JP2001152095A - 塗料組成物 - Google Patents
塗料組成物Info
- Publication number
- JP2001152095A JP2001152095A JP33752699A JP33752699A JP2001152095A JP 2001152095 A JP2001152095 A JP 2001152095A JP 33752699 A JP33752699 A JP 33752699A JP 33752699 A JP33752699 A JP 33752699A JP 2001152095 A JP2001152095 A JP 2001152095A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- powder
- silicone
- silicone rubber
- resin
- weight
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Paints Or Removers (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 組成物成分のシリコーン粉末の分散性が良好
で、艶消し性、滑り性に優れ、柔らかな感触の塗膜が得
られ、その塗膜が接触する材料を傷つけることがなく、
紙、プラスチックフィルム、プラスチック、ゴム、金属
などの塗料、コーティング剤として好適な塗料組成物。 【解決手段】 シリコーンゴム球状微粒子にポリオルガ
ノシルセスキオキサン樹脂を被覆した複合シリコーン粉
末を配合してなる塗料組成物。
で、艶消し性、滑り性に優れ、柔らかな感触の塗膜が得
られ、その塗膜が接触する材料を傷つけることがなく、
紙、プラスチックフィルム、プラスチック、ゴム、金属
などの塗料、コーティング剤として好適な塗料組成物。 【解決手段】 シリコーンゴム球状微粒子にポリオルガ
ノシルセスキオキサン樹脂を被覆した複合シリコーン粉
末を配合してなる塗料組成物。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紙、プラスチック
フィルム、プラスチック成形体、ゴム、金属などの基材
表面に塗布して形成される塗膜に、離型性、滑り性、ブ
ロッキング防止性、耐摩耗性、艶消し性、柔らかい感触
等を付与する塗料組成物に関する。
フィルム、プラスチック成形体、ゴム、金属などの基材
表面に塗布して形成される塗膜に、離型性、滑り性、ブ
ロッキング防止性、耐摩耗性、艶消し性、柔らかい感触
等を付与する塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】塗料の塗布後に形成される塗膜に離型
性、滑り性、ブロッキング防止性、耐摩耗性、艶消し性
等を付与する目的で、塗料に硬化したシリコーンレジン
粉末を添加する方法が提案されている。例えば、表面処
理剤にポリメチルシルセスキオキサン粉末を配合し、滑
り性を付与する方法(特開昭63−248860号公
報)、エポキシ樹脂コーティング剤にポリメチルシルセ
スキオキサン粉末を配合し、滑り性を付与する方法(特
開昭61−159461号公報)、ウレタン樹脂塗料に
シリコーンレジン粉末を配合し、滑り性を向上させる方
法(特開平11−33481号公報、特開平11−34
201号公報)、フラン樹脂塗料にシリコーンレジン粉
末を配合し、耐湿性を向上させる方法(特開平8−92
527号公報)、シリコーン樹脂塗料にポリメチルシル
セスキオキサン粉末を配合し、艶消し性を付与する方法
(特開昭61−159463号公報、特開昭61−15
9467号公報、特開昭63−8461号公報)、シリ
コーン表面処理剤にポリメチルシルセスキオキサン粉末
を配合し、滑り性及び艶消し性を付与する方法(特開昭
61−159427号公報)、フィルムの表面処理剤に
ポリメチルシルセスキオキサン粉末を配合し、表面滑り
性を付与する方法(特開昭63−248860号公
報)、建築用の化粧紙の表面塗工液にポリメチルシルセ
スキオキサン粉末を配合し、防汚染性及び耐摩耗性を付
与する方法(特開平10−258485号公報)、オー
バーヘッドプロジェクター用透明フィルムの表面塗工液
にポリメチルシルセスキオキサン粉末を配合し、滑り性
を付与する方法(特開平2−9632号公報)、カセッ
トテープ用スリップシートの帯電防止塗料にシリコーン
レジン粉末を配合し、滑り性を向上させる方法(特開平
4−163038号公報)、感熱記録紙の表面塗工液に
シリコーンレジン粉末を配合し、スティッキング防止
性、ヘッドマッチング性等を付与する方法(特開昭62
−156990号公報、特開平3−49986号公
報)、熱転写記録媒体シートの表面塗工液にシリコーン
レジン粉末を配合し、スティッキング防止性、ブロッキ
ング防止性、転写画像の耐摩耗性等を付与する方法(特
開昭62−121093号公報、特開昭62−2387
92号公報、特開平3−86594号公報等)、転写紙
の表面塗工液にシリコーンレジン粉末を配合し、スティ
ッキング防止性、ブロッキング防止性、艶消し性、イン
ク吸収性等を付与する方法(特開平1−176588号
公報、特開平1−241491号公報、特開平2−37
362号公報、特開平8−216501号公報、特開平
9−226231号公報)、磁気記録テープのバックコ
ート層塗料にシリコーンレジン粉末を配合し、滑り性、
耐摩耗性等を付与する方法(特開昭60−193129
号公報、特開昭60−263316号公報等)、磁気テ
ープや磁気ディスクの支持体と磁性層間に塗布する塗料
にシリコーンレジン粉末を配合し、滑り性、耐摩耗性等
を付与する方法(特開平4−79012号公報等)等が
提案されている。しかし、シリコーンレジン粉末を配合
した塗料組成物は、離型性、滑り性、ブロッキング防止
性、耐摩耗性、艶消し性等に優れた塗膜は得られるが、
接触する材料を傷付けたり、摩耗させたりする問題点が
ある。また、シリコーンレジン粉末は真比重が大きいた
め、塗料組成物中のシリコーンレジン粉末が沈殿しやす
いという問題点がある。
性、滑り性、ブロッキング防止性、耐摩耗性、艶消し性
等を付与する目的で、塗料に硬化したシリコーンレジン
粉末を添加する方法が提案されている。例えば、表面処
理剤にポリメチルシルセスキオキサン粉末を配合し、滑
り性を付与する方法(特開昭63−248860号公
報)、エポキシ樹脂コーティング剤にポリメチルシルセ
スキオキサン粉末を配合し、滑り性を付与する方法(特
開昭61−159461号公報)、ウレタン樹脂塗料に
シリコーンレジン粉末を配合し、滑り性を向上させる方
法(特開平11−33481号公報、特開平11−34
201号公報)、フラン樹脂塗料にシリコーンレジン粉
末を配合し、耐湿性を向上させる方法(特開平8−92
527号公報)、シリコーン樹脂塗料にポリメチルシル
セスキオキサン粉末を配合し、艶消し性を付与する方法
(特開昭61−159463号公報、特開昭61−15
9467号公報、特開昭63−8461号公報)、シリ
