn端子回路網におけ
る前記電界発生手段側の信号(原信号)と前記アンテナ
電極側の信号(負荷信号)との位相差を検出する位相検
出回路と、この位相検出回路の出力信号を積分し、直流
信号に変換する積分回路と、この積分回路から出力され
る信号を取り込み、この信号のデータに基づいて前記ア
ンテナ電極の近傍に物体が存在するか否かを判断する制
御回路とを具備し、前記位相検出回路は、少なくとも、
基準電圧に対して原信号及び負荷信号のアナログ信号を
デジタル信号に変換する第1,第2の変換回路と、この
第1,第2の変換回路に接続した排他的論理和回路とか
ら構成し、前記第1,第2の変換回路からの信号に基づ
いて前記排他的論理和回路から、前記n端子回路網の負
荷インピーダンスに基づく位相成分に対応する信号を積
分回路に出力することを特徴とする。
【0035】又、本発明の第5の発明は、複数のアンテ
ナ電極と、ほぼ正弦波交流を出力し、前記アンテナ電極
の周辺に微弱電界を発生させるための電界発生手段と、
複数の前記アンテナ電極のうち、特定のアンテナ電極に
前記電界発生手段を選択的に切換・接続する切換回路
と、前記電界発生手段と前記切換回路との間に接続した
2端子以上を有するn端子回路網と、このn端子回路網
における前記電界発生手段側の信号(原信号)と前記切
換回路によって順次に選択される前記特定のアンテナ電
極側の信号(負荷信号)との位相差を検出する位相検出
回路と、前記位相検出回路の出力信号を積分し、直流信
号に変換する積分回路と、この積分回路から出力される
信号を取り込み、この信号のデータに基づいて前記アン
テナ電極の近傍に物体が存在するか否かを判断する制御
回路とを具備し、前記位相検出回路は、少なくとも、基
準電圧に対して原信号及び負荷信号のアナログ信号をデ
ジタル信号に変換する第1,第2の変換回路と、この第
1,第2の変換回路に接続した排他的論理和回路とから
構成し、前記第1,第2の変換回路からの信号に基づい
て前記排他的論理和回路から、前記n端子回路網の負荷
インピーダンスに基づく位相成分に対応する信号を積分
回路に出力することを特徴とする。
【0036】さらに、本発明の第6の発明は、前記n端
子回路網を、主として抵抗又は一次コイル,二次コイル
を有するトランスにて構成したことを特徴とし、第7の
発明は、前記位相検出回路を、複数の位相検出回路を並
列的に接続すると共に、それぞれの位相検出回路からの
信号が加算されて出力されるように構成したことを特徴
とし、第8の発明は、前記第1,第2の変換回路をコン
パレータにて構成したことを特徴とし、第9の発明は、
前記第1,第2の変換回路への原信号及び負荷信号の入
力系にバッファ回路を直列的に接続したことを特徴と
し、第10の発明は、前記制御回路は、少なくとも、前
記アンテナ電極の近傍に存在する物体の存在状況などに
関するしきい値データを記憶する手段と、位相差に関す
る信号を取り込む手段と、取り込まれた信号のデータと
前記しきい値データとを比較することにより、物体の存
在状況などを判断する判断部とを有することを特徴とす
る。
【0037】一方、乗員検知システムに関する第11の
発明から第21の発明において、本発明の第11の発明
は、シート及び/又はその周辺に配置したアンテナ電極
と、ほぼ正弦波交流を出力し、前記アンテナ電極の周辺
に微弱電界を発生させるための電界発生手段と、前記ア
ンテナ電極と前記電界発生手段との間に接続した2端子
以上を有するn端子回路網と、このn端子回路網におけ
る前記電界発生手段側の信号(原信号)と前記アンテナ
電極側の信号(負荷信号)との位相差を検出する位相検
出回路と、この位相検出回路から出力される信号を取り
込み、この信号のデータに基づいてシートへの乗員の着
席状況を判断する制御回路とを具備し、前記n端子回路
網の負荷インピーダンスに基づく位相成分を検出するこ
とにより、シートに乗員が着席しているか否かなどを検
知することを特徴とする。
【0038】又、本発明の第12の発明は、シート及び
/又はその周辺に配置したアンテナ電極と、ほぼ正弦波
交流を出力し、前記アンテナ電極の周辺に微弱電界を発
生させるための電界発生手段と、前記アンテナ電極と前
記電界発生手段との間に接続した2端子以上を有するn
端子回路網と、このn端子回路網における前記電界発生
手段側の信号(原信号)と前記アンテナ電極側の信号
(負荷信号)との位相差を検出する位相検出回路と、こ
の位相検出回路から出力される信号を取り込み、この信
号のデータに基づいてシートへの乗員の着席状況を判断
する制御回路とを具備し、前記位相検出回路は、少なく
とも、基準電圧に対して原信号及び負荷信号のアナログ
信号をデジタル信号に変換する第1,第2の変換回路
と、この第1,第2の変換回路に接続した排他的論理和
回路とから構成し、前記第1,第2の変換回路からの信
号に基づいて前記排他的論理和回路から、前記n端子回
路網の負荷インピーダンスに基づく位相成分に対応する
信号を出力することを特徴とする。
【0039】又、本発明の第13の発明は、シート及び
/又はその周辺に配置したアンテナ電極と、ほぼ正弦波
交流を出力し、前記アンテナ電極の周辺に微弱電界を発
生させるための電界発生手段と、前記アンテナ電極と前
記電界発生手段との間に接続した2端子以上を有するn
端子回路網と、このn端子回路網における前記電界発生
手段側の信号(原信号)と前記アンテナ電極側の信号
(負荷信号)との位相差を検出する位相検出回路と、こ
の位相検出回路の出力信号を積分し、直流信号に変換す
る積分回路と、この積分回路から出力される信号を取り
込み、この信号のデータに基づいてシートへの乗員の着
席状況を判断する制御回路とを具備し、前記位相検出回
路は、少なくとも、基準電圧に対して原信号及び負荷信
号のアナログ信号をデジタル信号に変換する第1,第2
の変換回路と、この第1,第2の変換回路に接続した排
他的論理和回路とから構成し、前記第1,第2の変換回
路からの信号に基づいて前記排他的論理和回路から、前
記n端子回路網の負荷インピーダンスに基づく位相成分
に対応する信号を出力することを特徴とする。
【0040】又、本発明の第14の発明は、シート及び
/又はその周辺に配置した複数のアンテナ電極と、ほぼ
正弦波交流を出力し、前記アンテナ電極の周辺に微弱電
界を発生させるための電界発生手段と、複数の前記アン
テナ電極のうち、特定のアンテナ電極に前記電界発生手
段を選択的に切換・接続する切換回路と、前記電界発生
手段と前記切換回路との間に接続した2端子以上を有す
るn端子回路網と、このn端子回路網における前記電界
発生手段側の信号(原信号)と前記切換回路によって順
次に選択される前記特定のアンテナ電極側の信号(負荷
信号)との位相差を検出する位相検出回路と、この位相
