JP2001152671A - 長尺部材の揚重・搬送方法およびその揚重・搬送装置 - Google Patents

長尺部材の揚重・搬送方法およびその揚重・搬送装置

Info

Publication number
JP2001152671A
JP2001152671A JP33761099A JP33761099A JP2001152671A JP 2001152671 A JP2001152671 A JP 2001152671A JP 33761099 A JP33761099 A JP 33761099A JP 33761099 A JP33761099 A JP 33761099A JP 2001152671 A JP2001152671 A JP 2001152671A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lifting
long member
floor
guide rail
long
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP33761099A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuichi Ikeda
雄一 池田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Obayashi Corp
Original Assignee
Obayashi Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Obayashi Corp filed Critical Obayashi Corp
Priority to JP33761099A priority Critical patent/JP2001152671A/ja
Publication of JP2001152671A publication Critical patent/JP2001152671A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 長尺部材を垂直姿勢から除々に水平方向に傾
けつつ目的の揚重階に取り込むことにより、該長尺部材
の垂直揚重を可能にしつつ、取り込むための開口部の面
積を小さくする。 【解決手段】 複数階の各床面Fに、それぞれが上下方
向に貫通して形成された各開口部30に跨ってガイドレ
ール32を垂直に配置し、揚重および搬送しようとする
長尺部材26の長手方向両端部を該ガイドレールに移動
自在に係合するとともに、長尺部材をガイドレールに沿
って揚重階14の直下階14aまで揚重した後、長尺部
材をガイドレールから係合解除して、長尺部材を除々に
水平方向に傾けつつ揚重階の開口部から取り込むととも
に、長尺部材を水平に配置した状態で揚重階の目的位置
まで水平に搬送する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、長尺部材を複数階
隔てた揚重階まで揚重して、これを該揚重階の目的位置
まで搬送するようにした長尺部材の揚重・搬送装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年では、高層ビル等の多層階建物を建
設する方法として自動化建設工法がある。この自動化建
設工法は、建設途中にある最上階の施工階を、工事の進
捗に伴って上方に盛り替え可能になった屋根架構で覆う
ようになっている。この屋根架構には、資材を地上から
施工階まで揚重する人貨リフトやジブクレーン等の揚重
機械とか、揚重した資材を施工階の目的位置に搬送する
天井クレーン等の搬送機械が設けられる。また、天井ク
レーンはフックを地上まで降下することにより揚重機械
を兼ねることができる。
【0003】上記人貨リフトは、施工階に至る複数階の
床面に貫通して形成された開口部を貨物台が昇降するよ
うになっている。また、上記ジブクレーンは、建物躯体
の外側で資材を玉掛けして揚重するようになっている。
また、天井クレーンを揚重機械として用いた場合は、ジ
ブクレーンと同様に建物躯体の外側までシーブを迫り出
して、このシーブから垂下するフックを資材に玉掛けし
