JP2011189763A - ハイブリッド乗員検知システム - Google Patents

ハイブリッド乗員検知システム Download PDF

Info

Publication number
JP2011189763A
JP2011189763A JP2010055040A JP2010055040A JP2011189763A JP 2011189763 A JP2011189763 A JP 2011189763A JP 2010055040 A JP2010055040 A JP 2010055040A JP 2010055040 A JP2010055040 A JP 2010055040A JP 2011189763 A JP2011189763 A JP 2011189763A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
signal
occupant
detection
phase
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2010055040A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5560784B2 (ja
Inventor
Hideki Uno
秀樹 宇野
Sumitaka Shima
純孝 嶋
Yasuhiro Ishiguro
康裕 石黒
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Boshoku Corp
Original Assignee
Toyota Boshoku Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Boshoku Corp filed Critical Toyota Boshoku Corp
Priority to JP2010055040A priority Critical patent/JP5560784B2/ja
Priority to US13/042,753 priority patent/US8519725B2/en
Publication of JP2011189763A publication Critical patent/JP2011189763A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5560784B2 publication Critical patent/JP5560784B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60NSEATS SPECIALLY ADAPTED FOR VEHICLES; VEHICLE PASSENGER ACCOMMODATION NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B60N2/00Seats specially adapted for vehicles; Arrangement or mounting of seats in vehicles
    • B60N2/002Seats provided with an occupancy detection means mounted therein or thereon
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60RVEHICLES, VEHICLE FITTINGS, OR VEHICLE PARTS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B60R21/00Arrangements or fittings on vehicles for protecting or preventing injuries to occupants or pedestrians in case of accidents or other traffic risks
    • B60R21/01Electrical circuits for triggering passive safety arrangements, e.g. airbags, safety belt tighteners, in case of vehicle accidents or impending vehicle accidents
    • B60R21/015Electrical circuits for triggering passive safety arrangements, e.g. airbags, safety belt tighteners, in case of vehicle accidents or impending vehicle accidents including means for detecting the presence or position of passengers, passenger seats or child seats, and the related safety parameters therefor, e.g. speed or timing of airbag inflation in relation to occupant position or seat belt use
    • B60R21/01512Passenger detection systems
    • B60R21/0153Passenger detection systems using field detection presence sensors
    • B60R21/01532Passenger detection systems using field detection presence sensors using electric or capacitive field sensors

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Aviation & Aerospace Engineering (AREA)
  • Transportation (AREA)
  • Seats For Vehicles (AREA)
  • Geophysics And Detection Of Objects (AREA)
  • Chair Legs, Seat Parts, And Backrests (AREA)