検出回路の出力信号を積分し、直流信号に変換する積分
回路と、この積分回路から出力される信号を取り込み、
この信号のデータに基づいてシートへの乗員の着席状況
を判断する制御回路とを具備し、前記n端子回路網の負
荷インピーダンスに基づく位相成分を検出することによ
り、シートに乗員が着席しているか否かなどを検知する
ことを特徴とする。
【0041】又、本発明の第15の発明は、シート及び
/又はその周辺に配置した複数のアンテナ電極と、ほぼ
正弦波交流を出力し、前記アンテナ電極の周辺に微弱電
界を発生させるための電界発生手段と、複数の前記アン
テナ電極のうち、特定のアンテナ電極に前記電界発生手
段を選択的に切換・接続する切換回路と、この切換回路
と複数の前記アンテナ電極との間に接続した2端子以上
を有する複数のn端子回路網と、それぞれの前記n端子
回路網における前記切換回路側(電界発生手段側)の信
号(原信号)と前記切換回路によって順次に選択される
前記特定のアンテナ電極側の信号(負荷信号)との位相
差を検出する複数の位相検出回路と、それぞれの前記位
相検出回路の出力信号を積分し、直流信号に変換する複
数の積分回路と、それぞれの前記積分回路から出力され
る信号を取り込み、これらの信号のデータに基づいてシ
ートへの乗員の着席状況を判断する制御回路とを具備
し、前記切換回路によって切換・選択されたそれぞれの
前記n端子回路網の負荷インピーダンスに基づく位相成
分を検出することにより、シートに乗員が着席している
か否かなどを検知することを特徴とする。
【0042】又、本発明の第16の発明は、シート及び
/又はその周辺に配置したアンテナ電極と、ほぼ正弦波
交流を出力し、前記アンテナ電極の周辺に微弱電界を発
生させるための電界発生手段と、前記アンテナ電極と前
記電界発生手段との間に接続した2端子以上を有するn
端子回路網と、このn端子回路網における前記電界発生
手段側の信号(原信号)と前記アンテナ電極側の信号
(負荷信号)との位相差を検出する位相検出回路と、こ
の位相検出回路から出力される信号を取り込み、この信
号のデータに基づいてシートへの乗員の着席状況を判断
する制御回路と、この制御回路の判断結果に基づいてエ
アバッグを所定の動作モードに設定し得る機能を有する
エアバッグ装置とを具備し、前記n端子回路網の負荷イ
ンピーダンスに基づく位相成分を検出することによりシ
ートへの乗員の着席状況を判断し、この判断結果に基づ
いて前記エアバッグ装置のエアバッグを展開可能な状態
又は展開不可能な状態に設定することを特徴とする。さ
らに、本発明の第17の発明は、前記n端子回路網を、
主として抵抗又は一次コイル,二次コイルを有するトラ
ンスにて構成したことを特徴とし、第18の発明は、前
記位相検出回路を、複数の位相検出回路を並列的に接続
すると共に、それぞれの位相検出回路からの信号が加算
されて出力されるように構成したことを特徴とし、第1
9の発明は、前記第1,第2の変換回路をコンパレータ
にて構成したことを特徴とし、第20の発明は、前記第
1,第2の変換回路への原信号及び負荷信号の入力系に
バッファ回路を直列的に接続したことを特徴とし、第2
1の発明は、前記制御回路は、少なくとも、シートへの
乗員の着席状況などに関するしきい値データを記憶する
手段と、位相差に関する信号を取り込む手段と、取り込
まれた信号のデータと前記しきい値データとを比較する
ことにより、シートへの乗員の着席状況などを判断する
判断部とを有することを特徴とする。
【0043】
【発明の実施の形態】次に、本発明にかかる物体検知装
置を乗員検知システムに適用した第1の実施例について
図1〜図3を参照して説明する。図1はその基本システ
ムのブロック図であり、図3は図1の基本システムを具
体化したシステムの電気回路図を示している。尚、図9
〜図16に示す先行技術と同一部分には同一符号を付
し、その詳細な説明は省略する。
【0044】図1において、10Aは制御ユニットであ
って、例えば図12に示すシート1に組み込まれてい
る。この制御ユニット10Aは、例えばほぼ正弦波交流
(例えば高周波低電圧)を出力し、図12に示すシート
1の着席部1aに配置された1つのアンテナ電極4の周
辺に微弱電界を発生させるための電界発生手段41と、
電界発生手段41とアンテナ電極4との間に接続された
2端子以上を有するn端子回路網42と、制御ユニット
10Aのハウジングに配置され、かつn端子回路網42
の出力側(アンテナ電極側)に接続されたコネクタ14
aと、電界発生手段41からアンテナ電極4に交流信号
を供給することによってn端子回路網42の負荷インピ
ーダンスに基づく位相成分(位相差Pd・・図2参照)
を、n端子回路網42における電界発生手段側の信号
(原信号)VAとアンテナ電極側の信号(負荷信号)V
Bとに基づいて検出する位相検出回路43と、位相検出
回路43から出力された位相差信号を積分し、直流信号
に変換する積分回路44と、CPU,A/D変換部,外
部メモリ(例えばEEPROM,RAM)などを含む制
御回路18と、ハウジングに配置され、図示しないバッ
テリ電源に接続されるコネクタ19と、コネクタ19に
接続された電源回路20とから構成されている。これら
の構成要素は同一のハウジングに収納されて制御ユニッ
ト10Aを構成しており、例えばシート1の着席部1a
におけるシートフレーム3に乗員の着席側に露呈しない
ように固定されている。この制御ユニット10Aの制御
回路18には、例えば図16に示す構成のエアバッグ装
置30が接続されている。
【0045】このような基本システムは、具体的には例
えば図3に示すように構成されている。この制御ユニッ
ト10Aは、例えば電界発生手段41と、抵抗42aと
増幅回路42bとからなり、電界発生手段41とコネク
タ14a(アンテナ電極4)との間に接続されたn端子
回路網42と、基準電圧に対して原信号及び負荷信号の
アナログ信号をデジタル信号に変換する第1,第2の変
換回路43a,43bと第1,第2の変換回路43a,
43bの反転入力端子(−)に接続された抵抗43cと
排他的論理和回路43dとからなる位相検出回路43
と、抵抗44aとコンデンサ44bとからなり、位相検
出回路43からの信号を直流信号に変換する積分回路4
4と、n端子回路網42における電界発生手段側,アン
テナ電極側と位相検出回路43における第1,第2の変
換回路43a,43bの非反転入力端子(+)との間に
接続されたバッファ回路45,46と、制御回路18
と、電源回路20とから構成されている。尚、位相検出
回路43における第1,第2の変換回路43a,43b
の反転入力端子(−)には抵抗43cを介して基準電圧
Vrefが印加されている。
【0046】上述の制御ユニット10Aにおいて、電界
