JP2001152225A - 熔融銑鉄または熔融鋼前段階生産物の製造法及びプラント - Google Patents

熔融銑鉄または熔融鋼前段階生産物の製造法及びプラント

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Abstract

(57)【要約】 【目的】少なくとも部分的に微細物を含む装入物質から
の熔融銑鉄または熔融鋼前段階生産物の製造において、
一部に微細物を含む鉄鉱石とフラックスの使用を、炭素
担体として未処理石炭を用いて経済的に、可能にする。 【構成】装入物質が、予熱帯において旋回層で予熱さ
れ、この予熱された装入物質が、少なくとも1つの連続
的に配置された還元帯において実質的に還元される。そ
して、これが熔融ガス化炉の流動ベッドおよび/または
固定ベッドに装入され、そこで熔融される。ここで、還
元ガスを取り出し、さらに、同様に微細鉱石を含む装入
物質を還元してブリケット鉄が製造する工程に導入し、
効率的に装入物質の予熱を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、鉄鉱石、フラックスおよ
び少なくとも部分的に微細物からなる装入物質から熔融
銑鉄または熔融鋼前段階生産物(Stahlvorprodukt)の
製造法に関する。この方法において、装入物質は、少な
くとも1つの還元帯において旋回層法により直接にスポ
ンジ鉄に還元され、スポンジ鉄が熔融ガス化帯で炭素担
体と酸素含有ガスの供給の下で熔融され、COとH2
含むガスが生成され、この生成されたガスが、上記の還
元帯に注入され、そこで反応され、外部使用ガスとして
取り出され、消費者に供給される。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】この
種の製造法は、たとえばオーストリア国特許第AT−B
390 622号に記載されている。この特許に開示さ
れた方法では、大きく変化する粒子径を有する装入物質
が処理される。この装入物質は、予備還元され、風スク
リーニングにより、異なった粒子径の部分に分けられ、
次に、別々に完全に還元される。しかし、この既知の1
ステップ法は、還元ガスの熱の利用度が低く、したがっ
て、還元ガスの消費が多い。還元ガスに化学的に結合さ
れたエネルギーの最適利用も可能でない。
【0003】本発明の目的は、鉄鉱石、フラックスおよ
び少なくとも部分的に微細物からなる装入物質からの熔
融銑鉄または熔融鋼前段階生産物の製造法と、この製造
法を実施するためのプラントにおいて、一部に微細物を
含む鉄鉱石とフラックスの使用を、炭素担体として未処
理石炭を用いて経済的に、可能にすることである。ここ
で、還元ガスの中になお含まれている化学的結合エネル
ギー(CO、H2成分)が利用できる。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明に係る熔融銑鉄ま
たは熔融鋼前段階生産物の製造法において、(a) 鉄
鉱石とフラックスとからなり、少なくとも部分的に微細
物を含む第1装入物資を第1予熱帯の旋回層で予熱し、
(b) 予熱された第1装入物質を第1還元帯の旋回層
で直接に還元して、スポンジ鉄を生成し、(c) スポ
ンジ鉄を炭素担体と酸素含有ガスの存在の下で熔融し、
COとH 2を含む還元ガスを生成し、(d) 還元ガス
を第1還元帯に供給して前記の予熱された第1装入物質
と反応させて、炉頂ガスを生成し、(e) 炉頂ガスを
第1予熱帯に向け第1挿入物質を予熱し、第2予熱帯か
ら加熱されたガスを外部使用ガスとして取り出し、
(f) 鉄鉱石を含む第2装入物質を第2予熱帯で予熱
し、(g) 予熱された第2装入物質を第2還元帯の旋
回層で外部使用ガスで実質的に還元し、(h) 前記の
外部使用ガスを取り出して、加熱し、前記の第2還元帯
を通して旋回層を生成し、そこを流した後で旋回層から
取り出し、(i) 第2還元帯で還元された第2挿入物
質を圧縮してブリケット化し、(j) 第2還元帯から
取り出したガスを第2予熱帯に供給し部分的に燃焼して
温度を上昇して旋回層を形成する。
