JP5094808B2 - 乗員検知システム及び乗員検知方法 - Google Patents

乗員検知システム及び乗員検知方法 Download PDF

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Description

本発明は、乗員検知システム及び乗員検知方法に関し、特に、フロント、サイドのエアバック装置を搭載した自動車の助手席における乗員の着席状況に応じて、エアバック装置のエアバックを展開可能な状態又は展開不可能な状態に設定し得る乗員検知システム及び乗員検知方法に関する。
エアバック・システムは、自動車の安全装置として普及しているが、乗員の体格や乗員の取る姿勢などによって、フロント・エアバックを展開することで、乗員を危険にさらす可能性がある。このため、例えば米国連邦車両基準「FMVSS208」においては、エアバック・システムが、助手席に着席している乗員の体重に基づいてフロントエアバックの展開/非展開を制御するように、定めている。
また、サイド・エアバックを搭載した自動車において、助手席における乗員の着席状況に応じてサイドエアバックを展開/非展開を制御することに関して、自主的に取り組んでいる自動車メーカーもある。
乗員検知を行うセンシング方式としては、乗員の体重をセンシングする重量センサ、圧電センサを利用するセンシング方式と、乗客の体格、すなわち表面積をセンシングする容量センサを利用するセンシング方式に大別される。
図6(a)は、このうち、センシング方式として、容量センサを利用するセンシング方式を用いた乗員検知システムの原理を示す図である。この方式は、シ−トに配置されたアンテナ電極に微弱電界(Electric Field:EF)を発生させ、電極と被測定物の表面に電荷を生じさせる。これにより、電極と被測定物の表面は容量結合となり、体格・着席状況で変化する容量変化を、変位電流の変化として捉えることができるものである。
図6(a)に示すように、アンテナ電極E1に正弦波発振回路OSCからの高周波低電圧を印加することにより、アンテナ電極E1の周辺には微弱電界(EF)が生ずる結果、アンテナ電極E1の側には変位電流Iが流れる。この変位電流Iの値は、アンテナ電極E1と接地の間に形成される静電容量値により決まるため、アンテナ電極E1の近傍に存在する被測定物OBの比誘電率によって異なる値をとる。従って、シ−トに被測定物OBが乗っている場合と乗っていない場合とでは、アンテナ電極E1側に流れる電流に変化が生ずる。この現象を利用することにより、センサによって得る物理量(この場合は、変位電流)によってシ−トへの乗員の着席状況を検知することができるものである。
また、上述の法規制対応としては、図6(c)に示す成人女性の体重分布を示す正規分布において、5パーセンタイル成人女性(分布の小柄な方の分布5%)に相当する大人以上ではフロントエアバック展開機能を維持し、体重が6歳児(6year old child:6yo)相当の子供以下ではフロントエアバックの展開を抑制する必要がある。
すなわち、シートの乗員についても、その体格などから、多くの情報を得て、区別をつける必要がある。
そこで、図6(b)に示すように、アンテナ電極を複数個、例えばシートの座面にアンテナ電極E2を、背面にアンテナ電極E3及びアンテナ電極E4を、設置することによって、シ−ト上の被測定物(乗員)について、より多くの物理量を得ることを可能とし、シ−トへの乗員の着席状況をより的確に検知することが行われている。
そして、これらのセンサーから得た情報を、実際にエアバックを展開/非展開とするための制御情報とするには、乗員の区別が重要であり、エアバックシステムは、予め設定したしきい値と、微弱電界技術による測定結果である物理量(電流値、或いは容量測定値)と、を比較する制御回路を備え、定期的にセンサからデータを取得し、乗員についての判定を行う。
しかし、センサからのデータが外乱の影響を受けた場合、例えば、センサを配置したシートに水を溢した場合など、上記物理量が変動してしまうことから、誤った判定をしてしまうことがある。また、同じ人が座っていても、その座り方を変えれば、物理量は変化するので、以前に大人と判定であると判定しているにも関らず、子供と判定してしまうこともある。
図7は、このような問題を模式的に示した図である。横軸は、イグニッション(IG)をオンし、電子制御装置(ECU)を稼動させてからの時間を示し、例1として、助手席に大人が座っている場合、例2として、助手席に年少者拘束システム(Child Restraint System:CRS)が搭載されている場合を示している。時刻t1において、助手席における乗員の座り方が変化し、或いは外乱(上述の水溢しなどの環境変化、車体挙動、例えば車体速度の変化)の影響により、センサデータが変化した場合、遅延時間経過後の時刻t2において、例1においては、大人を子供と、例2においては、CRSを大人とそれぞれ誤判定してしまうことを示している。このように、実際に助手席の乗員に変化がないにも関らず、誤判定してしまうので、判定の際の安定性、継続性を改善する必要があった。
このような判定の安定性を改善する技術としては、例えば特許文献1に開示されたフィルタリング技術、特許文献2に開示された多数決論理を用いた乗員判定ロジックがある。
図8は、特許文献1及び特許文献2における上記技術を模式的に示した図である。