て該建物躯体の外側で揚重するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記揚重機械によって
施工階まで揚重する資材が柱や大梁などの長尺部材であ
る場合には、まず、この長尺部材を風などの影響が最も
少ない垂直姿勢で揚重することが最も望ましい。しかし
ながら、垂直揚重した場合には、この垂直の状態で施工
階に取り込むことになる。ところが、従来の揚重機械で
は施工階の高さよりも長尺な部材を搬入することはでき
ず、この垂直揚重が不可能となる。
【0005】このため、長尺部材を横置き(水平姿勢)
して揚重せざるを得ない。この場合、上記人貨リフトを
用いた場合は、上記開口部を長尺部材に見合った長さに
拡大する必要があり、必然的に開口面積が著しく大きく
なってしまう。このため、建物躯体の建方完了後に各開
口部を後施工により、梁などの構造材を用いて閉止する
必要がある。ところが、この後施工は揚重機械の解体後
となるため、後施工のための資材の揚重・運搬作業が著
しく困難になる。このため、上記開口部の面積は可能な
限り狭い方が好ましい。また、人貨リフトでは長尺部材
を載置できるように貨物台を大型化することになるが、
このための改造経費が嵩むとともに、上述したように開
口部が拡大して後施工が困難になる。
【0006】また、ジブクレーンによって長尺部材を揚
重する場合は、このジブクレーンが屋根架構の屋上に設
置される関係上、長尺部材を一旦屋上まで揚重するよう
になっている。このため、屋上の長尺部材を施工階に取
り込むための開口部を屋根架構やこれの周縁部に設けら
れる外周架構に設ける必要がある。しかし、防水を施し
た屋上床に開口部を設けると、そこから雨水が進入する
ため、全天候型となる自動化建設工法にとっては好まし
くない。
【0007】更に、天井クレーンによって長尺部材を揚
重する場合は、建物躯体の外側近傍で揚重することにな
る。このため、強風やビル風などの影響で長尺部材が旋
回した場合に、これが建物躯体に干渉して外側材を破損
してしまう恐れがある。
【0008】そこで、本発明はかかる従来の課題に鑑み
て成されたもので、長尺部材を垂直姿勢から除々に水平
方向に傾けつつ目的の揚重階に取り込むこととして、該
長尺部材の垂直揚重を可能にしつつ、取り込むための開
口部の面積を小さくすることができる長尺部材の揚重・
搬送方法およびその揚重・搬送装置を提供することを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに本発明の長尺部材の揚重・搬送方法は、長尺部材を
揚重階まで垂直揚重して、これを該揚重階の目的位置ま
で水平搬送するようにした長尺部材の揚重・搬送方法に
おいて、ガイドレールを上記揚重階まで垂直に配置して
おく一方、揚重および搬送しようとする長尺部材の長手
方向両端部を該ガイドレールに移動自在に係合し、該長
尺部材を該ガイドレールに沿って上記揚重階の近傍まで
揚重した後、該長尺部材を該ガイドレールから係合解除
し、該長尺部材を除々に水平方向に傾けつつ上記揚重階
へ取り込み、該長尺部材を水平に配置した状態で揚重階
の目的位置まで水平搬送する。
【0010】従って、本発明の長尺部材の揚重・搬送方
法では、長尺部材の長手方向両端部がガイドレールに係
合されて揚重される。このとき、該ガイドレールは垂直
に配置されているため、該長尺部材は、これの長手方向
を垂直にして垂直揚重されることになる。そして、該長
尺部材は揚重階の近傍まで揚重された時にガイドレール
との係合が解除されて、揚重階へと取り込まれる。この
取り込みは長尺部材を垂直状態から除々に水平方向に傾
けつつ行われる。このため、揚重階の階高は該長尺部材
の長さより低くて済む。
【0011】また、本発明の長尺部材の揚重・搬送装置
は、長尺部材を揚重階まで垂直揚重して、これを該揚重
階の目的位置まで水平搬送するようにした長尺部材の揚
重・搬送装置において、上記揚重階まで垂直に配置され
るガイドレールと、揚重および搬送しようとする長尺部
材の長手方向両端部をその上方において1点で支持し、
その支持点と長尺部材の両端部との間の各支持長さを相
対的に可変として、該長尺部材の姿勢を垂直から水平の
間で傾斜自在とする支持装置と、上記揚重階に水平配置
され、上記支持装置を昇降自在に吊り下げる揚重手段お
よび水平方向に移動する搬送手段を有する昇降移動装置
と、上記長尺部材の長手方向両端部を上記ガイドレール