コーン表面処理剤にポリメチルシルセスキオキサン粉末
を配合し、滑り性及び艶消し性を付与する方法(特開昭
61−159427号公報)、フィルムの表面処理剤に
ポリメチルシルセスキオキサン粉末を配合し、表面滑り
性を付与する方法(特開昭63−248860号公
報)、建築用の化粧紙の表面塗工液にポリメチルシルセ
スキオキサン粉末を配合し、防汚染性及び耐摩耗性を付
与する方法(特開平10−258485号公報)、オー
バーヘッドプロジェクター用透明フィルムの表面塗工液
にポリメチルシルセスキオキサン粉末を配合し、滑り性
を付与する方法(特開平2−9632号公報)、カセッ
トテープ用スリップシートの帯電防止塗料にシリコーン
レジン粉末を配合し、滑り性を向上させる方法(特開平
4−163038号公報)、感熱記録紙の表面塗工液に
シリコーンレジン粉末を配合し、スティッキング防止
性、ヘッドマッチング性等を付与する方法(特開昭62
−156990号公報、特開平3−49986号公
報)、熱転写記録媒体シートの表面塗工液にシリコーン
レジン粉末を配合し、スティッキング防止性、ブロッキ
ング防止性、転写画像の耐摩耗性等を付与する方法(特
開昭62−121093号公報、特開昭62−2387
92号公報、特開平3−86594号公報等)、転写紙
の表面塗工液にシリコーンレジン粉末を配合し、スティ
ッキング防止性、ブロッキング防止性、艶消し性、イン
ク吸収性等を付与する方法(特開平1−176588号
公報、特開平1−241491号公報、特開平2−37
362号公報、特開平8−216501号公報、特開平
9−226231号公報)、磁気記録テープのバックコ
ート層塗料にシリコーンレジン粉末を配合し、滑り性、
耐摩耗性等を付与する方法(特開昭60−193129
号公報、特開昭60−263316号公報等)、磁気テ
ープや磁気ディスクの支持体と磁性層間に塗布する塗料
にシリコーンレジン粉末を配合し、滑り性、耐摩耗性等
を付与する方法(特開平4−79012号公報等)等が
提案されている。しかし、シリコーンレジン粉末を配合
した塗料組成物は、離型性、滑り性、ブロッキング防止
性、耐摩耗性、艶消し性等に優れた塗膜は得られるが、
接触する材料を傷付けたり、摩耗させたりする問題点が
ある。また、シリコーンレジン粉末は真比重が大きいた
め、塗料組成物中のシリコーンレジン粉末が沈殿しやす
いという問題点がある。
【0003】一方、塗料組成物にシリコーンゴム粉末を
配合し、塗膜に離型性、艶消し性、滑り性、耐摩耗性、
柔らかい感触等を付与する方法(特開昭62−2518
0号公報、特開平2−113079号公報、特開平4−
76070号公報、特開平4−76071号公報、特開
平11−5947号公報)、フラン樹脂塗料にシリコー
ンゴム粉末を配合し、耐湿性を向上させる方法(特開平
8−92527号公報)、熱転写記録媒体シートの表面
塗工液にシリコーンゴム粉末を配合し、スティッキング
防止性を付与する方法(特開平5−16548号公
報)、転写紙の中間層塗工液にシリコーンゴム粉末を配
合し、クッション性、断熱性を付与する方法(特開平6
−270557号公報)、転写紙の表面塗工液にシリコ
ーンゴム粉末を配合し、ブロッキング防止性、断熱性を
付与する方法(特開平6−286351号公報)、磁気
ディスクの磁性層塗料にシリコーンゴム粉末を配合し、
滑り性を付与する方法(特開平4−17114号公報)
等が提案されている。これらシリコーンゴム粉末を配合
した塗料組成物は、シリコーンレジン粉末を配合する場
合とは異なり、その塗膜が接触する材料を傷つけたり、
摩耗させたりする問題点や沈澱しやすいという問題点は
なく、柔らかい感触の塗膜を与える利点はあるが、滑り
性、ブロッキング防止性、耐摩耗性が不十分であり、更
に、シリコーンゴム粉末はそれ自体、凝集性が強く塗料
に均一に分散させることが困難であるという問題があ
る。塗料へのシリコーンゴム粉末の分散性を改良するた
めに、金属酸化物粒子をシリコーンゴムで被覆したシリ
コーンゴム粒子を塗料に配合する方法(特開平4−35
3576号公報)が提案されているが、滑り性が損なわ
れてしまう。また、シリコーンゴムの水性分散液を塗料
に配合する方法(特開平5−9409号公報)が提案さ
れているが、水性塗料組成物に限定されるという欠点が
ある。
配合し、塗膜に離型性、艶消し性、滑り性、耐摩耗性、
柔らかい感触等を付与する方法(特開昭62−2518
0号公報、特開平2−113079号公報、特開平4−
76070号公報、特開平4−76071号公報、特開
平11−5947号公報)、フラン樹脂塗料にシリコー
ンゴム粉末を配合し、耐湿性を向上させる方法(特開平
8−92527号公報)、熱転写記録媒体シートの表面
塗工液にシリコーンゴム粉末を配合し、スティッキング
防止性を付与する方法(特開平5−16548号公
報)、転写紙の中間層塗工液にシリコーンゴム粉末を配
合し、クッション性、断熱性を付与する方法(特開平6
−270557号公報)、転写紙の表面塗工液にシリコ
ーンゴム粉末を配合し、ブロッキング防止性、断熱性を
付与する方法(特開平6−286351号公報)、磁気
ディスクの磁性層塗料にシリコーンゴム粉末を配合し、
滑り性を付与する方法(特開平4−17114号公報)
等が提案されている。これらシリコーンゴム粉末を配合
した塗料組成物は、シリコーンレジン粉末を配合する場
合とは異なり、その塗膜が接触する材料を傷つけたり、
摩耗させたりする問題点や沈澱しやすいという問題点は
なく、柔らかい感触の塗膜を与える利点はあるが、滑り
性、ブロッキング防止性、耐摩耗性が不十分であり、更
に、シリコーンゴム粉末はそれ自体、凝集性が強く塗料
に均一に分散させることが困難であるという問題があ
る。塗料へのシリコーンゴム粉末の分散性を改良するた
めに、金属酸化物粒子をシリコーンゴムで被覆したシリ
コーンゴム粒子を塗料に配合する方法(特開平4−35
3576号公報)が提案されているが、滑り性が損なわ
れてしまう。また、シリコーンゴムの水性分散液を塗料
に配合する方法(特開平5−9409号公報)が提案さ
れているが、水性塗料組成物に限定されるという欠点が
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、上記問題点を踏まえ、各種基材表面に塗布
して形成される塗膜に優れた離型性、滑り性、ブロッキ
ング防止性、耐摩耗性、分散性、さらには柔らかい感触
を付与することができる塗料組成物を提供しようとする
ことにある。
する課題は、上記問題点を踏まえ、各種基材表面に塗布
して形成される塗膜に優れた離型性、滑り性、ブロッキ
ング防止性、耐摩耗性、分散性、さらには柔らかい感触
を付与することができる塗料組成物を提供しようとする
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、シリコ
ーンゴム球状微粒子にポリオルガノシルセスキオキサン
樹脂を被覆した複合シリコーン粉末を配合してなる塗料
組成物であり、この複合シリコーン粉末は平均粒径0.