Abstract

【課題】乗員の着座の有無や乗員の体形を的確に検知することができ、シートの被水等外乱のある場合であっても乗員を安定に検知することができる乗員検知システムを提供する。
【解決手段】車両のシートに設けられた検出用電極75と、正弦波を含む基準信号Sを抵抗素子を介して検出用電極に供給するとともに検出用電極の電位を電極信号Sとして検出し、基準信号Sに対する電極信号Sの位相遅れ時間Tを計測する位相差計測部4と、一定の直流電圧を抵抗素子を介して検出用電極75に供給するとともに検出用電極の電位を検出し、直流電圧を供給してから検出用電極が所定の電位に達するまでの時間を充電時間Tとして計測する直流計測部5と、位相差計測部4及び直流計測部5を使用し、位相遅れ時間T及び充電時間Tに基づいて乗員を検知する検知部と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両のシートに乗員が着座しているか否かを検知するための乗員検知システムに関し、詳しくは、車両のシートが被水等している状態においても乗員を安定に検知することができる乗員検知システムに関する。
自動車において、乗員がシートに着座しているかどうかの検知情報がエアバッグの展開の判断のために用いられている。車両のエアバッグ装置では、車両衝突時に助手席等シートに乗員が着座していればエアバッグが展開され、そのシートに乗員が着座していなければエアバッグが展開されないように制御される。また、シートに着座した乗員が体形の小さい子供であるような場合には、衝突時にもエアバッグを展開させないようにすることが求められている。従来、乗員の着座状態や乗員の体形を検知するためにさまざまな方法が用いられているが、例えば静電容量方式の乗員検知システムが知られている。人体は誘電体であるため、乗員が着座したときと着座していないときでは、シートの座面部や背もたれ部に設けられた検出用電極と車体との間に生じる静電容量が異なる。また、検出用電極の周辺に電界を発生させると、乗員が着座しているときにはその電界に乱れが生じる。静電容量方式の乗員検知システムは、これらの変化を電圧・電流の変化や電界の乱れ等によって検出することにより着座を検知するものである。乗員が大人か子供かを的確に検知して、大人が着座している場合にエアバッグ装置を展開可能とした乗員検知システムとして、シートの背もたれ部に水平状態で上下隔離して配置した複数の帯状アンテナ電極を備えた乗員検知システムの発明が開示されている(特許文献1を参照)。
また、静電容量方式の乗員検知システムにおいては、乗員を検出するための検出用電極は、車両のシートの表面又はその直下に配設されている。このため、シートが濡れると、検出用電極周辺のインピーダンスが変化したり、濡れた部分がアンテナとして機能したりするため、着座の有無の判断や乗員が子供か大人かの判断を誤るという問題があった。シート濡れなどによる乗員の誤検知を抑えるために、シートに設けたアンテナ電極に負荷電流を付与して微弱電界を発生させるとともにアンテナ電極に流れる電位電流を検出し、その負荷電流と電位電流からインピーダンス及び位相差を算出し、算出されたインピーダンス及び位相差に基づいて乗員の検知を行う乗員検知システムの発明が開示されている(特許文献2を参照)。
特開2000−75044号 特開2007−240515号
前記特許文献1に開示された乗員検知システムによれば、複数のアンテナ電極の周辺に選択的に微弱電界を発生させ、アンテナ電極に流れる電流を検出することによって乗員の肩のラインが抽出され、乗員が大人か子供かの検知が可能となる。しかし、乗員の背中と頭部がシートの背もたれ部に接していない状態では、大人と子供の判別が的確にできないという問題があった。例えば乗員が前屈みの姿勢であるような場合には判別が不可能になる。また、シートの背もたれ部に多数の電極を配設する必要がある上、その電極を選択的に使用するための切替回路等を備えなければならず、システムの構成や制御が複雑であった。
また、前記特許文献2に開示された乗員検知システムにおいては、シートの濡れ等による誤検知を抑えるために、シートに設けられたアンテナ電極の負荷電流と電位電流からインピーダンス及び位相差等を算出し、算出されたインピーダンス及び位相差等に基づいて乗員の検知が行われる。しかし、インピーダンス及び位相差等を測定するために近接測定用電極を設ける必要があった。また、計測された負荷電流と電位電流からインピーダンス及び位相差等を算出し、算出された位相差等に基づいて閾値を決定し、更にその閾値とインピーダンス等を比較するという複雑な処理を行う必要があった。
以上のように、従来の乗員検知システムでは、乗員の体形(大人と子供等)を的確に判別し、かつシート濡れなどの外乱がある場合にも判別を的確に行うことはできなかった。また、それぞれの問題の解決のために複数の電極を設けなければならず、構成及び処理も複雑となる問題があった。
本発明は、上記のような問題に鑑み、簡単な構成及び処理方法によって、乗員の着座の有無や乗員の体形を的確に検知することができるとともに、シートの被水等外乱のある場合であっても乗員を安定に検知することができる乗員検知システムを提供することを目的とする。
本発明は、以下の通りである。
1.車両のシートの座面部及び背もたれ部のうちの少なくとも一つに設けられた検出用電極と、正弦波を含む基準信号を抵抗素子を介して前記検出用電極に供給するとともに前記検出用電極の電位を電極信号として検出し、前記基準信号に対する前記電極信号の位相遅れ時間を計測する位相差計測部と、一定の直流電圧を抵抗素子を介して前記検出用電極に供給するとともに前記検出用電極の電位を検出し、前記直流電圧を供給してから前記検出用電極が所定の電位に達するまでの時間を充電時間として計測する直流計測部と、前記位相差計測部及び前記直流計測部を使用し、前記位相遅れ時間及び前記充電時間に基づいて乗員を検知する検知部と、を備えることを特徴とする乗員検知システム。
2.前記検知部は、前記位相遅れ時間が所定の値を超える場合には、前記位相遅れ時間に対応して前記充電時間を補正した値を求め、その補正した値に基づいて乗員を検知する前記1.記載の乗員検知システム。
3.前記位相差計測部及び前記直流計測部のいずれかを前記検出用電極に接続するための切替回路を更に備える前記1.又は2.に記載の乗員検知システム。
4.前記検出用電極は導電布であり、前記導電布は前記シートの表面材として形成され、又は表面材の直下に配設されている前記1.乃至3.のいずれかに記載の乗員検知システム。
5.前記導電布は、一定の間隔で導電性繊維を織り込んだ織布である前記4.記載の乗員検知システム。
6.前記位相差計測部は、前記基準信号の電圧を所定の閾値と比較することにより2値の基準位相信号を生成する第1の比較回路と、前記電極信号の位相と前記基準信号が前記閾値を横切る点の位相とが略同一となる前記電極信号の値を閾値として、前記電極信号をその閾値と比較することにより2値の電極位相信号を生成する第2の比較回路と、を備え、前記位相遅れ時間として、前記基準位相信号の立上りに対する前記電極位相信号の立上りの遅れを立上り遅れ時間として計測し、かつ前記基準位相信号の立下りに対する前記電極位相信号の立下りの遅れを立下り遅れ時間として計測する前記1.乃至5.のいずれかに記載の乗員検知システム。
7.前記電極信号は前記基準信号と略同一の振幅をもつ信号として生成され、前記第1の比較回路及び前記第2の比較回路は、同一の値の各前記閾値によって前記基準位相信号及び前記電極位相信号を生成する前記6.記載の乗員検知システム。
8.前記検知部は、前記立上り遅れ時間と前記立下り遅れ時間の和を求め、その和及び前記充電時間に基づいて乗員を検知する前記6.又は7.に記載の乗員検知システム。
9.前記直流計測部は、前記一定の直流電圧を供給する電圧印加回路と、前記検出用電極と接地との間の電圧が所定の閾値に達したことを検出する電位検出回路と、を備え、前記電圧印加回路によって前記直流電圧を供給してから前記電位検出回路によって前記検出がされるまでの時間を前記充電時間として計測する前記1.乃至8.のいずれかに記載の乗員検知システム。
本発明の乗員検知システムによれば、車両のシートに設けられた検出用電極と、正弦波を含む基準信号を抵抗素子を介して前記検出用電極に供給するとともに前記検出用電極の電位を電極信号として検出し、前記基準信号に対する前記電極信号の位相遅れ時間を計測する位相差計測部を備えるため、シートの被水など外乱の状態を検出することができる。また、検出用電極に一定の直流電圧を抵抗素子を介して供給するとともに検出用電極の電位を検出し、前記直流電圧を印加してから検出用電極が所定の電位に達するまでの時間を充電時間として計測する直流計測部を備えるため、乗員の着座の有無や乗員の体形(乗員が大人であるか子供であるか等)を、乗員の着座姿勢に影響されないで検知することができる。そして、前記位相差計測部及び前記直流計測部を使用し、前記位相遅れ時間及び前記充電時間に基づいて乗員を検知する検知部を備えるため、主として前記充電時間に基づいて乗員の着座や体形を検知し、シートの濡れなど外乱要因がある状態を主として前記位相遅れ時間に基づいて検知することによって、外乱の影響を除去して的確な乗員の検知が可能になる。すなわち、位相差計測の利点と直流計測の利点とを活かした複合的な乗員検知システムを実現することができる。また、乗員の着座姿勢やシートの被水等による誤検知を抑えるために特別なセンサーを用いる必要がなく、一つの検出用電極を用いるだけで正確かつ安定した検知が可能となる。
前記検知部は、前記位相遅れ時間が所定の値を超える場合には、前記位相遅れ時間に対応して前記充電時間を補正した値を求め、その補正した値に基づいて乗員を検知する場合には、シートの濡れなど外乱の程度に応じて前記直流計測部による計測値が補正されるため、正確な乗員の検知が可能になる。
前記位相差計測部及び前記直流計測部のいずれかを前記検出用電極に接続するための切替回路を更に備える場合には、前記位相遅れ時間の計測と前記充電時間の計測とを適宜に切換えて行うことができるため、制御及び計測処理を一層簡単にすることができる。
前記検出用電極は導電布であり、その導電布は前記シートの表面材として形成され、又は表面材の直下に配設されている場合には、それが濡れた状態でも安定な乗員検知システムとすることができ、しかもシートの質感や通気性を損なうことがない。また、検出用電極をシートの外装の一部として一体に形成することができる。