に着脱可能に係合し、上記揚重手段による昇降に伴って
該長尺部材を該ガイドレールに沿って案内するガイド部
材と、上記長尺部材を垂直状態で揚重階の近傍まで揚重
した段階でガイド部材の係合を解除する係合解除手段
と、を備え、昇降移動装置による上昇および移動と支持
装置による姿勢変化とによって、該長尺部材を除々に水
平方向に傾けつつ、上記揚重階へ取り込む構成とする。
【0012】従って、本発明の長尺部材の揚重・搬送装
置では、長尺部材が支持装置に支持された状態で、この
支持装置が昇降移動装置に吊り下げられる。このため、
該長尺部材は昇降移動装置を介して昇降自在かつ水平移
動可能に吊り下げられた状態で、支持装置を介してその
姿勢が垂直と水平との間で任意に調整される。そして、
まず長尺部材を垂直姿勢とした状態で、これの長手方向
両端部をガイド部材を介してガイドレールに係合する。
これにより、該長尺部材はガイドレールに沿って上昇さ
れることになる。このとき、該ガイドレールは垂直に配
置されているため、上記長尺部材は該ガイドレールに沿
って垂直に揚重される。そして、該長尺部材が揚重階の
近傍まで揚重された段階で、係合解除手段によりガイド
部材の係合が解除される。これにより、上記昇降移動装
置による上昇および移動と上記支持装置による姿勢変化
とを伴って、該長尺部材を除々に水平方向に傾けつつ上
記揚重階へと取り込むことができる。また、工事の進捗
に伴って揚重階が上昇される際には、単にガイドレール
を延長すれば良い。即ち、従来の人貨リフトのように複
数本の支柱を複雑な構造をもってクライミングさせる必
要が無くなるとともに、その組立・解体作業が容易にな
る。
【0013】更に、上記係合解除手段を、上記ガイドレ
ールの上端とし、上記ガイド部材を該ガイドレールの上
端から抜脱することにより係合解除することが望まし
い。
【0014】この場合は、長尺部材を揚重手段によって
上記ガイドレールの上端より上昇させることにより、ガ
イドレールからガイド部材が抜脱されて、ガイドレール
との係合を解除することができる。即ち、長尺部材の連
続した上昇動作でガイド部材を自動的に係合解除して、
そのまま揚重階への取り込み体勢に入ることができる。
従って、一連の揚重・搬送作業を円滑に行うことができ
るとともに、ガイド部材の係合解除が自動的に行われる
ことにより、省力化を図ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を添付図
面を参照して詳細に説明する。図1〜図4は本発明にか
かる長尺部材の揚重・搬送方法を達成する揚重・搬送装
置の一実施形態を示し、図1は本発明の揚重・搬送装置
を全体的に示す構成図、図2は各床面に形成した開口部
とガイドレールとの配置状態を示す斜視図、図3は垂直
揚重される長尺部材とガイドレールとの関係を示す拡大
正面図、図4は本発明の揚重・搬送装置を用いて構築さ
れる建物架構の正面図である。
【0016】本発明の長尺部材の揚重・搬送方法は、鉄
骨製あるいはPC製の長尺部材26を複数階隔てた揚重
階14まで垂直揚重して、これを該揚重階14の目的位
置まで水平搬送する方法にある。その基本的な手順は、
まず複数階の各床面Fに、それぞれが上下方向に貫通し
て形成された各開口部30に跨ってガイドレール32を
垂直に配置しておく。一方、揚重および搬送しようとす
る長尺部材26の長手方向両端部を該ガイドレール32
に移動自在に係合させる。この状態で、該長尺部材26
を該ガイドレール32に沿って上記揚重階14の直下階
14aまで揚重させる。その後、該長尺部材26を該ガ
イドレール32から係合解除して、該長尺部材26を除
々に水平方向に傾けつつ上記揚重階14の開口部30か
ら取り込む。そして、水平に配置した該長尺部材26を
揚重階14の目的位置まで水平に搬送する。
【0017】即ち、本実施形態の長尺部材の揚重・搬送
方法は、図1〜図4に示す揚重・搬送装置10によって
達成されるようになっている。ここでは、特に高層建築
物の自動化建設工法に適用される場合を例にとって説明
する。この自動化建設工法は、図1に示すように建物架
構12の施工階の上方を覆う屋根架構16を備える。そ
して、上記揚重・搬送装置10は該施工階を揚重階14
として、この揚重階14まで各種資材を地上から揚重す
