JP2001149795A - 有機化学品の製造方法 - Google Patents

有機化学品の製造方法

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JP2001149795A
JP2001149795A JP33689799A JP33689799A JP2001149795A JP 2001149795 A JP2001149795 A JP 2001149795A JP 33689799 A JP33689799 A JP 33689799A JP 33689799 A JP33689799 A JP 33689799A JP 2001149795 A JP2001149795 A JP 2001149795A
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catalyst
reaction
poly
alkylene glycol
reactor
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JP33689799A
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Masaru Kirishiki
賢 桐敷
Yoshiyuki Onda
義幸 恩田
Hideaki Tsuneki
英昭 常木
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 不均一触媒を用いた液相反応により有機化学
品を得ることができる、有機化学品の製造方法を提供す
る。 【解決手段】 反応装置(A)の反応容器に有機原料と
前記不均一触媒を導入して液相反応を行う工程(I)
と、分離装置(B)において前記液相反応工程で得られ
た反応混合物を反応液と触媒とに分離する工程(II)
と、前記反応液分離工程で分離された反応液を目的の生
成物と未反応の原料とに分離する工程(III)と、を
経ることにより有機化学品を製造する方法であって、前
記分離装置(B)で分離された触媒を焼成する再生装置
(C)をさらに備えていて、前記不均一触媒を調製する
工程(IV)をさらに含み、この触媒調製工程(IV)
で調製された不均一触媒を前記反応装置(A)の反応容
器に導入するようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、不均一触媒の存在
下に液相反応を行う有機化学品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、液相反応に不均一系触媒を使用す
ることはよく知られており、不均一系触媒は、反応液等
からの分離が容易であるという利点を有するため、工業
的プロセスに広く用いられている。不均一系触媒として
は、例えば、酸性イオン交換樹脂、酸性金属酸化物、酸
性複合金属酸化物、金属硫酸塩、金属リン酸塩、固定化
酸、酸性天然鉱物、酸性層状化合物、ヘテロポリ酸、結
晶性メタロシリケート等の固体酸触媒や、アルカリ金属
酸化物、アルカリ土類金属酸化物、希土類金属酸化物、
アルカリ金属塩、担持塩基、塩基性複合金属酸化物、ア
ルカリあるいはアルカリ金属イオンで交換した結晶性メ
タロシリケート等の固体塩基触媒が挙げられる。また、
これらの他に、貴金属触媒、固定化錯体触媒等の不均一
系触媒も知られている。これらの不均一系触媒は、通
常、エーテル化、脱離、付加、異性化、水和、エステル
化等の液相反応に用いられている。
【0003】従来、不均一触媒を用いた液相反応におい
ては、反応後に触媒に付着した反応原料または生成物を
触媒から取り除くことが容易でないことから、触媒は、
通常、使い捨てにするか、あるいは、使用後ある程度の
量まで貯めて置いてまとめて再生するかされており、液
相反応のプロセス中に触媒を再生使用することは一般的
ではなかった。このため、従来の液相反応装置には、通
常、触媒を焼成するための再生装置が含まれておらず、
液相反応に用いる触媒は、反応プロセスとは別の触媒製
造工程で製造されていた。
【0004】しかしながら、従来のように、触媒の調製
を反応プロセスとは別の触媒製造工程で行うことは、製
造プロセスを煩雑化するとともに、例えば、貯蔵時等に
大気と接触して、吸湿による活性低下や、触媒が金属を
担持している場合には発火の危険性等の問題を起こした
り、また、移送や反応器への仕込み等のハンドリング時
に、触媒の飛散によるロスや、作業者に対する粉塵や酸
欠等の被害を招くことがあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明が解決
しようとする課題は、より簡便なプロセスで、しかも、
吸湿による活性低下や、触媒が金属を担持している場合
には発火の危険性を回避し、触媒の飛散によるロスや、
作業者に対する粉塵や酸欠等の被害を招くことなく、不
均一触媒を用いた液相反応により有機化学品を得ること
ができる、有機化学品の製造方法を提供することにあ
る。
【0006】
【発明が課題を解決するための手段】本発明者は、上記
課題を解決するために、不均一系触媒の存在下に液相で
反応させる製造プロセスについて種々検討した結果、触
媒を焼成するための再生装置を含む有機化学品の製造装
置を、液相反応による有機化学品の製造と、この液相反
応に使用する不均一触媒の調製とに、兼用して用いるこ
とにより、プロセスを簡便化するとともに、触媒の大気
接触を低減し、触媒をハンドリングで扱うことを回避し
