JP3481683B2 - プラスチックフィルムの表面処理剤 - Google Patents

プラスチックフィルムの表面処理剤

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JP3481683B2 JP18204394A JP18204394A JP3481683B2 JP 3481683 B2 JP3481683 B2 JP 3481683B2 JP 18204394 A JP18204394 A JP 18204394A JP 18204394 A JP18204394 A JP 18204394A JP 3481683 B2 JP3481683 B2 JP 3481683B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明はプラスチックフィルム用
の水性表面処理剤に関するものである。本発明の表面処
理剤は感熱転写シートや磁気テープの基材の表面処理剤
として好適である。 【0002】 【従来の技術】感熱転写シートや磁気テープの基材には
従来からプラスチックフィルムが使用されている。感熱
転写シートは、裏面からサーマルヘッドによる加熱印字
を行う際に基材フィルムがサーマルヘッドと融着する現
象、いわゆるスティッキングを起こし、感熱転写シート
が走行不能となったり、甚だしい場合にはスティッキン
グ部分から基材フィルムが破断することがある。このた
め、基材フィルムの裏面に耐熱保護層を設ける方法が提
案されており、例えば酸化けい素層を設ける方法(特開
昭54-143152 号、特開昭57-74195号各公報参照)、また
はシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェ
ノール樹脂等の耐熱性樹脂の層を設ける方法(特開昭55
-7467 号、特開昭56-155794 号各公報参照)などが知ら
れている。しかしながら、基材フィルムの裏面に耐熱保
護層を設ける方法は、熱硬化に必要な熱エネルギーが多
大であったり、十分な耐熱性を得るためには長時間のエ
ージングを必要としたり、サーマルヘッドの走行が滑ら
かに行われるための滑り性が不十分であったりする等の
欠点がある。また、基材フィルムの裏面に界面活性剤を
添加した樹脂層を設ける方法(特開昭56-155794 号公報
参照)が知られているが、これはサーマルヘッドに汚染
物が付着するという欠点がある。そこで、基材フィルム
の裏面にオルガノポリシロキサン単位がブロック状また
はグラフト状に結合しているビニル系重合体の層を設け
る方法(特公平4-73391号、特開昭62-121093 号各公報
参照)が提案されているが、スティッキング防止性及び
滑り性が十分でなく、また、この方法では主として溶剤
希釈型の処理剤が使用されるために環境及び安全上の問
題があった。 【0003】磁気テープは、例えばビデオ分野の磁気テ
ープについていえば、画像の記録やその再生を行う際に
磁気テープがガイドピンやガイドロールに摺擦されなが
ら巡路を走行するため、基材フィルムの表面のみならず
裏面も滑り性が必要となる。そこで、基材フィルムの裏
面に無機質粉末を含有した樹脂層を設ける方法(特開昭
57-130234 号、特開昭58-161135 号、特開昭57-53825
号、特開昭58-2415 号、特公昭50-3927 号各公報参
照)、シリコーン樹脂粉末を含有した樹脂層を設ける方
法(特開昭62-202325 号公報参照)、シリコーンオイ
ル、グラファイト、脂肪酸エステルを含有した層を設け
る方法等が知られているが、粉末を使用したものはガイ
ドピン等を削ってしまうし、グラファイトを使用したも
のはスティッキングを起こし易く、シリコーンオイル、
脂肪酸エステルを使用したものは磁気テープの粘着、ガ
イドピン等への汚れ付着の問題があり、また、これらの
方法では十分な滑り性が得られない。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】前記のような状況か
ら、本発明は、基材フィルム等のプラスチックフィルム
に滑り性及び融着防止性を付与し、基材との密着性に優
れ、移行性(汚染性)のない硬化皮膜を形成することが
できる水性の表面処理剤を提供しようとしてなされたも
のである。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明は前記の課題を解
決したものであり、本発明の要旨は、 1)第1成分としての一般式R SiO2/2で示さ
れる単位及び一般式RSiO3/2で示される単位
(ここにRは炭素数1〜20の非置換または置換の1
価炭化水素基)を構成単位としてなる非流動性の分枝状
シリコーンの水性分散液、 2)第2成分としての一般式RN(CH
[NR(CHSiR(ORで示
されるジアルコキシシラン(ここにR、R、R
各々水素原子、または炭素数1〜6の非置換または置換
の1価炭化水素基、R、Rは各々炭素数1〜6の非