るとともに、該揚重階14の目的位置まで搬送する。上
記屋根架構16は、油圧ジャッキやラックアンドピニオ
ン等で構成されるクライミング装置18を介して全数の
本設柱17で支持されている。そして、建物架構12が
工事の進捗により上方に延長される際に、クライミング
装置18を介して該屋根架構16が上方に盛り替えられ
るようになっている。上記屋根架構16には屋上に床面
20が敷設されるとともに、外周縁に外周架構22が垂
設されている。これにより、施工階14を風雨から保護
するとともに、施工階14で発生する騒音を遮断するよ
うになっている。また、本実施形態では上記屋上の床面
20に走行式ジブクレーン24が設置されて、上記本設
柱17やカーテンウオールなどの外装材の揚重、解体し
た外周架構やクライミング装置18、並びに支柱の荷下
ろしなどが行われる。
【0018】ここで、本発明は上記揚重・搬送装置10
によって、長尺部材26を、揚重階14まで垂直揚重
し、更に、該揚重階14で水平搬送しようとするもので
ある。そして、上記長尺部材26とは、柱や大梁などの
長尺の鉄骨部材あるいはPC部材、更には長尺となるそ
の他の構造材および仕切材や設備部材などが挙げられ
る。
【0019】以下に上記揚重・搬送装置10の構成を詳
述する。上記揚重・搬送装置10は、図1に示すように
複数階の各床面Fに、それぞれが上下方向に貫通して形
成された各開口部30に跨って垂直に配置されるガイド
レール32と、揚重および搬送しようとする長尺部材2
6の長手方向両端部をその上方において1点で支持し、
その支持点Pと長尺部材26の両端部との間の各支持長
さa,bを相対的に可変として、該長尺部材26の姿勢
を垂直から水平の間で傾斜自在とする支持装置40と、
上記揚重階14の上方で、かつ上記開口部30の上方を
通るように水平配置され、上記支持装置40を昇降自在
に吊り下げる揚重手段50およびそれを水平方向に移動
する搬送手段60を有する昇降移動装置70と、上記長
尺部材26の長手方向両端部を上記ガイドレール32に
着脱可能に係合し、上記揚重手段50による昇降に伴っ
て該長尺部材26を該ガイドレール32に沿って案内す
るガイド部材80と、上記長尺部材26を垂直状態で揚
重階14の直下階まで揚重した段階で、ガイド部材80
の係合を解除する係合解除手段90と、を備えて構成さ
れる。
【0020】各床面Fに形成された上記開口部30は、
図2に示すようにそれぞれの対応する一側辺30aが各
階の本設鉄骨梁34に沿うように開口されている。上記
ガイドレール32は図3に示すように該本設鉄骨梁34
にL形ブラケット36を介して各床面F毎で固定され
る。即ち、ガイドレール32は、図3に示したようにI
型鋼(またはH型鋼)などのように1対のフランジ32
a,32bを備えた鋼材で形成されている。そして、上
記開口部30の一側辺30aに対向する一方のフランジ
32aが上記L形ブラケット36に固定される。また、
上記ガイドレール32は、その単位長さLが各階の階高
と等しい長さに形成され、各ガイドレール32は、工事
の進捗による階数の延長に伴って順次上方に継ぎ足され
る。各ガイドレール32の繋ぎ部分32cとなる上下端
部が上記L形ブラケット36に固定される。また、それ
ぞれの繋ぎ部分32cはウエブ32dに固定される継ぎ
板38を介して補強される。ところで、本実施形態で
は、上記ガイドレール32は、図1に示したように順次
継ぎ足した上端部が揚重階14の直下階14aで終端と
なり、この終端が係合解除手段90となる。
【0021】上記支持装置40は、支持点Pとなる支持
環41と、この支持環41に結合される2本のワイヤー
ロープ42,43を備えて構成されている。一方のワイ
ヤーロープ42の下端部は、上記長尺部材26の一端部
26aに吊り金具44を介して結合される。他方のワイ
ヤーロープ43の下端部は、該長尺部材26の他端部2
6bに同様に吊り金具44を介して結合される。このと
き、長尺部材26の一端部26aは、この長尺部材26
が垂直揚重される時の下端部となる側であり、また、他
端部26bは上端部となる側である。
【0022】上記吊り金具44は、図3に示したように
略正三角形状の鋼板で形成され、各頂点部分にはそれぞ
れ取付け穴44aが形成されている。その取付け穴44
aの1つは、長尺部材26の吊り位置に突設されたブラ