うることを見いだし、本発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明にかかる有機化学品の製
造方法は、不均一触媒と有機原料との攪拌混合手段を備
えた反応容器を有する反応装置(A)と、反応後の反応
混合物から前記不均一触媒を分離するための分離装置
(B)とを少なくとも備えた製造設備において、前記反
応装置(A)の反応容器に有機原料と前記不均一触媒を
導入して液相反応を行う工程(I) と、前記分離装置
(B)において前記液相反応工程で得られた反応混合物
を反応液と触媒とに分離する工程(II)と、前記反応液分
離工程で分離された反応液を目的の生成物と未反応の原
料とに分離する工程(III) と、を経ることにより有機化
学品を製造する方法であって、前記製造設備は、前記分
離装置(B)で分離された触媒を焼成する再生装置
(C)をさらに備えていて、前記反応装置(A)におい
て少なくとも2種の触媒原料と分散媒とを混合する工程
(a)を行い、前記分離装置(B)において前記工程
(a)で得られた混合物から分散媒を分離する工程
(b)を行い、前記再生装置(C)において前記工程
(b)で分散媒を分離して得られた触媒前駆体を焼成す
る工程(c)を行うことにより、前記不均一触媒を調製
する工程(IV)をさらに含み、この触媒調製工程(IV)で調
製された不均一触媒を前記反応装置(A)の反応容器に
導入するようにすることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明における有機化学品の製造
方法に使用される製造設備は、不均一触媒と有機原料と
の攪拌混合手段を備えた反応容器を有する反応装置
(A)と、反応後の反応混合物から前記不均一触媒を分
離するための分離装置(B)と、さらに、分離された触
媒を焼成する再生装置(C)を少なくとも備えた製造設
備であれば、特に限定されるものではない。
【0009】前記反応装置(A)の反応器としては、攪
拌混合手段を備えたものであれば、例えば、回分式反応
器、流通式反応器、あるいはこれら以外の方式の反応器
であってもよい。回分式反応器である場合、反応器内に
触媒、有機原料等を充填し、所定の温度および圧力下で
攪拌を行うことにより、有機化学品の合成反応を行う。
流通式反応器である場合、流動層式、移動床式および攪
拌槽式のいずれの方式でも実施することができる。流通
条件は、有機原料組成比、触媒濃度、反応温度等によっ
て異なるが、液時空間速度(LHSV)、すなわち、流
通する原料の体積流量を反応器体積で除した値は、0.
01〜50hr-1、特に0.1〜20hr-1の範囲であ
ることが好ましい。
【0010】前記攪拌混合手段としては、例えば、各種
の翼を有する攪拌機、ラインミキサー、スタティックミ
キサー等が挙げられる。なお、反応装置(A)は、反応
に応じて適宜、攪拌混合手段のほかに、加熱手段、圧力
制御手段等を備えたものであってもよい。前記分離装置
(B)は、主に、液液分離装置、蒸留装置、蒸発装置等
から構成されるものである。
【0011】前記再生装置(C)は、主に、触媒の焼成
装置から構成されるものである。再生装置(C)は、繰
り返し反応に使用された結果、反応生成物や副生物、重
合物等に被毒して反応活性が低下した触媒を、焼成によ
って再生するため設けられるものである。本発明の有機
化学品の製造方法を適用することができる液相反応とし
ては、触媒に不均一触媒を用いるものであれば特に制限
はなく、例えば、エーテル化、脱離、付加、異性化、水
和、エステル化等の液相反応が挙げられる。具体的に
は、例えば、オレフィンと(ポリ)アルキレングリコー
ルとから(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエ
ーテルを得る液相反応、長鎖オレフィンを得る高級アル
コールの脱離反応、(ポリ)アルキレングリコールモノ
アルキルエーテルを原料として(ポリ)アルキレングリ
コールジアルキルエーテルを得る反応、アルコールおよ
び/または水の存在下における長鎖オレフィンの異性
化、長鎖オレフィンと水とを原料としてアルコールを得
る反応等が好ましく挙げられる。特に、本発明は、有機
原料として、オレフィンおよび(ポリ)アルキレングリ
コールを用いて(ポリ)アルキレングリコールモノアル
キルエーテルを得る液相反応に適用することが好まし
い。
【0012】本発明の製造方法は、通常通りの工程、す
なわち、液相反応を行う工程(I) と、反応混合物を反応
液と触媒とに分離する工程(II)と、反応液を目的の生成
物と未反応の原料とに分離する工程(III) とを含む通常
のプロセス内に、不均一触媒を調製する工程(IV)を付加
したことを特徴とする。以下、各工程別に詳しく説明す
る。
【0013】〔不均一触媒を調製する工程(IV)〕この工
程で調製される不均一触媒としては、特に制限されるも
のではないが、攪拌槽式、流動層式、移動床式等の反応
方式で液相反応を行うことができる固体触媒が好まし
い。該固体触媒は、少なくとも2種の触媒原料と分散媒
とを混合し、得られた混合物から分散媒を分離して触媒
前駆体とし、これを焼成して得られるものである。
【0014】不均一触媒の調製工程(IV)は、前記反応装
置(A)、分離装置(B)、および再生装置(C)を少
なくとも備えた有機化学品の製造設備を用いて、まず、
前記反応装置(A)において少なくとも2種の触媒原料
と分散媒とを混合する工程(a)を行い、前記分離装置
(B)において前記工程(a)で得られた混合物から分
散媒を分離する工程(b)を行い、前記再生装置(C)
において前記工程(b)で分散媒を分離して得られた触