図8(a)は、特許文献1が開示している乗員判定ロジックにおけるフィルタリング技術を示した図であり、エアバックシステムが、定期的に取得するセンサデータを、フィルタリング処理をしてから、乗員についての判定ロジックを行い、最新の判定データとすることを示している。ここで、フィルタリング処理とは、取得したセンサデータのノイズを除去することをいう。
特許文献1においては、複数のアンテナ電極を順次選択して、各アンテナ電極から得た物理量の総和に対する各アンテナ電極毎の物理量の比率を求め、この比率データとしきい値と比較する構成をとっている。このような構成とすることで、乗員の着衣,体形などによって個々のアンテナからの物理量の絶対値が変動しても、比率デ−タは殆んど変動しないので、信頼性の高い判定を行っている。すなわち、判定の際の安定性を改善している。
また、図8(b)、(c)は、特許文献2が開示している多数決論理を用いた乗員判定ロジックを示した図であり、定期的に取得するセンサデータを、フィルタリング処理をしてから、多数決論理を用いて判定する乗員判定ロジックを行い、最新の判定データとすることを示している。図8(c)は、横軸を時間とし、センサデータをしきい値と比較した結果、すなわち、判定結果を符合A,C、Eで示している。なお、図において、符号A,C、Eはそれぞれ、助手席に大人(Adult:A)、子供(Child:C)が座っていること、或いは助手席が空席(Empty:E)であること示している。
例えば、時刻t1において、判定結果がCである場合、その判定結果Cに先行する4つの判定結果(図では古い判定結果から順にA、E、A、Aである)と、判定結果Cの合計5つの判定結果で60%多数決を取り、最新の判定結果をAと判定する構成をとっている。このような構成とすることで、一回の判定結果だけに依存せず、複数の判定結果を用いて、外来のノイズを検知し、乗員判定ロジックの安定性を改善している。
特許第3476681号公報 特許第3482590号公報
しかしながら、上記開示された技術は乗員判定の安全性を改善できる技術ではあるが、定期的に取得するセンサからのデータを判定の際のしきい値が固定であるため、乗員判定の際、外乱等の影響を受けやすかった。上述の図7のように、助手席に占める乗員が変更されない場合、外乱等の影響を抑制して乗員判定し、例1であれば大人と、例2であればCRSと、それまでの正しい判定を継続することが必要とされる。
そこで、本発明の乗員検知システムは、乗員判定において、外乱等の影響による誤判定を少なくし、判定のロバスト性を改善することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の乗員検知システムは、シ−トの座面又は背面、或いは前記座面と前記背面の両方に配置された少なくとも一つ以上のアンテナ電極と、前記アンテナ電極の周辺に微弱電界を発生させるための電界発生部と、前記アンテナ電極が周辺に発生させた電界に基づいて流れる電流を検出する電流検出部と、前記電流検出部から取り込まれたアンテナ電極に流れる電流に関連する信号デ−タと、予め記憶されている乗員の着席状況に関連するしきい値デ−タとを比較することにより、乗員の着席状況を判定する制御部と、を備え、前記制御部は、着席状況に変化があったと判定した場合、入力される前記信号データ以外の人の移動の可能性を示す信号データに基づいて人の移動の有無を判定し、人の移動があると判定した場合、前記しきい値データを維持し、人の移動がないと判定した場合、前記しきい値データを変更して前記乗員に関する判定ゾーンを拡げることを特徴とする。
また、本発明の乗員検知システムは、前記人の移動の可能性を示す信号は、イグニッションのオン・オフ情報、ドア開閉情報、シートベルト着脱情報及び車体速度情報であることを特徴とする。
また、本発明の乗員検知システムは、前記ドア開閉情報を前記制御部に対して出力するドアスイッチ回路と、前記シートベルト着脱情報を前記制御部に対して出力するバックルスイッチ回路と、前記車体速度情報を前記制御部に対して出力する車体速度検出回路と、を備え、前記制御部は、前記イグニッションのオン・オフ情報、前記ドア開閉情報、前記シートベルト着脱情報及び前記車体速度情報の全てに変化がない場合、人の移動がないと判定し、少なくとも1つの情報に変化がある場合、人の移動があると判定することを特徴とする。
また、本発明の乗員検知システムは、前記ドア開閉情報、前記シートベルト着脱情報及び前記車体速度情報が入力され、前記前記制御部に対して出力する伝送通信回路と、を備え、前記制御部は、前記イグニッションのオン・オフ情報、前記ドア開閉情報、前記シートベルト着脱情報及び前記車体速度情報の全てに変化がない場合、人の移動がないと判定し、少なくとも1つの情報に変化がある場合、人の移動があると判定することを特徴とする。
また、本発明の乗員検知システムは、前記しきい値データの変更は、予め設定された着席している乗員を区別する前記判定ゾーンを、予め設定された限度まで拡げることを特徴とする。
また、本発明の乗員検知システムは、衝突に基づいてエアバッグを展開させる機能を有するエアバッグ装置を更に備え、前記制御部の判定結果に基づくデ−タを前記エアバッグ装置に送信し、エアバッグ装置のエアバッグを展開可能な状態又は展開不可能な状態のいずれか一方にセットすることを特徴とする。