ケット45に回動自在に連結される。また、該取付け穴
44aの他の1つには取付け環46が挿通され、該取付
け環46に上記ワイヤーロープ42,43の下端部に取
り付けられたフック47が玉掛けされる。更に、上記取
付け穴44aの残りの1つにはガイド部材80が回動自
在に取り付けられる。
【0023】上記一方のワイヤーロープ42はその長さ
が支持長さaとなり、また、上記他方のワイヤーロープ
43はその長さが支持長さbとなる。ここで、一方のワ
イヤーロープ42は電動チェーンブロック48によっ
て、その長さが調節自在となっている。つまり、該電動
チェーンブロック48を作動して一方のワイヤーロープ
42の長さaを変化させることにより、図1に示したよ
うに長尺部材26の姿勢が、垂直から水平の間で傾斜自
在となる。ところで、図1中では複数の長尺部材26が
重複して示されるが、これは1つの長尺部材26の一連
の傾斜変化を示すもので、一度に複数の長尺部材26が
存在するものではない。
【0024】上記昇降移動装置70は、揚重手段50お
よび搬送手段60を備えている。前者の揚重手段50
は、ウインチ51と、このウインチ51から繰り出され
るワイヤーロープ52を周回して垂下するシーブ53と
を備えて構成される。そして、該シーブ53から垂下す
るワイヤーロープ52の下端部は、上記支持装置40の
支持環41に結合される。また、後者の搬送手段60
は、上記屋根架構16の下面に設置されるレール61
と、このレール61に走行自在に装着され、上記シーブ
53を取り付けたトロリ62とを備えて構成される。ま
た、該トロリ62には図示省略したロック機構が設けら
れ、このロック機構のロックでトロリ62を上記レール
61上の任意の位置で固定する。また、該ロック機構の
ロック解除でトロリ62がレール61に沿って走行自在
となる。このとき、上記レール61は上記開口部30の
上方を通るように配置される。
【0025】上記ガイド部材80は、全体として略三角
形状に形成されるベースプレート81を備え、該ベース
プレート81の2つの頂点部分にそれぞれローラ82が
回転自在に装着される。そして、これらローラ82は、
上記ガイドレール32の他方(開口部30の内方に面す
る側)のフランジ32bの内側面に転動自在に係合でき
るようになっている。また、上記ベースプレート81の
残りの頂点部分は、上述したように上記吊り金具44に
回動自在に取り付けられる。
【0026】以上の構成になる揚重・搬送装置10を用
いて長尺部材26を揚重および搬送するには、まず、昇
降移動装置70のトロリ62を開口部30の上方に位置
させた状態でこれをロックする。そして、シーブ53に
周回されたワイヤーロープ52を、支持装置40のフッ
ク47が荷吊り位置となる地上部分まで下降するように
ウインチ51から繰り出しておく。
【0027】一方、上記長尺部材26を開口部30の下
方部分の荷吊り位置まで運び込む。この場所で上記支持
装置40のフック47を、2本のワイヤーロープ42,
43の長さa,bを略同じにして、長尺部材26の両端
部26a,26bの吊り金具44に玉掛けする。この状
態からウインチ51を微速で巻き上げつつ、一方のワイ
ヤーロープ42の長さaを電動チェーンブロック48で
除々に伸長して、長尺部材26の姿勢を垂直方向に起立
させる。そして、この長尺部材26の起立動作に伴っ
て、まず、上端部26bのガイド部材80を、次に下端
部26aのガイド部材80をそれぞれガイドレール32
のフランジ32bに係合する。
【0028】このように上下の両ガイド部材80,80
が係合された状態では、ガイドレール32が垂直に配置
されていることにより、長尺部材26は垂直配置され
る。そして、ウインチ51を所定速度で巻き取ることに
より、長尺部材26はガイドレール32に沿って垂直揚
重される。従って、長尺部材26は垂直状態で揚重され
るため、強風やビル風による影響が最も低減されて揺動
が抑制される。もって、建物架構12に干渉するなどの
不具合を無くすことができる。
【0029】そして、上記長尺部材26を揚重階14の
直下階14aまで揚重した際に、ガイドレール32の終
端(係合解除手段90)から上方のガイド部材80と、
下方のガイド部材80とが順次抜脱される。この抜脱に
よりそれぞれの係合が解除されて、該長尺部材26を揚
重階14の開口部30から取り込む体勢に入る。つま