前記導電布を、一定の間隔で導電性繊維を織り込んだ織布とすれば、耐久性、経済性に優れた検出用電極を用いた乗員検知システムとすることができる。
前記位相差計測部は、前記基準信号の電圧を所定の閾値と比較することにより2値の基準位相信号を生成する第1の比較回路と、前記電極信号の位相と前記基準信号が前記閾値を横切る点の位相とが略同一となる電極信号の値を閾値として、電極信号を2値化した電極位相信号を生成する第2の比較回路とを備える場合には、基準信号と電極信号がそれぞれ略同一の位相となるタイミングを簡単な回路を用いて検出することができる。そして、前記位相遅れ時間として、基準位相信号に対する電極位相信号の立上り遅れ時間及び立下り遅れ時間を計測するため、位相差に対応した処理を容易にすることが可能となる。
前記電極信号は、前記基準信号と略同一の振幅をもつ信号として生成され、前記第1の比較回路及び前記第2の比較回路は、同一の値の各前記閾値によって前記基準位相信号及び前記電極位相信号を生成する場合には、極めて少ない部品と簡単な回路構成によって乗員検知システムを実現することができる。
前記検知部は、前記立上り遅れ時間と前記立下り遅れ時間の和を求め、その和及び前記充電時間に基づいて乗員を検知する場合には、シートの被水状態に影響されない前記和の値と、乗員の体形までを判別可能な前記充電時間とに基づいて乗員を検知することができるため、極めて簡単な処理で安定な乗員検知システムとすることができる。
前記直流計測部は、前記一定の直流電圧を供給する電圧印加回路と、前記検出用電極と接地との間の電圧が所定の閾値に達したことを検出する電位検出回路と、を備え、前記電圧印加回路によって前記直流電圧を供給してから前記電位検出回路によって前記検出がされるまでの時間を前記充電時間として計測する場合には、簡単な回路構成と簡単な処理により乗員検知システムを実現することができる。
本発明について、本発明による典型的な実施形態の非限定的な例を挙げ、言及された複数の図面を参照しつつ以下の詳細な記述にて更に説明するが、同様の参照符号は図面のいくつかの図を通して同様の部品を示す。
本発明の乗員検知システムを中心とした車両のシート周辺の概略構成を表わす模式図である。 本発明の乗員検知システムの構成を示すブロック図である。 本発明の乗員検知システムの位相差計測部を中心とする構成を示すブロック図である。 本発明の乗員検知システムの直流計測部を中心とする構成を示すブロック図である。 本発明の乗員検知システムの結合部の構成を示すブロック図である。 本発明の乗員検知システムの結合部を切替回路により構成する例を示すブロック図である。 本乗員検知システムの位相差計測部の基本的な動作を説明するためのタイミングチャートである。 電極間に生じる静電容量と位相遅れ時間との関係を表わすグラフである。 シートの被水等外乱がある状態における位相差計測部の動作を説明するためのタイミングチャートである。 シートの被水量と立上り遅れ時間及び立下り遅れ時間との関係を表わすグラフである。 シートの被水量と、立上り遅れ時間及び立下り遅れ時間の和との関係を表わすグラフである。 位相差計測部に備えられる発振回路の構成例を表わす回路図である。 位相差計測部に備えられる第1の比較手段及び第2の比較手段の構成例を表わす回路図である。 位相差計測部において、電極信号が基準信号と略同一の振幅をもつ信号として生成される場合の動作を説明するためのタイミングチャートである。 図14に示した場合において、シートの被水等外乱がある状態の動作を説明するためのタイミングチャートである。 シートの被水量と、被水直後及び一定時間経過後に計測される立上り遅れ時間及び立下り遅れ時間の和との関係を表わすグラフである。 シート及びシート上の物体の等価回路と、本発明の乗員検知システムの直流計測部により供給される直流電圧及び計測される検出用電極の電位を説明するための回路図である。 本乗員検知システムの直流計測部により計測される検出用電極の電圧の時間による変化を表わすグラフである。 本乗員検知システムの直流計測部の構成例を表わす回路図である。 図19に示した回路による計測動作を表わすタイミングチャートである。 電極間に生じる静電容量と本乗員検知システムの直流計測部により計測される充電時間との関係を表わすグラフである。 シートの被水量による空席時及び着座時の充電時間の変化を表わすグラフである。 本発明の乗員検知システムにおける乗員検知方法の例を示すフローチャートである。 位相差計測部による計測方法の例を示すフローチャートである。 直流計測部による計測方法の例を示すフローチャートである。 検知部による乗員の検知方法の例を示すフローチャートである。
ここで示される事項は例示的なもの及び本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
車両のシートが空席の場合と乗員が着座している場合とでは、シートに設けられた検出用電極と車体との間の静電容量が変化する。本発明の乗員検知システムは、それによって生じる正弦波を含む基準信号の位相遅れの時間の変化を計測する位相差計測部と、直流電圧を印加して静電容量の充電時間の変化を計測する直流計測部とを組み合わせて乗員を検知することを特徴とする。すなわち、本発明は位相差計測方式と直流計測方式を複合させた乗員検知システムであり、位相差計測によってシートの被水など外乱の影響を除去し、主として直流計測によって乗員の着座及び体形を正確に検知することを目指している。
本乗員検知システムを中心とした車両のシート周辺の概略構成を図1に示す。図1において、シート7は助手席又は後部座席等であり、シート7に乗員9が着座している場合には、検出用電極75と車体8との間に介在する乗員の人体9によって静電容量Cが生じる。この検出用電極75と車体8との間の静電容量等の変化によって、検出用電極75に正弦波を含む信号を供給した場合には検出用電極75で検出される信号の位相差が変化し、検出用電極75に直流電圧を供給した場合には静電容量の充電時間が変化する。したがって、それぞれの変化量を計測することによって乗員の着座の有無等を判断することが可能である。乗員検知システム1は、検出用電極75を備えるセンサー部と、計測及び判断処理を行う電子制御ユニット(ECU)2とから構成することができる。ECU2には、上記位相差計測部、上記直流計測及び検知部が備えられる。
図1に示すシート7は着座部71と背もたれ部72とからなっており、シートフレーム76によって車体の床部8に固定されている。車体8は、電気的には検出用電極75の電位の基準を与える接地電位(車両接地)とすることができ、シートフレーム76が金属製であれば、シートフレーム76を接地電極とすることができる。シートの着座部71の内部は、シートフレーム76の上に発泡ウレタン等を素材とするクッション材が配設されて構成されており、表面は織布等の表面材によって被覆されている。背もたれ部72も、同様にシートフレームとクッション材、表面材等から構成されている。
シートの着座部71の座面部には、乗員を検出するための検出用電極75が設けられる。検出用電極75は、シート7を覆う表面材の一部を構成するものであってもよいし、表面材の直下すなわち表面材とクッション材との間等に介装されてもよい。検出用電極75は、導電性を有する素材であれば幅広い素材を使用することができる。例えば、導電性を有する布地、金属線を網状に編んだ布、導電性フィルム、金属板等を用いて構成することができる。好適には、検出用電極75として導電布を用いることができる。導電布とは導電性が与えられた布をいい、その素材や製造方法は特に限定されない。例えば、繊維の表面を銅、ニッケル、銀等の金属材により被覆した導電繊維を素材として製造された布が挙げられる。また、導電布は、導電繊維を糸にして織布とされたものであってもよいし、導電繊維を織布にすることなく、熱圧着等により形成された不織布であってもよい。また、導電布は、非導電糸を用いた織布又は不織布に、めっき法等により銅、ニッケル、銀等の金属材を被膜した布であってもよい。
検出用電極75を構成する導電布として、ステンレス線やカーボン繊維、メッキ繊維等の導電性繊維を適宜に織り込んだ織布を挙げることができる。例えば、1〜10mm程度の間隔でステンレス線等の導電性繊維を織り込んだ織布を使用すれば、耐久性、経済性に優れた検出用電極を実現することができる。
検出用電極75を導電布とすることによって、検出用電極の形状、寸法などを任意に設計することができ、シートの他の部分を構成する表面材と一体に形成することが可能である。また、検出用電極によって通気性を低下させることがなく、シートの質感を損なうこともない。
本乗員検知システムにおいては、検出用電極75は少なくとも1つ設けられればよい。検出用電極は着座部と背もたれ部に設けられてもよいが、少なくとも着座部71に設けられることが好ましい。検出用電極75の形状、寸法は特に限定されず、シートの着座部又は背もたれ部のサイズや形状に合わせてもよいし、着座時に乗員の身体が接する部分のみに電極が設けられてもよい。また、検出用電極は、複数の電極を配列して電気的に接続されて構成されてもよい。
検出用電極75からはリ−ド線が導出されており、検出用電極75は、電線(例えばシールドケーブル)23を介して、ECU2に接続されている。また、前記接地電極76は電線(例えばシールドケーブルの被覆側導線)によりECU2に接続され、基準電位とすることができる。
図2は、本乗員検知システム1の構成を表わすブロック図である。図2において、検出用電極75及び接地電極76を備えたセンサー部21を中心に、C、C、Rを含むシート及びシート上の物体の等価的な回路図が表わされている。Cは、乗員が着座しているか否かに関わらず検出用電極75と接地電極76との間に生じる静電容量を表し、シート内のクッション材の他、シート及びその周辺部によって生じる。乗員着座時のシートの変形等により、非着座時に比べてCが増加する場合もある。
及びRは、人体等シート上の物体の等価回路である。乗員9が着座している場合は、検出用電極75と接地との間に乗員の身体が介在することとなる。人体は誘電体であり、空気に比べて大きな比誘電率を持つため、検出用電極75と接地電極76との間には人体による静電容量Cが生じ、乗員が着座していない場合に比べて電極間の静電容量が大きく増加することとなる。また、シートの被水などの外乱要因によって検出用電極周辺のインピーダンスは変化する。検出用電極75と車体との間に、抵抗Rを経由して漏れ電流が生じる場合がある。シートが濡れた場合には漏れ電流が増加する。