置換または置換の1価炭化水素基、a、b、cは1≦a
≦6、1≦b≦6、0≦c≦3)の加水分解縮合物の水
性分散液、 3)第3成分としての、作製したフィルムの破断伸度
が、5〜300%である水系ウレタン樹脂、の3成分を
含有し、この3成分の有効成分重量比が第1成分/第2
成分/第3成分=9〜90重量%/0.1〜40重量%
/9〜90重量%であるプラスチックフィルムの表面処
理剤、にある。以下に、本発明についてさらに詳しく説
明する。 【0006】本発明の表面処理剤は前記第1成分〜第3
成分を混合してなる水性分散液(水性乳濁液)である。
その第1成分は非流動性の分枝状シリコーンの水性分散
液(水性乳濁液)であるが、この非流動性の分枝状シリ
コーンは、一般式1 R1 2SiO2/2 ・・・(1) で示されるシロキサン単位及び一般式2 R1SiO3/2 ・・・(2) で示されるシロキサン単位を構成単位とするものであ
る。一般式中のR1は炭素数1〜20の非置換または置換の
1価炭化水素基である。このR1としては、メチル基、エ
チル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル
基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、ドデシル基、
テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基等の
アルキル基、ビニル基、アリル基等のアルケニル基、フ
ェニル基、トリル基等のアリール基、シクロヘキシル基
等のシクロアルキル基、あるいはこれらの基の炭素原子
に結合した水素原子の一部または全部がハロゲン原子あ
るいはエポキシ基、カルボキシル基、アミノ基等を含有
する有機基で置換された基などが例示される。 【0007】このような非流動性の分枝状シリコーンの
水性乳濁液は乳化重合により製造することができる。こ
の一般式1で示されるシロキサン単位を導入するための
シリコーン原料としては、式[R1 2SiO]A (A=3〜
7)で示されるシクロポリシロキサン、または式R7O[R1
2SiO]BR7、HO[R1 2SiO]BH(ここでR7はメチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基等のアルキル
基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロア
ルキル基、フェニル基、トリフロロプロピル基等のハロ
ゲノアルキル基など、炭素数1〜6の1価炭化水素基ま
たはハロゲン化炭化水素基で、特にはメチル基、エチル
基が好ましいものであり、Bは1〜1,000 である)で示
されるジオルガノポリシロキサンが例示され、この一般
式2で示されるシロキサン単位を導入するためのシリコ
ーン原料としては、式R1Si(OR7)3で示されるアルコキシ
シランなどが例示されるが、これらを乳化剤を用いて水
中に乳化分散させたのち、ここに触媒を添加して重合反
応を行わせ、重合後触媒を不活化させれば容易に得るこ
とができる。 【0008】この乳化重合に使用する乳化剤には特に制
限はなく、例えば第4級アンモニウム塩、アルキルアミ
ン塩等の陽イオン系乳化剤、アルキルベタイン等の両性
イオン系乳化剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ソ
ルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル等
の非イオン系乳化剤、有機スルホン酸、アルキル硫酸エ
ステル等の酸性陰イオン系乳化剤などが挙げられるが、
これらの中の1種または2種以上を使用することができ
る。 【0009】また、この重合触媒としては、陽イオン系
乳化剤、両性イオン系乳化剤、非イオン系乳化剤を使用
した場合には、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水
酸化リチウム、ナトリウムメチラート、アンモニア、テ
トラメチルアンモニウムハイドロキサイド、トリエチル
アミン、トリエタノールアミンなどのアルカリ化合物が
例示される。有機スルホン酸、アルキル硫酸エステル等
の酸性陰イオン系乳化剤はそのままで触媒作用がある。
なお、この触媒の不活性化には、アルカリ化合物触媒の
場合、酢酸、リン酸、塩酸、クエン酸などの酸で中和す
る方法が挙げられる。酸性陰イオン系乳化剤を触媒とし
て使用した場合は、水酸化カリウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化リチウム、ナトリウムメチラート、アンモニ
ア、テトラメチルアンモニウムハイドロキサイド、トリ
エチルアミン、トリエタノールアミンなどのアルカリ化
合物で中和する方法が挙げられる。 【0010】このようにして製造された水性乳濁液中の
有効成分濃度は、1重量%未満ではこれを配合するとき
の配合量を多くしなければならないので不経済となる