1〜100μmのシリコーンゴム球状微粒子100重量
部にポリオルガノシルセスキオキサン1〜500重量部
を被覆したものである。これらの複合シリコーン粉末は
平均粒径0.1〜100μmのシリコーンゴム球状微粒
子の分散液に、アルカリ性物質又はアルカリ性水溶液
と、オルガノトリアルコキシシランを添加し、これを加
水分解、縮合重合させて、生成したポリオルガノシルセ
スキオキサンでシリコーンゴム球状微粒子表面を被覆し
た後、乾燥することによって得られる。
ーンゴム球状微粒子にポリオルガノシルセスキオキサン
樹脂を被覆した複合シリコーン粉末を配合してなる塗料
組成物であり、この複合シリコーン粉末は平均粒径0.
1〜100μmのシリコーンゴム球状微粒子100重量
部にポリオルガノシルセスキオキサン1〜500重量部
を被覆したものである。これらの複合シリコーン粉末は
平均粒径0.1〜100μmのシリコーンゴム球状微粒
子の分散液に、アルカリ性物質又はアルカリ性水溶液
と、オルガノトリアルコキシシランを添加し、これを加
水分解、縮合重合させて、生成したポリオルガノシルセ
スキオキサンでシリコーンゴム球状微粒子表面を被覆し
た後、乾燥することによって得られる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳しく説明
する。本発明に使用される塗料は、従来公知の塗料であ
り、硬化して塗膜を形成するものであればよく、特に限
定されない。塗料の主成分である塗膜形成樹脂として使
用されるものを列挙すると、アルキド樹脂、アミノアル
キド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル
樹脂、スチレン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポ
リエステル、ポリビニルアセタール、フェノール樹脂、
尿素メラミン樹脂、メラミン樹脂、キシレン樹脂、ポリ
アミド、ポリブタジエン、ポリエーテルグリコール、フ
ッ素樹脂、シリコーン樹脂、セルロース、ポリビニルア
ルコール、ポリアクリル酸等が挙げられる。塗料の形態
としては、有機溶剤系、水溶性系、エマルジョン系、非
水ディスパージョン系、液体系、粉体系等が挙げられ
る。
する。本発明に使用される塗料は、従来公知の塗料であ
り、硬化して塗膜を形成するものであればよく、特に限
定されない。塗料の主成分である塗膜形成樹脂として使
用されるものを列挙すると、アルキド樹脂、アミノアル
キド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル
樹脂、スチレン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポ
リエステル、ポリビニルアセタール、フェノール樹脂、
尿素メラミン樹脂、メラミン樹脂、キシレン樹脂、ポリ
アミド、ポリブタジエン、ポリエーテルグリコール、フ
ッ素樹脂、シリコーン樹脂、セルロース、ポリビニルア
ルコール、ポリアクリル酸等が挙げられる。塗料の形態
としては、有機溶剤系、水溶性系、エマルジョン系、非
水ディスパージョン系、液体系、粉体系等が挙げられ
る。
【0007】本発明の塗料組成物に対して、その他の添
加剤として、シランカップリング剤等の接着促進剤、シ
リカ等の無機充填剤、各種顔料、染料、潤滑剤、紫外線
吸収剤、帯電防止剤、防錆剤、難燃剤、分散剤、増粘
剤、消泡剤等公知の添加剤を配合することは任意であ
る。
加剤として、シランカップリング剤等の接着促進剤、シ
リカ等の無機充填剤、各種顔料、染料、潤滑剤、紫外線
吸収剤、帯電防止剤、防錆剤、難燃剤、分散剤、増粘
剤、消泡剤等公知の添加剤を配合することは任意であ
る。
【0008】本発明において使用される複合シリコーン
粉末の製造方法は特開平7−196815号公報に記載
されているが、これは平均粒径0.1〜100μmのシ
リコーンゴム球状微粒子にポリオルガノシルセスキオキ
サンを被覆してなるものである。このシリコーンゴム球
状微粒子は、平均粒径が0.1μm未満では塗膜の滑り
性、耐摩耗性、艶消し性が低下するし、100μmを超
えると塗膜の強度、耐摩耗性が低下するので、平均粒径
が0.1〜100μmであることが好ましく、より好ま
しい範囲は1〜30μmである。
粉末の製造方法は特開平7−196815号公報に記載
されているが、これは平均粒径0.1〜100μmのシ
リコーンゴム球状微粒子にポリオルガノシルセスキオキ
サンを被覆してなるものである。このシリコーンゴム球
状微粒子は、平均粒径が0.1μm未満では塗膜の滑り
性、耐摩耗性、艶消し性が低下するし、100μmを超
えると塗膜の強度、耐摩耗性が低下するので、平均粒径
が0.1〜100μmであることが好ましく、より好ま
しい範囲は1〜30μmである。
【0009】本発明におけるポリオルガノシルセスキオ
キサンはシリコーンゴム球状微粒子の全表面を均一に被
覆していても、あるいは、表面の一部を被覆していても
よいが、このポリオルガノシルセスキオキサンの被覆量
はシリコーンゴム球状微粒子100重量部に対し1重量
部未満では、複合シリコーン粉末の塗料への分散性が悪
くなり、均一な塗膜を得ることができなくなるし、これ