センサ部21に備えられた検出用電極75及び前記接地電極76は、ケーブル23によってECU2に接続されている。ECU2は、電源回路25、位相差計測部4、直流計測部5及び検知部6を備えて構成することができる。位相差計測部4及び直流計測部5は、結合部3を介して検出用電極75と接続されている。
電源回路25は、車両のバッテリーから供給される電源(例えば電圧12V)から、ECU2内の各電子回路に供給する直流電源(電圧Va、Vb等)を生成する。生成される電源は、例えば、Va=8V、Vb=5Vとすることができる。
図3は、位相差計測部4の構成を表わすブロック図である。位相差計測部4は、発振回路41、抵抗素子Rb、2つの比較回路43、44、及び制御部45を備える。以下の位相差計測部4の説明においては、結合部3により、位相差計測部4を構成する回路がセンサー部21に備えられている検出用電極75と電気的に接続されているものとする。
発振回路41は、抵抗素子Rbを直列に介して検出用電極75に接続されており、基準信号Sを出力する回路である。基準信号Sは一定周波数の正弦波を含む信号であり、正弦波に一定の直流電圧(バイアス)を重畳した信号とすることができる。バイアス値は0Vであってもよい。直流のバイアス値及び正弦波の振幅は適宜に設計されればよい。例えば、発振回路41は、前記Va(8V)を電源に使用し、バイアス4V、正弦波の振幅1〜4V程度の基準信号を出力するように構成することができる。基準信号Sに含まれる正弦波の周波数は、数10kHz〜数百kHzの範囲の一定周波数とすることができ、好ましくは70kHz〜200kHz程度の範囲の周波数とすることができる。
発振回路41により出力される基準信号Sは、第1の比較回路43に入力される。比較回路43は、基準信号Sと所定の閾値(Vr)とを比較することにより、デジタルの基準位相信号Dを生成するための回路である。閾値Vrは、基準信号Sに含まれている正弦波の基準レベルすなわち前記バイアス値と同一とすることができる。比較回路43により生成された基準位相信号Dは制御部45に入力される。
また、検出用電極75は、第2の比較回路44に接続されている。比較回路44は、検出用電極75の電位、すなわち接地電極76と検出用電極75との間に生じる電圧の信号(電極信号)Sを、閾値(Vr)と比較することにより、デジタルの電極位相信号Dを生成するための回路である。電極信号Sは、検出用電極75に供給されている基準信号Sと同じ周波数の正弦波を含む信号となる。比較回路44により生成された基準位相信号Dは制御部45に入力される。
制御部45は、前記基準位相信号Dに対する前記電極位相信号Dのタイミングの遅れ(位相遅れ時間(T))を計測する手段を備えており、後述するマイクロコントローラ等によって構成することができる。
図4は、直流計測部5の構成を表わすブロック図である。直流計測部5は、電圧印加回路51、電位検出回路53、及び制御部55を備える。以下の直流計測部5の説明においては、結合部3により、直流計測部5を構成する回路がセンサー部21に備えられている検出用電極75と電気的に接続されているものとする。
検出用電極75には、電圧印加回路51及び電位検出回路53が接続される。電圧印加回路51は、直流電圧Vを抵抗素子Raを介して検出用電極75に印加するための回路である。直流電圧Vは前記電源回路25により生成される任意の電圧であり、例えば前記電圧Va(8V)又はVb(5V)のいずれかと同じとしてもよい。また、電圧印加回路51は、検出用電極75に直流電圧を印加する間を除いては検出用電極75を接地電極76と同電位とするように構成することができる。
電位検出回路53は、検出用電極75の電位、すなわち接地電極76と検出用電極75との間の電圧Vが、所定の閾値電圧に達したことを検出するための回路である。
電圧印加回路51及び電位検出回路53は、制御部55と接続されている。制御部55は、電圧印加回路51による検出用電極75への直流電圧の印加を制御し、直流電圧の印加を開始してから電位検出回路53によって前記検出がされるまでの時間(充電時間(T))を計測する手段を備える。制御部55は後述するマイクロコントローラ等によって構成することができる。
結合部3は、前記位相差計測部4を構成する回路及び前記直流計測部5を構成する回路と検出用電極75とを接続するための回路である。結合部3の構成は特に限定されないが、例えば、図5に示すようにキャパシタ311を介して検出用電極75と位相差計測部4とを接続し、コイル312を介して検出用電極75と直流計測部5とを接続する結合回路31とすることができる。また、結合部3として、図6に示すように検出用電極75に位相差計測部4又は直流計測部5のいずれか一方を接続するための切替回路32を設け、検知部6によっていずれかの選択が可能な構成とすることができる。
検知部6は、前記位相差計測部4によって計測された位相遅れ時間T、及び前記直流計測部5によって計測された充電時間Tを取得し、取得された位相遅れ時間T及び充電時間Tに基づいて乗員の着座等を判定するように構成される。
検知部6、前記位相差計測部4の制御部45、前記直流計測部5の制御部55等は、例えば1つのマイクロコントローラ(組込み用マイクロコンピュータ)及び周辺回路によって構成することができる。マイクロコントローラには乗員の着座等の判定のためのパラメータ等を格納し、計測、制御、閾値設定、判定等を行うためのプログラムを備えることができる。また、マイクロコントローラには、計測値や判定結果をエアバッグ装置など外部に出力するための外部入出力を備えることができる。
次に、本乗員検知システムの動作を説明する。図7は、本乗員検知システムの位相差計測方式による計測動作を説明するためのタイミングチャートである。同図(a)は、前記発振回路41によって生成された基準信号Sを表わす。本例では、基準信号Sは、電源電圧Vaの略1/2のバイアスが付与された正弦波を示している。この基準信号Sは前記抵抗素子Rbを介して検出用電極75に供給される。また、基準信号Sは、前記比較回路43に入力される。
図7(b)は、検出用電極75の電位、すなわち前記電極信号Sを表わす。電極信号Sは、接地電極76と検出用電極75との間に静電容量が存在するため、上記基準信号Sとは位相が異なる正弦波を含むこととなる。電極信号Sの信号レベル(最大値、最小値)は、抵抗素子Rbの値により設定することができる。電極信号Sは、前記比較回路44に入力される。
図7(c)は、第1の比較回路43において、基準信号Sを閾値Vrと比較することによって生成された基準位相信号Dを表わす。ここでは、基準信号Sが閾値Vrを超えるとき基準位相信号Dが論理「1」となる例を示している。閾値Vrは、基準信号Sの最大値と最小値の間の範囲で設定することができるが、好ましくはその略中央のレベルすなわち基準信号Sに含まれる正弦波形の基準レベルとすることができる。これによって、その正弦波形の位相0°に当たる点p00において「0」から「1」に立上がり、位相180°に当たる点p01において「1」から「0」に立下がる基準位相信号Dが生成される。
図7(d)は、第2の比較回路44において、電極信号Sを閾値Vrと比較することによって生成された電極位相信号Dを表わす。ここでは、電極信号Sが閾値Vrを超えるとき電極位相信号Dが論理「1」となる例を示している。閾値Vrは、電極信号Sがその閾値Vrを横切る点の位相(p10、p11)が、上記基準信号Sが上記閾値Vrを横切る点の位相と略同一となるように設定される。本例においては、基準信号Sが閾値Vrを横切る点の位相(p00、p01)は0°及び180°であるので、電極信号Sに含まれている正弦波形の位相が0°及び180°となる点(p10、p11)に閾値Vrが設定される。これによって、電極信号Sの位相0°に当たる点p10において「0」から「1」に立上がり、位相180°に当たる点p11において「1」から「0」に立下がる電極位相信号Dが生成される。
電極信号Sの位相は、検出用電極と接地電極との間に静電容量(C+C)が存在するため、基準信号Sの位相よりも遅れる。このため、電極位相信号Dの立ち上がり及び立ち下がりのタイミングは、基準位相信号Dの立ち上がり及び立ち下がりのタイミングよりも遅くなる。図7に示すように、基準位相信号Dの立上りに対する電極位相信号Dの立上りの遅れ時間を立上り遅れ時間Tu、基準位相信号Dの立下りに対する電極位相信号Dの立下りの遅れ時間を立下り遅れ時間Tdとする。また、立上り遅れ時間Tuと立下り遅れ時間Tdの和をTaとする。シートが濡れている等の外乱要因がない状態においては、立上り遅れ時間Tuと立下りの遅れ時間Tdとはほぼ同一となる。
乗員の着座等を検知するために用いる前記位相遅れ時間Tとして、上記の立上り遅れ時間Tu、立下り遅れ時間Td、又はTuとTdの和Taを用いることができる。また、Tu、Td、Taを組み合わせて、乗員の着座やシートの被水等についての情報を取得するようにしてもよい。
単純な静電容量Cと抵抗Rの直列回路に周波数fの交流電圧を供給したとき、静電容量Cに生じる電圧の供給電圧に対する位相遅れφは、φ=(π/2)−tan−1(1/(2πfCR))と計算される。すなわち、静電容量Cが大きくなると位相遅れφが増加することとなる。本乗員検知システムの一実施例においては、基準信号Sに対する電極信号Sの位相差を遅れ時間(Ta)として計測すると、遅れ時間Taと静電容量Cの大きさとは図8のグラフに示すような関係が得られた。したがって、計測された遅れ時間Taを例えば一定の閾値Tと比較することによって、乗員の着座の有無等を判定することができる。
しかし、シート表面又はその直下に設けられた検出用電極75が被水等した状態においては、検出用電極周辺ないし検出用電極と接地電極との間のインピーダンスが変化する。また、漏れ電流が増加するため、電極信号Sのレベルが低下し、正弦波形の振幅も小さくなる。図9に、その検出用電極部が被水する等外乱要因がある状態における各信号の様子を示す。この状態で、電極信号Sを図7(b)に示した閾値と同一の閾値Vrによってデジタル化したとき、電極位相信号Dのタイミングは図9(d)に示すように変化する。その結果、図7に示したシートが被水等していない状態から、立上り遅れ時間Tuは減少し、立下り遅れ時間Tdは増加する。