し、70重量%より大きいとこの第1成分の粘度が高くな
って取り扱いが困難となるので、1〜70重量%の範囲と
すればよいが、この好ましい範囲は10〜60重量%とされ
る。 【0011】第2成分は一般式 R2R3N(CH2)a[NR4(CH2)b]cSiR5(OR6)2 で示されるアミノアルキル基含有のジアルコキシシラン
の加水分解縮合物の水性分散液である。式中のR2、R3
R4は各々水素原子またはメチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、ヘキシル基等のアルキル基、シクロペン
チル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、トリ
フロロプロピル基等のハロゲノアルキル基、フェニル基
などから選択される非置換または置換の炭素数1〜6の
1価炭化水素基であるが、水素原子が90モル%以上で、
炭化水素基が10モル%以下が好ましい。R5、R6はこの
R2、R3、R4と同様の炭素数1〜6の非置換または置換の
1価炭化水素基とされ、特にはメチル基、エチル基であ
ることが好ましい。a、b、cについては、a、bが0
のものはSi-N結合が加水分解を受けて目的とする加水分
解縮合物が得られず、6より大きいと第2成分の特性効
果としてのプラスチックフィルム表面との密着性向上効
果が低下するので、1≦a≦6、1≦b≦6、好ましく
はa、bは2または3とされるもので、cは3より大き
いものが工業的に合成が困難となることから0≦c≦3
とされるものである。 【0012】このアミノアルキル基含有のジアルコキシ
シランとしては、γ−(N−β−アミノエチル)アミノ
プロピルメチルジメトキシシラン、γ−(N−β−アミ
ノエチル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ
−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノ
プロピルメチルジエトキシシランなどが代表的なものと
して挙げられる。これらのシランの加水分解は公知の方
法に従えばよく、これらのシランはこれに水を添加する
と脱アルコール縮合反応が容易に進行するので、その
後、生成したアルコールを留去すればよい。 【0013】このジアルコキシシランの加水分解物は水
と混合すると水に容易に溶解あるいは分散して均一な水
性分散液となるが、この第2成分の水性分散液中におけ
るジアルコキシシランの量はこれが1重量%未満では、
これを配合するときの配合量を多くしなければならない
ので不経済となるし、50重量%より多くすると液の粘度
が高くなって他成分との配合時に均一に分散させること
が難しくなるので1〜50重量%の範囲とすることがよい
が、この好ましい範囲は10〜30重量%とされる。なお、
この第2成分の水性分散液の均一性を改良するために、
また第1〜第3成分を混合したときの液安定性を改良す
るために、これにギ酸、酢酸、プロピオン酸、マロン
酸、マレイン酸、サルチル酸などの有機酸、塩酸、リン
酸、硫酸などの無機酸を添加することは好ましい方法と
される。 【0014】第3成分は水系ウレタン樹脂であるが、こ
れはポリイソシアネートとポリヒドロキシ化合物の反応
物であるウレタン樹脂を水に溶解させたものもしくは水
に乳化分散させたものである。このウレタン樹脂の原料
であるポリイソシアネートには特に限定はない。同じく
原料であるポリヒドロキシ化合物についても特に限定は
なく、エステル系、エーテル系、カーボネート系等いず
れのタイプでもかまわない。また、ウレタン樹脂は活性
なイソシアネート基を含有していない非反応タイプのも
のでもよいし、活性なイソシアネート基を含有する反応
タイプのものでもよい。水系ウレタン樹脂は常温または
加熱乾燥によって作成したフィルムの破断伸度が 300%
より大きい場合、硬化皮膜が軟らかすぎて摩擦によって
脱落するし、5%より小さいと硬化皮膜が硬くなりす
ぎ、コートしたプラスチックフィルムの変形に追随しに
くくなるため、5〜 300%であることが好ましい。より
好ましくは10〜 200%である。水系ウレタン樹脂の有効
成分濃度は、1重量%未満ではこれを配合するときの配
合量を多くしなければならないので不経済となるし、70
重量%より大きいとこの第3成分の粘度が高くなって取
り扱いが困難となるので、1〜70重量%の範囲とすれば
よいが、好ましい範囲は10〜60重量%とされる。 【0015】上述の第1〜第3成分の配合比は、これら
成分の有効成分合計中の第1成分の有効成分量が9重量
%未満では硬化皮膜の滑り性の乏しいものとなり、90重
量%より多くなると硬化皮膜の硬度が低下して摩擦によ
り脱落するようになり、第2成分の有効成分量が 0.1重
量%未満では皮膜の硬化性が低下するし、第1成分が他
の接触面に移行するという問題も起こり、40重量%より
多くなると硬化皮膜の滑り性が乏しいものとなり、第3
成分の有効成分量が9重量%未満では硬化皮膜の硬度が