り、この取り込みは長尺部材26が直下階14aに位置
する状態で開始され、まず、トロリ62のロックが解除
される。その後、図1に示したように長尺部材26は、
水平に移動しつつ、かつ、その姿勢を垂直から水平方向
に除々に傾斜され、開口部30を通過することになる。
この操作は、上記トロリ62の取り込み方向への水平移
動と、電動チェーンブロック48によるワイヤーロープ
42の短縮と、ウインチ51の巻取りおよび巻戻しとの
各タイミングを計りつつ行われる。
【0030】つまり、上記長尺部材26の取り込みは直
下階14aから開始される。このため、該長尺部材26
はこれの下端部26aが揚重階14の開口部30より下
方に位置した状態で水平方向に傾斜されていく。従っ
て、図1に示したように長尺部材26の上端の軌跡R
は、揚重階14の床面Fから低い位置内に収まるため、
該揚重階14の階高は該長尺部材26の長さより大幅に
低くて済む。
【0031】また、該長尺部材26は傾斜された状態で
上記開口部30を通過することになる。このため、該長
尺部材26を通過するために必要とする開口部30の実
質的な長さは、長尺部材の全長より十分に短く形成する
ことができ、その分、開口部30の面積を小さくでき
る。従って、このように開口部30の面積が小さくなる
ことにより、後施工によって該開口部30を閉塞する際
の工事が簡単になる。
【0032】ここで、上記支持装置40は、一方のワイ
ヤーロープ42に電動チェーンブロック48を設けて、
これの長さaを変化させるようにしたが、これに限るこ
とはない。即ち、他方のワイヤーロープ43の長さbを
変化させても良い。要するに、揚重手段50による昇降
量と相俟って、上記2本のワイヤーロープ42,43の
相対長さを変化することにより、長尺部材26の姿勢を
垂直から水平の間で任意に傾斜させることができる。
【0033】そして、上記長尺部材26が揚重階14へ
の取り込みを完了した時点で、該長尺部材26は水平配
置された状態となり、この状態で水平搬送される体勢と
なる。この水平搬送は、トロリ53をレール61に沿っ
て走行させることにより行われ、上記長尺部材26を揚
重階14の目的の位置まで運ぶことができる。また、こ
の長尺部材26の水平搬送時には、トロリ53の走行量
に対応するワイヤーロープ52の長さをウインチ51で
巻き取って、該長尺部材26の高さを一定に保持するよ
うになっている。
【0034】また、本発明の揚重・搬送装置10は、工
事の進捗に伴って揚重階14が上方階へと移行した場合
に、1本のガイドレール32を延長すれば良く、その延
長作業が簡単になる。例えば、従来の人貨リフトの延長
作業に比較して約1日のタクト工程を短縮できる。因
に、従来の人貨リフトはポスト2本、或いは1本を必要
とし、それぞれのポストをクレーンやモータブロック・
チェーンブロックなどを使用して頂部へ継ぎ足すクライ
ミング作業を行う構造である。クライミング作業の度に
ポストの鉛直度を正確に出し、リミットスイッチの受け
金物の位置調整を行い、搬器の着床位置を調整する作業
に時間がかかる。これに対し、本発明では1本のガイド
レール32であるため、その組み立てが簡単になるのは
勿論のこと、その解体も簡単になる。
【0035】ところで、本実施形態では揚重・搬送装置
10を高層建築物の自動化建設工法に適用した場合を開
示したが、この工法に限ることなく従前の一般工法にあ
っても適用できることはいうまでもない。例えば、逆打
ち工法における地上から地下階への資材の荷下ろしにも
適用できる。また、本実施形態では揚重階14が、建設
途中にある建物架構12の最上階となる施工階である場
合を開示したが、該揚重階14は中間層の階とした場合
にも本発明を適用することができる。更に、長尺部材2
6を揚重する開口部30は床面Fの端部分に形成するこ
とが好ましい。これは、該開口部30を介して資材を揚
重する作業が、図示省略した天井クレーンの搬送作業の
障害となるのを避けるためである。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように本発明の長尺部材の
揚重・搬送方法およびその揚重・搬送装置にあっては、
長尺部材を、その長手方向を垂直にして揚重することが
できる。従って、該長尺部材は風などの影響が最も少な
い理想的な垂直体勢で揚重できる。もって、該長尺部材