また、本発明の乗員検知方法は、シ−トの座面又は背面、或いは前記座面と前記背面の両方に配置された少なくとも一つ以上のアンテナ電極の周辺に微弱電界を発生させ、この発生させた電界に基づいて流れる電流に関連する信号デ−タと、予め記憶されている乗員の着席状況に関連するしきい値デ−タとを比較することにより、乗員の着席状況を判定する乗員検知方法であって、着席状況に変化があったと判定した場合、前記信号データ以外の人の移動の可能性を示す信号データに基づいて人の移動の有無を判定し、人の移動があると判定した場合、前記しきい値データを維持し、人の移動がないと判定した場合、前記しきい値データを変更して前記乗員に関する判定ゾーンを拡げることを特徴とする。
本発明の乗員検知ステムは、制御部が、定期的に着席状況に変化があったか否かを判定し、変化があったと判定した場合、入力されるセンサデータ以外の人の移動の可能性を示す信号データに基づいて移動の有無を判定し、移動があると判定した場合、しきい値データを維持し、移動がないと判定した場合、しきい値データを変更して乗員に関する判定ゾーンを拡げる。これによって、外乱等の影響によって乗員判定結果が変わった場合、乗員が実際に乗り変わったかどうかを判定する。そして、乗員が乗り変わっていない場合は、しきい値ゾーンを拡げることで、次回以降の乗員判定において外乱等の影響を受けにくくする。これによって、乗員判定において、外乱等の影響による誤判定の少ない、判定のロバスト性が改善された乗員検知システムを提供できる。
本発明の乗員検知装置における判定原理を説明するための図である。 本発明の一実施形態に係る乗員検知装置の回路ブロック図である。 図1に示す乗員検知装置の乗員判定処理のフローを示す図である。 図3のフローを説明するための図である。 図3のフローを説明するための図である。 従来技術における乗員検知装置における基本原理を説明するための図である。 従来技術における乗員検知装置における問題点を説明するための図である。 従来技術における乗員検知装置における判定原理を説明するための図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る乗員検知ステムの判定原理を概略説明するための図であり、センサデータから判定結果までの処理を模式的に示した模式図である。図1に示すように、本発明においては、乗員判定ロジックにおいて、乗員に変化があったと判定した場合、ロックイン・ロジック(固定化ロジック)へ進む。そして、ロックイン・ロジックにおいて、イグニッション状態、車体速度状態、ドアの状態、ベルトの状態に変化があったかどうかに基づいて、実際に乗員に変化があったかどうかを判定する。そして、乗員に変化がないと判定した場合、乗員判定の際の当該乗員のしきい値ゾーンを拡げて、次回以降の乗員判定において外乱等の影響を受けにくくし、例えば、当該乗員が子供であれば子供であると誤りなく乗員判定されるようにする。以下、本発明の実施形態に係る乗員検知ステムの構成及び動作について詳述する。なお、以下、乗員等が座るシートは、助手席シートとして説明するが、これに限られるものではなく、後部座席のシートであってもよい。
図2は、本発明の実施形態に係る乗員検知システム100の構成を示す回路ブロック図である。図2において、乗員検知システム100は、センサ4、シールドケーブル3、制御ユニット10、バックルスイッチ回路51、ドアスイッチ回路52及び車体速度検出回路53から構成される。
センサ4は、シートに取り付けられたセンサであり、本実施例においては4個のセンサ4a〜センサ4dから構成される。センサ4a及びセンサ4bは、例えばシートの座面に取り付けられたセンサであり、センサ4c及びセンサ4dは、例えばシートの背面に取り付けられたセンサであり、導電性の布地、細い金属線を織り込んだもの、或いはフィルムに導電性の印刷を施したもの等によって構成されている。
シールドケーブル3は、センサ4と制御ユニット10を接続する配線であり、上記センサ4a〜センサ4d各々に対応するシールドケーブル3a〜シールドケーブル3dから構成される。
制御ユニット10は、シートの内部等に設置されるもので、シールドケーブルの芯線に流れる電流の電流値に基づいて、乗員の状況を検出する回路である。
制御ユニット10は、電界発生部11(正弦波発振回路11aと電極駆動回路11b)と、電流検出部15(全波整流回路あるいはピークホールド回路15aと変位電流−電圧変換回路15b)と、シールド駆動回路16と、電極選択回路18と、判定回路20と、電源供給回路22と、伝送通信回路24及び警告灯駆動回路26から構成される。
電界発生部11(正弦波発振回路11aと電極駆動回路11b)は、センサ4a〜センサ4dの電極(アンテナ電極)の周辺に微弱電界を発生させる回路であり、正弦波発振回路11aと電極駆動回路11bから構成される。正弦波発振回路11aは、例えば周波数が120KHz程度で、電圧が5〜12V程度の高周波低電圧を発生するように構成されている。また、電極駆動回路11bは、正弦波発振回路11aからセンサ4a〜〜センサ4dの電極への送信信号の電圧振幅をほぼ一定に制御する振幅制御回路である。
電流検出部15(全波整流回路あるいはピークホールド回路15aと変位電流−電圧変換回路15b)は、アンテナ電極が周辺に発生させた電界に基づいて流れる電流を検出する回路であり、全波整流回路あるいはピークホールド回路15aと変位電流−電圧変換回路15bから構成される。変位電流−電圧変換回路15bは、センサ4a〜〜センサ4dの電極に流れる変位電流を、電圧へと変換する回路である。また、全波整流回路あるいはピークホールド回路15aは、変位電流−電圧変換回路15bにより変換された交流電圧を直流電圧へと変化する回路であり、アンテナ電極に流れる電流に関連する信号デ−タを、判定回路20に対して出力する。