発生手段41は、例えば図2に示すようにほぼ正弦波交
流(例えば高周波低電圧)を出力するクワドラチャ発振
回路にて構成されており、例えば125KHzで2.5
V(直流バイアス電圧)を中点とする3VP−Pの高周
波低電圧が利用される。尚、発振回路としては、クワド
ラチャ発振回路の他に、ウィーンブリッジ発振回路など
も利用できる。特に、この電界発生手段41は制御回路
18のクロック信号を分周して正弦波交流化するように
構成することもでき、回路構成の簡略化,経済性の点な
どで優れており、推奨される。
【0047】又、上述の制御ユニット10Aにおいて、
n端子回路網42は抵抗42aに増幅回路42bを直列
的に接続することによって構成されているが、電界発生
手段41からの信号レベルによっては例えば増幅回路4
2bを省略し抵抗42aのみによって構成することも可
能である。このn端子回路網42における電界発生手段
側の信号(原信号)VA及びアンテナ電極側の信号(負
荷信号)VBはバッファ回路45,46を介して位相検
出回路43に入力されている。このバッファ回路45,
46は、例えば増幅率がほぼ1倍のオペアンプにて構成
されている。
【0048】又、上述の制御ユニット10Aにおいて、
位相検出回路43は第1,第2の変換回路43a,43
b及び排他的論理和回路43dなどにて構成されている
が、第1,第2の変換回路43a,43bには、例えば
オペアンプにて構成されたコンパレータが好適する。こ
の第1,第2の変換回路43a,43bのそれぞれの反
転入力端子(−)には抵抗43cを介して基準電源が接
続されており、例えば5Vの基準電圧Vrefが印加さ
れている。
【0049】さらに、上述の制御ユニット10Aにおい
て、制御回路18はCPU,A/D変換部,外部メモリ
などで構成されており、少なくとも、アンテナ電極4の
近傍に存在する物体の存在状況(例えばシート1への乗
員の着席状況)などに関するしきい値データを記憶する
手段と、位相差に関する信号を取り込む手段と、取り込
まれた信号データとしきい値データとを比較することに
より、物体の存在状況(例えば乗員の着席状況)など判
断する判断部とを有している。
【0050】このように構成された乗員検知システム
は、次のように動作する。まず、電界発生手段41が動
作状態になると、それからは図4(a)に示すようにほ
ぼ正弦波交流の高周波低電圧VAが出力される。この出
力電圧VAは抵抗42a,増幅回路42bよりなるn端
子回路網42に供給され、n端子回路網42の出力側
(アンテナ電極側)には図4(b)に示すように位相差
Pdを有する電圧VBが現われる。この高周波出力電圧
VBはコネクタ14aを介してアンテナ電極4に供給さ
れる。その結果、アンテナ電極4の周辺には微弱電界が
発生され、アンテナ電極4にはシート1への乗員の着席
の有無,乗員の識別(大人か子供かの区別)などの着席
状況に対応する負荷インピーダンスに応じて異なった位
相差の電流が流れる。このように異なった位相差の電流
が流れることにより、n端子回路網42の両端には図4
(a),(b)に示すように負荷インピーダンスに応じ
た位相差Pdを有する電圧VA,VBが生じる。
【0051】例えばシート1に乗員が着席していない空
席状態の場合にはn端子回路網42の負荷としてのアン
テナ電極4の周辺に存在する小さな浮遊容量に基づいて
レベルの低い電流が流れるものの、n端子回路網42の
負荷側の電圧VBは電界発生手段41側の電圧VAに対
して小さな位相差Pdを有することになる。一方、シー
ト1に乗員が着席している場合には、アンテナ電極4の
周辺には空席状態時の浮遊容量に比較して大きなキャパ
シタンス成分が存在するようになり、レベルの高い電流
が流れることになる。尚、乗員のキャパシタンス成分は
大人の方が子供に比較して大きくなることから、アンテ
ナ電極4に流れる電流のレベルも高くなるし、大きな位
相差Pdを呈することになる。
【0052】このように着席状況に応じた位相成分を有
するn端子回路網42の両端の電圧VA,VBはバッフ
ァ回路45,46を介して位相検出回路43における第
1,第2の変換回路43a,43bの非反転入力端子
(+)に付与される。この第1,第2の変換回路43
a,43bの反転入力端子(−)には抵抗43cを介し
て例えば上述のように5Vの基準電圧Vrefが印加さ
れているために、それぞれの電圧VA,VBが0点(中
点)に達した際に、図4(c),(d)に示すように位
相差Pdを有する出力信号VCA,VCBが出力され
る。この信号VCA,VCBは排他的論理和回路43d
に入力され、第1,第2の変換回路43a,43bの出
力信号VCA,VCBのうち、いずれか一方の出力信号
のみがハイレベルの期間中にだけ、図4(e)に示すよ
うにハイレベルの信号が出力される。この出力信号は積
分回路44に入力され、抵抗44a,コンデンサ44b
に基づいて積分され、図4(f)に示すように直流信号
VDに変換される。尚、この積分回路44はロウパスフ
ィルタとしての機能を有し、不所望のノイズ成分は除去
される。
【0053】特に、積分回路44からの出力信号VDは
図4(f)に示すように乗員の着席状況に基づく位相成
分に応じて異なるものであり、実線で示す直流信号VD
は乗員の着席状態時の直流変換レベルを、点線で示す直
流出力VEMは空席状態時の直流変換レベルを示してお
り、それぞれの間には判別可能な程度のレベル差を有し
ている。この直流信号VDは制御回路18に次々と取り
込まれ、A/D変換され、メモリ手段に格納される。
【0054】この制御回路18には、予め、例えばシー
ト1に着席している乗員の着席状況(着席の有無,大人
か子供かの識別など)に関するしきい値(しきい値デー
タ)などが記憶手段に格納されている。具体的には、乗
員の着席の有無に関するしきい値に関しては次のように
設定される。例えばシート1に大人又は子供の乗員が着
席している場合には空席状態に比較してアンテナ電極4
の周辺に存在するキャパシタンス成分が大きくなる。こ
の結果、アンテナ電極に流れる電流のレベルが大きくな
り、それぞれの間には判別可能な位相差Pdを生ずるこ
とになり、積分回路44の出力信号VDは図4(f)に
おいて実線で示すレベルとなる。従って、図4(f)に
おいて、点線で示す空席状態の直流出力VEMと実線で
示す着席状態の直流信号VDとの間に乗員の着席の有無
に関する一点鎖線で示すしきい値VSHが設定される。
尚、乗員の識別を行なう場合には図4(f)において実
線で示す直流信号VDが、大人及び子供の乗員に対応す
る信号に細分化され、これらに基づいて乗員の識別用の
しきい値が設定される。
【0055】従って、制御回路18に取り込まれた乗員
の着席状況などに関する信号データ(VD)は、予め制
御回路18に記憶されている乗員の着席状況などに関す