媒前駆体を焼成する工程(c)により行われる。このよ
うに、本発明においては、触媒の調製を全て、続く液相
反応およびその後の後処理に使用する設備、すなわち前
記反応装置(A)、分離装置(B)、および再生装置
(C)を用いて行うことによって、別に触媒製造装置を
要することなく、簡便なプロセスで、経済的にも効率良
く有機化学品を製造することができるのである。
【0015】触媒調製工程(IV)において用いられる触媒
原料は、特に制限されるものではないが、前記触媒原料
の少なくとも1種として金属化合物を用いることが好ま
しい。触媒原料の少なくとも1種として金属化合物を用
いることにより、より低温、短時間で触媒の再生を行う
ことができる。さらに、前記触媒原料としては、無機固
体酸と8族金属とを少なくとも用いることがより好まし
い。無機固体酸と8族金属との組み合わせは、後述する
ように、(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエ
ーテル製造用の不均一触媒として好適であり、触媒寿命
を向上させることができる点で優れている。
【0016】触媒調製工程(IV)において用いられる分散
媒は、特に制限されるものではないが、アルコール、
(ポリ)アルキレングリコール、および水からなる群よ
り選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましい。こ
れらを分散媒として用いることにより、多成分の原料か
ら均質な不均一系触媒を合成することができる。不均一
触媒の調製は、例えば、通常の含浸法やイオン交換法等
の方法で行うことができるが、これらに限定されるもの
ではない。
【0017】〔液相反応を行う工程(I) 〕液相反応工程
(I) は、前記反応装置(A)の反応容器に反応原料と前
記触媒調製工程(IV)で調製された触媒とを導入して液相
反応を行うものである。前記触媒調製工程(IV)で調製さ
れた触媒は、導管を介して直接反応容器内へ導入される
ので、触媒が大気接触することを回避でき、かつ、触媒
をハンドリングで扱う必要もない。
【0018】反応の条件は、液相を保つ温度・圧力の範
囲内であれば、適宜選択することができる。反応の転化
率が低い場合には、リサイクルにより転化率を向上させ
てもよい。反応中に触媒が沈降すると、反応速度の低
下、触媒移送が困難になる等の問題が生じやすいので、
沈降しない程度の攪拌を維持することが好ましい。反応
によって生成した軽沸点成分が液相を保てずに気化して
系外に抜ける場合には、原料が同伴しないように、分離
器等で回収し反応器へ戻すことが好ましい。
【0019】〔反応混合物を反応液と触媒とに分離する
工程(II)〕本工程(II)は、分離しようとする触媒が不均
一触媒であることから、前記分離装置(B)を用い、濾
過、遠心分離、静置分離等の定法によって行うことがで
きる。また、触媒存在下で目的物が逆反応等により分解
・変質等を起こす可能性のない場合には、反応混合物を
そのまま蒸留し、反応液を抜き出してもよい。
【0020】〔反応液を目的の生成物と未反応の原料と
に分離する工程(III) 〕本工程(III) は、前記分離装置
(B)を用いて、一般的な分離方法で行うことができ
る。例えば、蒸留による分離、抽出可能な場合には抽剤
を用いた抽出蒸留、目的物と未反応原料とが2相分離す
る場合には静置分離等を採用することができる。
【0021】〔リサイクル工程(V) (VI)(VII) 〕本発明
においては、前記の各々の工程に加えてさらに、前記反
応液分離工程(II)で分離された触媒の全部または一部を
前記再生装置(C)において焼成し、再生する工程(V)
と、前記再生工程(V) で再生された触媒を前記反応装置
(A)の反応容器に移送する工程(VI)とを行うことによ
り、再生された触媒をリサイクルすることが好ましい。
【0022】触媒の再生処理は、例えば、液相反応工程
(I) や反応液分離工程(II)と同時連続的に行う方法であ
ってもよく、また、分離した触媒を貯め込んでおいて回
分法で行う方法であってもよく、特に制限はされない。
本発明においては、前記の各々の工程に加えてさらに、
前記生成物分離工程(III) で分離された未反応の原料を
前記反応装置(A)の反応容器に移送する工程(VII) を
行うことにより、未反応の原料をリサイクルすることが
好ましい。以下、オレフィンと(ポリ)アルキレングリ
コールとの液相反応による(ポリ)アルキレングリコー
ルモノアルキルエーテルの製造を例にとって、本発明に
ついて説明する。
【0023】〔触媒調製工程(IV)〕(ポリ)アルキレン
グリコールモノアルキルエーテル製造用の不均一触媒と
しては、元素周期律表の8族金属元素を含む無機固体酸
からなるものが好適である。なお、オレフィンと(ポ
リ)アルキレングリコールとの液相反応による(ポリ)
アルキレングリコールモノアルキルエーテルの製造に、
結晶性メタロシリケート等の無機固体酸を触媒として用
いることはよく知られているが、結晶性メタロシリケー
ト等の無機固体酸は、触媒再生のために高温加熱処理を
繰り返すと、構造破壊が進行するために触媒寿命が短い
という問題がある。このため、無機固体酸に8族金属元
素を含ませて、触媒再生のための加熱処理条件の緩和を
可能にし、触媒寿命を向上させることが好ましい。
【0024】前記無機固体酸としては、シリカアルミ
ナ、シリカジルコニア、アルミナクロミア、シリカベリ
リア、シリカイットリア、シリカランタニア、チタニア
アルミナ、チタニアシリカ、チタニアジルコニア、シリ