【0005】オーストリア国特許第AT−B 387 4
03号によれば、菱鉄鉱を含有する装入物質、および/
または、水和された装入物質は、固定ベッド直接還元炉
の前に位置する固定ベッド加熱帯において焼かれる。し
かし、固定ベッドにおいてだけ処理可能な鉄鉱石を含有
する装入物質の粗い塊だけが装入のために使用される。
【0006】本発明において、装入物質が、既知の固定
ベッド法(オーストリア国特許第AT−B 387 40
3号)の場合におけるように、材料向流においてではな
く、安定なあるいは循環する流動ベッドにおいて、すな
わち、たとえば斜めの流れにおいて、処理される。これ
により、微細な鉱石や微細な鉱石ダストの経済的な処理
が、改善されたエネルギー利用のために可能になる。こ
のことは重要である。なぜなら、現在、世界の鉱石の約
75%が微細鉱石として生産され、微細鉱石は塊状鉱石
より安価だからである。本発明によれば、還元が、流動
ベッド法によるだけでなく、予熱によっても実行され
る。本発明による多ステップ旋回層法により、追加のエ
ネルギーを用いずに、還元ガスの最適な使用が可能にな
った。
【0007】さらに、本方法により生じる余剰ガスを利
用するために、第1予熱帯を出た外部使用ガスが、所望
ならば、還元帯を出る還元ガスの1部の混合の際に、C
2精製がブリケット化のために行われる。そして、第
2の装入物質(微細鉱石)が第2予熱帯で予熱され、次
に、少なくとも1つの第2還元帯で実質的に還元され、
さらに、圧縮ブリケット化手段に供給される。外部使用
ガスは、加熱の際に、旋回層を生成しつつ上記の少なく
とも1つの第2還元帯に導入され、この旋回層を流れた
後で、旋回層から取り出され、第2予熱帯に供給され
て、旋回層を生成するために部分的に燃焼されて温度を
上昇する(図3参照)。
【0008】米国特許第US−A5,082,251号に
記載された直接還元法では、旋回層炉がカスケード接続
されたシステムにおいて、鉄に富んだ微細鉱石は、複雑
な鉱石処理、たとえば乾燥、スクリーニングおよび破壊
の後で、改質天然ガスまたは油を用いて、還元される。
こうして非常に狭い粒子径分布が得られる。引き続い
て、鉄粉は、熱間でまたは冷間でブリケットに加工され
る。スモークガスは、予熱段階で流動化ガスとして使用
され、空気と天然ガスを燃やして生成される。こうし
て、旋回ガスの顕熱のみが利用可能であり、外部エネル
ギーが導入されねばならない。対照的に、本発明の方法
による還元は、石炭などの、固体炭素担体を用いて実行
される。したがって、本発明によれば、CO還元が優勢
であるのに対し、上記の米国特許による方法では、鉄鉱
石の直接還元は、主にH2により行われる。
【0009】好ましくは、外部使用ガスを第2還元帯に
通す前に、外部使用ガスのCO2清浄化と加熱をする。
【0010】好ましくは、第2予熱帯を出ていく外部使
用ガスを、第2還元帯を出て行くガスの一部と混合し、
CO2清浄化の後で、ブリケット鉄の製造のために使用
する。
【0011】好ましくは、CO2清浄化の前に、外部取
出ガスを炉頂ガスの1部と混合する。
【0012】好ましくは、外部使用ガスからCO2清浄
化をした後で、外部使用ガスを加熱する。
【0013】好ましくは、還元された装入物質を、N2
インジェクタにより装入バンカーに入れ、装入バンカー
からブリケット鉄の製造のため供給する。
【0014】好ましくは、還元された装入物質を第2還
元帯の下側領域から重力により装入バンカーに排出す
る。
【0015】本発明に係る熔融銑鉄または熔融鋼前段階
生産物のプラントは、鉄鉱石とフラックスとからなり、
少なくとも部分的に微細物を含む第1装入物質を旋回層
で直接にスポンジ鉄に還元する、少なくとも1つの第1
還元炉と、流動ベッドと固定ベッドとを備え、銑鉄また
は鋼前段階物質とスラグのための出口を備え、炭素担体
と酸素含有ガスの供給の下でスポンジ鉄を熔融して還元
ガスを生成する熔融ガス化炉と、前記の第1還元炉の上
流に配置され、還元ガスを装入物質と反応して外部使用
ガスを得る第1予熱炉と、前記の第1還元炉に装入物質
を搬送する第1搬送ダクトと、前記の熔融ガス化炉から
前記の第1還元炉に還元ガスを供給する第1ガスダクト