低下して摩擦により脱落するようになり、90重量%より
多くなると耐熱性が悪くなるし、硬化皮膜の滑り性も乏
しいものとなるので、これらの配合比は有効成分量を第
1成分/第2成分/第3成分=9〜90重量%/ 0.1〜40
重量%/9〜90重量%の範囲とすることが必要であり、
好ましくは第1成分/第2成分/第3成分=19〜80重量
%/ 0.2〜20重量%/19〜80重量%の範囲である。 【0016】第1〜第3成分を混合した水性乳濁液の有
効成分の濃度は、1重量%未満では硬化皮膜が薄くなっ
て滑り性の乏しいものとなるし、50重量%より高いと水
性乳濁液の粘度が高くなりコーティングが困難となるの
で1〜50重量%の範囲とすることがよいが、好ましくは
5〜30重量%とすることがよく、必要に応じて水で希釈
すればよい。なお、上記の第1〜第3成分の混合物へ
は、皮膜の強度および硬化性を上げるために、エポキシ
基、メタクリル基、アミノ基あるいはメルカプト基を含
有したトリアルコキシシラン、エポキシ基、メタクリル
基あるいはメルカプト基を含有したジアルコキシシラン
の加水分解縮合物を配合することは任意とされる。ま
た、上記の混合物へは、皮膜の硬化を促進させるために
ジブチルすずジラウレート、ジオクチルすずジラウレー
ト、ジブチルすずジアセテート、オクチル酸すず、オク
チル酸鉄、オクチル酸亜鉛などの有機酸金属塩を配合す
ることは任意とされる。 【0017】上記の第1〜第3成分を含有する水性乳濁
液である本発明の表面処理剤によって処理するプラスチ
ックフィルムとしては、ポリエステル、ポリプロピレ
ン、セルロース誘導体、ポリアミド、ポリカーボネート
などのフィルムが挙げられる。プラスチックフィルムへ
の表面処理は、本発明の表面処理剤をロールコーティン
グ法、グラビアコーティング法、スクリーンコーティン
グ法あるいはファウンテンコーティング法などの塗布方
式により塗布した後、室温あるいは加温乾燥により皮膜
の硬化を行う。このように処理されたプラスチックフィ
ルムは処理された面を裏面として、感熱シートや磁気テ
ープの基材シートとして好適に用いられる。 【0018】 【実施例】以下に、本発明を実施例を挙げてさらに具体
的に説明する。なお、例中の%は重量%を、部は重量部
をそれぞれ表す。 (調製例1、第1成分−1の調製)オクタメチルシクロ
テトラシロキサン350g、フェニルトリエトキシシラン1.
3gを1リットルのガラスビーカーに仕込み、ホモミキサ
ーを用いて2,000rpmで攪拌混合し、10%ラウリル硫酸ナ
トリウム水溶液 35gと10%ドデシルベンゼンスルホン酸
水溶液 35gを加えて6,000rpmで攪拌を継続したところ、
転相が起り増粘が認められたが、さらにそのまま2,000r
pmで攪拌を行ないながら水280gを加え、ついで 300kg/c
m2の高圧ホモジナイザーに通したところ、安定なO/W
型エマルジョンが得られた。 【0019】つぎに、このエマルジョンを攪拌装置、温
度計、還流冷却器を備えた容量1リットルのガラスフラ
スコに移し、50℃で12時間反応させたのち、25℃で24時
間熟成してから10%炭酸ナトリウム水溶液で中和したと
ころ、分枝状シリコーンを含有する水性乳濁液(以下第
1成分−1と呼称する)が得られたので、これにイソプ
ロピルアルコールを加えてエマルジョンを破壊したの
ち、シロキサンを抽出し、乾燥したところ、ゲル状の非
流動性シロキサンが得られた。この有効成分は49%であ
る。 【0020】(調製例2、第2成分−1の調製)γ−
(N−β−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメト
キシシラン500gを攪拌装置、滴下装置、温度計、還流冷
却器を備えた容量1リットルのガラスフラスコに仕込
み、室温にて攪拌下に脱イオン水135gを30分間に渉って
滴下し、滴下終了後、昇温しながら反応系を減圧し、生
成したメタノールを留去した。ついで、55〜60℃におい
て30分間減圧操作を続けたのち、冷却するとともに常圧
へもどして反応を終了させ、得られた加水分解縮合物10
5gを水595gを仕込んだ1リットルのガラスフラスコに室
温にて投入し、30分攪拌したところ、この水性分散液
(以下第2成分−1と呼称する)が得られた。このもの
の有効成分含有量は15%である。 【0021】(調製例3、第2成分−2の調製)γ−ア
ミノプロピルメチルジメトキシシラン500gを攪拌装置、
滴下装置、温度計、還流冷却器を備えた容量1リットル
のガラスフラスコに仕込み、室温にて攪拌下に脱イオン
水170gを30分間に渉って滴下した。滴下終了後、昇温し
ながら反応系を減圧し、生成したメタノールを留去し、
55〜60℃において30分間減圧操作を続けたのち、冷却す
るとともに常圧へもどして反応を終了させ、得られた加
水分解縮合物105gを水595gを仕込んだ1リットルのガラ
スフラスコに室温にて投入し、30分攪拌したところ、こ
の水性分散液(以下第2成分−2と呼称する)が得られ