るしきい値データ(VSH)と比較され、例えば積分回
路44からの直流出力VDが着席の有無に関するしきい
値(VSH)より大きい場合には、シート1には乗員が
着席していると判断される。これによって、図16に示
すエアバッグ装置30は制御回路18からの送信信号に
よって、エアバッグが展開可能なるようにセットされ
る。特に、乗員の識別に関するしきい値が設定されてい
る場合には乗員が大人であるか否かによって異なった判
断がなされる。即ち、乗員が大人であると判断されると
エアバッグが展開可能なるようにセットされるが、逆に
乗員が子供であると判断されるとエアバッグが展開不可
能なるようにセットされる。又、直流出力がしきい値
(VSH)より小さい場合には空席と判断され、エアバ
ッグは展開不可能なるようにセットされる。即ち、制御
回路18からの送信信号はエアバッグ装置30の制御回
路CCに入力され、後者の場合には自動車の衝突時に助
手席側のスイッチング素子SW2にゲート信号を供給し
ないようにセットされる。尚、運転席側のスイッチング
素子SW1にはゲート信号が供給される。前者の場合に
はスイッチング素子SW1,SW2にゲート信号が供給
されるようにセットされる。
【0056】この実施例によれば、n端子回路網42に
はそれの両端の電圧VA,VBを利用して位相差Pdを
検出する位相検出回路43が接続されているのである
が、位相差Pdは電界発生手段41からの交流出力の周
波数が一定であれば、仮に交流出力の振幅が変動した
り、周囲温度が変化してもほぼ一定に保たれる。従っ
て、電源変動により電界発生手段41からの交流出力の
振幅が変動しても負荷インピーダンスに基づく位相成分
はほぼ一定に保たれる結果、乗員の着席状況(物体の存
在状況)を精度よく判断することができる上、アンテナ
電極4が1つであることから回路構成の簡略化によりシ
ステム又は装置のコストを低減できる。
【0057】又、位相検出回路43は主としてコンパレ
ータよりなる第1,第2の変換回路43a,43bと排
他的論理和回路43dとから構成されており、第1,第
2の変換回路43a,43bの反転入力端子(−)には
抵抗43cを介して基準電圧Vrefが印加されている
ために、この基準電圧Vrefによって第1,第2の変
換回路43a,43bに入力される電圧VA,VBのゼ
ロクロス点を的確に検出でき、排他的論理和回路43d
により両信号の位相差に対応する信号を取り出すことが
できる。従って、この取り出した信号を制御回路18に
取り込むことによって乗員の着席状況(物体の存在状
況)を精度よく判断することができ、エアバッグ装置3
0を適切に動作させることができる。
【0058】特に、位相検出回路43の出力信号は積分
回路44によって直流信号に変換される上、積分回路4
4のロウパスフィルタ機能により不所望のノイズ成分を
除去されるために、制御回路18への取り込み易く、し
きい値との比較・判断処理を簡単に行なうことができ
る。
【0059】又、制御ユニット10Aは同一ハウジング
に電界発生手段41,n端子回路網42,位相検出回路
43,積分回路44,制御回路18,電源回路20など
の回路要素を収納してコンパクトに構成されているため
に、シート1への組み込みが容易になる。特に、着席部
1aにおけるシートフレーム3ないしその近傍には比較
的に配置空間を確保し易いことから、制御ユニット10
Aが少々大きくなっても簡単かつ容易に組み込むことが
できる。
【0060】又、アンテナ電極4の配置されたシート1
には制御ユニット10Aが組み込まれているために、ア
ンテナ電極4と制御ユニット10Aとをリード線によっ
て電気的に接続するに当たって、その配線長さを、制御
ユニット10Aをダッシュボード部分ないしエンジンル
ームなどに配置する場合に比較してかなり短くすること
ができる。従って、コストを低減できるのみならず、配
線長さの短縮化によって外来ノイズの影響を軽減でき、
システムの乗員検知機能の信頼性を高めることができ
る。
【0061】さらには、エアバッグ装置30のエアバッ
グは、乗員が大人か子供かなどの判断に基づいて、展開
可能な状態又は展開不可能な状態のいずれか一方に設定
することができる。例えば積分回路44の直流出力のレ
ベルに基づいて乗員が子供であると判断されると、エア
バッグ装置30のエアバッグは展開不可能な状態に設定
される。従って、仮に自動車が衝突しても、エアバッグ
は展開されなくなり、エアバッグ装置30の適切な制御
が可能になる。
【0062】図5は本発明にかかる乗員検知システム
(物体検知装置)の第2の実施例を示すものであって、
図5(a)は基本的な回路ブロック図、図5(b)はそ
の具体的な電気回路図である。尚、制御ユニットとして
の基本的な構成は図1〜図3に示す実施例と同じであ
る。異なる点は、位相検出回路43Aを、並列的に接続
された複数の位相検出回路431,432・・・43n
にて構成したことと、積分回路44Aを、複数の位相検
出回路431,432・・・43nにそれぞれ直列的に
接続された複数の積分回路441,442・・・44n
にて構成したことと、複数の積分回路441,442・
・・44nの出力を加算回路47にて加算するように構
成したことである。
【0063】この実施例によれば、n端子回路網42の
入力側,出力側の電圧VA,VBが位相検出回路43A
の複数の位相検出回路431,432・・・43nに入
力され、位相差が検出されると共に、積分回路44Aを
介して加算回路47にて加算されるために、制御回路1
8に取り込まれる直流信号VDのレベルを高めることが
できる。従って、乗員の着席状況(物体の存在状況)を
より精度よく検知することが可能になる。
【0064】図5(b)は図5(a)の具体的な電気回
路図であって、位相検出回路43Aは複数の排他的論理
和回路43d1,43d2・・・43d4にて構成され
ており、加算回路47は複数の抵抗47a及び複数の一
次コイル47pと1つの二次コイル47sとを有するト
ランス47bから構成されており、積分回路44Aは抵
抗44a及びコンデンサ44bから構成されている。
【0065】この実施例によれば、それぞれの排他的論
理和回路43d1,43d2・・・43d4にて検出さ
れたn端子回路網42の入力側の電圧VAに対する出力
側の電圧VBの位相差に応じた信号はそれぞれの抵抗4
7aを介してトランス47bのそれぞれの一次コイル4
7pに入力され、加算されて二次コイル47sに出力さ
れる。この出力信号は積分回路44Aにて積分されて制
御回路18に取り込まれる。そして、図5(a)に示す
基本回路と同様の効果が期待される。
【0066】図6は本発明にかかる乗員検知システムの
第3の実施例を示すものであって、基本的な回路構成は