と、前記の第1還元炉において形成されたスポンジ鉄
を、前記の溶融ガス化炉の前記の流動ベッドと前記の固
定ベッドの少なくとも一方に搬送する第2搬送ダクト
と、前記の第1還元炉から前記の前記の第1予熱炉へ還
元ガスを供給する第2ガスダクトと、酸素含有ガスと炭
素をそれぞれ熔融ガス化炉に供給する供給手段と、鉄鉱
石を含む第2装入物質を旋回層で予熱する第2予熱炉
と、還元ガスを第1予熱炉から取り出して第2予熱炉に
外部使用ガスとして供給する第3ガスダクトと、予熱さ
れた第2装入物質を、外部使用ガスを用いて生成した旋
回層で実質的に還元し、使用後の外部使用ガスを第2予
熱帯に供給する第2還元炉と、第2還元炉からガスを第
2予熱炉に供給し、第2予熱炉で部分的に燃焼して温度
を上昇して旋回層を形成するための第4ガスダクトと、
予熱された装入物質を第2予熱炉から第2還元炉に搬送
する第3搬送ダクトと、還元炉で還元された装入物質を
ブリケット化手段に搬送する第4搬送ダクトと、第2還
元炉で還元された第2挿入物質を圧縮してブリケット化
するブリケット化手段とからなる。
【0016】好ましくは、CO2ガス清浄装置と加熱手
段が第3ダクトの途中に配置される。
【0017】好ましくは、さらに、第2還元炉と第3ガ
スダクトとの間でつなぐ第5ガスダクトを備え、第5ガ
スダクトは、第2還元炉から第3ガスダクトにガスを供
給して、そのガスを外部取出ガスと混合してCO2清浄
化装置へ送る。
【0018】好ましくは、第2還元炉は、円筒状の下部
と、この下部より大きい直径の円筒状の上部と、円錐状
の移行部とを備え、前記の第3ガスダクトが、この移行
部に外部取出ガスを供給する。
【0019】好ましくは、さらに、第2還元炉が備える
微細物排出手段からブリケット化手段へ微細物を搬送す
る微細物搬送手段を備える。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照して本発
明を3つの実施の形態を用いてさらに詳細に説明する。
図1〜図3は、それぞれ、本発明によるプラントの好ま
しい実施の形態を図式的に示す。予熱炉1は、旋回層予
熱炉として設計される。鉄とフラックスを含む装入物質
は、装入ダクト3を介して予熱炉1の中に、旋回層帯2
(予熱帯)の高さで横方向に装入可能である。ここで、
装入ダクト3から装入される装入物質は、主にヘマタイ
トおよび/またはマグネタイトからなる微細鉱石および
/または鉱石ダストである。高炉のように設計された旋
回層予熱炉1の上端で、予熱炉の中で生成され予熱炉1
から出ていくガスは、ガス清浄サイクロン4とベンチュ
リガス清浄装置などのガス清浄装置5を備えたガス排出
ダクト6を通って排出される。これらのガスは、800
0kJ/Nm3のカロリー値をもつ高品質外部使用ガス
として、種々の目的に、たとえば、酸素なしの流れ、ま
たは、酸素を含む流れを作るために、利用できる。
【0021】旋回層予熱炉1において予熱された全装入
物質は、搬送ダクト7を介して、同様に旋回層炉として
設計された還元炉8に達し、大半が、還元炉8で完全に
還元される。
【0022】旋回層還元炉8において生成されたスポン
ジ鉄が、圧縮圧力によるスポンジ鉄搬送ダクト9(N2
インジェクタを含む)を介して(任意の強制搬送が代わ
りに使用できるが)、熔融ガス化炉10の中に入る。こ
こで、スポンジ鉄は、熔融ガス化炉10の中に、熔融ガ
ス化炉の中に設けられた流動ベッドIII,IIの高さで導
入され、および/あるいは、それらの下の固定ベッドI
の高さで導入される。熔融ガス化炉は、石炭のための少
なくとも1本の供給ダクト11と、酸素含有ガスのため
の複数の高さに配置された羽口導管12とを備える。
【0023】熔融ガス化帯は、固定ベッドI、その上に
位置する粗コークス流動ベッドII、後者の上に位置する
微細コークス流動ベッドIIIおよび最も上に位置する空
間IVにより形成される。熔融ガス化炉10にて、この熔
融ガス化帯の下で、熔融銑鉄13と液体スラグ14が集
まり、銑鉄とフラックスは、それぞれ、湯出し手段1
5、16を介して別々に流出される。熔融ガス化炉10
では、還元ガスは、炭素担体と酸素含有ガスとから生産