が揺動して建物架構に干渉して、該建物架構を破損して
しまうなどの不具合を防止することができる。
【0037】また、揚重階への該長尺部材の取り込み
は、長尺部材を垂直状態から除々に水平方向に傾けつつ
行われるので、揚重階の階高は該長尺部材の長さより低
くて済む。
【0038】更に、長尺部材を揚重案内するのにガイド
レールを設ければ良く、その延長作業は勿論のこと、そ
の組み立ておよび解体を簡単にすることができる。
【0039】また、上記ガイドレールの上端部を係合解
除手段とすることにより、該ガイドレールに係合して長
尺部材を揚重案内するガイド部材が該ガイドレールの上
端から抜脱することにより係合解除させることができ
る。即ち、長尺部材の連続した上昇動作でガイド部材を
自動的に係合解除して、そのまま揚重階への取り込み体
勢に入ることができる。従って、一連の揚重・搬送作業
を円滑に行うことができるとともに、ガイド部材の係合
解除が自動的に行われることにより、省力化を図ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す揚重・搬送装置の構
成図である。
【図2】本発明の一実施形態を示す各床面に形成した開
口部とガイドレールとの配置状態の斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態を示す垂直揚重される長尺
部材とガイドレールとの関係の拡大正面図である。
【図4】本発明の揚重・搬送装置を用いて構築される建
物架構の一例を示す正面図である。
【符号の説明】
10 揚重・搬送装置 12 建物架構 14 揚重階 14a 直下階 26 長尺部材 30 開口部 32 ガイドレール 40 支持装置 50 揚重手段 60 搬送手段 70 昇降移動装置 80 ガイド部材 90 係合解除手段 F 床面 P 支持点

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長尺部材を揚重階まで垂直揚重して、こ
    れを該揚重階の目的位置まで水平搬送するようにした長
    尺部材の揚重・搬送方法において、ガイドレールを上記
    揚重階まで垂直に配置しておく一方、揚重および搬送し
    ようとする長尺部材の長手方向両端部を該ガイドレール
    に移動自在に係合し、該長尺部材を該ガイドレールに沿
    って上記揚重階の近傍まで揚重した後、該長尺部材を該
    ガイドレールから係合解除し、該長尺部材を除々に水平
    方向に傾けつつ上記揚重階へ取り込み、該長尺部材を水
    平に配置した状態で揚重階の目的位置まで水平搬送する
    ことを特徴とする長尺部材の揚重・搬送方法。
  2. 【請求項2】 長尺部材を揚重階まで垂直揚重して、こ
    れを該揚重階の目的位置まで水平搬送するようにした長
    尺部材の揚重・搬送装置において、 上記揚重階まで垂直に配置されるガイドレールと、揚重
    および搬送しようとする長尺部材の長手方向両端部をそ
    の上方において1点で支持し、その支持点と長尺部材の
    両端部との間の各支持長さを相対的に可変として、該長
    尺部材の姿勢を垂直から水平の間で傾斜自在とする支持
    装置と、上記揚重階に水平配置され、上記支持装置を昇
    降自在に吊り下げる揚重手段および水平方向に移動する
    搬送手段を有する昇降移動装置と、上記長尺部材の長手
    方向両端部を上記ガイドレールに着脱可能に係合し、上
    記揚重手段による昇降に伴って該長尺部材を該ガイドレ
    ールに沿って案内するガイド部材と、上記長尺部材を垂
    直状態で揚重階の近傍まで揚重した段階でガイド部材の
    係合を解除する係合解除手段と、を備え、 昇降移動装置による上昇および移動と支持装置による姿
    勢変化とによって、該長尺部材を除々に水平方向に傾け
    つつ、上記揚重階へ取り込むことを特徴とする長尺部材
    の揚重・搬送装置。
  3. 【請求項3】 上記係合解除手段は、上記ガイドレール
    の上端であり、上記ガイド部材を該ガイドレールの上端
    から抜脱することにより係合解除することを特徴とする
    請求項2に記載の長尺部材の揚重・搬送装置。