カガリア、アルミナジルコニア、シリカマグネシア、酸
化亜鉛−アルミナ、シリカ−酸化モリブデン、チタニア
ホウ酸、チタニア酸化スズ、酸化亜鉛シリカ、酸化亜鉛
ジルコニア、アルミナ酸化ビスマス、シリカ酸化タング
ステン、シリカ酸化バナジウム、アルミナ酸化モリブデ
ン、アルミナ酸化タングステン、アルミナ酸化バナジウ
ム、チタニア酸化タングステン等の複合金属酸化物;固
定化リン酸、固定化硫酸、固定化ホウ酸等の固定化酸;
リンタングステン酸、リンモリブデン酸、ケイタングス
テン酸、ケイモリブデン酸等のヘテロポリ酸;カオリ
ン、モンモリロナイト等の粘土鉱物;5フッ化アンチモ
ン、5フッ化ホウ素、塩化アルミニウム、臭化アルミニ
ウム、硫酸等を無機担体に担持した超強酸;MFI(Z
SM−5等)、MEL(ZSM−11等)、BEA(β
型ゼオライト等)、FAU(Y型ゼオライト等)、MO
R(Mordenite 等)、MTW(ZSM−12等)、LT
L(Linde L 等)等のIUPACコードで表される結晶
性メタロシリケートなどが挙げられ、これらは単独で用
いてもよく、2種以上の混合物として用いてもよい。こ
れらの中でも結晶性メタロシリケートがより好ましく、
特にBEAの構造を有するものが触媒活性に優れる点か
ら好ましい。
【0025】前記結晶性メタロシリケートは、結晶性ア
ルミノシリケート(一般にゼオライトともいう)および
結晶性アルミノシリケートのAl原子の代わりに他の金
属元素が結晶格子中に導入された化合物である。Al原
子の代わりに導入される他の金属元素の具体例として
は、B、Ga、In、Ge、Sn、P、As、Sb、S
c、Y、La、Ti、Zr、V、Cr、Mn、Fe、C
o、Ni、Cu、Zn等が挙げられ、これらは単独でも
2種以上でもよい。触媒活性および入手のし易さの点か
ら、結晶性アルミノシリケート、結晶性フェロシリケー
ト、結晶性ボロシリケートおよび結晶性ガロシリケート
が好ましく、これらの中でも結晶性アルミノシリケート
が好適である。
【0026】前記結晶性メタロシリケートは、それを構
成する金属原子に対するケイ素原子の原子比が5以上1
500以下、特に10以上500以下の範囲にあるもの
が好ましい。上記金属原子に対するケイ素原子の原子比
が小さすぎたり大きすぎたりすると、触媒活性が低くな
るため好ましくない。これらの結晶性メタロシリケート
は結晶格子外にイオン交換可能なカチオンを有するが、
カチオンの具体例として、H+ 、Li+ 、Na+ 、Rb
+ 、Cs+ 、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、S
3+、Y3+、La3+、R4 + 、R4 + (RはHまた
はアルキル基)等を挙げることができる。中でもカチオ
ンの全部または一部を水素イオンで交換したものが好適
である。
【0027】前記無機固体酸の形態は、特に限定されな
いが、例えば、粉末状、顆粒状、特定形状を有する成形
体等があり、触媒の使用態様に応じて適宜の形態を選ぶ
ことができる。成形体を用いる場合には、バインダーと
してアルミナ、シリカ、チタニア等を使用することがで
きる。無機固体酸に含ませる前記8族金属元素として
は、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、
パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金が挙げら
れ、これらは単独で用いてもよく、2種以上混合して用
いてもよい。これらの中でも特に、パラジウム、ロジウ
ム、白金が好ましく、白金、ロジウムがより好ましい。
【0028】8族金属元素の無機固体酸中の含有量は、
好ましくは50〜3000ppmであり、より好ましく
は100〜2000ppmである。8族金属元素の含有
量が上記範囲に満たないと加熱処理条件の緩和に及ぼす
効果が低い。他方、8族金属元素の含有量が上記範囲を
超えて多くなっても緩和効果が大して増大することはな
く、経済的にも不利であり、また含有量が多くなりすぎ
ると、かえって触媒活性を損なう場合がある。
【0029】無機固体酸に8族金属元素を含ませる方法
としては、例えば、含浸法、イオン交換法、混練法等に
より担持させる方法が挙げられるが、本発明を適用する
には、含浸法、イオン交換法が好ましく、含浸法がより
好ましい。触媒調製の原料としては、前記無機固体酸、
および8族金属原料としての8族金属のアンミン錯体、
アルコキサイド、塩酸塩、硝酸塩、酢酸塩、水酸化物等
のの溶液が用いられる。8族金属原料の溶液は水溶液が
好ましく、溶媒として、他の分散剤を用いることもでき
る。
【0030】〔液相反応工程(I) 〕次いで、前述のよう
にして調製された触媒を用い、その存在下でオレフィン
と(ポリ)アルキレングリコールとを反応させる。反応
原料として用いられる前記オレフィンとしては、好まし
くはエチレン系不飽和結合を有する炭素数6〜30の炭
化水素、より好ましくはエチレン系不飽和結合を有する
炭素数10〜20の炭化水素等が挙げられる。該オレフ
ィンは非環式の直鎖オレフィンまたは分岐オレフィン、
あるいはこれらの混合物が好ましい。特に、直鎖オレフ
ィンが好ましく、直鎖オレフィンを主成分とするもので
あってもよい。直鎖オレフィンとしては、具体的には、
例えば、ヘキセン、オクテン、デセン、ドデセン、テト
ラデセン、ヘキサデセン、オクタデセン、エイコセン、
ドコセン等が挙げられる。これらのオレフィンは、その
不飽和結合の位置がα位であるものでも、インナー位で
あるものでも、あるいはα位およびインナー位の両方で