シールド駆動回路16は、シールドケーブル3a〜シールドケーブル3dのシールドへ芯線が検出する不要な容量を排除する同相の交流信号を加えるための回路であり、例えば、正弦波発振回路11aの出力を増幅するオペアンプで構成される。
電極選択回路18は、シールドケーブル3a〜シールドケーブル3dに対応した複数のスイッチ回路から構成される。電極選択回路は、センサ4a〜センサ4dのうちの1つを選択して、その電極が微弱電界を発生させるように、判定回路20から入力される不図示の制御信号により、スイッチ回路の1つをオンさせる。選択されたセンサは、変位電流を
流し、この電流は、電流検出部15により検出され、アンテナ電極に流れる電流に関連する信号デ−タとして、判定回路20へ出力される。
判定回路20(制御部)は、入力される信号データと、予め設定されたしきい値とを比較し、シートの着席状況を判定する。すなわち、判定回路20には、予め、例えばシ−トに着席している乗員の着席状況(着席の有無,大人か子供かの識別)などに関するしきい値(しきい値デ−タ)が格納(記憶)されている。具体的には、乗員の着席の有無に関するしきい値に関しては次のように設定される。例えば、シ−トにそれぞれ大人の乗員P又は子供の乗員SPが着席している場合、それぞれのアンテナ電極に対向する面積の違いによってそれぞれのアンテナ電極に流れる電流のレベルが異なり、判定回路20に入力される信号データのレベルも異なる。大人の乗員Pの場合、子供の乗員SPの場合に比べて変位電流のレベルが高くなるので、信号データのレベルも高くなる。
従って、子供SPの場合の変位電流レベルを示す信号データのレベルより若干低いレベルが、乗員の着席の有無に関するしきい値として設定される。尚、信号データのレベルが、このしきい値より大きければ乗員が着席していると判定され、小さければ着席していないと判定される。特に、このしきい値はそれぞれのアンテナ電極に流れる電流の総和に対して設定することが望ましいが、アンテナ電極毎に設定することも可能である。
また、例えば、シートの座面に設けられたアンテナ電極(上記例ではセンサ4a及びセンサ4b)に対応する信号データの総和と、シートの背面に設けられたアンテナ電極(上記例ではセンサ4c及びセンサ4d)に対応する信号データの総和に対して設定することも可能である。この場合、2軸(X軸及びY軸とする)のグラフ上において、信号データの総和それぞれを、実験等を行うことによりプロットし、大人の乗員P、子供の乗員SPの分布の傾向を調べ、その境界にあたる2次元近似曲線を求め、その曲線を大人の乗員Pと子供の乗員SPの間のしきい値と設定することも可能である。また、子供の乗員SPの分布領域と子供の乗員SPの分布がない領域との間に、2次元近似曲線を引き、その曲線を「空席」と子供の乗員SPの間のしきい値と設定することも可能である。また、判別すべきシートの状態の数に応じて、更に2軸以上のグラフにおけるしきい値設定を行ってもよい。
このように、判定回路20に取り込まれた乗員の着席状況などに関する信号デ−タは、予め判定回路20に記憶されている乗員の着席状況などに関するしきい値デ−タと比較され、例えばシ−トに乗員が着席しており、その乗員は大人Pであると判断される。この場合、判定回路20は、不図示のエアバッグ装置へ送信信号を送信し、エアバッグが展開可能となるようにセットする。逆に、乗員が子供SPとであると判断した場合、判定回路20は、エアバッグ装置へ送信信号を送信し、エアバッグが展開不可能となるようにセットする。
ここで、エアバック装置は、例えば、セ−フィングセンサ,スクイブ,電界効果形トランジスタなどの半導体スイッチング素子の直列回路よりなる運転席側のスクイブ回路と、同様にセ−フィングセンサ,スクイブ,半導体スイッチング素子よりなる助手席側のスクイブ回路と、電子式加速度センサ(衝突検出センサ)と、電子式加速度センサの出力信号に基づいて衝突の有無を判断し、半導体スイッチング素子のゲ−トに信号を供給する機能を有する制御回路とから構成されている。
すなわち、エアバッグ装置の制御回路は、判定回路20からの送信信号が入力され、助手席の乗員が大人Pと判定される場合、運転席、助手席のいずれの半導体スイッチング素子にゲ−ト信号が供給されるようにセットされる。一方、助手席の乗員が子供SPであると判断される場合、自動車の衝突時に助手席側の半導体スイッチング素子にゲ−ト信号を供給しないようにセットされる。
また、判定回路20には、伝送通信回路24、警告灯駆動回路26が接続されている。
伝送通信回路24は、判定回路20からエアバック装置の制御回路へ、エアバックを展開可能とする展開OK信号を出力する回路である。
また、警告灯駆動回路26は、例えば、乗員検知システム100の初期診断が行われる際、判定回路20とエアバック装置の制御回路の間で通信ができない場合等において、警告灯を点灯させる回路である。
また、判定回路20は、上述したセンサの変位電流に基づく信号データが入力され、乗員の着席状況を判定するとともに、電源供給回路22から供給される電圧レベルに基づき、イグニッションのオン・オフ(人の移動の可能性を示す信号データ)を判定する。また、判定回路20は、バックルスイッチ回路51、ドアスイッチ回路52及び車体速度検出回路53に接続され、これらの回路から、それぞれシートベルト着脱情報、ドア開閉情報及び車体速度情報(人の移動の可能性を示す信号データ)が入力され、イグニッションのオン・オフ情報と併せて、人の移動の有無を判定する。