され、この還元ガスは、流動ベッドIIIの上の空間IVに
集まり、ガスダクト17を通り、実質的に高炉の形状の
旋回層還元炉8の円錐台締め付け部に送られる。円錐台
締め付け部は、ガス分配底19を形成し、旋回層18す
なわち旋回ベッド18(還元帯)を形成するために設け
られる。還元ガスは、環状ダクト20を用いて、締め付
け部の周辺を介して供給される。
【0024】大きな固体粒子は、旋回層内で浮動状態に
保てず、重力の作用で中心で沈降し、中央固体排出部2
1から引き抜かれる。この中央固体排出部21の構成に
おいて、放射状ガス供給手段22を介して、固定ベッド
の流れが生じて、円錐の底24を備えガス分配底19の
下に配置される円筒状容器部分23の中に入る。このた
め、大きな粒子の還元でさえも、満足な程度に達成でき
る。
【0025】ガス分配底19の円錐台形状のため、正味
の管速度は高さとともに変わる。その結果、特殊な粒子
径分布が、ガス分配底19の高さにわたって調節され
る。ガス分配底19での羽口を適当に配置することによ
り、内部で循環する旋回層が生成され、ここで、ガス速
度は、中心の方が周辺でより大きい。この種の旋回層の
生成は、還元炉8のためにも予熱炉1のためにも使用で
きる。
【0026】熔融還元炉10を出る1部の還元ガスは、
熱サイクロン25で清浄化のために処理され、続いて配
置されたガス清浄装置26において冷却され、圧縮機2
7とガスダクト28を介して、熔融ガス化炉10から出
ていく還元ガスと再び混合される。熱サイクロン25で
分離されたダストは、N2インジェクタ29を介して熔
融ガス化炉10に戻る。熱サイクロン25を出てなお冷
却されない1部の還元ガスは、環状ダクトにより形成さ
れるガス供給手段22を介して、旋回層還元炉8の円筒
状容器部分23に達する。
【0027】ガスダクト30を介して旋回層還元炉8か
ら引き抜かれたガスは、還元サイクロン31に供給さ
れ、還元サイクロン31において、還元ガスになお含ま
れる微細物は、分離され、完全に還元される。これらの
微細物は、搬送ダクト32とN 2インジェクタ33を介
して、熔融ガス化炉10の中に、ほぼ固定ベッドIの上
端の高さで導入される。
【0028】還元炉8から出てくる部分的に酸化された
還元ガスは、ガスダクト30を介して、旋回層予熱炉1
に入る。しかし、この還元ガスの1部は、燃焼室34内
で還元ガスを加熱するために燃やされる。燃焼室34に
は、酸素含有ガスを供給するダクト35が入る。
【0029】完全に還元された装入物質の1部は、旋回
層還元炉8から、ワームコンベア36と搬送ダクト37
を用いて、旋回ベッド18の高さで引き出され、好まし
くは還元サイクロン31からくる微細物とともに、N2
インジェクタ33を介して、熔融ガス化炉10に、ほぼ
固定ベッドIの上端の高さで導入される。外部使用ガス
の排出ダクト6のサイクロン4で分離された微細な粒子
材料は、流量調節装置(Schleusensystem)39を含む
搬送ダクト38を介して、還元ガスを旋回層還元炉8に
供給する環状ダクト20を通して、装入される。流量調
節装置39は、また、部分的にまたは完全に還元された
材料のために、他の搬送ダクト32、37にも設けられ
る。
【0030】図1に示すプラントは、詳細には、以下に
示すように機能する。処理された(ふるいにかけられ乾
燥された)微細鉱石は、たとえば、次の粒子径分布を有
し、約2%の湿度成分を有する。 〜 0.044mm=約20% 0.044〜 6.3 mm=約70% 6.3 〜12.7 mm=約10% この微細鉱石は、予熱炉1に、圧縮流体によりあるいは
縦コンベヤの急なベルトを用いて装入される。予熱炉1
で、微細鉱石は、旋回層帯2において約850℃の温度
に予熱され、随意的であるが、還元性雰囲気のためにウ
ースタイトまで予備的に還元される。この予備還元過程
のために、予熱炉1で用いられる還元ガスは、十分な還
元力を得るために、少なくとも25%のCOとH2を含
むべきである。
【0031】続いて、予備加熱され、随意的に予備還元
された上記の微細鉱石は、好ましくは重力により、還元
炉8の中の旋回層または旋回ベッドへ流れる。微細鉱石