検出用電極75として導電布を使用し、その電極部が被水した場合、立上り遅れ時間Tu及び立下り遅れ時間Tdの変化は、シートの被水量Wによって図10に示すように変化する。したがって、遅れ時間Tu及びTdの変化量から、シートの検出用電極部の被水の程度を判断することができる。
図10に示されるように、シートが被水した状態では、立上り遅れ時間Tuと立下り遅れ時間Tdとは、ほぼ相殺するように変化する。すなわち、立上り遅れ時間Tuと立下り遅れ時間Tdとの和Taは、シートが被水しているか否か、また被水の程度に関わらず、ほぼ一定となることが見出された。上記遅れ時間の和Taと被水量Wとの関係は、図11に示すようになる。同図において縦軸は時間を表わし、Taはシートに乗員が着座していないときの上記和の遅れ時間、Taはシートに乗員が着座しているときの上記和の遅れ時間である。遅れ時間の和Taは、乗員が着座しているか否かによって大きく異なり、被水量Wによっては大きく変化しないことが分かる。したがって、立上り遅れ時間Tu及び立下り遅れ時間Tdを計測し、TuとTdを加算した値Taを求めることにより、そのTaに基づいてシートの被水状態に関係なく乗員の着座等を判断することも可能である。
上記の作用及び効果は、さらに簡単な構成によって実現することができる。図12は、公知の発振回路を使用した発振回路41の具体的な構成例を示す。発振周波数は、例えば70kHz程度とすることができる。直流バイアス電圧(Vr)は、分圧回路412によって発生させている。この発振回路によって生成される基準信号Sは、直列抵抗Rbを介して検出用電極75に供給される。
図13は、2つの比較回路43及び44の具体的な構成例を示す。第1の比較回路を構成するコンパレータ431は、発振回路41から出力される基準信号Sと、前記分圧回路412によって生成された直流電圧Vrとを比較して基準位相信号Dを生成し、その基準位相信号Dを制御部45に送出する。第2の比較回路を構成するコンパレータ441は、検出用電極に発生する電極信号Sと、前記分圧回路412によって生成された直流電圧Vrとを比較して電極位相信号Dを生成し、その電極位相信号Dを制御部6に送出する。基準位相信号Dに対する電極位相信号Dの遅れ時間Tu及びTdは、制御部45によって計測される。
図14は、上記回路を使用し、シートが被水等していない通常の状態における各信号を示すタイミングチャートである。前記抵抗素子Rbの抵抗値を適切に選ぶことによって、図14(a)に示すように、電極信号Sのレベル(最大値及び最小値)を基準信号Sとほぼ同一とすることができる。これによって、基準信号Sから基準位相信号Dを生成するための閾値(Vr)と、電極信号Sから電極位相信号Dを生成するための閾値(Vr)とを同一の値Vrとすることができ、極めて簡単な回路とすることができる。
図15は、検出用電極部が被水する等外乱要因がある状態における各信号を示すタイミングチャートである。被水等により電極信号Sのレベル(最大値及び最小値)が低下し、電極信号Sを一定の閾値Vrによってデジタル化したとき、図14に示した状態から、基準位相信号Dに対する電極位相信号Dの遅れ時間Tu及びTdが変化する。前記と同様に、この遅れ時間Tu、Td、及びTuとTdの和Taによって、被水の程度や乗員の着座等を判断することが可能となる。
位相差計測方式の一実施例を、図16に示す。この実施例においてはシートの座面部の表面に導電布を設けて検出用電極75とした。導電布のサイズは30cm×40cmであり、ピッチ5mmでステンレス繊維を織り込んだものである。この導電布に一様に水を噴霧することによって被水状態とし、その噴霧した水の量を被水量W(単位ml)とした。使用した発振回路及び比較回路は図12及び図13に示したものであり、基準信号の周波数は70kHz、抵抗素子Rbは22kΩとした。
図16は、立上り遅れ時間と立下り遅れ時間の和Ta(単位ms)と、被水量Wとの関係を表わしている。破線(Ta)は乗員が着座していないときの遅れ時間の和を示し、実線(Ta)は着座時の遅れ時間の和を示す。図16(a)は被水直後の計測値を表わし、同図(b)は被水から10分経過後の計測値を表わしたグラフである。この結果から、立上り遅れ時間と立下り遅れ時間の和Taは被水量によらず、また時間が経過してもほぼ一定となるため、乗員の着座等を安定に判断することができることが分かる。
次に、本乗員検知システムの直流計測方式による計測動作を説明する。図17は、前記センサー部21を中心としたシート周辺及び人体等シート上の物体の等価的な回路図である。Cは、シートのクッション材等によって検出用電極75と接地電極76との間に生じる静電容量であり、C及びRは着座した乗員等によって生じる静電容量及び抵抗を表す。Raは電流を制限するために前記電圧印加回路51に備えられた抵抗素子である。電圧印加回路により直流電圧Vが抵抗素子Raを介して検出用電極75に供給される。検出用電極75の電位すなわち接地電極76と検出用電極75との間に生じる電圧をVとする。最初に検出用電極75が接地電極76と同電位とされている初期状態から、直流電圧Vが抵抗Raを介して検出用電極75に印加されると、電流Iaが流れて静電容量の充電が開始される。
乗員が着座していない場合、電極間の静電容量はCである。そうすると、電圧Vは図18において実線で示されるように時間とともに上昇し、時間τのとき、電圧Vは0.63Vとなる。ここで、τは時定数(τ=Ra・C)である。
乗員が着座している場合には、検出用電極と接地との間に乗員の身体9が介在するため、検出用電極75と接地電極76との間の静電容量は(C+C)となる。この状態で、直流電圧Vが抵抗Raを介して検出用電極75に印加されると静電容量が充電され、電極間の電圧Vは、図18において破線で示されるように上昇する。この場合の時定数をτとすると、τ=Ra・(C+C)となる。
直流計測方式では、上記静電容量の変化を、上記電圧Vが所定の閾値電圧に達するまでの時間(充電時間T)を計測することによって検出する。仮に、上記所定の閾値電圧を0.63Vとすれば、乗員非着座時における充電時間はτ、乗員着座時における充電時間はτとなる。実際の静電容量C,Cの総和の値は車種によって異なる。小型車の実測例では、乗員の非着座時(C)は50pF程度、大人の着座時(C+C)は150pF程度である。この場合、前記抵抗Raが500kΩであれば、τ=25μs、τ=75μs程度となり、非着座時と着座時では大幅な差異があるため、確実な着座検知が可能である。シート上に子供用シートや荷物等が置かれた場合には、通常それらの比誘電率は人体の比誘電率に比べて小さいため、人が着座した場合と区別することが容易である。
図19は、前記電圧印加回路51及び前記電位検出回路53の具体的な回路構成例を示す。電圧印加回路51は、フリップフロップ511、スイッチ素子(トランジスタ等)513、抵抗Ra等から構成される。フリップフロップ511のS端子に入力される信号Tsは、制御部55から出力され、電圧印加の開始を指示する開始信号である。電位検出回路53は、閾値電圧を設定するための分圧回路532と、その閾値電圧と電圧Vとを比較するコンパレータ531を備える。閾値電圧は、本例では(2/3)Vである。コンパレータ531の出力信号は、電圧印加回路51のフリップフロップ511のR端子に接続されている。
図19に示される回路の動作は以下の通りである。初期状態においてはフリップフロップ511の出力信号Ocはオフにリセットされており、スイッチ素子513はオン状態となるため、検出用電極75の電位は接地電極76と同電位になっている。制御部55から開始信号Tsが入力されると、フリップフロップ511の出力信号Ocがオンにセットされて、スイッチ素子513がオフする。これによって、直流電圧Vが抵抗Raを介して検出用電極75に印加され、電極間の静電容量の充電が開始される。検出用電極75の電圧Vが閾値電圧(2/3)Vを超えるとコンパレータ531の出力がオンとなり、フリップフロップ511の出力信号Ocがオフにリセットされる結果、スイッチ素子513がオンとなる。これにより、電極間の静電容量に蓄積された電荷は放電して、前記初期状態に戻る。
検出用電極75と接地電極76の間の静電容量の充電が開始されてから、検出用電極75の電圧Vが所定の閾値電圧に達するまでの充電時間Tは、制御部55から開始信号Tsが与えられてからフリップフロップ511の出力信号Ocがセット(オン)されている時間となる。上記充電時間Tは、例えば、発振回路551を備えことにより簡易に計測することができる。発振回路551は、前記信号Ocがオンである間、一定周期のパルス信号Tpを出力するように構成され、そのパルス信号Tpの数を制御部55によってカウントすることにより充電時間を計測することができる。パルス信号Tpの周期は、必要な分解能に応じて適宜に決定されればよい。
図20は、上記回路を用いた計測動作の例を示すタイムチャートである。開始信号Tsが与えられる前は、検出用電極は接地と同電位(V=0V)である。開始信号Tsが出力(H)されると、直流電圧Vが抵抗素子Raを介して検出用電極に印加され、静電容量の充電が開始されて電圧Vは時間とともに上昇する。同時に、電位検出回路の出力信号Ocがオン(H)にセットされ、発振回路551によってパルス信号Tpが出力される。検出用電極の電位Vが所定の閾値電圧(本例では(2/3)V)に達すると、電位検出回路の出力信号Ocがオフ(L)にリセットされ、パルス信号Tpの出力が停止される。充電時間Tは、パルス信号Tpの数をカウントすることにより知ることができる。
制御部55は、周期的に繰り返し上記充電時間Tを計測することにより、検出用電極と接地間の静電容量の変化を知ることができる。図20では、周期Tyごとに開始信号Tsが出力されることを示す。計測の周期Tyは適宜に決定されればよく、例えば、数十〜数百ms程度とすることができる。
空席時及び乗員着座時における静電容量は、車両の種類によって大きく異なる。実施例によれば、検出用電極をシートの座面に設けた場合、小型の乗用車における空席時の静電容量は50pF程度であり、大型の乗用車においては100数十pF程度である。しかし、シートに大人が着座したときの静電容量は、それぞれ空席時の静電容量の3倍程度になるため、乗員が着座したときの充電時間Tは、空席時の充電時間Tの3倍程度となる。