が500重量部を超えると塗膜の柔らかな感触が乏しく
なり、また、塗膜が接触する材料を傷を付けたり、摩耗
させたり、さらにはシリコーン複合粉末が沈殿しやすく
なるので、1〜500重量部であることが好ましく、よ
り好ましくは2〜100重量部である。
キサンはシリコーンゴム球状微粒子の全表面を均一に被
覆していても、あるいは、表面の一部を被覆していても
よいが、このポリオルガノシルセスキオキサンの被覆量
はシリコーンゴム球状微粒子100重量部に対し1重量
部未満では、複合シリコーン粉末の塗料への分散性が悪
くなり、均一な塗膜を得ることができなくなるし、これ
が500重量部を超えると塗膜の柔らかな感触が乏しく
なり、また、塗膜が接触する材料を傷を付けたり、摩耗
させたり、さらにはシリコーン複合粉末が沈殿しやすく
なるので、1〜500重量部であることが好ましく、よ
り好ましくは2〜100重量部である。
【0010】本発明における複合シリコーン粉末の製法
は、前記特開平7−196815号記載の方法に従って
行えばよい。即ち、平均粒径が0.1〜100μmのシ
リコーンゴム球状微粒子の水分散液に、アルカリ性物質
またはアルカリ性水溶液と、オルガノトリアルコキシシ
ランを添加し、オルガノトリアルコキシシランを加水分
解、縮合重合させることにより生成したポリオルガノシ
ルセスキオキサンでシリコーンゴム球状微粒子表面を被
覆する。次いで、これを乾燥して本発明における複合シ
リコーン粉末を製造することができる。以下これについ
て詳しく説明する。
は、前記特開平7−196815号記載の方法に従って
行えばよい。即ち、平均粒径が0.1〜100μmのシ
リコーンゴム球状微粒子の水分散液に、アルカリ性物質
またはアルカリ性水溶液と、オルガノトリアルコキシシ
ランを添加し、オルガノトリアルコキシシランを加水分
解、縮合重合させることにより生成したポリオルガノシ
ルセスキオキサンでシリコーンゴム球状微粒子表面を被
覆する。次いで、これを乾燥して本発明における複合シ
リコーン粉末を製造することができる。以下これについ
て詳しく説明する。
【0011】前記シリコーンゴム球状微粒子の水分散液
は、(a)1分子中に珪素原子に結合したビニル基を少
なくとも2個有するオルガノポリシロキサンと(b)1
分子中に珪素原子に結合した水素原子を少なくとも2個
有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンの所定量
を混合し、これに水と界面活性剤を添加し、混合してエ
マルジョンとする。次いで、これに(c)白金系触媒を
添加しオルガノポリシロキサンを硬化させ、シリコーン
ゴム球状微粒子の水分散液とする。
は、(a)1分子中に珪素原子に結合したビニル基を少
なくとも2個有するオルガノポリシロキサンと(b)1
分子中に珪素原子に結合した水素原子を少なくとも2個
有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンの所定量
を混合し、これに水と界面活性剤を添加し、混合してエ
マルジョンとする。次いで、これに(c)白金系触媒を
添加しオルガノポリシロキサンを硬化させ、シリコーン
ゴム球状微粒子の水分散液とする。
【0012】次いで、シリコーンゴム球状微粒子の水分
散液にアルカリ性物質又はアルカリ性水溶液と、オルガ
ノトリアルコキシシランを添加し、これを加水分解、縮
合重合させ、生成したポリオルガノシルセスキオキサン
でシリコーンゴム球状微粒子表面を被覆する。上記アル
カリ性物質又はアルカリ性水溶液としてはオルガノトリ
アルコキシシランの加水分解及び縮合重合反応の触媒作
用を有するものである限り任意のものでよい。上記オル
ガノトリアルコキシシランは一般式RSi(OR1)3で
表されるもので、これらの単独または2種以上を組合わ
せて使用できる(ここで、Rは1価の有機基、R1は炭
素数1〜6のアルキル基である)。
散液にアルカリ性物質又はアルカリ性水溶液と、オルガ
ノトリアルコキシシランを添加し、これを加水分解、縮
合重合させ、生成したポリオルガノシルセスキオキサン
でシリコーンゴム球状微粒子表面を被覆する。上記アル
カリ性物質又はアルカリ性水溶液としてはオルガノトリ
アルコキシシランの加水分解及び縮合重合反応の触媒作
用を有するものである限り任意のものでよい。上記オル
ガノトリアルコキシシランは一般式RSi(OR1)3で
表されるもので、これらの単独または2種以上を組合わ
せて使用できる(ここで、Rは1価の有機基、R1は炭
素数1〜6のアルキル基である)。
【0013】本発明における複合シリコーン粉末の配合
量は、塗料組成物の用途によって異なり、それぞれの用
途における塗膜に要求される特性を考慮し決定される
が、一般的には塗料の固形分100重量部に対して0.
1重量部未満では、複合シリコーン粉末を配合すること
による特性が十分に発現されない。また、150重量部
を超えると塗膜の強度、耐摩耗性が低下するので、塗料
の固形分100重量部に対して0.1〜150重量部が
好ましく、より好ましくは1〜100重量部である。
量は、塗料組成物の用途によって異なり、それぞれの用
途における塗膜に要求される特性を考慮し決定される
が、一般的には塗料の固形分100重量部に対して0.