は、旋回層または旋回ベッドで、約850℃の温度でF
e段階にまで大きく還元される。この還元過程で、還元
ガスは少なくとも約68%のCO+H2の成分を有して
いる。
【0032】還元炉8では、微細鉱石のスクリーニング
が行われ、0.2mmより小さい部分は、還元ガスによ
り還元サイクロン31の中に入れられる。還元サイクロ
ン31で、0.2mmより小さい微細鉱石の完全な還元
が、サイクロン効果により、固体を分離しつつ起こる。
【0033】排出ワーム36を用いて還元炉8の旋回層
18から排出された、径のより小さい固体部分は、ガス
熔融化炉10に、流量調節装置39を介して酸素含有ガ
スの吹き込み面の領域に、N2インジェクタ33を用い
て、還元サイクロン31において分離された微細鉱石と
ともに供給される。
【0034】還元炉8のより低い部分からのより粗い固
体部分は、流量調節装置39を介して、かつ、N2イン
ジェクタ9を用いて、または、重力排出を用いて、熔融
ガス化炉10の中に、微細コークス流動ベッドIIIの領
域に、吹き動かされ、すなわち、装入される。
【0035】熱サイクロン25で分離されたダスト(主
にFeとCを含む)は、熔融ガス化炉10に、微細コー
クス流動ベッドIIIと粗コークス流動ベッドIIとの間の
領域に、N2インジェクタ29を用いて、または、酸素
ダストバーナを用いて、流量調節装置39を介して供給
される。
【0036】予備加熱と焙焼の目的のために、本方法に
おいて要求されるフラックスとしては、粗い粒子とし
て、好ましくは4mmと12.7mmの間に分布する粒
子径を有する粒子が、石炭の通路11を介して、装入さ
れ、微細な粒子として、好ましくは2mmと6.3mm
の間に分布する粒子径を有する粒子が、微細鉱石の通路
3を介して、装入される。
【0037】図2に示されるプラントでは、より長い還
元時間を必要とする微細鉱石に対して、第2の還元サイ
クロン31’を備える第2の(同様に、必要ならば第3
の)旋回層還元炉8’が、第1還元炉8に直列にすなわ
ち連続して設けられる。微細鉱石は、第2還元炉8’に
おいてウースタイト段階にまで還元され、第1還元炉8
でFe段階にまで還元される。
【0038】この場合、第2還元炉8’の旋回層18’
から排出ワーム36’を用いて出された固体部分は、第
2還元炉8’の下側領域からのより粗い固体部分ととも
に、重力により第1還元炉8の中に、装入される。第2
還元サイクロン31’にて分離された微細鉱石は、第1
還元サイクロン31にて分離された微細鉱石とともに、
溶解ガス化炉10に、N2インジェクタ33を用いて酸
素含有ガスの吹き込み面の領域に供給される。
【0039】2台の旋回層還元炉8、8’と2台の還元
炉サイクロン31、31’とを用いたとき、操業圧力
は、本システムにおける圧力損失を釣り合わせるには不
十分である。予熱炉1のために要求されるガス混合は、
コンプレッサ40を用いて、必要な圧力にされる。この
場合、第2還元サイクロン31’からのガスは、ガス清
浄装置41において清浄にされる。しかし、その後で
は、ガスの部分的な流れ(外部使用ガスとしてダクト4
2を通って引き出される部分)のみが圧縮され、混合室
43においてダクト44を通って供給される酸素含有ガ
スとほぼ混合される。続いて、還元ガスの部分的燃焼
が、要求される微細鉱石予熱温度を得るために、予熱炉
1において起こり得る。
【0040】銑鉄製造で得られた高品質の外部使用ガス
は、先に示したように、酸素を伴う流れまたは伴わない
流れの生成のために使用できる。図3に表される本発明
の好ましい実施の形態により、外部使用ガスは、CO2
清浄装置45と約850℃への予備加熱部46の後で、
以下のように、還元ガスとして再使用される。
【0041】熱いブリケット鉄を製造するために、銑鉄
を製造するために使用されたのと同じ仕様の微細鉱石
が、予備加熱され、銑鉄製造において使用されたのと同
じ塊状物として還元ガスにより還元される。少なくとも
1つの還元炉8からの完全に還元された粒子部分と還元
サイクロン31からの完全に還元された粒子部分は、そ
れぞれN2インジェクタ33を用いて、装入バンカー4