図21に示すように、充電時間Tは検出用電極75と接地電極76の間の静電容量Cの値に略比例する。静電容量は、図示するように、乗員が着座していないとき(a)と着座しているとき(b)では大幅に異なり、着座した乗員の体形等によっても相違する。例えば、着座した乗員が大人の場合(b1)と子供の場合(b2)とは異なる。したがって、充電時間Tを計測することによって、着座状態や乗員の体型等を判別することが可能である。さらに、検出用電極がシートの座面部に設けられている場合には乗員の着座姿勢の影響が少ないため、例えば乗員が前屈みの状態であっても、安定な計測値を得ることができる。
しかし、シートが水に濡れた場合、例えば図22に示すように、充電時間Tは被水量Wが増えるほど長くなる。図中の破線TCVはシートが空席の場合を表わし、実線TCOは乗員が着座している場合を表わす。この例では、シートの座面部の表面に導電布を設けて検出用電極としている。導電布のサイズは30cm×40cmであり、ピッチ5mmでステンレス繊維を織り込んだものである。この導電布に一様に水を噴霧することによって被水状態とし、その噴霧した水の量を被水量W(単位ml)としている。
本乗員検知システムにおける位相差計測方式と直流計測方式の特性をまとめると、位相差計測方式で計測すると、電極間の静電容量と計測値Taは比例しないため(図8参照)、着座した乗員の体形までの判別は困難である。しかし、シートの被水など外乱がある場合にも、計測値Taは静電容量に対応した値となり、被水量Wによって影響されない(図11、図16参照)。また、計測値Tu及びTdは、被水量Wが増加すると相殺する方向に増加するため、シートの検出用電極部の被水等の程度を判断することができる(図10参照)。
一方、直流計測方式で計測すると、電極間の静電容量と計測値Tが比例するため(図21参照)、乗員の着座の有無ばかりでなく乗員の体形まで判別することが可能である。しかし、シートの検出用電極部が被水すると、被水量Wに対応して計測値Tが増加する(図22参照)。
本発明の乗員検知システムは、上記の関係を利用し、位相差計測部によって計測された位相遅れ時間T(Tu、Td、Ta)に基づいてシートの被水等の外乱要因を除去し、直流計測部で計測された充電時間Tに基づいて乗員の体形までを検知するため、図23に示すような処理(以下「乗員検知方法」という。)を行う。
本乗員検知方法は、位相差計測ステップS1、直流計測ステップS3及び検知ステップS5を備える。位相差計測ステップS1は前記位相差計測部によって実行され、直流計測ステップS3は前記直流計測部によって実行され、検知ステップS5は前記検知部により実行される。位相差計測ステップS1及び直流計測ステップS3をそれぞれ実行するタイミングは適宜(例えば数百ms周期)とすればよく、また並行して実行されてもよい。
位相差計測ステップS1において、前記基準信号Sを抵抗素子を介して検出用電極に供給するとともに検出用電極の電位を電極信号Sとして検出し、基準信号Sに対する電極信号Sの位相遅れ時間Tを計測する。この位相差計測ステップS1は、基準信号Sの電圧を所定の閾値と比較することにより2値の基準位相信号Dを生成する第1の比較ステップと、電極信号Sの位相と前記基準信号Sが前記閾値を横切る点の位相とが略同一となる前記電極信号の値を閾値として、電極信号Sをその閾値と比較することにより2値の電極位相信号Dを生成する第2の比較ステップと、基準位相信号Dの立上りに対する電極位相信号Dの立上りの遅れを立上り遅れ時間Tuとして計測し、かつ基準位相信号Dの立下りに対する電極位相信号Dの立下りの遅れを立下り遅れ時間Tdとして計測する計測ステップと、を備えて構成することができる。
図24に示すように、先ず、前記切替回路が備えられている場合には位相差計測部を検出用電極に接続する(S11)。そして検出用電極側に出力された基準信号Sが所定の位相pとなる電圧(Vr)を閾値として、基準位相信号Dを生成する(S12)。位相pは、図7に示した位相p00、p01に相当する位相である。検出用電極への基準信号Sの供給及び基準位相信号Dの生成は継続的にされる。このステップS12は、前記第1の比較ステップに相当する。
一方、電極信号Sが上記位相pとなる電圧(Vr)を閾値として、電極位相信号Dを生成する(S13)。電極位相信号Dの生成は継続的にされる。このステップS13は、前記第2の比較ステップに相当する。
そして、以上のステップにより生成された基準位相信号Dの立上りから電極位相信号Dの立上りまでの時間を、立上り遅れ時間Tuとして計測する(S14)。また、基準位相信号Dの立下りから電極位相信号Dの立下りまでの時間を、立下り遅れ時間Tdとして計測する(S15)。このステップS14及びS15は、前記計測ステップに相当する。
位相差計測ステップS1において、電極信号Sは基準信号Sと略同一の振幅をもつ信号として生成することができる(図14参照)。電極信号Sと基準信号Sとが略同一の振幅及びレベルである場合には、上記第1の比較ステップ(S12)及び第2の比較ステップ(S13)において、基準位相信号D及び電極位相信号Dを生成するための閾値(Vr及びVr)は同一の値とすることができ、極めて簡単な方法とすることができる。
前記直流計測ステップS3においては、図25に示すように、先ず、前記切替回路が備えられている場合には直流計測部を検出用電極に接続する(S31)。この段階で、検出用電極と接地との間の静電容量は完全に放電されている。次に、一定の直流電圧Vを、抵抗素子を介して検出用電極に供給開始する(S32)。そして検出用電極の電位Vを監視し、直流電圧Vを印加してから検出用電極の電位が所定の値(例えば、(2/3)V)に達するまでの時間を充電時間Tとして計測する(S33)。
前記検知ステップS5においては、位相差計測ステップS1で計測された位相遅れ時間Tと直流計測ステップS2で計測された充電時間Tに基づいて乗員の検知を行う。シートの被水等を検知し乗員を判別するためには種々の方法が挙げられる。位相遅れ時間Tは計測された立上り遅れ時間Tu、立下り遅れ時間Td、及びTuとTdの和Taを含み、乗員の着座等の判断のためにはそのうちの1つ又は複数を用いることができる。
図10に示したように、シートが被水等した場合、被水量が増加すると立上り遅れ時間Tuは減少し、立下り遅れ時間Tdは増加する。また、図22に例示したように、シートの被水量が増加すると充電時間Tは増加する。この関係を利用して、例えば図26に示すような検知ステップによって乗員の検知を行うことができる。まず、位相差計測で計測された位相遅れ時間T(立上り遅れ時間Tu、立下り遅れ時間Td、又はTuとTdの和Ta)を取得する(S51)。位相遅れの時間Tとして、上記TuとTdの差の値等を用いてもよい。次に、位相遅れ時間Tを予め定められた閾値Aと比較する(S52)。そして位相遅れの時間Tが閾値Aより小さい場合には、シートの被水等の外乱の程度が小さいと判断されるため、乗員を検知するために用いる計測値Tとして、直流計測によって得られた充電時間Tの値をそのまま用いることができる(S53)。他方、位相遅れ時間Tが閾値A以上である場合には、シートの被水等の外乱の程度が大きいと判断されるため、直流計測によって得られた充電時間Tを補正した値を、乗員を検知するために用いる計測値Tとすることができる(S54)。そして、決定された計測値Tを所定の閾値と比較する等により、乗員の着座の有無、乗員が大人であるか子供であるか等を判定することができる(S55)。ステップS53又はS54によって決定された計測値T又はステップS55でされた判定結果は、エアバッグの展開を制御するために外部に出力することができる(S56)。
上記ステップS54で、充電時間Tの補正方法は、例えば、計測された充電時間Tに対して所定の係数を乗算する方法、所定の値を加算する方法等とすることができる。被水など外乱の量に対応させて上記係数、加算値等が変更されてもよい。また、被水など外乱の量に対するT、Tの関係を最適に表わす関数やテーブルに基づいて補正されてもよい。また、計測値を補正する代わりに、乗員を判定するための閾値が被水など外乱の量に対応して変更されてもよい。これら係数、加算値、関数、テーブル、閾値等は、シートや電極の構造、車種等ごとに予め試験等によって定めておくことができる。
検知ステップS5では、前記立上り遅れ時間Tuと前記立下り遅れ時間Tdの和Taを求め、その和Ta基づいて乗員を検知するようにしてもよい。遅れ時間の和Taは、検出用電極と接地との間の静電容量の大きさと対応しており(図8参照)、且つシートが被水等した状態においても変化が小さい(図11、図16参照)。したがって、遅れ時間の和Taが予め定めた閾値よりも大きいときは、乗員が着座しているものと判定することができる。さらに、直流計測によって得られた充電時間Tの値、又はそれを上記のように補正した値によって、乗員の体形(大人か子供か等)を判断するようにすることができる。
この他、本乗員検知方法は、位相差計測によって得られる位相遅れ時間Tと直流計測によって得られる充電時間Tから得られる情報により、乗員検知システムの動作、検知プログラム、判定のための基準値や閾値などを変更することができる。また、被水など外乱により正常な判定が不可能と判断される場合には、警告等を出力することも可能である。
尚、本発明においては、以上に記載した実施形態に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施形態とすることが可能である。
車両のシートに着座している乗員を検知する乗員検知システムとして広く利用される。また、被水等が生じ易いベッド、椅子等の人物検知として利用することができる。
1;乗員検知システム、2;電子制御ユニット(ECU)、21;センサー部、25;電源回路、3;結合部、4;位相差計測部、41;発振回路、43;第1の比較回路、44;第2の比較回路、5;直流計測部、51;電圧印可回路、53;電位検出回路、6;検知部、7;シート、71;着座部、72;背もたれ部、75;検出用電極、76;接地電極(シートフレーム)、8;車体、9;人体、C;シート等による静電容量、C;シート上の物体(人体等)による静電容量、D;基準位相信号、D;電極位相信号、Ra;抵抗素子、Rb;抵抗素子、S;基準信号、S;電極信号、T;位相遅れ時間、T;充電時間、Td;立下り遅れ時間、Tu;立上り遅れ時間、W;被水量。