1重量部未満では、複合シリコーン粉末を配合すること
による特性が十分に発現されない。また、150重量部
を超えると塗膜の強度、耐摩耗性が低下するので、塗料
の固形分100重量部に対して0.1〜150重量部が
好ましく、より好ましくは1〜100重量部である。
【0014】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらによってのみ限定されるもの
ではない。なお、実施例における粘度は25℃における
測定値である。また、実施例中の%は全て重量%であ
る。
明するが、本発明はこれらによってのみ限定されるもの
ではない。なお、実施例における粘度は25℃における
測定値である。また、実施例中の%は全て重量%であ
る。
【0015】[製造例1] (シリコーンゴム球状微粒子の調製)下記式(化1)で
示される、粘度が600cStのメチルビニルシロキサ
ン500gと下記式(化2)で示される、粘度が30c
Stのメチルハイドロジェンポリシロキサン20gとを
容量1リットルのガラスビーカーに仕込み、ホモミキサ
ーを用いて2,000rpmで撹拌した後、ポリオキシ
エチレン(付加モル数=9モル)オクチルフェニルエー
テル5g、水150gを加えて6,000rpmで撹拌
を継続したところ、転相が起こり増粘が認められたが、
更に、そのまま2,000rpmで撹拌しながら水32
5gを加えると、水中油型エマルションが得られた。次
いで、このエマルションを錨型撹拌翼付撹拌機を備えた
ガラスフラスコに移し、室温で撹拌しながら塩化白金酸
−オレフィン錯体のトルエン溶液(白金含有量0.5重
量%)1gとポリオキシエチレン(付加モル数=9モ
ル)オクチルフェニルエーテル5gの混合物を添加し、
12時間反応させたところ、シリコーンゴム球状微粒子
の水分散液1(以下、水分散液1と略称する)が得られ
た。この水分散液1中の粒子の平均粒径をマルチサイザ
ーII(コールターエレクトロニクス社製)を用いて測定
したところ3μmであった。
示される、粘度が600cStのメチルビニルシロキサ
ン500gと下記式(化2)で示される、粘度が30c
Stのメチルハイドロジェンポリシロキサン20gとを
容量1リットルのガラスビーカーに仕込み、ホモミキサ
ーを用いて2,000rpmで撹拌した後、ポリオキシ
エチレン(付加モル数=9モル)オクチルフェニルエー
テル5g、水150gを加えて6,000rpmで撹拌
を継続したところ、転相が起こり増粘が認められたが、
更に、そのまま2,000rpmで撹拌しながら水32
5gを加えると、水中油型エマルションが得られた。次
いで、このエマルションを錨型撹拌翼付撹拌機を備えた
ガラスフラスコに移し、室温で撹拌しながら塩化白金酸
−オレフィン錯体のトルエン溶液(白金含有量0.5重
量%)1gとポリオキシエチレン(付加モル数=9モ
ル)オクチルフェニルエーテル5gの混合物を添加し、
12時間反応させたところ、シリコーンゴム球状微粒子
の水分散液1(以下、水分散液1と略称する)が得られ
た。この水分散液1中の粒子の平均粒径をマルチサイザ
ーII(コールターエレクトロニクス社製)を用いて測定
したところ3μmであった。
【0016】
【化1】
【0017】
【化2】
【0018】(複合シリコーン粉末1の調製)3リット
ルのガラスフラスコに水2,290g、前記水分散液1
を580g、アンモニア水(濃度28%)60gを仕込
み、水温10℃、回転数200rpmで錨型撹拌翼付撹
拌機で撹拌した。このときのpHは11.2であった。
この液にメチルトリメトキシシラン65gを20分かけ
て滴下し、この間、液温を5〜15℃に保ち、更に、1
時間反応させた後、55〜60℃まで昇温させ、引き続
き1時間撹拌し、得られた液を加圧濾過器を用いて脱
水、濾過し、水分約50%のケーキ状物とした。次い
で、このケーキ状物を熱風循環乾燥機中で105℃で乾
燥し、次いで、乾燥物をジェットミルで解砕した。得ら
れた複合シリコーン粉末を光学顕微鏡で観察したとこ
ろ、球状であることが確認された。この複合シリコーン
粉末を界面活性剤ポリオキシエチレン(付加モル数=
9)オクチルフェニルエーテルを用いて水中に分散さ
せ、その平均粒径をマルチサイザーIIを用いて測定した
ところ3μmであった。また、この複合シリコーン粉末
は重量分析により、シリコーンゴム球状微粒子100重
量部の表面にオルガノシルセスキオキサン樹脂の10重
量部が被覆されたものであることがわかった。得られた
複合シリコーン粉末を複合シリコーン粉末1とする。
ルのガラスフラスコに水2,290g、前記水分散液1
を580g、アンモニア水(濃度28%)60gを仕込
み、水温10℃、回転数200rpmで錨型撹拌翼付撹
拌機で撹拌した。このときのpHは11.2であった。
この液にメチルトリメトキシシラン65gを20分かけ
て滴下し、この間、液温を5〜15℃に保ち、更に、1
時間反応させた後、55〜60℃まで昇温させ、引き続
き1時間撹拌し、得られた液を加圧濾過器を用いて脱
水、濾過し、水分約50%のケーキ状物とした。次い
で、このケーキ状物を熱風循環乾燥機中で105℃で乾
燥し、次いで、乾燥物をジェットミルで解砕した。得ら
れた複合シリコーン粉末を光学顕微鏡で観察したとこ
ろ、球状であることが確認された。この複合シリコーン
粉末を界面活性剤ポリオキシエチレン(付加モル数=
9)オクチルフェニルエーテルを用いて水中に分散さ
せ、その平均粒径をマルチサイザーIIを用いて測定した
ところ3μmであった。また、この複合シリコーン粉末
は重量分析により、シリコーンゴム球状微粒子100重
量部の表面にオルガノシルセスキオキサン樹脂の10重
量部が被覆されたものであることがわかった。得られた
複合シリコーン粉末を複合シリコーン粉末1とする。
【0019】[製造例2] (複合シリコーン粉末2の調製)前記製造例1における
水中油型エマルション調製時に使用したポリオキシエチ
レン(付加モル数=9モル)オクチルフェニルエーテル
5gを1gとし、他は全て製造例1と同様にしてシリコ
ーンゴム球状微粒子分散液(以下分散液2と略称する)
を得た。この水分散液中の粒子の平均粒径をマルチサイ
ザーIIを用いて測定したところ15μmであった。水分
散液2を水分散液1の代わりに使用した他は、製造例1
と全く同様にして複合シリコーン粉末を調製した。得ら
れた複合シリコーン粉末を光学顕微鏡で観察したところ
球状であることが確認された。この複合シリコーン粉末
を界面活性剤を用いて水に分散させ、その平均粒径をマ
ルチサイザーIIを用いて測定したところ15μmであっ
た。また、この複合シリコーン粉末は重量分析により、
シリコーンゴム球状微粒子100重量部の表面にポリオ
ルガノシルセスキオキサン樹脂の10重量部が被覆され
たものであることがわかった。得られた複合シリコーン
粉末を複合シリコーン粉末2とする。
水中油型エマルション調製時に使用したポリオキシエチ
レン(付加モル数=9モル)オクチルフェニルエーテル
5gを1gとし、他は全て製造例1と同様にしてシリコ
ーンゴム球状微粒子分散液(以下分散液2と略称する)
を得た。この水分散液中の粒子の平均粒径をマルチサイ
ザーIIを用いて測定したところ15μmであった。水分
散液2を水分散液1の代わりに使用した他は、製造例1