た。このものの有効成分含有量は15%である。 【0022】(実施例1〜8)調製例で得た第1成分お
よび第2成分と後記した第3成分を表1に示した配合組
成で混合して表面処理剤組成物を調製し、これらをポリ
エチレンテレフタレートフィルム(厚さ 0.5mm)の表面
にNo.3ワイヤーバーで塗布し、 140℃に調節した熱風循
環式恒温槽内に1分間放置してフィルム表面に硬化皮膜
を形成させた。ついで、ここで得られた表面処理済みの
フィルムの表面滑り性、密着性および移行性を下記の方
法によって評価した。結果は表1に併記したとおりであ
った。 【0023】a.表面滑り性の評価 40mm×70mmの大きさのガラス板に220gの荷重をかけ、引
張速度200mm/分の条件で動摩擦係数を測定することによ
り評価した。 b.密着性の評価 フィルム表面を強く指で擦り、硬化皮膜の脱落の有無を
目視観察した。評価は、擦った跡および皮膜の脱落のな
いものを○、擦った跡がみられるものを△、皮膜が脱落
したものを×とした。 c.移行性の評価 未処理のフィルムと処理されたフィルムの処理面とが接
するように重ね、10kg/cm2の圧力で1日保持した後、未
処理フィルムの処理フィルムと接触していた面に広幅マ
ジックで塗布しインキのはじき具合を観察した。評価
は、はじきのないものを○、はじきのあるものを×とし
た。 表1にみられるように、いずれも表面滑り性、密着性お
よび移行性について優れた結果を示した。 【0024】 【表1】 【0025】(比較例1〜4)調製例で得た第1成分お
よび第2成分と前記した第3成分を表2に示した配合組
成で混合して表面処理剤組成物を調製し、これらを用い
て実施例と同様の方法でフィルムの表面処理を行い、得
られた表面処理済みのフィルムについて同様に表面滑り
性、密着性および移行性を評価したところ、表2に併記
したとおりの結果が得られた。同表にみられるように、
これらの例はいずれも表面滑り性、密着性および移行性
を同時に満足するものではなかった。 【0026】 【表2】【0027】 【発明の効果】本発明の水性表面処理剤によりプラスチ
ックフィルムに滑り性、融着防止性、密着性に優れた移
行性のない硬化皮膜を形成することができる。本発明の
表面処理剤は水性であるため環境への影響および安全性
に問題がない。本発明の表面処理剤で処理されたプラス
チックフィルムは、処理された面を裏面として感熱シー
トや磁気テープの基材シートに用いるのに好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 83/04 C09D 183/04 C09D 175/04 G11B 5/84 A 183/04 B41M 5/26 B G11B 5/84 C08K 5/54 (72)発明者 桑田 敏 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社 シリコーン電 子材料技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭60−192628(JP,A) 特開 平5−270145(JP,A) 特開 平6−179763(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09K 3/00 G11B 5/84 - 5/858 B41M 5/40 B42D 15/10 501 - 551 C08K 5/541 - 5/5435 C08L 75/04 - 75/14 C08L 83/04 - 83/08 C09D 175/04 - 175/14 C09D 183/04 - 183/08

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】1)第1成分としての一般式R SiO
    2/2で示される単位及び一般式RSiO3/2で示
    される単位(ここにRは炭素数1〜20の非置換また
    は置換の1価炭化水素基)を構成単位としてなる非流動
    性の分枝状シリコーンの水性分散液、 2)第2成分としての一般式RN(CH
    [NR(CHSiR(ORで示
    されるジアルコキシシラン(ここにR、R、R
    各々水素原子、または炭素数1〜6の非置換または置換
    の1価炭化水素基、R、Rは各々炭素数1〜6の非
    置換または置換の1価炭化水素基、a、b、cは1≦a
    ≦6、1≦b≦6、0≦c≦3)の加水分解縮合物の水
    性分散液、 3)第3成分としての、作製したフィルムの破断伸度
    が、5〜300%である水系ウレタン樹脂、の3成分を
    含有し、この3成分の有効成分重量比が第1成分/第2
    成分/第3成分=9〜90重量%/0.1〜40重量%
    /9〜90重量%であるプラスチックフィルムの表面処
    理剤。
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