図3に示す第1の実施例と同じである。異なる点は、n
端子回路網42Aを、抵抗42aと増幅回路42bとト
ランス42cとから構成したことである。このトランス
42cは、例えば一次コイル,二次コイルをリングコア
に巻回して構成されており、一次コイル(入力側)には
電界発生手段41が、二次コイル(出力側)には抵抗4
2a,増幅回路42bを介してアンテナ電極4がそれぞ
れ接続されている。尚、n端子回路網42Aの電圧V
A,VBはトランス42cの一次コイル側と増幅回路4
2bの出力側から取り出されているが、電圧VAは二次
コイル側(二次コイルと抵抗42aとの接続点)から取
り出すこともできる。
【0067】この実施例によれば、基本的には第1の実
施例と同様の効果が得られる。その上、電界発生手段4
1からの交流信号が小さくてもトランス42cによって
適宜の電圧に昇圧したりすることができるために、電界
発生手段41の回路構成を簡素化によるコストダウンを
図ることが可能になる。
【0068】図7は本発明にかかる乗員検知システムの
第4の実施例を示すものであって、基本的な回路構成は
図3に示す第1の実施例と同じである。異なる点は、ア
ンテナ電極を、図12〜図13に示すように複数のアン
テナ電極4(4a〜4d)にて構成し、シート1に分散
して配置したことと、n端子回路網42と複数のアンテ
ナ電極4(4a〜4d)との間に、複数のスイッチング
手段48a〜48dを有する切換回路48を接続したこ
とである。尚、切換回路48のスイッチング手段48a
〜48dは制御回路18からの信号に基づいて適宜に切
換・動作が行なわれる。
【0069】この実施例によれば、基本的には第1の実
施例と同様の効果が得られる。その上、シート1には複
数のアンテナ電極4(4a〜4d)が配置されているた
めに、それぞれのアンテナ電極の負荷インピーダンスに
基づく位相成分に対応する多くの信号を切換回路48に
よって選択的に位相検出回路43,積分回路44を介し
て制御回路18に取り込むことができる。従って、制御
回路18では多くの情報に基づいて乗員の着席状況を判
断することができるようになり、より一層に判断精度を
向上することができるし、エアバッグ装置30もより適
切に作動させることが可能になる。
【0070】図8は本発明にかかる乗員検知システムの
第5の実施例を示すものであって、基本的な回路構成は
図3に示す第1の実施例と同じである。異なる点は、複
数のアンテナ電極4(4a〜4d)にコネクタ14a〜
14dを介してn端子回路網42,位相検出回路43,
積分回路44よりなる複数の検知ユニットDa〜Ddを
接続したことと、電界発生手段41と複数の検知ユニッ
トDa〜Ddとの間に切換回路48を接続したことであ
る。この実施例によれば、図1,図7に示す実施例と同
様な効果が得られる。
【0071】特に、アンテナ電極4をダッシュボード又
はドア又はシートのサイドサポート部に配置すれば、例
えば助手席の乗員が寝込んでそれぞれとの間隔が必要以
上に狭くなったことを検出し、エアバッグ装置又はサイ
ドエアバッグ装置の展開動作を停止させることもでき、
乗員の有無,識別のみならず、乗員の着席姿勢の適否に
ついても検知可能となる。
【0072】尚、本発明に係る乗員検知システムの第1
〜第5の実施例は、何ら上記実施例にのみ制約されるこ
となく、例えばシートへの乗員の着席状況を検知するこ
とに適用する他に、誘電性を有するあらゆる物体の存在
状況を検知する装置に適用することができる。従って、
用途によっては装置を、アンテナ電極,電界発生手段,
n端子回路網,位相検出回路によって構成することもで
きる。特に、位相検出回路は実用的には複数のコンパレ
ータ及び排他的論理和回路によって構成することが推奨
される。又、電界発生手段は正弦波交流を発生するもの
であれば、クワドラチャ発振回路,ウィーンブリッジ発
振回路に限定されないし、それの出力周波数も125K
Hz以外に設定することもできるし、その電圧も3VP
−P以外の電圧に設定することもできる。又、乗員検知
システムに適用する場合、アンテナ電極はシートの着席
部の他に、背もたれ部,サイドサポート部に配置した
り、或いはシートの近傍のダッシュボード又はドアに配
置したりすることもできる。アンテナ電極の配置数は適
宜に増減できるし、その形態も角形の他、矩形状,帯
状,リング状,螺旋状などにも形成できるし、ベース部
材に配置されたアンテナ電極部を絶縁性のカバー部材に
よって覆うこともできる。又、制御回路の判断結果に基
づいて、エアバッグ装置に代えてシートベルトの装着状
態,警告灯などを制御することもできる。さらには、乗
員判定は予め制御回路に格納されているしきい値と現実
のアンテナ電極の負荷インピーダンスに関連する位相差
データとの比較の他に、乗員のシートへの各種着席パタ
ーン,着席姿勢などに関するデータを予め格納してお
き、これとの比較によって、乗員の着席の有無,乗員が
大人であるか否かなどの判定を行うこともできる。
【0073】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、n端子
回路網にはそれの両端の電圧を利用して位相成分を検出
する位相検出回路が接続されているために、仮に交流出
力の振幅が変動したりしても位相成分に影響を及ぼさな
い。従って、電源変動により電界発生手段からの交流出
力の振幅が変動しても負荷インピーダンスに基づく位相
成分はほぼ一定に保たれる結果、物体の存在状況を精度
よく判断することができる上、システム又は装置のコス
トを低減できる。
【0074】又、位相検出回路を、コンパレータよりな
る第1,第2の変換回路と排他的論理和回路とから構成
すれば、基準電圧によって第1,第2の変換回路に入力
される電圧のゼロクロス点を的確に検出でき、排他的論
理和回路により両信号の位相差に対応する信号を取り出
すことができる。従って、この信号を制御回路に取り込
むことによって物体の存在状況を精度よく判断すること
ができる。特に、エアバッグ装置を備えた乗員検知シス
テムに適用した場合、エアバッグ装置を適切に動作させ
ることができる。
【0075】特に、位相検出回路の出力信号を積分回路
によって積分するように構成すれば、積分回路のロウパ
スフィルタ機能により不所望なノイズ成分の除去が可能
になるために、制御回路での信頼性の高い判断処理が可
能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる乗員検知システムの第1の実施
例を示す回路ブロック図である。
【図2】n端子回路網の両端における電圧波形図であ
る。
【図3】図1の具体例を示す電気回路図である。
【図4】図3に示す制御ユニットの動作を説明するため
の図であって、同図(a)はn端子回路網の電界発生手