と全く同様にして複合シリコーン粉末を調製した。得ら
れた複合シリコーン粉末を光学顕微鏡で観察したところ
球状であることが確認された。この複合シリコーン粉末
を界面活性剤を用いて水に分散させ、その平均粒径をマ
ルチサイザーIIを用いて測定したところ15μmであっ
た。また、この複合シリコーン粉末は重量分析により、
シリコーンゴム球状微粒子100重量部の表面にポリオ
ルガノシルセスキオキサン樹脂の10重量部が被覆され
たものであることがわかった。得られた複合シリコーン
粉末を複合シリコーン粉末2とする。
【0020】[製造例3] (複合シリコーン粉末3の調製)3リットルのガラスフ
ラスコに水2,290g、製造例1で得られた水分散液
1を350g、アンモニア水(濃度28%)60gを仕
込み、水温10℃、回転数200rpmで錨型撹拌翼付
撹拌機で撹拌した。このときのpHは11.1であっ
た。この液にメチルトリメトキシシラン300gを10
0分かけて滴下し、この間、液温を5〜15℃に保ち、
さらに1時間反応させた後、55〜60℃まで昇温さ
せ、引き続き1時間撹拌し、得られた液を加圧濾過器を
用いて脱水、濾過し、水分約50%のケーキ状物とし
た。次いで、このケーキ状物を熱風循環乾燥機中で10
5℃で乾燥し、乾燥物をジェットミルで解砕した。得ら
れた複合シリコーン粉末を光学顕微鏡で観察したとこ
ろ、球状であることが確認された。この粉末を界面活性
剤を用いて水に分散させ、その平均粒径をマルチサイザ
ーIIを用いて測定したところ4μmであった。また、こ
の複合シリコーンの粉体は重量分析により、シリコーン
ゴム球状微粒子100重量部の表面にポリオルガノシル
セスキオキサン樹脂の81重量部が被覆されたものであ
ることがわかった。得られた複合シリコーン粉末を複合
シリコーン粉末3とする。
ラスコに水2,290g、製造例1で得られた水分散液
1を350g、アンモニア水(濃度28%)60gを仕
込み、水温10℃、回転数200rpmで錨型撹拌翼付
撹拌機で撹拌した。このときのpHは11.1であっ
た。この液にメチルトリメトキシシラン300gを10
0分かけて滴下し、この間、液温を5〜15℃に保ち、
さらに1時間反応させた後、55〜60℃まで昇温さ
せ、引き続き1時間撹拌し、得られた液を加圧濾過器を
用いて脱水、濾過し、水分約50%のケーキ状物とし
た。次いで、このケーキ状物を熱風循環乾燥機中で10
5℃で乾燥し、乾燥物をジェットミルで解砕した。得ら
れた複合シリコーン粉末を光学顕微鏡で観察したとこ
ろ、球状であることが確認された。この粉末を界面活性
剤を用いて水に分散させ、その平均粒径をマルチサイザ
ーIIを用いて測定したところ4μmであった。また、こ
の複合シリコーンの粉体は重量分析により、シリコーン
ゴム球状微粒子100重量部の表面にポリオルガノシル
セスキオキサン樹脂の81重量部が被覆されたものであ
ることがわかった。得られた複合シリコーン粉末を複合
シリコーン粉末3とする。
【0021】[製造例4] (シリコーンゴム粉末の調製)製造例1で得られた水分
散液1を90℃まで加熱して微粒子の分散液を不安定化
させた後、加圧濾過器を用いて脱水、濾過し、水分約5
0%のケーキ状物とし、さらに熱風循環乾燥機中で10
5℃で乾燥してシリコーンゴム粉末を得た。得られたシ
リコーンゴム粉末を光学顕微鏡で観察したところ球状で
あることが確認された。この粉末を界面活性剤を用いて
水に分散させ、その平均粒径をマルチサイザーIIを用い
て測定したところ4μmであった。
散液1を90℃まで加熱して微粒子の分散液を不安定化
させた後、加圧濾過器を用いて脱水、濾過し、水分約5
0%のケーキ状物とし、さらに熱風循環乾燥機中で10
5℃で乾燥してシリコーンゴム粉末を得た。得られたシ
リコーンゴム粉末を光学顕微鏡で観察したところ球状で
あることが確認された。この粉末を界面活性剤を用いて
水に分散させ、その平均粒径をマルチサイザーIIを用い
て測定したところ4μmであった。
【0022】[製造例5] (ポリメチルシルセスキオキサン粉末の調製)3リット
ルのガラスフラスコに水2,445gおよびアンモニア
水(濃度28%)60gを仕込み、水温20℃としたと
ころ、pHは11.6であった。回転数200rpmで
錨型撹拌翼付撹拌機で撹拌し、メチルトリメトキシシラ
ン495gを3時間かけて滴下した。この間、液温を1
5〜25℃に保ち、さらに1時間反応させた後、55〜
60℃まで昇温させ、引き続き1時間撹拌し、得られた
液を加圧濾過器を用いて脱水、濾過し、水分約30%の
ケーキ状物を得た。次いで、このケーキ状物を熱風循環
乾燥機中で105℃で乾燥し、乾燥物をジェットミルで
解砕し、ポリメチルシルセスキオキサン粉末を得た。得
られたポリメチルシルセスキオキサン粉末を光学顕微鏡
で観察したところ、球状であることが確認された。この
粉末を界面活性剤を用いて水中に分散させ、その平均粒
径をマルチサイザーIIを用いて測定したところ2μmで
あった。
ルのガラスフラスコに水2,445gおよびアンモニア
水(濃度28%)60gを仕込み、水温20℃としたと
ころ、pHは11.6であった。回転数200rpmで
錨型撹拌翼付撹拌機で撹拌し、メチルトリメトキシシラ
ン495gを3時間かけて滴下した。この間、液温を1
5〜25℃に保ち、さらに1時間反応させた後、55〜
60℃まで昇温させ、引き続き1時間撹拌し、得られた
液を加圧濾過器を用いて脱水、濾過し、水分約30%の
ケーキ状物を得た。次いで、このケーキ状物を熱風循環
乾燥機中で105℃で乾燥し、乾燥物をジェットミルで
解砕し、ポリメチルシルセスキオキサン粉末を得た。得
られたポリメチルシルセスキオキサン粉末を光学顕微鏡
で観察したところ、球状であることが確認された。この
粉末を界面活性剤を用いて水中に分散させ、その平均粒
径をマルチサイザーIIを用いて測定したところ2μmで
あった。
【0023】[実施例1〜3、比較例1〜2]アリディ
ックA−416−70S[アクリル樹脂溶液、有効成分
70重量%、大日本インキ化学工業(株)製商品名]1
00重量部に、表1に示した複合シリコーン粉末、シリ
コーンゴム粉末またはポリメチルシルセスキオキサン粉
末を7重量部添加し、ホモミキサーで2,000rpm
で10分間撹拌、混合した。得られた塗料組成物をアル
ミパネルに塗布し、これを150℃に設定した恒温槽に
30分間入れ、硬化させた。保存安定性、分散性、艶消
し性、滑り性、塗膜の感触および傷つき性を後記の方法
により評価し、結果を表1に示した。
ックA−416−70S[アクリル樹脂溶液、有効成分
70重量%、大日本インキ化学工業(株)製商品名]1
00重量部に、表1に示した複合シリコーン粉末、シリ
コーンゴム粉末またはポリメチルシルセスキオキサン粉
末を7重量部添加し、ホモミキサーで2,000rpm
で10分間撹拌、混合した。得られた塗料組成物をアル
ミパネルに塗布し、これを150℃に設定した恒温槽に
30分間入れ、硬化させた。保存安定性、分散性、艶消
し性、滑り性、塗膜の感触および傷つき性を後記の方法
により評価し、結果を表1に示した。
【0024】[実施例4、比較例3〜4]バーノック1
6−416[ポリイソシアネート溶液、有効成分30重
量%、大日本インキ化学工業(株)製商品名]100重
量部に、表1に示した複合シリコーン粉末、シリコーン