ここで、バックルスイッチ回路51、ドアスイッチ回路52及び車体速度検出回路53は、それぞれバックルスイッチがオン/オフされる場合、ドアが開閉された場合、車体速度が遅くなった場合に、人の移動の可能性があったとして、移動の可能性を示す信号データを、判定回路20に対して出力する。
なお、本実施形態において、判定回路20は、図2に示すように、バックルスイッチ回路51、ドアスイッチ回路52及び車体速度検出回路53各々に接続され、それぞれの回路から人の移動の可能性を示す信号データが入力される構成をとっている。しかし、判定回路20が、これらの回路に個々に接続され個別に情報を得るのではなく、例えば上記伝送通信回路24が車内LAN等を介してこれらの回路へ接続され、人の移動の可能性を示す信号データを受信し、判定回路20に対して、該信号データを出力する構成をとってもよい。
また、電源供給回路22は、制御ユニット10内の各回路に電源を供給する回路である。
以上が、図2における乗員検知システムの概略構成である。次に、この乗員システムの処理フローについて説明する。乗員システムの処理フローは、「イニシャライズ」ステップ、「初期診断」ステップ、「エンジンスタート」ステップ、「信号受信」ステップ、「乗員判定」ステップ、「SRS(Supplemental Restraint System)通信」ステップの順に進行する。
まず、イグニッションスイッチをオンにし、スタ−トする。「イニシャライズ」ステップで判定回路20を含む制御ユニット10などをイニシャライズし、「初期診断」ステップに進む。「初期診断」ステップでは、判定回路20とエアバッグ装置との通信系にかかる初期診断を行う。「エンジンスタート」ステップでは、エンジンがスタ−トしたか否かの判断を行い、エンジンがスタ−トしていると判断した場合には、「信号受信」ステップに進み、スタ−トしていないと判断された場合には本ステップを繰り返す。「乗員判定」ステップでは複数のセンサ4a〜4dのうち、特定のセンサのアンテナ電極の周辺に発生させた微弱電界に基づいて、それぞれ特定のアンテナ電極に流れる電流に関連する信号デ−タが判定回路20に受信される。
また、「乗員判定」ステップでは、上述の様に、取り込んだ信号データに基づいて、シ−トへの乗員の着席の有無,乗員が大人か子供かなどの判定が行われる。さらに、「SRS通信」ステップでは「乗員判定」ステップの判定結果に基づき、エアバッグ装置30との間でSRS通信が行われる。「SRS通信」ステップが終了すると、再び「信号受信」ステップに戻り、「信号受信」ステップから「SRS通信」ステップの処理が繰り返し行われる。
「初期診断」ステップは、次のように行われる。まず、固定デ−タを判定回路20からエアバッグ装置の制御回路に送信する。次に、判定回路20は、エアバッグ装置からの送信デ−タを受信する。続いて、判定回路20は、送信した固定デ−タとエアバッグ装置からの受信デ−タとが一致するか否かを判断する。それぞれのデ−タが一致すると判断されると、処理フロ−が継続される。それぞれのデ−タが一致しないと判断されると、通信系に異状があると判断され、フェ−ルセイフ処理が行われ、例えば警告灯駆動回路26により警告灯などが点灯される。尚、この「初期診断」ステップは、エアバッグ装置から判定回路20に固定デ−タを送信し、判定回路20からの送信デ−タをエアバッグ装置の制御回路にて、その一致性について判断させるようにしてもよい。
「信号受信」ステップは、次のように行われる。まず、電極選択回路18は、判定回路20からの信号に基づいて、そのスイッチの1つを選択的にオンさせ、特定のセンサ4a〜4dのうちの1つのアンテナ電極を順次選択する。そして、次に、それぞれのアンテナ電極に流れる電流に関する信号デ−タが判定回路20に取り込まれ、判定回路20のメモリなどに格納される。次に、電極選択回路18のスイッチのオン/オフに基づくセンサ4a〜4dの切換がすべて終了したか否かが判断される。切換がすべて終了したと判断されると、次の「乗員判定」ステップに継続される。切換がすべて終了していないと判断されると、「信号受信」ステップの最初に戻る。
続いて、本発明の特徴部分である「乗員判定」ステップについて、図3〜図5を用いて詳述する。「乗員判定」ステップは、例えば、図3(a)に示すように行われる。まず、定期的にメモリに書き込まれた上述の信号デ−タを読み出す(ステップSC1)。この際、前回の乗員判定結果も同時に読み出される。次に、すべてのセンサ4a〜4dのアンテナ電極に流れる電流に関する信号デ−タと、予め設定されたしきい値データとの比較が行われ、シートでの乗員の着席状況が判定される(ステップSC2)。次に、この乗員判定結果と前回の乗員判定結果との間に変化があったかどうかが判定される(ステップSC3)。変化がないと判定した場合(ステップSC3−No)、しきい値電圧の変更は行われず、しきい値を元の(イニシャライズ時の)決められた設定に維持する(ステップSC4)。一方、変化があった場合(ステップSC3−Yes)、しきい値電圧の変更を行うかどうかの判定フロー(ロックイン・ロジック)へ進む(ステップSC5)。なお、判定結果は、次回判定においても前回の判定が参照されるので、時系列にメモリに書き込まれる。