2に吹き出される。この代わりに、より粗い粒子部分
は、還元炉8の下側領域から装入バンカー47に重力排
出により装入できる。
【0042】この後で、約92%の金属化部分と少なく
とも750℃の温度を有する完全に還元された微細鉱石
は、重力により、制御可能モータを含む予備圧縮ワーム
48を介して、ロールブリケットプレス49に達する。
【0043】以下の例では、図1〜図3に示された実施
の形態によるプラントを操業して得られた、本発明によ
る方法の典型的な特性データが集められる。以下の表1
〜表4は、石炭の成分分析値、鉱石の成分分析値、微細
鉱石の粒子径分布、および、フラックスの成分分析値の
例を示す。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
【0047】
【表4】
【0048】図1に示したプラントにおいて、42トン
の銑鉄/時間の生産のために、42トンの石炭/時間が
29,000Nm3のO2/時間を用いてガス化される。
このための鉱石消費は、64トン/時間に達し、フラッ
クスの消費は14トン/時間である。
【0049】生産された銑鉄は、鉄の他に、表5に示す
成分を有する。
【表5】
【0050】外部使用ガスは、銑鉄プラントから87,
000Nm3/時間で発生し、その分析値は表6に示す
とおりである。
【表6】
【0051】さらに、図3による熱ブラケット鉄の製造
のための銑鉄プラントからの外部使用ガスを利用すると
き、29トン/時間の熱ブリケット鉄が生産できる。こ
のために必要な再利用ガスの量は、36,000Nm3
時間である。熱ブラケットのスポンジ鉄は、表7に示す
分析値を有する。
【表7】
【0052】熱ブラケット鉄製造用プラントからの外部
使用ガスの量は、79,000Nm3/時間であり、その
分析値は表8に示すとおりである。
【表8】
【0053】銑鉄プラントと熱ブラケット鉄製造用プラ
ントの必要な電力は、23MWである。熱ブラケット鉄
製造用プラントの後の外部使用ガスは、145MWの熱
出力に相当する。
【0054】
【発明の効果】本発明による方法の著しい効果は、鉄鉱
石の予熱が最終還元段階からの処理還元ガスを用いて行
えることである。これに対し、米国特許第US−A5,
082,251号によれば、外部のガスを供給して行っ
ていて、当然、コストが高い。また、本発明によるガス
制御の他の効果は、予備還元が、予熱に加えて、還元雰
囲気により行えることであり、したがって、還元ガスの
特に効果的な利用が確実になされる。
【0055】本発明においては、装入物質が、安定なあ
るいは循環する流動ベッドにおいて、すなわち、たとえ
ば斜めの流れにおいて、処理される。これにより、微細
な鉱石や微細な鉱石ダストが、改善されたエネルギー利
用のために経済的に処理できる。本発明によれば、還元
が、予熱によっても実行される。本発明による多ステッ
プの旋回層を用いて、追加のエネルギーを用いずに、還
元ガスの最適な使用が可能になった。さらに、同様に旋
回層法を用いて微細鉱石を含む装入物質を還元して、ブ
リケット鉄が製造できるが、ここでも、最終還元段階か
らの処理還元ガスを用いて、効率的に装入物質の予熱が
行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるプラントの第1の実施の形態を
図式的に示す図である。
【図2】 本発明によるプラントの第2の実施の形態を
図式的に示す図である。
【図3】 本発明によるプラントの第3の実施の形態を
図式的に示す図である。
【符号の説明】
1…予熱炉、 2…予熱帯、 3…微細鉱石装入ダク
ト、6…ガスダクト、 7…第1搬送ダクト、 8、
8’…還元炉、9…圧縮流体搬送ダクト、 10…熔融
ガス化炉、11、12…供給ダクト、 13…銑鉄、
14…スラグ、14、15…タップ、 17…第1ガス
ダクト、18、18’…還元帯(旋回層)、 19…円
錐状転移部分、23…還元炉の下側部分、 25…熱サ
イクロン、29…インジェクタ、 30…ガスダクト、
31…還元サイクロン、 33…インジェクタ、36…
微細物排出手段、 37…搬送ダクト、39…流量調節
装置、 45…ガス清浄装置、 46…加熱手段、4