あるものでも、特に制限なく用いることができる。もち
ろん、不飽和結合の位置を異にするこれらのオレフィン
の2種以上を併用することもできる。
【0031】反応原料として用いられる前記(ポリ)ア
ルキレングリコールとしては、例えば、モノエチレング
リコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ
ール、ポリエチレングリコール、モノプロピレングリコ
ール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、1,3−プロパンジ
オール、1,2−ブタンジオール、2,3−ブタンジオ
ール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、1,4−シクロヘキサンメタンジオール等が挙げ
られる。これらは単独で用いてよく、2種以上の混合物
として用いてもよい。
【0032】前記オレフィンと(ポリ)アルキレングリ
コールとの反応は、溶媒の存在下または非存在下のいず
れでも行うことができる。溶媒としては、例えば、ニト
ロメタン、ニトロエタン、ニトロベンゼン、ジオキサ
ン、エチレングリコールジメチルエーテル、スルフォラ
ン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロ
ヘキサン、デカン、パラフィン等の溶剤を用いることが
できる。
【0033】前記オレフィンと(ポリ)アルキレングリ
コールとのモル比は特に限定はされないが、オレフィン
に対する(ポリ)アルキレングリコールのモル比とし
て、好ましくは0.05〜20、より好ましくは0.1
〜10であるのがよい。前記オレフィンと(ポリ)アル
キレングリコールとの反応系においては、(ポリ)アル
キレングリコールジアルキルエーテルおよび/またはア
ルコールを添加することが好ましい。これらを添加する
ことによって、(ポリ)アルキレングリコールモノアル
キルエーテルへの選択率を高めることができ、効率的に
(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルを
得ることができるからである。これら(ポリ)アルキレ
ングリコールジアルキルエーテルおよびアルコールは、
いずれも、オレフィンと(ポリ)アルキレングリコール
との反応の際に、副生成物として得られる物質である。
(ポリ)アルキレングリコールジアルキルエーテルは、
目的物質である(ポリ)アルキレングリコールモノアル
キルエーテルにさらにオレフィンが付加するか、(ポ
リ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル同志が
縮合することによって副生する。アルコールは、反応系
に含まれる水がオレフィンに付加することによって副生
する。
【0034】該液相反応に際しては、反応温度は50〜
250℃、好ましくは100〜200℃とするのがよ
い。反応圧力は、減圧、常圧たは加圧のいずれでもよい
が、常圧〜2MPaの範囲が好ましい。反応時間は、触
媒量、原料組成比等によって異なるが、0.1〜100
時間、好ましくは0.5〜30時間の範囲とすればよ
い。
【0035】該液相反応に使用する前記不均一触媒の使
用量は、特に限定されないが、原料オレフィンに対して
0.1〜100重量%であることが好ましく、より好ま
しくは0.5〜50重量%である。オレフィンと(ポ
リ)アルキレングリコールとの反応は、通常の回分式、
流通式等の方法で行うことができるが、これらに限定さ
れるものではない。
【0036】〔反応液分離工程(II)および生成物分離工
程(III) 〕オレフィンと(ポリ)アルキレングリコール
との反応の場合、反応液は、通常、原料であるオレフィ
ンと(ポリ)アルキレングリコールとが互いに僅かな溶
解度分しか溶解しないために、2相に分離する。生成物
である(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエー
テルと副生成物である(ポリ)アルキレングリコールジ
アルキルエーテルおよび/またはアルコールはオレフィ
ン相に含まれ、触媒は(ポリ)アルキレングリコール相
に含まれる。
【0037】上相のオレフィン相からは、蒸留や抽出等
の方法により、目的の(ポリ)アルキレングリコールモ
ノアルキルエーテルを得る。なお、オレフィン相に含ま
れる未反応のオレフィン、アルコール、(ポリ)アルキ
レングリコールモノアルキルエーテル、(ポリ)アルキ
レングリコールジアルキルエーテルは、この順に沸点が
高くなるので、蒸留により、それぞれを、分けることが
できる。
【0038】未反応のオレフィンは回収して、次の反応
にリサイクルして用いることができる。副生成物である
(ポリ)アルキレングリコールジアルキルエーテルおよ
び/またはアルコールは回収し、選択性向上のために、
反応系にリサイクルすることができる。重質分等の不純
物が生成する場合は、蒸留の塔底液の一部を抜き出して
廃棄することによりパージする。
【0039】他方、触媒を含む下相の(ポリ)アルキレ
ングリコール相からは、遠心分離、濾過、蒸発等の方法
により、触媒を(ポリ)アルキレングリコールから分離
することができる。分離した触媒はそのままで、または
再生処理して、次の反応に使用することができる。分離
した触媒をそのまま再使用する場合、(ポリ)アルキレ
ングリコール相の重質分等の不純物を同伴していること
があるので、必要に応じ、使用間に溶媒で洗浄してもよ
い。触媒を分離した未反応の(ポリ)アルキレングリコ
ールは、次の反応にリサイクルして使用することことが