Claims (9)

  1. 車両のシートの座面部及び背もたれ部のうちの少なくとも一つに設けられた検出用電極と、
    正弦波を含む基準信号を抵抗素子を介して前記検出用電極に供給するとともに前記検出用電極の電位を電極信号として検出し、前記基準信号に対する前記電極信号の位相遅れ時間を計測する位相差計測部と、
    一定の直流電圧を抵抗素子を介して前記検出用電極に供給するとともに前記検出用電極の電位を検出し、前記直流電圧を供給してから前記検出用電極が所定の電位に達するまでの時間を充電時間として計測する直流計測部と、
    前記位相差計測部及び前記直流計測部を使用し、前記位相遅れ時間及び前記充電時間に基づいて乗員を検知する検知部と、
    を備えることを特徴とする乗員検知システム。
  2. 前記検知部は、前記位相遅れ時間が所定の値を超える場合には、前記位相遅れ時間に対応して前記充電時間を補正した値を求め、その補正した値に基づいて乗員を検知する請求項1記載の乗員検知システム。
  3. 前記位相差計測部及び前記直流計測部のいずれかを前記検出用電極に接続するための切替回路を更に備える請求項1又は2に記載の乗員検知システム。
  4. 前記検出用電極は導電布であり、前記導電布は前記シートの表面材として形成され、又は表面材の直下に配設されている請求項1乃至3のいずれかに記載の乗員検知システム。
  5. 前記導電布は、一定の間隔で導電性繊維を織り込んだ織布である請求項4記載の乗員検知システム。
  6. 前記位相差計測部は、前記基準信号の電圧を所定の閾値と比較することにより2値の基準位相信号を生成する第1の比較回路と、
    前記電極信号の位相と前記基準信号が前記閾値を横切る点の位相とが略同一となる前記電極信号の値を閾値として、前記電極信号をその閾値と比較することにより2値の電極位相信号を生成する第2の比較回路と、
    を備え、
    前記位相遅れ時間として、前記基準位相信号の立上りに対する前記電極位相信号の立上りの遅れを立上り遅れ時間として計測し、かつ前記基準位相信号の立下りに対する前記電極位相信号の立下りの遅れを立下り遅れ時間として計測する請求項1乃至5のいずれかに記載の乗員検知システム。
  7. 前記電極信号は前記基準信号と略同一の振幅をもつ信号として生成され、
    前記第1の比較回路及び前記第2の比較回路は、同一の値の各前記閾値によって前記基準位相信号及び前記電極位相信号を生成する請求項6記載の乗員検知システム。
  8. 前記検知部は、前記立上り遅れ時間と前記立下り遅れ時間の和を求め、その和及び前記充電時間に基づいて乗員を検知する請求項6又は7に記載の乗員検知システム。
  9. 前記直流計測部は、前記一定の直流電圧を供給する電圧印加回路と、前記検出用電極と接地との間の電圧が所定の閾値に達したことを検出する電位検出回路と、を備え、
    前記電圧印加回路によって前記直流電圧を供給してから前記電位検出回路によって前記検出がされるまでの時間を前記充電時間として計測する請求項1乃至8のいずれかに記載の乗員検知システム。
JP2010055040A 2010-03-11 2010-03-11 ハイブリッド乗員検知システム Expired - Fee Related JP5560784B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010055040A JP5560784B2 (ja) 2010-03-11 2010-03-11 ハイブリッド乗員検知システム
US13/042,753 US8519725B2 (en) 2010-03-11 2011-03-08 Hybrid occupant detection system