ゴム粉末またはポリメチルシルセスキオキサン粉末を3
重量部添加し、ホモミキサーで2,000rpmで10
分間撹拌、混合した。得られた塗料組成物をアルミパネ
ルに塗布し、室温で24時間放置し硬化させた。保存安
定性、分散性、艶消し性、滑り性、塗膜の感触および傷
つき性を後記の方法により評価し、結果を表1に示し
た。
6−416[ポリイソシアネート溶液、有効成分30重
量%、大日本インキ化学工業(株)製商品名]100重
量部に、表1に示した複合シリコーン粉末、シリコーン
ゴム粉末またはポリメチルシルセスキオキサン粉末を3
重量部添加し、ホモミキサーで2,000rpmで10
分間撹拌、混合した。得られた塗料組成物をアルミパネ
ルに塗布し、室温で24時間放置し硬化させた。保存安
定性、分散性、艶消し性、滑り性、塗膜の感触および傷
つき性を後記の方法により評価し、結果を表1に示し
た。
【0025】[実施例5、比較例5〜6]ウォターゾル
S−744[アクリル樹脂水分散液、有効成分40重量
%、大日本インキ化学工業(株)製商品名]100重量
部に、表1に示した複合シリコーン粉末、シリコーンゴ
ム粉末またはポリメチルシルセスキオキサン粉末を4重
量部添加し、ホモミキサーで2,000rpmで10分
間撹拌、混合した。得られた塗料組成物をアルミパネル
に塗布し、室温で24時間放置し硬化させた。保存安定
性、分散性、艶消し性、滑り性、塗膜の感触および傷つ
き性を後記の方法により評価し、結果を表1に示した。
S−744[アクリル樹脂水分散液、有効成分40重量
%、大日本インキ化学工業(株)製商品名]100重量
部に、表1に示した複合シリコーン粉末、シリコーンゴ
ム粉末またはポリメチルシルセスキオキサン粉末を4重
量部添加し、ホモミキサーで2,000rpmで10分
間撹拌、混合した。得られた塗料組成物をアルミパネル
に塗布し、室温で24時間放置し硬化させた。保存安定
性、分散性、艶消し性、滑り性、塗膜の感触および傷つ
き性を後記の方法により評価し、結果を表1に示した。
【0026】[比較例7〜9]複合シリコーン粉末を配
合しないこと以外は、実施例1〜5と同様にして、表1
に記載した特性について同様に後記の方法により評価
し、結果を表1に示した。
合しないこと以外は、実施例1〜5と同様にして、表1
に記載した特性について同様に後記の方法により評価
し、結果を表1に示した。
【0027】(保存安定性の評価)塗料組成物を室温下
で3時間静置し、組成物中のシリコーン微粉末の分散状
態を目視で観察し、下記の基準で評価した。 ○:シリコーン微粉末が均一に分散している。 ×:シリコーン微粉末が沈殿している。 (分散性の評価)硬化した塗膜中のシリコーン微粉末の
分散状体を光学顕微鏡で観察し、下記の基準で評価し
た。 ○:シリコーン微粉末は凝集しておらず、均一に分散し
ている。 ×:シリコーン微粉末が凝集している。 (艶消し性の評価)硬化した塗膜の艶の状態を目視で観
察し、下記の基準で評価した。 ○:表面は均一で艶がない。 △:艶ムラがある。 ×:表面は均一で艶がある。 (滑り性の評価)(株)東洋精機製の動摩擦測定機を用
い、荷重19.6N(ニュートン)、引っ張り速度10
0mm/分で塗膜とポリプロピレンフィルムとの動摩擦
係数を測定した。 (塗膜の感触の評価)硬化した塗膜の感触を手触で、下
記の基準で評価した。 ○:柔らかい感触がする。 ×:硬い感触がする。 (傷つき性の評価)荷重49N(ニュートン)で塗膜と
ポリプロピレンフィルムとを10往復回摩擦させた後、
フィルムの表面を目視観察し、下記の基準で評価した。 ○:ポリプロピレンフィルムに傷が認められない。 ×:ポリプロピレンフィルムに白く傷が認められる。
で3時間静置し、組成物中のシリコーン微粉末の分散状
態を目視で観察し、下記の基準で評価した。 ○:シリコーン微粉末が均一に分散している。 ×:シリコーン微粉末が沈殿している。 (分散性の評価)硬化した塗膜中のシリコーン微粉末の
分散状体を光学顕微鏡で観察し、下記の基準で評価し
た。 ○:シリコーン微粉末は凝集しておらず、均一に分散し
ている。 ×:シリコーン微粉末が凝集している。 (艶消し性の評価)硬化した塗膜の艶の状態を目視で観
察し、下記の基準で評価した。 ○:表面は均一で艶がない。 △:艶ムラがある。 ×:表面は均一で艶がある。 (滑り性の評価)(株)東洋精機製の動摩擦測定機を用
い、荷重19.6N(ニュートン)、引っ張り速度10
0mm/分で塗膜とポリプロピレンフィルムとの動摩擦
係数を測定した。 (塗膜の感触の評価)硬化した塗膜の感触を手触で、下
記の基準で評価した。 ○:柔らかい感触がする。 ×:硬い感触がする。 (傷つき性の評価)荷重49N(ニュートン)で塗膜と
ポリプロピレンフィルムとを10往復回摩擦させた後、
フィルムの表面を目視観察し、下記の基準で評価した。 ○:ポリプロピレンフィルムに傷が認められない。 ×:ポリプロピレンフィルムに白く傷が認められる。
【0028】
【表1】
【0029】
【発明の効果】本発明の塗料組成物は組成中の複合シリ
コーン粉末の分散性が良好で、艶消し性、滑り性に優れ
た、柔らかな感触の塗膜が得られ、その塗膜が接触する
材料を傷つけることがないので、紙、プラスチックフィ
ルム、プラスチック成形体、ゴム、金属などの塗料、コ
ーティング剤として好適である。
コーン粉末の分散性が良好で、艶消し性、滑り性に優れ
た、柔らかな感触の塗膜が得られ、その塗膜が接触する
材料を傷つけることがないので、紙、プラスチックフィ
ルム、プラスチック成形体、ゴム、金属などの塗料、コ
ーティング剤として好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J038 BA021 CA021 CC021 CD021 CD091 CE021 CE061 CF031 CG001 CG031 CR011 DA061 DA161 DB001 DD001 DD101 DF021 DG001 DH001 DL031 DL032 MA03 NA01 NA10 NA11 PC02 PC07 PC08 PC10
Claims (3)
- 【請求項1】 シリコーンゴム球状微粒子にポリオルガ
ノシルセスキオキサン樹脂を被覆した複合シリコーン粉
末を配合してなる塗料組成物。 - 【請求項2】 複合シリコーン粉末が平均粒径0.1〜
100μmのシリコーンゴム球状微粒子100重量部に
ポリオルガノシルセスキオキサン1〜500重量部を被
覆したものである請求項1記載の塗料組成物。 - 【請求項3】 複合シリコーン粉末が平均粒径0.1〜
100μmのシリコーンゴム球状微粒子の分散液に、ア
ルカリ性物質又はアルカリ性水溶液と、オルガノトリア
ルコキシシランを添加し、これを加水分解、縮合重合さ
せ、生成したポリオルガノシルセスキオキサンでシリコ
ーンゴム球状微粒子表面を被覆した後、乾燥したもので
ある請求項1または2のいずれか1項記載の塗料組成