できる。リサイクルする(ポリ)アルキレングリコール
相に重質分等の不純物が蓄積した際にも、(ポリ)アル
キレングリコール相の一部を抜き出して重質分等の不純
物をパージする。
【0040】触媒を含む(ポリ)アルキレングリコール
相の少なくとも一部を抜き出して、(ポリ)アルキレン
グリコール相から(ポリ)アルキレングリコールを蒸発
させて触媒を分離する場合、触媒を含んだまま(ポリ)
アルキレングリコール相を高温で長時間加熱している
と、(ポリ)アルキレングリコールが脱水縮合して(ポ
リ)アルキレングリコールの回収率が低下したり、これ
らの重合物が触媒能を低下させたりする恐れがある。そ
こで、この蒸発は180℃以下の温度で行い、30分以
内に触媒を分離するのが好ましい。
【0041】〔触媒の再生工程(V) 〕触媒の活性低下
は、触媒の活性点が副生物やコーク等の重質物で被毒す
るために起こると考えられ、これら被毒物質は、分子状
酸素含有ガスの雰囲気下で熱処理すると、燃焼し、除去
される。オレフィンと(ポリ)アルキレングリコールと
の反応の場合、再生処理に際し、触媒に含まれる8族金
属元素が被毒物質の燃焼を促進するため、8族金属元素
が含まれない場合に比べて、加熱温度等の熱処理条件が
緩和され、より低い温度で焼成することができ、また、
同じ高温で焼成するにしても、より短時間で焼成するこ
とができるので、触媒の永久劣化が少なくなって、触媒
寿命が延長される。
【0042】(ポリ)アルキレングリコール相から分離
された触媒は、再生装置(C)において、次のようにし
て再生される。触媒の再生は、分子状酸素含有ガスの雰
囲気下で熱処理する方法が好ましい。前記分子状酸素含
有ガスの酸素濃度は、好ましくは5〜25%である。酸
素濃度が低すぎると再生に長時間を要し、また、酸素濃
度が上記範囲を超えて高くなると、触媒表面での局部的
な発熱が大きくなって触媒の永久劣化を起こすので、好
ましくない。分子状酸素含有ガスとしては、通常前記酸
素濃度である空気が、工業的にも有利である点から、好
ましい。
【0043】再生の際の熱処理の温度は、300〜75
0℃の範囲が好ましい。加熱処理の時間は、温度や加熱
設備により、1秒から3時間の範囲で適宜選ばれる。次
に、流通式反応器を有する反応装置を用いて行う、(ポ
リ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルの製造
方法の一例を図1を参照しながら説明する。
【0044】図1に示すように、この製造装置は、加熱
手段および攪拌混合手段を備えた連続槽反応器11およ
び12、液液分離装置(セトラー)13、蒸留塔14お
よび15、蒸発器16、触媒再生装置17から構成され
ている。まず、反応器11に触媒原料を投入して攪拌
し、この混合物を反応器12に移しながら攪拌を続け
る。その後、反応器の混合物を導管を介し、液液分離装
置13を経て、蒸発器16に抜き出す。蒸発器16で
は、この混合物を加熱し、蒸発させた水分は導管33か
ら系外に排出しながら乾燥し、得られる固体を触媒再生
装置17に移送し、焼成して触媒を得る。
【0045】次いで、導管34を介して導かれた前記触
媒と、反応原料であるオレフィンおよび(ポリ)アルキ
レングリコールと、必要により溶剤とを、原料供給管2
0を介して連続槽反応器11に連続的に供給する。連続
槽反応器11では反応液を攪拌しながら加熱して、所定
温度、所定圧力条件下で反応を行い、オーバーフローす
る反応液は導管21を介して次の連続槽反応器12に導
びいてさらに反応させ、この連続槽反応器12でオーバ
ーフローする反応液は導管22を介して液液分離装置
(セトラー)13に導かれる。導かれた反応液は、液液
分離装置13で、(ポリ)アルキレングリコールモノア
ルキルエーテル、アルコール、(ポリ)アルキレングリ
コールジアルキルエーテルを含むオレフィン相(上層)
と、触媒を含む(ポリ)アルキレングリコール相(下
層)とに分離される。
【0046】液液分離装置13における上層のオレフィ
ン相は、導管23を介して蒸留塔14に導入される。蒸
留塔14では、圧力、温度、還流比の調節のもとに、オ
レフィン相に存在する沸点の低い成分、未反応のオレフ
ィン、アルコールが留出液として塔頂から導管26を経
て抜き出され、これらの留出液は、原料供給管20を経
て連続槽反応器11に戻される。この際、消費された分
のオレフィンは必要に応じて原料供給管20から補給さ
れる。蒸留塔14に残留する塔内液は、目的物質である
(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルと
副生物の(ポリ)アルキレングリコールジアルキルエー
テルを含み、導管27を介して蒸留塔15に抜き出され
る。蒸留塔15では、圧力、温度、還流比の調節のもと
に、沸点の低い成分である(ポリ)アルキレングリコー
ルモノアルキルエーテルが留出液として塔頂から導管2
8を経て抜き出され、製品として回収される。蒸留塔1
5内に残留する塔内液は、(ポリ)アルキレングリコー
ルジアルキルエーテルであり、導管29を介して抜き出
され、原料供給管20を経て、連続槽反応器11に戻さ
れる。このリサイクルされる(ポリ)アルキレングリコ
ールジアルキルエーテルは、蓄積された重質分等の不純
物を含むことがあるので、必要に応じて、導管29の途
中に接続された導管30からその一部が抜き出され、前
記不純物をパージする。
【0047】液液分離装置13における下層の触媒を含
む(ポリ)アルキレングリコール相は、反応開始当初は
全量、導管24を介して連続槽反応器11に戻される。