段側の電圧波形図、同図(b)はn端子回路網のアンテ
ナ電極側の電圧波形図、同図(c)は第1の変換回路の
出力波形図、同図(d)は第2の変換回路の出力波形
図、同図(e)は排他的論理和回路の出力波形図、同図
(f)は成分回路の出力電圧を示す図である。
【図5】本発明にかかる乗員検知システム(物体検知装
置)の第2の実施例を示すものであって、同図(a)は
基本的な回路ブロック図、同図(b)は同図(a)の具
体例の電気回路図である。
【図6】本発明にかかる乗員検知システムの第3の実施
例を示す電気回路図である。
【図7】本発明にかかる乗員検知システムの第4の実施
例を示す電気回路図である。
【図8】本発明にかかる乗員検知システムの第5の実施
例を示す電気回路図である。
【図9】従来例にかかるエアバッグ装置の電気回路図で
ある。
【図10】従来例にかかる改良されたエアバッグ装置の
電気回路図である。
【図11】先行技術にかかる乗員検知システムの基本動
作を説明するための図であって、同図(a)はアンテナ
電極の周辺の電界分布を示す図、同図(b)はアンテナ
電極の近傍に物体が存在した時の電界分布を示す図であ
る。
【図12】先行技術にかかる乗員検知システムのシート
部分を示す図であって、同図(a)はシートへのアンテ
ナ電極の配置状態を示す側面図、同図(b)は同図
(a)の平面図である。
【図13】図12に示すアンテナ電極の具体的構成図で
あって、同図(a)は平面図、同図(b)は同図(a)
のX−X断面図、同図(c)は同図(a)のY−Y断面
図である。
【図14】先行技術にかかる乗員検知システムの電気回
路図である。
【図15】図14に示すAC−DC変換回路の具体的な
電気回路図である。
【図16】図14に示すエアバッグ装置の電気回路図で
ある。
【図17】図14に示す制御ユニットの動作を説明する
ための図であって、同図(a)は送信系のライン電圧の
波形図、同図(b)は全波整流回路の出力電圧の波形
図、同図(c)は平滑回路の出力電圧を示す図である。
【図18】シートにおける乗員の着席状態を説明するた
めの図であって、同図(a)は大人の着席状態を示す
図、同図(b)は子供の着席状態を示す図である。
【符号の説明】
1 シート 1a 着席部 1b 背もたれ部 2 ベース 3 シートフレーム 4(4a〜4d) アンテナ電極(アンテナ電極部) 5 ベース部材 6(6a〜6d) リード線 10,10A 制御ユニット 11 電界発生手段 12 抵抗 13 切換回路 13a〜13d スイッチング手段 14a〜14d コネクタ 15 AC−DC変換回路 16 全波整流回路 16a1 第1のオペアンプ 16b2 第2のオペアンプ 16b1 第1のダイオード 16b2 第2のダイオード 16c1〜16c3 抵抗 17 平滑回路 17a 抵抗 17b コンデンサ 18 制御回路 19 コネクタ 20 電源回路 30 エアバッグ装置 41 電界発生手段(発振回路) 42,42A n端子回路網 42a 抵抗 42b 増幅回路 42c トランス 43,43A 位相検出回路 43a 第1の変換回路 43b 第2の変換回路 43c 抵抗 43d 排他的論理和回路 43d1,43d2・・・43d4 排他的論理和回
路 431,432,・・・43n 位相検出回路 44,44A 積分回路 441,442,44n 積分回路 44a 抵抗 44b コンデンサ 45,46 バッファ回路 47 加算回路 47a 抵抗 47b トランス 47p 一次コイル 47s 二次コイル 48 切換回路 48a〜48d スイッチング手段 SD センサ Da〜Dd 検知ユニット SS1,SS2 セーフィングセンサ SQ1,SQ2 スクイブ SW1,SW2 スイッチング素子 CC 制御回路 GS 電子式加速度センサ E アンテナ電極 OSC 発振回路 OB 物体 P 大人の乗員 SP 子供の乗員
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01S 13/04 G01S 13/04 Fターム(参考) 2G005 BA04 DA05 3B087 DE00 DE08 3D054 AA02 AA03 AA06 DD28 EE09 EE10 EE11 EE14 EE19 EE20 EE31 EE41 EE52 5J070 AB15 AE09 AF03 AH02 AK22

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アンテナ電極と、ほぼ正弦波交流を出力
    し、前記アンテナ電極の周辺に微弱電界を発生させるた
    めの電界発生手段と、前記アンテナ電極と前記電界発生
    手段との間に接続した2端子以上を有するn端子回路網
    と、このn端子回路網における前記電界発生手段側の信
    号(原信号)と前記アンテナ電極側の信号(負荷信号)
    との位相差を検出する位相検出回路とを具備し、前記n
    端子回路網の負荷インピーダンスに基づく位相成分を検
    出することにより、前記アンテナ電極の近傍に物体が存
    在するか否かを検知することを特徴とする物体検知装
    置。
  2. 【請求項2】 アンテナ電極と、ほぼ正弦波交流を出力
    し、前記アンテナ電極の周辺に微弱電界を発生させるた
    めの電界発生手段と、前記アンテナ電極と前記電界発生
    手段との間に接続した2端子以上を有するn端子回路網
    と、このn端子回路網における前記電界発生手段側の信
    号(原信号)と前記アンテナ電極側の信号(負荷信号)
    との位相差を検出する位相検出回路と、この位相検出回
    路から出力される信号を取り込み、この信号のデータに
    基づいて前記アンテナ電極の近傍に物体が存在するか否
    かを判断する制御回路とを具備し、前記n端子回路網の
    負荷インピーダンスに基づく位相成分を検出することに
    より、前記アンテナ電極の近傍に物体が存在するか否か
    を検知することを特徴とする物体検知装置。
  3. 【請求項3】 アンテナ電極と、ほぼ正弦波交流を出力
    し、前記アンテナ電極の周辺に微弱電界を発生させるた
    めの電界発生手段と、前記アンテナ電極と前記電界発生
    手段との間に接続した2端子以上を有するn端子回路網
    と、このn端子回路網における前記電界発生手段側の信
    号(原信号)と前記アンテナ電極側の信号(負荷信号)
    との位相差を検出する位相検出回路と、この位相検出回
    路から出力される信号を取り込み、この信号のデータに
    基づいて前記アンテナ電極の近傍に物体が存在するか否
    かを判断する制御回路とを具備し、前記位相検出回路