図3(a)におけるロックイン・ロジックは、ステップSC3における判定乗員判定状況に変化があった場合、例えば、イグニッションのオン/オフ状況、車体速度状況、ドア開閉状況、シートベルト装着状況を判定することで、上記乗員判定の変化が、乗員の移動、乗り変わりによるものかどうかを判定する処理フローである。
まず、イグニッション(IG)がオフされたかどうかの判定を行う(ステップSC51)。なお、IGがオフされたかどうかの判定に関しては、通常はIGがオフされると、制御ユニット10における電源供給回路22もオフされるので、他のIGオン期間との区別ができない。よって、本実施形態においては、図4に示すような構成をとっている。すなわち、判定回路20に、不揮発性メモリを設け、IGがオンする毎にカウントアップするカウント値を不揮発性メモリへ記憶させる構成をとる。
このような構成にすれば、IGがオフされていれば、再度のIGオンでカウントアップされるからである。ステップSC51では、このカウント値に変化があるかどうかも判定する。カウント値に変化がない場合、同一IGオン期間と判定できるので、IGオフはないと判定され、ステップSC52へ進む(ステップSC51−No)。一方、カウント値に変化があった場合、IGオフされたと判定され、ステップSC56へと処理が進む(ステップSC51―Yes)。
判定回路20は、車体速度検出回路53から入力される人の移動の可能性を示す信号に基づき、人の移動があったかどうかを判定する(ステップSC52)。なお、車体速度検出回路53は、車体速度が予め設定された基準となる車体速度と比較して、遅い場合において、人の移動の可能性を示すHレベルの信号を判定回路20に対して出力している。判定回路20は、当該信号がLレベルの場合、人の移動がなかったと判定してステップSC53へ処理を進め(ステップSC52−Yes)、当該信号がHレベルの場合、人の移動があったと判定してステップSC56へ処理を進める(ステップSC52−No)。
判定回路20は、ドアスイッチ回路52から入力される人の移動の可能性を示す信号に基づき、人の移動があったかどうかを判定する(ステップSC53)。なお、ドアスイッチ回路52は、ドアが開閉された場合、人の移動の可能性を示すHレベルの信号を判定回路20に対して出力している。すなわち、ドアスイッチ回路52は、ドアが閉じられた状態から開かれた状態へ変化した場合、ドアが開かれた状態から閉じられた状態へ変化した場合のいずれの場合においても、その変化を捉えて人の移動の可能性があったとし、Hレベルの信号を判定回路20に対して出力している。判定回路20は、当該信号がLレベルの場合、人の移動がなかったと判定してステップSC54へ処理を進め(ステップSC53−No)、当該信号がHレベルの場合、人の移動があったと判定して、ステップSC56へ処理を進める(ステップSC53−Yes)。
判定回路20は、バックルスイッチ回路51から入力される人の移動の可能性を示す信号に基づき、人の移動があったかどうかを判定する(ステップSC54)。なお、バックルスイッチ回路51は、バックルスイッチがオフ状態からオン状態へ変化した場合、バックルスイッチがオン状態からオフ状態へ変化した場合のいずれの場合においても、その変化を捉えて人の移動の可能性があったとし、Hレベルの信号を判定回路20に対して出力している。判定回路20は、当該信号がLレベルの場合、人の移動がなかったと判定してステップSC55へ処理を進め(ステップSC54−No)、当該信号がHレベルの場合、人の移動があったと判定して、ステップSC56へ処理を進める(ステップSC54−Yes)。
ステップSC56では、上記ステップSC51〜SC54のいずれかのステップにおいて、人の移動があったと判定されているので、しきい値電圧の変更は行われず、しきい値を元の決められた設定に維持する(ステップSC56)。
一方、ステップSC55では、上記ステップSC51〜SC54の全てのステップにおいて、人の移動がなかったと判定されているので、次に説明するしきい値ゾーンの変更を行う(ステップSC55)。
図5は、上記ロックイン・ロジックにおいて、人の移動がなかったと判定した場合のしきい値ゾーンの変更を示す概念図である。図5は、例えば、助手席に6歳児(6yo)が着席している場合のしきい値ゾーンの変更を示す図である。図5において、縦軸に設定している物理量は、本実施形態においては判定回路20が電流検出部15から入力される電圧レベルによって判定を行うので電圧であるが、その他、電流、或いは容量値であってもよい。また、図5において、「AF5」は、米国成人女性の体重の正規分布において、最軽量側から5%の人が含まれる体重を有する乗員を示し、「AM50」は、米国成人男性の体重の正規分布において、50%の人が含まれる体重(平均体重)を有する乗員を示す。すなわち、「空席」、「CRS」、「6yo」、「AF5」、「AM50」の順に乗員の体重は増え、それに応じて体格(表面席)も大きくなるので、あらかじめ設定されるしきい値は、これらの乗員を区別するように設定されている。なお、本実施形態においては、助手席を例に説明しているが、他の座席に本発明を適用する場合、座席毎に異なるしきい値を設定してもよい。
ここでは、助手席に6yoが着席しており、上述のロックイン・ロジックにおいて、人の移動がなかったと判定されているので、6yoに対して設定されたしきい値ゾーン(図中央部の最初のしきい値設定におけるth2からth1の間)を拡げる。具体的には、図左側に示すように、しきい値下限側をth2からth2’へと小さい値へ、図右側に示すように、しきい値上限側をth1からth1’へと大きい値へ変更する。このようにしきい値ゾーンを変更することで、乗員判定における安定性・継続性が改善される。