このとき、消費された分の(ポリ)アルキレングリコー
ルが原料供給管20から補給される。反応時間の経過と
ともに、リサイクル使用される触媒の活性が次第に低下
してくるので、触媒を含む(ポリ)アルキレングリコー
ル相の少なくとも一部が、触媒再生のために、導管24
の途中に接続された導管25を介して蒸発器16に抜き
出される。この抜き出しは必ずしも連続的である必要は
なく、間欠的であってもよい。この場合、反応に消費さ
れた分と前記抜き出された分の(ポリ)アルキレングリ
コールおよび触媒が原料供給管20から補給される。
【0048】蒸発器16では、温度、圧力の調節(特に
温度は180℃以下が好ましい)のもとに、(ポリ)ア
ルキレングリコールが留出液として塔頂から導管31を
経て抜き出され、原料供給管20を介して連続槽反応器
11に戻される。蒸発器16に残った触媒は、排出管3
2を介して排出され、触媒再生装置17において触媒再
生処理に掛けられる。蒸発器16の運転は、必ずしも連
続的である必要はなく、蒸発器16内に抜き出された
(ポリ)アルキレングリコール量が一定量に達した時点
で間欠的に行われるようであってもよい。
【0049】反応が定常状態に達した時点では、リサイ
クルされているオレフィン、アルコール、(ポリ)アル
キレングリコールジアルキルエーテル、(ポリ)アルキ
レングリコール、触媒を含む(ポリ)アルキレングリコ
ール相に加え、消費分に応じた量の新規なオレフィンお
よび(ポリ)アルキレングリコール、さらに再生された
触媒が連続的に連続槽反応器11に供給されるようにな
る。
【0050】触媒は再生を繰り返すと次第に活性が低下
するため、いずれは新規な触媒に交換する必要がある。
触媒の交換は、活性が低下して使用不可能となった段階
で一度に交換する方法でもよいし、連続的に一部を交換
して入れ換える方法でもよい。連続的に一部交換する場
合は、定常状態に達した際、導管34を通じて供給する
再生された触媒に新規な触媒を加えて供給し、一方、導
管32から回収する、再生に回す触媒の一部を廃棄する
ことによって、行うことができる。
【0051】
【実施例】次に実施例に基づき本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。なお、以下、特に断りのない限り、それぞれ
「部」は「重量部」、「%」は「重量%」を示す。 〔実施例1〕図1に示す流通式反応器を備えた製造設備
を用いて、反応原料に1−ドデセンおよびモノエチレン
グリコールからモノエチレングリコールモノドデシルエ
ーテルを製造した。
【0052】まず、触媒の8族金属の原料として、ヘキ
サアンミン白金テトラクロライド水溶液(田中貴金属
製、白金含有量1.462%)1.37部を水178.
63部で希釈して白金溶液180部を調製した。そし
て、図1に示す反応器11に、β型ゼオライト(ゼオリ
ストインターナショナル社製、商品名;CP−811
E)20部と白金溶液180部とを投入して攪拌し、こ
の混合物を反応器12に移しながら攪拌を続け、この
間、室温で合計3時間攪拌した。その後、反応器の混合
物を全量、それぞれを結ぶ導管を介し、液液分離装置1
3を経て、蒸発器16に抜き出した。蒸発器16では、
この混合物を加熱し、蒸発させた水分は導管33から系
外に排出しながら、乾燥させた。乾燥した固体を再生装
置17に移送し、ロータリーキルンで、空気気流下、5
50℃で30分焼成して、白金991ppm含有する触
媒(1)を得た。
【0053】次いで、得られた触媒(1)を用いて液相
反応を行った。図1に示す反応器11に、1−ドデセン
44kg、モノエチレングリコール44kgおよび調製
した触媒(1)4.8kgをそれぞれ原料供給管20か
ら供給し、窒素ガスで置換した後、150℃まで昇温し
て、反応器11からオーバーフローする反応混合物は反
応器12に移し、反応器12からオーバーフローする反
応混合物は液液分離装置13に移しながら、連続反応を
開始させた。定常状態到達後、触媒は、導管24と25
の流量比が95:5になるように触媒を含むモノエチレ
ングリコールスラリーを導管25に抜き出し、蒸発器1
6でグリコール類を分離した後、触媒再生装置17にお
いて空気気流下550℃で1時間焼成することにより、
再生し、導管34を介して系内に戻した。また、蒸発器
16で分離したグリコール類は、導管31を介して系内
に戻した。定常時、原料供給量は、反応に使用された分
を随時追加する形で行った。具体的には、40時間後、
リサイクルの原料、再生した触媒に加え、追加供給した
原料の量は、1−ドデセンが毎分69g、モノエチレン
グリコールが毎分31.2gであった。
【0054】液液分離装置13で分離された上層のオレ
フィン相と下層のグリコール相とから分析試料をそれぞ
れ採取して、ガスクロマトグラフィーにより分析した。
ガスクロマトグラフィーの分析結果より求めた、オレフ
ィン相に含まれる目的物質のモノエチレングリコールモ
ノドデシルエーテル(EMA)の反応収率と、副生物と
してグリコール相に含まれるジエチレングリコール(D
EG)およびトリエチレングリコール(TEG)の反応
収率を、表1に示す。なお、反応収率は、それぞれ、E
MAは原料ドデセン基準、DEGおよびTEGは原料モ
ノエチレングリコール基準のモル収率で示した。
【0055】〔実施例2〕希釈水をモノエチレングリコ
ールに代えたこと以外は、実施例1と同様にして触媒調
製を行い、触媒(2)を得た。この場合、蒸発器16で
蒸発させたモノエチレングリコールは、原料タンクに蓄
えた。得られた触媒(2)を用い、実施例1と同様に液