    は、少なくとも、基準電圧に対して原信号及び負荷信号
    のアナログ信号をデジタル信号に変換する第1,第2の
    変換回路と、この第1,第2の変換回路に接続した排他
    的論理和回路とから構成し、前記第1,第2の変換回路
    からの信号に基づいて前記排他的論理和回路から、前記
    n端子回路網の負荷インピーダンスに基づく位相成分に
    対応する信号を出力することを特徴とする物体検知装
    置。
  4. 【請求項4】 アンテナ電極と、ほぼ正弦波交流を出力
    し、前記アンテナ電極の周辺に微弱電界を発生させるた
    めの電界発生手段と、前記アンテナ電極と前記電界発生
    手段との間に接続した2端子以上を有するn端子回路網
    と、このn端子回路網における前記電界発生手段側の信
    号(原信号)と前記アンテナ電極側の信号(負荷信号)
    との位相差を検出する位相検出回路と、この位相検出回
    路の出力信号を積分し、直流信号に変換する積分回路
    と、この積分回路から出力される信号を取り込み、この
    信号のデータに基づいて前記アンテナ電極の近傍に物体
    が存在するか否かを判断する制御回路とを具備し、前記
    位相検出回路は、少なくとも、基準電圧に対して原信号
    及び負荷信号のアナログ信号をデジタル信号に変換する
    第1,第2の変換回路と、この第1,第2の変換回路に
    接続した排他的論理和回路とから構成し、前記第1,第
    2の変換回路からの信号に基づいて前記排他的論理和回
    路から、前記n端子回路網の負荷インピーダンスに基づ
    く位相成分に対応する信号を前記積分回路に出力するこ
    とを特徴とする物体検知装置。
  5. 【請求項5】 複数のアンテナ電極と、ほぼ正弦波交流
    を出力し、前記アンテナ電極の周辺に微弱電界を発生さ
    せるための電界発生手段と、複数の前記アンテナ電極の
    うち、特定のアンテナ電極に前記電界発生手段を選択的
    に切換・接続する切換回路と、前記電界発生手段と前記
    切換回路との間に接続した2端子以上を有するn端子回
    路網と、このn端子回路網における前記電界発生手段側
    の信号(原信号)と前記切換回路によって順次に選択さ
    れる前記特定のアンテナ電極側の信号(負荷信号)との
    位相差を検出する位相検出回路と、この位相検出回路の
    出力信号を積分し、直流信号に変換する積分回路と、こ
    の積分回路から出力される信号を取り込み、この信号の
    データに基づいて前記アンテナ電極の近傍に物体が存在
    するか否かを判断する制御回路とを具備し、前記位相検
    出回路は、少なくとも、基準電圧に対して原信号及び負
    荷信号のアナログ信号をデジタル信号に変換する第1,
    第2の変換回路と、この第1,第2の変換回路に接続し
    た排他的論理和回路とから構成し、前記第1,第2の変
    換回路からの信号に基づいて前記排他的論理和回路か
    ら、前記n端子回路網の負荷インピーダンスに基づく位
    相成分に対応する信号を前記積分回路に出力することを
    特徴とする物体検知装置。
  6. 【請求項6】 前記n端子回路網を、主として抵抗又は
    一次コイル,二次コイルを有するトランスにて構成した
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の物体
    検知装置。
  7. 【請求項7】 前記位相検出回路を、複数の位相検出回
    路を並列的に接続すると共に、それぞれの位相検出回路
    からの信号が加算されて出力されるように構成したこと
    を特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の物体検知
    装置。
  8. 【請求項8】 前記第1,第2の変換回路をコンパレー
    タにて構成したことを特徴とする請求項3〜5のいずれ
    かに記載の物体検知装置。
  9. 【請求項9】 前記第1,第2の変換回路への原信号及
    び負荷信号の入力系にバッファ回路を直列的に接続した
    ことを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の物体
    検知装置。
  10. 【請求項10】 前記制御回路は、少なくとも、前記ア
    ンテナ電極の近傍に存在する物体の存在状況などに関す
    るしきい値データを記憶する手段と、位相差に関する信
    号を取り込む手段と、取り込まれた信号のデータと前記
    しきい値データとを比較することにより、物体の存在状
    況などを判断する判断部とを有することを特徴とする請
    求項2〜5のいずれかに記載の物体検知装置。
  11. 【請求項11】 シート及び/又はその周辺に配置した
    アンテナ電極と、ほぼ正弦波交流を出力し、前記アンテ
    ナ電極の周辺に微弱電界を発生させるための電界発生手
    段と、前記アンテナ電極と前記電界発生手段との間に接
    続した2端子以上を有するn端子回路網と、このn端子
    回路網における前記電界発生手段側の信号(原信号)と
    前記アンテナ電極側の信号(負荷信号)との位相差を検
    出する位相検出回路と、この位相検出回路から出力され
    る信号を取り込み、この信号のデータに基づいてシート
    への乗員の着席状況を判断する制御回路とを具備し、前
    記n端子回路網の負荷インピーダンスに基づく位相成分
    を検出することにより、シートに乗員が着席しているか
    否かなどを検知することを特徴とする乗員検知システ
    ム。
  12. 【請求項12】 シート及び/又はその周辺に配置した
    アンテナ電極と、ほぼ正弦波交流を出力し、前記アンテ
    ナ電極の周辺に微弱電界を発生させるための電界発生手
    段と、前記アンテナ電極と前記電界発生手段との間に接
    続した2端子以上を有するn端子回路網と、このn端子
    回路網における前記電界発生手段側の信号(原信号)と
    前記アンテナ電極側の信号(負荷信号)との位相差を検
    出する位相検出回路と、この位相検出回路から出力され
    る信号を取り込み、この信号のデータに基づいてシート
    への乗員の着席状況を判断する制御回路とを具備し、前
    記位相検出回路は、少なくとも、基準電圧に対して原信
    号及び負荷信号のアナログ信号をデジタル信号に変換す
    る第1,第2の変換回路と、この第1,第2の変換回路
    に接続した排他的論理和回路とから構成し、前記第1,