例えば、助手席に座った6yoが飲料水をシートにこぼした場合、従来の乗員判定システムであれば、センサのアンテナ電極に流れる電流が大きくなり、判定回路20に入力される信号データの電圧レベルがあがり、しきい値th1を超えてAF5と判断される場合がある。
一方、本発明の乗員判定システムにおいては、上述の通り、しきい値ゾーンを拡げているので、6yoと判定することが可能である。すなわち、本発明の乗員判定システムの「乗員判定」ステップは、ロックイン・ロジックによって、しきい値ゾーンを拡げることで、乗員判定において、外乱等による判定誤りが生じることが少なくなり、判定のロバスト性を改善できる。
なお、しきい値ゾーンを拡げる際の変更の幅は、予め判定回路20に設定されている。上記例で言えば、上限側th2’、下側側th1’が新たなしきい値として設定され、しきい値ゾーンが設定されたわけであるが、次回のロックイン・ロジックにおいて、再び人の移動がなかったと判定された場合、更にしきい値ゾーンは拡げられる。この際、どこまでも、しきい値ゾーンが広がるわけではなく、予め上限及び下限(変更の幅)は設定されている。
最後に、「SRSデ−タ通信」ステップについて説明する。まず、最初に、制御ユニット10側(判定回路20)からエアバッグ装置側(制御回路)に、「乗員判定」ステップの判定結果に基づいて、エアバッグ装置のエアバッグを展開可能な状態ないし展開不可能な状態にするためのオンデ−タないしオフデ−タ及びチェックデ−タが送信される。判定回路20は、次に、エアバッグ装置側からの、オンデ−タないしオフデ−タに対するOKデ−タないしNGデ−タ及びチェックデ−タを受信し、乗員検知ユニット側へ送信したデータが、正常な状態で再びエアバッグ装置側から乗員検知ユニット側に返信されたか否かを判断する。正常(通信系に異状がない)と判断されると、処理フロ−が継続される。通信系に異状があると判断されると、内蔵するフェ−ルセ−フタイマがゼロになったか否かが判断される。尚、この通信系の異状検出は、例えば3回に設定されている。
従って、フェ−ルセ−フタイマがゼロになったと判断されると、フェ−ルセイフ処理が行われ、例えば警告灯などが点灯される。又、フェ−ルセ−フタイマがゼロになっていないと判断されると、フェ−ルセ−フタイマのカウントが行われ、乗員検知システムの処理フロ−が「信号受信」ステップへ戻って継続される。
一方、エアバッグ装置側(制御回路)は、上述の通り、乗員検知ユニット側(判定回路20)から、エアバッグ装置のエアバッグを展開可能な状態ないし展開不可能な状態にするためのオンデ−タないしオフデ−タ及びチェックデ−タを受信する。そして、受信デ−タのチェックが行われ、受信デ−タが正常に受信できているか否かが判断される。いずれに判断されても、OKデ−タないしNGデ−タ及びチェックデ−タを乗員検知ユニット側に送信する。通信系に異状がないと判断されると、OKデ−タ送信ステップを経て、OKデ−タに基づいてエアバッグ装置側のデ−タが更新される。
これによって、エアバッグは展開可能な状態ないし展開不可能な状態のいずれか一方に更新セットされる。又、通信系に異状があると判断されると、NGデ−タ送信ステップを経て、内蔵するフェ−ルセ−フタイマがゼロになったか否かが判断される。尚、この通信系の異状検出は、例えば3回に設定されている。従って、フェ−ルセ−フタイマがゼロになったと判断されると、フェ−ルセイフ処理が行われ、例えば警告灯などが点灯される。又、フェ−ルセ−フタイマがゼロになっていないと判断されると、フェ−ルセ−フタイマのカウントが行われ、乗員検知システムの処理フロ−が「信号受信」ステップへ戻って継続される。
このような構成により、本発明の乗員検知ステムは、制御部が、定期的に着席状況に変化があったか否かを判定し、変化があったと判定した場合、例えば、「子供」との判定から「大人」との判定へ変わった場合、入力されるセンサデータ以外の人の移動の可能性を示す信号データ(バックルスイッチ回路等から入力される信号等)に基づいて移動の有無を判定する。すなわち、外乱等の影響によって乗員判定結果が変わった場合、乗員が実際に乗り変わったかどうかを判定する。
そして、人の移動があると判定した場合、しきい値データを維持し、人の移動がないと判定した場合、しきい値データを変更して乗員に関する判定ゾーンを拡げる。こうして、乗員が乗り変わっていない場合(人の移動がないと判定した場合)は、しきい値ゾーンを拡げることで、次回以降の乗員判定において外乱等の影響を受けにくくする。これによって、乗員判定において、外乱等の影響による誤判定の少ない、判定のロバスト性が改善された乗員検知システムを提供できる。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の変更等も含まれる。例えばシ−トへのアンテナ電極の配置数は適宜に増減できるし、その形態も角形の他、矩形状,帯状などにも形成できる。又、電界発生手段は発振回路の他、制御回路のクロック信号を適宜に分周して高周波低電圧を発生するように構成したり、制御回路からのクロック信号を利用して直流電源をスイッチング操作することによってほぼ方形波の高周波低電圧を発生させるように構成することもできるし、その出力周波数も車室内などの状況などに応じて120KHz以外の周波数に設定することもできるし、その電圧も5〜12Vの範囲外でも使用できる。