8、49…圧縮・ブリケット化手段、I、II、III、IV
…熔融ガス化帯、I…固定ベッド、 II…微細コークス
流動ベッド、III…粗コークス流動ベッド。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F27B 15/10 F27B 15/10 15/14 15/14 F27D 3/10 F27D 3/10 13/00 13/00 F (71)出願人 593194731 リサーチ・インスティテュート・オブ・イ ンダストリアル・サイエンス・アンド・テ クノロジー・インコーポレイテッド・ファ ウンデイション Research Institute of Industrial Scien ce & Technology, In corporated Foundati on 大韓民国ポハン、ヒョジャドン、サン32番 (71)出願人 592000691 ポハン アイアン アンド スチール カ ンパニー リミテッド 大韓民国キョンサンブクード、ポハンシテ ィ、ゲードンドン 1 (72)発明者 ヴェルナー・ケップリンガー オーストリア、アー−4060レオンディン グ、ラーホルトシュトラーセ7番 (72)発明者 パナイオティス・マツァヴラコス オーストリア、アー−4020リンツ、シフマ ンシュトラーセ30番 (72)発明者 ヨハネス・シェンク オーストリア、アー−4040リンツ、クナー ベンゼミナールシュトラーセ8番 (72)発明者 ディーター・シウカ オーストリア、アー−4501ノイホーフェ ン、リンツァーシュトラーセ16番 (72)発明者 クリスティアン・ベーム オーストリア、アー−4600ヴェルス、シュ タットプラッツ5番

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熔融銑鉄または熔融鋼前段階生産物の製
    造法において、 (a) 鉄鉱石とフラックスとからなり、少なくとも部
    分的に微細物を含む第1装入物資を第1予熱帯の旋回層
    で予熱し、 (b) 予熱された第1装入物質を第1還元帯の旋回層
    で直接に還元して、スポンジ鉄を生成し、 (c) スポンジ鉄を炭素担体と酸素含有ガスの存在の
    下で熔融し、COとH 2を含む還元ガスを生成し、 (d) 還元ガスを第1還元帯に供給して前記の予熱さ
    れた第1装入物質と反応させて、炉頂ガスを生成し、 (e) 炉頂ガスを第1予熱帯に向け第1挿入物質を予
    熱し、第2予熱帯から加熱されたガスを外部使用ガスと
    して取り出し、 (f) 鉄鉱石を含む第2装入物質を第2予熱帯で予熱
    し、 (g) 予熱された第2装入物質を第2還元帯の旋回層
    で外部使用ガスで実質的に還元し、 (h) 前記の外部使用ガスを取り出して、加熱し、前
    記の第2還元帯を通して旋回層を生成し、そこを流した
    後で旋回層から取り出し、 (i) 第2還元帯で還元された第2挿入物質を圧縮し
    てブリケット化し、 (j) 第2還元帯から取り出したガスを第2予熱帯に
    供給し部分的に燃焼して温度を上昇して旋回層を形成す
    る熔融銑鉄または熔融鋼前段階生産物の製造法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された製造法において、 外部使用ガスを第2還元帯に通す前に、外部使用ガスの
    CO2清浄化と加熱をすることを特徴とする製造法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載された製造法において、 第2予熱帯を出ていく外部使用ガスが、第2還元帯を出
    て行くガスの一部と混合し、CO2清浄化の後で、ブリ
    ケット鉄の製造のために使用することを特徴とする製造
    法。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載された製造法において、 CO2清浄化の前に、外部取出ガスを炉頂ガスの1部と
    混合することを特徴とする製造法。