    第2の変換回路からの信号に基づいて前記排他的論理和
    回路から、前記n端子回路網の負荷インピーダンスに基
    づく位相成分に対応する信号を出力することを特徴とす
    る乗員検知システム。
  13. 【請求項13】 シート及び/又はその周辺に配置した
    アンテナ電極と、ほぼ正弦波交流を出力し、前記アンテ
    ナ電極の周辺に微弱電界を発生させるための電界発生手
    段と、前記アンテナ電極と前記電界発生手段との間に接
    続した2端子以上を有するn端子回路網と、このn端子
    回路網における前記電界発生手段側の信号(原信号)と
    前記アンテナ電極側の信号(負荷信号)との位相差を検
    出する位相検出回路と、この位相検出回路の出力信号を
    積分し、直流信号に変換する積分回路と、この積分回路
    から出力される信号を取り込み、この信号のデータに基
    づいてシートへの乗員の着席状況を判断する制御回路と
    を具備し、前記位相検出回路は、少なくとも、基準電圧
    に対して原信号及び負荷信号のアナログ信号をデジタル
    信号に変換する第1,第2の変換回路と、この第1,第
    2の変換回路に接続した排他的論理和回路とから構成
    し、前記第1,第2の変換回路からの信号に基づいて前
    記排他的論理和回路から、前記n端子回路網の負荷イン
    ピーダンスに基づく位相成分に対応する信号を出力する
    ことを特徴とする乗員検知システム。
  14. 【請求項14】 シート及び/又はその周辺に配置した
    複数のアンテナ電極と、ほぼ正弦波交流を出力し、前記
    アンテナ電極の周辺に微弱電界を発生させるための電界
    発生手段と、複数の前記アンテナ電極のうち、特定のア
    ンテナ電極に前記電界発生手段を選択的に切換・接続す
    る切換回路と、前記電界発生手段と前記切換回路との間
    に接続した2端子以上を有するn端子回路網と、このn
    端子回路網における前記電界発生手段側の信号(原信
    号)と前記切換回路によって順次に選択される前記特定
    のアンテナ電極側の信号(負荷信号)との位相差を検出
    する位相検出回路と、この位相検出回路の出力信号を積
    分し、直流信号に変換する積分回路と、この積分回路か
    ら出力される信号を取り込み、この信号のデータに基づ
    いてシートへの乗員の着席状況を判断する制御回路とを
    具備し、前記n端子回路網の負荷インピーダンスに基づ
    く位相成分を検出することにより、シートに乗員が着席
    しているか否かなどを検知することを特徴とする乗員検
    知システム。
  15. 【請求項15】 シート及び/又はその周辺に配置した
    複数のアンテナ電極と、ほぼ正弦波交流を出力し、前記
    アンテナ電極の周辺に微弱電界を発生させるための電界
    発生手段と、複数の前記アンテナ電極のうち、特定のア
    ンテナ電極に前記電界発生手段を選択的に切換・接続す
    る切換回路と、この切換回路と複数の前記アンテナ電極
    との間に接続した2端子以上を有する複数のn端子回路
    網と、それぞれの前記n端子回路網における前記切換回
    路側(電界発生手段側)の信号(原信号)と前記切換回
    路によって順次に選択される特定のアンテナ電極側の信
    号(負荷信号)との位相差を検出する前記複数の位相検
    出回路と、それぞれの前記位相検出回路の出力信号を積
    分し、直流信号に変換する複数の積分回路と、それぞれ
    の前記積分回路から出力される信号を取り込み、これら
    の信号のデータに基づいてシートへの乗員の着席状況を
    判断する制御回路とを具備し、前記切換回路によって切
    換・選択されたそれぞれの前記n端子回路網の負荷イン
    ピーダンスに基づく位相成分を検出することにより、シ
    ートに乗員が着席しているか否かなどを検知することを
    特徴とする乗員検知システム。
  16. 【請求項16】 シート及び/又はその周辺に配置した
    アンテナ電極と、ほぼ正弦波交流を出力し、前記アンテ
    ナ電極の周辺に微弱電界を発生させるための電界発生手
    段と、前記アンテナ電極と前記電界発生手段との間に接
    続した2端子以上を有するn端子回路網と、このn端子
    回路網における前記電界発生手段側の信号(原信号)と
    前記アンテナ電極側の信号(負荷信号)との位相差を検
    出する位相検出回路と、この位相検出回路から出力され
    る信号を取り込み、この信号のデータに基づいてシート
    への乗員の着席状況を判断する制御回路と、この制御回
    路の判断結果に基づいてエアバッグを所定の動作モード
    に設定し得る機能を有するエアバッグ装置とを具備し、
    前記n端子回路網の負荷インピーダンスに基づく位相成
    分を検出することによりシートへの乗員の着席状況を判
    断し、この判断結果に基づいて前記エアバッグ装置のエ
    アバッグを展開可能な状態又は展開不可能な状態に設定
    することを特徴とする乗員検知システム。
  17. 【請求項17】 前記n端子回路網を、主として抵抗又
    は一次コイル,二次コイルを有するトランスにて構成し
    たことを特徴とする請求項11〜16のいずれかに記載
    の乗員検知システム。
  18. 【請求項18】 前記位相検出回路を、複数の位相検出
    回路を並列的に接続すると共に、それぞれの位相検出回
    路からの信号が加算されて出力されるように構成したこ
    とを特徴とする請求項11〜16のいずれかに記載の乗
    員検知システム。
  19. 【請求項19】 前記第1,第2の変換回路をコンパレ
    ータにて構成したことを特徴とする請求項12又は13
    に記載の乗員検知システム。
  20. 【請求項20】 前記第1,第2の変換回路への原信号
    及び負荷信号の入力系にバッファ回路を直列的に接続し
    たことを特徴とする請求項12又は13に記載の乗員検
    知システム。
  21. 【請求項21】 前記制御回路は、少なくとも、シート
    への乗員の着席状況などに関するしきい値データを記憶
    する手段と、位相差に関する信号を取り込む手段と、取
    り込まれた信号のデータと前記しきい値データとを比較
    することにより、シートへの乗員の着席状況などを判断
    する判断部とを有することを特徴とする請求項11〜1
    6のいずれかに記載の乗員検知システム。
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