JP33761099A 1999-11-29 1999-11-29 長尺部材の揚重・搬送方法およびその揚重・搬送装置 Pending JP2001152671A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33761099A JP2001152671A (ja) 1999-11-29 1999-11-29 長尺部材の揚重・搬送方法およびその揚重・搬送装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33761099A JP2001152671A (ja) 1999-11-29 1999-11-29 長尺部材の揚重・搬送方法およびその揚重・搬送装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001152671A true JP2001152671A (ja) 2001-06-05

Family

ID=18310276

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33761099A Pending JP2001152671A (ja) 1999-11-29 1999-11-29 長尺部材の揚重・搬送方法およびその揚重・搬送装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001152671A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016050391A (ja) * 2014-08-29 2016-04-11 株式会社大林組 工事中の建物への所定部材の取り付け方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016050391A (ja) * 2014-08-29 2016-04-11 株式会社大林組 工事中の建物への所定部材の取り付け方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2993153B1 (en) Guide rail installation arrangement and a method for installing guide rails
JP2006348691A (ja) 建物の外壁部の施工システム
JPH03264482A (ja) エレベータの据付工法
JP2008248664A (ja) カーテンウォールの揚重方法
JP3579816B2 (ja) 躯体構築用多目的ステージ
US7229109B2 (en) Hoist for construction material
JP2612974B2 (ja) 外壁pc部材の取付施工方法
JP2001152671A (ja) 長尺部材の揚重・搬送方法およびその揚重・搬送装置
JP2000110359A (ja) 垂直揚重搬送装置
JPS5935822B2 (ja) 工事用エレベ−タの据付工法
JP3994458B2 (ja) 垂直・水平搬送装置の運転方法
JP2696284B2 (ja) 建築中ビルの仮設機材の上層階への搬送方法及び装置
JP2001322778A (ja) 工事用エレベータの解体方法および工事用エレベータの本設エレベータへの盛り替え方法
JP3920527B2 (ja) 工事用エレベータ
JPH081278Y2 (ja) 重量物運搬装置
JPH05262475A (ja) エレベータの据付工法
JP5410322B2 (ja) 構造体建造方法とそれに用いる構造体建造治具
JP2001072354A5 (ja)
JPH10182066A (ja) 垂直搬送装置
KR0139129B1 (ko) 건축공사용 기자재의 양중장치및 양중방법
JPH0745778B2 (ja) リフト用蓮台の昇降方法と装置
JPH05113026A (ja) 仮設足場構造体
JPH09328289A (ja) 天井クレーンの垂直揚重装置およびその垂直揚重装置を用いた搬送方法
JP2000053375A (ja) 旋回式天井クレーンに対応した垂直搬送システム
JPH0834584A (ja) エスカレータトラスの搬出方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20040922