物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33752699A JP2001152095A (ja) | 1999-11-29 | 1999-11-29 | 塗料組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33752699A JP2001152095A (ja) | 1999-11-29 | 1999-11-29 | 塗料組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001152095A true JP2001152095A (ja) | 2001-06-05 |
Family
ID=18309488
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33752699A Pending JP2001152095A (ja) | 1999-11-29 | 1999-11-29 | 塗料組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001152095A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2004111144A1 (ja) * | 2003-06-13 | 2006-07-27 | ジーイー東芝シリコーン株式会社 | コーティング剤組成物 |
JP2008138111A (ja) * | 2006-12-04 | 2008-06-19 | Shinto Paint Co Ltd | 耐擦り傷性に優れたアニオン型電着塗料 |
JP2021533219A (ja) * | 2018-07-27 | 2021-12-02 | 浙江三時紀新材科技有限公司Zhejiang Third Age Material Technology Co., Ltd | 球状又は角状粉末充填剤の調製方法、それから得られる球状又は角状粉末充填剤及びその用途 |
US11530333B2 (en) | 2016-12-26 | 2022-12-20 | Akzo Nobel Coatings International B.V. | Coating composition system, the preparation method, and the use thereof |
-
1999
- 1999-11-29 JP JP33752699A patent/JP2001152095A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2004111144A1 (ja) * | 2003-06-13 | 2006-07-27 | ジーイー東芝シリコーン株式会社 | コーティング剤組成物 |
JP4652231B2 (ja) * | 2003-06-13 | 2011-03-16 | モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社 | コーティング剤組成物 |
JP2008138111A (ja) * | 2006-12-04 | 2008-06-19 | Shinto Paint Co Ltd | 耐擦り傷性に優れたアニオン型電着塗料 |
US11530333B2 (en) | 2016-12-26 | 2022-12-20 | Akzo Nobel Coatings International B.V. | Coating composition system, the preparation method, and the use thereof |
JP2021533219A (ja) * | 2018-07-27 | 2021-12-02 | 浙江三時紀新材科技有限公司Zhejiang Third Age Material Technology Co., Ltd | 球状又は角状粉末充填剤の調製方法、それから得られる球状又は角状粉末充填剤及びその用途 |
JP7333099B2 (ja) | 2018-07-27 | 2023-08-24 | 浙江三時紀新材科技有限公司 | 球状又は角状粉末充填剤の調製方法、それから得られる球状又は角状粉末充填剤及びその用途 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP1122703A2 (en) | Amusement system having typing practice function, typing practice system, and computer readable storage medium | |
JP2994699B2 (ja) | 皮膜形成性オルガノポリシロキサン組成物 | |
JP2819417B2 (ja) | 抗菌性シリコーンゴム粒状物の製造方法 | |
US6433041B2 (en) | Method for producing water based coating compositions | |
JP3105912B2 (ja) | 高強度シリコーンゴム粒状物およびその製造方法 | |
US5527841A (en) | Coating composition for the surface treatment of a rubber article | |
JPH0748560A (ja) | コーティング用組成物 | |
JPH07196984A (ja) | 皮膜形成シリコーンエマルジョン組成物 | |
JP3151390B2 (ja) | 水性シリコーン組成物 | |
JP4994529B2 (ja) | 水系コーティング剤組成物 | |
JP3384864B2 (ja) | 表面改質された自動車用ウェザーストリップの製造方法 | |
JP2002080797A (ja) | 水性塗料組成物、およびその製造方法 | |
JP2001152095A (ja) | 塗料組成物 | |
EP0640670B1 (en) | Film-forming silicone emulsion composition | |
JPH02233763A (ja) | 表面処理用ポリオルガノシロキサン組成物 | |
JP3481683B2 (ja) | プラスチックフィルムの表面処理剤 | |
JP3384827B2 (ja) | 水分散シリコーン樹脂組成物 | |
JP3447805B2 (ja) | 剥離紙用シリコーン組成物およびその塗工物品 | |
JPH10292026A (ja) | 硬化性シリコーン組成物 | |
JP3112803B2 (ja) | 水性シリコーン組成物 | |
JP2004323716A (ja) | 水系コーティング剤組成物 | |
JPH0434575B2 (ja) | ||
JPH09117996A (ja) | 離型フイルム | |
JP3573820B2 (ja) | 表面処理剤 | |
JPH115947A (ja) | 塗料組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060104 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060116 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060313 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20070328 |