又、電極駆動回路11bはシステム電源の精度,システムに期待される機能などによっては省略することもできる。又、電流検出部15は、直接的にアンテナ電極に流れる電流を検出する電流検出回路は勿論のこと、流れる電流に関連性を有する電圧,波形などの情報に基づいて間接的に検出する回路も含まれる。さらには、乗員判定は予め判定回路20に格納されているしきい値と現実のアンテナ電極に流れる電流に関連する信号デ−タとの比較の他に、乗員のシ−トへの各種着席パタ−ン,着席姿勢などに関するデ−タを予め格納しておき、これとの比較によって、乗員の着席の有無,乗員が大人であるか否かなどの判定を行うこともできる。
100…乗員検知システム、3,3a,3d…シールドケーブル、4,4a,4b,4c,4d…センサ、10…制御ユニット、11…電界発生部、11a,OSC…正弦波発振回路、11b…電極駆動回路、15…電流検出部、15a…全波整流回路あるいはピークホールド回路、15b…変位電流−電圧変換回路、16…シールド駆動回路、18…電極選択回路、20…判定回路、22…電源供給回路、24…伝送通信回路、26…警告灯駆動回路、51…バックルスイッチ回路、52…ドアスイッチ回路、53…車体速度検出回路、E1,E2,E3,E4…アンテナ電極

Claims (7)

  1. シ−トの座面又は背面、或いは前記座面と前記背面の両方に配置された少なくとも一つ以上のアンテナ電極と、
    前記アンテナ電極の周辺に微弱電界を発生させるための電界発生部と、
    前記アンテナ電極が周辺に発生させた電界に基づいて流れる電流を検出する電流検出部と、
    前記電流検出部から取り込まれたアンテナ電極に流れる電流に関連する信号デ−タと、予め記憶されている乗員の着席状況に関連するしきい値デ−タとを比較することにより、前記シートに乗員が着席しているか否かについて、また、着席している場合は、大人と子供とのいずれが着席しているかについての乗員の着席状況を判定する制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記着席状況の判定に変化があった場合、入力される前記信号データ以外の人の移動の可能性を示す信号データに基づいて人の移動の有無を判定し、人の移動があると判定した場合、前記しきい値データを維持し、人の移動がないと判定した場合、前記しきい値データを変更して乗員の着席状況を判定する際の判定ゾーンを拡げることを特徴とする乗員検知システム。
  2. 前記人の移動の可能性を示す信号は、イグニッションのオン・オフ情報、ドア開閉情報、シートベルト着脱情報及び車体速度情報であることを特徴とする請求項1に記載の乗員検知システム。
  3. 前記ドア開閉情報を前記制御部に対して出力するドアスイッチ回路と、前記シートベルト着脱情報を前記制御部に対して出力するバックルスイッチ回路と、前記車体速度情報を前記制御部に対して出力する車体速度検出回路と、を備え、
    前記制御部は、前記イグニッションのオン・オフ情報、前記ドア開閉情報、前記シートベルト着脱情報及び前記車体速度情報の全てに変化がない場合、人の移動がないと判定し、少なくとも1つの情報に変化がある場合、人の移動があると判定することを特徴とする請求項2に記載の乗員検知システム。
  4. 前記ドア開閉情報、前記シートベルト着脱情報及び前記車体速度情報が入力され、前記前記制御部に対して出力する伝送通信回路と、を備え、
    前記制御部は、前記イグニッションのオン・オフ情報、前記ドア開閉情報、前記シートベルト着脱情報及び前記車体速度情報の全てに変化がない場合、人の移動がないと判定し、少なくとも1つの情報に変化がある場合、人の移動があると判定することを特徴とする請求項2に記載の乗員検知システム。
  5. 前記しきい値データの変更は、予め設定された着席している乗員を区別する前記判定ゾーンを、予め設定された限度まで拡げることを特徴とする請求項1から請求項4いずれか1項に記載の乗員検知システム。
  6. 衝突に基づいてエアバッグを展開させる機能を有するエアバッグ装置を更に備え、
    前記制御部の判定結果に基づくデ−タを前記エアバッグ装置に送信し、エアバッグ装置のエアバッグを展開可能な状態又は展開不可能な状態のいずれか一方にセットすることを特徴とする請求項1から請求項5いずれか1項に記載の乗員検知システム。
  7. シ−トの座面又は背面、或いは前記座面と前記背面の両方に配置された少なくとも一つ以上のアンテナ電極の周辺に微弱電界を発生させ、この発生させた電界に基づいて流れる電流に関連する信号デ−タと、予め記憶されている乗員の着席状況に関連するしきい値デ−タとを比較することにより、前記シートに乗員が着席しているか否かについて、また、着席している場合は、大人と子供とのいずれが着席しているかについての乗員の着席状況を判定する乗員検知方法であって、
    前記着席状況の判定に変化があった場合、前記信号データ以外の人の移動の可能性を示す信号データに基づいて人の移動の有無を判定し、人の移動があると判定した場合、前記しきい値データを維持し、人の移動がないと判定した場合、前記しきい値データを変更して乗員の着席状況を判定する際の判定ゾーンを拡げることを特徴とする乗員検知方法。
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