相反応を行い、モノエチレングリコールモノドデシルエ
ーテルを製造した。各反応収率を表1に示す。
【0056】
【表1】
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、別に触媒製造装置を要
することなく、より簡便なプロセスで、経済的にも効率
良く、しかも、吸湿による活性低下や、触媒が金属を担
持している場合には発火の危険性を回避し、触媒の飛散
によるロスや、作業者に対する粉塵や酸欠等の被害を招
くこともなく、不均一触媒を用いた液相反応により有機
化学品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 連続槽型反応器を備えた反応設備のフロー図
の一例を示す。
【符号の説明】 11、12:連続槽型反応器 13:液液分離装置 14、15:蒸留塔 16:蒸発器 17:触媒再生装置 20:原料供給管 21、22、23、24、25、26、27、28、2
9、30、31、34:導管 32、33:排出管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 常木 英昭 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会社 日本触媒内 Fターム(参考) 4G069 AA03 AA08 AA10 BA07A BA07B BA45A BB02A BB02B BC65A BC66A BC67A BC68A BC69A BC70A BC71A BC72A BC73A BC74A BC75A BC75B CB25 CB71 DA05 FA01 FC10 GA06 ZA19A ZA19B ZF05A ZF05B 4G070 AA03 AB10 BA06 BB15 CA09 CA10 CA13 CB17 DA14 DA15 4J005 BB01 BD03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】不均一触媒と有機原料との攪拌混合手段を
    備えた反応容器を有する反応装置(A)と、反応後の反
    応混合物から前記不均一触媒を分離するための分離装置
    (B)とを少なくとも備えた製造設備において、前記反
    応装置(A)の反応容器に有機原料と前記不均一触媒を
    導入して液相反応を行う工程(I)と、前記分離装置
    (B)において前記液相反応工程で得られた反応混合物
    を反応液と触媒とに分離する工程(II)と、前記反応液分
    離工程で分離された反応液を目的の生成物と未反応の原
    料とに分離する工程(III) と、を経ることにより有機化
    学品を製造する方法であって、 前記製造設備は、前記分離装置(B)で分離された触媒
    を焼成する再生装置(C)をさらに備えていて、 前記反応装置(A)において少なくとも2種の触媒原料
    と分散媒とを混合する工程(a)を行い、前記分離装置
    (B)において前記工程(a)で得られた混合物から分
    散媒を分離する工程(b)を行い、前記再生装置(C)
    において前記工程(b)で分散媒を分離して得られた触
    媒前駆体を焼成する工程(c)を行うことにより、前記
    不均一触媒を調製する工程(IV)をさらに含み、この触媒
    調製工程(IV)で調製された不均一触媒を前記反応装置
    (A)の反応容器に導入するようにすることを特徴とす
    る有機化学品の製造方法。
  2. 【請求項2】前記再生装置(C)において前記反応液分
    離工程(II)で分離された触媒の全部または一部を焼成
    し、再生する工程(V)と、 前記再生工程(V)で再生された触媒を前記反応装置
    (A)の反応容器に移送する工程(VI)と、 前記生成物分離工程(III) で分離された未反応の原料を
    前記反応装置(A)の反応容器に移送する工程(VII)
    と、 をさらに含むことにより、再生された触媒および未反応
    の原料をリサイクルする、請求項1に記載の有機化学品
    の製造方法。
  3. 【請求項3】前記触媒原料の少なくとも1種として、金
    属化合物を用いる、請求項1または2に記載の有機化学
    品の製造方法。
  4. 【請求項4】前記触媒原料として、無機固体酸と8族金
    属とを少なくとも用いる、請求項1から3までのいずれ
    かに記載の有機化学品の製造方法。
  5. 【請求項5】前記分散媒として、アルコール、(ポリ)
    アルキレングリコールおよび水からなる群より選ばれる
    少なくとも1種を用いる、請求項1から4までのいずれ
    かに記載の有機化学品の製造方法。
  6. 【請求項6】前記有機原料として、オレフィンおよび
    (ポリ)アルキレングリコールを用いて、(ポリ)アル
    キレングリコールモノアルキルエーテルを得る、請求項
    1から5までのいずれかに記載の有機化学品の製造方
    法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008137950A (ja) * 2006-12-01 2008-06-19 Nippon Shokubai Co Ltd グリセリンからのアクロレインの製法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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