  5. 【請求項5】 請求項2に記載された製造法において、 外部使用ガスからCO2清浄化をした後で、外部使用ガ
    スを加熱することを特徴とする製造法。
  6. 【請求項6】 請求項1から請求項5のいずれかに記載
    された製造法において、 還元された装入物質を、N2インジェクタにより装入バ
    ンカーに入れ、装入バンカーからブリケット鉄の製造の
    ため供給することを特徴とする製造法。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載された製造法において、 還元された装入物質を第2還元帯の下側領域から重力に
    より装入バンカーに排出することを特徴とする製造法。
  8. 【請求項8】 鉄鉱石とフラックスとからなり、少なく
    とも部分的に微細物を含む第1装入物質を旋回層で直接
    にスポンジ鉄に還元する、少なくとも1つの第1還元炉
    と、 流動ベッドと固定ベッドとを備え、銑鉄または鋼前段階
    物質とスラグのための出口を備え、炭素担体と酸素含有
    ガスの供給の下でスポンジ鉄を熔融して還元ガスを生成
    する熔融ガス化炉と、 前記の第1還元炉の上流に配置され、還元ガスを装入物
    質と反応して外部使用ガスを得る第1予熱炉と、 前記の第1還元炉に装入物質を搬送する第1搬送ダクト
    と、 前記の熔融ガス化炉から前記の第1還元炉に還元ガスを
    供給する第1ガスダクトと、 前記の第1還元炉において形成されたスポンジ鉄を、前
    記の溶融ガス化炉の前記の流動ベッドと前記の固定ベッ
    ドの少なくとも一方に搬送する第2搬送ダクトと、 前記の第1還元炉から前記の前記の第1予熱炉へ還元ガ
    スを供給する第2ガスダクトと、 酸素含有ガスと炭素をそれぞれ熔融ガス化炉に供給する
    供給手段と、 鉄鉱石を含む第2装入物質を流動ベッドで予熱する第2
    予熱炉と、 還元ガスを第1予熱炉から取り出して第2予熱炉に外部
    使用ガスとして供給する第3ガスダクトと、 予熱された第2装入物質を、外部使用ガスを用いて生成
    した旋回層で実質的に還元し、使用後の外部使用ガスを
    第2予熱帯に供給する第2還元炉と、 第2還元炉からガスを第2予熱炉に供給し、第2予熱炉
    で部分的に燃焼して温度を上昇して旋回層を形成するた
    めの第4ガスダクトと、 予熱された装入物質を第2予熱炉から第2還元炉に搬送
    する第3搬送ダクトと、 還元炉で還元された装入物質をブリケット化手段に搬送
    する第4搬送ダクトと、 第2還元炉で還元された第2挿入物質を圧縮してブリケ
    ット化するブリケット化手段とからなる熔融銑鉄または
    熔融鋼前段階生産物を製造するプラント。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載されたプラントにおい
    て、 CO2ガス清浄装置と加熱手段が第3ダクトの途中に配
    置されることを特徴とするプラント。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載されたプラントにおい
    て、 さらに、第2還元炉と第3ガスダクトとの間でつなぐ第
    5ガスダクトを備え、第5ガスダクトは、第2還元炉か
    ら第3ガスダクトにガスを供給して、そのガスを外部取
    出ガスと混合してCO2清浄化装置へ送ることを特徴と
    するプラント。
  11. 【請求項11】 請求項9に記載されたプラントにおい
    て、 第2還元炉は、円筒状の下部と、この下部より大きい直
    径の円筒状の上部と、円錐状の移行部とを備え、前記の
    第3ガスダクトが、この移行部に外部取出ガスを供給す
    ることを特徴とするプラント。
  12. 【請求項12】 請求項9に記載されたプラントにおい
    て、 さらに、第2還元炉が備える微細物排出手段からブリケ
    ット化手段へ微細物を搬送する微細物搬送手段を備える
    ことを特徴とするプラント。
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