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010055040A JP5560784B2 (ja) 2010-03-11 2010-03-11 ハイブリッド乗員検知システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011189763A true JP2011189763A (ja) 2011-09-29
JP5560784B2 JP5560784B2 (ja) 2014-07-30

Family

ID=44559380

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010055040A Expired - Fee Related JP5560784B2 (ja) 2010-03-11 2010-03-11 ハイブリッド乗員検知システム

Country Status (2)

Country Link
US (1) US8519725B2 (ja)
JP (1) JP5560784B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015194292A1 (ja) * 2014-06-16 2015-12-23 株式会社タチエス 車両用シート

Families Citing this family (24)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5146257B2 (ja) * 2008-10-27 2013-02-20 トヨタ紡織株式会社 シート着座検知システム
JP5108915B2 (ja) * 2010-05-19 2012-12-26 株式会社日本自動車部品総合研究所 乗員検知装置
LU91739B1 (en) * 2010-09-23 2012-03-26 Iee Sarl Capacitive occupant detection system
DE102011051434A1 (de) * 2011-06-29 2013-01-03 Huf Hülsbeck & Fürst Gmbh & Co. Kg Kapazitive Sensoranordnung und Verfahren zur Erfassung von Betätigungsgesten an einem Kraftfahrzeug
US9488746B2 (en) 2012-01-09 2016-11-08 L&P Property Management Company Capacitive sensing for automated recliner furniture
US10048662B2 (en) 2012-01-09 2018-08-14 L&P Property Management Company Characterization and calibration for automated furniture
US9089223B2 (en) 2012-01-09 2015-07-28 L&P Property Management Company Occupancy detection for furniture
US10197259B2 (en) 2012-01-09 2019-02-05 L&P Property Management Company Standalone capacitance sensor for furniture
US9337831B2 (en) 2012-01-09 2016-05-10 L&P Property Management Company Capacitive wire sensing for furniture
US10197609B2 (en) 2012-01-09 2019-02-05 L&P Property Management Company Capacitive sensing for automated furniture
US10334960B2 (en) 2012-01-09 2019-07-02 L&P Property Management Company Drop-in occupancy detection component for furniture
US10555615B2 (en) 2012-01-09 2020-02-11 L&P Property Management Company Calibration of detection features for automated furniture
US9528812B2 (en) 2012-01-09 2016-12-27 L&P Property Management Company Capacitive wire sensing for furniture
LU91996B1 (en) * 2012-05-10 2013-11-11 Iee Sarl Seat configured for occupancy state detection
EP2948783B1 (en) * 2013-01-24 2021-04-14 L&P Property Management Company Capacitive wire sensing for furniture
US9475438B2 (en) 2014-11-14 2016-10-25 Intelligent Technologies International, Inc. Wireless switches using human body as a conductor
DE102015113663A1 (de) * 2015-02-11 2016-08-11 Huf Hülsbeck & Fürst Gmbh & Co. Kg Sensoranordnung für ein Kraftfahrzeug
KR101905961B1 (ko) * 2016-07-26 2018-11-21 현대자동차주식회사 시트의 객체 구분 장치
JP6460065B2 (ja) * 2016-08-25 2019-01-30 トヨタ自動車株式会社 ハイブリッド車両の制御装置
LU100330B1 (en) * 2017-06-29 2019-01-08 Iee Sa Capacitive Sensor Arrangement
US11265381B2 (en) * 2018-03-28 2022-03-01 Joyson Safety Systems Acquisition Llc System and method for near field communication coupling in a vehicle
US11458816B2 (en) 2019-11-01 2022-10-04 Honda Motor Co., Ltd. Self cleaning of ride sharing vehicle
US11011045B1 (en) * 2019-11-01 2021-05-18 Honda Motor Co., Ltd. Object detection and alert for autonomous ride-sharing vehicle
US11358078B2 (en) 2019-11-01 2022-06-14 Honda Motor Co., Ltd. Conductive thread for vehicle maintenance

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001153963A (ja) * 1999-11-26 2001-06-08 Nec Corp 物体検知装置及び乗員検知システム
JP2006346339A (ja) * 2005-06-20 2006-12-28 Honda Elesys Co Ltd 着座乗員検知装置
JP2007240515A (ja) * 2006-02-07 2007-09-20 Denso Corp 乗員検知システム
WO2008138870A1 (de) * 2007-05-09 2008-11-20 Takata-Petri Ag Messsystem und messverfahren zur erfassung mindestens einer frequenzunabhängigen elektrischen grösse
JP2009257880A (ja) * 2008-04-15 2009-11-05 Ihi Corp 油膜厚さ計測装置および方法
JP2009292243A (ja) * 2008-06-04 2009-12-17 Toyota Boshoku Corp 車両用シート

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3347069B2 (ja) 1998-08-31 2002-11-20 日本電気株式会社 乗員検知システム
JP5146257B2 (ja) 2008-10-27 2013-02-20 トヨタ紡織株式会社 シート着座検知システム

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001153963A (ja) * 1999-11-26 2001-06-08 Nec Corp 物体検知装置及び乗員検知システム
JP2006346339A (ja) * 2005-06-20 2006-12-28 Honda Elesys Co Ltd 着座乗員検知装置
JP2007240515A (ja) * 2006-02-07 2007-09-20 Denso Corp 乗員検知システム
WO2008138870A1 (de) * 2007-05-09 2008-11-20 Takata-Petri Ag Messsystem und messverfahren zur erfassung mindestens einer frequenzunabhängigen elektrischen grösse
JP2009257880A (ja) * 2008-04-15 2009-11-05 Ihi Corp 油膜厚さ計測装置および方法
JP2009292243A (ja) * 2008-06-04 2009-12-17 Toyota Boshoku Corp 車両用シート

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015194292A1 (ja) * 2014-06-16 2015-12-23 株式会社タチエス 車両用シート

Also Published As

Publication number Publication date
US20110221459A1 (en) 2011-09-15
US8519725B2 (en) 2013-08-27
JP5560784B2 (ja) 2014-07-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5560784B2 (ja) ハイブリッド乗員検知システム
JP5146257B2 (ja) シート着座検知システム
JP5218863B2 (ja) 乗員検知システム
US20180345894A1 (en) Capacitive occupant detection system with isofix discrimination
JP5471587B2 (ja) 乗員検知システム及び乗員検知システムの制御方法
US7679378B2 (en) Dual function capacitive sensor for seat occupant detection
JP2011068298A (ja) 乗員検知システム
US8878553B2 (en) Device for measuring distance between headrest and head, method for measuring distance between headrest and head, headrest position adjusting device, and headrest position adjusting method
CN109552231B (zh) 用于车辆座椅的座椅占用检测和乘客分类设备
KR101905961B1 (ko) 시트의 객체 구분 장치
WO2017129533A1 (en) Capacitive seat occupancy detection and classification system
LU100317B1 (en) Capacitive Occupant Detection System with improved ISOFIX Discrimination
CN105848970B (zh) 乘员的存在和分类系统
JP4658352B2 (ja) 車両における容量性の対象検知のための方法
JP5229585B2 (ja) 乗員検知システム
JP5094808B2 (ja) 乗員検知システム及び乗員検知方法
JP5560030B2 (ja) 乗員検知システム
JP5560029B2 (ja) 乗員検知システム
JP2011122834A (ja) 乗員検知システム
JP2011137751A (ja) 乗員検知装置
KR101787059B1 (ko) 승객감지장치
KR20130080977A (ko) 차량의 승객식별장치
JP2012032342A (ja) 乗員検知装置
KR20130080979A (ko) 차량의 승객식별장치
JP2011136661A (ja) 乗員検知装置

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20120808

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120920

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131122

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131126

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140116

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140513

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140526

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5560784

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees